卒前総括講義 泌尿器科①

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1 卒前総括講義泌尿器科 解剖 生理 症候 検査 主要疾患 泌尿器科井川掌

2 医師国家試験泌尿器科出題傾向 解剖生理 症候 検査 排尿機能障害 : 前立腺肥大症 過活動膀胱 尿失禁 性機能障害 : 男性不妊症 勃起不全 感染症 : 非特異的尿路感染症 性感染症 尿路結石 尿路性器外傷 腎移植 各種手技 : 診察 検査 処置 手術 腫瘍 : 前立腺癌 腎癌 尿路上皮癌 精巣癌 その他

3 医師国家試験泌尿器科出題傾向 新作問題 : 108 回 腹腔鏡所見ー解剖 手術器具 排尿関連 : 頻度 尿量記録 器具 ( 採尿 カテーテル 質問票 ) 109 回 疾患の組み合わせ : 尿路結石ー感染症 尿路性器癌ー各種合併症 新規治療薬 : 前立腺癌 腎癌 前立腺肥大症 新規手術法 : ロボット支援手術 110 回 110 回

4 後腹膜腔 後腹膜臓器 腹腔 腹腔内臓器

5 腎の位置 1 ポイント : 他臓器との位置関係

6 下大静脈 腹部大動脈 腹腔動脈 副腎静脈 腎静脈 性腺静脈 腎動脈 上腸間膜動脈 下腸間膜動脈 総腸骨動脈 外腸骨静脈 外腸骨動脈 内腸骨静脈 内腸骨動脈

7 右副腎 右副腎静脈 左副腎静脈 上腸間膜動脈 下大静脈

8 生理的狭窄部位 腎尿管区分 腎盂尿管移行部 壁内尿管 尿管膀胱移行部

9 尿管口 内尿道口 前部尿道 精阜 ポイント : 尿道の部位と疾患の関係 球部尿道 括約筋部尿道

10 男性生殖器 (male genital organ) 内生殖器 外生殖器 精巣 (testis) 精巣上体 (epididymis) 精管 (ductus deference) 精嚢 (seminal vesicles) 前立腺 (prostate) 陰茎 (penis) 陰嚢 (scrotum)

11 ポイント : 性路の走行 位置関係 各臓器の構造 機能 精巣の機能勃起機能 機序

12 精巣 (Testis) 精子形成 FSH 精細管 Leydig 細胞 ( テストステロン産生 LH)

13 前立腺 (Prostate gland) TZ: Transitional zone( 移行領域 ) 前立腺癌 前立腺肥大症 前立腺炎 PZ: Peripheral zone( 辺縁領域 ) CZ: Central zone( 中心領域 ) Fm: Anterior Fibromuscular Stroma

14 尿の性状の異常 血尿 尿路からの出血 ( 赤血球 ) 糸球体性 非糸球体性肉眼的 顕微鏡的 無症候性 膿尿 尿中の白血球出現尿路感染症 無菌性膿尿 蛋白尿 糸球体腎炎 ネフローゼ症候群 尿糖 糖尿病 腎性糖尿 気尿 糞尿 消化管との交通 乳び尿 フィラリア症

15 正常の排尿状態 1 日尿量 1000~1500ml 排尿の時間 10~30 秒 1 回排尿量 200~500ml 1 日排尿回数 昼間 4~5 回 夜間 0~1 回 痛みや不快感がない 30 分 ~1 時間は我慢できる 尿意がなくとも早めに出して備えることができる

16 尿量あるいは排尿の異常 排尿困難 遷延性 ぜん延性排尿 尿閉 膀胱から尿が出せない 頻尿 1 日 8 回以上の排尿 夜間頻尿 就寝中に 1 回以上排尿のために起きる 残尿感 排尿後の症状 尿失禁 思いがけない尿漏れ 尿意切迫感 排尿をこらえきれない 国試的に想起する疾患 : 前立腺肥大症 過活動膀胱 尿失禁 神経因性膀胱

17 下部尿路症状 Lower Urinary Tract Symptom (LUTS) 蓄尿症状 尿意切迫 頻尿 夜間頻尿 尿失禁 排尿後症状 : 残尿感 排尿後尿滴下 排尿症状 尿勢低下 排尿困難 遷延性排尿 ぜん延性排尿 尿閉

18 尿失禁の種類 切迫性尿失禁 腹圧性尿失禁 機能性尿失禁 上記の混合型 溢流性尿失禁 真性尿失禁

19 痛み 排尿時痛 膀胱炎 尿道炎 前立腺炎 側腹部痛 腎疝痛 ( 尿路結石 ) 腎腫瘍 膀胱部痛 膀胱結石 膀胱炎 会陰部痛 前立腺炎 尿道痛 尿道炎 陰嚢痛 急性陰嚢症 ( 精巣捻転 精巣上体炎 ) 精索静脈瘤

20 発熱 尿路感染症 急性腎盂腎炎 急性前立腺炎 急性精巣上体炎 尿路結核 悪性腫瘍 ( 腎細胞癌 ) 発熱との絡みで出題される UTI は急性腎盂腎炎 特に結石性! ついで急性前立腺炎 急性精巣上体炎の順

21 腫瘤触知 腫大 上腹部 側腹部 腎 副腎 腎癌 副腎癌 水腎症 多発性嚢胞腎 下腹部膀胱尿閉 尿膜管腫瘍 鼠径部 外陰部 精巣 リンパ節陰嚢内容陰茎 尿道 停留精巣 リンパ節転移 ヘルニア 精巣癌 陰嚢水腫 精巣上体炎 陰茎癌 尖圭コンジローマ 尿道カルンケル

22 性機能 性腺機能 精液の異常 性機能障害 性欲 勃起 性交 射精 オーガズムのいずれかが障害されたもの 勃起障害 (Erectile Dysfunction: ED): 正常な性交を行うのに十分な勃起が得られない キーワート : 危険因子 PDE5 阻害薬 前立腺全摘術 逆行性射精 : 射精感とオーガズムはあるが 精液の射出が見られない 血精液症 膿精液症 : 悪性腫瘍 尿路感染症 男性不妊 (Male infertility): 結婚後通常の性交渉があり避妊なくして 1-2 年以上挙児が得られない

23 セルフアセスメント ED に関して正しいのはどれか a. 勃起が得られない状態が 3 回あれば ED と診断できる b. プロスタグランジン E1 は ED 診断薬として保険収載されている c. 前立腺肥大症による ED は腺腫の神経圧迫が原因である d. 硝酸製剤を投与中の ED 患者には慎重投与で PDE5 阻害薬を使用できる e. 心因性 ED には PDE5 阻害薬が第 1 選択である

24 泌尿器科的診察 CVA 叩打痛 : 腎盂腎炎 尿路結石 直腸診 ( 前立腺触診 ) クルミ大 弾性軟 表面平滑 硬結なし 圧痛なし 陰嚢の透光性 : 陰嚢水腫

25 検尿 尿沈渣 試験紙法 採尿 : 中間尿またはカテーテル尿 遠心 :1500 回転 5 分間 検鏡 :400 倍

26 逆行性腎盂造影 内視鏡を用いてカテーテルを経膀胱的に尿管内に挿入し 造影剤を注入する方法 腎盂 尿管腫瘍や X 線陰性結石など

27 尿道膀胱造影 適応 : 尿道狭窄 前立腺肥大症 尿道損傷排尿時膀胱尿道造影 : 後部尿道弁 VUR

28 超音波診断装置 ( エコー )

29

30 前立腺の観察とサイズの計測 Trans rectal ultra-sonography (TRUS) Prostate Volume = π/6 abc

31 残尿測定 RU volume; ½ x abc

32 セルフアセスメント 画像診断について正しいものを選べ a. 単純 CT は腎腫瘤の質的評価には不要である b. 褐色細胞腫は T1 強調画像で高信号を呈する c. 磁性体でなければ金属を身に着けていても MRI 検査は安全に施行できる d. 血液透析患者であったため CT でなく MRI による造影検査を行った e. 前立腺癌は T2 強調画像で低信号拡散強調画像で高信号を呈する

33 排尿機能障害 尿路結石 尿路感染症

34 弛緩 収縮 収縮 弛緩 A. 蓄尿期 B. 排尿期 この協調運動は 3 つの神経 ( 交感 副交感 体性 ) で調節されている 排尿障害 何らかの原因でこれらの協調運動が障害された状態

35 N

36 排尿障害の症状 ( 下部尿路症状 ) とは? 尿をためること ( 蓄尿 ) の障害 尿を出すこと ( 排尿 ) の障害 蓄尿症状 : 尿失禁 頻尿 排尿後症状 排尿症状 尿が漏れる残尿感尿が出にくい ( 排尿困難 ) トイレに間に合わない排尿後尿滴下尿の勢いが弱い排尿回数が多い ( 頻尿 ) 排尿に時間がかかる

37 神経因性膀胱 排尿を調節する神経が何らかの原因で障害された結果 種々の排尿機能異常をきたした状態 排尿調節に関与する神経 骨盤神経 下腹神経 陰部神経 原因疾患 糖尿病 脊損 脳血管疾患 神経変性疾患 骨盤内手術など 症状 排尿困難 頻尿 尿失禁 尿路感染症 検査 検尿 腎 膀胱エコー 膀胱造影 尿流動態検査 治療 薬物療法 ( 抗コリン剤 コリン作動薬 α 遮断薬 ) 理学的治療 ( 膀胱訓練 骨盤底筋体操 ) 間歇的自己導尿

38 泌尿器科的に主に問題となる下部尿路機能障害 過活動膀胱 (Overactive Bladder: OAB) 低活動膀胱 (Underactive Bladder) 尿失禁 (Urinary Incontinence) 下部尿路閉塞性疾患 前立腺肥大症 尿道狭窄など

39 排尿状態の評価と手順 問診 ( 既往歴 内服薬 生活背景 ) 検尿 尿沈渣 排尿状態の把握 ( 症状スコア :IPSS, OABSS 排尿日誌など ) 排尿状態の客観的評価 ( 検査 )

40 評価のための検査など 尿流量測定 (Uroflowmetry) Urodynamic Study ( 尿流動態検査 ) 残尿測定 前立腺の評価 ( 男性の場合 ) その他 : 各種画像など

41 0~7 点 : 軽症 8~19 点 : 中等症 20~35 点 : 重症

42 診断基準として質問 3 が 2 点以上かつトータルスコア 3 点以上 重症度 0~5 点 : 軽症 6~11 点 : 中等症 12 点以上 : 重症

43 109 回 E 高齢者における夜間多尿夜間多尿指数 : 夜間尿量 /24 時間尿量 >0.33 ( 若年者 <0.2) 880/2010=43.8%

44 過活動膀胱 (Overactive Bladder: OAB) 蓄尿症状を主症状とし 通常頻尿および夜間頻尿を伴う 切迫性尿失禁の有無は問わない 尿意切迫感 : 急におこる我慢できない尿意のこと 基本病態は排尿筋 ( 膀胱 ) の不随意収縮 ( 排尿筋過活動 ) 原因として 神経因性 ( 脳血管疾患 神経変性疾患など ) 非神経因性 ( 特発性 前立腺肥大症等 ) 治療は薬物療法 ( 抗コリン薬 ) と行動療法が主体

45 基本評価 1( 必須 ) 自覚症状の問診 OABSS 病歴 服薬歴 水分摂取習慣 身体理学的所見 神経学的所見 検尿 残尿測定 基本評価 2( 症例により選択 ) その他の症状質問票 (IPSS, CLSS 等 ) 排尿日誌 尿細菌検査 超音波検査 血清クレアチニン PSA 台上診 直腸診 40 歳以上の男性 喫煙 有害物質暴露 放射線治療歴

46 OAB の治療法 行動療法 薬物療法 その他

47 OAB の治療法 1. 行動療法 OAB に対する初期治療の第一選択として行われるべき治療のひとつである 1) 生活指導 ( 体重減少 運動療法 食事 飲水指導 便秘治療 ) 2) 計画療法 ( 膀胱訓練 定時排尿 排尿促進法 ) 3) 理学療法 ( 骨盤底筋訓練 バイオフィードバック訓練 ) 4) 行動療法統合プログラム 2. 薬物療法 OAB 治療の中で根幹をなすものである 1) 抗コリン薬 2)β 3 作動薬 3) その他 ( フラボキサート 抗うつ薬 漢方薬 ボツリヌス毒素 カプサイシンなど ) 3.Neuromodulation( 神経変調療法 ) 膀胱 尿道機能を支配する末梢神経を種々の方法で刺激し 神経機能変調により膀 胱 尿道機能の調整を図る治療法である 1) 電気刺激療法 2) 磁気刺激療法 3) 神経刺激療法 ( 仙髄 脛骨神経 ): 本邦未承認 4. 外科的治療法 BPH に対する外科治療 尿失禁に対するスリング手術 膀胱拡大術

48 過活動膀胱の薬物治療 抗コリン薬 β3 受容体作動薬 その他の薬剤 ポイント : 副作用 男性の場合 BPH の存在

49 尿失禁の種類 高齢者に多い尿失禁は病態によって以下のタイプに分けられます 切迫性尿失禁 原因が蓄尿障害にあるもの原因が尿排出障害にあるもの 腹圧性尿失禁機能性尿失禁上記の混合型溢流性尿失禁

50 切迫性尿失禁 蓄尿時に膀胱が無意識のうちに収縮し 尿がしたくなるとがまんできずにもれる 原因 尿路感染 膀胱炎 膀胱結石 膀胱腫瘍膀胱の過活動 脳血管疾患 パーキンソン病などの神経疾患 脊髄疾患 前立腺肥大症加齢による膀胱の変化

51 腹圧性尿失禁 セキやくしゃみ 重いものを持つなど 腹圧がかかるときに尿がもれる 原因 骨盤底の筋肉の弛緩 膀胱下垂 多産 便秘 肥満尿道括約筋の障害 神経疾患 前立腺手術後など

52 尿失禁の評価 1 排尿 尿失禁記録 2 パッドテスト 3 その他 レントゲン検査 膀胱造影 チェーン膀胱造影 膀胱 尿道機能検査 検尿 尿培養 ( 尿路感染のチェック ) 超音波検査 ( 腎臓 膀胱 残尿の有無 ) 婦人科的な診察 検査

53 下部尿路機能障害 ( 蓄尿障害 ) の治療 管理 薬物療法 ( 抗コリン薬 ) OAB 行動療法 膀胱訓練 OAB 切迫性尿失禁 骨盤底筋体操 腹圧性尿失禁 OAB 切迫性尿失禁 排尿誘導 腹圧排尿指導 低活動膀胱 Neuromoduration( 電気 磁気刺激 ) OAB 間欠導尿 ( 在宅自己導尿 ) 低活動膀胱 カテーテル留置 手術療法 腹圧性尿失禁 : TOT 手術 合併疾患に対する治療 参考 :β3 作動薬

54 セルフアセスメント 過活動膀胱 (OAB) 治療薬としての抗コリン薬に関して正しいのはどれか a. 前立腺肥大症を有する OAB には第一選択薬である b. 認知機能障害に注意が必要である c. 残尿量のモニタリングが必要である d. 閉塞隅角緑内障患者にも使用が推奨できる e. β3 受容体作動薬に比較して有効性が高い

55 尿排出障害の原因 膀胱の収縮力の低下 ( 低活動膀胱 ) 糖尿病 脊椎管狭窄症 椎間板ヘルニア 骨盤内手術 ( 直腸 子宮 ) 尿道の通りが悪くなる ( 下部尿路通過障害 ) 前立腺肥大症 前立腺がん 尿道狭窄 膀胱頚部硬化症

56 低活動膀胱 排尿時の膀胱収縮が障害された状態 このために主に排尿症状を呈する 原因 : 骨盤内手術 ; 広汎子宮全摘 Miles 手術 自律神経症 : 糖尿病 ギラン バレー症候群 整形疾患 ; 腰部脊柱管狭窄症 椎間板ヘルニア 所見 : 最大尿流率低下 排尿筋圧低下 一般に残尿量が多い 治療 : 間欠導尿や薬物療法 ( コリン作動薬 ) 行動療法

57 前立腺肥大症ではなぜ尿が出にくくなるの? 残尿の発生 さらに重症化すると腎不全に進行!!

58 前立腺肥大症の評価 自覚症状の程度 :IPSS, OABSS, 排尿日誌 前立腺の大きさ : 直腸診 エコー 排尿状態の評価 : 尿流量測定 残尿測定 PSA 検査 腎エコー 重症度を判定する 軽症中等症重症 各種治療へ

59 尿流量測定 ( ウロフロメトリ )

60 前立腺肥大症の治療 重症度 合併症の有無により治療法を選択する 薬物治療 軽症から中等症 手術治療 低侵襲手術 重症あるいは膀胱結石 腎不全や繰り返す血尿などの合併症を示すもの 他の理由で手術が受けられないとき

61 薬物治療 α1 ブロッカー 抗アンドロゲン剤 5α 還元酵素阻害薬 テストステロンから DHT への変換を阻害 PDE-5 阻害薬尿道平滑筋弛緩など

62 手術治療

63 低侵襲手術 レーザー治療 (HoLEP) 温熱療法 高温度治療 バルーン拡張術

64 下部尿路機能障害の合併症 腎機能障害 2 次性膀胱尿管逆流症 萎縮膀胱 尿路感染症 尿路結石症 尿失禁に伴うQOL 低下 皮膚トラブル

65 105 回 I- 56

66 尿路結石症 Urolithiasis

67 結石の種類 リン酸マグネシウムアンモニウム Ca 含有結石 :86% Ca 含有結石 :58.8%

68 尿中結晶

69 結石を伴いやすい疾患 病態 尿路感染症 尿細管性アシドーシス ( 遠位型 ) 痛風 高尿酸血症 原発性副甲状腺機能亢進症 シスチン尿症 ビタミン D 中毒 海綿腎 Cushing 症候群 サルコイドーシス クローン病 高 Ca 血症 ( 悪性腫瘍 ) 薬剤性 ( ステロイド ダイアモックス Vit-D 製剤 )

70 症状 上部尿路結石 下部尿路結石 疼痛 ( 腰背部鈍痛 ~ 腎疝 膀胱刺激症状 ( 排尿時痛 痛 ) 残尿感 頻尿 ) 鼠径部や陰嚢への放散痛 排尿障害 ( 排尿困難 尿閉 や頻尿 残尿感などの膀胱尿線中断 ) 刺激による症状 ( 下部尿管 血尿結石 ) 膿尿 尿混濁 血尿 ( 多くは顕微鏡的 時に肉眼的 ) 腎盂腎炎を伴えば発熱

71 診断 尿検査 : 血尿の有無 尿路感染合併の有無尿中結晶を見ることがある 画像検査 超音波検査 : 水腎症の有無 strong echo acoustic shadow 全尿路単純写真 (KUB): 石灰化陰影 CT

72

73

74 膀胱結石

75 108 回 A 問題

76

77 保存的治療 経過観察 ( 自然排石を期待する ) 生活指導 : 飲水 運動 薬物療法 : NSAIDs 抗コリン 抗ムスカリン薬 ( チアトン ブスコパン ) 生薬 漢方薬 ( ウラシ ロカ シエキス 猪苓湯 ) α1 ブロッカー : 排石促進 再発予防 : クエン酸製剤 アロフ リノール チオフ ロニン

78 積極的治療 ( 上部尿路結石 ) 体外衝撃波砕石術 (ESWL) Extracorporeal shock wave lithotripsy 経皮的腎砕石術 (PNL) Percutaneous nephrolithotripsy 経尿道的尿管砕石術 (TUL) Transurethral ureterolithotripsy 開放手術 腎切石術 腎盂切石術 尿管切石術

79 尿管結石の積極的治療 積極的治療対象尿管結石 上部尿管 中部尿管 下部尿管 長径 10mm 未満 長径 10mm 以上 ESWL ESWL または TUL TUL

80 腎結石の積極的治療 TAP: PNL+TUL TUL assisted PNL

81 ESWL (Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy) 体外衝撃波砕石術 109 回 G 問題

82 経皮的腎砕石術 (PNL)

83 経尿道的砕石術 (TUL)

84 軟性腎盂 尿管鏡

85 f-tul ( 経尿道的結石破砕術 )

86 尿路性器感染症 Urinary Tract Infection (UTI)

87 尿路感染症の分類 2 発症 病状の経過 : 急性 or 慢性 一般に急性は症状が強い ( 発熱 痛み ) 基礎疾患の有無 : 単純性 or 複雑性基礎疾患 腫瘍 結石 異物 排尿障害など 感染経路の違い : 上行性 ( 逆行性 ) 血行性 リンパ行性など

88 尿路感染症の原因菌 急性単純性膀胱炎 MRSA1.6% 慢性膀胱炎 腸球菌 13.4% 腸球菌 19.9% 大腸菌 34.7% 大腸菌 58.9% 緑膿菌 4.9%

89 尿路感染症 ( 各論 1) 急性膀胱炎 ほとんどは単純性 女性に多い 排尿痛 頻尿 尿混濁 発熱はない原因菌は大腸菌が多い 慢性膀胱炎 多くが複雑性 ( 基礎疾患がある ) 原因菌に緑膿菌 腸球菌 MRSA など症状は急性ほど顕著でないことが多い 急性腎盂腎炎 発熱 腎部痛 ( 叩打痛 ) 輸液 点滴抗菌薬投与 慢性腎盂腎炎 多くが複雑性 ( 基礎疾患がある )

90 尿路感染症 ( 各論 2) 前立腺炎 急性細菌性 慢性細菌性 慢性非細菌性 症状 : 発熱 ( 急性 ) 排尿痛 頻尿 会陰部不快感など前立腺の圧痛 圧出液中の白血球治療 : 急性では点滴抗菌薬 輸液 慢性では経口抗菌薬など 尿道炎 淋菌性 非淋菌性 ( クラミジア ) 増加傾向 耐性菌の問題 急性精巣上体炎 陰嚢痛 発熱 ( 急性陰嚢症との鑑別 ) 精巣炎 ムンプスウイルス ( 男性不妊症との関連 )

91 画像検査 基礎疾患の検索 尿路感染症 (3) 検査検尿 尿沈渣 膿尿 細菌尿培養検査 尿 尿道分泌物 前立腺圧出液 原因菌の同定 抗菌薬感受性試験

92 尿路感染症 (4) 治療 感受性のある抗菌薬の投与 ( ペニシリン系 セフェム系 ニューキノロン系など ) 合併する症状に対する治療発熱 脱水 補液疼痛 消炎鎮痛剤排尿障害 α 遮断薬 再発性 難治性感染症 基礎疾患の治療

93 性感染症 (STI) 淋菌感染症 ( 尿道炎 咽頭炎など ) 性器クラミジア感染症尖圭コンジローマ梅毒性器ヘルペスウイルス感染症 HIV 感染症 /AIDS 感染症法に基づいた発生動向の調査対象 疥癬毛じらみ症膣トリコモナス症軟性下疳肝炎赤痢アメーバ

94 淋菌性尿道炎 クラミジア性尿道炎 潜伏期間 2~7 日 1-3 週間 尿道痛 排尿時痛一般に強い比較的軽度 尿道分泌物膿性漿液性 検査 治療 尿 分泌物グラム染色 G(-) 双球菌尿 PCR 法 セフェム系抗菌薬 ( セフトリアキソン ) 尿 PCR 法 マクロライド系抗菌薬 ( アシ スロマイシン ) 耐性化の問題 混合感染 20~30%

95 尿路結核 侵されやすい臓器 腎臓 膀胱 精巣上体 前立腺 症状 発熱 ( 不明熱 ) 全身倦怠 排尿痛 頻尿 腰痛など 検査所見 無菌性膿尿 チールニールセン染色 結核菌培養 ( 小川培地 ) PCR 法 腎石灰化 ( 漆喰腎 ) 治療 抗結核剤 (INAH, RFP, EB) 手術治療 ( 腎摘 尿路変更 )

96 セルフアセスメント 23 歳男性 3-4 日前より左陰嚢内容の痛みと腫脹を主訴に来院した 2 週間前に風俗嬢と性行為を行った 約 10 日前より尿道の掻痒感を自覚していたが 排尿時痛及び尿道分泌物は自覚なし 体温 36.2 診断と治療について適切なものを 3 つ選べ a. 尿沈渣検査 b. 初尿の淋菌 クラミジア PCR 検査 c. 陰嚢超音波検査 d. 手術での陰嚢内容の確認 e. 経口セフェム系抗菌薬 5 日間投与

206 年実施卒後教育プログラム ( 日泌総会 ) 領域等タイトル日時単位 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 8 日泌総会卒後 9 日泌総会卒後 0 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 5 日泌総会卒後 6

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