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1 構造工学論文集 Vol.55B (2010 年 3 月 ) 日本建築学会 連層耐震壁の中間階における枠梁のせん断強度に対する効果 EFFEC OF INNER BEAMS OF MULI-SORY SHEAR WALL ON IS SHEAR SRENGH 田内浩喜 *, 川崎愛 **, 中村聡宏 * ***, 勅使川原正臣日比野陽 ****, 市之瀬敏勝 *****, 福山洋 ****** ********, 神谷隆 Hiroki AUCHI, Manami KAWASAKI, Akihiro NAKAMURA, Masaomi ESHIGAWARA Yo HIBINO, oshikatsu ICHINOSE, Hiroshi FUKUYAMA and akashi KAMIYA At present, the minimum size of inner beams of multi-story shear wall is recommended by AIJ Standard for Calculation of Reinforced Concrete Structures. However, there have been demands in design of the walls to remove the inner beams so as to improve the construction efficiency and the livability. herefore, the authors conducted an experimental study to identify the effects of the inner beam sizes on the shear strength of the multi-story walls. he following conclusions were obtained from the test results: 1.he inner beams were effective to prevent the shear cracks across the beams: 2.he shear strengths could be estimated from the current design equations regardless the size of the beams: 3.he boundary columns are effective to restrain the extensions of the shear cracks. Keywords: Multi story shear wall, Shear strength, Inner beam, Flexure of boundary column 連層耐震壁, せん断強度, 枠梁, 枠柱のたわみ 1. はじめに鉄筋コンクリート造耐震壁の壁板は, 周囲を剛強なフレームで拘束することが鉄筋コンクリート構造計算規準 同解説 1) ( 以下, RC 規準 ) で推奨されている ( 表 1) しかしながら, 集合住宅等における戸境耐力壁の枠梁の省略は, 施工性, 居住性に優れているという点から居住者, 設計者, 施工者により強く望まれている RC 規準では, 表 1 に示す推奨条件の背景を以下 (1),(2) のように解説している (1) 壁板配筋が最小配筋比 (p s=0.25%) であっても, 壁板のせん断ひび割れ後の壁板の拡がりを防止する (2) 壁板のスリップ破壊, または斜め圧縮破壊まで水平せん断力に耐えることができる 表 1 に示す推奨条件は, 壁板のせん断ひび割れにより壁板のコンクリートが失う斜め引張力の全てを枠フレームで負担できるとしている すなわち,RC 規準による剛強な付帯フレームを有するせん断耐震壁の破壊形式は, 壁板のスリップ破壊を除けば, 壁板の斜め圧縮破壊となる 一方, 鉄筋コンクリート構造物の靭性保証型耐震設計指針 同解説 2) ( 以下, 靭性指針 ) では, 枠梁の大きさを規定していない しかし, その代替規定として層間のせん断力の伝達の確認を要求している 具体的には, 壁横筋, 梁筋, 床スラブ筋によ るトラス機構により当該階の設計せん断力を伝達できること, もし くはトラス機構に加えて連層アーチ機構を考慮して算定したせん断 強度が, 設計せん断力を上回っていることとしている 靭性指針 2) によると, せん断破壊時の壁板 ( 壁厚 (t w) 柱芯間距離 (l w)) のせん断応力度の上限は, 通常 0.25F c(f c : コンクリートの圧縮 強度 ) 程度であり,F c=30(n/mm 2 ) の場合,7.5(N/mm 2 ) となる このせ ん断ひび割れ応力度を発揮するためのアーチ機構 トラス機構によ るコンクリートの圧縮応力が最も厳しくなる壁脚部は通常剛強な基 礎梁および枠柱で拘束されているが, 中間階の枠梁の壁板に対する 拘束効果は明らかにされているとは言い難い そこで本研究では, 中間階の枠梁の大きさが連層耐震壁のせん断 強度に及ぼす影響を調べるために, 枠梁の有無をパラメータとした 連層耐震壁の実験を行い, 中間階における枠梁の効果を明らかにす ることを目的とする 表 1 付帯ラーメンの断面形状に関する推奨条件 柱及び梁の断面積 柱及び梁の最小径 st/2 以上 st /3 s: 壁板の短辺長さ t: 壁厚 以上, かつ 2t 以上 * 名古屋大学大学院環境学研究科大学院生 Graduate Student, Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University ** 名古屋大学工学部学部生 Undergraduate Student, he Department of echnology, Nagoya University *** 名古屋大学大学院環境学研究科教授 工博 ( 独立行政法人建築研究所客員研究員 ) Prof., Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University, Dr. Eng. (Visiting Research Engineer, Building Research Institute) **** 東京工業大学応用セラミックス研究所助教 博士 ( 工学 ) Assist. Prof., okyo Institute of echnology, Secure Materials Center, Dr. Eng. ***** 名古屋工業大学大学院工学研究科教授 工博 Prof., Nagoya Institute of echnology, Dr. Eng. ****** 独立行政法人建築研究所上席研究員 工博 Chief Research Engineer, Building Research Institute ******* 矢作建設工業株式会社 Yahagi Construction Co. Ltd.

2 実験概要 2.1 試験体概要試験体は,12 階鉄筋コンクリート造建物の下層部 4 層の耐震壁を対象とした 1/3 縮小モデルである パラメータは, 中間階の枠梁の大きさで,(a) 枠梁がない試験体 (NF 試験体 ),(b)rc 規準の定める表 1 の推奨条件を最低限満たす枠梁を設けた試験体 (SF 試験体 ),(c) 梁幅を柱幅まで大きくした試験体 (LF 試験体 ) の 3 体である 破壊形式は, いずれもせん断破壊先行型を想定している 試験体の寸法及び配筋の一例 (SF 試験体 ) を図 1, 梁断面詳細を図 2, 試験体配筋一覧を表 2 に示す 各試験体とも, 柱寸法は (mm), 壁厚は (mm), 柱芯間距離は 4000(mm) とし, シアスパン比は 0.97 とした 梁配筋は,RC 規準の最小配筋規定に基づいて決定した ただし,NF 試験体は SF 試験体と同主筋量としている 使用したコンクリート及び, 鉄筋の材料特性をそれぞれ表 3, 表 4 に示す 2.2 載荷方法載荷装置図を図 3 に示す 載荷方法は, 軸力一定条件下での片持ち梁形式の正負交番載荷とした 載荷には, 容量 4000(kN), ストローク ±(mm) の油圧式ジャッキを水平方向に 1 台, 鉛直方向には容量 4000(kN) の油圧式ジャッキを 2 台使用した 載荷方向は, 水平ジャッキが引く方向を正とする 軸力は, 片側柱に 515(kN) ずつ ( 柱断面の軸力比 η c=0.2(f c=28(n/mm 2 ) 時 )) 作用させた 載荷は, 試験体頂部の変形角制御とし, 変形角 ( 試験体頂部変形 / 試験体内法高さ (30mm))1/1350rad(1) 1/1000rad (1) 1/500rad(1) 1/250rad(2) 1/150rad(1) のサイクルとした 括弧内の数字は, 繰り返し回数を示している SF 試験体のみ -1/150rad 後続けて-1/100rad まで載荷を行った B 8-D25(SD490) 4-D22(SD490) A A' (a) SF 試験体配筋図 (c) B-B 断面図 B' 図 1 SF 試験体の寸法及び配筋 加力位置 柱帯筋 壁縦筋 横筋 柱帯筋 柱主筋 4-D22(SD490) 160 (b) A-A 断面図 柱主筋 8-D25(SD490) (d) 柱断面図 試験体 断面 b c D c (mm) 主筋 ( 主筋比 ) 表 2 試験体配筋一覧 柱梁壁板 帯筋 ( 帯筋比 ) 断面 b B D B (mm) 主筋 ( 主筋比 ) あばら筋 ( あばら筋比 ) NF - 4-D10 (SD345) - 8-D25, 2-D6@50 4-D10 (SD345) 2-D4@75 (SD295A) SF 4-D (SD295A) (0.9%) (0.23%) (SD490) (0.4%) 4-D13(SD345) 2-D4@50(SD295A) LF (6.2%) (0.9%) (0.18%) 壁厚 t w (mm) 壁縦横筋 ( 縦横筋比 ) P whe 枠柱の軸力 (kn) ( 軸力比 η c) p whe: 等価横補強筋比 ( 鉛直壁板断面に対する, 梁主筋 壁横筋を含む全横補強筋断面積の比 ) 2-D4 (SD295A) (0.23%) 0.50% 0.72% 1030 (0.2) 4-D10(SD345) 4-D10 (SD345) D4(SD295A)@ (a) NF 試験体 (b) SF 試験体 (c) LF 試験体 15 4-D13(SD345) D4(SD295A)@50 図 2 梁断面詳細図 ( 単位 (mm)) 40 表 3 コンクリート材料特性 試験体 使用階 弾性係数圧縮強度割裂強度 ( 10 4 N/mm 2 ) (N/mm 2 ) (N/mm 2 ) NF SF 1.2 階 階 LF 1.2 階 階 表 4 鉄筋材料特性 種別 弾性係数降伏強度引張強度使用部位表 3 ( 10 鉄筋材料特性 N/mm 2 ) (N/mm 2 ) (N/mm 2 ) D4 (SD295A) 壁筋 D4 (SD295A) あばら筋 D6 (SD295A) 帯筋 D10 (SD345) 梁主筋 D13 (SD345) 梁主筋 D22 (SD490) 柱主筋 D25 (SD490) 柱主筋 D4 断面積 :14(mm 2 )

3 515(kN) 軸力用油圧ジャッキ 負ふ 515(kN) 正 枠柱の曲げひび割れが多くなり, 頂部変形 15.3(mm), 変形角 1/250(rad) 時に最大耐力 2020(kN) に達した 最大耐力後,+1/250(rad) 時のひび割れ図を図 6(c) に示す 壁板のせん断ひび割れ幅は, 最大で 1.5(mm)(3 階壁板 ) となり, 他の 2 試験体と比較すると小さいものであった +1/250(rad)2 サイクル目の加力中,2 階壁板で水平方 向に大きなひび割れが生じた その後,+1/150(rad) 加力中に 2 階壁 板が水平方向に滑り, コンクリートが剥落した +1/150(rad) 時, 耐 水平力用油圧ジャッキ 力は 859(kN) まで低下していた ( 最大耐力の 42.5%) 図 3 載荷装置図 3. 実験結果図 4, 図 5, 図 6 に各試験体の頂部変形を用いた荷重 変形関係, ひび割れ図を示し, 図 8 には各試験体の最終破壊状況の写真を示す 各試験体の破壊形式は,NF SF 試験体は壁板の斜め圧縮破壊,LF 試験体は, 最大耐力経験後 2 階壁板で水平方向に大きなひび割れが生じ,2 階壁板のすべり破壊が卓越するものとなった 3 試験体とも, 柱主筋は降伏しておらず, せん断破壊となった 3.1 NF 試験体 +1/1350(rad) 加力中, 壁板全体にわたるせん断ひび割れが生じた 壁板に生じたせん断ひび割れは, 階をまたぐものがほとんどであった ( 図 4(b)) +1/150(rad) 加力中の頂部変形 17.6(mm)(1/217rad) で, 最大耐力 1788(kN) に達した 最大耐力後,+1/150(rad) におけるひび割れ図を図 4(c) に示す 壁板のせん断ひび割れ幅は, 最大で 3.0(mm)(3 階壁板 ) まで広がっていた 最大耐力経験後は, 耐力低下し,1 階壁板上部から 3 階梁位置にかけて広い範囲で壁板が圧壊し, コンクリートが剥落した +1/150(rad) 時,1233(kN) まで耐力は低下した ( 最大耐力の 68.9%) 3.2 SF 試験体 +1/1350(rad) 加力中, 壁板全体にわたるせん断ひび割れが生じた NF 試験体とは違い, 壁板に生じた初期のせん断ひび割れは, 枠梁により分断される傾向があった ( 図 5(b)) +1/1000(rad) 加力中, 引張側 4 階枠柱柱頭でせん断ひび割れが生じた -1/1000(rad) 時には, 4 階壁板から 3 階壁にわたり階をまたいだせん断ひび割れが生じた +1/250(rad)1 サイクル目の加力中, 頂部変形 13.9(mm)(1/270rad) で, 最大耐力 1822(kN) に達した 最大耐力経験後,+1/250(rad) 時のひび割れ図を図 5(c) に示す 壁板のせん断ひび割れ幅は, 最大で 2.5(mm)(4 階壁板 ) となった 最大耐力経験後, 壁板のせん断ひび割れが急激に増加し, 生じるせん断ひび割れは枠梁を貫くものがほとんどであった +1/250(rad)2 サイクル目の加力後,4 階壁板で圧壊しコンクリートが剥落した +1/150(rad) 時, 耐力は 1307(kN) まで低下した ( 最大耐力の 71.7%) SF 試験体のみ,-1/150(rad) 後そのまま-1/100(rad) まで載荷を続けた 3.3 LF 試験体 +1/1350(rad) 加力中, 壁全体にわたるせん断ひび割れ, 引張側 1 階枠柱には曲げひび割れが生じた SF 試験体と同様, 壁板に生じた初期のせん断ひび割れは, 枠梁により分断され各階ごとに生じる傾向があった ( 図 6(b)) +1/250(rad)1 サイクル目の加力中, 引張側 4 終局強度に関する評価式 終局耐力は, 靭性指針 2) に示されるせん断強度式 ((1) 式 ) により V u を, 文献 3) に示される修正荒川 mean 式 ((2)) 式により wsu の算 定を, 文献 3) に示される曲げ強度式 ((3)) 式を用いて, 曲げ強度時 のせん断強度 wmu の算定を行った 算定した終局耐力と実験値の比 較を表 5 に示す 最大耐力の評価に関しては, 枠梁の有無に関わら ず, 修正荒川 mean 式によりおおむね推定可能である 実験では, 枠梁を省略することで最大耐力は若干低下する結果が 得られた ここで,NF SF 試験体の等価横補強筋比 P whe が 0.50(%), LF 試験体の等価横補強筋比 P whe が 0.72(%) と LF 試験体のみ等価横 補強筋量が多い LF 試験体は,NF SF 試験体よりも等価横補強筋 量が増えたことによる NF 試験体からの耐力増加が考えられるため, (4) 式に示す方法で LF 試験体の最大耐力 max(lf) より NF 試験体から の等価横補強筋量の増分によるせん断耐力増分を引いたせん断力を max とし,NF 試験体の最大耐力 max(nf) との比較を行う 等価横補 強筋量の増分による耐力増加は, ここでは簡単に, 等価横補強筋に よる壁板のせん断強度への寄与分が修正荒川 mean 式 ((2) 式 ) の第 2 項と考え,LF 試験体と NF 試験体の (2) 式の第 2 項の差分とした こ の時,NF 試験体の最大耐力 max(nf) に対する SF 試験体の最大耐力 max(sf) と LF 試験体の max の比を α とし, 表 5 に示す 表 5 より, 3 試験体の壁板の等価横補強筋量を同一にした場合のせん断耐力の 増加率 α は最大でも 6% 程度の差であり, 実験結果と同様, 枠梁の 大きさが壁板のせん断強度にあまり大きな影響を与えないといえる Vu twlwb pssy cot tan (1 ) twlwa B / 2 (1) 記号の説明 算定法は, 文献 2) を参照のこと pte ( Fc 18) wsu 0.85 wh pwh te j M / D 0.12 記号の説明 算定法は, 文献 3) を参照のこと M (2) wu wmu (3) M a l 0.5a l 0.5Nl wu t y w w wy w w h: 加力点高さ (4150(mm)) 他の記号の説明は, 文献 3) を参照のこと ' max LF max 0.85 wh P whe( LF ) 0.85 wh P whe( NF ) t e j (4) P whe(nf),p whe(lf):nf,lf 試験体の等価横補強筋量 ( 表 2 参照のこと ) 表 5 実験結果と終局耐力計算値の比較 試験体 max max V α u max wsu max (kn) (kn) (kn) Vu (kn) wsu NF SF LF h wmu (kn) 3552

4 階をまたぐせん断ひび割れ 4 階壁板 4 階梁 3 階壁板 3 階梁 2 階壁板 2 階梁 1 階壁板 (b) ひび割れ図 (+1/1350) (c) ひび割れ図 (+1/150) (a) 荷重 変形関係 図 4 NF 試験体実験結果 各階ごとにせん断ひび割れ生じている 4 階壁板 4 階梁 3 階壁板 3 階梁 2 階壁板 2 階梁 1 階壁板 (b) ひび割れ図 (+1/1350) (c) ひび割れ図 (+1/250) (a) 荷重 変形関係 図 5 SF 試験体実験結果 各階ごとにせん断ひび割れ生じている 4 階壁板 4 階梁 3 階壁板 3 階梁 2 階壁板 2 階梁 1 階壁板 (b) ひび割れ図 (+1/1350 時 ) (c) ひび割れ図 (+1/250) (a) 荷重 変形関係 図 6 LF 試験体実験結果 (a) NF 試験体 (b) SF 試験体 (c) LF 試験体 図 7 最終破壊状況

5 5 枠柱の有無に関する考察 5.1 壁板に生じたひび割れ角度 壁板にせん断力が作用した時, 壁板には圧縮束 ( 斜め圧縮力 ) が 形成され, 作用せん断力に対し抵抗する ここで, ひび割れは主応力 と直交する力によって生じるため, 圧縮束を壁板の主応力と考える と, 壁板に生じたせん断ひび割れは, 壁板の斜め圧縮力が流れる力 の向きだと考えることができる そこで, この節では, 壁板のせん 断ひび割れ角度を比較し, 枠梁が壁板のせん断強度に与える影響を 検討する NF SF LF 試験体について, 正加力サイクル時に, 新たに壁 板に生じたせん断ひび割れ全てを対象とし, せん断ひび割れの鉛直 方向に対する角度を計測, それらを平均してサイクル時のひび割れ 角度 θ とした 1 本あたりのせん断ひび割れ角度を計測する際には, ひび割れに沿ういくつもの近似直線をひき, それらを平均して求め た 正加力時のせん断ひび割れ角度 θ と試験体頂部変形角関係を図 8 に示す 図 8 より,NF 試験体は, 変形角の増大とは関係なしに, せん断ひび割れ角度にあまり大きな変化は見られず, 約 42 度のひび 割れが壁板に生じていた SF 試験体は,NF 試験体に比べ変形角の 増大に伴い, ひび割れ角度に変化はあるが, 両者はほぼ同じ角度を 持つせん断ひび割れが壁板に生じた LF 試験体は, 最大耐力までは ひび割れ角度が増加する傾向が見られた 枠梁の有無で, せん断ひ び割れ角度 θ に大きな差はないが, 枠梁を有することでひび割れ角 度がわずかに水平方向に近づく傾向があり 4), 壁板の負担せん断力 が上昇すると考えられる 5.2 梁主筋の歪 梁主筋に添付した歪ゲージの位置を図 9 に示す 3 試験体の正加 力時における各階梁主筋の計測歪の平均値と加力サイクルとの関係 を図 10 に示す NF SF 試験体は,+1/333(rad) 時に降伏する梁主筋 が現れ, 壁板のせん断ひび割れが拡がる兆候があった LF 試験体は, +1/150(rad) 加力終了時においても降伏しているのは,2 階梁上端筋 は最大耐力を記録した加力サイクルのピーク θ 図 8 ひび割れ角度 部材角関係 図 9 梁主筋歪ゲージ添付位置図 だけであった LF 試験体の梁主筋の歪は,NF SF 試験体に比べて 小さかった これは, 試験体の等価横補強筋比 p whe, 梁主筋量の違 いによるものだと考えられる NF 試験体が 1774(kN) とほぼ最大耐 力,SF LF 試験体が最大耐力を記録した +1/250(rad)1 サイクル目の 壁板の平均せん断応力度 τ と等価横補強筋で抵抗することができる 最大の引張応力 p wheσ hy の値を表 6 に示す 壁板の平均せん断応力度 τ は, 作用せん断力 ( 各試験体の最大強度 ) を t w l w(t w: 壁厚,l w: 柱 芯間距離 ) で除したものである (τ=/t wl w) また,σ hy は, 梁主筋と壁 横筋の降伏強度を鉄筋量による重み付け平均より算出した横筋の降 伏強度 (N/mm 2 ) である LF 試験体は, 他の試験体よりも等価横補強 筋比 P whe が大きく, 梁主筋が多く配筋されているため, トラス機構 負担可能分が大きくなること, 梁主筋による壁板の拡がりを抑える 効果が大きかったと考えられる 全試験体に関して, 枠柱 ( 断面 (mm) (mm), 主筋比 6.2%) の拘束効果,NF SF 試験体では τ に対してトラス機構負担可能分が 3 割程度,LF 試験体では τ に対 してトラス機構負担可能分が 4 割程度であったことにより, 壁板の せん断ひび割れの拡がりは抑えられたと考えられる トラス機構負 担可能分以外の壁板のせん断応力度分 (τ-p wσ wy) に関しては,5.3 節の 枠柱のたわみで検討を行う 5.3 枠柱のたわみ +1/250(rad)1 サイクル目に各試験体の壁板は, 図 11 のように 3 階 梁断面中心位置 ( 試験体中央 ) を最大に膨らむ形となった この時 の各試験体の各階の梁断面中心位置の伸び量を表 7 に示す +1/250(rad)1 サイクル目の 3 階梁断面中心位置の伸び量 δ B3 は,NF SF 試験体で壁横筋の長さ (4100mm) に対して平均歪で 0.15%, 伸び量 で 6.15mm 程度 (LF 試験体は -1/250(rad)1 サイクル目で 5.3(mm), 横 筋の長さ (4100(mm)) に対して平均歪で 0.12(%)) であった 3 試験体 とも, 枠柱には無数のひび割れが生じていたが, 柱主筋は降伏して おらず枠柱は終局に至っていなかったと考えられる ここで, 各試 験体の +1/250(rad)1 サイクル目の枠柱のたわみに関して検討を行う せん断ひび割れ発生後の壁板の応力状態 ( 図 12(a)), 枠 柱の作用せん断力のモデル図 ( 図 12(b)) は,RC 規準 の付録 11 章 p.386 の側柱および側梁のせん断耐力に対す る算定の節に基づいている 壁板に生じるせん断力のう 表 6 各試験体のτと p whe σ hy τ p wheσ hy 試験体 (N/mm 2 ) (N/mm 2 ) NF SF 5.7 LF ち壁横筋によって負 担できない力 (τ-p wσ wy) が枠柱に分 布荷重 ω として作用 し, 梁筋による引き 1) (a) NF 試験体 (b) SF 試験体 (c) LF 試験体 図 10 梁主筋歪 正方向加力サイクル関係

6 戻し力 ( 引張力 ) が集中荷重 として各階の梁位置に作用する 枠柱に生じるせん断力 cs は,(τ-p wσ wy) が壁板から枠柱に分布荷重 ω として作用する力と梁主筋の引き戻し力 によって生じるせん断力 cs1 と外力 により枠柱に生じるせん断力 cs2 の和によって, (5) 式に表される cs cs1 cs2 pwwy twh ' 3 cs1 2 t w D c cs2 2 記号は表 2 及び図 12 参照のこと また,3 階梁断面中心位置における枠柱のたわみ δ all は,(τ-p wσ wy) が壁板から枠柱に分布荷重 ω として作用した時のたわみ δ ω と梁主筋の引き戻し力 によって生じるたわみ δ との和によって,(6) 式に表される 図 12(a) の応力状態を仮定した場合の 3 階梁断面中心位置の壁板の伸び量 δ F は,3 階梁断面位置における枠柱のたわみの計算値 δ all の 2 倍となる ここで, 枠柱の断面 2 次モーメントは, 鉄筋を等価なコンクリート断面に置換した等価断面 2 次モーメント I e とする 1) all ( pwwy ) twh ' 384EI e h' 96EIe 3 E: コンクリートのヤング係数他の記号は図 12 参照のこと表 8 に枠柱に生じるせん断力 cs 及び δ all,δ F の計算結果と 3 階梁位置の枠柱のたわみの実験結果を示す 3 階梁断面中心位置の壁板の伸び量 δ F は, どの試験体においても計算値が実験値を 1.65 倍から 1.91 倍上回る結果となった 計算値が実験値を上回っているが, これは壁板の剛性の寄与分を考慮に入れていないためである 今回の実験に用いた枠柱 ( 断面 (mm) (mm), 主筋比 6.2(%)) は, 壁板のせん断ひび割れの拡がりを抑制し, 既往のせん断耐力評価式による強度の推定が可能であると考えられる 枠柱に作用する 600kN 以上のせん断力に対する抵抗機構は, 今後の課題としたい 6 まとめ本研究では, 連層耐震壁の枠梁の大きさをパラメータとした 3 体の試験体加力実験を行い, 壁筋の量 (0.23%) と梁主筋量 (0.9%) の制限下で以下の知見を得た 1) 枠梁を有することで, 初期に生じる壁板のせん断ひび割れは各階に分散する傾向がある 枠梁が無い場合には, 階をまたいだ連続したせん断ひび割れが生じる 2) 枠梁の有無に関係なく修正荒川 mean 式により, 終局耐力はおおむね推定可能である 3) 等価横補強筋量が同じであれば, せん断耐力は最大で 6(%) 程度低下する ただし, 枠梁が無いものは, 枠梁の大きさでそれほど大きなせん断耐力差はみられない 4) 枠梁が大きいとひび割れ角度は, 枠梁の大きさによりわずかに水平に近くなり, 壁板の負担せん断力に影響を及ぼす 5) 枠柱 ( 断面 (mm), 主筋比 6.2(%)) がある前提で, 梁主 4 (5) (6) 表 7 各階梁断面中心位置の伸び量 (+1/250(rad) 時 ) 筋を多く配筋した方が, 壁板の拡がりを抑制するには有効であ る 謝辞本研究は, 建築基準整備促進補助金事業の一環として行われたものである 関係各位に深く謝意を表します 参考文献 伸び量 (mm) 試験体 δ B2 δ B3 δ B4 NF SF LF δ B2: 2 階梁断面中心位置の梁の伸び量 δ B3: 3 階梁断面中心位置の梁の伸び量 δ B4: 4 階梁断面中心位置の梁の伸び量 (a) 壁板内の応力状態 τ: せん断応力度 (/t wl w)(n/mm 2 ) p h : 壁板内法高さ (mm) wσ wy: 壁横筋引張応力度 (N/mm 2 ) p w: 壁横筋比 ( 小数 ) σ wy: 壁横筋降伏応力度 (N/mm 2 ) : 梁主筋引張力 (N)(A b σ by) Ab: 梁主筋断面積 (mm 2 ) σby: 梁主筋降伏強度 (N/mm 2 ) 4 階梁断面中心位置伸び量 (δ B4) 3 階梁断面中心位置伸び量 (δ B3) 2 階梁断面中心位置伸び量 (δ B2) 図 11 +1/250(rad) 時の壁板の膨らみ cs1-cs2 cs1+cs2 (b) 枠柱モデル図 1) 日本建築学会 : 鉄筋コンクリート構造計算規準 同解説 許容応力度設計法,1999 2) 日本建築学会 : 鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針 同解説,1 3) 財団法人日本建築センター :7 年版建築物の構造関係技術基準解説書,7 4) 田内浩喜ほか : 連層耐震壁のせん断強度に対する枠梁の効果, 日本建築学会大会学術講演梗概集 ( 東北 )C-2( 構造 Ⅳ),pp ,9.8 ω 図 12 壁板内応力状態及び枠柱のモデル図 表 8 枠柱への作用せん断力及び枠柱のたわみ 枠柱の作用せん断力計算値 (kn) 枠柱のたわみ (mm) 計算値 枠柱 ω: 枠柱に壁板から作用する分布荷重 (N/mm) (ω=(τ-p wσ wy) t w) cs1:ω と によって生じる枠柱のせん断力 cs2: 外力 によって生じる枠柱のせん断力 実験結果 (δ B3) 試験体 cs1 cs2 cs δ ω δ δ all δ F NF SF LF δ w:(τ-p wσ wy) が壁板から枠柱に分布荷重 ω として作用した時に生じる 3 階梁断面中心位置の枠柱のたわみ δ : 梁主筋の引き戻し力 によって生じる 3 階梁断面中心位置の枠柱のたわみ δ all:3 階梁断面中心位置の枠柱のたわみ (δ w+δ ) δ F:3 階梁断面中心位置の壁板の伸び量

コンクリート工学年次論文集 Vol.32

コンクリート工学年次論文集 Vol.32 論文連層耐震壁のせん断強度に及ぼす枠柱の影響 田内浩喜 *1 中村聡宏 *1 勅使川原正臣 *2 *3 神谷隆 要旨 : 枠柱は, 連層耐震壁のせん断ひび割れの拡がりを抑制するために有効であると考えられているがその効果は明らかにされていない そこで, 連層耐震壁のせん断抵抗機構に及ぼす枠柱の影響を検証するために枠柱の有無と壁板の横筋量をパラメータとした実験を行い, 以下の知見を得た 1. 枠柱が無い場合には,

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