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1 水化学ロードマップ 2009 平成 21 年 6 月 ロードマップフォローアップ小委員会 ( 社 ) 日本原子力学会水化学部会

2 目次 1. はじめに 水化学ロードマップ策定の意義 水化学ロードマップ策定およびフォローアップの実施体制 水化学を取り巻く環境の変化 水化学ロードマップフォローアップの基本方針 水化学ロードマップ 安全基盤研究 構造材料の高信頼化 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和 配管減肉環境緩和 SG 長期信頼性確保 状態基準保全への支援 燃料の高信頼化 被覆管 部材の腐食 / 水素化吸収対策 燃料性能維持 (AOA 対策 ) 環境負荷低減 被ばく線源低減 環境 一般公衆への影響低減 基盤整備 水化学共通基盤技術 人 情報の整備 おわりに 9-1

3 1. はじめに原子力発電は我が国の基幹電源であり エネルギー安全保障や地球温暖化防止において大きな役割が期待されている しかしながら 我が国では立地の困難さもあり 当面は多くの新規プラント増設を望めない状況にある このため 既存軽水炉プラントを長期的に発電に供するための 高経年化対応 や これらの出力を向上させるための 軽水炉利用高度化 あるいは 燃料の燃焼度を高め 発電コストや放射性廃棄物の低減を目指す 燃料高度化 などの取り組みが本格化しつつある また これらを 国民のコンセンサスを得て 安全に実現するために 各分野において必要となる研究のロードマップが 2004 年度に策定された これらロードマップは 各々の目標を達成する観点から 取り組むべきテーマが網羅され 最適なアプローチを時間軸上に示したものであるが 軽水炉プラントで冷却材 中性子減速材として用いられている 水 と構造材料あるいは燃料との境界領域で生じる様々な事象 例えば 金属材料の腐食や腐食生成物の生成 移行 放射化などに係わる問題がテーマの中に多く含まれている また 金属材料が腐食した結果生じる腐食生成物は 燃料 機器の性能低下や被ばく線源の上昇 放射性廃棄物の増大などによって 障害となる可能性がある さらに 原子炉内で 水 が放射線分解して生成する酸化種が構造材料の腐食環境因子となる一方 これを抑制する観点から添加する薬剤が燃料の健全性や性能に影響を及ぼす可能性があるなど 軽水炉プラントでは 水 を介して燃料と構造材料が相互に影響を及ぼしあっているため 各々のロードマップが目指す目標を 効率的かつ調和的に実現するためには この領域を扱う水化学の貢献が欠かせない また これらの貢献は 既存軽水炉プラントのみならず 次世代型軽水炉の開発やその他照射下で水と金属材料とが接する原子力関連システムの設計 運転を支える基盤の一つになり得ると期待される この認識に立って ( 社 ) 日本原子力学会では ( 独 ) 原子力安全基盤機構からの請負により特別専門委員会を設置し 産官学の専門家による議論を通じ 2007 年度に 水化学ロードマップ ( 以下 第一次水化学ロードマップ ) を策定した 本 水化学ロードマップ 2009 は ( 社 ) 日本原子力学会水化学部会内に設置したロードマップフォローアップ小委員会 ( 委員長 : 勝村庸介東大教授 ) において その後の原子力発電を取り巻く状況の変化や新たな知見 経験を反映すると共に 関連する各ロードマップの動向を考慮して 第一次水化学ロードマップを見直したものである 1-1

4 2. 水化学ロードマップ策定の意義 2.1 策定の意義 (1) 水化学の役割発電用軽水炉プラントでは 炉心から取り出したエネルギーを輸送する媒体 ( 冷却材 ) および 中性子の減速材として水が用いられており 様々な温度条件 照射条件 沸騰 流動条件下で 構造材料や燃料被覆管などの金属材料と接しながら循環している これら金属材料と水の界面で生じる問題の調和的抑制あるいは解決に貢献し 発電用軽水炉プラントの安全性確保と公益性向上の同時達成に寄与することが水化学の使命である 構造材料 燃料と水化学との境界領域における諸課題を図 2-1 にまとめて示す 水化学は運用技術であるため プラントの構成 材料 プラント運用の違いなどの状況に応じて 合理的な対応策を提供することが出来る 一方 水化学に係わる事象は冷却材を介して通底しているため ある課題に対してこれを改善するための水化学技術が 別の課題に対しては逆に作用するケースもあり 常に様々な課題事象のメカニズム把握に努め これら相互のバランスを考慮した システム全体にとって最適な制御を目指す必要がある この観点から 水化学は 単に冷却材の水質維持のみを対象とするのではなく 燃料 構造材料との相互作用やその制御に用いる添加薬品 また その結果生成する腐食生成物の挙動などを対象としており これらに化学的基盤を与える分野全般を包括している プラント全体を視野に置いた最適な水化学管理を将来にわたって行っていくためには 常に研究開発を進め水化学関連技術を発展させていく必要がある 研究開発を進めるに当たっては 研究目標の明確化 既存技術の透明化を図ることで 大学 研究機関における水化学研究の活性化と効率化を図り 水化学の技術的な高度化のために新たなブレークスルーを生み出す努力が重要である また 設備 / 技術への貢献に加え 環境に対する影響の抑制も水化学の重要な課題のひとつである このような取り組みの成果は 国内の発電用軽水炉プラントに止まらず プラント運用技術 ( ソフトウェア ) として 海外 特に 拡大が著しいアジア地域の原子力発電の安全性 信頼性の向上に資するものと考えられ 我が国原子力産業の国際展開への寄与も期待される 一方 このように将来に向けて大きな可能性を有する水化学分野においても 近年 技術者 研究者の高齢化が進み 他の分野と同様に人材育成と技術の標準化が求められている (2) 水化学ロードマップの目的 これまで 水化学は設備 機器の腐食抑制 プラントの線量率低減 放射性廃棄物低減を通じて プラントの安全性 信頼性 経済性向上に貢献してきた 水化学の果たすべき基本的な役割は 今 2-1

5 燃料(放射線場後も変わらないが エネルギー確保と地球環境保護の観点から 発電用軽水炉プラントの高経年化対応 燃料高度化 軽水炉高度利用の推進を支援していく必要がある 例えば 燃料の高燃焼度化 長期運転サイクル ( 燃料高度化 ) や原子炉出力向上 ( 軽水炉利用高度化 ) によって 原子炉冷却材 ( 水 ) の放射線分解が促進され 構造材料や燃料被覆管に対する腐食環境が過酷化する また その結果発生した腐食生成物により 被ばくの増大や燃料性能の低下を招く方向となる 水化学ロードマップでは このような取り組みにおいて新たに生じうる課題を予見すると共に その事象を的確に把握し 効果的に対応するための研究の道筋について その基盤と成果の活用を含め時間軸上に示したものである 高経年化対応 燃料高度化 軽水炉高度利用の調和的実現に貢献していくためには 従来に増して 水化学分野における産官学および学協会の適切な役割分担と 燃料や構造材料など関連分野を含めた協力連携が不可欠であり 水化学ロードマップはそのためのコミュニケーションツールとして作成されたものである 覆管腐食 水素化食環境クラッド輸送腐射化原子炉冷却水 課題事象基礎現象基礎現象課題事象 ラジオリシス放射線分解 放射線分解生成物 O 2, H 2 O 2, etc. 境不純物 添加薬品 構腐温度 流れ 沸騰造食減材料)肉ク腐食生成物 ( クラッド ) 料放ラ性ッ能ド低付)下着放射化クラッド (AOA など課題事象 冷却材の浄化放射性廃棄物発生量増加 腐食環クラッド付着応力腐食割れ被被ばく増大燃図 2-1 構造材料 燃料と水化学の境界領域における諸課題 (3) 水化学ロードマップの成果の活用 水化学ロードマップに基づいて実施された研究成果は以下の活用を前提としている 2-2

6 1 既存発電用軽水炉プラントの高経年化対応 燃料高度化 利用高度化 および これらを支 える作業環境改善 ( 被ばく線量低減 ) 自然環境への負荷軽減 ( 放射性廃棄物の発生抑制 ) など水化学固有課題の調和的な解決に資する 2 上記 1のうち プラントの安全に係わる成果については アウトプットの一つとして規格 基準類の整備に反映していく また これら水化学関連の規格 基準類の整備に際しては プラントの維持管理 ( 評価 検査 補修 ) や 新検査制度 ( 評価指標 予防保全 ) に係わる規格基準類との連携を念頭に置く 3 革新的な技術成果については 我が国原子力産業の国際展開に繋げると共に 開発中の次 世代型軽水炉の設計に反映する 4 上記成果について 国際協力の観点から 原子力発電を推進する国々と情報交換し 水化 学研究の効率的な推進と活用を図る 特に 今後 大幅な増大が見込まれるアジア地域の原 子力発電の安全と定着を支援するために活用する 2.2 水化学ロードマップのフォローアップ第一次水化学ロードマップは 上記 2.1 で述べた背景の下 原子力発電プラントの安全性 信頼性の維持と経済性の向上に将来にわたって貢献するために 水化学の課題に対処していく必要があり 今後実施すべき施策の方向性について産官学が共通の認識を共有するため 2007 年度に作成された その後の原子力発電に対する社会の要求や情勢の変化に対応して 確実に必要な施策を実施 実現していくため また 関連する分野の取組と連携して実施していく必要から 今回 水化学ロードマップ 2009 としてフォローアップを行うこととした 水化学ロードマップ 2009 は 下記 3 点で構成され ニーズと課題達成のための具体策が示されるものである (1) 導入シナリオ : 研究開発が世の中に出ていく筋道とそのための関連施策を示したもの (2) 技術マップ : 技術課題を俯瞰し 重要技術を絞り込んだもの (3) ロードマップ : 求められる機能などの向上 進展を時間軸上にマイルストーンとして示したもの 2.3 産官学の役割分担 水化学ロードマップ 2009 では 第一次水化学ロードマップで示された産官学の役割分担につい 2-3

7 て検討を深めると共に 先行する高経年化対応技術戦略マップや燃料高度化技術戦略マップなどにおける理念との整合性や水化学技術の特徴を考慮し 原子力基本法の精神 すなわち a. 原子力の研究開発 利用の促進 ( エネルギー資源の確保 学術の進歩 産業の振興 ) をもって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与する b. 平和の目的に限り 安全の確保を旨として 民主的な運営の下に 自主的にこれを行うものとし その成果を公開し 進んで国際協力に資するものとする に則り 以下のように基本的考えを取りまとめた (1) 産業界 1 自らの事業の実施にあたり 安全性 信頼性 経済性の確保 向上に必要となる研究の立案 計画及び実施 2 その成果を活用した規格原案の作成 3 安全規制との関係における機器 設備等の安全性 信頼性 検査 運転管理等の妥当性を説明 或いは検証するために必要な研究の実施 (2) 国 官界 1 原子力発電の適切な育成と安全規制 2 我が国原子力産業の国際展開に対する支援 3 技術的に難易度が大きく かつ 必要資金が大きいなど 緊急かつ必要であるが困難が大きい研究への支援 4 安全規制の整備 運用に必要な技術的知見 ( データ 手法等 ) の取得 5 安全規制に必要な技術基盤を構築すること等を目的とする安全研究の企画及び実施 6 安全研究の成果の規制制度 規制基準への反映 (3) 学術界 1 現象の解明と基礎工学に関する研究開発知識ベースの提供と検証 2 基礎 基盤となる知識ベースの蓄積とそれに基づく先見的 潜在的な課題の発見 3 基礎研究を支える人材の育成 (4) 学協会 1 学術 技術の健全な発展と透明性のある議論の場の提供 2 ロードマップの策定等を通じた安全基盤研究の企画 評価への参画 2-4

8 3 安全規制制度 基準等安全確保のあり方 規格基準の体系的整備等に関する提案 4 研究成果 各種知識ベース等を活用した学協会規格等標準の策定 5 分野間横断的な規格基準の整備における学協会間の協力 連携 2-5

9 3. 水化学ロードマップ策定およびフォローアップの実施体制水化学ロードマップは ( 社 ) 日本原子力学会水化学部会に設置されたロードマップフォローアップ (RMFU) 小委員会 ( 委員長 : 勝村庸介東京大学教授 ) でフォローアップを行った フォローアップは 水化学 材料 燃料に係わる分野の専門家が参加し 産業界 学術界 学協会および国 官界が一同に会して検討を行うものとした 被ばく線源低減および環境 公衆への影響低減に関する個別課題の検討に当たっては 水化学部会に設置されている被ばく 廃棄物低減小委員会と連携して行った また 先行して策定作業が行われている高経年化対応技術戦略マップおよび燃料高度化技術戦略マップの策定作業を行っている各機関と整合 連携を図りながら策定を行った 高経年化対応技術戦略マップ 水化学ロードマップ 燃料高度化技術戦略マップ 高経年化対応技術戦略マップ策定アドホック委員会 PLM 研究推進会議 PLM 総括検討会 経済産業省原子力安全 保安院高経年化対策強化基盤整備事業 整合 連携 ( 社 ) 日本原子力学会水化学部会ロードマップフォローアップ小委員会 課題別検討 総合調整 取り纏め 整合 連携 被ばく 廃棄物低減小委員会被ばく 廃棄物低減小委員会 ( 社 ) 日本原子力学会核燃料部会燃料高度化ロードマップ実行委員会 図 3-1 水化学ロードマップのフォローアップ実施体制 3-1

10 表 3-1 委員名簿 氏名 所属 委員長 勝村庸介 東京大学 委員 幹事 内田俊介 日本原子力開発研究機構 委員 梅原隆司 三菱重工業株式会社 委員 幹事 小野昇一 東京電力 ( 株 ) 委員 笠原和男 ニュクリアデベロップメント ( 株 ) 委員 門井英一 日本原子力発電 ( 株 ) 委員 河村浩孝 ( 財 ) 電力中央研究所 委員 鈴木達也 東京工業大学 委員 幹事 瀧口英樹 日本原子力発電 ( 株 ) 委員 幹事 塚田隆 日本原子力開発研究機構 委員 土内義浩 原子燃料工業 委員 仲田清智 荒井健作 原子力安全基盤機構 (~H21 年 3 月 ) 原子力安全基盤機構 (H21 年 4 月 ~) 委員 布施元正 日立 GEニュークリア エナジー 委員 中村年孝 関西電力 委員 前田克治 経済産業省原子力安全 保安院 委員 村上弘良 ( 社 ) 日本原子力学会 委員 山崎健治 ( 株 ) 東芝電力システム社 オブザーバー伊東賢一 オブザーバー垣内一雄 ( 株 ) グローバル ニュークリア フュエル ジャパン 原子燃料工業 3-2

11 4. 水化学を取り巻く環境の変化 水化学ロードマップのフォローアップに当たり 考慮すべき環境変化に関して 以下に記す 1 高経年化対応ロードマップのローリングと技術戦略マップの策定 高経年化対策の充実について(2005 年 8 月に発表 ) に則り JNES に設置された安全研究 WG において 高経年化対応技術戦略マップが策定され 毎年ローリングが行われている 水化学分野との連携が図られ 水化学ロードマップで抽出した諸課題の取り込みが行われている 2 燃料高度化ロードマップのローリングと技術戦略マップの策定 2006 年度より 日本原子力学会に 軽水炉燃料の高度化に必要な技術検討 特別専門委員会にてローリングが実施され 燃料高度化技術戦略マップ2007 が策定された 2008 年度からは 日本原子力学会核燃料部会 燃料高度化ロードマップ 実行委員会にて ローリングが継続されている 3 原子力安全 保安院 (NISA) 安全基盤小委員会にてロードマップの策定状況の報告 審議 基盤小委において 安全研究に関する策定中のロードマップの報告 審議が行われている 水化学ロードマップとそのフォローアップ状況についても報告を行った 第 9 回 (2008 年 6 月 22 日 ): 水化学ロードマップについて 第 10 回 (2008 年 12 月 26 日 ): 水化学ロードマップのフォローアップ状況について ロードマップの策定とローリング状況を審議する 安全基盤研究 WG の設置が承認された 4 ( 社 ) 日本原子力学会標準委員会システム安全専門部会に水化学分科会が設置 水化学管理指針 および 化学分析標準法 について 検討を行っている 5 NISA 高経年化対策強化基盤整備事業の実施茨城クラスタで実施されている 照射影響を考慮した炉内構造物のSCC 評価手法高度化研究 において 水化学に関連した研究が実施されている 6 次世代軽水炉開発 2030 年前後からの国内の代替炉建設需要をにらみ 世界標準を獲得し得る 革新性の高い次世代軽水炉開発を行うため 資源エネルギー庁の事業が 2008 年度より開始された 6 つのコアコンセプトの一つとして プラント寿命 80 年とメンテナンス時の被ばく線量の大幅低減を目指した 新材料と水化学の融合 が取り上げられている 7 新検査制度 ( 保全プログラム ) 導入 2009 年 1 月 1 日より施行された 事業者は点検時の経年劣化状況や過去のトラブルを踏まえ 保全活動の評価 改善を繰り返す (PDCA サイクルを回す ) ことが義務付けられ より適 4-1

12 切な点検方法を選び実施することになる 一方 国による事業者の点検方法 間隔に関する技術評価の妥当性を審査結果に基づき 適切な検査間隔を設定できるようになり 長期サイクル運転が可能となった 8 出力向上既存設備の改造等による原子炉施設利用 運用の高度化を通じ 原子炉熱出力を向上させ運転することが可能となり 欧米においては原子炉熱出力向上を行った原子力発電所が多数運転されている 我が国においても 出力向上が計画されている 9 ICRP2007 年勧告 2007 年 12 月に公表 放射線荷重係数 / 組織荷重係数の変更等はあるものの 1990 年勧告及びその後の勧告を基礎とした放射線防護制度に対して大幅な変更はない 10 国際協力国際的に原子力発電所建設の気運が高まっており 原子力ルネサンスと呼ばれる状況にあり とりわけ アジア地域において新規建設に向けた活動が活発化している 既に 水化学国際会議やアジア水化学シンポジウムを通じて国際交流を図ってきたが プラント建設や設備導入に対する貢献に加え 日本発の規格 標準化を参考にしてもらうなど プラントの水化学管理分野におけるソフト面での連携 サポートが更に重要となっている 4-2

13 5. 水化学ロードマップのフォローアップ基本方針 ( 社 ) 日本原子力学会水化学部会に設置されたロードマップフォローアップ小委員会において 産官学の参加により 平成 20 年 1 月から第一次ロードマップ ( 平成 19 年 2 月 ) のフォローアップを開始した フォローアップの基本的な考え方は 以下の通りである 1 第一次ロードマップで抽出 整理した課題分類等の基本構成等は変えない 2 11 の個別ロードマップについて その後の状況変化への対応を基本に 下記の観点から改訂する 現状分析の見直し 産官学の役割分担 = 責任分担 実施時期 期間 重点課題の設定 関連分野との連携第一次ロードマップ作成後 高経年化対応ロードマップと水化学との連携が進んでおり また 燃料高度化についても連携の模索が始まっている 一方 国 学会レベルにおいて ロードマップ同士の連携も検討され始めている ( 前章 1~3) このような状況からフォローアップにおいては 先行する技術戦略マップとの整合も考慮した 高経年化対策強化基盤整備事業や次世代軽水炉開発プロジェクトなど 水化学研究を実施していく上で重要な国プロが開始されたことも大きな状況変化であり 積極的に連携をとっていくべきと考えられる ( 前章 5 6) 以上の観点から 各個別ロードマップに 他分野との連携 を新たに記載した 新検査制度については 水化学技術が直接的に取り込まれる現状にはないが 今後の水化学研究課題を考えていく上で重要と考えられ 各個別ロードマップにおいて検討した ( 前章 7) 出力向上についても現実的な課題となっており 各個別ロードマップにおいて検討した ( 前章 8) 現在 日本原子力学会において 水化学管理指針 および 化学分析標準法 の検討が進められている 水化学に関わる研究成果のうち プラントの安全性確保に寄与するものは 規格基準類として整備することを基本方針とした この際 既存の規格 基準類との整合や水化学の視点を加えた体系化を念頭に置く 5-1

14 第一次水化学ロードマップ水化学ロードマップ 2009 戦略的シナリオ 背景と目的現状分析 目標 必要性 研究方針 産官学の役割分担 産官学の連携ロードマップ 必要性と目的 実現へのステップ 産官学の役割分担 ロードマップ 課題調査票 シナリオ 現状分析見直し 役割分担の考え方整合 マイルストーンの整合 水化学の位置づけ明確化 関連分野との連携 用語 定義の統一 導入シナリオ 定義 現状分析 研究方針 産官学の役割分担 産官学の連携技術マップ 項目分類 課題名 概要 実施時期 役割分担ロードマップ 課題調査票 図 5-1 フォローアップの基本方針 5-2

15 6. 水化学ロードマップ 2009 軽水炉の安全性 信頼性にかかわる重要課題の多くは 高温 高放射線環境下で構造材料あるいは燃料と 冷却材 減速材として用いられている水の境界領域で発生している 水化学は 各種構造材料と燃料が水を介して相互に影響を及ぼすプラントシステムを包括的に捉え 多様な課題や目標に対し 調和的な解決あるいは実現を目指す工学分野である 水化学は これまで線量低減 構成材料及び燃料健全性の維持 向上ならびに放射性廃棄物の低減等において重要な役割を果たしてきた 水化学は 接液するすべての構造 材料に影響を及ぼすと同時に その影響も受けるため 構造材料 燃料との三者間でトレードオフが問題となることが多い 諸課題への貢献に際しては 特定の課題にのみ偏ることなく プラント全体を俯瞰した最適な制御が求められる 図 6-1 に水化学ロードマップの導入シナリオ ( 全体 ) を 図 6-2 にロードマップを示す 水化学ロードマップでは 水化学による原子力発電プラントの安全性及び信頼性維持への貢献 を目標に 以下の達成を目指す 1 最適水化学制御による安全性 信頼性維持 被ばく線量低減 : 世界トップレベルの低い平均 ( 集団 ) 線量達成と革新的線源低減技術による低い平均 ( 集団 ) 線量維持 構造材の高信頼化 : 腐食環境の予知 計測による構造材料の信頼性向上および腐食環境緩和による寿命延長 燃料の高信頼化 : 燃料部材の腐食 / 水素化機構解明 性能低下防止 2 保全 利用高度化への寄与による公益性の向上 水化学指標による材料異常の早期検知および状態基準保全への寄与 3 水化学基準類の作成と普及による透明性の確保および人材育成と国際協力による人 的基盤の構築 上記目標を達成するため水化学ロードマップで検討すべき課題は 被ばく線源低減など水化学固有のものの他 構造材料や燃料被覆管 部材の腐食など多様である 水化学ロードマップ 2009 では 第一次ロードマップで抽出した個別課題を 安全基盤研究 と 基盤整備 に分類し 各々の位置づけを明確化した 同時に 個別課題について 技術戦略マップ ( 導入シナリオ 技術マップ ロードマップ ) にまとめ直し ( 人/ 情報の整備 を除く ) なお 第一次ロードマップに 6-1

16 おける SG クレビス環境緩和 と スケール クラッド付着抑制 の 2 課題は 今回のフォローアップの中で SG 長期信頼性確保 として長期的な観点から整理統合を行った 水化学の課題には 他分野と共通するものが多くある 構造材料や燃料に関しては 既にそれぞれの研究ロードマップが作成されており これらを考慮しつつ整合を図りながら見直しを行った また 水化学を取り巻く環境変化を踏まえ 水化学の特色であるハード面ばかりではなくソフト面からの課題見直しや 顕在化している課題ばかりではなく 高経年化 燃料高度化 軽水炉利用高度化などによる変化やこれらの複合がもたらす潜在的な課題について見直しを行った 図 6-3 に 水化学ロードマップ 2009 の個別課題と相関を示す 今回行ったフォローアップ結果 のポイントを以下にまとめて示す 1 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和 応力腐食割れ(SCC) 環境緩和 については 構造材料の経年劣化対策として短期的に対応すべき優先度の高い課題であることから 今回大きな改訂を行った 1) SCC は顕在化した経年劣化事象として 適切な保全プログラムの構築 適用が望まれており 今後は材料 応力に環境 ( 水化学 ) を加えた総合的なアプローチが重要である JSME 維持規格でも SCC 環境緩和の効果をプラント維持管理に見込めるスキームが示されているが 対象部位の SCC 環境を規定する方法が確立していないため 規制基準には取り込まれていない 従って 当面は以下を推進する SCC 環境評価手法 環境緩和技術の標準化 検証 JSME 維持規格と SCC 環境評価技術 環境緩和技術のリンクさせる仕組みの構築 関連分野のロードマップ 学協会間の協力 連携の促進 2) 今後 炉出力向上や燃料の高燃焼度化などの影響 ( 例えば冷却材の放射線分解など ) により SCC 環境が変化するため これらを先取りして 影響評価手法と環境緩和技術の高度化 整備を進める 炉内 SCC 環境 ( 放射線分解生成物の挙動 ) に関する基盤研究の推進 SCC 環境評価手法の高度化 3) 現状の SCC 環境緩和では 効果の及ぶ範囲が限られており 燃料健全性や被ばく線源上昇などへの影響を回避するため その効果が制約されるケースがある 副次影響が少なく 効果の高い新たな SCC 環境緩和技術の開発 検証 標準化を進める 6-2

17 2 配管減肉環境緩和現行の JSME 配管減肉管理においては 肉厚測定 余寿命評価 取替えがベースとなっているが 近年 冷却材の高 ph 化や酸素添加などの環境緩和が 配管減肉 特に 流動加速腐食 (FAC) の抑制に有効であること また 環境緩和効果が冷却材の流れ場と密接に関連していることが明らかになってきた 従って 環境緩和技術の標準化 検証を進めるとともに 将来の配管減肉予測評価手法の構築を通じて さらなる配管減肉管理の合理化に寄与する観点から 今後以下を推進する 配管減肉環境緩和技術の開発 標準化 検証 配管減肉メカニズムにおける水化学因子の定量化 ( 配管減肉予測評価への寄与 ) 関連分野のロードマップ 学協会間の協力 連携の模索 3SG 長期信頼性確保国内では 2000 年初頭までに旧型 (Alloy600MA 伝熱管 Drill 型管孔つき炭素鋼製管支持板 ) の蒸気発生器 (SG) から最新型 (Alloy690TT 伝熱管 BEC 型管孔つきステンレス鋼製管支持板 ) に取替えた結果 現状は SG 腐食問題は沈静化の様相を呈している しかし 特に SG2 次側の構造クレビス部における不純物の濃縮に伴う伝熱管腐食損傷の可能性が払拭されたわけではなく 長期的な観点から 今後 継続的にクレビス腐食環境を監視するとともに クレビス部での不純物濃縮を加速するスケール スラッジの付着防止や不純物管理の強化を推進する クレビス腐食環境監視技術の開発 適用 スケール スラッジの付着防止技術 除去技術の高度化 不純物管理の高度化 標準化 4 状態基準保全への支援新検査制度において 状態基準保全が取り入れられたが 現状は 主に 動的機器 制御盤 潤滑油が対象である 水化学管理は もともと冷却材の水質監視をベースに 腐食環境の視点からプラントの状態監視し これを適切なレベルに維持する活動であり この側面を高度化し 対象部位の材料 応力因子と合わせて評価することで 静的機器を含めた状態基準保全の実現を支援する このため 当面は以下を推進する 水化学管理システム ( エキスパートシステム ) オンラインモニタの高度化 腐食環境評価手法 腐食環境緩和技術の実証 ヘルスマネージメント技術の開発と適用 関連分野のロードマップ 学協会間の協力 連携の模索 6-3

18 5 燃料被覆管 部材の腐食 / 水素吸収防止対策および燃料性能維持 (AOA 対策 ) 現状 国内では明確に取り上げられていないが 軽水炉利用高度化 ( 出力向上 ) と燃料高度化 ( 高燃焼度燃料 長期サイクル ) を行った海外での経験から 将来 顕在化する可能性の高い課題が抽出された 今後 事象の解明や対策の構築などに先駆的に取り組む また 燃料 - 水相互作用に係わる効率的な検討を目的に 実炉照射に代わる試験技術 評価技術の確立を目指す これらを推進するため 今後 軽水炉利用高度化および燃料高度化等 関連分野のロードマップ 学協会間の協力 連携を模索していく 6 被ばく線源低減近年のわが国の 集団被ばく線量 は諸外国と比較して高く推移している 作業量が多いことが集団被ばく線量の差に現れているとの指摘があるが 諸外国でも線源低減の努力が継続されており 我が国においても現状に甘んじることなく 将来を見据えた適切な被ばく線源低減を推進する この取組みは 熟練技術者を確保し 高度な検査 点検作業によるプラントの信頼性向上 および 社会の原子力発電に対する安全 安心意識の醸成に貢献する観点からも重要である 今後 世界トップレベルの低い平均線量を達成するため 当面 (2016 年度 ) 2008 年度線量率の 30% 低減を目標とし その達成と中長期に渡り低い水準を維持していくための研究を推進する 7 環境 一般公衆への影響低減 より一層環境負荷の少ない発電プラントとするため 水化学管理に伴って副次的に発 生する放射性廃棄物低減や薬品による環境負荷低減のための課題をまとめた 8 水化学共通基盤技術 他の諸課題の取組みや産官学の役割分担を踏まえ 今後 整備すべき施設基盤を明確 化するとともに 産官学の役割分担を見直した 9 人 情報の整備今回のフォローアップは見送り 今後 関連ロードマップとの連携 協力を模索することとしたが 水化学共通基盤技術でのフォローアップ結果を受けて 学術界での研究基盤の確保に関する記載を加えた 6-4

19 水化学とは 軽水炉の安全性 信頼性にかかわる重要課題の多くは 高温 高放射線環境下で構造材料あるいは燃料と 冷却材 減速材として用いられている水の境界領域で発生している 水化学は 各種構造材料と燃料が水を介して相互に影響を及ぼすプラントシステムを包括的に捉え 多様な課題や目標に対し 調和的な解決あるいは実現を目指す工学分野である 研究の必要性と目標 水化学は これまで線量低減 構成材料及び燃料健全性の維持 向上ならびに放射性廃棄物の低減等において重要な役割を果たしてきた 水化学は 接液するすべての構造 材料に影響を及ぼすと同時に その影響も受けるため 構造材料 燃料の三者間でトレードオフが問題となることが多い 諸課題への貢献に際しては 特定の課題にのみ偏ることなく プラント全体を俯瞰した最適な制御が求められる 水化学による原子力発電プラントの安全性及び信頼性維持への貢献 を目標に 以下の達成を目指す 1 最適水化学制御による安全性 信頼性維持 被ばく線量低減 : 世界トップレベルの低い平均 ( 集団 ) 線量達成と革新的線源低減技術による低い平均 ( 集団 ) 線量維持 構造材の高信頼化 : 腐食環境の予知 計測による構造材料の信頼性向上および腐食環境緩和による寿命延長 燃料の高信頼化 : 燃料部材の腐食 / 水素化機構解明 性能低下防止 2 保全 利用高度化への寄与による公益性の向上 水化学指標による材料異常の早期検知および状態基準保全への寄与 3 水化学基準類の作成と普及による透明性の確保および人材育成と国際協力による人的基盤の構築 環境への影響抑制従事者の受ける被ばく線量の低減 放射性廃棄物発生量の抑制 安全性 信頼性の向上構造材健全性の向上燃料被覆管健全性の向上 産官学の役割分担 4 ターゲットの同時達成 1 産業界の役割ー安全性 信頼性 経済性の確保 向上のための研究推進ー規格原案の作成ー機器 設備の安全性 信頼性についての実証 2 国 官界の役割ー原子力の研究開発 利用促進による福祉と国民生活の水準向上ー国際協力 原子力産業の国際展開への支援ー困難が大きい研究への支援ー安全規制に係わるデータ整備 検証 規格基準類への反映 3 学術界の役割ー研究開発知識ベースの提供と検証 先見的 潜在的な課題の発見ー人材育成 4 学協会の役割ー議論の場の提供ー安全基盤研究の規格 評価ー学協会規格等標準類の策定ー学協会間の協力 連携 図 6-1 水化学ロードマップの全体像導入シナリオ 6-5

20 安全性 信頼性維持最適水化学制御 被ばく線量低減 構造材の高信頼化 燃料の高信頼化 公益性の向上保全 利用高度化への寄与 定検の期間短縮 間隔伸長による稼働率向上 出力向上 透明性の確保水化学民間規準の作成 改訂と普及 人的基盤の構築人材育成 / 国際協力 '07 第 I 期 '12 第 II 期 '17 第 III 期 '22 第 IV 期 世界トップレベルの低い平均 ( 集団 ) 線量達成 革新的線源低減技術開発により世界トップレベルの平均 ( 集団 ) 線量維持 構造材の信頼性向上 ( 腐食環境の予知 計測 ) 構造材の寿命延長 ( 腐食環境緩和 ) 燃料部材の腐食 / 水素化機構解明 性能低下防止 水化学指標による材料異常の早期検知 安全実績指標 PI への水化学指標の取入安全実績指標による定検間隔最適化 状態基準保全への寄与 水化学管理指針 水化学技術規格 教科書編纂 インターンシップ開催 サマースクール開催国際会議 シンポジウム開催 国際共同研究 施設共同利用 図 6-2 水化学に係わるロードマップ ( 全体 ) 6-6

21 水化学による原子力発電プラントの水化学による原子力発電プラントの安全性 信頼性維持への貢献安全性 信頼性維持への貢献 構造材料の高信頼化燃料の高信頼化環境負荷軽減 1. 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和 2. 配管減肉環境緩和 5. 被覆管 部材の腐食 / 水素化の抑制 6. 性能維持 (AOA 抑制 ) 7. 被ばく線源低減 ( 作業環境改善 ) SCC 環境評価手法 技術の標準化 検証 炉内 SCC 環境 ( 放射線分解性生物の挙動 ) に関する基盤研究の推進 SCC 環境評価手法の高度化 新たな SCC 環境緩和技術の開発 検証 標準化 3.SG 長期信頼性確保 配管減肉環境緩和技術の開発 標準化 検証 配管減肉メカニズムにおける水化学因子の定量化 ( 配管減肉予測評価への寄与 ) 腐食 / 水素吸収メカニズムの解明 腐食 / 水素吸収対策技術の開発 データや評価技術の検証 腐食 / 水素化予測法の確立 AOA 発生メカニズムの解明 AOA 抑制策の開発 データや評価技術の検証 既存線源低減技術高度化 革新的線源低減技術開発 水質変更の影響評価 8. 環境 一般公衆への影響低減 廃棄物発生量低減 水化学制御薬品無害化 系外放出抑制 クレビス腐食環境監視技術の開発 適用 スケール スラッジの付着防止技術 除去技術の高度化 不純物管理の高度化 標準化 4. 状態基準保全への支援 水化学管理システム オンラインモニタの高度化 腐食環境評価手法 腐食環境緩和技術の実証 ヘルスマネージメント技術の開発と適用 諸課題への取組みを支える基盤 9. 水化学共通基盤技術 10. 人 情報の整備 腐食環境評価 腐食メカニズム 酸化物 イオン種の付着 脱離メカニズム 人材育成 管理技術 分析技術 腐食緩和技術の標準化 関連分野 産官学の協力 国際協力 国際貢献 図 6-3 水化学ロードマップ 2009 で抽出された個別課題と相関 6-7

22 7. 安全基盤研究 7.1 構造材料の高信頼化 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和ステンレス鋼やニッケル基合金など軽水炉構造材料の応力腐食割れ (SCC) は 安全上重要な経年劣化事象の一つであり 経年劣化事象に関るトラブルの主原因となってきた SCC は 材料 応力 環境の各因子が重畳した場合に発生 進展すると言われており プラントを安全に長期間使うためには 設計 建設段階における材料選択 製作 施工方法と 運転開始後における検査 補修 取替を適切に行うと共に 長期にわたる運転期間中の SCC 環境を緩和し 構造材料の寿命を延伸することが重要である また SCC 環境の緩和は プラント維持管理 ( 検査 補修 取替 ) のさらなる適切化に貢献できる可能性があり これらを通じて原子力発電の安全性と公益性を同時に高めていくことが重要である さらに 今後 我が国において本格化が予想される燃料高度化 ( 高燃焼度化 長期運転サイクル ) や出力向上などにより 構造材料の SCC 環境が受ける変化を先取り ( 予測 評価 ) し 悪影響の可能性が予測される場合には それを回避 低減することも SCC 環境緩和の重要な役割である 一方 軽水炉は 同じ水が様々な温度条件 照射条件 沸騰 流動条件下で 構造材料や燃料被覆管などの金属材料と接しながら循環しているシステムであり 特定の部位や構造材料の SCC 環境緩和を行う際には その有効性評価と共に プラントに及ぼす影響を予測 評価することが重要である この SCC 環境緩和に関する現状 研究方針と課題 および 産官学の役割分担について以下に述べる (1) 現状分析 < 沸騰水型軽水炉 (BWR)> 原子炉で発生させた蒸気で直接タービンを駆動する BWR では 主に炉心で生成した放射線分解生成物の大部分が 酸素および水素ガスとして主蒸気に移行する この結果 BWR 原子炉水中には 数百 ppb 前後の酸化種が残存する ステンレス鋼やニッケル基合金の SCC 環境はこの酸化種によって支配されている この他の SCC の主要環境因子として 系外から持ち込まれるイオン不純物 ( 特にアニオン ) がある イオン不純物のうち SCC への影響の大きいとされる硫酸イオンを中心として 近年 管理の強化が図られており現状は問題のあるレベルにはないと考えられる 従って ここでは酸化種抑制の取り組みを中心に現状を分析する

23 1 従来の試料採取系を用いた分析では 酸化種として酸素のみしか検出されなかったため 主要 SCC 環境因子は酸素と考えられていたが 実際には 高温で分解しやすい過酸化水素の影響が大きいことがわかってきた 放射線分解生成物の蒸気相への移行 これら相互の反応による生成消滅 材料表面への拡散速度などにより 炉内におけるこれら酸化種の濃度分布 すなわち SCC 環境は一様ではない 2 一方 酸化種の SCC への影響度合いを示す指標として 現在広く用いられているのが 電気化学的腐食電位 (Electrochemical Corrosion Potential : ECP) である ECP は酸化種によって金属から奪われる電子の流れと電位の関係 ( カソード分極曲線 ) と 金属から腐食によって放出される金属イオンの流れと電位の関係 ( アノード分極曲線 ) の交点として定義され まさに 腐食が生じている時点で金属が示す電位であり SCC の発生や進展と密接に関係している また 高温でのその場測定が可能なセンサーも開発 実用化されているが その耐久性や精度の検証法は確立されていない また 実機では ECP を直接計測できる場所は限られている このため 直接計測が困難な部位については 放射線分解をシミュレートするラジオリシスモデルと それによって算出された酸化種の濃度と流動による拡散並びに金属材料との相互作用から ECP を算出する ECP モデルを併用して SCC 環境を推定する評価技術も開発 実用化されている 今後の燃料高度化や出力向上においては 水の放射線分解挙動 すなわち SCC 環境は 必然的に変化すると考えられるので その影響を予め評価しておくためにも これらモデル評価技術は重要である 3 国内 BWR では 1990 年代半ば以降 高経年プラントを中心に SCC 環境緩和策として 通常運転時に給水からの水素注入を行っている 水素注入は 給水から原子炉内に注入した水素を酸素や過酸化水素と反応させ水に戻すことで SCC 環境を緩和する技術であるが その効果は部位によって異なる 特に 原子炉上部では 水素がボイドに移行してしまうため 水素注入の効果が期待できない また 水素を一定濃度 ( 炉心入口濃度 0.4ppm) 以上注入すると 注入量に応じて 水分子中にある酸素 16O が中性子と反応して生じる 16N の主蒸気系への移行量が増加し 主蒸気配管の線量率が上昇してしまう これが水素注入の SCC 環境緩和効果とトレードオフになる 4 従来は 通常運転時のみを対象として水素注入を行ってきたが プラント起動時には 放射線 分解性生物の主蒸気への移行が少なく 温度も低いため 冷却材中の酸化種濃度が通常運 転中より高くなる また プラント停止中の開放点検 補修などにより持ち込まれる不純物イオ

24 ンも通常運転時より高いレベルになりやすい 更に 熱応力などにより構造材料に動的なひず みが加わるなど SCC 発生抑制の観点から環境改善の余地がある 5 上記 34の諸問題を改善するため 近年 主蒸気系線量率が上昇しない範囲の水素注入量で SCC 環境緩和効果を高める貴金属処理 (NMCA) SCC 発生抑制を目的とした起動時水素注入 水素を必要としない新たな SCC 緩和を目指す TiO2 処理 などの技術開発が進められ 一部実機に適用されている < 加圧水型軽水炉 (PWR)> 1 次系が液相単相 閉鎖系であるため 1 次冷却材の放射線分解による酸化種の生成を抑制するため BWR に比べ高濃度の水素注入が当初より行われてきた この結果 BWR のような高 ECP 下の SCC は 滞留した大気飽和水 ( 停止中 ) によるものだけであり その他の可能性は低いと考えられる 一方 このような低酸化性雰囲気の 1 次冷却材環境であっても Ni 基合金に SCC(PWSCC) が生じる 近年 この PWSCC の発生および進展速度の抑制の観点から 以下に示すように環境緩和の可能性が模索されている 1 PWSCC 環境緩和のための 1 次系溶存水素濃度の低減 a. 1 次系模擬環境下における低ひずみ速度引張試験 (SSRT) および定荷重試験結果 (RUB) から 溶存水素濃度を現在の管理幅 (25-35cc-STP/kg) より低める程 ニッケル基合金 ( インコネル 600MA) の PWSCC 感受性は低下し 破断時間が延びること また 溶存水素濃度を現在の管理幅より高めても PWSCC 感受性の低下や破断時間の延伸が生じないことが示されている b. 溶存水素濃度の低減に際しては 1 次冷却材の放射線分解により生成する酸化種の増大およびその影響が懸念されるが 現在の溶存水素濃度管理幅 (25-35cc-STP/kg) は 50 年以上も前の常温の実験に基づいて 1 次冷却材の放射線分解を抑制する観点から設定されたもので 最新のラジオリシスモデル解析および照射試験炉を用いた高温ループ試験の結果から 高温下ではかなり過剰 (1 桁程度 ) となっており 数 cc-stp/kg 程度までの低減では問題ないとの結果が得られている c. 実際に 仏では実プラントで溶存水素を 3cc-STP/kg 程度まで低下させ 酸化種の増加がなかったことが報告されている また 国内でも炉心近傍に ECP センサーを設置し 15cc-STP/kg 程度まで溶存水素を低下させ 放射線分解による酸化種生成が見られなかったことが報告されている

25 d. 一方 1 次系模擬環境下における応力腐食割れ進展速度試験において ニッケル基合金 ( インコネル 600MA) の PWSCC 進展速度は 現在の溶存水素濃度管理幅において極大値を示すことが報告されており 溶存水素濃度を現在より高める あるいは 低めることで PWSCC の進展を抑制できる可能性があるとの指摘もある e. 1 次冷却材の溶存水素濃度の低減は PWSCC 環境緩和技術として大きな可能性を秘めているが ニッケル基合金の PWSCC 緩和のみならず 燃料被覆管の腐食 水素化挙動 腐食生成物の移行 放射化挙動にも影響する可能性があり その適用に際しては 材料 燃料 水化学の分野横断的な協力の下 広範囲かつ詳細な調査 研究とフォローが必要と考えられる 2 高濃度亜鉛注入 a. 米国では ニッケル基合金の表面酸化皮膜の改良により PWSCC 発生を抑制するため 高濃度 (1 次冷却材中濃度 30ppb 以上 ) での亜鉛注入が既に数プラントで実施されており SG 伝熱管 ECT 結果の統計解析からその有効性が示されたとする報告が出ている b. 一方 燃料高度化や出力向上において 注入した亜鉛が燃料表面に付着し 燃料被覆管 部材の腐食 水素化や 軸方向の出力分布アノマリー (AOA) を加速するのではないかとの懸念も表明されており 十分な検討が必要と考えられる (2)SCC 環境緩和の研究方針述のように SCC 環境緩和はプラントの安全性確保 公益性向上に大きく貢献できるポテンシャルを有している しかし 現状は その有効性が広く認知されるに至っておらず また プラント維持管理 ( 点検 補修 取替 ) とのリンクも不十分である ( 社 ) 日本機械学会の 発電用原子力設備規格維持規格 には 既に 環境緩和の効果を取り入れた SCC 進展線図が示されているが 実プラントではこれに基づく維持管理の合理化には至っておらず その早期に実現を図ることが必要である 特に 予防保全としての SCC 環境緩和の効果を考慮した設備の点検 補修 取替の方法を 関連分野との協力の下 ガイドラインとして整備する必要がある また 今後 新検査制度における保全活動 あるいは 評価指標としての活用の観点からも SCC 環境緩和の検討を深めて行く必要がある このためには 以下に示す水化学技術の開発や高度化 ならびに 検証と標準化が必要と考えられる

26 1 SCC メカニズムの解明 SCC は 水化学環境因子と材料因子 応力因子などが複合する事象であり これを適切に制御するためには SCC のメカニズムを解明すること また メカニズムに基づいて水化学因子の効果 影響を定量化することが重要である 2 SCC 環境緩和技術の開発 検証 標準化 BWR では より SCC 抑制効果が高く 抑制範囲の広い SCC 環境緩和技術 (BWR) の開発と開発技術の標準化を進める また 現在適用されている SCC 環境緩和技術 および 今後開発される SCC 環境緩和技術の有効性や副作用について 各種試験や実機における関連データの採取 蓄積とその解析評価を行い 予防保全対策としての適用性 有効性を検証し プラント維持管理への反映を念頭に適用方法を標準化する PWR では PWSCC 環境緩和技術 (1 次系溶存水素濃度の低減 高濃度亜鉛注入の検討 ) の開発 実証を推進する この際 燃料の健全性 性能の維持 および被ばく 廃棄物低減の観点から より副作用の少ない 調和のとれた SCC 環境緩和技術を志向する 特に PWSCC 抑制のための溶存水素濃度最適値が 現在の保安規定記載の範囲を下回る場合には 有効性のみならず副作用を含む十分な検証を行う必要がある 3 炉内 SCC 環境計測手法 評価手法の高度化 検証 標準化 軽水炉内で SCC 環境は均一ではないため 着目する部位の SCC 環境を直接計測する技術を耐久性 精度の観点から高度化する また 実機では SCC 環境を計測できる場所は限られているので これを補う SCC 環境を評価する技術を高度化する さらに SCC 環境緩和効果をプラントの維持管理に取り入れるため 照射試験炉や実機においてこれら技術を検証し 標準化を行う (3) 産官学の役割分担の考え方 1 産業界の役割 炉内 SCC 環境評価手法 ( ラジオリシスモデル ECP モデル 計測技術 ) の開発 高度化 標準化 SCC 環境緩和技術の開発 高度化 標準化 SCC 発生 進展に及ぼす環境因子の影響に関するデータ整備 高精度化 予防保全工法ガイドライン (SCC 環境緩和 ) 案の作成

27 2 国 官界の役割 データや評価技術の検証 学協会基準のエンドース 規制基準の整備 施設基盤の整備 ( 照射試験炉 ) 3 学術界の役割 SCC メカニズム解明への支援 炉内 SCC 環境に関する基盤研究 (G 値 反応機構 速度定数 表面 隙間における照射影響など ) 環境モニタリングの基盤技術 ( 参照電極など ) 人材育成 4 学協会の役割 ロードマップ策定 ロードマップ間の連携 調整 規格基準の作成 精緻化 分野横断的取り組みの標準化における学協会間の連携 人的交流と育成 5 産官学の連携 SCC メカニズム解明 ( 環境因子の効果 影響 ) 炉内 SCC 環境に関する基盤研究 SCC 環境緩和に対応できる人材の育成 交流 (4) 関連分野との連携 関連分野における以下の取り組みにおいて 相互の係わりについて共通認識を深めると共に 共 通する課題への取り組みにおいて連携 協力を図り 効果的な推進と成果の有効活用を図る 1 高経年化対応 a. 高経年化対応技術戦略マップ 2008 における SCC 関連研究課題 運転中モニタリング : 炉内 SCC 環境評価手法の開発 高度化 標準化 SCC 保全技術 :SCC 環境緩和技術の開発 高度化 維持規格への反映 ステンレス鋼の IGSCC IASCC NiSCC/PWSCC の健全性評価 :

28 発生 進展データ整備 高精度化 データや評価技術の検証 規制基準の整備 ( 水の放射線分解 ) メカニズム解明 発生進展シミュレーション技術において SCC 環境の視点から協力 連携を図る b. 高経年化対策強化基盤整備事業茨城クラスター ( ) 応力腐食割れ評価手法の高度化に関する調査研究 : 炉内 SCC 環境に関する基盤研究として実施中の 放射線照射下腐食環境評価手法の高度化 放射線分解水質下の SCC 発生進展挙動評価法の高度化 において協力すると共に その成果を 下記 c. の照射試験炉による安全研究計画において活用する c. 軽水炉燃材料詳細健全性調査 軽水炉燃材料にかかわる安全研究に活用する目的で JMTR の改修 利用を計画中 照射下での BWR 炉内構造材料 SCC 試験と並行して 照射下 SCC 環境評価および計測手法の検証を目的とした照射下水質評価 ( 水化学試験 ) を計画中 必要に応じ PWR1 次系への拡張も考慮する予定 d. 高経年化対策強化基盤整備事業東北クラスター ( ) SCC き裂進展則の高精度化 SCC き裂進展理論モデルに基づく実構造部材を考慮した進展則評価の検討三次元き裂進展予測 SCC 初期き裂発生 進展メカニズムに関する微視的研究 SCC 支配因子の局在化過程表面健全性評価手法の開発 2 燃料高度化 a. 燃料高度化技術戦略マップ 本技術戦略マップでは取り組みが示されていないが 被覆管 部材の腐食 水素吸収および SCC 環境緩和 ( 水化学条件の変更 ) による水化学の変更について情報共有を図ると共に 必要に応じて 腐食メカニズムの検討および試験技術の開発で連携を図る 高燃焼度燃料の導入と長期運転サイクルへの移行に伴う SCC 環境の変化と 構造材料の健全性へ影響について情報を共有すると共に 必要に応じその影響評価と対策技術の開発において協力 連携を図る

29 3 原子炉出力向上 a. 軽水炉利用高度化ロードマップ 炉出力向上に伴う 炉内照射環境 熱流動条件の変化が SCC 環境の変化と 構造材料の健全性へ影響について情報を共有すると共に 必要に応じその影響評価と対策技術の開発において協力 連携を図る 図 および図 に応力腐食割れ (SCC) 環境緩和の概要 図 に導入シナリオ 表 および表 に技術マップ 図 にロードマップを示す

30 水素注入などの環境緩和技術により BWR 構造材料の SCC 発生 進展が抑制されることは広く知られており これまで実機適用や技術改良が進められてきた 導電率 <0.2mS/cm ECP 150mVSHE( 通常水質 NWC) ECP -100mVSHE( 水素注入 HWC) き裂進展速度の比 HWC/NWC=1/18 き裂進展速度 (mm/s) これからは その効果を取り込んだフレキシブルなプラント維持管理 ( 点検 補修 ) を実現することで プラントの安全性と公益性の両立に役立てることが重要 この観点から JSME 維持規格に SCC 環境緩和の効果が取り入れられたが 規制規格としてはエンドースされておらず データや評価技術の充実 検証が必要 K(MPa m) 鋭敏化 SUS304 の SCC 進展速度線図 (JSME 維持規格 ) BWR 炉内 SCC 環境と水素注入による緩和効果 ( 放射線分解モデルによる解析評価結果の例 ) [O 2 ] eff (ppb) 実機 BWR では SCC 環境が 主に 炉心部での炉水の放射線分解により形成されるため 炉内では不均一に分布する ( 左図 ) 水素注入などの SCC 環境緩和の効果も炉内部位によって異なる ( 中央図 右図 ) また SCC 環境を直接計測できる部位は限られている 通常水質 [H 2 ] 水素注入 給水 : 0.2 ppm [H 2 ] 水素注入 給水 : 0.4 ppm 実効酸素濃度 : [O 2 ] eff = [O 2 ] + 1/2 [H O ] 2 2 図 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和の概要 ( その 1) 実機炉内の SCC 環境を予測する評価技術は既に実用化されており 計測技術とあわせた標準化が進められている SCC 環境緩和とプラント維持管理をリンクさせるためには これらの検証と高度化が必要

31 BWR 水素注入は注入濃度に応じて SCC 環境緩和効果が高まるが 16 N が主蒸気に移行し線量率が上昇するため 効果を十分発揮させることができない ( 右図 ) ECP (V -SHE) 主蒸気系 (MS) 線量率 ( 任意スケール ) [O2 ] eff (ppb) 低濃度の水素注入で環境緩和効果を高める貴金属処理 (NMCA) が開発 適用されている ( 右図 ) 水素注入や NMCA の場合 沸騰により水素が蒸気中に移行する炉心上部では効果が期待できない 副次影響による制約が無く 有効性が大きく効果の及ぶ範囲がより広い 新たな SCC 環境緩和技術の開発 適用が必要 [O 2 ] eff NMCA ECP ECP [O 2 ] eff =[O 2 ]+1/2[H 2 O 2 ] 最適 [H 2 ] RW MS 線量率 [O 2 ] eff 目標 炉水中水素濃度 [H 2 ] RW (ppb) 水素注入による SCC 環境緩和と主蒸気系線量率上昇 cc H2/kg H2O 15 cc H2/kg H2O 5 cc H2/kg H2O PWR 一次系は液単相の閉鎖系のため 当初から高濃度の水素注入が行われ BWR ような活性溶解型の SCC は生じにくい水化学環境に管理されてきた このような環境下で 近年 ニッケル基合金に生じる応力腐食割れ (PWSCC) が課題となっており 冷却材中の溶存水素濃度と関係が指摘されている ( 左図 ) 破損試験片の割合 (%) x10 3 試験時間 (h) インコネル 600MA の PWSCC 発生時間に及ぼす溶存水素濃度の影響 (320 RUB 試験片 B 濃度 1200ppm Li 濃度 2.2ppm データを tanh で fitting ) 現在検討されている材料の耐食性強化や応力改善に加えて 水化学環境面からの SCC 緩和技術を開発し プラント維持管理とリンクさせていく必要がある 一次系水化学環境の変更は ニッケル基合金以外の構造材料の健全性 燃料の性能 健全性 被ばく線源に影響する可能性があり 総合的な開発 検証が必要 図 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和の概要 ( その 2)

32 SCC 環境緩和とは SCC の発生 進展を抑制し 構造材料を長期に亘り健全に使用するためには 材料自身の耐食性強化や材料に加わる応力の低減のみならず 材料が使用される環境 ( 高温水 ) を緩和することが重要であり 軽水炉の安全性と公益性を高める観点から この SCC 環境緩和を取り込んだ 科学的合理性のあるプラントの維持管理を確立する必要がある 軽水炉では 炉心部で発生する放射線により冷却材である水が分解して生じる酸素や過酸化水素などが主要環境因子となる これらの気相への移行や寿命の長短 材料表面への拡散速度などにより 炉内の SCC 環境は一様ではなく また 水素注入などの SCC 環境緩和効果も部位によって異なる さらに 今後の燃料高度化や出力向上においても 水の放射線分解挙動 すなわち SCC 環境が変化すると予想される 軽水炉では 同じ水が多様な材料 ( 構造材料 燃料被覆管 ) と接しており ある部位の構造材を対象に SCC 環境緩和を行う場合 他の材料の腐食や冷却材中の放射性核種の挙動に影響を及ぼす可能性がある SCC 環境緩和では 部位毎の効果と副次影響を的確に予測すること および 予防保全としての有効性を検証し プラント維持管理に適切に反映することが重要である 有効性検証 実機事例 / データ 適用 規格基準の構築 精緻化 SCC 機構解明 シミュレーション SCC 環境緩和技術の開発 高度化 SCC 環境評価技術の開発 高度化 SCC 環境計測技術の開発 高度化 基盤研究 応用研究を担う人材の育成 規制基準の整備学協会規格エンドース 検証 検証 検証 水の放射線分解と SCC 環境の調査 研究に必要な施設基盤の整備 現状分析産官学の役割分担 BWR では 既に水素注入や貴金属注入による SCC 環境緩和が実用化されているが 様々な制約から炉内全域で酸素や過酸化水素を十分抑制するには至っておらず 新たな緩和技術の開発も進められている 一方 PWR1 次系では放射線分解で生じる酸素や過酸化水素は高濃度の水素注入により炉内全域で十分抑制されており これまで SCC 環境因子として問題とならなかった しかし 最近 高濃度水素下でニッケル基合金の PWSCC が加速される事実が明らかとなり 水素濃度の見直しや新たな PWSCC 環境緩和技術へのニーズが高まっている JSME 維持規格において BWR における SCC 環境緩和の効果 ( 腐食電位の低減 ) を加味した SCC き裂進展評価が示されているが 現状 SCC 環境緩和効果は 点検頻度の適正化など実機の維持管理にはまだ反映されていない また PWR1 次系については SCC 環境緩和による予防保全効果そのものが取り込まれていない状況にある SCC 環境緩和を適切にプラントの維持管理に取り込むためには 先ず 材料 応力因子との関連において SCC 環境緩和効果の定量化をする必要があり 必要な実験データの取得とそれに立脚した SCC 発生 進展機構の解明が不可欠である また 実機炉内 SCC 環境 ( 腐食電位など ) を直接計測する手法の標準化や計測場所の制約を補う予測評価手法の標準化が喫緊の課題となっている 新たな SCC 環境緩和技術の開発や水素注入濃度の見直しに際しては 他の構造材料や燃料被覆管の腐食 腐食生成物の付着 被ばく線源の上昇などへの影響について予め評価しておくなど 原子炉をシステムとして捉えた幅広の検討が必要となる 研究方針 SCC 環境因子定量化の観点から SCC 発生 進展データの取得 蓄積を行い それに基づいて SCC 機構解明を推進する SCC 環境緩和技術の開発と SCC 抑制効果 副次影響の定量化 標準化を行う 炉内 SCC 環境の予測評価手法 計測手法の標準化高度化を行う SCC 環境緩和技術および SCC 環境予測 計測手法と 維持規格とのリンクにより 安全性と公益性を両立させるプラント維持管理の実現を図る 産官学の役割分担産官学の連携 1 産業界の役割 - 安全性 信頼性 経済性の確保向上を目的とした開発研究および基盤整備 2 国 官界の役割 - 安全規制における適切な行政判断に必要な安全研究 必要な基盤 ( 知識 人材 施設 制度 ) の整備 - 産学の安全に係わる研究と基盤整備に係わる支援 3 学術界の役割 - 知の蓄積と展開 ( 安全基盤研究の検証 ) - 研究を支える人材の育成 4 学協会の役割 - 規格基準化とその高度化に貢献 環境 ( 水化学 ) 因子に着目した SCC 発生進展データの整備 SCC メカニズム解明 炉内 SCC 環境予測評価技術 炉内 SCC 環境計測技術の開発 高度化 SCC 環境緩和技術の開発 ( 燃料 被ばくへの副次影響回避含む ) データや評価技術の検証 学協会企画のエンドース 規制基準の整備 施設基盤の整備 基盤研究にかかわる人材育成 規格基準の構築 精緻化支援 規格基準の精緻化 SCC 機構解明 ( 水化学因子の定量化 ) 基盤研究として産官共通のニーズがあり かつ 学の研究ポテンシャルを踏まえ産官学共同の効率的実施が必要 SCC 環境緩和技術の開発と SCC 抑制効果 副次影響の定量化 検証に係わる施設基盤軽水炉の SCC 環境は 水の放射線分解と深く係わっており 産学の協力の下 照射試験施設の整備やその運用など国家レベルの対応が必要 SCC 環境緩和研究に対応できる人材育成産官学の人的交流を図り SCC 環境緩和研究に対応できる幅広い能力を備えた人材を育成する 図 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和に係わる導入シナリオ

33 表 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和に係わる技術マップ ( その 1) 課題項目技術課題概要番号 炉内 SCC 環境評価手法の開発 高度化 標準化 ラジオリシスモデル 腐食電位 (ECP) モデルの標準化 高度化 実機環境モニタリング技術および SCC モニタリング評価技術の標準化 高度化 開発 1-1~2 1-1~2 炉水の放射線分解生成物と構造材料との相互作用をモデル化し 実測が困難な炉内 SCC 環境の分布や SCC 環境緩和技術の有効性を予測 評価する手法を標準化すると共にその高度化を行う SCC 環境緩和技術の有効性を検証するため また モデルによる予測 評価を裏付けるため 実機炉内の SCC 環境を直接計測するモニタリング技術を標準化すると共に その高度化や新たな技術の開発を行う 水素注入技術の改良 /BWR 1-3 水素注入量 (SCC 環境緩和効果 ) の増加に伴う主蒸気系線量率上昇の抑制 停止時被ばく線量の上昇抑制 NMCA 適用技術の改良 /BWR 1-3 炉心上部における SCC 環境緩和効果の拡大燃料健全性への影響抑制 停止時被ばく線量の上昇抑制 SCC 環境緩和技術の開発 高度化 一次系溶存水素濃度の低減 /PWR 1-4 IASCC PWSCC 抑制のための溶存水素濃度の最適化放射線分解抑制 燃料健全性維持 被ばく線源上昇の抑制 高濃度 Zn 注入 /PWR 1-5 高濃度亜鉛注入による PWSCC 抑制燃料健全性 性能 (AOA) への影響回避 新しい SCC 環境緩和技術の開発 ( 酸化チタン等水素注入代替技術 ) SCC 抑制効果が高く 副次影響が少ない環境緩和技術の開発 実機 SCC 環境評価および環境緩和効果の実証 1-1~2 実機一次系の各部において SCC 環境 ( 腐食電位など ) を計測し SCC 環境緩和技術の有効性 範囲を明確にするとともにラジオリシスモデル 腐食電位モデルの検証高度化に資する SCC 発生進展に及ぼす環境因子の影響に関するデータ整備 高精度化 SCC 発生 進展への水質の影響評価 累積照射量と SCC 環境緩和効果の評価 (IASCC) 1-7~ ~14 SCC の発生 進展挙動に及ぼす水化学因子の影響に係わるデータの拡充と高精度化 (HAZ 応力拡大係数 運転モード 荷重モード 照射影響との重畳効果を含む ) 炉内構造物や制御棒などにおいて 中性子フルエンスの増加が SCC 環境緩和技術の効果に及ぼす影響に関するデータの拡充 高精度化 中性子照射下や局所水質環境下での IASCC 特性評価 1-12 ~14 照射下での材料表面近傍 隙間内部 クラック先端などの局所水質が SCC 挙動に及ぼすデータの整備 軽水炉高度利用 燃料高度化の影響評価 1-15 出力向上 燃料の高燃焼度化が及ぼす SCC 環境の過酷化の程度の把握 SCC 挙動への影響に関するデータ整備 役割分担 ( 実施 / 資金 ) 産 / 産 産 / 産 産 / 産 産 / 産

34 表 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和に係わる技術マップ ( その 2) 項目技術課題 課題番号 概要 データや評価技術の検証 規制基準の整備 * SCC 環境評価技術 SCC 環境計測技術 および SCC 環境緩和技術の検証 1-7~14 学協会規格のデータや評価技術を検証し 規制基準としてエンドース 規制の高度化を図る 照射試験施設などの研究基盤整備 SCC 発生進展メカニズム解明とモデル構築 (IGSCC NiSCC, IASCC) 1-16 ~18 SCC 加速因子の抽出 ( 照射量 照射速度 起動 停止 K 変化率 表面加工 水の放射線分解など ) 下線は水化学に直接関連する因子 SCC 発生 進展モデルと予測技術の確立 SCC メカニズム解明 * 炉内 SCC 環境に関する基盤研究 1-19 高温水の放射線分解に係わる放射線化学的基盤 (G 値 反応速度定数など ) の整備 材料表面 隙間内部 き裂先端など局所における SCC 環境形成メカニズムと腐食反応の解明 精緻化 水化学環境が酸化皮膜物性を通じて SCC 挙動に及ぼす影響の解明 役割分担 ( 実施 / 資金 ) 官 / 官 産官学 / 産管学 産官学 / 産管学

35 年度 炉内 SCC 環境評価手法の開発 高度化 標準化 データや評価技術の検証 規制基準の整備 SCC 環境緩和技術の開発 高度化 SCC 発生進展に及ぼす環境因子の影響に関するデータ整備 高精度化 規格基準 規制規準への反映 SCC メカニズム解明 第 I 期 第 II 期第 III 期第 IV 期 年まで 初期原子力プラントの 50 年まで 初期原子力プラントの 60 年まで ラジオリシス ECP モデル標準化 高度化 モニタリング技術標準化 高度化 新技術開発 SCC 環境評価 計測技術の検証 照射試験を含む施設の整備 SCC 環境緩和技術の検証 DH 濃度低減 影響検討 /PWR 実証試験 実機適用 Zn 濃度最適化 影響検討 /PWR 実機適用 既存技術 ( 水素注入 NMCA) の改良 /BWR 新技術開発 /BWR 実証試験実機適用 実機 試験炉 SCC 環境評価 SCC 発生 進展への水質の影響評価 ( 実機事象との相関含む ) 累積照射量と SCC 環境緩和効果の評価 (IASCC) 中性子照射下や局所水質環境下での IASCC 特性評価 出力向上 長サイクル影響一次評価 対策検討実機展開 水化学管理指針 予防保全工法ガイドライン SCC 環境評価基準改訂 / 高度化 維持規格への反映規制基準への反映 改訂 / 高度化 改訂 / 高度化 SCC 環境緩和基準改訂 / 高度化改訂 / 高度化改訂 / 高度化 炉内 SCC 環境に関する基盤研究 SCC メカニズム研究 (SCC 発生 進展メカニズム解明とモデル構築 ) 図 応力腐食割れ (SCC) 環境緩和に係わるロードマップ

36 課題調査票 1-1 課題名 実機腐食環境評価及び環境緩和効果の実証 概要 ( 内容 ) 導入シナリオとの関 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) シュラウドや原子炉底部等を含めた原子炉一次系の腐食環境 ( 腐食電位 ) 測定を実施し 環境緩和効果を実証 評価して 腐食環境緩和策の有効範囲を明確化する また 試験炉での腐食環境評価を実施し ラジオリシスコードを高度化するとともに 管理 ( 測定 ) パラメータを明確化してより確度の高い腐食環境緩和策運用方法を定める 環境緩和効果の明確化 規格規準化 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 現行の原子炉構成材料の健全性評価ならびに点検頻度の設定は 維持規格や火原協ガイドライン等を参照して策定されている これらの規格規準には環境緩和策として HWC の進展線図があるものの HWC 線図の適用可否判断が示されていないことから HWC プラントにおいても NWC 環境を想定した健全性評価や点検頻度設定がされている また 環境緩和には SCC 進展速度の低減とともに SCC 発生寿命を延ばす効果があるものの これも評価に反映されていない 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 BWRにおいてはラジオリシスの影響で原子炉系の各部位において ( また 原子炉のタイプによって ) 腐食環境が異なること 及び腐食環境緩和策の効果が異なることが指摘されており 例えば 水素注入 (HWC) を適用した場合でもどの範囲まで有効であるかは一部の腐食電位の実測例を除き これまでラジオリシスコードの評価によっていた 腐食環境緩和策の有効な運用方法と有効範囲 ( 部位 ) は明確にし 規定する必要がある 環境緩和策の適切な運用方法の明確化 ( 規準化 ) 健全性評価の高精度化と点検頻度の合理化 実機の多様な部位における水質条件を測定及び評価する技術 第 I~III 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 SCC トラブルの低減及び点検頻度の合理化による被ばく低減に通じる - 特になし 特になし その他 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

37 課題調査票 1-2 課題名 実機腐食環境モニタリング技術及び SCC モニタリング / 評価技術の開発 概要 ( 内容 ) 試験炉 ( 可能ならば実機 ) における腐食環境モニタリングならびに SCC 挙動評価を行い オンラインモニタリングによるシュラウドや原子炉底部等を含めた原子炉一次系の多様な部位における腐食環境 ( 腐食電位 ) 評価ならびに SCC 発生寿命 SCC 進展評価技術を開発する 導入シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある 現状分析 モニタリング技術の開発と適用 環境緩和と劣化抑制の評価 実証 状態監視保全支援技術の開発 長期信頼性の確認 BWRにおいてはラジオリシスの影響で原子炉系の各部位において ( また 原子炉のタイプによって ) 腐食環境が異なること 及び腐食環境緩和策の効果が異なることが指摘されており 例えば 水素注入 (HWC) を適用した場合でもどの範囲まで有効であるかは一部の腐食電位の実測例を除き これまでラジオリシスコードの評価によっていた 腐食環境緩和策の有効な運用方法と有効範囲 ( 部位 ) は明確にし 規定する必要があるとともに 状態監視保全を今後展開してゆくにあたっては SCCの発生 進展 / 抑制状況を直接または間接的にモニタリングまたは評価する手法の確立が望まれる 原子炉一次系構成材料の健全性は 維持規格等の健全性評価手法ならびに計画的な点検によって評価されている 今後状態監視保全を導入する場合 SCC の発生寿命や進展 / 抑制の評価において 実機腐食環境のモニタリングと SCC 挙動モニタリング / 評価技術の開発が望まれる 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 ヘルスマネージメントと状態監視保全の支援 実機の多様な部位における腐食環境を測定及び評価する技術 実機の多様な部位におけるSCC 発生寿命や進展を測定または評価する技術 第 I~IV 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 SCC トラブルの低減及び点検頻度の合理化による被ばく低減に通じる - 特になし 特になし その他 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

38 課題調査票 1-3 課題名 新しい SCC 環境緩和技術の開発 概要 ( 内容 ) BWR 環境下での SCC 環境緩和技術として効果が高く 副次影響が比較的小さい新たな環境緩和技術の開発や評価 検討を行う 導入シナリオとの関連環境緩和効果の明確化 規格規準化 / 標準化 環境緩和技術の高度化 開発 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) BWR 環境下での SCC 環境緩和技術として水素注入ならびに貴金属注入 (NMCA) が導入されている これらは 運用によって高い効果が出るものの 主蒸気系線量率の上昇や一部では燃料健全性への影響等が報告されている また 水の放射線分解と再結合のバランスから原子炉内上部では効果が低いとされている 現状分析 現行の水素注入法による腐食電位低下方策は溶存酸素を著しく低下させる必要がある NMCA においても 水素電極条件の成立しない水質環境では腐食電位低減効果がない 近年では酸化チタンやヒドラジン注入等 代替水質の開発が進められているが これまでのところ実機に展開されている例はあまりない 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 より効果が高く 副次影響の少ない腐食電位低下策の実機への適用環境緩和策の適切な運用方法の明確化 ( 規準化 ) 新たなアイデアの実験室ベースでの開発から実機適用までのエンジニアリング, 実証第 I~IV 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 既存技術の高度化ならびに新技術の開発に当たっては 影響評価が必要 - 既存技術の高度化ならびに新技術の開発に当たっては 影響評価が必要 特になし その他 腐食電位低減技術 電気化学的 放射線化学的技術基盤 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

39 課題調査票 1-4 課題名 概要 ( 内容 ) PWR1 次冷却材の溶存水素低濃度管理 1 次系の溶存水素は水の放射線分解抑制を目的に添加されている この水素濃度によりニッケルの化学形態が変化するため被ばく線源に影響するが 1 次系構成材の PWSCC にも影響することが知られている ただし 下限値 (15cc/kg) を下回る低水素濃度 ( 低 DH) 管理の適用に関しては水の放射線分解抑制効果が維持されていることを確認する必要がある さらに燃料性能 健全性に及ぼす影響についても併せて許容範囲にあることを検証する必要がある 導入シナリオとの関連 環境緩和効果の明確化 規格規準化 / 標準化 環境緩和技術の高度化 開発 検証 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 1 次冷却材に溶存させている水素は水の放射線分解抑制が目的であるが ニッケル基合金の PWSCC 挙動に影響することが得られつつあり EPRI では進展速度に注目し 現状の上限値 (50cc/kg) を超える高 DH 管理を検討しているが PWSCC 発生時間が短縮する問題がある 一方 現状の下限値 (15cc/kg) を下回る低水素濃度側では 進展 発生両面の改善が期待できるが 水の放射線分解抑制の観点から数 cc/kg 程度が限界となる この範囲で実機温度近傍での長時間試験により PWSCC 抑制効果を実証する必要がある また 溶存水素濃度を増減させる場合には 被ばく線源上昇や燃料被覆管の腐食 水素吸収増あるいは AOA への影響を検証する必要がある 被ばく線源低減には低 DH 管理が有効であることが得られている また 現状の下限値 (15cc/kg) でも放射線分解抑制には十分とされているが 更に低濃度側についてより詳細な検討が必要と考えられる PWSCC 抑制により設備の信頼性向上に貢献できる PWSCC 抑制に関するデータを拡充するにはPWR 環境を模擬した高温 高圧水で長時間試験が必要である 第 I~IV 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 溶存水素低濃度管理に際しては 被ばく線源挙動への影響評価が必要 - 溶存水素低濃度管理に際しては 燃料被覆管 部材の腐食 水素化および AOA への影響評価が必要 特になし その他 高経年化対応 / 燃料高度化と連携して効率的に実施する必要がある * PWSCC(Primary Water Stress Corrosion Cracking)1 次側応力腐食割れ EPRI (Electric Power Research Institute) 米国電力研究所

40 課題調査票 1-5 課題名 PWR1 次冷却材への高濃度亜鉛注入 概要 ( 内容 ) PWR1 次系では 線源低減を目的とした低濃度注入と PWSCC 抑制を目的とした高濃度注入がある 低濃度注入は国内でも既に開始されているが 高濃度注入は PWSCC 抑制効果の確認や燃料被覆管への影響を検証する必要がある 導入シナリオとの関連 環境緩和効果の明確化 規格規準化 / 標準化 環境緩和技術の高度化 開発 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 高濃度注入に関しては燃料被覆管への影響を評価する必要があり 特に高出力炉心に対しては燃料表面へのクラッド付着による AOA 発生への懸念も併せて EPRI も検討が必要としている なお PWSCC 抑制効果については電力中央研究所にて試験を実施中である 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 低濃度亜鉛注入については国内外の実績から問題ないと考えられる 高出力炉心での高濃度亜鉛注入の妥当性については海外で確認中 高経年化と被ばく線源低減に対して対応可能となる 燃料被覆管の健全性評価のため海外情報の入手と国内プラント燃料モニタリングが必要 第 I~IV 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 既存技術の高度化ならびに新技術の開発に当たっては 影響評価が必要 - 既存技術の高度化ならびに新技術の開発に当たっては 影響評価が必要 特になし その他 高濃度亜鉛注入は PWR のみの課題 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある * PWSCC(Primary Water Stress Corrosion Cracking)1 次側応力腐食割れ AOA(Axial Offset Anomaly) 燃料の軸方向出力異常 EPRI (Electric Power Research Institute) 米国電力研究所

41 課題調査票 1-6 課題名 新しい SCC 環境緩和技術の開発 (PWR) 概要 ( 内容 ) 既に国内外のプラントで損傷事例が顕在化している 600 系合金に関して 実機温度条件下での PWSCC 感受性に関する溶存水素濃度依存性に関するデータを取得し 健全性評価ガイドラインの高精度化に反映する 導入シナリオとの関連 環境緩和効果の明確化 規格規準化 / 標準化 環境緩和技術の高度化 開発 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 米国の原子炉容器 (RV) 管台及び容器貫通部 (J 溶接部 ) のインコネル溶接部において また 国内でも RV 管台及び加圧器のインコネル溶接部において PWSCC が原因とされる漏洩事象が発生 現状分析 1 次冷却材中には水の放射線分解を抑制する目的で溶存水素が添加されており 通常は 30cc/kg H2O 近傍で運転されているが PWSCC 感受性には発生 進展ともに溶存水素濃度依存性があることが民間試験で知られており PWSCC 緩和に繋がるデータも取得されている 但し 大部分は温度加速条件で取得されたデータであり 実機温度条件での信頼性の高いデータが乏しい状況にある そこで 溶存水素濃度をパラメータした実機温度条件での SCC データを取得し PWSCC の溶存水素濃度依存性を評価し PWSCC 感受性緩和効果を信頼 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実機温度条件での600 系合金のPWSCCに関する溶存水素濃度依存性の明確化環境緩和策の適切な運用方法の明確化 ( 規準化 ) 温度加速を行わない実機温度条件下で信頼性の高い600 系合金のPWSCCに関するデータを拡充するためには PWR 環境を模擬した高温 高圧水環境下で8,000 時間以上の長時間試験が必要であり 長期間を要する 第 I~IV 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 実施機関 資金の出所資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大水化学 被ばく低減 と既存技術の高度化ならびに新技術の開発に当たっては 影響評価が必要 の関係 材料との関係燃料との関係出力向上との関係その他 - 既存技術の高度化ならびに新技術の開発に当たっては 影響評価が必要 特になし高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

42 課題調査票 1-7 課題名 概要 ( 内容 ) 導入シナリオとの関 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 ステンレス鋼の応力腐食割れ挙動評価 (BWR) 近年 原子力用低炭素ステンレス鋼の応力腐食割れ (SCC) が顕在化しており プラントの安全且つ合理的な運転を行うためには き裂進展挙動を適切に評価できる技術が望まれる 特に 実機水質条件を考慮したき裂進展挙動 低 K 値 高 K 値領域でのき裂進展挙動 低照射領域でのき裂進展挙動等のデータベースの拡充が望まれる 更に 水質条件や材料条件が異なる場合のき裂進展挙動の理解には き裂場における水化学 材料力学を考慮した機構論的解明が必要である 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 規格規準化 SCC き裂進展挙動評価のための線図が必要であるが 必ずしも十分なデータがない - 実機水質条件 (HWC 条件 起動 停止時を考慮した環境条件 ) - 溶接熱影響部を考慮した材料条件 (HAZ 部でのき裂進展挙動 ) - 低 K 値及び高 K 値領域でのき裂進展挙動 - 低照射量域でのき裂進展挙動 - 荷重モード き裂形状の影響 水質 材料条件を考慮したき裂進展挙動の機構論的説明が十分になされていない き裂進展速度データについては 民間にて幾つかのデータが採取されてきている 国 Pj にて 原子力用ステンレス鋼の SCC き裂進展データの拡充とき裂進展評価手法の妥当性検証のための試験が鋭意進められている 但し 上記課題を解決するには至っていない 精度の高いき裂進展評価により 評価の信頼性を高めると共に 過度な保守性を避けた評価が可能となり プラントの安全且つ合理的な運転が可能となる ( 機械学会維持規格の SCC 進展速度線図への反映 ) 信頼性のあるデータ取得には 実機条件( 水質 負荷モード ) の把握 長時間試験によるデータ取得が必要 実現象と機構論的な検討との有機的な融合が課題 第 I~II 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる - 特になし 特になし 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

43 課題調査票 1-8 課題名 ステンレス鋼の応力腐食割れ抑制 (BWR) 概要 ( 内容 ) BWR 炉内構造物及び配管各部のステンレス鋼における SCC 発生 進展挙動に及ぼす SCC 緩和水化学の影響を調査し SCC 予測評価技術の高精度化を図る このため 多様な水質条件における SCC 試験データの取得を行い 環境緩和の有効性を確認するとともに 炉水水化学の多様化 高度化に対応した SCC 評価規格 基準への反映を図る 導入シナリオとの関連 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 規格規準化 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 実機炉内及び配管各部では 水の放射線分解や SCC 緩和技術の影響 または 狭隘部等の存在 更には起動 停止時のトランジェント条件により 多様な水化学条件が想定される 水化学の観点からは 多様な水質条件の精度の高い評価が必要であり 水素注入や貴金属注入等による SCC 緩和技術が SCC 挙動をどの程度抑制するか 定量的に把握する必要がある 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 民間研究や国のプロジェクトにおいて BWR 炉水環境における SCC 進展速度データの取得が進められており 典型的な水質条件での SCC 進展速度データについてはデータベースが構築されつつある 一方 局所的な水質変動の影響や 高度化した炉水水化学環境に対応可能な より広い水質条件でのデータの充実が必要である また SCC 発生挙動と炉水水化学条件との関連も重要である 炉内構造物及び配管材料の多様な水質条件での SCC 寿命予測精度の向上 幅広い水質条件での予測 実機の多様な部位における水質条件を評価する技術 炉内水質高度化技術 SC C 試験において試験片近傍に多様な水質条件を実現する技術 第 I~II 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる - 特になし 特になし 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

44 課題調査票 1-9 課題名 ステンレス鋼の応力腐食割れ抑制 (PWR) 概要 ( 内容 ) 冷間加工を付与した SUS316 等の PWR 一次系環境下での SCC 感受性のデータ充実 主に 維持基準進展線図への反映を目指し 冷間加工ステンレス鋼の SCC 進展速度に及ぼす K 値 加工度 温度等の影響を把握する 導入シナリオとの関 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 規格規準化 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 従来 PWR 一次系環境下ではオーステナイト系ステンレス鋼は SCC 感受性を示さないとされてきたが BWR シュラウドの IGSCC 顕在化以降 PWR でも冷間加工により SUS 材が SCC 感受性を示すとの一部報告あり 現状分析 INSS 等で 進展速度に及ぼす種々の影響が検討されており ある程度傾向は判明しつつあるが 基準化に向けてはデータの充実が必要である 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 機械学会維持基準の SCC 進展速度線図 実機を想定した SCC 進展速度データ採取 第 I~II 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる - 特になし 特になし 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

45 課題調査票 1-10 課題名 ニッケル基合金の応力腐食割れ抑制 (BWR) 概要 ( 内容 ) BWR 炉心支持構造物及び圧力容器貫通部の溶接部などに用いられているニッケル基合金の SCC 発生 進展挙動を高精度に予測評価するため 多様な水質条件における SCC 発生 進展試験を可能とする試験技術の開発と試験データの取得を行う 導入シナリオとの関連 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 規格規準化 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 実機炉内の各部位では 水の放射線分解や SCC 緩和技術の影響または狭隘部の存在などにより 多様な水化学条件が想定される そのような多様な水質条件における SCC 発生 進展挙動を高精度に予測するには 水質を幅広く制御した条件で SCC 発生 進展試験を実施する必要がある 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課 実施時期 期間 実施機関 資金の出 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 JNES の研究プロジェクトや民間研究において BWR 炉水環境における SCC 進展速度データの取得が進められており 通常水質 (NWC) 及び水素注入水質 (HWC) を代表する典型的な水質条件での SCC 進展速度データについてはデータベースが構築されつつあるが より広い水質条件でのデータの充実が必要である また SCC 発生試験データについては 信頼性の高いデータが得られていない 多様な水質条件での SCC 発生 進展予測が可能となる 実機の多様な部位における水質条件を評価する技術 SCC 試験において試験片近傍に多様な水質条件を実現する技術 第 I~II 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる - 特になし 特になし 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

46 課題調査票 1-11 課題名 ニッケル基合金の応力腐食割れ抑制 (PWR/BWR) 概要 ( 内容 ) 炉心支持構造物及び圧力容器貫通部の溶接部などに用いられているニッケル基合金の SCC 発生 進展挙動における水質の影響を解明し 予測評価の高精度化と保全策の検討に資する 導入シナリオとの関 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) Ni 基合金の SCC 感受性は必ずしも Cr 欠乏層の存在等によって説明されているわけではない SCC 感受性改善材料の適用が進んでいるものの 長期的な SCC 発生感受性については評価の必要がある 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 Ni 基合金の SCC は PWR ならびに BWR のいずれにおいても報告されている しかしながら PWR/BWR の水質条件等の違いの関係は明確に説明されておらず 従って 水質の SCC に与える影響はメカニズムベースでは検討の余地がある 水質と SCC 感受性の関係をメカニズムベースで把握することにより 代替材 代替水質の検討や長期的 ( 潜在的 )SCC 感受性の評価が可能となる 機構論的な解明が必要である 第 I~II 期 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる 材料との関係燃料との関係出力向上との関係その他 - 特になし特になし高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

47 課題調査票 1-12 課題名 照射誘起応力腐食割れ (IASCC) 抑制 (BWR) 概要 ( 内容 ) BWR 炉内構造材のうち照射量の高い炉心シュラウド胴部 上部格子板 制御棒等のステンレス鋼における IASCC 発生 進展挙動に及ぼす SCC 緩和水化学の影響を調査し IASCC 予測評価の高精度化を図る そのための照射後 / 照射下試験技術の開発と試験データの取得を行う 導入シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 BWR では制御棒構成材料に IASCC が発生するとともに 照射量の高くなる構造材料での発生が懸念される 水環境側からの観点では バルク水のみならず隙間等での放射線分解の影響を受けた水質影響の評価が必要であり 水素注入や貴金属注入等による SCC 緩和技術が IASCC の発生 進展をどの程度抑制するか 材料の累積照射量の増加により抑制効果がどのように変化するか 定量的に把握する必要がある IASCC メカニズムの観点から隙間やき裂における局所水質の役割の解明が必要である IASCC について JNES の研究プロジェクトや民間及び研究機関において BWR 炉水環境における SCC 進展速度データの取得が進められており 典型的な水質条件での SCC 進展速度データについてはデータベースが構築されつつあるが 局所的な水質変動の影響を評価するために より広い水質条件でのデータの充実が必要である また IASCC 発生挙動については 信頼性の高いデータがほとんどない 炉内構造物の IASCC 寿命予測精度の向上 幅広い水質条件での予測 実機の多様な部位における水質条件を評価する技術 SCC 試験において試験片近傍に多様な水質条件を実現する技術 照射下水質評価技術 第 I~IV? 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 SCC トラブルの低減及び点検頻度の合理化による被ばく低減に通じる - 特になし 特になし その他 基盤技術として信頼性の高い SCC 発生試験法 腐食環境評価法の開発が必要 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

48 課題調査票 1-13 課題名 照射誘起応力腐食割れ (IASCC) 抑制 (PWR) 概要 ( 内容 ) PWR 炉内構造材のうち照射量の高く負荷応力の高いバッフルフォーマボルト等のステンレス鋼における IASCC 発生挙動に及ぼす水質影響を調査し IASCC 予測評価の高精度化を図る そのための照射後 / 照射下試験技術の開発と試験データの取得を行う 導入シナリオとの関連 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) PWR での IASCC 発生は温度 水質 ( 溶存水素濃度等 ) に依存する 将来的にレートアップによる放射線強度の増大 SCC 緩和水質としての水素低減化 反応度制御でのボロン リチウム濃度の変更等の運転条件の変更が実施された場合 ボルト首下部近傍の温度 水質が変化し さらにこれまで無視できるとされてきた放射線分解の影響を考慮した水質影響を考えることが必要となる可能性が高い IASCC メカニズムの観点から水質影響の解明が必要である 現状分析 IASCC の発生データは JNES プロジェクトや民間研究で蓄積されてきているが水環境に関しては温度の影響だけが検討されており 溶存水素 ボロン リチウムの濃度の影響の検討はほとんど行われていない また PWR 水質でのラジオリシスの検討やメカニズムの観点からの水質影響の検討も十分行われていない 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 炉内構造物の IASCC 寿命予測精度の向上 幅広い水質条件での予測 実機の多様な部位における水質条件を評価する技術 SCC 試験において試験片近傍に多様な水質条件を実現する技術 照射下水質評価技術 第 I~IV? 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 SCC トラブルの低減及び点検頻度の合理化による被ばく低減に通じる - 特になし 特になし 基盤技術として 放射線影響を含めた腐食環境評価技術の高度化 メカニズム解明が重要 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

49 課題調査票 1-14 課題名 照射誘起応力腐食割れ抑制 (PWR) 概要 ( 内容 ) PWR 環境下での IASCC メカニズムを明らかにするため IASCC 材料試験 ( 現有材, 代替材 ) データを取得 評価し PWR 炉内構造材料で IASCC が懸念されるバッフルフォーマボルト (BFB) の適切 合理的な点検 交換頻度の設定に資する 導入シナリオとの関連 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) IASCC は照射環境が及ぼす様々な影響 ( 材料の照射硬化, 誘起偏析, ラジオリシス, ラジカル, スウェリングなど ) が重畳し発生 進展するものと推定されるが メカニズムについては現状明確ではない このため 多方面で IASCC に関する研究が照射後試験を中心に進められているが 照射後試験に用いる材料の多くは実機想定部位よりも加速照射した材料が使われており また中性子がない実験室での試験であるため ラジオリシス, ラジカルの影響は考慮できない IASCC 劣化予測を精度良く評価するためには これらを踏まえたメカニズムの解明 現状分析 JNES プロジェクトや電力共通研究などで IASCC に関する試験は実施中であるが 上記のような 照射速度効果, ラジカルの影響など不確定要素が実機 IASCC 評価に与える影響は考慮できない 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 炉内構造物の IASCC 寿命予測精度の向上 メカニズム解明に資する照射後試験では模擬できないデータを取得できる試験方法の確立 中性子照射下試験の実施 照射速度効果の定量化 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 第 I~IV? 期 実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 SCC トラブルの低減及び点検頻度の合理化による被ばく低減に通じる - 特になし 特になし その他 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

50 課題調査票 1-15 課題名 軽水炉高度化利用 ( 出力向上 ) 時の影響評価 概要 ( 内容 ) 軽水炉の利用高度化策として出力向上 ( レートアップ ) が検討されており この場合の冷却材流量 水質環境等の変化がプラント構成材料 機器へ与える影響を把握して それへの対策案を検討する 特に 水化学環境の改善効果を評価し レートアップ時の影響を確認する 導入シナリオとの関連 環境緩和評価技術の高度化 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 軽水炉高度化利用は 今後 具体的に検討が始まるが それに先立ち 付随して発生する課題について全て抽出した上でその対策案を立案していくことが必要である 例えば レートアップ時における冷却材流量の増加に伴う配管減肉などへの影響や水化学環境が変化することによる材料の健全性への影響等が予想されるため それらを明確化しておくことが重要である 現状分析 BWR の炉内では 炉心部で発生する放射線が水を分解することで腐食環境が形成される このため レートアップ時ではさらにその環境が厳しくなる可能性がある また 流量増加により冷却材流速が増加して配管の減肉量が増大する可能性がある 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 軽水炉高度利用時での課題の整理とその対策の立案流動加速腐食等に関しては 関連するデータの蓄積と実機での環境条件 ( 溶存酸素 流速 湿り度等 ) の把握が必要である また 実機規模でのデータベースの構築も必要となる 実施時期 : 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅳ 期実施期間 : 中 ~ 長実施機関 : 産 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 資金の出所 : 産, 官 ( データ / 評価技術の検証 規制基準の整備を目的とする場合 ) 費用 : 大 水化学 被ばく低減との関係 出力増強時には 水化学環境が変化するとともに 放射線源生成量にも影響を与える 材料との関係燃料との関係出力向上との関係その他 本件は主として材料への影響を評価するものである 出力増強時には 水化学環境が変化するとともに 燃料表面へのクラッド等の付着挙動も変化するため この影響評価が必要である 本件は主として出力向上時の材料への影響を評価するものである 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

51 課題調査票 1-16 課題名 SCC メカニズムの解明 (PWR) 概要 ( 内容 ) Ni 基合金の PWSCC 事象に対しては 温度依存性 応力依存性など主要因子を現象論的に把握して評価 対策を実施しているが 発生メカニズムに関しては諸説あるが統一的なものはなく メカニズム検討 究明による SCC 対策の信頼性向上が必要 導入シナリオとの関連 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) Ni 基合金の PWSCC は温度依存性があり これにより実機温度範囲の長時間側の寿命評価を行っているが SCC 発生に対する温度加速のメカニズムは明らかではない 本事象に対し 水素濃度や Zn 注入など表面皮膜に影響する水質因子も影響する現象が認められており メカニズムと密接に関与している可能性が考えられる 現状分析 メカニズム面の検討 究明は不十分であり 現象論的な評価に留まっている 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 メカニズム検討 究明による信頼性向上 メカニズムに関与する因子に着目した試験データの取得並びに表面皮膜の詳細分析検討によるメカニズム究明第 I~III 期 実施機関 : 産 官 学資金の出所 : 産, 官費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる - 特になし 特になし 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

52 課題調査票 1-17 課題名 SCC メカニズムの解明 (BWR) 概要 ( 内容 ) ステンレス鋼の BWR 環境における SCC 発生 進展メカニズムを解明するために必要な知見を取得するため 材料表面またはすき間部やき裂内部における局所的な水化学条件の評価を可能とする技術開発を行うとともに 多様な水化学条件における材料表面での腐食反応に関する研究を行う 導入シナリオとの関連 点検頻度の合理化 環境緩和評価技術の高度化 長期信頼性の確認 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) BWR ではステンレス鋼およびニッケル基合金の各種部材に SCC が発生している そのメカニズムに関しては 材料因子および応力因子については多くの知見が得られている しかし SCC の発生 進展を支配するき裂付近での局所的な水質の影響については 主に試験の困難さのためにほとんど知見が得られていない SCC 緩和水質技術の妥当性の確認などのためにも 今後局所水質と SCC 挙動の関係を明らかにする必要がある 現状分析 SCC メカニズム研究は 産官学において進められており SCC き裂進展予測については 典型的な BWR 水質条件との関係について試験データが蓄積されている しかし SCC き裂内部における水質条件と SCC 挙動の関係に関する知見は得られていない 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減 との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 多様な水質条件での SCC 発生 進展予測が可能となる 実機の多様な部位における水質条件を評価する技術 SCC 試験において試験片近傍に多様な水質条件を実現する技術 第 I~III 期 実施機関 : 産 官 学資金の出所 : 産, 官費用 : 大 ステンレス鋼の SCC に及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる - 特になし 特になし 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

53 課題調査票 1-18 課題名 SCC への低照射影響メカニズムの解明 (BWR) 概要 ( 内容 ) BWR 炉心支持構造物など低照射量 低照射速度の部位における SCC への照射影響を評価するため 炉内水化学環境を炉外で模擬する技術及び照射下 SCC 試験を制御された水化学条件で実施する技術の開発 高度化を行う それらの技術を適用し 放射線分解水質が SCC 発生 進展へ与える影響機構を解明するために必要な支配因子の検討を行う 導入シナリオとの関連 長期信頼性の確認 環境緩和評価技術の高度化 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) BWR 炉内構造物では IASCC 発生しきい照射量より相当程度低い中性子照射量の部位においても SCC が発生している それらの部位における SCC 発生 進展に対して 炉内での水の放射線分解がどの程度の影響を与えているのかは 今のところ明確になっておらず 放射線分解水質が SCC 挙動へ与える影響予測の高精度化が必要である 現状分析 IASCC 発生しきい照射量以下における SCC への中性子照射影響に関する試験データはほとんど得られていない 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 炉内の多様な水化学条件での SCC 発生 進展予測が可能となる 実機の多様な部位における水質条件を評価する技術 SCC 試験において試験片近傍に多様な水質条件を実現する技術 照射下水質評価技術 第 I~II 期 実施機関 : 産 官 学実施機関 資金の出所資金の出所 : 産, 官費用 : 大水化学 被ばく低減 とのステンレス鋼のSCCに及ぼす水化学の影響 効果を定量的に確認できる 関係 材料との関係燃料との関係出力向上との関係その他 - 特になし特になし高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

54 課題調査票 1-19 課題名 炉内 SCC 環境に関する基盤研究 概要 ( 内容 ) ラジオリシスモデルの精度向上のため 高温水の放射線分解 G 値 分解生成物の反応速度などの基本定数の精緻化 照射下や隙間部での放射線分解挙動の解明などを行う また これを基に電気化学的なモデルを構築し 局所 SCC 環境形成評価を可能とする 導入シナリオとの関 炉内 SCC 環境予測 評価制度の向上 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 実機炉内では 冷却材の放射線分解に伴う SCC 環境は部位によって異なる すなわち 不均一な分布を示すが 直接 これを計測できる点は限られている 従って 炉内 SCC 環境を予測 評価するモデルが不可欠であるが 合理的な SCC 緩和を行うためには その解析精度を高める必要がある 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 現在用いられているラジオリシスモデル 腐食電位モデルは 炉内を特定の流路に分割し 冷却材がそこを流れる間の酸化種の生成と消滅から濃度計算を行い 材料表面での電気化学反応をベースにSCC 環境パラメータとして腐食電位を算出するものである これらモデルに用いられる物性定数は 高温下での把握が困難なものもあり これらを精緻化することが必要である また 実機では隙間や熱流動により冷却材の流れが不均一になる部位があり また 照射下では構造材料面の境膜層内で放射線分解が生じる可能性があることが指摘されており このような局所的なSCC 環境も取り扱えるモデルの改良が望まれている 炉内 SCC 環境評価手法の標準化とこれを用いた合理的なプラント保守管理の実現 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 高度化されたモデルの検証は実機データのみでは困難であり 加速器 照射ループ 照射試験炉を用いた検証方法を構築する必要がある 実施時期 : 第 Ⅰ 期 ~ 第 III 期実施期間 : 中 ~ 長 実施機関 : 産 官 学資金の出所 : 産, 官費用 : 大 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 SCC 環境緩和の有効性評価に適用可能 ( 例 : 出力向上に伴う水素注入量の適正化 ) 炉内各部位の材料のSCC 影響を評価するものである 燃料の腐食環境評価にも適用可能出力向上の炉内 SCC 環境評価に適用可能 その他 高経年化対応と連携して効率的に実施する必要がある

55 7.1.2 配管減肉環境緩和原子力発電所では 運転に伴う 機器 配管の肉厚が減少する事象が進行することが知られており これは系統水の漏えいや圧力バウンダリーの維持によるプラントの安全性や信頼性に影響を及ぼす可能性がある この主な減肉現象は 配管が水 ( 系統水 ) と接触することによる腐食が水の流れにより助長される流動加速型腐食 ( 以下 FAC ) と 蒸気中に含まれる水滴 ( ミスト ) が蒸気流により加速して配管に衝突し減肉を生じる液滴衝撃エロージョン ( 以下 LDI ) である FAC と LDI による機器 配管の減肉は系統全体で生じることから この減肉状況を適切に把握することは 原子力発電所の安全上重要な管理の一つである 配管減肉管理では 日本機械学会が作成した 発電用設備規格配管減肉管理に関する規格 に定められた配管取替基準に基づいて 肉厚測定結果に応じた配管の取替が行われる 配管減肉管理をより安全に 且つ 合理的に遂行するためには 減肉の進行の程度に応じて肉厚測定の箇所および頻度を設定する 適切な肉厚測定計画を策定することが必要である このため 計画策定の根拠となる減肉発生状況のデータベース化と分析および減肉メカニズムの解明に基づく減肉予測評価モデルを用いた管理手法の確立が有用である FAC による減肉現象は 材料因子, 流況因子および環境因子が複合して影響を及ぼしていることから 原子力発電所では これによる配管減肉が進行した箇所に対するプラント運開以降の減肉抑制対策として 耐食材への配管取替 ( 材料因子の改善 ) 併せて配管レイアウトの変更 ( 流況因子の改善 ) の他に ph 制御や酸素注入といった水化学の改良 ( 環境因子の改善 ) を行っている 前者 2つの対策は 対策施工部位における減肉抑制効果は確実に得られるが 配管取替のタイミングにしか適用することができず また 効果の範囲も限られる しかし 水化学の改良による配管減肉の抑制は その技術の適用開始が比較的容易であり 効果は広範囲で得られるメリットがある これより 水化学の改良による減肉環境緩和技術の導入は積極的に適用されるべきであるが この対策は これまでの経験から 他の関連因子による影響により 減肉抑制の程度が部位により異なることが判っている 減肉環境緩和技術の適用を減肉管理へ反映させるためには この技術を規格化 標準化すると共に 減肉メカニズムにおける環境因子の影響評価とそれを踏まえた減肉予測評価モデルの構築が求められる このような状況を踏まえて 配管減肉環境緩和と配管減肉メカニズムの構築に関する現状と課題 研究方針および産官学の役割分担について 以下に述べる (1) 現状分析 ~ 管理の現状と課題 ~ 現在 国内の原子力発電所における配管減肉管理は 2005 年に発生した美浜発電所 3 号

56 機の配管損傷事故を契機に 日本機械学会が制定した 発電用原子力設備規格加圧水型 / 沸騰水型原子力発電所配管減肉管理に関する技術規格 (2006 年 11 月発行, 以下 現肉技術規格 ) に基づいて実施されている この技術規格では 上記の FAC と LDI の管理範囲, 管理方法 ( 肉厚計測方法他 ) および評価方法等を示している また 国内全プラントにおける これまでに計測した膨大な配管肉厚計測結果から 流況状態 ( 水単相流および水 あるいは蒸気の混合ニ相流 ) 流速 温度 湿り度で分けた各カテゴリーにおける最大減肉速度を示し これを用いた肉厚検査計画 ( 頻度 ) への反映を要求している 各発電所では 技術規格に基づいて 肉厚計測箇所および頻度を安全側に設定した肉厚検査計画を策定 遂行し その結果に応じて適宜配管取替を実施している 以上のように 配管減肉管理の安全性は 技術規格により体系化して整理されたため それ以前の管理と比べて 飛躍的に向上した 今後 更に適正な 即ち 安全性の更なる追求と合理性の調和を達成する管理を行うためには 以下のような課題が挙げられる 1 検査の合理性に関する課題各カテゴリーにおける最大減肉速度を有する管理部位は 流況 ( 偏流 ) の影響を大きく受けている このため 肉厚計測部位の数は非常に少ないが 当該カテゴリーに存在する全ての肉厚計測部位の肉厚計測計画 ( 頻度 ) を決定している 流況による減肉速度への影響を他の影響因子 ( 材料, 環境 ) と区別して評価できないため これら少数の肉厚計測部位の減肉速度値によって 当該カテゴリーの多くの部位に対しては過度に保守的な点検頻度で肉厚計測を実施することとなっている 2 環境緩和による配管減肉管理への取り込みに関する課題前述のように 水化学の改良による環境緩和は配管減肉抑制に効果的である しかし 現在の配管減肉管理では 水化学の改良以前の時期に得られたものを含む肉厚計測値より算出した減肉速度を用いて 配管余寿命評価を行っている このため 新たな配管減肉環境緩和技術の適用により実際には配管減肉が抑制されても 算出される減肉速度は 適用以前の減肉速度データを含めて算出される このように 環境緩和によって減肉が抑制されても 配管減肉管理には反映されにくい体系となっている 一方で 環境緩和技術の適用による減肉の抑制効果は 他の影響因子 ( 流況, 材料 ) との相乗として現れるため 同じ系統内においても場所により異なることが判明している 従って 配管減肉管理の合理化 即ち 減肉速度に応じた適正な肉厚測定箇所および頻度を設定するには

57 これらの各影響因子が減肉速度に及ぼす効果 影響を層別化し 環境緩和による効果を評価 する必要がある 上記 1~2の課題を解決するには 現在実施している 肉厚測定結果に基づく管理に加えて 減肉メカニズムに立脚した FAC および LDI の減肉予測評価モデルの活用が有効である 減肉予測評価モデルを活用することによって 現在実施している減肉管理の合理的な検証 提案を行うことができると共に FAC および LDI の減肉事象の予知保全や肉厚測定が困難な部位における適切な肉厚評価等 より合理的 且つ適正な減肉管理が実現できると考えられる また 減肉予測評価モデルの活用により 環境による配管減肉への影響を層別化することができれば 環境緩和技術の適用による減肉抑制の効果を 減肉管理に反映することができる このような考えの下 日本機械学会では 配管減肉管理に関する規格及び技術規格改訂 充実化に向けた技術戦略マップ ( 以下 日本機械学会ロードマップ ) において 減肉メカニズムの解明とそれに立脚した減肉モデルの構築の必要性とスケジュールを示し これに基づいて 各機関が各種研究 検討を行っているところである (2) 配管減肉環境緩和と配管減肉モデルの構築に関する研究方針減肉予測評価モデルを用いた系統各部の減肉挙動の定量的な予測評価が可能となれば それを最終的に減肉技術規格に反映することにより 現在の配管減肉管理を より高度化 ( 信頼性 安全性 合理性 ) できると考えられる 特に 環境緩和技術の適用に際しては 減肉抑制効果を適用前に予測評価および適用後に評価を行えるため 配管減肉管理の合理化に反映できる 更に 環境緩和技術の適用による減肉管理への反映のためには 減肉メカニズムにおける環境因子の影響評価とそれを踏まえた減肉予測評価モデルの構築が求められる このような状況を踏まえ 以下の技術開発をすすめていく この際 現状 各機関は 日本機械学会ロードマップに基づき 環境因子を含む全因子の減肉挙動への影響を把握したうえで 減肉メカニズムの解明と減肉予測評価モデルの構築に関する研究 検討を進めていることから 日本機械学会と連携を模索していく また 同様の研究 検討を進めている高経年化対応技術戦略マップへも連携を働きかけていく 1 配管減肉メカニズムにおける環境因子の影響評価 FAC および LDI は 環境, 材料, 流況の因子が複合して影響する事象であることから 材料, 流況による各条件において FAC および LDI の配管減肉メカニズムにおける環境因子の影響程度を解明し 環境因子が減肉挙動に及ぼす影響を評価する また 配管減肉メカニズムに基

58 づいて FAC 環境緩和による減肉抑制効果を定量的に評価する 2 配管減肉抑制技術 環境緩和技術の開発 高度化 標準化 PWR では 近年 国内プラントに導入されている 2 次系高 ph 運転の配管減肉抑制効果の評価と 国外プラントにおいて導入されている 2 次系への酸素注入 (OWC) 等の導入に向けた検討を推進する BWR では 現在実施している酸素注入による配管減肉抑制のきめ細かい評価をすすめる また 実機における配管減肉抑制技術と減肉抑制効果の関係を蓄積するとともに その関係を技術的に示すことにより 減肉抑制のためのガイドラインの整備を目指す 3 減肉予測評価モデルにおける環境因子の影響評価減肉メカニズムにおける環境因子の影響評価結果 FAC および LDI の配管減肉メカニズム および 実機運転情報等の結果を総合して 今後 日本機械学会 ( ロードマップ ) において研究 検討が進められている減肉予測評価モデルの構築に対して連携を模索し 将来的に 環境緩和技術の適用の減肉技術規格へ反映を目指す 4 環境緩和技術の適用による減肉データによる減肉予測評価モデルの検証環境緩和技術の適用前後の運転情報, 減肉データ等を用いて FAC および LDI の配管減肉メカニズム およびそれに基づいて構築された減肉予測評価モデルにおける減肉環境緩和の効果を評価すると共に 減肉管理への反映を模索する (3) 産官学の役割分担の考え方 1 産業界の役割 a. 環境因子による配管減肉挙動の定量評価に関する検討 b. 配管減肉環境緩和技術の開発 標準化 c. 環境緩和技術の適用による実機配管減肉データの蓄積と予測評価モデル検証への活用 2 国官界の役割 a. 各実験データの検証 b. 学協会基準のエンドース 規制基準の整備

59 3 学術界の役割 a. 配管減肉メカニズムにおける環境因子の影響評価およびそのために必要な研究の実施 4 学協会の役割 a 配管減肉管理に関する規格基準の作成, 精緻化 5 産官学の連携 a 環境因子による影響を含む配管減肉メカニズムの解明と減肉予測評価モデルの構築 (4) 関連分野との連携 1PLM 研究推進会議のロードマップにおける配管減肉関連研究との関係 PLM 研究推進会議のロードマップにおいても 配管減肉予測評価モデルを用いた配管減肉管理の達成のためには減肉メカニズムの解明の必要性が示されているが 現在のところ そのスケジュールは示されていない このため 減肉メカニズムの解明に向けた研究のうち 環境因子による減肉挙動への影響に関する研究の具体的な進め方について働きかけていく 水化学部門は減肉現象の化学的な説明を主体的に担当し 機械部門は 実機減肉データの提供による検証や配管減肉管理への反映要領について主体的に担当することが望ましい 2 高経年化対応技術戦略マップ 2008 における配管減肉関連研究との関係配管減肉管理の安全性を高めるために 余寿命評価ツールとして 減肉メカニズムの解明に基づく減肉予測評価モデルの構築の必要性を示している 当該マップでは 減肉メカニズムの解明は 下記 3の高経年化対策強化基盤整備事業 ( 各クラスタ ) の場で主に検討が進められている これより クラスタ事業の検討の場に出席し 発電所の減肉管理の状況や研究状況を紹介すると共に 別途議論を行っていく 3 高経年化対策強化基盤整備事業 (2007 年度 ~2010 年度 ) a. 東北クラスタ減肉現象を各要素反応 ( 酸化皮膜の溶解度の環境依存性, 減肉速度の環境因子との関係, 配管表面への衝突時における液滴の挙動, 酸化皮膜の強度測定等 ) を定量的に解明することにより減肉メカニズムを解明する取り組みを実施している 水化学ロードマップでは 環境因子による減肉挙動へ及ぼす影響に関する検討 に関する研究を行っていることから 得られた知見に基づく議論を行うことにより 減肉メカニズムにおける

60 環境因子の影響評価おいて連携する b. 東日本クラスタ今までに得られた減肉メカニズムに関する知見を活用した減肉予測評価モデルを構築し 検証および改良をすすめている 水化学ロードマップにて進める 減肉メカニズムにおける環境因子の影響 による知見を提供することにより議論を行うと共に 実機の配管減肉関連情報の提供による減肉予測評価モデルの検証および改良における環境因子による減肉挙動への影響について連携する 図 に配管減肉環境緩和の概要 図 に導入シナリオ 表 に技術マップ および図 にロードマップを示す

61 配管減肉とは 原子力発電所において 熱伝達の媒体として用いられている 水 が 機器 配管の内部を通過することに起因して 配管肉厚を減少させる現象 主な現象は 流動加速腐食 (FAC) や液滴衝撃エロージョン (LDI) である 配管減肉管理の現状と課題 温度によるカテゴリー分け 50 未満 50 以上 100 未満 100 以上 150 未満 150 以上 200 未満 200 以上 250 未満 250 以上 減肉管理は JSME 配管減肉に関する技術規格 に基づき実施している 本規格では 過去の肉厚測定から算出した減肉速度の実績から 温度や湿り度等の条件に基づく各カテゴリーにおける最大減肉速度を示し 肉厚測定計画への反映を求めている これを踏まえて 発電所では 安全側に この減肉速度を用いて 肉厚測定計画を策定 / 実施している (1) 点検の合理化 現在の減肉管理は 肉厚測定結果に基づき算出した減肉速度の実績に基づいて設定されているため 新たな環境緩和技術を適用して減肉が抑制されても 肉厚測定結果が蓄積しないと減肉管理に反映できない 環境緩和技術の減肉抑制効果は 他の影響因子 ( 材料, 流況 ) との相乗として現れるため 部位により異なる ( 図 2) 従って これらの各因子の減肉速度に及ぼす効果 影響を層別化する必要がある 解決の方向性 減肉メカニズムメカニズムに立脚した減肉に立脚した減肉予測評価予測評価モデルをモデルを用いれば用いれば 環境, 流況, 材料の各因子による減肉挙動への影響を区別して評価できる このため 各部位に応じた減肉測定 ) による 更に 減肉挙動の挙動の予知予知とそれに対する保全 ( 肉厚 更に合理的 且つ 適正な減肉管理が実現できる 配管減肉配管減肉環境緩和技術の開発 適用と環境緩和技術の開発 適用と 環境改善による減肉抑制効 果を評価するために 減肉メカニズムにおける環境因子の影響に関す る評価 検討を評価 検討を進めることにより 進めることにより 最終的には 最終的には 環境の改善の効果を取り込んだ高次の減肉管理が可能となる 減肉速度 (mm/ 年 ) 各カテゴリーにおける最大減肉速度を与える部位は流況の影響 ( 偏流 ) を大きく受けている しかし 現状では 流況による減肉速度への影響を他の影響因子 ( 材料, 環境 ) と区別して評価できないため これら少数部位の値によって 当該カテゴリーの管理部位全体の肉厚測定を 過剰に保守的な頻度で実施している ( 図 1) (2) 環境緩和対策の管理への取り込み 系統温度 ( ) 1.2 図 1 温度別二次系主系統の減肉速度データの分布例 ( 環境 ; 単相流, 流速 3m/s 以上 6m/s 以下 ) ( 余寿命 5 年未満の比較的減肉率が高い単相流系統 ) 従来水質 (ph9.3) High-AVT(pH10) A B C D E F G H 平均 図 2 水化学環境の変化が二次系各部の配管減肉速度に及ぼす影響例 ポンプ 弁下流 エルボ連立の下流側等の特異な偏流部 系統名部位材料温度 ( ) 流速 (m/s) Re( 10 7 ) A 直管 ( ホ ンフ 出口 ) SF50A B,C 直管 ( 熱交換器出口 ) SB D,E 直管 ( 熱交換器出口 ) SB F エルボ ( 逆止弁下流 ) STPT G T 字管 ( エルホ 下流 ) SB H エルボ ( オリフィス下流 ) SB < 減肉率の算出 > 従来水質 : High-AVT 導入前 3 回の測定肉厚とそれぞれの運転時間から 最小自乗法 (1 次式 ) より算出 High-AVT: 次式により算出減肉率 =(High-AVT 導入直前の肉厚 - 導入 1 サイクル後の肉厚 ) / ( 導入後 1 サイクルの運転時間 ) 減肉率 ( 相対値 ) 図 配管減肉環境緩和に係わる導入シナリオ ( 概要版 )

62 配管減肉とは 配管減肉は 内包する流体の漏洩 噴出といった安全上のリスクと共に これを防止するための維持管理 ( 点検 補修 取替 ) コストの増大を招いている さらに 発生した腐食生成物に起因する熱伝達の阻害や被ばく線源の上昇などの原因にもなっている 原子力発電所における配管減肉の主な原因は 流動加速腐食 (FAC) や液滴衝撃エロージョン (LDI) である 特に FAC は 材料 流況 ( 流速, 偏流有無等 ) 水化学環境 ( 温度,pH, 酸素 ) の各因子により複合的な影響を受ける 従って プラント各部の条件に則した適切 且つ合理的な減肉管理 ( 肉厚測定計画 配管取替え ) を行うため 水化学環境因子の減肉挙動への影響を評価する減肉メカニズムを解明すると共に 配管減肉環境緩和技術による配管寿命の延伸を進める必要がある 現状分析 配管減肉管理については NISA 指示文書 原子力発電所の配管肉厚管理に対する要求事項について (H17 年 2 月 18 日 ) において 技術規格策定の要求が出され これを受けて 日本機械学会 配管減肉に関する技術規格 2006 年版 ( 平成 18 年 11 月 ) が整備され 現在 各発電所では この規格に基づいて減肉管理を行っている この規格では 過去の肉厚測定結果に基づいて 使用条件 ( 温度, 単相流 / 二相流 ) 毎に過去のデータを包絡する減肉速度を示し これに基づいた減肉管理を規定している これらの減肉速度は 多くの場合 偏流部位のデータであるため そうでない部位については過度に保守的な減肉管理とならざるを得ない また 過去データをベースにしているので新たな環境緩和技術の効果が取り込まれるのに時間を要する これら偏流や水化学環境の効果 影響を層別化できれば 各部に応じた適切な減肉管理が可能となる 一方 材料 流況 環境の各因子が重畳して変化した場合における配管減肉挙動に及ぼす定量的な影響については 十分な知見 ( データ ) が得られていないため 規格適用後も 予想外の配管減肉の進行が認められている このような事象の発生を未然に防ぎ 配管減肉の進行による漏えいリスクを低減させるには このような知見の集積に基づく環境因子による影響を含む減肉予測評価モデルの活用が有効であり その構築のためには 配管減肉メカニズムの解明が不可欠である また 配管減肉管理の経済性を高めるためには 減肉予測評価モデルを用いて 環境因子による減肉挙動への影響を評価すると共に それを達成する環境緩和技術の開発 標準化が必要である 研究方針 環境因子が他因子が重畳して変化した場合における配管減肉挙動の定量的なデータの蓄積 蓄積したデータに基づく 環境因子による配管減肉メカニズムの解明と環境改善による減肉抑制効果の評価 環境緩和 (PWR:2 次系高 ph,2 次系酸素注入術等 ) 技術の開発 標準化 環境緩和技術による減肉抑制効果の実績の蓄積に基づく 環境改善が減肉挙動に及ぼす影響評価の検証 有効性検証 実機事例 / データ 図 配管減肉環境緩和に係わる導入シナリオ 産官学の役割分担産官学の連携 1 産業界の役割 2 国 官界の役割 3 学術界の役割 4 学協会の役割 適用 規格基準の構築 精緻化 配管減肉機構解明およびシミュレーション 配管減肉環境緩和技術の開発 標準化 配管減肉挙動の定量評価と環境緩和技術の導入に向けた調査 研究に必要な施設基盤の整備 - 安全性 信頼性 経済性の確保向上を目的とした開発研究および基盤整備 - 安全規制における適切な行政判断に必要な安全研究 - 必要な基盤 ( 知識 人材 施設 制度 ) の整備 - 産学の安全に係わる研究と基盤整備に係わる支援 - 知の蓄積と展開 - 研究を支える人材の育成 - 規格基準化とその高度化に貢献 基盤研究 応用研究を担う人材の育成 環境因子による減肉挙動への影響 ( 定量評価 ) に関する検討 環境緩和技術の導入に関する検討 実機情報による環境改善による減肉挙動への有効性検証 データや評価技術の検証 学協会規格のエンドースおよび規制基準の整備 施設基盤の整備 配管減肉メカニス ムの構築 基盤研究にかかわる人材育成 規格基準の構築 精緻化支援 規格基準の精緻化 規制基準の整備学協会規格エンドース 検証 1 環境因子による配管減肉メカニス ムへの影響 基盤研究として産官共通のニーズがあり かつ 学の研究ポテンシャルを踏まえ産官学共同の効率的実施が必要 安全性かつ合理的な配管減肉管理の遂行のためには 減肉メカニス ムに基づく管理が有効であることから 産が構築した減肉予測評価モデルの有効性の国による検証が必要 2 配管減肉和研究に対応できる人材育成 産官学の人的交流を図り 本研究に対応できる幅広い能力を備えた人材を長期的に育成する

63 表 配管減肉環境緩和に係わる技術マップ 項目技術課題課題番号概要 役割分担 ( 実施 / 資金 ) 関連因子による減肉挙動へ及ぼす影響のデータ整備 評価 流動因子が減肉挙動 (FAC,LDI) へ及ぼす影響 水化学因子および流況因子が減肉挙動 (FAC) へ及ぼす影響 流動状態による減肉挙動への影響を評価 水化学因子 (ph, 酸素 ) および流況因子 ( 温度, 偏流有無 ) が重畳して変動した際の 各種配管材料 (Cr 含有有無 ) の減肉挙動への影響を評価 産 / 産 配管減肉防止技術 環境緩和技術の開発 標準化 FAC 環境緩和技術の開発 標準化 配管減肉防止設計ガイドライン整備 2-3~ 電位 ph 制御 TiO 2 添加などの水化学技術 出力向上における減肉抑制対策 減肉防止のための民間自主設計基準 ( 新設 取替え ) 使用条件に応じた配管材料 配管形状などの指針 産 / 産 環境因子による配管減肉メカニズムの解明 環境改善による配管減肉抑制効果の評価 ( 配管減肉予測評価モデルの構築 標準化 ) FAC および LDI 配管減肉メカニズムの解明 FAC および LDI 減肉予測評価モデルの構築 標準化 流体力学 電気化学 熱力学に基づく FAC および LDI による減肉メカニズムの解明 減肉メカニズム および 実機運転情報等の結果を総合して 配管減肉予測評価モデルを構築し 環境改善による減肉抑制効果を予測 / 評価 産官学 / 産官学 産 / 産 データや評価技術の検証規制基準の整備 環境因子による減肉予測評価モデルの検証 各種データおよび知見の収集に基づく 配管減肉メカニズムと配管減肉予測評価モデルの妥当性検証 水素注入における炭素鋼配管の減肉データの収集 官 / 官 産 / 産 規格 基準の整備 減肉予測評価モデルの検証 - 環境因子による減肉予測評価モデルと それに基づく管理方法 ( 要領 ) の規格 基準への反映 学協会 / 学協会 FAC 環境緩和技術の規格化 - 各技術の運用要領の規格 基準への反映学協会 / 学協会

64 第 I 期 第 II 期第 III 期第 IV 期 年度 環境因子による減肉挙動へ及ぼす影響のデータ整備 評価 40 年まで初期原子力プラントの 50 年まで初期原子力プラントの 60 年まで 水化学因子および流況因子が減肉挙動に及ぼす影響評価 配管減肉環境緩和技術の開発 標準化 FAC 環境緩和技術の開発 適用 FAC 環境緩和技術の標準化 ( 技術導入後の実機計測結果を踏まえて ) 配管減肉防止設計カ イト ラインの整備 ( 適宜改訂 ) 環境因子による配管減肉メカニズムの解明 環境因子による FAC LDI 減肉メカニズムへの影響評価 配管減肉メカニズムの高度化 ( 実機運転経験等に基づき適宜検討する ) 環境改善による配管減肉抑制効果の評価 ( 配管減肉予測評価モデルの構築 ) 減肉予測評価モデルを用いた環境改善効果 高度化された減肉予測評価モデルにおける環境因子に関する影響の検証 ( 適宜 ) ラボ試験や実機データによる評価モデルの検証 大型ラボ試験を用いた 環境因子による減肉メカニズムへの影響に関する検証 新知見に基づき検証 ( 適宜 ) 配管肉厚計測結果による検証高度化された減肉予測評価モデルの検証 ( 適宜 ) 環境緩和技術規格 ( 原子力学会 ) ( 現状未作成 ) 規格 基準の整備 PWR 配管減肉管理規格 2006 年版 (JSME S NG1) BWR 配管減肉管理規格 2006 年版 (JSME S NH1) 技術評価 技術評価 改訂 完成 技術評価 改訂 技術評価 改訂 ( 適宜 ) 図 配管減肉環境緩和に係わるロードマップ

65 課題調査票 2-1 課題名 概要 ( 内容 ) 水化学因子が配管減肉挙動に及ぼす影響の解明 主な配管減肉挙動である FAC および LDI は 流動因子および水化学因子が重畳して影響を及ぼす事象であることが判明している 本項では このうち 異なる流動環境下における水化学因子が減肉挙動に及ぼす影響について 水化学の各因子 (p H, 酸素, ヒドラジン等 ) および温度等の因子が どの程度に減肉挙動に影響するかを定量的に把握する 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 適切な配管減肉管理によりプラント設備の信頼性向上に貢献できる 減肉予測評価モデルを確立する根拠となる減肉メカニズムを構築するためには 流動因子と水化学因子が減肉挙動に及ぼす重畳的な影響について 定量的に把握することが必要である 配管の減肉は 母材の腐食 ( 化学反応 ) であることから その反応に直接に影響を及ぼす水化学因子による減肉挙動への影響を把握することは重要である 現状分析 水化学因子が配管減肉挙動に及ぼす影響は 今まで実施してきた各種試験により 定性的には明らかになっている しかし 系統中には これらの因子の組み合わせが多数あることから これらの部位の減肉挙動を一つずつ実験により評価することはできない このため 種々の流動環境下において 水化学の各因子が減肉挙動に及ぼす相乗的な影響を把握することにより 各部位の減肉挙動を予測評価することができる 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 減肉メカニズムにおける環境因子の影響を評価するため知見を得ることができる 水化学の各因子を変化させたラボ試験の実施により データを蓄積する必要がある 第 Ⅰ 期 実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 中 配管減肉は配管材料の腐食反応であることから 環境緩和による減肉抑制効果を評価できる 配管減肉は材料の腐食による反応である なし出力向上によって流動環境が変化し減肉挙動が影響を受ける可能性があるため 適切な対策を講じるために 水化学因子による減肉挙動への影響を把握することが必要である その他

66 課題調査票 2-2 課題名 二相流環境下における環境因子による減肉挙動への影響評価 (P/B 共通 ) 概要 ( 内容 ) 二相流環境における配管減肉 (FAC LDI) に関する実機事例を 系統 環境条件 ( 水質 材料 ) 毎に整理し データベースを構築する また 特定の二相流環境条件下における減肉試験を行い 環境因子の減肉挙動への影響を定量的に把握を試みる 戦略的シナリオとの関連適切な配管減肉管理によりプラント設備の信頼性向上に貢献できる 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 現在実施している配管減肉管理規格は 配管肉厚 ( 実測 ) に基づいて算出した減肉速度による管理を定めているが 二相流環境における減肉は 環境因子による減肉挙動への定量的な影響については明らかにされておらず 想定以上の減肉進行の事例が確認されている 現状分析 現在 配管減肉事例を体系的に共有化する仕組みがない また 減肉予測評価モデルが構築されていないため 二相流環境における環境因子による減肉挙動に関する影響評価は不明である 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 減肉環境緩和技術の適用における二相流環境配管の減肉抑制評価に資すると共に 減肉管理規格へ反映 実機減肉データを 環境に応じた整理をしたことはない データから一般的な傾向を把握するためには できるだけ多くの発電所のデータの収集が必要である 二相流環境となる系統 ( 抽気系等 ) では 系統内 ( 上流 ~ 下流 ) の各部で蒸気 / 水環境が異なると予想される このため 実機における環境の状態の予測をすると共に ラボ試験結果に基づく実機挙動への推測が困難である 第 I 期 実施機関 : 産,( 学 ) ニ相流環境の減肉挙動は未解明であるため 学との共同ですすめる資金の出所 : 産費用 : 大 PWR2 次系の鉄低減予測評価へ適用可能 - 燃料との関係 出力向上との相関 特になし アップレート時の配管減肉挙動に応じた減肉管理を計画的に実施できる その他

67 課題調査票 2-3 課題名 配管減肉環境緩和技術の標準化 概要 ( 内容 ) 配管減肉環境緩和技術の適用による系統各部の減肉挙動への影響を定量的に評価すると共に 効果的に減肉を抑制する対策 ( の組み合わせ ) を検討する また 配管減肉環境対策を標準化して 減肉管理の高度化を図る 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題点の所在 ) 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 適切な配管減肉管理によりプラント設備の信頼性向上に貢献できる 現在の減肉管理規格では 過去の肉厚測定結果を用いた肉厚計測結果に基づいて管理を実施することとなっていることから 配管減肉環境緩和技術の適用による減肉挙動への影響を減肉管理に反映させるには時間を要する 減肉環境緩和技術の適用による減肉管理への早期反映をするためには 同技術の適用による各部位の減肉挙動を定量的に評価することが必要である しかし FACおよびLDIは水質 流動 材質の関係因子が複合的に影響を及ぼす事象であるため 環境因子による影響を他因子とは分けて評価することが求められる また 軽水炉利用高度化に伴う出力向上においては 対象系統各部における流動状態の変化に追従して環境因子の変化も予測されるため それに応じた評価 対策を講じることが重要である 減肉予測評価モデルが構築されていないため 各部 ( 異なる流動環境下 ) における環境因子による減肉挙動を定量的に評価できていない 予防保全としての対策は 肉厚測定結果に応じた配管取替だけである このため 水化学改良等の環境緩和による減肉抑制対策を講じても 減肉挙動の抑制効果を定量的に予測 評価できないため 具体的な減肉管理には反映されていない 配管減肉予測評価モデルが構築され 系統各部への減肉挙動を精度良く予測できれば 効果的な時期および対策による予防保全としての減肉抑制対策が実施できる また この効果を標準化することにより 減肉管理規格への反映が期待できる 環境因子による減肉挙動への影響を評価するために必要な 予測評価モデルが未確立である 第 Ⅰ~ 第 Ⅱ 期 実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 中 特になし 材料への影響を小さくするためであり 他材料へも影響はほとんどない 特になし出力向上により流況の変化に追従して環境条件も変化すると考えられるため その状態に応じた環境因子の減肉挙動への影響を評価することが必要 JSME および高経年化対応技術戦略マップとの連携が必要である

68 課題調査票 2-4 課題名 概要 ( 内容 ) PWR2 次系への高 ph 処理の適用 PWR2 次系配管の FAC 抑制には 2 次冷却材の ph を 10 程度まで上昇させることが有効であることが 今までの運転経験から明らかになっている しかし ph の上昇に伴う系統内の設備は復水処理設備への影響を確認する必要がある また 蒸気発生器の器内水の浄化運用について検討する また 既に高 ph 処理を適用しているプラントにおいては 各部の配管肉厚測定結果を蓄積して 高 ph 処理による配管減肉挙動への効果を評価することにより 高 ph 処理による減肉抑制の効果を標準化する ( 減肉管理指針への反映を目指す ) 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) PWR2 次系配管等の減肉の大部分は FAC によると考えられることから FAC を抑制することは プラント機器の安全性や信頼性の向上に有効である 2 次系 ph はアンモニア ( およびアミン系 ) により制御しているが これは復水浄化設備 ( コンデミ ) のイオン交換樹脂にイオン負荷を与えるため イオン交換樹脂の定期的な薬品再生を実施している 既存のプラントは 2 次系 ph9.0~9.3 程度に制御しているが これらのプラントでは高 ph を適用すると 樹脂へのアンモニア負荷が増加するのため コンデミ再生運転を維持するために 復水の一部をコンデミをバイパス通水せざるをえない このときに生じる 通常運転時の蒸気発生器器内水の水質の変化や海水漏洩時の 2 次系水質への影響が懸念される また ph を高めることによる系統中の銅材料の腐食の助長を事前に評価する必要がある 配管減肉は環境改善だけでなく流況や材料の因子にも影響を受けるため 高 ph 処理による減肉抑制効果は部位により異なる このため 高 ph 処理を適用した場合の減肉抑制効果を部位毎に評価することが必要である 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 PWR2 次系では AVT( 揮発性薬品処理 ) および ETA( エタノールアミン ) 処理により ph を 9.0~9.3 程度に制御している 蒸気発生器の長期信頼性の確保や 2 次系配管の減肉 (FAC) を抑制するには ph 増加が対策になるが これに伴う コンデミを含むプラント運用を確立する必要がある また 配管減肉に及ぼす環境, 流況, 材料の各因子の影響を層別化した評価はできていないため 高 ph 処理適用による 部位に応じた減肉抑制効果は明らかになっていない 蒸気発生器の長期信頼性と 水単相 ( 一部 二相流環境も可能性あり ) 領域の 2 次系配管の減肉抑制 (FAC による減肉部位 ) の両方が達成される 高 ph 処理の実機適用にあたっては プラント設備の状況を踏まえた設備改造が必要 高 ph 処理による配管肉厚測定データの長期的な収集, 蓄積が必要 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅳ 期 実施機関 : 産, 資金の出所 : 産, 費用 : 小 ( 高 ph 処理適用による設備改造費用は別途 ) 特になし高 ph 処理による銅系材料への影響を評価し対策を講じる必要がある また イオン不純物濃縮による蒸気発生器伝熱管への影響を考慮する必要がある 特になし出力上昇により流況が変化すると 高 ph 処理による減肉抑制効果が変化する可能性がある BWR 給水処理には 薬品添加していないため BWR に対する検討は不要

69 課題調査票 2-5 課題名 概要 ( 内容 ) 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 現状分析 PWR2 次系への酸素処理の適用 BWRや火力発電所の一部では 給水系の鉄系材料の機器 配管の減肉抑制を目的として酸素を添加している 酸素を ある有効濃度で制御すると 系統内の機器 配管の腐食により表面に保護皮膜が形成され 溶出する鉄が低下する これを踏まえて PWR2 次系にも酸素を添加すると同様の効果が得られると考えられるが 一方で 蒸気発生器内に多量の酸素が流入すると 伝熱管の損傷を引き起こす可能性がある このため 減肉抑制効果を得つつ蒸気発生器伝熱管へ影響を及ぼさない PWR2 次系への酸素処理の運用を検討する 酸素処理による配管減肉抑制効果を標準化する ( 減肉管理指針への反映を目指す ) PWR2 次系配管等の減肉の多くはFACによると考えられるため FACを抑制することは プラント機器の安全性や信頼性の向上に有効である 火力や BWR の知見から PWR2 次系の給水処理でも酸素処理が FAC に有効である PWR2 次系において どの程度の FAC 抑制が可能であるかを見極めることと 酸素の流入による蒸気発生器伝熱管への影響を確認し 給水の酸素濃度の基準を明確に説明することが必要である 酸素による FAC 抑制の程度 ( 減肉速度, 給水鉄濃度 ) 蒸気発生器伝熱管の劣化モード (IGA, ピッティング等 ) への影響 蒸気発生器管支持板部の付着物のデンティングへの影響 PWR2 次系では 機器 配管の減肉抑制を目的として 環境緩和である ph 管理を実施しているが 流況 ( 偏流 ) の影響が大きい部位では減肉抑制効果が少ないことがある このため ph 管理に加えて酸素処理を適用することは有効である しかし 酸素処理によって注入された酸素は 系統中に添加されているヒドラジンを反応して消滅すると評価されるが 実機環境における当該反応の進行程度を評価し 蒸気発生器内に酸素が流入しないことを 評価および計測により確認する必要がある 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 蒸気発生器の長期信頼性と 水単相 ( 一部 二相流環境も可能性あり ) 領域の2 次系配管の減肉抑制 (FACによる減肉部位) の両方が達成される 酸素処理の実機適用にあたっては プラント設備の状況を踏まえた設備改造が必要 酸素処理の適用による配管肉厚測定データの長期的な収集, 蓄積が必要 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅳ 期実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 中 ( 設備改造に要する費用は別途 ) 特になし 材料の減肉を抑制するためであり 他材料への影響もほとんどない 特になし出力上昇により流況が変化すると 酸素処理による減肉抑制効果が変化する可能性がある BWR 給水処理は従来より酸素処理を適用しているため PWR への酸素処理適用にあたっては BWR での経験を参考とすることが必要である

70 課題調査票 2-6 課題名 概要 ( 内容 ) PWR2 次系への代替アミン処理の適用 近年 米国 PWR では ETA( エタノールアミン ) に替えて MPA( メトキシプロパノールアミン ) 等の新しい ph 調整剤が適用されている 現在 国内 PWR では アンモニアや ETA が適用されているが 環境や人体への影響等の観点から 将来的には使用が困難となる可能性があるため 新たな ph 調整剤の適用を検討する 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 既存のアミン剤の代替剤を用いることは 環境等への負荷を抑制することができる 新しい ph 調整剤が 系統 設備に及ぼす効果 (2 次系配管の FAC 抑制, スケール付着抑制, 蒸気発生器伝熱管へのスケール付着抑制等 ) や 影響 ( 復水処理設備へのイオン負荷量, 熱分解性生物の発生量, 銅系材料の腐食, 有機系副資材への影響等 ) を確認する必要がある 現状分析 国内 PWR の 2 次系では AVT 処理あるいは ETA 処理を実施している 復水処理装置の運用, 蒸気発生器の長期信頼性の確保や 2 次系配管の FAC の抑制, また 環境への負荷抑制が 今後要求されてくると考えられることから ph 調整能力に優れた新アミンの適用を早期に検討開始しておくことが必要である 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 蒸気発生器の長期信頼性と 2 次系配管の減肉抑制 ( 主に FAC による減肉部位 ) の両方が達成される 新アミンの実機適用前に 非常に多くの種類を有する 2 次系構成材料に対する影響を定量的に評価し 必要に応じて対策を講じておく必要がある 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅳ 期実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 中 ( 設備改造に要する費用は別途 ) 特になし 材料の減肉を抑制するためであり 他材料への影響もほとんどない 特になし 出力上昇により流況が変化すると 新アミンによる減肉抑制効果が変化する可能性がある その他 BWR 給水処理に薬品は添加していないため BWR への適用に関する検討は不要

71 課題調査票 2-7 課題名 概要 ( 内容 ) 軽水炉利用高度化 ( 出力向上 ) 時の環境因子による配管減肉への影響評価 軽水炉の出力増強 ( アップレート ) 運転時においては 炉心部での中性子束密度および冷却材流量が変化する これにより環境因子の変化も想定され これらの複数の因子の変化による 機器 配管の減肉挙動他 ( 健全性 ) に影響を及ぼすことが考えられる このうち 環境因子による減肉挙動への影響を他因子とは分けて評価することにより 出力増強時における配管減肉を抑制する環境改善対策を立案する 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 適切な配管減肉管理によりプラント設備の信頼性向上に貢献できる 炉心部における中性子束が増大すると 水の放射線分解が促進され 炉内における酸素 過酸化水素等の酸化性成分が増加して 炉内の腐食環境が強化される また 冷却材の流速の上昇を通じて 配管の減肉事象や腐食生成物の機器 配管への付着を促進する可能性がある 現状分析 BWR の炉内では 炉心部で冷却材の放射線分解により生成する酸化剤成分により 酸化性雰囲気が形成される このため 出力増強時では その環境が更に厳しくなる可能性がある また 炉心内の流量増加により 冷却材の流速が増加して 機器 配管の減肉を助長する可能性がある 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 その他 軽水炉高度利用時での課題の整理と対策の立案 流動加速腐食等に関しては 関連するデータの蓄積と実機の各部の環境条件 ( 溶存酸素, 流速, 温度, 湿り度等 ) を把握することが必要 また 実機環境を再現した装置を用いた試験によるデータベースの構築も必要 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅱ 期 実施機関 : 産 ( 主体は 産, 官は安全評価を中心に必要に応じて参加 ) 資金の出所 : 産費用 : 大 出力増強時には 水化学環境が変化すると共に 線源強度も増加するため プラント線量率への影響がある可能性あり 出力増強による材料への影響を 本調査票に記載した - 出力増強時の機器 配管減肉評価を行うことが可能となる 基盤技術として 炉内腐食環境評価技術の高度化と 配管減肉 (FAC) 評価の高度化が望まれる

72 課題調査票 2-8 課題名 配管減肉防止設計ガイドラインの整備 実機適用した減肉環境緩和技術を実機の肉厚計測結果によって検証し この結果を踏まえて 産業界による 配管減肉防止のための運用および設計ガイドラインを整備する 概要 ( 内容 ) 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) ガイドラインの整備により減肉管理の高度化が達成されることから プラント設備の信頼性の向上に寄与する 現在実施している配管減肉管理は NISA がエンドースした JSME 規格に基づいて実施している 一方で 産業界としての自主基準を策定し 管理のレベル ( 品質 ) が確保されていることを社会的に示すと共に 必要に応じて 今後すすめられる JSME 規格の改訂への議論に加えることが必要である 現状分析 現在 配管減肉管理に関する基準は JSME 規格 (2006 年制定 ) だけであり 環境緩和技術と減肉抑制効果の関係に基づくガイドラインについては定めた基準はない このため これに関する産業界独自の基準が必要である 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 高度な減肉管理の達成による漏えいや不適合の頻度が低下する 現在 産業界によるガイドラインはないことから 制定に時間を要する 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅱ 期実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 小ガイドラインの中に減肉抑制のための環境緩和技術の標準化を盛り込む なしなしガイドラインの中において出力向上による減肉挙動を考慮することが必要 その他 JSME および高経年化対応技術戦略マップとの連携が必要である

73 課題調査票 2-9 課題名 環境因子による流動加速腐食 (FAC) メカニズムの解明 減肉環境緩和技術の標準化と減肉管理への反映のため 環境因子による減肉挙動への影響を 他因子との影響を分けて評価する 概要 ( 内容 ) 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) FAC 減肉の部位 ( 範囲 ) および進行速度を予測 評価できるようになり 減肉管理の信頼性向上に貢献できる FAC は水質 流動 材質が重畳して影響する複雑な事象であるため その定量的な解明にはいたっていない このため 機械学会ロードマップに基づき各機関が検討を行っている この中で 母材が冷却材と接することによる界面部の腐食反応を含む 環境因子が減肉挙動へ及ぼす影響についても評価されていない また いくつかの FAC 減肉メカニズムが考案されているが その裏づけデータは十分でなく 確固たる評価にはいたっていない 現状分析 FAC 減肉速度は 経験的に エルボー, オリフィスおよびポンプ下流等の偏流発生部位とその下流で 助長されることがわかっているが これらの部位毎における流動と腐食の減肉速度への影響程度は定量的には算出できていない このため FAC 減肉による配管減肉管理は 肉厚測定結果に基づいて のみ によって実施されている 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 FAC の界面化学評価モデルの構築により評価精度が向上し 減肉管理規格への反映が期待できる 実機条件の環境が FAC に及ぼす影響を的確に評価 検証するためには 多くの環境 流況条件下におけるラボ試験によるデータの蓄積が必要 第 Ⅰ 期実施機関 : 産, 学 官資金の出所 : 事業主体として産, および官費用 : 大 水化学による環境緩和により 減肉の抑制が可能である 材料の減肉事象の低減が目的である 特になし 出力向上による流況の変化に伴い FAC 現象が増加する可能性がある その他 JSME および高経年化対応技術戦略マップとの提携が必要である

74 課題調査票 2-10 課題名 概要 ( 内容 ) 環境因子による液滴衝撃エロージョン (LDI) メカニズムの解明 LDI は 抽気系や蒸気系において オリフィス等の配管の絞り部位により急激に減圧された蒸気内に発生した液滴が高速で配管に衝突して壊食を引き起こす現象である このため 蒸気中における液滴の発生および液滴の配管への衝突割合による LDI 減肉の発生有無および減肉速度は 系統内の環境 ( 圧力, 温度, 蒸気中の湿り度, 蒸気流速 ) および材料 ( 硬度 ) に影響を受ける LDI による配管減肉を生じる可能性がある部位の減肉管理 ( 肉厚測定計画の策定 遂行 対策の実施 ) を適切に行うために LDI メカニズムを解明する 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 蒸気中の液滴の発生と移動 および水と材料表面の界面化学現象の解明により 減肉評価の信頼性向上に貢献できる 実機で最も LDI による減肉が認められている抽気系では 圧力, 温度, 湿り度等の環境因子を計測していないため 系統内の環境状態が不明である このため オリフィス下流において液滴が発生するか否か また 液滴が蒸気中をどのように移動するかについての評価ができていない 更に 環境因子が減肉挙動への影響の有無については明らかになっていない 現状分析 LDI 減肉は 経験的に オリフィス下流の第 1 エルボーおよび復水器直前のエルボーで発生する可能性が高いことが判明している しかし LDI メカニズムが解明されていないために これらの部位における LDI 発生の有無の予測および減肉速度の定量的な算出はできていない このため LDI 減肉による配管減肉管理は 前述の部位の肉厚測定結果に基づいて のみ によって実施されている 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 LDI 減肉の発生箇所および減肉速度が明らかになり 減肉管理の信頼性へ貢献できる 実機条件の環境が LDI に及ぼす影響を的確に評価するためには 大規模な試験設備を用いた試験が必要 第 Ⅰ 期実施機関 : 学 官 産資金の出所 : 事業主体として産, および官費用 : 大 LDI 現象のメカニズムの解明により 水化学による対策の必要性が評価される 材料の減肉事象の低減が目的である なし 出力向上による流況変化に伴い LDI が発生 減肉速度が増加する可能性がある その他 JSME および高経年化対応技術戦略マップとの提携が必要である

75 課題調査票 2-11 課題名 環境改善による配管減肉抑制効果の評価 ( 配管減肉予測評価モデルの構築 標準化 ) 実機配管減肉状況 ( 肉厚測定結果 ) を包括する 実機の各環境条件における配管減肉速度を予測する FAC 予測評価モデル LDI 評価モデル を活用して 環境改善による配管減肉抑制効果を評価する 概要 ( 内容 ) 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 適切な配管減肉管理により プラント設備の信頼性向上に貢献できる 現在 配管減肉管理は 肉厚測定結果に応じた配管取替えが主な取り組みである 現在の規格では 配管取替えの時期を長期的に高精度に予測することによる減肉管理の見直し ( 適正な測定箇所 頻度の設定 ) や 配管レイアウト変更や水化学環境の改良による減肉抑制対策を講じたことによる減肉管理への反映 ( 当該部肉厚測定の頻度見直し ) が行われる体系になっていない これらの効果を減肉管理に反映するには 減肉メカニズムに基づく 実機の各部の減肉を予測評価するモデルをツールとして確立する必要がある 現状分析 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 国内では 減肉メカニズムに立脚した予測評価モデルが構築されていないため 配管肉厚測定結果に応じた配管取替えを行っている このため 減肉環境緩和対策を講じても 過去結果を含む肉厚測定結果を用いて減肉速度を算出して減肉管理を行っているため 減肉管理への反映に時間を要する また 国外プラントで適用されている予測評価モデルは減肉メカニズムに関連する一部不明な範囲が存在するため 国内プラントの運転条件 水化学環境における適用性については評価されていない 減肉環境緩和技術の適用による減肉管理の合理化が図られる 減肉予測評価モデルの構築が必要である 構築した減肉モデルを検証するためには 実機の多数の減肉情報を用いて評価することが有効 第 Ⅰ 期 実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 中 予測評価モデルを用いて 環境緩和技術の適用による減肉抑制の効果を予測評価する 特になし 特になし 出力向上による流況の変化に伴い 減肉現象が増加する可能性がある その他 JSME および高経年化対応技術戦略マップとの提携が必要である

76 課題調査票 2-12 課題名 概要 ( 内容 ) 配管減肉予測評価モデルにおける環境因子の影響の検証 構築された配管減肉予測評価モデルを以下の方法により環境因子による影響検証し モデルにより得られる結果の妥当性 ( 保守性, 余裕度 ) を評価する 1 大規模なラボ試験による検証 2 実機の肉厚計測データによる検証 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 現状分析 適切な配管減肉管理を遂行可能な減肉予測評価モデルの構築により プラント設備の信頼性向上に貢献できる 配管減肉予測評価モデルの根拠となる配管減肉メカニズムは ラボ試験で得られた結果を主体に構築される ラボ試験は 各因子による減肉挙動への影響を評価するには適しているが 一方で以下の特徴がある a) 各因子が複雑に変化した時の減肉挙動への相乗効果,b) 実機の各部は 腐食が流動により助長されているため ラボ試験結果から直接に実機各部の減肉を予測することはできないこのため 以下の取り組みにより 予測評価モデルの妥当性を検証 ( 安全係数の確定を含む ) することが必要である 1 実機の代表的な流動状態を再現可能な大規模な減肉試験装置を用いて 種々の流動 時亜量条件下における環境因子を変化させた場合の減肉挙動への影響を評価する 2 実際の肉厚計測データにより 各因子の相乗効果を評価する 現在 減肉メカニズムの解明が進められており これに基づいた減肉予測評価モデルが構築されつつあるが 同モデルを検証するための 1 大規模な減肉試験装置 および 2 肉厚計測データの収集の取り組みは行われ ( 準備され ) ていない 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 予測評価モデルの精度が向上し 減肉管理指針への反映およびこれに基づく安全性と合理性を高めた減肉管理が期待できる 上記の 1 大規模な試験装置を用いた減肉試験の実施による検証には時間を要する (3 年程度 ) 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅱ 期 実施機関 : 主体は官,( 情報提供として産, 学も必要に応じて参加 ) 資金の出所 : 官費用 : 大 予測評価モデルを用いて 環境緩和技術の適用による減肉抑制の効果を予測評価する 特になし 特になし 出力向上による流況の変化に伴い 減肉現象が増加する可能性がある その他 JSME および高経年化対応技術戦略マップとの提携が必要である

77 課題調査票 2-13 課題名 概要 ( 内容 ) SCC 環境緩和技術 (HWC,NMCA 等 ) 適用時における配管減肉予測評価の高精度化 BWR 炉内構造物 ( ステンレス鋼 ) の SCC 対策として種々の環境緩和対策が検討 適用されている これらの対策の原理は 冷却材の放射線分解によって生成した酸化剤を冷却材に戻すものである このため 炉水の酸素濃度 ( 酸化剤濃度 ) が大幅に低下すると SCC 環境緩和の改善効果は得られるが 炭素鋼配管である原子炉浄化系配管やボトムドレン配管は 減肉 (FAC) が進行する これらの配管は高線量環境であるため 取替え工事を計画的に実施する必要がある このため 炉内環境に応じた 前述の炭素鋼配管の減肉挙動を 実験データや実機データを収集 蓄積し 適切に予測する 戦略的シナリオとの関連 課題とする根拠 ( 問題の所在 ) 現状分析 減肉評価管理手法の確立, 点検 工事の合理化 SCC 環境緩和技術の適用による当該の炭素鋼の炉心外配管の減肉は 国外プラントでは損傷事例が存在しており プラント高経年化に伴う検討項目のひとつに挙げられる 従来 BWR では水化学の観点からは 純水, 酸化性環境での運転が主であったが 近年 構造材料の健全性確保の観点で SCC 環境緩和技術が適用され 炉内雰囲気は還元性雰囲気が強化される傾向にある この場合 炭素鋼配管での減肉 (FAC) に伴う配管減肉の進行が増加する可能性があり これを高精度に予測する技術が必要となる これまで 配管減肉に関するデータベースの蓄積はされているが 機構論に基づく高精度の予測モデルは構築されていない また BWR で適用されている HWC,NMCA 等の新たな水化学環境でのデータベースも今後拡充することが望ましい 期待される成果 ( アウトプット ) 実施にあたっての課題 実施時期 期間 実施機関 資金の出所 水化学 被ばく低減との関係 材料との関係 燃料との関係 出力向上との関係 新しい水化学環境での配管減肉事象の予測手法の確立 実験室 実機での試験結果に基づくデータベースの構築とそのモデル化 第 Ⅰ 期 ~ 第 Ⅱ 期 実施機関 : 産資金の出所 : 産費用 : 中 水化学環境の影響を評価する必要がある 材料の減肉評価にかかわる 特になし 出力向上時に流量増加等により 当該炭素鋼配管の減肉が助長される可能性がある その他

78 7.1.3 PWR 蒸気発生器長期信頼性確保 1990 年代後半から 2000 年代初頭にかけて 国内 PWR では インコネル 600MA 製伝熱管を採用した旧型蒸気発生器 ( 以下 SG) が 伝熱管の腐食損傷により より耐食性の高いインコネル 690TT 製伝熱管を採用した新型 SG に取り替えられ結果 現状 SG の信頼性にかかわる問題は顕在化していないが PWR 発電プラントにおいて蒸気発生器 ( 以下 SG) は最重要機器の一つであり プラント安定運用を継続していくためには長期的に信頼性を確保していくことが非常に重要である 長期信頼性確保のためには構成材の健全性を維持するとともに 性能劣化事象を極力小さくしていくことが必要である なお 2 次系系統で発生した不純物 鉄等は全て SG に持ち込まれることとなり 不純物はクレビス部で濃縮され最悪の場合は腐食環境を形成する可能性があり 鉄は SG 器内に蓄積されスケール付着等による性能低下事象の主要因となる SG 伝熱管の 2 次側損傷 (IGA:Inter Granular Attack 粒界割れ ) は 安全上重要な経年劣化現象の一つであり 経年劣化事象に関わるトラブルの主原因となってきた SG は管外蒸発型の熱交換器であり SG 伝熱管と管支持板間に物理的に形成される狭隘部 ( クレビス ) あるいは給水から持ち込まれた鉄が管板上に堆積 固着下部に形成されるクレビスにおいて乾湿交番 (Dry & Wet) 環境が生じ SG 器内水に含まれる微量の不純物が高濃度に濃縮し 当該部が強アルカリ あるいは強酸性環境となることが IGA 発生原因となる SG の長期健全性を確保していくためには 設計 建設段階における材料 形状等の選択 製作 施工方法の管理 運転開始後における適切な検査 補修を行うことはもちろんのこと SG に持ち込まれる不純物管理を適切に行うとともに クレビス環境が良好に維持されていることを確認し クレビス環境変動時には 効果的なクレビス環境緩和対策を施すことにより SG 伝熱管損傷の発生 進展を防止することが重要である これは 維持管理 ( 検査 補修 ) の合理化と併せ プラントの公益性を高めることに寄与する 一方 2 次系系統で材料の FAC(Flow Assisted / Accelerated Corrosion) によって発生した鉄が SG へ持ち込まれ SG 器内構造物に付着し 伝熱抵抗 流動抵抗となりプラント性能 運用に影響を及ぼす機器の性能劣化現象が顕在化している また クレビス部にスケールが蓄積することにより 当該部の濃縮倍率が増加し 当該部での損傷発生リスクが増大する これら機器性能劣化を防止し プラント安定運転を確保していくためには スケール付着 蓄積を抑制することが重要であり 対応策として系統からの腐食生成物の発生を抑制する技術 機器表面に付着させない技術 機器表面に付着したスケールを除去し機器性能を回復させる技術がある これら技術の適用に対して水化学改善あるいは科学的技術を基にした新水処理薬剤の適用等による効果的 効率的な対応が必要であり 現状技術の高度化 新技術の開発を推進していく

79 ことが重要である これら SG 長期信頼性確保に関する 現状 研究方針と課題 および 産官学の役割分担に ついて以下に述べる (1) 現状分析 1 SG 伝熱管健全性確保最近の PWR2 次系水質管理実績によると SG 伝熱管の損傷を経験した時期に比べて不純物濃度は大幅に低減されており 水化学環境面からは SG 伝熱管損傷の発生リスクは低下しているものと考えられる しかしながら 運転中のクレビス部環境は SG バルク水質からの計算評価によって推定されており 当該部環境を直接確認する技術は開発できていない また 伝熱管損傷防止を目的として取り組んできた清浄度管理 ( 使用副資材管理 機器洗浄等 ) の徹底により 不純物濃度は大幅に低減されたが 復水脱塩設備カチオン交換樹脂の劣化生成物である PSS( ポリスチレンスルホン酸 ) に起因する SO 2-4 の影響が相対的に大きくなり 夏期の復水温度上昇時などに SG クレビス環境が酸性側に偏るケースが増え 酸性側環境での伝熱管損傷の可能性高まっている 改良伝熱管である TT690 は従来のインコネル 600 材から材料耐性の向上が図られているが 酸化銅等の酸化剤が存在し腐食電位が上昇しかつ不純物の介在によりクレビス環境が大きく酸あるいはアルカリ側に偏った環境下ではインコネル 600 材と同様に IGA 発生の懸念があり クレビス環境の確認 環境緩和対策を開発していくことは引き続き重要である 一方 近来海外の一部のプラントで鉛等の微量金属成分が関与すると考えられる SG 伝熱管の損傷発生の可能性が示唆されてきているが 鉛等微量金属成分のクレビス部での濃縮 / 存在形態 腐食メカニズムが不明であることから これら成分による 影響度合いの明確化 並びに対応施策の策定を行っていくことが必要である 2 機器性能劣化防止とプラント安定運転確保 PWR の蒸気発生器 (SG) をはじめとする機器表面へのスケール蓄積に基づく性能劣化現象が顕在化している また SG に持ち込まれる鉄の増加に伴って クレビス部にスケールが蓄積して濃縮環境が増大し 伝熱管表面の環境が厳しくなる可能性があり プラント長期健全性確保の観点からスケール付着抑制対策を早期に適用していくことが重要である スケール蓄積抑制に対しては 前述の通り機器 配管の減肉によって発生する鉄が主要因との判断であり ph 上昇等の 2 次系水質環境改善により大幅な鉄発生抑制が期待でき スケール蓄積が問題となる当該系統への鉄供給低減により スケール付着抑制につながる

80 また スケール蓄積抑制に対し 機器表面へスケールが付着しにくくする あるいは蓄積したスケール作用し スケール性状を改質 除去する効果を有するスケール分散剤の開発が望まれる 一方 付着したスケールを除去 改質する技術として 従来の化学洗浄と比較して 希薄洗浄液条件かつ低温条件で実施する ASCA(Advanced Scale Conditioning Agent) の国内プラントへの適用が開始されている 本手法は SG 器内スケール全量ではなく一部を溶解し スケール空隙率 脆弱性を増加させることによって伝熱性能の回復 BEC 管支持板付着スケールの除去を主目的としたものであり 実機適用実績から期待された効果が得られつつある しかしながら 本手法は SG クレビス部等の強固なスケールを除去できる洗浄手法ではないことから これら強固なスケールも洗浄可能な除去技術の開発が望まれる (2) 研究方針と課題 SG の長期信頼性を確保し プラントの公益性を高めるためには 上述した現状課題に対し 以下に示すような水化学技術の高度化 新技術の開発に継続的に取り組んでいくことが重要である 1 SG クレビス酸性環境の緩和クレビス酸性化防止を目的とし SO 2-4 の発生源である PSS の持ち込み低減のため 復水脱塩設備カチオン樹脂への耐酸化劣化樹脂の適用 復水脱塩設備通水率の低減等の対策は実施されていが 依然としてクレビス環境が酸性化する傾向は認められており 従来以上に SG の 2- SO 4 濃度を低減するには 復水脱塩設備カチオン樹脂の更なる劣化防止 溶出抑制等新たな技術の開発に加えて 復水脱塩設備を含む 2 次系浄化システム全体の最適化が必須である また 酸性クレビス環境に対して有効な中和効果を有すると共に 析出等の副作用を有さずかつプラント運用上問題のない新たな緩衝剤を開発することが必要である 2 SG 伝熱管の損傷に及ぼす鉛の評価鉛による腐食メカニズム並びにクレビスへの濃縮挙動 及びこれら微量金属成分の系統材料からの持込形態について検討を行い SG クレビス環境緩和のための管理指針を確立するとともに プラント設計 建設 補修 点検で鉛を含む材料 資材を使用制限するための方策を確立することが重要である

81 3 SG クレビス直接監視技術の開発現状では SG のクレビス環境評価に際し SG 器内水不純物濃度から濃縮部の環境を推定するクレビス濃縮評価コードが構築され 本計算コードを介して評価を行っているが 定常運転時にクレビス環境が適切に維持されていることを直接監視する必要がある これは上記 1~2 項にあげた SG クレビスへの濃縮及び腐食メカニズムの解明 並びに環境緩和技術の開発においても重要である この観点から in-situ 分析技術等最新の分析評価技術の開発による検証が必要であり これら新技術の開発に関しても最重要課題として取り組んでいく必要がある 4 クレビスへのスケール蓄積による不純物の高濃縮防止 SG2 次側の付着スケールを除去 改質する技術として 希薄洗浄液を用いた ASCA 超音波洗浄が開発実用化されており SG 伝熱管 2 次側表面スケールの除去 改質によるプラント性能の回復 BEC 管支持板管穴スケールの除去による SG 水位振動発生のリスク軽減に対し良好な効果が得られている 一方 付着スケールを積極的に全量除去することを目的とした手法として 海外で適用されている化学洗浄があげられるが 化学洗浄は高温でかつ比較的濃厚な洗浄液を用いることから SG の系統構成材に及ぼす影響を確認しておくことが重要であり また 化学洗浄の実施により多量の濃厚洗浄液を含んだ廃液が発生する 以上から SG への鉄持ち込みによって濃縮環境が増大し腐食環境が悪化する要因となっている SG 伝熱管 / 管支持板 管板上スケール堆積下部等の狭隘部 ( クレビス部 ) に固着したスケールを除去でき 廃液等環境への負荷が小さい洗浄手法の開発 及び効率的な廃液処理手法の検討 開発が必要である 5 スケール分散剤の開発 SG にスケールを付着しにくくする技術として 米国において ポリアクリル酸を用いたスケール分散剤の適用が EPRI 主導の元で検討されている スケール分散剤として用いられているポリアクリル酸は スケール内のシリカを膨張させ それによってスケールを崩すことを目的としたものであるが 国内プラントのスケールに含まれるシリカは米国に比べて大幅に低く 上記と異なる機構 作用によりスケールを分散させる効果を有する分散剤の開発が必要である また 実機の適用にあたっては 系統構成材料に及ぼす影響並びに設備 運用に及ぼす影響等を十分に評価し 実機への適用シーケンスを確立していくことが必要である

82 (3) 産管学の役割分担の考え方 1 産業界の役割 a. クレビス直接分析新技術の開発 b. 鉛の腐食原因究明と機構論の解明 c. SG クレビス緩衝剤の開発 d. プラント実態を把握するための実機運転データ 水質データの蓄積 e. スケール付着抑制新技術の開発 2 国 官界の役割 a. データや評価技術の検証 b. 国内外状況を確認した上 現実的な対応方針の策定 3 学術界 a. 基礎データ 新知見の蓄積と新知見レビュー b. 新実験技術 新計測技術開発のための基盤研究 c. 基盤研究に係わる人材育成 d. 人材の供給 4 学協会の役割 a. 民間標準類策定 b. 人的交流と育成 5 産官学の連携 a. SG 長期信頼性確保に対応できる人材の育成 図 ~ 図 に蒸気発生器長期信頼性確保技術施策の概要 図 に導入シ ナリオ 表 に技術マップ 図 ~ 図 にロードマップを示す

83 SG 伝熱管健全性確保のために取り組むべき課題と技術施策 ( 環境評価技術 ) SG 伝熱管損傷発生評価 SG 伝熱管損傷発生ダイアグラムをモデルループ試験等で評価し 600 合金 690 合金の損傷発生領域の明確化を実施 PWR2 次系スケール付着事象 ( 一例 ) 損傷発生領域は pht4.5 以下及び 10 以上で酸素 酸化剤で若干電位が上昇した領域に存在 クレビス pht を 5~10 の範囲で管理すべく水化学管理 設備 運用高度化に取り組み環境改善実施 SG クレビス評価技術の開発 SG2 次側クレビス部の物質収支をモデル化し環境評価を実施 SG バルク水水質性状 ( 不純物バランス ) 濃縮度からクレビス環境評価できる技術を開発 実機適用 SG2 次側水化学管理技術の高度化に反映 ただし 水質変動時等 その場監視 には対応できていない SG クレビス直接監視評価技術の開発 クレビス評価検証技術として実機モデルボイラ試験装置の開発 適用を実施 計算評価コードの検証に適用 その場監視 には対応すべく 検出手法の開発 高度化が必要 図 PWR 蒸気発生器長期信頼性確保の概要 (1/3)

84 SG 伝熱管健全性確保のために取り組むべき課題と技術施策 ( クレビス環境緩和対策 ) SG クレビス環境酸性化防止 実機 SG クレビス環境を評価した結果 近年酸性側環境に偏る傾向が顕著 PWR2 次系スケール付着事象 ( 一例 ) コンデミカチオン樹脂の劣化生成物由来と判断 酸性側割れ発生のリスクが潜在している H4~H10 年データ Crevice ph コンデミ運用 設備改善による酸性環境緩和 クレビス中和剤の開発に取り組むことが重要 コンデミ部分通水コンデミ全量通水 ΣC/SO4 SG 伝熱管健全性への鉛の影響 現時点では SG 伝熱管材料改善 不純物濃度低減より SG 伝熱管損傷の感受性は大幅に改善されている しかしながら 近年鉛共存下での割れ感受性増加が報告されている状況 鉛共存下での割れ発生メカニズムについて検討し 新たな SCC 環境緩和技術の必要性の見極め 並びに開発 適用に関する検討が必要 また 鉛の影響が大きい場合は 建設 保修等に用いる副資材使用制限の確立が必要 図 PWR 蒸気発生器長期信頼性確保の概要 (2/3)

85 SG 伝熱管健全性確保のために取り組むべき課題と技術施策 ( スケール付着抑制対策 ) SG クレビス濃縮環境緩和 プラントの運転長期化に伴い SG 二次側クレビス部での濃縮倍率が増大し 当該部での腐食環境がより厳しいものとなってくることが懸念される クレビスへのスケール付着抑制 濃縮環境の緩和に対し 2 次系の FAC 抑制による鉄持込低減に加え クレビスに強固に付着したスケールの除去技術 SG に持ち込まれた鉄を付着しにくくする分散剤の開発 適用が必要である SG スケール付着に伴う性能低下 プラントの運転長期化に伴い SG に持ち込まれた鉄が蓄積し スケール付着に基づく性能低下が顕在化 直管部スケール付着 伝熱性能低下 BEC 管穴閉塞 水位振動発生リスク 管板直上部スラッジ固着 濃縮環境増大 蒸気発生器 (SG)2 次側 直管部スケール付着 伝熱性能低下 スケール付着抑制 除去対策の早期実機適用が必要 高 ph 処理等水処理改善による鉄発生抑制 =SG 持込抑制 スケール除去 改質技術の適用 - 固着スラッジ除去 - スケール脆弱化 空隙増加促進 - スケール付着抑制 BEC 管支持板管穴へのスケール付着 水位振動発生の可能性 管板直上部スラッジ堆積 ハードスラッジ生成による濃縮部生成 図 PWR 蒸気発生器長期信頼性確保の概要 (3/3)

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