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よしおたにしき
5 years ago
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1 < 東京双松会講演会 > 1/30 アルツハイマー病の早期発見予防治療平成 26 年 10 月 18 日アルカディア市ヶ谷順天堂大学大学院医学研究科認知症診断予防治療学講座岐阜河村病院田平武 ( 松江観光大使と島根遣島使 ) 石見銀山世界遺産

2 2/30 我が国の認知症患者数 (2013 年厚生労働省発表 ) 高齢者 (65 歳以上 ) の14.75% 我が国の65 歳以上の高齢者は人口の23% 462 万人が認知症 (310 万人がアルツハイマー病 ) 400 万人が軽度認知障害 ( 認知症予備軍 )

3 認知症と物忘れアルツハイマー病 3/30 認知症とは : 一旦獲得した知的機能が脳の障害によって持続的に低下しその為に家庭生活や社会生活に支障をきたすようになった状態をいう単なる物忘れは認知症とは言わないアルツハイマー病は認知症を起こす疾患の一つ

4 もの忘れ外来患者診断内訳順天堂 (H21.5~H26.8) N=448 河村病院 (H24.1~H26.8) N=367 4/30 合計 N=815 アルツハイマー病軽度認知障害レビー小体型認知症血管性認知症その他の認知症うつ病その他の非認知症正常

5 5/30 高齢者認知症の原因アルツハイマー病脳血管性認知症混合型認知症約 80% その他レビー小体型認知症前頭側頭葉型認知症正常圧水頭症

6 6/30 アルツハイマー病の診断認知機能の評価 Minimental State Examination (MMSE) 長谷川式簡易知能評価スケール改訂版 (HDS-R) Alzheimer s Disease Assessment Scale (ADAS)-cog CT, MRI 形態画像大脳とくに海馬の萎縮 SPECT( 脳血流 ) 機能画像特殊検査髄液 A 42, タウ FDG/PET, アミロイドイメージングタウイメージング

7 アルツハイマー病の治療 7/30 1. 対症療法 1) 中核症状 : a. コリンエステラーゼ阻害薬 ( アセチルコリンを増す ) アリセプトイクセロンパッチ ( リバスタッチパッチ ) レミニール b, NMDA 受容体拮抗薬 ( グルタミン酸を抑える ) メマリー 2) 行動心理症状 (BPSD): メマリー抑肝散非定型抗精神病薬等 2. 代替療法 : アロマセラピーサプリメント他 3. 根本治療法 (Disease modifying drugs): 開発中

8 8/30 脳のアセチルコリンを増やす薬アセチルコリンコリンエステラーゼ阻害薬 ( アリセプトレミニールイクセロン ) 副作用吐き気嘔吐下痢不整脈など

9 (NMDA 受容体拮抗薬 ) 塩酸メマンチン ( メマリー ) 9/30 シナプスグルタミン酸 NMDA 受容体 Ca 2+ メマリーメマリーは NMDA 受容体拮抗作用により過剰な NMDA 受容体の活性化を抑制します塩酸メマンチン ( メマリー ) 認知機能の改善過剰な興奮を抑え神経細胞死を抑制周辺症状を改善副作用めまい眠気

10 アリセプトコリンエステラーゼ阻害薬の効果 : ADAS-Jcog の経時変化週認知機能の改善対症療法であり根本的予防治療薬ではない 10/30

11 11/30 アルツハイマー病の発病機序アミロイドベータタンパク無毒凝集有毒老人斑タウタンパク無毒凝集有毒神経原線維変化

12 アルツハイマーワクチン 12/30 アルツハイマーマウスをアミロイドベータタンパクで免疫すると老人斑が消失し学習障害が改善 (Schenk ら, 1999, 2000) ヒトの治験 (AN-1792): 副作用 ( 脳炎 ) のため治験中止ワクチン接種によりヒトでも老人斑が消えた (Nicoll ら, 2003) 副作用のないワクチン開発が世界競争となっている

13 アミロイド抗体 ( ソラネズマブ ) の治験結果 13/30 Doody R et al. N Engl J Med 2014;370: 軽症中等症アルツハイマー病患者治験 1(1012 例 ), 治験 2 (1040 例 ) 400mg 4 週に 1 回長脈注射 80 週間プライマリーエンドポイント有効性なし治験 2 のサブ解析軽症 AD に限ると Placebo *p=0.04 *p=0.01 Solanezumab ADAScog14 MMSE *p=0.05 *p=0.06 ADCS-ADL ADAS-cog11 ADAS-cog14 プラセボ solanezu *p=0.04 ソラネズマブは軽症 AD に有効の可能性

14 14/30 アデノ随伴ウイルスベクターを用いた経口ワクチン抗体免疫細胞活性化アミロイドたんぱくをつくる遺伝子アデノ随伴ウイルスベクター腸管免疫このワクチンを口から飲むと腸管上皮に感染しそこで作られたアミロイド蛋白に対し免疫系が反応し抗体が上がるその抗体が脳に行ってアミロイドやオリゴマーに結合しこれを除去する

アルツハイマーマウス (tg2576) での検討 Hara H et al. J Alzheimer Disease 2004.

15 アルツハイマーマウス (tg2576) での検討 Hara H et al. J Alzheimer Disease /30 アミロイド食塩水を飲んだマウス生後 15 週で接種したマウス生後 30 週で接種したマウス生後 45 週で接種したマウス

preference (%) [ approach time of ] = x 100 [ approach time of ] = x 100 [ total approach time ] [ total approach time ] 1

16 Training 新規物体認識試験 16/30 (Mouri A et al. FASEB J, 2007) Trial duration (training retention):10min ex) 30sec 28sec 17sec 38sec Exploratory preference (%) Exploratory preference (%) [ approach time of ] = x 100 [ approach time of ] = x 100 [ total approach time ] [ total approach time ] 1 日後 Retention = 28 x 100 = 48.3% (C) Exploratory preference (%) ヵ月 ** 対照ワクチン対照ワクチン non-tg Training APPtg = 38 x 100 = 69.1% ## 対照ワクチン対照ワクチン non-tg ** ** APPtg Retention

17 老齢サルでの検討 % amyloid burden ワクチン対照 Frontal Parietal Hippocamp LacZ Abeta/mIL- 10 前頭葉頭頂葉海馬 17/30 脳炎などの副作用は見られない対照ワクチン

18 AN-1792 ワクチン 6 年後の結果 (Holmes et al. Lancet 2008) 18/30 対照開始時の認知機能抗体価の上昇老人斑の除去認知症のステージ生存期間死亡前の認知機能ワクチン中等度中等度中等度中等度高度高度ワクチンは効かない?

19 バイオマーカーの変化と AD の新しい診断基準 19/30 炎症 ( 免疫反応 ) X 治験 : 遅い Preclinical AD の治療 (Jack CR Jr et al. Lancet Neurol 9:119, 2010; Sperling RA et al. Alzheimers Dement 7:280-92, 2011 )

20 いつ実現? 20/30 東京オリンピック 2020 年品川 - 名古屋間が 2027 年開業予定品川 - 新大阪間が 2045 年開業予定アルツハイマー病の根本的予防治療始まる? 年

21 % 25 認知症の年齢階級別出現頻度 ( 年東京都の統計による ) 21/ 老化は認知症の最大の危険因子歳

22 Jeanne Louise Calment (1875 年から 122 年と 164 日生きた ) 22/30 フェンシングは 85 歳から始め自転車は 100 歳まで乗った兄は 97 歳父は 94 歳母は 86 歳まで生きた 1988( 昭和 63) 年にゴッホの百年記念の際ゴッホの事を汚くて格好も性格も悪い人だったと語った彼女は自分が喫煙者であることを隠さず 117 歳になるまで喫煙したまた赤ワインを毎日嗜んだ

23 カロリー制限すると長生きする ( ラット ) 23/30 生存率 ( % ) 1 自由食 2 離乳後 6 ヵ月間 60% に制限その後自由食 3 離乳後 6 ヵ月間自由食その後 60% に制限 4 離乳後 60% に制限 (Yu BP et al. J Gerontol 40,657, 1985) 月齢

24 24/30 カロリー制限するとサルでも糖尿病や癌などが減り生存率が高くなる Colman RJ et al. Science 325, 201, 2009.

25 25/30 生活習慣病の増加福岡県久山町の疫学研究より ( 清原ら 2008) 人口 8,000 人 1961 年より生活習慣病の前向き調査研究 % 肥満高コレステロール血症耐糖能異常認知症 ( アルツハイマー病 ) の増加は生活習慣病の増加と関係

26 26/30 アルツハイマー病の危険因子年齢 : 高齢性 : 女性遺伝 : 家族性アポ Eε 4 頭部外傷脳虚血脳血管障害糖尿病無趣味怠惰な生活ストレス食事 : 高カロリー高脂肪食喫煙生活習慣

27 アルツハイマー病の抑制因子 27/30 学歴 : 高い生活スタイル : 積極的運動習慣昼寝 : 30 分以下 ( エストローゲン = 女性ホルモン )? 非ステロイド性消炎剤抗コレステロール薬 ( スタチン ) ビタミン E C 食事 : 魚黄緑色野菜地中海食生活習慣

28 28/30 認知症予防 (1) 運動趣味 (2) 栄養 (3) ストレス解消

29 29/30 食事栄養塩分はとり過ぎないカロリーひかえめ肉より魚新鮮野菜果物黄緑色野菜海草小魚 ( いりこ ) 牛乳ナッツごま魚卵酒はほどほどに煙草はやめたほうがよい低脂肪魚油ビタミンC -カロチン葉酸カルシウムビタミンE

30 ご清聴ありがとうございました 30/30 朝日新書 2009 診断と治療者 ,800 円 ( 税抜き )

第三問 : 認知症の主な症状にどのようなものがあるか下枠に二つ記入してください例 ) 同じことを何度も言うなど ( 答えはたくさんあります ) 例 ) ささいなことで怒るなど ( 答えはたくさんあります ) 第四問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものにはを間違っているものには

第三問 : 認知症の主な症状にどのようなものがあるか下枠に二つ記入してください例 ) 同じことを何度も言うなど ( 答えはたくさんあります ) 例 ) ささいなことで怒るなど ( 答えはたくさんあります ) 第四問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものにはを間違っているものには認知症 ( 解答 ) テストは難しめに作成していますテキストや講義解答と照らし合わせて復習していただければと思いますなお採点を目的としていないので点数は設定していませんまた記述式の解答は答えが一つとは限りません私の答案よりも良い解答があることは十分に考えられますので参考解答として認識していただければと思います第一章. 認知症とは第一問 : 加齢と認知症による物忘れの違いについて