s_051小3国語「お気に入りの主人公で」北総

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1 プログラムを取り入れた指導事例 ( 小学校 3 年国語 ) 第 3 学年国語科学習指導案 1 単元名お気に入りの主人公でチェンジカードを作ろう ~ モチモチの木 ~ 2 単元について (1) 単元観本単元は, お気に入りの主人公でチェンジカードを作る という言語活動を, 単元を貫いて位置づけた この学習材 モチモチの木 では, 物語の場面の移り変わりに注意し, 登場人物の気持ちを会話や行動など叙述を基に想像しながら読み進めていく そして, モチモチの木 をもとに豆太の気持ちの移り変わりを書いたチェンジカードを作り, さらに並行読書をした同じ作者の本の主人公でもカードを作成していく 最後は, できたものを発表し合ったり, 図書室などに置いて他の学年にも見てもらったりするという目的を明確にすることで, 読むことに主体的に取り組み, 幅広く読書をしようとする態度を育てることをねらっている この学習は, 国語科学習指導要領の次の指導事項に重点を置くことを意図して設定した C 読むことウ場面の移り変わりに注意しながら, 登場人物の性格や気持ちの変化, 情景などについて, 叙述を基に想像して読むこと オ文章を読んで考えたことを発表し合い, 一人一人の感じ方について違いのあることに気付くこと 学習材 モチモチの木 は, はっきりと場面分けされており, 出来事もシンプルでとらえやすい その中で, 登場人物である, 豆太 の言動がわかりやすく描かれている 豆太 の性格についても, 語り手がわかりやすく語っているという特徴もある 最初の場面と最後の場面を比べて読むことで, 豆太 の性格や気持ちの変化について考え, より深くとらえることができると思われる ここで取り上げる言語活動 お気に入りの主人公でチェンジカードを作ろう は, 見出す段階で, の作品から, 主人公の気持ちの変化を書いたカードのモデルを提示し, 友達に紹介するというめあてを持たせる その際, の他の作品を見せることで学習材以外の本にも興味をもてるようにし, 並行読書への意欲付けとしていく 次の調べる 深める段階では, 場面と場面を比べて読むという学習活動を通して, 中心人物である 豆太 の気持ちの移り変わりをとらえながら読み進めていく 気持ちを考えるためには, それぞれの場面で, どのような言葉を手がかりにすると人物の気持ちが読み取れるのか, 文章に線を引かせたり, 想像した気持ちを書き込ませたりしながら学習を進める そして, 場面ごとの話し合いをもとに, 豆太のチェンジカードを書いていくことで, 気持ちの変化をよりとらえやすくする まとめあげる段階では, 並行して読み進めたの作品から自分の好きな主人公を選び, その主人公でチェンジカードを作る この言語活動を行うことで, 主人公の性格や場面ごとの気持ちの変容を想像し, 読む力につなげたいと考える また, 並行読書で取り上げる際, の民話の世界に興味 関心をもたせ, 読書活動への広がりにつなげていきたい (2) 児童の実態省略

2 (3) 指導観意識調査の結果, 国語科の学習が好きな児童は 67% だが, 読書が好きな児童は約 80% であり, 図書室に行くことを好む児童が多い また, 説明文より物語文の方が好きという実態から, 読書の傾向も物語が多く, 絵本から徐々に文が長いものへと変わってきている 国語が嫌いな児童は, 絵が多い物や図鑑などを読む傾向にあるが, 今回の学習材 モチモチの木 は, 独特の言い回しや滝平二郎の特徴的な絵から, 興味 関心がもてるのではないかと思われる 自分の考えを書くことに苦手意識をもっている児童は半数おり, それが発表する意欲にも影響していると思われる 本単元では, ワークシートへの書き込みや少人数での話し合いの機会を多くとることで, お互いの考えを聞き, 表現することの楽しさにつなげていきたいと考える 事前調査の, 文章から場面の様子を読み取ったり, 人物の気持ちを想像したりするということは, 正答率が約半数にとどまっている 初めて読んだ文章ではあるが, ある程度は答えになる文章を見つけることはできたようである しかし, 気持ちがわかる文を正しく書き抜いたり, 叙述から気持ちを想像したりすることにはうまくつながっていない 調査は一部の文章だけだったので, 前後の場面を関連付け, 情景や人物の気持ちにつながる叙述に気を付けながら文章を読み進めていくことで, 登場人物の気持ちを想像することができるのではないかと思う 以上のような実態から, 本単元では, 物語の場面の移り変わりに注意し, 登場人物の気持ちを会話や行動など叙述を基に, 想像しながら読み進めていく というねらいを達成するため, 次のことに配慮して指導したい 1 読みの目的を明確にするために, お気に入りの主人公でチェンジカードを作ろう という言語活動のモデルを示す 本単元のゴールをイメージ化することで, 主体的な読みにつなげていけるようにする モデルは, 学習材以外の本で作ることで同じ作者の本にも関心を持たせ, 並行読書への意欲付けとする 2 場面ごとに文章をのせたワークシートを用意し, 登場人物の言葉 行動 情景などに線を引き, 考えを書き込み, 話し合うという言語活動を繰り返していくことで, 叙述を基に読み進める方法を学ばせていく また, それらをもとにチェンジカードに気持ちをまとめていくことで, 場面と場面をつなげたり比較したりしながら, 豆太の行動や気持ちの変化に目を向けさせていく 特に, 読みの視点として 臆病な豆太 勇気のある豆太 という言葉をキーワードにしながら, 場面ごとにハートの絵の大きさでその気持ちの度合いを表していき, 大きく気持ちが変化した場面の読みをより深められるようにする 3 お互いの考えを深めていくために, 自分のワークシートを基に, 少人数グループでの話し合い活動を取り入れていく 全体の前ではなかなか意見が出せない児童も, 少人数の中で自分の考えを伝え合うことで, 類似点や相違点に気付かせていく また, 手立てが必要な児童も友達の考えを聞くことで, 自分の考えを持つことへの手助けとなるようにする なお, 全国学力 学習状況調査では, 物語の情景描写や心情, 人物相互の関係について捉えることや自分の言葉で表現する力に課題があるとされており, 本学級の実態も同様である このことをふまえ, 本単元では, 場面の移り変わりや登場人物の気持ちの変化などを, 叙述から読み進めていけるようにしたい 3 単元の目標 チェンジカード を作ることに意欲をもち, 主人公の気持ちの変化を考えながら進んで文章を読もうとする ( 関心 意欲 態度 ) 場面の移り変わりに注意しながら, 登場人物の性格や気持ちの変化, 情景などについて, 叙述を基に想像して読み, 一人ひとりの感じ方の違いに気付くことができる ( 読むこと ) 豆太の人柄や様子を表現したり理解したりするために必要な語句を増し, その語句を文の中で使うことができる ( 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 )

3 並行読書4 仮説との関連 読みの目的を明確にし, 単元を貫く言語活動を工夫すれば, 思考し, 表現する力が育つであろう お気に入りの主人公でチェンジカードを作ろう という言語活動を設定し, 登場人物の気持ちの変化にせまりながら, 主体的に物語文を読み進めていけるようにする 学習の流れが分かるように, 学習計画表を提示する ワークシートに考えをまとめ, それをもとに話し合っていくことを繰り返し行うことで, 一人ひとりの感じ方の違いに気付かせ, 自分の言葉で表現する力を育てていけるようにする の本を並行して読み, 自分が気に入った主人公でチェンジカードを作ることで, 会話や行動などから人物の気持ちの変化に目を向け, 想像して読むことができるようにする < 単元構想と言語活動を充実させるための手立て > 第 1 次 第 2 次 第 3 次 見出す 調べ調べる 深める まとめあげる 教師作成のチェンジカードを見て, 言語活動への意欲を高め, 学習の見通しをもつ 自分が読みたい本を決める 学習材 モチモチの木 を読み, 豆太の気持ちの変化について話し合う 話し合いを基に, チェンジカードに まとめる 並行読書 : の作品 モチモチの木 で学んだことを活かしの作品を読む 自分の好きな本のチェンジカードを作成し, 発表し合う 図書室に置き, 他の 学級 学年にも見てもらう ミニ言語活動 家庭学習 読書カード 家庭学習での音読 5 指導計画 (11 時間扱い ) プロセス 出す2時配学習内容と学習活動評価規準 ( 評価の観点 評価方法 ) 見 単元全体の見通しをもつ 教師が作った チェンジカード を見て, 言語活動へのイメージをもつ 学習計画を立てる モチモチの木 を読み, 作品の時代背景や登場人物を確認する 内容のあらましをつかみ, 感想を話し合う チェンジカード を見て, 言語活動への関心をもって取り組もうとしている 関 ( 発言 態度 ) 学習の流れが分かり, 意欲的に取り組もうとしている 関 ( 発言 態度 )

4 調べる 深める1111( 本 1 の場面から, 豆太とじさまの性格や人柄を話し合う 2~5 の場面を読み進め, 豆太の気持ちの変化を チェンジカード に書く (2 の場面 ) 昼と夜のモチモチの木に対する豆太の気持ちの違い (3 の場面 ) じさまからモチモチの木に灯がともる話を聞いた豆太 叙述を基に豆太の臆病な性格とじさまの優しさについてまとめている 読 ( 発言 カード ) 並行時) 11まとめあげ 昼と夜のモチモチの木に対する豆太の 気持ちを読み取り, カードにまとめて いる 読 ( 発言 カード ) 読 モチモチの木に灯がともるのは見られ ないとあきらめた臆病な豆太の気持ち 叙述を基に, 豆太の気持ちの変化を読み取り, カードに書くことができる ( 読むこと ) 書を読み取り, カードにまとめている 読 ( 発言 カード ) (4の場面 前半) 腹痛でうなるじさまを見て, 医者を じさまを思う豆太の気持ちを考え, 進 呼びに行く豆太 んで意見を交換しようとしている 関 ( 発言 態度 ) 叙述を基に, 豆太の気持ちの変化を読 み取り, チェンジカードにまとめてい る 読 ( カード ) (4の場面 後半) モチモチの木に灯がともるのを見た モチモチの木に灯がともるのを見た豆 豆太 太の気持ちを想像し, カードにまとめ ている 読 ( 発言 カード ) (5の場面) 元気になったじさまの話を聞いた豆 最初の場面と比べて, 豆太が変わった 太 のか考え, まとめている 読 ( 発言 カード ) チェンジカードを読み合う 一人ひとりの感じ方の違いに気付き, 読んでいる 読 ( カード ノート ) 自分の好きな本の チェンジカード 既習を活かし, 自分の気に入った本の を作成し, 発表し合う 登場人物について, カードにまとめて 自分が気に入った本の登場人物につ いる 読 ( カード ) いて, 性格や気持ちの変化などをまとめる 1 友達と発表し合い, 感想を交流する 友達との交流を通して, 自分の考えをる2伝えたり, お互いの良さを見つけたり し, 一人ひとりの感じ方の違いに気付 作成したチェンジカードを図書室に いている 読 ( 発表 態度 ) 置く 6 本時の指導 (6/11) (1) 目標 じさまを思う豆太の気持ちを考え, 進んで意見を交換しようとする ( 関心 意欲 態度 )

5 (2) 展開 時配 1 2 学習内容と学習活動 ( 活動 予想される児童の反応 ) 1. 前時までの学習を振り返る 2. 本時の学習課題を知る 指導支援 評価観点 ( ) 評価方法 達成児童への手立て 未達成児童への手立て 前時までの豆太の様子について掲示物から振り返る 資料 学習計画表 おくびょうな豆太が, 医者様をよびに行けたのはなぜだろう 挿絵 の場面 ( 前半 ) を読む (P36 終わりまで ) 本時の学習場面を確認し, 様子を想像しながら読ませる 豆太が医者を呼びに行こうとした理由や, そのときの行動に線を引き, 気持ちを想像してワークシートに書く こわくて, びっくらして, どうしていいかわからないよ 子犬みたいに体を丸めて, 表戸を体でふっとばして走り出した じさまのために早く医者様を呼びに行かなくちゃ ねまきのまんま はだしで 慌てているから 少しでも早く医者を呼びに行こうとしている 豆太はなきなき走った 暗くて怖いけど, じさまが心配 いたくて, 寒くて, こわかったからなあ 痛くて寒いけどじさまのためにがんばらなくちゃ 大すきなじさまの死んじまうほうが, もっとこわかったからなあ 早くじさまを助けたい 大好きなじさま, 死なないで 本時の学習場面のワークシートの中で, 豆太の行動から気持ちが分かる文に線を引き, 気持ちを書きこんでいくようにする 臆病な部分を残しつつ, じさまのために勇気を出して行動する豆太の叙述に目を向けさせる 豆太の行動は, 全てじさまを助けたいという気持ちからきていることに気付かせ, 怖いけれど頑張っている豆太に着目させる 気持ちを書き込めた児童は, 近くの友達と意見を交換させる 文章の中から言葉を見つけられない児童には, 挿絵を手がかりにさせ, 豆太の様子が書かれていた言葉を見つけさせる ワークシート 豆太の気持ちについて考えたことを話し合う 豆太はこわいけどじさまのために勇気を出した 今まで外にも出られなかった臆病な豆太だったのにじさまのために勇気のある豆太に変わった 3 人ずつの小グループにし, 自分のワークシートを基に, 豆太の気持ちを話し合わせる じさまを思う豆太の気持ちを考え, 進んで意見を交換しようとしているか 関 ( 発言 態度 ) お互いの考えを伝え合い, 類似点や相違点に気付かせる 話し合いの中から, 自分の考えに近い意見をワークシートに書き込むようにさせる

6 モチモチの木斎くびょうな豆気のある豆さまが死んじゃいやだ 藤おたのは10 6. グループの話し合いをもとに, 全体で話し合う 豆太は, じさまが死んだら大変だから勇気を出して一生生懸命走ったのだと思う こわいが3 回出てくるけど, 意味が違う 今までの豆太と違って, じさまのために勇気ある豆太になった 山道の怖さとじさまが死んでしまうかもしれない怖さに気付かせ, それでも呼びに行った豆太の気持ちを考えさせる 1 回目の こわい は, じさまがたおれたこと,2 回目は夜の山道,3 回目はじさまが死んでしまうことに気付かせる 前時までの場面を再度振り返返り, 今までの臆病な豆太と比べ, どのような理由で勇気のある豆太に変化したのかまとめる 感情を表 すハート カード 7 7. 話し合いをもとに, チェンジカードに書き加える チェンジカードに, 本時でわかった豆太の行動や気持ちなどを付け加える 叙述を基に, 豆太の気持ちの変化を読み取り, チェンジカードに書書くことがで 読 ( カード ) チェンジカード 2 8. 本時の学習について自自己評価をする まとめた文を読み直し, 近くの友達と意見交換をさせる 前時までの臆病な豆太とどこが違うのかを書くようにさせる 学習計画表 (3) 板書計画 太 大じ好でさき まな じんじまうほうがっとこわい勇 も死なないさま 死( 坂道 ) 医者様 きているか 大すきなじじさまを思う気持ちいわたかくってた 寒くて こどなね表うきま戸し なきをよいきの体うた走まで いっんふよた まっ とを 真はばして こわくてびっくらして 子犬みたいに体足から血が出た で でこわいよ丸めて だしっ暗じさまが大変だ 太おなぜだろう くびょうな豆太が 医者様をよびに行け

7 並行読書で取り上げる本 書 名 ふき ユとムとヒ かみなりむすめ 半日村 ひばりの矢 猫山 火の鳥 花さき山 ソメコとオニ ひさの星 八郎 三コ ベロ出しチョンマ 著 者 出版社 福音館書店 福音館書店 理論社 チェンジカード 本時で考えた豆太の変化をま とめて書く 表紙 自分のイメー ジしたモチモチの木