Ⅳ. 事例紹介大阪府内の糖尿病対策の取り組みの中から阪南市と島本町国内の事例として埼玉県を紹介するなお以下に示す府内の特定健診対象者数受診率特定保健指導実施率は平成 26 年度大阪府国民健康保険課提供の法定報告値未治療の糖尿病疑い者 (HbA1c 6.5% 以上 ) の割合は同年

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あきおかたいわ
5 years ago
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1 Ⅳ. 事例紹介大阪府内の糖尿病対策の取り組みの中から阪南市と島本町国内の事例として埼玉県を紹介するなお以下に示す府内の特定健診対象者数受診率特定保健指導実施率は平成 26 年度大阪府国民健康保険課提供の法定報告値未治療の糖尿病疑い者 (HbA1c 6.5% 以上 ) の割合は同年度の大阪府国民健康保険団体連合会提供データの分析結果である阪南市は大阪府南部の泉州医療圏に位置し平成 26 年度の特定健診対象者数が 11,269 人の規模である同年度の特定健診の受診率は 30.8% であり大阪府全体 ( 市町村国保 ) と比べて 1.7 ポイント上回る程度であったが ( 府内 31 位 ) 特定保健指導の実施率は 39.3% であり大阪府全体と比べて 25.3 ポイント高かった ( 府内 5 位 ) 未治療の糖尿病疑い者の割合は 2.8% であり大阪府全体に比べて 1.0 ポイント低く ( 府内 4 位 ) 同年度の糖尿病対策の取り組みの実態調査の結果肥満非肥満にかかわらず比較的バランスの取れた対策を実施していたそこで平成 27 年 9 月に開催した研修会で事例紹介として発表してもらった島本町は大阪府北部の三島医療圏に位置し平成 26 年度の特定健診対象者数が 5,265 人の規模である同年度の特定健診の受診率は 37.7% 特定保健指導の実施率は 35.9% で大阪府全体と比べてそれぞれ 8.7 ポイント 22.0 ポイント高かった ( 府内 8 位 7 位 ) 未治療の糖尿病疑い者の割合は 2.3% で大阪府全体に比べて 1.5 ポイント低かった ( 府内 1 位 ) 汎用性の高い行動変容プログラムの充実した取り組みで活用できる全員配布用のリーフレットを改変し町内の健康イベントで活用した事例として紹介する埼玉県は日本健康会議で紹介されている事例である糖尿病性腎症重症化予防対策事業を全県展開し医療機関への受診勧奨で一定の評価を得ているホームページでは特定健診の結果をわかりやすく返却する工夫や糖尿病治療費のシミュレーションなどを参考にすることができる今後各市町の特性に応じた具体的な成功事例が共有されることが期待される日本健康会議とは少子高齢化が急速に進展する日本において国民一人ひとりの健康寿命延伸と医療費適正化について行政のみならず民間組織が連携し実効的な活動を行うために組織された活動体日本健康会議の活動指針 ~ 健康なまち職場づくり宣言 2020~ ( 抜粋 ) 宣言 2 かかりつけ医等と連携して生活習慣病の重症化予防に取り組む自治体を 800 市町村広域連合を 24 団体以上とするその際糖尿病対策推進会議等の活用を図るホームページ 124

2 事例集 < 平成 27 年度 > 府内の事例 ( 研修会で発表 ) 阪南市二次医療圏区域図 ( 出典 : 大阪府保健医療計画 ) H24 に比べて H25 の特定保健指導の実施率が急上昇! ポイントは集団指導から個別指導に切り替えたことです集団指導では途中から参加した場合冒頭の説明が聞けないデメリットがあります個人にあわせた指導日や指導内容を提供することで実施率の向上につながった事例です大阪府全体や医療圏と比較することで独自の医療費の特徴を把握できています 125

肥満非肥満にかかわらず必要な対策が実施できています再勧奨および実績の把握が行えています受診勧奨の実施率は 69% であり

サイクルが良好にまわる事業になると考えられます特定健診の受診率特定保健指導の実施率に変動があり糖尿病 ( 疑い )

年後の健診結果を分析すると事業の効果をさらに評価できます ( 参考 ) 阪南市の糖尿病 ( 疑い ) の割合の推移治療中 (HbA1c

3 肥満非肥満にかかわらず必要な対策が実施できています再勧奨および実績の把握が行えています受診勧奨の実施率は 69% であり 41% の未受診者を医療機関につなげることができています客観的な数字を指標にすることで PDCA サイクルが良好にまわる事業になると考えられます特定健診の受診率特定保健指導の実施率に変動があり糖尿病 ( 疑い ) 者の割合も一定していませんが近年の未治療の糖尿病疑い者の増加はみられません取り組みを実施した人の 1 年後の健診結果を分析すると事業の効果をさらに評価できます ( 参考 ) 阪南市の糖尿病 ( 疑い ) の割合の推移治療中 (HbA1c 6.5% 未満 ) 治療中 (HbA1c 6.5% 以上 ) 非肥満未治療糖尿病疑い肥満未治療糖尿病疑い 12% 10% 8% 6% 4% 2% 0% H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 126

4 事例集平成２７年度府内の事例プログラム資材の活用島本町健康展の場における汎用性の高い行動変容プログラムのリーフレットの活用期日平成２７年９月２０日日午前１０時午後３時内容島本町主催の福祉大会(福祉や健康などに関する展示や体験を行うイベント)内で健康コーナーを設けている健康コーナーで血糖値に関する展示を行った同時に血圧測定と健康相談骨密度や体組成測定茨木保健所によるストレスチェック等を実施した規模健康コーナーへの来場者数は 220 人余でそのうち血糖値に関する展示に立ち寄って保健師栄養士による説明を受けた人数は 42 人リーフレットを持ち帰った人数は 25 人だった H.27.9月福祉大会(健康コーナー)配布資料血糖値を必要以上に上げないために気をつけること健診結果を再チェックインスリンは体内で唯一血糖値を下げる働きをするホルモンです * HbA1c (NGSP)( ) 空腹時血糖値 ** (mg/dl) でチェックする場合でチェックする場合健診結果のうチちェ血ッ糖ク検し査てみのま項し目ょをう 6.5以上 126以上以下以下糖尿病域境界域正常域 *HｂA1c (ヘモグロビンエーワンシー) 過去1 2ヵ月の平均血糖値を反映する指標です栄養食生活のこと肥満の方は減量を主食主菜副菜を揃えましょう **血糖値血液中のブドウ糖の濃度ですかかりつけ医にすぐに受診を (野菜海藻きのこ類) 放置するといつの間にか進行してしまい合併症の発症につながります (肉魚卵大豆製品) (野菜の具だくさんで副菜の1品に) (ご飯麺類パン類など) 食べる順番は野菜から食物繊維は食後高血糖を抑える働きがあります主食より野菜を先に食べると糖の吸収が穏やかになります 1日小鉢5皿程度を目標に今が生活習慣改善のチャンス特定保健指導を利用して専門家のアドバイスを受けましょうお菓子や砂糖入り飲料を控える１日3食を同じくらいの量に分けて食事時間を決めましょう食事を抜いたあとの次の食事どか食い夜の過食などでは血糖値の急上昇につながりインスリンをムダ遣いすることになります Q ヘモグロビンA1cが高くても空腹時血糖値が正常 100mg/dL)であれば大丈夫ですかアルコールを飲みすぎないお酒を飲むなら日本酒換算で1日1合以下にしましょう食後高血糖日本酒換算１合の目安ビール(5度)500 ml 焼酎(25度)110 ml ワイン240 ml ウィスキー60 ml 早食いをしない早食いは肥満をもたらす可能性がありますのでよく噛んで時間をかけて食べましょう A いいえ大丈夫とはいえません初期は食後の血糖値から上昇しますのでヘモグロビンA1cだけ高くなることもあります知っ得情報ヘモグロビン Hb とHbA1cのちがいとはヘモグロビンは酸素を運ぶ赤血球の主役ですヘモグロビンが少ない状態が貧血です血液中のブドウ糖が多くなると赤血球の中のヘモグロビンにどんどんくっつきますヘモグロビンへのくっつき具合の目安が HbA1cです赤血球の寿命の関係で過去１ 2か月の間の血糖値の平均値を反映していますからだを動かしましょうウォーキングなどの有酸素運動を週に合計150分以上行いましょう日本人男性における調査で仕事通勤などで日常的によく動いている人は動いていない人に比べて糖尿病にかかる危険性が約3割低いことがわかっています治療を開始された場合はかかりつけ医にご相談下さい吸収が早い糖分を多く含み血糖値を上昇させます飲み物は水やお茶などの無糖のものを選びましょう今後も継続して健診を受診しましょう特に内臓脂肪型肥満メタボでは糖尿病にかかりやすくなります初期の糖尿病と肥満があるといわれた場合は体重を5 程度減らすことで糖尿病へ悪化するリスクを半減させることができますストレス解消法をみつけましょう精神的ストレスがある人は糖尿病にかかる可能性が高いことがわかっています適度な運動をすることは満足感や開放感リフレッシュ効果が得られてストレスを解消するのに役立ちますよい睡眠で糖尿病予防短い睡眠時間は糖尿病にかかりやすくなります夜更かしは控えましょう禁煙しましょう自力で禁煙するよりも禁煙補助剤や禁煙外来を利用した方が楽により確実に費用もあまりかからずに禁煙することができますたばこを吸う人は吸わない人に比べて約1.4倍糖尿病にかかりやすい喫煙本数が多いほど糖尿病にかかりやすく禁煙するとリスクが低下します参考文献 1 日本糖尿病学会編科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013. 南江堂, 中村正和編糖尿病の治療も予防も禁煙が大切です, 問い合わせ先島本町ふれあいセンターいきいき健康課大阪がん循環器病予防センターの資料をもとに作成電話 F A X リーフレットの活用血糖値に関する展示では汎用性の高い行動変容プログラム内のリーフレット全員配布用を編集して活用した来場者が持ち帰れるようにすることでもう一度自宅で健診結果を確認してもらう動機づけとした持ち帰り用のリーフレットは拡大して掲示も行った空腹時血糖値は正常でも HbA1c 値が少し高めになっている人が多く見受けられるため HbA1c 値の境界域の数値が真ん中に大きく表示されていることで境界域の人にも生活習慣改善の必要性を説明しやすかった食後高血糖の状態をわかりやすくグラフで示してあり空腹時血糖値と HbA1c 値の関係を説明しやすかった 127

5 会場のようす町独自で作成した一般向けのポスターも展示した 128

事例集 < 平成 27 年度 > 全国の事例埼玉県糖尿病性腎症重症化予防対策事業の全県展開対象者医療機関未受診と受診中断者 1 空腹時血糖 126 mg/dl( 随時血糖 200 mg/dl) 以上または HbA1c [NGSP] 6.

73 m 2 未満方法平成 26 年度に 18 市町 990,778 人から対象者を抽出して医療機関への受診を勧奨する文書を送付した重症化が疑われる場合には電話や訪問による再勧奨を実施した結果の概要平成 27 年 1 月から 3 月にかけて受診勧奨を実施した 3,283 人について 3

1%) であった 1 か月当たりの病院受診者の割合は受診勧奨後の 1 月から 3 月の 3 か月間では月平均 8.2% でありそれ以前の 6 か月間の月平均 4.

6 事例集 < 平成 27 年度 > 全国の事例埼玉県糖尿病性腎症重症化予防対策事業の全県展開対象者医療機関未受診と受診中断者 1 空腹時血糖 126 mg/dl( 随時血糖 200 mg/dl) 以上または HbA1c [NGSP] 6.5% 以上 2 egfr が基準値 (60 ml/ 分 /1.73 m 2 ) 未満 3 尿蛋白 2+ 以上あるいは egfr 30 ml/ 分 /1.73 m 2 未満方法平成 26 年度に 18 市町 990,778 人から対象者を抽出して医療機関への受診を勧奨する文書を送付した重症化が疑われる場合には電話や訪問による再勧奨を実施した結果の概要平成 27 年 1 月から 3 月にかけて受診勧奨を実施した 3,283 人について 3 月分までのレセプトデータを分析して医療機関への受診状況を確認した病院受診者は 698 人 (21.3%) であり内訳は未受診者 2,741 人のうち 611 人 (22.3%) 治療中断者 542 人のうち 87 人 (16.1%) であった 1 か月当たりの病院受診者の割合は受診勧奨後の 1 月から 3 月の 3 か月間では月平均 8.2% でありそれ以前の 6 か月間の月平均 4.1% に比べて 2 倍受診していた参考ホームページ 1) 日本健康会議取組事例埼玉県埼玉県国民健康保険団体連合会 2) 埼玉県データヘルスの取組結果 ( 一部速報 ) について - 糖尿病でありながら治療を放置していた方への受診勧奨により医療機関への受診が倍増 - 3) 埼玉県糖尿病対策 129

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会第 3 章保健指導対象者の選定と階層化 (1) 保健指導対象者の選定と階層化の基準 1) 基本的考え方生活習慣病の予防を期待できる内臓脂肪症候群 ( メタボリックシンドローム ) の選定及び階層化や生活習慣病の有病者予備群を適切に減少させることができたかを的確に評価するために保健指導対象者の選定及び階層化の標準的な数値基準が必要となる 2) 具体的な選定階層化の基準 1 内臓脂肪型肥満を伴う場合の選定内臓脂肪蓄積の程度を判定するため