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1 * なお この解答は当講座講師による独自の解答であり 公式のものではありません 正式な解答は気象業務支援センターの発表する解答となります 株式会社メテオテック ラボ

2 < 学科一般 > 問 1-5 問 2-2 問 3-1 問 4-1 問 5-4 問 6-5 問 7-4 問 8-2 問 9-1 問 10-3 問 11-3 問 12-4 問 13-5 問 14-2 問 15-3 問 1 5 <(a) の考え方 > 3km 2km 1km 気温 20.0 温位 293.0K <(b) の考え方 > 気温 0.5 温位 303.5K 気温 7.0 温位 300.0K 気温 13.5 温位 296.5K 1km につき 6.5 ずつ下がるこれが標準大気の気温減率地上を 1000hPa 気温を 20 とすると 左の図のようになります 一方 温位は地上 (1000hPa) の気温に直してから考えますので 1km であれば 13.5 の気温に 10 を足して 23.5 とし それに 273 を足した 296.5K です このように 温位は高度とともに高くなります 圏界面 16km 気温 温位 359.0K 11km 気温 温位 324.5K 気温 0.5 温位 303.5K 気温 温位 301.0K 8km 1km 気温 23.5 温位 306.5K 3km 2km 1km 気温 7.0 温位 300.0K 気温 13.5 温位 296.5K 1km 気温 -6.5 温位 276.5K 地表面 気温 30.0 気温 20.0 気温 0.0 温位 303.0K 温位 293.0K 温位 273.0K 赤道 北極 圏界面が緯度毎に異なることがポイントです 上の図のように一つ一つの数値を考えてみると 答え が見えてきます

3 (a) 国際標準大気では 対流圏内の気温減率は 6.5 /km で一定ですが 温位は高度とともに高くなりますので 一定ではありません (b) 地上付近では赤道付近で気温が高いですが 対流圏界面では赤道付近で気温が低くなります (c) オゾンの数密度が最大となる高度は概ね 25km 付近ですが 気温が最も高くなる高度は概ね 50km 付近で 成層圏界面になります 問 2 2 高度が上がっていくと 次第にゴム気球が膨らんでいき 300m 3 で 破裂することになります この問題は計算問題になりますので ま ずはどの式を使うか? を考えていきましょう 学科一般で使う式をいくつか思い浮かべてみると V=-(1/2ρΩsinφ)( p/ n) 地衡風の式 P=-ρg h 静力学平衡の式 PV=mRT 状態方程式 S(1 A)πr 2 =4πr 2 I 太陽と地球の放射平衡 以上のような式が参考書に書いてありますが 今回の問題文には 体積 気温 気圧 などの言葉が見付けられますので PV=mRT の状態方程式を使うと良さそうです 解答するのは高度の値ですが 提示された表から気温 T と気圧 P を使って考えるようです このため PV=mRT の P を右辺に移動し V=mR(T/P) のようにして T と P をグループにします 最初の状態である 体積 4m 3 と気温 300K 気圧 1000hPa を式に入れると 4=mR(300/1000) 4=mR(3/10) になります 体積が 4m 3 から 300m 3 と左辺が 75 倍に膨れあがったときにゴム気球が破裂しますので 考える気温と気圧のある右辺も 75 倍を考えましょう mr は定数ですので T/P に該当する (3/10) を 75 倍すると (3/10) 75=225/10=22.5 になります 高度毎に気温 気圧をしてみると ちょうど 30km の値である気温 225K 気圧 10hPa が 22.5 になり ますので この付近でゴム気球が破裂と考えられます

4 問 3 1 大気の鉛直方向の安定度を示す K-index( ケーインデックス ) についての問題となっています 鉛直の安定度としてよく参考書に紹介されるものは SSI( ショワルターの安定指数 ) や CAPE( 対流有効位置エネルギー ) などがありますが その他にも今回の K-index や LI( 持ち上げ指数 ) TT( トータルトータルズ ) などが存在します ただ 今回の問題では K-index の定義を暗記していなくても 鉛直安定度とは何か? をしっかりと自分のものにしていれば解けるようになっています そもそも 鉛直安定度とは 下層に暖気 湿潤で 上層に寒気 乾燥のときに不安定といいます 先に示したような K-index や SSI なども 着目する点が若干異なりますが 下層に暖気 湿潤 上層に寒気 乾燥で不安定の値を示すようになっています (a) は難しいので 先に (b) から考えていきましょう (b) では選択肢から 気温減率か層厚を選ぶことになりますが ここでは気温減率を選びましょう 850hPa から 500hPa にかけての温度変化 ( 気温減率 ) が大きいほど 先に述べた下層に暖気 上層に寒気の状況に一致してきます そして (b) に続けて 850hPa と 700hPa における水蒸気量が多いほど という文章がありますが これを使って (a) を考えます (a) では+かかを答える問題です された式の D 850 と D 700 にだけ着目してみましょう これは露点温度ですので 高いほど水蒸気量が多いことを意味します D 700 の直前にはの符号がありますが (a) にをれると とで+になりますので D 850+D 700 になります そうすることで 先ほど着目した 850hPa と 700hPa における水蒸気量が多いほど という内容になり 下層で湿潤になって鉛直不安定を意味するようになります (c) では雷雨を選びます これまでの文章から K-index が大きいほど鉛直方向に不安定であることが示されています そして K-index を含め SSI などの鉛直安定度が不安定を示す場合は 積乱雲が発生しやすく それに伴う短時間強雨や落雷 突風の可能性が高まります 問 4 1 抵抗力 V 2 断面積 A 落下する水滴に働く力は 左図のように 重力と抵抗力があり この二つは釣り合って ( 同じ強さになって ) います なお 厳密にはこれに浮力が加わりますが 浮力はかなり小さな力で 今回の問題文にも言及されていませんので 無視して考えて良さそうです 重力 mg 抵抗力の式には A という文字を入れましたがこれは空気の粘り気など各種難解な要素をひとまとめにしたものです 今回の問題は雨滴の半径と落下速度だけを考えれば良いので よく分からない場合は無視してもかまいません

5 重力 = 抵抗力 mg = V 2 断面積 A (4/3πr 3 ) ρ g = V 2 断面積 A 質量 m を体積 密度に変換 (4/3πr 3 ) ρ g = V 2 πr 2 A 断面積を半径で表した (4/3)r ρ g = V 2 A 両辺をπr 2 で割る {(4/3)r ρ g} = V A 両辺に r {(4/3) ρ g} = V A 左辺の r を取り出して分かりやすくした 式の変換は上記の通りです 途中で公式を使い 球の体積を 4/3πr 3 断面積を πr 2 と変換しています V に対して r はルートになっています ルートは 1/2 乗とも言いますので (a) は 1/2 を選びます 次に (b) を考えましょう (a) で考えたように 半径 1mm から半径 2mm へと 半径が 2 倍になるときの落下速度の増加は 2 倍になります 半径 2mm の落下速度は 8.8m/s ですので 2 で割り算すると 半径 1mm の落下速度が求められます = になります これが (b) の答えになります 問 5 4 (a) 誤りです 射する放射を完全に吸収するものを体と呼んでいます 気は太陽放射の外線をよく吸収しますが 可視光線はほとんど吸収しませんので 体とはなせません ただし 放射に関してはほぼ体と考える事が出来ますので 気からの放射もステファン ボルツマンの法則 I=σT 4 の体放射の式を使います (b) 正しい内容です 太陽の放射のうち 地球は約 30% 反射します この反射のことをアルベドと呼びます 気象衛星のひまわりの赤外画像は地球放射を捉えていますが 可視画像は太陽光を反射したアルベドを捉えて画像にしています (c) 今回の問題のように 最となる波 という語句が出てきたら ウィーンの変位則を思い浮かべましょう λm=2897/t より 温度 T がくなるほど 最となる波 λm は短くなります 問題はくなるとしていますので 誤りです

6 問 6 5 問 3 の K-index に続き ここではロスビー数という難しい言葉が出てきました こちらも語句そのものは知らなくても解けるようにはなっていますが 非常に難易度の高い問題です (a) は 問題文に与えられた風速 U とコリオリパラメータ f 0 から コリオリ力 f 0U を考えます あとは 問題文の指示に従って (U 2 /L) をコリオリ力 f 0U で割り算しましょう (U 2 /L) f 0U=(U 2 /L) (1/f 0U)=(U/L) (1/f 0)=U/f 0L となります (b) は一旦飛ばして 先に (c) を考えます (c) は静水圧平衡か地衡風平衡を選ぶ問題です 静水圧平衡は静力学平衡のことで 鉛直方向について考えるときに考慮するものです これに対して 地衡風平衡は水平方向についてのものです これまでの問題をみると 水平スケール 水平加速度 コリオリ力 といったような語句が見られますので 地衡風平衡を選ぶと良いでしょう また 選択肢からも (a) を U/f 0L にすると 答えは 4か5ですので (c) は地衡風平衡しか選べないようになっています 最後に (b) に戻って考えます (c) は地衡風平衡が答えになりますので ロスビー数とは どうやら地衡風に関連する語句のようです 地衡風とは等圧線に直角な方向の加速度がほぼゼロと考え コリオリ力と気圧傾度力が釣り合って吹く風のことです (a) ではロスビー数を加速度 コリオリ力と考えて答えるようになっていました 加速度をほぼゼロにすると ロスビー数は非常に小さい値を取ることがわかりますので (b) は小さいを選びます なお ロスビー数は風の水平シアによる相対渦度に対する コリオリパラメータによる惑星渦度の比であるとも考える事が出来ます ロスビー数が小さい場合には地球自転の影響 ( 惑星渦度 ) の影響が強く 地衡風に近似します

7 問 7 4 問題に示された図はあまり見慣れないために 難しく感じてしまいますが 出題者は左図のような考えを意識しています 東南北から箱に向かって空気が吹き込む ( 収束する ) と 溢れた空気は上昇流と下降流になって箱から吹き出します 平成 27 年度第 2 回 (45 回 ) 一般問 7 上で考えたような箱を 1 5 の度に置いて考 えていきましょう 2に置いた場合 問題文のグラフから 下面と上面ではどちらも上昇流で 下面の方が強いことがわかります これを 左の図に太矢印で記入しました あとは この太矢印に合うように水平の風を考えてみると 細矢印のような発散の風が考えられます これは 問題文で求められている収束ではありませんので 2は解答ではないと判断出来ます 4の所に箱を置くようにイメージして見ましょう 下面では下降流 上面では上昇流になっていますので これを太矢印で記入しました そして 水平の風を太矢印に合うように考えてみると 収束の風になります このようにして解答は 4と判断出来ます

8 問 8 2 (a) 正しい内容です 赤道では気温が高いために空気が上昇し 上空で極へと向かう流れが出来ます 北半球では北向きの流れですが コリオリによって直右向きとなり 東向きのとなります 南半球では南向きですが コリオリによって直左向きに転向し やはり東向きのになります このが 亜熱帯ジェット気流の維持に関わります なお 本質的には亜熱帯ジェット気流は角運動量保存則によって現れるジェット気流であることも覚えておきましょう (b) 気温の南北傾度が大きい所といえば 中緯度の 付近になります そして ジェット気流はこの温度傾度が大きい所に現れます 問題文は 気温の南北傾度が小さい所 ( 例えば道 20 付近 ) としていますが これは誤りです (c) 問題文は亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流の記述が逆になっていますので誤りです 亜熱帯ジェット気流はあまり蛇行が大きくなく 同じような所に位置する状態が続きます それに対し 寒帯前線ジェット気流は大きく蛇行し 日によって位置が異なることが多いです (d) 正しい内容です 特に有名なものとしては 梅雨期にオホーツク海上空でブロッキング高気圧となると オホーツク海気圧が明瞭となるものがあります この場合 梅になりやすくなります <12 月の平年値 > 東 気温 (b) で考えるジェット気流 温度傾度の大きい所 北極赤道南極北極赤道南極

9 問 9 1 (a) 正しい内容です 巻は その名の通りのようにえる漏雲をイメージすることが多いです この漏斗雲は強い風で砂埃などが地表面から舞上げられて見える というように考えてしまいますが これは誤りで 問題文のように気圧低下による断熱冷却で発生する雲が正しいです 上層ほど気圧が低いために早く凝結することから 漏斗雲は上から垂れ下がってくるように見えます (b) じん旋と巻は たは似ていますがメカニズムが異なります 問題はじん旋は巻の中の一つであるとしていますので 誤りです じん旋風とは 日中の日射によって加熱された空気が上昇することで発生するもので 積乱雲によって発する巻とは異なります また じん旋は地上の砂塵を巻き上げることで漏雲のようなものを形作ることがありますが 漏斗雲は (a) で答えたように水蒸気が凝結した雲で 砂ではありません また 大きさもじん旋風は直径数 m 数 m 巻は数 m 数百 m と一桁違います (c) 巻は積乱雲によって発します 台は積乱雲の塊ともえますので 巻を発させることの多い擾乱の一つです (d) 梅前線によっても巻が発することがありますが 6 月や 7 月は最も多い月ではありません (c) で考えたように 台も巻をもたらしますので 台風の影響を受けやすい 8 9 は巻の発生数が増える傾向にあります

10 問 10 3 (a) 夏季はオゾン全量が最も大きくなりませんので 誤りです 問題文の通り 夏は日射が多くなるため オゾンが紫外線を吸収する際の熱で成層圏の気温が最も高くなります しかし このときにオゾンは酸素へと戻るため オゾンの量は減ってしまいます オゾンが多くなるのは 日射が少なく かつブリューワー ドブソン循環によってオゾンが蓄積される春になります (b) 正しい内容です 高度 20 60km とは 概ね成層圏内を考えれば良いでしょう 夏半球の極は白夜となって照時間が常にいため 太陽の放射量が最となります このため オゾンの紫外線吸収による加熱も大きく 成層圏の気温は最も高くなります (c) 正しい内容です 対流圏では常に赤道で暖かく 極ほど寒くなりますが 成層圏では季節によって最も気温の高い所と低い所が変化します (b) で考えたように 夏となる半球 (8 月であれば北半球 1 月であれば南半球 ) で気温が最大になり その気温分布によって風向が決まってきます 夏半球であれば東 冬半球であればが卓越し この向変化は成層圏突然昇温などにも関連します <12 月の平年値 > 東 気温 E W 東風 気温最大 北極赤道南極北極赤道南極 12 月なので 図の右半分 ( 南半球 ) が夏半球になります 網掛けをした辺りを 20 60km と考えると 夏極での気温最大や 夏半球での東風が見えてきます

11 問 11 3 エルニーニョ現象とは 太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり その状態が 1 年程度続く現象です 上の図のように 赤道域では東風 ( 偏東風 ) となりますので 南米側では深層からの冷たい水が湧き上がります しかし 中の図のように東風が弱まると 冷たい水の湧昇が弱まりますので 平年 ( 上の図 ) よりも水温は高くなります (a) はこの辺りを考える このような海水温の変化が大気の状態にも 影響を及ぼすため 重要な事項となります タヒチ ダーウィン ダーウィンと世界各地の年平均海面気圧偏差の相関係数

12 (a) 正しい 前ページに示したように太平洋の東側半分では普段より水温が上がり 逆に側半分では普段より水温が下がるのがエルニーニョ現象時の特徴です (b) ダーウィンの気圧が高くなればタヒチの気圧は低くなり 逆にダーウィンが低くなればタヒチは高まるようなシーソー変化をします エルニーニョ現象の時には ダーウィンの気圧が高くなり タヒチは低くなります 問題文は逆の記述となっていますので誤りです なお 問題文にはタヒチの場所は東部南太平洋と注釈がついていますが 太平洋の中心付近とイメージする方が良いでしょう 通常はインドネシアよりに雲が発生しやすいですが エルニーニョ現象の際には 雲は太平洋中部で発生しやすくなり この影響でタヒチの気圧は低くなります (c) 赤道付近は熱帯収束帯 (ITCZ) と呼ばれ 雲の出来やすい領域となりますが 偏東風の影響を受けて その中でもインドネシアよりで雲が発生しやすくなります しかし 通常より東風の弱いエルニーニョ現象の時には 太平洋の中部付近で雲が発生しやすくなります このため 降水量は平年より少なくなります (d) 正しい内容です (c) で答えたように エルニーニョ現象時にはインドネシアで高気圧の勢力が強く 雲が発生しにくくなります その影響で日本では逆に高気圧の張り出しが弱まり 平年よりも気温が低くなります このダーウィンとタヒチのような日本とインドネシア ( やフィリピン ) のテレコネクションパターンを PJ(Pacific-Japan) パターンといいます なお ラニーニャ現象時には平年より気温が高くなる出現率が上がりますが 平年並みや低い出現率も多く 統計的に有意と言えるほどではありません

13 問 12 4 予報業務の許可を受けるためには 書類を気象庁官に提出しなければなりません この書類に記載する内容は大きくわけて 2 種類あり 記載しないものを含めて 3 つに分けられます 1. 目的 範囲 2. 予報業務を行う事業所の名称及び所在地 予報事項及び発表の時刻 収集する予報資料の内容 方法 現象の予想の方法 気象庁の警報事項を受ける方法 気象予報士の氏名 予報業務に従事する要員のシフト表など 気象業務法施行規則第 10 条 2 に記載された内容 3. 記載の必要がないもの 問題文の (a) (d) のうち (a) が 1 の内容 (b) と (c) が 2 の内容 (d) が 3 の内容となっています 申請のときに提出した書類の内容に変更があった場合には 変更の手続きが必要 ( 気象業務法施行規則第 50 条六 ) ですが (d) はそもそも記載していませんので 変更の手続きは不要です (a) (c) は書類の提出をもって変更の手続きを行いますが 選択肢はこの中から 2 つしか選べないようになっていますので 解答に困った方も多いと思います しかし 気象業務法においては 書類を提出するだけでよい事項と 書類を提出した後に気象庁の審査を受けて合格しなければならない事項を 厳密に区別しています 気象業務法では後者の審査が必要なものを許可や認可と呼んでいます 今回の問題文では (a) が範囲の内容になっていますので 書類の提出だけでなく審査を受けることが必要な認可です 解答は書類を提出するだけで良いものを選びますので (b) と (c) になります 問 13 5 (a) 問題文はほとんど正しいですが 期間が誤りです 3 年間ではなく 2 年間になります ( 気象業務法第 24 条の 21) (b) 気象予報の資格を得て 間の気象予報会社に就職する場合を想定した問題です このときには その気象予報士本人は気象庁に対して何かする必要はありません 就職先の予報会社は 現象の予報をわせる予報の変更について 報告書を気象庁官に提出する必要があります ( 気象業務法施行規則第 50 条六 ) (c) 問題文にあるような制約は特にありません 予報士試験に合格さえすれば 合格から 1 年後だろうと 5 年後だろうと 登録できます 年齢制限も特にありません

14 問 14 2 (a) 罰則有り 気象業務法第 44 条より 3 年以下の懲役若しくは 100 万円以下の罰金または併科となります (b) 罰則無し 気象業務法第 24 条の 25 より 気象予報が死亡した場合にはその相続は気象庁官に届け出なければなりません しかし 相続人も気象予報士であるとは限りませんので 気象業務法に精通していない場合も考えられます このため 届け出を行わなかった場合にも特に罰則は定められていません (c) 罰則有り 気象業務法第 46 条七より 50 万円以下の罰金になります 観測したデータをホームページなどで公開する場合と 無線で船舶や航空機へ発信する場合とでは 法律の取り扱いが異なることも覚えておきましょう (d) 罰則有り 気象業務法第 47 条二より 30 万円以下の罰金になります (a) や (c) と比べると罰金の額は少ないですが 気象業務法による罰金は予報業務許可の取り消し 気象予報士の登録抹消になりますので 気をつけましょう 問 15 3 (a) 正しい内容です 気象業務法第 15 条より 気象庁が警報を行った場合には 警察庁 消防庁 国土交通省 海上保安庁 都道府県 NTT NHK に通知しなければなりません 通常はここまで覚えていれば試験対策としては十分ですが 今回の問題はもう一歩踏み込んだ内容です 気象業務法施行令第 8 条より 大雨警報 ( 気象警報 ) の場合は 消防庁 海上保安庁 都道府県 NTT NHK へと通知すればよく その他の警察庁などには特に通知の義務はありません そして この通知先は警報と特別警報の違いはありませんので 問題文は正しいものになります (b) 気象庁から警報の通知を受けた場合 更に次の機関へと伝達することが定められています 例えば消防庁では 通知を受けた場合は市町村へと伝達するように努めなければなりません そして この対応は警報の場合でも特別警報の場合でも変わりません しかし 都道府県の場合には警報と特別警報で対応が変わってきます 都道府県も市町村へと伝達しますが 警報なら 務めなければならない ですが 特別警報なら しなければならない になります ( 気象業務法第 15 条 第 15 条の二 ) (c) 特別警報は警報や注意報と同じように 二次細分区域への発表になります

15 < 学科専門 > 問 1-1 問 2-1 問 3-2 問 4-3 問 5-4 問 6-3 問 7-5 問 8-2 問 9-4 問 10-5 問 11-2 問 12-4 問 13-5 問 14-1 問 15-2 問 1 1 (a) 正しい文章です 定義の問題です 太陽放射エネルギーは 紫外線から赤外線までありますが このうち 総エネルギーの約 97% を占める短波 ( μm) の太陽放射を日射といいます (b) 正しい文章です こちらも定義の問題になります 散乱によって天空の全ての方向から入射する日射 雲から反射した日射及び直達日射を合わせて全天日射といいます (c) 正しい文章です 大気混濁係数は 直達日射量を使って算出します 大気混濁係数とは 問題文にあるように 大気の濁り具合を示す指標で 大気中にどれだけ微粒子が浮遊しているかを知る目安になります なお ここで出題された直達日射量とは 太陽光線の入射方向に垂直な面で受けた日射量です (d) 直達日射ではなく 全天日射になります 直達日射量が観測されるのは日の出から日の入りまでで 全天日射量は日の出前と日の入り後の薄明にもわずかながら観測されます 定義に関しては気象観測の手引き (p40) をご覧ください

16 問 2 1 気象ドップラーレーダーで解析できるものは動径成分のみとなります 定義上レーダーの中心へ向か う動径速度はマイナス レーダーの中心から離れる動径速度はプラスになります 今回の問題では 低気圧性の循環をしたものを選択する問題になります 北半球で低気圧性の循環を選ぶということは 反時計回りの回転をしているものを見つければよさそ うです 低気圧性回転発散発散と収束 高気圧性回転 収束

17 問 3 2 (a) 正しい文章です レーダー観測では 雨や雪の粒に反射された電波の強さから降水の強度を観測します しかし 電波が反射されてアンテナまで戻ってくる経路上に強い降水がある場合は 電波が減衰してしまい実際の降水よりも弱いエコーとして観測される点に注意が必要です 前方にある降水により 後方にある降水の情報が弱められて観測してしまう 降水とアンテナの間に強い降水があるとき (b) 正しい文章です ドップラーレーダーでは スケールのさすぎる巻は直接観測できません しかし 巻をもたらす可能性があるメソサイクロンを検出することができます メソサイクロンとは 発達した積乱雲で 直径数 km の大きさを持つ低気圧性の回転をしています この大きさの渦は気象ドップラーレーダーで検出することができます 観測されたドップラー速度に下の図のようなパターンが検出できた場合には メソサイクロンが存在すると推定することができます (c) 数値予報の初期値に使われています 数値予報の初期値は 客観解析という作業により作られます 作業の手法に 4 次元変分法があります この手法を使うことで 予測変数と呼ばれる風 気温 気圧 湿度など以外にも ドップラーレーダーで得られたドップラー速度や 気象衛星を使って得られる放射輝度などのデータを利用することができます

18 問 4 3 (a) 文末の系統的な誤差が減少したという内容が誤りです アンサンブル予報では系統的誤差ではなく 偶然誤差 ( ランダム誤差 ) を減少させることが出来ます なお アンサンブル予報とは わずかに異なる複数の数値予報を行ってその結果を統計的に処理することで 不確定さを考慮した確率的な予測を可能にするものです 初期値にわずかなバラツキを与えた複数の数値予報を行い その結果を統計的に処理することで将来の予測を行っています 複数の数値予報の結果を平均 ( アンサンブル平均 ) することにより 一つ一つの数値予報結果に含まれる誤差 ( 予測の不確実性が高い部分 ) 同士が打ち消しあって平均的な大気の状態の予測精度を上げることができます また 複数の予報を行うことで それぞれが同じような状態を予測していれば その状態が発生する可能性が高いと判断でき 逆にそれぞれがバラバラの状態を予測していれば 予測精度が低いと言えます このように アンサンブル予報を用いることで予測の不確定さの大きさを見積もることも可能になります (b) 正しい内容です 4 次元変分法は 前回の予報結果である第一推定値に 観測結果を与えることで 初期値を作る手法になります このとき使われる 観測結果は 初期時刻以外のデータも使うことができます 得られたデータは時間補正などせず そのときの観測データとして扱うことができます (c) 個々の積雲までの発達衰弱までは 現時点の予報技術では難しいものになります 積雲の水平スケールは格子間隔に比べて小さいため 直接計算ができません 直接計算ができないため パラメタリゼーションという手法を使います パラメタリゼーションは直接計算できない現象を 物理効果として格子間隔の平均的な値として計算に取り込む手法です 平均的な値になってしまうため 個々の積雲の発達衰弱を完全に予測することは難しくなります 問 5 4 (a) 平スケールのきな現象ほど 予測可能な時間はくなります 現象の平スケールと予測可能な時間は例関係です スケールがきければ その分 寿命がくなり モデルでもい期間予測することができます 逆にスケールがさくなると 予測は難しくなり その典型例が局地的大雨 ( いわゆるゲリラ豪雨 ) や巻などです (b) 影響は小さくなるのではなく 大きくなります メソモデルのように領域が決まっているモデルでは 計算領域の最も外側の格子点に気象要素を与えてあげる必要があります このことを 境界条件といい メソモデルでは全球モデルの計算結果を用いています しかし 全球モデルを用いても境界領域の精度は他の領域よりも悪く 予報時間が進むに従って その影響がより広がることになります (c) 正しい内容です アンサンブル予報は予報結果のばらつきが大きければ 予報精度が低くなります

19 問 6 3 (a) 正しい内容です 衛星画像から中層雲と上層雲を見分けるのは難しいですが 今回は文章中に赤外画像で灰色である旨が記述されていることをヒントにしましょう 上層雲ならば白色という記述になるはずですので 下線部の通り中層雲で問題ありません (b) 正しいです 赤外でほとんど見られない ( ) のため 下層雲であることがわかります また 可視画像で色ムラが少ないことから 雲頂の表面は一様で滑らかとなっていますので 層雲や霧となります (c) C はトランスバースライン ( バンド ) の雲になりますので 積雲ではなく巻雲になります 赤外画像では朝鮮半島から日本海を通って 日本の東海上へと白く輝く一本の線のような雲が見えます これがジェット気流に伴ったシーラスストリークとなり その流れに直交するようにして雲が並んでいます (d) 正しい内容です 可視画像で 白く団塊状に写り 赤外画像でも白く写ることから積乱雲といえます また 毛筆状 人参状の形状はテーパリングクラウドと呼ばれています テーパリングクラウドは積乱雲群で構成され 時間にわたって 強や落雷 突風などを伴います 問 7 5 数値予報ガイダンスでは 統計的な補正により 一定の偏りを持った誤差である系統的誤差を修正することが出来ます この系統的誤差の代表的な例として 地形があげられます 数値予報モデルで用いられる地形モデルは 実際の地形よりも粗くなっていますので 数値予報モデルの山頂の気温と実際の山頂の気温では 気温の予想に差が出てきます しかし この差は標高の低い方が気温が高くなるといったように一定の偏りがありますので ガイダンスによって軽減できます 一方 軽減できない誤差として 偏りの無いランダム誤差があります 低気圧や前線の移動は完璧では無くズレる場合も想定されます しかし 常に速くなるとか遅くなるといった偏りがあるわけではありませんので ガイダンスでは補正できません (a) 数値予報で予想できなかった現象については ガイダンスでも修正出来ません ガイダンスは 数値予報がよく予想できた場合について それを更に実際の状況に合わせるように補正するというイメージです (b) 正しい文章です 実際の地形の違いによる誤差には一定の偏りがありますので ガイダンスで誤差を軽減することが出来ます (c) 問題文の例は 実際の寒冷前線の通過が数値予報でズレた場合です このような場合は誤差を軽減することは出来ません (a) や (c) のような誤差は 気象予報士が実際の観測データを注視し 修正して伝えるようになります 数値予報やガイダンスは非常に有用ですが完璧ではありません 修正するにあたって 今回出題されたようなコンピュータの苦手な所を事前に把握しておくことは大切です

20 問 8 2 (a) ア (b) ウ (c) イ 問題文中に 東海地方には温帯低気圧に変わりつつある台風があると書かれています このため 台風の中心には暖気核を示す W マークがあると考えると アの図になりそうです アでは中国東北区から朝鮮半島にかけてサーマルトラフ ( 気温の谷 ) がありますが この辺りに上空の気圧の谷もあると考えれば 次第に温帯低気圧に変わりつつあるという記述にも合致してきます 温暖前線や寒冷前線は周囲に比べて湿数の小さい領域を着目します 温暖前線は網掛けの湿数 3 以下の領域 寒冷前線は湿数 6 付近を考えると良いでしょう サーマルトラフ 暖気核 寒冷前線が四国沖を通って九州の南にのびる 乾燥 停滞前線が東シナ海から日本の東にのびる

21 (b) と (c) は 湿数分布からどこに前線があるかを考えていきます 東日本付近では大きな違いはありませんが 東シナ海や本の南海上でつの図に違いがられます (b) の 寒冷前線が四国沖を通って九州の南にのびている という文章をウに当てはめてみると 前線のある位置で湿数が小さく湿っており 問題無さそうです また 東シナ海では寒冷前線の後面になりますので 湿数が大きく乾燥した領域が広がっています 一方 (c) の停滞前線は 東シナ海にものびるようです イでは東シナ海は湿っていて 特に矛盾はありません また 文章中に明言はされていませんが 東にくのびる前線であることから 梅前線の事例に該当しそうです アやウでは台や低気圧の側にサーマルトラフがあることから上空の気圧の谷が対応することが読み取れますが イでは梅雨前線なので特に気圧の谷は読み取れません 問 9 4 (a) すると正しい章ですが 引っかけ問題となっています 蒸気量の 東 傾度がきくとしていますが 正しくは 水蒸気量の 南北 傾度が大きくなります 般的に 本より側にある梅前線は チベット原の北側を迂回してきた乾燥した空気と インドからの湿ったモンスーンが合流することで形成されます このように水蒸気量の違う空気による前線のため 南北の水蒸気傾度が大きくなります また 東日本より東側では 梅雨前線はオホーツク海高気圧と太平洋高気圧との間に形成されます どちらも海の上の高気圧のために湿っていますが オホーツク海高気圧は冷たい空気 太平洋高気圧は暖かい空気による高気圧のため 南北の温度傾度が大きくなります (b) 500hPa より高い層では明瞭に解析出来ません 梅雨前線上には温帯低気圧よりはスケールの小さな小低気圧が発生することがあります この小低気圧は特に上空の気圧の谷との関連性はありませんので 500hPa 天気図では認められません しかし 梅雨前線の中では降水が活発な所であることや 上空の気圧の谷が接近することで発達することがあることは覚えておきましょう (c) 正しい文章です 梅雨前線の南側では 太平洋高気圧や台風などから暖かく湿った空気が供給される場所になります 梅雨前線は停滞前線で描画されるように 温帯低気圧や台風などと比べるとあまり動かないため 同じ所で新たな積乱雲が発生しつづけて 大雨になることがあります

22 問 10 5 突風の種類 特徴 巻 積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きで 多くの場合 漏斗状または柱状の雲を伴います 被害域は 幅数数百 m で さ数 km の範囲に集中しますが 数十 km に達したこともあります ダウンバースト 積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れです 吹き出しの広がりは数百 m から十 km 程度で 被害地域は円形あるいは楕円形など面的に広がる特徴があります ガストフロント 積乱雲の下で形成された冷たい ( 重い ) 空気の塊が その重みにより温かい ( 軽い ) 空気の側に流れ出すことによって発生します 水平の広がりは巻やダウンバーストよりきく 数十 km 以上に達することもあります この表は 気象庁のホームページから引用しました (a) の問題も同じ文章の引用となっており 正しい内容です なお 他にもダウンバーストやガストフロントの解説がありますが これらは 巻などの激しい突風 と呼ばれます (d) では巻発確度ナウキャストや巻注意情報とありますが これらは巻に限定した物では無く 激しい突 をイメージしやすい葉として 巻 を使っているだけです ダウンバーストやガストフロントも含めた 巻などの激しい突 についての情報ですので (d) は正しい内容です

23 左の図は巻の分布図になります これによると 巻は沿岸部で多く確認される傾向がえますので (b) は正しい内容です なお ダウンバーストやガストフロントにはこのような傾向は見られません (c) も正しい内容です 藤田スケールは日本人の藤田哲也博士が考案したものですが シカゴ大学で研究していたために日本の建築物との対応が必ずしも良くないという点が問題としてあげられました このため 現在では日本の建築物にあわせた 日本版改良藤田スケール (JEF スケール ) が用いられています なお F0 と JEF0 といった 同じ階級のものは同程度の風速であるように調整されていますので 今後の施工技術の向上などによって建築物の耐風性能が向上した場合には 随時見直すことが予定されています

24 問 11 2 端を進むルート 東端を進むルート 台風の進路予報は予報円を使って表示されます 予報円内に進む確率はおよそ 70% となりますが 予報士試験では予報円の最も右側などといった表現で 具体的にルートを示す場合があります 今回は東端を進むルートと端を進むルートを考えたとき どちらが宮崎県で雨が多いか? という問題です どちらのルートでも宮崎県には南東の湿った空気が入り 斜面では大雨になる可能性があります しかし 東端では台風中心付近の雨が加わることが予想されますので (a) の問題文は正しいものになります 中心を進むルート (b) は台風による高潮の問題となっています 台風の高潮は気圧が低いことによる吸い上げ効果と 強い風が海から陸へと吹き込む吹き寄せ効果があります 予報円の中心を進むルートだと 接近中では東南東の向 通過後は南の向となり 吹き寄せ効果が強くなります 台風が最接近した時が吸い上げ効果が最大になりますが 最接近した後もしばらくは吸い上げ効果が残りますので (b) の問題文の通りになります なお 1999 年の第 18 号台風はまさに (b) で想定したルートを進みました このときには浸水により多くの犠牲者が出ることになり 社会的にも大きな問題となった事例です (c) は誤りで 時計回りになります 台風は反時計回りの風を伴いますので 風向は規則的な変化となります 風向が反時計回りの変化をした場合には その地点は台風の進行方向の左側であることがわかり 時計回りならば右側であることがわかります 現在は衛星画像を見ることで台風の位置が一目でわかりますが このような地上観測による台風の進路解析も忘れてはなりません

25 問 12 4 (a) 平均誤差は予報の系統的な偏り ( バイアス ) を示す指数です 予想気温を高く外し 別の日には低く外してしまった場合には平均誤差は 0 に近い値になってしまいます 問題文では予報が大きく外れる可能性は少ないと判断出来るとしていますが これは誤りです (b) 平均誤差はちょうど 0 になりますので 予報値が実況値よりも高くはありませんでした 具体的に計算すると 2 高かった日が 2 日ありましたので 2 2=+4 1 高かった日が 10 日ありましたので 1 10=+10 1 低かった日が 6 日ありましたので -1 6=-6 2 低かった日が 4 日ありましたので -2 4=-8 全て計算していくと =0 になります この 0 が平均誤差となり 予報の偏りは無かったことがわかります (c) 正しいです 2 乗平均平方根誤差の計算は その名前の通りに計算していきます まずは 2 乗 平均平方根誤差なので (b) で考えた平均誤差のやり方を 2 乗していきます 2 高かった日は 2 2 で 4 とし これが 2 日ありましたので 4 2=+8 1 高かった日は 1 2 で 1 とし これが 10 日ありましたので 1 10=+10 1 低かった日は (-1) 2 で 1 とし これが 6 日ありましたので 1 6=+6 2 低かった日は (-2) 2 で 4 とし これが 4 日ありましたので 4 4=+16 次に 2 乗 平均 平方根誤差のため 平均をします 先ほどの数字を全て計算していくと =40 になります そして 予報と実況が同じであった 18 日分も含めた全ての日数は 40 日ですので 日 =1 になります 最後に 2 乗平均 平方根 誤差なので ルートを取って終わりです 1 は 1 になりますので 地点 A の 2 乗平均平方根誤差は 1 です 地点 B は問題文にあるとおり 1.4 ですので 地点 A の方が誤差が少なく 精度が良かったと判断出来ます

26 問 13 5 (a) 記録的短時間大雨情報は予想段階では発表しませんので 誤りです アメダスなどの地上観測で観測したり 解析雨量で解析したりした場合に発表します (b) 全国同じ値ではありません 例えば 群馬県前橋市では 1 時間雨量 100mm 福岡県福岡市では 1 時間雨量 110mm など 地域ごとの災害特性に合わせて値が決められています なお 基準の目安としては数年に一度程度の降水量となっています (c) 記録的短時間大雨情報は全て 1 時間雨量となっています 3 時間雨量はありませんので 誤りです 問 14 1 (a) 正しい内容です 般のはよく巻 注意報 と間違えていることがありますが 正しくは巻 注意情報 です 注意報ではありませんので 発表区域も注意報のような 2 次細分区域ではなく 1 次細分区域 ( 県単位から変わりました ) です また 問題文のように 1 時間の有効期間が定められるなど 細かい所で注意報とは異なります (b) 正しい内容です 巻注意情報は巻発確度ナウキャストと連動しており 巻発確度ナウキャストで発生確度 2 となったときに巻注意情報が発表されます しかし 巻発確度ナウキャストに用いるドップラーレーダーのデータは 問 3(b) で考えたようにスーパーセルに伴うメソサイクロンの検出を対象としています しかし スーパーセルに関係しない巻も発することがあり それについてはドップラーレーダーのデータはあまり効果的ではありません このような巻は 現状では視観測に頼ることになりますが 気象庁職員や公的機関からの撃情報があれば それによって巻注意情報を発表することがあります (c) 問題文の通りです 巻注意情報は (a) で答えたように 1 時間の有効期間を定めていますので それより前から発表されることはありません ここで役に立つのが雷注意報です 雷注意報は雷に関する注意報となりますが 雷を発させるような発達した積乱雲からはひょうや巻などの激しい突も想定されますので これらの現象は雷注意報の中でも注意を呼びかけます その他にも 段階的に発表される情報に着目することが大事です

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28 問 15 2 (a) 正しい内容です A のような平年偏差図を見るには まず季節を確認することが大事になります もしこれが 4 月や 10 などの春や秋であれば 負偏差が本の東にあるかにあるかをポイントとしてることになります もし負偏差がにある場合には 型のパターンとなり 本は天気が崩れやすいと判断出来ます しかし 今回は 7 8 の夏になりますので 先にしたような 東ではなく 太平洋気圧の張り出しに着目することになります 白抜きの正偏差となっている本州や北海道では太平洋高気圧の張り出しが強く 一方で問題となっている東シナ海や沖縄 奄美では網掛けの負偏差ですので 太平洋高気圧の張り出しは弱かったことが読み取れます 太平洋高気圧の張り出しが強ければ晴れやすいですが 弱い場合は湿った空気が入りやすく 天気は悪くなります (b) オホーツク海高気圧は 上空にブロッキング高気圧があると明瞭になりやすいです ブロッキング高気圧は正偏差で現れますが 問題文にあるように今回の事例は負偏差となっていますので オホーツク海高気圧はあまり明瞭ではありません この影響もあり 本州や北海道では太平洋高気圧の張り出しが強くなるとも考えられそうです (c) 正しい内容です 地球全体が雨という日はまず存在しません どこかで雨が降れば どこかで晴れるというように 地球全体でバランスを取るようになっています そして 雨と晴れといった天気はランダムで決まるわけではなく ある程度の法則が存在することが 年の研究から知られています この法則はテレコネクションと呼ばれ そのうちの一つがフィリピンと日本との関係です フィリピンで晴れが続く場合には日本は雨が続きやすく フィリピンで雨が続く場合には日本は晴れやすいといった関係があり PJ(Pacific-Japan) パターンと呼ばれます 学科一般の問 11 ではエルニーニョ現象の問題が出題され この時にはインドネシア ( やフィリピン ) では降水量が少なくなり その影響で本では晴れるという関係についての問題が出題されました この (c) では逆にラニーニャ現象を想定しており フィリピンで降水量が多くなると 日本では太平洋高気圧の張り出しが強まり 晴れやすいということについての問題となっています これは A で本州が正偏差となっていることからも確認出来ます

29 < 実技 1> 2016 年 1 月 23 日 問 1 (1) 東 3 海上暴風 4 海上強風 5 停滞 北 11 等温 2と10は 16 方位 7は 8 方位 丁寧に読み取れば正解出来 る問題です 1 3 で着したように 海上暴風警報が発表されるような低気圧には予報円が示され 詳しい諸元が英文で 示されます 進行方向を間違 えないように読み取りまし ょう 2 小笠原諸島

30 8 寒気の中心 5280m 5100m 5160m 等高度線はどこかに数値が示されていると思いますので 必ずそれを確認するようにします 今回では図の上の方に 5340 と 5220 が見付けられましたので 60m ごとに線が引かれていることが分かります これを頼りにして L マークを囲む最も内側の等高度線を読み取り 6を解答しましょう 7の寒気の中心は C マークを探します 11 に入る語句は 等高度線か等温線になりま す 風向から考えると 等高度線には平行となり 等温線は横切るようになります 等温線 等高度線 (2) 秋田 鹿児島 現在天気 1しゅう雪 ( 弱いしゅう雪 ) 観測時前 21 時間以内に3しゅう雨があった 気温 ( ) 十種雲形 6 積乱雲 高積雲 7 積雲 層積雲 1と2は 現在天気 を答えますので 観測の右側にある記号を読み取っていきます もし 天気 で問われた場合には 秋田は雪 鹿児島は曇りになります なお 鹿児島のように ] の記号が付く場合には 観測した時刻には降っていなかったが 前 1 時間内にはあったという意味になります また ] を取ると 弱いしゅう雨 のマークと同じになりますが 前 1 時間内の記号を付ける場合は特に強さの区別はしていませんので 3を弱いしゅう雨と記述した場合は誤りです

31 十種雲形は 漢字の組み合わせを意識しながら考えましょう 巻 は上層 高 は中層の雲に使われる漢字で 層 は横に広がる形 積 はもこもこした形に使われます 秋田にあるωのようなマークは 直線形ではなく丸みを帯びたものになっていますので 積 の漢字に対応します また マークは中層雲の位置に記入されていますので 高 の漢字が使われます このように考えていくと 高積雲という答えを導くことが出来ます (3) モンゴルにある高気圧が強く張り出し 等圧線が混み合うため 4では海上強風警報を答えましたので 風が強まることについて記述していきましょう 学科一般で勉強したように 風の強さは気圧傾度力 ( とコリオリ力 ) で決まってきます 天気図では 等圧線の混み具合で気圧傾度力が読み取れますので 等圧線の間隔が狭いことを記述しましょう また 気圧配置については東低の気圧配置がまず思い浮かびます ただし 問題には低気圧か高気圧のどちらかを選んで記述する旨が読み取れ また問 2(1) では問題文中に冬型の気圧配置という語句が出て来ますので 作成した解答例は高気圧のみに着目しました 問 2 (1) 鹿児島では 620hPa 付近に逆転層があり これより下層ではチンタオよりも湿度が非常に高く湿って いる 図 4 を見て 直ぐに目に付くのは鹿児島下層の湿潤ではないでしょうか そして このような違いが 現れる理由としては 問 3(2) でも着目している 気団変質になります 寒気 乾燥 沈降性逆転層 大陸 日本 暖かな日本海や東シナ海

32 前ページの模式図に示したように 大陸の乾燥した寒気が 暖かな日本海を進むうちに顕熱と潜熱 ( 水蒸気 ) の供給を受けて 性質が変化していきます このように 初めの性質から変化していくことを 気団変質と言います 次第に下層で暖かく湿っていくため 大気が不安定となって雲が発生し これが雪を降らせます ただし 寒気の流入は上空で沈降性の逆転層を形成しますので この時の積乱雲はあまり背が高いものではありません チンタオは大陸沿岸にありますので まだ変質していない大気の状況が観測されています 一方 鹿児島では東シナ海を進むうちに気団変質した大気が観測されたと考えると良さそうです (2) 1 チンタオ : 指数 A +18 指数 B +9 鹿児島 : 指数 A +21 指数 B +2 4 持ち上げた気温と 500hPa の気温を比べる 3 挟む 2 本の湿潤断熱線に色を付け 比例配分で 500hPa の気温を求める 2 露点を等飽和混合比線に 沿って持ち上げる 1 気温を乾燥断熱線に 沿って持ち上げる 850 SSI の求め方は上記の通りです 今回の図は乾燥断熱線と湿潤断熱線の傾きが同じように見えてしまいますので それに気をつけて作図していきましょう 指数 B も同じようにします チンタオでは露点温度からのばした等飽和混合比線にぶつかる前に 700hPa まで達しますので 乾燥断熱線だけで持ち上げた気温で考えれば大丈夫です なお メモリが 2 ごとになっていますので 解答するときには注意しましょう

33 2 対応が良くないもの : 指数 A 理由 : 上層で逆転層があると 指数 A の値は非常に大きく安定を示すが 下層では不安定の事があるため 3 逆転層の下端 指数 A の値をみると チンタオも鹿児島も非常に安定となっていますので 対流が起こる可能性は非常に低いと判断されてしまいます しかし 図 1 で読み取れるように 鹿児島ではしゅう雨が観測されるような 不安定な大気となっています 図 4 はこれより 12 時間後の観測ですが SSI が不当に高い値となってしまっています この原因は 冬季の上空には沈降性逆転層があることが多いためです これを防ぐために 気象庁では下層だけで SSI を求め 雷ガイダンスなどの値に利用しています 今回の問題はこれを想定したものとなっています 問 3 (1) トラフは渦度極大値や 等高度線の曲率の大きい所を狙って引いていきます このため +184 や L マークからのばしても良いですが 既に記入されている図 6 を参考にして位置を決めていきましょう この渦度より図 5 図 6 低高度側 5160m から 5400m まで この渦度より後側

34 (2) 1 シアーライン 2 上昇流 3 高 4 風 寒気移流 5 不安定 1 3は本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) についての問題となっています 朝鮮半島の付け根には脈があり これを迂回する風が日本海で収束します このときの上昇流によって雲が発達し 大雪となります 図 5( 下 ) では 朝鮮半島の付け根から北陸にかけて雨域がのびており 典型的な例となっています なお 3は難しいですが JPCZ の場合には以下のようにして高温と判断しましょう 通常時 JPCZ 通常の冬型の場合は 左の図のようになります 大陸ほど気温が低くなっていますので 等温線は北東南へと平となってのびます JPCZ もきな形としては同じで 北東南へと等温線がのびます しかし 色を付けたあたりではぐねっと曲がっています これはこの領域で空気が収束しているため 対流が活発となって下層から暖気が運ばれてきたためです 丸と丸の温度をてみると 通常時は同じ等温線の上にありますので どちらも同じ気温です しかし JPCZ の場合では白丸は一つ温度の高い線の上となっています この状況をみて 3は気温が高くなっていると考えましょう 4 5 は気団変質についてです 5 では不安定を解答しますが これは問 2(2) で二つの指数で確認し た内容となっています (3) 寒気移流が強く 湿数の小さい上昇流域から 寒気移流が弱まり 湿数の大きい下降流域となる 指定された文字数は多いですが 問われていることも多いため それぞれ答えれば自然と解答が埋まっていきます 作成した自分の解答は 鉛直 p 速度 湿数 温度移流 の 3 つがきちんとかけているかどうか もう一度確認すると良いでしょう なお 解答例では寒気移流が弱まるという記述に留めましたが 図 8 では寒気の中心が九州北部に見られますので 対馬海峡付近では暖気移流となっています

35 (4) 1 アでは陸地から離れた所で雲域が発生し 面積は小さい また 筋状の雲の他にオープンセルの雲も 見られる 離岸距離 離岸距離 筋状の雲 筋状の雲 オープンセル 冬型の気圧配置の時に現れる典型的な雲パターンで アが冬型の気圧配置が弱まった時 イが冬型の気圧配置が強いときに対応します どちらも北のの場ですが イではより陸地に近い所から雲が発しています この距離は離岸距離と呼ばれ 短いほど強い寒気の流入が推測されます 問題文の指示である 位置 と 面積 はこの離岸距離を考えながら記述すると良いでしょう 雲の形状としては 典型的な雪雲である筋状の雲がどちらも見られます しかし アではドーナツ状 のオープンセルの雲も現れていることに着目しましょう 冬型の雲はベナール対流によって形成されま すが 寒気の強さと風のシアで 3 つのパターンに分かれます 現れる雲 寒気 風の鉛直シア 筋状の雲 強い 大きい オープンセル 強い 小さい クローズドセル 弱い 小さい

36 筋状の雲 オープンセル 前述の通り 3 種類の雲は寒気の強さと風のシアで決まってきますので 左図のように徐々に移り変わっていくようになることも多いです クローズドセル 2018 年 1 月 10 日 16 時 30 分の赤外画像 2 イ 1 で考えた特徴から アでは冬型が弱まっていることがわかります (3) より 24 時間後にかけて九州 付近では寒気移流が弱まることを答えていますので イ アの順番になります 問 4 (1) 南 高気圧 3は 16 方位 図を見ながら まずは状況確認をしていく問題です 通常は南ほど気温が低いですが 今回着目して いる福岡は北は対馬暖流が入って暖かい海で 南は内陸で気温が低くなります (2) 低温で密度が大きいため 気圧とは簡単に言うならば空気の重さのことです このため 気温が低くなると密度は大きく 重い 空気になります 一方 強い日射で気温が上がる場合には 逆に軽い空気となって局地的な低気圧が形 成され 局地的大雨の原因となったりします

37 (3) 1 気温で判断 シアーラインの シアー とは風の事を指しています このため 風向や風速が急に変化している所を結んでいくと シアーラインが引けます 図の右上にある-0.2 の北九州空港の観測は その北にある下関の観測と風向 風速に大きな差はありませんので シアーラインを引くのに迷ってしまいますが 気温に着目して引いていきます 2 北側では気温が高いが 南側では低く 温度傾度が大きい シアーラインは 風を見て引くのが基本ですが 実際に引いた線を見てみると気温が大きく変化して いることに気付きます これは (2) で考えたように気温が気圧に影響を与えるためで 風はそれによっ て現れた気圧差によって吹きます 3 福岡の北側にあった時間帯 :1 時 00 分 1 時 30 分福岡と博多の間にあった時間帯 :1 時 40 分 2 時 30 分 3 時 50 分 5 時 00 分博多の南側にあった時間帯 :2 時 40 分 3 時 40 分 これまでの問題で確認したように シアーラインの南にいる場合は 南よりの風となって気温が下がります 図 11 をみてどの位置にシアーラインがあるかを判断していきましょう なお 博多の 3 時 50 分は風向だけをみるとシアーラインは博多の北側にありそうですが 気温が大きく下がっているために シアーラインは博多の北側と判断しました 4 シアーラインの北側に位置し 海からの暖気が入ったため ここまで見てきた状況を 素直に記述すれば良いでしょう

38 問 5 (1) 1 前 12 時間の降雪の深さの合計 :13cm 雪水比 :2.0cm/mm 図 12 で読み取っていく問題です 問題文から 24 日 12 時の前 12 時間で計算しますので 図の左半分だけを読み取ることや 降雪のメモリは右端にあることなど 慌てていると間違えてしまい易いので 注意が必要です あとは 降雪の深さは単純に足し算をしていきます 雪水比は 降水量を合計すると 6.5mm になりますので 降雪の深さ 降水量より 13cm 6.5mm=2.0cm/mm になります 変に気を遣って cm を mm に直したりすると間違ってしまいますので気をつけましょう また 割り算するとぴったり 2 になりますが 解答は小数第一位まで答えますので 2.0 としなければなりません 2 大雪注意報 着氷注意報 着雪注意報 低温注意報 雷注意報 大雪注意報 着氷注意報 着雪注意報 低温注意報は特に問題無く答えられると思います 乾燥注意報の基準である実効湿度とは 木材の乾燥の程度を表す指数で 数日前からの湿度を考慮に入れて計算します 実効湿度が 50 60% 以下になると火災の危険性が高まることが知られています あまり目にする機会がありませんが 一部の気象官署ではホームページで公開していますので 以下に例を示します 18 時に一時的に湿度が 60% となっていますが 短時間の湿度変化は実効湿度には表れませんので 乾燥注意報も発表されません 霜注意報は 4 以下が続いていますが 発表されることはありません 霜注意報は霜が出るかどうか? ではなく 霜によって農作物に被害が出るかどうか? を対象としています 真冬で日常的に霜が発生する時期は そもそも霜でダメになるような農作物は育てていませんので 被害が出ることはないのです 基準表にも 本来の霜の季節より早い又は遅い時期を対象とした期間が記載されています 1 月 25 日は期間外です 雷注意報については 降雪が続くというデータを元に 発表の可能性アリと判断しました 冬型の気圧配置による雲は 背が低いですが雷をもたらす雲となっています 日本海側の地域では冬の雷は珍しくありません

39 (2) 1 風向 風速 波高 卓越周期 卓越波向 北北 北 30 ノット 6m 9 秒 北北 基礎的な読み取り問題となっていますので 全問正解したい所ですが 波高と卓越波向は間違えやすいポイントになっています 波高は今回は整数で答えるようになっていますので 5.8m といった解答は不可となります 卓越波向は 印の向きから北北から南南に向かって波が伝わります 答える波向は 伝わってくる向になりますので 北北を答えましょう 向も同じように吹いてくる向を答えることになりますので 迷ったら風向ならどう答えれば良いか? を考えると良いです なお 今回は凡例がありませんが 短矢羽が 5 ノット が 10 ノットとして風速を答えます 2 地点イ付近のが 吹距離がいため 風浪の発達については 1. 風速が大きい 2. 吹距離がい 3. 吹続時間がいほど発達するという 3 要素を考えます 風速についてはアもイも 30 ノットですので 条件は同じです 吹続時間も図 1 図 5 図 6 より アもイも一日前から同じような風向となっていますので こちらも条件は同じです 一方 その地点から上側の陸地までの距離をみてみると イのがいため これについて記述をしていけば良いでしょう なお 波は浪以外にも遠から台などの周期のいうねりが伝わったり 異なる向からの波がぶつかり合ったりすることで高くなりますが 今回は特に考慮する必要は無いでしょう

40 < 実技 2> 2013 年 9 月 14 日 問 1 (1) 北 南 6 内 東北東 10 濃霧 11もや 12 霧雨 2と9は 16 方位 5は 8 方位 ( その他 は不可) 6は内または外 11と10には大気現象名 400 海里の半円 2は初期時刻にどこへ進んでいるか? を答えますので 予報円の位置ではなく 英文の WNW を読み取ります 3は 最大瞬間風速の GUST 70 KT ではなく 予想の最大風速を読み取ります 2 3 このさが 600 海里 6は緯度 10 度で 600 海里であることを利用し 北東側に 400 海里の半円を描きましょう 父島はこの中に入りますので 強風域内にあることがわかります 11 や 12 の大気現象は 気象観測の手引きに詳しくまとめられています 解答以外の例としては 雨 みぞれ ひょう 高い地ふぶき 霜 砂じんあらし 雷電などがあります

41 (2) ジェット気流軸の位置 :a 根拠 : 雲域 P および雲域 Q では高気圧性の曲率を持ち その北縁に沿って Ci ストリークが形成される 上の図は 図 2 に図 1 の前線を重ね合わせたものです また 温暖前線の所では南から北側へと暖気移流が上昇しながら入る様が推測されますので それに沿って点線の矢印を記入しました P の辺りでも前線が若干ながら北に凸となったキンクになりますので キンクの東側でも温暖前線と同じように暖気移流を記入してあります 雲はこの点線の矢印に沿って発生していきますが いつまでも北上するわけではありません ジェット気流のに遮られ 東側へと流れていきます このような北に膨らむ形を気圧性曲率といい バルジという名前で呼ばれます このバルジの最も北縁ではシーラスストリーク (Ci ストリーク ) が対応します 図に示された a e の中では a がこのシーラスストリークによく対応しています

42 (3) 1 小さくなった 2 濃密になった 強度変化 : 台風中心を取り巻く対流雲の発達が活発で濃密になり 台風は強まる 15 日 9 時 16 日 9 時 一部にスキマがある スキマなし 雲域の規模 雲域の規模 1 の雲域の規模は 点線で囲った辺りを着目すると良いでしょう 点線の北側にははみ出すようにし て雲が広がっていますが これは図 2 で P や Q で示された前線の雲ですので 台風とは別に考えます 2 は中心付近に着目すると 16 日の方がスキマが無くなっていることがわかります そして 1と2のどちらかに着目して 台風が強まるのか弱まるのか? を答えることになります 1 の解答からは台風は弱まる 2の解答からは台風は強まるといった印象を受け どちらの解答もあり得そうです ただ 15 日と 16 日の二つの衛星画像を先入観無く見比べたとき 16 日の方が強そうという感じがあると思いますので ここでは強まるとして2を選びましょう 実際のドボラック法でも 2の中心付近の状況を重視して台風の強度を判別します 15 日と 16 日のどちらが強いか自信が無い場合は 図 7 図 10 を参考にすることも出来ます 図 7 から順に見ていくと 中心気圧が下がっていく事がわかりますので 16 日にかけて台風は強まると判断出来ます

43 (4) 1 湿潤層 1 湿潤層 2 下端 上端 下端 上端 ア 地表 イ 地表 920(930) 910 ウ 地表 340 図 7 の 700hPa 湿数の図では湿数 3 以下を網掛けとしているように 湿潤の基準は 3 とすることが多いです しかし 今回は問題文に 6 以下を湿潤層とすると明記してありますので それに従って判断していきましょう ウの 890hPa 付近では迷いますが ギリギリ 6 を超えていないと判断しました また 図 4 のメモリも 2 ごと 20hPa ごとになっているのも気をつけるべきポイントです 2 ア -Y イ -X ウ -Z 今まで解答してきたことを思い浮かべて見ると (1) で X と Y の天気 (4)1で湿潤層があります アやイと比べると 明らかに湿っているウが Z と考えられそうです 図 1 からも Z は前線付近に位置し 雲量 8/8 で 雨が観測されていることから矛盾はありません ただし 図 1 で Z の気温が 24 となっていますが これを気にしすぎるとウよりもイの方が適切と考えてしまいますが 図 4 は 1000hPa までの値ですので 地上の気温と多少異なっても問題ありません 残ったアとイですが より湿潤層が少ないイが雲量 0/8 の X と考えられそうです 霧雨が観測されている Y はアを選びましょう 問 2 (1) 1

44 図 5( 上 ) 前線から遠い ちょうど良い 前線と同じ位置 地上の前線 P の前面 上空のトラフは 渦度の極大値をマーキングしていくと見えてきます また P は前線に対応した雲ですので 地上の前線も重ねて記入してみると良いでしょう 上空のトラフが地上に達する所が前線と考えると 前線より北辺りに対応するトラフがあります 中国東北区やシベリアあたりの渦度は数値として大きいですが 少し前線や P と離れています また 日本海にも 80 程度の渦度がありますが 前の問題で考えたように P はバルジになっていますので その前面にトラフは解析しません 2 雲域の南部では上昇流 北部では下降流が卓越する 図 5( 下 ) 朝鮮半島南部の -62 にまず眼が行きますが 落ち着いて雲域 P を図 5( 下 ) に重ねてみると 白抜きの下降流域も対応することがわかります なお 700hPa では雲の北側は下降流となっていますが バルジは南側で上昇しながら北側へと広がっていく雲です 700hPa より上層では 雲の北部で上昇流となっていることが推測されます

45 (2) 1 低気圧の南から東 北東にかけては雲頂高度の高い雲があるが 中心付近や側の雲は雲頂度が低 い 図 2( 上 ) 可視画像図 6 低相当温位 図 1 で寒冷前線が大きくカーブしていることや 図 6 で低気圧の南側まで低相当温位の流入が見られることなどから 閉塞が近づいていることが読み取れます このような場合には 左図のように雲頂高度の高い雲は低気圧の中心から離れるようになり 中心付近には高度の低い雲が残ることがあります 図 2 では可視画像で広く雲が見られますが 赤外画像では暗くなって雲がほとんど見えない所がありますので これについて記述しましょう

46 2 正渦度の極大値 : /s /s 方角 : 南 東 対応する渦度の候補として 印を付けた低気圧 の近くで 値の大きいものに を付けました 低気圧はかなり閉塞に近くなっていますが まだ 閉塞はしていませんので 中 より 側の渦度を 選ぶと良いでしょう (3) 1336K 図 6 に図 1 の前線を重ねました 問題文には日本海における値とありますので 停滞前線部分を考えてみると 336K が適する線になりそうです

47 2 今回の前線はあまりはっきりしたものではありませんので 解析が難しい事例です 梅雨 ( 秋雨 ) 前線のように考えると 500hPa の渦度からは渦度 0 線から亜熱帯ジェット気流を考え その付近に前線をのばします また 相当温位は 素直に集中帯と考えるともう少し北に前線を解析すると良いですが 直前の問題でわざわざ相当温位の値を答えさせているため それを活かして考えると良いでしょう 亜熱帯ジェット気流 湿数 6 以下 閉塞前線や寒冷前線は記入しない 336K に合わせる

48 (4) 1 北 後面 5スパイラルバンド 6 北 北東 7 前線 8 縮小 北北東 12 南南 1と6は 8 方位 2は 12 の倍数 3と9 10は 50 の倍数 11と12は 16 方位 図 5( 上 ) 500hPa 渦度 ( 初期時刻 ) 地上の中心 600 海里 1110km 1 はトレーシングペーパーなどで地上の中心をキ ッチリと取って考えます 地上中心と 500hPa の L マークとの距離は 緯度 10 がおよそ 1110km であ ることから求めましょう 横の経度 10 は 1110km ではありませんので 距離の算出には利用できませ ん L マークはここの位置で考える 図 7( 右下 ) 500hPa 気温 700hPa 湿数 (12 時間後 ) 地上の中心 5 で考える 3も1と同じように考えれば大丈夫です 4の位置は中心の東側から南側に位置するようになり 台風を追いかけるように動くため 後面とすると良いでしょう 7は先ほど解析した前線に対応する湿潤域と考えれば良さそうです 9は 60 ノット 10は 85 ノットの風速を見て距離を考えていきます 図 6 850hPa 相当温位 ( 初期時刻 ) 図 11( 右下 ) 850hPa 相当温位 (48 時間後 ) 最も強い 最も強い

49 (5) ウカキコ 台風の特徴としては 地上から上層まで中心が同じ位置にあるという鉛直構造と 暖気核があります また これに伴って地上の等圧線は同心円状で中心ほど混み合うという特徴がありますので 風速の最大は中心付近 ( 眼の外側 ) に現れます これらの特徴が失われるという旨の文章ならば 温帯低気圧に変化しつつある兆しと考えられます アとイは地上と 500hPa の中心 ( 正渦度の極大値 ) の位置についても問題です イでは場所が近いことから 台風の特徴を持つ ( 温帯低気圧化の兆しではない ) と判断出来ますが アは解答に迷う所です ズレているために温帯低気圧化の兆しと考えても良いですが その差は 100km 程度と小さいため 今回は解答には選びませんでした ウとエは暖気核についての問題です ウは上空の暖気核が地上の中心から離れていることが示されていますので 温帯低気圧化の兆しと考えれば良いでしょう エは 24 時間後までは暖気核の気温が-3 でしたが 36 時間後から 0 となり 高くなっています 暖気核が明瞭になることから 台風の構造がはっきりすると考えます オはスパイラルバンドに対応する湿潤域と考えます スパイラルバンドは台風に関連したものですので 温帯低気圧化の兆しではありません カは台風が前線へと進んでいく内容です 台風の温帯低気圧化のパターンの一つに 北にある前線と一体化し 温度傾度が大きくなっていくというものがありますので 温帯低気圧化の兆しと考えましょう キでは次第に乾燥空気が入ることから 温帯低気圧に変わりつつある状況と考えられます クとケは台風による風についてです 台風は中心ほど風が強いですが 温帯低気圧に変わると 強風域が広がることがあり 注意が必要となります このため ケは台風についての内容と考えて問題無いでしょう クは中心から離れた所で風が強いことに着目するなら 温帯低気圧についての内容になります しかし 問 1 の穴埋めでも考えたように 台風の進行方向右側では 台風の移動速度が加わるために 風が強く吹く危険半円と呼ばれる領域です 今回は北東側半円がそれに該当しますので 台風の特徴と考える方が良さそうです コは 図 1 のような台風らしい同心円状の等圧線から ゆがんだ楕円形に変わっていくことに着目し ています これは温帯低気圧化の兆しと考えて良さそうです

50 問 3 (1) 等圧線は 各地点の値に従って引くことになりますが 988hPa の等圧線など 既に記入された線の形に沿って考えるとやりやすいです また 栃木県では 987.1hPa(871) の観測があるため 986hPa の線は分割すると良いでしょう 最も内側の線は 983.9hPa(839) を参考にしますが 向の観測をてそれより側に中を考えるようにして 等圧線を引くと良いでしょう

51 (2) 脊梁山脈の南側に台風の中心があって最も気圧が低くなるが 北側でも分裂した中心により気圧が 低くなっている 左の模式図は 点線は山脈がない場合の等圧線 実線が山脈によって変形した等圧線になります このように 台風は山脈を越える際には ひょうたん型になって中心が分裂することがあります 今回の事例でも 中心はまだ埼玉県付近にあると考えられますが それより北の山形県付近でも閉じた等圧線となり 次第に中心が形成され始めています なお 最も気圧の低い所を台風の中心としますが 分裂して気圧中心が 2 箇所現れた場合には 今後持続すると判断出来る方に中心を決定します このため 中心がジャンプすることがあります (3) 中心位置 : 北緯 36.2 東経 中心気圧 :984hPa 観測値の中で最も低い 気圧の最も低い 983.9hPa 付近を考えますが 向を考えてこれより側に中を考えましょう (1) の等圧線も このように風を加味して引いていきます

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