平成 20 年度 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究 平成 2 1 年 5 月 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究 プロジェクトチーム

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1 平成 20 年度 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究 平成 2 1 年 5 月 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究 プロジェクトチーム

2 目 次 1. アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究の概要 アンカー工設置のり面の実態 アンカー工の実態とその特徴 リフトオフ試験 リフトオフ試験による残存荷重の確認 リフトオフ試験結果と考察 磁歪法によるアンカー軸力測定 研究目的 鋼材における残留応力と作用荷重について 磁歪法の概要とアンカーヘッドの応力測定 残留応力の測定 載荷実験 現場計測 考察と今後の方向性 モニタリング モニタリングの目的 モニタリングの方法 モニタリング箇所の選定 モニタリング頻度と計測期間について 問題点の整理と今後の検討課題 地山の問題点と今後の課題 アンカーの問題点と今後の課題

3 1. アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究の概要 研究目的切土のり面の安定化工法としてアンカー工が多くののり面で採用されてきたが アンカー工が導入されて以来 現在で 50 年近くが経過しアンカー工の腐食や のり面の劣化等の問題が発生しており アンカー工設置のり面の健全性を評価することが重要な課題となってきている 本研究では 近畿圏におけるアンカー工設置のり面の実態把握や現地調査を実施し この結果から課題を明らかにするとともに のり面の変状やアンカー緊張力の簡易なモニタリング手法の開発を進めるとともに実際のモニタリングなどを通じて アンカー工が設置されているのり面の健全性評価手法確立のための課題を明らかにすることを目的とする 研究開発の目標 1アンカー工設置のり面の課題を明らかにし アンカー工の適切な設計条件を整理するとともに 適切な点検手法の検討を行う 2のり面の変状や既設アンカーの緊張力を簡便にモニタリングする手法の開発を目指す 3これらの成果を活用した アンカー工設置のり面健全性評価手法確立に向けて検討を行う 研究期間平成 20 年 4 月 ~ 平成 23 年 3 月 研究体制研究代表者 : 都市安全センター特別研究員沖村孝 ( 神戸大学名誉教授 ) 参加大学 : 神戸大学 ( 沖村孝 芥川真一 ) 近畿地整 : 道路部 姫路河川国道事務所 近畿技術事務所参加企業 : 西日本高速道路株式会社 日特建設株式会社 ライト工業株式会社応用地質株式会社 株式会社ダイヤコンサルタント -1-

4 研究の背景 グランドアンカ- 設計 施工基準, 同解説 ; 地盤工学会 が出版された平成 2 年以前に施工されたアンカー体 ( 以後 旧タイプアンカー と呼ぶ ) は 防食を重要視していなかったため アンカーの腐食 劣化等によりアンカーが破損し 飛び出し現象などが見られ ひいては交通障害を招くおそれがある 特に 鋼棒アンカーにおいてこの現象が顕著に見られる 写真 1.1 は旧タイプ鋼棒アンカーが破損して抜け出している写真である このように 破断とともに抜け出し ひどい場合は 飛び出して行く可能性を秘めている これらのことから 旧タイプアンカーが施工された斜面においては 特に維持管理に注意が必要であり 早期に危険なものを発見する手法の確立が望まれる また 旧タイプ以外のアンカーについても 簡易な維持管理手法の確立が望まれる 写真 1.1 破断したアンカーの状況 -2-

5 検討のフローチャート 研究の流れを図 1.1 のフローチャートに示した 近畿圏におけるアンカー工が設置されたのり面を抽出し その中からさらに平成 2 年以前に施工されたのり面を抽出してのり面の健全性を評価するための基礎データを収集したものである 今後 このデータに基づいて アンカーが設置されたのり面の健全性評価に向けて検討を行う予定である 今回検討範囲 アンカー工設置斜面の抽出 平成 2 年以前か YES NO 磁歪法による軸力測定手法の検討 法面の健全性評価を実施 アンカー体の健全性評価 地山の健全性評価 1 目視点検 2 頭部背面調査 3 リフトオフ試験 4 磁歪法による軸力測定 4 モニタリング 1 地表踏査 2 現地調査による確認 物理探査 ボーリング 3 変状観測 1 アンカー変状状況の確認 2 アンカー体の健全性確認 リフトオフ試験による軸力測定 磁歪法による軸力測定 1 斜面変状の確認 2 地質状況の確認 3 変状原因の推定 4 変状速度等の確認 アンカー工が設置された法面の健全性の評価 図 1.1 アンカー工設置のり面の健全性評価に関する研究のフローチャート -3-

6 2. アンカー工設置のり面の実態 2.1 アンカー工の実態とその特徴 2) ここでは平成 2 年以前の基準に基づいたアンカー ( 旧タイプアンカー ) が施工されて 2) いる A 地区 と 平成 2 年以降の基準に基づいて施工されている B 地区 の調査結果に基づき それぞれのアンカー工の実態とその特徴についてまとめる アンカーの健全性調査アンカーの健全性調査を行うにあたり健全性調査項目のうち特に次の項目に着目する 1 頭部背面調査 2リフトオフ試験表 アンカーの健全性調査項目 調査項目 調査箇所 着目点 摘要 頭部コンクリート 浮き上がり クラック 破損 劣化 落下 目視による調査 頭部キャップ 破損 変形 劣化 固定状況 落下 その他 遊離石灰 涌水 頭部キャップ 破損 変形 劣化 固定状況 パッキンの状況 アンカー頭部詳細調査 防錆油 油漏れの痕跡 量 変質 劣化 頭部を露出させての調査 テンドン ( 余長部 ) 引き込まれの有無 腐食の状況 傷 破損 ( 断面欠損 ) 再緊張余長 定着具 支圧板 その他 腐食の状況 浮き 変形 腐食の状況 塗装の劣化 背面からの湧水 リフトオフ試験 残存引張り力 伸び特性 頭部背面調査 頭部背面構造背面部の環境テンドン防錆油 防食機構 止水性 地下水の侵入 土砂の混入 腐食の状況 傷 破損 油漏れの痕跡 量 変質 劣化 支圧板背面部 変形 破損 クラック 遊離石灰 その他 維持性能確認試験 防錆油の試験 モニタリング 耐力 伸び特性 変色 固化 軟化 残存引張り力 グラウンドアンカー維持管理マニュアルより引用 1) -4-

7 頭部背面調査は ヘッドキャップ アンカー定着具を取り除いたアンカー背面の状況の調査を行うものである テンドンの腐食状況 傷 破損 背面部の環境 防錆油の確認することを目的とする 今回の調査対象である A 地区 では アンカー荷重を除荷して背面調査を行った リフトオフ試験は 直接油圧ジャッキにてアンカーを緊張して 残存引張り力を確認するものである 詳細は 4. リフトオフ試験 に後述する 頭部背面調査 (1)A 地区この地区の地形は 既往地質図によると断層による変形地形であることが明らかである 基盤岩は花崗閃緑岩からなる岩脈 ( 頁岩 凝灰岩 ) であり 終点側のり面最下段には硬質な岩盤が露出しているものの のり面中腹部より上ではこの花崗閃緑岩起源のマサが多く認められている この硬質な露岩部には湧水が認められることから 断層による劣化ゾーンが断層と平行して発達し 水みちとなっていることが予想される まず A 地区のアンカー頭部背面の調査を実施するために アンカー荷重の除荷を行ってアンカープレート背面の調査を実施した 1) コンクリートキャップ背面の状況 A 地区の総ネジ PC 鋼棒は アンカー頭部がコンクリートキャップで保護されているため リフトオフ試験に先立ってコンクリートキャップを取り壊し 頭部背面調査を実施した 写真 頭部コンクリート除去後 -5-

8 間詰めモルタル 写真 アンカープレート背面 吹付法枠工の箱抜きは塩ビパイプφ125を採用しており 内部は間詰めモルタルが充填されていた 調査を行った21 箇所においてすべて同様の状況であった アンカーテンドン アンカープレート ナットともに表面に錆が見られるものの 腐食が進行して断面欠損を起こしている箇所もなく比較的良好な状態であった -6-

9 2) 自由長部シースの状況 内部の間詰めモルタル除去を行い 湧水等の有無を確認した 写真 間詰めモルタル除去後 間詰めモルタル除去後の内部において特に湧水等が見られた箇所はない 自由長部のシースはφ60のポリエチレン管であり シース内部には防錆油の付着が見られるものの 内部が十分に充填されてはいない シース内部の充填不足は調査箇所すべてで同様であった (2)B 地区 B 地区はアンカー背面の自然斜面は約 40 程度以上の急斜面であり 一部緩い沢地形を呈している 基盤岩は粘板岩 砂岩の互層である 本斜面の特徴は 表土が薄く 緩みを生じた岩塊を主体とする崖錐堆積物が厚く分布することである B 地区のアンカー頭部背面の調査を実施するために 受圧板頭部のコンクリート蓋を取り外して アンカー頭部の調査を行った なお アンカー方式が荷重分散型を採用しているため 除荷後の再緊張が不可能であり 受圧板背面の調査は実施していない 1) アンカーヘッドの状況 当該アンカー工法は アンカーヘッドに防錆油を充填したヘッドキャップを取り付け た構造を採用している 磁歪法試験 リフトオフ試験に先立って 受圧板の頭部キャッ -7-

10 プとヘッドキャップを取り外して 頭部背面調査を実施した 写真 受圧板のコンクリートキャップ 写真 アンカーヘッドキャップ -8-

11 写真 ヘッドキャップ内の防錆油充填状況 写真 防錆油の充填が不足しているもの -9-

12 防錆油の充填状況については 全体的にやや尐ない傾向にあり 2 箇所においては充填が不足していると判断した アンカープレートは酸化物の薄膜である不導体膜を形成し安定している アンカーヘッドキャップは全数が健全であった また 受圧板頭部コンクリート蓋撤去に伴って 蓋と受圧板本体の止水用ゴムパッキンの劣化が確認された 試験終了後に 今後の供用を考慮して 全数のゴムパッキンの交換を行っている 写真 ゴムパッキンの劣化状況 -10-

13 写真 ゴムパッキンの交換 2) 湧水の影響受圧板の表面を確認したところ ほとんどの受圧板の表面に 湧水による白華現象が確認された また受圧板コンクリート蓋撤去時 5 基において受圧板内に外部からの侵入水の貯水を確認した ( アンカー番号 7,11,12,16,17) 図 キャップ内部の湧水箇所 -11-

14 写真 受圧板表面の白華現象 平成 7 年の施工から約 14 年の年月の経過により パッキンやシール材などの劣化が 見られ 外部からの侵入水が溜まるなどの現象が見られた 受圧板表面の白華現象は 劣化現象の兆候もしくは進行を裏付けるものであると言える 1. グラウンドアンカー維持管理マニュアル独立行政法人土木研究所 社団法人日本アンカー協会共編 ;H20 2. グラウンドアンカー設計 施工基準, 同解説社団法人地盤工学会 ;H2 3. グラウンドアンカー設計 施工基準, 同解説社団法人地盤工学会 ;H12-12-

15 3. リフトオフ試験 3.1 リフトオフ試験による残存荷重の確認リフトオフ試験を実施して アンカーの残存荷重を確認する 試験フィールドである A 地区 B 地区 のアンカーテンドンの性状を勘案して試験を実施する 試験方法リフトオフ試験は 既存アンカーの残存荷重を確認することを目的として行う 油圧ジャッキを使用し テンドン接続具を介してテンションバーを載荷する 試験時の計測装置として荷重計 変位計を使用し デジタルひずみ測定器にてデータの集積を行う 油圧ポンプ 写真 油圧ジャッキ 写真 ラムチェア 写真 テンションバー -13-

16 写真 試験装置 写真 リフトオフ試験状況 -14-

17 3.1.2 試験位置とアンカー諸元 現場調査及び既存資料から推定されるアンカーの諸元とアンカー施工箇所を以下に示 す (1)A 地区 A 地区のアンカー諸元は以下のように想定される 表 アンカー諸元 (A 地区 ) 総ネジPC 鋼棒 φ23mm 規 格 アンカー長 L=8.0~12.0m 自由長 Lf=5.0~9.0m 定着長 La=3.0m 荷 重 不明 受圧構造物 現場打ち吹付法枠工型式 F m 2.0m 許容最大設計アンカー力約 80kN 試験位置については 試験初期の試験結果の大小により試験位置を決定することとし 図 の通り試験を実施した -15-

18 図 試験位置図 (A 地区 ) -16-

19 (2)B 地区 B 地区のアンカー諸元は以下のように想定される 表 アンカー諸元 (B 地区 ) 規 格 PC 鋼より線 φ12.7mm 4 本自由長 Lf=11.0m(14.0m) 定着長 La=6.0m(9.0m) アンカー長 L=17.0m(23.0m) () 内は最大 荷 重 不明 受圧構造物 プレストレスコンクリート受圧板許容最大設計アンカー力 329kN 試験位置の決定については リフトオフ試験に先立って行った磁歪法の結果を参考に行 った ( 図 参照 ) -17-

20 図 試験位置図 (B 地区 ) -18-

21 3.2 リフトオフ試験結果と考察 リフトオフ試験結果の測定データの集計 分析して アンカーの残存荷重を算出する 試 験本数は 各地区において以下の様である A 地区 B 地区 試験場所 合計 表 試験本数試験本数 21 本 3 本 24 本 アンカー残存荷重 測定値である試験荷重とテンドン頭部変位量を荷重 - 変位量曲線として整理し 曲線の変 曲点を近似直線にて算出する リフトオフ 荷重 図 荷重 - 変位量曲線 (I-8) 各試験アンカーにおける荷重 - 変位量曲線は 添付資料を参照する -19-

22 3.2.2 リフトオフ試験の考察 (1)A 地区の考察 1) リフトオフ荷重の傾向 A 地区のリフトオフ試験荷重は 約 25~80kN とバラツキのある結果となった 特に 最下段の I 列に大きい荷重が集中している 吹付法枠工の許容応力が約 80kN であることから 施工時に設計アンカー力で定着した荷重が残存しているのか 定着後に荷重が増加したかの判断は難しい また I 列以外のリフトオフ試験荷重で25kN 程度のアンカー (B-8,H-8) は 全体の平均に比べ荷重が低いことから 荷重が減尐した可能性がある 図 リフトオフ荷重 (A 地区 ) 2) アンカーの引抜けに関する考察リフトオフ試験を行った結果 A 列のアンカー (A-3,7,8) の引き抜けが確認された 特に A-7,8 については 試験前の踏査結果より頭部コンクリートの浮き上がりが確認されていたもので 結果としてアンカー本体の機能が確保できなかった アンカーが引き抜けた要因を特定するためには 引き抜けたアンカーのテンドンを摘出するなどの追加調査を実施する必要があり 現段階での要因は不明である ただし地質状況にもあるように アンカー体設置地盤の一部が断層破砕帯付近に架かることから 地質状況の把握も必要である -20-

23 写真 頭部コンクリートキャップの浮き (2)B 地区の考察 B 地区は3 本の試験を実施して 3 本共ほぼ同等の残存荷重を確認した 施工時の定着荷重を推定することはできないが 施工後に荷重が大きくなった可能性は低く アンカーの機能に問題はないと思われる 図 リフトオフ荷重 (B 地区 ) -21-

24 < 引用文献 > 1. グラウンドアンカー維持管理マニュアル独立行政法人土木研究所 社団法人日本アンカー協会共編 ;H20 2. グラウンドアンカー設計 施工基準, 同解説社団法人地盤工学会 ;H2 3. グラウンドアンカー設計 施工基準, 同解説社団法人地盤工学会 ;H12-22-

25 4. 磁歪法によるアンカー軸力測定 4.1 研究目的 鋼材表面の応力状態を非破壊で計測する方法として磁歪法がある. この方法は橋梁 1) ト ンネル用鋼製支保工 2) などの鋼製部材の応力状態 荷重状態を推定するために用いられてきた実績があり その有効性が確認されている. また ナット型ヘッドを有するアンカー 3) にも適用され アンカー固定部の鋼製部材に発生する応力を計測し その結果から間接的に軸力を高精度 ( 推定誤差 5% 程度 ) で推定できることが確かめられている. ここでは その手法を異なるタイプのアンカー固定部に対して適用し その軸力をどの程度の精度で推定できるかを確かめると共に 現場における複数のアンカーにおいて現状の軸力を計測することを目的とした検討を実施した. 今回実際に測定を実施したのは 測定が比較的やりやすい B 地区に施工されている PC 鋼より線アンカーについてである 4.2 鋼材における残留応力と作用荷重について 図 4.1 にアンカー固定部の任意箇所に発生する応力の変化を時間軸との関係において示す. アンカー固定部などのあらゆる鋼製部品は その製造プロセスに依存する形で様々な大きさ 分布を持つ残留応力 R を有している. それらが現場に搬入されアンカーに初期軸力が導入されると 固定部には新たな応力増分 S1 が生じる. また 供用後 時間の経過と共に 地すべり 地震などの突発的事象 アンカーや固定部 ( 鋼材 およびコンクリート構造 ) に生じる劣化などを原因として 応力には新たな増分 S2 が生じる可能性がある また 当然ながらこれらの変化は増分となるだけでなく 減尐することも想定される -23-

26 応力 ( 地震などの突発的事象 ) 供用中の軸力変動による応力増分 :S2 初期導入軸力による応力増分 :S1 残留応力 :R 時間 製造運搬現場での供用 アンカー施工 図 4.1 アンカー固定部の任意点における応力状態の変遷 一般的に アンカーの軸力を高精度で推定するためには R が小さく 軸力の導入やその変動に対する反応 S1 や S2 が大きく安定していることが望ましい ここで行う検討は それらに関する情報を入手し 磁歪法を用いたアンカー軸力推定が 対象となるアンカーのタイプに応じてどの程度の精度で実施できるかを確かめるものである 4.3 磁歪法の概要とアンカーヘッドの応力計測方法 図 4.2 に示す磁歪センサ 2) 3) で鋼材表面の計測を実施する このセンサを対象箇所に垂 直に当て それが作り出す磁場に対する鋼材表面の反応を読み取る この 反応 は鋼材 の応力状態に依存する電圧値としてアウトプットされる -24-

27 図 4.2 磁歪センサ ( 直径約 20mm) この際 磁歪センサの方向 ( 図 4.2 において太い線が見えている方向 ) が対象箇所の主応 力状態に対してどのような角度になっているかによって アウトプットされる電圧値 V は 以下の式で与えられる V k( 2 )cos2 1 ここで k は鋼材ごとに定義される材料物性 ( 透磁率 ) σ 1 σ 2 は被測定物に作用している主応力 θはプローブ方向とσ 1 とのなす角である アンカー固定部の任意点において応力を計測する際には厳密にはこの計測時の方向性を考慮する必要があるが 実験 および現場計測の簡略化 合理化の必要性があるため 本検討においては常にセンサの方向をアンカーの軸力が作用する方向と同一とすることとした なお 磁歪センサが検知する応力の情報は 励磁用コイルに流す電流の周波数に影響されるが ここで用いたセンサ ( 直径 12mm 周波数 1kHz) の場合には鋼材表面からおよそ 0.23mm 程度の深さまでに存在する応力の平均値を電圧値としてアウトプットする仕様である 図 4.3 磁歪センサの向きと主応力の関係 -25-

28 4.4 残留応力の測定 図 4.4 に本検討で実施したアンカー固定部を示す くさび式のこのタイプにおいてはスト ランドが固定されるアンカーヘッド および軸力調整のために用いられるリングナットが 計測の候補対象物となる アンカーヘッド ( 直径 92mm, 高さ 85mm) リングナット ( 外径 120mm, 高さ 55mm) くさび 図 4.4 アンカー固定部 リングナットの残留応力 リングナット側面の展開図を図 4.4 に示す 磁歪センサで残留応力を計測するのは中央高さにおける 4 か所 (Center で表示 ) と下部の 4 か所 (Bottom で表示 ) とした これらは それぞれ 90 ずつ離れた場所としている また 計測はバラツキを平均化するためにそれぞれの場所で 2 回ずつ行った -26-

29 Voltage (V) Center リングナット表面の展開図 Bottom 図 4.5 リングナットの展開図と計測場所 1.5 リングナットの残留応力 系列 1 系列 2 系列 3 系列 4 系列 5 系列 6 系列 7 系列 8 系列 9 系列 図 4.6 リングナットの残留応力図 4.6 にリングナット 10 個 ( 系列 1 から 10) において行った残留応力の計測結果を電圧値として示す それぞれのリングナットについて横軸の 1 番から 4 番が Center の 4 点 5 番から 8 番が Bottom の 4 点における 2 回の計測結果の平均値を示す 系列 4 については 計測作業中にセンサの向きを間違えたために符号が逆のデータが取られたようである 残留応力に相当する電圧値は Center と Bottom の位置による差異はほとんどなく どちらの場所においても大きくばらつく傾向がある また その値は概ね-0.2 から-1.7V 程度の範囲にばらつくことがわかる -27-

30 Voltage (V) 1.5 残留応力の平均値 図 4.7 リングナットの残留応力の平均値 図 4.7 にそれぞれのリングナットにおいて取り込んだすべての電圧値の平均値 (Center で 4 か所 Bottom で 4 か所を 2 回ずつ計測しているので合計 16 個のデータの平均値 ) を示す 平均電圧は-0.5V から-1.3V 程度の範囲でばらついており 個々のリングナットによって残留応力の値は大きく異なっていることが推察される アンカーヘッドの残留応力 くさびの力を直接受けるアンカーヘッドの端面において磁歪センサを充てることができ る箇所を準備し センサをアンカーヘッド中心に向けて残留応力を計測することとした その場所を図 4.8 に示す -28-

31 Voltage (V) 磁歪センサで計測する 5 箇所 図 4.8 アンカーヘッドにおける計測場所 1.50E+00 アンカーヘッドの残留応力 1.00E E E E 系列 1 系列 2 系列 3 系列 4 系列 5 系列 6 系列 7 系列 8 系列 E E+00 図 4.9 アンカーヘッド端面における残留応力 -29-

32 Voltage (V) 1.50E+00 アンカーヘッド端面の残留応力 1.00E E E E E E+00 図 4.10 アンカーヘッド端面における残留応力の平均値 図 4.9 に 9 個 ( 系列 1 から 9) のアンカーヘッド端面における残留応力の計測結果を示す また それぞれのアンカーヘッドにおける平均値を図 4.10 に示す この場合は 実験作業の時間的制約などから 計測は 1 回ずつとした リングナットに比べて残留応力の値はかなり小さいことがわかる -30-

33 4.5 載荷実験 載荷フレーム ロードセル 磁歪センサ 図 4.11 軸力載荷装置 ( この写真は別のタイプのアンカーヘッドにおける実験の際に撮影したもの ) 図 4.11 に示す軸力載荷装置 ( 最大荷重 1500kN) を用いて実験を行った 以下に リング ナットにおける計測結果 およびアンカーヘッド端面における計測結果を順に記述する -31-

34 4.5.1 リングナット側面における計測結果 アンカーヘッドの浮き高さ :d 図 4.12 アンカーヘッドの浮き高さ このタイプのアンカーは軸力が低減した場合に最緊張ができるようにリングナットが備えられているものである したがって図 4.12 に示すようにアンカーヘッドを距離 d だけ浮かせた状態で使用されることもある この時 d の大きさに依存してリングナット側面の応力分布が影響を受けるため 軸力載荷実験においては d の大きさを 3 通りとして実験を行った その概要を表 4.1 に示す リングナットの番号 Nut 1 表 4.1 リングナットの載荷実験実験の内容 載荷サイクル 1 まず d=25mm に設定する 次に 0 から 250kN まで荷重をあげる 軸力は 50kN ごとにホールドし リングナットの側面において Center Bottom の合計 8 か所において電圧値を計測する ピーク荷重後は 同様に 50kN ごとに荷重を下げ それぞれのレベルで計測を実施する -32-

35 Load (kn) 載荷サイクル 2 d=12.5mm にして同様の実験を行う この際 アンカーヘッドはサイクル 1 を終えた状態のもの ( くさびが食い込んでいるもの ) を使う 載荷サイクル 3 d=0mm にしてサイクル 1 2 と同様の実験を実施する この際 アンカーヘッドはサイクル 1 2 を終えた状態のもの ( くさびが食い込んでいるもの ) を使う Nut 2 リングナットだけを交換して Nut 1 に対して実施したものと同 様の実験を実施する アンカーヘッドはそのままのものを用い る 図 4.13 に実験結果のまとめを示す ここでは それぞれの荷重レベルで計測した Center Bottom の計測箇所における電圧値の平均値をプロットしている また 載荷と除荷のプロセスを区別するために 載荷の最初のポイントに黒い矢印を示している リングナットの載荷実験結果 Nut 1 d=25mm Nut 1 d=12.5mm Nut 1 d=0mm Nut 2 d=25mm Nut 2 d=12.5mm Nut 2 d=0mm Voltage (V) 0 図 4.13 リングナットの載荷実験結果 Nut 1 の結果においては 浮き高さ d の値によって電圧値が尐しずつ小さくなっているこ とがわかる また それぞれの傾きは概ね等しいと考えてよいようである また このナ -33-

36 ットについては残留応力の平均値が-0.5V 程度であったため その付近に集中した結果が出ている Nut 2 においては残留応力の平均値が-1V 程度であったため Nut 1 とは別の領域に電圧値のグラフが分布する結果となっている 浮き高さ d の変化によって電圧値の反応が尐しずつ小さくなること またそれらの傾きが全体的に同レベルの値であることがわかる 全体を通じて 載荷の最初に比べて除荷の最後のほうが電圧値が小さく ( 絶対値としては大きく ) なっており 荷重に対するヒステリシスが出ているが これは比較的小さい範囲にとどまっている リングナットにおいては残留応力の平均値が個体によって大きくばらつくため 統一的な校正曲線 ( 荷重 vs 平均電圧関係式 ) を定義することは容易ではないことがわかる また それを定義する際には 浮き高さ d を考慮する必要があることがわかる アンカーヘッド端面における計測結果 リングナットを対象とした計測から その表面における残留応力が大きいことが分かっ たため 固定部の他の計測候補地としてアンカーヘッド端面の 5 か所を選定し その場所 に限定した計測を実施した その内容を表 4.2 示す 表 4.2 アンカーヘッド端面の計測アンカーヘッド実験内容 載荷サイクル 1 d=0mm としてリングナットは Nut 1 を使用する アンカーヘッドは新しいものを用いて 250kN までの上げ下ろしを行う 計測は 50kN ピッチで実施する 新しいアンカーヘッドを使用 載荷サイクル 2 サイクル 1 でくさびはすでに食い込んだままになっているが そのまま同様の試験をサイクル 2 として実施する -34-

37 Load (kn) アンカーヘッド端面における反応 st cycle 2nd cycle Voltage (V) 0 図 4.14 アンカーヘッドの計測結果 図 4.14 に計測結果を示す 新しいアンカーヘッドに初めて載荷する形となる 1st cycle では小さな残留応力を有しているアンカーヘッドがリングナットよりも低い感度 ( 同様の荷重増加に対する電圧値の変動が尐ない ) で反応していることがわかる また 2 nd cycle では すでにくさびが食い込んだままとなっているため アンカーヘッドは周方向に引っ張り応力が作用したままの状態となっていることが推察される 従って それを表している電圧値が荷重の増減にかかわらずほぼ一定値を示していることがわかる 4.6 現場計測結果 図 4-5(B 地区 ) に示す 25 本のアンカーについて Center Bottom の合計 8 か所を計測 した ばらつきを考慮して計測は 2 回ずつ実施したので それぞれのアンカーについてリ ングナットから得た 16 個の電圧値の平均値を求めた 結果を図 4.15 に示す -35-

38 Voltage (V) 0 現場計測結果 ( すべての平均値 ) 図 4.15 現場計測結果 平均電圧は-0.1V から-1V 程度の間で大きくばらついている 現場で確認したところ 3 番のアンカーについてはリングナットが手で回せる状態であった すなわち このリングナットには荷重はかかっていなかった 従って 3 番のアンカーについての計測結果は残留応力そのものであることになる 後日確認したところ この現場においては所定の設計軸力を導入する際に アンカーヘッドの底面が直接基板プレートに接しており 軸力導入を完了してからリングナットを おそらく人力で軽く締めただけであったと推定される すなわち 実験と対比した場合に d=0mm の設定であったと思われる 浮き高さ d を 0mm にした実験において 荷重が 250kN まで上げられた際に -0.3V 程度の変動が計測できることが確かめられている しかしながら 残留応力の値がリングナットの個体ごとに大きくばらつくため 一度の計測結果だけから そのアンカー軸力を推定することは困難であることが分かる 表 4.3 にリフトオフ試験を行った結果と対応する電圧値を示しているが ここに明確な相関が認められないのはそのためである 表 4.3 リフトオフの結果との比較 アンカー番号 リフトオフの結果 (kn) 磁歪法による平均電圧 (V)

39 なお 現場計測と室内実験の工程の制約から 現場計測を先に実施したため アンカー ヘッド端面における計測は現場において実施していない 4.7 考察と今後の方向性 室内実験によって得られたデータからリングナット アンカーヘッドのそれぞれの荷重 に対する反応を整理し 磁歪法を用いた軸力推定に関する検討項目を表 4.4 にまとめた 表 4.4 B 地区で用いられているタイプのアンカーを対象とした場合のまとめ 検討項目 リングナット アンカーヘッド 残留応力 -0.5V から-1.3V の範囲で大きく 0 から-0.1V 以下の範囲に収まっばらつく ている 荷重に対する反応 0.1V の変動が荷重変動 69kN に 0.1V の変動が荷重変動 88kN に相当する 相当する 校正曲線 個体ごとの残留応力のばらつきが大きいため 統一的な校正曲線を作成することが困難 個体ごとの残留応力のばらつきが小さいため 統一的な校正曲線を作成することが可能 残留応力のばらつきは大きいが 荷重に対する感度は安定している 従って 初回の計測に 過去の最大荷重に依存する形でくさびが食い込むため その後荷重が減尐した場合にそれが判 注意点 よって軸力を推定することはで定できない 荷重の減尐がないきないが 複数回の計測を実施ことが確認できれば 磁歪法に すれば その間の荷重変動を精度よく推定できる可能性が残っ よる良好な測定対象箇所とすることができる ている どのような状況においても 初回の計測によってアンカー軸力を正確に推定できることが理想的である しかしながら アンカー固定部の形状 構造 残留応力特性などが複合的に関係するため それぞれのアンカータイプごとに長所 短所が存在する B 地区の現場で使用されているくさび式 リングナット付きアンカーの場合は表 4.4 に記述するような特徴を有しているため リングナットを計測対象とした場合は初回の計測での軸力推定は困難であるが 次回以降の計測を実施すればその間の増分は推定できると考えられる また 荷重が減尐していないことを何らかの方法で確認できれば アンカーヘッド端面を計測することによって 初回の計測結果から 軸力を推定できることになる また 荷重の増加 減尐の判別ができない場合においても アンカーヘッド端面を計測することで これまでにアンカーに作用した最大荷重を推定できる可能性も認められる -37-

40 以上に述べたように 磁歪法を用いた非破壊応力測定技術を利用することにより アンカーの軸力推定を実施できることがわかる アンカーはメーカーごとに軸力の固定方法が異なるため それらの特徴を十分に理解することにより 現状の状態 あるいは過去に受けた最大の軸力などに関する有意義な情報を読み取ることができることがわかる 今回の工程では 現場計測が先行したため アンカーヘッド端面を対象とした計測を現場で実施していないが この点は次年度以降の検討項目とすることが望まれる 参考文献 1) 安福精一, 藤井堅, 末宗仁吉, 境禎明, 村井亮介, 池田誠, 黒瀬義幸 : 磁気を用いた鋼構造物の応力測定, 橋梁と基礎,6 月号,pp.33-38, ) 芥川真一, 太田道宏, 安原幸二, 大井健史, 志村常彰, 松岡敬 : 磁歪法を用いたトンネル用鋼製支保工の応力状態の計測, 土木学会論文集,No.805 号 /IV-67, pp , ) 芥川真一, 有村有紀, 中森絵美, 櫻井春輔, 馬場修二, 森聡 : 磁歪法を用いた PS アンカー軸力推定手法の提案と大規模地下空洞における検証例, 土木学会論文集, 部門 F, Vo.64, No.4, pp ,

41 5. モニタリングについて 5.1 モニタリングの目的 A 地区では リフトオフ試験の結果最大荷重として 78.4kN が確認された 当初設計の計算書及び 施工当時の緊張定着荷重のデータが残っていないため フレームの鉄筋量から推定すると施工時のアンカー緊張力は 80kN 程度であったと思われる 今回のリフトオフの結果から 荷重が確認出来なかったものを含めて 推定設計荷重の 70% 以下になっているものが大半であった このため 現状のアンカーに荷重計を設置し 今後の荷重低下の状況を観測することにより 荷重が低下した原因を究明出来ると考え モニタリングを実施することとした なお B 地区については アンカーの形式上 ヘッド部分のくさびの取り外しが出来ないためモニタリング計器設置が不可能であり モニタリング対象斜面から除外した 5.2 モニタリングの方法モニタリングを行う荷重計には ひずみゲージ式 作動トランス式 磁歪法 油圧ディスク式のようなものが考えられる 本調査ではこれらの内 kg と小型で軽量であるため のり面での作業が容易であること 2 価格的にも比較的安価であること 3 設置実績も多い 4 アンカーの種別を問わずに設置可能である 等々の理由により 油圧ディスク式を用いる事にした 5.3 モニタリング箇所の選定モニタリング箇所の選定に関しては リフトオフ試験の結果を踏まえて のり面の中央付近で断面方向の変化を観測するために設置し 上段ののり面に対してはリフトオフ荷重が確認出来なかった C-10 のアンカーに再度荷重を掛けて経過観測を行うものとした また 上段においてのり面の北側部 (C-4) の箇所は湧水も多く地山の劣化が推定されること 鋼棒が短かったためにリフトオフ荷重も確認出来なかったことなどの理由から 推定設計荷重程度まで荷重を掛けて経過観測を行うものとした 荷重計を設置した箇所は図 に示した通りである 5.4 モニタリングの頻度と計測期間モニタリングの頻度は基本的に 3 時間毎に設定し 計測を行う期間は 2 年間とする 頻度に関しては 経過観測を行った上で変状の状況に応じて 計測間隔を変更することもある -39-

42 6. 問題点の整理と今後の検討課題 6.1 地山の問題点と今後の課題ここでは 切り土のり面で旧タイプのアンカーが施工されている A 地区 について述べる 本斜面の特徴は 断層によって背面に分離面を有する地盤となっている点である アンカーの機能としては この断層前面の劣化した土塊の安定性を確保することが目的であったと考えられる しかしながら 終点側ののり裾には湧水があり この地下水が断層に作用すると 断層前面の土塊に対し不安定要因となる可能性が高い 現状は目立った変状がないため安定性を損なうほどの影響は生じていないと考えられるが アンカー定着は一部断層破砕帯内にある可能性や 地下水の影響による劣化が進行する地盤に施工されている可能性がある このため 現在の斜面の地質状況を詳細に調べるために ボーリングと弾性波探査を実施して のり面の地質的な特徴をつかんでおくことが望ましい ただし 対策工が既に施行されている斜面であり その計画に当たっては事前に十分な検討が必要である -40-

43 6.2 既設アンカーの問題点と今後の課題リフトオフ試験の結果から のり面最上段 (A 列 ) に施工されたアンカーは 下記の様な状況であった A-3 ; 115kN から 120kN に載荷中に抜けてしまった A-7 ; 30kN から 35kN に載荷中に抜けてしまった A-8 ; 初期荷重 (20kN) まで載荷出来なかった このように A 列のアンカーは全て想定の設計アンカー緊張力 (80kN) の 1.5 倍 ( 120kN) まで載荷出来ずに抜けてしまい アンカーの機能が果たせていない これらのアンカーが抜けた原因は何かを確かめるために アンカー鋼棒を引き抜き 鋼棒が切れて抜けたためなのか 鋼棒は切れずに定着部分の周面摩擦力が低下して抜けたためなのかを確かめる事を提案する 引き抜き試験を行うことで以下の事が推察できる 1) 鋼棒が切断していた場合 計画以上の荷重が作用して切断していれば 設計の想定滑り力を見直す必要が有る 鋼棒が何らかの原因で腐食して切断していたとすれば 他のアンカーも今後腐食し 切断する可能性があるため 腐食の度合いを別途調査する必要が有る 2) 鋼棒が切れずに定着層の周面摩擦力が低下して抜けた場合 定着層とした地層が断層破砕帯内にあれば 元々周面摩擦力が足りなかった事になり安定計算を見直す必要が有る 地層が風化したことにより当初設計の周面摩擦力以下に低下していれば 他の段のアンカーの周面摩擦力もいずれ低下してのり面全体が不安定になる 但し 当該地区に於ける設計計算書や施工当時の緊張管理のデータ等が無いため 設計を見直すことは実際上はかなり困難である 今後の管理を進めていく上においても 現状の地盤状況を把握した上で 再度 のり面の安定性検討を実施して健全性を確認することが望ましい -41-

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