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えみさかいざわ
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1 ロシアの天然ガス政策の動き 1. 欧州へのガス輸出価格問題 2. コビクタガス田開発始動 2006 年 1 月 18 日調査部本村真澄 1 今回の事件のポイントウクライナは 90 年代にロシアからの天然ガス料金不払い抜き取りを繰り返しロシアは頻繁に送ガス停止措置を実施 (CISの内輪揉めで政治問題化せず) 本質はウクライナがパイプライン通過国としての責務を果たさずロシアが迷惑を蒙って来た構図 2005 年国際的なガス価格の高騰を踏まえロシアが値上げを企図しウクライナが応ぜず交渉難航ロシアが従来同様の考えで送ガス停止をした所今回は親自由主義圏に入ったウクライナに対して国際的同情が集まりロシアの供給国責任に焦点ガスプロムの株価は高騰市場はガス価改定を評価ロシアはウクライナ迂回の為にバルトパイプラインを計画中通過国として格下げを図る 2

2 ロシアによる天然ガス価格の改定 2005 年 6 月 : 旧ソ連諸国にガス価引上げ示唆同 11 月 :CIS サミット ( 首相級 ) で引上げ決定ウクライナには $50/1,000m 3 を $160 へ同 12 月 8 日 : ウクライナ拒否 $230/1,000m 年 1 月 1 日 : ロシア側ガス輸送 20% カット欧州諸国でガス量減少国際世論の反発同 1 月 3 日 : ガスプロムとウクライナの Naftogaz の交渉合意 3 西欧ロシアのガス輸出価格 ($/1,000m 3 ) ウクライナベラルーシモルドババルト 3 国グルジアアルメニアブルガリアルーマニア 2005 年価格年価格備考暫定措置親ロ政権共産政権反ロ政権反ロ政権親ロ政権新価格拒絶 4

ロシアからの天然ガスパイプラインシステム 5 ガスプロム = ウクライナの契約内容ウクライナへのガス供給を RosUkrEnergo 社が一手引受け同社へのガス販売価格と量ロシア :$230/1,000m3 で 170 億 m 3 / 年トルクメニスタン :$55/1,000m3 で 410 億 m 3 / 年カザフウズベク :$55/1,000m3 で 150 億

3 ロシアからの天然ガスパイプラインシステム 5 ガスプロム = ウクライナの契約内容ウクライナへのガス供給を RosUkrEnergo 社が一手引受け同社へのガス販売価格と量ロシア :$230/1,000m3 で 170 億 m 3 / 年トルクメニスタン :$55/1,000m3 で 410 億 m 3 / 年カザフウズベク :$55/1,000m3 で 150 億 m 3 / 年中央アジア産ガスは 2006 前半 $50 後半 $60 と報道ウクライナの買い取り価格と量ロシア産と中央アジア産ガスと混ぜて $95/1,000 m 3 でこれを購入量は 560 億 m 3 / 年過剰な 170 億 m 3 のガスは同社が独自に欧州へ国際価格で売却通過タリフ値上げ :$1.09 $1.60/1,000m 3 /100km(5 年間 ) 6

4 ロシアとウクライナの契約内容と主なガスの流れ欧州市場 ( 需要の 25% がロシアから ) 1,200 億m3 170 億m3 170 m3 Gazprom ウクライナ (Naftogas) 560 1,000 m3 Ros Ukr Energo 150 m3 カザフスタンウズベキスタン 410 m3 自国産ガス 200 億m3 Gazprombank 50% Raiffeisen Invest 50% トルクメニスタン 7 RosUkrEnergo とは? 2004 年 7 月設立スイス登記 Gazprombank(50%):Gazprom 子会社 Raiffeisen Invest(50%):Raifeisen 銀行 ( 墺 ) 前身はEuralTransGas Kft.( ハンガリー登記 ) その前身はItera( トルクメニスタンからのロシアへのガス輸入を担当 ) 昨年にはウクライナ検察に犯罪組織との関係で捜査 8

5 ロシア側のメリットデメリットメリットロスウクルエネルゴを通じてウクライナへのガス輸出を一手に引き受ける権利を掌握同社がウクライナ経由で西欧に再輸出可能通過タリフの値上げを 5 年間固定デメリット西欧ウクライナの政治的反発ガス価格の値上げが部分的実現他の近隣諸国との価格差により新たな問題発生ウクライナにおけるパイプライン権益の獲得にまでは至らず ( ベラルーシモルドバでは一部実現 ) 9 ウクライナ側のメリットデメリットメリット国内パイプラインへのガスプロム参加を阻止国内反ロ世論の盛り上がり国際世論の後押しデメリット天然ガス価格の値上げ阻止叶わず 6 ヵ月後の価格改定 ( 経済的打撃必至 ) 改訂通過タリフは 5 年間固定 RosUkrEnergo による一元輸入管理 ( 中央アジア諸国との直接交渉不可?) 内閣不信任 (1/10) 内閣存続 (~3./12) 議会選挙 (3/26) 10

6 ガスプロムの欧州パイプライン管理権ベラルーシ :Beltransgaz Yamal-Europe パイプラインの 100% を保有同国の 50% の通ガス量 2006 年からその Right of way を長期リースにより保有ベラルーシの国内ガス輸送に関する JV の交渉中モルドバ :Moldvagas 既に 50%+1 の株式を保有今回 Trans-Donierter 地方政府保有の 13.4% を取得ドイツ :Wingas の 49% を取得 NEGP で増枠ウクライナのパイプラインもガスプロムの関心対象今回ウクライナがその管理権を死守したこと自体はウクライナ側の成果 11 各界の反応ライス米国務長官 : 世界経済の一員たりたければルールに従う必要があるこのような行動は G8のリーダーに期待される姿と距離があるメルケル独首相 : ドイツはガスソースの分散に全力を尽くす必要があるティモシェンコ前ウクライナ首相 : RosUkrEnergoは見せ掛けだけの会社でありウクライナ向けのガスが通過することにより同社は莫大な資金を生み出すだろう Petroleum Argus: 米国はロシアからの供給リスクについて警鐘を鳴らすだろうが皮肉にも冷戦時代からロシアから西欧への供給契約はきちっと守られて来ているウクライナとの係争は ( ベラルーシに続きCIS 域内で ) 僅か二回の混乱 (disruption) を生んだに過ぎないモスクワ証券取引所 (1/13): 今年ガスプロム株 25% 上昇ロンドン証券取引所 (1/13): 今年ガスプロムADRは27% 上昇 Bloomberg(1/12): 同社時価総額 $2,000 億ドル世界第 7 位 12

7 13 ロシア東部統一ガス供給システム 2006 年 1 月 6 日 : プーチン大統領ヤクーツクで東シベリア極東統一ガス生産輸送システムの策定加速を指示同システムの必要性域内とアジア太平洋地域 ( エネルギー需要の伸び大 ) への安定的エネルギー供給東シベリアの石油ガス開発へのロシアと外資の投資呼び込みの実現 14

8 コビクタガス田開発の経緯 1995 年 : シダンコと CNPC が商業化スタディ 2000 年 10 月 : 韓国参加 ( モンゴル通過ルート除外 ) 2003 年 11 月 : ロ中韓による FS 埋蔵量 :56.4 兆 cf(1.6 兆 m 3 ) 44 年間供給開発コスト :180 億ドル ( 当初 110 億ドル ) パイプライン : 中国大連 - 黄海 - 平沢 ( 韓国 ) 2008 年稼動開始 : 中国 200 億 m 3 韓国 100 億 m 3 ロシア 60 億 m 3 問題点 : その後 2005 年秋まで大きな進展なし総コスト増バイカル湖南ルートの環境問題 ( 石油では不可 ) 中国国内のガス価格 ( ロシアは $75/1,000 m 3 主張 ) ガスプロムは国内ガス化を理由に反対 15 コビクタガス田開発始動 2005 年 11 月 : ガスプロム発言ロシアガスフォーラム 2005 コビクタガス田の全体的開発にはガスの輸出が不可欠 2005 年 12 月 : ガスプロム CNPC 間で協議開始ガス価格に若干の変化ロシア :$160~$170/1,000m 3 中国 :$70/1,000m 年 6 月 : コビクタ工事開始 Petrofac( 英 ) 契約受注 RUSIA Petroleum: ガス生産施設 (25 億 m 3 ) East Siberian Gas: イルクーツク向けパイプライン (645km) TNK-BP は国内工事は国際パイプライン (2012 年稼動 ) の前段階と位置付けロシア消費のみ (60 億 m 3 ) では 270 年間供給 16

9 サハリン -1 における動き背景にはエクソンによるサハリン -1 ガスの中国への輸出計画に対するロシア政府の否定的な意思決定が影響 2005 年 11 月 : サハリン州マラホフ知事中国向けに十分なガスを送ることは困難 S-1 生産量 110 億 m 3 < 国内 30 億 m 3 + 中国 100 m 3 中国へのガスパイプラインを PS 事業の一部として認めることにロシア政府が難色 2005 年 12 月 : フリステンコ産業エネルギー相はエクソンに対して LNG 化検討を要請 17 TNK-BP の対応 2005 年 12 月 5 日 ( 議会公聴会 ) : 中国への天然ガス供給は 2012 年主としてコビクタから中国側での LNG 基地建設がロシアのガス市場喪失に繋がる恐れ TNK-BP のガスプロムに対する動きコビクタガス田開発ではガスプロムが輸送を所管 TNK-BP 保有のサハリン -5 の Lopukhovsky 鉱区をガスプロムへ譲渡の観測 TNK-BP 保有のスラブネフチ株 50%( 残りの 50% はシブネフチ保有 ) をガスプロムに売却の動き 18

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Microsoft PowerPoint 本村Altai PL.ppt ロシア / トルクメニスタン : 中国市場をめぐる天然ガスパイプラインのジオエコノミクス 2006 年 4 月 12 日調査部本村真澄 1 ロシア中国首脳会談 (3/21) の成果 3 月 21 日北京にてプーチン胡錦涛会談共同声明 : エネルギーは両国の戦略的パートナーシップの主要部分ロシアから中国への原油天然ガスパイプラインプロジェクトの進展に注力エネルギー経済環境等 15