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1 活性酸素の生化学

2 1 活性酸素フリーラジカル 分子は最外殻の電子軌道の電子を出し合って電子ペアをつくり結合している ペアをつくっている2 個の電子の自転方向は ( スピン ) はお互いに逆向き 1 重項分子 : 電子ペアによって原子同士がお互いに結合している分子 ラジカル (2 重項分子 ): ペアをつくっている電子の1 個がとれた状態 3 重項分子 :1 分子にペアになっていない電子を2 個持つ分子 酸素は3 重項 ( バイラジカル ) で最も安定で反応性が低い

3 酸素分子は特殊な分子内電子配置をもっている 2 活性酸素種 :Reactive Oxygen Species (ROS) πx* πy* πx πy σz 2S1* 2S1 1S1 1S2 3 O 2 1 O 2 O 2 - O 重項酸素 ( 基底状態 ) 安定な酸素分子 1 重項酸素 ( 励起状態 ) スーパーオキシドアニオン ペルオキシド ( 過酸化水素 ) singlet oxygen superoxide anion hydrogen peroxide

4 活性酸素種のなかで, 過酸化水素と遷移金属の反応で生成されるヒドロキシルラジカルは最も反応性が高く, まわりにある高分子を酸化する 3

5 酸素分子 (3 重項分子 ) は電子ペアをもつ普通の分子 (1 重項分子 ) とは反応できない4 酸素分子が反応するには 1. 遷移金属イオンによる活性化鉄 銅 マンガンなどの金属イオンは最外殻の電子軌道 (3d 軌道 ) にペアになっていない電子をもち 一種のラジカル生体内の遊離金属は危険遷移金属結合タンパク質 : ( 鉄 ) hemosiderin ヘモシデリンと ferritin フェリチン ( 鉄貯蔵 ) 疾患 : 原発性ヘモクロマトーシス (C282Y および H63D 遺伝子の変異 ) 血中の輸送タンパク質 transferrin トランスフェリン, 母乳 lactoferrin ラクトフェリン ( 銅 ) セルロプラスミン疾患 : ウイルソン病 (ATP7B 銅輸送体遺伝子の変異 ) 2. 酸素分子の還元 励起による活性化活性酸素種 3. ラジカル (2 重項分子 ) とは非常に反応しやすいラジカルはペアになっていない電子を酸素に与え スーパーオキシドアニオンを生成 4. 生体内の色素は光エネルギーを吸収し 3 重項励起状態になる励起された色素分子のエネルギーが酸素に移動し 1 重項酸素分子が生じるポルフィリン病 ( 組織に対して有害となるポルフィリンやヘム前駆物質の蓄積 ) 5. 酸化還元電位の低い基質 酸化還元電位が非常に低い基質は電子を受け取りラジカルになりやすく まわりの酸素に電子を与える事が出来る ( 例 ) パラコート中毒

6 生体内における活性酸素の産生

7 細胞内での活性酸素の主な産生場所 5 スーパーオキシド 色素 過酸化脂質 スーパーオキシド

8 生体内でのスーパーオキシド産生源 6

9 生体内でのラジカル分子の生成 7 a b

10 生体内でのラジカル分子の生成 8

11 生体内でのラジカル分子の生成 9

12 過酸化脂質の生成反応 共役二重結合 : 水素引き抜き反応が起こりやすい 10

13 11 多価不飽和脂肪酸の過酸化反応 Initiation ( 開始反応 ) 水素引き抜き反応 多価不飽和脂肪酸脂肪酸ラジカル (R ) -H Prolongation ( 伸展反応 ) R + O2 ROO ROO + RH ROOH + R Termination ( 終止反応 ) 2 R RR 2ROO O2 + ROOR ROO + R ROOR ラジカルスカベンジャービタミン E

14 12

15 血管内皮細胞由来血管弛緩因子 (NO; 一酸化窒素 ) も重要なラジカル 14 NO synthase (NOS; 一酸化窒素合成酵素 ) Neuronal NOS (nnos or NOS1): シグナル伝達 Inducible NOS (inos or NOS2): 炎症 生体防御 Endothelial NOS (enos or NOS3): 血管拡張 L-arginine NO と O2 - の反応 peroxinitrate

16 生体内での活性酸素の消去

17 13 過酸化脂質の生体内での還元反応 グルタチオン還元酵素 R ビタミン E ラジカルビタミン C GSSG NADPH R ビタミン E デヒドロビタミン C GSH NADP + 膜 ( 疎水性 ) 親水性 体外へ排出

18 15

19 活性酸素 過酸化脂質に対する生体防御 1. 抗酸化酵素 1) スーパーオキシドジスムターゼ :superoxide dismutase (SOD) Cu, ZnSOD ( 細胞質型,SOD1 遺伝子 ) MnSOD( ミトコンドリア型,SOD2 遺伝子 ) ECSOD( 細胞外型,SOD3 遺伝子 ) O2 - + O H + O2 + H2O2 16 ( スーパーオキシドアニオンの付均化反応を触媒 ) 2) カタラーゼ :catalase ( ペルオキシソーム ) 2 H2O2 2 H2O + O2 3) グルタチオンペルオキシダーゼ :glutathione peroxidase( 細胞質 ) 2 GSH + H2O2 GSSG + 2 H2O 2 GSH + ROOH GSSG + ROH + H2O ( 過酸化水素と脂質ペルオキシドを水とアルコールにそれぞれ還元 ) 4) グルタチオンS-トランスフェラーゼ glutathione S-transferase GSH + ROOH GSOH + ROH GSOH + GSH GSSG + H2O ( 脂質ペルオキシドをアルコールに還元 ) Glutathione Oxidation Reduction (Redox) Cycle

20 活性酸素消去酵素システム 17

21 18 Cu, Zn-SOD Mn-SOD

22 19 2. 金属結合タンパク質による活性酸素産生の抑制 1) トランスフェリン (transferrin) 血液中の鉄輸送タンパク質 2) ラクトフェリン (lactoferrin) 母乳 好中球から分泌される 感染細菌の生育に必要な鉄を除去 3) ヘモシデリン (hemosiderin) フェリチン (ferritin) 細胞内の鉄貯蔵タンパク質 4) セルロプラスミン (celuroplasmin) 細胞外液 特に 血液中に多く存在する銅結合タンパク質 5) メタロチオネイン (metallothionein) カドニウム 銅 亜鉛などの重金属被爆で誘導される構成アミノ酸の 1/3 がシステインで SH 基を介して 1 分子あたり 7 分子の金属を結合させる

23 生体内の抗酸化剤 20

24 天然抗酸化物の化学構造 21 サケ エビ カニや海藻などの魚介類に多く含まれる赤い色素 β- カロテンの一種 一重項酸素に有効

25 22 活性酸素による DNA の損傷 (8-HDG)

26 22 生体内での活性酸素の役割 活性酸素 DNA (DNA 損傷 突然変異 ) 細胞障害 膜脂質 ( 過酸化脂質 ) 炎症 タンパク質 ( 変性 失活 ) 組織障害 加齢に伴う疾患 寿命 活性酸素 : 細胞増殖 アポトーシス 発がんのシグナル 活性酸素 : 生体防御

27 Nuclear Respiratory Factor 2 (NRF2) 抗酸化剤応答配列 ARE(antioxidant response element)

28 好中球 マクロファージの NADPH oxidase 慢性肉芽腫症 (chronic granulomatous disease; CGD) 食細胞機能異常を原因とする原発性免疫不全症候群の一疾患 スーパーオキシド産生酵素 NADPH oxidaseの遺伝子異常 伴性遺伝のgp91 phox 欠損型は, 常染色体劣性遺伝のp22 phox,p47 phox, p67 phox 欠損型より重症 乳幼児期より重症細菌 真菌感染症を反復し, 諸臓器に肉芽腫形成を伴うのが特徴予後不良で青年期までに大半が死亡していた. 抗菌療法の発達やインターフェロンγの導入, 骨髄幹細胞移植等で予後は改善

29 PMN Phagocytosis PMN Primary Granules Superoxide 2O2- Specific Granules MPO + Cl H2O2 2O2 HOCl (~bleach) Proteases ph = Antimicrobial Proteins & Peptides FR DeLeo 23

30 25 NADPH Oxidase: unassembled & inactive 2O 2 2e - 2O 2 - gp91phox p22- phox Fe Fe CYTOPLASM p40 p67 p47 + Sequestered SH3 Domains and Cationic Region

31 Conformational changes of p47phox 26 C--- P SH3 P SH3 N--- autoinhibitory region Resting cell Protein kinase(s) N--- PX (wt) SH3 SH3 P P ---C Stimulated cell

32 27 2O 2 2O 2-2e - NADPH Oxidase Activation and Assembly gp91phox p22- phox Fe Fe FAD NADPH FAD NADPH P P P p p Rac GTP Rap1A? p40 2 p P P CYTOPLASM p ACTIVATED Phosphorylation Rho GDI Rac GDP Rho GDI RESTING p47 + p p67 Sequestered SH3 Domains and Cationic Region

33 NAD(P)H oxidases 28 Phagocyte NADPH oxidase (gp91 phox ) Nox2 Non-phagocyte oxidase (smooth muscle cells, endothelial cells, fibroblasts) Gastric pit cell NAD(P)H oxidase (Teshima, Gastroenterology 1998) Mitogen oxidase 1 (Mox1) (Lambeth, Nature 1999) Nox1 Renox (Leto, ProNAS 2000; Sumimoto, JBC 2001) Nox4 Thox 1, 2 (Duphy, JBC 1999; Edens, JBC 2001) Duox1, 2 Nox3 (Kikuchi, Gene 2000) Nox3 Nox5 (Lambeth, JBC 2001) Nox5 Nox organizer 1, Nox activator 1 (Leto; Krause; Sumimoto; JBCs 2003) Nox1 in innate immunity (Kawahara et al. J Immunol 2004)

34 NADPH oxidase (Nox) / Dual oxidase (Duox) family 29 outside Nox1 6 x transmembrane H H Fe I II III IV V VI Fe H H Nox2 (gp91 phox ) Nox1 NH 2 inside NADPH FAD COOH Nox3 Nox4 Nox5 Duox1 Duox2 Peroxidase domain EF-hand Ca ++ -binding domain FAD, NADPH binding domains 1 x transmembrane (Lambeth et al, Trends. Biochem. Sci. 2000, Gordon Research Conference, 2001)

35 Functions of the Nox/Duox family Nox1: local host defense, inflammation cell growth, transformation (?) regulation of vascular tone Nox2 : host defense, recognition & memory? Nox3 : development, otoconial morphogenesis Nox4 : aging, atherosclerosis, oxygen sensing Nox5 : regulation of immune cell functions Duox1, Duox2 : thyroid hormone synthesis host defense

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