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1 3. 斜面 のり面の適切な点検方法の手引きと 補修 補強工法選定資料 ( 一社 ) 建設コンサルタンツ協会近畿支部 公共土木施設の維持管理に関する研究委員会 道路分科会 のり面 WG

2 目 次 3.1 はじめに 斜面 のり面の維持管理の概要 維持管理の重要性 維持管理の現状と課題 効果的な点検方法 のり面の不安定化要因 盛土のり面の不安定化要因 切土のり面の不安定化要因 のり面構造物の種類と特徴 盛土のり面構造物の種類と特徴 切土のり面構造物の種類と特徴 点検のポイント のり面点検の方針 盛土のり面の点検ポイント 切土のり面の点検ポイント 法面簡易点検の提案 法面簡易点検の方法 点検データの記録 評価方法の提案 自然斜面の維持管理 自然斜面の維持管理の現状 自然斜面の不安定化要因, 点検ポイント ハザードマップ作成の提案 詳細調査の方法 詳細調査の目的と分類 モニタリング 地盤特性を把握する調査 構造物の劣化を把握する調査 のり面構造物補修 補強工法選定資料 総則 用語の定義 関連図書 参考文献 補修 補強工法の選定資料について 補修 補強工法辞典 道路法面維持管理のためのハンドブック ( 案 ) あとがき

3 3.1はじめにわが国では, 高度経済成長期に多くの公共土木施設が建設されてきた しかし, 人口減少, 少子高齢化, 国や地方自治体の財政難などの状況下において, 新規の土木施設の建設をはじめとする公共投資は抑制され, 近年は高齢化した既存ストックを長持ちさせ, 機能を保持していく維持管理の重要性が指摘されている 土木建設分野において維持管理の対象となるインフラストラクチャーは, 舗装, 橋梁, トンネル, 擁壁, 斜面 のり面などが挙げられる このうち本章で取り扱う 斜面 のり面 が他の構造物と異なるのは, 主に自然を相手にしていることであり, 不均一性や場所的な地盤特性の違いにより, 画一的な維持管理が難しいという特徴がある 道路のり面や斜面の維持管理は, 現在, 道路防災点検や道路管理者が定めた点検要領等に従って行われているが, 他の構造物と同様に, 限られた予算や人員の中で, 効率よく適切な維持管理を行うことが, 今後ますます重要になってくると考えられ, ライフサイクルコストを考慮して, 対症療法型の維持管理から予防保全型への移行も考えていく必要がある また, 近年多発する集中豪雨などでは, 斜面 のり面の崩壊だけでなく, これに伴い多くの人命も失われており, 他構造物とは異なった観点からも維持管理が重要であると言える 維持管理は, 点検に始まり, 点検結果の評価 ~ 調査 ~ 設計 ~ 施工までの非常に幅の広い分野であり, のり面 WG では以下の 2 つのテーマを設定し活動を行った テーマ 1 : 斜面 のり面の適切な点検方法の手引きの作成テーマ 2 : のり面構造物の補修 補強工法選定資料の作成まず, テーマ 1 では, 点検, 点検結果の評価そして調査のフェーズに着目した 点検の方針 方法や点検結果の評価方法の検討にあたっては,( 社 ) 建設コンサルタンツ協会近畿支部斜面防災研究委員会 ( 平成 16 年 4 月 ~ 平成 21 年 3 月 ) で提案されている 法面簡易点検 を参考にし, のり面の不安定化要因, のり面構造物の特徴や適用性, 点検を行う際のポイントについて整理を行っている なお, 詳細調査を行わない点検レベルでは, 自然斜面の安定性や変状の経時変化を把握することは非常に難しいため, まずは維持管理の入り口として, 比較的点検が容易と考えられる盛土のり面と切土のり面を主体に検討を行い, 自然斜面については, 不安定化要因や点検のポイントを網羅し, ハザードマップの作製を提案している テーマ 2 は, 設計フェーズに着目し, のり面構造物に発生した変状の発生形態や原因に対し, 採用可能な対策工法を大まかに分類 整理し, 各工法の概要をとりまとめた また, 詳細な補修 補強工法について,NETIS 新技術情報提供システムから抽出し, 各工法の概要, 選定のポイント, 概念図, 実績等を整理して, 補修 補強工法辞典としてとりまとめた なお ここでは 人工的な斜面は原則として のり面 と表記するが 本章で提案

4 する点検手法 法面簡易点検 は固有名称であるため 法面 を用いることにした また 参考文献からの引用箇所についても 当該文献で 法面 とされているものに対しては その文献の表記方法に従い 法面 としている わが国は, 国土全体の約 70% が山地や丘陵で占められているため, 沿岸部に散在する都市域を結ぶ主要道路をはじめ, 道路は急峻な山地や丘陵を通って供用されていることが多く, 結果として斜面 のり面が広域かつ多数形成されている これら斜面 のり面の維持管理は, 道路本来の機能や利用者ならびに近接地域の安全を確保するために重要であり, 維持管理を通して斜面 のり面の崩壊を出来る限り防止し, 仮に崩壊が発生した場合には被害を最小限に抑える必要がある また, このような防災 減災という観点だけでなく, 近年の社会的な背景で制約された予算の中で適切な維持管理を行い, ライフサイクルコストを考慮して, 施設の長寿命化を図っていくことが今後ますます重要になってくると考えられる 斜面 のり面は, 橋梁等ではあまり問題にならない降雨が安定性を一気に低下させる誘因となる 降雨 ( 豪雨 ) は地震に比べて発生確率が高く, 地盤の不確実性から, 調査 設計 施工の各段階では分からなかった不安定化要因が供用後に判明することもあり, 維持管理は非常に重要と言える は斜面安定度の経時変化を模式的に表した図である このように他の土木施設と同様, 斜面 のり面も経年劣化し, 安定性は低下していくという認識を持つことが重要である 経過時間 (t) 斜面安定度 斜面や対策工劣化の影響 低下 自然環境要因の影響 アメリカをはじめ諸外国では, 土木建設分野の維持管理は民間に委託されているケースもあるが, わが国における斜面 のり面の維持管理は基本的に道路管理者である国や地方自治体が行っており, 多くは に示すようなフローで実施されている このフローによると維持管理は, まずは防災業務の計画検討を行うことになっている そして, この計画を基に防災点検を行い, 防災点検結果を基にした防災カルテを作成し, 平常時の維持管理を行う方針である これら維持管理のフローのうち, 本章で対象としている 点検 フェーズは, 斜面やのり面の状況を把握するための基本的

5 な作業とされ, その目的によって防災点検, 日常点検, 定期点検そして臨時点検の 4 種類に分類される 道路管理者によって多少の違いはあるものの, これら 4 種類の点検によって斜面 のり面を維持管理していく方針である 以下に 4 種類の点検の概要を整理しておく 防災点検維持管理を行う上での基礎となる点検で, 危険箇所を抽出して防災カルテを作成し, 平常時の点検で着目すべき点等を整理する また, 地形 地質等の斜面状況や危険箇所の状況把握, 既設対策工の効果, 災害履歴等も整理する 専門技術者が詳細に点検するもので, 民間コンサルタントに委託されることがほとんどである 日常点検主にパトロール車内からの目視で行うことを基本とする点検で, 必要に応じて徒歩により実施する 変状の早期発見を目的とした点検である 斜面 のり面の点検だけでなく, 道路の安全な交通を確保するために実施され, 主に道路管理者が 2 日に 1 回程度の頻度で行っている 定期点検防災カルテの更新や防災点検で発見された変状の進行状況の把握, 新たな変状の発見を目的に行われるもので, 可能な限り近接して細部に渡り点検する 直轄国道では, 年 1~2 回の頻度で, 民間コンサルタントに委託して行われている 臨時点検地震や降雨等の後に行い, これらのイベント発生による変状の進行状況や新たな変状の早期発見を目的に実施される 民間コンサルタントに委託

6 平成 8 年度の道路防災総点検以降, 防災対策の進捗に伴って災害は大きく減少しているが, 平成 8 年度点検の対策不要箇所および点検対象外箇所も含め, 依然として多くの斜面 のり面災害が発生している に示したように, 防災工事や維持工事の検討ならびに実施は, 点検や詳細調査の結果から必要性が判断される よって, まずは日常点検や定期点検そして詳細調査を行い, 斜面 のり面の状態をできるだけ正確に把握し, 必要と判断される箇所には対策を行うことが重要である 先にも述べたように, 斜面 のり面の安定性は, いつまでも同じではなく経年劣化していく 従って, 適切な維持管理を行うためには, まずは現在の状態を把握するための日常点検や定期点検が大切である 以下に, 平常時の点検における課題を列記する 日常点検がパトロール車内からの目視点検を主体としているため, 斜面やのり面の状態を細かく把握することが難しい 変状の早期発見のためには, 定期点検のようなのり面に近接した点検を可能な限り頻度を上げて行うのが望ましい 直轄国道以外の府県ならびに市町村が管理する斜面 のり面は, 継続的な点検が実施されているか不明である 仮に実施されていない場合は, 予算等の問題もあると考えられ, 効果的で効率的な点検手法や点検記録様式が必要と考えられる 詳細調査や対策工設計あるいは対策工事を実施するかの判断は, 予算や他の管理施設を含めた優先順位の問題もあるため, 対象箇所を個別で判断することはできないが, 現在の斜面 のり面の状態を評価し, どう対応すべきかの評価方法の整理が必要である 斜面 のり面の維持管理では, 変状の早期発見, 現れた変状の規模や進行状況を把握することが重要である これを踏まえ,( 社 ) 建設コンサルタンツ協会近畿支部斜面防災研究委員会 ( 平成 16 年 4 月 ~ 平成 21 年 3 月 ) では, 法面簡易点検 を提案している 法面簡易点検 は, 日常点検と定期点検を補完する点検として, 切土のり面を対象に提案されたもので, 本章では対象を盛土のり面にも広げ, 効果的な維持管理方法 ( 点検手法 ) として提案する 以下に, 斜面防災研究委員会で提案されている法面簡易点検の特徴をまとめておく 変状の早期発見と進行状況の把握を目的とし, 日常点検と定期点検を補完する 斜面やのり面の専門的知識を有する技術者が行う 変状の発生や進行が把握しやすいのり面構造物を主体に点検する 発見された変状に対して簡易計測を行う定量的な点検とする 計測データは, 経時変化が分かりやすいようにグラフ化する 点検頻度は年間 4 回とする 点検結果の評価は, なるべく計測データからの定量的な評価で行う 効果的で効率的な点検ができるよう, のり面構造物毎に点検チェックリストを作成する

7 ここでは, 盛土 切土ののり面の不安定化要因について整理する のり面の不安定化は, 降雨や地震等の自然環境要因による外部からの作用によって生じる場合と, 風化や変質等に伴ってのり面自身が劣化することにより生じる場合に大別出来る ここでは, のり面安定に対する影響要因として, 前者のようにのり面外部に影響因子がある場合を 外的要因, 後者のようにのり面内部に影響因子がある場合を 内的要因 と分類し, それらの影響因子について整理する 外的要因としては, 降雨や地震動などの自然環境によるもの, 沢地形などの盛土設置箇所の地形 地質によるもの, 排水機能低下など対策工の機能低下によるものに分類できる 内的要因としては, スレーキング材料など盛土自身の材料特性によるもの, 転圧不良など施工の不具合によるものに分類できる 盛土のり面の不安定化要因をまとめて に示す 外的要因 内的要因 自然環境因子 降雨, 融雪等によるや浸透水 地下水, 地震動など 地形因子 谷埋め部横断箇所, 後背地の集水地形, 急勾配斜面, 軟弱な基礎地盤など 対策工要因 排水施設の整備不良, 植生工の不生育など 盛土材料 スレーキング特性のある材料, 不均質な材料など 施工要因 地山の段切り不良, 転圧不良など 盛土のり面の不安定化要因の特徴として, 外的, 内的要因に係わらず, 盛土の排水機能低下に大きく関係することが注目されている は道路盛土崩壊の実態調査の一例であるが, 降雨や 水など盛土の排水機能低下に関係する崩壊が全体の 9 割に達していることがわかる また, 近年, 直下型地震や局地的集中豪雨による盛土被害が大きく取り上げられているが, これらも, 地震による盛土内の間隙水圧の上昇や, 豪雨時の排水不良が主たる原因とされている 崩壊原因表面水浸透水基礎地盤その他合計箇所数 百分率 %

8 外的要因としては, 降雨や地震動などの自然環境によるものが挙げられる また, 切土のり面に対策工が施されている場合でも, 排水機能の低下や対策工自身の経年劣化が不安定化要因に分類できる 内的要因としては, 地山そのものの風化と変質による強度劣化によるもの, 急勾配斜面, 遷緩線などの地形によるもの, 風化進行の早い地質や断層破砕帯などの地質によるものに分類できる 切土のり面の不安定化要因をまとめて に示す 外的要因 内的要因 自然環境要因降雨, 融雪等の気象要因, 地震動対策工要因構造物の劣化, 排水施設の整備不良, 植生工の不生育など重力作用や応力解放等による緩み, 凍結溶風化と変質融の繰り返し, 乾湿の繰り返し, 熱水変質による粘土化など地形因子急勾配斜面, 崩壊跡地形, 遷緩線地質年代の新しい第三紀層, 風化進行が早地質因子い花崗岩類, 締まり具合の悪い崖錐層 崩積土層, 流れ盤や断層破砕帯等の地質構造など 切土のり面の不安定化要因の特徴としては, 地形や地質構造のいわゆる内的要因がその安定性に大きな影響を与えていることが挙げられる したがって, 切土のり面周辺の地質状況について十分把握しておくことが重要である 注意すべき地質は, 地質年代の新しい第三紀層 ( 泥岩や砂岩など ), 風化の進行が早い花崗岩類, 締り具合の悪い崖錐層 崩積土類が挙げられる また, 注意すべき地質構造は, 流れ盤や断層破砕帯などである また, 切土のり面の不安定化要因の特徴として, 切土に伴う地山の応力開放により発生する緩み領域の経年劣化が注目されている 詳細な内容については,( 社 ) 建設コンサルタンツ協会近畿支部斜面防災研究委員会斜面安定評価における劣化概念の導入 ( その 1~その 2) を参照いただきたい 長期にわたって安定している盛土のり面が崩壊する素因は様々であるが, 最も顕著であるのは降雨が大量に浸透するか, あるいは集中した場合である 従って,で整理したのり面の不安定化要因のうち, 特に降雨の大量浸透と集中を解消することが崩壊を防止する最も基本的な方法となる このため,に示すような構造物が対策として盛土のり面に設置され, 表面水を対象とするものや盛土内への浸透水を対象

9 とするものが主体になる 盛土のり面の構造物は, ほとんどが切土のり面構造物と概ね同様であるため, 工法 の特徴などは次項で述べる 切土のり面では, 切土直後は安定していても, 切土施工時の地山の緩みや応力開放により発生する劣化領域への降雨の浸透, あるいは乾湿の繰り返しなどにより地山の強度が低下し, さらに切土後に始めて経験するような多量な降雨, 湧水, 地震などによって崩壊することがある 従って, 切土直後の状態をいかに長期間保持させるかが重要であり, で整理した事項に対し, のり面表層部分の崩壊 風化 を防止する目的で, のり面保護工としての構造物が設置される また, 非常に急峻な地山を切土施工する場合や, 近接構造物や利用可能用地等の関係から安定勾配での掘削が不可能な場合, あるいは切土施工中に何らかの変状 崩壊が発生した場合には, 設計時や施工時にある程度の抑止効果を持つ構造物が検討設置される 一般的な切土のり面の構造物の種類と特徴をにまとめて示す

10 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 植生工 抑制工/のり面保護工客土種子吹付工植生基材吹付工張芝工 植生マット工植生シート工筋芝工 種子散布工 侵食防止 ( マトリクス流出防止 ), 風化防止, 凍上崩落抑制 全面植生 ( 緑化 ) 及び景観保護 盛土のり面の侵食防止, 部分植生 侵食防止 ( マトリクス流出防止 ), 風化防止, 凍上崩落抑制 全面植生 ( 緑化 ) 及び景観保護 盛土のり面の侵食防止, 部分植生 ポンプを用いて, 木質繊維を主体とする植生基材を厚さ 1cm 程度に散布する 短時間に大面積の施工が可能である ポンプや圧搾空気を用いて土壌を主体とする植生基材を厚さ 1~3cm に吹付ける工法 圧搾空気により人口土壌または有機基材等を厚さ 10cm 程度以上に一度に吹付ける工法 侵食防止にセメントを用いるものや合成樹脂を用いるものがある 侵食防止効果や断熱効果に優れる のり面の全面に切り芝もしくはロール芝を全面または目地を入れて張り付ける 造園的効果が期待できる 種子, 肥料, 基盤材を装備した植生マットをのり面に張り付けて緑化する工法 植生シートより厚めの資材を全面に貼り付けることで, 基盤が剥離しにくい 種子, 肥料, 基盤材を装備した植生シートをのり面全面, もしくは帯状に張り付けて緑化する工法 切り芝を定められた間隔に 2/3 以上が土に埋まるように土羽打ちを行いながら施工する工法 肥沃地侵食の少ない地, 湿潤地に適用する 急勾配のり面, 高硬度地盤には適さない 1:1.0 より緩勾配 土砂地盤 ( 土壌硬度 23mm 以下 ) 土砂地盤 ( 土壌硬度 23mm 以下 ) 及び礫質土 1:0.8 より緩勾配 発芽不適期である冬季や積雪高冷地にも適用できる 保水性が高く, 乾燥地に適用できる 土砂地盤及び岩盤 モルタル吹付面 1:0.8 より緩勾配 ( 使用する基盤材や接合材によって異なる ) 土壌硬度が, 粘性土 ( 硬度 27mm 以下 ), 砂質土 ( 硬度 23mm 以下 ) 1:1.0 より緩勾配のり面に適用 小面積に有効 1:1.0 より緩勾配のり面に適用 のり面に密着させる必要あり 海岸地帯などの風衝地 1:1.0 より緩勾配のり面に適用 のり面に密着させる必要あり 肥料分が少ない土質では追肥管理を要する 1:1.2 より緩勾配のり面に適用 小面積の盛土に有効 砂質土には不適 植生穴工 緑化及び景観保護 のり面に千鳥状の穴をあけて種子と肥料を同時に充填する方法と, 穴中に堆肥を行った上で種子散布工あるいは客土吹付け工を行う必要がある 植生どのう工 繊維袋に土または改良 土, 種子等を詰めたもの をのり面に平積みある いは目串 アンカーピン にて止める 土壌硬度が 23mm 以上の硬質土壌で根系が活着しにくい, 固結した粘性土など 耐侵食性が乏しいため, 浸食作用から防護する対策が必要 勾配 1:0.8 より緩いのり面に適用 肥料分の少ない土砂または硬質地盤, 岩盤に適する

11 水工抑制工/地表水排除工抑制工/地下水排除工 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 排水路工 斜面表面の排水 降雨の浸透, 湧水や池沼からの浸透防止 表流水, 湧水による地山の風化防止 岩塊周囲のマトリクスの洗掘防止 地すべり地, 崩壊地内の雨水を速やかに集水して地域 ( 斜面 ) 外に排除するために地域内に集水路, 排水路を組み合わせた水路網を整備する 素早く排水するため急勾配に設けるが, 流量計算により断面を決定する 20~30m ピッチにすべり止めの床止工を設ける 浅層地下水排除工深層地下水排除工 暗渠工降雨などに直接影響を受ける比較的浅い帯水層の地下水排除 すべり土塊の間隙水圧低下とすべり土塊の安定 横ボーリング工 集水井工 排水トンネル工 浅層部に分布する地下水を排除し, 降水による浸透水を速やかに排除する 浅層地下水の排除 土中水の排除 地すべり地域外からの浅層地下水の排除 地すべり地域の地下水の排除 所定深さに掘削した溝の暗渠工等では排水で中に多孔質コンクリートきない位置に存在す管, じゃかご等を敷設し, る浅層地下水の排除底部に漏水防止のためビに適する ニール布やアスファルト板を敷き, さらに上面や側面には目詰まり防止の砕石等によるフィルターを設ける 20~30m 毎に集水桝やマンホールを設ける地表水路や排水渠に連絡する ( 集水量が多い場合は, 有孔管を用いる ) 約 5 度の上向きに 20~50m の長さでボーリングする 直径 66mm 以上で掘削して, 掘削後内部の湧水箇所付近にストレーナーの付いた保孔管を挿入する すべり面を切るように運動方向に直角を原則とする 通常,5~10m 間隔に 50~80m 程度の長さを施工する 井戸の底から斜面下方を狙って排水工孔を掘削し, 集水する 井戸の深さは活動中の地すべり地域内ではすべり面より 2~3m 掘り下げる 底部は漏水防止にコンクリート張りとする すべり面の下にある安定した基盤中に設け, 排水すべき位置に分岐トンネル等ですべり面を切って地すべり土塊中の帯水層より集水する 坑壁から帯水層に向けて横ボーリングを行って集水する 排水孔孔口は洗掘されないよう, コンクリート張りあるいはじゃかごを設置する 横ボーリング工では延長が長くなる場合, 地下水の分布が面的に広範囲に賦存している地すべり地域内での集中的な地下水排除に有効 すべりの規模が大きく, かつ, 地下水位が深部に存在し, 他の排除工では排水効果が期待できない場合 基盤内や基盤面付近に確実に豊富な水脈が認められる場合に有効 計画時に岩盤等高線を明らかにし, 地下水追跡から流路を確認する必要がある

12 抑制工/のり面保護工抑制工/のり面保護工 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 吹付工コンクリート吹付工 モルタル吹付工 雨水 ( 表面水 ) による侵食 浸透や風化 劣化の防止など 小規模な岩盤剥離の抑止 風化による新たな崩壊 落石源の発生予防 モルタルまたはコンクリートを圧縮空気で斜面に吹付ける工法 被射体に直接吹付するため, 型枠が不要 斜面保護効果が高く, しかも型枠が不要なため, 急傾斜地や高所のり面, のり面の凹凸に対応でき, 施工面の利点が多く広く採用されている 吹付け方法には乾式と湿式があり湿式が一般的 土圧を受けない箇所 植生工が適用できない箇所 のり面に湧水が少なく崩壊危険性は少ないが, 風化しやすい岩盤, 風化して崩落する恐れのある岩盤に用いる 湧水箇所では排水対策が必要となる 土砂主体ののり面では, 後にクラックの発生により早期に表面が剥離し景観上も緑化されたのり面に比較し劣るため, 主に応急処置 仮設工事として小崩落防止に用いる 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 ブ ロック張工/コンクリート張工コンクリート張工 ブロック張工 のり面の風化及び侵食等の防止 表面水の浸透防止 のり面表層部の崩落防止 岩盤剥落防止 のり面にブロックを張り付け, 風化侵食に対して保護する工法 のり面にコンクリートを打設して安定を図る工法 一般に直高 5m 以内, のり面長は 7m 以内が多い のり面整形, 湧水処理を十分に行う必要がある 基礎工を必要とする 1:1.0 より緩勾配で粘着力のない土砂, 泥岩等の軟岩並びに崩れやすい粘土等ののり面に用いる のり面勾配を標準勾配より急にする必要がある場合や, オーバーブリッジの埋戻し部, 盛こぼし橋台前面など特殊箇所の保護等 原則として土圧等の作用しない箇所に用いられ, 節理の多い岩盤やゆるい崖錐層等で法枠工では安定確保が難しい場合に用いられる 急勾配では鉄筋または金網を入れてコンクリートを打設する 施工性が悪く, 高所や長大のり面には不向き

13 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 法抑制工/のり面保護工 枠工現場打法枠工 プレキャスト法枠工 吹付法枠工 のり面の風化侵食防止 緑化基盤工として利用 多少の土圧を受ける箇所の土留め 比較的安定した斜面の表面保護 岩盤の剥落防止 アンカー工, ロックボルト工の受圧板として斜面の安定を図る 緑化基盤工 切土のり面, 自然斜面などに連続した格子枠を造って, 斜面の安定を図る工法 枠内を緑化することで, 周辺環境との調和を図れるなど, 防災と環境保全を目的に施工できる 植生困難な地質や岩盤のり面の主に植生基礎工として使用 プレキャストコンクリート枠, 金網 鋼製 プラスチック枠などがある 枠は鉄筋コンクリートの現場打ちとし, 枠内は状況に応じて石張り, ブロック張り, コンクリート張りモルタル吹き付けや植生によって保護する ブロック工に比べ鉄筋が入って梁構造となるため曲げに対しても強い 枠交点が一体化しており, ある程度の土圧に抵抗できる ( 小規模崩壊防止 ) のり面に鉄筋を配し, 型枠組み立て後, モルタルまたはコンクリートを吹き込む工法 現場打法枠工に比べて強度的に劣るが, 施工性が良い 地山との密着性が良く, 洗掘等に強い 表層崩壊 ~ 深い崩壊まで対応できる のり面整形が容易な場所に適する 枠の支点強度が低いため, 土圧に抵抗できない はらみ出し, 凍上の影響を受ける場合は避ける 基礎工を必要とする 侵食防止に枠内の中詰工が必要 侵食され易い砂質土系の切土のり面に適用可能 植生困難な切土のり面に適用可能 のり面勾配 1:0.8 以上 (1:1.0 が主 ) の緩勾配 枠が洗掘などで沈下しない箇所に適用 ( プレキャストコンクリート : 凹凸, 曲面のあるのり面では施工が困難 ) 枠内開放部の処置 ( 吹付工, 植生工 ) の検討が必要 膨張性岩盤への適用にあたっては十分検討が必要 湧水を伴う風化岩や長大のり面等で, のり面の長期安定に若干疑問と思われる箇所, あるいはコンクリートブロック枠等では崩落の恐れがある場合に用いる 凹凸のあるのり面, 曲面のり面 基礎工が必要 小断面の枠は施工が困難 高所 長大のり面, 凹凸の多いのり面への適用は困難 他の法枠工の適用が困難な, 凹凸のある亀裂の多い岩盤のり面や早期に保護する必要があるのり面, 長大のり面, 高所のり面などフレキシブルに対応できる

14 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 擁壁工 抑止工/コンクリート擁壁工大型ブロック積擁壁工 重力式擁壁工 ブロック積擁壁工 もたれ式擁壁工 井げた組擁壁工 主にのり面保護 崩壊防止, 岩塊の剥落防止 道路擁壁 急傾斜対策 災害復旧工事 崩壊防止, 岩塊の剥落防止 風化 防止 JISA5371 に定められるもの及びこれと同等以上のものを積み上げる工法で, 一般に胴込めコンクリ-トを設ける練積, 水平方向の目地が直線とならない谷積で積み上げたものがある JIS 規格よりも大型のブロックにより構成される ブロックの寸法, 控長, ブロック間の結合構造などが異なる様々な形式があるが, 通常の練積に相当するブロック間の摩擦が確保されているもの, 控長の大きいブロックで鉄筋コンクリートを用いてブロック間の結合を強固にした形式のものの 2 種に大別される 背面土に支えられながら自重によって土圧に抵抗する 自重によって土圧を支持する形式の擁壁であり, 通常無筋コンクリ- トとして設計される 土圧と自重の合力により躯体の断面に引張応力が生じないように設計するのが原則である 地山あるいは裏込め土などに支えられながら自重によって土圧に抵抗する形式の擁壁であり, 通常無筋コンクリートとして設計される 山岳道路などで片切片盛の場合や道路拡幅の際の腹付け擁壁として多く用いられる 井げた組擁壁はコンクリート部材と中詰め材の重量により土圧に抵抗する構造で, 透水性に優れる のり面勾配が 1:1.0 より急なもので ( 通常 0.3~0.6), 主としてのり面保護に用いられ, 背面の地山が締っている切土, 比較的良質の裏込め土で十分な締固めがされている盛土など土圧が小さい場合に適用される 壁高 8m までを原則とする 8m 超は地震時検討必要 壁高 8m 程度までが一般的 隣接して水路, 建物, 道路などの重要構造物がある場合 地質的に比較的良好だが, 用地制約を受ける場合 施工時の仮掘削のり面が自立しない場合は不利となる 底盤反力が大きく, 支持地盤が良好な箇所に用いる 杭基礎となる場合は向かない 他の擁壁に比べ, 躯体断面に対して底盤幅が狭く反力が大きいことから堅固な支持地盤が必要 斜面上では滑動と全体の安定に注意が必要 特に山間部などで湧水や浸透水の多い箇所に適する

15 ックボルト工抑止工構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 アンカー工抑止工構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 杭 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 ロ ロックボルト工 急傾斜斜面対策, 急勾配のり面の補強 既存斜面 構造物補強 比較的小規模な崩壊防止対策 落石等不安定岩塊の固定 仮設のり面 ( 構造物掘削 ) の補強対策 曲げ剛性の小さな補強材を地山に配置し, 主として補強材の引張り力によって地山を補強する工法 補強材の長さが短く, 一般的には 3~5m( 最大 10m 程度 ) のものが多い 小 ~ 中規模程度の崩壊が予想される場合 想定すべり面が比較的浅い位置 (3 ~4m 以浅 ) に推定される場合 鉄筋最低長 :2m 削孔用の足場仮設スペースが必要 グラウンドアンカー工 急傾斜対策 既存斜面 構造物補強 地すべり等, 大きな抑止力を必要とする斜面安定対策 落石等不安定岩塊の固定 仮設のり面の補強対策 地山に高張力材 (PC 鋼より線,PC 鋼棒など ) を挿入し, 緊張力を加えることによりすべり土塊の変位を押さえるもの 地すべり断面形状, 移動土塊の土量に係わらず対応できる 地盤条件の変化による設計変更が比較的容易である 斜面などに用いる場合に確実な防食 防錆処理を施した永久アンカーを使用 想定すべり面が 4m より深く, それより深部に定着層が認められる場合 自由長の最低長 :4m アンカー体長 :3m( 最低 )~10m( 最大 ) 削孔用の足場仮設スペースが必要 抑止工工 鋼管杭工 シャフト工 ( 深礎工 ) 地すべり 崩壊対策 鋼管や H 鋼などの杭材を, 大口径 (200~550mm) ボーリングにより予め削孔した孔に挿入し, その間隙をコンクリート等で中詰めしたもの 杭の有するくさび効果等をすべり面に付加することにより, 斜面の安定度を高める 地すべり 崩壊対策 ライナープレートなどを用いて縦孔を掘り, この中に鉄筋コンクリートを打設する RC 杭の一種 深礎杭とも言うが, 剛体杭となる場合をシャフト工と呼ぶ 杭径は 2.5~6.5m が標準的である 杭の有するくさび効果等をすべり面に付加することにより, 斜面の安定度を高める 地すべり性崩壊の予想される斜面 流れ盤岩盤斜面の崩壊防止 対象斜面に対する切土が不可能な場合 地すべり運動速度が 1mm/ 日以上の地域では適用困難 杭外周部はグラウトによる入念に根固めが必要 テンションゾーンでの杭設置は避ける 大規模地すべりなど, 一般のボーリングによる杭工による対応が困難な場合 地すべり運動速度が 1mm/ 日以上の地域では適用困難

16 構造物 分類 目的 特徴 適用範囲 条件 落 石対策工落石防護柵工 落石防護網工 落石防護棚工落石防護擁壁工ロックシェッド工 落石の道路への落下防止 落石が発生した際に道路際あるいは道路上に設置した施設にて防護し落石被害の防止を図る 金網, ワイヤロープ等の軽量部材を使用して, 落石発生の恐れのある斜面全面を覆う 軽量なため, 迅速施工が可能 覆式落石防護網 : 地山との結合力を失った岩石を金網と地山の摩擦及び金網の張力によって拘束する 落石を飛跳させず斜面に沿って落下させるものである ポケット式落石防護網 : 吊ロープ, 支柱, 金網, ワイヤロープ等からなり, 上部に落石の入口を設け, 金網に落石が衝突することにより, 落石の持つエネルギーを吸収する ワイヤロープ金網式やH 鋼式の落石防護柵がある ワイヤロープ金網式 :H 鋼を支柱としてワイヤロープ, 金網を取り付けたもので, 支柱は直柱式, 曲柱式がある H 鋼式 :H 鋼を支柱にH 鋼の横鋼及びエキスパンドメタルを取り付け, 古タイヤ, 砂を緩衝材として用いたもの ロックシェッドに比べ経済性, 施工性に優れるが, 落石の跳躍高さ, 重量, 落下高さ等の適用範囲は限られる 主桁上の緩衝材により落石の衝撃力を分散, 減少させる構造 落石の持つエネルギーを擁壁本体および支持地盤の変形エネルギーに換えて吸収することにより, 落石を停止させる 背後にポケット部を設け, ある程度の落石を堆積させる構造 道路側近に設置される ロックシェッド上面には落石により発生する衝撃力の緩和を図るために緩衝材を敷く 小規模な落石, 基盤岩から剥離, 剥落しやすい落石の危険性がある場合 高所からの落石が想定される場合 ( ポケット式落石防護網 ) 曲線区間では, 落石防護柵端部は落石に対して互いに重ね合わせて配置する 比較的小規模な落石対策に有効 大規模落石に対しては高エネルギー吸収タイプの検討が必要 落石重量あるいは落下高さが落石防護柵では対応できない大きさで, 飛散範囲が道路幅員の一部に限られる場所に適用 対象とする背後地形の斜面勾配が緩やかな場所 道路の側方に余裕がある場所 道路の側方に余裕がなく, 落石の発生しやすい急斜面がある場合, 落石の規模が大きい場合, 落石防護柵等ではその上を飛び越す恐れのある場合 土砂がシェッド上に堆積した場合は, 取り除くことを原則とする

17 斜面 のり面の一般的な維持管理は, に示したように, 防災業務の計画検討, 防災点検そして防災カルテが作成され, この防災カルテに基づいて日常点検や定期点検が行われる 本章で提案する法面簡易点検においても, まずは当該のり面の場所, のり面高さ, 勾配, 地質, 過去の災害事例などの基礎的な情報と初回点検結果を整理したカルテを作成し, これに基づいて継続的な点検を行う方針が適切である 点検方法は, 次の 2 つに大きく分類することができる 1 定性的点検 2 定量的点検定性的点検は, 現在, 道路管理者が行っている日常点検 ( パトロール車からの目視点検 ) に代表されるものである しかし, この手法では, 変状がある場合の時間的な進行状況を把握することは難しい 点検の次段階の詳細調査や対策に進むためには, その変状の進行状況を出来る限り正確に捉えて判断することが重要であり, このためには定量的点検の方が経時的変化を捉えやすい ただし, 定量的点検が可能な場所や項目は限られているため, 全ての変状に対して定量的点検を行うことは不可能である よって, のり面の点検は, 定性的点検と定量的点検を適切に組み合わせて行う必要がある なお, 定量的点検を行う場合の計測項目は, に示すように分類することができる 点検 という段階を考慮すると, 簡易で比較的安価に計測できる 変位 が計測項目として適しており, 変位量 や 変位の累積性( 変位の速度 ) を基に, 点検結果を評価することになる 計測項目強度特性変位変位量変位の累積性 のり面の点検では, まずは変状を早期に発見することが重要である で詳しく述べるが, 法面簡易点検はのり面構造物の変状に着目した点検である これは, のり面構造物は地山に比べて点検しやすく変状を発見しやすい, 亀裂等の簡易計測 ( 定量的点検 ) も地山に比べて実施しやすいことに着目したもので, 構造物に発生した変状から背面地山の変状を発見したりすることも可能である 次項以降では, 盛土のり面と切土のり面に区分し, 変状の発生形態, 主な変状の要因, 変状が発生しやすい場所, 点検時のポイントをのり面構造物毎に整理する また, のり面構造物以外の点検において留意すべき点も整理する

18 盛土のり面では, 近年の集中豪雨に起因し不安定化するケースが多くなっている 盛土が一度崩壊した場合には, 交通を遮断するだけでなく, その復旧には多大な費用, 時間を要する このため, 盛土の維持管理においては盛土の微細な変状や湧水の有無, 排水不良等の兆候を早期に発見し崩壊発生を未然に防ぐことが求められる 盛土のり面の点検では, で述べた不安定化要因を理解し, 何処に変状が発生し易いか, 何処を重点的に点検すれば良いかを把握し, 効率的かつ適切に点検を行うことが重要である 特に水の影響は盛土のり面の安定性に大きな影響を与える要素であるため点検時には盛土の施工条件や排水施設等に留意する必要がある 以下に, 盛土のり面点検時の留意点を列記する 施工条件 ( 後背地の集水地形, 谷埋め盛土, 傾斜地への盛土, 軟弱地盤上の盛土など ) 表面水, 地下水の盛土への影響 ( 湧水状況, 地下水位など ) 盛土材料 ( スレーキング特性のある材料など ) 片切片盛区間 道路縦横断勾配と道路排水がのり面に与える影響 排水施設の設置状況と機能低下の有無 路面, のり肩, のり面内の排水施設の通水障害 ( 変状 破損 閉塞 ) の有無 路面 ( 舗装 ), のり肩, のり面内の亀裂, 段差, 沈下 ( 陥没 ), はらみ出しの有無 盛土の変形, 沈下 法尻部の湧水, 侵食の状況 のり面保護工の状況 これらのうち, 路面 ( 舗装 ) の亀裂 沈下, 排水溝の通水阻害, 排水設備の機能低下, 水抜きボーリングの目詰まりは, 盛土内への水の侵入や排水性の悪化をもたらし盛土全体の健全性を低下させる大きな要因となるため特に留意が必要である 以下に, 国道交通省近畿地方整備局近畿技術事務所: 道路法面維持管理のためのハンドブック ( 案 ) に整理された盛土のり面を点検する際の着目点を示す

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23 盛土の変状は降雨による影響が大きいことから, 点検の判断指標としては排水溝の通水阻害や水抜きボーリングの目詰まりなど, 目視確認を主体とした定性的な点検が主流となる 一方で定量的な点検が可能なものとしては, 路面 ( 舗装 ) の亀裂, 腰止め擁壁の亀裂などに限定される そのため, ここでは盛土設置箇所の地形 地質に起因する変状に対して, 定性的な変状把握を主体とした点検時の留意点をに整理する 点検ポイントは, 変状の発生形態, 主な変状の原因, 変状の発生しやすい場所, 点検項目, 点検時の留意点をまとめている なお, 盛土のり面に施された構造物については, 切土のり面構造物と同様の点検ポイントであるため, に示す にまとめて整理する

24 盛土施工条件変状発生形態変状模式図主な変状の原因変状の発生し易い場所点検項目点検時の留意点 表流水が集まり易い 盛土の洗掘盛土の崩壊 排水工の閉塞による表面水の越流 流出 路面の片勾配, 急カーブ地点, 縦断勾配変化点での表面水の集中 盛土表面, 法肩部 崩壊状況 排水工の通水阻害がないかを確認する 道路線形, 勾配 路面状況が集水しやすい形状にないかに注意する 横断管の状況 谷横過部の横断管断面の不足あるいは閉塞 排水施設の状況 雨水浸食を受けやすい 盛土材料が不良 雨水浸食によるガリー 盛土の洗掘, 流出 のり肩, 路面の沈下 排水施設の整備不足排水施設が不十分 盛土表面 ガリーの状況 ガリーの発達程度, すべりの兆候の有無に注意する 排水施設の機能低下がある 盛土の流出状況 表面保護が不十分 盛土材が侵食を受け易い細砂, まさ土, しらす等からなる 火山灰質粘性土からなる盛土の圧縮沈下 泥岩等のスレーキングしやすい材料からなる盛土の圧縮沈下 構造物周辺のゆすり込みによる沈下 盛土全体に沈下が発生し易い沈下の範囲, 沈下量構造物の取り付け部での段差が生じ易いため注意する 切盛り境部での段差の有無, 路面の段差の有無に注意する 軟弱地盤上の盛土 沢部を横断する盛土 腹付け盛土 傾斜地盤上の盛土 のり肩, 路面の亀裂のり肩, 路面の沈下はらみ出し 軟弱地盤を通過する円弧すべり軟弱層の圧密 変形 のり肩部ではひび割れや沈下が発生し易いのり末端部での隆起がおき易 亀裂の位置, 延長, 幅, 深さ, 方向沈下の範囲 亀裂の向きや形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可能性の有無を把握する のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意する のり尻の隆起 路面からの浸透水 い はらみ出し 切盛り境部での段差の有無, 路面の段差の有無に注意する 路面の亀裂から盛土内への水の浸透がないかに注意する のり肩, 路面の亀裂のり肩, 路面の沈下 周辺からの地下水の供給 谷横過部での崩壊 湧水状況 湧水, 地下水の量の変化に注意する はらみ出し谷埋めによる間隙水圧の上昇路面の沈下, 亀裂のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意にする 湧水箇所からの崩壊のり尻の隆起沢部の集水地形はらみ出し切盛り境部での段差の有無, 路面の段差の有無に注意する 地山湧水の盛土内への浸透 排水機能 路面の亀裂から盛土内への浸透がないかに注意する 路面からの浸透水 湧水の有無 濁度 のり肩, 路面の亀裂のり肩, 路面の沈下 締め固め不足 旧盛土との境界部でのすべり すべり規模, 範囲 のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意する はらみ出し基礎地盤の不良沈下の範囲, 沈下量切盛境界部での段差の有無に注意する 腹付け盛土の沈下, 変形のり尻構造物の沈下基礎の洗掘 吸い出し洗掘規模河川による洗掘状況に注意する のり肩の亀裂 急勾配斜面への盛土 のり肩部ではひび割れや沈下 亀裂の位置, 延長, 亀裂の向きや形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可 のり肩の沈下 地山との境界でのすべり のり尻部でははらみ出し 幅, 深さ, 方向 能性の有無を把握する はらみ出し 地表水の浸透 湧水箇所 沈下の範囲 のり肩や路面のくぼみや沈下などの凹凸に注意する のり尻の隆起 地山湧水の盛土内への浸透 はらみ出し のり面勾配の不連続の有無を確認する 地山の段切り施工不良 排水機能 湧水の有無や湧水量 濁度を確認する 地山末端の軟弱層, 崩積土の 湧水の有無 濁度 路面の亀裂からの盛土内への浸透がないかに注意する 分布による盛土の移動

25 切土のり面に発生する変状は, のり面より上方の自然斜面にまで及ぶことが少なくなく, 広い範囲で点検を行うのが望ましい ただし, 多くの道路のり面を限られた時間や予算の中で管理する必要があるため, で述べた不安定化要因を理解し, 何処に変状が発生し易いか, 何処を重点的に点検すれば良いかを把握し, 効率的かつ適切に点検を行うことが重要である 盛土のり面と異なる特徴としては, 地質や地質構造が切土のり面の安定性に大きな影響を与えることで, のり面周辺の地質状況について把握しておくことが重要である また, 地質情報は, 現地で点検を行う際の予備知識としてだけでなく, のり面の基礎的なデータとしてカルテ等に整理しておくのが望ましい 以下に, 切土のり面点検時の留意点を列記する なお, 国土交通省近畿地方整備局近畿技術事務所 : 道路法面維持管理のためのハンドブック ( 案 ) 7) では, 切土のり面を点検する際の着目点が整理されており, それらも踏まえて以下に列記する 周辺の地形, 後背地の集水地形など のり面上部の自然斜面の状況 流れ盤や劣化しやすい地質, 断層破砕帯などの地質構造 地山の亀裂 浮石や転石 落石発生源の状況 落石発生源下方の裸地化 立木の根曲がりや倒木 湧水ならびに排水などの状況 道路縦横断勾配と道路排水がのり面に与える影響 のり面あるいは地山と構造物の境界付近の変状 のり面構造物の変状 排水機能の不全は, のり面全体の安定性を損なう大きな要因と認識する 個々に確認した変状を, のり面全体で総合的に捉える のり面の点検は構造物のみを点検するのではなく, 構造物の背面地山なども含めたのり面全体の点検を行う必要があるが, ここでは, のり面構造物に対象を絞り, のり面構造物毎に変状の発生形態, 主な変状の原因, 変状の発生しやすい場所, 点検項目, 点検時の留意点をまとめ, に整理する

26 構造物変状発生形態変状模式図主な変状の原因変状の発生しやす 植生工 のり面の崩壊 小崩壊のり面のはらみのり面の亀裂洗掘 ガリー浸食剥落による裸地化植生の枯死パイピング 湧水 地山の劣化進行 緩みすべり湧水排水不良土壌不良 植生の不生育日照条件不良 い場所のり面のり尻のり肩排水路周辺 点検項目 亀裂の位置, 長さ, 深さ, 方向はらみ湧水の有無 濁度生育植生 生育基盤の流出排水機能 留意点 亀裂は方向や形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可能性の有無を把握 連続した亀裂やはらみは, 直ちに詳細調査等の対応を要する場合が多い 地山変状に伴い, 地下水供給が分離され, 植生が枯れ始めることもある 植生の剥離 流出に伴い風化 浸食が促進される 排水工 本体の損傷接続部不良通水阻害排水路周辺の洗掘排水孔の目詰り ガリー浸食の例 地山の劣化進行 緩みすべり沈下ゴミ 土砂の堆積植生繁茂顕著な跳水, 漏水 のり肩, 小段の排水工水路継ぎ目集水枡排水路の周辺 排水機能洗掘 排水工の変状は地中への浸水を助長し, のり面崩壊の誘因となるため, 重要な点検項目 排水路の変状は, 集水した水を地中へ浸水させることにもなりかねない 何処に浸水し, それに伴う他の変状との関連の把握も重要 小段の水によるのり肩の浸食 根系の発達による排水溝の破損 吹付工 亀裂はらみずり落ち目地部の変状空洞化剥離 小片落下 すべり湧水等による地山の劣化進行, 流失背面の空洞化草木の発達凍結融解による劣化乾燥収縮 のり面のり尻凹凸部等の地形変化点湧水箇所 亀裂の位置, 長さ, 深さ, 方向はらみ浮き 空洞化の範囲目地の異常湧水の有無 濁度排水機能剥離 小片落下の有無 亀裂は方向や形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可能性の有無を把握 後背斜面の状態を確認 浮き 空洞化は打音で点検 亀裂からの草木は, 更なる亀裂進行となる 小片落下は, 道路利用者の安全に影響を及ぼす 張工 亀裂はらみ緩み基礎の沈下目地部の変状 地山背面の風化の進行 土砂部の崩壊 すべり背面土圧や水圧の上昇乾燥収縮 のり面のり尻のり肩目地部部材境界部基礎部 亀裂の位置, 長さ, 深さ, 方向はらみ浮き 空洞化の範囲部材のズレ目地の異常基礎の状態湧水の有無 濁度排水機能 亀裂は方向や形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可能性の有無を把握 後背斜面の状態を確認 枠裏の土砂流出や空洞化に注意 法枠工 はらみ枠の亀裂目地部の変状枠内土砂の流出 空洞化 すべり地山の劣化進行枠自体の劣化凍結 凍上背面の空洞化表流水による洗掘 のり枠交点部のり肩目地部打継目中詰工排水孔 亀裂の位置, 長さ, 深さ, 方向はらみ基礎の状態枠の浮き排水機能鉄筋の露出 腐食 亀裂は方向や形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可能性の有無を把握 後背斜面の状態を確認

27 構造物変状発生形態変状模式図主な変状の原因変状の発生しやす 擁壁工 ロックボルト工 亀裂はらみ折損出隅部の破壊目地部の変状鉄筋の露出 腐食 頭部保護キャップの変形受圧板の変形や亀裂受圧板周辺地山の亀裂 すべり背面の土圧や水圧の上昇基礎地盤の不同沈下 材料の損傷や腐食土圧の増加すべり い場所擁壁天端隅角部目地部基礎部排水孔 頭部受圧板 点検項目 亀裂の位置, 長さ, 深さ, 方向はらみ目地の異常基礎の状態湧水の有無 濁度排水機能鉄筋の露出 腐食 頭部の損傷や変形 腐食受圧板の変形等 留意点 亀裂は方向や形状, 連続性に注意し, 地山全体のすべりの可能性の有無を把握 擁壁背面の地山状況, 擁壁の水路等の変状に注意 擁壁天端や上部 下部のシールコンクリートも点検 コンクリート擁壁に入る亀裂は稀である ブロック積擁壁では背面土圧の増大やすべりに伴い, 水平方向の亀裂やズレが見られる ロックボルト自体の点検は限られており, 周辺地山の状況 ( 法肩の亀裂等 ) に留意する また, 法枠を含めた受圧板の状況も確認する アンカー工 頭部保護キャップの変形受圧板の変形や亀裂受圧板周辺地山の亀裂アンカーテンドン材の飛び出し 補強材の引抜け 地山の局部的な崩壊 劣化テンドン材の損傷土圧の増加すべり 頭部受圧板 頭部の損傷や変形 腐食受圧板の変形等 アンカー自体の点検は限られており, 周辺地山の状況 ( 法肩の亀裂等 ) に留意する また, 法枠を含めた受圧板の状況も確認する 杭工 杭頭部の変位 ( 杭周辺の地盤 構造物の変状 ) 設計条件を上回る地すべり力の発生中抜けの発生 杭周辺地盤 杭周辺の沈下 盤膨れ杭頭の変位 杭の上部 ( 山側 ) では引張亀裂や空洞化が発生しやすい 杭自体の点検は限られており, 周辺地山の状況に留意する 落石対策工 支柱の曲がり基礎の変形 亀裂ロープやネットの緩み 破断鋼材の損傷 腐食ポケットに土砂や転石が堆積 落石による損傷 変形斜面の洗掘や緩みによる支持地盤の変状堆積土砂等の除去不足 ロープやネット, 支柱等の落石対策工自体基礎部ポケット ロープやネット, 支柱等の損傷 変形ポケットの堆積土砂状況基礎の状態 落石を前提とした構造物であるため, 定期的な点検が必要 他構造物より点検頻度を高い目に考えておくのがよい 落石を前提に, その機能を有することができるかを確認する

28 本章で提案する 法面簡易点検 は, 現在実施されている日常点検と定期点検を補完する点検と位置付ける 以下に法面簡易点検のポイントを記す 変状の早期発見と変状の進行状況を捉えることを目的に, これらを把握しやすいのり面構造物に着目し, のり面構造物に発生した変状を簡易計測することを基本とする できるだけ定量的な点検, 定量的な評価を行う 簡易計測項目は に示すとおりであり, このうち, 各構造物の機能を損ない, 重大な災害に発展する危険性が高い変状で, 定量的評価のできる項目を対象とする ( クラック, 目地の異常, 基礎の沈下, 移動 傾き, 斜面の亀裂, 路面の亀裂 沈下 ) 変状が著しく, 進展が予測される箇所を点検 記録の対象とする なお, 変状箇所が多い場合については, 変状が起きている原因をのり面全体 ( 地形, 地質, 施工状況等 ) から推測し, 最も変状が進行しそうな箇所を選択する ( 例 : のり枠工 のり肩 ) 計測頻度は以下に示す年 4 回を目標に行い, 変状の進行状況に応じて計測頻度の増減を検討する 5 月 ( 梅雨入り前 ) 8 月 ( 梅雨明け ) 11 月 ( 台風シーズン後 ) 3 月 ( 積雪, 極寒終了時 ) 法面簡易点検での計測は, 簡易な計器の使用を原則とし, 変状形態や変状規模によって機器を選定する 記録様式の詳細は, で述べる で整理したのり面構造物毎の点検ポイントを基に, 各のり面構造物に対する点検項目と定量的評価が可能な点検項目を に整理する なお, 舗装はのり面構造物ではないが, 特に盛土のり面の変状を把握する場合に有効な点検項目となるため併記した に示した点検項目の幾つかは, 複数の工種に共通し, 工種が異なっても点検方法や記録方法に共通性があるため, 点検項目は に示す 16 項目に整理することができる

29 工種点検項目定量的評価 1 斜面の亀裂 可 1 植生工 2はらみ出し,3 湧水,4 生育 生育基盤の流出,5 排水機能 不可 2 排水工 1 排水機能,2 洗掘 不可 3 吹付工 4 張工 5 のり枠工 6 擁壁工 7 ロックボルト工 8 アンカー工 点検項目 1クラックおよび目地部の開き他 2はらみ出し 3 湧水 4 空洞化 5 排水機能 6 基礎の沈下 7 移動 傾き 8 洗掘 9 鉄筋の露出 腐食 10 頭部定着部材料の損傷 腐食 変形 沈下 13 支柱の変形 16 路面の亀裂 沈下 1クラック,2 目地の異常 3 湧水,4はらみ出し,5 空洞化, 6 排水機能,7 剥離 1クラック,2 部材のずれ,3 目地の異常,4 基礎の沈下 5 湧水,6はらみ出し,7 排水機能,8 空洞化 1クラック,2 基礎の沈下 3はらみ出し,4フレームの浮き,5 排水機能,6 鉄筋の露出, 腐食 1クラック,2 目地の異常,3 基礎の沈下,4 移動, 傾き 5はらみ出し,6 湧水,7 排水機能,8 鉄筋の露出, 腐食 1 頭部定着部材料の損傷, 腐食, 2 頭部定着部の変形 沈下 1 頭部定着部材料の損傷, 腐食, 2 頭部定着部の変形 沈下 11 杭の変位, 周辺の沈下 盤ぶくれ 14 ロープの緩み 12 斜面の亀裂 15 生育状況 ( 基盤の流出 有害植物の侵入 ) ここでは, 各点検項目について変状の点検方法, 変状の記録内容を記す ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, マーカー, コンベックス, クラックゲージ等を用いる ( 参照 ) 点検ではクラックの範囲, 方向, 深さを記録する 新しい変状が発見されたら, まずマーキング ( 油性スプレー等による目印 ) を行い変状の進展を確認する 可 不可 可 不可 可 不可 可 不可 不可 不可 9 杭工 1 杭の変位,2 杭周辺の沈下 盤ぶくれ 不可 1 基礎の沈下,2 背面土砂堆積量 可 10 落石対策工 3 支柱の変形,4ロープの緩み 不可 11 舗装 1 路面の亀裂,2 路面の沈下可

30 クラックが構造物のどの位置に入っているかが重要となるので, スケッチや写真は日付ととも整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 変状記録の詳細は幅(X), 長さ (Y), 段差や目違い (Z) を記録する必要がある 変状がその後進行するような場合は, この初期値からの変動傾向で原因が究明されることもあるので非常に重要である ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, 水糸, スタッフ, ポール等を用いる 点検でははらみ出しの範囲, 範囲, 方向を記録する また, で示すような変位量の計測が可能な場合は, 変位量を記録する はらみ出しの状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) まず見通し調査を行い, はらみ出しの有無を確認する はらみ出しは, ブロック張り工やブロック積み擁壁などの構造物に多く見られる変

31 状である そのため, はらみ出しは目地部や接続部の開きや段差とともに発生している場合もある 擁壁等の場合は勾配定規等を利用して変状を判断できることもある ( 点検方法および記録内容 ) 点検には, カメラ, 集水用の器等を用いる 点検では湧水の範囲, 量, 濁度の有無を記録する 湧水状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 湧水には, その状況により染み出し, 滴水, 出水状態が想定される 常時出水している箇所はメスシリンダー等で計測可能であるが, 染み出しや滴水状態の箇所は, その湿潤している範囲でその程度を評価する 湧水はどの位置で起きているかが重要なため, スケッチや写真で状況を記録する 晴天時や降雨後で水量が違う場合があり, 計測日前の降水状況について記述する ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはハンマー等を用いる ( 点検 記録の留意事項 ) 空洞化の原因は, 構造物背面の裏込め材流出や地山の洗掘等が考えられる そのため, 一見しただけでは変状を確認することは困難であり, 打音調査等によって, その範囲を記録しておく ( 参照 ) また, モルタル吹き付け工ではしているものは, その範囲や亀裂等との関連性もスケッチして記録する

32 ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, ポール等を用いる 点検では排水施設の目詰まり状況, 周辺部の洗掘状況を記録する ( 参照 ) 排水施設状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 排水機能の変状には, 排水路の変状と水抜き穴の閉塞等の通水阻害がある 特に排水路の目地部の変状は, 地山の変状から発生している場合もあり, 近傍斜面の変状にも留意する 簡易に除去できる落葉などの閉塞物は, その状況を記録するとともに除去することが適切である ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, 水糸, スタッフ, ポール等を用いる 点検では沈下の範囲, 位置, 量を記録する ( 参照 ) 沈下状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 基礎の沈下は, 段差や亀裂等の変状を伴う場合も多いことから, 目地部等の変状にも留意する ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, 水糸, スタッフ, ポール, コンベックス等を用いる 点検では移動の範囲, 位置, 量を記録する ( 参照 ) 移動, 傾き状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 相対的な変位量が分かるように, スケールを入れて写真撮影を行う

33 ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, スタッフ, ポール, コンベックス等を用いる 点検では洗掘の範囲, 位置, 量を記録する 洗掘状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 洗掘は場所によって異なるので数カ所で確認する ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ等を用いる 点検では鉄筋の露出 腐食の範囲, 位置を記録する 鉄筋の露出 腐食状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 鉄筋性状の記載 : 断面欠損量他 ) ( 点検 記録の留意事項 ) 鉄筋が露出する条件は, コンクリートのかぶりが剥落等によって露出している条件が考えられる 構造物としての問題点は鉄筋が腐食し断面欠損まで及んでいる場合であり, 断面欠損の範囲等を確認する ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ等を用いる 損傷 腐食 変形 沈下状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) アンカー工やロックボルトは, 受圧板と頭部定着部材が肉眼によって観察可能である 特に留意すべき変状は受圧板の沈下や傾き, 頭部定着部材の損傷や防錆材の漏れがある ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, 水糸, スタッフ, ポール等を用いる 点検では変位の範囲, 位置を記録する 変位状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 杭工は, 構造物や地表面下に施工されている場合が多く, 目視観察で杭本体の変状を把握することは難しい そのため, 施工条件を事前に把握して変状が発生し易い箇所を, 入念に観察することが重要である ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, ポール, スタッフ等を用いる 点検では亀裂の範囲, 方向を記録する 亀裂がどの位置に入っているかが重要で, スケッチや写真は日付とともに整理する

34 ( 点検 記録の留意事項 ) 構造物の上部や周辺部の自然斜面に亀裂等の変状が発生する場合がある これらの変状は, 木杭等でマーキングするともに抜き板や伸縮計等で変状の進展を計測する ( 参照 ) 斜面に亀裂が表れた場合, のり面 斜面の安定性は低く, 詳細調査や緊急に対策を実施しなければならないことが多い ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, スタッフ, ポール等を用いる 支柱に変状が見られた場合は, 変形状況を記録する ( 点検 記録の留意事項 ) 落石によって支柱が変形している場合, その機能が損なわれていないか確認する ( 参照 ) ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, スタッフ, ポール等を用いる 落石等によるロープ破損の有無を記録する ( 点検 記録の留意事項 ) 落石対策工背面の土砂の捕獲状況や落石はマーキングすることによって, 落石発生時期の推定が可能となる また, 新たな落石が発生していないかを確認することができる ( 参照 )

35 ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ等を用いる 生育状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 生育基盤の不良や枯損が発生している場合は, 範囲を特定するとともに, 斜面状況を整理し対策工の基礎資料とする ( 点検方法および記録内容 ) 点検にはカメラ, マーカー, 測量ピン, コンベックス, スタッフ, ポール等を用いる ( 参照 ) 点検では亀裂や沈下の位置, 形状, 延長, 幅, 深さ, 方向, 段差などを記録する 新しい変状が発見されたら, まずマーキング ( 測量ピン設置や油性スプレー等による目印 ) を行い変状の進展を確認する 亀裂ならびに沈下状況のスケッチや写真は日付とともに整理する ( 点検 記録の留意事項 ) 亀裂の向きや形状, 連続性に注意し, 盛土や地山の変状に起因するものか舗装のみの劣化なのかを推察する 亀甲状の亀裂は, 路盤材の軟質化あるいは空洞化, 円弧状でのり肩まで伸びる亀裂はすべりの兆候があることが考えられる 亀裂から地盤へ雨水の浸透がないかに注意し, 応急処置でもよいので早期に補修する 舗装は比較的短期に補修されることが多く, オーバーレイなどの補修履歴も記録する 亀裂を跨いで計測ピンを設置し, ピン間の距離を計測する 法面簡易点検の結果は, 以後の詳細調査や防災 維持工事検討に活用できるよう, 変状の発生や進行状況が把握しやすい適切な様式に記録する必要がある 以下に, 点検記録様式について述べる 法面簡易点検の記録様式は, 現在汎用されている防災カルテのデータをできるだけ

36 活用して, 対象のり面の基礎情報と変状要因等をまとめる 法面簡易点検記録票様式 A, 点検 計測結果の概要を示して総合的な観測回毎の評価を行う 追跡調査票様式 B, 斜面状況や計測状況を写真で示す 追跡調査写真票様式 C, 点検時の携帯資料として各工種の点検項目をまとめた 法面点検チェックリスト様式 D ので4つで構成する 記録様式の構成をに示す 対象のり面の点検工種を確認し, 計測する変状を決定する 現況の変状を判定する のり面の概要 災害履歴等の基礎的なデ-タ, 地形地質概要, 既設対策工の判定区分, 変状の発生状況と要因, 想定される災害形態 ) 等共通事項を記入する 変状位置 変状計測結果 点検時のコメント等を記入 計測結果をグラフ表示する 観測回毎に評価を行う 変状位置 計測箇所を図示するとともに観測状況写真を示す 全景写真も添付する 各記録様式の内容は以下の通り 1) 点検箇所の概要のり面について, 既往資料, 過去の調査記録等より, 路線名, 所在地, 規制基準, 交通量, 気象記録, 災害履歴, 災害形態保全対象の状況等の基礎的なデ-タを記載する 特に災害履歴は, 想定される災害形態や規模を想定する重要な事項である 2) 位置図および対象のり面の状況管内図 道路台帳を利用し, 位置図 (1/25,000) 及び箇所図 (1/1,000) を貼付し, 点検箇所が分かるようにする 以上については, 初回点検までに様式に記載する 点検実施後, 対象となるのり面の全景写真及び正面図を貼付する 3) 点検箇所の特徴と現況施設点検箇所の地形 地質は, 災害発生機構の素因を検討する上で重要な要因であることからその概要を記載する

37 また, 既設対策工の判定区分は 法面点検チェックリスト様式 D に示した工種毎の点検項目より, 点検当初における変状を判定した結果を記載する この判定区分は, 点検箇所の選択や頻度等を検討する際の資料とする 4) 変状の発生状況と要因初期点検及び点検時における変状発生状況と崩壊発生の素因, 誘因等を記載する 5) 想定される災害形態等道路区域外の災害が道路面に及ぼす危険性が指摘されている 13) ことから, ここでは空中写真等を利用した広域的な視点から, 災害形態を予測する また, 災害形態を想定することでリスク評価を行ううえでの参考資料となる 追跡調査票は, 計測位置図及び計測結果 ( グラフ ) を示すとともに, 点検 計測結果の概要を示して総合的な観測回毎の評価を行う 1) 計測位置図欄には, 構造物諸元 亀裂幅や深さ 湧水箇所等を記載する 2) 点検時の特記事項には, 事項記入時の日付を記入することを原則とする 3) 計測グラフのスケールは可能な限り, 整理 統一する 4) 点検実施毎に, 点検日時 気温 計測値 点検計測結果の概要 新規変状の有無 観測回毎の評価 点検者を記載する 5) 観測回毎の評価区分は, のり面の劣化度の高い順序に番号を記載する 評価区分の詳細は に述べるとおりで, 次の4 段階評価とする 1 緊急通報 2 詳細調査の提案 3 点検間隔の短縮 4 継続点検 1) 正面図及び全体写真は, 点検により観察されたのり面の状況をのり面全体で捉えるために, 正面図に変状等をスケッチを用いて記載する これは, 初回点検実施後に作成するもので, 変状の経過が分かるように, 次回以降の点検結果を追記する 2) 変状毎の詳細図 ( 正面図 断面図等 ) をスケッチを用いて作成すると共に, 変状及び計測状況写真を添付する クラック等が数カ所発生する様な変状に対しては, 番号を付けて追跡調査が可能となるようにする 3) 写真は現場状況が判る遠景と計測状況が確認できる近景を添付し, 現況を把握し易くする 点検時の携帯資料として, 各工種に対する点検項目をまとめたもの 点検のポイントを整理して点検項目を統一し, 点検漏れを防ぐことを目的に作成した 記録様式を利用した事例を次頁に示すとともに, 点検における留意点を注記した これは, モルタル吹付工が施工された切土のり面であり, 縦方向に発生している亀裂を挟んでピンを設置し, 亀裂幅の進展を確認した事例である

38 公共土木施設の維持管理に 関する研究委員会報告書

39 法面簡易点検結果の評価の位置付けは, 詳細調査へと移るか否かの判断基準とし, 以下の 4 段階を提案する 1 緊急通報 2 詳細調査の提案 3 点検間隔の短縮 4 継続点検法面簡易点検では, 可能な限り簡易計測などによる定量的な点検を行うこととしているため, 評価も簡易計測データを基にした定量的な方法が必要である 点検時の計測は, 変位が対象項目であるため, 変位量 と 変位の累積性( 変位の速度 ) の 2 項目から管理基準を設定するのが適切で, 定性的な状況も加味して点検結果を総合的に評価するのがよい ( 社 ) 建設コンサルタンツ協会近畿支部斜面防災研究委員会 ( 平成 16 年 4 月 ~ 平成 21 年 3 月 ) では, 既往の管理基準値の文献調査ならびに約 1 年半の計測データから, 定量的な評価を行うための管理基準値を提案している それによると, 計測データには ±2mm の季節変動幅があることから, この季節変動幅以上の変位があった場合を維持管理上注意が必要な変動と考え, 管理基準値を ±2mm としている ただし, のり面の劣化進行を把握するには,1 年半というデータは非常に短く, 計測期間内において変状が著しく進展したデータが得られていないこと, 構造物による違いや多様な地山特性があるため, のり面毎に異なった管理基準値を設定することが適切な場合もあり, 今後のデータ蓄積により管理基準値の見直し 設定を行う必要がある ここでは, 暫定的な管理基準値ならび評価方法を,ならびにに示す なお, 法面簡易点検では初回点検時に 法面点検チェックリスト様式 D に基づき, 変状を 3 段階 (A: 損傷 変状が著しく緊急補修が必要,B: 損傷 変状あり,C: 損傷 変状がないもしくは軽微 ) で判定する 簡易計測は,A ならびに B に判定されたのり面に対して法面簡易点検を行っていくこととし,B 判定されたのり面は評価区分 4へと進み,A 判定のり面は評価 1,2,3のいずれかを適宜判断する必要がある 評価区分計測結果 のり面の状況 3に評価され 1 ヶ月後の再計測値が 2mm/ 月以上 1 緊急通報 変状が著しく, 明らかに緊急対応が必要な場合詳細調査の 3に評価され 1 ヶ月後の再計測値が 1~2mm/ 月 2 提案 変状の進展が認められる場合点検間隔の 累積変位が管理基準値をオーバー 3 3に評価され 1 ヶ月後の再計測値が 0~1mm/ 月短縮 変状の進展の有無を短期間で確認する必要がある場合 累積変位が管理基準値以下 4 継続点検 3に評価され 1 ヶ月後の再計測で変位の累積がない場合 顕著な変状の進展が認めれない場合管理基準値 : 計測初期値からの変動量が ±2mm

40 前節までは, 切土のり面, 盛土のり面に着目し, 維持管理に必要な検討事項を詳細に整理した しかし, 道路等の維持管理 ( 利用者の安全確保 ) では, 人工斜面からの災害以外に, 自然斜面 ( のり面上部自然斜面, 渓流等 ) からの災害も対象とした管理が必要であり, 現在行われている道路防災点検でも,1 落石 崩壊,2 岩盤崩壊,3 地すべり,4 雪崩, 5 土石流について点検が実施され, モニタリングが継続されている また, その箇所数も人工斜面や構造物と比べ多い傾向にあり, 用地の関係から直接的な対応ができないことが, 維持管理上の問題となっている 本節では, 自然斜面の維持管理についての現状, 不安定化の要因, 点検のポイントについて, 人工斜面と対比しながら簡単に整理し, 維持管理上の課題解決策として, 点検作業の効率性や精度向上を目的としたハザードマップの作成について提案する 自然斜面は, 人工的に形成された切土 盛土のり面を除く地山のままの自然斜面で, 道路等の保全対象から見ると山腹斜面と渓流に大別できる また, 自然斜面上の移動土塊の分類方法として, アメリカの地質調査所バーンズ (D.J.Varnes)( ) による分類が有名である 自然斜面を対象とする維持点検では, これら全ての現象から保全対象である道路等の安全を確保する必要がある に道路における土砂災害の分類例を示す 大きくは崩壊, 落石, 地すべり, 土石流に分類され, その規模や状態により細分化されている

41 一方, 平成 19 年 9 月に発行された道路防災点検の手引き ( 豪雨 豪雪等 ): 財団法人道路保全技術センター 17) では, 平成 8 年度点検以降の災害の特徴と問題点として, 以下の 3 つの現象を指摘している 1 直轄道路の災害の内, 半数が用地外からの発生である 2 対策不要箇所災害の見込み違いの内容は, 災害発生 崩壊形態 崩壊規模 2 次流出が想定外であった 3 既設対策工があった ( 災害形態や規模の検討不足 ) また, 近年, 集中豪雨型の降雨が増え, 時間 50mm 以上の豪雨発生件数及びそれに起因する災害発生件数が増加している 以上を踏まえ, 自然斜面における維持管理の問題点をまとめると以下のようになる ( 現状の問題点 ) 1 多くの複雑な運動形態があり, その発生, 形態 規模等を的確に予測する必要がある 2 長大斜面, 渓流等, 調査対象範囲が広く, 不安定要因の抽出もれや現地での見落としが発生しやすい 3 用地の問題から直接的な対策が出来ない 4 3のため道路等の用地内に簡易な待受け構造物を設置し, 点検等の対策施設の維持管理を実施 5 変状が自然斜面の上部や渓流の上流であることが多いため日常点検では発見できない 本項では, 自然斜面から発生する土砂災害について, その発生形態を簡潔に紹介し, なぜ災害 ( 崩壊 ) 発生に至るのか ( 不安定化の要因 ), 何に着目すれば予測できるのか

42 ( 点検のポイント ) について述べる に示した道路における土砂災害の発生形態について, 事例を図示しながら紹介し, その特徴を簡潔に示す 斜面崩壊はその規模, 材質 ( 岩, 土砂 ), メカニズム等により小分類される 表層崩壊は岩盤を被覆している表 土 ( 崖錐堆積物等 ) や花崗岩等の強風化した岩盤が滑落する現象で降雨や湧水が誘因となる場合が多い 中 大規模崩壊は, 固結度 ( せん断強度 ) が低い地層や地質構造に不安定な素因を有する自然斜面が, 地下水上昇や地震等の外力の影響で滑落する現象である 岩盤崩壊は, 岩の表層が風化等に伴って崩落する場合や, 地質構造 ( 流れ盤, 層理 節理面等 ) に沿って滑落する また, 後者の場合, くさび状の崩壊が多く見られる 落石は, 崩壊や剥離等により自然斜面に分散している転石の落下 ( 抜落ち型 ) と岩盤斜面から崩落 剥離し, 落下した岩塊の落下 ( 崩落 剥離型 ) に分類できる 抜落ち型は, 礫等を含む土砂或は岩盤斜面から表面侵食や外力により礫等が抜落ちて落下する 岩盤崩壊 崩落は, 亀裂や節理の発達した岩の崩落により落石となる 剥離型は岩盤中の不連続面に沿って剥離したり, 風化 侵食しやすい岩盤の表面が剥離したりする 表層崩壊の例中 大規模崩壊の例岩盤崩壊の例 抜落ち型の例剥離型の例 ( 上 下 ) 岩盤崩壊 崩落の例 地すべりは, 応力開放や地下水等の影響により発生し, 突発的に発生する表層崩壊とは異なり緩慢な動きの場合が多い

43 岩盤地すべりは, 比較的新鮮な岩盤で発生し, 一般に移動土塊が大きい 断層や破砕帯の影響を受けるものが多く, 大規模土工, 地震や豪雨が原因で発生する 風化岩地すべりは, 岩盤地すべりが風化して移行したものである 崩積土地すべりは, 礫混じりの土砂からなり, 風化岩地すべりがさらに風化したものである 多丘状, 凹状台地形をなし, すべり面は階段状や層状或は弧状を示す場合が多い 粘質土地すべりは, 移動土塊の大部分が礫混じり粘性土で構成され, 風化岩 崩積土地すべりがさらに風化したものである 凹状緩傾斜地形をなし, 豪雨や融雪, 河川, 小規模土工等で容易に活発化する 土石流は, 谷底及びその上流域の土砂が, 豪雨, 融雪, 地震等により流動化し, 谷底の巨礫等を巻き込んで段波的に流出する現象である 渓床堆積土砂礫の流動化による土石流は, 急勾配の渓床上に堆積している土砂礫が豪雨等により流動化する 山腹崩壊土砂の流動化による土石流は, 崩壊土砂が自然斜面を落下する間にその構造が壊れ, 水と混合して流動化する 斜面崩壊との区別が 岩盤地すべりの例 風化岩地すべりの例 崩積土地すべりの例 粘質土地すべりの例 渓流土砂の流動化の例天然ダム崩壊の例山腹崩壊の例地すべり土塊の流動化 困難な場合がある 天然ダムの崩壊による土石流は, 崩壊土砂により生じた天然ダムを水が越流浸食や天然ダムが崩壊して流動化する 地すべり土塊の流動化による土石流は, 高含水比の粘質土地すべり土塊が流動化する現象である 自然斜面の不安定化要因も, 盛土のり面や切土のり面と同様, 降雨 融雪, 地震等の自然環境作用や対策工の劣化といった外的要因, 風化 変質作用や地形 地質といった内的要因といえる

44 盛土のり面の場合, 降雨等の外的要因が主な原因となる場合, 材料の劣化等の内的要因が主な原因となる場合, 或はこれらが複合した場合が考えられる 切土のり面の場合, 地形改変に伴う沈下や応力開放により, 短期間に大きく地山強度の劣化が進むため, どちらかといえば, 内的要因が主な原因といえる 一方, 自然斜面の場合, 長い年月をかけて内的要因である劣化が進行過程にあるため, 着目する要因は外的要因であるといえる 影響要因については, で解説しているので, ここでは, 先に紹介した土砂災害の形態毎に特徴的な要因をまとめる 表層崩壊は表層 1~2m 程度の崖錐堆積物等が崩壊する現象で, 内的要因では, 地形 ( 自然斜面勾配 ) や不安定 ( 崖錐 ) 層厚の影響を強く受け, 外的要因として降雨や地震が誘因と考えられる また, 最近研究が進められている樹木の根茎によるせん断強度の増加の影響が大きい 特に, 近年頻発する短時間豪雨との相関が高く, 地表面から浸透してくる雨水により含水比が上昇し, 不飽和状態でせん断強度, 主に粘着力が低下して崩壊に至る 中 大規模崩壊になると, 内的要因は, 地質や風化帯の分布状況, 節理や断層といった構造面の影響が大きくなる 外的要因は, 表層崩壊と同じく降雨 融雪の影響が大きいと考えられるが, 表面からの雨水の浸透よりも, 周辺から供給される地下水の上昇の影響が大きく, 短時間豪雨より長雨や連続雨量との相関が高い これは, 表層崩壊の不飽和せん断強度の低下とはちがい, 地下水により間隙水圧が増加し, すべり面のせん断強度, 主に内部摩擦角の低下が要因といえる 岩盤崩壊は, 内的要因では地形 地質 地質構造等, 多くの要因の組み合せが影響する 特に, 地層構造 ( 硬軟互層や流盤 ) の影響が大きいといえる 外的要因は, 他の崩壊形態と比べ, 降雨より地震等の影響が大きい 抜け落ち型の場合, 既に自然斜面に落下した状態にあるので内的要因としては, 地形 ( 斜面勾配 ), 表土の地質, 植生と転石の状態 ( 危険度 ) となる 外的要因は, 地震, 風, 倒木, 降雨や獣害であり, 基本的には, 山腹にある転石の状態を適切に評価することが重要となる ( ) 崩落 剥離型は, 岩盤崩壊と同様であり, 内的要因として地質構造, 外的要因とし地震の影響が大きい

45 地すべりは大規模斜面崩壊と類似しており, 内的要因として地形 地質, 断層, 破 砕帯等地質構造, すべり面強度, 地下水があり, 特に, 過去の移動により形成された すべり面強度の影響が大きい 外的要因は, 降雨 融雪 ( 地下水上昇 ), 地形改変 ( 末端部の切土, 頭部の盛土 ), 地震, 河川による侵食が挙げられる 土石流は降雨により渓床に堆積している土砂や流木が下流に流下する現象であるが, 内的要因としては渓床堆積土砂や流木以外に, 山腹崩壊や地すべりによる崩壊土砂が 含まれる このため, 先に述べた斜面崩壊や地すべりの要因が全て含まれる 具体的 には, 渓床勾配, 渓床堆積土砂の分布 ( 幅, 深さ ), 植生 ( 針葉樹林 or 広葉樹林 ), 崩 壊地の分布状況, 天然ダム, 地すべり地 ( 土塊 ) の分布, 風倒木の分布等となる 外的要因は主に降雨 ( 豪雨 ) であるが, 降雨時の斜面崩壊, 地すべり等により渓流 内に大量の土砂が供給されると大きな被害につながる 自然斜面は, 人工斜面と比べ, 現状の安定性 ( 安全率 ) をいかに評価するかがより 難しい これは, に示す変状の特徴 ( 現地の状況 ) に対して1~10の箇条書 き に示すような多くの問題点があるためである 1 細かい亀裂は近づかないと目に 入らない 2 植生が地山の特徴を隠してしま う 3 危険な亀裂面の連続性がわから ない 4 植生は地質境界も隠してしまう 5 岩盤の縞模様と亀裂が作る縞模 様との区別がつきにくい 6 開口亀裂は目視できるが, 連続 しないし, 危険に見えない 7 大きい断層は土砂化していて, 見つけにくい 8 開口亀裂は追跡が難しい 9 不連続面は, まっすぐに連続し ているとは限らない 10 湧水は降雨時およびその直後しか見つからない 現地踏査では, 先に解説した斜面崩壊, 落石, 地すべり, 土石流の発生形態や不安定化要因の全て, 或はそれらの組み合わせに留意する必要があり, 熟練した専門技術者でも見落としや評価にバラツキが生じる

46 点検のポイントは,, 特に に記載されている留意点と同様であるため, そちらを参照願いたい また, 道路法面維持管理のためのハンドブック( 案 ) : 国土交通省近畿地方整備局 7) でも, 地表踏査の要点及び着目点の事例が紹介されており, 切土 面 のいくつ 事例が参考になる ここでは, 各発生形態で具体的にどのような点検が行われ, 何に着目して評価されているのかを実際の点検例を紹介しながら簡単に解説する 山腹斜面で発生している斜面崩壊は比較的規模が小さく, 殆どが表層の崩壊である 現地踏査に於いては, この崩壊跡地を探すことが重要なポイントである そのほか, 土砂移動の痕跡として, 段差地形, 根曲がり 倒木や裸地等の植生異常, 湧水等が評価の手がかりとなる 実際の点検業務では, 根曲がり等の植生状況, 滑落崖や裸地斜面の進行状 況を写真撮影し, 過年度と比較することや のように, 不動地山と不安定土塊に杭を設置し, その距離を継続観測 ( モニタリング ) することで変状の進行状況を把握し, 評価を行っている 落石発生源は, 自然斜面では殆どの箇所に存在する このため, を参考に地形 表土条件や転石 浮石の状態に対する不安定度を的確に評価することが重要である 不安定と判断された転石や浮石の簡易点検 ( 観測 ) は, 目視点検 ( 写真撮影 ), 転石間 ( マーキング間 ) の距離計測, 浮石, 岩盤亀裂の隙間計測, 不安定露頭を着色し, 着色した岩塊の落下状況確認等により行われる は転石間の定点観測を行っている事例である 不安定な転石が急勾配斜面にある細い木で停止しており, 非常に不安定である 地すべりは, 斜面崩壊と比べ規模が大きく, 現地踏査のみで地すべりブロックを発見するのは難しい このため, 机上における地形 写真判読が有効であり, 机上で想

47 定したブロックを現地で確認する 点検時に現地で確認できる主な特徴は, 頭部滑落崖及び平坦面, 末端部の急斜面や隆起 押し出し, 側方亀裂, 段差地形等である なお, 地すべり地形の詳細な特長は専門書を確認いただきたい 土石流は, 他の発生形態とは違い, 流域全体の広い範囲を調査する必要がある このため, 地すべり同様, 机上調査による地形 写真判読により微地形等を把握し現地を確認する モニタリングでは, 谷出口の状況, 道路横断管内の土砂 流木の堆積, 渓流内部の異常堆積や崩壊地等での目視点検 ( 写真撮影 ) や定点観測を実施する 一般的に作成されているハザードマップは, 自然災害による被害を予測し, その被害範囲を図示したもので, まず, 予測される災害の発生地点 ( どこで, どのような現象が起きるのか ), 被害の到達範囲および被害程度 ( どこまで, どの程度の被害があるのか ), さらには避難経路, 避難場所 ( どこに, どのようにして逃げるのか ) 等の情報が既存の地図上に示されている ハザードマップを利用することで, 災害発生時に住民などは迅速 的確に避難を行うことができ, また二次災害発生予想箇所を避けることができるため, 災害による被害の低減に非常に有効である では, 道路維持管理におけるハザードマップとはいかなるものか, 誰のために, どのような目的で作成するのか 本項では, 最初に, 道路維持管理におけるハザードマップ作成の必要性 ( 目的 ) に着目して整理し, その目的を踏まえた, 使いやすいハザードマップとはどのようなものかについて取りまとめる 道路維持管理のためのハザードマップは, 一般的なハザードマップの目的とは異なり, 道路利用者に危険な箇所を明示して災害による被害を低減させるものではない その目的は維持管理作業を行っている点検者が被害の内容と範囲を予測するために作成するものである すなわち, 点検作業の効率性や精度の向上を目的としている 道路防災点検の手引き ( 豪雨 豪雪等 ): 財団法人道路保全技術センター 17) によると, 平成 8 年度道路防災総点検の前後の災害状況の比較では, 明らかに点検以降の防災対策の推進により, 災害発生件数が減少しているが, 平成 8 年度点検の総合評価で点検対象外や対策不要箇所でも多くの災害が発生していることが示されている また, 同手引には, 平成 18 年度点検における技術的課題として, に示した

48 平成 8 年以降の災害の特徴と問題点や最近の降雨状況の変化を踏まえ, 以下の 5 つの課題を示している 17) 1 管理用地外や平成 8 年度点検対象外からの災害の低減 2 点検の重複を避けるために平成 8 年度点検, 防災カルテ点検等既存点検の成果を活用するなど, 合理的, 効率的な点検の実施 3 上記を実現するために, 既存資料や空中写真, 地形図を活用した点検箇所の絞込みと災害要因の抽出 4 安定度調査の精度向上 5 防災点検データベースの更新 道路維持管理のためのハザードマップは, 上記 5 つの課題と の末尾に示した 5 つの現状の問題点を解決し, 効果的で効率的な点検作業を実施するために有効な資料として作成する必要がある ハザードマップは上記 5 つの課題の 3 上記を実現 するために, 既存資料や空 中写真, 地形図を活用した 点検箇所の絞込みと災害要 因の抽出 で検討した資料 を有効に利用し, 点検時に 必要な情報等の加筆, 状況 写真の添付等を行い, 手軽 に点検に持参できる資料と して取りまとめる また, 日常点検, 定期点 検, 緊急時の点検等, 全て の点検作業に有効な資料を 作成する に, ハザードマップ作成フローを示す 既存資料の収集では, 過去の点検記録が最も重要な資料となる 平成 8 年, 平成 18 年の総点検記録, 日常点検, 定期点検, 災害記録等の資料を収集する 対策施設や詳細調査に関する資料も重要であるが, 古いデータは残っていない可能性が高い その他には, 法規制情報や地質 植生情報等の資料を収集する ベースマップの範囲は, 表層 岩盤崩壊や落石の場合は道路に面する自然斜面の尾根まであれば十分であるが, 地滑りや大規模崩壊の場合は, 背後の地形も必要な場合がある また, 土石流であれば流域全体が含まれている必要がある

49 図面の種類は, 精度が高いほど現地の情報をつかみやすいが, 全ての範囲を平板測量するには膨大な時間と費用を必要とするので, 都市計画図や DM,LP データ等を活用するのが妥当といえる 縮尺は 1/500~1/5000 程度以上の精度が必要といえる マップに記載する内容は, どのような危険因子がどのような状態 ( 危険度 ) にあり, 災害時にどのような被害をもたらすかを把握できる内容であり, 主に以下の項目を含めたものが有効と考えられる 1 踏査結果 ( 滑落崖, 異常堆積, 落石源, 渓流の状況, 地すべり地形等 ) 2 予想される崩壊形態 ( 落石 斜面崩壊, 地すべり, 土石流等 ) 3 保全対象への影響要因 ( 落石 斜面崩壊, 地すべり, 土石流等 ) 4 影響範囲と規模 ( 道路への影響等 ) 5 対策工 ( 種類 規模 目的, 効果等 ) 6 写真 ( 現地状況, 点検のポイント等 ) 地形図および空中写真等から道路に影響する災害要因の判読を行う 判読した結果は地形図等に記入して整理する 地形判読は, ベースマップおよび 1/25,000~1/50,000 程度の地形図を用いる 判読範囲はベースマップの範囲或は道路から 1km 程度が目安である 空中写真判読は, 実体視できるもので, 撮影時期の違うものがあると比較でき変状を捕らえやすい 斜め空中写真やオルソフォト等の活用も有効である 判読の結果は, に示す凡例に従って災害に関して注意を要する地形や地被状況を抽出する 結果の整理は, 地域特性と判読結果を踏まえ, 道路に影響する災害要因が判読された箇所について取りまとめる 地形 空中写真判読結果をベースマップに記入し, ハザードマップ ( 案 ) を作成する その際, 判読結果と共に既存資料を基にした対策工, 法規制情報, 災害履歴等を基にした点検のポイントも取りまとめて記入する にハザードマップ ( 案 ) 作成例を示す また, 作成したハザードマップ ( 案 ) を基に現地概査計画を立案する

50 現地概査は, 荒廃状況や対策施設等, ハザードマップ ( 案 ) の内容を現地で確認し, 必要に応じて修正するために実施する また, ポイントとなる現地の状況や対策施設の写真撮影, 現地の点検箇所, 点検ルートを確認する 現地概査結果を基に, ハザードマップ ( 案 ) を修正 加筆しハザードマップを完成させる ハザードマップは, 点検時に現地に持参して確認することを前提としているため, 出来るだけ連続した図面で, 扱いやすく, 見やすい形に折りたたんで仕上げる のハザードマップ案はベースマップの範囲が不足しているが, 荒廃状況, 対策工, 点検のポイント, 現地写真等を整理したマップとなっている

51 日常点検や定期点検, あるいは本編で提案している法面簡易点検で変状の進行が確認された場合, 詳細調査を実施し, この調査結果を踏まえて対策工の設計, 施工へと進んでいく 詳細調査には, 計測ピンなどの設置による簡便な手法で観測していた点検段階より, より高い精度で変位の進行状況を把握するモニタリング, 対策工設計を行うために必要な地盤特性を把握するための調査がある また, 発生している変状がのり面構造物自体の劣化の可能性もあり, 構造物の性能についての詳細調査が必要な場合もある このように, 詳細調査は以下の 3 つに分類することができる モニタリング地盤特性を把握する調査構造物の劣化を把握する調査 まず, 1モニタリング は, 変状の進行や累積性, 変状の範囲, 降雨や地下水位との関連を調べ, 変状の要因を特定して, 対策の必要性や方針を判断するために実施される また, 変状の急速な進行を把握するとともに, 緊急対応を行う等, 防災的な観点から実施されることもある モニタリングは地すべりではよく実施されているが, 地すべり以外での実施例は少なく, 対策工の実施を前提に 2 地盤特性を把握する調査 のみを行うことも多いようである 今後は, 道路のり面の日常の維持管理において不足している継続的かつ定量的な変状の変化などについてもモニタリングを行い, 対策の必要性の適切な判断に活用することが望ましく, 新たなモニタリング方法の開発も必要と考えられる 2 地盤特性を把握する調査 は, 地層構成や地質構造, 地下水位, 強度, 岩盤や風化の状態をボーリングや原位置調査, 物理探査, 室内試験等で調べるもので, 対策工設計を行うために実施する調査である 3 構造物の劣化を把握する調査 は, 文字通りのり面構造物自体の劣化を把握するための調査で,1と組み合わせて実施することにより, 構造物の変状の原因が, 地盤の変位に起因するものか, 構造物自体の劣化が原因なのかが把握できる 具体的な詳細調査方法について, 次頁のに整理する なお, これら調査方法の選定にあたっては, 対象となるのり面やのり面構造物の状況, これまでの点検結果を踏まえ, 技術的な判断を基に経済的, 効果的に行う必要がある

52 盤特性を把握する調査 ニタリング分類 調査名 把握できる内容ならびに結果の利用 の劣化モ変位状況把握 調査目的対策工の設計 地盤伸縮計土塊の変位量, 変位速度 - 構造物 多層移動量計 ( 縦型伸縮計 ) 地中変位, 変位速度, 変位量 - 地地盤傾斜計地表面の移動方向と量 - 光波測量による移動量測定土塊の変位量, 変位速度, 変位方向 - GPS による移動量測定土塊の変位量, 変位速度, 変位方向 - パイプ歪計地中変位, 変位速度 - 孔内傾斜計 現地踏査 弾性波探査 電気探査 電気検層 速度検層 地中変位, 変位速度, 変位の方向, 変位量 周辺の地形, 地質, 土地利用などの基本的情報弾性波速度, 速度層分布, 地下構造の推定比抵抗値, 比抵抗分布図, 地下構造の推定比抵抗値, 自然電位値, 地下構造の推定 P 波速度,S 波速度, 地下構造の推定, 耐震基盤面の設定 ボーリング ( 標準貫入試験 ) 地質, 地層分布状況,N 値 - - サウンディング 概略の地質, 換算 N 値, 岩盤被覆層の厚さ - - ボアホールテレビ地山状態の直接観察 - - 地下水位観測 地下水検層 多点温度検層 地下水位, 水位と降雨との関係, 水位の季節変動地下水流動層の深さ, 横ボーリングの計画地下水流動層の深さ, 横ボーリングの計画 孔内水平載荷試験変形係数, 杭の設計 - - 室内試験粘着力, 内部摩擦角, 湿潤密度など - - 構造物の劣化を把握する調査打音調査空洞化の有無や範囲 - 熱赤外線調査吹付のり面の背面の土砂化, 空洞化 - コア抜き調査 コンクリートコアの圧縮強度, 背面地山の状況 - 中性化試験コンクリートの健全度 - リフトオフ試験残存引張力, アンカー体の状況 - : 調査目的に対して有効な調査 他の調査結果と併せて総合的に判断することで精度の向上が期待できる : 調査目的に対して有効な調査になる場合がある 他の調査結果と併せて総合的な判断が必要になる調査 -: 調査目的に対する適用が困難な調査

53 に示した変位を把握する調査について, 各調査の概要を以下に述べる 地盤伸縮計は, 地表面の 2 点間距離の経時変化量を求めるもので, 地すべり等の滑落崖や明瞭な亀裂, 段差がある場所に適宜設置する に示すように, 地盤伸縮計は亀裂をはさんで設置し, 設置間隔は 1520m 程度以下とする また, 光ファイバを用いた地盤伸縮計も開発されている に示すように 1 本の光フ ァイバケーブルで複数の変位を計測できるものもあり, 亀裂や移動土塊が不明瞭な場合に有効である 地盤傾斜計は, 地表面の傾斜の経時的変動量を求めるもので, 地すべりや地盤変形のある場所に適宜設置する に示すように, 水管式のものが簡便である 測定は 2 本の傾斜計を N-S,E-W の 2 方向に直交させて行う なお, 設置台は水平になるように設置する

54 に示すように, 調査対象地域に測量杭を設置し, 不動地山に設置した基準点からの距離を光波測量により求め, 各点の移動量を測定する方法で, 長期にわたって観測を行う場合に有効である GPS( 全地球航空測位システム ) による移動量の測定は, 観測点間の見通しを必要としない, 長距離計測や夜間での測量が可能, 気 象条件に左右されない等の利点があり, 不動点の確保が難しい大規模な崩壊地や地すべり地で有効である すべり面の深さやすべり運動など地中水平変位の程度を把握するために用いられる計測機器であり, ひずみゲージを貼り付けた可とう性パイプをボーリング孔に設置し, ひずみの計測を行う ひずみゲージの間隔は 0.5~1.0m とすることが多く, に示すようにゲージの貼り付けが 1 方向と 2 方向の 2 種類がある ひずみ量が増大する深度やひずみの累積性を基に地中の水平変位が発生している深さを決定しようとするもので, 計測頻度は変位の活動状況に応じて設定する パイプ歪計と同様に, すべり面の深さやすべり運動など地中水平変位の程度を把握するために用いられる計測機器である パイプひずみ計と異なり, ひずみ量ではなく地中の水平変位量を把握することができる のようにボーリング孔に溝付きケーシングを設置する そして, この溝に沿って検出用傾斜計を内蔵したプローブを挿入し, 一定深さ毎 (0.5m 程度が多い ) にケーシングの傾斜角を測定して水平変位量を求める に示すように, ボーリング孔内の深度別の固定点から自由に伸縮できるように引き出したワイヤーの地上端の変位を測定するものであり, 地中の大きな変位の測定に有効である

55 に示した地盤特性を把握する調査について, 各調査の概要を以下に述べる 現地踏査は, 地形, 地質, 土質, 湧水, 植生, 土地利用及び地すべり, 崩壊, 土石流等の土砂災害の状況を調査し, 既存資料の収集および空中写真判読による検討結果の確認と亀裂や変状など問題となる箇所の発見及びその問題の大きさを把握するために実施する 更に現地踏査の結果は, 詳細調査の計画立案の基礎資料として活用する 弾性波速度はゆるい堆積物や間隙の多い岩盤中では遅く, また, 地層境界や割れ目等の弾性的境界面等で屈折や反射を生じる したがって弾性波の伝播走時や反射波の分布 形態から表層の厚さ, 断層 破砕帯等の地質構造上の弱層の位置及び規模, 地山の岩石の割れ目の程度等を推定することができる に弾性波探査の測定概略図を示す なお, 弾性波探査をはじめとする物理探査によって得られる情報は, それぞれの探査手法による物理的特性から得られる地下構造を示すものである 物理探査の実施にあたっては, まず探査目的を明確にし, それに対する各物理探査の適用性とその限界を把握して適切な探査方法を選定し, 地表踏査やボーリング調査等の各種情報を組み合わせて総合的な地質解析が必要になる

56 電気探査には多くの手法があるが, 土木分野では比抵抗法がよく用いられる 比抵抗法には, 地盤の深度方向の変化をとらえるための垂直探査と, 水平方向の変化をとらえるための水平探査が従来から用いられている また, 垂直 水平の両方の変化を把握するための二次元解析手法として比抵抗二次元探査法も利用されている 斜面の探査では地形や地質が複雑であるため, 二次元解析の適用 性が高い 地盤の比抵抗は, 粘土分や水分が多いほど一般に低くなるので, 比抵抗法は風化や変質帯, 破砕帯, 崖錐堆積物や崩積土の分布, あるいは地山の含水状態や地下水分布の把握に適する 探査精度や深度は, 設置する電極の間隔や地盤の比抵抗に依存する また, 配筋構造物による被覆や送電線や鉄道等が近接していると精度が低下する に測定の概略図を示す 電気検層は, ボーリング孔壁周辺の電気的性質を測定するものであり, 土木分野では主に比抵抗検層が用いられる 比抵抗検層は地盤の比抵抗をボーリング孔中に降下した電極により測定するもので, 地層の相対的な粒度, 風化や変質, 破砕帯の位置, 含水状態等を把握するのに用いる に概略図を示す 速度検層は, ボーリング孔と地表の間, またはボーリング孔間, あるいは単一のボーリング孔内の 2 箇所において,P 波および S 波の伝播速度を求めるものである に概略図を示す ボーリングは地盤構造と地質 土質の判定, 岩石 土質試験用の試料採取, 標準貫入試験等の各種原位置試験, すべり面の位置の調査のために行う 採取された試料を直接肉眼で観察して, その性状を把握でき

57 る反面, 点の調査であるため, 面的に調査を行うためには多くのボーリングが必要になる このため, ボーリングの位置, 深度, あるいは物理探査など面的な調査との併用等について十分に検討すべきである 未固結層や風化相当の軟質な地質では標準貫入試験を実施する にボーリングマシンの一般図を, に標準貫入試験の一般図を示す サウンディングは土層構成や性状を簡易に調査する方法で, 適用可能な地盤が限られ, ボーリングのように直接コアは観察できないが, 簡易で比較的安価に調査でき, ボーリング孔間を補完する調査法として実施される スウェーデン式サウンディング試験やポータブルコーン貫入試験などがあるが, 斜面の調査には簡易動的コーン貫入試験が用いられることが多い に試験機の例を示す テレビカメラをボーリング孔内に入れて孔壁を観察する手法である 一般に地山の地質状態はボーリングコアの観察で評価できるが, 割目の開口幅や挟在物の詳細等を把握することは難

58 しい ボアホールテレビ等を用いると, 乱される前の地山状態が直接観察できる このため, 斜面安定上重要な弱層やすべり面の方向, 挟在物の性状, 割目の開口状況等が問題になる場合は有効である にボアホールテレビの概要を示す のり面 斜面の安定性は地下水位に大きく影響され, 地下水位変動と降雨との関係などを把握しておくことは重要である 地下水位は年間を通じて降雨 融雪等により変動することが多い そのため, 年間を通じて観測することが望ましい 通常は, 掘削が完了したボーリング孔にストレーナー加工を施したパイプを設置して地下水位観測孔とし, パイプ内に水位センサーを設置して水位観測を行う に地下水位観測孔の設置例を示す 地下水検層は, 地下水の流動層の位置および流動状況を深さ方向に調査するためのもので, 一定濃度の電解物質を溶解させた地下水に, 新たな地下水が流入した場合, この電解質が希釈されるために, 地下水の電気比抵抗値が変化する性質を利用したものである 電解質として食塩を用いる方法が一般的である 調査結果は, 横ボーリングの設置深度の検討などに利用することができる に検層結果の例を示す

59 地下水検層同様に, 地下水の流動層の位置および流動状況を深さ方向に調査するためのもので, トレーサ-に温水を使用し, 新たな地下水が流入した場合, 孔内水の温度が低下する性質を利用したものである 孔内水がない場合でも試験が可能である に検層結果の例を示す ボーリング孔内において孔壁を加圧し, その圧力と孔壁の変位との関係から地盤の変形係数, 降伏圧力及び極限圧力を求めるものである 載荷方式により等分布荷重方式と等分布変位方式に大別される に概念図を示す のり面や斜面を構成する地質の物理的性質や力学的性質を室内試験によって直接把握するものであり, 特に粘着力や内 部摩擦角はのり面の対策工設計において非常に重要なパラメータである これらのパラメータを求めるための室内試験では, 不撹乱でのサンプリングが必要になるため適用が困難な場合もあるが, 可能な限り土質試験を実施し, 直接これらのパラメータを求めて設計を行う必要があると考える 粘着力や内部摩擦角を求めるための土質試験は, 三軸圧縮試験や一面せん断試験で, 設計に用いるパラメータを設定するためには, 土質 地質の不均一性を考慮し, できるだけ多くのデータがあることが望ましい また, これら力学試験の試験条件や拘束圧の設定については, 当該のり面 斜面の状況に応じた試験内容の決定が必要になる

60 に示した構造物の劣化を把握する調査について, 各調査の概要を以下に述べる コンクリート構造物の表面付近のコンクリートの状態を簡易に調べる方法で, コンクリートの表面をハンマーでたたき, 発生した音によって状態を把握する コンクリートが健全な場合は高い音が, はく離や空洞などがある場合は低い音がする 従来は調査担当者個人の聴覚によって判定されてきたが, 近年では, ハンマーの打撃音を音響技術でコンピュータ処理し, 数値化する手法もある 熱赤外線調査とは, 熱赤外線映像法を用いて, コンクリートおよびモルタル吹付法面の老朽化診断を行うもので, 対象物を熱赤外線映像装置で撮影することにより, 表面の微小な温度差から背面の土砂化や空洞化について推定するものである 熱赤外線映像装置は物体の可視像を画像化する通常のカメラと異なり, 物体の温度を面的に画像化することができる に概念図を示す 打音調査や熱赤外線調査により, 土砂化や空洞化が推定される場合, コア抜きによる吹付背後の調査を必要に応じて実施する コア抜きによる吹付背後の調査は, 空洞の深さ 規模を確認するとともに, 地山の風化深さなどの情報を得る目的で実施する また, 採取したコンクリートコアの圧縮試験を行うことで, コンクリートの強度の低下程度を把握することもできる コア抜き調査によって採取されたコアで, 中性化試験を実施することも可能である 中性化試験は, コンクリートの健全性を確認する調査の一つであり, 強アルカリ性であるコンクリートが年月の経過に伴い空気中の二酸化炭素等により炭酸カルシウムに変化し, 中性化していないかを調べる試験である 構造物のコンクリート中に配置された鉄筋はコンクリートの強アルカリ性により保護されているが, 中性化により保護作用が失われると, 発錆, かぶりコンクリートのひび割れ 剥離, 剥落が発生する 施工済みグラウンドアンカーの残存緊張力を測定する試験で, アンカー材料および定着体の健全度を評価する 定着具やテンドン余長にジャッキあるいはリフトオフ専

61 用油圧式ジャッキを設置して載荷する試験で, 定着具が支圧板から離れはじめた (0.1 ~1.0mm) ときの荷重を測定することにより, 現在アンカーに作用している荷重を求め, 残存緊張力を把握する アンカーヘッドに取り付け, 継続的に緊張力の変化を計測する装置も開発されている にリフトオフ試験の例を示す 前節までは, 斜面 のり面の点検 ~ 詳細調査について整理した 維持管理の次の段階は対策工設計で, 本節では変状の発生形態や変状の原因に応じた対策工法を, のり面構造物毎に補修 補強工法選定資料として整理する なお, 本節で整理した補修 補強工法選定資料を, 以降では 本資料 と称する 補修 補強工法を選定する上では, 維持管理全体の模式図を のように考えた 修繕は, 補修 補強ならびに撤去や更新も含めたもので, 本資料ではこのうち補修 補強の工法について整理を行った 維持管理を含めた ライフサイクルコスト の流れは, 特異なケースを除き, 補修 補強 撤去 更新 の順で進むと考える 修繕 は 補修 および 補強 を含む マクロ的には 撤去 や 更新 もこれに相当する 機能面では 経年変化 が生じると当然 劣化度 は大きくなり, これに応じて 耐用年数 は低下する また, 変状 が大きくなるに従い 機能 は低下する

62 本資料は, 道路防災としての斜面安定化に係わる施設の維持管理に適用する 本資料は, 道路防災としての斜面安定化に係わる施設が, その供用期間中にわたって必要な性能を満足することができるように実施する補修 補強対策工法を示すものである のり面における補修 補強工法は, 標準的な工法が示されていないことから, NETIS から活用可能な対策工法を選定し, 本資料をとりまとめた < 解説 > 本資料の対象 既設のり面の点検 調査結果を受けた補修, 補強時の参考資料 対象範囲 のり面構造物の補修, 補強工法 排水構造物の維持, 補修工法 使用方法 のり面構造物の維持 補修 補強工法を選定するための参考資料 本資料は, 道路防災としての斜面安定化に係わる施設の補修 補強工法を体系的にとりまとめたもので, 合理的な維持管理の対策工法の検討に資することを目的とする 本資料を適用し検討を行う際には, 道路防災としての斜面安定化に係わる施設を対象に事前に実施した点検及び詳細調査結果を反映する必要がある 本資料で用いる用語は, 以下の通り定義する : 機能を保持するために行われる保存行為であり, 一般に日常計画的に反覆して行われる手入れ, または軽度な修理 : 日常の手入れでは及ばない程大きくなった損傷部分の補修, 補強および施設の更新 : 変状により性能が低下した部材あるいは構造物の力学性能や耐久性を当初の水準までに回復させる行為 なお, 本資料では, 特に力学性能に着目して補修を行うことを補強と称することもある : 構造物や部材が当初に保有していた水準を超える力学性能を付与する行為 : 構造物や施設を新しく改める行為 : 構造物や施設などを取り払う行為 : 施設の設計に当たって, 当該構造物の要求性能を満足し続けるものとして設定される期間 : 環境作用等を受け, 経年的な構造物, 部材, 材料の機能の低下 : 目的または要求に応じて構造物が果たすべき役割

63 : 構造物の機能を満足するために構造物が保有する性能 一般に, 安全性, 使用性, 復旧性等がある : 施設あるいは構造物に必要とされる性能 : 構造材料として主にコンクリートを用いた構造物の総称 鉄筋コンクリート構造物およびプレストレストコンクリート構造物を含む : 構造物の性能 機能の経時的な低下に抵抗する性能 : 構造物を構成する材料等が有している寿命 : 道路パトロール車等から移動しながら日常的に, 異常の有無を見て回る行為 : 対象範囲において異常の有無をつぶさに検査する行為 : 目的, 対象, 手法を定めて調べる行為 : 構造物に生じる不具合の総称 劣化や損傷が顕在化したもの, 変位 変形なども含まれる : 変状の原因, 変状の発生と顕在化, 変状の結果生じる影響, そして構造物の性能低下へと進行する過程 : 構造物の計画, 設計, 施工, 維持管理, 解体 撤去といった一連の流れにおいて必要とする総費用 本資料では, 既設構造物の維持管理に要する費用を狭義のライフサイクルコストと称する : 構造物または部材の性能の低下の程度 本資料で用いた関連図書, 参考文献を以下に示す 1) 斜面防災研究委員会報告書 : 斜面安定評価における劣化概念の導入,2006.4, ) 斜面安定対策工研究委員会報告書 : 斜面安定対策工の選定, および設計 施工の手引き, ) 国土交通省近畿地方整備局近畿技術事務所 : 道路法面維持管理のためのハンドブック ( 案 ) 4)( 社 ) 日本道路協会 : 道路土工切土工 斜面安定工指針 ( 平成 21 年度版 ), )( 社 ) 日本道路協会 : 道路土工盛土工指針 ( 平成 22 年度版 ), ) 国土交通省 :NETIS( 新技術情報提供システム ) 7)( 社 ) 全国特定法面保護協会 : のり面緑化工の手引き, 維持管理は巡回や点検等により変状を見出すことから始まり, 災害発生の可能性のある箇所の変状を早期に的確に把握し, 豪雨や地震等による災害を未然に防止することが重要である 限られた予算及び期間等の中で, 効率的かつ合理的な補修 補強対策の実施が必要である しかし, 橋梁に関しては補修 補強工法の選定資料が充実しているにもかかわらず, のり面構造物における補修 補強工法の選定資料がほとんど

64 ないのが実状である このため, 対象構造物の変状と原因から対策工法 ( 例 ) を一覧表として整理し, に補修 補強対策工法選定表としてとして示した 補修 補強対策工法選定表は, 工法選定を行う上での目安 ( 参考資料 ) となるよう, のり面構造物をグループ別に分類し, 変状発生形態と主な変状の原因から考えられる補修 補強対策工 ( 例 ) を列記したものである 列記した対策工 ( 例 ) についての詳細な対策内容は, で整理する

65 公共土木施設の維持管理に 関する研究委員会報告書 のり面の崩壊 小崩壊 はらみ 亀裂 地山の劣化進行 緩み 植生工 P 洗掘 ガリー浸食 湧水 表面水表層すべりの兆候 発生 植生工柵工 P R ネット張工植生工 Q P ネット張工 Q 凍上 凍結 植生工 P 再施工 O 薬剤散布 - 植生工病虫害の発生剥落による裸地化, 植生の枯死追播 - 再施工 O 土壌不良 植生の不生育 追播 - 再施工 O 散水 - 乾燥 追播 - 再施工 O ガリー浸食の例 動物による食害ネット張工 Q パイピング 湧水排水不良排水処理工 G のり枠工 C 地山の劣化進行 緩み 断面修復 E 本体の損傷 接続部不良 表層すべりの兆候 発生 クラック補修 J 再施工 O 沈下 再施工 O ゴミ 土砂の堆積清掃 - 排水工通水阻害伐採 - 排水孔の目詰り植生繁茂再施工 O 清掃 - 排水路周辺の洗堀 顕著な跳水 漏水 断面修復 E クラック補修 J 再施工 O 吹付工 地山の劣化進行による空洞の発生空洞充填 A 地山補強土工 B 表層すべりの兆候 発生のり枠工 C 地山補強工 B 押さえ盛土 K 亀裂 開口亀裂 目地部の変状集水井 F 地すべりの兆候 発生シャフト工 ( 深礎工 ) L 杭工 H 横ボーリング工 I アンカー工 D 乾燥収縮 枠自体の劣化クラック補修 J 再施工 O 湧水等による地山の劣化進行 流出排水処理工 G かご工 M のり枠工 C 剥離 小片落下表層すべりの兆候 発生地山補強土工 B ( モルタル コンクリート吹付の落再施工 O 張工 下 ) 凍上 凍結のり枠工 C 断面修復 E 地山補強土工 B 中性化 鉄筋の腐食等断面修復 E 再施工 O 空洞充填 A 吹付工地山の劣化進行による空洞の発生地山補強土工 B 張工排水処理工 G のり枠工基礎の沈下 ずり落ち 空洞化空洞充填 A 裏込め 背面地山の流出の沈下 流出 洗掘締固め N 地山補強土工 B 再施工 O 緩み 背面の空洞化 空洞充填 A 締固め N 地山補強土工 B 押さえ盛土 K 法枠工かご工 M 背面土圧や水圧の上昇集水井シャフト工 ( 深礎工 ) F L はらみ杭工 H 横ボーリング工 I アンカー工 D のり枠工 C 地すべりの兆候 発生 地山補強土工 B アンカー工 D 枠内土砂の流出 空洞化 表流水 ( 湧水 ) による洗掘 排水処理工 G 横ボーリング工 I 再施工 O 土圧 枠の持ち上がり地山補強土工 B 凍上 凍結凍結のり枠工 C 地山補強土工 B のり枠工 C

66 公共土木施設の維持管理に関する研究委員会報告書 空洞充填 A 擁壁工 ( 石積 ブロック積 ) 地山補強土工 B 緩み ( 石積 ブロック積 ) 裏込材の沈下 流出締固め N 法面保護工の背面再施工 O がすべり, 崩落がアンカー工 D あり, 保護工の表面にひび割れ, 剥集水井 F 離, はらみだし等杭工 H があり, 本線上な背面地山の土圧 ( 地すべり ) どの通行車両に対排水ボーリング工 I して, 影響を与え亀裂 目地部の変状 はらみ 押さえ盛土 K ることが想定され折損深礎工 L る場合 地山補強土工 B 表層すべりの兆候 発生法枠工 C 擁壁工 ( コンクリート擁壁 ) クラック補修 J 乾燥収縮 擁壁自体の劣化再施工 O コンクリート擁壁に擁壁工ひび割れ, 剥離, 目空洞充填 A 地の異常等があり 地山補強土工 B 本線上などの通行車裏込め または背面地山の沈下 流出落石対策工排水処理工 G 両に対して, 影響を与えることが想定さ締固め N 基礎の沈下 ずり落ち 変状れる場合 排水処理工 G 土砂の洗掘再施工 O 杭工 H 支持地盤の変状再施工 O 落石対策工地山補強土工 B 凍上 凍結断面修復 E 剥離 小片落下 鉄筋の露出 腐食再施工 O 断面修復 E 中性化 鉄筋の腐食等再施工 O 支柱の曲がり ロープやネットの緩落石による損傷 変形再施工 O み 破断 鋼材の損傷 腐食 ロックボルト工 アンカー工 杭工 ロックボルト工 杭工 補強材の引抜け 地山の局部的な崩壊 アンカー工 アンカー材の飛び出し ポケット部に土砂や転石が堆積 頭部保護キャップ 受圧板 のり枠 杭頭部等抑止構造物頭部の変形や亀裂 アンカー材等抑止構造物の飛び出し 地山の抜け落ち のり肩 のり面背後地の亀裂 堆積土砂等の除去不足 表層すべりの兆候 発生 ( 設計よりも大きなすべりを含む ) 地すべりの兆候 発生 ( 設計よりも大きなすべりを含む ) ( 既設の抑止工が一部分機能しなくなったことによる 1 本あたりの負担抑止力が増加した場合を含む ) 湧水等による地山の劣化進行 間隙水圧の上昇 材料の劣化 落石等の外力による損傷 アンカー材の腐食 応力の増大 地山の劣化 表流水による洗掘 地すべりの兆候 発生 ( 設計よりも大きなすべりを含む ) ( 既設の抑止工が一部分機能しなくなったことによる 1 本あたりの負担抑止力が増加した場合を含む ) 湧水等による地山の劣化進行 間隙水圧の上昇 堆積土砂の排除 植生工地山補強土工のり枠工地山補強土工のり枠工アンカー工杭工シャフト工 ( 深礎工 ) 押さえ盛土集水井横ボーリング工排水処理工クラック補修再施工地山補強工のり枠工アンカー工杭工シャフト工 ( 深礎工 ) 押さえ盛土再施工空洞充填締固め地山補強土工のり枠工地山補強工のり枠工アンカー工杭工シャフト工 ( 深礎工 ) 押さえ盛土集水井横ボーリング工排水処理工 - P B C B C D H L K F I G J O B C D H L K O A N B C B C D H L K F I G

67 補修 補強工法辞典は, 補修 補強工法として該当すると考えられる対策工法を NETIS( 新技術情報提供システム ) により調査し, 対策工法別に整理したものである 対策工法の概要は に示すとおりで, 次頁以降に工法の一覧表ならびに各工法の概要, 選定のポイント, 概念図, 実績の有無などを補修 補強工法辞典として整理した 整理 No. A B C D E F G H I J K L M N 対策工法分類 空洞充填 地山補強土工 法枠工 アンカー工 断面修復 集水井 排水処理工 杭工 横ボーリング工 クラック補修 押さえ盛土 シャフト工 ( 深礎工 ) かご工 締固め 工法概要 吹付工等に発生するクラック 亀裂や地山との間に発生する空洞 空隙などの変状部周辺にグラウト材等を注入充填して補修する工法 比較的小規模な崩壊防止, 急勾配のり面の補強対策等に用いられ, 地山に補強材を挿入することにより, のり面や斜面全体の安定度を高める工法 緑化基礎工など簡易なものもあるが, 主にある程度の土圧に抵抗して岩盤剥離や表層崩壊を防止する 斜面に格子状の枠工を造成し, 斜面の面的な安定をはかる工法 比較的深い崩壊防止, 亀裂性の岩盤崩落防止等に用いられ, 地上の受圧構造物と地盤を引張り材を介して抑止力を付加することにより, のり面や斜面全体の安定度を高める工法 中性化, 塩化物イオンなどの劣化因子を含むかぶりコンクリートを撤去した場合や劣化にる断面欠損時に用いる設計断面を修復する工法 深層地下水の影響が大きい地すべり性の大規模崩壊に対して, 地下水を排除する目的で設置される 地下水による斜面の不安定化を抑制する工法 のり面への表流水の流下防止, 速やかな導水を勘案した排水溝を設置し, のり面劣化の主要因である降雨による流水 浸透を防止する工法 地すべり性の崩壊に対し, すべり面を切って鉛直に挿入した杭によりすべりを抑止する工法 浅層地下水が影響する崩壊に対して, 地下水を排除する目的で設置される 地下水による斜面の不安定化を抑制する工法 コンクリートのひびわれ部分に, エポキシ樹脂材, ポリマーセメントなどの補修材料を注入又は充填し, ひびわれ部への水分や塩化物などの浸入を防止する工法 地すべり末端部に滑動力に抵抗させる目的で, 盛土を行い地すべりの一時的な安定をはかる工法 杭工の適用が困難な大規模地すべり性の崩壊に対し, すべり面を切って鉛直に築造した鉄筋コンクリート構造のシャフトによりすべりを抑止する工法 土とのなじみが良くのり面の土留用としても用いられる のり尻の湧水を伴う小崩壊部, 表流水や水衝部の 及び凍上を防止する目的で設置される工法 ランマーなど動的な締固め機械を使用して土構造物自身の空隙を少なくし密実にする工法 O 再施工既設の対策工や構造物を撤去し, 新たな対策工を設置する P Q 植生工 ネット張工 環境 景観対策上必要な場合にも採用されるが, のり面に植生を成立させて風化やを防止する工法 のり表面の表流水, 凍上等によるはく落防止及び基盤の保持を図る工法 R 柵工崩壊土砂の部分固定や表流水勢の緩和を図る工法

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69 A- 1 A: 空洞充填擁壁工クラック 欠損注入充填工法 KT A 有 A- 2 A: 空洞充填モルタル吹付工剥離 空隙老朽モルタル補修補強工法 QS A 有 B- 1 B: 地山補強土工杭背面地山杭周辺の地盤 構造物の変状ラディッシュアンカー工法 KK A 有 B- 2 B: 地山補強土工擁壁工クラック 沈下 EP ルートパイル工法 KT 有 B- 3 B: 地山補強土工切土のり面構造物強度不足パワーネット工法 KT A 有 B- 4 B: 地山補強土工切土のり面構造物強度不足クモの巣ネット工法 KT V 有 B- 5 B: 地山補強土工既設ブロック積など擁壁の変状ミニアンカー工法 KT V 有 B- 6 B: 地山補強土工擁壁 切土のり面老朽化した石積 フ ロック積の変状 PAN WALL( パンウォール ) 工法 CB A 有 B- 7 B: 地山補強土工擁壁 切土のり面老朽化した擁壁 吹付のり面の変状グリーンパネル工法 CG V 有 C- 1 C: 法枠工法面表層崩壊ソイルクリート工法 CB V 有 D- 1 D: アンカー工 D- 2 D: アンカー工 D- 3 D: アンカー工 D- 4 D: アンカー工 D- 5 D: アンカー工 D- 6 D: アンカー工 D- 7 D: アンカー工 D- 8 D: アンカー工 D- 9 D: アンカー工 D- 10 D: アンカー工 崩壊 地すべり 既設構造物の安定 EHD 永久アンカー KT V 有 モルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁や橋台等の耐震補強 地すべり 急傾斜地崩壊対策 SEEE 永久グラウンドアンカー工法タイブルアンカー U 型 KT V 有 擁壁や橋台等の耐震補強 KTB 引張型 SC アンカー工法 KT V 有 地すべり 急傾斜地崩壊対策 荷重分散式支圧型グラウンドアンカー CG V 有 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 NM グラウンドアンカー工法 CG A 有 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 SSL 永久アンカー工法 HR A 有 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 RSI グラウンドアンカー工法 KT A 有 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強地すべり 急傾斜地崩壊対策 スーパー MC アンカー ( スパイラル補強圧縮型永久アンカー ) KT A 有 擁壁補強荷重分散型 KTB 永久アンカー工法 KT A 有 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 港湾岸壁 SEEE 永久グラウンドアンカー工法タイブルアンカー A 型 KT A 有

70 D- 11 D: アンカー工 モルタル吹付け のり枠 擁壁などモルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 KTB 応力拘束型 Cms アンカ - 工法 TH A 有 D- 12 D: アンカー工軟弱地盤 Balloon Body Anchor QS A 有 D- 13 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け 崩壊 地すべり 既設構造物の安定のり枠 擁壁など KTB スーパーフレームアンカー工法 KT V 有 D- 14 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け 崩壊 地すべり 既設構造物の安定のり枠 擁壁など SEEE/KIT 受圧板 QS V 有 D- 15 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け のり枠地すべり のり面保護 PUC 受圧板工法 KT V 有 D- 16 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け のり枠 擁壁など地すべり 急傾斜地崩壊対策 GET 受圧板工法 CG V 有 D- 17 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け のり枠 擁壁など地すべり 急傾斜地崩壊対策 ES 工法 KT V D- 18 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け 地すべり 急傾斜地崩壊対策 のり枠 擁壁など擁壁補強フィットフレーム工法 KT V 有 D- 19 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け 地すべり 急傾斜地崩壊対策 のり枠 擁壁など擁壁補強 D&S アンカー工法 KT A 有 D- 20 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け 地すべり 急傾斜地崩壊対策 のり枠 擁壁など擁壁補強 PC フレーム工法 KT A 有 D- 21 D: アンカー工 ( 受圧板 ) モルタル吹付け のり枠 擁壁など地すべり 急傾斜地崩壊対策 TFC 受圧体工法 QS A 有 E- 1 E: 断面修復擁壁工擁壁の変状無溶剤タイプジェル状シラン系表面含浸材 KT V 有 E- 2 E: 断面修復コンクリート構造物コンクリート構造物の損傷 IPH システム内圧充填接合補強工法 CG A 有 E- 3 E: 断面修復コンクリート構造物コンクリート構造物の劣化ノールナノコン工法 HK A 有 E- 4 E: 断面修復コンクリート構造物コンクリート構造物の劣化 ASR リチウム工法 KK A 有 H- 1 H: 杭工杭背面地山杭周辺の地盤 構造物の変状マイクロパイルネイリング工法 CB A 有 H- 2 H: 杭工杭背面地山杭周辺の地盤 構造物の変状 ST マイクロパイル工法タイプ Ⅰ HR V 有 H- 3 H: 杭工杭背面地山杭周辺の地盤 構造物の変状ジャイロプレス工法 KT A 有 I- 1 I: 排水ボーリング工 擁壁 のり枠 切土のり面 擁壁 法枠 切土のり面の変状恒久排水補強パイプ KT A 有 I- 2 I: 排水ボーリング工集水工地すべり恒久集水ボーリング保孔管 ( サビレス ) KK V 有

71 I- 3 I: 排水ボーリング工集水工地すべり ST 集排水工法 HR V 有 I- 4 I: 排水ボーリング工集水工地すべり MT パイプによる水抜きボーリング工法 SK V 有 J- 1 J: クラック補修コンクリート構造物コンクリート構造物のクラック HP グラウト工法 TH A 有 J- 2 J: クラック補修コンクリート構造物亀裂 ひび割れノズル型圧力調整注入工法 TH A 有 J- 3 J: クラック補修コンクリート構造物ひび割れ 剥離土木用ネットバリヤー工法 (C2) TH A 有 J- 4 J: クラック補修コンクリート構造物ひび割れ 剥離アドバンテージ工法 KK A 有 J- 5 J: クラック補修コンクリート構造物注入工珪酸塩系含浸コンクリート保護材 KT V 有 J- 6 J: クラック補修コンクリート構造物繊維補強工二方向アラミドシート補修 補強工法 KT V 有 J- 7 J: クラック補修コンクリート構造物注入工ビックス工法 QS V 有 P- 1 P: 植生工のり面浸食浸食防止シート工 QS V 有 P- 2 P: 植生工のり面表層崩壊ローヒ ンク ウォール工法 QS V 有 P- 3 P: 植生工のり面表層崩壊多機能フィルター CG V 有 P- 4 P: 植生工のり面表層崩壊ボンテラ TH V 有 P- 5 P: 植生工のり面表層崩壊自生種回復緑化工法 CG V 有 P- 6 P: 植生工のり面表層崩壊環境復元緑化工法 ( リサイクル吹付 ) HK A 有 P- 7 P: 植生工のり面表層崩壊タフグリーン工法 KT A 有種子吹付工 厚層基 P- 8 P: 植生工材吹付工など植物生育不足 裸地化ジオファイバー工法 KT V 有種子吹付工 厚層基 P- 9 P: 植生工材吹付工など植物生育不足 裸地化 EMN 厚層基材吹付工 QS V 有種子吹付工 厚層基 P- 10 P: 植生工材吹付工など植物生育不足 裸地化バイオ プラスターチ種子吹付工 HK A 有 P- 11 P: 植生工のり面植生の枯れアニマルガード工法 CB A 有

72 M- 1 M: かご工のり面表層崩壊 擁壁変状 KS パッケージ KT V 有 吹 - 1 その他 ( 吹付工 ) のり面表層崩壊ユニラップ工法 KT V 有 吹 - 2 その他 ( 吹付工 ) モルタル コンクリート吹付工ひび割れ 剥離ジャストショット工法 KK A 有 吹 - 3 その他 ( 吹付工 ) モルタル コンクリート吹付工剥離 空隙法面モルタル補強用ビニロン繊維 CG V 有 吹 - 4 その他 ( 吹付工 ) モルタル コンクリート吹付工ひび割れ 剥離 ReSP 工法 KT V 有 吹 - 5 その他 ( 吹付工 ) モルタル コンクリート吹付工ひび割れ 剥離ニューレスプ工法 QS A 有 吹 - 6 その他 ( 吹付工 ) モルタル コンクリート吹付工ひび割れ 剥離繊維グリッドのり面補強工 HR A 有 落 - 1 その他 ( 落石防止網設置工 ) 落石防護網落石防護網の補修 修復 RC ネット工法 HR A 有 落 - 2 その他 ( 落石防止網設置工 ) 擁壁工落石防護網の補修 修復ネットワン HR A 有 落 - 3 その他 ( 落石防護柵設置工 ) 擁壁工擁壁の変状 QK ウォール CB A 有 他 - 1 その他 ( 地盤改良工 ) 擁壁工クラック 沈下浸透性耐久グラウト材 グランドエース CB A 有 他 - 2 その他 ( 水路工 ) コンクリート構造物コンクリート構造物のクラック FE 工法 QS A 有擁壁 他 - 3 その他 ( 埋設型枠工 ) 老朽化した擁壁 吹付のり面の変状吹付のり面などデコメッシュ KT V 有他 - 4 その他 ( フ レキャスト擁壁工 ) 擁壁 ブロック積擁壁の変状親杭パネル壁工法 CB A 有 他 - 5 その他 ( コンクリート擁壁工 ) 擁壁 ブロック積擁壁の変状セーフティウォール工法 (ASW 工法 ) CB A 有

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74 整理 = A-01 工法名 : パフェグラウト工法 or 補修 クラック, 欠損 落石防護柵工 擁壁工 地山補強工 有 空洞 空隙 クラック, 亀裂などの変状部周辺にコアドリルで削孔して注入孔を設置し, 注入孔から可塑状グラウトを注入して空洞を充填する工法 充填材に可塑性グラウト材を用いる 充填材は可塑性を備えていることから, 空洞 空隙を効率的に充填でき, 範囲外に流れず, 自立性を有し, 水に溶け出さない水中不分離性を有する ブリージングがほとんどなく, 限定注入が可能である 変状が局部的であり, 本体構造物自体 ( コンクリート ) に大きな劣化や健全性の低下が認められない場合に有効 構造物に発生したクラックや亀裂にグラウトを注入し充填する 河川構造物, 護岸など, 背面の間隙充填やトンネル背面の空隙への充填, 岩盤の開口亀裂の充填などに実績がある 水中不分離機能を有し, 河川水への影響が少なく, 定置プラントからの長距離圧送も可能である (2000m 超の長距離圧送も可能 ) KT A

75 整理 = A-02 工法名 : 老朽モルタル補修補強工法 吹付工 1 技術概要 劣化した既設のり面構造物 ( 吹付モルタルなど ) に対し, 増し吹付 ( 増厚工 ) や注入工によって機能回復 機能向上を行う技術である 事前の調査結果をふまえ, 構造物の要撤去箇所の絞り込みを行うことにより建設廃材発生を大幅に低減すること, 及び, 注入用の特殊アンカーによって構造物背面の空隙や風化により脆弱化した地盤へのグラウト注入による地盤健全度の向上が主な特徴である 2 新規性 ( 従来技術の改善点 ) 本工法は対象のり面構造物 ( 吹付モルタル ) に対して, 構造物そのものの補修のみにとどまらず, 背面地盤状況の調査も実施することによって, 斜面全体の健全性を向上させる 3 期待される効果 既設構造物の剥ぎ取り箇所の絞り込みによって, 従来大量に発生していた建設廃材 ( コンクリート殻 ) を大幅に削減 既設構造物と地盤との空隙部を充填する際に用いる特殊アンカーは, ロックボルト ( 鉄筋挿入工 ) の機能も有しており, 風化した背面地盤の補強効果も期待できる 1 適用可能な範囲 撤去の必要がある対象物の割合が 50% 未満であること のり面勾配 1:0.3 程度まで 地盤のゆるみ領域が 0.2~0.5m 程度の浅層であること プラントヤードから施工箇所までの材料圧送距離が次の範囲であること : エア圧送方式の場合 : 直高 45m 以内ホース延長 100m 以内, エア併用ポンプ圧送方式 ( ユニラップ工法 ) の場合 : 直高 150m 以内水平距離換算距離 660m 以内, 長繊維混入補強土工法 ( ロービングウォール工法 ) の場合 : 直高 100m 以内ホース長 160m 以内 2 特に効果の高い適用範囲 供用中の道路斜面など構造物の剥ぎ取りの際制約が大きい箇所 建設廃材処理の際, 運搬距離など制約が大きい箇所 3 適用できない範囲 湧水が豊富な箇所 QS A or 補修, 補修 剥離, 空隙 のり面構造物 ( モルタル吹付工 ) 増し吹付, 注入 有

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77 整理 = B-01 工法名 : ラディッシュアンカー工法 or 補強 杭周辺の地盤 構造物の変状 杭工 杭背面地山 地山補強工 有 従来の地山補強土工法 ( 鉄筋補強土 ) の削孔径が 4~ 9cm 程度であるのに対して, 深層混合処理工法の攪拌混合技術を応用して補強材径を 30~50cm へ大径化し, 地盤との摩擦抵抗を効率よく得ることを目的として開発された工法 従来の鉄筋補強土に比べてその長さを短くすることができ, かつ本数を少なくすることが出来るという特徴があり, 地山補強土擁壁, 仮土留め, 斜面強化等の用途で使用される 従来の工法 ( 鉄筋補強土工法 ) に比べ補強材径が大きく,1 本あたりの地盤との付着力が大きいため, 補強材長を短くすることができ, また同時に本数も少なくすることが出来る 改良体の長さが短く, 築造本数も少なく, かつ引張芯材を 1 工程で挿入する等施工手順も簡便であるため, 工期を短縮することが出来る 補強材打設時に掘削土を排土せず, 土とセメントミルクを原位置で攪拌混合するため, 地盤を緩めたり, 応力を与えることがなく, 道路や路線を供用した状態での施工が可能 KK A

78 整理 = B-02 工法名 :EP ルートパイル工法 or 補修, 補強 クラック, 沈下 落石防護柵工 擁壁工 補強土工 有 EP ルートパイル工法は, 土に補強材としてパイル ( 小口径場所打ち杭 ) を網目状に打設することにより, 土の変形を抑制する工法である 補強材はモルタルと異形鉄筋 鋼管および FRP などで構成され, この補強材と土の摩擦抵抗を利用し地山や構造物の基礎を補強するものです またパイルの頭部はキャッピングビーム (RC 構造 ) で連結され, パイルを打設した地山, 構造物の基礎は一体構造として挙動するものとされている 既存の擁壁等構造物に腹付け工を行い, その部分を頭部構造として一体化をはかり, 基礎支持力や躯体の安定化を図る工法である モルタルの EP 効果とパイルの網状配置効果を併用することにより, 斜面補強 耐震補強 構造物の基礎補強で実績がある 小型掘削機械での作業が可能なため高所や急峻な斜面でも施工が可能である 切土のり面補強から土木構造物の基礎補強まで幅広く適用できる KT

79 整理 = B-03 工法名 : パワーネット工法 or 補修, 補強 強度不足 切土のり面工 切土のり面構造物 補修, 補強 有 (1) 素線強度 1,770N/mm2 を誇る高強度ネットと, ネイル ( 異形棒鋼 ) を組み合わせた柔構造の斜面安定工法であり, 切土や自然斜面の補強や, 既設対策工の補修として利用できる (2) 不安定な斜面表層などに用い, 全体を高強度ネットで覆い, ネイルで固定する構造である (3) 高強度ネットには, 強度と屈撓性 ( くっとうせい ), ワイヤ構造の異なる TECCO( テコ ) ネットと,SPIDER S4( スパイダー S4) ネットの二種類がある (4) 二種類の高強度ネットを斜面表層の地質や凹凸などの状況に応じて適切に選択し, 多様な斜面に対応することができる (5) 高強度ネットを介して初期導入力を与えるなど, 高強度ネットの力学的特性を, 斜面安定機能へ十分に生かした設計である (1) すべり面の深さが概ね 3m 程度までの崩壊が予測される斜面 斜面に平均的な一様すべりが想定されるとき (2) 必要抑止力は従来技術と同程度の 300kN/m 以内 斜面に平均的な一様すべりが想定されるとき ( ただし, スパイクプレート P33/40S および P33/40R を用いる場合 ) (3) 斜面勾配は明確な制限を設けないが, 次のとおり TECCO ネットの適用は, 斜面勾配 1:0.3 以下が望ましい SPIDER S4 ネットの適用は, 斜面勾配概ね垂直まで (4) 落石発生源の作用力が, ネットの防護能力から限定される規模の落石予防工 KT A

80 整理 = B-04 工法名 : クモの巣ネット工法 or 補修, 補強 強度不足 切土のり面工 切土のり面構造物 補修, 補強 有 防食加工された高強度ネットとクモ用プレ - トならびに補強材により表層崩壊を抑制するのり面保護工法である コンクリートを使用せずのり面を安定させるため, のり面全体の安定については補強土工で抵抗し, 補強材間のすり抜けには高強度ネットで抵抗するものとした 以下の対策工に有効である 1. 表層崩壊防止の法面工事 切土斜面 樹木の繁茂していない自然斜面 崩壊後の斜面安定対策工 2. 劣化したモルタル吹付工, 吹付枠工の保護工事 1 適用可能な範囲 崩壊深表層崩壊厚さ 2m 程度以内 崩壊長さ L=30m 程度 地質 土質条件適用地盤が土砂 ( 砂礫, 砂質土等 ), 軟岩 ( 風化岩, 土丹 ), 硬岩 ( 亀裂性岩盤 ) であること のり面として存在する土質で補強材の効果が期待できない軟弱な土質以外は適用できる (N 値 10~50 程度 ) 2 適用できない範囲 補強材が施工できない軟弱な地盤 ( 補強材の定着地盤 が N 値 30 程度の地盤を目安にしている ) 伐採できない樹木が密集している斜面 粘性土については周面摩擦抵抗値 (0.8 粘着力 (N/mm2)) が確保できない場合 KT V

81 整理 = B-05 工法名 : ミニアンカー工法 or 補強 ブロックのはらみ出しなど 擁壁工 ブロック積擁壁 地山補強工 有 既設ブロック積み擁壁などの補修 耐震補強などを目的に, 既設ブロック積み擁壁などに対し, 地山補強土工法としてミニアンカーを打設することで, 既設ブロック積み擁壁などの安定を図る工法である ミニアンカーは地山挿入後に先端部を拡大できる構造をもった補強材で, 先端拡大の効果により, 補強材長を短くまたは, ピッチをとばすことが可能となる 地山補強土工法の適用範囲 ( 高さ 3~10m 程度の切土斜面, 既設ブロック積 ) 適用するのり面前面に 3m 程度の空間があること ミニアンカーの外をとおる大きな円弧すべりには効果は期待できない KT V

82 整理 = B-06 工法名 :PAN WALL( パンウォール ) 工法 or 補強 老朽化した石積 ブロックの変状 擁壁工 擁壁, 切土のり面 地山補強工 有 プレキャストコンクリートパネルと補強材を使用した安全かつ段階的な (1 段の切り下がり高さ 1.2m)" 逆巻き施工 " によって急勾配斜面を築造する工法 既設ブロックの前面にプレキャストコンクリート板を設置し補強するため, のり面上部の既設構造物を残したまま, 安全に施工することが可能 老朽化した石積 ブロック積, 擁壁, 河川水路の補強 プレキャストコンクリートパネルの使用による省力化と環境負荷の低減 意匠デザインの多様化による景観性の向上 CB A

83 整理 = B-07 工法名 : グリーンパネル工法 or 補強 老朽化した石積 吹付のり面のの変状 擁壁工 擁壁, 切土のり面 地山補強工 有 切土補強土工法ののり面に FRP 製格子状パネルをのり面工として使用し, のり面全体の安定を図り, 全面緑化を可能とした工法 コンクリート壁面補強用に格子内にモルタルを充填したタイプあり 軽量なため, 人力施工が可能で, 施工性が向上 腐食の心配が無く錆等で壁面が汚れることが無く, ライトグレーの製品色はコンクリート壁面に馴染み景観性が良好 CG V

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85 整理 = C-01 工法名 : ソイルクリート工法 or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 簡易のり枠 有 緑化基礎工となる簡易的な吹付のり枠により小区画化することにより生育基盤の安定を図り, 確実に目標とする植生導入を可能とする小規模の表層崩壊防止機能を保持したのり面保護工である 簡易的な組立枠を使用するため地山のならし作業はほとんど必要とせず, 地山の凹凸に沿った施工が可能である 複雑な型枠を用いないため材料費削減および施工性が改善されることによりコスト縮減を図る 地質は土砂から中硬岩までに適用できる 標準のり面勾配 1:0.6 より緩勾配のり面に適用する それより急勾配のり面には, 勾配緩和網を使用するサーフクリートを適用する 最大のり長は, 標準直高 45m 以下であるが, セパレートショット工 ( 長距離 高揚程吹付システム ) を適用することにより, 直高 220m まで施工可能である 起伏のある凹凸の激しい形状ののり面 原則として安定勾配で自立している斜面および造成されたのり面に施工する CB V

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87 整理 = D-01 工法名 :EHD 永久アンカー アンカー工 1 技術概要 PC 鋼より線に耐食性が強いエポキシ樹脂を被覆し, グラウトとの付着力向上の目的で表面に細粒けい砂を埋め込んだ永久アンカー シースの接合部にあたる境界部を堅牢に構成して, 長期安定した水密性, 耐久性を発揮できる構造 2 従来技術の改善点 1. エポキシ鋼線 (FLO-BOND) を部分アンボンド化 2. 水密性が向上 ( 水深 100m で使用可能 ) 3. 緊張時にシャッター板を使用 ( 緊張作業時間が短縮 50% 向上 ) 1 適用可能な範囲 土質条件 : 硬岩, 軟岩, 礫質土, シルト, 粘性土, 有機質土 2 特に効果の高い適用範囲 高い水密性を有している為水没するような被圧のかかる現場 ( ダムのり面, 河川の補強, 橋台補強工事等 ) 3 適用できない現場 水温が 80 以上の温泉が湧き出る地域や 60 を超える温度が継続して発生する現場 KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 崩壊 地すべり既設構造物の安定 有 テンドン構造図 鋼線断面図 シャッター版を用いた緊張作業 施工事例

88 整理 = D-02 工法名 :SEEE 永久グラウンドアンカー工法タイブルアンカー U 型 アンカー工 1 技術概要材料の細径化により工事費の縮減を実現したナット定着方式圧縮型永久グラウンドアンカー工法 2 従来技術の改善点 材料強度と防食方法の再検討により細径化を図り, 経済性を向上させた 頭部定着具の改良, 耐荷体形状を改良した アンカー材料の細径化により削孔径が小さくてすみ, 工事費を縮減できる 頭部定着具 ( マンション ) を改良してねじ部はどこでも切断可能とすることにより, 施工時の出代調整を容易とした ( タイブルアンカー M 型 ) 耐荷体長を改良して長尺の耐荷体とすることができるようになり, 脆弱な定着地盤において有効なアンカー工法となる ( タイブルアンカー M 型 ) 1 適用可能な範囲 アンカー設計荷重 kN/ 本まで対応できる 組み合わせる反力体の形式は問わない 2 特に効果の高い適用範囲 アンカーの維持管理が必要な場合 耐震補強アンカー 二重防食が必要な場合 第三紀の堆積岩等スレーキング等が生じやすい定着地盤に適用する場合 ( タイブルアンカー M 型 ) 3 適用できない範囲 特になし KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁や橋台等の耐震補強 アンカー 有 テンドン構造図 鋼線断面図 施工事例

89 整理 = D-03 工法名 :KTB 引張型 SC アンカー工法 アンカー工 1 技術概要 全素線エポキシ樹脂塗装 PC 鋼より線 をテンドンに使用することによって, 防錆性能を飛躍的に高めた引張型グラウンドアンカー工法 2 従来工法の改善点 テンドンに全素線エポキシ樹脂塗装の PC 鋼より線を使用することにより, 防錆性能を飛躍的に向上させた テンドンの組立加工が工場でも現場でも容易にでき, 地盤条件に合わせ調整ができる シンプルな構造のため, 施工が容易 構造 部品の簡素化を図り, コスト縮減を図った 1 適用可能な範囲がけ崩れ, のり面および地すべり対策工としてのグラウンドアンカー掘削時の山留め工法としてのグラウンドアンカー橋脚 橋台の負反力抑制としてのグラウンドアンカー建築構造物の転倒防止, 浮き上がり防止, 引抜き抵抗用グラウンドアンカー地下水の浮力による構造物の浮き上がり防止用グラウンドアンカー 2 特に効果の高い適用範囲地下水等の腐食条件が厳しいアンカー 3 適用できない範囲温泉地や火山地帯等高温, 強酸性地盤などグラウトおよびアンカーを構成する部材の劣化が懸念される厳しい腐食環境においては, 地温や化学的性質, アンカーの特性を踏まえた上で十分に検討する KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁や橋台等の耐震補強 アンカー 有 テンドン構造図 施工事例

90 整理 = D-04 工法名 : 荷重分散式支圧型グラウンドアンカー アンカー工 1 技術概要 地上の構造物を引張材を介して, 地下の安定した岩盤に固定する技術 2 従来技術の改善点 従来型アンカーは, アンカー体の適正な荷重分散ができないため, 荷重作用点位置からアンカー体の剥離が進行しやすい恐れがある あるいは, 主にアンカー体グラウトと定着地盤の付着により引抜き耐力が得られるため, 定着地盤のキレツの発達状況等に影響を受けやすいという欠点がある くさび型アンカーの新規性は定着部拘束具をスライダーと呼ぶ可動式のくさびとしたことにある すなわち, くさび型アンカーはアンカー体全体に荷重分散が可能であり, 定着地盤に負荷する応力を低減し, 耐久性を高めることができる また, 定着地盤にほぼ直交する方向にくさび力が作用し, 主に定着地盤の支圧強度により支持されるため, 従来型アンカーより安定した引抜耐力が得られやすい 1 適用可能な範囲 永久および仮設アンカーに適用できる 定着地盤の強度は qu 1Mpa とする (N 値の目安として,N 値 40) 2 特に効果の高い適用範囲 定着地盤の強度が 1Mpa qu 3Mpa で経済性を発揮できる 3 適用できない範囲 従来と同様 CG V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 アンカー 有 テンドン構造 施工状況

91 整理 = D-05 工法名 :NM グラウンドアンカー工法 アンカー工 1 技術概要 のり面, 斜面安定対策, 地すべり対策, 橋脚の安定, アンカー式擁壁の安定, 石積擁壁の補強, トンネルの補強, 防災および景観の保全等の対策工に適用し, 高耐久性を有する新素材を使用しているため, 温泉地や海岸地でのアンカー工への適用を拡大した また, 本アンカー材と軽量受圧板が軽いことより, 山岳地や狭隘な市街地でのアンカー施工を容易にした 2 従来工法の改善点 引張り材に炭素繊維より線, アンカー頭部にステンレス製グリップと定着用膨張材, 受圧板にはガラス長繊維強化発泡ウレタンの合成木材を積層タイプとした軽量受圧板を使用 全ての部材が錆びない材料で構成されており, 耐久性に優れ, メンテナンスフリーを実現したこと アンカー材, 軽量受圧板とも工場加工品であるため品質向上が図れること ネジ式定着のため, 再緊張 緩和が容易であること 従来施工不可能であった温泉地や海岸地でのアンカー施工を可能とした ヘリコプター搬送が必要な山岳地や狭隘な市街地でのアンカー施工を容易とした 1 適用可能な範囲 許容引張荷重は,575KN までが上限 2 特に効果の高い適用範囲 ph4 以下の強酸性土壌 長さ 30m を超える長大アンカー 温泉地などの強酸性土壌, 塩害の海岸地, 山岳地, 狭隘な市街地 3 適用できない範囲 特になし CG A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー 有 テンドン構造図 施工状況

92 整理 = D-06 工法名 :SSL 永久アンカー工法 アンカー工 1 技術概要さまざまな地盤に応じたカン合 ( はまり合い ) 機構 " 拡孔支圧型アンカー体 " を形成することにより, 従来の周面摩擦型アンカーの弱点であるアンカー体と定着地盤との進行性の劣化を克服した永久アンカー工法である 2 従来技術の改善点 支持機構について, アンカー体手前側の区間をグラウトで閉塞することで支圧抵抗が大幅に増大する SSL-P M 型の注入方法をホース注入からシース注入に変更することで注入時間の短縮を図り, グラウト材は高品質が保てるようにした SSL-P 型はパッカー内注入を確実にするためにアンカー体を改良し,SSL 永久アンカー工法の一部の部材の統一を図った SSL-M 型はスライダーヘッドに固定台座を一体化させ, 価格の低減を図った SSL-P 型は削孔径の小径化 (φ146 φ135) を図った P 型においては, アンカー体造成部の構造をスパイラル筋から補強鋼管に変更したことで軸力が増し, 適用範囲が極軟弱層まで可能になった M 型では,PC 鋼より線の固定方法の改良により, 価格の低減化が図れ, コスト縮減が可能になった 1 適用可能な範囲軟岩, 砂質土, シルト, 粘性土 2 特に効果の高い適用範囲新第 3 紀層泥岩, 凝灰岩等の地質において,τa が小さい場合に適用 軟岩 (M 型 ), 粘性土 (P 型 ) 3 適用できない範囲特に, 河岸段丘または, レキ混り土, 拡孔作業時に孔内崩壊が発生する地質 定着部の拡孔ができない場合 HR A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー 有 工法イメージ テンドン構造図 P 型 テンドン構造図 M 型 テンドン構造図 CE 型

93 整理 = D-07 工法名 :RSI グラウンドアンカー工法 アンカー工 or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー 有 1 技術概要 アンカー体設置地盤として問題のある地盤に対してもグラウンドアンカーを施工できる技術 2 従来技術の改善点 アンカーテンドンの外周に二重防食カプセルとして特殊な注入パイプ ( インジェクションパイプ ) を組み合わせた 特殊な注入パイプを使用してセメントペーストを所定の位置に繰り返し加圧注入 ( 二重管ダブルパッカー注入 ) する その結果, 確実なアンカー体の形成および地山の周面摩擦抵抗が増加することによるアンカー体長の短縮が可能となった 従来のアンカー工ではアンカー体を設置不可能な箇所でも施工できる アンカー体周辺地盤を強化できる 広範な地盤にアンカー体を設置することを可能とし, 通常型アンカーに比べアンカー体長を 30~70% 短縮できる 通常のアンカーではアンカー体設置地盤が深い場合であっても, 本工法ではアンカー体設置地盤を問わないので浅い地盤にアンカー体を設置できる それにともないアンカー自由長も短縮することができる 1 適用可能な範囲設計アンカー力 :1100kN 程度まで適用可能削孔径 :90mm,115mm,135mm,145mm 土質条件 : 粘性土, 砂質土, 礫質土, 玉石混じり土, 軟岩, 硬岩 2 特に効果の高い適用範囲従来の永久アンカーではアンカー体設置地盤として問題がある緩い砂質土や粘性土分の多い地盤, 粘土化した強風化岩, 亀裂の多い岩盤等に利用できる 3 適用できない範囲温泉地などに代表される高温, 強酸性地盤などグラウトおよびアンカーを構成する部材の劣化が懸念される特殊な地盤においては, 地温や化学的性質などを把握した上で十分に検討する テンドン構造図 KT A 繰り返し注入によって拡大したアンカー体

94 整理 = D-08 工法名 : スーパー MC アンカー ( スパイラル補強圧縮型永久アンカー ) アンカー工 1 技術概要複数の耐荷体を使用し耐荷体上部にスパイラル補強筋を取り付けることで, アンカー体設置地盤に応力を分散させ耐荷体上部のグラウトのせん断破壊を防ぐ事が出来るグラウンドアンカー技術 2 従来技術の改善点 1. スパイラル補強筋によって耐荷体上部グラウトのせん断破壊を防止する 2. 応力が分散されるため, より安定した支持力が得られる 3. 加工が容易なため, アンカー体設置地盤の状況に応じた長さに迅速に対応可能 4. より小さな削孔径で施工ができるため, 約 14% のコストダウンが可能 5. PC 鋼より線の許容応力に低減の必要がない 6. 任意の鋼線本数が設定できるので, 経済的である Mpa までの水密性が確認されており, ダムの湛水地内等での適用が可能 1 適用可能な範囲 土質条件 : 硬岩, 軟岩, 礫質土, 砂質土 2 特に効果の高い適用範囲 ダムののり面や護岸補強工事などの湛水面下, 浮力防止アンカーなどの被圧水のかかる現場 緊急性の高い現場やアンカー体設置地盤の不陸が大きいと予想される現場 3 適用できない範囲 火山温泉地等の強酸性 (ph4 以下 ) 地盤 KT A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー 有 テンドン構造図

95 整理 = D-09 工法名 : 荷重分散型 KTB 永久アンカー工法 アンカー工 1 技術概要 耐荷体に U ターン型に曲げ加工した圧縮型のアンカーを数個組み合わせ, 荷重を分散させる永久アンカー工法である 2 従来技術の改善点 地盤に伝わる応力を分散させることにより, 一極に大きな荷重を集中させない 安全性 : 応力が一極に集中せず, 分散させるためグラウトに有害なひび割れ 圧壊等がない 経済性 : 構造がシンプルのため材料費が安価になる 施工性 : テンドン加工は工場 現場でも高品質ででき, 現場でのアンカー長の変更等にも容易に対応できる また, テンドンは軽量で可とう性があり, 挿入作業は容易であるなど施工性に優れている 定着方式はネジ ナット方式であるため, 再緊張は容易である 1 適用可能な範囲 がけ崩れ, のり面および地すべり対策工としてのグラウンドアンカー 掘削時の山留め工法としてのグラウンドアンカー 橋脚, 橋台の負反力抑制としてのグラウンドアンカー 塔状建築物の転倒防止としてのグラウンドアンカー 地下水の浮力による構造物の浮き上がり防止としてのグラウンドアンカー 2 特に効果の高い適応範囲 周面摩擦抵抗値 (τ) が小さい定着層でアンカー体長が長くなるアンカー 3 適用できない範囲設計荷重が 1,483kN/ 本以上のグランドアンカー KT A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー 有 テンドン構造図

96 整理 = D-10 工法名 :SEEE 永久グラウンドアンカー工法タイブルアンカー A 型 アンカー工 or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 港湾岸壁 アンカー 有 1 技術概要高耐久のナット定着方式圧縮型永久グラウンドアンカー工法 2 従来技術の改善点 従来技術は定着長部の PC 鋼より線は簡易防食となっていたが, 本技術では引張材の PC 鋼より線は全長にわたって完全二重防食構造として防食性能を向上させた 従来工法は現場での煩雑な組立て加工が必要であったが, 本技術は工場製品とすることにより現場作業を省力化することができた 1 適用可能な範囲 アンカー設計荷重 Td=2086.2kN/ 本まで対応できる 組み合わせる反力体の形式は問わない 2 特に効果の高い適用範囲 アンカーの維持管理が必要な場合 耐震補強アンカー 河川, 沿岸, ダム湛水面下など腐食環境が厳しい場所 3 適用できない範囲 特になし KT A テンドン構造図

97 整理 = D-11 工法名 :KTB 応力拘束型 Cms アンカ - 工法 アンカー工 1 技術概要周辺地盤やグラウトに小さく平均化した応力を伝達して, 従来型の応力が一局に集中するのを防ぎ, アンカ - 体地盤が良好であれば, 従来型アンカ - よりアンカ - 体長を短くすることができる 削孔径 90mm と 115mm の場合, 従来工法より設計アンカ - 力を大きくできる 2 従来技術の改善点 1. アンカ - 体長を短縮 ; アンカ - 体設置地盤が良好な場合はアンカ - 体長を短くすることができる 2. 経済性 ; 削孔径 90mm および 115mm において, 設計アンカ - 力を従来型より大きくできる 3. 施工が簡単 ; テンドン構造がシンプルで長さも 1.8m と短いため, 施工現場においてテンドン挿入作業が容易 4. 維持管理が容易 ; アンカ - 頭部の定着にくさび ナット併用の KTB 定着工法を用い, 防食処理を完全に施すため, 施工後長時間を経過しても再緊張等の維持管理が容易 5. 卓越した防食性 ; 引張り材にエポキシ全塗装 SC ストランドおよび SC アンボンドを用いているため, 高腐食環境下においてもアンカ - 体の優れた防食性, 耐久性を保持できる のり面勾配 : 1:0.2~1.5 のり面長 : 最大 100m TH A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー 有 拘束体 従来型アンカ - と Cms アンカ - の応力伝達状況の比較

98 整理 = D-12 工法名 :Balloon Body Anchor アンカー工 1 技術概要 1. 埋立て 軟弱地盤を対象とした球根状のアンカー体を有する仮設及び永久アンカー工法である 2 従来技術の改善点 1. アンカー体長が 1.8m 程度の球根状のため, 耐力が十分に確保できるので, 摩擦型アンカーよりアンカー体長が短くて済む 2. アンカー体長が短くて済む分, 狭い敷地内にアンカーを収めることが可能である 3. 鋼製チューブを用いることにより直接打撃でき, かつ注入作業が容易であるので, 施工速度に優れ, 工期の大幅な短縮が可能である 4. グラウトは, 袋状の BB 本体及び注入用鋼管に限定されるので, 廃棄グラウトが従来より少なくて済む 1 適用可能な範囲 N 値 <15 の粘性土及び N 値 <30 の砂質土を対象地盤とする仮設山留め工事, 擁壁補強および護岸耐震補強工事等 ただし, オールケーシングでアンカー全長を先行削孔することにより,N 値 50 程度の砂質土地盤に適用可能である 2 特に効果の高い適用範囲掘削深さが 10m 未満の N 値 10 程度の砂質土系埋立て 軟弱地盤で, 敷地境界までの距離が 10m 程度の仮設山留め工事の仮設アンカー 3 適用できない範囲岩盤に定着するような仮設山留め工事, 擁壁補強および護岸耐震補強工事等 QS A or 補強 軟弱地盤 モルタル吹付け のり枠 擁壁など アンカー 有 テンドン構造図 適用例

99 整理 = D-13 工法名 :KTB スーパーフレームアンカー工法 アンカー工 1 技術概要 素材をコンクリートから, 鋼製にした コンクリート 1 色から, 多彩な色調になった 2 従来技術の改善点 受圧板の軽量化 ( コンクリート 2 次製品に比較し 1/5~ 1/6) 施工性の向上 ( 軽量化により ) 表面処理の自在性による自然と調和した景観, 植生を考慮した形状 ( 色調の選択により ) 1 適用可能な範囲 長大切土のり面の安定 保護 道路改良切土のり面の安定 保護 石積み 擁壁の補強 地すべりのり面の安定 保護 既設構造物ののり面安定 保護 2 特に効果の高い適用範囲 地山切り取り時にすぐにアンカー力を導入できる現場 ( 逆巻施工 ) 高地で作業する現場 ( 軽量のため ) 3 適用できない範囲 オーバーハングのり面等, 受圧板設置面が平らに整形できない場所 KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 崩壊 地すべり既設構造物の安定 アンカー ( 受圧板 ) 有 受圧板 構造図 施工事例

100 整理 = D-14 工法名 :SEEE/KIT 受圧板 アンカー工 1 技術概要斜面安定 地すべり抑止に用いられるグラウンドアンカー用の反力体である 角形鋼管を井形に組み合わせ底面に鋼板を張り合わせた構造であり, 受圧面積がやや小さく比較的硬質な地盤に対応する KIT クロスタイプと, 受圧面積が大きく軟質地盤に対応する KIT セミスクエアタイプの 2 種類がある 2 従来技術の改善点 1) 中空の角型鋼管を使用するとともに, 補強リブを採用することなどにより,185~1189kg/ 基と軽量である 2) アンカーの間隔 荷重 地耐力に応じて 30 種類のタイプから選定できること, または, 現場に合わせて任意の形状とすることができる ( のり枠の枠内に設置できる形状など ) ので, 経済的で効果的な斜面安定工法を提供できる 3) 反力体高さを低く抑えた ( 全面緑化に近い緑化が可能 ) 1 適用可能な範囲 1) 標準形では, 設計荷重 Td=1000kN 以下, 受圧板大きさ 1.9m,2.4m,2.9m, 受圧面積 a=1.41m2~5.53m2 となるが, 現場条件に合わせた受圧面積や荷重に対応する異形品も製作可能である 2) 全てのアンカー工法との組み合わせが可能である 2 特に効果の高い適用範囲特にのり面勾配 1:1.0 より緩勾配ののり面に植生工とともに適用される場合は, 実績から判断して, 全面緑化に近い緑化が可能となる 3 適用できない範囲グラウンドアンカー工が適用できるところは全て適用可能である QS V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 崩壊 地すべり既設構造物の安定 アンカー ( 受圧板 ) 有 受圧板 施工事例

101 整理 = D-15 工法名 :PUC 受圧板工法 アンカー工 1 技術概要従来技術のプレキャスト受圧板と比較して軽量化できたのでのり面等への据付が向上したため経済性 (11%) 向上, 又裏込め工としてざぶとん裏込め工を採用することで工程 (50%) 短縮できた 2 従来技術の改善点 1. アンカー頭部が納まる受圧板のくぼみ部分に新しく開発したテーパーコーン構造を採用し, 厚みを薄く出来る PC 構造のプレキャスト受圧板となった 2. アンカー頭部が受圧板本体から突出を抑えた構造で, 落石等からアンカー頭部の被害を軽減することが期待できる 3. 受圧板の材料として普通コンクリートを使用したプレストレストコンクリート構造とし,RC 構造より軽量化が図られた 4. 新しく開発したざぶとん裏込工法を採用することで, 受圧板が地山の凹凸に対し確実に密着し, より一層受圧板の安定化を実現 1 適用可能な範囲グラウンドアンカー設計荷重が 1030kN 以下の荷重で, 地盤地耐力が ( 設計荷重 / 受圧板面積 =1030/8.11=NPS タイプ )127kN/ m2以上の地盤に適用可能 2 特に効果の高い適用範囲グラウンドアンカー設計荷重が 1030kN 以下の荷重で, 地盤地耐力が 1030/8.11=127(NPS タイプ )~1030/1.74=768kN/ m2 (NPC タイプ ) の地盤に適する 3 適用できない範囲 1. グラウンドアンカー設計荷重が 1030kN 以上の荷重の場合 2. 地耐力が 127kN/ m2以下の場合 3. 原則的には, 受圧板の構造的からアンカーと受圧板との傾角 ( 振り角 ) が 10 以上の場合 ( 上記標準品以外の条件の場合は, 個別にオプション製作 ) KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 地すべり のり面保護 アンカー ( 受圧板 ) 有 受圧板 施工事例

102 整理 = D-16 工法名 :GET 受圧板工法 アンカー工 1 技術概要従来技術のプレキャスト受圧板と比較して, 受圧板の単価は高くなるがリブ構造とすることが出来重量が軽くなり, のり面等への据付工が向上したため, 経済性 (1%) 向上, 又裏込め工としてざぶとん裏込め工を採用することで工程 (68%) 短縮できた 2 従来技術の改善点 1. 受圧板の材料としてリサイクル可能な特殊鋳鉄を採用したことにより, 高さを低く抑えることができ軽量化が計れた 2. アンカーの振り角度 ( アンカーと受圧板とのなす角度で直角の場合を 0 度とする ) は, 標準装備のコーン座金を使用することにより,15 まで自由に調整可能 3.GET 受圧板の高さが低いため, 緑化工を併用することで容易に目立たない 4. 新しく開発したざぶとん裏込工法を採用することで, 受圧板が地山の凹凸に対し確実に密着し, 受圧板に均等な反力が働き, 点支持にならず一層受圧板の安定化を実現 1 適用可能な範囲グラウンドアンカー設計荷重が 950kN 以下の荷重で, 地盤地耐力が ( 設計荷重 / 受圧板面積 =220/2.34=950P-170 タイプ )94kN/ m2以上の地盤に適用可能 地山の凹凸を不陸整形により 5cm 以下の凹凸にすることが可能な斜面に適用できる 2 特に効果の高い適用範囲グラウンドアンカー設計荷重が 950kN 以下の荷重で, 地盤地耐力が 220/2.34=94(220S-300 タイプ )~950/2.28=416(950P-170 タイプ )kn/ m2の地盤に適する 3 適用できない範囲 1. グラウンドアンカー設計荷重が 950kN 以上の荷重の場合 2. 地耐力が 94kN/ m2以下の場合 3. 原則的には, アンカーと受圧板との傾角 ( 振り角 ) が 15 以上の場合 ( 上記標準品以外の条件の場合は, 個別にオプション製作 ) KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 アンカー ( 受圧板 ) 有 受圧板 施工事例

103 整理 = D-17 工法名 :ES 工法 アンカー工 1 技術概要 グラウンドアンカーの反力をのり面下の地中地盤にとる工法で切土のり面を全面緑化することができる 2 従来技術の改良点 グラウンドアンカーの反力をとる工法は, のり面地盤の地耐力に見合った大きさのプレキャストコンクリート板等である 1 適用可能な範囲 グラウンドアンカーを使用したのり面の滑りを抑止する工事に適用する 適用できる土質の種類は, 硬岩, 軟岩, 礫質土, 砂質土 適用できるのり面勾配は, 緑化が可能な 1:0.5~1:1.5 勾配の範囲とし, グラウンドアンカーを施工するのり面に適用する 狭隘な施工箇所 工事用道路が設置しがたい施工箇所 景観に配慮が必要な箇所 2 特に効果の高い適用範囲 国立公園, 国定公園等の景観を重要視する地区において, グラウンドアンカーを使用してのり面の滑りを抑止する場合には, 施工箇所を全面緑化できるので高い適応性ある 3 適用できない範囲 表層崩壊のり面や崩落土砂に対しては適用できない しかし, 大規模崩壊や地すべり性崩壊などで, 崩壊土砂を撤去した後にグラウンドアンカーで滑りを抑止する場合においては適用できる グラウト杭が適さない土質シルト, 粘性土 KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など アンカー ( 受圧板 ) 地すべり 急傾斜地崩壊対策 受圧板

104 整理 = D-18 工法名 : フィットフレーム工法 アンカー工 1 技術概要グラウンドアンカーや鉄筋挿入工の受圧板として使用する現場打コンクリート枠工 2 従来工法の改善点 型枠の背面にフィットシート取り付けることで, 高流動コンクリート打設時にシートが膨らみ凹凸に追従し密着するので, 凹凸処理工の必要がなくなり, 凹凸のあるのり面での施工性 経済性が向上する 型枠システムは工場で一貫して製作されるので, 現場での作業が省力化され工期短縮が図れる 型枠システム全体が軽量であるため (25~490kg/ 基 ), 容易に運搬でき, 高所等での施工性が向上する 高流動コンクリートを打設することで, 耐久性のある構造体を築造できる 1 適用可能な範囲最大のり面勾配 :1:0.01( 直壁でも施工可能 ) 最大のり面長 :100m 土質条件 : 硬岩, 軟岩, レキ質土, 砂質土, シルト, 粘性土 2 特に効果の高い適用範囲 フィットフレームを設置する地山の凹凸が 10~15cm 既設の構造物の補強 逆巻きでの施工 高所での作業 3 適用できない範囲グラウンドアンカーの場合 設計アンカー力が 1,200KN 以上の荷重 アンカーとフィットフレームとの傾角 ( 振り角 ) が 20 度以上 必要受圧面積が 5.285m2/ 基以上鉄筋挿入工の場合 設計補強材力が 150KN 以上の荷重 補強材とフィットフレームとの傾角 ( 振り角 ) が生じる 必要受圧面積が 0.63m2/ 基以上 KT V or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー ( 受圧板 ) 有 受圧板 施工状況

105 整理 = D-19 工法名 :D&S アンカー工法 アンカー工 1 技術概要 のり面工に用いるプレキャスト受圧板工法 2 従来技術の改善点 荷重維持効果を有する D&S アンカー工法用受圧板 (DS タイプ ) を用いることで, 地山のクリープ, 地震, 寒冷地における凍上等の地盤の変位抑制に優れた効果を発揮できる 円形形状であるため, 受圧板中央部から地山全体に均等にアンカー力が伝達され, また景観性に優れる プレキャスト部材として SRC 構造を採用したことにより, 高い設計アンカー力にも対応でき, 更に部材厚の薄型化を図った 裏込め工に不陸調整マットを標準的に用いることであらゆる斜面に適用でき, 受圧板の安定化, 施工品質向上及び施工工程の 15% の向上が図れた 専用の自在吊り具を使用することにより, 地山勾配に応じ受圧板を設置可能である 皿ばね機構により緊張力が保持されるためにメンテナンスが容易となり, 維持管理に対する費用が 10% 削減が図れる or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー ( 受圧板 ) 有 1 適用可能な範囲 グラウンドアンカーの設計アンカー力が 300kN~1,000kN までの範囲 2 特に効果の高い適用範囲 軟岩, 土丹, 土砂等のクリープ変形を生じやすい地質 地震時の振動によるグラウンドアンカーの損傷が懸念される地域 寒冷地での凍上が想定される地域 3 適用できない範囲 設計アンカー力が 1,000kN を超える荷重 アンカーと D&S 円形受圧板との傾角 ( 振り角 ) が 15 を超える場合 ( 別途検討が必要 ) 受圧板の設置地盤の不陸が 200 mmを超える場合 ( 別途検討が必要 ) KT A 施工事例

106 整理 = D-20 工法名 :PC フレーム工法 アンカー工 1 技術概要のり面, 急傾斜地, 地すべり地, 擁壁等に, グラウンドアンカーを用いて, プレキャスト受圧板で押さえ込んで, 斜面の安定を図る技術である 2 従来技術の改善点斜面の上部から地山をアンカーで押さえてくる逆打施工が可能である プレストレストコンクリート製ののり枠であるため, 部材の軽量化, 高強度化が図れている 部材の取付作業が簡易で, 重機による施工で, 工期が大幅に短縮される 1. 受圧板のアンカー頭部に, 補強用鋼製函体を用いてアンカー頭部を内蔵できる構造としている ( 特許工法 ) アンカー頭部が受圧板から突出していない 2. プレストレストコンクリート製の受圧板は, 必要に応じてのり枠の計上が自由に選定できる ( クロス, スクエア, セミスクエア, 円形, 星型等 ) 3. アンカー打設角度の変化に対応できる 4. 従来工法に比べ, 美観, 耐久性に優れている 1 適用可能な範囲地山, 切土のり面, 地すべり地, 急傾斜地, 石積みブロック積み及びコンクリート擁壁の補強 グラウンドアンカー設計荷重 1000 kn 以下で接地耐力が 100kN/ m2以上を目安としている 2 特に効果の高い適用範囲切土のり面, 地すべりのり面, 崩落斜面, 急傾斜地対策, ダムのり面 3 適用できない範囲オーバーハングのり面, 玉石等により受圧板接地面の整型が困難な斜面 KT A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 擁壁補強 アンカー ( 受圧板 ) 有 施工事例

107 整理 = D-21 工法名 :TFC 受圧体工法 アンカー工 1 技術概要小型の鋼製受圧板とアンカー引張力を分散させる受圧体で構成される 受圧体 とは小型の鋼製受圧板に作用するアンカー引張力を設置地盤に分散伝達させる機能を受け持つ 布製型枠 + コンクリート モルタル 構造物のことを指し, TFC とは受圧体の主要部材である TextileFrame( 布製型枠 ) および Concrete( コンクリート ) の略称である 2 従来技術の改善点 構成部材を軽量化することにより受圧板設置のための揚重機械等が搬入困難な場所での施工を可能とした ( 二次製品受圧板との比較 ) 布製型枠を使用することにより, 現地での型枠加工を不要とした フレキシブルな構造である布製型枠の採用により, 充填材打設時には接地面の不陸に追従し密着する 構成部材が少なくそれぞれ軽量であることから, 作業員への負荷は少ない ( 省力化, 施工性の向上 ) クレーン等揚重機械の設置が困難な場所でも施工可能である 1 適用可能な範囲 1) 設計アンカー力 :800kN/ 本以下 2) 有効載荷面積 :0.89m2~4.63m2( 布製型枠は現場条件にあわせて作成 ) 3) 地すべり移動方向に対し直交もしくは 15 度斜め配置 2 特に効果の高い適用範囲 1) クレーン等の揚重機械が設置困難な現場 3 適用できない範囲 1) 設計アンカー力が 800kN/ 本以上の場合 2) 必要載荷面積が 4.63m2 以上の場合 3) 地すべり移動方向に対し 15 度以上斜行させて配置する場合 QS A or 補強 モルタル吹付け のり枠 擁壁など 地すべり 急傾斜地崩壊対策 アンカー ( 受圧板 ) 有 TFC 受圧体の構成部材 施工事例

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109 整理 = E-01 工法名 : 無溶剤タイプジェル状シラン系表面含浸材 or 補修 補強 擁壁の変状 落石防護柵工 擁壁工 劣化防止 抑制 有 コンクリート構造物等の塩害, 凍害, アルカリ骨材反応などによる劣化を防止 抑制する技術 シラン シロキサン系の表面含浸材であり, コンクリート構造物に塗布し, 塩害, 凍害, アルカリ骨材反応などによる劣化を防止 抑制する技術 高濃度 高含浸タイプで推定 15 年の効果持続性が期待できるとされている 1 工程で塗布出来るため従来の表面被覆工法に比べ安価であり, また, 塗布後の外観も変わらないとされている 震災などの影響により微細なクラックを生じたコンクリート構造物に塗布することにより, 水分や塩化物イオンなど劣化因子の浸入を防止することができ, 保護 延命化が可能とされている 今後新設されるコンクリート構造物についても同様に長寿命化を図ることができる 施工が容易でコストも安価であるため, 復旧費用の削減が可能である KT V

110 整理 = E-02 工法名 :IPH システム内圧充填接合補強工法 or 補修 コンクリート構造物の損傷 排水工 コンクリート構造物 断面修復 有 地震被害等を受けたコンクリート構造物の復旧や, 既設構造物のひび割れ補修 断面補修方法として使用されている, 自動式低圧樹脂注入工法である 注入部を穿孔し, コンクリート内部から超低粘度の樹脂を低圧で注入することで, コンクリート内部への高精度な充填が可能な技術であり, すべての既設コンクリートの補修 補強に適用できる 地震によって被災した構造物の補修 施工時の不具合 ( ジャンカ コールドジョイント ) の発生したコンクリートの補修 CG A

111 整理 = E-03 工法名 : コンクリート改質 防水 ノールナノコン工法 or 補強 コンクリート構造物の劣化 排水工 コンクリート構造物 改質補強 有 ナノコンシーラとナノコンスーパの 2 種類の含浸材の重ね塗りによりコンクリート内部の改質遮水性と表面の撥水性を高めて構造物の耐久性を向上させる工法である コンクリート, モルタル, タイル目地および既存塗膜の上から塗布することによりコンクリートの中性化, 鉄筋の腐食, 塩害, 凍害およびアルカリ骨材反応を抑制し, 長期にわたってコンクリート構造物を保護する コンクリートの表層内部に無機高分子珪酸化合物の緻密な超撥水層を形成し, 主な劣化要因である水や塩化物イオン, 二酸化炭素, 菌類などの劣化促進物質の侵入を防止しコンクリート構造物の耐久性を向上させる 鉄筋コンクリート構造物, コンクリート 2 次製品, の劣化抑制および改質 初期強度発現の若材齢コンクリート構造物の劣化抑制および強化 アルカリ骨材反応や中性化により劣化が進行したコンクリート構造物の改質及び強化 打ち継ぎ面の処理 補修 HK A

112 整理 = E-04 工法名 :ASR リチウム工法 or 補修 コンクリート構造物の劣化 擁壁工 コンクリート構造物 表面保護工 有 本工法は ASR( アルカリ骨材反応 ) により劣化したコンクリートの補修を目的とした, リチウムイオン内部圧入工法で, コンクリート構造物に削孔し, そこから亜硝酸リチウムを主成分とする抑制剤を構造物内部へ加圧注入 ( 内部圧入 ) する コンクリート内部に供給されたリチウムイオンの働きによりアルカリシリカゲルが非膨張化されるため, 以後の ASR の劣化進行を抑制することができる 橋梁上下部工, ボックスカルバートや擁壁の補修工事, その他コンクリート構造物に適用できる 作業日の日平均気温は,5 以上とする 但し冬季対策 ( 冬季用抑制剤, 保温養生等 ) を実施する場合はこの限りでない KK A

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114 整理 = H-01 工法名 : マイクロパイルネイリング工法 or 補強 杭周辺の地盤 構造物の変状 杭工 杭背面地山 地山補強工 有 セメントグラウト材を加圧注入し, 節突起を設け付着性能を向上させた鋼管と合成させる小口径場所打ち杭 (ST マイクロパイルタイプ Ⅰ) で, 小口径鋼管とセメントグラウト材は全面定着方式で一体化させ, さらに, 鋼管内部に補強材 ( 異型棒鋼等 ) を挿入することにより, 小口径杭にもかかわらず大きなせん断抵抗力を得ることができる 小口径鋼管 ( マイクロパイル ) を主としてせん断部材として使用し, 設計手法としては, 一般的に確立している 垂直縫地工法 を準用する 垂直縫地工法は, 異型棒鋼 (D25~D32) を使用し, 主にトンネル坑口部の土被りの浅い軟弱地山や地すべり地帯等の施工条件の悪い箇所で実施されている 地山に密に打設し, 地山と一体化していることが大きな要件として考えられ, 小口径鋼管による大きなせん断抵抗力, マイクロパイル工の特性である地山を緩めずに施工できること, グラウトの加圧注入の施工で地山と一体化が図られる 機動性の良いコンパクトな機械設備で, 低空頭や狭隘な場所でも施工できる 削孔性能に優れ, 複雑な地盤に柔軟に対応し, 斜杭の施工もできる 振動や騒音を最小限に抑えることができる 施工速度が速く, 仮設備を含めたトータルコストの縮減 工期の短縮が可能 CB A

115 整理 = H-02 工法名 :ST マイクロパイル工法タイプ Ⅰ or 補強 杭周辺の地盤 構造物の変状 杭工 杭背面地山 地山補強工 有 橋梁等の桁下空間の制約や近接構造物の影響を受けることなく, 高張力鋼管を用いた機械式ねじ継手の小口径杭 ( 径 100mm~300mm) を打設することにより, 構造物の支持力対策 既設構造物基礎の補強, 斜面の安定対策 地すべり抑止対策などを効率的に行う セメントグラウト材を加圧注入し, 節突起を設け付着性能を向上させた高張力鋼管と合成させる小口径場所打ち杭 小口径高張力鋼管とセメントグラウト材は全面定着方式で一体化させ, 小口径杭にもかかわらず大きな軸方向支持力を得ることが可能 小口径鋼管 ( 径 100mm~300mm) をケーシングとして利用しながら直接打設する, 二重管削孔方式の採用により, 軟弱地盤から砂礫地盤, 玉石 転石混じり層, 岩盤まであらゆる地盤での施工が可能である 斜杭 (10~30 度 ) 大深度 (70m 程度 ) の施工ができ, 小口径杭のため近接構造物への影響が少ない HR V

116 整理 = H-03 工法名 : ジャイロプレス工法 or 補強 杭周辺の地盤 構造物の変状 杭工 杭背面地山 地山補強工 有 先端ビット付き鋼管杭を回転圧入することにより, 岩盤等硬質地盤はもとより転石や既設鉄筋コンクリート構造物などの地中障害物も切削貫通して杭を圧入し, 無振動 無騒音など圧入工法の優位性を損なうことなく適用地盤の範囲を飛躍的に広げた鋼管杭の圧入工法 圧入機ジャイロパイラーが圧入完了した杭に掴まって新たな杭を圧入施工するため転倒の危険もなく, 省スペースでの施工が可能 玉石層や岩盤など硬質地盤, 既設鉄筋コンクリート構造物など地中障害物も貫通して杭を圧入可能 杭の偏芯や変形が抑止され, 信頼性の高い高精度な施工が可能 圧入工法の優位性 ( 無騒音, 無振動等 ) に加え, 排土がほとんどなく環境への影響は最小限に抑えられる 機械が完成した杭を掴んで自走するため転倒の恐れがなく, 作業構台等の仮設が不要 控え杭や前面支持杭など, 傾斜杭の施工が容易 KT A

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118 整理 = I-01 工法名 : 恒久排水補強パイプ (PDR 工法 ) 擁壁工 ストレーナー加工された鋼製の直径約 6cm のパイプを打設することによって, 排水パイプとしての機能に加え, 地山を補強する工法 豪雨時および地震時の間隙水圧上昇を地下水排除により抑えているので, 比較的浅い深度で発生する崩壊防止に大きな効果がある 排水補強パイプは打設のみによって N 値 20 相当程度までは十分施工できる 本工法は, 鋼管を地盤中に打設, 圧入するだけであるため, 非常に低コストな工法である KT A or 補強 擁壁, のり枠, のり面 地下水排除機能付きの補強土工法 擁壁, のり枠, 切土のり面の変状 有

119 整理 =I-02 工法名 : 恒久集水ボーリング保孔管 ( サビレス ) 補強 地すべり 排水ボーリング工 のり面 集水工 有 地すべりや斜面崩壊を防ぐために 地下水を排除する長寿命高耐食メッキ加工した横ボーリング用ストレーナ保孔管である 従来の黒皮 SGP 保孔管と同様の強度を持ち かつ耐食機能を持った恒久的な集水ボーリング保孔管である 長寿命の防錆加工が施されているため さび代が必要なく その分軽量である 継手部もプレスネジを用いることにより鋼管肉厚の減少がなく 剪断に対する性能が高い 鋼管にはスリットストレーナを用い開口率を上げるととともに 防錆特性の一つである端部犠牲防食機能によりメッキの付着していない切削部にも錆が発生しにくくなり 目詰まりがおきにくい 保孔管継ぎ手部分 KK V

120 整理 =I-03 工法名 :ST 集排水工法 補強 地すべり 排水ボーリング工 のり面 集水工 有 地すべり活動の誘因となる地下水を φ300~800mm の大口径の集排水管を敷設することにより 速やかに, かつ大量に排除する技術である 従来工法にない孔曲がりの監視と方向制御が可能なシステムを導入し 計画通りの出来形および工期で完成させることが出来る技術 斜面防災工事 地すべり対策工事 砂防ダムの排水路工 廃棄物処理場の排水工 谷埋盛土の地下水排除工に適用可能である ボーリングマシンによる小口径の回転数掘削から 孔曲がりの監視と修正が可能である 一定以上の施工精度が確保でき 所定の位置に集 排水管が設置できる グラベルパイル工等との組合わせにより 立体的な地下水排除計画に幅広く利用できる 非回転式のため集水管のストレーナ部を確実に上部に設置でき 地山より排除した地下水をほかの箇所に逸水 再供給することがなくなる 集水井連結後の排水状況 大口径の集水管はストレーナ部の孔明率を大きくすることができ 速やかに大量の地下水を排除できる HR V

121 整理 =I-04 工法名 :MT パイプによる水抜きボーリング工法 補強 地すべり 排水ボーリング工 のり面 集水工 有 本技術は 保孔管を二重式排水管にすることによって 水抜きボーリング工 ( 横ボーリング工及び集水井内からの集水ボーリング工 ) の集水効果を向上させ 地すべり対策工のコスト縮減と地すべり対策工の安全性を高めることを目的とする 地すべりや災害復旧工事に用いる地下水排除工に適応可能である 孔壁に湧出する地下水は 2m 毎に設けられたパッカーで堰きとめ 外管のスリットから強制的に取りこむことが可能である 取りこんだ地下水は異径ソケットを介して無孔の内管を流下し 逃さず地表に排水可能である 従来の保孔管のストレーナの形状は 5 mmの円孔であるが MT パイプは 3 mm 70 mmのスリットであるので 開口率が 4.3 倍と大きく 目詰まりが起きにくい ミズトールパイプの排水原理 工場で外管 内管 ソケットを 1 ユニットとして製品化しているので現場における施工は簡単である SK V

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123 整理 = J-01 工法名 :HP グラウト工法 or 補修 コンクリート構造物のクラック 排水工 コンクリート構造物 クラック補修 有 コンクリート構造物のひび割れやジャンカに対して, 亀裂の内部から注入剤 ( コンクリート系から樹脂系 ) を注入することにより, 亀裂を完全に補修すると共に, 亀裂から生じる漏水を完全に止水する工法である 亀裂の内部から万遍なく, 亀裂全体に注入剤を充填することから, 漏水を完全に防止すると共に, 構造物自体の耐久性の維持向上が図られる コンクリート面が漏水により湿潤している箇所 0.05 mm以上の亀裂 壁面 10 cm以上 液剤注入深部が 1m 以下 TH A

124 整理 = J-02 工法名 : ノズル型圧力調整注入工法 or 補修 亀裂 ひび割れ 切土のり面工 コンクリート構造物 クラック補修 有 コンクリート躯体表面を穿孔して設けた注入孔 ( 穿孔径 φ10.5mm~6.5mm) にノズル型注入機を挿入し, コンクリート構造物の内部から注入圧力を調整して補修材 ( コンクリート改質剤やひび割れ注入材 ) を注入する 特に, ひび割れ表面部の目詰まり等が原因で表面から注入できない箇所に有効である 特殊ノズルの先端部に注入孔への脱着が容易にでき, 高圧注入時にも外れずに固定できる機能を持たせた これにより, コンクリート構造物の躯体内部から圧力を調整 ( 低圧 ~ 高圧 ) しながら的確に補修材を注入することが可能となった 土木 建築のコンクリート構造物全般に関して, ひび割れ補修, 漏水止水, 外壁等の浮き補修に適用することができる 複数の補修材を連続して注入することができ,1 度の注入作業でコンクリート改質剤とひび割れ注入材を注入することが可能となった 注入後は注入孔からノズルを引き抜くため, ノズルをコンクリートの躯体内部に埋める必要がなくなった コンクリート内部から圧力を調整して注入することにより, 漏水圧が高い箇所の止水も可能である ノズルの長さを長くすることにより, 躯体が厚い大型コンクリート構造物においても, 躯体内部にコンクリート改質材やひび割れ注入材を的確に注入することができるため, 躯体内部の健全化や補修を行うことができる 注入プラグを使用しないため経済性が改善されており, 補修費を抑えることができる TH A

125 整理 = J-03 工法名 : 土木用ネットバリヤー工法 (C2) or 補修 ひび割れ, 剥離 擁壁工 コンクリート構造物 新素材繊維接着工 有 劣化コンクリートに繊維シートをポリマーセメントモルタルで貼り付ける 落防止工法 ポリマーセメントモルタルの改良と, 繊維シートにひび割れ防止用のポリプロピレン不織布を一体化したことで, ひび割れを防止する コンクリート構造物の中小規模の 防止工法として, 橋梁 高架橋 擁壁などの補修に最適である 湿度が高く結露するおそれのある場合や表面が湿潤状態でも施工可能 人体に有害な有機溶剤を用いないので, 作業環境が改善される TH A

126 整理 = J-04 工法名 : アドバンテージ工法 or 補修 ひび割れ, 剥離 擁壁工 コンクリート構造物 表面保護工 有 経年等により劣化したコンクリート構造物を補修する為の, アドバンテージの特性 ( 高付着強度, 高圧縮強度, 高ひずみ度 ) を生かした表面被覆工法である 本技術は母材に断面修復が必要な劣化状況の場合は, 断面修復の後に行う表面被覆工法である アドバンテージは, 従来の生コンやセメントと同様の無機の材料で, アドバンテージは付着強度 3.76N/mm2, 圧縮強度 59.6N/mm2, 曲げ強度 7.03N/cm2 等の特性を有する 吹きつけ工法であるが特別のプラントを必要とせず, 小型機械のみで施工できる 大型プラントを必要としないため, その用地などが不要である 騒音が少なく, 交通規制を考慮する必要が少ない 施工箇所が湿潤状態程度であれば施工可能である 原則として仮設を必要としない KK A

127 整理 = 補修 ひび割れ クラック 工法名 : 珪酸塩系含浸コンクリート保護材 擁壁工 擁壁 注入工 有 本技術は 新設コンクリート及び既存コンクリートの表面に塗布し 含浸させることによりコンクリート中の有害孔を無害孔とし 劣化因子の進入を防ぎコンクリートの耐久性を向上させる技術である 河川 海岸工事 砂防工事 共同溝工事 ダム工事 トンネル工事 橋梁上下部工事 推進函体工事 上下水道工事 建築工事等の全てのコンクリート部分に適用可能である コンクリートの中性化を防ぐことが可能である 塩害 凍結融解及びアルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化を防止出来る 耐候性及び経済性に優れている 浸透性が高い 含浸してコンクリート中の有害孔を無害孔にする機能とした 粒子の比表面積を大きくし 劣化因子を吸着する機能が高い 2 期待される効果は?( 新技術活用のメリットは?) コンクリート構造物の防水性及び耐久性を高める事が可能である KT V 施工手順

128 整理 = 補強 クラック工法名 : 無溶剤タイプジェル状シラン系表面含浸材 クラック補修 コンクリート構造物 繊維補強工 有 本工法は 繰り返し荷重によりひび割れ等の損傷が発生している既設構造物に対して 二方向アラミド繊維シートを貼付けて補修 補強を行うことにより 既設構造物の耐力の向上と疲労による劣化を抑制し 構造物寿命の延命を目的とする 炭素繊維シートによる補強工法が主筋方向と配力筋方向の 2 回に貼付作業を行うのに対し 本工法は 補強用の高目付のシートでもあらかじめ二方向に織って製造されるため 貼付作業を二分の一に省力化することができる 繊維がしなやかで 5mm 以下の段差には不陸修正工を省略できるため 施工工程を 2 工程短縮できる (6 工程 4 工程 ) とともに 約 20% のコスト縮減を達成出来る 貼付手間を従来工法の二分の一に縮減することができ さらに 5mm 以下の段差では不陸修正工 ( パテ工 ) を省略できる 炭素繊維は硬質であるため 構造物表面の不陸に対して追随し難く パテ等で 1mm 以下にする必要がある 土木研究所における輪荷重走行試験結果 炭素繊維シートは単糸を並べて織るため 含浸性が悪い KT V

129 整理 = クラック工法名 : ビックス工法 クラック補修 コンクリート構造物 注入工 有 コンクリート構造物のひび割れに対し ひび割れ表面に設置した注入パイプに 注入材で膨らんだゴム製注入器を設置し その収縮圧力により低速 低圧で長時間かけてひび割れにエポキシ樹脂を注入する 0.1mm 以下の微細なひび割れへも充填ができる 注入充填により躯体の一体化と耐久性向上を図れる コンクリート構造物のひび割れに適用可能である ゴムの収縮力を利用したゴム製の注入器具を用いて 低圧 長時間注入を行い 従来技術では充填できなかった微細なひび割れへも注入充填が可能である 注入作業での省力化を図れる 注入材で膨らんだゴム製注入器の内部圧力により長時間にわたり注入が継続されるため ひび割れの深奥部や鉄筋の付着切れによる空隙にも注入可能となり 躯体の一体化と耐久性の向上を期待できる ゴム製注入器を膨らまし注入パイプに取り付けるだけの作業であり 熟練した技術を必要とせず 現場作業の効率化を図ることができる 施工イメージ図 QS V

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131 整理 = P-01 工法名 : 食防止シート工 or 補強 植生工 のり面 食防止 有 堤防のり面, 河岸を流水による侵食から防護する技術で, 熱可塑性樹脂 ( ポリエステル, ポリプロピレン等 ) を主素材とし, これを糸状またはネット状に加工した, 1~5cm 程度の厚さの侵食防止材で, 手で簡単に折り曲げられる柔軟なシートである 同シートの構成材は, 流れを受けると抵抗となり, 同シートに被覆された地表面近傍の流速を低減する 植生による耐侵食力は, 葉, 茎, 根茎が流水に対する抵抗となり, モグラ孔のような植物の繁茂密度が低い場所では, 同シートが耐侵食力を補う 出水時等の主流速が地表面とほぼ平行であること 草本植物が十分に繁茂しうる場所であること 侵食防止シート内への土砂充填が可能であること 施工範囲上流側における侵食発生の恐れがないこと 最大のり勾配 1 割 5 分 n=1.5(1:n) 最大設計流速 4m/s 土質条件砂質土, シルト, 粘性土 水面勾配 1/300 以下 侵食防止効果の発揮機構 QS V

132 整理 = P-02 工法名 : ロービングウォール工法 or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 厚層基材吹付 有 道路やダムなどの開発に伴い出現するのり面や急傾斜地, その他既設構造物の表面に対して, 砂とセメントの混合物に長繊維をエアの圧力により強制的に混入し,20cm の厚さで吹付け造成した補強土によってのり面の安定を図り, その補強土表面を植生基材吹付工などで全面緑化することにより, 補強土と植生工を組合わせたのり面保護工である 土構造物と緑化工を併用することにより, 地形の改変を最小限にとどめ, 長繊維を基盤中に混入することによって補強土としての効果を得ることができ, 厚く造成した補強土表面に緑化工を施工することで自然状態に近い形態となり, 植物の生育に適した質の高い環境と周辺環境との調和可能なのり面をつくることが可能である のり面表層の崩壊や中抜け及び落石等の発生する恐れのある箇所 植生の発芽 生育の面より夏期における高温期の施工は避ける 土質条件 ; 土砂から硬岩, 切土および盛土に適用可能ただし, 集中流下水およびのり面上部からの排水がある場合は別途排水計画が必要 のり面勾配 ;1:0.5 まで (1:0.5 より急な場合は擁壁タイプで対応可能 ) のり面長 ; 吹付材料の最大搬送距離は 160m QS V

133 整理 = P-03 工法名 : 多機能フィルター or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 厚層基材吹付 有 通気透水自由の養生マットであり植物の毛細根に似た極細のポリエステル繊維をランダム配向に不織布加工し, これに化学繊維の補強ネットを重ねたものである 空隙率 97~98% のフィルター構造となっている 斜面に張り付けた後の降雨や散水によって表土に密着し, 濡れても空隙率は変わらない また, 豪雨時でも通気透水を妨げることはなく排水作用で余分な水の浸透を防ぐことができる斜面保護マットである 植生が導入できる環境であること 土壌流出を防止したい現場 災害時の復旧 機械搬入が困難な現場 のり面自体が安定していないのり面は使用不可 凹凸が激しく, 多機能フィルター が密着不可能なのり面は使用不可 のり面勾配 :1:0.3 以下は使用不可 CG V

134 整理 = P-04 工法名 : ボンテラ or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 種子吹付 有 未植生のり面又は養生期間中の植生のり面にボンテラ 食防止マットを敷設して, 風雨による表土の浸食を防止し, 早期緑化と植生回復を促す ボンテラ 食防止マットはヤシ ( ココナッツ ), ワラ等の天然繊維がランダムに折り重なる構造になっており, 表面流下水を分散させ を防止する効果がある 同時に適度な空隙と保水性を有し植物の成長を促進する 植物の生育が可能であること ボンテラ 食防止マットの固定が可能であること のり面は 1:0.8 より緩勾配で植生可能な土質 周辺に多様な植物群落がある現場環境 TH V

135 整理 = P-05 工法名 : 自生種回復緑化工法 or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 厚層基材吹付 有 外来植物を使用しない緑化を行うために, 埋土種子を含んだ森林表土を緑化材料に混合して吹き付ける地域生態系保全型ののり面緑化工法である 外来植物や他地域からの植物材料を使用せず, 森林表土中に含まれる埋土種子によって緑化することができる 従来の緑化では, 多くても 7 種程度植物を導入するが, 本技術では, 20~30 種類の植物が発生し, 多様性の高い植物群落を再生することが可能である 外来草本による早期全面緑化を実施しなくても自生種が回復できる のり面勾配は 1:0.8( 約 50 度 ) よりも緩いこと (1:0.8~1:0.5 勾配では, 緑化基礎工を検討し, 吹付のり枠工や連続繊維補強土工などの採用も考慮する ) 土質条件は制限無し ( 硬岩の場合でも, 連続繊維補強土と併用し, 木本植物の生長に必要な生育基盤厚を確保すれば可能 ) 郷土種, 自生種の再生が求められている場所 国立 国定公園の特別保護地区など外部からの植物の導入が禁止されている場所 施工地周辺が, 自然林などの樹高の高い樹木に囲まれている場所 CG V

136 整理 = P-06 工法名 : 環境復元緑化工法 ( リサイクル吹付 ) or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 厚層基材吹付 有 現地に存在する雑草類 現地発生土 伐根のリサイクル材を活用し, 地域になじむ復元緑化を実現させる 現場内で発生する産業廃棄物はリサイクル化され生育基盤材として再び有効に利用される 団粒生育基盤は耐水性が高く, 降雨等の影響を受けにくく安定した基盤が出来る 現場内で処理される導入可能な雑草類 木本類は同じ場所で新しく生まれ変わる機会を得る 雑草類 木本類は衰退化が少なく, 永続性の高い枯れない緑を復元する 吹付機械 緑化使用資材の作業ヤード (4m 20m) が確保されている事 暖勾配のり面 1:1.5 以上の場合はラス張り工を削除し, 丸状繊維基礎工で対応可能 のり面勾配が 1.0:0.8 以上の緩斜面である事 冬季厳寒期施工ついては, 防寒養生費計上の場合に限る 気温 水分の条件が整っている時期 亀裂が存在しない一枚岩は不可 HK A

137 整理 = P-07 工法名 : タフグリーン工法 or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 厚層基材吹付 有 急傾斜岩盤や山腹荒廃地の緑化 ナイロン短繊維 の補強効果により, 植生基盤材同士を立体的に結合させることができ, ラス網なしでも植生基盤材を保持できる 吹付面上に張り付けた 土壌侵食防止マット のフィルター効果により, 降雨による 食や風食による植生基盤材の流亡 流出を防止し, 耐侵食性能を飛躍的に高めている 緑化の初期の段階で急速緑化を導入しなくても土壌侵食を防止できるので, 周辺の樹木が進入し易く, 現地性植生の復元に大きな効果が期待できる 腐植土を使用することで, 生チップを堆肥化させることが期待できる 中長期に安定したのり面, 崩壊の恐れがないのり面 吹付作業員としてのり面工が必要 プラントヤード :10m 3m 程度 勾配は 1:0.3 以下ののり面 KT A

138 整理 = P-08 工法名 : ジオファイバー工法 吹付工 従来のコンクリート構造物に代り, 連続繊維補強土層がのり面の保護を行う 連続繊維補強土工は, 砂質土と連続繊維 ( ポリエステル ) をジェット水とともに噴射 混合させて, のり面に厚い土構造物を構築する また地山補強土工は地山内に鋼棒の抵抗体を埋め込むことで, 地山自体の抵抗値を高めるとともに, 連続繊維補強土と地山との一体化をはかる 植生工は, 連続繊維補強土の表面に施し, 樹林化など質の高い植物環境を形成する 主に切土のり面で, 侵食や風化防止, 浅い表層崩落, 植生工だけでは不安定な条件ののり面に適用できまる また, 軽量盛土の覆工 既設モルタル面の修景 アンカー受圧板の修景 既存木を保全しながらの施工 樹林化目的としたのり面など, 構造物の修景と植生環境づくりを目的としている箇所にも高い効果が得られる 適用範囲 のり面保護タイプ 擁壁形状タイプ 地山勾配 1:0.5 より緩い 1:0.5 よりも急 施工上の制限 築造厚さ 圧送距離 備考 20cm 天端水平厚さ 30cm 以上 直高 45m 以下水平 150m 以下 - 連続繊維補強土の表面勾配は 1:0.5 よりも緩くする KT V or 補修, 補強 種子吹付工 厚層基材吹付工など 特殊な基材の吹付け 植物生育不足, 裸地化 有

139 整理 = P-09 工法名 :EMN 厚層基材吹付工 吹付工 1 技術概要 チオンイオン樹脂の効果作用によって, 土壌粒子のマイナスイオンと土壌粒子のマイナスイオンの間にプラスイオンのカチオンイオン粒子が浸透し, 浸透した土壌を結合 ( 団粒化 ) しのり面表層部と植生基盤材を安定させる 団粒化により基盤層の劣化が少なく, 従来の吹付厚より薄く施工出来る 2 新技術活用のメリット のり面表層部と植生基盤材を強力に結合 ( 団粒化 ) することから, 風雨による 食を防ぐ 団粒化により植生基盤層が安定するため生育の遅い木本種も確実に植生し, 樹林化しやすい EMN コート 21 は安全性に富み, 人畜無害で安心して使用できる 従来の植生基材吹付工と施工内容は同じなので, 従来のプラントを使用し, 管理方法も従来の管理方法を使用できる 吹付厚が低減できる為工程が短縮される 1 適用可能な範囲 土壌 ph5~7.8 ののり面及び平面 のり面勾配が 1:0.5 より緩勾配 土壌硬度, のり面の方角, 節理幅, 降水量, 植生目標等により, 適用吹付厚さを増減させて対応 客土吹付工の場合, 施工面の勾配が 1:1.5 より急勾配の場合, 緑化基礎工が必要 2 特に効果の高い適用範囲 マサ土, シラス等浸食を受けやすい土壌での緑化に最適 植生の遅い木本種を主体とした樹林化配合に最適 風の強い地域での材料の流出防止に効果あり 3 適用できない範囲 土壌 ph5 未満の強酸性土壌 土壌 ph7.8 より強アルカリ土壌 のり面勾配が 1:0.5 より急勾配 施工基面からののり面の垂直高が 80m を超える場合 QS V or 補修, 補強 種子吹付工 厚層基材吹付工など 植物生育不足, 裸地化 特殊な基材の吹付け 有

140 整理 = P-10 工法名 : バイオ プラスターチ種子吹付工 吹付工 1 技術概要 混合材に生分解性繊維を混入して吹付け土 ( バイテクソイル ) の結合力を強化し, 降雨, 融雪水等による緑化基盤材の流出を防止する植生基材吹付工 2 従来技術の改善点 1) 施工方法 新技術のプラスターチ種子吹付工は, 従来工法である金網使用の厚層基材吹付工の欠点 ( 降雨による緑化基盤材の短期流出 ) を補うため, 生分解性繊維を混合材に混入することで, カラミ構造により土の粘着力が大幅に改善されるため,1 土のせん断強さが強化され 2 滑動モーメントが小さくなり 3 スベリの危険性が極度に小さくなり 4 緑化基盤の流出防止等の効果から緑化基盤材のせん断力が強化されるので植生金網の設置が不要 2) 使用材料としての緑化基盤材 新技術のプラスターチ種子吹付工の緑化基盤材 ( バイテクソイル ) は,1 エコマーク認定 グリーン購入法特定調達品目該当 2 環境負荷低減 3 循環型リサイクル 4 コスト縮減 5 肥料不要等を満足する商品であり, 環境に優しく経済的な緑化基盤材を使用し, 従来の緑化基盤材の欠点 ( 客土採取による自然破壊や肥料による土壌構造の破損 腐植土の減少 欠乏によるメンテナンス等 ) がない 1 適用範囲 のり面勾配 :8 分まで 2 特に効果に高い適用範囲 環境負荷低減の制約を受ける地域での緑化 ( 国立公園, 河川, 海洋, ダム, 養殖池, 有機農産物栽培地等 ) 強酸性土壌の緑化, 強酸性土壌 (ph=2~ph=4) の範囲において土壌酸度の調整が不要で植生可能 外来種の発生防止の為, 土の持ち込み制限がある地域の緑化 3 適用できない範囲 コンクリート構造物や湧水, 浸透水が存在する箇所 HK A or 補修, 補強 種子吹付工 厚層基材吹付工など 植物生育不足, 裸地化 特殊な基材の吹付け 有

141 整理 = 補強 植生の枯れ工法名 : アニマルガード工法 植生工の補修 補強 のり面 獣害対策工 有 シカやカモシカ ( 以下, シカ等 ) の分布域において 植生工をシカ等による食害や踏み荒らしから保護し 健全な植生の成立を図る技術である 具体的には 植生工の上に強固な金網を 20cm 程度の高さで浮かして設置する このことで 施工面への動物の侵入を抑制する また侵入した場合も 踏み荒らしを軽減するとともに, 植物を地際から食べられてしまうことを防止する 植生工を金網で覆い 際部の被食を防止するため 植物が健全に生育できる 金網の目合いは シカの足が入り尚かつ口吻が入らないよう 最適化されている 金網を浮かせて設置するため歩きにくく侵入抑制効果が期待できる 網の設置により踏圧が軽減され 育基盤の保護を図ることができる 設置後の維持管理が不要である 景観への影響が少ない 構造が単純で 部品数も少なく施工が容易である CB A シカによる食害とアニマルガード工法の効果

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143 整理 = M-01 工法名 :KS パッケージ ( ふとんかごの永久構造物化 ) or 補修 表層崩壊, 擁壁変状 かご工 のり面 擁壁工 有 永久構造物化させたふとんかご工で, 従来の菱形金網を使用したふとんかご工から改良を図った新技術である 切土 盛土の末端部土留工, 山腹土留工, 小規模な谷止工, 床固工 ( 堤高 5.0m 以下 ), 護岸工, 水制工, 根固工, 渓流保全工, 落差工に使用できる 従来のふとんかご工の特長である透水性や自在性を生かしながら, 永久構造物としての機能を兼ね備えている 植生シートと現地発生土砂を使用することにより表面緑化が可能なので, 景観性に優れる 崩壊のり面の端部に押さえ盛土のように永久構造物として設置することで, 斜面安定を図る 湧水が認められる場合でも排水機能に卓越することから, 問題なく使用できる 既存擁壁工の補修や取替としても使用可能である フレキシブルで, 多少の変形にも追従できるため, 土構造物の代替として利用が可能である 河川分野では利用が通常的であるが, 今後, 道路構造物としての利用も進むと思われる KT V

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145 整理 = 吹 -01 工法名 : ユニラップ工法 or 補強 表層崩壊 植生工 のり面 厚層基材吹付 有 ポンプを使用し, 斜面に対して高強度 (σck=24n/mm2) の吹付構造物を構築する技術である 長距離 (660m 以上 ) 高揚程 (150m 以上 ) 箇所の施工もプラント移動なしに一気に行える 品質の向上により ( リバウンドロスが少ない ), 吹付構造物の設計基準強度を 24N/mm2 以上に設定できる 剛性のある型枠の使用により, 打設時の変形が少なく, 出来形が確実に確保できる 自動プラントの採用により材料の計量精度が向上した 長距離高揚程施工 切土のり面, 自然斜面に適用可 砂質土, 礫混り土, 玉石混り土, 軟岩, 硬岩に適用可 のり勾配 1:0.5 より緩い勾配, 直高 :150m 未満, 圧送距離 :660m 未満 従来の吹付枠工で施工の制限を受ける直高 45m 以上, ホース長 100m 以上の範囲 KT V ユニラップ専用自動プラント

146 整理 = 吹 -02 工法名 : ジャストショット工法 or 補修 ひび割れ, 剥離 吹付工 モルタル コンクリート吹付工 高強度モルタル吹付け 有 1 技術概要 高所にある不安定岩盤の開口割れ目に高強度特殊モルタルを吹付けること により, 安定岩盤と一体化するための目地施工, あるいは割れ目が多く 剥離による落石の危険性が高い岩盤斜面全体を被覆することで, 岩盤斜面の長期安定性の向上を図る落石発生源での落石対策工である 2 工法の適用 落石対策工, 既設のり面保護工 ( 構造物工 ) の補修, 水路構造物の補修工, 擁壁やトンネル等のコンクリート構造物補修工 適用条件 1 自然条件 対象地質は硬岩, 軟岩およびコンクリートである 対象のり面勾配は,1:0( 垂直 ) までである 雨天時の施工は不可である 1 日の平均気温 4 以上 30 以下での施工とする 2 現場条件 吹付作業はロープ足場で行う 吹付プラントヤードは幅 4.0m 長さ 4.0m である 吹付圧送距離は水平方向 60m, 鉛直方向 30m 以内である 岩盤亀裂面から湧水が発生している場合には排水パイプを設置した後, 吹付を行う 適用範囲 1 適用可能な範囲 既設のり面保護工 ( 構造物工 ), 岩盤斜面, 土木構造物 ( コンクリート構造物等 ) の断面補修 2 特に効果の高い適用範囲 高所にある岩盤の割れ目の一体化工のり ( 岩盤接着工 ) における目地施工や不安定岩塊の根固め等 3 適用できない範囲 天井部等の 90 以上の勾配を有する箇所 KK A

147 整理 = 吹 -03 工法名 : 法面モルタル補強用ビニロン繊維 or 補修, 補強 剥離, 空隙 吹付工 モルタル コンクリート吹付工 特殊な吹付け材料 有 ビニロン繊維をのり面吹付けモルタルの補強繊維として用いることによって, 収縮ひび割れの低減, 凍結融解などに対する耐久性の向上, 従来のモルタル吹付工法と同等の曲げ耐力を有することからラス金網の省略による省人 省力化, それに伴う工期短縮, 及び美観保持を実現する 一般道路のり面, 高速道路のり面などの一般的なのり面や, 廃棄物処分場のモルタル吹付けなどに適用 技術活用の効果 1) 施工工程の省力化ビニロン繊維補強モルタルによってラス金網の敷設を省略することもできる その場合はラス金網を敷設する作業工程の省略と, 作業による危険性の低減する 2) 省人 省力化による工期短縮ラス金網の敷設を省略できる場合は工期の短縮が期待できます その場合, 近接道路などの交通規制期間を短縮することができる 3) 収縮ひび割れの抑制吹付けモルタルは一般的に富配合が多く, 自己収縮あるいは乾燥収縮によるひび割れを発生しやすくなる このような収縮ひび割れを抑制する手段として, 補強繊維を混入する方法が知られている 中でもビニロン繊維は, セメントとの親和性に優れ, モルタルに生じるひび割れを効率よく架橋して応力を分散することでひび割れを分散し, かつその幅を小さく抑えることができる 4) 長期耐久性の向上従来のモルタル吹付けにては, ひび割れ幅の経時的な拡大が見られることがある ビニロン繊維は均一に混入されることによって発生したひび割れ部位の応力を分散する効果があり, その結果としてひび割れの分散によるひび割れ幅の拡大を抑制することができる また錆を発生することもなく, 耐アルカリ性に優れることから, 従来の工法と比較して長期的な耐久性が向上する 適用条件安定勾配の確保できるのり面 地質としては, 硬岩, 軟岩及び土砂 適用できない範囲不安定な地山斜面 CG V

148 整理 = 吹 -04 工法名 :ReSP 工法 or 補修 ひび割れ, 剥離 吹付工 モルタル コンクリート吹付工 特殊な基材の吹付け 有 1 技術概要 既設吹付モルタルの効果が完全に喪失する前に, 補修 補強することによ って, 効果を再度高め, のり面を再構築する工法 従来は, 老朽化したのり面のはつり取りによる補修 補強工法で対応して おり, 防護柵を設置し, 老朽化した既設吹付けモルタル コンクリートおよび風化した地山を剥ぎ取り, 新たにモルタル コンクリートを吹付けし直す 2 工法の適用 老朽化した吹付けコンクリートのり面の補修 補強に対する在来技術では, 吹付けコンクリートをはつり取り, 新たに吹付けコンクリートで被覆し直す方法が採られている工事 交通量が多く急峻な地形のもとでは困難な作業となる場合があり, 工期の長期化と安全性の低下が避けられず大きな問題となっている工事 適用条件 1 自然条件 ( 気温等 ) 通常ののり面吹付と同様であるが, 生モルタルを圧送するため, 寒中 暑中対策 ( 施工時期の検討, セットコントロール剤の添加など ) を行う必要がある 2 現場条件 作業スペース : 吹付プラントスペースとして,3~4m 10m 程度 + アジテータ車駐車スペースが必要となる 発電機, 空気圧縮機等は車上プラントとすることが出来る 機械の大きさ : ピストンポンプサイズ 2m 3m その他発電機 90KVA 空気圧縮機 141KW 施工場所等 : 老朽化した吹付けコンクリートのり面を対象とするが, その地山表層の風化領域が 0.5m 程度の厚さまでの場所 のり高 80m( ロープ足場使用時 ) 程度,( 高所作業車使用時のり高 30m 程度 ) 機械化施工が可能で, 搬入が可能な箇所 圧送距離 :300m 程度 KT V

149 整理 = 吹 -05 工法名 : ニューレスプ工法 or 補修 ひび割れ, 剥離 吹付工 モルタル コンクリート吹付工 特殊な基材の吹付け 有 1 技術概要 既設吹付モルタル コンクリートのり面の効果が完全に喪失する前に, 補修 補強することによって, のり面を再構築 ( 機能回復 向上 ) する吹付工法である 従来は老朽化または劣化した吹付モルタル コンクリートのり面 全面撤去 ( 部分撤去の場合もあり )+ 新規のり面構造物の新設 をはつり取りを行い, 作業時の騒音および大量の産業廃棄物を発生していたほか, 作業者及び第三者への安全性に影響を与えていた 2 工法の適用 老朽化または劣化し, 補修補強が必要な吹付けモルタル コンクリートのり面 2 工法適用のメリット はつり作業がなく, 従来のような防護柵を必要とせず, 簡単な安全柵ですむため, 工期は従来工法に比べ短縮でき, コスト縮減が図れる 補強鉄筋工や高品質の繊維補強モルタル吹付工等を採用しているので, 耐久性の優れたのり面が形成できる 1 適用可能な範囲 老朽化した吹付けモルタル コンクリートのり面を対象とするが, その地山表層の風化領域が 0.5m 程度の厚さまでの場所 プラントヤードから施工箇所までの材料搬送 ( 圧送 ) 距離が以下の範囲であること エア搬送方式 : 直高 +45m~-40m ホース延長 100m 以内ポンプ圧送エア併用方式 : 直高 +60m~ 60m 配管長 ( 含むホース )200m 以内 2 特に効果の高い適用範囲 老朽化した吹付けモルタル コンクリートのり面を対象とするが, その地山表層の風化領域が 0.5m 程度の厚さまでの場所 交通量等により, 現道規制が困難な道路のり面箇所 産業廃棄物処理の際, 輸送コストが大きい箇所 歩道などが隣接している箇所 3 適用できない範囲 資機材及び材料搬入が不可能な箇所 湧水が多い場合別途対策が必要 QS A

150 整理 = 吹 -06 工法名 : 繊維グリッドのり面補強工 or 補修 ひび割れ, 剥離 吹付工 モルタル コンクリート吹付工 特殊な基材の吹付け 有 自然斜面, のり面, トンネル補強工の, のり面工において吹付け鉄筋コンクリート工を用いずに タフグリッド補強吹付けコンクリート を用いる 樹脂製品 タフグリッド は柔軟で軽量な材料で, 形状がグリッド状であるため, 急勾配な個所でも簡単に設置可能 したがって斜面上での危険作業時間が短縮され, 安全性, 経済性が向上し, 工程が短縮できる また, 塩害による腐食や化学的侵食に強い材料であるため構造物の耐久性 ( 寿命 ) が向上する 従来の鉄筋コンクリート吹付けのり面工と比較して, タフグリッド補強吹付けコンクリート は曲げ破壊に対する靭性が格段に高いので落石 崩壊が生じる終局極限状態に至るまでの抵抗が大きい 工程短縮によるコスト縮減に加えて, 塩害対策や化学的侵食防止対策が不要となり, 構造物の耐久性が向上することにより, 維持管理を含めたトータルコストは縮減される 新素材 タフグリッド は, 吹付けコンクリート用に開発された鉄筋の替わりとなるコンクリート補強用グリッドである 高強度, 高弾性且つ低クリープ特性を有するアラミド繊維を使用しており, 鉄筋と同等以上の補強効果を発揮する 急勾配の斜面, のり面上での施工性を考慮し, グリッドの中にモノフィラメントを挿入することで, グリッドに適度なコシを持ったせた軽量で扱いやすい材料である 鉄筋挿入工については タフグリッド と同様なアラミド繊維による FRP 製のロッドをすることで塩害対策, 化学的侵食対策がより強固となる このロッドは,PC 緊張材や補強材として, 各種コンクリート構造物, 海洋構造物, 非磁性構造物など建設分野で幅広く使用されている 塩害や化学的侵食の程度により, ロックボルトを従来の棒鋼, 亜鉛メッキ棒鋼, エポキシ塗布棒鋼,FRP 製ロッドなど使い分けする事ができ, 現場環境に応じた経済的な組合せが選択できる 1 適用範囲補強対策が必要な斜面, のり面, トンネル 長大のり面, 凹凸の激しい斜面 特に塩害の影響が激しいとされる地域 化学的侵食が生じる地域 ( 酸性土壌地域, 温泉地域 ) HR A

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152 整理 = 落 -01 工法名 :RC ネット工法 ( 高エネルギー吸収型落石防護網 ) or 補修 補強 落石防護網の補修, 修復 落石防護柵工 落石防護網 落石対策 有 本技術は, ひし形金網, ワイヤロープ, アンカーおよび緩衝装置などで構成された高エネルギー吸収型落石防護網である 落石重量 200kN, 落石エネルギー 8,000kJ 以下に対応可能であり, 落石が発生した場合, 落石の跳躍を抑えエネルギーを吸収, 減衰させ安全な場所 ( のり尻の余地 ) まで誘導あるいは斜面の途中で停止させることが出来る 震災により斜面崩壊, 岩盤崩壊, 落石, 土石流等が発生, もしくは, 発生が予測される個所で適用が可能であり, 落石などにより崩壊または破損した落石防護網の補修, 修復としても活用できる 現地の状況により 4 種類の RC ネット ( 覆式, ポケット式, キャッチ式, ポケット キャッチ式 ) を選ぶことができる HR A

153 整理 = 落 -02 工法名 : ネットワン ( 高エネルギー吸収型落石防護網 ) or 補修 補強 落石防護網の補修, 修復 落石防護柵工 落石防護網 落石対策 有 本技術は, 高弾性で変形特性に優れたワイヤひし形金網, 衝撃をネット全体に分散させるワイヤロープ, ネット全体の負担を低減させる緩衝金具, アンカーからなる高エネルギー吸収型落石防護網です 構成部材が少量で軽量のため施工性がよく, 落石重量 100kN, 落石エネルギー 4,000kJ に対応可能な高性能でリーズナブルな工法です 震災により岩盤崩落, 落石が発生, もしくは, 発生が予測される個所で適用が可能であり, 落石などにより崩壊または破損した落石防護網の代りに使用することも出来ます 道路や鉄道, 民家等を保全する技術であり, 現地状況により発生源全体を覆う覆式と斜面上方からの落石を捕捉するポケット式を選択することが出来ます HR A

154 整理 = 落 -03 工法名 :QK ウォール or 補修 補強 擁壁の変状 落石防護柵工 擁壁工 補強土擁壁 有 急傾斜地の崩壊土砂や小規模落石を受け止める防護擁壁工である ジオテキスタイルと盛土材を用いた補強土擁壁で, もたれ式構造をとっている 崩壊土砂を擁壁天端で受け止める構造により, 狭隘なスペースでも設置可能である 天端に防護柵を設置することが可能で, 崩壊土砂を捕捉することができる 震災などで発生した崩壊土砂を用いて擁壁を復旧できる ジオテキスタイルで盛土材を巻き込む構造であり, スペースの小さな道路わきや民家裏で構築のできる工法である 耐衝撃性能が高く構築後の崩壊土砂にも対応ができる 防護柵を併設しており, 軽微な落石であれば対応可能である適用可能な範囲は設置スペース 2.0m 以上確保できる場合である 特に効果の高い適用範囲としては,1 崩壊土砂の衝撃力を考慮する条件で, 斜面勾配が 45 度以上の場合,2 従来工法では地盤の支持力が不足するような比較的軟弱な地盤に設置する場合などである CB A

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156 整理 = 他 -01 工法名 : 浸透性耐久グラウト材 グランドエース or 補修 補強 クラック, 沈下 落石防護柵工 擁壁工 地盤改良工 有 基礎地盤に起因して擁壁等の基礎構造物に変状が見られる場合, 地盤改良を行い, 変状の原因に対応する必要がある 対策として薬液注入工を用いる場合で, 通常の水ゲルの注入では永久構造物への対応ができないため, 恒久グラウトを注入し改良を図るものである 本グラウト材は特徴として, 耐久性, 浸透性, 強度, 環境対応および施工性に優れ, 永久構造物の薬液注入による地盤改良に使用できる 成分は従来の水ガラス系とは異なった無機系 懸濁型グラウト材であり, 注入された後, 地盤成分と反応し固化することで, 現地盤を乱さず地盤補強ができる 一方, 材料の調合や作業および注入の施工性に優れている 材料中には六価クロムは検出限界値未満であり, 環境問題にも対応している 注入方法は通常の薬液注入工と同様である 既設構造物をそのままの形状で残し, その基礎部分の改良が可能である 高価であることから, 本工法に施工が限定される場合に選定されることとなる CB A

157 整理 = 他 -02 工法名 :FE 工法 or 補修 補強 コンクリート構造物のクラック 排水工 コンクリート構造物 補修 補強 有 老朽化した場所打ちコンクリ - ト製水路に, 強度の高いアラミド繊維シ - トをモルタル補強材として使用することで長寿命化を図る工法である ガラス繊維の特徴は靭性 ( 粘り強く, 曲げに強い性質 ) に優れており, 混入する事により引張強度が高くなり, ひび割れを防止する効果がある 施工時の外気温度 5 以上, 湿度 85% 以下とし, コンクリ - トと同様の施工条件を満たす環境下 基本が人力施工であるため大規模な作業ヤ - ドを必要としない 小型機械使用 ( 発電機 ミキサ - 等 ) ヤ - ド程度は必要 通水断面が 以上のコンクリ - ト製二方 三方張開水路 QS A

158 整理 = 他 -03 工法名 : デコメッシュ 擁壁工 現場打ちコンクリート構造物の残存化粧型枠 仮設型枠を残存型枠に変えることにより, 脱型の必要が無くなり省力化が図れると共に, 外国産木材を使用せず, 産業廃棄物が排出されないので, 環境負荷が低い 全てのコンクリート擁壁, 砂防堰堤, 石積み工の代替, 河川護岸, 老朽モルタル吹付けのり面, 石積の補強などに適用可能 建設機械が入れない狭い場所, 緊急性を要する箇所の施工に有効 意匠性のある凹凸をつけたことにより, コンクリート打設と同時に石積み状の出来型となり, 景観が向上すると共に, 表面が粗く, 生物に優しい出来型となる KT V or 補修 擁壁, 吹付のり面など 老朽化した擁壁, 吹付のり面の変状 埋設型枠工 有

159 整理 = 他 -04 工法名 : 親杭パネル壁工法 or 補強 擁壁の変状 擁壁工 擁壁, ブロック積 フ レキャスト擁壁工 有 親杭とコンクリートパネルとを一体化した薄肉壁体で, 景観を配慮した山留め壁擁壁や遮音壁等に使用 コンクリート二次製品である親杭パネルの構造的は, 従来の親杭横矢板工法でいう, 木材による横矢板と鋼材による腹起こしの機能を持ち, パネル中空部に親杭を挿入し, さらに中詰めモルタルを打設することで, 親杭パネルと親杭とを一体化する 老朽化した擁壁の補修工事において, 基礎の掘削面積や切土範囲を少なくでき, 施工が容易であることから, 作業工程の簡素化や工期短期を図ることができる CB A

160 整理 = 他 -05 工法名 : セーフティウォール工法 (ASW 工法 ) or 補強 擁壁の変状 擁壁工 擁壁, ブロック積 コンクリート擁壁工 有 コンクリートを巻いた鉄骨基礎杭と擁壁の鉄筋コンクリート造壁面板を支持する鉄骨支柱を用いた垂直擁壁工法 従来の RC 擁壁等に比べて底版を必要としない自立式垂直擁壁であるため, 掘削及び埋戻し断面が少なく, 経済性, 施工性に優れた擁壁 老朽化した, また既存不適擁壁を壊さずに残したままで新規に垂直擁壁を安全に施工でき, 敷地面積の有効活用も図れる ブラケット式の場合, 掘削背面にアンカーとしてウエイトコンクリートを設置するため, 土地利用上支障がないかどうか確認する必要がある CB A

161 国土交通省近畿地方整備局近畿技術事務所 (H.P. より ) では, 道路を管理する現場の担当者が, に示す日常の道路巡回時ののり面点検で活用することを目的に 道路法面維持管理のためのハンドブック( 案 ) (H22.10) のとりまとめが行われている 本節ではこのハンドブック ( 案 ) についてその概要を紹介する ハンドブック ( 案 ) では, 長期的な視点から合理的に道路のり面の健全性を評価し, 効率的に維持管理する方法についての検討結果がまとめられている その結果, のり面内部への水の浸入がのり面の劣化の主要因であることを示し, これを軽減するために排水機能を適切に維持することや, 長期的な維持管理のためにのり面の状況 ( 施工前, 施工後 ) や発生した事象 ( 亀裂, 落石等 ) を長期的に記録 保存することを重視した内容となっている のり面健全性がまさに今損なわれつつあるときに出現する危険因子について整理し, 早期発見していただけるようにまとめられており, 日々道路を巡回し, 維持作業に従事される技術職員の方々へ向けて作成されている

162 ハンドブック ( 案 ) は, 以下の五つの章で構成されている 第 1 章道路法面健全性低下のメカニズム第 2 章点検の着目点第 3 章法面の管理第 4 章法面健全性モニタリングの実施第 5 章初期情報 補修履歴の保存第 1 章から第 3 章は, 排水機能の適切な維持により, 道路のり面を長期的な劣化から守ることを重視した内容となっている 第 1 章では, 雨水がのり面に浸透し崩壊に至るメカニズムを説明し, 第 2 章, 第 3 章で, この浸透水に配慮した点検の着目点, および管理方法等について記載されている 次に第 4 章と第 5 章は, のり面の状況や発生した現象を長期的に把握することを重視した内容としている 第 4 章で, 危険と判断したのり面の変化を継続的に把握するためのモニタリング方法を, 第 5 章ではのり面の管理を行う上で必要な情報を適切に記録 保存するための様式や記入方法が記載されている これらのうち, 日々の道路巡回における着目点は,のようにまとめられており, 盛土のり面, 切土のり面の巡回時の着目点は, のようにまとめられている

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