研究成果報告書

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としみみょうだに
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1 様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書平成 21 年 6 月 22 日現在研究種目 : 基盤研究 (B) 研究期間 :205~208 課題番号 : 研究課題名 ( 和文 ) 官庁統計の総合的な利用方法に関する研究研究課題名 ( 英文 ) ResearchesonComprehensiveApplicationsofOficial Statistics 研究代表者美添泰人 (YOSHIZOEYASUTO) 青山学院大学経済学部教授研究者番号 : 研究成果の概要 : 新統計法と経済統計の視点から, 統計作成機関の抱える問題を検討し, 今後の総合的な利用に関わる論点を整理した. 特に地方統計組織地域データ作成の現状と問題点, 国の統計機構の問題点と今後の展望, 政府統計の二次的利用の問題を検討した. 国民経済計算に関しては, 工業統計生産動態統計の適切な活用方法, 家計調査との貯蓄率の比較を行った. また, 各省が作成する統計の高度な利用例, 複雑な推定法の精度に関する理論的検討を実施した. 交付額 ( 金額単位 : 円 ) 直接経費間接経費合計 2005 年度 4,300, ,300, 年度 3,800, ,800, 年度 3,500,000 1,050,000 4,550, 年度 3,200, ,00 4,160,000 年度総計 14,800,00 2,010,000 16,810,00 研究分野 : 統計学科研費の分科細目 : 経済学経済統計学キーワード : 経済統計学, 経済理論, 統計数学, 官庁統計, 標本理論 1. 研究開始当初の背景官庁統計が作成される最大の目的は政策の企画立案であり調査対象者の負担を最小限に抑えながら必要な情報を入手できるように設計されている一方で十分な精度を確保できるように設計された統計であることから当初想定された政策目的を超えた問題に対しても貴重な情報が収集されている海外のいくつかの国においては公的統計の情報を利用できるような体制が構築されつつあるがわが国においても新しい統計法の成立を想定して公的統計のデータアーカイブを構築しその有効活用が望まれている 2. 研究の目的官庁統計を当初の作成目的を超えた問題に対して利用するためには被調査者の個体情報を保護しながら一方では研究目的のために必要とされる詳細な情報を利用できるような体制を構築しなければならないそのために前提となるのが公的統計のデータアーカイブである本研究はミクロデータの利用を前提として従来は集計分析されてこなかった形式での官庁統計の分析方法を提案するとともに具体的な例に対して新たな分析手法の有効性を検証することを目的とした

2 3. 研究の方法研究の開始に当たってミクロデータの公開利用に関する問題点を整理し必要なデータを準備できるように計画したその上で以下の課題ごとに分担して研究を進め定期的な研究会において全員で検討する方法をとった (1) 統計制度主要官庁統計の検討美添を中心として各府省の統計作成部局の知見を得ながら調査集計公表の過程を経た統計資料を将来的に有効に活用するための問題点を整理することとした合わせて代表的な加工統計である国民経済計算について他統計との比較基礎資料の的確な利用方法を検討することを計画した (2) 世帯統計消費行動の分析世帯に関する複数の調査や異時点の調査結果を総合的に利用するためには統計に関する照合技術が有効であるそのためにこれまで美添椿などによって行われた研究成果を整理し統計理論の視点からその有効性を検討するこの手法によって利用可能となったデータを対象として消費行動のコーホート分析など研究分担者が従来から続けてきた各種の経済分析を拡張することを計画した (3) 官庁統計の高度な利用方法と理論的研究労働力調査全国物価統計調査などを対象にして複雑な推計のための統計的手法を理論的に検討することとした (4) 以上の計画を実現するために定期的な研究会を開催し各研究分担者が研究の進捗状況を相互に確認するとともに主要な統計データに関する知見を共有する機会を設けた 4. 研究成果研究の方法で示した項目ごとに以下のような成果を得ている (1) 統計制度主要官庁統計の検討研究期間の中間時点で日本の統計行政の基本である統計法が改正された国および地方の統計機構が果たすべき役割統計データの有効活用などに関するわれわれの研究成果の一部は新たな統計制度を構築する上での参考とされたまた OECD の会合で日本の統計の高度利用の例として幸福の測定に関して講演を行った国民経済計算については従来からの共同研究者や国の統計作成機関と協力した検討によりいくつかの問題点を整理できた (2) 世帯統計消費行動の分析世帯に関する公的統計を有効に活用することによって喫煙行動在宅介護などいくつかの具体的な経済問題について解明できたまた集計データとの比較と経済理論の整合性も検討した (3) 官庁統計の高度な利用方法と理論的研究所得分布などの精度を評価することは平均や合計などに比べてはるかに複雑な問題であるが元山は統一的な理論的結論を得たこのほか西郷による誤差の評価樋田による無回答処理も今後の官庁統計の集計公表に直接的に活用できるものである 5. 主な発表論文等 ( 研究代表者研究分担者及び連携研究者には下線 ) 雑誌論文 ( 計 35 件 ) 1 美添泰人統計データの保存と再利用の体制統計第 57 巻第 6 号, 2005 年 6 月 pp 査読無 2 美添泰人日本の官庁統計の現状と課題中国国家統計局編第 8 回日中経済統計専門家会議論文集所収 2005 年 10 月 pp. 1-9 招待論文 3 美添泰人日本の官庁統計と経済統計改革青山経済論集第 55 巻第 3 号 pp , 2005 査読無 4 舟岡史雄荒木万寿夫標準職業分類に関する検討 - 賃金分布の類似性にもとづく新たな分類の視点 - 日本標準職業分類に関する調査研究報告書 pp 査読無 5 下田平裕身荒木万寿夫各職業間における各種属性の分布に関する分析日本標準職業分類に関する調査研究報告書 pp 査読無 6 岡本英雄荒木万寿夫社会学の立場から職業分類の現状と課題日本標準職業分類に関する調査研究報告書 pp 査読無 7 荒木万寿夫インターネット利用状況に係わる統計資料と分析事例青山経営論集第 40 巻第 1 号 pp 査読無 8 Saigo, H., and Sitter, R. R., Jackknife Variance Estimator With Reimputation for Randomly Imputed Survey Data, Statistics and Probability Letters, 73:3, , 2005 査読有 9 Nobuko Nagase, "Economic Resources of the Elderly Within the Japanese Family," Hyunsook Yoon and Jon Hendricks eds. Handbook of Asian

3 Aging. Baywood Publishing Company. Inc , 2005 査読有 10 美添泰人荒木万寿夫 1980 年代以降における家計の消費と資産に関する実証分析総務省統計研修所リサーチペーパー第 5 号 122 ページ,2006 査読無 11 Funaoka, F., Saigo, H., Sitter, R. R., and Toida, T., "Bernoulli Bootstrap for Stratified Multistage Sampling," Survey Methodology, 32, No. 2, pp , 2006 査読有 12 美添泰人政策評価における統計の役割と消費者物価指数青山経済論集第 58 巻第 4 号, pp , 2007 査読無 13 Fujiwara Takeshi, Junji Nakano, and Y. Yamamoto, Using mathematical expressions in a statistical language, Computational Statistics and Data Analysis, pp , 査読有 14 美添泰人荒木万寿夫家計データを利用した完全照合と統計的照合青山経営論集第 42 巻第 1 号 pp 査読無 15 美添泰人統計による客観的根拠と政策立案青山経済論集第 59 巻第 2 号 pp 査読無 16 美添泰人公的統計の提供と高度利用青山経済論集第 59 巻第 3 号 pp 査読無 17 永瀬伸子若年子育て世帯の所得分布と課題 - 平成 19 年就業構造基本調査が捉える構造変化統計第 58 巻 7 号 2007 査読無 18 Ryoko Morozumi and Masako Ii, The impact of smoke-free workplace policies on smoking behaviour in Japan, Applied Economics Letters, 13(9), pp , 2006 査読有 19 椿広計統計科学の横断性と設計科学への寄与横幹 1 (1), pp.22-28, 2007 査読有 20 椿広計発見選択検証の架橋人工知能学会誌 22(5), pp , 2007 査読有 21 Saigo, H. Mean-Adjusted Bootstrap for Two-Phase Sampling, Survey Methodology, 33, No. 1, pp , 2007 査読有 22 中野純司山本由和小林郁典藤原丈史計算機技術と統計解析ソフトウェア統計解析システム Jasp 開発の視点から日本統計学会誌第 38 巻第 1 号, pp , 2008 査読有 23 美添泰人豊かさの測定と統計の役割統計第 59 巻第 2 号 p 査読無 24 美添泰人経済データの回帰分析と頑健性統計第 59 巻第 9 号 pp 査読無 25 成田淳司貯蓄投資に関する経済統計について Richard N. Cooper の見解青山経済論集第 60 巻第 1 号 pp 査読無 26 両角良子美添泰人荒木万寿夫被服消費に着目した地域振興券のラベリング効果の検証 : 児童手当へのインプリケーション総務省統計研修所リサーチペーパー第 13 号 pp 査読無 27 後藤智弘数値計算による Buffer-Stock Saving Model の分析青山経済論集第 60 巻第 4 号 pp 査読無 28 Tsubaki Hiroe, "The Grammar of Technology Development," in The Grammar of Technology Development edited by H. Tsubaki et al., pp , 2008, Springer. 査読有 29 Kobari, Takeuchi, Iwaki, Ishii, Tsubaki, Hayashi and Yajima "Factor Analysis of Drug Supply Time Series at Pharmacies", Journal of Health Sciences, 54(1), pp , 2008 査読有 30 椿広計大野忠士定量的リスク評価と定性的リスク評価との架橋 - 定量的リスク評価モデル当てはめにおける質的選択モデルの役割 - 計量生物学 29 巻 pp 査読無 31 元山斉有限母集団における統計的汎関数について学位論文 ( 一橋大学大学院経済学研究科 ) ページ 32 Hitoshi Motoyama and Hajime Takahashi, Smoothed Versions of Statistical Functionals from a Finite Population", Journal of the Japan Statistical Society, Vol. 38 No.3, pp , 2008 査読有樋田勉補助変数を利用する分布関数推定量の無回答処理への応用について 2007 年度データエディティング研究会報告独立行政法人統計センター ( 全 171 頁 ) pp. 1-11, 2008 査読無樋田勉全国物価統計調査における分位点推定値の標本誤差の検討群馬大学社会情報学部研究論集 pp , 2008 査読有両角良子美添泰人荒木万寿夫被服消費に着目した地域振興券のラベリング効果の検証 : 児童手当へのインプリケーション総務省統計研修所リサーチペーパー第 13 号, pp.1-31, 2008 査読無

4 学会発表 ( 計 11 件 ) 1 Y.Yoshizoe, JapaneseStatisticsand HappinessMeasurement, SecondOECD WorldForumonStatistics,Knowledge andpolicy,( 招待講演 ),June2007, Istanbul 2 Y. Yoshizoe et al., "Correcting Non-sampling Erors in Financial Statement Statistics of Japanese MinistryofFinance",56thmeetingof the International Statistical Institute, August 2007,Lisbon 3 美添泰人荒木万寿夫根本和郎家計調査と貯蓄動向の総合的利用による消費と資産の関係日本統計学会 2007 年 9 月神戸大学 4 RyokoMorozumi"Testingunitarymodels oflabor supply on decision-making systems" International Health EconomicAssociation,207 年 7 月, Copenhagen Busines School 5 樋田勉全国物価統計調査の 2 次元価格分布について統計関連学会連合大会 2007 年 9 月神戸大学 6 西郷浩 Comparing FourBotstrap Methods for Stratified ThreeStage Sampling 統計関連学会連合大会 2007 年 9 月神戸大学 7 藤原丈史櫻井尚子衛星データと統計データの融合からみる長江流域の現状と今後統計関連学会連合大会 2007 年 9 月神戸大学 8 美添泰人新統計法と統計情報の利用促進 ( 基調講演 ) 統計関連学会連合大会 2008 年 9 月慶応義塾大学 9 美添泰人新統計法と基本計画の策定 ( 招待講演 ) 日本社会情報学会 2008 年 9 月東京大学 10 西郷浩 RandomRegressionImputation UsingResponse del Mo 統計関連学会連合大会 2008 年 9 月慶應義塾大学 11 樋田勉平成 9 年 14 年全国物価統計調査の価格分布の比較分析について統計関連学会連合大会 2008 年 9 月慶應義塾大学図書 ( 計 5 件 ) 1 橘木俊詔編リスク学入門 1 岩波書店 ( 椿広計第 4 章リスク解析とは何か pp ), 橘木俊詔編リスク学入門 2 経済学からみたリスク岩波書店全 178 ページ ( 永瀬伸子正社員と非正社員のリスク pp ) 国友直人山本拓編社会経済の統計科学 (21 世紀の統計科学第 1 巻 ) 東京大学出版会全 306 ページ ( 美添泰人統計改革の残された課題 pp 永瀬伸子人口減少時代の人口統計と社会政策 pp.61-87) 2008 年 4 椿広計河村敏彦設計科学におけるタグチメソッドパラメータ設計の体系化と新たな SN 比解析日科技連出版社 2008 全 183 ページ 5 Wierzbicki and Nakamori (eds.) Creative Environments, (Tsubaki and Wierzbicki, Statistics for Creativity Support", pp ), 2008, Springer その他なし 6. 研究組織 (1) 研究代表者美添泰人 (YOSHIZOE YASUTO) 青山学院大学経済学部教授研究者番号 : (2) 研究分担者成田淳司 (NARITAJUNJI) 青山学院大学経済学部教授研究者番号 : 荒木万寿夫 (ARAKI MASUO) 青山学院大学経営学部准教授研究者番号 : 後藤智弘 (GOTO TOMOHIRO) 青山学院大学経済学部助手研究者番号 : (3) 連携研究者西郷浩 (SAIGOHIROSHI) 早稲田大学政治経済学術院教授研究者番号 : 椿広計 (TSUBAKI HIROE) 統計数理研究所データ科学系教授研究者番号 : 樋田勉 (TOIDATSUTOMU) 群馬大学社会情報学部准教授研究者番号 : 永瀬伸子 (NAGASENOBUKO) お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授研究者番号 : 藤原丈史 (FUJIWARA TAKESHI) 東京情報大学総合情報学部講師, 研究者番号 : 元山斉 (MOTOYAMAHITOSHI) 統計情報研究開発センター研究員研究者番号 : 両角良子 (MOROZUMI RYOKO) 富山大学経済学部准教授

5 研究者番号 :

日本の世帯属性別貯蓄率の動向について：アップデートと考察

日本の世帯属性別貯蓄率の動向について：アップデートと考察 RIETI Discussion Paper Series 18-J-024 RIETI Discussion Paper Series 18-J-024 2018 年 8 日本の世帯属性別貯蓄率の動向について : アップデートと考察 1 宇南卓 ( 経済産業研究所 ) 野太郎 ( 信州学 ) 要旨全国消費実態調査家計調査家計消費状況調査を補完的に利用することでマクロ統計と整合的な貯蓄率のデータを構築した宇南山