４

Transcription

1 Ⅶ 防 災 安 全 措 置 ( 法 第 33 条 第 1 項 第 7 号 ) 開 発 区 域 内 の 土 地 が 地 盤 の 軟 弱 な 土 地 がけ 崩 れ 又 は 出 水 のおそれが 多 い 土 地 その 他 これらに 類 する 土 地 であるときは 地 盤 の 改 良 擁 壁 の 設 置 等 安 全 上 必 要 な 措 置 が 講 ぜられるように 設 計 が 定 められていること ( 法 第 33 条 第 1 項 各 号 を 適 用 するについて 必 要 な 技 術 的 細 目 ) 施 行 令 第 28 条 法 第 三 十 三 条 第 二 項 に 規 定 する 技 術 的 細 目 のうち 同 条 第 一 項 第 七 号 ( 法 第 三 十 五 条 の 二 第 四 項 において 準 用 する 場 合 を 含 む )に 関 するものは 次 に 掲 げるものとする 一 開 発 区 域 内 の 地 盤 が 軟 弱 である 場 合 には 地 盤 の 沈 下 又 は 開 発 区 域 外 の 地 盤 の 隆 起 が 生 じないように 土 の 置 換 え 水 抜 きその 他 の 措 置 が 講 ぜられていること 二 開 発 行 為 によって 崖 が 生 じる 場 合 においては 崖 の 上 端 に 続 く 地 盤 面 には 特 別 の 事 情 がない 限 り そ のがけの 反 対 方 向 に 雤 水 その 他 の 地 表 水 が 流 れるように 勾 配 が 付 されていること 三 切 土 をする 場 合 において 切 土 をした 後 の 地 盤 に 滑 りやすい 土 質 の 層 があるときは その 地 盤 に 滑 りが 生 じないように 地 滑 り 抑 止 食 いくい 又 は グランドアンカーその 他 の 土 留 ( 次 号 において 地 滑 り 抑 止 ぐい 等 という )の 設 置 土 の 置 換 えその 他 の 措 置 が 講 ぜられていること 四 盛 土 をする 場 合 には 盛 土 に 雤 水 その 他 の 地 表 水 の 浸 透 による 緩 み 沈 下 又 は 崩 壊 が 生 じないように おおむね 三 十 センチメートル 以 下 の 厚 さの 層 に 分 けて 土 を 盛 り かつ その 層 の 土 を 盛 るごとに これを ローラーその 他 これに 類 する 建 設 機 械 を 用 いて 締 め 固 めるとともに 必 要 に 応 じて 地 滑 り 抑 止 ぐい 等 の 措 置 その 他 の 措 置 が 講 ぜられていること 五 著 しく 傾 斜 している 土 地 において 盛 土 をする 場 合 には 盛 土 をする 前 の 地 盤 と 盛 土 とが 接 する 面 が 滑 り 面 とならないように 段 切 りその 他 の 措 置 が 講 ぜられていること 六 開 発 行 為 によって 生 じた 崖 面 は 崩 壊 しないように 国 土 交 通 省 令 で 定 める 基 準 により 擁 壁 の 設 置 石 張 り 芝 張 り モルタルの 吹 付 けその 他 の 措 置 が 講 ぜられていること 七 切 土 又 は 盛 土 をする 場 合 において 地 下 水 により 崖 崩 れ 又 は 土 砂 の 流 出 が 生 じるおそれがあるときは 開 発 区 域 内 の 地 下 水 を 有 効 かつ 適 切 に 排 水 することができるように 国 土 交 通 省 令 で 定 める 排 水 施 設 が 設 置 されていること ( 排 水 施 設 の 管 渠 の 勾 配 及 び 断 面 積 ) 施 行 規 則 第 22 条 2 令 第 二 十 八 条 第 七 号 の 国 土 交 通 省 令 で 定 める 排 水 施 設 は その 管 渠 の 勾 配 及 び 断 面 積 が 切 土 又 は 盛 土 を した 土 地 及 びその 周 辺 の 土 地 の 地 形 から 想 定 される 集 水 区 域 の 面 積 を 用 いて 算 定 した 計 画 地 下 水 排 水 量 を 有 効 かつ 適 切 に 排 出 することができる 排 水 施 設 とする (がけ 面 の 保 護 ) 施 行 規 則 第 23 条 切 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが 二 メートルをこえるがけ 盛 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが 一 メートルをこえるがけ 又 は 切 土 と 盛 土 とを 同 時 にした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが 二 メートルをこえるがけの がけ 面 は 擁 壁 でおおわなければならない ただし 切 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずることとなるがけ 又 はが けの 部 分 で 次 の 各 号 の 一 に 該 当 するもののがけ 面 については この 限 りでない 一 土 質 が 次 の 表 の 左 欄 に 掲 げるものに 該 当 し かつ 土 質 に 応 じ 勾 配 が 同 表 の 中 欄 の 角 度 以 下 のもの 土 質 擁 壁 を 要 し な い 勾 配 の 上 限 擁 壁 を 要 す る 勾 配 の 下 限 軟 岩 ( 風 化 の 著 しいものを 除 く ) 60 度 80 度 風 化 の 著 し い 岩 40 度 50 度 砂 利, 真 砂 土, 関 東 ローム, 硬 質 粘 土 そ の 他 こ れ ら に 類 す る も の 35 度 45 度 基 62

2 二 土 質 が 前 号 の 表 の 左 欄 に 掲 げるものに 該 当 し かつ 土 質 に 応 じ 勾 配 が 同 表 の 中 欄 の 角 度 をこえ 同 表 の 右 欄 の 角 度 以 下 のもので その 上 端 から 下 方 に 垂 直 距 離 五 メートル 以 内 の 部 分 この 場 合 において 前 号 に 該 当 するがけの 部 分 により 上 下 に 分 離 されたがけの 部 分 があるときは 同 号 に 該 当 するがけの 部 分 は 存 在 せず その 上 下 のがけの 部 分 は 連 続 しているものとみなす 2 前 項 の 規 定 の 適 用 については 小 段 等 によって 上 下 に 分 離 されたがけがある 場 合 において 下 層 のがけ 面 の 下 端 を 含 み かつ 水 平 面 に 対 し 三 十 度 の 角 度 をなす 面 の 上 方 に 上 層 のがけ 面 の 下 端 があるときは その 上 下 のがけを 一 体 のものとみなす 3 第 1 項 の 規 定 は 土 質 試 験 等 に 基 づき 地 盤 の 安 定 計 算 をした 結 果 がけの 安 全 を 保 つために 擁 壁 の 設 置 が 必 要 でないことが 確 かめられた 場 合 又 は 災 害 の 防 止 上 支 障 がないと 認 められる 土 地 において 擁 壁 の 設 置 に 代 え て 他 の 措 置 が 講 ぜられた 場 合 には 適 用 しない 4 開 発 行 為 によって 生 ずるがけのがけ 面 は 擁 壁 でおおう 場 合 を 除 き 石 張 り 芝 張 り モルタルの 吹 付 け 等 によって 風 化 その 他 の 浸 食 に 対 して 保 護 しなければならない ( 擁 壁 に 関 する 技 術 的 細 目 ) 施 行 規 則 第 27 条 第 二 十 三 条 第 一 項 の 規 定 により 設 置 される 擁 壁 については 次 に 定 めるところによらなければならない 一 擁 壁 の 構 造 は 構 造 計 算 実 験 等 によって 次 のイからニまでに 該 当 することが 確 かめられたものである こと イ 土 圧 水 圧 及 び 自 重 ( 以 下 この 号 において 土 圧 等 という )によって 擁 壁 が 破 壊 されないこと ロ 土 圧 等 によって 擁 壁 が 転 倒 しないこと ハ 土 圧 等 によって 擁 壁 の 基 礎 がすべらないこと ニ 土 圧 等 によって 擁 壁 が 沈 下 しないこと 二 擁 壁 には その 裏 面 の 排 水 をよくするため 水 抜 穴 が 設 けられ 擁 壁 の 裏 面 で 水 抜 穴 の 周 辺 その 他 必 要 な 場 所 には 砂 利 等 の 透 水 層 が 設 けられていること ただし 空 積 造 その 他 擁 壁 の 裏 面 の 水 が 有 効 に 排 水 できる 構 造 のものにあっては この 限 りでない 2 開 発 行 為 によって 生 ずるがけのがけ 面 を 覆 う 擁 壁 で 高 さが 二 メートルを 超 えるものについては 建 築 基 準 法 施 行 令 ( 昭 和 二 十 五 年 政 令 第 三 百 三 十 八 号 ) 第 百 四 十 二 条 ( 同 令 第 七 章 の 八 の 準 用 に 関 する 部 分 を 除 く ) の 規 定 を 準 用 する 基 63

3 審 査 基 準 1. 用 語 の 定 義 がけ 地 表 面 が 水 平 面 に 対 し30 を 超 えて 傾 斜 している 土 地 で 硬 岩 盤 ( 風 化 の 著 しいものを 除 く) 以 外 のものをいう がけ 面 がけの 地 表 面 がけ 勾 配 がけ 面 の 水 平 面 に 対 する 角 度 (ア) 一 体 のがけ (イ) 二 つのがけ ( 開 発 許 可 制 度 の 解 説 ( 社 ) 日 本 宅 地 開 発 協 会 ) 2. 地 盤 の 措 置 (1) 地 盤 の 安 全 性 地 盤 の 沈 下 又 は 開 発 区 域 外 の 地 盤 の 隆 起 が 生 じないように 土 の 置 き 換 え 水 抜 きその 他 の 措 置 が 講 ぜられていること (2)がけ 面 の 排 水 開 発 行 為 によってがけが 生 じる 場 合 には がけの 上 端 に 続 く 地 盤 面 は 特 別 の 事 情 がない 限 り そのがけの 反 対 方 向 に 雤 水 その 他 の 地 表 水 が 流 れるように 勾 配 がとられていること 水 勾 配 水 勾 配 水 勾 配 (がけの 上 端 に 続 く 地 盤 面 の 水 勾 配 につて) 基 64

4 (3) 切 土 の 安 定 切 土 をする 場 合 において 切 土 をした 後 の 地 盤 に 滑 りやすい 土 質 の 層 があると きは その 地 盤 に 滑 りが 生 じないように 地 滑 り 抑 止 食 いくい 又 は グランドア ンカーその 他 の 土 留 めの 設 置 土 の 置 換 えその 他 の 措 置 が 講 ぜられていること (4) 盛 土 の 転 圧 盛 土 をする 場 合 には 盛 土 に 雤 水 その 他 の 地 表 水 の 浸 透 による 緩 み 沈 下 又 は 崩 壊 が 生 じないように おおむね 三 十 センチメートル 以 下 の 厚 さの 層 に 分 けて 土 を 盛 り かつ その 層 の 土 を 盛 るごとに これをローラーその 他 これに 類 する 建 設 機 械 を 用 いて 締 め 固 めるとともに 必 要 に 応 じて 地 滑 り 抑 止 ぐい 等 の 措 置 その 他 の 措 置 が 講 ぜられていること (5) 盛 土 地 盤 の 段 切 り 著 しく 傾 斜 している 土 地 において 盛 土 をする 場 合 には, 盛 土 をする 前 の 地 盤 と 盛 土 とが 接 する 面 が 滑 り 面 とならないように 段 切 りその 他 の 措 置 が 講 ぜられてい ること (6) 地 下 水 の 排 水 切 土 又 は 盛 土 をする 場 合 において 地 下 水 による 崖 崩 れ 又 は 土 砂 の 流 出 が 生 じるおそれがあるときは 開 発 区 域 内 の 地 下 水 を 有 効 かつ 適 切 に 排 水 することが できるように 国 土 交 通 省 令 で 定 める 排 水 施 設 が 設 置 されていること 傾 斜 地 の 盛 土 に 当 っては, 現 地 盤 の 勾 配 が15 以 上 の 場 合 には, 最 小 高 さ50cm, 最 小 幅 100cm で 段 切 りを 行 うこと ただし 谷 埋 め 盛 土 造 成 の 場 合 は 現 地 勾 配 に 関 係 なく 段 切 りを 行 うこと 最 小 高 さ Hmini= 50cm 最 小 幅 Bmini=100cm ( 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 (Ⅰ) ( 株 )ぎょうせい) ( 例 1) 一 般 の 場 合 透 水 性 の 材 料 (ふとんかご) 1:4 以 上 表 土 剥 ぎ 取 り 段 切 り 排 水 勾 配 2~5% ( 例 2) 湧 水 が 多 い 場 合 防 災 小 堤 表 土 剥 ぎ 取 り 透 水 性 の 材 料 (ふとんかご) 1:4 以 上 ジオテキスタイル 等 段 切 り 排 水 勾 配 2~5%( 逆 勾 配 ) 基 65

5 3.がけに 関 する 技 術 的 細 目 (1) 切 土 した 土 地 の 部 分 に 生 じる 高 さが2.0mをこえるがけ 盛 土 した 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが1.0m をこえるがけ 又 は 切 土 と 盛 土 を 同 時 にした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが2.0mを 超 えるがけのがけ 面 は 擁 壁 でおおわなければならない 切 土 又 は 盛 土 (2) 切 土 した 土 地 の 部 分 に 生 ずることとなるがけ 面 については 次 表 に 該 当 する 場 合 に 限 り のり 面 仕 上 げ で 施 工 することができる 法 面 の 土 質 法 高 アH 5m (がけの 上 端 からの 垂 直 距 離 ) イH>5m (がけの 上 端 からの 垂 直 距 離 ) (a) 軟 岩 ( 風 化 の 著 し い も の を 除 く ) 80 度 ( 約 1:0.2) 以 下 60 度 ( 約 1:0.6) 以 下 (b) 風 化 の 著 し い 岩 50 度 ( 約 1:0.9) 以 下 40 度 ( 約 1:1.2) 以 下 (c) 砂 利 真 砂 土 関 東 ロー ム 硬 質 粘 土 そ の 他 これらに 類 するもの (d) 上 記 以 外 の 土 質 ( 岩 屑, 腐 植 土 黒 土 埋 土 その 他 これらに 類 するもの) 45 度 ( 約 1:1.0) 以 下 35 度 ( 約 1:1.5) 以 下 30 度 ( 約 1:1.8) 以 下 30 度 ( 約 1:1.8) 以 下 1 がけの 高 さが5m 以 内 で 法 面 仕 上 げをする 場 合 2 がけの 高 さが5mを 超 え 法 面 仕 上 げをする 場 合 基 66

6 4.がけ 面 の 保 護 都 市 計 画 法 施 行 規 則 第 23 条 にがけ 面 の 保 護 の 規 定 があり 擁 壁 でおおわなければならないがけは 次 のと おりである 一 般 的 にこの 規 定 により 擁 壁 でおおう 必 要 のあるがけに 設 置 する 擁 壁 を 義 務 擁 壁 擁 壁 で おおう 必 要 のないがけに 設 置 する 擁 壁 任 意 擁 壁 と 呼 んでいる (1) 切 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが2mをこえるがけ ただし 切 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずること となるがけ 又 はがけの 部 分 で 擁 壁 を 要 しない 勾 配 のものは この 限 りでない (2) 盛 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが1mをこえるがけ (3) 切 土 と 盛 土 とを 同 時 にした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが2mをこえるがけ * 土 質 試 験 等 に 基 づき 地 盤 の 安 定 計 算 をした 結 果 がけの 安 全 を 保 つために 擁 壁 の 設 置 が 必 要 でないことが 確 かめられた 場 合 又 は 災 害 の 防 止 上 支 障 がないと 認 められる 土 地 において 擁 壁 の 設 置 に 代 えて 他 の 措 置 が 講 ぜられた 場 合 には 適 用 しない ( 例 1) 擁 壁 でおおう 必 要 のあるがけ 切 土 盛 土 して 生 じたがけが123に 該 当 する 場 合 >2m 切 土 盛 土 3 <1m <2m 計 画 地 盤 2 >1m 現 地 盤 >2m 1 切 土 ( 例 2) 擁 壁 でおおう 必 要 のないがけ 2mをこえる 切 土 1mをこえる 盛 土 をしても 生 じたがけが123に 該 当 しない 場 合 現 地 盤 切 土 >2m 計 画 地 盤 1 <2m <2m 盛 土 >1m 3 <1m 30 2 <1m 盛 土 >1m <2m 切 土 >2m 基 67

7 5. 擁 壁 の 設 置 を 要 しない 切 土 のがけ 切 土 をした 土 地 の 部 分 に 生 ずる 高 さが2mをこえるがけ 又 はがけの 部 分 については 施 行 規 則 第 23 条 ただ し 書 の 規 定 により その 土 質 及 び 法 面 の 勾 配 により 擁 壁 の 設 置 を 要 しない 場 合 がある また 擁 壁 の 設 置 を 要 しない 切 土 のがけの 法 面 については 1 号 法 面 と 2 号 法 面 に 分 類 される 法 面 の 種 類 1 号 法 面 2 号 法 面 がけの 上 端 からの 垂 直 距 離 指 定 なし 5m 以 内 軟 岩 30 < 勾 配 < 勾 配 80 土 風 化 の 著 しい 岩 30 < 勾 配 < 勾 配 50 質 砂 利 真 砂 土 等 30 < 勾 配 < 勾 配 45 ( 例 ) がけの 上 端 5mのライ ン 5m がけの 上 端 から 5mのライン がけの 下 端 擁 壁 を 要 しないが けの 部 分 70 切 土 の 土 質 は 軟 岩 号 2 号 にも 該 当 し ないので 擁 壁 が 必 要 2 号 法 面 1 号 法 面 2 号 法 面 5mのライ 基 準 上 は 1 号 法 面 部 分 の 高 さを 除 くとなっているが 実 際 の 法 面 は 勾 配 が 一 定 で ン なく 判 断 が 難 しいので 除 かずにがけの 上 端 から5mで 取 り 扱 っている 勾 配 の 目 安 80 1: : : : : : : 切 土 法 面 の 形 状 がけ 面 を 擁 壁 の 設 置 を 要 しない 法 面 勾 配 で 切 土 をして 仕 上 げる 場 合 の 形 状 は 宅 地 防 災 マニュアル( 平 成 19 年 12 月 )に 基 づいて 施 工 する 勾 配 の 取 り 方 は 単 一 勾 配 とする 場 合 と 土 質 により 法 面 勾 配 を 変 化 させる 場 合 とがある 土 質 が 深 さ 方 向 や 法 面 の 縦 横 断 方 向 にほぼ 等 しい 場 合 には 通 常 単 一 勾 配 を 採 用 する さらに 土 質 が 変 化 して 均 一 でない 場 合 や 土 質 が 異 なっている 場 合 でも 必 要 とする 勾 配 が 最 も 緩 い 土 質 に 対 応 した 法 面 勾 配 に 合 わせれば 単 一 勾 配 の 法 面 としてよい また 土 質 により 法 面 勾 配 を 変 化 させる 場 合 には 原 則 として 上 段 の 法 面 はその 下 段 の 法 面 よりも 緩 くす るものとし 法 面 勾 配 の 変 化 点 には 小 段 を 設 けるものとする これは 地 層 は 上 層 より 下 層 が 必 ずしも 硬 い 地 層 とは 限 らず 軟 らかい 地 層 が 硬 い 地 層 に 挟 まっている 場 合 土 質 による 法 面 勾 配 を 採 用 すると 軟 らかい 地 層 部 分 で 法 面 が 崩 壊 する 恐 れがあるからである 小 段 の 構 造 については 宅 地 防 災 マニュアルにおいては 法 高 5m 程 度 ごとに 幅 1~2mの 小 段 を 設 ける こととなっているが 一 般 的 には 法 高 5m 以 内 ごとに 幅 1.5mの 小 段 を 設 け その 小 段 には 反 対 方 向 に 5%の 勾 配 をとり 排 水 施 設 を 設 けている また その 法 面 には 法 面 保 護 工 を 施 工 しがけ 面 を 保 護 するもの とする ( 例 ) 現 地 盤 上 端 下 端 小 段 には 排 水 1.5m 施 設 を 設 置 する 法 面 保 護 工 真 砂 土 5m 5% 1:1.5 5m 以 内 毎 に 1.5m 以 上 の 小 1.5m 風 化 の 著 しい 岩 段 を 最 高 高 さが 15m を 超 5m 5% 1:1.2 える 場 合 は 15m 以 内 毎 に 4. 0m 以 上 の 幅 広 の 小 段 を 設 置 5m 1:0.6 軟 岩 すること 基 68

8 7. 盛 土 法 面 の 安 全 性 (1) 対 象 となる 盛 土 法 面 盛 土 法 面 の 勾 配 は 30 以 下 とする なお 次 のいずれかの 場 合 は 盛 土 法 面 の 検 討 を 十 分 に 行 い 安 定 計 算 により 法 面 形 状 を 決 定 すること ⅰ 法 の 高 さが15m 以 上 の 高 盛 土 の 場 合 ⅱ 盛 土 が 地 山 からの 湧 水 の 影 響 を 受 ける 場 合 若 しくは 傾 斜 角 が15 以 上 の 原 地 盤 ( 剥 取 り 前 後 共 )への 片 切 り 片 盛 り 腹 付 け 盛 土 斜 面 上 の 盛 土 谷 埋 め 盛 土 などの 場 合 ⅲ 盛 土 箇 所 の 原 地 盤 が 軟 弱 地 盤 や 地 滑 り 地 等 の 場 合 ⅳ 法 面 崩 壊 により 隣 接 物 ( 住 居 公 共 物 )に 重 大 な 影 響 を 与 える 恐 れがある 場 合 (2) 盛 土 法 面 の 検 討 に 当 っては つぎの 各 事 項 に 十 分 留 意 すること 1 安 定 計 算 盛 土 法 面 の 安 定 計 算 については 円 弧 滑 り 面 法 により 検 討 することを 原 則 とする また 円 弧 滑 り 面 法 のう ち 簡 便 式 (スウェーデン 式 )に 依 ることを 標 準 とするが 現 地 の 地 形 により 滑 り 面 が 非 円 弧 となる 場 合 は 状 況 に 応 じた 適 切 な 滑 り 面 の 想 定 しそれに 則 した 安 定 計 算 式 を 用 いること 2 設 計 強 度 定 数 安 定 計 算 に 用 いる 粘 着 力 (C) 及 び 内 部 摩 擦 角 (φ)の 設 定 は 盛 土 に 使 用 する 土 を 用 いて 現 場 含 水 比 及 び 現 場 の 締 め 固 め 度 に 供 試 体 を 作 成 し せん 断 試 験 を 行 う 事 を 原 則 とする 3 間 隙 水 圧 盛 土 の 施 工 に 際 しては 透 水 層 を 設 けるなどして 盛 土 内 に 間 隙 水 圧 が 発 生 しないようにすることが 原 則 である しかし 開 発 事 業 区 域 内 における 地 下 水 位 又 は 間 隙 水 圧 は 法 面 の 安 定 性 に 大 きく 影 響 するため 安 定 計 算 によって 盛 土 法 面 の 安 定 性 を 検 証 する 必 要 がある この 場 合 に 盛 土 の 下 部 又 は 側 方 からの 浸 透 水 による 間 隙 水 圧 (u)とし 雤 水 の 浸 透 によって 形 成 される 地 下 水 による 間 隙 水 圧 及 び 盛 土 施 工 に 伴 って 発 生 する 過 剰 間 隙 水 圧 を 考 慮 する これらの 間 隙 水 圧 は 現 地 調 査 による 資 料 により 算 出 することを 原 則 とする 4 最 小 安 全 率 盛 土 法 面 の 安 定 に 必 要 な 最 小 安 全 率 (Fs)は 盛 土 施 工 直 後 においてFs 1.5で 地 震 時 の 安 定 計 算 は 大 地 震 時 にFs 1.0とする この 場 合 の 水 平 震 度 は0.25( 大 地 震 )に 建 築 基 準 法 施 行 令 第 88 条 第 1 項 に 規 定 するZの 数 値 を 乗 じて 得 た 数 値 とする 基 69

9 (3) 常 時 の 安 定 計 算 簡 便 法 簡 便 法 のうち 円 弧 滑 り 面 法 においては 有 効 応 力 法 又 は 全 応 力 法 のどちらかを 選 択 するが 一 般 的 に 施 行 後 長 時 間 経 過 した 盛 土 の 安 定 計 算 は 有 効 応 力 法 により 計 算 し 細 粒 土 で 急 速 に 盛 土 する 場 合 または 施 工 中 及 び 施 行 直 後 の 安 定 計 算 は 全 応 力 法 とする また 計 算 により 土 の 安 定 を 検 討 するには 土 の 剪 断 特 性 を 調 べる 必 要 があり 盛 土 の 原 地 盤 及 び 盛 土 材 に ついて 剪 断 試 験 は 現 地 の 施 工 条 件 と 同 じ 条 件 で 作 成 された 供 試 体 で 試 験 を 実 施 するが 全 応 力 法 と 有 効 応 力 法 によって 剪 断 時 の 応 力 の 取 り 方 が 異 なるので 注 意 を 要 する 有 効 応 力 法 による 場 合 FS= MR MD = {C' l +(Wcosα-U l )tan'} ΣWsinα 全 応 力 法 による 場 合 FS= MR MD = Σ(C l +Wcosα tanφ) ΣWsinα FS : 安 全 率 MR : 土 塊 の 抵 抗 モーメント(kN m/m) MD : 土 塊 の 滑 動 モーメント(kN m/m) W : 各 スライスの 単 位 長 さ 重 量 (kn/m) U : 各 スライスの 滑 り 面 上 に 働 く 間 隙 水 圧 (kn/m2) α : 各 スライスの 滑 り 面 の 中 点 と 滑 り 面 円 弧 とする 円 の 中 心 とを 結 ぶ 直 線 が 鉛 直 線 となす 角 度 ( ) l : 各 スライスの 滑 り 面 の 長 さ(m) φ : 盛 土 の 内 部 摩 擦 角 ( ) φ' : 有 効 応 力 に 関 する 盛 土 の 内 部 摩 擦 角 ( ) C : 盛 土 内 の 粘 着 力 (kn/m2) C' : 有 効 応 力 に 関 する 盛 土 粘 着 力 (kn/m2) O r r 鉛 直 線 α 滑 り 線 Wnsinα Wn Wncosα Δl n 円 弧 滑 り 面 法 における 各 スライス( 分 割 片 )に 働 く 力 ( 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 [Ⅰ] 宅 地 防 災 研 究 会 編 ぎょうせい) 基 70

10 (4) 地 震 時 の 安 定 計 算 簡 便 法 一 般 的 に 円 弧 滑 り 面 を 仮 定 した 震 度 法 による 安 定 計 算 とするが 予 想 される 滑 り 面 が 円 弧 でない 場 合 は 複 合 滑 り 面 法 等 により 計 算 すること また 盛 土 内 に 地 下 水 が 存 在 することがあることから 地 震 時 においても 法 面 の 安 定 性 を 損 なうので 地 下 水 位 の 設 定 が 必 要 である 地 震 時 の 安 定 計 算 も 常 時 と 同 様 に 有 効 応 力 法 と 全 応 力 法 による 全 応 力 法 で 解 析 する 場 合 には 地 震 時 に 土 中 に 発 生 する 間 隙 水 圧 を 考 慮 しないで 土 の 透 水 性 に 見 合 った 排 水 条 件 による 静 的 試 験 から 求 めた 強 度 定 数 を 用 いる 有 効 応 力 法 で 解 析 する 場 合 には 地 震 時 に 土 中 に 発 生 する 間 隙 水 圧 を 考 慮 する 地 震 時 に 土 中 に 発 生 する 間 隙 水 圧 は 測 定 を 伴 う 繰 返 し 三 軸 試 験 などから 求 めることができる また 土 の 地 震 時 の 強 度 は 常 時 と 同 様 に 基 礎 地 盤 の 現 位 置 で 採 取 した 不 撹 乱 資 料 により 室 内 試 験 の 結 果 に 基 づき 盛 土 についても 現 地 の 施 工 条 件 と 同 じ 条 件 で 作 成 された 供 試 体 で 試 験 を 実 施 する 他 地 震 時 の 飽 和 した 緩 い 砂 質 土 での 過 剰 間 隙 水 圧 の 発 生 が 伴 う 強 度 減 尐 や 地 震 荷 重 の 速 度 効 果 繰 り 返 し 効 果 による 粘 性 土 の 強 度 変 化 等 を 考 慮 すること 有 効 応 力 法 による 場 合 FS= M'R+ΔM'R MD = rσ[c' l +{W(cosα-kh sinα)-u l }tanφ']+p r' Σ(r Wsinα+kh W h) 間 隙 水 圧 の 測 定 を 伴 う 繰 り 返 し 三 軸 試 験 による 場 合 に 用 いることができる FS= M'R+ΔM'R MD = rσ(cu l )+P r' Σ(r Wsinα+kh W h) 全 応 力 による 場 合 FS= M'R+ΔM'R MD = rσ{c l +(Wcosα-kh Wsinα)tanφ}+P r' Σ(r Wsinα+kh W h) FS : 安 全 率 ( 地 震 時 ) M'R : 地 震 時 の 土 塊 の 抵 抗 モーメント(kN m/m) ΔM'R: 抵 抗 モーメントの 増 分 M'D : 地 震 時 の 土 塊 の 滑 動 モーメント(kN m/m) P : 対 策 工 の 抵 抗 力 ( 抑 止 力 )(kn/m) * 地 滑 り 抑 止 杭 グランドアンカー 工 地 下 水 排 除 工 等 の 対 策 により 異 なる r : 滑 り 面 の 半 径 (m) r' : 対 策 工 の 工 法 により 決 まるモーメントの 腕 の 長 さ W : 各 スライスの 単 位 長 さ 重 量 (kn/m) U : 各 スライスの 滑 り 面 上 に 働 く 間 隙 水 圧 (kn/m2) kh : 設 計 水 平 震 度 ( 地 震 力 の 作 用 位 置 は 各 スライスの 重 心 位 置 ) α : 各 スライスの 滑 り 面 の 中 点 と 滑 り 面 円 弧 とする 円 の 中 心 とを 結 ぶ 直 線 が 鉛 直 線 となす 角 度 ( ) h : 各 スライスの 滑 り 面 を 円 弧 とする 円 の 中 心 と 各 スライスの 重 心 との 鉛 直 距 離 (m) l : 各 スライスの 滑 り 面 の 長 さ(m) φ : 盛 土 の 内 部 摩 擦 角 ( ) φ' : 有 効 応 力 に 関 する 盛 土 の 内 部 摩 擦 角 ( ) C : 盛 土 内 の 粘 着 力 (kn/m2) C' : 有 効 応 力 に 関 する 盛 土 粘 着 力 (kn/m2) CU : 各 スライスの 滑 り 面 の 非 排 水 剪 断 動 的 強 度 基 71

11 O r h r 鉛 直 線 α kh W 重 心 点 滑 り 線 W b l 地 震 時 の 円 弧 滑 り 面 法 における 各 スライス( 分 割 片 )に 働 く 力 ( 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 [Ⅰ] 宅 地 防 災 研 究 会 編 ぎょうせい) (5) 間 隙 水 圧 間 隙 水 圧 は 実 測 を 行 っても 制 度 が 良 く 値 が 求 められない 事 から 道 路 土 工 - 法 面 工 傾 斜 安 定 工 指 針 により 盛 土 下 部 に 液 状 化 の 恐 れがある 土 層 が 部 分 布 する 場 合 は 土 質 試 験 あるいは 動 的 強 度 試 験 を 実 施 し 過 剰 間 隙 水 圧 を 求 めることとする また 地 震 動 により 発 生 する 過 剰 間 隙 水 圧 の 値 は 直 接 的 に 繰 り 返 し 三 軸 試 験 等 を 行 って 求 めることとする 基 72

12 始 設 計 条 件 の 設 定 法 面 形 状 構 造 の 設 定 NO 常 時 安 定 性 の 検 討 の 必 要 はあるか YES 常 時 の 安 定 計 算 ( 円 弧 滑 り 法 面 ) YES 最 小 安 全 率 は 規 定 以 上 か NO 設 計 条 件 の 変 更 は 可 能 か YES NO NO 地 震 時 安 定 性 検 討 の 必 要 性 はあるのか 対 策 工 法 の 検 討 YES 設 計 水 平 震 度 の 設 定 間 隙 水 圧 を 考 慮 した 注 1): 液 状 化 の 場 合 は 過 剰 間 隙 水 圧 を 考 慮 した 計 算 をすること 注 2): 施 工 時 の 安 全 率 は 除 くものとする 円 弧 滑 り 面 法 注 1) YES 最 小 安 全 率 は 規 定 以 上 か 注 2) NO 変 形 解 析 変 形 量 は 許 容 範 囲 に 収 っているか NO 対 策 工 法 の 検 討 YES 法 面 の 詳 細 設 計 終 盛 土 法 面 の 一 般 的 な 検 討 フロー ( 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 [Ⅰ] 宅 地 防 災 研 究 会 編 ぎょうせい) 基 73

13 8. 盛 土 全 体 の 安 全 性 (1) 対 象 となる 盛 土 造 成 1 谷 埋 め 型 大 規 模 盛 土 造 成 地 盛 土 を 行 う 面 積 が 3,000 m2 以 上 で 盛 土 を 行 うことにより 盛 土 部 分 に 地 下 水 が 浸 入 する 事 がが 予 想 される 造 成 の 場 合 盛 土 造 成 面 積 3,000 m2 以 上 地 下 水 位 浸 透 水 横 断 面 地 下 水 位 原 地 盤 の 等 高 線 造 成 平 面 縦 断 面 浸 透 水 ⅰ 谷 埋 め 型 大 規 模 盛 土 造 成 地 のイメージ 2 腹 付 け 型 大 規 模 盛 土 造 成 地 盛 土 を 行 う 前 の 地 盤 面 が 水 平 面 に 対 して 20 以 上 の 角 度 があり かつ 盛 土 高 さが 5m 以 上 の 造 成 の 場 合 原 地 盤 の 等 高 線 原 地 盤 5m 以 上 20 以 上 造 成 平 面 縦 断 面 ⅱ 腹 付 け 型 大 規 模 盛 土 造 成 地 のイメージ * 法 面 造 成 でなく 擁 壁 を 設 ける 場 合 も 盛 土 形 態 が 上 記 の 場 合 は 基 準 を 適 用 する (2) 盛 土 全 体 の 検 討 に 当 っては つぎの 各 事 項 に 十 分 留 意 すること 基 74

14 1 安 定 計 算 谷 埋 め 型 大 規 模 盛 土 造 成 地 の 安 全 性 について 二 次 元 の 分 割 法 による 検 討 を 腹 付 け 型 大 規 模 盛 土 造 成 地 の 安 全 性 については 二 次 元 の 分 割 法 の 簡 便 法 による 検 討 を 標 準 とする 2 設 計 強 度 定 数 安 定 計 算 に 用 いる 粘 着 力 (C) 及 び 内 部 摩 擦 角 (φ)の 設 定 は 盛 土 に 使 用 する 土 を 用 いて 現 場 含 水 比 及 び 現 場 の 締 め 固 め 度 に 供 試 体 を 作 成 し せん 断 試 験 を 行 う 事 を 原 則 とする 3 間 隙 水 圧 盛 土 の 施 工 に 際 しては 地 下 水 排 除 工 を 設 けるなどして 盛 土 内 に 間 隙 水 圧 が 発 生 しないよう 行 うことが 原 則 である しかし 開 発 事 業 区 域 内 における 地 下 水 位 又 は 間 隙 水 圧 は 盛 土 全 体 の 安 定 性 に 大 きく 影 響 する ため 安 定 計 算 によって 盛 土 全 体 の 安 定 性 を 検 証 する 必 要 がある この 場 合 に 盛 土 の 下 部 又 は 側 方 からの 浸 透 水 による 間 隙 水 圧 (u)とし 雤 水 の 浸 透 によって 形 成 される 地 下 水 による 間 隙 水 圧 及 び 盛 土 施 工 に 伴 って 発 生 する 過 剰 間 隙 水 圧 を 考 慮 する これらの 間 隙 水 圧 は 現 地 調 査 による 資 料 により 算 出 することを 原 則 とするが 現 地 調 査 が 困 難 な 場 合 のみ 適 切 な 方 法 で 推 定 する 事 を 認 める 4 最 小 安 全 率 盛 土 の 安 定 については 常 時 の 安 全 性 を 確 保 し 地 震 時 の 安 定 計 算 は 大 地 震 時 にFs 1.0とする こ の 場 合 の 水 平 震 度 は0.25( 大 地 震 )に 建 築 基 準 法 施 行 令 第 88 条 第 1 項 に 規 定 するZの 数 値 を 乗 じて 得 た 数 値 とする (3) 地 震 時 の 安 定 計 算 1 谷 埋 め 型 大 規 模 造 成 盛 土 の 検 討 谷 埋 め 型 大 規 模 盛 土 の 滑 り 面 は 複 数 の 円 弧 直 線 が 複 合 した 形 態 を 成 すのが 一 般 的 で 安 定 計 算 につい ては 二 次 元 の 分 割 法 により 検 討 すること また 盛 土 の 滑 り 面 に 対 する 最 大 摩 擦 抵 抗 力 その 他 の 抵 抗 力 は 地 盤 の 特 性 に 応 じ 全 応 力 法 または 有 効 応 力 法 により 求 める 事 とする 全 応 力 法 で 解 析 する 場 合 には 地 震 時 に 土 中 で 発 生 する 間 隙 水 圧 を 考 慮 しない で 土 の 透 水 性 に 見 合 った 排 水 条 件 による 静 的 試 験 から 求 めた 設 計 強 度 定 数 を 用 いることとし 有 効 応 力 法 で 解 析 する 場 合 は 地 震 時 に 土 中 に 発 生 する 間 隙 水 圧 は 間 隙 水 圧 の 測 定 を 繰 り 返 し 三 軸 試 験 などから 求 められ る 有 効 応 力 法 による 場 合 FS= M'R+ΔM'R M'D = Σ [C' l +{W(cosα-kh sinα)-u l }tanφ'] Rt +P Rt' ΣW Rw-ΣW(cosα-kh sinα) Rr+Σkh W Re 間 隙 水 圧 の 測 定 を 伴 う 繰 り 返 し 三 軸 試 験 による 場 合 に 用 いることができる FS= M'R+ΔM'R M'D = RtΣ(CU l )+P Rt' ΣW Rw-ΣW(cosα-kh sinα) Rr+Σkh W Re 全 応 力 による 場 合 M'R+ΔM'R FS= M'D = Σ[{C l +W(cosα-kh sinα)tanφ}rt]+p Rt' ΣW Rw-ΣW(cosα-kh sinα) Rr+Σkh W Re FS : 安 全 率 ( 地 震 時 ) M'R : 地 震 時 の 土 塊 の 抵 抗 モーメント(kN m/m) ΔM'R: 抵 抗 モーメントの 増 分 基 75

15 M'D : 地 震 時 の 土 塊 の 滑 動 モーメント(kN m/m) Rw : 各 スライスの 滑 り 面 上 の 自 重 によるモーメントの 腕 の 長 さ(m) Rr : 各 スライスの 滑 り 面 上 の 底 面 反 力 によるモーメントの 腕 の 長 さ(m) Re : 各 スライスの 滑 り 面 上 に 作 用 する 地 震 力 によるモーメントの 腕 の 長 さ(m) Rt : スライスのそれぞれの 滑 り 面 のモーメントの 腕 の 長 さ(m) Rt' : 対 策 工 の 工 法 により 決 まるモーメントの 腕 の 長 さ P : 対 策 工 の 抵 抗 力 ( 抑 止 力 )(kn/m) * 地 滑 り 抑 止 杭 グランドアンカー 工 地 下 水 排 除 工 等 の 対 策 によって 異 なる W : 各 スライスの 単 位 長 さ 重 量 (kn/m) U : 各 スライスの 滑 り 面 上 に 働 く 間 隙 水 圧 (kn/m2) kh : 設 計 水 平 震 度 ( 地 震 力 の 作 用 位 置 は 各 スライスの 重 心 位 置 ) α : 次 の 式 によって 計 算 した 各 分 割 片 の 滑 り 面 の 勾 配 (ラジアン) -1 α=tan (H/L) この 式 においてH 及 びLは それぞれ 次 の 数 値 を 表 すものとする H : 各 スライスの 滑 り 面 の 最 下 流 端 と 最 上 流 端 の 標 高 差 を 計 測 した 数 値 (m) L : 各 スライスの 滑 り 面 の 標 高 差 を 計 測 した 二 地 点 間 の 水 平 距 離 を 計 測 した 数 値 (m) l : 各 スライスの 滑 り 面 の 長 さ(m) φ : 盛 土 の 内 部 摩 擦 角 ( ) φ' : 有 効 応 力 に 関 する 盛 土 の 内 部 摩 擦 角 ( ) C : 盛 土 内 の 粘 着 力 (kn/m2) C' : 有 効 応 力 に 関 する 盛 土 粘 着 力 (kn/m2) CU : 各 スライスの 滑 り 面 の 非 排 水 剪 断 動 的 強 度 Rr Rw Re Rt kh W W Ti α l 二 次 元 の 分 割 法 における 各 スライス( 分 割 片 )に 働 く 力 地 震 力 ( 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 [Ⅰ] 宅 地 防 災 研 究 会 編 ぎょうせい) 基 76

16 2 腹 付 け 型 大 規 模 造 成 盛 土 の 検 討 腹 付 け 型 大 規 模 盛 土 の 滑 り 面 は 単 一 の 円 弧 で 構 成 されることから 7. 盛 土 法 面 の 安 全 性 4 地 震 時 の 安 定 計 算 簡 便 法 に 準 じて 二 次 元 の 分 割 法 のうち 簡 便 法 により 検 討 することとする 9. 盛 土 の 施 工 上 の 留 意 事 項 (1) 原 地 盤 の 処 理 盛 土 の 基 盤 となる 原 地 盤 の 状 態 は 現 場 により 様 々で 現 地 踏 査 土 質 検 査 等 によって 原 地 盤 の 適 切 な 把 握 を 行 う 事 が 必 要 で 地 表 面 下 10mまでの 地 盤 に 有 機 質 土 等 粘 性 土 で 標 準 貫 入 試 験 で 得 られるN 値 が2 以 下 若 しくは スウェーデン 式 サウディング 試 験 において100kg(1kN) 以 下 で 自 沈 するもの 等 で 砂 質 土 で 標 準 貫 入 試 験 で 得 られるN 値 が10 以 下 若 しくは スウェーデン 式 サウディング 試 験 にお いて 半 回 転 数 (Nsw)が50 以 下 のもの 等 が 軟 弱 地 盤 対 策 が 必 要 な 地 盤 とする 調 査 の 結 果 軟 弱 地 盤 としての 対 策 が 必 要 な 場 合 は 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 Ⅸ 軟 弱 地 盤 対 策 によ ることとするが 有 機 質 土 等 は 全 て 剥 ぎ 取 るこを 原 則 とする また 盛 土 施 工 に 先 立 ち 必 要 に 応 じて 次 の 原 地 盤 の 処 理 を 行 うこととする ⅰ 抜 開 除 根 及 び 除 草 ⅱ 有 機 質 土 の 剥 ぎ 取 り ⅲ 排 水 溝 サンドマットを 単 独 若 しくは 併 設 ⅳ 極 端 な 凹 凸 及 び 段 差 は 平 坦 に 均 し 締 め 固 める (2) 傾 斜 地 盤 上 の 盛 土 原 地 盤 の 勾 配 が15 以 上 の 勾 配 に 盛 土 を 行 う 場 合 は 盛 土 の 滑 動 及 び 沈 下 が 生 じないように 表 土 を 完 全 に 除 去 し 段 切 りを 行 う この 場 合 に 最 小 高 さ50cm, 最 小 幅 100cm で 段 切 りをい 頂 部 については1: 4の 勾 配 で 原 地 盤 の 表 土 除 去 の 部 分 に 切 り 合 わせること また 谷 埋 め 盛 土 の 場 合 は 勾 配 にかかわらず 段 切 りを 行 うこととする (3) 盛 土 材 料 盛 土 材 料 は 良 質 土 により 盛 土 を 行 うことととする 良 質 土 とは 以 下 に 示 す 特 性 を 有 していること ⅰ 練 固 め 後 の 強 度 が 大 きく 圧 縮 性 が 尐 ないこと ⅱ 敷 き 均 し 及 び 練 り 固 め 施 工 が 容 易 なこと ⅲ 雤 水 などによる 浸 食 及 びスレーキングに 対 して 耐 力 があり 吸 水 による 膨 潤 性 が 低 いこと 一 般 的 に 使 用 使 用 されているが 粒 度 分 布 のよい 砂 礫 土 及 び 砂 質 土 については 地 下 水 位 が 高 い 場 合 に 地 震 時 の 繰 返 し 荷 重 により 液 状 化 現 象 が 起 きやすいので 使 用 箇 所 の 選 定 に 注 意 が 必 要 現 地 で 発 生 する 破 砕 岩 岩 塊 玉 石 等 の 場 合 で 最 大 寸 法 が10cm 径 が3.75cm 以 上 のものの 混 入 率 が 40% 以 下 とする 岩 塊 玉 石 の 場 合 は 盛 土 下 部 層 で 岩 径 が 概 ね30cm 以 下 ( 転 石 )のものを 含 む 土 砂 で 施 工 に 際 して 間 隙 部 分 に 土 を 十 分 充 填 できる 場 合 に 限 り 使 用 が 可 能 とする 粘 性 土 又 はシルト 等 については 安 定 化 処 理 を 前 提 としての 使 用 は 認 めるが 現 状 での 使 用 は 切 土 運 搬 盛 土 転 圧 を 行 うことにより 土 の 脆 弱 化 が 進 むことから 認 められない また ベントナイト 酸 性 白 土 腐 植 土 等 については 造 成 地 に 悪 影 響 を 及 ぼすので 盛 土 材 料 としての 一 切 の 使 用 を 認 めない (4) 敷 均 し 盛 土 材 料 の 敷 均 しは 水 平 薄 層 で 行 い 敷 き 均 し 厚 (まき 出 し 厚 )については30cm 以 下 とする 基 77

17 (5) 含 水 量 調 節 及 び 安 定 化 処 理 含 水 量 の 調 節 は 盛 土 材 料 の 自 然 含 水 比 が 締 固 め 時 の 施 工 含 水 比 の 範 囲 内 で 施 工 できるように ばっき 処 理 散 水 処 理 などを 行 うこと また 安 定 化 処 理 については 石 灰 セメント 等 を 添 加 し 科 学 的 に 安 定 化 させる 方 法 と 高 分 子 材 を 添 加 し 土 の 細 粒 分 を 団 粒 化 し 安 定 させる 方 法 があり 両 者 共 この 決 定 については 現 地 で 試 料 を 採 取 の 上 予 備 的 な 試 験 を 行 い 施 工 する 事 とする (6) 締 固 め 盛 土 の 締 固 めについては 敷 き 均 し 毎 (30cm)の 締 固 めを 行 い 各 層 毎 にプルフローリングを 実 施 し 脆 弱 部 が 無 いことを 確 認 後 に 次 工 事 に 取 掛 かること 特 に 切 土 と 盛 土 の 接 合 部 は 十 分 に 締 固 めること とする また 盛 土 材 の 品 質 並 びに 締 固 め 基 準 について 7. 盛 土 法 面 の 安 全 性 (1) 対 象 となる 盛 土 法 面 に 該 当 する 場 合 は 盛 土 の 特 性 試 験 を 実 施 の 上 締 め 固 め 度 Dc 管 理 若 しくは 空 気 間 隙 率 Va 管 理 により 基 準 値 を 決 定 し 必 要 に 応 じて 締 め 固 め 度 管 理 は 水 浸 (コンプス) 沈 下 スレーキング 沈 下 の 検 討 し 空 気 間 隙 率 管 理 も 盛 土 材 の 圧 密 沈 下 の 検 討 によること ただし 盛 土 量 が30,000m 3 以 上 若 しくは 擁 壁 延 長 が400m 以 上 の 場 合 はRI 計 器 を 用 いた 管 理 の こと 盛 土 量 及 び 擁 壁 延 長 が 下 まわる 場 合 は 砂 置 換 法 等 により 管 理 しても 良 い 1 砂 置 換 法 による 土 の 密 度 試 験 (JISA1214) 最 大 粒 径 53mmまでの 土 に 適 用 2 突 き 砂 による 土 の 密 度 試 験 (JGS1611) 最 大 粒 径 150mmまでの 土 に 適 用 3 水 置 換 による 土 の 密 度 試 験 (JGS1612) 砂 置 換 法 などが 困 難 な 土 の 場 合 に 適 用 4 コアカッターによる 土 の 密 度 試 験 (JGS1613) 細 粒 土 に 適 用 基 78

18 宅 地 地 盤 盛 土 盛 土 材 の 特 性 試 験 土 の 粒 度 試 験 (JIS A 1204) 土 粒 子 の 密 度 (JIS A 1202) 土 の 締 固 め 試 験 (JIS A 1210) 土 の 室 内 コーン 指 数 試 験 ルートA ルートB ルートC 締 固 め 度 Dc 管 理 ( 細 粒 分 含 有 率 <20%) 空 気 間 隙 率 Va 管 理 締 固 め 度 Dc 管 理 (20% 細 粒 分 含 有 率 <50%) 空 気 間 隙 率 Va 管 理 (50% 細 粒 分 含 有 率 ) コーン 指 数 qc 400kN/m2 NO コーン 指 数 qc 200kN/m2 NO 土 質 改 良 施 工 上 の 工 夫 YES 追 加 試 験 YES 土 の 締 固 め 試 験 と 同 様 な 含 水 比 調 整 試 料 を 用 いた 土 のコーン 指 数 試 験 (コーン 指 数 qc 400(200)kN/m2となる 含 水 比 設 定 ) 締 め 固 め 度 Dc 管 理 (RI) GL 0~-0.5m Dc 87% GL-0.5~-2.5m Dc 90% GL-2.5~-5.5m Dc 87% コーン 指 数 qc 400kN/m2(qc 200kN/m2) 空 気 間 隙 率 Va 管 理 (RI) GL 0~-0.5m Va 87% GL-0.5~-2.5m Va 90% GL-2.5~-5.5m Va 87% コーン 指 数 qc 400kN/m2(qc 200kN/m2) 必 要 に 応 じて 水 浸 (コラプス) 沈 下 の 検 討 スレーキング 沈 下 の 検 討 必 要 に 応 じて 盛 土 材 の 圧 密 沈 下 の 検 討 盛 土 の 締 固 め 基 準 値 の 決 定 * 地 表 面 より5.5m 以 深 の 盛 土 地 盤 の 目 標 値 は2.5m~5.5mまでの 値 と 同 様 とする * RI 計 器 の 締 固 め 基 準 は 平 均 値 で 設 定 宅 地 地 盤 盛 土 の 締 固 め 基 本 設 計 フロー ( 都 市 基 盤 整 備 公 団 宅 地 土 工 指 針 ( 案 ) 平 成 14 年 6 月 ) 基 79

19 宅 地 擁 壁 埋 戻 し 盛 土 材 の 特 性 試 験 土 の 粒 度 試 験 (JIS A 1204) 土 粒 子 の 密 度 (JIS A 1202) 土 の 締 固 め 試 験 (JIS A 1210) 土 の 室 内 コーン 指 数 試 験 ルートD ルートE ルートF 締 固 め 度 Dc 管 理 ( 細 粒 分 含 有 率 <20%) 空 気 間 隙 率 Va 管 理 締 固 め 度 Dc 管 理 (20% 細 粒 分 含 有 率 <50%) 空 気 間 隙 率 Va 管 理 (50% 細 粒 分 含 有 率 ) コーン 指 数 qc 400kN/m2 NO 追 加 試 験 土 の 締 固 め 試 験 と 同 様 な 含 水 比 調 整 試 料 を 用 いた 締 固 めた 土 のコーン 指 数 試 験 土 の 締 固 め 試 験 と 同 様 な 含 水 比 調 整 試 料 を 用 いた 締 固 めた 土 のSWS 試 験 YES 土 質 改 良 及 び 施 工 上 の 工 夫 の 検 討 締 め 固 め 度 Dc 管 理 (RI) GL 0~-0.5m Dc 87% GL-0.5~-2.5m Dc 90% GL-2.5~-5.5m Dc 87% コーン 指 数 qc 400kN/m2 必 要 に 応 じて 水 浸 (コラプス) 沈 下 の 検 討 スレーキング 沈 下 の 検 討 空 気 間 隙 率 Va 管 理 (RI) GL 0~-0.5m Va 87% GL-0.5~-2.5m Va 90% GL-2.5~-5.5m Va 87% コーン 指 数 qc 400kN/m2かつ 締 固 めた 土 の SWS 試 験 等 より 定 める 必 要 に 応 じて 盛 土 材 の 圧 密 沈 下 の 検 討 盛 土 の 締 固 め 基 準 値 の 決 定 * 地 表 面 より5.5m 以 深 から 基 礎 底 盤 の 盛 土 地 盤 の 目 標 値 は2.5m~5.5mまでの 値 と 同 様 とする * RI 計 器 の 締 固 め 基 準 は 平 均 値 で 設 定 宅 地 擁 壁 の 埋 戻 し 土 の 締 固 め 基 本 設 計 フロー ( 都 市 基 盤 整 備 公 団 宅 地 土 工 指 針 ( 案 ) 平 成 14 年 6 月 ) 基 80

20 10. 地 下 水 排 除 工 地 下 水 により 崖 崩 れ 又 は 土 砂 の 流 出 が 生 じる 恐 れがある 場 合 は 盛 土 内 に 地 下 水 排 除 工 を 設 置 して 地 下 水 の 上 昇 を 防 ぎ 盛 土 の 安 定 を 図 る 必 要 があることから 7. 盛 土 法 面 の 安 全 性 1 対 象 となる 盛 土 法 面 に 該 当 する 場 合 は 地 下 水 排 除 工 を 設 置 すること また 盛 土 の 地 下 水 には 降 雤 による 浸 透 水 と 山 地 からの 浸 出 水 地 盤 盛 土 の 圧 密 排 水 が 考 えられ 地 下 水 排 除 工 は 盛 土 施 工 の 前 後 に 渡 り 機 能 する 設 計 が 必 要 で 山 地 からの 浸 出 水 が 相 当 量 を 占 めるが 降 雤 浸 透 水 と 地 盤 盛 土 の 圧 密 排 水 を 含 めた 値 を 採 用 すること (1) 地 下 水 排 除 工 の 役 割 地 下 水 排 除 排 除 工 は 盛 土 の 施 工 前 の 原 地 盤 に 設 置 され 宅 地 造 成 工 事 の 各 段 階 に 排 水 機 能 を 発 揮 し 施 工 性 を 高 めるための 準 備 工 と 盛 土 全 体 の 安 定 を 保 つための 基 底 排 水 の 目 的 から 地 盤 に 含 まれる 過 剰 水 分 の 吸 水 と それを 停 滞 なく 流 下 する 役 割 に 分 けられる したがって 計 画 設 計 からそれぞれの 役 割 を 達 せられるように 配 置 構 造 を 決 定 すること 1 本 暗 渠 地 下 水 の 吸 水 と 流 水 の 地 下 水 を 流 下 させる 暗 渠 で 管 材 を 必 ず 使 用 し 流 域 に 尐 なくとも 一 本 以 上 敷 設 し 所 定 の 通 水 能 力 を 有 するもの 2 補 助 暗 渠 流 域 に 存 在 する 地 下 水 を 効 率 よく 吸 水 し 本 暗 渠 に 導 き 入 れる 暗 渠 (2) 地 下 水 排 除 工 の 形 式 本 暗 渠 を 設 置 しようとする 現 地 の 湿 潤 浸 出 水 の 有 無 施 工 区 の 広 さにより 排 水 の 必 要 とされる 期 間 や 重 要 度 が 異 なり 造 成 工 事 中 の 排 水 を 主 な 目 的 するⅠ 型 暗 渠 と 造 成 工 事 中 から 造 成 完 了 後 も 継 続 して 積 極 的 な 排 水 が 必 要 なⅡ 型 暗 渠 となり Ⅱ 型 暗 渠 の 場 合 は 永 久 構 造 物 となることから 流 下 構 造 等 について 詳 細 な 設 計 を 行 うこと (3) 地 下 水 排 除 工 の 機 能 一 般 的 な 暗 渠 は 管 材 と 周 囲 のフィルター 材 で 構 成 され 管 については 吸 水 機 能 を 有 する 有 孔 管 透 水 管 等 と 通 水 を 目 的 とする 無 孔 管 とがあり 有 孔 管 等 はその 性 質 上 漏 水 は 避 けられず 法 面 の 近 辺 への 配 置 は 滑 りを 誘 発 する 恐 れがあるため 配 置 できない (4) 地 下 水 排 除 工 の 設 置 基 準 盛 土 内 への 浸 透 の 防 止 のため 暗 渠 は 湧 水 の 起 点 部 付 近 に 敷 設 と 施 工 区 の 面 的 な 排 水 ができる 配 置 とす る 1 一 般 的 に 本 暗 渠 は 谷 の 低 地 部 に 設 置 し 特 に 浸 出 水 が 多 い 部 分 にも 敷 設 する 2 自 然 流 下 方 式 とし 放 流 先 の 手 前 に 排 水 桝 を 設 置 する 3 トレンチの 掘 削 が 困 難 な 地 盤 への 設 置 は 避 ける 4 暗 渠 の 間 隔 は40mを 標 準 とし 軟 弱 地 盤 に 設 置 する 場 合 は20m 間 隔 とする 5 排 水 量 は 通 常 は2.5l /s/haとし 背 後 地 に 山 地 がある 場 合 は3.0l /s/haとする 6 暗 渠 の 通 水 能 力 の 算 定 はマニングの 公 式 を 使 用 し 勾 配 は 単 位 区 間 の 平 均 値 とする (5) 地 下 水 排 除 工 の 構 造 計 算 Ⅱ 型 管 渠 は 造 成 完 了 後 も 計 画 排 水 量 を 流 下 できるよう 構 造 を 維 持 する 必 要 があり 作 用 する 荷 重 に 対 し て 耐 える 構 造 体 とすること 1 鉛 直 荷 重 鉛 直 荷 重 qdは 次 式 により 求 める qd=γ H qd : 鉛 直 土 圧 (kn/m2) γ : 盛 土 の 単 位 体 積 重 量 (kn/m2) H : 設 計 最 大 盛 土 高 (m) Hは 最 終 盛 土 高 でなく 造 成 中 工 事 完 了 後 を 通 じての 最 高 とする 基 81

21 2 水 平 土 圧 ⅰ 不 撓 性 管 の 場 合 Pd1=qd k Pd2=(qd+γ D)k Pd1 Pd2 qd k γ D : 管 頂 の 深 さでの 水 平 土 圧 (kn/m2) : 管 底 の 深 さでの 水 平 土 圧 (kn/m2) : 管 頂 における 鉛 直 土 圧 (kn/m2) : 水 平 方 向 の 土 圧 係 数 (=0.5) : 土 の 単 位 体 積 重 量 (kn/m2) : 管 の 外 径 (m) ⅱ 可 撓 性 管 の 場 合 Pdmax.= 2 F k/qd/r E I E' R Pdmax. : 管 側 中 央 に 作 用 する 鉛 直 加 重 (kn/m2) F : 変 形 送 れ 係 数 (=1.5) k : 鉛 直 土 圧 による 管 の 垂 直 方 向 たわみ 係 数 ( 基 礎 の 有 効 支 承 角 60 の 場 合 k= の 場 合 k= の 場 合 k=0.089) qd : 管 頂 における 鉛 直 土 圧 (kn/m2) R : 管 厚 中 心 までの 半 径 (m) E : 管 材 のヤング 係 数 (kn/m2) 10 ) ( 硬 質 塩 化 ビニール 材 硬 質 ポリエチレン 材 鋼 材 ) I : 単 位 管 長 あたりの 管 壁 の 断 面 二 次 モーメント(m 4 / m) E' : 埋 戻 し 土 の 反 力 係 数 (kn/m2) ( 基 礎 の 有 効 支 承 角 60 の 場 合 の 場 合 の 場 合 基 礎 の 形 状 と 支 承 角 計 算 に 用 いる 管 基 礎 の 有 効 支 承 幅 は 基 礎 の 形 状 から 下 記 の 表 より 選 択 すること 基 礎 砂 基 礎 ( 自 由 支 承 ) コンクリート 基 礎 ( 固 定 支 承 ) 断 面 適 用 管 種 断 面 適 用 管 種 支 承 角 吸 水 渠 集 水 渠 吸 水 渠 集 水 渠 有 孔 管 無 孔 管 砂 有 孔 管 無 孔 管 可 撓 性 若 しくは 砂 コンクリート 有 孔 管 120 クラッシャーラン 砂 クラッシャーラン 若 しくは 砂 砂 空 隙 コ ンクリ ート 管 無 孔 管 可 撓 性 有 孔 管 180 可 撓 性 コンクリート 有 孔 管 120 無 筋 無 筋 コンクリート 無 筋 可 撓 性 無 孔 管 可 撓 性 無 孔 管 可 撓 性 無 孔 管 基 82

22 4 安 全 性 の 判 定 ⅰ 不 撓 性 管 次 の 条 件 を 満 足 する 事 MR Fs= 1.2 Mmax. Fs : 安 全 率 MR : 管 材 のひび 割 れ 抵 抗 モーメント(kN m/m) Mmax. : 設 計 荷 重 が 作 用 したときに 管 材 に 生 じる 最 大 曲 げモーメント(kN m/m) ひび 割 れ 抵 抗 モーメントは 次 式 で 求 めること MR=0.318 Pc R Pc :ひび 割 れ 試 験 荷 重 (kn/m) R : 管 厚 中 心 までの 半 径 (m) 管 材 に 生 じる 最 大 曲 げモーメントは 次 表 により 求 めること 荷 重 有 効 支 角 承 角 (2θ ) 最 大 曲 げモーメント Mmax.(kN m/m) qd R 2 圧 鉛 直 土 qd R qd R qd R 水 平 土 圧 0~180 -(0.104Pd Pd 2 ) R qd : 管 頂 における 鉛 直 土 圧 (kn/m2) R : 管 厚 中 心 までの 半 径 (m) Pd1 : 管 頂 の 深 さでの 水 平 土 圧 (kn/m2) Pd2 : 管 底 の 深 さでの 水 平 土 圧 (kn/m2) 2 2 基 83

23 ⅱ 可 撓 性 管 次 の 条 件 を 満 足 する 事 σa Fs= 1.2 σ Fs : 安 全 率 σa : 管 材 の 比 例 限 界 撓 み 率 (%) σ : 設 計 荷 重 が 作 用 したとき 管 材 に 生 じる 扁 平 撓 み 率 (%) 比 例 限 界 撓 み 率 は ある 値 を 超 すとクリープ 現 象 を 呈 して 急 激 に 増 大 した 時 をいい 可 撓 性 管 の 場 合 は 比 例 限 界 を 超 えて 撓 みが 進 行 しても 直 ちに 破 断 する 事 はないが 所 定 の 通 水 断 面 が 確 保 できなくなる ので 比 例 限 界 撓 み 率 は5%とする 管 材 に 生 じる 扁 平 撓 み 率 は 次 式 により 求 めること ΔD= ΔD F k qd R E 2 F k qd R 4 E I+0.061E' R : 扁 平 撓 み 量 (m) : 変 形 遅 れ 係 数 (=1.5) : 鉛 直 土 圧 による 管 の 垂 直 方 向 たわみ 係 数 ( 基 礎 の 有 効 支 承 角 60 の 場 合 k= の 場 合 k= の 場 合 k=0.089) : 管 頂 における 鉛 直 土 圧 (kn/m2) : 管 厚 中 心 までの 半 径 (m) : 管 材 のヤング 係 数 (kn/m2) 8 8 ( 硬 質 塩 化 ビニール 材 硬 質 ポリエチレン 材 鋼 材 ) 4 I : 単 位 管 長 あたりの 管 壁 の 断 面 二 次 モーメント(m / m) E' : 埋 戻 し 土 の 反 力 係 数 (kn/m2) ( 基 礎 の 有 効 支 承 角 60 の 場 合 の 場 合 の 場 合 ) 扁 平 撓 み 率 :σ(%)は σ= ΔD 2R 100 と 表 される 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 Ⅰ 宅 地 防 災 研 究 会 編 ぎょうせい 基 84

24 11. 盛 土 内 排 水 層 地 下 水 により 崖 崩 れ 又 は 土 砂 の 流 出 が 生 じる 恐 れがある 場 合 は 盛 土 内 に 地 下 水 排 除 工 を 設 置 して 地 下 水 の 上 昇 を 防 ぐ 場 合 に 併 せて 盛 土 内 に 一 定 の 高 さ 毎 に 水 平 排 水 層 ( 透 水 性 高 い 山 砂 ジオテキスタイル 等 )を 盛 土 材 間 に 設 けることにより 地 下 水 の 上 昇 を 防 ぐとともに 降 雤 による 浸 透 水 を 速 やかに 排 除 する 必 要 があ ることから 7. 盛 土 法 面 の 安 全 性 1 対 象 となる 盛 土 法 面 に 該 当 する 場 合 は 水 平 排 水 層 をを 設 置 する こと また 一 般 的 な 水 平 排 水 層 の 設 置 目 的 は 施 工 中 の 間 隙 水 圧 の 低 下 降 雤 による 浸 透 水 の 排 水 及 びに 盛 土 内 の 含 水 比 を 低 下 等 の 為 であり ジオテキスタイルの 場 合 に 高 さ2~3m 間 隔 に 山 砂 の 場 合 で 約 5m 間 隔 ( 小 段 毎 )に 設 置 すること (1) 浅 層 排 水 層 主 に 雤 水 の 浸 透 による 法 面 の 浸 食 及 び 表 層 滑 りを 防 止 する 目 的 により 設 ける 一 般 的 な ジオテキスタイル W=2.5m 2~3m i=4~5% H 有 害 な 雤 水 浸 透 層 L 湧 水 箇 所 に 地 下 水 排 除 工 を 設 置 ⅰ 排 水 層 は 尐 なくとも 小 段 毎 に 設 置 すること(ジオテキスタイルは 小 段 間 にも 設 置 ) ⅱ 小 段 間 に 設 けられる 水 平 排 水 孔 は 法 面 の 洗 掘 防 止 対 策 を 施 すこと ⅲ 排 水 層 の 設 置 長 さ(L)は 設 置 高 さ 間 隔 (H)の1/2 以 上 かつ 有 害 な 雤 水 浸 透 層 よりも 深 い 位 置 から 設 置 こ と( 土 質 試 験 等 により 求 められた 雤 水 浸 透 厚 以 外 の 場 合 は3m 以 上 の 値 とること) (2) 深 層 排 水 層 主 に 背 後 地 が 山 地 等 により 浸 出 水 等 が 考 えられる 場 合 ( 8. 盛 土 全 体 の 安 全 性 1 対 象 となる 盛 土 造 成 に 該 当 する 場 合 に 設 置 が 必 要 )または 盛 土 箇 所 の 原 地 盤 が 軟 弱 地 盤 や 地 滑 り 地 等 の 場 合 に 設 置 すること ( 例 1) ⅰ 深 層 排 水 層 は 小 段 毎 に 設 置 すること ⅱ 計 算 により 導 き 出 された 滑 り 線 より2m 奥 まで 敷 設 する 事 (L+l ) ⅲ 敷 設 勾 配 は4~5%に 設 置 ⅳ 砂 ジオテキスタイル 等 を 使 用 した 場 合 の 円 弧 滑 り 検 討 に 滑 り 抵 抗 力 は 無 いものとして 検 討 すること( 補 強 盛 土 工 法 とは 別 目 的 で 仕 様 も 異 なる) i=4~5% L l 2m 円 弧 滑 り 崩 壊 面 基 85

25 ( 例 2) ⅰ 深 層 排 水 層 は 小 段 毎 に 設 置 すること ⅱ 盛 土 頂 部 より 設 置 高 の 二 倍 以 上 (L 2H) ⅲ 敷 設 勾 配 は4~5%に 設 置 流 出 防 止 施 設 L1 2H1 H1 ⅳ 水 平 層 の 厚 さ 砂 の 場 合 15 cm 以 上 礫 の 場 合 30 cm 以 上 L2 2H2 H2 H3 L3 2H3 H4 i=4~5% L4 2H4 その 他 水 平 排 水 層 を 樹 脂 板 等 特 殊 材 を 使 用 の 場 合 はメーカー 仕 様 によるが 樹 脂 板 を 使 用 する 場 合 の 盛 土 の 安 定 性 についての 検 討 は 土 の 内 部 摩 擦 角 が 変 化 するので 十 分 留 意 すること 基 86

26 12. 擁 壁 に 関 する 技 術 的 細 目 (1) 計 算 に 用 いる 数 値 構 造 計 算 に 用 いる 数 値 は 下 表 を 標 準 とする 鉄 筋 コンクリート 擁 壁 無 筋 コンクリート 擁 壁 について 国 土 交 通 省 制 定 の 土 木 構 造 物 標 準 設 計 図 集 等 ( 適 用 条 件 が 合 致 する 場 合 に 限 る )を 用 いる 場 合 は 構 造 計 算 を 要 しない ただし ブロック 積 擁 壁 は 除 く 設 計 条 件 項 目 内 容 1 土 圧 試 行 くさび 法 により 計 算 する 2 上 載 荷 重 3 基 礎 形 式 道 路 の 擁 壁 道 路 以 外 ( 宅 地 等 )の 擁 壁 直 接 基 礎 10kN/m2 5kN/m2 4 地 盤 の 許 容 支 持 力 度 地 盤 の 許 容 支 持 力 度 は 以 下 のとおりである 許 容 支 持 力 度 型 式 qa(kn/m2) も た れ 式 300 小 型 重 力 式 重 力 式 逆 T 型 L 型 備 200 注 ) 300 考 地 震 時 は 450kN/m2 注 ) 擁 壁 高 さが2.5m 以 上 で かつ 支 持 地 盤 が 中 位 な 砂 質 地 盤 (N 値 20~30)の 場 合 には 擁 壁 高 さの0.2 倍 以 上 の 根 入 れ 深 さを 確 保 すること 設 計 上 地 盤 の 支 持 力 を100kN/m2 以 上 必 要 とする 場 合 は 地 質 調 査 等 により 地 盤 の 支 持 力 を 実 証 すること 5 滑 動 摩 擦 係 数 µ=0.6 以 下 ただし 当 該 擁 壁 の 高 さが2mを 超 える 場 合 は 土 質 試 験 結 果 から 求 めた 値 もし くは 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 別 表 第 3の 値 を 用 いること 6 設 計 水 平 震 度 設 計 水 平 震 度 khは 当 該 開 発 地 区 の 条 件 により 適 切 な 値 を 定 めること 擁 壁 高 さが8mを 超 える 場 合 は 地 震 時 の 検 討 をすること 基 87

27 設 計 条 件 項 目 内 容 7 裏 込 め 土 の 種 類 および 壁 面 摩 擦 角 埋 込 め 土 の 種 類 とせん 断 抵 抗 角 および 単 位 体 積 重 量 の 関 係 は 次 のとおりであ る 標 準 設 計 で せん 断 抵 抗 角 単 位 体 積 重 量 裏 込 め 土 の 種 類 の 呼 称 φ( 度 ) γ(kn/m 3 ) 礫 質 土 C 砂 質 土 C 粘 性 土 (ただし W L < 50%) C また 壁 面 摩 擦 角 (δ)は 次 のように 算 出 した 土 と 土 土 と コ ン ク リ ー ト 常 時 δ=β δ=2/3φ 地 震 時 載 荷 重 を 含 めない 常 時 土 圧 を 準 用 β:abと 水 平 面 のなす 角 ( 下 図 参 照 ) δ: 壁 面 摩 擦 角 8 材 料 の 単 位 体 積 あ たりの 重 量 及 び 規 格 材 料 の 単 位 体 積 あたりの 重 量 は 以 下 のとおりである 種 別 単 位 体 積 重 量 (kn/m 3 ) コンクリート 無 筋 23.0 鉄 筋 24.5 材 料 の 規 格 は 以 下 のとおりである 種 別 規 格 摘 要 コンクリートの 設 計 基 準 強 度 σ ck = 18N/mm2 σ ck = 24N/mm2 無 筋 コンクリート 構 造 鉄 筋 コンクリート 構 造 鉄 筋 SD345 基 88

28 設 計 条 件 項 目 内 容 9 材 料 の 許 容 応 力 度 材 料 の 許 容 応 力 度 は 以 下 のとおりである 種 別 曲 げ 引 張 応 力 度 σ sa 許 容 応 力 度 (N/mm2) 圧 縮 応 力 度 σ ca せん 断 応 力 度 注 1) τ a1 無 筋 コンクリート 鉄 筋 コンクリート 常 時 160 注 2) - - 鉄 筋 (SD345) 地 震 時 基 本 値 重 ね 継 手 長 の 算 定 注 1)コンクリートの 平 均 せん 断 応 力 度 注 2) 鉄 筋 の 引 張 応 力 度 は 厳 しい 環 境 下 の 部 材 とする 10 安 定 条 件 擁 壁 の 安 定 条 件 は 以 下 のとおりとする 安 定 条 件 許 容 値 常 時 地 震 時 転 倒 に 対 して e B/6(m) e B/3(m) 支 持 に 対 して q qa(kn/m2) qが 100kN/m2 以 上 にな る 時 は 地 盤 調 査 が 必 要 q 1.5qa(kN/m2) 滑 動 に 対 して Fs 1.5 Fs 1.2 (B: 底 版 幅 ) ( 参 考 : 国 土 交 通 省 制 定 土 木 構 造 物 標 準 設 計 第 2 巻 手 引 ( 社 ) 全 日 本 建 設 技 術 協 会 ) 基 89

29 (2) 擁 壁 設 置 上 の 留 意 事 項 がけや 擁 壁 に 近 接 してその 上 部 に 新 たな 擁 壁 を 設 置 する 場 合 は 下 部 に 有 害 な 影 響 を 与 えないよう 設 置 位 置 について 十 分 配 慮 する 設 置 する 場 合 の 一 般 的 注 意 事 項 を 下 記 に 示 す 1 斜 面 上 に 擁 壁 を 設 置 する 場 合 には 図 のように 擁 壁 基 礎 前 端 より 擁 壁 の 高 さの0.4H 以 上 で かつ1. 5m 以 上 だけ 土 質 に 応 じた 勾 配 線 より 後 退 し その 部 分 はコンクリート 打 ち 等 により 風 化 浸 食 のおそれの ない 状 態 にすること ( 参 考 資 料 ) 15/100H 以 上 でかつ 35cm 以 上 または 20/100H 以 上 でかつ 45cm 以 上 ( 基 礎 地 盤 が 軟 弱 な 場 合 ) 斜 面 上 に 擁 壁 を 設 置 する 場 合 上 部 擁 壁 下 部 擁 壁 とも 鉄 筋 コンクリート 造 で 築 造 する 場 合 土 質 別 角 度 (θ) 風 化 の 著 背 面 土 質 軟 岩 しいもの 風 化 の 著 しい 岩 角 度 (θ) を 除 く 砂 利 真 砂 土 関 東 ローム 硬 質 粘 土 そ の 他 これらに 類 す るもの( 切 土 ) 盛 土 または 腐 植 土 ( 構 造 図 集 擁 壁 ( 社 ) 日 本 建 築 士 会 連 合 会 ) 基 90

30 (2) 図 に 示 す 擁 壁 で 表 のθ 角 度 内 に 入 っていないものは 二 段 の 擁 壁 とみなされるので 一 体 の 擁 壁 として 設 計 を 行 うことが 必 要 である なお 上 部 擁 壁 が 表 のθ 角 度 内 に 入 っている 場 合 は 別 個 の 擁 壁 として 扱 う が 水 平 距 離 を0.4H 以 上 かつ1.5m 以 上 はなさなければならない θ 15/100H 以 上 でかつ 35cm 以 上 または 20/100H 以 上 でかつ 45cm 以 上 ( 基 礎 地 盤 が 軟 弱 の 場 合 ) 上 部 擁 壁 を 間 知 石 積 みで 築 造 する 場 合 θ 15/100H 以 上 でかつ 35cm 以 上 または 20/100H 以 上 でかつ 45cm 以 上 ( 基 礎 地 盤 が 軟 弱 の 場 合 ) 上 部 擁 壁 を 鉄 筋 コンクリート 造 で 築 造 する 場 合 ( 構 造 図 集 擁 壁 ( 社 ) 日 本 建 築 士 会 連 合 会 ) 基 91

31 (3) がけの 上 部 の 擁 壁 の 後 退 がけに 近 接 してその 上 部 に 新 たな 擁 壁 を 設 置 する 場 合 には 図 のように 擁 壁 基 礎 前 端 より 擁 壁 の 高 さの 0.4H 以 上 で かつ.5m 以 上 だけ 土 質 に 応 じた 勾 配 線 より 後 退 し その 部 分 はコンクリート 打 ち 等 により 風 化 浸 食 のおそれのない 状 態 にすること ( 例 1) 練 積 み 擁 壁 の 場 合 擁 壁 の 設 置 を 要 し ない 切 土 のがけ 面 ( 法 面 保 護 が 必 要 ) コンクリート 打 等 厚 5~10 cm H θ=30 で 運 用 0.4H 以 上 で かつ 1.5m 以 上 θは 土 質 に 応 じた 角 度 であるが 建 築 基 準 法 の 取 扱 いとの 整 合 から 通 常 は θ=30 で 運 用 している ( 例 2)L 型 擁 壁 の 場 合 擁 壁 の 設 置 を 要 し ない 切 土 のがけ 面 ( 法 面 保 護 が 必 要 ) コンクリート 打 等 厚 5~10 cm H 0.4H 以 上 で かつ 1.5m 以 上 θ=30 で 運 用 ( 例 3) 下 部 の 法 面 が がけに 該 当 しない 場 合 コンクリート 打 不 要 θ=30 H 必 要 根 入 れ 寸 法 法 面 下 端 から 30 のライン 所 定 の 根 入 れ 底 から 30 で 振 りあげたラ インと 前 面 地 盤 が 交 わった 所 以 上 水 平 部 分 を 確 保 するのが 望 ましい 法 面 下 端 から 30 のライン θ=30 前 面 地 盤 高 さ H 必 要 根 入 れ 寸 法 基 92

32 (4) 擁 壁 の 上 部 の 擁 壁 の 後 退 擁 壁 に 近 接 してその 上 部 に 新 たな 擁 壁 を 設 置 する 場 合 には 2 擁 壁 設 置 上 の 留 意 事 項 の 参 考 図 とる が 特 に 上 部 擁 壁 が 練 積 み 擁 壁 の 場 合 には 根 入 れの 関 点 から 下 部 擁 壁 基 礎 後 端 より 土 質 に 応 じた 勾 配 線 が 上 部 地 盤 面 と 交 わった 位 置 が 上 部 擁 壁 基 礎 前 端 の 位 置 より 前 面 にある 場 合 は それぞれ 別 の 擁 壁 と みなされる なお この 場 合 勾 配 線 が 上 部 地 盤 面 と 交 わった 位 置 より 前 面 に 水 平 距 離 として 0.4H(H は 上 段 の 擁 壁 の 高 さ)かつ 1.5m 以 上 の 水 平 距 離 が 必 要 である 上 記 により 別 の 擁 壁 とみなされない 場 合 二 段 擁 壁 とみなされ 構 造 計 算 により 安 全 性 の 確 認 をしなけ ればならない その 場 合 には 必 ず 地 質 調 査 等 を 行 い 土 質 及 び 地 盤 の 許 容 支 持 力 を 算 出 し その 支 持 力 を もとに 構 造 計 算 を 行 うこと ( 地 盤 の 支 持 力 が 100kN/m2 未 満 で 設 計 する 場 合 も 地 質 調 査 等 が 必 要 ) なお 二 段 擁 壁 は 上 段 下 段 いずれにも 練 積 み 擁 壁 を 用 いることは 認 めていないので 練 積 み 擁 壁 の 場 合 二 段 擁 壁 に 該 当 しないように 設 計 する 必 要 がある ( 例 1) 練 積 み 擁 壁 + 練 積 み 擁 壁 の 場 合 0.4H 以 上 で かつ 1.5m 以 上 A B H θ AがBより 前 面 にあるのでそれぞれ 別 の 擁 壁 とみなす A: 下 部 擁 壁 基 礎 後 端 より 土 質 に 応 じた 勾 配 線 が 上 部 地 盤 面 と 交 わった 位 置 B: 上 部 擁 壁 基 礎 前 端 の 位 置 θ: 通 常 θ=30 で 運 用 斜 線 部 分 に 盛 土 が 含 まれる 場 合 は 25 ( 例 2)L 型 擁 壁 + 練 積 み 擁 壁 の 場 合 0.4H 以 上 で かつ 1.5m 以 上 A B H θ AがBより 前 面 にあるのでそれぞれ 別 の 擁 壁 とみなす A: 下 部 擁 壁 基 礎 後 端 より 土 質 に 応 じた 勾 配 線 が 上 部 地 盤 面 と 交 わった 位 置 B: 上 部 擁 壁 基 礎 前 端 の 位 置 θ: 通 常 θ=30 で 運 用 斜 線 部 分 に 盛 土 が 含 まれる 場 合 は 25 基 93

33 (5) 二 段 擁 壁 の 特 例 二 段 擁 壁 となる 場 合 で 構 造 計 算 を 行 なっても 下 部 擁 壁 の 構 造 が 対 応 できないケースがほとんどであ り 下 段 擁 壁 が 損 傷 等 を 受 け 崩 壊 しても 上 段 擁 壁 が 自 立 するように 設 計 することがある その 場 合 は 二 段 擁 壁 とは 取 り 扱 わない ( 例 ) 上 段 擁 壁 ハッチ 部 分 がないと みなして 設 計 する 下 段 擁 壁 H 前 面 地 盤 面 根 入 れ 深 さ D1 θ 根 入 れ 深 さ D2 D2 D1 上 段 擁 壁 の 根 入 れ 深 さは 下 段 擁 壁 の 根 入 れ 深 さ 以 上 とする (6) 擁 壁 を 必 要 とする 箇 所 都 市 計 画 法 施 行 規 則 第 23 条 により 擁 壁 でおおう 必 要 のあるがけに 該 当 しなくても 切 土 または 盛 土 をし た 土 地 の 部 分 に 生 ずるがけについては 擁 壁 の 設 置 を 求 めており 原 則 として 構 造 計 算 により 安 全 性 の 確 認 を 行 う 必 要 がある ただし 30 cm 以 上 の 切 土 盛 土 を 開 発 行 為 と 判 断 しているため その 整 合 から 30 cm 未 満 の 高 低 差 に 用 いる 土 留 め 壁 については 擁 壁 としての 構 造 計 算 は 求 めていない ( 例 ) H 30 cm 擁 壁 必 要 (H は 前 面 地 盤 と 後 面 地 盤 の 高 低 差 ) 後 面 地 盤 H 30 cm 前 面 地 盤 擁 壁 が 必 要 所 定 の 根 入 れが 必 要 H<30 cm 擁 壁 不 要 (H は 前 面 地 盤 と 後 面 地 盤 の 高 低 差 ) 後 面 地 盤 H<30 cm 前 面 地 盤 根 入 れの 規 定 なし 擁 壁 としての 構 造 計 算 は 求 めていない 30 cm 未 満 の 高 低 差 に 用 いる 土 留 め 壁 は 直 壁 で OK とい うことではなく 審 査 対 象 外 であり 設 計 者 の 判 断 に まかせているということである ただし その 構 造 物 が ブロック 塀 の 基 礎 を 兼 ねる 場 合 は 基 礎 丈 35cm 以 上 根 入 れ 30 cm 以 上 必 要 である 基 94

34 (7) 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 別 表 第 4( 昭 和 40 年 2 月 12 日 政 令 第 15 号 による 改 正 )による 練 積 み 造 擁 壁 擁 壁 の 勾 配 がけの 土 質 第 1 種 岩, 岩 屑, 砂 利 又 は 砂 利 混 り 砂 第 2 種 真 砂 土, 関 東 ロ ーム, 硬 質 粘 土 その 他 これらに 類 す る も の 第 3 種 その 他 の 土 質 70 を 超 え 75 以 下 約 3 分 h: 擁 壁 の 地 上 高 さ 65 を 超 え 70 以 下 約 4 分 根 入 りは 上 欄 と 同 じ 根 入 りは 上 欄 と 同 じ 根 入 りは 上 欄 と 同 じ 65 以 下 約 5 分 根 入 りは 上 欄 と 同 じ 根 入 りは 上 欄 と 同 じ 根 入 りは 上 欄 と 同 じ ブロック 積 擁 壁 標 準 構 造 図 (がけの 土 質 第 1 種 の 場 合 ) 基 95

35 A5 4.1m~5.0m(5 分 ) B5 3.1m~4.0m(5 分 ) E5 0m~3.0m(5 分 ) 注 ) 破 線 は 切 土 の 場 合 の 構 造 線 及 び 掘 削 線 である 基 96

36 B4 3.1m~4.0m(4 分 ) C4 2.1m~3.0m(4 分 ) D4 0m~2.0m(4 分 ) C3 2.1m~3.0m(3 分 ) 基 97

37 ブロック 積 擁 壁 標 準 構 造 図 (がけの 土 質 第 2 種 の 場 合 ) A5 4.1m~5.0m(5 分 ) B5 3.1m~4.0m(5 分 ) C5 2.1m~3.0m(5 分 ) 基 98

38 D5 0m~2.0m(5 分 ) B4 3.1m~4.0m(4 分 ) C4 2.1m~3.0m(4 分 ) 基 99

39 C3 2.1m~3.0m(3 分 ) D3 0m~2.0m(3 分 ) D4 0m~2.0m(4 分 ) 岩 盤 に 支 持 させる 場 合 ( 宅 地 防 災 マニュアルの 解 説 (Ⅰ) ( 株 )ぎょうせい) 基 100

40 (8) 練 積 み 造 擁 壁 の 構 造 間 知 石 練 積 み 造 その 他 の 練 積 み 造 のもの 構 造 は 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 第 8 条 に 規 定 されており そ れに 適 合 する 必 要 がある この 規 定 の その 他 の 練 積 み 造 のもの には 割 石 雑 割 石 野 面 石 玉 石 を 使 った 練 積 み 擁 壁 のほか 間 知 石 と 同 等 以 上 のコンクリートブロックを 使 った 練 積 み 擁 壁 が 該 当 し 大 型 コンクリートブロックやコンクリート 充 填 コンクリートブロック 等 の 特 殊 コンクリートブロックを 使 った 練 積 み 擁 壁 は 該 当 しない なお コンクリート 充 填 コンクリートブロック 練 積 み 造 の 擁 壁 については 建 設 省 告 示 第 1485 号 ( 昭 和 40 年 6 月 14 日 )により 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 第 8 条 の 規 定 による 練 積 み 造 の 擁 壁 と 同 等 以 上 の 効 力 があると 同 施 行 令 第 14 条 の 認 定 がされているが 土 質 による 高 さが 厳 しく 制 限 さ れているので 注 意 を 要 する 1 擁 壁 の 勾 配 高 さ 厚 さ 擁 壁 の 勾 配 高 さ 厚 さは 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 第 8 条 第 1 号 に 規 定 されており それを 整 理 したも のが 113P の 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 別 表 第 4による 練 積 み 擁 壁 の 表 である また 積 載 荷 重 5kN/m2を 想 定 して 基 準 が 定 められているため 道 路 の 擁 壁 としては 使 用 できない 道 路 の 擁 壁 として 使 用 する 場 合 は 国 土 交 通 省 土 木 構 造 物 標 準 設 計 を 用 いること ( 土 木 構 造 物 標 準 設 計 の 間 知 ブロック 積 み 擁 壁 は 盛 土 には 使 用 できない ) 練 積 み 擁 壁 の 高 さと 勾 配 に 応 じた 必 要 地 耐 力 (kn/m2) 高 さ H(m) 1:0.5(θ 65 ) 1:0.4(65 <θ 70 ) 1:0.5(70 <θ 75 ) H <H <H <H m を 超 える 擁 壁 は 地 質 調 査 等 により 必 要 地 耐 力 の 確 認 をする 必 要 がある 2 石 材 その 他 組 積 材 宅 地 造 成 等 規 制 法 施 行 令 第 8 条 第 2 号 に 石 材 その 他 組 積 材 は 控 え 長 さを 30 cm 以 上 とし コンク リートを 用 いて 一 体 の 擁 壁 とし かつ その 背 面 に 栗 石 砂 利 又 は 砂 利 まじりの 砂 で 有 効 に 裏 込 めする こと と 規 定 されている 石 材 は 安 山 岩 花 崗 岩 等 硬 質 のもの あるいはこれらと 同 等 以 上 の 比 重 強 度 耐 久 性 をもつもの とする また 石 材 の 形 状 は 間 知 石 とする コンクリートブロック 材 は 4 週 圧 縮 強 度 18N/mm2 以 上 で コンクリートの 比 重 は 2.3 以 上 かつ 擁 壁 に 用 いるコンクリートブロックの 重 量 は 壁 面 1 m2につき 350 kg 以 上 であることとし 控 えの 形 状 は 裏 込 めコンクリートと 一 体 となるものであること 開 発 許 可 に 用 いる 場 合 は 原 則 として 間 知 石 または 間 知 ブロックとし その 控 え 長 さは 35 cm 以 上 も のを 使 用 すること ( 参 考 ) 間 知 石 寸 法 種 類 35 間 知 45 間 知 50 間 知 60 間 知 原 則 として 35 間 知 を 使 用 控 長 (cm) 35 以 上 45 以 上 50 以 上 60 以 上 表 面 積 (cm2) 620 以 上 900 以 上 1220 以 上 1600 以 上 3 コンクリート 強 度 胴 込 め 裏 込 め 基 礎 に 用 いるコンクリートは 4 週 圧 縮 強 度 18N/mm2 以 上 とする ただし 止 水 コンクリートは 捨 てコンクリート 程 度 の 強 度 とする 基 101

41 4 裏 込 め 材 等 裏 込 め 材 は 栗 石 砂 利 または 砕 石 とし 範 囲 は 擁 壁 天 端 から 30 cm 下 がりから 前 面 地 盤 の 位 置 まで 下 部 に 止 水 コンクリート( 厚 5 cm 以 上 )を 施 工 する 裏 込 め 材 の 厚 さは 切 土 の 場 合 は 30 cm 程 度 の 等 厚 とし 盛 土 の 場 合 は 上 端 は 30 cm 下 端 は 60 cm 以 上 もしくは 擁 壁 の 地 上 高 さの 20/100 のいずれか 大 きい 方 の 数 値 以 上 の 厚 さとする また 盛 土 の 場 合 は 止 水 コンクリートの 下 に 土 まじりの 砂 利 層 を 設 ける 盛 土 切 土 a 水 抜 き 孔 a H φ75 以 上 c a=30 cm 1 箇 所 / 壁 面 3 m2 c=30 cm d=60 cmかつ H/5 c a=30 cm c=30 cm d=30 cm b=35 cmかつ H 15/100 b d 土 まじりの 砂 利 層 b d ( 土 質 が 第 3 種 の 場 合 は 45 cmかつ H 20/100) 114P~118P の 標 準 図 は 盛 土 の 場 合 の 土 質 と 高 さに 応 じた 裏 込 材 等 の 各 部 寸 法 を 図 式 したものであ り 参 考 とすること 切 土 の 場 合 の 裏 込 め 材 の 厚 さは 30 cmの 等 厚 である また 構 造 体 の 厚 みは 切 土 盛 土 とも 同 じ 厚 さであるので 注 意 すること 5 石 材 等 の 積 み 方 間 知 石 または 間 知 ブロックの 積 み 方 は 谷 積 みとし 練 積 み 造 擁 壁 の 一 日 の 積 み 上 がり 高 さは2 段 までを 標 準 とする 最 終 頂 部 の 補 強 は 天 端 10 cm 以 上 のコンクリートとすること 10 cm 以 上 6 伸 縮 継 目 伸 縮 継 目 は 原 則 として 擁 壁 長 さの 20m 以 内 ごとに 1 箇 所 設 け 特 に 地 盤 条 件 の 変 化 する 箇 所 擁 壁 高 さが 著 しく 異 なる 箇 所 擁 壁 の 材 料 構 法 を 異 にする 箇 所 は 有 効 に 継 目 を 設 け 基 礎 部 分 まで 切 断 する また 擁 壁 の 屈 曲 部 においては 伸 縮 継 目 の 位 置 を 隅 角 部 から 擁 壁 の 高 さの 分 だけ 避 けて 設 置 する 基 102

42 7 隅 角 部 の 補 強 擁 壁 の 屈 曲 部 する 箇 所 は 隅 角 を 挟 む 二 等 辺 三 角 形 の 部 分 を 鉄 筋 及 びコンクリートで 補 強 する 伸 縮 継 目 の 位 置 を 隅 角 部 から 擁 壁 の 高 さの 分 だけ 避 けて 設 置 する 二 等 辺 の 一 辺 の 長 さは 擁 壁 の 高 さ 3m 以 下 で 50 cm 3m を 超 えるものは 60 cmとする なお 隅 角 部 を 場 所 打 ちコンクリートで 処 理 する 場 合 全 体 の 高 さが 2m 以 下 の 場 合 は 補 強 を 省 略 することができる l H 伸 縮 継 目 a a 伸 縮 継 目 l >2.0mかつl H H 3.0m a=50 cm H>3.0m a=60 cm 8 間 知 ブロック 積 の 上 載 盛 土 間 知 ブロック 積 擁 壁 の 上 載 盛 土 はできない ただし 擁 壁 上 部 に 斜 面 がある 場 合 には 土 質 に 応 じた 勾 配 線 ( 通 常 は 30 とする ただし 盛 土 の 場 合 は 25 とする )が 斜 面 と 交 差 した 点 までの 垂 直 高 さと 仮 定 し その 高 さに 応 じた 構 造 とする 場 合 はこの 限 りではない 擁 壁 上 部 の 斜 面 勾 配 は 30 以 下 とする H H 高 さ H に 応 じた 構 造 ( 高 さ H まで 練 積 み 擁 壁 があると 仮 定 した 場 合 の 勾 配 厚 さ 等 を 満 足 ) θ( 通 常 30 盛 土 25 ) b 基 103

43 (9) 鉄 筋 コンクリート 擁 壁 等 (プレキャスト 擁 壁 を 除 く)の 構 造 1 鉄 筋 コンクリート 又 は 無 筋 コンクリートの 擁 壁 は 構 造 計 算 によってその 安 全 性 を 確 かめなければなら ない ただし 次 のⅰ~ⅲの 擁 壁 ( 標 準 擁 壁 )で 現 場 が 擁 壁 の 使 用 条 件 が 適 合 する 場 合 は 構 造 計 算 を 省 略 することができる ⅰ 土 木 構 造 物 標 準 設 計 ( 運 用 及 び 設 計 図 )( 香 川 県 土 木 部 )による 擁 壁 ⅱ 国 土 交 通 省 制 定 土 木 構 造 物 標 準 設 計 (( 社 ) 全 日 本 建 設 技 術 協 会 )による 擁 壁 ⅲ その 他 国 土 交 通 省 (これに 準 じる 機 関 を 含 む)が 指 定 等 している 擁 壁 小 型 擁 壁 の 特 例 として 盛 土 した 土 地 に 生 じる 高 さが1m 以 下 のがけ( 擁 壁 の 見 高 が1m 以 下 ) 又 は 切 土 もしくは 切 土 と 盛 土 を 同 時 にした 土 地 に 生 じるがけを 覆 う 全 高 2m 以 下 の 宅 地 の 擁 壁 の 構 造 は 構 造 計 算 を 省 略 し 下 図 を 使 用 することができる ただし 下 図 の 擁 壁 の 設 計 条 件 は 図 の 下 に 記 載 したとおり である ( 道 路 の 擁 壁 には 使 用 できない ) 20cm 根 入 れ 30cm かつ H/4 以 上 水 路 が 隣 接 している 場 合 は 別 途 考 慮 1m 以 下 1:0.4 1m を 超 え 2m 以 下 1:0.5 全 高 H 設 計 条 件 ( 特 例 として 使 用 できる 小 型 擁 壁 に 限 る) ⅰ 道 路 擁 壁 には 使 用 できない ⅱ 載 荷 重 が 5.0kN/m2 以 下 としている ⅲ 土 質 を 礫 質 土 砂 質 土 としている ( 粘 性 土 のがけには 使 用 できない ) 2 特 殊 構 法 等 による 認 定 擁 壁 ( 宅 造 法 施 行 令 第 14 条 ) 特 殊 な 材 料 または 構 法 による 擁 壁 を 使 用 する 場 合 には 宅 造 法 施 行 令 第 14 条 の 規 定 の 認 定 を 受 けた 擁 壁 を 使 用 しなければならない 擁 壁 の 認 定 にあたっては その 設 計 条 件 使 用 範 囲 等 について 厳 しく 制 限 されていることから その 使 用 については 設 計 条 件 等 が 当 該 現 場 の 状 況 に 適 合 するか 否 かを 慎 重 に 照 査 しなければならない ただし 全 高 2m 以 下 の 擁 壁 については 現 場 条 件 等 の 適 合 を 考 慮 の 上 認 定 擁 壁 に 準 じるものとして プ レキャストL 型 擁 壁 設 計 施 工 マニュアル( 案 )( 平 成 13 年 12 月 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 ) に 基 づく 擁 壁 を 使 用 することができる 特 に この 場 合 擁 壁 裏 の 排 水 等 が 十 分 にできるような 措 置 を 講 じなけれ ばならない 3 その 他 の 一 般 的 なコンクリート 二 次 製 品 の 取 扱 いについて 擁 壁 を 兼 ねる 自 由 勾 配 側 溝 等 のコンクリート 二 次 製 品 を 使 用 する 場 合 は 製 品 の 使 用 条 件 を 厳 守 しなけ ればならない 基 104

44 4 その 他 の 注 意 事 項 ⅰ 伸 縮 目 地 擁 壁 には 施 工 間 隔 10mごとに 目 地 厚 10 伸 縮 目 地 を 設 けるとともに 特 に 地 盤 条 件 の 変 化 する 箇 所 擁 壁 高 さが 著 しく 異 なる 箇 所 擁 壁 の 材 料 構 法 を 異 にする 箇 所 にも 伸 縮 目 地 を 設 け 基 礎 部 分 まで 切 断 する 必 要 がある また 擁 壁 の 屈 曲 部 においては 伸 縮 継 目 の 位 置 を 隅 角 部 から 擁 壁 の 高 さ( 錬 積 み 擁 壁 を 除 き 構 造 上 の 高 さとする )の 分 だけ 避 けて 設 置 する 伸 縮 目 地 に 用 いる 材 料 は 現 在 ではエラスタイトが 一 般 的 であり 施 工 間 隔 も 擁 壁 の 種 類 によって 使 い 分 けている ( 大 断 面 の 擁 壁 を 除 き 目 地 厚 は 施 工 間 隔 の 1/1000 を 取 るのが 一 般 的 である ) 重 力 式 擁 壁 施 工 間 隔 10mごとに 目 地 厚 10 mm 全 高 2.0mを 超 えるものは 施 工 間 隔 10mごとに 目 地 厚 20 mm 鉄 筋 コンクリート 擁 壁 施 工 間 隔 15mごとに 目 地 厚 15 mm 全 高 2.5mを 超 えるものは 施 工 間 隔 15mごとに 目 地 厚 20 mm ⅱ 擁 壁 の 根 入 れは 標 準 図 による 擁 壁 で 使 用 条 件 が 明 記 されているものを 除 き 30cm 以 上 かつ 擁 壁 の 全 高 の20% 以 上 確 保 するとともに 安 定 した 支 持 地 盤 に 擁 壁 底 面 が 接 していること 水 路 等 が 隣 接 して いる 場 合 や 擁 壁 高 が2mを 超 える 場 合 は 別 途 根 入 れ 長 を 検 討 すること ⅲ 隅 角 部 の 補 強 ( 全 高 2m 以 下 の 擁 壁 及 び 重 力 式 擁 壁 は 不 要 ) 擁 壁 の 屈 曲 する 箇 所 は 隅 角 をはさむ 二 等 辺 三 角 形 の 部 分 を 鉄 筋 及 びコンクリートで 補 強 すること 二 等 辺 の 一 辺 の 長 さは 擁 壁 の 高 さ3m 以 下 で50cm 3mを 超 えるものは60cmとすること 伸 縮 目 地 伸 縮 目 地 l H ( 全 高 ) a a l >2.0mかつl H この 間 には 目 地 を 設 けられない H 3.0m a=50 cm H>3.0m a=60 cm a l 補 強 鉄 筋 の 縦 筋 は 擁 壁 の 主 筋 と 同 等 の 径 の 鉄 筋 を 中 央 に1 本 設 置 補 強 鉄 筋 の 横 筋 は 擁 壁 の 配 力 筋 と 同 等 の 径 の 鉄 筋 を 配 力 筋 の 間 隔 に 設 置 伸 縮 目 地 横 筋 の 定 着 長 さは 35dとする 基 105

45 ⅳ 擁 壁 には 壁 面 の 面 積 3m2 以 内 ごとに 尐 なくとも1 個 の 内 径 が7.5cm 以 上 の 塩 ビパイプ その 他 これに 類 する 耐 水 材 料 を 用 いた 水 抜 穴 を 設 け 擁 壁 の 裏 面 には 特 別 の 場 合 をのぞき 透 水 層 を 設 置 する こと ただし 見 え 高 1m 以 下 の 擁 壁 は 水 抜 き 穴 を 設 けないことができる ⅴ 水 抜 穴 の 入 口 には 水 抜 穴 から 流 出 しない 程 度 の 大 きさの 砕 石 等 を 置 き 砂 利 砂 背 面 土 砂 が 流 出 し ない 構 造 とすること ( 例 1) 擁 壁 天 端 高 さ 見 え 高 30 cm 後 面 地 盤 高 さ 30 cm 壁 面 ( 見 付 面 積 )= 見 え 高 巾 裏 込 め 材 栗 石 砂 利 または 砕 石 吸 い 出 し 防 止 材 等 ( 背 面 土 砂 の 流 出 防 止 ) 措 置 前 面 地 盤 高 さ 水 抜 き 孔 φ75 以 上 1 箇 所 / 壁 面 3 m2 10 cm 止 水 コンクリート 厚 5 cm 水 抜 き 孔 の 材 質 は 塩 ビパイプ 等 ( 例 2) 見 え 高 の 取 扱 い 水 抜 き 孔 の 設 置 の 有 無 の 判 断 となる 見 え 高 の 考 え 方 は 次 のとおりとする 通 常 の 場 合 擁 壁 天 端 見 え 高 見 え 高 は 前 面 地 盤 から 擁 壁 天 端 まで の 高 さとする 前 面 地 盤 前 面 に U 型 水 路 がある 場 合 擁 壁 天 端 前 面 地 盤 U 型 水 路 見 え 高 以 下 水 路 の 側 壁 に 水 抜 き 孔 を 設 置 すると 水 が 逆 流 する 恐 れがあるので 見 え 高 は 水 路 の 側 壁 の 天 端 から 擁 壁 天 端 までの 高 さとする 基 106

46 前 面 に 水 田 の 畦 畔 コンクリートがある 場 合 擁 壁 天 端 見 え 高 水 田 前 面 地 盤 以 畦 畔 コンクリート 下 水 田 の 畦 畔 コンクリートは 保 水 のために 存 在 しているので 水 路 の 側 壁 と 同 じように 考 え 見 え 高 は 畦 畔 コンクリートの 天 端 から 擁 壁 天 端 までの 高 さとする 前 面 に L 型 水 路 がある 場 合 擁 壁 天 端 前 面 地 盤 L 型 水 路 見 え 高 以 下 見 え 高 は 水 路 の 底 から 擁 壁 天 端 までの 高 さ とするが 水 が 逆 流 すると 困 るので 水 抜 き 孔 の 下 端 の 位 置 は 水 路 の 側 壁 天 端 から 10 cm 上 がりとする 前 面 が 水 田 で 畦 畔 コンクリートがない 場 合 擁 壁 天 端 前 面 地 盤 見 え 高 以 水 下 田 以 下 見 え 高 は 水 田 の 地 盤 から 擁 壁 天 端 までの 高 さ とするが 保 水 状 態 のときに 水 が 逆 流 すると 困 るので 水 抜 き 孔 の 下 端 の 位 置 は 地 盤 から 30 cm 上 がりとする ( 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 では 水 田 の 許 容 湛 水 深 は 30 cmである ) ⅵ 透 水 管 の 取 扱 い 隣 地 との 関 係 で 水 抜 き 孔 が 設 置 できない 等 の 理 由 により やむを 得 ず 透 水 管 (ネトロンパイプ 等 )を 設 置 して 裏 面 排 水 を 確 保 する 場 合 は 次 の 基 準 に 適 合 する 事 透 水 管 (ネトロンパイプ 等 )の 基 準 について 使 用 条 件 1 透 水 マット と 違 い 国 の 通 達 等 により 使 用 が 認 められていないため 建 築 基 準 法 の 工 作 物 の 確 認 申 請 が 必 要 な 擁 壁 には 使 用 できない 2 透 水 管 は カタログ 性 能 シートなどを 添 付 し 有 効 に 集 水 できる 製 品 を 使 用 する 3 透 水 管 の 径 は 100φ 以 上 とする 4 透 水 管 の 勾 配 は 原 則 として1%とし 下 部 の 止 水 コンクリートも 同 様 の 勾 配 とする 5 透 水 管 の 途 中 には 桝 等 は 設 けないこと ( 桝 があれば 有 効 に 排 水 できない ) 6 透 水 管 は 水 路 側 溝 など 有 効 に 排 水 できる 施 設 に 接 続 するものとし 水 抜 き 孔 と 同 様 に 水 の 逆 流 を 防 止 するため 水 路 の 側 壁 より 上 部 に 排 水 すること ( 雤 水 桝 等 には 接 続 しないこと ) 7 透 水 管 の 管 底 は 地 盤 より 50 cm 以 深 とすること 8 透 水 管 廻 りの 透 水 層 に 透 水 マットは 使 用 できない 基 107

47 ( 例 ) 一 般 的 な 設 置 例 透 水 層 に 透 水 マットは 使 用 できない 地 盤 より 50 cm 以 深 見 え 高 以 下 以 下 U 型 水 路 透 水 管 100φ 以 上 勾 配 1% 止 水 コンクリートにも 勾 配 をつける 透 水 管 の 途 中 には 桝 等 は 設 けない 水 路 の 側 壁 に 水 抜 き 孔 を 設 置 すると 水 が 逆 流 する 恐 れがあ るので 側 壁 の 天 端 より 上 に 排 水 する ⅶ 擁 壁 にフェンス 等 を 設 置 するための 穴 あけをする 場 合 は 擁 壁 の 天 端 幅 を20cm 以 上 確 保 すること 鉄 筋 のかぶり 厚 さは 鉛 直 壁 で4cm 以 上 底 版 では6cm 以 上 とすること 重 力 式 擁 壁 につま 先 版 やかかと 版 を 設 けた 構 造 とする 擁 壁 は つま 先 版 やかかと 版 が 本 体 と 一 体 構 造 であることが 工 学 的 に 証 明 できる 構 造 でないと 使 用 できない (10) 擁 壁 の 根 入 れの 考 え 方 ( 例 1) 一 般 的 な 根 入 れの 取 り 方 H 30 cmかつ H/5 以 上 水 路 底 より 30 cm かつ H/5 以 上 基 礎 床 版 底 と 水 路 底 盤 底 を 底 合 わせする 30 cmかつ H/5 以 上 30 水 路 境 界 水 路 底 盤 底 から 30 で 振 り 上 げたラインが 擁 壁 の 基 礎 床 版 底 以 上 30 cmかつ H/5 以 上 基 108

48 水 路 境 界 水 路 と 境 界 が 一 致 し ない 場 合 は 将 来 の 拡 幅 を 考 慮 して 水 路 境 界 から 30 ラ インを 取 る 水 路 境 界 未 改 修 の 水 路 につ いては 水 路 床 と 水 路 境 界 が 交 わった 点 から 30 ライン を 取 る 水 路 床 ( 例 2) 簡 易 小 型 重 力 式 擁 壁 の 根 入 れの 取 り 方 H 前 面 地 盤 より 30 cmかつ H/4 以 上 水 路 底 より 30 cmかつ H/4 以 上 水 路 底 盤 底 から 30 で 振 り 上 げた ラインが 擁 壁 底 以 上 擁 壁 底 と 水 路 底 盤 底 を 底 合 わせする 30 cmかつ H/4 以 上 30 cmかつ H/4 以 上 30 ( 例 3) 土 木 構 造 物 標 準 設 計 による 擁 壁 の 根 入 れの 取 り 方 H 擁 壁 の 直 接 基 礎 の 根 入 れ 深 さは 地 表 面 から 支 持 地 盤 までの 深 さとし 原 則 50 cm 以 上 確 保 する 50 cm 以 上 水 路 底 より 30 cm 以 上 基 109

49 水 路 底 から 30 で 振 り 上 げたラ インと 擁 壁 の 交 点 より 30 cm 以 上 水 路 底 より 30 cm 以 上 cm 以 上 H 重 力 式 擁 壁 の 場 合 は 50 cm 以 上 かつ 擁 壁 高 さの0.2 倍 以 上 の 十 分 な 根 入 れ 深 さを 確 保 する 前 面 地 盤 より 50 cmかつ H/5 以 上 ( 例 4) 公 共 建 築 協 会 の 擁 壁 設 計 標 準 図 による 擁 壁 の 根 入 れの 取 り 方 水 路 底 基 礎 床 版 上 面 の 位 置 基 礎 床 版 上 面 の 位 置 15 cm 以 深 水 路 底 より 15 cm 以 上 かつ 水 路 底 面 以 深 水 路 底 面 の 位 置 基 礎 床 版 上 面 の 位 置 は 前 面 埋 戻 し 面 より 15 cm 以 深 とする また 前 面 に 側 溝 等 がある 場 合 は 側 溝 等 底 面 以 深 とする 基 礎 床 版 上 面 の 位 置 前 面 地 盤 より15 cm 以 上 かつ 水 路 底 面 以 深 水 路 底 面 の 位 置 水 路 底 面 から 30 で 振 り 上 げ たラインと 擁 壁 の 交 点 が 基 礎 床 版 上 面 の 位 置 以 上 前 面 地 盤 より cm 以 深 基 110

50 ( 例 5) 擁 壁 と 水 路 の 取 合 い 部 の 施 工 水 路 と 境 界 の 間 に 隙 間 がある 場 合 水 路 管 理 者 の 工 事 許 可 を 受 けて 隙 間 部 分 を 貼 りコンクリート 等 で 納 めることがある その 場 合 の 貼 りコンクリート 等 の 厚 みは 10 cm 程 度 とし 下 部 は 土 または 緩 衝 材 とし コンクリートの 充 填 は 行 わないこと 水 路 境 界 擁 壁 隙 間 部 分 をコンクリートで 充 填 したり 隙 間 と 擁 壁 をコンクリート で 一 体 に 施 工 したり 水 路 と 擁 壁 にアンカーを 取 って 一 体 に 施 工 し たりしてはいけない 水 路 貼 りコンクリート 等 の 厚 みは 10 cm 程 度 型 枠 施 工 後 に 土 で 埋 め 戻 すか スタイロフォーム 等 の 緩 衝 材 を 型 枠 替 りにして 施 工 する ( 例 6) 土 木 構 造 物 標 準 設 計 の 水 路 土 木 構 造 物 標 準 設 計 に 基 づく 水 路 で T 荷 重 (q=10kn/m2) 相 当 の 影 響 を 考 慮 している 場 合 は 側 壁 の 天 端 まで 盛 土 することができるが それ 以 上 の 盛 土 は 認 められていないので 擁 壁 等 を 併 用 する 必 要 がある B=300~500(mm) T 荷 重 (q=10kn/m2) 擁 壁 等 H=300 L1 型 基 礎 材 ~500(mm) 擁 壁 等 B=500~1000(mm) T 荷 重 (q=10kn/m2) L2 型 1:0.2 H=600 ~1000(mm) 基 礎 材 場 所 打 ち L 型 側 溝 ( 土 木 構 造 物 標 準 設 計 ) L1 型 L2 型 ( 例 7) 擁 壁 または 法 面 を 併 用 して 盛 土 する 例 1:1.8 擁 壁 等 L1 型 擁 壁 等 30 ラインより 上 にある 部 分 は 側 壁 天 端 より 盛 土 をしない 基 礎 材 基 礎 材 30 基 111

51 13. 擁 壁 を 設 置 しないがけ 面 の 保 護 ア 開 発 行 為 によって 生 ずるがけ 面 は, 擁 壁 でおおう 場 合 を 除 き 石 張 り, 芝 張 り,モルタルの 吹 付 け 等 によって 風 化 その 他 の 浸 食 に 対 して 保 護 しなければならない イ 擁 壁 でおおわないがけ 面,がけでない 盛 土 のり 面 (H=1.0m 以 上 ) 及 び 切 り 土 (H=2.0m 以 上 ) 若 しくは 傾 斜 角 30 度 をこえる 硬 岩 盤 で 必 要 と 認 められる 斜 面 についてはのり 面 保 護 工 を 施 工 すること ウ のり 面 保 護 工 の 選 定 にあたっては, 長 期 的 な 安 定 確 保 を 主 目 的 として 現 地 のり 面 の 岩 質, 土 質, 土 壌 硬 度,pHなどの 地 質 土 質 条 件, 湧 水 の 状 況, 寒 冷 地 かどうかといった 気 象 条 件,のり 面 の 規 模 やのり 面 勾 配 などを 考 慮 するほか, 施 工 条 件 および 環 境 保 全 のことも 考 慮 すること エ のり 面 保 護 工 は 切 土 又 は 盛 土 がある 程 度 まとまって 完 了 したら 直 ちに 着 手 するものとし, 工 法 は 次 に 掲 げるものとすること 分 類 (A) 植 生 工 (B) 構 造 物 に よ る の り 面 保 護 工 工 種 目 的 特 徴 備 考 種 子 散 布 工 客 土 吹 付 工 厚 層 基 材 吹 付 工 張 芝 工 植 生 マ ッ ト 工 植 生 筋 工 筋 芝 工 土 の う 工 植 生 穴 工 樹 木 植 栽 工 モ ル タ ル 吹 付 工 コ ン ク リ ー ト 吹 付 工 石 張 工 ブ ロ ッ ク 張 工 プ レ キ ャ ス ト 枠 工 コ ン ク リ ー ト 張 工 吹 付 枠 工 現 場 打 コンクリート 枠 工 ア ン カ ー 工 編 柵 工 じ ゃ か ご 工 落 石 防 止 網 工 落 石 防 止 石 積,ブロック 積 擁 壁 工 ふ と ん か ご 工 井 桁 組 擁 壁 工 コ ン ク リ ー ト 擁 壁 工 く い 工 補 強 土 工 浸 食 防 止, 凍 上 崩 落 抑 制, 全 面 植 生 ( 緑 化 ) 盛 土 のり 面 の 浸 食 防 止, 部 分 植 生 不 良 土, 硬 質 土 のり 面 の 浸 食 防 止, 部 分 植 生 環 境 保 全, 景 観 厚 さ8cm 以 上 いずれも 厚 さ 20cm 以 上 鉄 鋼 入 り 風 化, 浸 食 防 止 中 詰 めが 土 砂 やぐり 石 の 空 詰 めの 場 合 は 浸 食 防 止 のり 面 表 層 部 の 崩 落 防 止, 多 尐 の 土 圧 を 受 けるお それのある 箇 所 の 土 留 め, 岩 盤 剥 落 防 止 のり 面 表 層 部 の 浸 食 や 湧 水 による 流 失 の 抑 制 ある 程 度 の 土 圧 に 対 抗 ( 抑 止 工 ) 一 般 的 に 植 生 最 大 限 界 勾 配 は60 度 とされて いるため,そ れ 以 上 の 斜 面 の 場 合 は B 分 類 の 工 法 を 考 える こと 基 112

52 のり 面 保 護 工 選 定 のフロー( 宅 地 防 災 マニュアル) 切 土 のり 面 及 び 盛 土 のり 面 におけるのり 面 保 護 工 選 定 のフローを 図 -1 及 び 図 -2に 示 す 道 路 土 工 -のり 面 工 斜 面 安 定 工 指 針 ( 社 ) 日 本 道 路 協 会 昭 和 61 年 11 月, 一 部 加 筆 始 注 1) 擁 壁 工 くい 工 ク ラント アンカー 工 補 強 土 工 NO 安 定 勾 配 が 確 保 できるか 土 の 硬 軟 YES 注 2) 落 石 防 止 網 工, 吹 付 枠 工,モルタ ル,コンクリート 吹 付 工 現 場 打 コンクリート 枠 工, ロックボルト 工 など 落 石 対 策 便 覧 参 照 土 砂 軟 岩 硬 岩 注 4) 注 10) YES 湧 水 が あるか 風 化 しや すいか NO きれつが 多 いか YES 落 石 のおそ れがあるか YES ふとんかご 工 吹 付 枠 工 現 場 打 コンク リート 枠 工 < 開 放 型 > YES 浸 食 を 受 け やすいか NO 注 7) YES 湧 水 がある か YES NO 注 3) NO じゃかご 工 プレキャスト 枠 工 ( 栗 石 詰 ) < 開 放 型 > NO NO NO 風 化 が 進 んでも 崩 壊 を 生 じないような 安 定 勾 配 が 確 保 できる か 注 5) YES 緑 化 が 可 能 な 勾 配 か NO YES 緑 化 の 必 要 があるか NO 吹 付 枠 工 モルタル, コンクリート 吹 付 工 < 密 閉 型 > 注 9) NO 植 生 がつき やすいか YES 注 6) YES 切 直 しは 可 能 か NO 注 8) YES 石 張 工 ブロック 張 工 コンクリート 張 工 < 密 閉 型 > プレキャスト 枠 工 種 子 吹 付 工 編 柵 工 植 生 穴 工, 土 のう 工 植 生 工 厚 層 基 材 吹 付 工 ( 植 生 穴 工 を 除 く) 厚 層 基 材 吹 付 工,つる 植 物 な どの 利 用, 植 生 穴 工, 土 のう 工 つる 植 物, 緑 化 ブロックな どの 利 用 無 処 理 図 1 切 土 のり 面 におけるのり 面 保 護 工 選 定 のフロー 基 113