社会保障 -人口減少社会における課題と経済成長の関係-

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1 資料 年 10 月 31 日 産業構造審議会 基本政策部会 社会保障改革に向けて - 人口減少社会における課題と政策の方向性 - 明治大学政治経済学部 加藤久和

2 1.. 社会保障制度の現状と課題 社会保障給付額等の推移 p.3 社会支出でみた国際比較 p.4 社会保障負担と財源 p.5 所得と負担 ( 保険料 ) の伸び p.6 財政と社会保障 / 産業としての社会保障 p.7 社会保障制度の現状と課題 - 総論 p.8 ( 参考 1) 年金改革について 年改革と世界の年金改革 p.9 ( 参考 2) 医療費の推移と医療制度改革について p.10 2

3 合計 年金 医療 福祉その他 図 1 社会保障給付額の推移 (1) 2003 年度の年金の給付額は 44.8 兆円 割合は 53.1% 1980 年度では 42.2% で それまでは医療の割合のほうが大きかった 2003 年度の医療の給付額は 26.6 兆円 2003 年度の給付額は 84.3 兆円 1980 年代に入ってから 社会保障給付額に占める年金の割合が急増している 1983 年度では年金のシェアは 45.1% 93 年度では 51.1% そして 2003 年度では 53.1% である その一方 医療は給付額は増加しているものの シェアは 83 年度の 41.0% から 2003 年度では 31.6% に低下している 福祉その他が 2000 年度から増加しているのは介護保険の導入による 今後は 介護保険の増加がポイントになる Point: : 年金 高齢者向けのウエイトが徐々に高まりつつある 注 : 単位はいずれも兆円 高齢者関係給付 : 年金給付 老人保健 ( 医療分 ) 老人福祉サービス 高年齢雇用継続費の合計 児童 家族関係給付 : 児童手当 児童福祉サービス 育児休業給付 出産関係費の合計 総給付額に占める高齢者給付のシェアは 1983 年度が 48.8% 1993 年度が 60.9% 2003 年度が 70.4% とほぼ 10 年で 10% ポイント上昇している 合計 高齢者関係給付 児童 家族関係給付費 図 2 社会保障給付費の推移 (2) 両者の差額を高齢者以外の給付とすると 高齢者 : それ以外 =7:3 児童 家族関係費は 3.2 兆円 3.8% 2003 年度の高齢者関係給付額は 59.3 兆円 社会保障給付額全体の 70.4% 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 社会保障給付 3

4 資料 :OECD(2004)"Social Expenditure database" 35.0% 30.0% 25.0% 20.0% 日本は社会支出計で 16.9% 高齢者向け 7.3% 家族向け 0.6% 図 2 社会支出の対 GDP 比の比較 (2001 年 ) ドイツ フランス スウェーデン デンマークの割合は 27~29% 社会支出 高齢者向け 家族向け Point: : 日本の社会支出水準は低い一方 先進国では支出水準のばらつきが縮小しつつある 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス カナダ イタリア 韓国 スウェーデン デンマーク 社会支出は社会保障給付よりも施設費などが含まれるため より広い概念である 社会支出の対国内総生産比は日本の 16.9% に対して ヨーロッパ諸国では 25% 前後 アメリカは 14.8% と日本より低い また 韓国は 6.1% にすぎない 資料 :OECD(2004)"Social Expenditure database" 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 図 3 OECD 諸国の社会支出平均値と標準偏差 1980 年代の 26 ヶ国平均は 18.9% 90 年代以降は 21.1% 平均 標準偏差 OECD26 ヶ国の社会支出の対 GDP 比は 1980 年が 17.9% 1990 年が 19.4% 2001 年が 21.3% と上昇している その標準偏差をみると 1990 年代以降縮小していることがみてとれる 標準偏差の値は 1980 年の 6.3% から 1990 年には 7.3% に上昇したが 2001 年には 5.8% まで低下している 近年 OECD 諸国の社会支出の規模は拡大すると同時に 国別の格差が縮小する傾向にあることがうかがえる 5.0% 90 年代以降 標準偏差は縮小傾向にある 0.0%

5 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 社会保障給付費 兆円 図 SNA ベースでみた社会保障給付と負担 社会保障給付 社会保障負担 2004 年度の給付額は 75.9 兆円 一方負担額 ( 保険料 ) は 49.2 兆円であり 差額 26.7 兆円は公費 ( 租税 ) 負担 資料 : 内閣府 国民経済計算年報 89 年以前は筆者による推計 給付額と負担額の差額は 1980 年度では 2.9 兆円 90 年度では 5.9 兆円に過ぎず 給付に占める割合も 14.9% 14.6% であった 2004 年度では 35.1% 社会保障給付額と負担額の差をみると 1980 年度では 2.9 兆円 これが給付額に占める割合は 14.9% 1990 年度でも 5.9 兆円に増えたが同割合は 14.6% にすぎなかった 90 年代に入るとこの割合 ( 差額 / 給付額 ) は急増し 94 年度に 21.5% と 20% を超え 2000 年度では 30.8% と 30% 台に突入した その原因は負担額の伸び悩みである 80 年代の給付と負担額の平均増加率はそれぞれ 7.8% 7.2% であったが 90 年以降はそれぞれ 4.6% 2.6% と 両者の増加率に 2% ポイントの差が開いた その原因は生産年齢人口の減少 経済成長率の鈍化であると考えられる Point:90 年代以降の保険料の伸び悩み 社会保障給付費に掲載されている社会保障財源のうち 被保険者拠出と事業主負担を保険料等とし これと公費負担の推移を示したものである 90 年代以降 保険料等が伸び悩んでいる一方 公費負担はトレンドで増加している 2003 年度の保険料等は 54.6 兆円 公費負担は 27.8 兆円で 両者の比率はおおよそ 2:1 であった 兆円 保険料等 公費負担 図 4-2 社会保障財源の内訳の推移 両者の割合は バブル経済の頃は 7:3 であった 2003 年度の保険料等は 54.6 兆円 公費負担は 27.8 兆円で 両者の比率はおおよそ 2:

6 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% -5.0% 図 5 国民所得 社会保障負担の伸び率 過去 25 年をみると 概ね社会保障負担率の伸び率が国民所得の伸び率を上回っている 国民所得 社会保障負担 1993 年以降でみると 社会保障負担の伸び率は 0.9% であるが国民所得の伸び率は 0.6% 過去の国民所得と社会保障負担の伸び率をみると 概ね社会保障負担の伸び率のほうが高くなっている 年の平均伸び率は国民所得が 7.1% 社会保障負担は 9.7% 年の平均伸び率は同じく 0.3% 2.6% である 2000 年以降をみても国民所得の伸び率が平均 0.3% であるのに対し 社会保障負担は 0.9% となっている Point: : 負担率の伸び > 所得の伸び 資料 : 内閣府 国民経済計算年報 89 年以前の社会保障負担は筆者による推計 % % 図 6 潜在的国民負担率の比較 (2003 年 ) 日本の社会保障負担率はアメリカ イギリスよりも大きい 財政赤字は比較した国の中では最も大きい 38.3% % % % 財政赤字社会保障負担率租税負担率 % % 30.0% 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% -10.0% 年金 医療 その他 図 5-2 社会保障負担 ( 三分野別 ) 伸び率 年金は 5 年に 1 回の財政再計算時に増加が著しい 介護保険導入による増加 0.0% % 資料 : 内閣府 国民経済計算年報 89 年以前の社会保障負担は筆者による推計 0 日本アメリカイギリスドイツフランススウェーデン 資料 :OECD"National Accounts" 財務省 財政関係諸資料 ( 財務省 HP から ) 6

7 30.0% 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 図 7 一般会計に占める社会保障関係費 ( 決算ベース ) 社会保障関係費のシェアは過去 30 年以上 20% 弱 ここ数年で上昇している 2004 年では 23.9% であった 社会保障 公共事業 国債費 産業としての社会保障 1995 年産業連関表による社会保障分野の波及効果 生産誘発係 追加波及係 総波及係数 全産業 輸送機械 精密機械 住宅建設 医療 社会保険事業 公共事業 社会福祉 保健衛生 運輸 金融 保険 農林水産業 通信 電力 不動産 % 資料 : 財務省 決算書 図 7-2 歳出総額と社会保障関係費の伸び率 歳出 社会保障 資料 : 医療経済研究機構 (1999) 医療と福祉の産業連関分析 40.0% 30.0% 20.0% 社会保障関係費の伸び率はおおむね歳出総額の伸び率を上回っている 2000 年以降では歳出総額の伸び率は平均 0.9% であるのに対し 社会保障関係費は 1.3% 10.0% 0.0% % 資料 : 財務省 決算書 出所 : 厚生省 厚生白書 平成 11 年版 7

8 社会保障制度の現状と課題 - 総論 課題と問題意識 社会保障給付のうち 年金給付が高齢化とともに急増している また 高齢者向け給付の割合もまた急増している 一方 家族関係給付の水準 伸び率とも低い 諸外国に比べ対 GDP 比でみた社会保障給付の水準が低い OECD 諸国をみると 日本の水準はアメリカ イギリスなどの自由主義的 あるいは 残余的? 福祉国家の水準である その上で 家族の構造変化 企業の福祉からの撤退に直面している 新たな担い手は登場するのか? 所得の伸び率以上に 負担の伸び率が大きい 負担の拡大には 生産年齢人口減少などの人口要因と経済成長鈍化などの経済要因の二つがある 財政面から見ても 社会保障関係費の増加は財政健全化にとっての重しとなっている 解決策のための前提条件 引退後の生活を支える財源として年金は重要 ( 引退後の所得を年金にのみ頼っている高齢者が6 割いるという調査もある ) 年金の重要性は今後も変わらず 単純な水準切り下げでは解決しない 諸外国との比較をもとに水準を上げれば ( 家族関連支出を含め ) 負担は現役世代に集中する 高齢化が進展する前に上げるべきであったが 今では手遅れの感がある 給付水準の上昇は 現役世代以外の負担上昇とセットで考え 高齢者の世代内再分配を再考すべき 負担の上昇は社会の閉塞感 国際競争力低下をもたらし 経済成長にもマイナスである 社会保障財政の持続可能性は成長が前提 産業としての社会保障の役割もあわせて考える必要がある 8

9 ( 参考 1) ) 年金改革について 年改革と世界の年金改革 2004 年年金改革の内容 1 保険料の上限を設定 : 厚生年金は 2017 年で 18.3% に固定 給付を現行水準に維持するには 26% 程度まで保険料率を上げる必要があると推計されてきたが 給付水準引き下げで負担を引き下げ 2 有限均衡方式の導入 :5 年ごとの見直し 95 年後には 1 年分の積立金を残す前提で給付計画をたてる 3 マクロ経済スライドの導入 既裁定であれば 物価上昇率 -0.9% で年金水準を改定する 4 給付水準のコミットメント 現役世代の可処分所得の 50% を確保 年金再計算の前提 物価上昇率 1.0% 賃金上昇率 2.1% 名目利回り 3.2% マクロ経済スライドの意味 有限均衡方式の財政条件 : T t = 1 t T t + F1 = t= 1 δ C δ B + δ ここで B は給付額 C は保険料 ( 及び国庫負担 ) F は積立金であり δ(r は利子率 ) は割引率である 年金の財政再計算では 利子率 r 物価上昇率 π 人口増加率 n 経済成長率 g 置換比率 m がパラメータになる このうち n が所与 ( 人口推計による ) m が政治的に決定される (ex.50%) とすると 残りの三つの基礎率 r π g のうち二つを決定すると 上記の財政条件から残り一つは一意に決まる 言い換えれば 自由度は 3 ではなく 2 である 財政再計算において設定した ( 任意の ) 三つの基礎率が有限均衡方式下のシステムをクローズさせるには もう一つの操作変数が必要になる それがマクロ経済スライドである 年金財政の推移は 基礎率の変動とともに常に見直しを迫られる 例え人口推計が正確であったとしても 基礎率すなわち経済環境の変化に敏感である t t 95 F 95 世界の年金改革の類型化 1 マイナー改革 : 日本 ドイツ フランス カナダなど 受給資格の変更 支給開始年齢 拠出期間 拠出構造の変更 対象範囲 ( 標準報酬の上限引き上げ 対象者拡大 ) 保険料率等 受給構造 年金額算定方式 インデクセーション ( 物価スライド ) 年金課税等 2 メジャー改革 2-1: 確定拠出への変更 オーストラリア ハンガリーなど 2-2: 概念上の拠出立て賦課方式 スウェーデン イタリア ポーランド 2-3: 積立方式への移行 チリ アルゼンチン ペルーなど 世界銀行 2005 年レポート 政策オプションの提案 (1) 給付建て賦課方式 + マイナー改革 ( 従来型 ) (2) スウェーデン方式 (3) 積立型移行と完全な民営化 (4) 政府が積立型年金を運営 その他 積立制移行への消極化 (1994 年レポート見直し ) 経路依存性の強調他 9

10 ( 参考 2) ) 医療費の推移と医療制度改革について 20.0% 図参 1 国民医療費の伸び率 国民医療費 国民所得 医療制度改革大綱の考え方 : 厚労省資料から 15.0% 国民医療費の伸び率は国民所得の伸び率よりも概ね高いといえる 10.0% 2000 年以降の伸び率は国民所得が 0.3% 国民医療費は 0.9% 5.0% 0.0% -5.0% 資料 : 内閣府 国民経済計算年報 厚生労働省 国民医療費 % 図参 2 医療関連支出の対 GDP 比 (2003 年 ) 日本の医療関連支出は 世界的に見てもそれほど高い水準にはない 中長期的対策 (1) 生活習慣病対策 (2) 平均在院日数の短縮 日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス カナダ イタリア 韓国 スウェーデン デンマーク 短期的対策 (1) 高齢者の患者負担の見直し ( 既に実施 ) (2) 入院中の高齢者の食費 居住費増 ( 既に実施 ) 医療保険制度改革 資料 :OECD(2006)"Health Data 2006" 医療関連支出には医療 救急医療 看護 技術開発等のすべてを含む 新たな高齢者医療制度 都道府県単位の保険者の統合 10

11 2.. 社会保障財政の見通しと経済成長 ー給付と負担 出生率 労働市場 - 社会保障の負担と給付( 厚労省見通し ) p.12 日本の人口推計( 高齢化のピークと独自推計 ) p.13 独自モデルによる社会保障財政の将来見通し p.14 経済成長の仮定と年金財政の将来見通し p.15 参考: 出生率と経済成長 p.16 社会支出( 社会保障給付 ) と経済成長 p 参考: 労働力人口の見通し p.20 労働力人口の減少と技術進歩 生産性 p 基本的な視点 問題意識 p.23 11

12 表 1 社会保障給付と負担の見通し厚生労働省 2006 年 5 月 将来見通しの期間は 推計は難しいが 高齢化のピーク時まで必要ではないか? 資料 : 社会保障の給付と負担の将来見通し - 平成 18 年 5 月推計 - について 注 :( ) 内は改革前の数値 % は対国民所得比 2012 年度以降の経済前提 物価上昇率 1.0% 賃金上昇率 2.1% 名目利回り 3.2% 国民所得伸び率 1.6% 平成 18 年 6 月に公表された厚生労働省の社会保障給付と負担の見通しによると 社会保障給付費は 2015 年度に 116 兆円 2025 年度に 141 兆円に増加する この間の増加率を計算すると年平均で 2.4% となる 一方 経済前提をみると賃金上昇率は 2.1% であり 所得の伸びよりも給付の伸びのほうが高いことになる 12

13 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口平成 14 年 1 月推計 注 :TFR= は 2025 年までに直線的に変化して以降一定になる場合 加藤推計 日本の人口推計 : 高齢化のピークと独自推計 40.0% 35.0% 30.0% 25.0% 20.0% 65 歳以上人口比率 老年人口指数のピークは 2055 年で それぞれ 36.0% 72.9% 図 8 高齢化比率 老年人口比率の推移 75 歳以上人口比率のピークは 2060 年の 23.1% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 日本の将来人口は 2002 年推計によれば 2050 年に 1 億 50 万人にまで減少する 高齢化のピークは 2050~60 年であり その時点においても破綻しない社会保障財政が必要となる (65 歳以上人口の絶対数のピークは 2043 年 3647 万人である ) 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% ここで定義した老年人口指数 = (65 歳以上人口 )/(20-64 歳人口 ) 65 歳比率 ( 左軸 ) 75 歳比率 ( 左軸 ) 老年人口指数 ( 右軸 ) % 20.0% 10.0% 0.0% 人口減少は所与の条件である 参考 : 今後 出生率が急速に改善しても 1 億人を回復することはない 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口平成 14 年 1 月推計 図 9 将来人口推計 図参 3 出生率回復時の人口 年前後に 9740 万人で定常化 低位中位 TFR=1.8 TFR= 年の人口は中位が 1 億 50 万人 低位が 9200 万人 2025 年に TFR=1.8 では 1 億 1100 万人 TFR=0.9 では 8790 万人 年で 年で 年で 2.07 中位推計 2130 年に 8450 万人で定常化 注 :TFR が直線的に改善するケース 加藤推計

14 表 2 独自モデルと厚労省見通しの比較 社会保障財政の将来見通し 社会保障給付額と負担額の差をみると 2004 年の 28.5 兆円から 2025 年では 52.9 兆円 2050 年では 96.0 兆円に拡大 社会保障給付 年金 医療 給付計 厚労省 モデル 厚労省 モデル 厚労省 モデル 社会保障負担 ( 保険料 ) 年金 医療 保険料計 厚労省 モデル 厚労省 モデル 厚労省 モデル 資料 : 社会保障の給付と負担の将来見通し - 平成 18 年 5 月推計 - について 10 億円 200, , , , , , ,000.0 図 10 社会保障給付と負担の見通し ( 独自モデル ) 社会保障給付 社会保障負担 ( 保険料 ) 社会保障給付額は 2050 年で 兆円 2050 年の差額は 90.0 兆円 60, , , 社会保障負担 ( 保険料 ) は 2050 年で 96.0 兆円

15 表 3 経済成長と年金財政の見通し 要約表 ベースケース ( 兆円 ) SSBPWP SSBP SSCPWP SSCP WPFUND 要約表 高成長ケース SSBPWP SSBP SSCPWP SSCP WPFUND 要約表 ベースケース- 高成長ケース SSBPWP SSBP SSCPWP SSCP WPFUND 要約表 低成長ケース SSBPWP SSBP SSCPWP SSCP WPFUND 兆円 経済成長と年金財政の将来見通し 賃金上昇率で 1% の違いは保険料負担額にして 2050 年で 24 兆円程度の差となる 年金財政は経済成長に敏感である 厚生年金の積立金は高成長であれば逓増するが 低成長なら枯渇に向かう ベースケース 高成長 低成長 図 11 厚生年金積立金の見通し 2050 年の積立金は ベースケースで 兆円 高成長では 兆円 低成長では 84.6 兆円 要約表 ベースケース- 低成長ケース SSBPWP SSBP SSCPWP SSCP WPFUND 賃金上昇率名目利回り物価上昇率 ベースケース 2.1% 3.2% 1.0% 高成長 2.6% 3.5% 1.0% 低成長 1.6% 2.8% 1.0%

16 注 : 横軸の数値は 2025 年の TFR の水準を示す 加藤試算 参考 : 出生率と経済成長 人口予測ブロック TFR の仮定 2050 年までの独自推計 人口 ( 年齢別等 ) ( 人口構造 ) ( 人口 ) 物価水準 ( 失業率 ) 他 労働市場ブロック労働力率 労働力人口 ( 男女 ) ( 労働力等 ) マクロ経済ブロック ( 供給側 ) 生産関数 (GDP) ( 需要側 ) 消費 投資 貯蓄 ( 所得 ) 賃金 貯蓄率 利子率 etc. 民間 国内貯蓄投資差額 ( 負担 ) ( 所得等 ) 図参 4 マクロ経済 社会保障モデルの概要 ( 賃金等 ) 財政ブロック (GDP 等 ) 中央政府 地方政府 社会保障基金 経常収支 貯蓄投資差額 ( 給付 負担 ) ( 財政収支 ) 社会保障ブロック 1 年金 : 厚生年金 国民年金 2 医療 : 国民医療費等 3 介護 : 費用等 内生変数 :277 外生変数 : % 0.70% 0.60% 0.50% 0.40% 0.30% 0.20% 0.72% 0.70% 0.67% 図参 5 経済成長率と出生率 ( 年 ) 0.62% 0.57% 0.54% 0.52% 0.47% 0.42% 0.36% 0.34% 0.31% 0.25% 1.8 高位 中位 低位 図参 6 潜在的国民負担率 (2050 年 ) 注 : 横軸の数値は 2025 年の TFR の水準を示す 加藤試算 % 62.7% 61.3% 61.3% % 57.1% 57.4% 58.7% 60.0% 人口減少は与件であるが しかし出生率改善は成長率促進を通じて 長期的によりベターな経済環境をもたらすことも考えられる 55.1% % 53.5% 54.0% 高位 中位 低位

17 資料 :OECD(2004)"Social Expenditure database","labor Market Statistics" 出所 : 加藤 (2006) 社会保障の規模と政府の役割 加藤 (2006) 社会保障の規模と政府の役割 から 社会支出 ( 社会保障給付 ) と経済成長 1 政府支出の増加や国民負担の増加と経済成長との関係についての先行研究 Atkinson(1995) 宮島 (1992) 古川他 (2000) 上村 (2001) 内閣府 (2003) 茂呂 (2004) 多くが負担増は成長率に負の影響を及ぼす しかしその因果関係については検討の余地がある 2 加藤 (2006) では 社会支出 ( 社会保障給付 ) の成長に対する供給面への影響を重視して 分析を行った 社会支出の拡大 とりわけ年金支出の増加は 高齢者などに対する労働供給のインセンティブを低下させ 労働力率を低下させる ( 早期引退効果 ) 年金給付の充実は 引退後貯蓄の必要性を低下させ その結果 民間貯蓄率の低下をもたらす 所得再分配の活発化は 政府の関与を通じてマクロ経済全体の効率性を損ない 成長力を低下させる可能性をもつ また社会保障支出等の増加が政府支出の拡大をもたらし 財政赤字を悪化させる 財政赤字の悪化がクラウド アウトをもたらして金利を上昇させ 投資を減少させ 需要面 供給面の双方から成長に負のインパクトをもたらす可能性をもつ その一方 クズネッツの逆 U 字仮説 など 社会保障制度の拡充による所得再分配の促進が経済成長を高めるという見方もある 社会支出 /GDP 図 12 社会支出比率と高齢化 参考文献 40.0% 35.0% 30.0% 25.0% スウェーデン フィンランド ノルウェー 北欧三ヶ国の回帰線 その他の国の回帰線 Atkinson,A.B.(1995), The Welfare State and Economic Performance, National Tax Journal, Vol.48,No.2, pp 上村敏之 (2001) 財政負担の経済分析 関西学院大学出版会 内閣府 (2003) 平成 15 年度経済財政白書 20.0% 15.0% 10.0% トルコ 日本 古川尚史 高川泉 植村修一 (2000) 国民負担率と経済成長 日本銀行 Working Paper Series 00-6 日本銀行調査統計局 宮島洋 (1992) 高齢化時代の社会経済学 岩波書店 5.0% 韓国 65 歳以上人口比率 0.0% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 茂呂賢吾 (2004) 政府の規模と経済成長 ESRI Discussion Paper Series No.103 内閣府経済社会総合研究所 17

18 表 4 貯蓄率 労働力人口への影響 - パネル分析の結果 1 社会支出 ( 社会保障給付 ) と経済成長 ( 続 ) <1> <2> <3> <4> <5> <6> <7> <8> <9> モデル プーリング 固定効果 固定効果 固定効果 変量効果 プーリング 固定効果 固定効果 変量効果 推定方法 OLS OLS OLS IV GLS OLS OLS OLS GLS 被説明変数 貯蓄率 貯蓄率 貯蓄率 貯蓄率 貯蓄率 労働力人口労働力人口労働力人口労働力人口 定数項 (23.75) (23.09) (-6.692) (-6.630) (-5.951) (7.903) (4.740) (-1.789) (0.781) 社会支出比率 ( 合計 ) (-9.496) (-13.36) (-13.39) (-8.684) (-13.71) (-4.658) (-3.591) (-3.471) (-3.973) 高齢化比率 (-4.386) (-5.828) (-3.879) (-0.604) (-0.634) 1 期前一人当たりGDP (9.326) (9.058) (8.994) (2.340) (0.660) adj R~ s.e サンプル数 F 値 49.67* 58.85** 60.98** 1.682* 1.673* ハウスマン検定 21.90** 10.81* 注 1)OECD(2004),"Social Expenditure database" などから作成 作成方法や変数については本文を参照されたい 2) 括弧内は t 値である 3) 推計期間は 1980~2001 年 データベースには欠損値がある アンバランスド パネルである 4)F 値は固定効果モデルとプーリング モデルの選択 ハウスマン検定は固定効果モデルと変量効果モデルの選択の指標である * は 5% 有意水準で ** は 1% 有意水準で帰無仮説が棄却されることを示す 表 5 経済成長率への影響 - パネル分析の結果 3( 重回帰 ) <1> <2> <3> <4> <5> <6> <7> <8> <9> モデル プーリング 固定効果 変量効果 プーリング 固定効果 固定効果 固定効果 固定効果 固定効果 推定方法 OLS OLS GLS GLS GLS OLS OLS OLS OLS 定数項 (7.034) (2.438) (4.084) (10.57) (3.568) (2.881) (1.193) (-0.378) (2.109) 社会支出比率 ( 増分 ) a) b) c) (-10.05) (-9.141) (-10.02) (-14.70) (-13.50) (-7.179) (-8.246) (-4.136) (-7.462) 貯蓄率 (5.570) (5.573) (5.727) (3.572) (6.435) (4.726) (6.662) (8.039) (5.720) 労働力人口増加率 (6.289) (5.211) (5.832) (10.40) (7.815) (5.184) (4.412) (4.942) (5.278) 高齢化比率 adj R~ s.e サンプル数 F 値 3.014** 2.904** 2.636** 3.372** 2.856** ハウスマン検定 5.951** 注 1)OECD(2004),"Social Expenditure database" などから作成 作成方法や変数については本文を参照されたい 2) 被説明変数は実質経済成長率である 3) 括弧内は t 値である 4) 推計期間は 1980~2001 年 データベースには欠損値がある アンバランスド パネルである 5)F 値は固定効果モデルとプーリング モデルの選択 ハウスマン検定は固定効果モデルと変量効果モデルの選択の指標である 6)<4> と <5> は国別の分散不均一性を考慮して GLS を適用したもの <6> は時間ダミーを加えたものである 7) a) は年金比率 ( 増分 ) b) は医療比率 ( 増分 ) c) は社会支出から失業関連支出を除いた社会支出比率を説明変数としている パネルデータによる分析では 社会支出の増加は供給面における生産要素 ( 貯蓄率 労働力人口 ) に対して負の影響を及ぼしている 社会支出の規模 ( 対 GDP 比 ) は経済成長率に対して有意にマイナスの影響を与えており この比率が 1% ポイント増加すると 経済成長率もおおむね 1% 低下する 注 : 生産関数を GDP=F( 資本ストック 労働力人口 技術水準 ) とする GDPの差分から成長率が計算されるとすれば これに対応する説明変数として 成長率 =F( 資本ストックの増分 貯蓄 労働力人口の増分 その他 ) とすることが適切であると考えた なお 説明変数間の相関については 表 4の各モデルの決定係数が比較的小さいことから 問題はないと判断している 18

19 社会支出 ( 社会保障給付 ) と経済成長 ( 続 ) 図 13 経済成長率と社会保障支出の増加 0.15 Y: 実質経済成長率 図 14-1 経済成長と社会保障支出 (1980 年代 ) 0.15 Y: 実質経済成長率 資料 :OECD "Social Expenditure database", "National Accounts" 出所 : 加藤 (2006) 社会保障の規模と政府の役割 0 X: 社会支出 /GDP RGDP = SOEX Y= X (29.5) (-11.6) データは OECD26 ヶ国における 年の 501 サンプル ( アンバランスド パネル ) 社会支出の増加と経済成長率の間の負の関係は 期間を変えてもほぼ同様な結果が得られる X: 社会保障支出 / 0 GDP Y= X (20.22) (-7.40) 図 14-2 経済成長と社会保障支出 (1990 年代以降 ) 0.15 Y: 実質経済成長率 X: 社会保障支出 /GDP Y= X (22..01) (-9.03) 19

20 参考 : 労働力人口の将来展望 図参 6 労働力人口の展望 7, , , , , ,500.0 中位高位低位 2025 年 年 年の労働力人口は 中位で 5005 万人 TFR=1.8 なら 5360 万人 TFR=0.9 なら 4500 万人 TFR =1.8 と 0.9 の差は 860 万人にものぼる なお 2005 年度の労働力人口は 6654 万人 4, 出所 : 加藤 (2006) 少子化がマクロ経済や財政 社会保障などに及ぼす影響 労働力人口の乖離率 高位 0.0% 0.3% 6.0% 低位 0.0% -0.4% -7.0% 2025 年 % 0.1% 7.2% 2025 年 % -0.2% -10.0% 中位推計と比較した場合である 20

21 労働力人口減少と技術進歩 生産性 労働力人口と技術進歩の関係 (1) Kuznets(1960) Simon(1981) は 人口総数が多いほど優れたイノベーター生まれる可能性が高まり また相互の知的交流の機会も増えることで技術進歩が促されると指摘する Kremer(1993) は 戦後の先進国における技術進歩の速度低下を人口増加速度の低下と関連させて説明した さらに Aghion and Howitt(1992) は研究開発の成果は市場の規模が大きいほど多くなるとしている 労働力人口と技術進歩の関係 (2) 1 規模の経済喪失効果 : 労働力人口増加率が低下することによる集団的な力の低下 2 創造性喪失効果 : 労働力人口の減少とこれに伴う若年労働力の減少により 若年層が持つ創造性や積極性が全体として乏しくなる 3 労働節約促進効果 : 技術進歩を含め労働力以外の生産要素を相対的に多く用いることから技術進歩が促進される 経済企画庁編 (1995) 平成 7 年版経済白書 1+2<3 なら労働力人口減少は技術進歩を促す 経済企画庁 (1995) 八代 (1999) 労働省 (2000) 内閣府 (2003) など多数の分析あり 図 15 技術進歩と労働力人口増加率 : プールド データによる回帰 6 技術進歩率 (TFP) 労働力人口増加率 (LG) 資料 :OECD(2006) 本文参照 注 :1) 対象はデータの揃った 18 ヶ国である ( アイルランドを除く ) また データ数 (NT) は 296 である. 2) 1985~2004 年までのデータを対象とした アンバランスド パネルである 出所 : 加藤 (2006b) 技術進歩と労働力人口変動のパネル分析 表 6 技術進歩と労働力人口 - パネル分析 2 TFP= LG (14.28)(-4.09) <1> <2> <3> <4> <5> <6> モデル 固定効果 変量効果 固定効果 変量効果 固定効果 固定効果 被説明変数 TFP TFP 労働生産性労働生産性 TFP 労働生産性 推定方法 OLS GLS OLS GLS OLS OLS 定数項 (2.259) (3.059) (3.967) (5.736) (2.308) (4.632) 労働力人口増加率 (-3.404) (-3.982) (-6.145) (-6.551) (-3.356) (-6.408) 65 歳以上人口比率 (-0.905) (-1.068) (-1.591) (-2.438) (-0.963) (-2.018) adj R~ サンプル数 F 値 1.567* 5.287** 1.560* 6.146** ハウスマン検定 資料 :OECD(2006) 本文参照 注 : 対象はデータの揃った OECD18 ヶ国である 詳細については 加藤 (2006b) 技術進歩と労働力人口変動のパネル分析 参照 21

22 表 7 技術進歩と労働力人口 - パネル分析 3(G7 ケース ) 労働力人口減少と技術進歩 生産性 ( 続 ) <1> <2> <3> <4> <5> モデル プーリング 固定効果 変量効果 固定効果 変量効果 被説明変数 TFP TFP TFP TFP TFP 推定方法 OLS GLS OLS OLS GLS 定数項 (9.344) (8.533) (6.828) (5.312) (4.378) 労働力人口増加率 (-1.085) (-0.242) (-0.626) (-0.874) (-1.431) 65 歳以上人口比率 (-4.237) (-3.148) adj R~ サンプル数 F 値 2.276** 4.982** ハウスマン検定 * 図 16 全要素生産性上昇率の推計値比較 ( 日本 ) 6 OECD 筆者の推計 -4-6 資料 :OECD(2006) 本文参照 注 :1) 対象は G7 の国々である. 2) 1985~2004 年までのデータを対象とした アンバランスド パネルである 3) 括弧内は t 値である * は 5% 有意水準で ** は 1% 有意水準で帰無仮説が棄却されることを示す 前頁で述べた労働力人口増加率と技術進歩率の負の関係は G7( アメリカ イギリス フランス ドイツ イタリア カナダ 日本 ) だけを取り出すと有意な関係は消えてしまう さらに 日本の時系列データを用いて推定を行うと 労働力人口増加率と技術進歩率には正の関係がみられる -8 資料 :OECD(2006) 及び著者の推計 表 8 技術進歩と労働力人口 - わが国の時系列データによる検証 推定式 定数項 労働力人口 65 歳以上 dum74 dum85 調整済み D.W. 増加率 人口比率 決定係数 <1> (-0.162) (2.034) <2> (-0.608) (1.513) (1.943) <3> (0.922) (0.863) (-1.032) <4> (-0.350) (3.506) (1.470) <5> (0.411) (2.365) (-0.571) (1.284) 資料 : 国民経済計算年報 労働力調査注 :1) 推定期間は1961~2004 年 2) dum74は1961~1974 年を1 それ以降を0とするダミー変数 2) dum85は1985 年以降を1 それ以外を0とするダミー変数 3)<4> <5> はOECDデータを1985 年以降接続した系列を対象とした結果である 22

23 基本的な視点 問題意識 基本的な視点 成長に伴うパイの拡大が社会保障財政を持続させる 成長のためには社会保障精度の効率性が求められる 今後 経済成長を維持するには 教育 訓練などを通じた 人財 育成などによって技術進歩を高めていく必要がある ( さらなる ) 問題意識 経済成長がなければ社会保障も維持できない 成長が維持できなければ切り分けるパイが小さくなる 但し パイが拡大しても それが富者にのみ獲得されるようなシステムでは問題がある どのように拡大したパイを社会に公平に還元するか が重要である ひとつは セーフティネット ( 公的扶助 基礎年金等 ) を厚くする方向がある ただ給付を増やしても 現役世代への過度の負担が生じ これによって成長が低下してしまえば ライフサイクルで見た個人の効用水準が低下する可能性を考慮する必要がある 23

24 3.. 社会保障制度 : 改革の方向性を考える 社会保障の機能 p.25 視点 1- 成熟型社会における位置づけ p.26 視点 2- 経済的効率性 p.27 参考 : 負の所得税について p.28 視点 3- 規範的側面 p.29 視点 4- 社会政策の一環としての側面 p.30 24

25 社会保障の機能 社会保障を政府の役割とするならば 政府の機能に伴う三つに機能がある 1 資源配分機能 年金や医療保険など 民間では供給できない ( 過少供給となる ) 公的なリスクプーリングの手段 2 所得再分配機能 公的扶助 ( 本来の意味でのセーフティネット ) など 分配という視点から積極的に関与する必要性 但し 租税との役割分担については検討要 ( 租税において消費税へのシフトが生じれば 分配における社会保障の役割がさらに求められる可能性 ) 3 経済 ( 安定化 ) 機能 A) リスクプールとの関係から : 安心 ( 社会の活力 ) 安定 ( 雇用 失業率の改善 ) 安全 ( 複線型ライフコース選択の機会コストの低減 ) の整備が経済活力を生み出す B) リスク軽減との関係から : ビルトインスタビライザー ( 失業給付等 ) としての役割 産業としての社会保障 ( 経済への直接的な寄与 ) 成長の維持による失業率安定化とこれによる貧困状況の改善 25

26 視点 1: : 成熟型社会における役割 成熟型社会の定義 A. 高齢化社会 B. 非 右肩上がり経済社会 C. 多様な選択肢の存在 D. 豊かな生活水準 成熟型社会における社会保障制度の役割 1 人生における多様な選択の機会 (C. C.) 人生の選択における機会コストを低減させる必要がある ( 出生の機会コスト 年金 退職金のポータビリティの難しさに伴うコスト等 ) システム ( 社会保障制度 ) の一元化 (ex. 年金 医療の一元化 ) 準コーポラティズム型制度からユニバーサル型制度への転換 2 担い手の多様化の必要性 ( 非 残余的福祉国家 )(A. B.) 政府 家族 企業 個人の自己責任の四者間のバランスの必要性 ( エスピン = アンデルセンによる日本型福祉国家 )+ コミュニティ NPO の位置づけは? 3セーフティ ネットの再構築 (D.( D.) ロールズ 的 マキシミン原理 : パイの切りわけで 最小の取り分の者のパイも増加させる 26

27 視点 2: : 経済的効率性の重視 視点 : 効率的な制度 政府支出の無駄の排除 国際競争力の視点 政策の方向性 1 年金 医療 介護の重複の見直しの見直し 給付 負担ポイント制 : ある年齢での給付総額を 10 点とし 年金 3 点 医療 7 点などの選択性を取り入れる セーフティネット整合性 : 生活保護 基礎年金 最低賃金 税額控除の水準の統合 究極の手段としての 負の所得税構想 基礎年金の全額租税化 (ex.2050 年度で 6.6% 程度の消費税率上昇 ( 加藤 (2006)) 2 社会保障需要の減少 健康増進 予防の重視による医療費 : 健康診断等の保険化 医療知識等の普及 平均寿命を考慮した年金給付額の設定 (65 歳から平均寿命までの給付総額をもとにした柔軟な給付開始年齢の選択 ) 3 制度運営の柔軟性 逆物価スライド: 景気がいいときは給付を減らし ( 負担を増やし ) 景気が悪化した場合には給付を増やす ( 負担を減らす ) 高齢世代も好景気なら金利も上がり資産からの収 27 益が増加する マクロ経済指標との連動の強化

28 参考 : 負の所得税について 課税後所得 y0' ym' a b 45 度線 O ym y0 y* 当初所得 図 17 生活保護と負の所得税 ( フリードマン モデル ) フリードマンのモデルでは 所得がナショナル ミニマム以下の世帯に対しては ym に達するまでの所得を負の所得税として支払い 課税最低限 (y0) 以上の所得を持つ世帯には通常の所得税が課せられる 一方 所得が ym 以上 yo 以下の世帯に対しては を税率とする負の所得税が給付されるというものである したがって 負の所得税導入後の課税後所得は ym bc となる ( 加藤 (2003) 財政学講義 から ) d c 負の所得税とベーシック インカム構想 負の所得税 実行可能性 財政負担 税制度と社会保障制度の融合 国民総背番号制の必要 ベーシック インカム 最低限の所得を一律に保障する 社会保障の普遍化 (vs. 選別化 ) の象徴 マーシャル ( 社会権 ) 最低保証年金へ 28

29 視点 3: : 規範的側面 負担と公平性の問題 勝者の論理 敗者の論理にならないようにすべき 手厚い福祉が福祉依存 モラルハザードを引き起こす懸念 70 年代の福祉国家への批判 1 必要な者への給付 年金 : 高齢者に対するインカムテスト 年金課税の重視等 医療 : 軽症等の負担増大 歯科診療の患者負担見直し 保険免責制の導入 2 高齢世代の負担のありかた 高齢層における世代内の格差にも考慮 ( 高齢層ほどジニ係数が高い ) 高齢世代も少子化に責任がないわけではない ( 少子化が始まって 30 年 ) 3セーフティネットの再構築 ロールズ 的 マキシミン原理 ( パイの切りわけで 最小の取り分の者も増やす ) 負の所得税構想他 4 拠出額と給付額の連動性 透明性 個人記録の整備 ポイント制などのわかりやすさ 情報開示 29

30 視点 4: : 総合的社会 / 公共政策としての側面 社会政策 社会保障 保険医療 福祉サービス 住宅供給 コミュニティ サービス 教育 ( T.H. マーシャル ) 1 医療政策 教育政策 住宅政策などとの連携の必要性 予防医療や少子化対策との協同の必要性 低所得者向け公共住宅の供給 奨学金支援制度 軽症医療のバウチャー発行制度 ( 免責制導入後などに負担軽減のため ) 等 2 雇用政策等との連携 高齢者雇用 - 高齢労働力の需要開拓 支援企業への助成 ( 高年齢雇用継続給付等の見直し?) 正規 非正規などの雇用の分化 二極化はセーフティネットの二極化 ( 守られるものと保障のないもの ) を生み出す危険性を持つ 高等教育機関による人的資本再投資支援 30

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6 社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (1) 資料 2 少子高齢化の進行に伴い 社会保障給付費は年々増加していく見通し 89.8 兆円 (23.9%) 福祉等 14.9 兆円 (4.0%) ( うち介護 6.6 兆円 (1.8%)) 医療 27.5 兆円 (7.3%) 年金 47.4 兆円 (12.6%) 375.6 兆円 2006 年度 ( 予算ベース ) 1.6 倍 介護 2.6 倍 医療 1.7

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