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2 目次 本編 第 1 章神戸プラン策定にあたって 神戸プラン策定の背景 趣旨...1 (1) 背景...1 (2) 趣旨 神戸プランの基本的事項...6 (1) 位置づけ...6 (2) 対象地域...6 (3) 目標年次...6 第 2 章生物多様性の現状と課題 市域の概況...7 (1) 位置...7 (2) 気象...7 (3) 地形...8 (4) 地質...8 (5) 人口...9 (6) 産業 (7) 土地利用 (8) 自然環境の保全にかかる区域等の指定状況 (9) 植生 (10) 生きものとふれあえる場所 生態系の多様性 (1) 森林 (2) 田園 (3) 河川 (4) 海岸 海域 (5) 市街地 (6) 湿地 草地 種の多様性 (1) 陸域の生きもの (2) 海域の生きもの (3) 外来生物 遺伝子の多様性 市民 事業者 市民団体の意識 各区の現状と課題 第 3 章神戸プランがめざすもの 神戸の生物多様性の特徴と今後の展望 (1) 特徴 (2) 今後の展望 めざすべき将来像 基本方針と目標 (1) めざすべき将来像の実現に向けた基本方針 (2) 施策の立案 推進にあたっての目標 取り組みの方向... 50

3 第 4 章行動計画 各主体の役割 (1) 市の役割 (2) 市民の役割 (3) 事業者の役割 (4) 農林漁業者の役割 (5) 市民団体の役割 (6) 研究機関の役割 市の行動計画 (1) 市の行動計画 (2) 重点事業の概要 (3) 各区の取り組み 市民 事業者 農林漁業者 市民団体の取り組み (1) 市民の取り組み例 (2) 事業者の取り組み例 (3) 農林漁業者の取り組み例 (4) 市民団体の取り組み例 第 5 章推進体制と進行管理 神戸プランの推進体制 (1) 多様な主体の連携による推進 (2) 庁内推進体制 PDCA による進行管理 資料編 1. 計画策定の経緯等 資 1 (1) 神戸プラン策定の経緯 資 1 (2) 神戸市環境保全審議会委員名簿 資 2 (3) 神戸市環境保全審議会生物多様性神戸戦略策定に係る専門部会委員名簿 資 3 (4) 生物多様性神戸戦略策定に係る庁内検討会の構成メンバー 資 4 2. 参考資料 (1) 生物多様性基本法 ( 抜粋 ) 資 5 (2) G8 環境大臣会合 神戸生物多様性国際対話 資 5 (3) 生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10) 資 6 (4) 生物多様性国際自治体会議 資 6 (5) 戦略計画 ( 愛知目標 ) 資 6 (6) 遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS) に関する名古屋議定書 資 7 (7) カルタヘナ議定書 (Cartagena Protocol on Biosafety) 資 7 (8) 神戸の歴史 資 8 (9) 神戸の自然共生に関する取り組みの系譜 資 9 (10) 緑被率 資 10 (11) 植生の変遷 資 10 (12) 神戸市域の鳥獣保護区 資 12 (13) 生きものとふれあえる神戸市内の主な場所 資 12 (14) 六甲山のブナ 資 13 (15) 神戸市のため池と貯水池 資 13 (16) アライグマによる農作物被害 資 14 (17) 有害獣の捕獲頭数 資 14 (18) 神戸市内の河川の区分 資 15 (19) 河川における水質の推移 資 15 (20) 大阪湾奥部における埋立状況 資 16 (21) 海域における水質の推移 資 17 (22) バラスト水の対策 資 18 (23) 街路樹本数等 資 18 (24) 野生鳥獣の被害対策事業 資 19

4 (25) 野鳥の渡りのルート 資 19 (26) 神戸版レッドデータ 2010 資 20 (27) 神戸市内で今みられない種 資 22 (28) 海域の水生生物調査結果 資 22 (29) イカナゴ 資 23 (30) 市民 市民団体 事業者の意識 資 23 (31) グリーンカンパニーネットワーク 資 30 (32) 民間参画ガイドライン 資 31 (33) 神戸市内で活動する主な市民団体 資 32 (34) 生物多様性関連の主な取り組みの概要 ( 国 県 市 ) 資 34 (35) 神戸プラン要約版 資 35 コラム編 1 生物多様性とは 2 2 日本人の伝統的自然観 2 3 六甲山の森林 4 4 生物多様性の恵み ( 生態系サービス ) 4 5 生物多様性の危機 5 6 気候と植生 9 7 地形 地質と植生 9 8 植生遷移について 13 9 カシノナガキクイムシによる枯死被害 外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 農林水産業と生物多様性 春の七草 神戸のため池 鳥インフルエンザへの対応 ツバメ 秋の七種 [ ななくさ ] 六甲山地の種の多様性 海藻と海草 ウミガメ エコツーリズム 須磨海浜水族園のアカミミガメの受け入れ 外来種の農業被害 カワバタモロコの遺伝子解析 ゲンジボタルの遺伝子解析 在来種を用いた緑化 生物多様性総合評価報告 大阪湾再生行動計画 ( 抜粋 ) 海の健康診断 ビオトープの配置 環境ラベル 認証制度マーク SEGES( 社会環境貢献緑地システム ) の認定制度 生きものの放流 移植における問題点 モニタリングサイト

5 第 1 章神戸プラン策定にあたって 第 11 章神戸プラン策定にあたって 第 1 章では 生物多様性神戸プラン 2020 策定の背景 趣旨や 神戸プランの位置づけ 目標年次などの基本的事項について記載します 1 神戸プラン策定の背景 趣旨 (1) 背景 < 生物多様性条約 > 近年 生物の多様性の保全と持続可能な利用が世界的な課題となり 平成 4 年 (1992 年 ) に 生物多様性条約 が採択されました この条約の目的は 1 地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全すること 2 生物資源を持続可能な方法で利用すること 3 遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分すること です この条約には 我が国を含む 192 ヵ国と EU が締結しています ( 平成 22 年 (2010 年 )5 月現在 ) < 生物多様性国家戦略 > 我が国では この条約に基づき 生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用を進めるための政府の計画として 平成 7 年 (1995 年 ) に 生物多様性国家戦略 が閣議決定されました 生物多様性国家戦略は その後 3 度の改定を経て 平成 22 年 (2010 年 )3 月には 生物多様性国家戦略 2010 が閣議決定されています <G8 環境大臣会合 > 平成 20 年 (2008 年 )5 月に神戸で開催された G8 環境大臣会合 では 気候変動 3R とともに 生物多様性が主要テーマとなりました ( 資 5 頁参照 ) その結果 1 日本の里山のような自然の資源を管理するモデルを検討し 生物多様性の保全と持続可能な利用を促進すること (SATOYAMA イニシアティブ ) 2 企業の社会的責任の奨励と民間投資の促進 3 気候変動の影響も観測できる生物多様性のモニタリング 評価 情報共有のための協力 などを盛込んだ 神戸 生物多様性のための行動の呼びかけ (Kobe Call for Action for Biodiversity) が合意され 世界に発信されました < 生物多様性基本法 > また 平成 20 年 (2008 年 )6 月には 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を総合的 計画的に推進し もって豊かな生物の多様性を保全し その恵沢 [ けいたく ] を将来にわたって享受できる自然と共生する社会の実現を図り あわせて地球環境の保全に寄与すること を目的とする 生物多様性基本法 が公布 施行されました ( 資 5 頁参照 ) 法の第 13 条では 地方自治体が生物多様性国家戦略を基本として 地域の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画 ( 生物多様性地域戦略 ) を定めるよう努めなければならない とされています < 生物多様性条約第 10 回締約国会議 > 平成 22 年 (2010 年 )10 月には 生物多様性条約の第 10 回締約国会議が名古屋市で開催され 2011 年以降の生物多様性に関する新たな世界目標となる 新戦略計画 愛知目標 (2011 ~2020 年 ) や遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS:Access and Benefit Sharing) に関する 名古屋議定書 が採択されるなど 地球規模での生物多様性の保全と持続可能な利用に向けた新たな一歩が記されました ( 資 6,7 頁参照 ) 1

6 第 1 章神戸プラン策定にあたって コラム 1 生物多様性とは この地球上には 森 川 海 里地などの多種多様な自然があり それぞれの自然環境に適応して進化した多くの生きものが 互いにつながりあい 支えあって暮らしています 人間もその例外ではなく 多くの生きもののつながりの中で 大気 水 食料などの恵みを受け 文化の創造や暮らしの安全の確保にも 生物多様性が大きく寄与しています 生物多様性には 次の 3 つの多様性があります 1 生態系の多様性生きものが生息 生育するための様々な自然環境があること 2 種の多様性微生物から動植物にいたるまでの多種多様な生きものがいること 3 遺伝子の多様性同じ種の中でも遺伝子レベルでの多様性があること コラム 2 日本人の伝統的自然観 私たちの祖先は 農耕文化のもとで自然と一体化した生活様式を作り出し 神の住む山 奥山の依り代 [ よりしろ ] である鎮守の森 神木として崇められた大木 水源地の水神様 海を司る神など 自然そのものを敬い畏れる心をもって暮らしていました 当時はすべての資源を 自然からの恵み として感謝の気持ちを持って無駄なく利用し 残渣はきちんと自然に帰して 循環利用していました このように 日本人の伝統的自然観の特徴は 自然と人間とを特に分けることなく一体的にとらえる 共生 ( 共に生きる ) という点にあり 人と自然との共生によって形成され 維持されてきた里地里山などの風景は 私たちの原風景そのものになっています 神木として崇められた大木 里地里山の風景 2

7 第 1 章神戸プラン策定にあたって (2) 趣旨神戸市は人口 150 万人を超える大都市でありながら 標高 931m の六甲山から田園地帯 多くのため池 河川 瀬戸内海など 多様な自然環境に恵まれています 本市では この恵まれた自然環境をまもり 育て 次世代に引き継いでいくため グリーンコウベ作戦の展開 ( 昭和 46 年 ~) 人間環境都市宣言 ( 昭和 47 年 ) 環境影響評価制度の創設 ( 昭和 53 年 ) 市民の水辺連絡会の結成 ( 昭和 56 年 ) 神戸市エコポリス計画の策定 ( 平成 2 年 ) みどりの聖域づくり ( 平成 3 年 ~) 多自然川づくり ( 平成 3 年 ~) 人と自然との共生ゾーン ( 平成 8 年 ~) 六甲山系グリーンベルト整備事業 ( 平成 8 年 ~) など 様々な取り組みを進めてきました その結果 例えば 市域全体の緑被率 * は約 7 割となり 市街化区域の緑被率も 3 割を超えています また 一人当たりの公園面積は政令指定都市の中では最も大きく 約 17 m2となっています さらに 本市の多様な自然環境を背景に 市域でこれまでに約 6,600 種もの生きものが確認されており 神戸の生物多様性は今のところまだ比較的豊かであるといえます 神戸のシンボルである六甲山も約 100 年前までは過剰な利用や土砂災害 山火事などによって山肌が見えるほど荒廃していましたが その後の市民 事業者 行政の協働による植林によって緑豊かな山々へと再生しました ( 資 8,9 頁参照 ) ところが今 本市の森林の一部では十分な手入れが行き届かなくなり せっかく先人が営々と築きあげてきた財産が荒廃の危機に直面しています また 田園地域においても不耕作地が増加し これまで保たれてきた豊かな生物多様性が失われようとしています 河川や海岸においても 環境や生きものに配慮した取り組みが行われてきたにもかかわらず 生息 生育環境の悪化や外来生物の侵入などもあって 豊かで健全な生態系が確保されているとはいえない状況になってきています 先人から受け継いできた神戸の豊かな自然環境をまもり 育て 次世代に引き継いでいくことは 私たちみんなの使命です また わが国の経済活動は海外の天然資源に大きく依存しており これらの利用を通じて海外の生態系にも影響を及ぼしていることから 私たちは常に地球規模での生きもののつながりを意識して 海外の生物多様性にも配慮して行動することが求められています この神戸プランでは 神戸の生物多様性の現状と課題を踏まえて 市民 事業者 市民団体 研究機関 行政などのあらゆる主体が協働と参画のもとで 神戸の生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組むための目標や方針を定めました また この神戸プランでは地域の自然だけでなく より広い観点から生物多様性に係る様々な取り組みを体系化し これらを総合的 計画的に推進していくための各主体の役割を明らかにして 市の行動計画と市民 事業者 市民団体の取り組みとしてまとめました さらに 神戸プランの推進体制や進行管理の仕組みを定めました 神戸プランを着実に推進することにより 自然共生社会の実現を図るとともに 地球環境の保全にも貢献していきます 六甲山から望む市街地 須磨海岸 * 緑被率 : 一定の面積に占める緑被地 ( 上空から眺めた場合に植物などに覆われてみえる土地 ) の割合のこと 衛星画像の解析に基づき 水面は緑被地に含め グラウンドは緑被地に含めません 3

8 第 1 章神戸プラン策定にあたって コラム 3 六甲山の森林 今ある六甲山の緑からは想像できませんが 約 100 年前の六甲山地は 草木のない山々の連なりでした 大雨のたびに襲う土石流の被害から ふもとの人々を守り 水源を保全し 発展する神戸の街に緑の潤いをもたらすために緑化がはじまりました それから 100 年 六甲山地は様々な生きものが棲む 豊かな森に育ってきました 六甲山地に緑がよみがえったことで水害も少なくなり きれいな空気と良質の水に恵まれた 安全で安心して生活できる神戸の街が築かれつつあります 1903 年当時の再度山 コラム 4 生物多様性の恵み ( 生態系サービス ) 神戸市には六甲山や瀬戸内海をはじめ 河川や田園など多様な自然環境があり 私たちは古来より これらの自然からきれいな空気や水 食料 緑による防災など 多くの恵みを受けてきています これらの恵み ( 生物多様性の恵み ) は生態系サービスと呼ばれています 生態系サービスには 供給サービス 調整サービス 文化的サービス 基盤サービスの 4 つがあります 供給サービス : 食料 水 木材 繊維 燃料など私たちの生活そのものを支えるもの神戸市は国際的な文化をとり入れた食文化が一般によく知られている一方で 灘の清酒 須磨のり いかなごのくぎ煮 神戸ワイン からか ( 有馬の山椒の皮の佃煮 ) など 地元でとれる自然の恵みを活かした特産品が多くあります 神戸市では 水源として布引 烏原 千苅の貯水池の水と 住吉川などの小河川 新神戸トンネルの湧水なども活用しています 灘の清酒 須磨のり 調整サービス : 気候の安定や水質の浄化 災害防止など生活環境を調整するもの神戸市内の二酸化炭素吸収量は 森林管理で約 3 万 t- CO2 植生回復 ( 都市公園 道路緑地など ) で約 600t- CO2 と試算 * されています * 出典 : 温室効果ガス削減目標達成のためのアクションプログラム 神戸市環境局環境創造部地球環境課 ( 平成 20 年 3 月 ) 六甲山はかつて 緑のほとんどない山でしたが 明治時代より水源涵養 水害対策の一環として 植樹事業が進められ 現在は表土の安定化 鉄砲水の防止など災害防止に役立つともに 緑豊かな山へと変貌しています 神戸の街と六甲山 文化的サービス : レクリエーションや精神的な恩恵を与えてくれるもの 自然の恵みへの感謝や祈願のために設けられた御供撒き [ ごくまき ] 獅子舞 神楽 曳山 [ ひきやま ] 山車 ( だんじり ) など 古くから伝わる祭りや伝統行事が西区 北区を中心に神戸の各地で見られます 六甲連山を望むみち などの近畿自然歩道 奥須磨公園などの自然とふれあえる都市公園 六甲山牧場や森林植物園 王子動物園や須磨海浜水族園などの自然や生きものとふれあうことのできる施設など 多くの自然を利用したレクリエーション施設があります だんじり祭り 須磨海浜水族園 基盤サービス : 水や栄養塩の循環 光合成による酸素の生産など他の生態系サービスの基盤となるもの 六甲山などの山 多くの都市河川やため池 農地 瀬戸内海など多様な環境により 神戸市の水循環は支えられています 櫨谷川ため池都賀川布引の滝 * ここでは神戸市域で考えられる生態系サービスに限って紹介しています 4

9 第 1 章神戸プラン策定にあたって コラム 5 生物多様性の危機 地球上の種の絶滅のスピードは 近年加速しており 多くの生きものが危機に瀕しています 現在 日本の生物多様性が直面している問題は以下の 3 つの危機と 地球規模で生じている地球温暖化による影響と考えられています 第 1 の危機 : 人間活動や開発による危機人間活動や開発による種の減少 絶滅 生態系の破壊 分断 劣化を通じた生息 生育空間の縮小 消失 第 2 の危機 : 人間活動の縮小による危機生活様式 産業構造など社会経済の変化に伴う 自然との関わりの縮小による里地里山の環境の質の変化 団地造成 第 3 の危機 : 人間により持ち込まれたものによる危機外来種など人為的に持ち込まれたものによる生態系の攪乱 放棄水田 地球温暖化による世界的な危機多くの種の絶滅や生態系の崩壊が懸念 オオクチバス トウネズミモチ タイワンウチワヤンマ 加速する種の絶滅速度これまでの 46 億年の地球の歴史の中で 5 回の大絶滅時代があったと言われています 最も新しい大絶滅は今から約 6,500 万年前の恐竜時代にさかのぼります この時の原因は 巨大隕石の地球への衝突による直接的な影響とその後の環境変化にあるという説が有力です N. マイヤーズが 沈みゆく箱舟 ( 昭和 56 年 ) で試算した種の絶滅速度は その当時でも 1,000 年に 1 種です その後人間活動が活発になり 多くの生きものが絶滅し 第 6 回目の大絶滅時代を迎えています 前述のマイヤーズの試算によれば 種の絶滅速度は加速度的に速くなっています 恐竜時代 ( 中生代 ) 1,000 年に1 種 1600~1900 年 4 年に1 種 1900~1975 年 1 年に1 種 1975 年 1 年に1,000 種 1975~2000 年 1 年に40,000 種 生物多様性の消失地球上ではこれまでに 175 万種の生物が確認されており 未知のものも含めると 3,000 万種もあるとも言われています その種が人間活動を原因として かつてない速度で絶滅しつつあります ひとつの種の絶滅は 徐々に自然全体へと広がって 知らぬ間に多くの生きものの絶滅へとつながっていきます 生物多様性が消失することは それらから多くの恵みを受けて生活している私達の生活基盤が消失してしまうということに言い換えることができます そのため 私達は常に生物多様性の保全に配慮しながら行動することが求められています ブナ 5

10 第 1 章神戸プラン策定にあたって 2 神戸プランの基本的事項 (1) 位置づけ生物多様性神戸プラン 2020 は 生物多様性基本法第 13 条に基づく 神戸市の区域における生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画です また 神戸市民の環境をまもる条例に基づく神戸市環境基本計画の個別計画としても位置づけられます 神戸市基本計画平成 23 年 2 月改定目標年次 : 平成 37 年 (2025 年 ) 部門別関連計画 神戸市環境基本計画 平成 23 年 2 月改定目標年次 : 平成 32 年 (2020 年 ) こうべ農漁業ビジョン 2015 平成 23 年 2 月策定目標年次 : 平成 27 年 (2015 年 ) グリーンコウベ 21 プラン ( 神戸市緑の基本計画 ) 平成 23 年 3 月改定目標年次 : 平成 37 年 (2025 年 ) 神戸市都市計画マスタープラン 平成 23 年 3 月策定目標年次 : 平成 37 年 (2025 年 ) 生物多様性基本法 第 13 条 自然共生社会 の実現 低炭素社会 の実現 循環型社会 の実現 生物多様性神戸プラン 2020 平成 23 年 2 月策定目標年次 : 平成 32 年 (2020 年 ) 神戸市地球温暖化防止実行計画平成 23 年 2 月策定目標年次 : 平成 32 年 (2020 年 ) 神戸市一般廃棄物処理基本計画平成 23 年 2 月改定目標年次 : 平成 32 年 (2020 年 ) 図 1-1 計画の位置づけ (2) 対象地域対象地域は 神戸市全域とし 周辺自治体や大阪湾沿岸自治体などとの連携を考慮します 図 1-2 神戸市と周辺の自治体 (3) 目標年次目標年次は平成 32 年度 (2020 年度 ) とします ただし 生物多様性国家戦略 2010 の長期目標 (2050 年 ) を考慮し より長期を展望します 概ね 5 年後に神戸プランの効果 課題を検証し 必要な見直しを行います 6

11 第 2 章生物多様性の現状と課題 第 2 章生物多様性の現状と課題 第 2 章では 神戸市域の概況のほか 生物多様性の現状と課題を 生態系の多様性 種の多様性 遺伝子の多様性 のそれぞれについて示します また 市民 事業者 市民団体の意識や各区の現状と課題についてもまとめています 1 市域の概況 (1) 位置神戸市は兵庫県の南東部に位置し 近畿地方のほぼ中心部にあり ( 図 2-1 参照 ) 東西南北の生きものの移動 分布拡大経路ともいえる立地条件を有しています 鳥取 福井岐阜京都兵庫滋賀愛知 緯度 :34 41 N ( 神戸市役所 ) 経度 : E ( 神戸市役所 ) 東西距離 :36.1km 南北距離 :29.7km 面積 :552.80km2 岡山 香川 徳島 神戸市 大阪和歌山 奈良 三重 高知 : 神戸市を中心として半径 150km の円 図 2-1 神戸市の位置図 (2) 気象瀬戸内気候に属し 年間を通じて温暖 少雨が特徴です 気候は六甲山地によって隔てられ 大阪湾に面した六甲山の南部市街地は温暖な気候ですが 六甲山の北側の北神地域及び西側の西神地域は市街地に比べて寒冷で降雨が少なくなっています 年平均気温は上昇傾向にあり 年間降水量はほぼ横ばいです ( 図 2-2 参照 ) 市街地の年間平均気温は 16.3 ( 神戸海洋気象台昭和 55 年 ~ 平成 21 年平均値 ) ですが 六甲山の山頂付近の年間平均気温は 9.6 となっています ( 神戸市六甲山気象観測所昭和 55 年 ~ 平成 21 年平均値 ) 2,000 mm 降水量神戸海洋気象台ポートタワー六甲山 20 1, ,600 1,400 1,200 1, < 年間平均気温 > 神戸海洋気象台 16.3 六甲山山頂付近 9.6 神戸海洋気象台標高 5m ポートタワー標高 20m 六甲山気象観測局標高 900m 注 ) 神戸海洋気象台は平成 11 年 9 月に中央区中山手通 ( 標高 58m) から中央区脇浜海岸通に移転しています 昭和 55 年昭和 60 年平成 2 年平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 21 年 (1980 年 ) (1985 年 ) (1990 年 ) (1995 年 ) (2000 年 ) (2005 年 ) (2009 年 ) 出典 : 神戸市環境局資料 図 2-2 年間降水量と年平均気温 7

12 第 2 章生物多様性の現状と課題 (3) 地形標高 931m の六甲山地が東西に伸び その北部には帝釈 丹生山地があります 六甲山の南側は 瀬戸内海に面する海岸線に沿って東西に平野部が広がり 市街地となっています 帝釈 丹生山地 谷上 六甲山地 西神中央 鈴蘭台 新神戸 三宮 住吉 新長田 舞子 須磨 垂水 図 2-3 神戸市の地形図 出典 : 基盤地図情報 50m メッシュ ( 標高 ) ( 国土地理院.2002 年 ) をもとに作成 (4) 地質六甲山地に露出する花崗岩類などの基盤岩類と それらを覆って堆積した被覆層に大別されます 古い年代順では 基盤岩類の丹波層群 ( 古生層 ) 有馬層群 ( 流紋岩類 ) 花こう岩類 被覆層の神戸層群 大阪層群となります 出典 : 神戸の大地のなりたちと自然の歴史 ( デジタル化 神戸の自然シリーズ.2004 年 ) をもとに作成図 2-4 神戸市の地質図 8

13 コラム 6 気候と植生 第 2 章生物多様性の現状と課題 神戸市の年間降水量は 六甲山上を除くと 1,200~1,400mm で 日本の全国平均降水量約 1,800mm に比べて少なくなっています 一方 六甲山上は 約 2,000mm と多雨な環境となっています 植物にとっては降水量自体よりも 実際に有効に利用できる水の量が問題となり 気温が高いと地表から蒸発する量も蒸散量も多くなり 有効量が減少することになります 瀬戸内沿岸は気温 特に梅雨後の少雨期の気温が高いため その乾燥度は国内でもっとも高いものと考えられます この暖温帯下での乾燥条件を反映して 瀬戸内では特異な生態系が展開しています 照葉樹林では 瀬戸内乾燥気候下を分布域とするコジイ - カナメモチ群集が発達していますが この群集は 乾燥を好むカナメモチ ナナミノキなどが多く またタブノキを欠くという特性が見られます アカマツ林は瀬戸内以外にも国内に広く見られますが その分布の中心は瀬戸内であり その中心のアカマツ林はアカマツ - モチツツジ群集としてまとめられています そのほか 瀬戸内の乾燥条件下を分布の中心としている群落に アベマキ林 アキニレ林などがあり これらの夏緑広葉樹林は同様な乾燥気候下にある朝鮮半島の樹林と関連があるとされています また 降水量が少ないため多数のため池が造られており そこには各種の植物群落が成立しています このようなため池の植物群落も 乾燥気候の反映と見ることができます 出典 : 新修神戸市史歴史編 Ⅰ 自然 考古 ( 神戸市.1989 年 ) をもとに作成 コラム 7 地形 地質と植生 神戸の地形は六甲山地が海に面し 東西にのびているということで 気候的に南西側と北側では差が生じてきています このことは植生の垂直分布にも影響を及ぼし コジイ - カナメモチ群集のシラカシ亜群集で分布の上限が南側で標高 250~450m 北側で標高 200~350m になっており 50~100m の標高差が出ています 神戸の地質のうち 六甲山地は主として白亜紀後期から古第三紀の花こう岩からなり 一部丹波層群も見られます 一方 帝釈 丹生山地は主として流紋岩で形成されています さらに その北部は中新世の神戸層群となっており この神戸層群は六甲山地の西部 鈴蘭台から布施畑にかけても見られます その西側には更新世の大阪層群が存在しています これらの地質の違いが植生にも反映され 神戸層群や大阪層群などには水を通さない不透水層ができることがあり そのような場所では植物の生育が悪く 地衣類のハナゴケを伴うアカマツ林となることが多くなっています 逆に 花こう岩を主とする水はけの良い土壌を形成する六甲山地ではこのような林は少なくなっています また 丹波層群地帯の土壌はやや水持ちがよく このような場所ではアカマツ林が少なくなっています 出典 : 新修神戸市史歴史編 Ⅰ 自然 考古 ( 神戸市.1989 年 ) をもとに作成 (5) 人口本市の人口は 昭和 14 年に 100 万人を超えましたが 第二次世界大戦により 38 万人に減り 昭和 30 年には再び 100 万人を超えました 平成 4 年には 150 万人を超えましたが 平成 7 年の阪神 淡路大震災により一時的に人口が減りました 平成 22 年の人口は約 154 万人となっています 今後は 少子 超高齢化の進行などにより 総人口 生産年齢人口 (15~64 歳 ) ともに減少が見込まれます 180 万人 万人 142 万人 全市人口 0~14 歳 15~64 歳 65 歳 ~ 154 万人 149 万人 153 万人 153 万人 150 万人 147 万人 平成 2 年平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 22 年平成 27 年平成 32 年平成 37 年 (1990 年 ) (1995 年 ) (2000 年 ) (2005 年 ) (2010 年 ) (2015 年 ) (2020 年 ) (2025 年 ) 出典 : 平成 17 年までは国勢調査 平成 22 年以降は国立社会保障 人口問題研究所による推計値 ( 中位推計 ) 図 2-5 神戸市の人口推移 9

14 第 2 章生物多様性の現状と課題 (6) 産業神戸市の就業者 ( 平成 17 年 ) のうち 最も多いのは第 3 次産業従事者 (78.3%) で 農林水産業を支える第 1 次産業従事者はわずか 0.9% です ( 図 2-6 参照 ) 経済活動別市内総生産は サービス業 (25.2%) に次いで製造業 (19.5%) が多くなっており 農林水産業は 0.1% となっています ( 図 2-7 参照 ) 一方 神戸市の農業産出額は 108 億円 ( 平成 18 年 ) と兵庫県全体の 7.4% を占めており 市町別では南あわじ市約 223 億円 (15.2%) についで多くなっています ( 図 2-8 参照 ) また 経営耕地面積 (3,682ha) を見ると 大都市のなかでは新潟市 (7,258ha) 仙台市 (5,670ha) 静岡市 (4,019ha) についで多く 神戸市は大都市有数の農業都市といえます ( 大都市比較統計年表.2008 年 ) ( 人 ) 800, ,000 6,329 (0.9%) 5,470 5,642 (0.8%) (0.9%) 第 1 次第 2 次第 3 次 600, ,211 (27.7%) 158, ,127 (24.2%) (20.8%) 500, , , , , ,902 (71.4%) 491, ,544 (75.0%) (78.3%) 表 2-1 第 1 第次産業就業者数 1 次産業就業者数 ( 人 )( 人 ) 農業 林業 漁業 平成 7 年 5, 平成 12 年 5, 平成 17 年 5, 平成 7 年平成 12 年平成 17 年 (1995 年 ) (2000 年 ) (2005 年 ) 出典 : 国勢調査第 2 次基本集計結果 図 2-6 産業別就業者数の推移 サービス業 1,445,452 運輸 通信業 659,635 農林水産業 8,412 不動産業 820, % 0.1% 25.2% 産業全体 5,741, % 鉱業 % 19.5% 7.7% 4.1% 16.1% 金融 保険業 443,337 図 2-7 経済活動別市内総生産 ( 生産側 ) 単位 :100 万円 製造業 1,119,563 建設業 236,760 電気 ガス 水道業 85, % 卸売 小売業 922,459 出典 : 神戸市統計書 ( 神戸市. 平成 19 年 ) 三田市 2.2% 佐用町 2.2% 加東市 2.3% 加古川市 2.3% 赤穂市 2.5% たつの市 2.7% 小野市 2.8% 朝来市 3.1% 養父市 3.2% 加西市 3.5% その他 (11 市 11 町 ) 17.1% 三木市 4.0% 平成 18 年総額 1,462 億円 (100.0%) 篠山市 4.0% 淡路市 4.3% 南あわじ市 15.2% 図 2-8 兵庫県下の農業算出額 神戸市 7.4% 豊岡市 6.3% 姫路市 5.3% 丹波市 5.1% 洲本市 4.4% 出典 : 兵庫農林水産統計 ( 近畿農政局兵庫農政事務所. 平成 19 年 ) 10

15 第 2 章生物多様性の現状と課題 (7) 土地利用神戸市全域が都市計画区域で 市街化区域と市街化調整区域に区域区分されています 昭和 26 年 (1951 年 )~ 平成 21 年 (2009 年 ) の 58 年間で山林は 39% 田畑は 26% 減少し 宅地は約 3 倍に増加しています ( 図 2-9 参照 ) 市全域の緑被率は 68.5% であり 市域の 7 割近くが緑で覆われています 市街化区域の緑被率は 32.9% で 土地利用分類別に見ると 公共公益施設 (34.3%) 住宅地 (28.3%) に対して 工業用地 (16.6%) 商業 業務地区 (15.0%) となっています 一方 市街化調整区域の大半は山林と田畑で 緑被率は 89.2% となっています ( 資 10 頁参照 ) 30,000 25, , , , ,690 2, 地目別土地面積 (ha) 20,000 15,000 10,000 5, , ,758 12, ,651 3,182 3,773 12,538 11,005 9,358 8, ,193 5, ,656 6, ,976 8,089 4,502 4,390 9,052 9,706 出典 : 神戸市統計書注 ) 固定資産税の対象となる評価面積図 2-9 土地利用の推移 471 7,799 昭和 26 年 昭和 36 年 昭和 46 年 昭和 56 年 平成 3 年 平成 13 年 平成 21 年 (1951 年 ) (1961 年 ) (1971 年 ) (1981 年 ) (1991 年 ) (2001 年 ) (2009 年 ) 527 雑種地等池沼原野山林畑田宅地 図 2-10 土地利用図 出典 : 神戸市資料 (2004 年 ) 11

16 第 2 章生物多様性の現状と課題 (8) 自然環境の保全にかかる区域等の指定状況神戸市内では 以下の法令等により 自然環境の保全に係る区域等が指定されています ( 表 2-2 図 2-11 資 12 頁参照 ) 表 2-2 自然環境の保全に係る区域等の指定状況 保全地域 根拠法令等 役割 特別保護地区行為制限を行うことにより 自然の瀬戸内海国立公第 1 種特別地域自然公園法風景地の保護を図る 園第 2 種特別地域 近郊緑地保全区域近郊緑地特別保全地区 近畿圏の保全区域の整備に関する法律 行為制限を行うことにより 緑地の保全を図る 特別緑地保全地区 都市緑地法 行為制限を行うことにより 緑地の保全を図る みどりの聖域 緑地の保存区域各区域内での行為制限を行うことに緑地の保全, 育成及び市民利用緑地の保全区域より 緑地の保存 保全 育成を図に関する条例緑地の育成区域る 人と自然との共生ゾーン 環境保全区域農業保全区域集落居住区域 人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例 各区域の用途に応じた土地利用の誘導や 貴重な地域資源である農地や里山の整備 保全 活用を図る 風致地区 保安林 鳥獣保護区 特定用途区域 市長が指定する森林 水源かん養保安林土砂流出防備保安林土砂崩壊防備保安林干害防備保安林防火保安林航行目標保安林保健保安林風致保安林 都市計画法風致地区内における建築等の規制に関する条例 森林法 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律 行為制限を行うことにより 地区内の自然的環境の維持保全を図る土地利用を誘導する 立木の伐採の制限や森林以外への転用を規制することにより 森林が持つ公益的な機能を保全する 日本国内における鳥獣の保護と狩猟の適正化を図る 海域は 瀬戸内海環境保全特別措置法の総量規制区域に指定されています 図 2-11 法規制等の区域 平成 16 年度 (2004 年度 ) 現在 12

17 第 2 章生物多様性の現状と課題 (9) 植生本市の潜在自然植生 *1 は ほとんどの地域が暖温帯の照葉樹林域の植生で 標高 931m の六甲山の上部には冷温帯の夏緑広葉樹林域の植生が成立しています 現在 市内に見られる樹林の多くは アカマツやコナラ等を中心とした暖温帯域の代償植生 *2 ですが マツ枯れ病や植生遷移の進行等によりアカマツ林が減少し コナラ林が増加しています ( 資 10 頁参照 ) 六甲山南側の山麓斜面では 砂防用に植栽されたニセアカシア林が分布し その林床にはネザサが優占しています 六甲山頂周辺には 冷温帯域の自然植生であるブナ林がわずかに成立しており 太山寺や山王神社などの社寺林等には 暖温帯域の自然植生であるシイ カシ林などの照葉樹林が成立しています 本市の里山などでは 近年 人の手が加わらなくなったことで植生遷移 *3 が進み アラカシやヒサカキ等の照葉樹が繁茂するなど 林内の照葉樹林化が進んでいます 一般に 太山寺の自然植生などのように自然状態に近い発達した照葉樹林では 照葉樹林を好む多様な動植物種が見られますが 照葉樹林への遷移の途中段階では 照葉樹が繁茂して林内が暗くなることで アカマツ林やコナラ林などの明るい樹林内を好む種 ( ツツジ類 キンランなど ) が減少し生物多様性が低下します 北区や西区の平地や丘陵地には耕作地が広がり ヨシ群落等の河川植生 ヒシ群落等の池沼植生が分布しており 北区 須磨区 西区の丘陵地等では 管理不足などにより竹林が広がる傾向を見せています ( 資 11 頁参照 ) 表 2-3 主な現存植生 区分 *4 群落名 概要 ( 分布等 ) 自然植生 イヌブナ-ブナ群落 六甲山の上部に分布 ウラジロガシ群落 六甲山の北側の山王神社 六甲山の南側の摩耶山 天上寺等に分布 コジイ-カナメモチ群集 中央区の再度山 大竜寺 北区の有馬神社 石峯寺 素盞嗚神社 豊歳神社 杉尾神社 吉川町天津神社 西宮公智神社 須磨区の妙法寺 垂水区の転法輪寺 西区の太山寺 近江寺 堅田神社等に分布 ウバメガシ群落 須磨区の厄除八幡宮 鉢伏山 須磨寺 垂水区の海神社 ( 下畑町 ) 西区如意寺および太山寺等に分布 アカマツ-ハナゴケ群落 六甲山の北側の蓬山峡 地獄谷 石楠花谷周辺 北区道場町の船坂川や武庫川沿いの崖状地等に分布 湿地植物群落 サワシロギク群落 イトイヌノハナヒゲ群落が主に帝釈 丹生山地に分布 代償植生 アカマツ-モチツツジ群集コナラ-アベマキ群集 過去に伐採等の影響を受けて変えられてきた代償植生 六甲山地 帝釈 丹生山地のほか 市内の丘陵地に広く分布 植林 ニセアカシア群落 六甲山の北側の山王神社 表六甲の摩耶山 天上寺等 東灘区の金鳥山周辺 灘区の油コブシ周辺 中央区の市ケ原周辺 兵庫区の鴨越周辺等に分布 コラム 8 植生遷移について 植物は生態系の中の唯一の生産者です 植生は単なる 緑 ではなく それ自身が生産し 消費し 成長する生きものの集団といえます 植物の分布は 地象 気象 水象等の生育基盤と関わりが深く 植物体の集まりとして捉えられる植生は 動植物が生息 生育する場 すなわち生態系の基盤環境として重要です 旧石器時代から縄文時代は 日本列島のほとんどがシイやカシを中心とした照葉樹林が分布していたとされています 主食のドングリ等の料理にともない火を使うようになり 人が自然に手を加える いわゆる里山の原型ができていたと考えられています その後 人の生活のための素材や燃料として樹林の伐採が繰り返され その中でシイやカシを中心とする照葉樹林は アカマツやコナラが優占する樹林に移り変わりました 第二次世界大戦後 人の生活に使われる燃料の主役が石油やプロパンガス等に変わり 農耕に使用する肥料も化学肥料に変わりました これまで人が利用してきた雑木林は 高度経済成長期には開発により多くが住宅地等に姿を変え 開発されなかった場所では木々が伸び放題になっています 人の手が加わらなくなったことで 現在の気候や地形 土壌条件にあった植生遷移が進んでおり その過程において 生物多様性が低下した状態になっています 乾燥に強く明るい場所で成長のよいアカマツですが マツ枯れ病や植生遷移の進行等によりアカマツ林は減少し コナラ林 ( 場所によってはシイ林やカシ林 ) に移行しています *1: 潜在自然植生 : 現在の気候や地形 土壌条件のままで人の影響がなくなった場合 その立地が支える最も発達した理論上の自然植生のこと *2: 代償植生 : さまざまな人為的影響が加えられた後に成立した植生 ( 植物体の集まりの総称 ) のこと 雑木林 人工林 農耕地など 日本の現存する植生のほとんどが代償植生である 人の手が加えられていない自然植生は国土面積の約 20% しか残されていない ( 環境省ホームページより ) *3: 植生遷移 : 植生が時間の経過に伴って変化していく現象のこと *4: 群落と群集 : 群集 は特定の種組成 生育条件および相観をもつ 植物社会学的群落分類における基本単位で 群団 オーダー クラス域というように上位に統合される 群集 に位置づけることができないものは優占種によって区分される 群落 として位置づけられる 13

18 第 2 章生物多様性の現状と課題 出典 : 図書神戸の植生 (2000 年 ) 図 2-12 植生図 ( 平成 7 年 (1995 年 )) (10) 生きものとふれあえる場所神戸市内には 太陽と緑の道 等の自然と生きものにふれあえることのできる自然歩道が数多くあり 北区ハイキングガイドベスト 33 コース 神鉄ハイキング 六甲全山縦走マップ などがまとめられています ( 資 12 頁参照 ) また 生きものや自然とふれあうことのできる公園として 諏訪山公園 ( 中央区 ) 会下山公園 ( 兵庫区 ) 国営明石海峡公園神戸地区 ( 北区 ) ひよどりごえ森林公園 ( 北区 ) 奥須磨公園 ( 須磨区 ) 須磨離宮公園 ( 須磨区 ) 春日台公園 ( 西区 ) 西神中央公園 ( 西区 ) 等が整備されています ( 資 12 頁参照 ) 王子動物園 森林植物園 須磨海浜水族園など 自然や生きものとふれあうことのできる施設も数多くあります ( 資 12 頁参照 ) 14

19 第 2 章生物多様性の現状と課題 2 生態系の多様性ここでは 生物多様性の観点からみた神戸の自然環境について 六甲山地や帝釈 丹生山地等の 森林 市内に広がる 田園 河川 海岸 海域 市街地 及び 湿地 草地 のそれぞれの現状と課題について記載します (1) 森林 1 現状神戸市の森林面積は 22,908ha であり 市域面積の 41.5% を占めています 森林資源の約 8 割が私有林 (18,119ha) で 66 の林業経営体 ( 延べ面積 3,287ha) がありますが いずれも施業の実態がなく 放置林が増加しています また 森林の管理がなされなくなり 照葉樹林化が進行しています 六甲山などの森林には ニホンリス フクロウ ジムグリ等が生息しており 渓流部には ヒダサンショウウオ ナガレホトケドジョウ等が生息しています また 六甲山の山頂付近には 冷涼な環境に生育するブナやイヌブナ ミズナラの生育が見られ 標高が低くなるにつれ シラカシ ウラジロガシ アラカシ コジイ等が生育しています 神戸の希少な野生動植物 - 神戸版レッドデータ ( 平成 22 年 3 月 ) では スミスネズミ ムカシトンボ マンネンスギ ブナ群落等が A ランクに選定されています 2 取り組み国 県 市 市民団体等により 以下の取り組みが行われています 自然公園法に基づく瀬戸内海国立公園 ( 六甲地域 ) の特別保護地区等の指定と保護 規制 六甲山系グリーンベルト整備事業による土砂災害の防止と 風致景観や生態系の保全を図るための樹林帯の保護 育成 緑地の保全 育成及び市民利用に関する条例に基づく六甲山 帝釈 丹生山地等のみどりの聖域としての指定と聖域内での行為の制限や緑地の保存 保全 育成等 六甲山等の森林の適正な維持管理の実施 市民参加による森づくりの推進 ( こうべ森の学校 こうべ森の小学校 摩耶の森クラブなど ) 市民団体等による六甲山などを舞台とした自然環境教育 人材育成の実践 六甲山 摩耶山エコツーリズムの推進 企業の森づくりの推進 3 課題六甲山の森林の多くは 国 公有林の一部を除き十分な手入れが行われておらず 一部で荒廃が見られます このため 森林の持つ水源涵養機能 * 土砂流出防止機能 野生鳥獣保護機能等の公益的機能の低下が懸念され 森林の保全 育成が課題となっています 多様な植生の保全やそれらに依存する生物の生息 生育空間の確保のためにも 適切な手入れを行っていくことが必要となります また 帝釈 丹生山地などでは オフロードバイクによる森林への乗り入れが見られ 環境破壊が懸念されます なお 近年では 六甲山でも平均気温が上昇傾向にあり 冷涼な環境を好むブナやイヌブナの生育への影響が指摘されています 今後 さらに気温が上昇すれば ブナ林や そこに生息 生育する生きものの衰退が懸念されます ( 資 13 頁参照 ) 表 2-4 神戸市の森林資源の面積 ( 単位 :ha) 国有林民有林林野面積区域森林 / その他林野庁公有林私有林合計総面積区域総面積官庁 ,951 18,119 22,908 55, % ,070 ( 備考 ) 数値は農林水産省 2005 年農林業センサス による出典 : グラフと統計で見る農林水産業 * 水源涵養機能 : 森林の土壌が降水を貯留し 河川へ流れ込む水の量をならして洪水を緩和するとともに 川の流量を安定させる働きなど 15

20 第 2 章生物多様性の現状と課題 在来種 哺乳類 表 2-5 神戸の森林における主な確認動植物 ニホンリス スミスネズミ テン ニホンイノシシ等 鳥類 オオルリ アオゲラ カッコウ ツツドリ フクロウ ヨタカ ブッポウソウ サンショウクイ アカショウビン サンコウチョウ等 鳥類サンクチュアリ菊水山のカラスザンショウ林 爬虫類 タカチホヘビ シロマダラ ジムグリ ヒバカリ等 両生類 タゴガエル モリアオガエル ヒダサンショウウオ カジカガエル等 魚類 タカハヤ ナガレホトケドジョウ等 昆虫類 ムカシトンボ エゾゼミ等 甲殻類 サワガニ等 植物 貴重植物群落哺乳類外来種鳥類 コラム 9 ブナ イヌブナ ミズナラ アカガシ シラカシ ウラジロガシ アラカシ スダジイ コジイ モミ ケヤキ カナメモチ モチノキ等ブナ群落 モミ-ケヤキ群落 ウラジロガシ群落 スダジイ群落 アラカシ-カゴノキ群落などアライグマソウシチョウ カシノナガキクイムシによる枯死被害 キクイムシの仲間は 名前のとおり樹木の内樹皮や材部 種子を食べたり 樹木に孔道 ( トンネル ) を掘り 菌類を孔道の壁面で栽培して摂食します 衰弱木を早く枯死させたり 腐りにくい材部を分解するなど 物質循環を促進するという役割を担っています 近年 キクイムシの仲間で ナガキクイムシ科に属するカシノナガキクイムシによる樹木の枯死被害が各地で広がっています 枯死するのはナラ類 ( ミズナラ コナラなど ) や シイ カシ類 ( ウラジロガシ マテバシイなど ) のブナ科樹種で 特に大径木が枯死しています 樹木を枯死させるメカニズムは 病原菌であるカビの一種の菌をカシノナガキクイムシが運搬し その結果 菌が侵入した樹木材部の水を通す機能が低下し 樹木が枯死することが分かっています カシノナガキクイムシの穿入 [ せんにゅう ] により発生した大量のフラス ( 木屑等 ) 最も古い被害記録は昭和 9 年 (1934 年 ) の南九州の被害で その後 1980 年代までは限られた地域で発生していましたが 1980 年代以降に急速に広がりました 原因としては 1960 年代に始まった燃料革命 ( 燃料を薪炭から化石燃料に切り替えた生活様式の変化 ) 後 薪炭林施業を行わなくなったことで樹木が大径木化していることが考えられます また 地球温暖化によってカシノナガキクイムシの分布域が広がっていること 冷温帯に分布する樹木が温暖化のために衰弱していること等が被害発生の原因と考えられています 2010 年 神戸市灘区でもカシノナガキクイムシによる樹木の枯死被害が確認され 防除対策が講じられています 森林は 多様な生きものの生息 生育場所になっているほか 水を蓄え 人の心を和ませ 空気を浄化する機能があります また 森は海の恋人 といわれるように 栄養塩の流出 干潟や浅場の維持に必要な土砂の供給など 森は川や海での物質循環に大きな役割を果たしています 渓流 渓流 図 2-13 森林の生態系 16

21 第 2 章生物多様性の現状と課題 (2) 田園 1 現状神戸市の農地面積は 5,206ha( 平成 20 年 ) であり 市域 (55,280ha) の 9.4% を占めています また その大半が北区 (39.2%) 西区 (59.4%) にあります 北区や西区の田園地域には 約 3,400( 平成 20 年 4 月 1 日現在平成 20 年度神戸市内農漁業の現況 ) のため池があり 農業用水に利用されています ( 資 13 頁参照 ) 田園や雑木林には タヌキ キツネ スズメ オオタカ シマヘビ ヌマガエル トノサマガエル シオカラトンボ等の動物が生息し コナラ アベマキ アカマツ モチツツジ コバノミツバツツジ オミナエシ チガヤ等の植物が生育しています また ため池には カルガモ カイツブリ ギンブナ モツゴ ギンヤンマ アメンボ ミズカマキリなどの動物が生息し ヨシ ハス ヒシ ヌマトラノオ カサスゲなどの植物が生育しています 水田やため池には多くの希少種が見られ 神戸版レッドデータ 2010 では ミゾゴイ サシバ ナゴヤダルマガエル カワバタモロコ ヒメタイコウチ ゲンゴロウ ミズスマシ デンジソウ オニバス群落等が A ランクに選定されています 近年 農業従事者の高齢化や後継者不足によって 保全管理田 * や不耕作地が増加するとともに 草刈りが十分でない畦畔 [ けいはん ] や堤体 管理が十分でないため池などが増加しています また 土地改良事業 ( 平成 20 年度の圃場整備の進捗率は 93.8%) に伴う水田の乾田化や水路のコンクリート化なども進行しています 一方 外来種のアライグマやヌートリア 在来種のイノシシによる農作物被害が深刻化しています 特にアライグマによる農作物被害は 急激に拡大しており 北区 西区で多くの被害が見られます ( 資 14 頁参照 ) また ため池ではオオクチバス ( ブラックバス ) などの外来種の違法放流による生態系への影響も危惧されています このほか 北区 須磨区 西区等の丘陵地では竹林が増加しており 周辺の樹林地などの生態系への影響が懸念されています 2 取り組み市 市民団体等により 以下の取り組みが行われています 人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例に基づく農村用途区域の指定による土地利用の誘導と農地 里山の整備 保全 活用の推進 農地 水 環境保全向上対策事業の推進 有機 特別栽培などの環境保全型農業の推進 環境に配慮した圃場整備やため池改修の実施 地産地消による農業の振興と地域活性化の推進 こうべ給食畑推進事業による地産地消と食育の推進 不耕作地の復元利用と保全管理田の活用 里山整備の支援事業の実施 イノシシ被害防止対策の実施 特定外来生物の防除対策の実施 カワバタモロコの保全推進事業の推進 3 課題農業従事者の高齢化や後継者不足等による不耕作地の増加に対しては 農地への復元とあわせて 不耕作地を貸し農園やビオトープなどに利活用するなど柔軟な対応を図っていく必要があります また 若手農業従事者の育成とともに 生態系の保全を図ったブランド農作物の活用などにより農業の活性化を図っていく必要があります さらに 農業によって生物多様性が維持され 私たちの命や暮らしが支えられていることを広く啓発していくことも重要です 多くの希少種が生息 生育するため池は地域の財産ととらえて 農家だけでなく地域住民や市民団体などが連携して かいぼり ( 池干し ) による外来種の駆除を行うなど 多様な主体の連携によって支えていく必要があります アライグマなどの外来生物やイノシシによる農作物被害や生活環境被害に対しては 外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 ( 以下 外来生物法 という ) や 神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例 ( 資 19 参照以下 いのしし条例 という ) に基づき 徹底した対応を図っていく必要があります 増加する竹林に対しては 個人所有の土地を中心に広がっていることから 地権者の理解と協力のもとで有効な防除対策を立案 推進していく必要があります * 保全管理田 : 作物は植え付けられていないが 雑草の刈り取りや耕うんなどの管理作業が行われ すぐに水田として利用できる状態に保たれているところ 17

22 第 2 章生物多様性の現状と課題 コラム 10 外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 ( 平成 17 年 6 月 ) 外来生物による生態系 人の生命 身体 農林水産業への被害を防止することを目的として施行されました 特定外来生物 ( 約 100 種 ) 生態系 人の生命 身体 農林水産業への被害を及ぼすもの または及ぼすおそれがある外来生物 飼育 栽培 保管 運輸 輸入 野外へ放ったり 植えたり撒く行為等が禁止されています 違反した場合は個人で懲役 3 年以下 または 300 万円以下の罰金 法人では 1 億円以下の罰金が課せられます 要注意外来生物 (148 種 ( 平成 21 年 )) 外来生物法に基づく飼養等の規制が課されるものではありませんが これらの外来生物が生態系に悪影響を及ぼしうることから 利用に関わる個人や事業者等に対し 適切な取扱いを必要とする外来生物として公表されています コラム 11 農林水産業と生物多様性 私たちが毎日食べているご飯 野菜 魚 肉や生活している家の木材など私たちの暮らしに必要不可欠なものは 我が国の水田 森林 海などから農林水産業を通してもたらされるものです 農林水産業は 工業等の他産業とは異なり 本来 自然と対立する形でなく順応する形で自然に働きかけ 上手に利用し 循環を促進することによってその恵みを享受する生産活動であり 生物多様性と自然の物質循環が健全に維持されることにより成り立つものです 我が国は 南北に長い約 38 万 k m2の国土を有し 約 67% が森林 約 13% が農地となっているほか 世界で第 6 位 国土の約 12 倍に及ぶ 447 万 k m2の排他的経済水域等を有しており その中で農林水産業が営まれています 我が国の国土においては 原生的な天然林は 奥地脊梁 [ せきりょう ] 山地や半島 離島などを中心に 限られた地域に分布しており 水田 畑などの農地 スギなどの人工林 薪炭や採草に利用された里山林 草地などが大きな割合を占めています これらの農地や人工林 里山林 草地に加え 藻場 干潟などにおいては 農林水産業などの人間の活動が 四季折々の風土に根ざした形で長期的に繰り返し安定的に行われ 地域で培われてきた知識や技術を活かしながら持続的に営まれてきました それにより 地域特有の景観や自然環境を形成 維持し 特に 多くの生きものにとって貴重な生息 生育環境を提供し それぞれ特有の生態系を形成 維持するなど生物多様性に大きな役割を果たしています 出典 : 農林水産省生物多様性戦略 ( 農林水産省.2007 年 ) (ha) 7,000 田畑樹園地保全管理田 6,000 5, ,000 3,000 2,000 5,422 5,244 5,292 5,093 4,950 4,724 4,372 4,516 1, 出典 : 神戸市内農漁業の現況 ( 神戸市産業振興局 ) 注 )11 頁の 土地利用の推移 とは出典が違うため 面積が異なっています 図 2-14 農地の用途別面積と保全管理田の面積 昭和 50 年昭和 55 年昭和 60 年平成元年平成 5 年平成 10 年平成 15 年平成 20 年 (1975 年 ) (1980 年 ) (1985 年 ) (1989 年 ) (1993 年 ) (1998 年 ) (2003 年 ) (2008 年 ) 表 2-6 農作物被害額 ( 千円 ) 種名 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度 平成 20 年度 アライグマ ,471 9,111 10,680 15,128 イノシシ 1,503 5,299 2,641 3,882 6,376 5,624 2,678 ヌートリア 出典 : 神戸市産業局資料 18

23 第 2 章生物多様性の現状と課題 コラム 12 春の七草 春の七草とは せりなずなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろこれぞ七草 と古くから歌われてきた七草のことで 七草粥として食べる風習があります ( 現在の名前 : セリ ナズナ ハハコグサ ハコベ コオニタビラコ カブ ダイコン ) それぞれの薬効成分やビタミン類など体にとても良く 日本人の知恵が生んだ薬膳料理といえます 春の七草の由来ですが 平安時代からこの習慣があったようで 平安時代に書かれた清少納言の 枕草子 には 七日の若菜 六日 人の持て来騒ぎ という一文があります 正月 6 日から 7 日にかけての行事で 6 日の夜はヒイラギなどの刺のある木の枝や 蟹のはさみのようなとがったものを戸口にはさんで邪霊を払い 七草叩きといって 唱えごとをしながら七草を包丁でたたき 粥を炊き込みます 7 日の朝 歳神に供えてから家族で食べると万病を払うとされていました そのほか 正月のごちそうで弱り気味の胃を休めるという知恵から始まったという説もあります コラム 13 神戸のため池 市内には農業用のため池が数多くあります これらのため池は 平地にあって周囲を土手 ( 堤体 ) で囲まれた皿池から 谷間の地形を利用して谷を堰き止めた谷池まで その立地や水質 自然環境などはさまざまです これらのため池は人間が築造した灌漑用の施設ですが 長い年月をかけて様々な動植物が移り住む場所となっています 市内で多くの種類数のトンボや水草が確認されている理由として ため池の存在があります また 絶滅が危惧されている動植物が見られるため池があります さらに よく草刈りなどの管理がなされているため池の堤体は 草原生植物の貴重な生育場所にもなっています その一方で 管理者不足などによる管理放棄 外来生物の侵入などによる影響が ため池の生物相にも及んでいます 外来生物では ヌートリア アカミミガメ ウシガエル オオクチバス ブルーギル アメリカザリガニ アゾラ クリスタータ オオフサモ ホテイアオイ チクゴスズメノヒエなどが地域に固有の生態系を破壊する原因となっています 農業の振興と一体となったため池の利用と管理が適切に行われるとともに ため池の生物多様性を確保するための保全活動が地域や都市住民 市民団体等を巻き込んで継続的に行われるよう 人々の協働と参画により取り組んでいかなければなりません 植生の豊かなため池 都市住民も参加したため池のかいぼり コラム 14 鳥インフルエンザへの対応 高病原性鳥インフルエンザの発生に対する神戸市の対応として 神戸市高病原性鳥インフルエンザ発生時対応マニュアル が策定されています このマニュアルでは 鳥インフルエンザの危機状況レベルに応じて体制や対応策が定められています 鳥インフルエンザウイルスは 野鳥観察などの通常の接し方では 人には感染しないと考えられています 日常生活で野鳥の排泄物等に触れた場合には 手洗いうがいを励行しましょう また 死亡した野鳥を見つけた時は 死亡した野鳥を素手で触らないようにしましょう 同じ場所でたくさんの鳥が死亡しているのを確認した場合は 次のいずれかの市の相談窓口に通報してください なお 野鳥は平常時でも餌不足による衰弱や気温の変化などの様々な要因により死亡することがあります 相談窓口 : 産業振興局農政計画課 農水産課 農業振興センター保健福祉局健康部生活衛生課 各衛生監視事務所 19

24 第 2 章生物多様性の現状と課題 表 2-7 神戸の田園における主な確認動植物種 哺乳類 ニホンイタチ コウベモグラ カヤネズミ タヌキ キツネ ノウサギ等 鳥類 スズメ ホオジロ モズ カワラヒワ ゴイサギ コサギ アオサギ サシバ オオタカ ノスリ等 鳥類サンクチュアリ 龍ヶ池のヨシ原 平野町中津の大池 サギ類の大規模コロニー 爬虫類 シマヘビ ヤマカガシ等 両生類在来種魚類 昆虫類 甲殻類 植物 貴重植物群落哺乳類鳥類爬虫類外来種両生類魚類甲殻類 植物 ヌマガエル トノサマガエル ナゴヤダルマガエル シュレーゲルアオガエル ニホンアカガエル アマガエル アカハライモリ カスミサンショウウオ等ギンブナ モツゴ メダカ ドジョウ カワバタモロコ ヤリタナゴ等 シオカラトンボ ベニイトトンボ キアゲハ オオムラサキ イチモンジセセリ オオカマキリ キリギリス タイコウチ ミズカマキリ等ミズムシ ミナミヌマエビ スジエビ テナガエビ等 コナラ アベマキ アカマツ モチツツジ コバノミツバツツジ スギナ ワレモコウ オミナエシ チガヤ ヒシ クロモ等メガルカヤ-ユウスゲ群落 オニバス群落 ヨシ群落 ススキ-ネザサ群落アライグマ ヌートリアソウシチョウアカミミガメウシガエルタイリクバラタナゴ ブルーギル オオクチバスアメリカザリガニ アゾラ クリスタータ ハゴロモモ オオフサモ オオフタバムグラ オオカナダモ ホテイアオイ チクゴスズメノヒエ等 人の営みによって生まれた田園は 多様な生きものの生息 生育場所になっています また 感性 思考など日本人の こころ に大きな影響を及ぼすとともに信仰や伝統行事に関わり 地域風土を形成し 伝統文化の基盤となっています ため池水路水田 水田には 水資源の調節 洪水防止 気候緩和 安らぎを与えるといった公益的な機能があります 図 2-15 田園の生態系 北区の棚田 よく手入れされた里山 20

25 第 2 章生物多様性の現状と課題 (3) 河川 1 現状既成市街地では 六甲山地やその西側の丘陵地帯から流れ出た中小の都市河川が市街地を経て大阪湾に流れ込んでいます これらの都市河川では 度重なる水害の歴史から 治水を重視した河川整備が進められてきました 西北神地域では 大きく 明石川 加古川 武庫川の 3 つの流域に属する河川が流れており 市外から流れ込む武庫川本流を除き ほとんど全ての河川の源が市域にあります 一方 神戸市には水道などの水源となる大きな河川や湖がないため 市外の水源にも頼りながら 水道水源として布引 烏原 千苅の三つの貯水池 農業用水や水道水源として呑吐ダム ( 衝原湖 ) を利用しています 河川の水質は 法令に基づく規制 指導の強化や下水道の整備等生活排水対策の推進により 昭和 40~50 年代にくらべると総じて改善され 近年は比較的良好な水質で推移しています ( 資 15 頁参照 ) 河川には ニホンイタチ カワウ オイカワ カワムツ カワヨシノボリ コヤマトンボ等が生息しており ツルヨシ クサヨシ エビモ ヤナギモ等が生育しており 神戸版レッドデータ 2010 では ヤマセミ ムギツク アカザ カワアナゴ トゲナベブタムシ ヤシャゼンマイ サツキ等が A ランクに選定されています 3 水域 ( 都市河川 西神河川 北神河川 ) の主要 16 河川 * における魚類の出現種数 ( 外来種を除く ) は 昭和 61~63 年度の 3 ヵ年で 18 種 平成 10~12 年度の 3 ヵ年で 30 種 平成 18~ 20 年度の 3 ヵ年で 21 種と 20~30 種で推移しています 2 取り組み市 市民団体等により 以下の取り組みが行われています 多自然川づくりの推進 河川緑地軸を形成する河川沿いの緑地 公園等の一体的整備の実施 河川愛護活動の支援 市民の水辺事業の支援 河川水生生物 六甲山渓流等調査の実施 主な河川ごとに市民団体等が河川愛護活動を実施 3 課題河川には多数の外来種が侵入しており 実態把握や対策が課題となっています また 河川構造 ( 堰 帯工 [ おびこう ] 等の出現 瀬や淵の消失等 ) 等に起因する魚の遡上阻害や生息環境の悪化が懸念されており 治水機能と環境機能の両立が課題です 都賀川上流での川遊び 明石川和田大橋付近 *3 水域主要 16 河川 都市河川 住吉川 都賀川 生田川 苅藻川 福田川 西神河川 明石川 櫨谷川 伊川 鰈川 北神河川 武庫川 有馬川 有野川 八多川 大沢川 淡河川 志染川 21

26 第 2 章生物多様性の現状と課題 武庫川水系 加古川水系 瀬戸川水系 明石川水系 表六甲水系 図 2-16 神戸市の河川 出典 : こうべの川 在来種 外来種 爬虫類魚類昆虫類甲殻類植物哺乳類魚類植物 表 2-8 神戸の河川における主な確認動植物種 ニホンイシガメ ニホンスッポン等ウナギ コイ ニゴイ オイカワ カワムツ ナマズ アユ カワヨシノボリ等ハグロトンボ コヤマトンボ モンキマメゲンゴロウ等テナガエビ ミナミヌマエビ等ツルヨシ クサヨシ ヤナギ類 エビモ等ヌートリアタイリクバラタナゴ カダヤシ ブルーギル オオクチバス オランダガラシ アレチウリ オオカワヂシャ オオキンケイギク オオカナダモ コカナダモ キシュウスズメノヒエ等 河川は 水辺の生きものの生息 生育場所になっているほか 水質浄化 水源 ( 利水 ) 保険休養などの機能があります また 森と海をつなぎ 生きものや人のネットワークの場として重要な役割を担っています 河川 中下流域 都市河川 河川 上中流域 図 2-17 河川の生態系 22

27 第 2 章生物多様性の現状と課題 (4) 海岸 海域 1 現状市域の海岸は約 30km にわたり 海岸線の総延長は約 130km に達しています このうち東灘区から須磨区 ( 境川 ) までの区域は神戸港港湾区域になっています 神戸港には埠頭施設などの港湾関連施設が多く また 人工の海上都市であるポートアイランドや六甲アイランド 海上空港の神戸空港などが整備されています ( 資 16 頁参照 ) 一方 須磨から垂水にかけての海域は 垂水漁港や須磨海水浴場等が整備され 養浜 [ ようひん ] 等による海浜整備が行われているほか 須磨区から垂水区にかけての一部に自然海浜が残っており 水質 生物相ともに比較的良好です 神戸市西部の海域では アマモ場 ガラモ場 カジメ場が確認されています 神戸海域では ノリの養殖 船びき網漁業 ( シラス イカナゴ ) 底びき網漁業 ( マダイ アジ ) 刺網漁業 ( カレイ スズキ ) ひきなわ漁業 ( サワラ タチウオ等 ) などの漁が行われています 海域の水質を見ると COD( 有機汚濁の代表的指標 ) は 経年的にはほぼ横ばいで推移しており 全窒素 全燐 ( 富栄養化の指標 ) は横ばいないし漸減傾向にあります ( 資 17 頁参照 ) 大阪湾は閉鎖性海域であり 富栄養化等の影響を受けて 水質改善が進みにくい傾向にあり 依然として環境基準に適合していない地点があります 特に神戸の東部海域を含む大阪湾奥部では 富栄養化等の影響を受け 水質改善が進みにくい状況です 大阪湾の湾奥では大河川の流入があり 夏季の水温が上昇する時期には表層の軽い海水と底層の重い海水が混合し難い状態となり 海底に近い海水に酸素が供給されず 溶存酸素の濃度が極端に低くなる現象が発生することがあります 大阪湾における赤潮の発生状況は 平成 7 年頃まで減少傾向でしたが それ以降は横ばい状態になっており 近年では 毎年 30 件前後の赤潮の発生が確認されています 海岸 海域には コチドリ スミウキゴリ イカナゴ マコガレイ マアジ等が生息しており オカヒジキ ツルナ コウボウムギ アオサ アオノリ類 ワカメ アカモク カジメ マクサ オオバツノマタ等が生育しています 神戸版レッドデータ 2010 では アカウミガメ ノジギクが A ランクに選定されています 2 取り組み市 市民団体等により 以下の取り組みが行われています 環境創造型護岸による生物生息空間の創造 海底耕耘 * [ こううん ] による底質環境の改善 稚魚放流による水産資源の確保 須磨 舞子海岸及び海岸林 ( 松林 ) の保全活動 海域水生生物調査の実施 海のエコツーリズムの振興 ( 神戸空港島人工海水池を活用したウミガメ エコツーリズムなど ) 市民団体等による海岸や藻場の保全 育成活動の実施 3 課題海域の水質は 窒素 リンについては漸減傾向で推移していますが COD については横ばい傾向で 依然として環境基準を上回っている地点があります その一方で神戸市西部の海域では 冬季の栄養塩不足などによる養殖ノリの色落ちが懸念されています 大阪湾の海水温は上昇傾向で 近年 亜熱帯付近の海に生息するロウニンアジ リュウキュウヨロイアジ サザナミフグ オオバウチワエビ ヒレジャコガイ等が確認され 温暖化の影響による生態系の変化の危険性が指摘されており 今後広い範囲での影響が懸念されています 船体付着やバラスト水 ( 大型の船舶が船の安定化のために重しとして船底に積む水 ) によって 外国の沿岸から持ち込まれたミドリイガイ チチュウカイミドリガニ タテジマフジツボなどの外来生物の定着 繁殖による生態系の破壊 漁業活動への被害などが懸念されています ( 資 18 頁参照 ) 海域の生態系については未解明の部分が多く 生物多様性保全の観点からの調査やモニタリングの拡充などによる情報の収集 解析が課題となっています * 海底耕耘 : 海底土壌の耕耘を行うことにより 底土の活性化を促し魚介類等が生息しやすい環境を造り繁殖を増進させること 23

28 第 2 章生物多様性の現状と課題 ( 件 ) 60 赤潮発生延件数 ( 昭和 ) ( 平成 ) 元 ( 年 ) 図 2-18 大阪湾における赤潮の発生延件数 出典 : 瀬戸内海の赤潮 ( 水産庁瀬戸内海漁業調整事務所 ) 水温 ( ) 昭和 45 年昭和 55 年平成 2 年平成 12 年平成 22 年 出典 : 大阪府環境農林水産総合研究所水産技術センター注 ) 大阪湾内に設けた 20 定点で測定した表層水温の年平均値 図 2-19 大阪湾内における表層水の水温変化 表 2-9 神戸の海岸 海域における主な確認動植物種 在来種 鳥類爬虫類魚類甲殻類植物海藻類 海草類貴重植物群落 ユリカモメ セグロカモメ コチドリ イカルチドリ シロチドリ コアジサシ等アカウミガメ等 スミウキゴリ ウキゴリ ゴクラクハゼ イカナゴ マコガレイ スズキ マアナゴ マアジ ブリ タチウオ等コノハエビ ドロヨコエビ ツノメエビ ヒメガザミ等オカヒジキ ハマゴウ ギョウギシバ ツルナ コウボウシバ コウボウムギ等 イトグサ類 アオサ アオノリ類 ツノマタ類 テングサ類 タマハハキモク アカモク ワカメ カジメ アマモ等海浜植物群落 外来種二枚貝 甲殻類 ミドリイガイ チチュウカイミドリガニ タテジマフジツボ 海岸の中でも干潟や藻場といった浅場は生物が特に豊富で 水質浄化能力の高い場所になっています 神戸港周辺においても 生きものが力強く生息 生育しており 環境改善に向けた調査 研究 保全の試みなどが行われています 図 2-20 海岸 海域の生態系 24

29 第 2 章生物多様性の現状と課題 (5) 市街地 1 現状本市の街区公園などの住区基幹公園 * は現在 1,425 個所あり 昭和 54 年に比べて 個所数 面積ともに約 3 倍に増加しています 街路樹本数についても 約 47 万本の中高木の樹木が植えられており 一部では ナツミカンなどの実のなる街路樹も植えられています ( 資 18 頁参照 ) また 市内には 100 校の小学校と 11 校の中学校で学校ビオトープが整備されているほか 住吉公園や生田川公園 井吹台谷口公園等 24 個所の公園やポートアイランド 垂水等の 6 個所の下水処理場でもビオトープが整備されています ( 平成 21 年度末 ) 本市の市街化区域の緑被率は 32.9% と 3 割を超えていますが 土地利用分類別に見ると 住宅地 28.3% に対して 工業用地 16.6% 商業 業務地区 15.0% となっており 工業用地や商業 業務地区の緑被率が低い傾向にあります 市街地には アブラコウモリ ヒヨドリ スズメ ツバメ ニホンヤモリ ナミアゲハ ツマグロヒョウモン オンブバッタ等が生息しており オオバコ ノゲシ カンサイタンポポ等が生育しています 市街地に出没するイノシシに対して 住宅地や敷地内 畑等への侵入 及びそれに伴う財産的被害 イノシシがいて怖い クリーンステーションを荒らす などの苦情 相談がよせられています 2 取り組み県 市 市民団体等により 以下の取り組みが行われています 県民緑税を活用した都市緑化の推進 助成制度を活用した緑化の促進 ふれあい市民緑地制度による市街地及びその周辺の樹林等の適切な維持管理の促進 壁面緑化 屋上緑化の普及 促進 学校ビオトープの整備と活用 せせらぎ水路の整備と高度処理水の利用 市街地でのイノシシ被害対策の実施 ( 資 19 頁参照 ) 水と緑のネットワークの形成による生きものの生息 生育空間の保全 3 課題公園や学校ビオトープ等のつながりを確保するなど 市街地における生きものの生息や移動に配慮した水と緑のネットワーク化を一層推進することが重要です また 学校や公園などに整備されたビオトープのなかには管理が不十分で 外来種が放流される例などもあるため 適切な管理の普及を図るとともに 地域での環境学習などに積極的に活用していく必要があります 一方 過去に公園や街路樹として植えられたトウネズミモチやシンジュ等が 近年侵略性の高い樹種として注意が必要なものとされており 維持管理や今後の植栽においては十分留意が必要です このほか 六甲山などの野生動物の生息場所と市街地が近接している神戸では 人に慣れた野生のイノシシが市街地に出現し 生活環境被害が発生しています 都市公園 ( 総面積 (ha)/ 住区基幹公園面積 ha) 3,000 2,000 1, 総面積 (ha) 住区基幹公園面積 (ha) 1 人当たり都市公園面積 ( m2 ) 244 2, * 住区基幹公園 : 都市公園のうち住民の生活行動圏域によって配置される比較的小規模な公園として 都市計画で位置づけられた街区公園 近隣公園及び地区公園が含まれる 昭和 54 年 昭和 59 年 平成元年 平成 6 年 平成 11 年 平成 16 年 平成 21 年 (1979 年 ) (1984 年 ) (1989 年 ) (1994 年 ) (1999 年 ) (2004 年 ) (2009 年 ) 図 2-21 都市公園の総面積と住区基幹公園面積の推移 人当たりの都市公園面積 (m 2 ) 出典 : 神戸市統計書グリーンコウベ作戦データ集

30 第 2 章生物多様性の現状と課題 哺乳類鳥類爬虫類在来種魚類 表 2-10 樹種別街路樹本数割合 種類種名 ( 割合 ) 高木クスノキ (15.6%) ケヤキ(12.9%) イチョウ(12.5%) トウカエデ(7.8%) アメリカフウ (5.3%) など中木サザンカ (35.3%) トウネズミモチ(15.8%) サンゴジュ(4.9%) ムクゲ(4.9%) ウバメガシ (4.7%) など低木ヒラドツツジ (28.5%) アベリア(24.0%) シャリンバイ(19.0%) トベラ(6.3%) キリシマツツジ (2.7%) など注 ) 神戸市公園砂防部の所管樹木 ( 平成 21 年 4 月現在 ) 出典 : 神戸市資料 昆虫類 植物貴重植物群落鳥類外来種植物 表 2-11 神戸の市街地における主な確認動植物種 アブラコウモリ ドブネズミ等トビ ヒヨドリ スズメ ツバメ等ニホンヤモリ等コイ ギンブナ等 ナミアゲハ ツマグロヒョウモン ウスバキトンボ ナナホシテントウ アオマツムシ オンブバッタ等オオバコ ナズナ クズ エノコログサ ノゲシ カンサイタンポポ等クスノキ-ムクノキ群落ソウシチョウ オオバヤシャブシ * トウネズミモチ シナダレスズメガヤ ネズミムギ ホソムギ等 * オオバヤシャブシ : 国内移入緑化植物 ( ブラックリスト ** 掲載種 ) ** ブラックリスト : 絶滅が危惧されている野生生物種等をまとめたレッドリストに対して 地域の生態系を破壊したり そこに暮らす在来種の存続を脅かすような重大な被害を与えている種 もしくはその恐れの大きい種のリストをブラックリストと呼び 神戸版レッドデータ2010の策定の際に 生物多様性の保全上特に注意すべき神戸の外来生物等 としてリストアップされました 市街地の中でも 公園や街路樹 工場の緑地帯 学校ビオトープ せせらぎ水路などで 様々な生きものが生息 生育しています 神戸では これらのビオトープをネットワーク化し 生きものに配慮したまちづくりが行われています ビオトープ池 都市河川 図 2-22 市街地で見られる生きもの コラム 15 ツバメ 神戸市内のいたる所で見ることができる最も身近な野生鳥類 ( 渡り鳥 ( 夏鳥 )) のひとつです 穀物を食べず害虫を食べてくれる益鳥として農村部を中心に古くから大切にされています 守りたい神戸の生きもの百選 に選定され 神戸っ子が選んだ 守りたい生きものベスト 30! では 2 位に選ばれています 公園や河川敷など 営巣のための泥と枯れ草があり 餌となる小さな昆虫が発生する場所が必要です 神戸市内には公園 学校 河川等 ツバメの生息環境が広く存在しますが 東灘区から兵庫区の南部地域で最近営巣が確認されていないとの指摘もあります 環境省が平成 9 年度に実施した身近な生きもの調査では 全国の農村部でも都市部でも 全体の 4 分の 3 がツバメの飛来を歓迎しているとの回答がありました また 学校教育において ツバメを題材とした環境教育が行われています 最も身近に育雛を観察でき ツバメの子育てを通して季節の移り変わりを感じ 身近な自然や地域を大切にしようとする環境意識の育成 関心を高めることにつながります 市内分布出典 : 神戸の身近な生きもの地図 ( 神戸市教育委員会.1988 年 ) 26

31 第 2 章生物多様性の現状と課題 (6) 湿地 草地 1 現状神戸市内には ハッチョウトンボが生息し モウセンゴケ ミズゴケ類等の湿原性植物が生育するような湿地や キキョウやゴマノハグサ等の草原生植物が生育する草地が点在しています これらの湿地や草地は 成立できる環境が限られており 環境変化に弱く貴重な存在です 特に 湿地は非常に壊れやすい環境であり これまでにも土地の改変や遷移の進行などにより失われてきました 神戸版レッドデータ 2010 では カツラネクイハムシ シルビアシジミ ヒメヒカゲ オキナグサ ミシマサイコ ヤブレガサモドキ 湿地植物群落等が A ランクに選定されています 2 取り組み市 市民団体等により 以下の取り組みが行われています 緑地の保存 保全区域等の指定による行為制限 草原生植物の保全のために 市民団体等による草刈り等の管理の実施 東お多福山では 市民団体と行政等が協働して草原の生物多様性保全活動を実施 3 課題一部の湿地では オフロードバイクによる踏み荒らしや山野草マニアによる踏み荒らし 盗掘による被害が指摘されており 対応が課題となっています また 草地については 茅場利用の減少や畦畔 堤体の草刈りが一部において十分でないことにより キキョウやスズサイコなどの草原生の希少植物の減少 消滅が懸念されます 表 2-12 神戸の湿地 草地における主な確認動植物種 昆虫類在来種植物貴重植物群落 ミドリシジミ ハッチョウトンボ ハラビロトンボ ギンイチモンジセセリ カンタン等 モウセンゴケ サギソウ ウメバチソウ ミカヅキグサ ヤブレガサモドキ ゴマノハグサ キキョウ等湿地植物群落 ススキ-ネザサ群落 コラム 16 秋の七種 [ ななくさ ] 秋の七種 [ ななくさ ] として 秋を彩る野草 ( 萩 ( ハギ ) 桔梗 ( キキョウ ) 葛 ( クズ ) 藤袴 ( フジバカマ ) 女郎花 ( オミナエシ ) 尾花 ( オバナ / ススキのこと ) 撫子 ( ナデシコ )) があります かつては田園等に普通に見られた身近な野草で 万葉集には数多くの歌が詠まれていますが 近年 生育環境の変化 ( 草原の消失 草刈り等の管理放棄等 ) により 全国的に減少しています 環境省レッドリスト ( 平成 19 年 ) では キキョウ ( 絶滅危惧 Ⅱ 類 ) フジバカマ ( 準絶滅危惧 ) が絶滅のおそれのある植物として掲載されています オミナエシ シルビアシジミ サギソウ 27

32 第 2 章生物多様性の現状と課題 3 種の多様性ここでは 神戸市内に生息 生育する動植物種の多様性に関して 陸域 ( 淡水 汽水域を含む ) 海域と外来生物のそれぞれについて記載します (1) 陸域の生きもの 1 現状神戸市内では 陸域 ( 淡水 汽水域を含む ) の生きものとして 6,608 種 ( 動物 4,212 種 植物 2,396 種 ) の動植物の生息 生育が確認されています このうち 744 種 ( 動物 336 種 植物 408 種 ) が神戸版レッドデータ 2010 において希少種に選定されています 特に 両生類では全確認種 17 種中 13 種 (76%) が希少種に選定されています ( 表 2-13 参照 ) 選定理由となった負の影響を及ぼす要因としては 生息 生育環境の悪化 が最も多く 次いで 二次的環境の放置 捕獲 採取 となっています ( 表 2-14 参照 ) また 神戸版レッドデータ 2010 では 昆虫類 15 種 植物 34 種が神戸では絶滅したと思われる 今みられない 種とされています ( 資 22 頁参照 ) 今みられない 種については 直接的な立地改変のほか 元々 神戸市が分布域の境界付近であったことや 種の適応能力が低いこと等により 環境変化に適応できなかったこと等も原因と考えられます このほか 神戸版レッドデータ 2010 では 貴重植物群落として 太山寺など 63 個所が また 鳥類サンクチュアリとして 菊水山のカラスザンショウ林や龍ヶ池のヨシ原など 4 個所が選定されています 2 取り組み市により 以下の取り組みが行われています 環境影響評価の審査や文献等を通じて蓄積してきた市域の動植物の確認情報の整備 神戸版レッドデータ 2010 や 守りたい神戸の生きもの百選 などを活用した市民啓発 市民団体等との協働による希少種の保全事業 ( カワバタモロコ保全推進協議会による保全事業 ) 3 課題種の多様性を低下させないよう 市域の動植物の生息 生育情報のモニタリングを行うとともに 絶滅要因の把握 分析などを踏まえた希少種の生息 生育環境の確実な保全が課題となっています 動物 表 2-13 動植物確認種数およびレッドデータ選定種数 分類確認種数 (a) RD 選定種数 (b) RD 選定率 (b/a) 哺乳類 % 鳥類 % 爬虫類 % 両生類 % 魚類 % 昆虫類 3, % 植物 ( シダ植物 種子植物 ) 2, % 合計 6, % 出典 : 神戸版レッドデータ 2010( 神戸市. 平成 22 年 ) 表 2-14 神戸版レッドデータ 2010 の選定理由 重要性 ( 貴重さ ) 選定理由 二地特生次球そ殊特特分捕分類息的環温のな殊殊布希の獲生環境暖他生ななの少悪 育境変化の息生分限性化採環の化に要環態布界取境放よ因境置る 哺乳類 鳥類 爬虫類 両生類 魚類 昆虫類 植物 出典 : 神戸版レッドデータ 2010( 神戸市. 平成 22 年 ) 28 負の影響

33 第 2 章生物多様性の現状と課題 出典 : 神戸版レッドデータ 2010( 神戸市. 平成 22 年 ) 図 2-23 貴重植物群落 鳥類サンクチュアリ位置図 コラム 17 六甲山地の種の多様性 六甲山地は多様な立地条件と近畿地方のほぼ中央にあって多くの植物の分布経路にあたっています その結果 1,700 種にも達する植物が分布しています それらの植物の由来を見ると 6 つの系統に区分されます ユキグニミツバツツジのような多雪条件に適応した中国山地系の植物とヒメクロモジやミヤコザサのような紀伊山地系の植物が共存しているのはたいへん興味深いことです 六甲山地の植物相を構成する 6 つの系統 系統 種名 要素等 1 山陽系 コナラ ノグルミなど 満鮮要素 2 中国山地系ブナ タムシバなど 日本海要素 3 北方系 サギスゲ ミカヅキグサなど 湿原生 4 紀伊山地系ヒメクロモジ ヤブウツギなど ソハヤキ要素 5 南紀系 アラカシ ヒサカキなど 暖温帯要素 6 港系 ハマヒルガオなど 海浜生 六甲山地の植物相を構成する 6 つの系統の移動経路出典 : 生物多様性都市山六甲戦略 ( 案 )( 栃本 服部 南山. 平成 22 年 ) 29

34 第 2 章生物多様性の現状と課題 (2) 海域の生きもの 1 現状富栄養化に伴う水質や底質の悪化 付着生物の付着に適した海岸の減少のため 岸辺や海底の生物相は 西から東にかけて単純化する傾向にあります 兵庫区から垂水区の沖合は 植物性プランクトンとそれを食べる動物性プランクトンが豊富で マイワシやイカナゴ等のプランクトンを食べる魚とそれらを捕食するタチウオ スズキなどが多く生息する良好な漁場となっています 底生生物としては 須磨より東の海域では 富栄養化した海域の指標種である ヨツバネスピオ が多く見られますが 須磨海域では トリガイ モミジガイ スガメソコエビ属等が見られます ( 資 22 頁参照 ) 海藻類としては イトグサ類 アオサ類 ワカメ タマハハキモク シダモク アカモク等が見られます 須磨より東の沿岸では海藻類の種多様性が低く 多年生の大型海藻が多くは見られませんが 神戸の海藻 ( 平成 13 年 ) によると 舞子垂水海岸では概ね 10 年間の調査で 94 種が確認されており 種の多様性が高くなっています 2 取り組み市 市民団体により 以下の取り組みが行われています 水質 水生生物調査 環境創造型護岸 市民団体による藻場の保全 育成活動 ウミガメ エコツーリズムなど 3 課題海域の生きものに関する情報が不足しており 生物多様性保全の観点からの調査やモニタリングの拡充などが課題となっています 空港島緩傾斜護岸に形成された藻場 須磨海岸でのアサリの幼貝放流 30

35 第 2 章生物多様性の現状と課題 コラム 18 海藻と海草 海藻 と 海草 は普通どちらも かいそう と読み 両者を区別しないで使われることも多いですが 生物学の用語としては性質が大きく異なる生物を指します すなわち 海藻 はもっぱら海の中で進化してきた 藻類 ( いわゆる も の仲間 ) のうち 多細胞化するなどして大型の体を作るようになったものを指します 海藻 は 紅藻 緑藻 褐藻 の三つに大きく分けられ 紅藻にはスサビノリなどいわゆる海苔の仲間 マクサなどのテングサ類 ツノマタ類 オゴノリ類などが 緑藻にはアオサ アオノリ類 ミルなどが 褐藻にはワカメ カジメなどのコンブ類 ヒジキ アカモクなどのホンダワラ類 モズク類などが含まれます 一方 アマモ コアマモなどの 海草 は 海藻 と区別するため うみくさ と呼ばれることもありますが 一旦陸上で花や種子を作る植物 ( 被子植物 ) へと進化したのち 海へ生育の場を広げたものです このため 海草 は陸上生活の名残として 砂地などの海底に根を張って体を固定するとともに 根を通してリンやチッ素などの養分を吸収し また繁殖のために花と種子をつけます これに対して 海藻 は体の表面で水中から直接養分を吸収し 花や種子は作らず 胞子や卵などによって繁殖します 海藻も仮根とよばれる根のような構造を持っていますが その役割は海岸に打ち上げられたり 光の届かない深い海に沈んでしまったりすることを避けるため もっぱら岩や他の生物の上に体を固定することです 海藻と海草のいずれも光合成によって生活している植物ですが 海藻の多くが 波当たりの良い岩場を好んで生育するのに対して 海草は一般に内湾部の干潟などの環境に多く見られます 大型の海藻や海草の繁茂する場所は 藻場 ( もば ) と呼ばれ 高い生物多様性や生物生産が見られるほか 多くの魚の繁殖場所となっていることから その保全が沿岸の水環境の改善や漁業における重要な課題となっています 神戸市の沿岸では舞子から須磨にかけての海岸は比較的多くの海藻 海草が見られ 一部には藻場も形成されていますが 大阪湾湾奥に入るにつれてその多様性は顕著に減少します 大阪湾沿岸の各地で出現する海藻類の種と種数 コラム 19 ウミガメ エコツーリズム 神戸市では NPO 法人日本ウミガメ協議会の依頼を受け 平成 19 年度より 大阪湾および周辺海域で混獲 ( 漁業で漁獲対象ではないのに捕獲されること ) され 傷ついたウミガメを 夏から秋にかけて神戸空港島西緑地の人工海水池で療養 保護し 冬に外洋へ放流 ( 変温動物のウミガメは冬は人工海水池では生息できない ) することにより 大阪湾およびその周辺海域を回遊するウミガメの生存率を高めるプロジェクトを推進しています ウミガメの保護期間中に 一般市民の参加によるウミガメの健康調査や学習会などを織り交ぜたウミガメ エコツーリズムを開催しています 人工ヒレ装着試験の様子 31

36 第 2 章生物多様性の現状と課題 (3) 外来生物 1 現状神戸は古くから港町として栄えてきたこともあり 市内各地で外来種の生息 生育が見られます また 園芸種やペットブーム等で海外から持ち込まれた種が放棄 放流され 旺盛な繁殖力で増加しています 外来生物による生態系 人の生命 身体 農林水産業への被害を防止することを目的に外来生物法が施行されています 2 取り組み市 市民団体により 以下の取り組みが行われています 地域の生態系を破壊したり そこに暮らす在来種の存続を脅かすような重大な被害を与えている種 もしくはその恐れの大きい種のリスト 生物多様性の保全上特に注意すべき神戸の外来生物等 を作成し啓発 市民団体等によるオオクチバス等を駆除する自主的な活動の実施 アライグマ ヌートリアの計画的防除の実施 3 課題侵略的な外来生物が持ち込まれたことによって 在来種が駆逐されたり生息 生育環境が奪われ そこにもとからあった生態系が破壊されており その対応が課題となっています 近年では 外国から持ち込まれた動植物だけでなく 国内産であっても他地域からの移入による生態系への悪影響が危惧されています 表 2-15 生物多様性の保全上特に注意すべき神戸の外来生物等 ( ブラックリスト ) 外来動物 (16 種 ) 国内産放流種 (4 種 ) 分類 種名 外来生物法分類種名特定外来生物要注意外来生物シロヒレタビラ 哺乳類 ヌートリア 魚類イチモンジタナゴ動物アライグマ ニッポンバラタナゴ 鳥類 ソウシチョウ 昆虫類 ゲンジボタル 爬虫類 カミツキガメ アカミミガメ 緑化 植栽種 (16 種 ) 両生類ウシガエル 外来生物法分類種名タイリクバラタナゴ 特定外来生物要注意外来生物 魚類 カダヤシ タデ科イタドリ ( オオイタト リ含む )* ブルーギル イタチハギ オオクチバス ハリエンジュ ( ニセアカシア ) 昆虫類 アルゼンチンアリ マメ科 コマツナギ * クモ類 セアカゴケグモ ハギ類 * 甲殻類 アメリカザリガニ メドハギ類 * カワヒバリガイ属全種 ヒメヤシャブシ * カバノキ科軟体動物類タイワンシジミ オオバヤシャブシ * スクミリンゴガイ モクセイ科 トウネズミモチ キク科 ヨモギ類 * 外来植物 (23 種 ) シナダレスズメガヤ 外来生物法ネズミムギ 分類種名特定外来生物要注意外来生物イネ科ホソムギ アカウキクサ科アゾラ クリスタータ モウソウチク セリ科 ブラジルチドメグサ チガヤ * ヒユ科 ナガエツルノゲイトウ ススキ * スイレン科 ハゴロモモ * 国外または国内の他地域から移入したもの アブラナ科 オランダガラシ アリノトウグサ科 オオフサモ ウリ科 アレチウリ 区分 選定基準 アカネ科 メリケンムグラオオフタバムグラ ゴマノハグサ科 オオカワヂシャ タヌキモ科 エフクレタヌキモオオキンケイギク オオブタクサ キク科 オオハンゴンソウ ナルトサワギク ミズヒマワリ トチカガミ科 オオカナダモ コカナダモ ミズアオイ科 ホテイアオイ イネ科 キシュウスズメノヒエ チクゴスズメノヒエ サトイモ科 ボタンウキクサ オモダカ科 ナガバオモダカ 外来生物種 国内産放流種 緑化 植栽種 海外から侵入して生態系に著しい被害を与えている または与える恐れのある動植物で すでに駆除等の対策が講じられているか 今後の実態把握に努めて対策を検討する必要のある種 放流のかたちで国内の他地域から移入されたことにより 生態系や遺伝子レベルでの悪影響が懸念されることから 情報を提供して注意を喚起する必要のある種 国内他地域や国外から緑化 植栽の目的で移入されたことにより 生態系や遺伝子レベルでの悪影響が懸念されることから 情報を提供して注意を喚起する必要のある種 出典 : 神戸版レッドデータ 2010( 神戸市. 平成 22 年 ) 32

37 第 2 章生物多様性の現状と課題 オオクチバス ブルーギル 出典 : 神戸の身近な生きもの ( 身近な生きもの調査運営委員会. 平成 14 年 ) 図 2-24 オオクチバス ブルーギルの分布図 コラム 20 須磨海浜水族園のアカミミガメの受け入れ 平成 17 年に環境省に要注意外来生物に指定されているミシシッピアカミミガメ ( いわゆるミドリガメ ) が全国各地の池で増殖し各地の生態系を壊しています この現状に一石を投じようと 神戸市立須磨海浜水族園では淡水ガメ保護研究施設 ( 亀楽園 ) を開設し 平成 22 年 8 月 7 日から その受け入れ 駆除を推進するとともに その生態を研究することで 日本に本来分布するニホンイシガメや他の貴重な生物を保全する活動を始めました ショップで売られている小亀は 5cm ほどでかわいいのですが 数年すると 30cm を越えるものもあり 飼いきれなくなって池などに放してしまうことが多いものと思われます ミシシッピアカミミガメ コラム 21 外来種の農業被害 近年 日本では外来種が増加しており 在来生態系に種々の影響を与えています 特に 昆虫類では外来種の種類が多く 現在 500 種近くに達しています このうち かなりの種は植食性で しかも農作物を食べる種が多く含まれています 野菜や花卉類 [ かきるい ] を加害する オンシツコナジラミ マメハモグリバエ トマトハモグリバエ ミナミキイロアザミウマ ミカンキイロアザミウマ等は現在 日本各地に分布を広げています また 果樹類を加害する イセリアカイガラムシ ヤノネカイガラムシ クリタマバチ等も重要害虫で 現在 広範囲に分布しています このほか 庭木にはアオマツムシやヒロヘリアオイラガ等の外来種が加害し 神戸市でもかなり生息しています また 米等の貯穀には ココクゾウムシ コクヌスト等の甲虫やスジマダラメイガ等の蛾類が加害しています こうした外来の農業害虫に対しては 植物防疫法が制定されており 貿易港や空港で輸入農作物の検査を行い 新たな農業害虫の侵入を防いでいます 神戸市には農林水産省神戸植物防疫所があり 近畿 中国 四国地区を管轄しています 特に日本有数の貿易港である神戸市では 神戸植物防疫所によって輸入 輸出農作物の害虫や病原菌の検査が行われています 33

38 第 2 章生物多様性の現状と課題 4 遺伝子の多様性 1 現状一般に ある生物種の集団において個体数の減少や生息地の分断などがおこると 集団内の遺伝的多様性が低下しますが 近年 本来その地域に生息 生育していない生きものを人為的に移植 放流することによる遺伝子汚染が問題となっています チュウゴクオオサンショウウオやタイリクバラタナゴのような外来種は近縁の在来種と交雑するため 遺伝子汚染をおこします また 種名は在来種と同じであっても 実際は国外からの移入であるコマツナギ等や 国内の他地域からの移入であるヨモギ類等の在来の緑化植物 メダカ ゲンジボタル等の国内の他地域からの放流などによる遺伝子の攪乱が懸念されています 平成 21 年度に実施した市民団体へのアンケート結果では 生きものの放流や植樹を行っている団体のうち 62% の団体が地元や近隣のものを増殖 放流するなど 遺伝子攪乱に配慮しているとの回答でしたが 配慮する必要を感じていない団体も 6% ありました 2 取り組み遺伝子解析の結果などを踏まえて放流場所を選定する市民団体の事例や 在来種を用いて法面緑化を行っている公共工事の事例などがあります 3 課題遺伝的多様性が十分に把握されないまま 安易な放流などが続けられた場合 地域の生物多様性に大きな影響を及ぼすおそれがあるため 情報の収集と啓発が課題となっています コラム 22 カワバタモロコの遺伝子解析 カワバタモロコは西日本に分布する小型のコイ科魚類で ため池や小水路を中心に生息しています ミトコンドリア DNA 分析の結果を神戸市周辺地域からのデータと比較した結果 兵庫県 ( 瀬戸内東部地域 ) は 歴史的に分化した東西 2 つの地域グループの二次的接触域であることが分かりました 武庫川 明石川 加古川水系のすべてで また神戸市内の集団からも 2 地域タイプのミトコンドリア DNA が見いだされました カワバタモロコの分布域形成史を考える上で 生物地理学的に重要な地域だといえます カワバタモロコ ( 上 : 雄 ( 婚姻色 ) 下 : 雌 ) 出典 : 神戸市カワバタモロコ遺伝分析報告 ( 渡辺. 平成 22 年 ) コラム 23 ゲンジボタルの遺伝子解析 同じゲンジボタルでも西日本と東日本では発光の周期が異なります これらの違いは遺伝子の違いがもたらすもので 西日本では 2 秒周期 東日本では 4 秒周期 中間の中部地方では 秒周期が混在しています 塩基配列を比較すると ゲンジボタルは 東日本 西日本 九州という大きな 3 つの系統と 6 つのハプロタイプグループに分けることができます ( 鈴木浩文.2000 年 ) これらのグループの境界は明瞭で 柏崎 - 千葉構造線 糸魚川 - 静岡構造線 フォッサマグナ地溝帯等を堺にして分布しています このような遺伝子の違いがあることで 生きものは環境の変化に対応して生き残っていくことが可能になると考えられています コラム 24 在来種を用いた緑化 道路工事や宅地等の造成工事では 法面の緑化や植栽のために 種子の吹きつけ工事が行われています 緑化に用いられる植物は 安価で成長が早いなど 短期間で斜面全体を覆って土砂の流出を防いだり 景観の回復に寄与するものが使われ これらの種子は 外国産や国内他地域のものが使われる場合が多くなっています このような緑化 植栽種は 本来その地域に自生している在来種との競合や遺伝的な攪乱の原因になる場合が考えられ 種によっては花粉症の原因植物となっているものもあります 一方で 地域に生育している種子や個体を採取し 個体数を増やしたあとに植栽するという 地域の遺伝子保全に配慮した緑化の取り組みが行われています ゲンジボタル 地元産のチガヤを植栽したため池堤体 34

39 第 2 章生物多様性の現状と課題 5 市民 事業者 市民団体の意識 (1) 市民の意識 1 現状 : 神戸市民の生物多様性の認知度は比較的高いが若い世代で低い傾向がある市民アンケートの結果では 市民の生物多様性についての認知度は 68% と 全国平均 36% より高いのですが 若い世代の認知度が低い傾向があります ( 生物多様性の意味を知っている人 [ 神戸 33% 全国 13%] 言葉を聞いたことがある人 [ 神戸 35% 全国 24%] 認知度の合計 [ 神戸 68% 全国 36%]) また 12% の市民が自然環境の保全活動や学習会などに参加した経験があり 67% の市民が 参加経験はないが内容や場所によっては参加したいと考えています 1: 言葉の意味を知っている 2: 言葉は聞いたことがあるが意味は知らない 3: 聞いたことはない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 歳代 歳代 歳代 % 1 33% 50 歳代 歳代 歳代 % 80 歳以上 全体 図 2-25 生物多様性についての認知度 2 課題子どもたちや若い世代への自然体験型の環境教育 学習を継続して推進するとともに 自然体験や保全活動ができる場所や機会を増やすことも必要です また 生物多様性に関する啓発 教育を進めるための人材の育成 自然体験の少ない親の世代や若い教師などへの啓発や教育 学校 地域 市民団体 企業などが連携して取り組める体制や仕組みの整備なども課題です (2) 事業者の意識 1 現状 : 生物多様性を重視している企業は多いが企業の取組方針などを定めているところは少ない企業へのアンケートの結果では 自然環境や生物多様性の保全を重視している企業が多いですが 実際に生物多様性に関する企業方針などを定めている企業はまだ少なく 中小企業が取組める事例の紹介など情報提供を求める意見が多くありました ( 自然環境や生物多様性の保全を重視している :58% 生物多様性や自然環境の保全に関する企業方針などを定めている: 26%) 1. 関連があり 重要視している 25% 1. 設定している 2. 設定する予定がある 26% 22% 2. 関連性は低いが 重要視している 3. 関連があるが それほど重要視していない 4. 関連性は低く それほど重要視していない 8% 21% 33% 3. 設定する予定はない 52% 5. その他 6% 6. 不明 8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 50% 100% 図 2-26 生物多様性に関する企業方針などの設定 図 2-27 生物多様性の保全への意識 2 課題企業が生物多様性の保全に取り組んでいる理由として 社会的責任 企業のイメージアップ ブランド化 をあげる企業が多い反面 取り組みにくい理由として メリットや効果 重要性の評価が不透明 保全に関する知識 相談先がない 資金 手間 労力がかかる などが多くあげられました このため 生物多様性に配慮した原材料調達や生物多様性保全技術の開発などが経営の安定化や新たな市場開拓につながることなど 企業にとってのメリットや中小企業を含めた幅広い取組事例を収集し 情報提供していくとともに 企業と市民団体や専門家などが連携して取り組める体制や仕組みなどの整備が必要です 35

40 第 2 章生物多様性の現状と課題 (3) 市民団体の意識 1 現状 : 積極的な活動を展開しているが 資金不足や高齢化といった課題を抱えている市民団体へのアンケートや意見交換会では 生きものの保全に関する取り組みを積極的に実施している団体が多くありました しかし 活動に際しての課題として 資金や物品が不十分 世代交代 高齢化 が多く回答されました ア. 資金や物品が不十分イ. 世代交代 高齢化ウ. 成果の発表の場が少ないエ. イベントの参加者の確保オ. 他団体との交流カ. 学術的 技術的指導キ. 活動の場の荒廃ク. 活動が縮小傾向ケ. その他 29.8% 24.6% 17.5% 26.3% 17.5% 15.8% 15.8% 56.1% 54.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図 2-28 活動に際しての課題 2 課題市民団体が市に取り組んでほしいこととして 企業 学校 学識経験者などとの連携の調整 団体間の交流の場 フィールドなどの情報提供 物品 資金の援助 などがあげられています 地域の生物多様性を支えてきた市民団体が 今後とも積極的な保全活動を展開していけるよう 市民団体 企業 学校 研究機関など地域の生物多様性保全に係わる各主体が連携して取り組める体制や仕組みの整備が必要です 遺伝子攪乱の問題については 生きものの放流や植樹などを行う際に配慮している あるいは 今後配慮する としている団体が大半ですが 一部の団体では 配慮する必要を感じていない としています このため 今後とも 外来種や移入種による地域の生物多様性への影響について広く啓発するとともに 遺伝子攪乱に関する情報を収集し 積極的に発信していく必要があります 市民団体との意見交換会 ( 平成 22 年 2 月 ) 市民団体との意見交換会 ( 平成 22 年 11 月 ) 36

41 第 2 章生物多様性の現状と課題 6 各区の現状と課題ここでは 生物多様性の視点でみた各区の現状と課題について整理しました 市民アンケートの多数意見は 神戸市の自然で大切に思うもの 誇りに思うもの 優先して取り組むべきこと という質問に対する 各区の多数意見を示しています ( 資 25,27 頁参照 ) (1) 東灘区現状 緑被率 :41.3%( うち市街化区域の緑被率 16.7%) 自然環境 : 六甲山 住吉川など 希少種 : 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として サシバ ( 雑木林 田園 ) ルリボシヤンマ ( ため池 ) イワキンバイ( 山地岩場 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 素盞鳴尊神社 保久良神社 草地植生 東お多福山 ビオトープのある学校 ; 本庄小 本山南小 福池小 魚崎小 本山第二小 住吉小 御影小 渦が森小 御影北小 六甲アイラント 小 向洋小 附属住吉中 向洋中 ビオトープのある公園 ; 住吉公園 住吉川東緑地 校北公園 市民アンケートの多数意見 ( 公園 社寺 街路樹 六甲山などの緑地保全 開発行為の適正指導 ) 神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例 の規制区域 主な保全活動団体 ; 住吉川清流の会 保久良登山会など 主な取り組み 課題 まちづくりの目標 : 身近に自然の息づくまちをつくる 1 住吉川を自然豊かな川として 親しみやすい水辺として また 緊急時の水の利用を考慮して一層の整備を図る 2 区民の手による緑 花づくり 清掃活動などを推進する 六甲山麓部 住吉川 臨海部の自然や緑地の保全 育成 活用が課題 市街地では 身近な自然と親しむことが難しくなっている ごみ出しのマナーの乱れや猫の餌の放置は イノシシがまちに下りてくる原因にもなっている 自然を大切にして まちなかの憩いの空間としての公園を活用し 身近な環境を自らの手で守り育てていくことが必要 (2) 灘区現状 緑被率 ;68 7%( うち市街化区域の緑被率 20.5%) 自然環境 ; 六甲山 都賀川など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として スミスネズミ ( 自然林 ) ササゴイ ( 河川 ) サシバ( 雑木林 田園 ) マンネンスギ( 森林 ) イワキンバイ( 山地岩場 ) カジカエデ ( 森林 ) マツムシソウ( 草地 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 摩耶山天上寺 六甲八幡神社 ビオトープのある学校 ; 成徳小 高羽小 鶴甲小学 西郷小 六甲小 灘小 美野丘小 福住小 ビオトープのある公園 ; 西郷川河口公園 摩耶海岸通公園 六甲道北公園 成徳公園 市民アンケートの多数意見 ( 六甲山などの緑地保全 多自然川づくり 開発行為の適正指導 ) 神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例 の規制区域 主な保全活動団体 ; 一王山登山会 都賀川を守ろう会 摩耶山を守ろう会など 主な取り組み 課題 まちづくりの重点テーマ : 進めよう! 快適で美しいまちづくり 1 六甲有馬観光特区や国立公園等エコツーリズム推進モデル事業などを活用した活性化を図る 2 市民団体と連携しながら多くの人に年間を通じて六甲山の自然に親しんでもらうことを目指す 3 都賀川ミュージアムの整備 都賀川の自然と都賀川に関わっている市民団体の取り組みを紹介する情報コーナーを設け 人と川の新しい関係を発信する 4 都賀川の自然や生態を教材とする総合学習や自然教室の開催を支援する 5 六甲山から海へつながる軸を 地域住民や商業者と協働で 花と緑が連続するまちなみとして整備し 生活文化あふれるまちづくりを目指す 市民の意見として 災害に強いまち 自然を活かしたまち が挙げられている 市民の意見として 六甲 摩耶の山並み 都賀川などの清流 が伸ばしていくべき魅力資源の 1 つとして挙げられている 37

42 第 2 章生物多様性の現状と課題 (3) 中央区現状 緑被率 ;31.1%( うち市街化区域の緑被率 10.0%) 自然環境 ; 六甲山 布引貯水池 布引の滝 生田川など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として ヤマセミ ( 河川 ) ミゾゴイ( 森 河川 ) マツバラン( 岩崖 ) オガタマノキ( 森林 ) タカサゴソウ( 草地 ) ササバギンラン( 雑木林 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 布引滝 大龍寺 照葉夏緑混交林 湊川神社 着生植物個体群 布引滝 ビオトープのある学校 ; なぎさ小 上筒井小 春日野小 雲中小 中央小 こうべ小 山の手小 湊川多聞小 港島中 ビオトープのある公園 ; 東遊園地 ポートアイランド第 2 期中央緑地 生田川公園 市民アンケートの多数意見 ( 公園 社寺 街路樹 六甲山などの緑地保全 環境教育の充実 外来生物対策 ) 主な保全活動団体 ; 神戸山手大学宇治川ホタル研究部 布引 市ヶ原を美しくする会 布引山筋登山連合会など 主な取り組み 課題 まちづくりの重点テーマ : 身近な自然と文化がいきづくまちづくり 海 山の活用 を進めることとしている 海から山にかけてウォーキングルートを整備することや 地域の河川愛護団体と協力し 美しい河川を守り身近に親しむイベントなどを連携して行うこととしている 中央区は大都市の都心でありながら 海や山の自然に恵まれている また先人達が遺してくれた歴史的な地域や建造物 史跡 あるいは催事や祭りなども多く点在している これからの個性的なまちづくりのためには これらの資源を保全 継承し さらに発展させることによって 中央区固有の文化を醸成する核として活用する必要がある (4) 兵庫区現状 緑被率 ;40.5%( うち市街化区域の緑被率 11.8%) 自然環境 ; 六甲山 新湊川 烏原貯水池 兵庫運河など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として ヤマセミ ( 河川 ) サシバ( 雑木林 田園 ) サツキ( 河川岩場 ) オオアリドオシ( 森林 ) タカサゴソウ( 草地 ) などが確認されている ビオトープのある学校 ; 平野小 夢野の丘小学校 明親小 下水高度処理水を利用したせせらぎが 4 個所整備されている 市民アンケートの多数意見 ( 環境教育の充実 外来生物対策 水質改善など環境対策 ) 主な保全活動団体 ; 新湊川を守り育てる会 兵庫運河真珠貝プロジェクト 兵庫運河を美しくする会など 主な取り組み課題 まちづくりの重点施策テーマ : 活力みなぎる魅力ゆたかなまち 山麓部の山林 鳥原貯水池や新湊川といったウォーターフロントなど身近な自然を守り活かす取り組みを進めている 緑豊かな背山 港 河川 兵庫運河といった自然環境の活用が必要 38

43 第 2 章生物多様性の現状と課題 (5) 北区現状 緑被率 ;86.8%( うち市街化区域の緑被率 55.0%) 自然環境 ; 六甲山 帝釈 丹生山 鎌倉峡 志染川 ( 山田川 ) 淡河川 千苅貯水池 田園地帯など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として ヤマセミ ( 河川 ) サシバ( 雑木林 田園 ) カワバタモロコ( ため池 ) ムギツク( 河川 ) アカザ( 河川 ) ベニイトトンボ( ため池 ) ムカシトンボ ( 山地渓流 ) ゲンゴロウ( ため池 水田 湿地 ) クロツバメシジミ( 岩場 ) シシラン ( 森林岩場 ) ヘラノキ( 雑木林 ) クサナギオゴケ( 森林 ) ヤブレガサモドキ( 草地 ) シズイ ( ため池 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 丹生神社 天彦根神社 杉尾神社 大歳神社( 山田町小部 ) 八坂神社 若王子神社 藍那八王子宮 豊歳神社 素盞鳴尊神社 天満神社 大歳神社( 淡河町行原 ) 山平神社 三十八社 石峰寺 素盞鳴( 天王 ) 神社 八雲神社 松尾神社 熊野神社 八王子神社 ( 八多町附物 ) 八王子神社( 八多町柳谷 ) 若宮神社 有間神社 五社八幡宮 山王神社 夏緑樹林 六甲山山頂 山田町原野 湿地植生 川下川ダム付近 鰻ノ手池周辺谷部 中山大杣池 天保池 岩上植生 武庫川渓谷 草地植生 山田町藍那水田周辺 山田町中水田畦畔 山田町西下水田畦畔 山田町東下水田畦畔 着生植物個体群 生野地区の岩場 永久植生保存地 再度山 鳥類サンクチュアリ ; 菊水山のカラスザンショウ林 ビオトープのある学校 ; 有馬小 有野小 藤原台小 西山小 有野台小 有野東小 大池小 花山小 谷上小 広陵小 筑紫が丘小 桜の宮小 小部東小 泉台小 鈴蘭台小 北五葉小 南五葉小 君影小 ひよどり台小 藍那小 鹿の子台小 桂木小 鵯台中 ビオトープのある公園 ; 上津公園 北神戸田園スポーツ公園 農業用ため池多数あり 農地は市全体の約 4 割 兵庫県レット テ ータフ ック 2003 で選定された貴重な自然景観が 12 個所ある 市民アンケートの多数意見 ( 田園風景 六甲山 帝釈 丹生山地 里地里山の保全 ) 主な保全活動団体 ; あいな里山ビオパーク 有馬温泉ホタルの幼虫育成放流委員会 有馬自治協議会 有馬小学校 NPO 法人北神戸田園ボランティアネット NPO 法人山田の里自然学校 菊水山登山会 里山和楽会 ため池 湿地帯生き物保全グループ 山田川を美しくする会など 主な取り組み 課題 重点を置いて取り組むテーマ 美しいまちの推進 1 身近な里山を手入れする里山ボランティア活動を育成 支援しこと 里山の手入れを通じて 都市と農村の交流や環境教育などを実施する 2 自然を守り育てるボランティア活動を支援する また 農村地域の活性化については 農 のある北区づくり を掲げており 都市近郊の利点を生かして 田畑を利用した農業体験や農産物に親しむことなど 農 にふれあう機会を生み出すことで 多様な交流を促進するとしている 農村地域では 農業従事者の高齢化 後継者不足といった地域活力の低下が進んでいる ハイキング等 自然とふれあうイベントや自然環境の保全 育成と歴史文化の保存 継承が必要 急増しているアライグマ等の特定外来生物や有害鳥獣による被害対策が必要 (6) 長田区現状 緑被率 ;29.3%( うち市街化区域の緑被率 19.9%) 自然環境 ; 高取山 新湊川 苅藻川など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では Aランク種として ミゾゴイ ( 森 河川 ) ルリボシヤンマ ( ため池 ) サツキ( 河川岩場 ) ムラサキセンブリ( 草地 ) などが確認されている ビオトープのある学校 ; 名倉小 雲雀丘小 蓮池小 真陽小 駒ヶ林小 長田中 ビオトープのある公園 ; 真野公園 西代蓮池公園 市民アンケートの多数意見 ( 市民活動の支援 外来生物対策 水質改善など環境対策 ) 主な保全活動団体 ; 美しい丸山を創る会 獅子ヶ池を美しくする会 新湊川を愛する会 高取山筋登山連合会 雲雀ヶ丘中学校など主なまちづくりの重点テーマ : 水と緑に親しめる空間の創出 取り組み区民との協働による水辺空間の整備や安らぎのある公園整備を進めている 課題 駅前を中心とした美化活動など 美しいまちを印象づけ 居住者や来訪者にうるおいを与えることが大切である 39

44 第 2 章生物多様性の現状と課題 (7) 須磨区現状 緑被率 ;52.9%( うち市街化区域の緑被率 39.7%) 自然環境 ; 須磨海岸 天井川 妙法寺川など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として サシバ ( 雑木林 田園 ) ハヤブサ ( 岩場 ) カワバタモロコ( ため池 ) ベニイトトンボ( ため池 ) コバネアオイトトンボ( ため池 ) ルリボシヤンマ ( ため池 ) カミガモシダ( 森林岩場 ) サイコクヌカボ( ため池 湿地 ) ノジギク ( 海岸 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 板宿八幡神社 須磨寺 鉢伏山 厄除八幡宮 海浜植生 須磨浦 ビオトープのある学校 ; だいち小 若宮小 西須磨小 北須磨小 多井畑小 妙法寺小 横尾小 神の谷小 松尾小 東落合小 花谷小 南落合小 西落合小 竜が台小 菅の台小 飛松中 竜が台中 ビオトープのある公園 ; 奥須磨公園 天井川公園 友が丘西公園 須磨寺公園 市民アンケートの多数意見 ( 須磨や舞子の海岸 里地里山の保全 農業漁業の育成振興 ) 主な保全活動団体 ; いたやにすと 奥須磨公園にトンボを育てる会 北須磨自然観察クラブ 須磨海岸を美しくする運動推進協議会 たんぽぽ親子クラブ 天井川を美しくする会 妙法寺川を美しくする会など 主な取り組み 課題 まちづくりの重点テーマ : 花と緑に囲まれた美しいまち ~ まちを美しくする ~ 須磨海岸クリーン作戦の実施 天井川 奥須磨公園 妙法寺川で行われている河川愛護活動の情報を幅広く発信し 区民による河川愛護の取り組みに対する支援を進めている 区のシンボルである須磨海岸を安全快適で魅力あるものとし 活用することが必要 須磨アルプスなどの自然や緑の空間を守り 育成することが求められている (8) 垂水区現状 緑被率 ;38.2%( うち市街化区域の緑被率 37.0%) 自然環境 ; アジュール舞子 福田川 塩屋大池など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として ベニイトトンボ ( ため池 ) オオミズムシ ( ため池 ) ミズスマシ( ため池 水田 ) ツルフジバカマ( 草地 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 海神社 転法輪寺 海浜植生 西舞子海岸 ビオトープのある学校 ; 塩屋北小 下畑台小 乙木小 東垂水小 名谷小 福田小 千鳥が丘小 霞ヶ丘小 西舞子小 多聞台小 歌敷山中 ビオトープのある公園 ; 塩屋台公園 名谷あじさい公園 松ヶ池公園 学園南緑地 一部自然海浜あり 市民アンケートの多数意見 ( 須磨や舞子の海岸 多自然川づくり 市民活動の支援 開発行為の適正指導 ) 主な保全活動団体 ; 多聞東中学校 福田川クリーンクラブなど 主な取り組み 課題 まちづくりの重点テーマ : 快適で美しいまち 1 水辺空間に親しめる機会づくりのため アジュール舞子でのヒラメの稚魚放流や生きもの観察会などのイベントを実施している 2 河川を中心とした水辺を保全するため 河川愛護団体などと連携した清掃活動を行っている 快適で美しいまち の実現に向けて まちの美緑花への関心をさらに高め 若い世代を含め より多くの人たちの地域における様々な取り組みへの積極的な参加を促していくことが必要 40

45 第 2 章生物多様性の現状と課題 (9) 西区現状 緑被率 ;66.3%( うち市街化区域の緑被率 35.6%) 自然環境 ; 雄岡山 雌岡山 明石川 櫨谷川 伊川 田園地帯とそのため池群など 希少種 ; 神戸版レッドデータ 2010 では A ランク種として ヨシゴイ ( ため池 ) ササゴイ( 河川 ) サシバ( 雑木林 田園 ) ナゴヤダルマガエル( 水田 ) カワバタモロコ( ため池 ) ムギツク ( 河川 ) コバネアオイトトンボ( ため池 ) ヒメタイコウチ( 湿地 水田 ) ウラギンスジヒョウモン ( 草地 ) デンジソウ( 水田 ) オニバス( ため池 ) ミシマサイコ( 草地 ) ヤマホオズキ( 雑木林 ) などが確認されている 貴重な植物群落のある場所 ; 照葉樹林 太山寺 大歳神社 如意寺 湿地植生 金棒池 池沼植生 和合成池 長池 龍ヶ池 草地植生 小束野池 鳥類サンクチュアリ ; 龍ヶ池のヨシ原 平野町中津の大池 サギ類の大規模コロニー ビオトープのある学校 ; 東町小 長坂小 有瀬小 太山寺小 井吹東小 糀台小 竹の台小 桜が丘小 月が丘小 北山小 高和小 玉津第一小 出合小 美賀多台小 平野小 岩岡小 井吹西小 伊川谷中 櫨谷中 神出中 ビオトープのある公園 ; 井吹台谷口公園 神出町公園 農業用ため池多数あり 農地は市全体の約 6 割 市民アンケートの多数意見 ( 田園風景 農業漁業の育成振興 市民活動の支援 ) 主な保全活動団体 ; 明石川タコピー倶楽部 伊川流域研究会 伊川を愛する会 押部谷明石川愛護協議会 春日台公園里山クラブ 神出かたこ会連絡協議会 西神里山クラブ 櫨谷川愛護協議会 平野町明石川愛護協議会など 主な取り組み 課題 実践プラン : 人と自然との共生 を設定し 重点施策として1~5を進めている 1 活力ある都市型農業の振興 2 農業を活かした暮らしの推進 3 地産地消 の推進 4 自然を活かしたレクリエーションの充実 5 水辺と緑あふれる環境の保全 育成この中で 遊休地を利用した市民団体などの新規参入による担い手の育成 や 田植えや稲刈りなどの農業体験 学習機会の創出の支援 などを進めることとしている 社会経済情勢の変動とともに 食の安全など市民ニーズも多様化する一方 高齢化 担い手不足などの問題を抱えている ブランド化など特色ある農業 新たな担い手の育成とともに 都市近郊の立地を活かし 市民農園や観光農園など都市住民の憩いの場としての条件整備を図る必要がある 明石川 伊川 櫨谷川の親水型河川整備とともに 地域主体の河川愛護活動が活発に展開されている 緑の保全もなされているが 活用についてはまだ前進の余地が残っている さらに 多くの区民が参加する取り組みへと発展させていくことが大切である 農村地域を中心にして 人通りの少ない場所に数多くの不法投棄がなされ 地域の大きな課題となっている この不法投棄問題に対しては 現在 地域住民を主体としたクリーン作戦が展開されているが 環境を保全するためにも 地域と協働で不法投棄対策に取り組む必要がある 41

46 第 2 章生物多様性の現状と課題 図 2-29 生物多様性マップ ( 現況 ) 42

47 第 3 章神戸プランがめざすもの 第 3 章神戸プランがめざすもの 第 3 章では 第 2 章に記載した神戸の生物多様性の現状と課題などを踏まえ 神戸の生物多様性の特徴や今後の展望を総括するとともに めざすべき将来像や基本方針 目標を定め 中長期的な取組の方向について記載します 1 神戸の生物多様性の特徴と今後の展望 (1) 特徴 1 多様な自然環境に恵まれている神戸市は人口 150 万人を超える大都市でありながら 標高 930m を超える六甲山から西区 北区に広がる田園地帯 約 3,400 のため池や河川 瀬戸内海など 多様な自然環境に恵まれ 緑被率は市全域で 7 割近くあり 市街化区域でも 3 割を超えています 市域には原生的な自然環境はほとんどありませんが 里地里山など人手が加わった二次的な自然環境によって生物多様性が維持されており 西区 北区などには希少な野生動植物が生息 生育するため池や湿地 草地なども残されています こうした多様な自然環境を背景に 市域ではこれまでに 6,608 種もの動植物が確認されています 2 六甲山の自然再生の歴史があるかつて過剰な利用や土砂災害 山火事などによって荒廃していた六甲山の自然を 100 年以上の歳月をかけて 市民 事業者 行政の協働によって再生してきた歴史があります 3 山林 農地の宅地化と放置林 不耕作地の増加人口の増加や都市化の進展などによって山林や農地の宅地化が進み 野生動植物の生息 生育場所の減少や分断などが生じています 一方 六甲山や里地里山などでは放置林や不耕作地が増加しており 人手が加わらなくなった林内の照葉樹林化 茅場の喪失や畦畔の管理不足による草原生植物の減少などが見られ 生物多様性の低下が危惧されています 4 外来種のアライグマや在来種のイノシシによる被害の深刻化アライグマによる農業被害が深刻化しているほか 市街地と野生動物の生息地が近接している神戸では 六甲山のイノシシによる生活環境被害も大きな問題となっています アライグマ以外にも多くの外来種の侵入が報告されており オオクチバス ( ブラックバス ) やアカミミガメ ( ミドリガメ ) ボタンウキクサ ( ウォーターレタス ) などによる在来種への影響が危惧されています 5 地球温暖化による六甲山のブナへの影響市内では六甲山頂周辺に冷温帯域の自然植生であるブナ林 ( 貴重植物群落 A ランク神戸版レッドデータ 2010) がわずかに残っていますが 地球温暖化の影響によって六甲山頂部の平均気温が上昇しており ブナの生育への影響が考えられます このまま気温上昇が続けば ブナ林が衰退し 市内からブナが消滅してしまうおそれがあります 6 市域で確認された動植物種の約 1 割が希少種これまでに市域で確認された動植物種 (6,608 種 ) の約 1 割にあたる 744 種が 神戸の希少な野生動植物 - 神戸版レッドデータ に掲載されており このうち 49 種が すでに市内からは姿を消してしまって 神戸では絶滅したと思われる種 ( 今見られない ) となっています また 112 種が絶滅の危機に瀕している種 ( A ランク ) に選定されており 生物多様性の低下が危惧されています 43

48 第 3 章神戸プランがめざすもの 7 神戸の生物多様性を支える市民団体の活動と課題神戸は 阪神 淡路大震災 (1995 年 ( 平成 7 年 )1 月 17 日発生 ) によって壊滅的な被害を受けましたが ボランティアや NPO 等多くの方々に支えられ復興を遂げました 震災を契機に自然環境の保全などに取り組む多くの市民団体が設立されました これらの市民団体は 地域での観察会の開催や保全活動を通じて地域の生物多様性を支えてきました また 平成 10 年には トンボ市民サミット ( 全国トンボサミット ) 神戸大会を開催するなど活発な活動を展開してきましたが 活動資金の不足や構成員の高齢化などによる活力の低下が懸念されています 8 全国の先駆けとなった学校ビオトープの活用震災を契機に全国に先駆けて 100 校を超える多くの小中学校でビオトープが整備され 授業やクラブ活動以外でも 日常的な生きものとのふれあいを通して子どもたちの安らぎの場になるなど 大切な環境学習の場となっています その一方で 維持管理面などで課題を抱える学校もあります (2) 今後の展望神戸の生物多様性は大都市の中では今のところまだ比較的豊かであるといえますが 神戸の生物多様性を特徴付けている二次的な自然環境は 農業生産活動や森林管理など人間活動によって創られ 維持されてきたものです このため 今後 少子 超高齢化 グローバル化などに伴う社会経済情勢の変化によって 神戸の生物多様性は大きく左右されるものと考えられます 一方では 生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10) において愛知目標が採択されるなど 国際的な取り組みの進展も期待されます ここでは 神戸の生物多様性に影響を及ぼすいくつかの要因について 今後の展望をまとめました 1 少子 超高齢化の進行全国的な少子 超高齢化の進行により 本市においても 今後 総人口 生産年齢人口ともに減少すると予測されており 生活利便性の低い山麓部などでの空地 空家の増加 市民団体や農業などの担い手不足の一層の深刻化 地域コミュニティの希薄化による地域活動の停滞などが予想され 人の営みと自然との関係がますます希薄化し 里地里山などの二次的な自然環境によって維持されてきた本市の生物多様性の一層の低下が懸念されます 2 グローバル化の進展グローバル化の進展による人や物の国際移動は今後とも増加していくものと予想され 地球温暖化による気温上昇ともあいまって 外来生物の侵入 定着が一層進行するものと予想されます 3 地球温暖化の進行地球温暖化による気温上昇等の傾向は今後とも継続していくと予測されており 六甲山のブナ林など脆弱な生態系への深刻な影響が危惧されます 4 財政への影響地域の生産 消費活動の停滞による税収の低下や福祉関係経費の増加など市の財政への影響も懸念され 今後一層 選択と集中による効果的 効率的な取り組みが求められます 5 市街化区域の拡大抑制一方では これまでの人口増加を前提とした都市の拡大成長は成熟した社会構造へと転換が進み 今後新たな宅地開発などによる市街化区域の拡大は抑制されるものと予想されます 44

49 第 3 章神戸プランがめざすもの 6 団塊の世代の活躍また 第一線から退いた団塊の世代の人々が市民活動や地域活動の担い手として積極的に活躍してくれることが期待されます 7COP10 の結果を踏まえた国内法制度等の拡充 生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10) ( 平成 22 年 10 月名古屋市 ) で採択された 新 戦略計画 ( ) ( 愛知目標 ) では 2050 年までに 生物多様性が評価され 保全され 回復され そして賢明に利用され それによって生態系サービスが保持され 健全な地球が維持され すべての人々に不可欠な恩恵が与えられる世界 すなわち 自然と共生する世界 をビジョン ( 展望 ) とし 2020 年までに 生物多様性の損失を止めるために効果的かつ緊急な行動を実施すること をミッション ( 使命 ) としています また 森林を含む自然生息地の損失速度が少なくとも半減され 可能な場合はゼロに近づけ 生息地の劣化 分断が顕著に減少する 農林業 養殖業が行われる地域が生物多様性の保全を確保するよう持続的に管理される 侵略的外来種とその定着経路が特定され 優先度の高い種が制御 根絶され 定着経路の管理対策が講じられる 既知の絶滅危惧種の絶滅 減少の防止 特に減少している種の保全 改善 生物多様性に関連する知識 科学技術の改善 などの 20 の個別目標が示されています 国では 愛知目標を踏まえて 生物多様性国家戦略を見直すこととしており 今後 関連する法制度の拡充などが期待されます コラム25 生物多様性総合評価報告 日本の生物多様性はいま - 過去 50 年間の生物多様性の評価と求められる行動 - 主要な5つの結論 1. 人間活動にともなうわが国の生物多様性の損失は全ての生態系に及んでおり 全体的に見れば損失は今も続いている 2. 特に 陸水生態系 沿岸 海洋生態系 島嶼 [ とうしょ ] 生態系における生物多様性の損失が大きく 現在も損失が続く傾向にある 3. 損失の要因としては 第 1の危機 ( 開発 改変 直接的利用 水質汚濁 ) とりわけ開発 改変の影響力が最も大きいが 現在 新たな損失が生じる速度はやや緩和されている 第 2の危機 ( 里地里山等の利用 管理の縮小 ) は 現在なお増大している また 近年 第 3の危機 ( 外来種 化学物質 ) のうち外来種の影響は顕著である 地球温暖化の危機 は 特に一部の脆弱な生態系で懸念される これらに対して様々な対策が進められ 一定の効果を上げてきたと考えられるが 間接的な要因として作用しているわが国の社会経済の大きな変化の前には 必ずしも十分といえる効果を発揮できてはいない 4. 現在 我々が享受している物質的に豊かで便利な国民生活は 過去 50 年の国内の生物多様性の損失と国外からの生態系サービスの供給の上に成り立ってきた 2010 年以降も 過去の開発 改変による影響が継続すること ( 第 1の危機 ) 里地里山などの利用 管理の縮小が深刻さを増していくこと( 第 2の危機 ) 一部の外来種の定着 拡大が進むこと ( 第 3の危機 ) 気温の上昇等が一層進むこと( 地球温暖化の危機 ) などが さらなる損失を生じさせると予想され 間接的な要因も考慮した対応が求められる そのためには地域レベルの合意形成が重要である 5. 陸水生態系 島嶼生態系 沿岸生態系における生物多様性の損失の一部は 今後 不可逆な変化を起こすなど重大な損失に発展するおそれがある 出典 : 生物多様性総合評価報告書 ( 環境省.2010 年 ) 45

50 第 3 章神戸プランがめざすもの 2 めざすべき将来像神戸の恵まれた自然環境やそこに生息 生育する多様な生きものたちは 私たちが先人から受け継いだ神戸の財産です この恵み豊かな自然環境をまもり 育て 多様な生きものとともに次の世代に引き継いでいくことは 私たち一人ひとりの使命です そして 一人ひとりが地球規模での生きもののつながりを意識して 日々の行動を見直していくことが 世界の生物多様性をまもることにつながります 市民アンケートの結果では 10 年後の神戸の自然について 緑を増やし生活しながら四季を感じられる環境であって欲しい 今くらいの自然の割合を保ちながら もっと気軽に自然の良さを感じる機会のある環境になってほしい 海や山などがこれ以上破壊されずに豊かに存在し続けて欲しい 街なかや大通りにも樹木があふれ 四季を感じる街並み 空気 水がきれいな街 海と山の両方がある神戸の特色を大切に いつまでも緑いっぱいの山々ときれいな海を保ち続けてほしい などの意見が多くありました 神戸市環境基本計画 ( 平成 23 年 2 月 ) では 化石燃料消費等に伴う温室効果ガスの排出を大幅に削減すると同時に生活の豊かさを実感できる 低炭素社会 資源の採取 生産 流通 消費 廃棄などのあらゆる段階で 廃棄物等の発生抑制や循環資源の再利用などにより 環境への負荷が少ない 循環型社会 地域の生物多様性が適切に保たれ 自然とのふれあいの場や機会が確保された自然のめぐみを将来にわたって享受できる 自然共生社会 そして それぞれの社会を統合的に実現し 健全でめぐみ豊かな環境を未来に継承していくために 持続可能な社会 を実現していくことが重要 とし 持続可能な社会 を前提とした上で 更に未来に向けて発展させたまちを みんなで創造し 引き継いでいく姿 を将来像と考え 自然と太陽のめぐみを未来につなぐまち 神戸 を望ましい環境像としています また その実現に向けて 低炭素社会の実現 循環型社会の実現 自然共生社会の実現 公害のない健全で快適な地域環境の確保 すべての主体の協働と参画 の 5 つの方針を定めています 神戸プランは これらの方針のうち 自然共生社会の実現 に寄与する役割を担っています ここでは 多様な自然環境に恵まれていることや里地里山などの二次的な自然環境によって生物多様性が維持されていることなど 神戸の生物多様性の特徴を踏まえ 自然共生社会の実現に向けて神戸プランがめざすべき将来像を 森林 田園 河川 海岸 海域 市街地のエリア別に定めました < エリア別の将来像 > 森林 六甲山 帝釈 丹生山などのまとまった森林が 多くの生きものを育み 水源 みどりの聖域などとして保全されています 災害防止 水源涵養 大気浄化 気候緩和などの森林機能を発揮し市民に大切にされています 田園 農産物の地産地消が推進され 農業が活性化し 市民の豊かな食卓を支えています 農地が生きものにあふれ 環境学習の場として活用されるなど 田園地域全体が人と生きもので賑わっています 河川 山と海をつなぐ水と緑のネットワークとして 生物生息 生育空間が確保された清らかな親水河川が整備されています 海岸 海域 水産資源の保護 育成のための藻場等が保全 再生され 市民の生活を支える豊かな海と 市民に親しまれる海岸があります 市街地 公園 街路 工場 住宅など街中のいたるところで生物多様性に配慮した緑化が行われています 公園 学校ビオトープ せせらぎ 街路樹などが水と緑のネットワークを形成し 多くの生きものが集まり 子どもたちや市民の憩いの場となっています 46

51 第 3 章神戸プランがめざすもの また 森林 田園 河川 海岸 海域 市街地のつながりや人 仕組みのあり方などを含めた めざすべき将来像 ( 基本理念 ) を以下のとおり表現し イメージを図 3-1 に示しました めざすべき将来像 ( 基本理念 ) 人と自然がつながり 多様ないのちを育む自然共生都市 こうべ 六甲山とまちなみ スダジイの大木 秋の田園 住吉川 空港島西緑地 田園とニュータウン 47

52 第3章 神戸プランがめざすもの 図 3-1 めざすべき将来像 48

53 第 3 章神戸プランがめざすもの 3 基本方針と目標 (1) めざすべき将来像の実現に向けた基本方針めざすべき神戸の将来像の実現に向け まちづくり ひとづくり しくみづくりの視点から 以下の 3 つの基本方針を定めました めざすべき将来像の実現に向けた 3 つの基本方針 1 まちづくり : 生物多様性に配慮したまちづくりを進めます 生きものの生息 生育環境の連続性や生きものの移動 遺伝的多様性などにも配慮して 海と山 里と街 水と緑などのつながりを確保するようまちづくりを進めていく必要があります 都市の拡大成長期から成熟期への移行に伴い 都市空間の再編を基本として自然と調和し 自然を活かすまちづくりを進めることが重要です 2 ひとづくり : 市民 事業者 行政などすべての主体がその行動を生物多様性の視点で見直し未来に引き継ぎます そのための人材を育成します 外来種 移入種の持ち込みや広がりを抑えて地域固有の生きものをまもり 育てていくことや 国内だけでなく海外の生物多様性にも配慮して事業活動や消費行動を行うなど あらゆる行動を生物多様性の視点で見直していくことが必要です 生物多様性の重要性を社会に浸透させ 一人ひとりの主体的な行動を促すためには 啓発や環境教育 環境学習を効果的に推進していくことが重要です また そのための人材を育成していく必要があります 3 しくみづくり : 地域の生物多様性を支えあえる仕組みをつくります 人の手が加わらなくなったことで生物多様性が低下している里地里山などでは 市民 市民団体 事業者などあらゆる主体が参加し 地域の生物多様性を支えあえる仕組みをつくっていく必要があります 生物多様性に関する施策を効果的 順応的に推進していくためには 市域の動植物の分布状況や生息 生育環境の状況などの膨大な情報を効果的 効率的にモニタリングしていく仕組みも必要です (2) 施策の立案 推進にあたっての目標さらに 3 つの基本方針に沿って施策を立案 推進するにあたって考慮すべき目標を定めました 基本方針 1 生物多様性に配慮したまちづくりを進めます 目標 1 六甲山などの森をまもり育て 生きものを育み 健全な森の力で災害を防ぎます 2 清らかで潤いのある水環境をまもり 育てるとともに 生きものの移動にも配慮して森 里 川 海の水循環を保全 再生します 3 人と共に歩んできた多様ないのちを育む田園環境をまもり 未来へつなげていきます 4 水と緑のネットワークが形成され 街 ( 市街地 ) のなかでもいたるところで神戸の生きものが見られます 基本方針 2 市民 事業者 行政などすべての主体がその行動を生物多様性の視点で見直し未来に引き継ぎます そのための人材を育成します 目標 5 すべての市民や子どもたちが神戸の自然や地球の生きものとのつながりを学び 行動し 自然を育む知恵と恵みへの感謝の心を未来に引き継ぎます 基本方針 3 地域の生物多様性を支えあえる仕組みをつくります 目標 6 震災復興と共に立ち上がった市民の環を拡げ 市民 事業者 市民団体 行政など すべての主体がパートナーとして手を取り合い 未来を考えて行動します 7 神戸の生物多様性に関する情報を 市民の共有財産として収集 蓄積し 保全に活かします 49

54 第 3 章神戸プランがめざすもの 4 取り組みの方向これらの基本方針や目標を踏まえて 中長期的な観点から取り組みの方向を定めました 基本方針 1 生物多様性に配慮したまちづくりを進めます 目標 1 六甲山などの森をまもり育て 生きものを育み 健全な森の力で災害を防ぎます 取り組みの方向 ア. 神戸の生物多様性の基盤であり 緑の骨格をなす六甲山や帝釈 丹生山などの森林を保全 育成するために 長期的な視点に立って 民有林を含めた森林の適切な管理を推進していきます < 取り組み例 > 六甲山における市民 事業者等と協働した森林保全 育成 みどりの聖域づくり ( 緑地の保全 育成及び市民利用に関する条例に基づく行為制限や維持管理など ) による保全 六甲山系グリーンベルト整備事業 植林 里山整備に対する補助 イ. 適切に管理された森林が 地域の生物多様性の保全 向上や災害防止に重要な役割を果たしていることを広く啓発するとともに 地元企業 市民団体 市民などが森林などの管理に積極的に参画する仕組みをつくっていきます < 取り組み例 > 生物多様性に関する市民 事業者の行動指針の作成 普及 民有林を含めた放置林の管理を地権者 市民団体 事業者等の協働で行う協定 ウ. みどりの聖域づくりなどによる緑地の保全 育成などの取り組みを一層推進するとともに 希少な野生動植物の生息 生育環境を保全するための新たな仕組みについても検討していきます < 取り組み例 > みどりの聖域づくり ( 緑地の保全 育成及び市民利用に関する条例に基づく行為制限や維持管理など ) による保全 ( 再掲 ) 環境影響評価制度の運用 拡充 開発事業にあたって事業者が講じる生物多様性保全措置に関する指導指針の策定 運用 ( 生物多様性保全対策指針 ) 緊急 厳重な保全対策が必要な希少種の生息 生育環境の保全 再生のための地域指定や行為制限 協働による管理 監視体制などを盛込んだ生物多様性保全条例 エ. エコツーリズムなどを通じて六甲の豊かな自然や生きもの 市民 企業 市民団体等による様々な保全活動などを広く PR し 活動の活発化や六甲山の活性化につなげていきます < 取り組み例 > 六甲山 摩耶山エコツーリズムの促進 エコツーリズムの教育旅行誘致 滞在型観光振興 民間参画 プログラムの充実 六甲の自然や生きものの保全 育成のためのファンド オ. 地球温暖化対策の観点からも 間伐材の有効利用などについて検討していきます < 取り組み例 > 六甲山の間伐材等を利用したバイオマス発電等 取り組み事例 市民 事業者 市民団体 行政の協働の取り組み事例 (1) 東お多福山での取り組み東お多福山は六甲山地最大の草原です かつてはススキ草原でしたが 人の手が加わらなくなったためにネザサ草原に変わり キキョウやゴマノハグサなどの草原生植物が見られなくなるなど 生物多様性が低下しました 現在 専門家の指導を受けながら 市民ボランティアの手でススキ草原の復活をめざして 調査刈り取り活動が続けられています (2) カワバタモロコ保全推進協議会市民団体 兵庫 水辺ネットワーク 地元住民 地元学校 須磨海浜水族園 兵庫県 神戸市が中心となって 絶滅危惧種である淡水魚 カワバタモロコ の保全を目的に平成 21 年 5 月に発足しました 地域住民と連携した自然観察会やかいぼり ( 池干し ) によるため池の維持管理の促進 外来生物の駆除作業の実施 大学等と連携した保護増殖手法調査の実施 保全マニュアル等の啓発資料の作成など カワバタモロコの生息する神戸の貴重なため池の自然環境を守るために活動しています 東お多福山での取り組みの様子 (3) 須磨 FRS ネット (FRS は Forest( 森 ) River( 川 ) Sea( 海 ) の頭文字 ) 森 川 海の自然環境がある須磨から環境行動を発信しようと 14 の市民団体と行政が 須磨の自然環境を次世代につなぐ ことをめざし 協働で取り組みを進めています 須磨 FRS ネット は須磨全体の自然を舞台に 1 講演会 活動事例発表会 2 小学生を対象にした 須磨環境塾 3 須磨エコアスロンなど 自然にふれ 学んでもらう場づくりが進められています 50

55 第 3 章神戸プランがめざすもの 目標 2 清らかで潤いのある水環境をまもり 育てるとともに 生きものの移動にも配慮して森 里 川 海の水循環を保全 再生します 取り組みの方向ア. 河川 海域など水質の一層の改善を図るとともに 河川全体の自然の営みを視野に入れ 地域の暮らしや歴史 文化との調和にも配慮し 河川が本来有している生物の生息 生育 繁殖環境 並びに多様な河川風景を保全あるいは創出する多自然川づくりを改修 補修時等にあわせて推進します < 取り組み例 > 大阪湾の水質環境基準の達成 維持を目的とした下水の高度処理化や下水処理水の有効利用 千苅貯水池における植生等による水質浄化などの水源水質の保全 改善対策の実施 多自然川づくりの推進 市民参加による河川の生物多様性調査 イ. 神戸の森林 水田 ため池 河川 海などのつながりを生物多様性保全の観点から調査 評価し その結果を踏まえて 水 生きもの 栄養塩などの循環を保全 再生していきます < 取り組み例 > 水生生物調査の実施 生物多様性保全の観点から水環境のモニタリングの拡充 市民参加による生物多様性調査の実施 水資源をより有効に活用し 持続可能で健全な水循環系を形成するための基本計画の策定 運用 ( 水循環系の現状や関連施策に関する情報の共有と総合的なマネジメント ) 地域住民及び団体との連携による水源環境の保全 市民主体の河川愛護活動の支援 須磨 舞子海岸及び海岸林 ( 松林 ) の保全 臨海部の親水性の向上と生物生息 生育空間の整備 環境創造型護岸による生物生息 生育空間の創造 ウ. 赤潮の発生や養殖のりの色落ちなど海域の生態系のバランスがくずれることによって生じる問題について 国や大阪湾沿岸自治体との連携により 解決策を検討します このため 大阪湾再生行動計画に基づく取り組みを一層推進し 海域の生態系に関するモニタリングの充実を図っていきます < 取り組み例 > 生物多様性保全の観点から水環境のモニタリングの拡充 ( 再掲 ) エ. 海の生物資源の持続可能な利用を図るため つくり 育てる漁業を推進するとともに 水産資源の保護 育成のための藻場等の保全 再生などに取り組みます < 取り組み例 > つくり 育てる漁業の推進 水産資源保護 育成等のための藻場 干潟等の保全支援 ( 漁礁 海底耕耘など ) コラム 26 大阪湾再生行動計画 ( 抜粋 ) 1. 目的本行動計画は 京阪神都市圏を含む広い範囲の集水域を抱え その一方で閉鎖性海域であり 水環境改善に向けた課題が多く残された大阪湾において 都市再生本部で決定された都市再生プロジェクトである 海の再生 を推進するため 関係省庁及び関係地方公共団体等が大阪湾の水環境の改善等を通じた 海と都市のかかわり に重点を置く総合的な 海の再生 のための計画を策定するとともに 住民 市民や NPO 学識者 企業等の多様な主体との連携 協働を図りつつ これを推進することを目的とするものです 2. 具体的な内容本行動計画は 大阪湾の水環境の現状を踏まえて 大阪湾再生に向けての湾全体の目標の設定 湾奥部を中心とした重点エリア アピールポイント等の設定 目標達成のための陸域負荷削減策 海域における環境改善対策及びモニタリング ( 監視 ) の実施 などの関連施策及びその計画的な推進について明らかにするものです 51

56 第 3 章神戸プランがめざすもの コラム 27 海の健康診断 海域環境のモニタリングは 約半世紀にわたって水質などを主として行われてきましたが これからは 海の営みや 生産の鍵を握る定着性の生物を対象に行うことなど 海の仕組みに着目した内容の構成が望ましいという考えに基づき 海洋政策研究財団が研究している新しい概念の環境評価法です 生態系の安定性 と 物質循環の円滑さ をモニタリングに当たっての大きな視点としています 一次検査項目一覧 検査の視点生物組成 検査項目漁獲生物の分類群別組成の変化海岸生物の出現状況 生態系の安定性物質循環の円滑さ 生息空間生息環境基礎生産負荷 海水交換堆積 分解 干潟 藻場面積の変化人工海岸の割合有害物質の測定値貧酸素水の確認頻度透明度の変化赤潮の発生頻度負荷と滞留のバランス潮位振幅の変化底質環境無酸素水の出現状況 除去 ( 漁獲 ) 底生魚介類の漁獲量 目標 3 人と共に歩んできた多様ないのちを育む田園環境をまもり 未来へつなげていきます 取り組みの方向ア. 有機 特別栽培を柱とした環境保全型農業や地産地消の取り組みを一層推進するとともに 冬期湛水 [ たんすい ] 管理など農家の生産管理活動と生物多様性の保全を両立させる取り組みの普及を図ります また 生きものブランド米などの生産 販売などにより 生物多様性を活かした農業の活性化を図ります < 取り組み例 > 環境保全型農業と地産地消の推進 冬期湛水水田などの普及による田園地域の生物多様性の向上 イ. 適切に管理された水田などが 地域の生物多様性の保全 向上に重要な役割を果たしていることを広く啓発するとともに 事業者 市民団体 市民などが農地の管理に積極的に参画する仕組みをつくっていきます < 取り組み例 > 生物多様性に関する市民 事業者の行動指針の作成 普及 ( 再掲 ) 不耕作地などの管理を農家 市民団体 事業者等の協働で行う協定 ウ. 市民団体などとの協働により不耕作地を利用した水田ビオトープなどを整備し 田園の生物多様性の向上を図ります また 環境教育や都市と農村の交流などに活用し 農村の活性化に貢献します < 取り組み例 > 不耕作地の湿地環境としての利用の促進 人と自然との共生ゾーン条例に基づく里づくりの推進 集落周辺の自然緑地の保全 活用 自然体験型環境教育 学習の推進 エ. アライグマなどの外来生物やイノシシなどの野生鳥獣による農作物被害に対しては 外来生物法や鳥獣保護法に基づく対策の一層の推進を図ります また 関係局区の一層の連携により 総合的な野生鳥獣対策を推進します < 取り組み例 > 外来生物法に基づく特定外来生物の計画的防除 放置林 不耕作地などの管理促進 市民参加による外来生物などの目撃情報の収集 ペットや野生動物とのつきあい方などの市民啓発 オ. ベッコウトンボなど今では見られなくなってしまった生きものを復活するための環境再生などの取り組みについて検討します < 取り組み例 > 希少野生動植物種の生息 生育状況等の調査 ( 神戸版レッドデータ 2010 のフォローアップ ) 多様な主体の協働によるベッコウトンボ復活プロジェクト 52

57 第 3 章神戸プランがめざすもの 目標 4 水と緑のネットワークが形成され 街 ( 市街地 ) なかでもいたるところで神戸の生きものが見られます 取り組みの方向ア. 野鳥やトンボなど六甲山や田園地域の生きものを市街地に呼び込めるよう 生物多様性に配慮した水と緑のネットワークを形成します < 取り組み例 > 市街地に生きものを呼び込む水と緑のネットワークの形成 ( 河川 街路 公園 ビオトープなどの連携 ) 生物生息 生育空間としての都市公園の整備 地球温暖化対策と生物多様性保全に貢献する屋上 壁面緑化などの普及 市民参加による身近な生きもの調査 イ. 公共施設 工場 公園などの緑化にあたっては 生物多様性に配慮した樹種を選定できるよう 情報提供 啓発を行っていきます < 取り組み例 > 生物多様性に配慮した緑化の推進 ( 樹林の階層構造 多様性のある樹種 野鳥の餌となる実のなる植物 昆虫の吸蜜源や食草 食樹となる樹種 循環が機能する基盤など ) 街のシンボルとなる街路樹の育成 生物多様性緑化ガイドライン ウ. 人口減少等により増加が予想される空地を利用した緑化を推進します < 取り組み例 > 市街地の民有緑地の保全 育成 空閑地の飾花 緑化 山麓部での空き地の活用など緑地の創出 エ. 学校ビオトープなどの検証を行うとともに 地域や学校の特性に応じて 管理 活用を考えた多様なビオトープ ( 水田 畑 森 果樹園など ) への転換を図っていくことも検討していきます また 学校だけでなく地域を巻き込んだビオトープの管理 活用を図っていきます < 取り組み例 > 学校 地域 企業 行政の協働による学校ビオトープを活用した環境学習や保全活動 学校や校区の生きもの調査とマップづくり オ. ビオトープやせせらぎ水路などに園芸種や移入種 外来種などが無秩序に移植 放流されている例も見られるため ガイドラインなどを定めて 啓発 注意喚起を行います < 取り組み例 > 生物多様性に関する市民 事業者の行動指針の作成 普及 ( 再掲 ) 外来生物リストや対策マニュアルなどによる情報提供 六甲道北公園 生田川と六甲山 53

58 第 3 章神戸プランがめざすもの コラム 28 ビオトープの配置 ギリシア語からの造語 (bio( 生きもの 命 )+topos( 場所 ) で 直訳すると 生きものがいる場所 という意味です 日本では 身近に野生生物が生息する環境を作ろうとすると池を作ることが多いため ビオトープというと イコール池 というイメージが強くなってしまっています 神戸市でも 多くの学校や工場等にビオトープ ( 池 ) が作られていますが これらは 創造型ビオトープ とも言うべき狭義の意味でのビオトープのことです 本来は 池だけのことではなく 六甲山などの森林も 東お多福山などの草原も 住吉川などの河川も 瀬戸内海も すべて野生の生きものが住むビオトープということになります 生物は 種により生息 生育するビオトープが異なり 繁殖 採餌等のライフサイクルの中で 異なったビオトープを必要とします このため 大 ~ 小までの様々なビオトープが相互に空間的に結合され ネットワーク化されていることが重要で 孤立 分断した場合 移動性の動物の生存に大きな影響を与える 近親交配により種が衰退する等の問題が生じるといわれています ビオトープを保全するためには 個々のビオトープを保全するだけではなく 地域全体の生態系を考慮し 相互をネットワーク化することが重要で 分裂しておらず相互に近づける方がよいとされています ビオトープは繋がっていることが望ましい状態ですが 創造型ビオトープ を作る場合は つなぐことが困難な場合が多くあります 生きものは種類によって行動圏の広さや移動できる距離が異なるため 保全対象種の特性を把握し ビオトープを配置することが望ましいと考えられます < 生物の行動圏 分散 ( 移動 ) 距離の例 > 餌の質 量 立地などの生息環境 移動経路の環境などにより異なります ニホンリス : 行動圏 約 20~30ha 約 10ha( 少なくとも 200m 以内にいくつかの森林塊の隣接が必要 ) 出典 : ニホンリスの保全ガイドラインつくりに向けて ( 矢竹 田村.2001 年 ) 止水産卵性の小型サンショウウオ類 : 繁殖場所から 100m 以内に行動圏をもつニホンヒキガエル : 繁殖場所から 200~300m 以内に行動圏 (200 m2 ~1,650 m2程度 ) ニホンアカガエル : 繁殖場所から行動圏まで平均 114m( 幼体 145m) ヤマアカガエル : 繁殖場所から行動圏まで平均 204m( 幼体 187m) モリアオガエル : 繁殖場所から行動圏 (1,500 m2 ) まで平均 80m 出典 : 野生生物保全技術 ( 佐藤 新里.2007 年 ) オオイトトンボ アジアイトトンボ :1.2km~1.3km ショウジョウトンボ :1~1.1km ミズカマキリ :1km 出典 : 水田を守るとはどういうことか ( 守山.1997 年 ) ブナ : ヤマガラ ( 推定行動圏秋季 2.1~6.5ha) による種子移動 163~529m ヒメネズミによる種子移動約 7m ミズナラ : ネズミによる種子移動最大 42m 出典 : ブナ自生北限域における種子散布距離推定のための晩秋期にヤマガラの行動圏推定 ( 松井 飯田ら.2010 年 ) シラカシ : カケス ( 推定 ) による種子移動 700m 出典 : 種子散布助けあいの進化論 <2> 動物たちがつくる森 ( 上田編著.1999 年 ) 果実植物 : 果実食鳥による種子移動数 m~ 数百 m の範囲 都市環境では 100~1000m 出典 : 種子散布助けあいの進化論 <1> 鳥が運ぶ種子 ( 上田編著.1999 年 ) 基本方針 2 市民 事業者 行政などすべての主体がその行動を生物多様性の視点で見直し未来に引き継ぎます そのための人材を育成します 目標 5 すべての市民や子どもたちが神戸の自然や地球の生きものとのつながりを学び 行動し 自然を育む知恵と恵みへの感謝の心を未来に引き継ぎます 取り組みの方向ア. エコタウンまちづくりを全市展開し 環境にやさしい地域づくりを進めるとともに 生物多様性保全のシンボルとなる拠点等を整備し 自然体験型の環境学習を展開していきます < 取り組み例 > エコタウンまちづくり事業 ( 全市展開と活動メニューの充実 ) 生物多様性保全シンボル拠点の整備 活用 ( しあわせの森 国営明石海峡公園 ) 不耕作地の湿地環境としての利用と環境学習などへの活用 動物園 水族園 植物園等での生物多様性に関する教育 啓発事業の展開 ウミガメエコツーリズム 農村を活用したグリーンツーリズム イ. 持続可能な社会や生物多様性の重要性にかかる普及啓発について 環境教育のリーダーを育成します < 取り組み例 > しあわせの村 ( シルバーカレッジ ) などと連携した生物多様性に関する人材育成 こうべ環境未来館を活用した人材育成 KOBE 環境大学の開催 ウ. 神戸市立の小中学校において 子どもたちや地域の状況に応じて 学校ビオトープの推進をはじめ 持続可能な社会を構築するための環境教育など 神戸らしい特色のある教育を推進します < 取り組み例 > 自然体験型環境教育 学習の推進 ( 再掲 ) エ. 一人ひとりがライフスタイルやビジネススタイルを見直し 消費行動や事業活動 社会貢献などを通じて 神戸と世界の生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献するよう市民 事業者への啓発を進めます < 取り組み例 > 生物多様性に関する市民 事業者の行動指針の作成 普及 ( 再掲 ) 54

59 基本方針 3 地域の生物多様性を支えあえる仕組みをつくります 第 3 章神戸プランがめざすもの 目標 6 震災復興と共に立ち上がった市民の環を拡げ 市民 事業者 市民団体 行政など すべての主体がパートナーとして手を取り合い 未来を考えて行動します 取り組みの方向ア. 震災を契機に設立された多くの市民団体の活動を支援するとともに 多様な主体間で活動情報などの共有 交流を図る場となるプラットホームを整備し 事業者と市民団体それぞれのニーズをマッチングさせることによって 活動の活性化を図ります < 取り組み例 > 市民団体等と事業者 行政などをつなぐ生物多様性プラットホームの整備 パートナーシップ活動助成 各区の地域提案型活動助成 里山保全活動 河川愛護活動 市民の水辺事業などの支援 六甲山での市民参加の森づくり ( こうべ森の学校 摩耶の森クラブ ) の推進 イ. 適切に管理された森林や水田などが 地域の生物多様性の保全 向上に重要な役割を果たしていることを広く啓発するとともに 事業者 市民団体 市民などが森林や農地などの管理に積極的に参画する仕組みをつくっていきます ( 再掲 ) < 取り組み例 > 生物多様性に関する市民 事業者の行動指針の作成 普及 ( 再掲 ) 民有林を含めた放置林の管理を地権者 市民団体 事業者等の協働で行う協定 ( 再掲 ) 不耕作地などの管理を農家 市民団体 事業者等の協働で行う協定 ( 再掲 ) ウ. みどりの聖域づくりなどによる緑地の保全 育成などの取り組みを一層推進するとともに 希少な野生動植物の生息 生育環境を保全するための新たな仕組みについても検討していきます ( 再掲 ) < 取り組み例 > みどりの聖域づくり ( 再掲 ) 環境影響評価制度の運用 拡充 ( 再掲 ) 開発事業にあたって事業者が講じる生物多様性保全措置に関する指導指針の策定 運用 ( 再掲 ) 緊急 厳重な保全対策が必要な希少種の生息 生育環境の保全 再生のための地域指定や行為制限 協働による管理 監視体制などを盛込んだ生物多様性保全条例 ( 再掲 ) 目標 7 神戸の生物多様性に関する情報を 市民の共有財産として収集 蓄積し 保全に活かします 取り組みの方向ア. 一度破壊された生態系を元に戻すのは極めて困難なため 科学的知見の充実に努めつつ 早めに対策を講じる予防的施策を実施していきます < 取り組み例 > 希少野生動植物種の生息 生育状況等の調査 ( 神戸版レッドデータ 2010 のフォローアップ )( 再掲 ) 生物多様性保全の観点から水環境のモニタリングの拡充 ( 再掲 ) 再度山永久植生保存地調査など地域の生物多様性に関する調査 環境影響評価制度の運用 拡充 ( 再掲 ) 開発事業にあたって事業者が講じる生物多様性保全措置に関する指導指針の策定 運用 ( 再掲 ) 緊急 厳重な保全対策が必要な希少種の生息 生育環境の保全 再生のための地域指定や行為制限 協働による管理 監視体制などを盛込んだ生物多様性保全条例 ( 再掲 ) イ. 地域の生きものに関する調査を自主的に行っている多くの市民団体や専門家の協力を得て 市民参加型で行う生物多様性モニタリングの仕組みをつくります また 得られた神戸の生物多様性に関する情報は 市民の共有財産として蓄積 整備し 神戸プランの進行管理に活用するとともに 市域の動植物の生息 生育情報をマップ表示で公開するなど 生物多様性の見える化を図り 市民への啓発などに活用していきます < 取り組み例 > 生物多様性 WebGIS( 地理情報システム ) の整備 市民参加による生物多様性モニタリングの実施 ( 再掲 ) 市民参加による生物多様性モニタリングの結果を活用したマップづくりと市民啓発 ウ. 施策の展開にあたっては 生態系の変化に対する的確なモニタリングを行いながら その結果に応じて対策を見直す順応的な対応を図ります < 取り組み例 > 市民参加による生物多様性モニタリングの実施 ( 再掲 ) PDCA による進行管理と取り組みの見直しによる効果的な推進 55

60 第 4 章行動計画 第 4 章行動計画 第 4 章では 市 市民 事業者 市民団体などの各主体が生物多様性の保全に果たす主な役割をまとめ 市の行動計画 市民 事業者 市民団体などの取り組み例を示します 1 各主体の役割 (1) 市の役割市は 神戸プランに基づき 生物多様性の保全と持続可能な利用に関する施策を総合的 計画的に推進するとともに 市自らが事業者及び消費者として 事業実施の際に率先した配慮行動を実践する役割があります また 市民 事業者 市民団体などの各主体が積極的に保全活動に取り組めるよう 環境教育 学習の推進 情報の提供及び各主体の活動への支援やパートナーシップの構築の推進などの役割があります 各区の特性に応じた取り組みを推進する 市民 事業者 市民団体の保全活動に対する支援に努めるとともに 神戸プランを着実に推進するため 各主体間のコーディネートに努める 自然環境の状況を調査 把握し 情報を提供する 神戸市特有の自然環境の保全 育成を図る 自然観察会など自然と触れ合う機会を創出するとともに 事業者や市民団体等が実施する自然環境の保全活動等への支援に努める 農業において 多面的機能が発揮されるような整備を促進する など (2) 市民の役割市民は生物多様性が暮らしと密接に関連することを学び環境に配慮した暮らしを実践するとともに 他の主体と協力して生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献する役割があります 自然体験を通じて豊かな生物多様性を実感する 市民団体などが行う保全活動や調査などに参加する 募金 寄付を通じた活動支援を行う 消費者として適切な商品の選択 購入を通じて生物多様性に貢献する 子どもたちに地域の自然の豊かさや伝統的な知識 文化などを伝える 地域活動のなかで自然体験や学習の機会づくりを行う 外来生物を適切に扱う など (3) 事業者の役割事業者は環境配慮型事業を展開するとともに環境保全活動への協力など CSR * 活動を通じて 生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献する役割があります 事業活動が生物の多様性に及ぼす影響を把握する 生物多様性の保全と持続可能な利用に配慮した原材料の確保や商品の調達 製造 販売を行う 工場等の敷地内や社有地での生物多様性の保全を実践する 投資 融資を通じた生物多様性への配慮を行う 自社の生物多様性に関する情報を開示する 市民団体などが行う森林 里山などでの生物多様性保全の支援を行う 企業 公益法人の基金による市民団体等への支援を行う など *CSR:Corporate Social Responsibility の略で 日本語では 企業の社会的責任 のこと 56

61 第 4 章行動計画 (4) 農林漁業者の役割農林水産業は自然界における多様な生物がかかわる循環機能を利用し 動植物等を育みながら営まれており 生物多様性に立脚した産業といえます 農林漁業者の日々の営みが田園や森林 海域などの生物多様性に大きく関わっています 収穫 ( 獲 ) の対象となる農林水産物だけでなく 農地や森 海などにいる多様な生きものとそのつながりにも目を向ける 農業は食料の生産だけでなく多様な生きものを育む活動であることを認識し 生物多様性保全に配慮した環境保全型農業を進める 山林では 間伐等森林の手入れを適切に行い 間伐材を有効に利用する 漁業では 資源管理型漁業を進める など (5) 市民団体の役割市民団体は地域での積極的な保全活動の展開や 市民 事業者への生物多様性についての正しい知識の普及とともに 地域の生きものの実情を熟知した専門家として 地域の生物多様性に関するモニタリング等への積極的な参加が期待されます 地域の生物多様性保全のための活動を行う 行政 学校などの生物多様性保全の取り組みを支援する 自然環境の保全活動や自然観察会などを企画し 市民等への生物多様性保全の意識の啓発 普及に努める 野生動植物の保全に関する情報提供や助言等に努める 外来生物の駆除や野生鳥獣の適正な管理のための活動を実施する 市街地と里山との交流活動の促進に努める など (6) 研究機関の役割生物多様性については未解明な部分が多く 大学等の研究機関による科学的知見の充実が不可欠です 生態系の保全 再生技術や遺伝的多様性など生物多様性に関する調査研究 生物多様性に関する科学的知見の発信 生物多様性に関する保全活動への専門的な助言 指導など 明石海峡でのイカナゴ漁 ( 明石海峡フォトコンテスト神戸みのりの公社賞受賞作品 ) 57

62 第 4 章行動計画 2 市の行動計画 (1) 市の行動計画第 3 章に示した中長期的な取り組みの方向を踏まえ 今後概ね 5 年間に実施すべき市の主な事業を目標ごとに整理した行動計画をまとめました 特に重点的に推進すべき新規 拡充事業などを重点事業としました なお 行動計画は PDCA による神戸プランの進行管理の結果などを踏まえて 事業の見直しや追加などを定期的に行い 効果的に推進していきます 目標 1: 六甲山などの森をまもり育て 健全な森の力で生きものを育み 災害を防ぎます 重点着手 拡充時期 (*) 事業事業継続短期中長期 六甲山における市民 事業者等と協働した森林保全 育成の推進 生物多様性保全対策指針の策定 運用 環境影響評価の運用 拡充 みどりの聖域づくり 六甲山系グリーンベルト整備事業 水源保全用地の取得 森林整備計画の作成 見直し 植林 里山整備に対する補助 森林法に基づく林地開発規制 六甲山 摩耶山エコツーリズム エコツーリズムの教育旅行誘致 滞在型観光振興 民間参画 プログラム充実 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 取り組み事例 神戸複合産業団地の取り組み 神戸複合産業団地では 団地造成事業により 現況の植物環境がどのような影響を受けるのかを詳細に把握するため 長期にわたり植物対策調査を実施するとともに 並行してその保全方策について専門家による検討を行い 苗畑での保護育成 生態の観察 移植に適した環境の整備と 一貫した貴重種保全への取り組みを行っています 貴重種の移植先での生育環境の創出 整備 58

63 第 4 章行動計画 目標 2: 清らかで潤いのある水環境をまもり 育てるとともに 生きものの移動にも配慮して森 里 川 海の水循環を保全 再生します 重点着手 拡充時期 (*) 事業事業継続短期中長期 健全な水環境の確保に関する施策の推進( 生物多様性保全の観点か らのモニタリングの拡充など ) 河川全体の自然の営みを視野に入れ 地域の暮らしや歴史 文化との調和にも配慮し 河川が本来有している生物の生息 生育 繁殖環境 並びに多様な河川風景を保全あるいは創出する多自然川づくりの改修 補修時等にあわせた推進 水産資源保護 育成等のための漁礁設置や海底耕耘などの取り組み支援 臨海部の親水性の向上と生物生息空間の整備 須磨 舞子海岸及び海岸林 ( 松林 ) の保全 環境創造型護岸による生物生息空間の創造 つくり 育てる漁業の推進 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 目標 3: 人と共に歩んできた多様ないのちを育む田園環境をまもり 未来へつなげていきます 重点着手 拡充時期 (*) 事業事業継続短期中長期 冬期湛水水田による生物多様性の向上 不耕作地の湿地環境としての利用 環境保全型農業と地産地消の推進 人と自然との共生ゾーンの推進 集落周辺の自然緑地の保全 活用 野生鳥獣被害対策の推進 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 目標 4: 水と緑のネットワークが形成され 街 ( 市街地 ) のなかでもいたるところで神戸の生きものが見られます 重点着手 拡充時期 (*) 事業事業継続短期中長期 地球温暖化対策と生物多様性保全に貢献する屋上 壁面緑化 ( 緑のカーテンプロジェクト ) 地球温暖化対策と生物多様性保全に貢献する屋上 壁面緑化 (AQUA ルネッサンス ) 生物多様性に配慮した緑化の推進 ( 樹林の階層構造 多様性のある樹種 野鳥の餌となる実のなる植物 昆虫の吸蜜源や食草 食樹となる樹種 循環が機能する基盤など ) 市街地の民有緑地の保全 育成 空閑地の飾花 緑化 山麓部での空き地の活用 ふれあい市民緑地制度の活用など緑地の創出 街のシンボルとなる街路樹の育成 市街地に生きものを呼び込む水と緑のネットワークの形成 ( 河川 街路 公園 ビオトープなどの連携 ) 生物生息 生育空間としての都市公園の整備 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 59

64 第 4 章行動計画 目標 5: すべての市民や子どもたちが神戸の自然や地球の生きものとのつながりを学び 行動し 自然を育む知恵と恵みへの感謝の心を未来に引き継ぎます 事業 学校ビオトープ活用推進事業 ( 学校 地域 企業 行政の協働により環境学習や保全活動を推進 ) 重点 着手 拡充時期 (*) 事業継続短期中長期 生物多様性保全シンボル拠点の整備 ( しあわせの森 国営明石海峡公園 ) エコタウンまちづくり事業 ( 全市展開の推進と活動メニューの充実 ) KOBE 環境大学 親子向け自然体験学習講座の開催 市民 事業者の行動指針の作成 普及 しあわせの村 ( シルバーカレッジ ) などと連携した生物多様性に関する人材育成 小学校での環境体験事業の継続実施 ウミガメエコツーリズム 市民参加の森づくり ( こうべ森の学校 摩耶の森クラブ ) 下水処理水を利用した親水空間での観察会等の実施 動物園 水族園 植物園等での生物多様性に関する教育 啓発事業の展開 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 取り組み事例 王子動物園の取り組み ジャイアントパンダの日中共同飼育繁殖研究やトラの血統登録など 希少動物の種の保存や調査 研究に取り組むとともに 自然保護の大切さを訴える教育普及事業や身近な傷病野生鳥獣の治療や野生復帰などを行っています パンダのタンタン 取り組み事例 須磨海浜水族園の取り組み 他地域の水族館と連携して ワシントン条約付属書 Ⅱ に揚げられるラッコの繁殖に取り組んでいます また 市民や関係団体と協力して 園内展示や環境学習会 および河川や海岸での生きもの教室などの教育活動とともに 希少な淡水魚の生息域内保全活動 知見の乏しいスナメリなどの研究活動 野外からの外来種の排除活動 ( ミシシッピアカミミガメ ) などにより 生物多様性の保全に積極的に取り組んでいます ラッコのパール 取り組み事例 森林植物園の取り組み 多くの来園者が森林植物園の四季折々の自然に浸り 身近に樹木や野草 野鳥や昆虫など多くの生き物に触れ合うことで 自然の魅力や大切さを肌で感じてもらえる機会を提供できるような施設を目指しています 環境学習や生涯学習の場など 様々な活動目的に応じて利用でき 来園者に愛される植物園を目指しています 六甲山地の自生植物を収集し 保存育成に努めるとともに 絶滅危惧種ならびに希少種樹木を展示育成し その保全に努めています 神戸市民の花 として親しまれているアジサイを収集し アジサイのもつ多様性とその魅力を紹介するための取り組みを行っています さらに あじさい保存園 の充実ならびにあじさい情報センター的機能の充実に 努めていきます 維持管理作業においては 里山的生物多様性の保全に向けた管理法を実践しています その一環としてササユリ リンドウ キンラン ギンラン リュウノウギク ウメガサソウなど草本自生種の保全と再生に取り組んでいます 60 秋草の小径 ササユリ アジサイ保存園

65 第 4 章行動計画 取り組み事例 兵庫県立人と自然の博物館の取り組み ( ジーンバンク事業 ) 兵庫県立人と自然の博物館では 生物多様性保全の観点から野生植物の保全を目的とした ジーンバンク事業 が実施されています この事業では野生植物 特に絶滅危惧植物の系統保存 増殖 緊急避難と自生地の保全 復元 新たな生育地の創出などが進められています 1 絶滅危惧植物等の種子保存 2 絶滅危惧植物等の個体群系統保存 3 絶滅危惧植物等の緊急避難 4 絶滅危惧植物等の危険回避 5 絶滅危惧植物の自生地での個体群保全 復元 6 絶滅危惧植物の増殖 復元 7 絶滅危惧植物の増殖 新たな生育地の創出 8 絶滅危惧植物等の発芽 栽培実験 9 環境教育 < ジーンファーム > ジーンバンク事業を支えている 植物を栽培 増殖するための中核施設 ( 温室 ミスト室 冷室 ガラス室 圃場 ビニールハウス ) が整備されています < 各プロジェクト > 各種団体の依頼 委託により 絶滅危惧植物の保全に関する様々なプロジェクトが推進されています 神戸市産のものとしては 以下の種のプロジェクトが行われています 六甲山のブナとイヌブナ ( 増殖 ) 神戸市北区のヘラノキ ( 増殖 ) 神戸市西区のミズトンボ ( 緊急避難および危険回避 ) 出典 : 兵庫県立人と自然の博物館ホームページ ( 目標 6: 震災復興と共に立ち上がった市民の環を拡げ 市民 企業 市民団体 行政など すべての主体がパートナーとして手を取り合い 未来を考えて行動します 重点着手 拡充時期 (*) 事業事業継続短期中長期 市民団体等と企業 行政をつなぐ生物多様性プラットホームの構築 パートナーシップ活動助成 各区の地域提案型活動助成 都市公園における自然維持保全活動 里山保全活動 河川愛護活動 市民の水辺事業の支援 市民団体等との協働による生物多様性保全推進モデル事業の実施 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 目標 7: 神戸の生物多様性に関する情報を 市民の共有財産として収集 蓄積し 保全に活かします 重点着手 拡充時期 (*) 事業事業継続短期中長期 市民参加型生物多様性モニタリングプロジェクト 神戸版レッドデータの活用 定期的更新 外来生物リスト 対策マニュアルなどによる情報提供 生物多様性 WebGIS の整備 運用 (*) 着手 拡充時期短期 : 概ね 3~5 年中長期 : 概ね 5~10 年 61

66 第 4 章行動計画 (2) 重点事業の概要重点事業の概要を以下に示します 1: 六甲山における市民 事業者等と協働した森林保全 育成の推進 ( 建設局 ) 六甲山は神戸の自然のシンボルですが 現在 私有林をはじめ十分に森林管理が行われていない個所が見られることから 市民 事業者等と協働し 森林管理を適切に行います 六甲山は CO 2 吸収や生物多様性保全等の機能のほか 土砂災害の発生防止 水源の涵養 ヒートアイランド現象の改善 都市景観の形成など 様々な機能を有しており これら機能の維持につながる森林の適切な管理を行います 森林保全育成の方針や各主体間の役割分担 具体的施策などを定めた 六甲山森林整備戦略 を策定し 順次施策展開していきます 手入れされた混交林 六甲山からの眺望 2: 生物多様性保全対策指針の策定 運用 ( 環境局 ) 開発事前審査や環境アセスメントの指導において 動物 植物 生態系の保全について事業者が講じるべき措置についての指導指針を策定 運用します さらに環境アセスメント制度の見直しを行い より小規模な事業についても 事前の環境配慮がなされるような仕組みをつくります 3: 健全な水環境の確保に関する施策の推進 ( 水道局 建設局 環境局 ) ( 仮称 ) 水の基本計画 を策定 運用し 水循環系の現状や関連施策に関する情報を共有し 総合的なマネジメントを行うことにより 水資源をより有効に活用した 持続可能で健全な水循環系の形成 を図ります 千苅貯水池における植生等による水質浄化などの水源水質の保全 改善対策を実施するほか 水源から蛇口に至るまでの各段階において きめ細かい水質管理を実施するとともに 水源環境の保全に関する取り組みなどについて 地域住民及び団体との連携を図ります 閉鎖性水域である大阪湾の水質環境基準の達成 維持を目的とした下水の高度処理化や下水処理水の有効利用を図り 水環境の創造と保全を進めます 生物多様性保全の観点から水環境のモニタリングを拡充します 62

67 第 4 章行動計画 4: 冬期湛水水田による生物多様性の向上 ( 環境局 産業振興局 ) 稲の収穫後の水田に水を張る ( 冬期湛水 ) ことによって 水生生物や水鳥 ( 渡り鳥 ) などが利用できる環境を再生します 研究会の開催 協力農家や市民団体などと連携してモデル事業の実施 効果 課題等の検証 条件整理 ( 適地 ブランド化 支援策など ) を行い 普及を図ります 5: 多様な主体の参加による不耕作地の湿地環境としての利用 ( 環境局 産業振興局 ) 不耕作地を市民や市民団体など多様な主体が参加して 簡単な水管理と草刈り等を行うことにより 水田湿地環境を維持し 水田を利用して生活している生物群集を保全し 生物多様性の向上を図ります 市民団体などと連携してモデル事業を実施し 効果 課題等を踏まえて 普及のための仕組みづくりを行います 不耕作地での水路づくり 6: 環境保全型農業と地産地消の推進 ( 産業振興局 ) 有機 特別栽培を柱とした 環境保全型農業 による安心 安全な農作物の生産を推進します 環境保全型農業 により生産した地元農産物を 都市と農村の交流 学校給食での利用拡大などにより市民に提供し 地産地消 を進めます 環境保全型農業で生産された野菜 地元農産物を使った学校給食 7: 地球温暖化対策と生物多様性保全に貢献する屋上 壁面緑化 ( 緑のカーテンプロジェクト ) ( 環境局 長田区 ) 緑のカーテンプロジェクト とは 夏期につる性植物を窓側に繁茂させ日陰をつくり 室温を下げることにより省エネを進める取り組みです 現在 長田区を中心に進められていますが これを全市展開していきます 長田区役所の緑のカーテン 63 ゴーヤによる緑のカーテン

68 第 4 章行動計画 8: 地球温暖化対策と生物多様性保全に貢献する屋上 壁面緑化 (AQUA ルネッサンス神戸 ) ( 水道局 ) 水が持つ環境や心身の健康改善などにつながる効用に着目し 市民に水道の良さを認識してもらう視点から 水耕栽培などを取り入れた屋上緑化や壁面緑化 微細な霧を用い周囲の空気を冷やすミスト散布など 水の有効利用による環境に配慮した施策などを啓発していきます 今後 さらに水の有効利用による環境に配慮した施策などを啓発していきます 屋上緑化壁面緑化ミスト散布 9: 学校ビオトープ活用推進事業 ( 環境局 ) 震災以降 環境局の呼びかけに応じ 小学校などで 池 を中心としたビオトープづくりが行われ 環境学習の場として活用されています 維持管理等の課題解決やよりよい活用の提案に向けて 学校の活用実態調査や活用モデル事業等を実施し 学校ビオトープの活用を促進します ヤゴ採りをする子供たち ( 農 都共生ネットこうべ提供 ) 学校ビオトープ 10: 生物多様性保全シンボル拠点の整備 ( 建設局 ) まちのゾーン みどりのゾーン 田園のゾーンの結節点であり良好な自然環境が残されている しあわせの森 及び 国営明石海峡公園神戸地区 を神戸市における生物多様性保全のシンボル拠点として位置づけ 各々が異なるアプローチによって生物多様性保全の取り組みをリードしていくことにより その重要性 緊急性について広く市民に発信します 国営明石海峡公園神戸地区の風景 64

69 第 4 章行動計画 11: 市民団体と企業 行政をつなぐ生物多様性プラットホームの構築 ( 環境局 ) 地域の生物多様性保全の取り組みに関する様々な情報を 市民 市民団体 企業など多様な主体が共有できるプラットホームをホームページ上で構築します 共有する情報は 1 市民団体や企業の優れた活動事例 2 市内で活動する市民団体の紹介 3 企業や市からの市民団体への支援 提案情報 4 市民団体から企業や市への提案情報などです 12: 市民参加型生物多様性モニタリングプロジェクト ( 環境局 ) 生きものの目撃情報や生息環境の状況などを 市民 市民団体などの協力を得てホームページを通じて収集 蓄積し 分かりやすく加工してマップなどで公開するシステムを整備します このシステムを活用して 1ハイキングルートなどを活用した生きものモニタリング ( 定期的 継続的な監視 ) 2 季節ごとの身近な生きもの調査 3 森や川などの健康調査 ( 森の管理 川の循環などの視点でみた簡易調査 ) などを進めます あわせて 専門家による定点調査を行い 多様な主体の参画によって神戸の生きものや生物多様性に関する情報を収集 蓄積 活用する体制 仕組みをつくります 専門家による調査 水田での生きもの調査 65

70 第 4 章行動計画 (3) 各区の取り組み各区における取り組みの概要を以下に示します 区名東灘区灘区中央区兵庫区 各区の取り組み ( その1) 取り組み 身近な自然をまもり親しむ まちの自然を守り 育てる 住吉川などで多様な生物が生息できるよう川の環境を守り育て 水と親しむ活動を続けていきます 花や緑を増やす努力をしていきます まちにうるおいを与えるように街路樹を管理 整備していきます 山に親しむ イノシシの生態を理解し 関わり方を考えます アライグマなどの特定外来生物の被害防止に努めます 生物の生息する場所を守り 希少生物を保護するなど 生物多様性の保全に努める < 取り組み例 > 住吉川清流の会が行う美化活動や環境保全活動の支援 市民花壇の推奨 イノシシの餌付けの規制及び人に危害を加えるイノシシの捕獲 豊かな自然と歴史 文化を生かしたまちづくり [ 重点施策 ] 山や川などの豊かな自然を守り育てる 歴史 文化を生かしたまちの活性化と魅力資源の発信 < 取り組み例 > 六甲山 摩耶山における自然保護 環境整備活動の推進 エコツーリズムの推進 都賀川の清掃活動の推進 区の花を活かしたまちづくり 桜の回廊の実現 自然教室等の開催支援 イノシシ等有害鳥獣の被害対策の推進 身近な自然と文化がいきづくまちづくり 自然や文化に触れ合い 大切にしながら生活できる都市環境づくり ( 身近な山のウォーキングルートの活用 区全体のウォーキングルートネットワークの整備 地域のコミュニティとの協力のもと美しい海と山 河川を守り身近に親しむイベントの実施 ) 健康で心豊かに暮らせるまちづくり 人と動物が快適に過ごすことのできる 動物と共生するまちづくり ( 野生動物に関する苦情 相談に対応できる体制の充実 野生動物とのかかわり方の啓発 ) < 取り組み例 > 河川愛護団体 布引 市ケ原を美しくする会 の活動支援 野生動物とのかかわり方の啓発を含めた有害鳥獣対策 個性を活かした地域づくりを進める 身近な自然の保全 活用 地域資源の連携促進 まちの魅力発信 兵庫運河の新たな活用 美しいまちひょうごを育てる 兵庫区民まちかどクリーン作戦の推進 < 取り組み例 > 兵庫運河の適正な保全と活用を進めるため 兵庫運河活性化会議 での活動支援 66

71 第 4 章行動計画 区名北区長田区須磨区 各区の取り組み ( その2) 取り組み 美しいまちの推進 美しいまちづくり クリーン作戦のさらなる推進 花や緑にふれあう機会の創出 豊かな自然を守り育てる 環境保全への取り組み マナー モラルの向上 北区の魅力の活用と情報発信 自然や歴史とふれあい 自然や歴史とふれあうイベントの開催 農村景観の保存 活用 農 の活用 都市部と農村の交流 農業の活性化 情報の発信 < 取り組み例 > 地域主体のクリーン作戦の拡充 ハミング広場 市民花壇などの支援 山田川クリーン作戦など河川愛護活動の支援 ドライバーぽい捨て対策事業 ハイキングの開催支援 茅葺きを取り巻く農村景観の保存 活用 農業体験イベントの開催 特定外来生物 有害鳥獣被害対策 ハイキングマップの作成 自然 自然を生かしたうつくしいまち長田 長田のまちは 狭い市街地にたくさんの住宅のほか色々な商店や工場が軒を連ねたまちで 古くから神戸の代表的な下町地域とされ 他の区に比べて 花や緑 美しい景色が少ないまちです このような環境のもと 長田の地域力を生かした効果的なソフトの取り組みを工夫し まちの自然を生かしたうつくしいまち長田をつくります < 取り組み例 > ゴーヤによる 緑のカーテン づくりを区域全体に普及させる 自然にかかわる活動を通じて地域内の協働と交流を推進するとともに他区 他都市との交流の場づくりを行う 花と緑そして水に囲まれた美しいまち 恵まれた自然環境を区民自らの手で守り育て 次世代に伝えていくとともに 区民同士 区民と行政が連携した活動を通して 豊かな自然環境がいきづくまち づくりを進める 地域における環境意識を高めるため 協働による美化活動やマナー モラルの向上に取り組み 次世代に誇る 環境にやさしいまち づくりを進める 区民 事業者 行政の協働による飾花 緑化活動を実施し 花と緑にあふれる潤いあるまち の実現に取り組む < 取り組み例 > 自然愛護団体のゆるやかな連携組織である 須磨 FRS ネット との協働による自然環境保全の啓発活動 三位一体環境行動須磨プロジェクト ( 須磨エコアスロン 須磨環境サミット 須磨環境塾 ) の実施 催しや講演会などの実施による ごみの分別や3Rの推進の啓発活動 須磨海岸や妙法寺川をはじめとする各種クリーン作戦の実施 区の花 木を中心とした 花と緑に親しむ取り組み 区民との協働による飾花誘導によるおもてなし 67

72 第 4 章行動計画 区名垂水区 西区 各区の取り組み ( その3) 取り組み 水辺空間の活用 河川や海岸などにおける清掃活動を充実させるとともに水質改善に取り組むことにより 多様な生物が生息する水辺空間の形成目指す 稚魚の放流などのイベントの実施 親水施設への生きものの説明看板の設置など 区内にある多くの水辺空間を活かして 区民が水辺に親しめる機会づくりを進める 区の花ゼラニウムの活用など美緑花の推進 花の名所や街道の充実を図るとともに 気軽に花や緑と触れ合う機会づくりを進める < 取り組み例 > 水辺空間の活用 区内の海岸や河川の一斉清掃の実施 アジュール舞子でのヒラメの稚魚放流 区の花ゼラニウムの活用など美緑花の推進 花の名所づくりの拡充 区の花 ゼラニウム による飾花の推進 交流が生み出す活力あるまちづくり 農村部の緑豊かな自然を活かし 西区の魅力を発信する 都市と農村との交流 自然と共生した美しいまちづくり 田園や河川敷といった恵まれた自然環境を守り 美しいまちづくりを進めるため 次の事業に取り組む 河川愛護活動 里づくり活動の支援 花のあるまちづくり マナーアップの取り組み ごみのないまちづくり < 取り組み例 > 交流が生み出す活力あるまちづくり 地域間交流 農 に関する情報発信 西区魅力発見ツアー 自然と共生した美しいまちづくり 川とふれあう機会づくり 水辺保全活動の支援 里づくりの推進 地域特性の発掘 花絵花壇 まちなかの飾花 区の花 なでしこ の飾花活動の推進 不法投棄の防止 クリーン作戦 68

73 第 4 章行動計画 3 市民 事業者 農林漁業者 市民団体の取り組みここでは 市民 事業者 農林漁業者 市民団体の取り組み例を紹介します 一人ひとりが できることから始めましょう これらの取り組み例については 今後 さらに情報の収集に努め 市民 事業者向けの行動指針や市民団体向けの配慮指針などを作成し 普及啓発を図っていきます (1) 市民の取り組み例 生物多様性の保全に関する市民の取り組み例 1 普段の生活での取り組み 自宅では庭 生垣 ベランダ 壁面などを利用して緑化に努めましょう 緑化植物は在来種を中心に 生きものを呼び込める種 ( 蝶の食草 食樹 実のなる樹木 ) を選びましょう 河川 ため池 海などの水域を排水等で汚さないようにしましょう 自然と触れ合う機会を設け 自然環境や生きものへの理解を深めましょう 毒性の強い殺虫剤など 生態系に悪影響を及ぼす物質を使わないようにしましょう 野生鳥獣が人間の生活圏に立ち入らないよう ゴミ捨てのマナーなどを守りましょう ペットは最後まで責任を持って飼育し 捨てたり放したりするのはやめましょう 国内産の農水産物の購入 消費に努めましょう 地産地消を心がけましょう ふぞろい野菜も積極的に食べましょう 国内産の木材の使用に努めましょう 間伐材を利用した製品を使うよう心がけましょう 環境に関心を持ち 環境をよくするために自分自身や家庭でできることから取り組みましょう 2 自然の中での取り組み 動植物の過度な捕獲や採取はやめましょう 特に貴重種の採取等は慎みましょう ごみを捨てたり 釣り糸や釣り針などを放置しないようにしましょう 野生鳥獣にはエサを与えないようにしましょう 外来種を放さないようにしましょう 生態系に影響を及ぼす恐れのある他地域からの動植物の放流や移植はやめましょう 3 保全活動や観察会等への積極的な参加 森林の手入れに積極的に参加しましょう 学校や公園などでのビオトープづくりやその維持管理に積極的に参加しましょう 市や市民団体等が開催する観察会に参加して 身近な自然への理解を深めましょう 地域で行う環境保全活動に関心を持ち 積極的に参加して交流を図りましょう 生きものに関する情報を積極的に収集発信しましょう 身近な生きもの調査などに参加し 自然への理解を深めましょう 学校で行われる自然観察会などに積極的に参加しましょう 自然体験の機会を持ち 自然への理解を深めましょう 自然観察会等の地域の自然を知る機会があれば参加し 地域の実情を学びましょう エコツーリズムに積極的に参加しましょう コラム 29 環境ラベル 認証制度マーク 生物多様性に配慮した製品を選ぶ際の参考として 環境ラベルや認証制度マークがあります 1996 Forest Stewardship Council A.C. など 神戸市内で環境保全に配慮して生産された野菜で 神戸ブランド野菜推進委員会が認定しています 兵庫県内産の農産物 畜産物 水産物及び加工食品で 安全 安心 かつ 個性 特長 があり 兵庫県が認証しています このマークがついている製品は適切に管理されている森林からの木材を使っています 適切に管理された森林とは FSC の規定に従い 独立した機関により認証された森林を指します 間伐や間伐材利用の重要性等を PR し 間伐材を用いた製品を表示する間伐材マークの適切な使用を通じて 間伐推進の普及啓発及び間伐材の利用促進と消費者の製品選択に資するものです 持続可能で適切に管理され 環境に配慮した漁業を認証する制度で 海洋管理協議会が定める基準に基づき 漁業を第三者認証機関である DNV が認証しています 69

74 第 4 章行動計画 (2) 事業者の取り組み例 生物多様性の保全に関する事業者の取り組み例生物多様性企業方針などを定め 取り組みの体制を整備して全社的に取り組みましょう 1 事業活動に基づく取り組み 生物多様性の保全と持続可能な利用に配慮した原材料の確保や商品の調達 製造 販売 排水等により水域を汚すことがないように注意しましょう 生態系に悪影響を与える化学物質の使用を控えましょう 海外からの生きものの輸入は法規制を遵守するとともに ペットの飼育に関する規則を市民に理解してもらうよう周知しましょう ( ペット産業 ) 開発行為にあたっては 地域の生態系に重大な影響を及ぼさないよう 計画段階から十分な検討を行いましょう 国内産の農林水産物を使用するよう努めましょう 間伐材の有効利用を図りましょう 遺伝資源の利用にあたっては 遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS) に関する名古屋議定書に基づき 国際ルールを遵守しましょう 2CSR に基づく取り組み 工場 事業場等では 在来種を用いた敷地内の緑化 ( 屋上 壁面緑化などを含む ) に努めるとともに 遊休地を活用したビオトープづくりを推進しましょう 地域の里山の定期的な管理や 持続可能な利用を支援しましょう 農家と都市住民が交流できる機会づくりを支援しましょう 植林や森林の手入れを支援しましょう 生物多様性の保全のために活動する人々や団体 公共団体等との情報交換や連携した取り組みに参加しましょう 市民団体等が主催する自然環境調査や研修会等に積極的に参加し またそのような活動を支援しましょう 企業として環境保全活動に参加するとともに 積極的に多様な主体との交流を図りましょう 事業所で行っている環境保全活動を公表しましょう インターネット等を活用して 生物多様性に関する情報の収集 発信と交流に努めましょう 自然環境調査などの行事に社員を積極的に参加させましょう 従業員等が行う自然環境保全活動を積極的に支援しましょう 市などが企画する自然環境教育に協力していきましょう 保全活動に携わる人材の育成や保全活動団体等を支援しましょう エコツーリズムに積極的に関与していきましょう 取り組み事例 神戸製鋼グループ 神戸総合技術研究所では 敷地内のほぼ中央にビオトープを設置しているほか コベルコシステム は 六甲山の自然の恵みを守り 育てる活動として 林内の下草刈り 間伐 倒木 腐朽木の除去 調査 観察会等を実施するなど 森づくりの取り組みを行っています 地域交流施設として設立した 灘浜サイエンススクエア では ビオトープで絶滅危惧種のカワバタモロコやイヌタヌキモを保全しているほか 灘浜サイエンススクエアの自然教室 として ビオトープの生きものや六甲山の土壌生物の観察会などを開催し 子供たちの環境学習に役立っています 灘浜サイエンススクエア は 財団法人都市緑化基金の 生物多様性保全につながる企業のみどり 100 選 に選ばれています 灘浜サイエンススクエア 取り組み事例 生活協働組合コープこうべ 創立 70 周年を記念して 1992 年に コープこうべ環境基金 を設立し 兵庫県内の自然保護とそれに関する啓発活動を行う団体への支援が行われています これまで のべ 393 件 5,192 万円の助成が行われています ( 平成 21 年度の募集内容 ) A. 実践活動部門 兵庫県内での自然環境保護活動 あるいは自然環境保全のための啓発活動 (5~20 万円程度を助成 ) B. 自然環境保全に向けた実証的調査 研究部門 兵庫県内の適切な自然環境保全促進のために行う 実証的調査 研究 (50 万円を上限に助成 ) そのほか マイバッグ運動のレジ袋代金の一部を活用し 2008 年度から 10 年間かけて 西宮市にある社家郷山 ( しゃけごうやま ) の森林整備と 現地での環境学習 活動が予定されています 今後は NPO 法人こども環境活動支援協会 兵庫県森林組合連合会とも連携して取り組みをすすめていく予定になっています 環境のとりくみ 70

75 第 4 章行動計画 取り組み事例 住友ゴムグループ 2008 年度から 未来を植える! どんぐりプロジェクト をスタートさせ どんぐりの実を拾い集めて工場内で育てた苗木を周辺地域に植栽したり より多くの地域に苗木を提供することで 全国各地の 郷土の森づくり を通して地域の輪を広げることを目指す取り組みが行われています CSR 活動基本理念のガイドラインの一つに Green ( 緑化 ) を掲げて 国内外の拠点や周辺地域の緑化活動を推進しており 創業 100 周年を機に 2009 年度から開始した 100 万本の郷土の森づくり プロジェクトは 世界各地の事業所やその周辺地域において 今後 20 年間で 100 万本の木を植えるというプロジェクトで 現在計画を上回るペースで進行しています 国内の事業所では 事業所外の周辺地域へも緑化活動地を拡大し GENKI の森 と命名して活動を広げており 2009 年度は 六甲山の渦が森 GENKI の森 ( 約 4ha) で植樹に向けた草刈り 笹刈り 2010 年度には第 1 回植樹活動が行われました 取り組み事例 シスメックス株式会社 約 72,000m 2 という広大な敷地の過半を庭園とし 豊かな緑を地域に提供しています 庭園内には周辺の植生を考慮したうえで 100 種類を超える多様な植栽を施し 池やせせらぎを各所に配置しビオトープを設けることで 修景的な庭園であるとともに動植物の生息できる空間づくりをしています シスメックステクノパーク は 財団法人都市緑化基金の 生物多様性保全につながる企業のみどり 100 選 に選ばれています コラム 30 SEGES( 社会環境貢献緑地システム ) の認定制度 SEGES( シージェス : 社会 環境貢献緑地評価システム ) は 貢献度の高い優れた緑を評価認定する いわば 緑の認定 です 良好に維持管理されている身近な緑は 環境を保全し 潤いと安らぎのある美しいまちづくりに貢献します SEGES では 企業などが積極的に保全 維持 活用に取り組む優良な緑地を認定しています 2005 年より運用してきたこれまでの SEGES は 良好な維持管理により ずっと続いていく そだてる緑 の SEGES といえるのに対し 新たに 都市開発の際に緑を保全 創出する優良な計画を評価する つくる緑 の SEGES を設け 2008 年に制度のトライアルとしての認定が始まりました SEGES の審査には 緑地が社会や環境にどう貢献しているかを的確に評価できるように定めた基準を用います 審査基準は都市緑化基金と専門家による調査研究から開発された独自のもので 3 つの原理と 8 つの原則からなるものです 審査員は原理 原則 基準に照らして現地審査をおこない 将来性評価を含めて総合得点を算出します それを評価委員会で客観的かつ公正に審議して 評価結果を出し 相当する認定ラベルを発行します (3) 農林漁業者の取り組み例 生物多様性の保全に関する農林漁業者の取り組み例 ため池の堤体や畦畔の草刈りを定期的に行い 良好な環境の維持に努めましょう 水田では環境にやさしい米作りを行い 水田環境に暮らす動植物の生息 生育環境に配慮しましょう 不耕作地は放置せず 飼料稲や野菜など多様な品目の栽培を進めましょう また 栽培が困難な山間棚田などの不耕作地はビオトープとして活用するなど 湿地環境の維持 再生に努めましょう 有機 特別栽培などの環境保全型農業を推進しましょう 間伐等の森林の適切な整備 保全に向けた持続的な林業活動を行いましょう 海底耕耘や乱獲防止などに努めましょう 取り組み事例 農林漁業者の取り組み 多くの人に安全な野菜を食べてもらうため たい肥などで土づくりをして 農薬や化学肥料をできるだけ使わない野菜栽培が進められています このような方法で作られた野菜は こうべ旬菜 と名づけられて 目印として 菜菜 [ なな ] ちゃん マークが付けられています こうべ旬菜 は 平成 13 年 (2001 年 ) から学校の給食でも使われています 市内で農業を営む者で 卓越した農業技術を有し 優秀な経営を実現している農業者を 神戸アグリマイスター として認定しています その活動を支援することにより 農業の理解促進や担い手の育成 確保等を図ることを目的としており 2006 年度から毎年 1 名 ~2 名程度が認定されています 神戸アグリマイスターは 食育の推進や後進の育成などの役目を担っており 学校教育の場での活躍も期待されています 漁業協同組合などにより 漁業デーやお魚ふれあいフェアー 魚のつかみ取りなどの行事が行われ 水産物の販売などにより市民が漁業に親しめるような取り組みが行われています 71

76 第 4 章行動計画 (4) 市民団体の取り組み例 取り組み事例 奥須磨公園にトンボを育てる会 奥須磨公園は多畑厄除神社の東側に隣接し 自然林 7 個所のため池 棚田跡 流れ草原等 豊かな自然を残して整備された公園です 公園には 54 種のトンボをはじめホタル等の昆虫やカワセミ コゲラ等の鳥など多様な生き物が生息しています 平成 5 年に公園に生き物の環境保全を目的に地元住民により 奥須磨にトンボを育てる会 が結成され トンボ池の保全 ホタル幼虫の放流 トンボ祭りの活動などが継続して行われています 取り組み事例 住吉川流域連絡協議会 住吉川流域の 4 つの市民団体が組織し 森 ~ 川 ~ 海を一体とした自然再生に取り組んでいます 毎年 3 月と 9 月には 森 川 海での活動報告と住吉川流域の自然再生に向けた講演会を開催しています 森の活動 ( 五助の森づくり ) 川の活動 ( アユの棲みやすい川づくり ) 海の活動 ( 里海づくり ) が行われています 取り組み事例 ドングリネット神戸 阪神 淡路大震災をきっかけに 樹木が防災面でも また精神面でも大いに我々を救ってくれることを知りました その街の緑の復興と新生に 市民ひとりひとりが積極的に しかも楽しみながら係われるシステムの提供として ドングリ銀行神戸 を開設し ドングリを拾って預けたり 苗木を育てたりして 新しい街の緑づくりに参加できるようにしました ドングリをお金に見立て 実際の銀行と同じように預けてもらい 苗木で払い戻します 参加方法は 預ドングリ者 の他 プラントマスター として苗木を育て 提供する方法があります また 団栗応援団 に入会して 財政支援という形で参加することもできます コラム 31 生きものの放流 移植における問題点 子どもたちの自然体験学習や地域おこしの一環として 各地で行われているホタルやメダカなどの生きものの放流 移植については 遺伝子の攪乱などの問題が指摘されており 正しい知識の普及が課題となっています 1 遺伝子の撹乱 遺伝子 とは 簡単にいえば生きものの形や特徴を決める 親から子に受け継がれるもので 全ての生きものが持っています 同じ種でも遺伝子が多様であることで 環境の変化や病気の蔓延などによって種が絶滅するのを防いでいます 生きものには 長い自然の歴史を経た 地域ごとに特有の遺伝的多様性 ( 地域異変 ) があります 飼育個体や外国産個体などを人為的に放流や移植することによって 元々 そこに生息 生育していた個体と交雑を起こす可能性があり 地域固有の生態的 形態的な特性が失われる恐れがあります 例 : ホタル メダカの放流 2 生息 生育環境の減少 悪化や生態系の撹乱 生きものは様々な生きものや環境と関わりながら 生息 生育しています そのため その場所の環境に許容される範囲でしか生息 生育できません 人為的に大量の個体を放流 移植することで 元々 そこに生息 生育していた個体の環境を悪化させる恐れがあります 生態系の上位に位置する個体群の放流や移植は 放流 移植先の生態系下位の個体群の減少や消失などを引き起こし 生態系に大きな影響を与える恐れがあります 例 : ホタル コイの放流 3 成長 繁殖障害や病原菌の蔓延 ゲンジボタルの餌としてカワニナの稚貝と区別の難しい外国産のコモチカワツボという貝がカワニナと一緒に持ち込まれる場合があり この貝を食べたゲンジボタルは成育 繁殖障害の発生が報告されています このように 本来の餌の代わりとして類似した種 ( 外国産含む ) を放流 移植することは それを捕食した生態系上位種の成長や繁殖を阻害する恐れがあります 飼育 繁殖した個体が病原菌を保持していた場合 放流 移植した地域の個体群に病原菌が蔓延し 個体群が減少 消失する恐れがあります 例 : コモチカワツボ コイの放流 72

77 エコタウンまちづくりごみ減量リサイクル調地球温暖化防止部会リーン購入部会整推進部会推進部会部会ISO生物多様性部会推進部会第 5 章推進体制と進行管理 第 5 章推進体制と進行管理 1 神戸プランの推進体制 (1) 多様な主体の連携による推進市民 市民団体 事業者 大学 研究機関 教育関係者 関係機関 神戸市などが 生物多様性の保全に関する活動の内容や人的 資金的な支援などに関する情報を共有し 情報交流できる場として ホームページ上に ( 仮称 )KOBE 生物多様性プラットホームを立ち上げます 神戸プランの進捗状況などに関する情報を共有し 意見交換を行える場としても活用します 図 5-1 生物多様性プラットホームのイメージ ( 図 ) (2) 庁内推進体制生物多様性に係わる庁内の関係部署の連携により神戸プランを総合的に推進するため庁内推進体制を整備します このため 市長を本部長に市の全局室区長で構成する地球環境保全推進本部の下に新たに生物多様性部会を設置します 地球環境保全推進本部の組織図および部会の所管事項を以下に示します 神戸市地球環境保全推進本部組織図 神戸市地球環境保全推進本部 ( 全局室区長 ) 本部長 : 市長副本部長 : 副市長 同幹事会 ( 全庶務担当課長 ) グ部会 生物多様性部会 所管事項 (1) 神戸プランの推進及び進行管理に係る検討 連絡調整 (2) 神戸プランの改定に係る検討 連絡調整 73

78 第 5 章推進体制と進行管理 2 PDCA による進行管理 (1) 多様な主体の協働による進行管理多様な主体の協働により神戸プランの進行管理を行うため 学識経験者 市民 市民団体 事業者 神戸市などで構成する 神戸プラン進行管理委員会 を設置します 進行管理委員会は 市民の意識や市民団体 事業者 行政などの取り組み状況 数値指標などをもとに 神戸プランの進捗状況を総合的に評価し 取り組みの改善 強化等に関する審議を行います 神戸プランの進捗状況や成果 課題 今後の対応などを ( 仮称 )KOBE 生物多様性プラットホーム を通じて発信するとともに わかりやすくまとめて公表します 図 5-2 進行管理のイメージ図 (2) 進行管理に用いる数値指標 目標神戸プランの進捗状況を客観的に把握 評価するため 進行管理に用いる数値目標及び目標値を次ページのとおり設定しました コラム 32 モニタリングサイト 1000 日本列島の多様な生態系のそれぞれについて 環境省では全国にわたって 1000 か所程度のモニタリングサイトを設置し 基礎的な環境情報の収集を長期にわたって継続して 日本の自然環境の質的 量的な劣化を早期に把握しています 自然性の高い森林 多様な在来生物が生息する里地里山 人為改変が進められてきた河川 湖沼 海岸 豊かな生物相を育む干潟 藻場 サンゴ礁など それぞれの生態系タイプの特性を踏まえて調査サイトを設置し 各タイプの調査手法によるモニタリングが継続して行われています 神戸市には垂水区つつじが丘の 小川フィールド にサイトが設置され マナビィ生き物探検隊により植物 鳥類 蝶類の調査が行われています 74

79 第 5 章推進体制と進行管理 表 5-1 数値指標等一覧 No. 指標 目標 何を把握するための指標か 指標の調査方法 評価期間 備考 今は見られない神戸の生きものの種数 希少種の生息 生育環境の 神戸版レッドデータ 2010 森林 田園 1 現状 49 種状況のフォローアップ調査 ( 環河川 海岸 目標 これ以上増やさない 種の多様性境局 ) など 2020 年 概ね 5 年ごと 市民参加型生物多様性モニタリングの生きもの確認種数 目標 4,000 種 ( 累計 ) 2015 年 水生生物の確認種数 目標 中長期的に見て種数を減少させない 2020 年 生物多様性に関する市民 (20 歳以上 ) の認知度 現状 言葉を知っている 67.8% 意味も知っている 33.0% 目標 言葉を知っている 100% 意味も知っている 60% 2020 年 生物多様性保全方針などの方針を定めて取り組んでいる企業の数 現状 3 社 目標 30 社 2020 年 森林の間伐等保全 育成面積 ( 市有林 ) 現状 30~50ha/ 年 ( 人工林の間伐のみ ) 目標 150ha/ 年 2015 年 永続性のある緑地の面積 ( 市街化調整区域における みどりの聖域 や 人と自然との共生ゾーン 等における主に地域制緑地と 市街化区域における公園緑地等と施設緑地の総和 ) 現状 35,000ha 目標 35,000ha 以上 2025 年 耕地利用率 ( 延作付面積 / 耕地面積 ) 現状 76.9% 目標 78% 2015 年 こうべ版 GAP に取り組む農家の登録人数 ( 累計 ) 現状 282 人 目標 350 人 2015 年 新たな栽培試験の魚種数 目標 3 種 2015 年 まち中における緑の面積の割合 ( 市街化区域における緑で被われた面積の割合 ) 現状 3 割 目標 3 割以上 2025 年 希少種 外来種 指標種等の生息 生育状況 種の多様性 海 河川の種の多様性 種数の中長期的な増減傾向など 市民の意識 ( 生物多様性の浸透度 ) 事業者の意識 取り組み状況 森林の管理状況 森林 田園 市街地などを含めた市域の緑地の総和 保全管理田や休耕田などの耕作されていない農地の解消 食の安全 安心の取り組み状況 つくり 育てる漁業の取り組み状況 市街地の緑地の状況 モニタリングの実績値( 環境局調査 ) 毎年 水生生物 藻場育成調査( 環境局 ) 毎年 ~4 年ごと アンケート調査 ( 市政アドバイザー 市民 1 万人アンケートの活用など ) 概ね 2 年に 1 回 グリーンカンパニーネットワーク参加企業へのアンケート調査 ( 環境局 ) など 概ね 2 年に 1 回 建設局調査 毎年 建設局調査 毎年 産業振興局調査 毎年 産業振興局調査 毎年 産業振興局調査 毎年 建設局調査 概ね 5 年ごと 森林 田園 河川 海岸 街河川 海域 森林 森林 田園 街 田園 田園 海域 街 75

80 資料編 1 神戸プラン策定の経緯等... 資 1 (1) 神戸プラン策定の経緯... 資 1 (2) 神戸市環境保全審議会委員名簿... 資 2 (3) 神戸市環境保全審議会生物多様性神戸戦略策定に係る専門部会委員名簿... 資 3 (4) 生物多様性神戸戦略策定に係る庁内検討会の構成メンバー... 資 4 2 参考資料... 資 5 (1) 生物多様性基本法 ( 抜粋 )... 資 5 (2) G8 環境大臣会合 神戸生物多様性国際対話... 資 5 (3) 生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10)... 資 6 (4) 生物多様性国際自治体会議... 資 6 (5) 戦略計画 ( 愛知目標 )... 資 6 (6) 遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS) に関する名古屋議定書... 資 7 (7) カルタヘナ議定書 (Cartagena Protocol on Biosafety)... 資 7 (8) 神戸の歴史... 資 8 (9) 神戸の自然共生に関する取り組みの系譜... 資 9 (10) 緑被率... 資 10 (11) 植生の変遷... 資 10 (12) 神戸市域の鳥獣保護区... 資 12 (13) 生きものとふれあえる神戸市内の主な場所... 資 12 (14) 六甲山のブナ... 資 13 (15) 神戸市のため池と貯水池... 資 13 (16) アライグマによる農作物被害... 資 14 (17) 有害獣の捕獲頭数... 資 14 (18) 神戸市内の河川の区分... 資 15 (19) 河川における水質の推移... 資 15 (20) 大阪湾奥部における埋立状況... 資 16 (21) 海域における水質の推移... 資 17 (22) バラスト水の対策... 資 18 (23) 街路樹本数等... 資 18 (24) 野生鳥獣の被害対策事業... 資 19 (25) 野鳥の渡りルート... 資 19 (26) 神戸版レッドデータ 資 20 (27) 神戸市内で今みられない種... 資 22 (28) 海域の水生生物調査結果... 資 22 (29) イカナゴ... 資 23 (30) 市民 市民団体 事業者の意識... 資 23 (31) グリーンカンパニーネットワーク... 資 30 (32) 民間参画ガイドライン... 資 31 (33) 神戸市内で活動する主な市民団体... 資 32 (34) 生物多様性関連の主な取り組みの概要 ( 国 県 市 )... 資 34 (35) 神戸プラン要約版... 資 35

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82 1 神戸プラン策定の経緯等 (1) 神戸プラン策定の経緯 平成 21 年 11 月 5 日 生物多様性神戸戦略策定に係る庁内検討会準備会の開催 平成 21 年 11 月 20 日 ~30 日市民アンケートの実施 平成 22 年 12 月 10 日 生物多様性神戸戦略策定に係る第 1 回庁内検討会の開催 平成 21 年 12 月 24 日生物多様性神戸戦略策定に係る第 1 回専門部会の開催 生物多様性神戸戦略策定の背景 趣旨 生物多様性の現状と課題など 平成 21 年 2 月 7 日 10 日市民団体との意見交換会の開催 平成 22 年 2 月 19 日 生物多様性神戸戦略策定に係る第 2 回庁内検討会の開催 平成 22 年 3 月 9 日生物多様性神戸戦略策定に係る第 2 回専門部会の開催 市民団体との意見交換会の結果 生物多様性の保全及び持続可能な利用の目標 基本方針 市民 事業者 市民団体の行動指針など 平成 22 年 5 月 17 日環境保全審議会専門部会中間報告 平成 22 年 7 月 1 日 生物多様性神戸戦略策定に係る第 3 回庁内検討会の開催 平成 22 年 7 月 15 日生物多様性神戸戦略策定に係る第 3 回専門部会の開催 市の行動計画 重点施策 戦略の推進体制と進行管理など 平成 22 年 9 月企業アンケートの実施 (2 回 ) 平成 22 年 9 月 28 日 生物多様性神戸戦略策定に係る第 4 回庁内検討会の開催 平成 22 年 10 月 14 日 戦略骨子案など 生物多様性神戸戦略策定に係る第 4 回専門部会の開催 平成 22 年 10 月 22 日 ~11 月 22 日戦略骨子案のパブリックコメント募集パブリックコメント募集期間中に延べ12 通 79 件の意見受付 ( パブコメ期間中 ) 市民団体との意見交換会 (11 月 14 日 18 日 ) 平成 22 年 10 月 29 日 ~30 日生物多様性交流フェア ( 神戸市シルバーカレッジ ) 平成 22 年 11 月 12 日生物多様性リレーシンポジウム ( 灘区民ホール大ホール ) 平成 22 年 11 月 22 日環境保全審議会 専門部会中間報告 平成 22 年 12 月 14 日 生物多様性神戸戦略策定に係る第 5 回庁内検討会の開催 平成 22 年 12 月 27 日生物多様性神戸戦略策定に係る第 5 回専門部会 パブリックコメントの結果 市民団体との意見交換会の結果 専門部会報告案( 生物多様性神戸戦略 ( 案 )) 平成 23 年 1 月 19 日 環境保全審議会答申案審議 平成 23 年 1 月 27 日 環境保全審議会長より神戸市長に答申 資 1

83 (2) 神戸市環境保全審議会委員名簿 ( 平成 23 年 1 月末現在, 敬称略 ) 学識経験者 神戸市会 市民代表 事業者代表 労働団体代表 関係団体 氏 名 役 職 備考 池田有光 大阪府立大学名誉教授 石川雅紀 神戸大学大学院教授 大久保規子 大阪大学大学院教授 川井浩史 神戸大学内海域環境教育研究センター長 住野公昭 甲南女子大学看護 リハビリテーション学部教授 会長 中嶋節子 京都大学大学院人間 環境学研究科准教授 中野加都子 神戸山手大学現代社会学部教授 花田眞理子 大阪産業大学人間環境学部教授 K.H フォイヤヘアト 神戸山手大学客員教授 槇村久子 京都女子大学現代社会学部教授 増田啓子 龍谷大学経済学部教授 盛岡通 関西大学環境都市工学部教授 副会長 森本哲郎 神戸市立甲緑小学校長 森本政之 神戸大学大学院工学研究科長 山村充 兵庫県立大学環境人間学部准教授 渡辺信久 大阪工業大学工学部教授 大寺まり子井手康雄 神戸市会議員 菅野吉記 神戸市会議員 浜崎為司岡島亮介 神戸市会議員 本岡せつ子山本じゅんじ 神戸市会議員 吉田基毅橋本健 神戸市会議員 宇津寛 神戸市自治会連絡協議会会長 妹尾美智子 神戸市婦人団体協議会専務理事 竹野伸夫 第 9 期市政アドバイザー 荒木俊光 原剛敏 兵庫県環境保全管理者協会企画委員会副委員長 鐵寛治 新保雅子 生活協同組合コープこうべ理事 村田泰男中西均 神戸商工会議所専務理事 久保正美本多義弘 神戸市労働組合連合会執行委員長 松井信五郎 連合神戸地域協議会事務局長 東利博 環境省近畿地方環境事務所環境対策課長 佐藤啓太郎青山善敬 兵庫県環境担当部長 藤井貞夫 兵庫県瀬戸内海環境保全連絡会副会長 は審議期間中 ( 平成 21 年 12 月 ~ 平成 23 年 1 月 ) に退任された委員 資 2

84 (3) 神戸市環境保全審議会生物多様性神戸戦略策定に係る専門部会委員名簿 学識経験者 (6 名 ) 川井浩史 神戸大学内海域環境教育研究センターセンター長 ( 海洋生態学 ) ( 敬称略 各区分五十音順 ) 神戸市環境保全審議会委員神戸市環境影響評価審査会委員環境基本計画専門部会委員生物多様性ひょうご戦略検討委員 九鬼康彰 京都大学大学院農学研究科 ( 農村計画 ) 助教 人と自然との共生ゾーン審議会景観部会委員 櫻谷保之 近畿大学農学部教授 ( 動物生態学 里山生態学 ) 神戸市環境影響評価審査会委員 武田 義明 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ( 植物生態学 ) 教授 神戸市環境影響評価審査会委員神戸市文化財専門委員神戸版 RDB 検討委員会委員長 中瀬 勲 兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科長 ( 造園学 景観計画 まちづくり ) 科 神戸市緑地審議会委員生物多様性ひょうご戦略検討委員 服部保 兵庫県立大学自然 環境科学研究所 ( 植物生態学 植物社会学 ) 教授 神戸版 RDB 検討委員会委員生物多様性ひょうご戦略検討委員 市民 事業者 関係団体等 (5 名 ) 河合信彦 奥須磨公園にトンボを育てる会 会長 市民の水辺連絡会会員 松尾浩司 木暮朋子 環境省近畿地方環境事務所神戸自然保護官事務所自然保護官 新保雅子 生活協同組合コープこうべ 理事 神戸市環境保全審議会委員 杉山力子垂水区連合婦人会会長 NPO 法人輝たかまる理事長 中根義信 株式会社神戸製鋼所神戸製鉄所担当部長兼環境防災管理室長 神戸地区環境保全連絡協議会会長 部会長 副部会長 は審議期間中 ( 平成 22 年 3 月 ) に退任された委員 資 3

85 (4) 生物多様性神戸戦略策定に係る庁内検討会の構成メンバー 所属関連事項参画推進部市民参画推進局地域活動推進の仕組みづくり 区のまちづくりの支援 協働と参画のプラットホーム地域力強化推進課 産業振興局 建設局 観光コンヘ ンション推進室農政計画課下水道河川部計画課下水道河川部河川課公園砂防部管理課公園砂防部計画課公園砂防部緑地課森林整備事務所 エコツーリズムの企画 運営人と自然との共生ゾーン 環境保全型農業 ため池保全 野生鳥獣保護 外来生物防除せせらぎ水路整備 下水処理場での親水空間整備 活用 アクアプランなど多自然川づくりなど公園の維持管理改良 街路樹 緑地帯の維持管理緑の基本計画 神戸らしい緑化まちづくりプラン 緑の聖域づくりなど公園緑地の調査 設計 神戸震災復興記念公園 国営明石海峡公園の施設整備など森林保護育成調査 計画 工事 市有林維持管理 自然公園施設設計 施工 維持管理など 都市計画総局計画部計画課都市計画マスタープランなど みなと総局東灘灘中央 技術部計画課空港事業室推進課まちづくり課まちづくり課まちづくり推進課 開発に伴う貴重種の移植 保護 臨海部での藻場の造成 管理 エコアップエアポートなど 区 兵庫 まちづくり課 役所 北長田 まちづくり推進課まちづくり課 区のまちづくりの推進 各区計画 NPO 等の支援 須磨 まちづくり課 垂水 まちづくり課 西 まちづくり推進課 水道局技術部計画課水源環境の保全 ( 神戸水道ビジョン ) 教育委員会事務局指導部指導課学校教育に関する諸施策の調査 企画 神出自然教育園 学校ビオトープ 環境局 資源循環部環境政策課環境創造部地球環境課環境創造部環境保全指導課環境創造部環境評価共生推進室 環境基本計画の改定環境教育 学校ビオトープ エコタウン地域支援 市民の水辺 里山保全団体支援 自然環境保全水生生物調査 藻類移植調査 メダカの棲む水環境づくりなど ( 事務局 ) 生物多様性神戸戦略策定 環境影響評価など オブザーバ神戸市立森林植物園植物園の運営 管理 入園者へのサービス提供 自然保護に係る啓発活動などー企画調整局デザイン都市推進室デザインを活かしたまちづくり 建設局王子動物園施設の管理 動物の展示 飼育 繁殖 研究 入園者へのサービス提供など 水族園の運営 管理 入園者へのサービス提供 絶滅危惧種の繁殖研究 自然保護に係る啓神戸市立須磨海浜水族園発活動 ( 備考 ) オブザーバーは平成 22 年 7 月 1 日より参画 庁内検討会の開催経緯平成 21 年 11 月 5 日 ( 木 ) 庁内検討会 ( 準備会 ) の開催平成 21 年 12 月 10 日 ( 木 ) 第 1 回庁内検討会の開催平成 22 年 2 月 19 日 ( 金 ) 第 2 回庁内検討会の開催平成 22 年 7 月 1 日 ( 木 ) 第 3 回庁内検討会の開催平成 22 年 9 月 28 日 ( 火 ) 第 4 回庁内検討会の開催平成 22 年 12 月 14 日 ( 火 ) 第 5 回庁内検討会の開催 資 4

86 2 参考資料 (1) 生物多様性基本法 ( 抜粋 ) 生物種の減少や絶滅 外来種の侵入など 生物多様性に関する国際的な関心の高まりを受けて 平成 20 年 6 月に 生物多様性基本法 が公布 施行されました 生物多様性基本法 第 13 条では 都道府県及び市町村は生物多様性地域戦略を定めるよう努めなければならない と規定されています 生物多様性基本法 ( 抜粋 ) ( 地方公共団体の責務 ) 第 5 条地方公共団体は 基本原則にのっとり 生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し 国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し 及び実施する責務を有する ( 生物多様性地域戦略の策定等 ) 第 13 条都道府県及び市町村は 生物多様性国家戦略を基本として 単独で又は共同して 当該都道府県又は市町村の区域内における生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画 ( 以下 生物多様性地域戦略 という ) を定めるよう努めなければならない 2 生物多様性地域戦略は 次に掲げる事項について定めるものとする 一生物多様性地域戦略の対象とする区域二当該区域内の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する目標三当該区域内の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し 総合的かつ計画的に講ずべき施策四前三号に掲げるもののほか 生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 以下省略 (2) G8 環境大臣会合 神戸生物多様性国際対話平成 20 年 5 月に神戸市で G8 環境大臣会合が開催され 日本が表明した 神戸 生物多様性のための行動の呼びかけ の実施のための日本の取り組み に基づき 民間企業や NGO 研究者 政府 国際機関を含む様々な関係者間の情報交換や議論 協力を促進するための 神戸生物多様性国際対話 が 平成 21 年 10 月に開催されました 神戸 生物多様性のための行動の呼びかけ 概要 2010 年目標の達成とフォローアップ行動 ポツダム イニシアティブ の 10 の活動の実施を奨励 生物多様性国家戦略 行動計画 (NBSAP) の策定 実施に向けた国際的な協調の推進 地球規模生物多様性概況第 3 版 (GBO3) 作成 発行のための国際的な協調の推進 ポスト 2010 年目標策定を含めた 2010 年目標のフォローアップのオプション検討のための対話プロセスの開始 生物多様性の持続可能な利用 日本の里山をモデルとした持続可能な自然資源管理様態の検討による生物多様性の保全と持続可能な利用の促進 (SATOYAMA イニシアティブ ) 違法伐採及び関連の貿易への対処による持続可能な森林経営の推進と途上国の森林減少 劣化に由来する温室効果ガスの排出の削減 生物多様性と保護地域 保護地域の指定 管理推進のための協調の強化 生物多様性の保全上 世界的に重要な生態系のネットワーク化 生物多様性条約における保護地域作業計画の実施の促進 サンゴ礁生態系の重要性に関する人々の意識向上のための 国際サンゴ礁年 :2008 を歓迎 民間参画 ビジネスセクター NGO 研究者を含む様々な利害関係者の間の対話の場の強化 民間セクターとのパートナーシップの成功事例に関する情報交換の拡大を通じた 社会における生物多様性の概念の主流化 企業の社会的責任 (CSR) の奨励 生物多様性の持続可能な管理への民間投資の促進 生物多様性のモニタリングのための科学の強化 気候変動の影響も観測できるような生物多様性のモニタリング 評価 情報共有に関する世界的な協力の推進 神戸生物多様性国際対話 の本会議は 平成 22(2010) 年に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10) の 1 年前にあわせて開催されたもので 生物多様性の保全と持続可能な利用にかかる民間企業の参画について 取り組みに関する事例を踏まえ これまでの進展の状況及び今後一層推進するための課題について議論が交わされました また 2010 年目標 ( 現在の生物多様性の損失速度を 2010 年までに顕著に減少させる という目標 ) の評価について総括するとともに ポスト 2010 年目標の設定と実施のあり方について議論が行われました さらに 会合を通じて議論された成果を 来年の COP10 に向けて開催される様々な関連会合の場を通じて幅広く情報共有していくことで合意がなされました 神戸市もこの趣旨に賛同し 会場内において行われたポスターセッションに出展しました 資 5

87 (3) 生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10) 生物多様性条約は 多様な生きものやその生息 生育環境を守り その恵みを将来にわたって利用するために結ばれました 平成 22 年 (2010 年 ) は国連の定めた 国際生物多様性年 で 10 回目の締約国会議 COP10 が名古屋市で開催されました ( COP(Conference of the Parties) : 国際条約を結んだ国が集まる会議 ( 締約国会議 ) のこと ) < 開催期間 > 平成 22 年 (2010 年 )10 月 18 日 ( 月 )~29 日 ( 金 ) < 開催場所 > 会場 : 名古屋国際会議場 ( 名古屋市熱田区 ) < 主催 > 生物多様性条約事務局 ( カナダ モントリオール ) 開催国 ( 日本政府 ) は議長国として協力 < 参加者数 > 約 13,000 名 (179 の締約国 関連国際機関 NGO など ) 過去最大となる約 350 のサイドイベントが開催され 隣接する会場では 生物多様性交流フェア が開催され 11 万 8 千人を超える人が参加しました < 主な成果 > 新戦略計画 愛知目標 ( ポスト 2010 年目標 (2011~2020 年 )) の採択 遺伝資源のアクセスと利益配分 (ABS) に関する名古屋議定書の採択 資金動員戦略の採択 持続可能な利用 ( ブッシュミート ( 食用の野生鳥獣等 ) の適正な利用 アジスアベバ原則 ガイドラインの実施 SATOYAMA イニシアティブの推進などを含む決定が採択 ) そのほか バイオ燃料 海洋と沿岸 気候変動と生物多様性などに関することが決定されました (4) 生物多様性国際自治体会議平成 19 年 (2007 年 )3 月 前年に COP8 が開催されたブラジルのクリチバ市において 都市と生物多様性に関する 地方自治体による初めての会議が開催され 生物多様性の保全には地方自治体が中心的な役割を果たす必要があり 都市の生物多様性を保全するために地方自治体の参画が必要である とのクリチバ宣言が採択されました その後 平成 22 年 (2008 年 )5 月の COP9 の関連会議として 都市と生物多様性国際市長会議 がドイツのボン市で開催され 都市の役割を認識し 都市の生物多様性保全への取り組みを支援するよう締約国に要請すること などが宣言されました また COP9 においては 都市や地方自治体の参画促進を呼びかける初めての決議が採択され 生物多様性条約実施のために都市や地方自治体が果たす役割について国際的な認識がなされました これらの流れを受けて 愛知県名古屋市において COP10 の開催期間中の 10 月 24 日 ~26 日に 生物多様性国際自治体会議が開催されました 神戸市は 矢田市長が会議に参加し 分科会のセッション ( テーマ : 自治体による生態系サービスの活用 ) において 人口 150 万人規模の大都市でありながら 六甲山や瀬戸内海 里地里山をはじめとした豊かな自然環境を有する神戸市がこれまで取り組んできた 六甲山の砂防植林 みどりの聖域 市民参加の森づくり 市民の水辺活動 神戸空港における環境創造事業 次世代への自然環境教育 生物多様性神戸戦略 の策定などについて発表しました (5) 戦略計画 ( 愛知目標 ) ビジョン ( 中長期目標 (2050 年 )) 自然と共生する (Living in harmony with nature) 世界ミッション ( 短期目標 (2020 年 )) 2020 年までに 回復力があり また必要なサービスを引き続き提供できる生態系を確保するため 生物多様性の損失を止めるための効果的かつ緊急の行動を実施する 20 の個別目標 戦略目標 A: 生物多様性の損失の根本原因に対処する目標 1: 人々が生物多様性の価値を認識する 目標 2: 生物多様性の価値を政府の計画に組み込む 目標 3: 生物多様性に有害な措置を廃止し 正の奨励措置が策定 適用される 目標 4: 全ての関係者が計画を実施する 戦略目標 B: 生物多様性への直接的な圧力を減少させる 目標 5: 森林を含む自然生息地の損失速度を減らす 目標 6: 水産資源が持続的に漁獲される 目標 7: 農業 林業が持続可能に管理される 目標 8: 汚染が有害でない水準まで抑えられる 目標 9: 外来種が制御され 根絶される 目標 10: 気候変動その他の人為的な悪影響を最小化する 戦略目標 C: 生物多様性の状況を改善する目標 11: 少なくとも陸域の 17% 海域の 10% が保護地域等により保全される 目標 12: 絶滅危惧種の絶滅が防止される 目標 13: 作物 家畜の遺伝子の多様性が維持される 戦略目標 D: 生物多様性から得られる恩恵を強化する 目標 14: 生態系が保全され 自然の恵みが享受される 目標 15: 生態系が気候変動の緩和と適応に貢献する 目標 16:ABS に関する名古屋議定書が施行 運用される 戦略目標 D: 能力開発などを通じて条約の実施を強化する 目標 17: 効果的で参加型の国家戦略を策定する 目標 18: 伝統的知識が尊重される 目標 19: 関連する知識 科学技術が改善される 目標 20: 戦略計画の効果的実施のための全てのソースからの資金の動員が現在のレベルから大幅に増加する 資 6

88 (6) 遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS) に関する名古屋議定書生物多様性条約には 1 生物多様性の保全 2 生物多様性の構成要素の持続可能な利用 3 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分という三つの目的があります この三つ目の目的については 生物多様性に富む国々からの提案が反映されて 資源としての生きものがそれぞれの国の主権に基づく権利に属することが確認されています 各国はそれぞれの考え方に基づき 自国内の遺伝資源の利用を規制することができます その際 利用者は遺伝資源の利用から生ずる利益を資源提供国に配分することが条約の目的の一つとして掲げられています この利益配分は 本来 保全と持続可能な利用にインセンティブを与えることが想定されて取り入れられています しかし 遺伝資源の利用規制が厳しすぎると 企業や大学などでの研究開発や産業利用が困難になり ひいては私たちの暮らしにも影響を与える可能性もあります そのため 遺伝資源の取得や利用 そして利益配分のあり方をめぐり 条約発効以来 長年にわたって国際交渉が積み重ねられています この第 3 の目的に係る課題を 遺伝資源へのアクセスと利益配分 (Access and Benefit-sharing( 略して ABS)) と呼んでいます <ABS の基本的な枠組み > 1 必要な情報を事前に知らせた上で 遺伝資源提供国からアクセスの同意を得ること 2 相互に合意する条件によって 遺伝資源利用 ( 研究開発 商品化など ) から生ずる利益を公正かつ衡平に配分すること 平成 22 年 (2010 年 ) に名古屋市で開催された生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10) では この ABS に関する国際ルール 名古屋議定書 が採択され 要旨は次のとおりです 遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS) に関する名古屋議定書の要旨一 遺伝資源の利用で生じた利益を公平に配分するのが目的 一 遺伝資源と並び 遺伝資源に関連した先住民の伝統的知識も利益配分の対象とする 一 利益には金銭的利益と非金銭的利益を含み 配分は互いに合意した条件に沿って行う 一 遺伝資源の入手には 資源の提供国から事前の同意を得ることが必要 一 多国間の利益配分の仕組みの創設を検討する 一 人の健康上の緊急事態に備えた病原体の入手に際しては 早急なアクセスと利益配分の実施に配慮する 一 各国は必要な法的な措置を取り 企業や研究機関が入手した遺伝資源を不正利用していないか 各国がチェックする (7) カルタヘナ議定書 (Cartagena Protocol on Biosafety) 正式名称は バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書 といい 生物多様性の保全や持続可能な利用に対する悪影響を防止するため 遺伝子組換え生物 (LMO) の国境を超える移送 利用等において講じるべき措置について規定したものです 1995 年に開催された生物多様性条約第 2 回締約国会議 (COP2) で当議定書を作成することが合意され 1999 年コロンビアのカルタヘナで開催された特別締約国会議で議定書の内容が討議されたのち 翌 2000 年に採択されました 2003 年に発効し 2010 年 12 月末現在 160 の国と地域が締結しています 議定書は LMO の輸出入 ( 人間用の医薬品を除く ) に当たり (1) 栽培用種子など環境中に意図的に放出されるものについては 事前に輸入国に通報し 輸入国の合意が必要 (2) 食用 飼料用 加工用の穀物等については その LMO の国内利用について最終的な決定を行った締約国はバイオセーフティに関する情報交換センター (BCH) を通じてその決定を他の締約国に通報し 輸入国は自国の国内規制の枠組みに従い輸入について決定することができること などを主な内容としています 日本は同議定書を国内で実施するため 2003 年 6 月に 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 ( カルタヘナ法 ) を制定しています 2010 年 10 月に名古屋で開催された議定書の締約国による会合 COP/MOP(Meeting of the Parties) では 名古屋 クアラルンプール補足議定書 * が採択されました * 名古屋 クアラルンプール補足議定書遺伝子組換え生物の国境を越える移動によって生物多様性の保全や生物資源の持続可能な利用などに悪影響や損害が生じた場合の 責任の所在や対応方法について定めた国際的なルールです 2004 年の MOP1( マレーシア クアラルンプール ) から議論されてきた 責任と救済 について 補足議定書という形の合意に達しました 資 7

89 (8) 神戸の歴史 神戸では縄文時代頃には既にいくつかの集落があり 奈良時代には諸外国と貿易を行うための港が設けられていました また 平安時代末期には平清盛が 福原京 としてこの地に遷都するなど 古くから関西地方の主要都市として発達してきました 武家社会が始まると 度重なる戦いやその後の復興の度に 樹木の伐採や土地の改変 火入れや石材採取が行われました また 断層に沿って湧き出す温泉も有馬や平野で古くから利用されてきました 江戸時代に入ると 山麓の人々が山中の谷奥に溜め池を築き 牛の飼料や屋根に葺く萱 燃料の薪や土壁など生活の資材を求めて六甲山地に入るようになりました また 山中の急な谷川の水車を利用した菜種油しぼり 製粉 精米 素麺づくりや清酒づくり 御影石による石材づくりなど自然の恵みを活かした産業が興ってきました 一方 神戸の山は荒廃のため大雨のたびに土砂が流出し 市内は扇状地 砂州を形成するようになり 山の姿は 樹木もまばらな荒れ果てた様でした 明治期に入ると 外国人の発案により日本で最初の西洋式公園として東遊園地の開園や六甲山に山荘 ゴルフコースの建設など 神戸市内の自然を利用した観光資源開発が始まりました 一方 生活面においては井戸水を利用していた生活用水の水質の悪化がすすみ 上水道の整備が必要となり 貯水池などの水源を保全するための砂防植林を行う必要に迫られ 植林事業が始まりました 明治 22 年 (1889 年 ) 市制町村制の施行により 神戸区は荒田 葺合両村を合併し神戸市となりました 昭和に入ると 六甲山をはじめとする自然利用のための開発が本格化し ドライブウェイや森林植物園などの施設が多く建設されるとともに 六甲山をはじめとする山には緑が定着するようになって来ました 昭和 14 年 (1939 年 ) 神戸市の人口が 100 万人を突破しました 第二次世界大戦後は さらに開発が進むとともに 瀬戸内海国立公園の一部に六甲山を含む地域が指定されました 平成 7 年 (1995 年 )1 月に阪神淡路大震災が起こり 被害の大きかった東灘区 灘区 中央区 兵庫区 長田区において 新たなまちづくりが推進されました 資 8

90 (9) 神戸の自然共生に関する取り組みの系譜 時代年代 N P O 等市民団体 事業者 開発 神戸市(一 部 国含む)災害等 国の動向など 時代年代 最終氷期旧石器古墳奈良鎌倉戦国江戸明治大正昭和 S20 年 S30 年 S40 年 S50 年 S60 年平成元年 H10 年 H20 年縄文飛鳥平安南北朝安土桃山 (1945 年 ) (1955 年 ) (1965 年 ) (1975 年 ) (1985 年 ) (1989 年 ) (1998 年 ) (2008 年 ) ~1 万年前弥生室町 神戸山草会 摩耶山を守ろう会 兵庫県植物誌研究会 NPO 法人山田の里自然学校 よこおみち森もりの会 一王山登山会 須磨海岸を美しくする運動推進協議会 神戸エコアップ研究会 兵庫トンボ研究会 NPO 法人あいな里山茅葺同人 兵庫県生物学会 都賀川を守ろう会 天井川を美しくする会 NPO 法人アマモ種子バンク 伊川流域研究会 保久良登山会 山田川を美しくする会 奥須磨公園にトンボを育てる会 福田川クリーンクラブ 海と空の約束プロジェクト 神戸生物クラブ 住吉川清流の会 カヤテックコミュニティー こうべ森の学校 神戸カワバタモロコ保全推進協議会 布引 市ヶ原を美しくする会 櫨谷川愛護協会 いたやにすと 兵庫運河を美しくする会 伊川を愛する会 NPO 法人さんぽくらぶ ブナを植える会 ドングリネット神戸 新湊川を守り育てる会 日本野鳥の会兵庫県支部 阪神 都市ビオトープフォーラム 美しい丸山を創る会 神戸市市民の水辺連絡会 阪神グリーンネット 新湊川を愛する会 兵庫 水辺ネットワーク 北須磨自然観察クラブ 須磨水族園ボランティア 妙法寺川を美しくする会 塩谷台大池の会 未来の泉を育てる会 こうべ森の小学校 六甲楽学会 NPO 法人社会還元センターグループわ NPO 法人エコレンジャー 西神里山クラブ 農 都ネットこうべ あいな里山ビオパーク KOBE 里山クラブ 里山倶楽部緑台 ひよどり山の学校 押部谷明石川愛護協議会 あいな 里山づくりプロジェクト NPO 法人北神戸田園ボランティアネット 春日台公園里山クラブ 摩耶の森クラブ 神戸山手大学宇治川ホタル研究部 ( 六甲山 ) 多々部城 滝山城 越水城 鷹尾城 六甲山上の開発 ( 昭和 2 年 ~11 年 ) 新地スケート場(S27 年 ) ため池湿地帯生き物保全ク ルーフ 松岡城 御影城 兵庫城の築城 ( 山荘 ゴルフコース ) 裏六甲ドライブウェイ開通 神戸ゴルフ倶楽部再開(S27 年 ) NPO 法人西国古道ウォーキングサポート 表六甲ドライブウェイ開通 奥摩耶ロープウェー開業(S30 年 ) 明石川タコピー倶楽部 六甲ロープウェー 六甲ケーブル 山上回遊道路 東六甲縦走道路 六甲オリエンタルホテル 戦争による過度の伐採 NPO 法人兵庫県ネイチャーゲーム協会獅子ヶ池を美しくする会環境学習ボランティア二期 再度山ドライブウェイ 軍需物質として大木が次々に伐採 コープこうべ活動団体支援 NPO 法人六甲山の自然を学ぼう会 六甲山ホテル 凌雲荘 ( はげ山 が目立つ) 三ツ星ベルト株式会社学校ビオトープへの支援 ( 都市 ) 新田開発( 享保 8 年 ~) 鶴甲団地(S34 年 ~S44 年 ) キリンビアパーク神戸小中学校等環境学習会 渦森台団地(S36 年 ~S46 年 ) 押部谷第二団地(S52 年 ~H18 年 ) 神戸製鋼グループ活動団体支援 高倉台団地(S36 年 ~S58 年 ) 西神住宅第二団地( 西神南ニュータウン )(S55 年 ~) グリーンカンパニーネットワーク効率的かつ効果的な 西部第二工区(S37 年 ~S44 年 ) 神戸研究学園都市(S55 年 ~) 環境保全活動を推進 (H21.10 月現在 133 社 ) 名谷団地(S44 年 ~S56 年 ) ひよどり台第二期住宅団地(S55 年 ~H20 年 ) 伊藤ハム株式会社 こうべ森の学校 参加 支援財団法人ひょうご環境創造協会環境活動団体への支援 横尾団地(S46 年 ~H9 年 ) ハウス食品 こうべ森の小学校 西神住宅団地(S46 年 ~) エコポリスセミナー(H5 年 ) 支援 イベントへの参画 (~H21 年 ) 西神工業団地( 西神インダストリアルパーク )(S46 年 ~H9 年 ) トンボ市民サミット神戸大会(H10 年 ) ( 海域 ) 大輪田泊の改修 兵庫新川の開削(M7 年 ~) 兵庫突堤着工(T11 年 ~S5 年 ) 東部海面第 1 工区埋立 (S29 年 ~S35 年 ) 西神地区緑地管理 みどりのNPOフォーラム(H12 年 ) 苅藻島埋立(M29 年 ~M32 年 ) 西部海面第 1 工区埋立 (S32 年 ~S40 年 ) 神戸流通業務団地( 神戸流通センター )(S50 年 ~H19 年 ) 神戸複合産業団地(H3 年 ~) 神戸地域生物多様性保全シンポジウム(H13 年 ) 神戸港築港工事(M39 年 ~ 摩耶埠頭(S34 年 ~S42 年 ) 西神第二工業団地( 神戸ハイテクパーク )(S58 年 ~H10 年 ) 水辺フォーラム( 水環境フェア関連 )(H13 年 ) ポートアイランド第一期(S41 年 ~S56 年 ) 全国雑木林会議(H13 年 ) 六甲アイランド(S46 年 ~H4 年 ) ポートアイランド第二期(S62 年 ~H22 年 ) 神戸空港島埋め立て開始(H11 年 )~ 開港 (H18 年 ) ( 環境教育 施設 保全指定など ) 東遊園地開園(M3 年 ) 再度公園開園(S12 年 ) 王子動物園開園(S26 年 ) 緑地の保全, 育成及び市民利用に関する条例 (H3 年 ) 神戸空港エコアッフ エアホ ート( 環境創造型護岸など )(H17 年 ) 諏訪山公園 ( 前身 : 諏訪山動物園 ) エコポリスセミナー( 地球環境フェアin 神戸 '93)(H5 年 ) G8 環境大臣会合 (H20 年 ) 鵯越遊園地 鉢伏山 瀬戸内海国立公園に編入(S31 年 ) 神戸市民の環境をまもる条例の全面改正(H6 年 ) 神戸 生物多様性のための行動の呼びかけ 六甲高山植物園 六甲山牧場放牧開始 エコロジー建築マニュアル(H6 年 ) 守りたい神戸の生きもの百選(H21 年 ) 教育植物園開園(S31 年 ) 神戸の身近な生きもの調査(H6 年 ~) カワバタモロコ保全推進事業(H21~H22 年 ) 森林植物園開園(S32 年 ) 里山の環境学習講座(H8 年 ~10 年 ) 神戸版レッドデータ2010 作成 須磨水族館開園(S32 年 ) 環境保全基本計画(H8 年 ) (H22 年 ) 近郊緑地保全地域に指定(S43 年 ) 人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例(H8 年 ) 太陽と緑の道の整備(S47 年 ) 御影小ビオトープ完成(H9 年 ) 人間環境都市宣言(S47 年 ) 神戸市環境影響評価等に関する条例施行(H10 年 ) 再度山永久植生保存地域設定(S49 年 ) 水環境の保全 創造計画(H10 年 ) 神戸市環境影響評価要綱施行(S53 年 ) 水産体験学習館開設(H10 年 ) 神戸の自然シリーズ (S54 年 ~) ビオトープをつくろう (H11 年発行 ) 摩耶自然観察園開設(S54 年 ) 神戸市地球温暖化防止地域推進計画(H12 年 ) 神戸市市民の水辺連絡会(S56 年 ~) 新 神戸市環境基本計画(H14 年 ) 栽培漁業センター開設(H 元年 ) 神戸地域生物多様性保全シンホ シ ウム(H13 年 ) 神戸市エコポリス計画(H2 年 ) ビオトープネットワーク神戸 21 計画 (H13 年 ) 伊川多自然型川づくり(H3 年 ) ビオトープ整備 管理活用マニュアル(H16 年発行 ) KOBE 環境大学 (H3 年 ~) こうべ環境未来館開設(H16 年 ) ( 緑化 保全整備 砂防工事など ) 公営水道の敷設決定(M26 年 )(20 年間で人口が約 6 倍に急増 ) 神戸緑化協会緑の羽運動 (S25 年 ) 水と緑のネットワーク整備(H8 年 ) 生田川上流に布引貯水池が完成(M33 年 ) 生田川上流で植林開始(M35 年 ) 松枯れ被害地の緑化を図る大規模植林(S41 年 ) 六甲山系グリーンベルト整備事業( 建設省 兵庫県.H8 年 ~) 六甲砂防事務所設置 グリーンコウベ作戦(S46 年 ~) 全国雑木林会議(H13 年 ) 国により六甲山地の砂防ダムが建設 (S14 年 ) 六甲山緑化基金協会設立(S53 年 ) 摩耶山合戦 湊川の戦い ( 神戸港開港当時 ( 明治元年 )) 昭 昭 昭和 36 年水害 ( 昭和 36 年 ) 平 新湊川水害(H10 年 ) 都賀川事故(20 年 ) 兵庫焼き討ち 六甲山頂部は 雪が積もっているように見えるぐらい荒廃 阪和 太和 昭和 42 年水害 ( 昭和 42 年 ) 阪成 花隈合戦 再度山の北方に砂漠と見まがう荒れ地があったといわれる 神 1 平 1 神 7 山火事による山林の消失 貯水池の集水域である生田川上流域の山地は激しく荒廃 大 3 洋 6~淡年 大雨ごとに土砂が流出 井戸水を利用していた生活用水の水質悪化がすすむ 水年 戦 路 ( 扇状地 砂州の形成 ) 明治 10 年代になると毎夏コレラ 赤痢などの伝染病が流行 害 争 2 大 戦いやその後の復興の度に 樹木の伐採や 大雨のたびに貯水池に泥流が流入 0 震 土地の改変 放火や石材採取が行われた 年 災 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(T7 年 ) 森林法(S26 年 ) 自然環境保全法(S47 年 ) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(H4 年 ) ( 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律 (H14) に改正 ( 最終改正 :H18 年 ) ( 最終改正 :H21 年 ) ( 最終改正 :H17 年 ) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(H14 年 ) 農地法(S27 年 ) ワシントン条約の発効(S50 年 ) 環境基本法(H5 年 ) ( 最終改正 :H19 年 ) ( 最終改正 :H21 年 ) ラムサール条約の発効(S50 年 ) ( 最終改正 :H20 年 ) 新 生物多様性国家戦略(H14 年 ) 自然公園法(S32 年 ) 生物多様性条約の発効(H5 年 ) 外来生物法の公布(H16 年 ) ( 最終改正 :H21 年 ) 生物多様性国家戦略( 環境省, 平成 7 年 ) 第 3 次生物多様性国家戦略 (H19 年 ) 河川法(S37 年 ) G8 環境大臣会合 ( 神戸市 ) での 神戸 生物多様性 ( 最終改正 :H22 年 ) のための行動の呼びかけ (H20 年 ) 都市計画法(S43 年 ) 生物多様性基本法公布(H20 年 ) ( 最終改正 :H20 年 ) 生物多様性ひょうご戦略(H21 年 ) 生物多様性国家戦略 2010(H22 年 ) 生物多様性条約第 10 回締約国会議 (COP10 名古屋 H22 年 10 月開催 ) 最終氷期 旧石器 古墳 奈良 鎌倉 戦国 江戸 明治 大正 昭和 S20 年 S30 年 S40 年 S50 年 S60 年 平成元年 H10 年 H20 年 ~1 万年前 縄文 飛鳥 平安南北朝 安土桃山 (1945 年 ) (1955 年 ) (1965 年 ) (1975 年 ) (1985 年 ) (1989 年 ) (1998 年 ) (2008 年 ) 弥生 室町 資 9

91 (10) 緑被率土地利用の種類別における緑被率 土地利用分類 緑被率 (%) 東灘区灘区中央区兵庫区北区長田区須磨区垂水区西区市全域 工業用地 住宅地 商業 業務地区 公共公益施設 その他 全 体 注 ) その他 : 山地 荒地等 農地 造成中 を含む 出典 : 神戸市資料 (2004 年 ) 都市計画区域別の緑被率 市街化区域 32.9% 市街化調整区域 89.2% 市全域 68.5% (11) 植生の変遷 昭和 57 年 (1982 年 )3 月 平成 6 年 (1994 年 )5 月 < アカマツ林 > < コナラ林 > 資 10

92 昭和 57 年 (1982 年 )3 月 平成 6 年 (1994 年 )5 月 < アラカシ林 > < 竹林 > 市内の代表的な植生の変遷 出典 : 図書神戸の植生 (2000 年 ) より 資 11

93 (12) 神戸市域の鳥獣保護区 出典 : 兵庫県鳥獣保護区等位置図 ( 平成 21 年度 ) より作成 神戸市域の鳥獣保護区 (13) 生きものとふれあえる神戸市内の主な場所 市内の生きものとふれあえる主な場所 資 12 出典 : 神戸市建設局公園砂防部 神戸市公園緑化協会等ホームページ 各種ハイキングマップより作成

94 (14) 六甲山のブナ ブナは神戸のシンボルともいえる六甲山の自然環境を最も特徴づける植物です 温暖少雨の瀬戸内海地域において冷温帯域に分布の中心を持つブナが生育することは非常に希少です 神戸市内の大部分は暖温帯 ( 照葉樹林域 ) ですが 六甲山という高い山があることで冷温帯 ( 夏緑樹林域 ) を好む動植物をみることができます これらの種が加わることで 神戸の生物多様性を高めているといえます 六甲山のブナは 132 本しか確認されておらず 樹高 2m 以下の実生や幼樹は他地域と比べ極端に少なくほとんど生育していません 地球温暖化が進み気温が 2 上昇すると ブナ林は六甲山で成立できなくなるといわれています 市民 学校 市民団体等による 環境体験学習の教材としての利用や保全活動が行われています 出典 : 六甲山系電子植生図鑑をもとに作成 ( 国土交通省近畿地方整備局六甲砂防事務所 ) (15) 神戸市のため池と貯水池 千苅水源地 北区のため池群 呑吐ダム 西区のため池群 烏原貯水池 布引貯水池 神戸市のため池と貯水池 資 13

95 (16) アライグマによる農作物被害 出典 : 鳥獣による農業被害調査 アライグマによる農作物被害の拡大 (17) 有害獣の捕獲頭数 1, アライグマ ヌートリア イノシシ 捕獲頭数 平成 12 年平成 13 年平成 14 年平成 15 年平成 16 年平成 17 年平成 18 年平成 19 年平成 20 年平成 21 年 (2000 年 ) (2001 年 ) (2002 年 ) (2003 年 ) (2004 年 ) (2005 年 ) (2006 年 ) (2007 年 ) (2008 年 ) (2009 年 ) ( 年度 ) 出典 : 神戸市産業振興局資料注 ) アライグマの捕獲は平成 14 年度より開始ヌートリアの捕獲は平成 17 年度より開始 捕獲頭数 資 14

96 (18) 神戸市内の河川の区分 神戸市内の河川の区分 種類指定基準河川管理者河川数河川延長 一級河川 二級河川 準用河川 国土保全上 又は国民経済上 特に重要な水系に係る河川 ( 河川法第 4 条 ) 一級河川に指定された水系以外の水系で 公共の利害に重要な関係があるものに係る河川 ( 河川法第 5 条 ) 一 二級河川以外の河川で 日常生活に極めて密着した河川 ( 河川法第 100 条 ) 国土交通大臣 ( 指定区間は兵庫県知事が管理 ) 神戸市内の一級河川は全て指定区間兵庫県知事 ( 注 ) うち 18 河川 ( 都市基盤河川改修事業 ) では神戸市長が改修事業を実施 4 河川 33.1km 72 河川 200.7km 神戸市長 136 河川 180.8km 普通河川河川法が適用又は準用されない河川神戸市長 236 河川 276.8km ( 注 ) 都市基盤河川改修事業 (18 河川 ): 高橋川 西天上川 天神川 新田川 高羽川 観音寺川 狐川 北野川 鯉川 苅藻川 妙法寺川 千森川 塩屋谷川 福田川 山田川 伊川 櫨谷川 明石川 (19) 河川における水質の推移 BOD(mg/L)(75% BOD(mg/L) 値 ) 東部都市河川 0.7mg/L 西部都市河川 1.6mg/L 西神水域 1.2mg/L 北神水域 1.7mg/L 下水道普及率 下水道普及率 (%) S H1 注 ) 東部都市河川は住吉川 都賀川 生田川 西部都市河川は新湊川 妙法寺川 福田川の平均値 河川の水域別平均値の経年変化 ( 年度 ) 出典 : 環境水質 ( 神戸市環境局 ) 資 15

97 (20) 大阪湾奥部における埋立状況 出典 : 平成 20 年度瀬戸内海の環境保全資料集 資 16

98 (21) 海域における水質の推移 COD(mg/L)(75% COD(mg/L) 値 ) A 類型 B 類型 C 類型 出典 : 平成 20 年度瀬戸内海の環境保全資料集 0 瀬戸内海の COD に係る環境基準類型指定状況 S H1 出典 : 環境水質 ( 神戸市環境局 ) 海域における COD の経年変化 ( 年度 ) COD の環境基準値 (mg/l(75% 値 )) A 類型 :2mg/L 以下 B 類型 :3mg/L 以下 C 類型 : 8mg/L 以下 ( 備考 ) 規格 17 に定める方法 ( ただし B 類型の工業用水及び水産 2 級のうちノリ養殖の利水点における測定方法はアルカリ性法 ) 5 4 Ⅱ 類型 Ⅲ 類型 Ⅳ 類型 ( 兵庫運河を除く ) 兵庫運河 mg/l S H 出典 : 環境水質 ( 神戸市環境局 ) 海域における全窒素の経年変化 ( 年度 ) mg/l Ⅱ 類型 Ⅲ 類型 Ⅳ 類型 ( 兵庫運河を除く ) 兵庫運河 公共用水域が該当する全窒素 全燐に係る水質環境基準の水域類型の指定 ( 大阪湾のみ抜粋 ) 出典 : 環境水質 ( 神戸市環境局 ) 0 S 出典 : 環境水質 ( 神戸市環境局 ) 海域における全燐の経年変化 63 H ( 年度 ) ( 注 ) 類型 : 海域の富栄養化防止の観点から 海域の全窒素及び全燐に係る環境基準が設定されています この環境基準は 水域の利水目的に対応して複数の類型が設けられており 個々の水域にいずれかの類型をあてはめることで当該水域の具体的な水質目標を示されることとなっています 公共用水域が該当する全窒素 全燐に係る水質環境基準の水域類型の指定 ( 大阪湾のみ抜粋 ) 水域 該当類型 基準値 達成期間 大阪湾 ( イ ) 海域 Ⅳ 全窒素 1mg/L 以下 直ちに達成 全燐 0.09mg/L 以下 大阪湾 ( ロ ) 海域 Ⅲ 全窒素 0.6mg/L 以下 直ちに達成 全燐 0.05mg/L 以下 大阪湾 ( ハ ) 海域 Ⅱ 全窒素 0.3mg/L 以下 直ちに達成 全燐 0.03mg/L 以下 出典 : 環境水質 ( 神戸市環境局 ) 資 17

99 (22) バラスト水の対策船舶のバラスト水 ( 船舶の船底に積む重しとして用いられる水 ) に混入した生物を排出することにより 海洋 沿岸域における外来種の増殖による生態系の破壊 漁業活動への被害などが懸念されています このため 平成 16 年 (2004 年 ) に国際海事機関 (IMO) において バラスト水管理条約 が採択されました わが国も条約の発効に必要な作業に貢献する必要があり 各省で検討が進められています * バラスト水管理条約 ( 平成 16 年 (2004 年 ) 採択 ) 船舶バラスト水に混入して船内に取り入れられた水生生物が 遠方の地域まで運ばれ 本来の生息地でない場所で排出されることによる生態系への悪影響に対応することを目的としています 同条約は バラスト水中生物の処理 ( 殺減 除去 ) 装置の搭載 又は暫定措置として外洋におけるバラスト水の交換を義務づけており 現在 条約実施のための技術的事項を定めるガイドラインの策定や処理装置の開発が進められています わが国は世界有数の海運 造船大国として これまでもバラスト水管理条約の採択に積極的に貢献してきましたが 今後とも バラスト水中の生物を効果的に処理する技術の開発や必要な国内制度の検討を進めるなど バラスト水管理条約の発効及び条約上の責務の的確な履行のために必要な作業を進めていく必要があります < 具体的施策 > 条約の締結に向け バラスト水に起因する環境影響の情報などの収集 バラスト水処理技術などに関する基礎情報の収集 分析などを行い 早期に条約を受け入れるための態勢の検討を進めます ( 環境省 国土交通省 ) 条約の実施のためのガイドラインの策定など 引き続き IMO の議論に積極的に参加していきます ( 国土交通省 環境省 外務省 ) バラスト水処理装置の開発を進め 条約の早期発効に貢献します ( 国土交通省 ) 出典 : 生物多様性国家戦略 2010( 環境省 ) (23) 街路樹本数等 ( 本 ) 500, ,000 中高木 , , , , , , , , , ,434 昭和 48 年 昭和 53 年 昭和 58 年 昭和 63 年 平成 5 年 平成 10 年 平成 15 年 平成 20 年 (1973 年 ) (1978 年 ) (1983 年 ) (1988 年 ) (1993 年 ) (1998 年 ) (2003 年 ) (2008 年 ) 街路樹本数推移 ( 中高木 ) 出典 : 神戸市公園砂防部資料 種類 実のなる街路樹 種名 実のなる街路樹 ナツミカン レモン リンゴ オリーブ ウメ キンカンなど 出典 : 神戸市資料 資 18

100 (24) 野生鳥獣の被害対策事業年間を通じ 市内で生命的 経済的に害を及ぼす以下の野生鳥獣 ( 有害鳥獣 ) に対し 被害対策事業を実施しています ア市内全域で生活環境被害や農作物被害を及ぼすイノシシ イ東灘区 灘区で出没する群れを離れたサル ウ北区 西区で農作物被害を及ぼす鳥類 市街地におけるイノシシ被害 ( 一般的な農作物被害ではなく 市街地特有の被害 ) の増加に対しては 神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例 ( 通称イノシシ条例 )( 平成 14 年 5 月 1 日 ) を施行し 餌付け ごみの放置の禁止 啓発などを行っています 神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例 ( 目的 ) 住宅 事務所 事業所その他これらに類する施設の所在する地域 ( 以下 住宅地等 という ) 及びその周辺の地域において イノシシ ( 野生のものに限る ) に食物を与えること等を規制すること等により イノシシがいたずらに人に慣れ 及び住宅地等に出没することを防止し もって人の生命 身体及び財産に対する安全を確保することを目的としています ( 主な内容 ) イノシシによる被害防止のため 市は 広報活動等を通じその啓発に取り組みます 住民の意見を聞き 市は餌付けやごみの放置を禁ずる規制区域を設けることができます 規制区域内においては イノシシに食物を与えてはいけません イノシシの食物となる可能性のある廃棄物をみだりに捨ててはいけません 違反者に対して 市は指導や勧告ができます イノシシ条例による規制区域 ( 平成 17 年 7 月 5 日告示 ) (25) 野鳥の渡りルート神戸市及びその周辺では 夏鳥は 4 月上旬 ~10 月下旬頃までみられ 冬鳥は 6 月下旬 ~ 翌年 4 月下旬頃までみられます ヒレンジャクやノビタキなどの旅鳥 * は南から北へ向かう春の渡り (4 月上旬 ~6 月上旬頃 ) の途中と 北から南へ向かう秋の渡り (7 月下旬 ~ 10 月下旬頃 ) の途中で通過します なお 一般的には春の渡りよりも秋の渡りの方が長期となっています 神戸市及びその周辺における渡りのルートについては 種類 個体や年によりそれぞれ異なるものと考えられますが サシバやキビタキなどの夏鳥は淡路島沿いに北上して六甲山系に入り ノスリやルリビタキなどの冬鳥は三田市や西宮市方面から南下しているものと推定されます なお 留鳥 * の中でもウグイスのように 夏は山頂付近で生息し 冬は市街地付近に移動するものもみられます * 旅鳥 : その地方では繁殖も越冬もせず 一時的に姿を見せるにとどまるもの * 留鳥 : その地方でほぼ 1 年中見かけられるもの 神戸市及びその周辺における渡りルートの概略出典 : 神戸市鳥類保全対策指針 ( 神戸市. 平成 11 年 ) 資 19

101 (26) 神戸版レッドデータ 2010 カテゴリー 動物 ( 哺乳類 鳥類 爬虫類 両生類 魚類 * 昆虫類) 植物( シダ植物 種子植物 ) カテゴリー 1 2 今見られない Aランク 今 A 神戸市内での確認記録 標本があるなど かつては生息 生育していたと考えられるが 現在は見られなくなり 生息 生育の可能性がないと考えられる種 改訂 日本版レッドデータブックの絶滅危惧 Ⅰ 類に相当 3 Bランク B 神戸市内において絶滅の危機に瀕している種など 緊急の保全対策 厳重な保全対策の必要な種 改訂 日本版レッドデータブックの絶滅危惧 Ⅱ 類に相当 4 Cランク C 神戸市内において絶滅の危険が増大している種など 生息環境 自生地などの保全が必要な種 改訂 日本版レッドデータブックの準絶滅危惧に相当 神戸市内において存続基盤が脆弱な種 極力生息環境 自生地などの保全が必要な種 5 6 Dランク要調査 D 調 最近減少の著しい種 優れた自然環境の指標となる種などの貴重種に準ずる要注目種 改訂 日本版レッドデータブックの情報不足に相当 神戸市での生息 生育の実態がほとんどわからないことなどにより 現在の知見では貴重性の評価ができないが 今後の調査によっては貴重種となる可能性のある種 注 1) 対象とする動 植物は 神戸市が生息 生育情報を把握している生物群とした 注 2) 魚類は淡水域に生息する種に限る 植物群落 カテゴリー 1 Aランク A 規模的 質的にすぐれており貴重性の程度が最も高く 全国的価値に相当する群落 2 Bランク B Aランクに準ずるもので 地方的価値 都道府県的価値に相当する群落 3 Cランク C Bランクに準ずるもので 市町村的価値に相当する群落 4 D ランク D 人間生活との関わりを密接に示す群落 地元の人に愛されている群落 地域の生態系を支える群落等 貴重なものに準ずるものとして保全に配慮すべき群落 鳥類サンクチュアリ ( 対象分野のうち鳥類では集団生息地の保全が特に有効であるため選定する ) サンクチュアリ カテゴリー 鳥類の生息に重要な役割を持つ生息地であり その保全を目的とする場所 選定理由 動物 ( 哺乳類 鳥類 爬虫類 両生類 魚類 昆虫類 ) 植物( シダ植物 種子植物 ) 項目 選定理由 湿地 海浜 湧水地 特殊岩石地などのわずかな面積しかない環境または開発によ重要性貴重さる影響を受けやすい環境など 特殊な生息 生育環境を必要とする 特殊な生息 生育環境特殊な営巣場所 繁殖期間中の限定された採餌環境など 特殊な繁殖環境を必要と する 特定の動物など 餌の種類が限られている 特殊な生態 特殊な繁殖様式 行動様式である 共生 寄生 腐生などの特異な生態である 特殊な分布 分布域 繁殖地が隔離 極限している 分布の限界 南限 北限など生息 生育地が分布の限界になっている 希少性 元来より個体数が極めて少ない 負の影響 生息 生育環境の悪化 土地開発 建設工事 外来種の増加などの人為的行為によって生息 生育環境の破壊及び分断 質の劣化 ( 餌の減少を含む ) の進行により個体数が著しく減少している 植物群落 二次的環境の放置 人の管理によって維持されてきた里山 里周辺の草地などの二次的環境の放置によって個体数が著しく減少している 地球温暖化による環境変化地球温暖化により生息 生育環境が変化し 個体数が著しく減少する可能性がある 捕獲 採取 営利目的や愛好者による捕獲 採取の危険にさらされている その他の要因 要因が特定できないが個体数が減少している 重要性貴重さ特殊な立地環境 負の影響 項目 特殊な分布豊かさ空間安定性種多様性 自然性風土 景観性 立地環境の悪化 選定理由湿地 海浜 湧水地 特殊岩石地などのわずかな面積しかない環境または開発による影響を受けやすい環境など 特殊な立地環境を必要とする 分布域が隔離 極限している 植物群落が安定して維持できる面積を有している それぞれの群落を構成する種が多く揃っている あるいは貴重性の高い種を含むなど 種多様性が高い 自然植生 あるいは自然植生に近い 神戸市の風土性を持ち 神戸の景観を構成するなど 神戸らしさを示す要素として重要である 土地開発 建設工事 外来種の増加などの人為的行為によって植物群落の破壊及び分断 質の劣化が進行している 人の管理によって維持されてきた里山 里周辺の草地などの二次的環境の放置に二次的環境の放置よって衰退 消滅に向かっている 地球温暖化による環境変化地球温暖化による環境変化により 植物群落が著しく変化する可能性がある 資 20

102 鳥類サンクチュアリ サンクチュアリ名 1 菊水山のカラスザンショウ林 ( 北区山田町 ( 菊水山北側 )) 2 龍ヶ池のヨシ原 ( 西区岩岡町 ( 龍ヶ池 )) 3 平野町中津の大池 ( 西区平野町 ( 大池 )) 4 サギ類の大規模コロニー ( 西区平野町 ) 植物群落 群落分類 群落名 所在地 神戸市ランク 1 照葉樹林 アラカシーヒメユズリハ群落 東灘区本山町岡本 素盞鳴尊神社 C 2 照葉樹林 ヤマモモ群落 東灘区本山町北畑 保久良神社 D 3 照葉樹林 スダジイ群落 灘区摩耶山町 摩耶山天上寺 B 4 照葉樹林 アラカシーカゴノキ群落 中央区葺合町 布引滝 C 5 照葉樹林 スダジイ群落 中央区神戸港地方 再度山大龍寺 A 6 照葉樹林 モミーケヤキ群落 北区北区山田町坂本 丹生山丹生神社 C 7 照葉樹林 ウラジロガシ群落 北区山田町下谷上 天彦根神社 D 8 照葉樹林 ツブラジイーシラカシ群落 北区山田町小部北ノ谷 杉尾神社 D 9 照葉樹林 ツブラジイーツクバネガシ群落 北区山田町小部松宮山 大歳神社 D 10 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区山田町原野火打石 八坂神社 D 11 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区山田町福地新池 若王子神社 D 12 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区山田町藍那北ノ町 藍那八王子宮 C 13 照葉樹林 アラカシーウラジロガシ群落 北区大沢町市原 豊歳神社 D 14 照葉樹林 スダジイ群落 北区大沢町中大沢 素盞鳴尊神社 A 15 照葉樹林 シラカシーウラジロガシ群落 北区大沢町日西原 天満神社 C 16 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区淡河町行原 大歳神社 D 17 照葉樹林 アラカシ群落 北区淡河町行原 山平神社 D 18 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区淡河町行原 三十八社 D 19 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区淡河町神影 石峰寺 A 20 照葉樹林 アカガシーシイ群落 北区淡河町神田 素盞鳴 ( 天王 ) 神社 C 21 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区淡河町神田 八雲神社 C 22 照葉樹林 シラカシ群落 北区淡河町南僧尾 松尾神社 D 23 照葉樹林 ツクバネガシ群落 北区長尾町上津 熊野神社 D 24 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区八多町附物 八王子神社 D 25 照葉樹林 アカガシ群落 北区八多町柳谷 八王子神社 C 26 照葉樹林 ツクバネガシーウラジロガシ群落 北区有野町有野 若宮神社 D 27 照葉樹林 ツブラジイ群落 北区有野町有野 有間神社 A 28 照葉樹林 ウラジロガシ群落 北区有野町有野 五社八幡宮 C 29 照葉樹林 ウラジロガシ群落 北区有野町唐櫃 山王神社 C 30 照葉樹林 シラカシーウラジロガシ群落 北区有野町唐櫃 山王神社 D 31 照葉樹林 ヒメユズリハーカゴノキ群落 須磨区板宿町 板宿八幡神社 D 32 照葉樹林 ヒメユズリハーヤマモモ群落 須磨区須磨寺町 西須磨 須磨寺 C 33 照葉樹林 ウバメガシ群落 須磨区西須磨 鉢伏山 C 34 照葉樹林 ウバメガシ群落 須磨区多井畑町宮ノ脇 厄除八幡宮 D 35 照葉樹林 ウバメガシ群落 垂水区下畑町城ヶ原 海神社 D 36 照葉樹林 ツブラジイ群落 ウバメガシ群落 垂水区名谷町奥ノ坊 転法輪寺 C 37 照葉樹林 ツブラジイ群落 ウバメガシ群落 西区伊川谷町前開五味ヶ平 太山寺 A 38 照葉樹林 ツブラジイ群落 西区伊川谷町布施畑大湯 大歳神社 D 39 照葉樹林 ツブラジイ群落 西区櫨谷町谷 真谷 如意寺 D 40 照葉夏緑混交林 クスノキームクノキ群落 東灘区御影郡家石野 香雪美術館 C 41 照葉夏緑混交林 クスノキームクノキ群落 灘区八幡町 六甲八幡神社 C 42 照葉夏緑混交林 クスノキームクノキ群落 中央区多聞通 湊川神社 D 43 夏緑樹林 ブナ群落 北区有馬町六甲山 六甲山山頂 A 44 夏緑樹林 ヘラノキ群落 北区山田町原野西脇山 原野 A 45 湿地植生 湿地植物群落 北区道場町生野 川下川ダム付近 C 46 湿地植生 湿地植物群落 北区山田町与左衛門新田 鰻ノ手池周辺谷部 C 47 湿地植生 湿地植物群落 北区淡河町野瀬 中山大杣池 A 48 湿地植生 湿地植物群落 北区淡河町野瀬 天保池 B 49 湿地植生 湿地植物群落 西区神出町古神 金棒池 B 50 池沼植生 オニバス群落 西区神出町田井 和合成池 長池 A 51 池沼植生 ヨシ群落 西区岩岡町岩岡 龍ヶ池 D 52 海浜植生 海浜植物群落 須磨区一ノ谷町 須磨浦通 須磨浦 B 53 海浜植生 海浜植物群落 垂水区西舞子 西舞子海岸 D 54 岩上植物群落 岩上植物群落 北区道場町生野 武庫川渓谷 A 55 草地植生 ススキーネザサ群落 東灘区本山町森 東お多福山 B 56 草地植生 ススキーネザサ群落 北区山田町藍那 水田周辺 B 57 草地植生 ススキーネザサ群落 北区山田町中 水田畦畔草地 D 58 草地植生 ススキーネザサ群落 北区山田町西下 水田畦畔草地 B 59 草地植生 ススキーネザサ群落 北区山田町東下 水田畦畔草地 B 60 草地植生 メガルカヤーユウスゲ群落 西区神出町小束野 小束野池 C 61 その他 着生植物個体群 中央区葺合町 布引滝 B 62 その他 着生植物個体群 北区道場町生野 生野地区の岩場 A 63 その他 再度山永久植生保存地 北区山田町下谷上 再度山合計 B 63 群落 資 21

103 (27) 神戸市内で今みられない種 今みられない種 分類 種名 生息生育環境 分類 種名 生息生育環境 昆虫類 アオハダトンボ 河川 植物 ドクゼリ ため池 湿地 河川 キイロヤマトンボ 河川 イワナシ 森 雑木林 ベッコウトンボ ため池 アイナエ 湿地 マダラナニワトンボ ため池 ヒメシロアサザ 水田 畑 ため池 湿地 タガメ 水田 畑 ため池 アサザ ため池 オサムシモドキ 河川 シロバナイナモリソウ 森 雑木林 マルコガタノゲンゴロウ ため池 タニジャコウソウ 森 コガタノゲンゴロウ 水田 畑 ため池 湿地 キセワタ 草地 岩場 マルガタゲンゴロウ 水田 畑 ため池 湿地 ウンラン 海辺 マダラシマゲンゴロウ ため池 シオガマギク 草地 岩場 オオクワガタ 雑木林 ホソバノヤマハハコ 草地 岩場 シロスジコガネ 森 タウコギ 水田 畑 湿地 ヒトスジキソトビケラ 河川 コウリンカ 湿地 オオウラギンヒョウモン 草地 岩場 オナモミ 草地 岩場 湿地 ウラナミジャノメ 草地 岩場 トチカガミ ため池 植物 ヤチスギラン 湿地 ムサシモ ため池 コウザキシダ 森 草地 岩場 カタクリ 森 雑木林 タニヘゴ 森 ミノコバイモ 草地 岩場 ネッコイノデ 森 ヒナノボンボリ 森 雑木林 ミヤマノキシノブ 森 草地 岩場 タキキビ 草地 岩場 アオネカズラ 森 草地 岩場 アンペライ ため池 ナガバノウナギツカミ 水田 畑 ため池 湿地 ムカゴソウ 湿地 イブキトリカブト 森 カヤラン 森 草地 岩場 アゼオトギリ 水田 畑 草地 岩場 昆虫類 15 種 ( ため池 7 種 河川 4 種 水田 畑 3 種 湿地 2 種 タチスズシロソウ草地 岩場草地 岩場 2 種 雑木林 1 種 森 1 種 ) 植物 34 種 ( 草地 岩場 12 種 森 12 種 湿地 9 種 ため池 7 種 ハマビシ海辺水田 畑 4 種 雑木林 4 種 海辺 2 種 河川 1 種 ) 出典 : 神戸版レッドデータ 2010( 神戸市. 平成 22 年 ) (28) 海域の水生生物調査結果 海域の水生生物調査結果 出典 : 平成 20 年度環境水質 ( 神戸市環境局 ) をもとに作成 マクロベントス優占種 季節 第 1 優占種 調査地点 春夏秋冬 個体数個体数個体数個体数イカリナマコ科スカ メソコエヒ 属スカ メソコエヒ 属スカ メソコエヒ 属シス クカ イシス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型シス クカ イシス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型シス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型シス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型湿重量湿重量湿重量湿重量トリカ イモミシ カ イオカメフ ンフ クニセタマク シフサコ カイシス クカ イシス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型ハナキ ンチャク科シス クカ イシス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型シス クカ イシス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型ヨツハ ネスヒ オA 型シス クカ イヨツハ ネスヒ オA 型 出典 : 平成 20 年度環境水質 ( 神戸市環境局 ) 資 22

104 (29) イカナゴイカナゴは イカナゴのくぎ煮 として神戸の名産となっており 神戸の海からの恵みのシンボルです 明石海峡で操業するイカナゴ漁は瀬戸内海の春の風物詩として地元に定着しており くぎ煮の発祥の地とされる垂水区や長田区では イカナゴのモニュメント 応援歌 くぎ煮学認定試験等のイベントが開催されるなど いかなご文化が根付いています しかし 近年は漁獲高が減少しており 特に 2007 年は シンコ の不漁年でした この年は暖冬で産卵期の冬の季節風が弱く 明石市沖で生まれた稚魚が大阪湾など周辺に十分に広がらず 産卵場付近の成魚が稚魚の多くを食べてしまったことが原因と考えられています 現在 船びき網を対象に 1 産卵親魚の保護 2 解禁日の設定 3 終漁日の設定の 3 つを柱に資源管理が行われています 中 大型の魚類 : 捕食 : 産卵 イカナゴ 12~1 月 水深 10~30m の海底 ( 明石海峡から播磨灘に広がる鹿之瀬という砂地の浅瀬 ) プランクトン他の魚の稚魚 ( 生息環境 ) 内湾や沿岸の砂底 砂泥底 シンコ ( 新子 ) フルセ ( 生後 1 年以上のもの ) 2 月下旬頃 イカナゴのくぎ煮 釜揚げ 天ぷら等養殖魚の餌 イカナゴの生態と利用 (30) 市民 市民団体 事業者の意識 1 調査方法及び回収率 調査対象 抽出方法 有効発送数 市民住民基本台帳より無作為 2 段階抽出 2,955 市民団体 協働と参画のプラットホーム こうべ NPO データマップより抜粋した団体 守りたい神戸の生きもの百選 選定時に応募のあった団体 調査時期 平成 21 年 11 月 20 日 ~11 月 30 日 調査方法 回収数 回収率 郵送 % 85 平成 21 年 11 月 27 日 ~12 月 8 日郵送 % グリーンカンパニーネットワーク加盟の132 事業者事業者 (1 回目 ) 135 平成 22 年 6 月 16 日 ~ 7 月 8 日メール市内 3 箇所のゴルフ場 % 事業者 (2 回目 ) 事業者第 1 回目調査の回答事業所 % 平成 22 年 9 月 1 日 ~ 9 月 30 日メールゴルフ場市内全数 % 資 23

105 2 市民 設問 : 私たちの生活が 自然のめぐみに支えられていることを意識したことはありますか大気や水 食べ物での意識は高く いつも意識している ときどき意識することはある が 95% を超えています しかし 医薬品の原料としての意識は低く いつも意識にしている ときどき意識することはある は 45% 未満となっています 0% 20% 40% 60% 80% 100% ア. 大気や水 イ. 食べ物 ウ. 木材 : いつも意識している 2: ときどき意識することはある 3: あまり考えたことはない 4: よくわからない エ. 医薬品の原料 オ. 日本の伝統的な文化 設問 : 生物多様性 ということばの認知度市民の生物多様性についての認知度は 67.8% と 全国平均 36.4% より高いのですが 若い世代の認知度が低い傾向があります ( 生物多様性の意味を知っている人 [ 神戸 33.0% 全国 12.8] 言葉を聞いたことがある人 [ 神戸 34.8% 全国 23.6%] 認知度の合計 [ 神戸 67.8% 全国 36.4%]) 1: 言葉の意味を知っている 2: 言葉は聞いたことがあるが意味は知らない 3: 聞いたこともない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 歳代 30 歳代 歳代 歳代 % % 60 歳代 歳代 % 80 歳以上 全体 言葉の意味を知っている言葉は聞いたことがあるが意味は知らない聞いたこともない わからない 神戸市 33.0% 34.8% 32.2% 全国平均 12.8% 23.6% 63.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 出典 : 環境問題に関する世論調査 ( 内閣府. 平成 21 年 6 月調査 ) 全国調査結果との比較 ( 生物多様性 という言葉の認知度 ) 設問 : ビオトープ の認知度市民のビオトープについての認知度は 58.1% となっていますが 年齢層別に見ると 歳代で約 7 割と比較的高い認知度があります 1: 言葉の意味を知っている 2: 言葉は聞いたことがあるが意味は知らない 3: 聞いたこともない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 歳代 歳代 歳代 % % 50 歳代 歳代 % 70 歳代 歳以上 資 24

106 設問 : 神戸市の自然は豊かだと思いますか 長田区 垂水区 兵庫区で豊かだと思うという回答がやや少なく 特に長田区では 豊かなところもあるが 身近には自然がない という回答が多くなっています 北区 西区 須磨区では 全市的に豊かだと思う という回答が多くなっています : 全市的に豊かだと思う : 豊かなところもあるが身近には自然が少ない : 豊ではない : その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東灘区灘区 % 6.7% 中央区兵庫区 長田区 % 須磨区 垂水区 % 西区 北区 設問 : 神戸市の自然であなたが好きなもの 大切に思うもの 誇りに思うもの 未来に残したいものは 六甲山 が 29.6% と最も多く 次いで 須磨や舞子等の海岸 22.9% 家の周りの公園 社寺 街路樹などの緑 19.3% と多く回答されました 1: 六甲山 2: 六甲山以外の丹生 帝釈山などの山地 3: 西区や北区などの田園風景 4: 河川やため池などの身近な水辺 5: 須磨や舞子などの海岸 6: 家の周りの公園 社寺 街路樹などの緑 7: その他 2 4.4% % 4 8.5% 7 0.7% % 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東灘区灘区 中央区 兵庫区長田区 須磨区 垂水区 西区 % % 北区 全体 設問 : 神戸市の自然は 10 年前と比較してどう変化したと感じますか 悪くなった が 42.0% と最も多く 次いで わからない という回答が 22.7% ほぼ同じ割合で 変わらない という回答が 21.2% もあり 良くなった と回答したのは 14.1% でした 1: 良くなった 2: 悪くなった 3: 変わらない 4: わからない % % % % 設問 :10 年後の神戸市の自然環境はどうなっていて欲しいですか ( 自由意見 ) < 主な意見 > 都市部と山海の自然が接近して融合している現状を維持する 子供達への教育を重視 緑の多い街づくり みどりのまち おしゃれなまち 農業が発達し 地産地消がすすむまち 神戸モデルというべき自然を守る施策の確立 ビルマンションの屋上緑化 開発規制 渡り鳥が飛来するようなまち 山 川 里 海 多様な自然景観の創出 神戸のことを考える = 地球の明日を考えることができるまち イノシシがおりてこないまち ( 山に棲む動物が食べ物に困らないようにし 自然と人が共生できるまち ) 0% 5% 10% 15% 20% 25% 豊かな自然環境現状の維持 22.3% 21.6% 開発抑制景観 街づくり子供達へ伝えたい自然 環境海の保全自然との共生水質保全神戸らしさの維持 向上 12.9% 12.9% 8.7% 7.8% 5.3% 4.4% 3.9% 農林漁業の振興大気保全 2.2% 1.9% その他 23.0% 資 25

107 設問 : 現在 次のア ~ エのようなことが 生物多様性の維持 保全に重大な影響を与えているとされています このような状況を知っていましたかいずれも 70% 以上が 知っている と回答しましたが 里地 里山などに人の手が入らなくなったことで環境の質が変わり 生きものが住めなくなってきている という里地 里山の現状を知る人はやや少ない結果となっています 1: 知っている 2: 知らない 0% 20% 40% 60% 80% 100% ア ア. 人間の活動や開発により生きものの住む場所がなくなったり 生きものがいなくなっている イ. 里地 里山などに人の手が入らなくなったことで環境の質が変わり 生きものが住めなくなってきている ウ. これまでその地域にいなかった生物が人間により持ち込まれることで 本来そこにいた生きものに悪影響を与えている エ. 地球の温暖化が進むことにより生きものが住めなくなってきている ( 生態系のバランスが崩れる ) イ ウ エ 設問 : 農業や林業は 生きものに生息 生育の場 ( 田畑や森林 ) を与えたり その営みが生きものの生息 生息環境を守ることに役立っていますが そのことを意識したことがありますか ときどき意識することはある が 55.3% と最も多く 次いで あまり考えたことはない 21.9% いつも意識している 20.2% よくわからない 2.5% となっています 年代別にみると 年齢があがるにつれて意識が高く 20 歳代ではあまり意識されていません 1: いつも意識している 2: ときどき意識することはある 3: あまり考えたことはない 4: よくわからない 4 2.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 歳代 歳代 % % 40 歳代 50 歳代 歳代 歳代 % 80 歳以上 設問 : 農作物や生態系 住民に被害をもたらす外来生物などを駆除することについて どう思いますか 駆除することはある程度やむを得ない が 50.9% と最も多く 次いで 積極的に駆除すべき が 29.0% 外来生物のみ駆除すべき が 16.4% よくわからない 2.5% 駆除する必要はない 1.2% となっています 1: 積極的に駆除すべき 2: 命を奪うことには抵抗があるが 駆除することはある程度やむを得ない 3: 人に害をもたらす外来生物のみ駆除すべき 4: 駆除する必要はない 5: よくわからない 5 2.5% % % 4 1.2% % 設問 : 生きものや自然環境の保全を行うために 快適で便利な生活がどの程度までなら制約されてもよいと思いますか 私たちの生活が制約されない程度に 生きものや自然環境に対する保全を進める が 48.5% と最も多く 次いで 生活が制約されても 生きものや自然環境に対する保全を優先する が 46.2% となっています また 若い年齢層ほど 自然環境の保全を優先する意見が多くみられます 1: 私たちの生活がある程度節約されても 生きものや自然環境に対する保全を優先する 2: 私たちの生活が制約されない程度に 生きものや自然環境に対する保全を進める 3: 私たちの生活の豊かさや便利さを確保するためには 生きものや自然環境が失われてもやむを得ない 4: わからない 4 3.0% 3 2.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 歳代 30 歳代 歳代 50 歳代 歳代 % % 70 歳代 80 歳以上 資 26

108 設問 : 自然環境を対象にした保全活動 学習会などに参加したことがありますか 日常的な参加経験は 60~70 代でやや多くなっていますが 若い年齢層でも参加意欲がみられます 参加したくない理由としては 高齢 身体的 時間的理由があげられ 活動自体を批判するような意見はありませんでした : よく参加している : 参加したことがある : 参加したことはないが 近くで行われるなら参加したい : 参加したことはないが 内容によっては参加したい : 参加したくない 2.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 歳代 歳代 % 40 歳代 % 50 歳代 % 60 歳代 歳代 % 80 歳以上 設問 : 日常生活の中で生きものや自然環境に配慮した行動を心がけていますか ( 複数回答 ) ごみの減量化やリサイクルの取組 が 28.2% と最も多く 節電やエコドライブなどの省エネルギーの取組 26.2% 地域で生産された野菜や果物を消費する 16.9% 環境に配慮した製品を購入する 13.9% 地域や自宅に緑を増やす 12.1% となっています 各項目の取り組み状況を見ると ごみの減量化やリサイクル が最も多く 節電やエコドライブなどの省エネルギーの取組 も 7 割の回答者が行っています 地産地消については 半数近くの人が配慮していますが 意識はしているものの 近くに購入できる場所が無い等の意見もありました : 節電やエコドライブなどの省エネルギーの取組 : ごみの減量化やリサイクルの取組 : 地域で生産された野菜や果物を消費する ( 地産地消 ) : 地域や自宅に緑を増やす : 環境に配慮した商品を購入する : 生きものや自然環境を保全する活動への参加 : その他 13.9% 1.8% 12.1% 1.0% 28.2% 0% 20% 40% 60% 80% % 26.2% 設問 : 生きものや自然を守るため 市が優先して取り組むべきことは何ですか 六甲山などの緑地の保全 が 19.3% と最も多く 次いで 水質の改善などの環境対策 11.3% 学校教育における自然体験学習などの環境教育の充実 10.9% 農業 漁業の育成 振興 10.3% が多く回答されました 区別にみると 六甲山を取り巻く東灘区 灘区 中央区 北区では 六甲山などの緑地の保全 が他区に比べて割合が多く 中央区 兵庫区では学校ビオトープや学校教育における環境教育の充実についての回答が多くなっています 1: 六甲山などの緑地の保全 2: 里地 里山の保全 3: 農業 漁業の育成 振興 4: 希少な生きものの保全 5: 生きものや自然を守る市民活動の支援 6: 生きものに関する情報の発信 7: 多自然型工法による川づくり 8: 学校ビオトープなどの整備 9: 学校教育における自然体験学習などの環境教育の充実 10: 環境アセスメントなどの開発行為の適正指導 11: アライグマ ブラックバスの駆除などの外来生物対策 12: 水質の改善などの環境対策 13: その他 6 2.5% 4 4.4% 7 5.2% % 5 7.9% 8 1.8% 2 9.7% % % % % % % 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東灘区 灘区 中央区 兵庫区 長田区 須磨区 垂水区 西区 北区 資 27

109 3 事業者ア. 生物多様性企業方針等の作成について 生物多様性に特化した方針等を作成している企業は 3 社 (5.8%) でした そのほか ISO の環境方針などの中で 生物多様性や自然環境の保全についても明示している企業が 5 社 (9.6%) ありました また 今後 生物多様性に特化した方針等を設定するという企業が 6 社 (11.5%) ありました 生物多様性に特化した方針 指針 宣言等の設定企業 社名 名称 策定年月 川崎重工業株式会社 事業活動に伴う生物多様性への影響低減と保全について ( 社内文書 ) 2009 年 12 月 三菱電機株式会社神戸製作所 三菱電機グループ 生物多様性行動指針 2010 年 5 月 UCC 上島珈琲株式会社六甲アイランド工場 社名 (5 社 ) UCC 生物多様性宣言 指針 2009 年 12 月 ISO の環境方針等の中で 生物多様性や自然環境の保全等を明示している企業 興隆産業株式会社 ナブテスコ 鉄道カンパニー神戸工場 三井製糖株式会社生産本部神戸工場 パナソニック株式会社 AVC 社 IT プロダクツビジネスユニット神戸工場 ユニタイト株式会社 イ. 取り組み状況について 事業者の取り組み状況では 敷地内の植樹や緑化 が 55.8% となっており 環境セミナーの開催や自然環境教育 が 34.6% 自然環境保全活動への社員参加 が 28.8% 生物多様性の低下した環境の管理 保全 が 26.9% となっています 取り組み理由は 社会的責任 が 54.5% 企業のイメージアップ が 31.8% ブランド化 が 22.7% となっています ゴルフ場では ゴルフ場内の残置森林を含む樹林等の管理 が 28.6% 紙類等の原材料調達における自然環境配慮 が 14.3% となっており 理由としては 社会的責任 が 62.5% となっています 1. 事業所内の動植物の調査 把握 2. 自然環境への影響についての調査 評価 3. 生物多様性保全地の保有 賃借 管理 4. 生物多様性保全の製品 サービスの提供 5. 自然環境の保護や保全 再生 6. 生物多様性の低下した環境の管理 保全 7. 生物多様性などに配慮した原材料の調達 8. 敷地内等の植樹 事業所内の緑化 9. ビオトープ ( 水辺 緑地 ) の設置 10. 生物調査会 保全活動等の主催や参加 11. 自然環境保全活動への助成事業 寄付 12. 自然環境保全活動への資材提供 13. 自然環境保全活動への社員参加 14. 環境セミナーの開催や自然環境教育 15. 自然環境配慮事項等の教育 16. 海外における植林プロジェクト 17. その他 18. 行っていない 11.5% 7.7% 3.8% 19.2% 3.8% 26.9% 17.3% 55.8% 11.5% 13.5% 15.4% 1.9% 28.8% 34.6% 13.5% 7.7% 9.6% 15.4% 0% 50% 100% ウ. 国等との調査結果との比較 環境にやさしい企業行動調査結果 ( 環境省.2010 年 ) における 生物多様性の保全への取り組みと企業のあり方 では 企業活動と大いに関係あり 重要視している が 17.2% 企業活動と関連はあるが 重要視していない が 10.4% 生物多様性は重要であるが 関連性は低い が 66.4% と多くを占めています 一方 今回の神戸市のアンケート調査では 関連があり 重要視している が 25.0% 関連性は低いが 重要視している が 32.7% と 57.8% の事業者が生物多様性について重要視しているという結果となっています 資 28

110 4 市民団体 活動に際しての課題として 資金や物品が不十分 世代交代 高齢化 が多く回答されました 各主体への要望として 行政に対しては 物品資金の援助 活動やイベントの広報 市民に対しては 身近な自然に興味を持つ 自然環境保全のマナー 企業に対しては 行政の事業への参加 工事等の際の配慮 などの意見がありました 平成 22 年 2 月に 2 回 ( 延べ 28 団体参加 ) 11 月に 2 回 ( 延べ 11 団体参加 ) 開催された市民団体意見交換会では 各団体より取り組みの内容や課題 生物多様性神戸戦略策定に対する意見が出され 専門部会委員との意見交換も行われました ア. 資金や物品が不十分イ. 世代交代 高齢化ウ. 成果の発表の場が少ないエ. イベントの参加者の確保オ. 他団体との交流カ. 学術的 技術的指導キ. 活動の場の荒廃ク. 活動が縮小傾向ケ. その他 29.8% 24.6% 17.5% 26.3% 17.5% 15.8% 15.8% 56.1% 54.4% ア. 活動やイベントの広報イ. 学校等との連携の調整ウ. 学識経験者との連携の調整エ. 協力企業との連携の調整オ. 活動フィールドの提供 紹介カ. 団体間の交流の場の提供キ. 物品 資金の援助ク. データ 情報の提供 ケ. 市民への啓発 啓蒙コ. 途上国支援など国際協力 サ. その他 3.5% 7.0% 22.8% 19.3% 22.8% 29.8% 31.6% 26.3% 29.8% 38.6% 52.6% ア. 身近な自然に興味を持つイ. 自然環境保全のマナー ( 盗掘 放流 ) ウ. 日常生活での環境への配慮エ. 自宅や地域に緑を増やすオ. イベントなどへの参加カ. 活動への理解 ( 場所の提供 寄付 ) キ. 行政の関連事業への参加 ク. 生物多様性の知識の向上ケ. 国際的な問題への理解 寄付コ. その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 活動に際しての課題 1.8% 1.8% 14.0% 12.3% 19.3% 33.3% 29.8% 38.6% 71.9% 66.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 市民への要望 ア. 行政の事業への参加イ. 事業所内の緑化 ビオトープ整備ウ. 地域の活動への協力 寄付エ. 原材料調達時の配慮オ. 工事等の際の配慮カ. 市民等への環境教育キ. 基金の創設ク. 国際的な活動 海外支援ケ. その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 行政への要望 57.9% 10.5% 50.9% 21.1% 54.4% 33.3% 38.6% 8.8% 1.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 企業への要望 遺伝子攪乱等への配慮を行っていますか 配慮している団体では 放流 植樹に際し 地元のものに限っている 特にホタルの放流に際しては対象としている河川のものを産卵 増殖させたり できるだけ近隣のものを放流する という意見が多くありました また ビオトープを造る際は 元々あるものや近くのものを使っているとの意見がありました その他 活動に際して専門家等の指導を受けたり 観察会等で遺伝子撹乱 外来生物などの話をして啓発に努めている団体もありました ア. 配慮している 意見交換会の主な意見 イ. これまで意識しなかったが 今後は配慮したい ウ. 配慮する必要は感じていない その他 数多くの保全活動団体が神戸市内の各地で生物多様性や自然環境に関する取り組みを行っています 29. 市内で活動する主な市民団体 参照 神戸市では自然や生きものなど生物多様性の保全活動に取り組んでいる市民団体をホームページで紹介しています % 6.4% 61.7% 0% 50% 100% 環境教育推進法に基づく計画の充実や NPO 等への支援策 ネットワークが必要である 子どもへの自然体験 体験不足の親世代や若い先生への環境教育が必要である 里山 竹林等の間伐により発生する間伐材などをうまく利用 循環させるシステムが必要である 土地や木は個人のものでも環境は市民のものであり 地主の理解を得ることも考えるべきである 神戸市 特に東部の海岸は 生物多様性の視点で再度見直し 市民の目線で利活用を考えてほしい 関連情報が集まり発信されるプラットホームなど NPO がホームページやメール等を使って連絡を取り合える連絡網を作ると お互いの交流が図れてよいと思う どこをどのように守っていかなくてはならないのかを検討するにあたり 活動している団体から情報をいただくとよいと思うが さらに それを集約する場所も必要であり 市民と行政の連携が不可欠である 生物多様性の 見える化 が大切である 資 29

111 (31) グリーンカンパニーネットワーク環境問題に積極的に取り組む事業者により構成され メンバー間の交流 連携 情報交換を促進することにより 効率的かつ効果的な環境保全活動を推進することとし 平成 13 年 3 月に設立 神戸商工会議所環境対策専門委員会 神戸地区環境保全連絡協議会の構成メンバー及び神戸市環境保全協定締結事業者を中核メンバーとする ( 平成 22 年 12 月現在 133 社 ) あ か さ アシックス * J-オイルミルズ神戸工場 * パナソニック AVCネットワークス * イズミヤ * 嶋本ダイカスト * 社 ITプロダクツビジネスユニット 伊藤ハム 六甲工場 * 独立行政法人情報通信研究機 * パナソニック ホームアプライアン植田製油 * 構神戸研究所ス社キッチンアプライアンスビジネ * エスペック 神戸 R&Dセンター * 昭和産業 * スユニット エム シーシー食品 * 昭和シェル石油 神戸事業所 * ハニー化成 明石事業所 大木工務店 神鋼環境ソリューション * 阪急阪神百貨店 * 大阪ガス * 神鋼リサーチ 阪神内燃機工業 明石工場 岡崎製作所 * ( 財 ) 新産業創造研究機構 バンドー化学 岡本鉄工 ( 資 ) * さ 新日化エポキシ製造 * 東神戸大阪生コンクリート 奥村組土木興業 神戸合材所 新明和工業 * 美建 オリエンタル鍍金 住友ゴム工業 * 兵衛旅館 * はカネテツデリカフーズ * 生活協同組合コープこうべ * ( 社 ) 兵庫県トラック協会 上組 * せいしんアスコン 兵庫県百貨店協会 川崎重工業 * セーフティーアイランド 兵庫トヨタ自動車 * 関西電力 * そごう * 富久娘酒造 * 関西図書印刷 神戸工場 * ソラーレホテルズ & リゾーツ ( 神不二製油 * * 関電エネルギー開発 * 戸ベイシェラトン ) 富士ゼロックス兵庫 * 菊正宗酒造 * 損害保健ジャパン * 富士チタン工業 * 共栄 葺合工場 ダイエー * 富士通テン * 麒麟麦酒 神戸工場 * 大丸 * 富士電機システムズ 神戸工場 * 近畿タクシー * 竹中工務店 * プロクター アンド ギャンブル * 田崎真珠 * ジャパン クリエイティブテクノソリューショ * ン DNP 住空間マテリアル * ホテルオークラ神戸 * 金盃酒造 た TPOディスプレイズジャパン * 前田道路 * クリーン神戸リサイクル 東華護謨工業 増田製粉所 * 小泉製麻 トーホー * 松村石油 神戸工場 * 甲南ユーテイリテイ * 東洋ビルメンテナンス 大阪支店マ マーマカロニ * ( シスメックス ソリューションセン * 神戸環境クリエイト ター ) 万葉倶楽部株式会社 * 神戸空港ターミナル * ( 有 ) 虎ノ門プロパティーズ * 三井住友銀行 * 神戸国際会館 * ナブテスコ 住環境カンパニー甲三井製糖 * * ま 神戸サンセンタープラザ * 南工場三菱重工業 神戸造船所 * 神戸商工貿易センター * ナブテスコ 西神工場 * 三菱電機 * 神戸製鋼所 * ナブテスコ 鉄道カンパニー神戸三ツ星ベルト * * 神戸製鋼所 神鋼神戸発電 * 工場ミヨシ油脂 * 神戸電鉄 * 西日本くみあい飼料 三輪運輸工業 神戸ドック工業 西日本電信電話 兵庫支店 * 森永乳業 神戸工場 * コーベフーヅ な 西日本旅客鉄道 神戸支社 * モロゾフ 神戸ポートピアホテル * 日清製粉 東灘工場 * ユニタイト * や神戸マリンホテルズ * 日本グリース 神戸工場ユーシーシー上島珈琲 * 神戸ヤクルト工場 * 日本興亜損害保険 * 独立行政法人理化学研究所神興隆産業 日本通運 神戸支店 * 戸研究所 * コニカミノルタオプト * 日本テルペン化学 菱三工業 * コニカミノルタサプライズ関西 * 日本電気 神戸支店ら 菱食戦略機能部門統括 SCM 沢の鶴 * 日本ミルクコミュニティ 神戸工場 * 推進本部 * 三徳 * ノーリツ * ロックフィールド * 三宮ターミナルビル * 白鶴酒造 * 六甲金属 * は山陽電気鉄道 * パナソニックシステムソリューショわ ワールド * * シーシーアイ 神戸本社 * ンズジャパン 関西社 * 環境保全協定の締結事業者 104 社 ( 平成 22 年 12 月末現在 ) 資 30

112 (32) 民間参画ガイドライン環境省は 第 3 次生物多様性国家戦略に基づき 事業者が生物多様性の保全と持続可能な利用のための活動を自主的に行う際の指針となる 生物多様性民間参画ガイドライン を取りまとめています ( 出典 : 環境省 生物多様性民間参画ガイドライン について ( 平成 21 年 8 月 20 日 )) 生物多様性民間参画ガイドラインの概要 資 31

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