技術論文虫様筋-骨間筋比較法における導出電極位置の検討風間由美 1) 渡辺美津江 1) 北島明子 1) 小竹美佐江 1) 近藤好恵 1) 松本幸男 1) 1) 太田綜合病院附属太田熱海病院臨床検査部要品田佳位 1) 福島県郡山市熱海町熱海旨虫様筋-

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れれまつかた
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1 技術論文虫様筋-骨間筋比較法におけるの検討風間由美 ) 渡辺美津江 ) 北島明子 ) 小竹美佐江 ) 近藤好恵 ) 松本幸男 ) ) 太田綜合病院附属太田熱海病院臨床検査部 96-8 要品田佳位 ) 福島県郡山市熱海町熱海 5- 旨虫様筋-骨間筋比較法 L-INT 法は簡便さと高い感度により手根管症候群診断検査として推奨されているしかし複合筋活動電位 CMAP 導出に用いられる第虫様筋 L は手掌表面からは確認し難く決定しやすいが求められる今回我々は L-INT 法におけるの検討を行ったは第指と第指の間から手根部中央までの線上で中手骨頭の高さを母指球筋境界の高さをその間を等分しそれぞれ c とし各電極位置における L-CMAP INT-CMAP 各々の①潜時 ②CMAP 振幅 ③CMAP 立ち上がり値と④L-INT 潜時差 L-INT 値 ⑤検者間差を検討したが中手骨頭の高さ及び母指球筋境界線上では振幅が低い例や立ち上がりが陽性になる例がありまた L-INT 値が延長する例もあるため偽陽性になる可能性があると推察され導出部位としては適さないと考えられた一方第指と第指の間から手根部中央までの線上で手掌中央部付近は振幅が高く電極位置の違いによる L-INT 値の変動が少なかったため導出部位に適していると考えられたキーワード手根管症候群第虫様筋第掌側骨間筋神経伝導検査複合筋活動電位虫様筋-骨間筋比較法 secon lumricl-interossei 難く決定しやすいが求められる今 comprison metho 以下 L-INT 法は簡便さと高回我々は L-INT 法におけるの検討をい感度により手根管症候群 crpl tunnel synrome 行ったので報告する以下 CTS 診断検査として推奨されている本法 ) は Preston ら )が 99 年に提唱した手根管症候群診 I 検査機器と測定条件断検査で正中神経支配である第虫様筋 secon lumriclis 以下 L と尺骨神経支配である第掌検査機器はニコレ社製バイキングセレクトを使用側骨間筋 first interossei plmris 以下 INT が隣接した測定条件は low cut filter Hz high cut filter して存在することにより同一電極で各々の複合筋 khz 皮膚温は手掌中央で. 以上とした活動電位 compoun muscle ction potentil 以下 CMAP の検索が可能であることを利用したもので II 対象および方法ある L-INT 法の検査方法は導出電極 G を L 上に置き G より cm 中枢の正中神経と尺骨神経検査に同意を得られた健常者名男性名に刺激を行う誘発された波形から潜時差以下 L- 女性 6 名年齢 59 歳平均 8. 歳の非利き INT 値を求め.5 ms 以上を異常と判定する手で以下の方法で検討した ) Figure Preston らはを第中手骨検討中央やや外側としているが CMAP 導出に用いられは第指と第指の間から手根部中る L や指標とする中手骨は手掌表面からは確認し央までの線上で中手骨頭の高さを母指球筋境界平成 6 年 9 月 9 日受付平成 6 年月 6 日受理

G L G INT cm L-INT値 S S G G 基準電極位置 S 正中神経刺激部位 S 尺骨神経刺激部位 Figure 虫様筋-骨間筋比較法の電極位置と波形 L 正中神経刺激部位 S 刺激における第虫様筋複合筋活動電位 INT 尺骨神経刺激部位 S 刺激における第掌側骨間筋複合筋活動電位 L-INT 値虫様筋-骨間筋比較法により求められた潜時差 A B G + G + X G -

2 G L G INT cm L-INT値 S S G G 基準電極位置 S 正中神経刺激部位 S 尺骨神経刺激部位 Figure 虫様筋-骨間筋比較法の電極位置と波形 L 正中神経刺激部位 S 刺激における第虫様筋複合筋活動電位 INT 尺骨神経刺激部位 S 刺激における第掌側骨間筋複合筋活動電位 L-INT 値虫様筋-骨間筋比較法により求められた潜時差 A B G + G + X G - c G - c 母指球筋母指球筋 G G 基準電極位置 Figure 検討電極位置 A 基本検討電極位置第指と第指の間から手根部中央までの線上で中手骨頭の高さを母指球筋境界の高さをその間を等分しそれぞれ c とした B 検者間差検討電極位置第指根部の高さの位置 x を追加し c x の点で L-INT 値を検討した L-INT 値虫様筋-骨間筋比較法により求められた潜時差の高さをその間を等分しそれぞれ c とした刺激部位は各から cm 中枢の正中神経と尺骨神経である Figure A 検討内容検討内容は各電極位置における L-CMAP INTCMAP 各々の①潜時 ②CMAP 振幅 ③CMAP 立

3 ち上がり値と④L-INT 値 ⑤検者間差である検者 c のいずれよりも延長していた p <.5 Figure 間差は同一被検者名を対象に 5 名で行い第指振幅根部の高さの位置 x を追加し c x の点で L- L-CMAP の振幅は.79 ±.8 mv. ± INT 値を計測した Figure B 検討方法は各電極.76 mv c.8 ±.68 mv. ±.68 mv INT- 位置における計測値について平均値±標準偏差 CMAP の振幅は.69 ±.95 mv 5.5 ±.5 stnr evition 以下 SD を求め各電極位置の mv c 7.5 ±.8 mv 6.87 ±.98 mv で L- 群間の t-test を行った t-test が適していない場合は CMAP INT-CMAP 共にの振幅は最も低かった p Mnn-Whitney Rnk Sum Test を用いいずれも p 値 <.5 L-CMAP ではの振幅に対しと c の.5 未満を有意差ありとした統計解析は統計解析振幅が高くと c の間では有意差はなかった INT ソフト Stt View を用いたではの振幅に対し c との振幅が高く c との間では有意差はなかった Figure 結 III 果 CMAP 立ち上がり値 CMAP 立ち上がり値は最初の頂点 P の振幅 A を立ち上がりから P までの持続時間 D で割った全被検者において全試行で波形が導出可能であった値である数値が大きいほど立ち上がりが急峻であ潜時ることを示しマイナス値は立ち上がりが陽性であることを示す Figure 5 L-CMAP の立ち上がり L-CMAP の潜時は.8 ±.57 ms.99 ±.7 ms c. ±. ms.7 ±.6 ms で値は.9 ±. mv/ms.9 ±.8 mv/ms では SD 値が最も大きくでは手根部に向かう c.87 ±.5 mv/ms. ±. mv/ms で INT- ほど延長しは c のいずれよりも延長して CMAP の立ち上がり値は.68 ±.5 mv/ms いた p <.5 INT-CMAP の潜時は.87 ±.5. ±.59 mv/ms c.6 ±.66 mv/ms.6 ± ms.9 ±. ms c. ±. ms.7 ±.6 mv/ms であった L-CMAP INT-CMAP ともに. ms でとでは有意差は認められなかったは立ち上がりが陽性になる例があった陽性波のがでは手根部に向かうほど延長しは出現率は L-CMAP.% 例 INT-CMAP.% 7 ２L-CMAP潜時 ms 5 INT-CMAP潜時 ms 5 n =.7±.6.8±.57 p<.5 有意差なし.7±..±..±..99±.7.87±.5.9±. men SD men men SD Figure 各における L および INT の CMAP 潜時 n = L secon lumriclis INT first interossei plmris CMAP compoun muscle ction potentil SD stnr evition no significnt ifference

4 L-CMAP振幅 mv INT-CMAP振幅 mv 5.± ±.8 8.8±.68.± ± ± ±.8 p<.5 有意差なし n = men SD men.69±.95 men SD Figure 各における L および INT の CMAP 振幅 n = L secon lumriclis INT first interossei plmris CMAP compoun muscle ction potentil SD stnr evition no significnt ifference P A D A D P Figure 5 CMAP 立ち上がり値の算出方法最初の頂点 P の振幅 A を立ち上がりから P までの持続時間 D で割った値を CMAP 立ち上がり値とする数値が大きいほど立ち上がりが急峻であることを示しマイナス値は立ち上がりが陽性であることを示す CMAP compoun muscle ction potentil 例であった c では陽性波の出現率はいずで両者に有意な差は見られなかった Figure 7 れも %であった c の立ち上がり値においては 5 検者間差 L-CMAP ではに対し c が有意に高く p < と c に x を追加し L-INT 値の検.5 と c の間では有意差がなかった INT-CMAP 者間差を検討した各の L-INT 値はではに対し c の立ち上がり値が最も高かった.6 ±.8 ms c. ±. ms x. ±.9 p <.5 Figure 6 L-INT 値 L-INT 値は. ±.66 ms.8 ±.9 ms c.8 ±. ms.5 ±.6 ms で正常範囲を ms であった x はいずれもと c の間に位置しておりおよび x は c に対し SD 値は小さかったまたと x x と c の間に有意な差は認められなかった Figure 8 超えるものがで.% 9 例で 6.7% 8 例あったおよび c では L-INT 値は全て正常範囲内 5

5 L-CMAP立ち上がり値 INT-CMAP立ち上がり値 mv/ms mv/ms 6 5.6±.66.9±.8 p<.5 有意差なし n =.6±.6.±.59.87±.5.±..68±.5.9±. men SD men men SD - - Figure 6 各における L および INT の CMAP 立ち上がり値 n = L secon lumriclis INT first interossei plmris CMAP compoun muscle ction potentil SD stnr evition no significnt ifference L-INT値 ms n = p<.5 有意差なし.5.±.66.5±.6.5.8±.9.8±. men SD men men SD -.5 Figure 7 各における L-INT 値 n = L-INT 値虫様筋-骨間筋比較法により求められた潜時差 SD stnr evition no significnt ifference 6

6 L-INT値検者間差 ms n=5.8 有意差なし L-INT値.6.±....6±.8.±.9 men SD men men SD -. x c Figure 8 各における L-INT 値の検者間差 n = 5 L-INT 値虫様筋-骨間筋比較法により求められた潜時差 SD stnr evition no significnt ifference なる本法で使用する第虫様筋は手掌内の深指屈 IV 考察筋腱より起こり中指外側面の指伸筋腱膜展開部に停止する細長い筋で第掌側骨間筋は第と第の CTS の診断では神経伝導検査は重要な検査法であ中手骨から起こり示指の基節骨に停止する細長い筋る従来の正中神経伝導検査では波形が誘発されである一方母指球筋は正中神経支配である短母ない重症例や偽陰性になる軽症例があるため L- 指外転筋短母指屈筋母指対立筋及び尺骨神経支 INT 法を追加することにより精度を高めることがで配である母指内転筋で構成され手掌上では比較的大きるといわれている ), 5 ) L-INT 法は Preston らがきな筋である 9) そのためによっては 99 年に発表した CTS の診断に有用な神経伝導検第虫様筋や第掌側骨間筋の CMAP 記録に母指査法だがその後 6 年に同グループが手掌上の最球筋の影響が出ることが推測される適なを検討するため正常群と CTS 群今回の検討で用いた第指と第指の間から手根で電極位置の違いによる測定値を検討しているそ部中央を結ぶ線上は解剖学的に見ても第中手骨やの結果正常群 CTS 群いずれも末梢側では L-INT や外側であり第虫様筋と第掌側骨間筋が位置値が延長してしまうため最適なを定する部位と考えられるの違いの検討めることが重要であるとしている 6) ではの中手骨頭の高さのでは振幅が導出電極の適切な配置とは活性電極が電位発生源低く立ち上がりも緩徐で筋腹からずれていると思のそばにあって目的電位と紛らわしい電位やアーチわれたの母指球筋境界線上では振幅が高いが立ファクトを拾い難い位置である 7) CMAP を記録すち上がりが陽性になる例があり母指球筋の活動電る場合筋腹付近に導出電極を置くと神経筋接合部位の影響を受けていると思われたまたいずれが集中しているため陰性から始まる単純な二相性も L-INT 値が正常値を超える例があり偽陽性になの波形が得られるが筋腹からずれると陰性電位のる可能性があると推察され導出部位としては適さ前に陽性電位が出現してしまう 8) また対象となないと考えられた一方及び c の第指と第る筋肉が小さければ近傍の筋肉の影響を受けやすく指の間から手根部中央までの線上で手掌中央部付近 7

7 では振幅が高く波形の立ち上がりが急峻な適切な波形が記録されるため L-INT 値計測の導出部位に適していると思われた当院では第指と第指の間から手根部中央までの線上で第指根部の高さ x をとしている手掌の大きさや母指球筋の発達度第指根部の高さの個人差については検討していないがこの部位は手掌中央付近に位置し母指球筋の活動電位の影響も少ない位置と考えられる今回この位置の検者間差を追加検討したところいずれもと c の間に位置し検者間差も少なく日常臨床で本法を用いる際にこれらの個人差の影響を簡便に少なく出来る点で今回の我々の検討は有意義と思われる V 結語 L-INT 法は決定しやすい電極位置を第指と第指の間から手根部中央までの線上で手掌中央部付近に設定することで経験の少ない技師でもより簡便に感度の高い検査を提供できるものと考えられた 8 本論文の要旨の一部は平成 5 年度日臨技北日本支部医学検査学会にて発表した謝辞本稿を終えるにあたり御助言をいただきました東京女子医科大学神経内科助教伊藤英一先生に深謝いたしますまた統計解析においてご協力いただきました太田綜合病院附属太田西ノ内病院生理検査科黒﨑幸子技師兼田享子技師に深謝いたします文献 ) 日本神経治療学会標準的神経治療手根管症候群神経治療 8; 5: 6 8. ) Preston DC, Logigin EL: Lumricl n interossei recoring in crpl tunnel synrome, Muscle Nerve, 99; 5: ) 児玉三彦正門由久神経伝導検査 uncommon nerve conuction stuy 臨床神経生理学 ; 8: 6 5. ) 村岡幹夫他手根管症候群の電気診断における正中尺骨神経比較法の有用性新潟整外県会誌 ; 8: 8. 5) 栃倉未知他手根管症候群の神経伝導検査における各種検査法の感度の比較総合リハ ; : ) AL-Shekhlee A et l.: Optiml recoring electroe plcement in the lumricl-interossei comprison stuy, Muscle Nerve, 6; : ) 園生雅弘馬場正之上肢の神経伝導検査神経筋電気診断の実際 9 6 星和書店東京. 8) 幸原伸夫木村淳運動神経伝導検査神経伝導検査と筋電図を学ぶ人のために 8 5 医学書院東京. 9) 山内昭雄手掌スネル臨床解剖学メディカルサイエンスインターナショナル東京.

8 Technicl Article Exmintion of the leing electroe position in the lumriclinterossei comprison metho Yumi KAZAMA ) Akiko KITAJIMA ) Yoshie KONDO ) Yoshii SHINADA ) Mitsue WATANABE ) Mise KOTAKE ) Yukio MATSUMOTO ) ) Deprtment of Lortory Meicine, Oht Generl Hospitl Fountion Oht Atmi Hospitl (5-, Atmi, Atmimchi, Koriym-shi, Fukushim 96-8, Jpn) Summry The lumricl-interossei comprison metho (L-INT metho) is recommene for the ignosis of crpl tunnel synrome owing to its high sensitivity n simplicity. However, it is not esy to fin the secon lumriclis (L) on the plm surfce to otin the compoun muscle ction potentil (CMAP). In this stuy, therefore, we explore new pproch to locting the proper electroe position in the L-INT metho. We rew line strting from the joint etween the secon finger n the thir finger to the crpl center, n on this line, we etermine point t the metcrpl he height, point t the ounry etween this line n the thenr muscle, n points n c respectively t the first n secon one-thir points on the line from to. We then exmine, t ech electroe position (,, c, n ) the following: () ltency, () CMAP mplitue, n () CMAP rising time slopes of oth L-CMAP n INT- CMAP. We lso exmine () the L-INT ltency ifference n (5) the ifferent results otine y ifferent exminers. At points n, low mplitue n positive rising time slopes were oserve occsionlly. The L-INT time ws lso extene in some cses, possily cusing flse positive result. Thus, points n seeme unsuitle for n ctive electroe. In contrst, t the mipoint etween points n c, the mplitue ws high, n there were few chnges in the L-INT time cuse y the electroe position ifferences. Thus, this loction seeme suitle for n ctive electroe. Key wors: crpl tunnel synrome, secon lumriclis, first interossei plmris, nerve conuction stuy, compoun muscle ction potentil (Receive: Septemer 9, ; Accepte: Decemer 6, ) 9

末梢神経障害

Ⅱ 臨床診断と治療 Ⅰ 検査 1 Ⅲ 遺伝性末梢神経障害脱髄と軸索変性はどのように見分けるのでしょうか 1 脱髄と軸索変性を鑑別する意義末梢神経障害患者を診る場合にまず行うべきことは脱髄か軸索変性かの鑑別であるこれは第 1 に原因診断を目的としている基本病態が脱髄か軸索変性かによって原因が大きく異なるからである圧迫性ニューロパチーの場合には圧迫虚血が軽度の場合には脱髄あるいは静止膜電位変化による機能的伝導障害が