スライド 1

Size: px
Start display at page:

Download "スライド 1"

Transcription

1 3 年次前期専門科目群 Ⅰ ( 必修科目 ) 2 単位 医療薬剤学 Ⅰ 5 回目 生物薬剤学講座児玉庸夫 1

2 医療薬剤学 Ⅰ は医薬品の有効性と 安全性を基礎から理解するための学問 医薬品 有効性 安全性 2

3 講義の内容 (1) 第 1 回薬物の生体内運命 第 2 回薬物の副作用 ( 薬物有害反応 )( 小テスト ) 第 3 回薬物の循環系移行と排泄 ( 小テスト ) 第 4 回薬物の投与方法と経口投与製剤 ( 小テスト ) 第 5 回薬物の吸収と影響因子 (1) ( 小テスト ) 第 6 回薬物の吸収と影響因子 (2) ( 小テスト ) 第 7 回薬物の運命 副作用 ( 薬物有害反応 ) 及び吸収のまとめと演習 ( 中間テスト ) 3

4 講義の内容 (2) 第 8 回薬物の生体内分布 ( 小テスト ) 第 9 回薬物の体液中での存在形態と分布容積 ( 小テスト ) 第 10 回薬物代謝と薬効 ( 小テスト ) 第 11 回薬物の排泄 ( 小テスト ) 第 12 回薬物の相互作用 ( 小テスト ) 第 13 回演習 4

5 第 5 回薬物の吸収と影響因子 (1) 薬物の主な吸収部位を列挙できる また 消化管の構造 機能と薬物吸収の関係 受動拡散 ( 単純拡散 ) と促進拡散の特徴 及び能動輸送の特徴を説明できる 薬物の吸収に影響する因子を列挙し 説明できる 薬剤師国家試験医 2A-a 生体膜透過医 2A-b 吸収医 2A-f 薬物動態の変動要因 5

6 腎臓糞中排泄尿中排泄代 薬物の主な吸収部位 消化管 内用剤坐吸剤入肝臓崩壊 分散 溶解 バッカル錠舌下錠6 謝 作用部位 直腸 血液 口腔粘膜 組織皮膚筋肉 皮下 調剤臨薬動

7 生体膜の構造的 機能的特徴 生体膜は 上皮細胞と内皮細胞に分類される 上皮細胞及び内皮細胞は 細胞膜で覆われている 薬物の透過を考える場合 薬物分子が生体膜を透過する必要があり 生体膜のどこの部分を透過するか 薬物分子の物理化学的性質 あるいは部位特異的な生理的機能に依存する 7 わ生薬

8 上皮細胞の構造と物質の輸送経路 (1) 8 わ生薬

9 上皮細胞の構造と物質の輸送経路 (3) 薬物の輸送経路には 細胞膜を直接透過する経細胞輸送と 細胞と細胞の間を透過する細胞間隙輸送がある 単純拡散で薬物等が経細胞輸送される場合 脂質二重層を通過するため 比較的脂溶性が高い薬物が透過しやすい 9 わ生薬

10 上皮細胞の構造と物質の輸送経路 (4) 薬物透過の方向性は 管腔側の頂側膜から血液側の側底膜側方向の場合は吸収と呼ばれ その反対方向の側底膜から頂側膜側方向の場合は分泌と呼ばれる 10 わ生薬

11 生体膜での物質輸送機構 トランスポーター ( 輸送担体 ) が介在しない輸送単純拡散 トランスポーター ( 輸送担体 ) が介在する輸送 ( 糖 アミノ酸 ペプチド 水溶性ビタミン 胆汁酸 アミン 有機酸類など ) 促進拡散 能動輸送 細胞膜の形態変化により生じた小胞内に包み込まれて細胞外から細胞内に輸送される または細胞内から細胞外に輸送される形式膜動輸送 ( サイトーシス ) わ生薬新薬 11

12 単純拡散による生体膜での物質輸送 (1) 薬物が生体内へ移行する場合 生体膜両側における濃度勾配に従って 濃度が高い方から低い方へ透過する下り坂輸送である 12 わ生薬

13 単純拡散による生体膜での物質輸送 (3) 単位時間当たりの透過量 ( 透過速度 ) は Fick の法則 ( フィックの法則 ) で示され 吸収部位の薬物濃度と透過速度の関係は直線的となり 薬物濃度に比例して透過速度は上昇する J=-D dc/dx (1) J : 単位時間当たりの透過量 ( 透過速度 ) dc/dx: 膜を隔てた薬物の移行元 ( 高濃度 ) と 移行先 ( 低濃度 ) の濃度勾配 (x は膜の厚さを示す ) D : 拡散係数 (cm 2 /s 長さ 2 / 時間 ) わ生薬よ薬計生薬 13

14 (3) 式と (4) 式から J=P S (C 1 -C 2 ) (5) J : 単位時間当たりの透過量 ( 透過速度 ) C 2 : 移行先の薬物濃度 ( 低濃度 ) C 1 : 移行元の薬物濃度 ( 高濃度 ) P : 膜透過係数 (cm/s 長さ / 時間 ) S : 膜の表面積 P S: 透過クリアランス (ml/min) 薬物の特定組織への移行時の生体膜透過 指標として 循環血液から血液脳関門を介した脳への薬物の移行性にも用いられる わ生薬生薬新薬 14

15 単純拡散のまとめ (1) トランスポーター ( 輸送担体 ) が介在しない輸送である 薬物が生体内へ移行する場合 生体膜両側における濃度勾配に従って 濃度が高い方から低い方へ透過する下り坂輸送である 単位時間当たりの透過量 ( 透過速度 ) は Fickの法則 ( フィックの法則 ) で示される 15 わ生薬

16 単純拡散のまとめ (2) 吸収部位の薬物濃度と透過速度の関係は直線的となり 薬物濃度に比例して透過速度は上昇する 輸送の飽和性や 輸送に対する共存物質による透過変動はみられない 薬物の脂溶性 分子サイズ 及び水素結合による影響を受ける 16 わ生薬

17 単純拡散のまとめ (3) 薬物の脂溶性 分子サイズ 及び水素結合による影響を受ける 脂溶性が高い薬物の生体膜への分配は高くなり 生体膜透過性は高くなる 水酸基やアミノ基のような水素結合能 ( 水素結合数 ) の高い官能基を持つ薬物では生体膜透過性は低くなる 17 わ生薬

18 トランスポーター ( 輸送担体 ) 介在輸送 糖 アミノ酸 ペプチド 水溶性ビタミン 胆汁酸 アミン 有機酸類などは生体に必須な物質であるが 脂溶性が低く単純拡散 ( 濃度勾配に従って 濃度が高い方から低い方へ透過する下り坂輸送 ) で生体膜を透過することは困難であるため 生体特異的な機能であるトランスポーター ( 輸送担体 ) を介して輸送される ( 促進拡散 : 下り坂輸送 二次性能動輸送 : 上り坂輸送 ) ポンプ機能により濃度勾配に逆らった上り坂輸送 ( 濃度が低い方から高い方へ輸送される ) を示す ( 一次性能動輸送 : 上り坂輸送 ) 18 わ生薬

19 トランスポーター ( 輸送担体 ) 介在輸送の特徴 1 トランスポーター ( 輸送担体 ) の数が有限であるので 基質となる物質の濃度上昇とともに飽和現象を示す ( 基質の輸送速度は ミカエリス メンテン Michaelis- Menten 式で表される )( 促進拡散 能動輸送 ) 2 臓器 細胞 基質特異性を有する ( 促進拡散 能動輸送 ) 3 構造類似物質の共存下で 輸送が競合的に阻害される ( 促進拡散 能動輸送 ) 4 トランスポーター ( 輸送担体 ) に特異的な阻害剤が存在する ( 促進拡散 能動輸送 ) 5 低温下で 輸送能が低下する ( 能動輸送 ) 6 濃度勾配に逆らった上り坂輸送 ( 濃度が低い方から 高い方へ輸送される ) を示す ( 能動輸送 ) 7 細胞内のエネルギー代謝の影響を受ける ( 能動輸送 ) わ生薬新薬 19

20 トランスポーター ( 輸送担体 ) 介在輸送における輸送速度 ( Michaelis-Menten 式 ) J= Jmax C 1 Km+C 1 (1) J : 単位時間当たりの輸送量 ( 輸送速度 ) Jmax : 最大輸送速度 Km :Michaelis 定数 ( ミカエリス定数 ) ( 輸送される基質に対する親和性を示し 数字が大きいほど低い親和性 数字が小さいほど高い親和性を示す ) (Jmax/2になる薬物濃度) ( トランスポーターに対する解離定数 ) 新薬 : 膜表面での薬物濃度 20 C 1 わ生薬

21 トランスポーター ( 輸送担体 ) 介在輸送による生体膜での物質輸送 トランスポーター介在輸送 ( 促進拡散 能動輸送 ) 過速度単純拡散透薬物濃度がミカエリス定数に比べて著しく低い領域では 透過速度 ( 輸送速度 ) は薬物濃度にほぼ比例する Michaelis-Menten 式薬物濃度と透過速度 ( 輸送速度 ) の関係に飽和現象がみられ 薬物濃度が上昇しても透過速度 ( 輸送速度 ) は上昇しない わ生薬新薬 21

22 促進拡散による生体膜での物質輸送 (1) 特定の物質に対して選択性を有するトランスポーターを介した輸送であるが 能動輸送と異なり 細胞内代謝エネルギーを必要とせず 膜内外の物質の濃度勾配や電気化学ポテンシャル差に従う下り坂輸送を促進拡散と呼ぶ 22 わ生薬

23 促進拡散のまとめ 特定の物質に対して選択性を有するトランスポーター ( 輸送担体 ) が介在する輸送である 能動輸送と異なり 細胞内代謝エネルギーを必要とせず 膜内外の物質の濃度勾配や電気化学ポテンシャル差に従う下り坂輸送である 基質となる物質の濃度上昇とともに 輸送には飽和現象がみられる 基質の輸送速度は ミカエリス メンテンMichaelis- Menten 式で表される 23 わ生薬

24 能動輸送による生体膜での物質輸送 トランスポーターを介した輸送であるが 促進拡散と異なり 細胞内代謝エネルギーを必要とし 薬物が濃度の低い側から高い側へと輸送される上り坂輸送を能動輸送と呼ぶ 細胞内代謝エネルギー ATP を直接利用する一次性能動輸送と 一次性能動輸送に由来するイオン勾配 電位差を駆動力とする二次性能動輸送に分類される わ生薬新薬 24

25 一次性能動輸送による生体膜での物質輸送 (1) 一次性能動輸送では 細胞内 ATP などの高エネルギーリン酸化合物を加水分解して ADP に変換するさいに遊離されるエネルギーを直接利用して 上り坂輸送によって物質が輸送される 25 わ生薬

26 一次性能動輸送による生体膜での物質輸送 (2) ATPase( ポンプとも呼ばれる ) と呼ばれるイオン輸送型ポンプの代表的な例として 小腸上皮細胞や腎尿細管上皮細胞の側底膜 ( 血液側 ) に存在する Na + /K + -ATPaseがあり ATPの加水分解エネルギーによってNa + を細胞内から細胞外へ汲み出し 同時に K + を細胞外から細胞内に取り込み 細胞内の低 Na + (12mM) 高 K + (140mM) 濃度を保持している ABCトランスポーターファミリーの代表的な例として ATPの加水分解エネルギーによって薬物を細胞内から細胞外へ輸送 ( 排出ポンプ ) するP- 糖タンパク質 (MDR1 遺伝子が生成する ) があり 癌細胞や小腸上皮細胞管腔側 ( 頂側膜側 ) などに発現している P- 糖タンパク質により抗悪性腫瘍薬は細胞外に排出されるため多剤耐性化の原因となる また 小腸では薬物吸収が低下する わ生薬新薬 26

27 二次性能動輸送による生体膜での物質輸送 (1) わ生薬新薬 一次性能動輸送によって生じたイオン (Na + /K + など ) の電気化学的ポテンシャル勾配を駆動力として 物質がトランスポーターを介して 上り坂輸送される ( 共輸送 逆輸送 ( 交換輸送 ) 単輸送 27 )

28 二次性能動輸送による生体膜での物質輸送 (2) 二次性能動輸送では 一次性能動輸送である Na + /K + -ATPase ( ポンプ機能 ) により形成される Na + イオンの電気化学的ポテンシャル勾配を駆動力として 物質の上り坂輸送が起こる Na + 依存性トランスポーター以外に 細胞膜を隔てて形成される H + Cl - 重炭酸イオンが連動し 物質の上り坂輸送が起こる 小腸上皮細胞における栄養物質の吸収や 腎尿細管上皮細胞における栄養物質の再吸収に働いている わ生薬新薬 28

29 共輸送による二次性能動輸送 (2) 代表的な例として 小腸上皮細胞における栄養物質の吸収や 腎尿細管上皮細胞における栄養物質の再吸収に関係するNa + / アルドヘキソース共輸送体や H + / ジ ( トリ ) ペプチド共輸送体 ( ペプチドトランスポーター :PEPTと呼ばれ PEPT1は小腸に発現 PEPT 2は腎臓に発現 ) がある Na + の下り坂輸送に共役して共輸送されるものとして アミノ酸 ( Na + / アミノ酸共輸送体 ( アミノ酸トランスポーター ) が関与 ) アスコルビン酸 (Na + / 水溶性ビタミン共輸送体が関与 ) などがある H + の下り坂輸送に共役して共輸送されるものとして ジ ( トリ ) ペプチドやβ-ラクタム抗生物質などの薬物 (H + / ジ ( トリ ) ペプチド共輸送体 ( ペプチドトランスポーター ) が関与 ) 乳酸や酢酸などのモノカルボン酸 (H + / 乳酸共輸送体 ( モノカルボン酸トランスポーター :MCT1と呼ばれる) が関与 ) などがある 29 わ生薬新薬

30 能動輸送のまとめ 特定の物質に対して選択性を有するトランスポーター ( 輸送担体 ) が介在する輸送であるが 促進拡散と異なり 細胞内代謝エネルギーを必要とし 薬物が濃度の低い側から高い側へと輸送される上り坂輸送を能動輸送と呼ぶ 細胞内代謝エネルギー ATPを直接利用する一次性能動輸送と 一次性能動輸送に由来するイオン勾配 電位差を駆動力とする二次性能動輸送に分類される 二次性能動輸送は 共輸送 逆輸送 ( 交換輸送 ) 及び単輸送に分類される 基質となる物質の濃度上昇とともに 輸送には飽和現象がみられる 基質の輸送速度は ミカ 30 エリス メンテンMichaelis-Menten 式で表される わ生薬

31 膜動輸送 ( サイトーシス ) による生体膜で の物質輸送 (1) 高分子化合物が 細胞膜の形態変化により細胞に生じた小胞内に包み込まれて 細胞の外側から内側へ あるいは内側から外側へ輸送される形式である 細胞外から細胞内へ取り込む場合をエンドサイトーシス 細胞内から細胞外へ輸送する場合をエキソサイトーシスと呼ぶわ生薬 31 新薬

32 膜動輸送 ( サイトーシス ) のまとめ トランスポーターを介するのではなく 細胞表面の受容体に結合したタンパク質や多糖などの高分子化合物が 細胞膜の形態変化により細胞に生じた小胞内に包み込まれて 細胞の外側から内側へ あるいは内側から外側へ輸送される形式である 細胞外から細胞内へ取り込む場合をエンドサイトーシス 細胞内から細胞外へ輸送する場合をエキソサイトーシスと呼ぶ エンドサイトーシスには 比較的大きな粒子 (1 μm 以上 例えば顆粒状物質 ) を取り込む過程を 指す食作用と それより小さな粒子や溶解している物質を取り込む過程を指す飲作用がある わ生薬新薬 32

33 消化管の構造と機能 (1) 消化管吸収は 胃 小腸 及び大腸に分けることができ 小腸は 消化管吸収で大きな役割を果たす吸収部位である 33 わ生薬

34 消化管の構造と機能 (2) 口から肛門に至る 全長 9m の一続きの中空の管で 口腔 咽頭 食道 胃 小腸 大腸から成る 口腔から吸収される薬物もある ( ニトログリセリン ) 消化管吸収は 胃 小腸 及び大腸に分けることができ 吸収に対する有効面積 消化液等の分泌液量 ph 消化酵素 食物の滞留時間に違いがある 薬物の胃 小腸 及び大腸の上皮細胞の透過機構には 単純拡散 促進拡散 能動輸送 膜動輸送があり 大半の薬物は単純拡散により胃腸管上皮細胞を透過し吸収される 小腸は 消化管吸収で大きな役割を果たす吸収部位である わ生薬新薬 34

35 リンパ吸収 経口投与後 薬物は消化管粘膜の上皮細胞を通過して吸収されるが その後薬物は 腸管膜に存在する毛細血管または毛細リンパ管に移行し 全身に分布する リンパ液流量は 血液流量の1/200~1/500と少ない 水溶性薬物の場合は その98% 以上が直接血管に移行する 脂溶性薬物や脂溶性ビタミン ( ビタミンAなど ) などは 消化管で吸収後 一部が腸管リンパ液へ移行する リンパ管の内皮細胞では その間隙が大きく開いているところがあるため 血管に比べて分子量わ生薬の大きな物質 ( 高分子薬物 ) が透過しやすい 新薬 35

36 単純拡散による消化管吸収 ph 分配仮説 (1) 薬物は 主に単純拡散により胃腸管の経細胞輸送で吸収される 経細胞輸送では 薬物はまず細胞膜 ( 脂質 ) に溶解 ( 分配 ) する必要があり 油 / 水分配係数の高い すなわち脂溶性の高い薬物ほど吸収されやすい 薬物の多くは弱電解質であり 脂溶性の高い非イオン形分子が 経細胞輸送で吸収されるため 吸収部位における薬物の解離に伴い変化する脂溶性の違いが吸収を支配する このような考え方をpH 分配仮説という わ生薬新薬 36

37 単純拡散による消化管吸収 ph 分配仮説 (2) 胃粘膜は単純な脂質膜の性質を示すので 胃からの吸収はpH 分配仮説に従う単純拡散によって起こる 小腸からの単純拡散による薬物吸収は ph 分配仮説に従わない場合が多い この理由として 小腸上皮細胞表面のpHは Na + /H + 逆輸送によるH + の汲み出しによりpH6.1~6.8を示し 消化管管腔内のpH7.0~7.4より低いためと考えられている 最近では このpHが低くなることを 微環境 microclimate phと呼んでいる 直腸粘膜からの薬物の吸収はpH 分配仮説に従う単純拡散によって起こる わ生薬新薬 37

38 単純拡散による消化管吸収 ph 分配仮説 (3) 弱酸性あるいは弱塩基性の薬物におけるイオン形と非イオン形の比は 薬物の有するKa( 解離定数 ) と溶解する溶液のpHによるヘンダーソン ハッセルバルヒ Henderson-Hasselbalchの式で計算できる 平衡状態では 消化管膜の両側 ( 管腔側及び血液側 ) において 非イオン形薬物濃度は等しい わ生薬新薬 38

39 単純拡散による弱酸性薬物の吸収 (1) 弱酸性薬物の水溶液 Ka [HA] [A - ]+[H + ] [HA]: 非イオン形分子の濃度 [A - ]: イオン形分子の濃度 [H + ]: 消化管の水素イオン濃度 Ka: 解離定数 ヘンダーソン ハッセルバルヒ Henderson-Hasselbalch の式 pka = ph + log [HA] [A - ] 以上の関係から 吸収部位での非イオン形分率 α は [HA] α = = [HA] + [A - ] ph-pka わ生薬新薬 39

40 単純拡散による弱酸性薬物の吸収 (2) pka = 4.4 の弱酸性薬物の胃内 (ph = 1.4) における α は 1 1 α = ph-pka = = 1 ( この薬物は 胃内ではほぼ非イオン形で存在する ) 非イオン形分子の脂溶性が同じであれば 酸性薬物では pka が大きいほど吸収部位 ( 胃 小腸など ) での非イオン形分率 α の割合が高くなり 吸収されやすい 吸収部位 ( 胃 小腸など ) での非イオン形分率 α は [HA] α = = [HA] + [A - ] ph-pka わ生薬新薬 40

41 単純拡散による弱塩基性薬物の吸収 (1) 弱塩基性薬物の水溶液 Ka [BH + ] [B]+[H + ] [BH + ]: イオン形分子の濃度 [B]: 非イオン形分子の濃度 [H + ]: 消化管の水素イオン濃度 Ka: 解離定数 ヘンダーソン ハッセルバルヒ Henderson-Hasselbalch の式 pka = ph + log [BH + ] [B] 以上の関係から 吸収部位での非イオン形分率 α は [B] α = = [BH + ] + [B] 1 わ生薬 pka-ph 新薬 41

42 単純拡散による弱塩基性薬物の吸収 (2) pka = 4.4 の弱塩基性薬物の胃内 (ph = 1.4) における α は [B] α = [BH + ] + [B] = = 非イオン形分子の脂溶性が同じであれば 塩基性薬物では pka が小さいほど吸収部位 ( 胃 小腸など ) での非イオン形分率 α の割合が高くなり 吸収されやすい 吸収部位 ( 胃 小腸など ) での非イオン形分率 α は [B] α = = [BH + ] + [B] pka-ph わ生薬新薬 42

43 消化管吸収に及ぼす生理的要因 消化管内移動速度 (1) 経口投与された薬物が胃から小腸へ移行する速度 ( 胃内容排出速度 ) と時間 ( 胃内容排出時間 ) による影響を受ける 食事の摂取は 胃内容排出速度を低下させ 絶食投与と比較して食後投与では 薬物の最高血漿中濃度到達時間は遅延し 最高血漿中濃度は低下する 胃腸機能調整薬 制吐薬メトクロプラミド ( プリンペラン錠 5mg) は 胃の蠕動運動を促進し胃内容排出速度を上昇させる 43 わ生薬

44 消化管吸収に及ぼす生理的要因 消化管分泌液 (1) 胃内 phは空腹時でph1.2~1.8 食後はpH3.0~5.0 である 1 日あたりの胃液分泌量は2~4Lである 食事の脂肪は 胃酸分泌を阻害する 薬物のバイオアベイラビリティ ( 生物学的利用能 ) は 食事の量や組成による影響を受ける 抗コリン薬アトロピン プロパンテリンやヒスタミンH 2 受容体遮断薬 ( ファモチジンなど ) は胃酸分泌を抑制する 制酸薬の重曹 水酸化マグネシウムにより 胃内 ph は上昇する ( 大きくなる ) 塩酸リモナーデによリ 胃内 phは低下する ( 小さくなる ) 44 わ生薬

45 消化管吸収に及ぼす生理的要因 消化管分泌液 (2) 小腸上部から胆汁が分泌され 胆汁中にはコール酸 ケノデオキシコール酸などの胆汁酸が含まれる 胆汁酸は界面活性作用を有するため 難溶性薬物 ( 抗真菌薬グリセオフルビン ) の吸収に大きく影響する グリセオフルビンを高脂肪食とともに服用すると 空腹時に比べてより高い血中濃度が得られる 胆汁酸は 高脂肪食により分泌が促進される インドメタシンのプロドラッグであるインドメタシンファルネシアは 胆汁酸によって可溶化されて吸収が増加する 45 わ生薬

46 消化管吸収に及ぼす生理的要因 初回通過効果 (1) 消化管 ( 胃 小腸 大腸 ) において 薬物が吸収されて全身循環に移行する前に門脈を経て肝臓を経由する 薬物は 肝臓や消化管粘膜に存在する酵素で代謝されることがあり 全身循環に移行する前に受けるこれらの代謝は初回通過効果 (first pass effect) と呼ばれる ( 静脈内投与では 初回通過効果はみられない ) 46 わ生薬

47 消化管吸収に及ぼす生理的要因 初回通過効果 (2) 肝臓を1 回通過したときの薬物濃度の減少率を肝抽出率という 投与された薬物が全身循環に移行した割合をバイオアベイラビリティ ( 生物学的利用能 Fで示される ) という (F=1とは 投与した薬物全量が吸収され 全身循環に移行したことを示す ) 経口投与時の薬物のバイオアベイラビリティ (F) は (1- 肝抽出率 ) より小さい 肝代謝が唯一の消失経路である薬物について 投与量に対する消化管粘膜を透過した割合をFa 肝抽出率をEhとすれば この薬物のバイオアベイラビリティは Fa (1-Eh) で表される 47 わ生薬

48 消化管吸収に及ぼす生理的要因 初回通過効果 (3) FF: 消化管壁へ入る割合 FG: 消化管壁で代謝を免れる割合 FH: 肝臓での代謝を免れる割合 経口投与でのバイオアベイラビリティ (F) は F=FF FG FH 各過程で薬物の 20% が除去されたとすると F= FF(0.8) FG(0.8) FH(0.8)=0.51 つまり バイオアベイラビリティは51% となり 経口投与された薬物の51% が全身循環に移行したことを意味する 48 わ生薬

49 消化管吸収に及ぼす生理的要因 初回通過効果 (4) 経口投与で 肝臓での初回通過効果 (first pass effect) が大きくF=0.5 以下の薬物として アルプレノロール クロルプロマジン ジルチアゼム 5-フルオロウラシル イミプラミン 硝酸イソソルビド リドカイン モルヒネ ニカルジピン ニフェジピン ニトログリセリン プロプラノロールなどがある 塩酸プロプラノロールは 経口投与で初回通過効果を受けやすいので 口腔粘膜への投与の方がバイオアベイラビリティが高い 49 わ生薬

50 消化管吸収に及ぼす生理的要因 腸肝循環 吸収された薬物が肝臓に移行した後 胆汁中に排泄された薬物が 小腸で再び吸収を受け 門脈を経て肝臓に戻ることを腸肝循環 (enterohepatic circulation) という 胆汁酸は腸肝循環される 腸肝循環される薬物として 麻薬性鎮痛薬モルヒネや非ステロイド性抗炎症薬インドメタシンなどがある 腸肝循環で 薬物の血中濃度が持続されることがある 50 わ生薬

51 消化管吸収に及ぼす生理的要因 トランスポーターを介した薬物吸収 (1) ペプチドトランスポーター (PEPT1) は小腸に発現し H + 濃度勾配を駆動力とする二次性能動輸送体 ( 共輸送 ) であり β-ラクタム抗生物質 アンジオテンシン変換酵素阻害薬 (ACE 阻害薬 ) ペプチド結合を有する化学療法薬 ( ベスタチン ) などの薬物が基質として輸送される ( 小腸で吸収される ) セファレキシンやカプトプリルは ( ジ ) ペプチドトランスポーターを介して小腸上皮細胞膜を透過する 51 わ生薬

52 消化管吸収に及ぼす生理的要因 トランスポーターを介した薬物排出 一次性能動輸送体である P- 糖タンパクは小腸に発現し 免疫抑制剤 ( シクロスポリン タクロリムス ) 抗悪性腫瘍薬 ( ビンブラスチン ビンクリスチン ドキソルビシン ) 強心配糖体 ( ジゴキシン ) カルシウムチャネル遮断薬 ( ベラパミル ) ステロイドホルモン ( デキサメタゾン ヒドロコルチゾン ) 循環器用薬 ( キニジン ) の排出輸送に関与する ( 小腸での吸収が低下する ) 薬物の吸収がシクロスポリンの同時経口投与により有意に増大する場合 その薬物の排出方向の輸送には担体が関与する 52 わ生薬

53 消化管吸収に及ぼす薬物固有の要因 薬物の分子構造 (1) 薬物の大半は 単純拡散により消化管吸収され 脂溶性が高いほど消化管膜透過性が高くなる 多くの薬物は 弱酸性または弱塩基性であるため 消化管からの吸収は ph 分配仮説に従うと考えられており 非イオン形 ( 分子形 ) の割合が高い方が吸収されやすい ヘパリンナトリウムは 高分子であるため 消化管から吸収されない 塩酸バカンピシリンは アンピシリンの消化管からの吸収性を増大させるためのプロドラッグである 53 わ生薬

54 消化管吸収に及ぼす薬物固有の要因 薬物の分子構造 (2) 弱塩基性薬物では phが上昇するほど吸収率がよくなる (ph 分配仮説に従う ) サリチル酸や安息香酸は ほとんど解離しているpH 領域でも吸収が良好である ph 分配仮説に従えば ph6の小腸よりph3の胃の方が非イオン形の割合が高く 吸収が良好となるはずであるが ph6の小腸での吸収速度がph3の胃での吸収速度に比べて速い 54 わ生薬

55 消化管吸収に及ぼす薬物固有の要因 溶解速度 (2) 溶解速度を上昇させるには 薬物を微粉化して粒子径を小さくし 表面積を大きくして溶解度 (Noyes-Whitney 式の Cs) を上昇させる ( グリセオフルビンなど ) グリセオフルビンを微粉化すると 溶解速度が増加して吸収性が増加する 難溶性薬物のバイオアベイラビリティーは 結晶の粒子径を小さくすると溶解性が高まるため大きくなる 溶解速度は 薬物の結晶多形や無晶形の影響を受け 溶解度 (Noyes-Whitney 式のCs) 及び溶解速度の順番は 無晶性固体 > 準安定形結晶 > 安定性結晶である ( バルビツール酸誘導体など ) 消化管での溶解性が低い結晶性薬物について バイオアベイラビリティーを改善するための方法として 非晶質化や微粉化がある 55 わ生薬

56 消化管吸収に及ぼす薬物固有の要因 溶解速度 (3) 溶解速度は薬物の溶媒和の影響を受け 溶解度 (Noyes-Whitney 式の Cs) 及び溶解速度の順番は 無水物 ( 水を伴わない結晶 )> 水和物 ( 水を伴う結晶 ) である ( アンピシリンなど ) 弱酸性薬物はアルカリ塩 弱塩基性薬物は強酸塩とすることで 溶解度 (Noyes-Whitney 式の Cs) 及び溶解速度は上昇する ( トルブタミド ( ナトリウム塩 ) など ) ニフェジピンは 水溶性高分子のポリビニルピロリドンを用いて固体分散体とすると 溶解速度が上昇するため吸収性が増加する 56 わ生薬

57 経口投与薬物の消化管吸収のまとめ (1) 薬物の胃 小腸 及び大腸の上皮細胞の透過機構には 単純拡散 促進拡散 能動輸送 膜動輸送がある 薬物は 主に単純拡散により胃腸管上皮細胞での経細胞輸送で吸収される 経細胞輸送では 薬物はまず細胞膜 ( 脂質 ) に溶解 ( 分配 ) する必要があり 油 / 水分配係数の高い すなわち脂溶性の高い薬物ほど吸収されやすい 脂溶性薬物や脂溶性ビタミン ( ビタミン A など ) などは 消化管で吸収後 一部が腸管リンパ液へ移行する わ生薬新薬 57

58 経口投与薬物の消化管吸収のまとめ (2) 薬物の単純拡散 ( 受動輸送 ) は Fick の法則に従う 薬物のトランスポーター ( 輸送担体 ) 介在輸送 ( 促進拡散 能動輸送 ) は Michaelis- Menten 式に従う わ生薬新薬 58

59 経口投与薬物の消化管吸収のまとめ (3) 薬物の多くは弱電解質であり 脂溶性の高い非イオン形分子が 経細胞輸送で吸収されるため 吸収部位における薬物の解離に伴い変化する脂溶性の違いが吸収を支配する このような考え方を ph 分配仮説という わ生薬新薬 59

60 経口投与薬物の消化管吸収のまとめ (4) 弱酸性あるいは弱塩基性の薬物におけるイオン形と非イオン形の比は 薬物の有するpKa( 解離定数 ) と溶解する溶液のpHによるヘンダーソン ハッセルバルヒHenderson-Hasselbalchの式で計算できる 酸性薬物では pkaが大きいほど非イオン形薬物の割合が高くなり小腸 (ph6.1~6.8) から吸収されやすい 塩基性薬物では pka が小さいほど非イオン形薬物の割合が高くなり小腸 (ph6.1~6.8) から吸収されやすい わ生薬新薬 60

61 経口投与薬物の消化管吸収のまとめ (5) 経口投与された薬物の消化管吸収に及ぼす生理的要因として 消化管内移動速度 ( 胃内容排出速度 胃内容排出時間 ) 消化管分泌液( 胃液 胆汁 ) 初回通過効果 腸肝循環 血流速度 が挙げられる 経口投与により 消化管壁や肝臓で初回通過効果を受けた薬物のバイオアベイラビリティ (F) は F=FF FG FH FF: 消化管壁へ入る割合 FG: 消化管壁で代謝を免れる割合 FH: 肝臓での代謝を免れる割合 わ生薬新薬 61

62 経口投与薬物の消化管吸収のまとめ (6) 経口投与された薬物の消化管吸収に及ぼす製剤の要因として 製剤からの溶出 及び薬物の溶解速度が挙げられる 薬物の溶解速度は Noyes-Whitney 式に従う 経口投与された薬物の消化管での溶解速度に及ぼす薬物固有の要因として 粒子径 ( グリセオフルビンなど ) 結晶多形や無晶形 ( バルビツール酸誘導体など ) 溶媒和 ( 無水物 水和物 )( アンピシリンの無水物は水和物に比べて水に対する溶解速度が大きい ) 塩 ( アルカリ塩 強酸塩 ) が挙げられる わ生薬新薬 62

スライド 1

スライド 1 3 年次前期専門科目群 Ⅰ ( 必修科目 ) 2 単位 医療薬剤学 Ⅰ 8 回目 生物薬剤学講座児玉庸夫 1 医療薬剤学 Ⅰ は医薬品の有効性と 安全性を基礎から理解するための学問 医薬品 有効性 安全性 2 講義の内容 (1) 第 1 回薬物の生体内運命 第 2 回薬物の副作用 ( 薬物有害反応 )( 小テスト ) 第 3 回薬物の循環系移行と排泄 ( 小テスト ) 第 4 回薬物の投与方法と経口投与製剤

More information

Microsoft PowerPoint - C13(4) 吸収(1)-修正済ToDMC [互換モード]

Microsoft PowerPoint - C13(4) 吸収(1)-修正済ToDMC [互換モード] 13(4) ( 第 3 回 ) 薬物の吸収 1 ( 消化管からの吸収 ) ( 教科書 : 薬の生体内運命ネオメディカル p.41~72) 薬剤学講座 (3 号館 6 階 ) 崔吉道 平成 20 年 4 月 24 日 13:15 14:30 355 講義室 ネオメディカル薬の生体内運命中島恵美編 p.44-45 (2008) 吸収とは? ~ 投与部位から脈管系 ( 血管系 リンパ管系 ) に移行することキーワード

More information

スライド 1

スライド 1 3 年次前期専門科目群 Ⅰ ( 必修科目 ) 2 単位 医療薬剤学 Ⅰ 9 回目 生物薬剤学講座児玉庸夫 1 医療薬剤学 Ⅰ は医薬品の有効性と 安全性を基礎から理解するための学問 医薬品 有効性 安全性 2 講義の内容 (1) 第 1 回薬物の生体内運命 第 2 回薬物の副作用 ( 薬物有害反応 )( 小テスト ) 第 3 回薬物の循環系移行と排泄 ( 小テスト ) 第 4 回薬物の投与方法と経口投与製剤

More information

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 (1734) 1-3. 細胞膜について正しい記述はどれか 1 糖脂質分子が規則正しく配列している 2 イオンに対して選択的な透過性をもつ 3 タンパク質分子の二重層膜からなる 4

More information

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

More information

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル 1mg は 1 カプセル中ロペラミド塩酸塩 1 mg を含有し消化管から吸収されて作用を発現する このことから

More information

Microsoft PowerPoint - C13(4) 分布2(西村)

Microsoft PowerPoint - C13(4) 分布2(西村) C13(1)(4) ( 第 7 回 ) 薬物の分布 2 ( 復習 ) K の別表現 薬物 ( 非結合形 : C ) 薬物 ( 結合形 ) 膜組織 (K C ) C C 薬剤学講座 (3 号館 6 階 ) 西村友宏 平成 20 年 5 月 29 日 13:15 14:30 定常状態において 中と組織内の非結合形薬物濃度が等しいと仮定できるとき C C C C 中タンパク非結合形分率 K 355 講義室

More information

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ 薬効薬理 1. 作用機序 アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ -4(DPP-4) の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である インクレチンであるグルカゴン様ペプチド-1(GL P-1) 及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド (GI P) は グルコース依存的なインスリン分泌促進作用やグルカゴン分泌抑制作用等 ( 主にGLP-1の作用 ) を有するが 24) DPP-4により分解されて活性を失う

More information

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに吸収され 体内でもほとんど代謝を受けない頻脈性不整脈 ( 心室性 ) に優れた有効性をもつ不整脈治療剤である

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

添付文書の薬物動態情報 ~基本となる3つの薬物動態パラメータを理解する~

添付文書の薬物動態情報 ~基本となる3つの薬物動態パラメータを理解する~ SAJP.SA.18.02.0496(2) 添付文書の薬物動態情報 基本となる 3 つの 薬物動態パラメータを理解する 城西国際大学薬学部 臨床統計学研究室山村重雄 医療用医薬品添付文書とは 目的 : 患者の安全を確保し 適正使用を図るために必要な情報を医師 歯科医師および薬剤師などの医療関係者に提供する 法的規制 : 医薬品医療機器等法第 52 条で記載内容が定められ 医薬品の製造販売業者は医薬品には情報を付与することが義務

More information

使用上の注意改訂のお知らせ スピーゲル

使用上の注意改訂のお知らせ スピーゲル 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください 使用上の注意改訂のお知らせ このたび制酸剤スピーゲルにつきまして 使用上の注意を下記のとおり改訂いたしましたので お知らせ申し上げます 平成 20 年 9 月 記 スピーゲル ( メタケイ酸アルミン酸マグネシウム ) 1. 改訂箇所下記の下線部のとおり [ 相互作用 ] の 併用注意 を改訂し [ その他の注意 ] を新設しました 2. 改訂内容

More information

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2)

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2) D. 酸塩基 (2) 1. 多塩基酸の ph 2. 塩の濃度と ph 3. 緩衝溶液と ph 4. 溶解度積と ph 5. 酸塩基指示薬 D. 酸塩基 (2) 1. 多塩基酸の ph 1. 多塩基酸の ph (1) 硫酸 H 2 SO 4 ( 濃度 C) 硫酸 H 2 SO 4 は2 段階で電離する K (C) (C) K a1 [H+ ][HSO 4 ] [H 2 SO 4 ] 10 5 第 1

More information

生物有機化学

生物有機化学 質問への答え 速い 書き込みが追い付かない 空欄を開いたことを言ってほしいなるべくゆっくりやります ただし 生化学をできるだけ網羅し こんなの聞いたことない というところをなるべく残さないようにと思っています 通常の講義よりは速いでしょう 試験では細かいことは聞きません レーザーポインターが見にくい アンカータンパク質の内側 外側とは? 細胞内と細胞外です 動画の場所 Youtube で Harvard

More information

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸 沈殿滴定とモール法 沈殿滴定沈殿とは溶液に試薬を加えたり加熱や冷却をしたとき, 溶液から不溶性固体が分離する現象, またはその不溶性固体を沈殿という 不溶性固体は, 液底に沈んでいいても微粒子 ( コロイド ) として液中を浮遊していても沈殿と呼ばれる 沈殿滴定とは沈殿が生成あるいは消失する反応を利用した滴定のことをいう 沈殿が生成し始めた点, 沈殿の生成が完了した点, または沈殿が消失した点が滴定の終点となる

More information

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを シプロフロキサシン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを有し 上気道感染症 尿路感染症 皮膚感染症などに有効なニューキノロン系の合成抗菌剤である シプロキサン 錠

More information

スライド 1

スライド 1 酸と塩基 代謝概要 平成 25 年 4 月 15 日 病態生化学分野 ( 生化学 2) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 ヘンダーソン ハッセルバルヒの式を理解する アミノ酸の電荷について理解する 自由エネルギーについて理解する 1. 酸と塩基 2. 代謝概要 ( 反応速度について ) 生体内の反応の多くに酸 塩基反応が関わっている またアミノ酸や核酸は酸や塩基の性質を示す 酸 Acid 塩基 Base

More information

添付文書がちゃんと読める 薬物動態学 著 山村重雄竹平理恵子城西国際大学薬学部臨床統計学

添付文書がちゃんと読める 薬物動態学 著 山村重雄竹平理恵子城西国際大学薬学部臨床統計学 添付文書がちゃんと読める 薬物動態学 著 山村重雄竹平理恵子城西国際大学薬学部臨床統計学 1 序章 吸収された薬物は, 体の中で ( distribution) します 分布 とは, 体の中で薬物がどのように存在しているかを示しています 体の中の薬物の 分布 には大きく 2 つの要素が関わっています 1 つは, 薬物の, もう 1 つは薬物のです 血液中では, 薬物の一部分は血液中のタンパク ( たとえばアルブミンや

More information

スライド 1

スライド 1 酸と塩基 代謝概要 平成 31 年 4 月 18 日 病態生化学分野教授 ( 生化学 2) 山縣和也 本日の学習の目標 ヘンダーソン ハッセルバルヒの式を理解する アミノ酸の電荷について理解する 自由エネルギーについて理解する 1. 酸と塩基 ( ヘンダーソン ハッセルバルヒの式 ) 2. 代謝概要 ( 反応速度について ) 生体内の反応の多くに酸 塩基反応が関わっている またアミノ酸や核酸は酸や塩基の性質を示す

More information

▲ 電離平衡

▲ 電離平衡 電離平衡演習その 1 [04 金沢 ] 電離平衡 1 1 酢酸の濃度 C mol/l の水溶液がある 酢酸の電離度を とすると, 平衡状態で溶液中に存在する酢酸イオンの濃度は Ⅰ mol/l, 電離していない酢酸の濃度は Ⅱ mol/l, 水素イオンの濃度は Ⅲ mol/l と表される ここで, 電離度が 1より非常に小さく,1 1と近似すると, 電離定数は Ⅳ mol/l と表される いま,3.0

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 薬品分析化学第 8 回 HendersonHasselbalch の式 ( 復習 ) ph 緩衝液 (p 55 ~) 溶液中に共役酸 塩基対が存在しているとき ph p 共役酸 塩基の濃度関係を表す 8 弱酸 HA の平衡式 O H O A において HA H A = mol/l, [A= mol/l とすると O [A より O A A [A となり ph p が導かれる 〇弱酸 HA ( mol/l)

More information

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

木村の理論化学小ネタ   緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 酸と塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と酸 塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA H 3 A において, O H O ( HA H A ) HA H O H 3O A の反応に注目すれば, HA が放出した H を H O が受け取るから,HA は酸,H O は塩基である HA H O H 3O A

More information

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問 フェキソフェナジン塩酸塩錠 6mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにフェキソフェナジン塩酸塩は 第二世代抗ヒスタミン薬の一つであり 抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制すると共に ヒスタミンの H1 作用に拮抗することにより アレルギー症状を緩和する 今回 フェキソフェナジン塩酸塩錠 6mg

More information

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 口中溶解後 水なし投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため

More information

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp 酸と 酸と 酸 acid 亜硫酸 pka =.6 pka =.9 酸 acid ( : 酸, すっぱいもの a : 酸の, すっぱい ) 酸性 p( ) 以下 酸っぱい味 ( 酸味 ) を持つ リトマス ( ) BTB( ) 金属と反応して ( ) を発生 ( 例 )Z l Zl リン酸 P pka =.5 pka =. pka =.8 P P P P P P P 酸性のもと 水素イオン 塩化水素

More information

<4D F736F F F696E74202D208D918E8E91CE8DF481698E5F89968AEE816A F38DFC97702E707074>

<4D F736F F F696E74202D208D918E8E91CE8DF481698E5F89968AEE816A F38DFC97702E707074> 国試対策 酸塩基 酸 塩基 ( アルカリ ) って何? H 2 SO 4 水酸化カルシウムアンモニア CH HNO 3 4 HCl 硫酸ナトリウム 新垣 知輝 どれが酸? どれが塩基? 酸 酸と塩基の定義 塩基 H + を出すもの OH を出すもの by アレニウス H + を渡すもの H + を受け取るもの by ブレンステッド ローリー電子対を受け取る電子対を渡すものもの by ルイス 水素イオン

More information

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9 マクロ生物学 9 生物は様々な化学反応で動いている 大阪大学工学研究科応用生物工学専攻細胞動態学領域 : 福井希一 1 生物の物質的基盤 Deleted based on copyright concern. カープ分子細胞生物学 より 2 8. 生物は様々な化学反応で動い ている 1. 生命の化学的基礎 2. 生命の物理法則 3 1. 生命の化学的基礎 1. 結合 2. 糖 脂質 3. 核酸 4.

More information

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2 ロスバスタチン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロスバスタチンは HMG-CoA 還元酵素を競合的に阻害することにより HMG-CoA のメバロン酸への変更を減少させ コレステロール生合成における早期の律速段階を抑制する高コレステロール血症治療剤である 今回 ロスバスタチン錠 mg TCK とクレストール 錠 mg の生物学的同等性を検討するため

More information

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の 相模女子大学 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の合図があったら 問題用紙 解答用紙の指定の箇所に受験番号 氏名を必ず記入してください 3. これは 学力試験の問題用紙です 問題の本文は 食品学分野は 2ページ (4 題 ) 栄養学分野は2ページ

More information

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ 207 年度茨城リスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ ( ) の 2 つの血管系がある 肝臓はこれらの血管系から入ってくる 酸素や栄養素等を用いて, 次のような様々な化学反応を行う

More information

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc) 問題 36. 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチルサリチル酸の錯形成 (20140304 修正 : ピンク色の部分 ) 1. 序論この簡単な実験では 水溶液中での鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸の錯形成を検討する その錯体の実験式が求められ その安定度定数を見積もることができる 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸 H 2 Sal からなる安定な錯体はいくつか知られている それらの構造と組成はpHにより異なる 酸性溶液では紫色の錯体が生成する

More information

きしもと ひさなお 氏名 ( 本籍 ) 岸本久直 ( 神奈川県 ) 学位の種類 博士 ( 薬学 ) 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 論博第 342 号 平成 28 年 3 月 18 日 学位規則第 4 条第 2 項該当 学位論文題目 一酸化窒素による難吸収性薬物の腸管吸収促進効果に関する

きしもと ひさなお 氏名 ( 本籍 ) 岸本久直 ( 神奈川県 ) 学位の種類 博士 ( 薬学 ) 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 論博第 342 号 平成 28 年 3 月 18 日 学位規則第 4 条第 2 項該当 学位論文題目 一酸化窒素による難吸収性薬物の腸管吸収促進効果に関する きしもと ひさなお 氏名 ( 本籍 ) 岸本久直 ( 神奈川県 ) 学位の種類 博士 ( 薬学 ) 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 論博第 342 号 平成 28 年 3 月 18 日 学位規則第 4 条第 2 項該当 学位論文題目 一酸化窒素による難吸収性薬物の腸管吸収促進効果に関する研究 論文審査委員 ( 主査 ) 教授 井上 勝央 教授 新槇 幸彦 教授 瀬田 康生 教授 藤原 泰之

More information

SO の場合 Leis の酸塩基説 ( 非プロトン性溶媒までも摘要可 一般化 ) B + B の化学反応の酸と塩基 SO + + SO SO + + SO 酸 塩基 酸 塩基 SO は酸にも塩基にもなっている 酸の強さ 酸が強い = 塩基へプロトンを供与する能力が大きい 強酸 ( 優れたプロトン供与

SO の場合 Leis の酸塩基説 ( 非プロトン性溶媒までも摘要可 一般化 ) B + B の化学反応の酸と塩基 SO + + SO SO + + SO 酸 塩基 酸 塩基 SO は酸にも塩基にもなっている 酸の強さ 酸が強い = 塩基へプロトンを供与する能力が大きい 強酸 ( 優れたプロトン供与 溶液溶媒 + 溶質 均一な相 溶質を溶かしている物質 溶けている物質 固体 + 液体液体 + 固体 溶質 (solute) イオンの形に解離して溶けているもの ( 電解質 ) 酸と塩基 Copyrigt: A.Asno 1 水素イオン濃度 (ydrogenion concentrtion) 水素イオン指数 (ydrogenion exponent; p) 水の電離 O + O O + + O O +

More information

輸液製剤

輸液製剤 体液の区分 人体を構成する最大の要素は水分であり 体重の 60% を占める そのうちの 2/3( 体重の 40%) は細胞内液であり 残りの 1/3( 体重の 20%) は細胞外液として存在する 細胞外液の 3/4( 体重の 15%) は細胞の周囲を満たす液体であり この液体を間質液と呼ぶ 残りの 1/4( 体重の 5%) の大半は血液の液体成分である血漿である 体液にはさまざまな物質がとけており

More information

Ⅲ-2 酸 塩基の電離と水素イオン濃度 Ⅲ-2-1 弱酸 Ex. 酢酸 CH 3 COOH 希薄水溶液 (0.1mol/L 以下 ) 中では 一部が解離し 大部分は分子状で存在 CH 3 COOH CH 3 COO +H + 化学平衡の法則より [CH 3 COO ][H + ] = K [CH 3

Ⅲ-2 酸 塩基の電離と水素イオン濃度 Ⅲ-2-1 弱酸 Ex. 酢酸 CH 3 COOH 希薄水溶液 (0.1mol/L 以下 ) 中では 一部が解離し 大部分は分子状で存在 CH 3 COOH CH 3 COO +H + 化学平衡の法則より [CH 3 COO ][H + ] = K [CH 3 Ⅲ-2 酸 塩基の電離と水素イオン濃度 Ⅲ-2-1 弱酸 Ex. 酢酸 CH 3 COOH 希薄水溶液 (0.1mol/L 以下 ) 中では 一部が解離し 大部分は分子状で存在 CH 3 COOH CH 3 COO +H + 化学平衡の法則より COO ][H + ] = K COOH] a :( 見かけの ) 酸解離定数 ( 電離定数 ): 指数表示 pka = log Ka = log 1 K

More information

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

木村の理論化学小ネタ   熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関係を扱う化学の一部門を熱化学という 発熱反応反応前の物質のエネルギー 大ネルギ熱エネルギーー小エ反応後の物質のエネルギー 吸熱反応 反応後の物質のエネルギー 大ネルギー熱エネルギー小エ反応前の物質のエネルギー

More information

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63>

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63> サンプル条件および固定化分子の選択 Biacoreの実験ではセンサーチップに固定化する分子をリガンド それに対して結合を測定する分子をアナライトと呼びます いずれの分子をリガンドとし アナライトとするかは 実験系を構築する上で重要です 以下にサンプルに適したリガンド アナライトの設計方法やサンプルの必要条件などをご紹介します アナライト リガンド センサーチップ (1) タンパク質リガンドとしてもアナライトとしても用いることができます

More information

Microsoft PowerPoint - agonist

Microsoft PowerPoint - agonist 図説薬理学 Pictured Pharmacology アゴニストとアンタゴニストの関係 宮崎大学農学部獣医薬理学講座伊藤勝昭 禁 : 無断転載 Copyright: Katsuaki Ito Veterinary Pharmacology University of Miyazaki このファイルは学生が講義で聞いた内容を正確に より深く理解するために作られたもので 教科書の補助資料です ファイルの内容の無断転載を防ぐため

More information

物薬

物薬 !ANSWERS!? HEK? 問題解説 10 THE GOAL OF THE DAY 溶解速定数に影響を及ぼす因子についてわかる 溶解速定数を計算で求められる 溶解速 固形薬物の溶解速を表す次式に関する記述の正誤について答えよ ks( ) 溶解速 ただし におけるを 固形薬品の表面積を S その溶媒に対する溶解を みかけの溶解速定数を k とする 1 この式は界面反応過程が律速であるとして導かれたものである

More information

Microsoft Word - 酸塩基

Microsoft Word - 酸塩基 化学基礎実験 : 酸 塩基と (1) 酸と塩基 の基本を学び の実験を通してこれらの事柄に関する認識を深めます さらに 緩衝液の性質に ついて学び 緩衝液の 変化に対する緩衝力を実験で確かめます 化学基礎実験 : 酸 塩基と 酸と塩基 水の解離 HCl H Cl - 塩酸 塩素イオン 酸 強酸 ヒドロニウムイオン H 3 O H O H OH - OH ー [H ] = [OH - ]= 1-7 M

More information

核内受容体遺伝子の分子生物学

核内受容体遺伝子の分子生物学 核内受容体遺伝子の分子生物学 佐賀大学農学部 助教授和田康彦 本講義のねらい 核内受容体を例として脊椎動物における分子生物学的な思考方法を体得する 核内受容体遺伝子を例として脊椎動物における遺伝子解析手法を概観する 脊椎動物における核内受容体遺伝子の役割について理解する ヒトや家畜における核内受容体遺伝子研究の応用について理解する セントラルドグマ ゲノム DNA から相補的な m RNA( メッセンシ

More information

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k 反応速度 触媒 速度定数 反応次数について. 化学反応の速さの表し方 速さとは単位時間あたりの変化の大きさである 大きさの値は 0 以上ですから, 速さは 0 以上の値をとる 化学反応の速さは単位時間あたりの物質のモル濃度変化の大きさで表すのが一般的 たとえば, a + bb c (, B, は物質, a, b, c は係数 ) という反応において,, B, それぞれの反応の速さを, B, とし,

More information

スライド 1

スライド 1 3 年次前期専門科目群 Ⅰ ( 必修科目 ) 2 単位 医療薬剤学 Ⅰ 10 回目 生物薬剤学講座児玉庸夫 1 医療薬剤学 Ⅰ は医薬品の有効性と 安全性を基礎から理解するための学問 医薬品 有効性 安全性 2 講義の内容 (1) 第 1 回薬物の生体内運命 第 2 回薬物の副作用 ( 薬物有害反応 )( 小テスト ) 第 3 回薬物の循環系移行と排泄 ( 小テスト ) 第 4 回薬物の投与方法と経口投与製剤

More information

医薬品の誤飲

医薬品の誤飲 1. はじめに 薬の作用たった一つの薬が 熱を下げてくれる痛みを抑えてくれる命を救うこともある 基本的な事柄を学ぶ なぜ 薬が効くのか? 薬はどのように作用するのか? 2. 薬は病気を治してくれる? 医薬品は必ずしも病気を根本的に治療するものではない 病気を根本的に治してくれる薬は圧倒的に少ない 多くの薬は 病気の症状を抑える対症療法 として働く 例 ) 糖尿病や高血圧の薬 一生飲み続ける薬 糖尿病や高血圧が完治するわけではない

More information

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

More information

スライド 1

スライド 1 解糖系 (2) 平成 24 年 5 月 7 日生化学 2 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 解糖系の制御機構を理解する 2,3-BPG について理解する 癌と解糖系について理解する エネルギー代謝経路 グリコーゲン グリコーゲン代謝 タンパク質 アミノ酸代謝 トリアシルグリセロール グルコース グルコース 6 リン酸 アミノ酸 脂肪酸 脂質代謝 解糖系 糖新生 β 酸化 乳酸

More information

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ 医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 2017.7.7 初版 有効成分 酸化マグネシウム 品目名 ( 製造販売業者 ) 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 後発医薬品 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 5 酸化マグネシウム錠 250mg ケンエー

More information

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ 血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. 7. 摂取後の血糖値変化 パラチノースは小腸のイソマルターゼにより グルコースとフルクトースに分解され消化吸収されます この酵素反応はゆっくり進むため パラチノースの消化吸収速度は遅く スクロースの約 1/5 とされています 18) パラチノースは摂取した際の血液中へのグルコースの流入が穏やかであり

More information

標準薬剤学_改3.indd

標準薬剤学_改3.indd 標準薬剤学医療の担い手としての薬剤師をめざして改訂第 3 版 ( 平成 25 年度改訂版 ) 対応一覧 2015.3 ( 株 ) 南江堂 印は本書では各論的な細かい解説は行わず概説にとどめ, 詳細は別の科目で履修することを想定している. E 医療薬学 E3 薬物治療に役立つ情報 (1) 医薬品情報 1 情報 1. 医薬品を使用したり取り扱う上で, 必須の医薬品情報を列挙できる. VI-8 3. 医薬品

More information

細胞の構造

細胞の構造 大阪電気通信大学 5/8/18 本日の講義の内容 酵素 教科書 第 4 章 触媒反応とエネルギーの利用 酵素の性質 酵素反応の調節 酵素の種類 触媒の種類 無機物からなる無機触媒と有機物からなる有機触媒がある 触媒反応とエネルギーの利用 1 無機触媒の例 過酸化水素水に二酸化マンガンを入れると過酸化水素水が分解して水と酸素になる 2 有機触媒の例 細胞内に含まれるカタラーゼという酵素を過酸化水素水に加えると

More information

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社 オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社 Page 2 2.1 CTD の目次 ( 第 2 部から第 5 部 ) 第 2 部 :CTD の概要 ( サマリー ) 2.1 CTD の目次 ( 第 2 部から第 5 部 ) 2.2 諸言 2.3 品質に関する概括資料 2.3.I 諸言 2.3.S 原薬 ( オクスカルバゼピン,

More information

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

木村の有機化学小ネタ   セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニアレーヨンがあり, タンパク質系では, カゼイン, 大豆タンパク質, 絹の糸くず, くず繭などからの再生繊維がある これに対し, セルロースなど天然の高分子物質の誘導体を紡糸して繊維としたものを半合成繊維と呼び,

More information

コロイド化学と界面化学

コロイド化学と界面化学 環境表面科学講義 http://res.tagen.tohoku.ac.jp/~liquid/mura/kogi/kaimen/ E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司 分散と凝集 ( 平衡論的考察! 凝集! van der Waals 力による相互作用! 分散! 静電的反発力 凝集 分散! 粒子表面の電位による反発 分散と凝集 考え方! van der Waals

More information

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性 2012 年 1 月 4 日放送 抗菌薬の PK-PD 愛知医科大学大学院感染制御学教授三鴨廣繁抗菌薬の PK-PD とは薬物動態を解析することにより抗菌薬の有効性と安全性を評価する考え方は アミノ配糖体系薬などの副作用を回避するための薬物血中濃度モニタリング (TDM) の分野で発達してきました 近年では 耐性菌の増加 コンプロマイズド ホストの増加 新規抗菌薬の開発の停滞などもあり 現存の抗菌薬をいかに科学的に使用するかが重要な課題となっており

More information

CERT化学2013前期_問題

CERT化学2013前期_問題 [1] から [6] のうち 5 問を選んで解答用紙に解答せよ. いずれも 20 点の配点である.5 問を超えて解答した場合, 正答していれば成績評価に加算する. 有効数字を適切に処理せよ. 断りのない限り大気圧は 1013 hpa とする. 0 C = 273 K,1 cal = 4.184 J,1 atm = 1013 hpa = 760 mmhg, 重力加速度は 9.806 m s 2, 気体

More information

生物 第39講~第47講 テキスト

生物 第39講~第47講 テキスト 基礎から分かる生物 興奮の伝導と伝達 1. 興奮の伝導 1 興奮の伝導 興奮が生じると, 興奮が生じた部位と隣接する静止状態の部位の間で電位の差が発生する. この電位差により, 興奮部分から隣接部へと活動電流が流れる. 活動電流が隣接部を興奮させる刺激となり, 隣接部が次々と興奮する. これによって興奮は, 興奮が発生した部位から軸索内を両方向に伝導する. 1 興奮の発生 2 隣接部に活動電流が流れる

More information

スライド 1

スライド 1 ミトコンドリア電子伝達系 酸化的リン酸化 (2) 平成 24 年 5 月 21 日第 2 生化学 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 電子伝達系を阻害する薬物を理解する ミトコンドリアに NADH を輸送するシャトルについて理解する ATP の産生量について理解する 脱共役タンパク質について理解する 複合体 I III IV を電子が移動するとプロトンが内膜の内側 ( マトリックス側

More information

Taro-化学3 酸塩基 最新版

Taro-化学3 酸塩基 最新版 11 酸 塩基の反応 P oint.29 酸 塩基 ブレンステッドの酸 塩基 酸 水素イオンを 物質 塩基 水素イオンを 物質 NH3 + H2O NH4 + + OH - 酸 塩基の性質 1 リトマス紙 2 フェノールフタレイン溶液 3BTB 液 4 メチルオレンジ 5 金属と反応 6 味 7 水溶液中に存在するイオン 酸 塩基 酸 塩基の分類 1 価数による分類 1 価 2 価 3 価 酸 塩基

More information

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号 平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I から 1 科目選択ただし 内部受験生はを必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号 問題 1. ( 配点率 33/100) 生体エネルギーと熱力学に関する以下の問に答えなさい (1) 細胞内の反応における ATP 加水分解時の実際の自由エネルギー変化

More information

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 津田直人 論文審査担当者 主査下門顕太郎副査吉田雅幸横関博雄 論文題目 Intestine-Targeted DGAT1 Inhibition Improves Obesity and Insulin Resistance without Skin Aberrations in Mice ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Diacylglycerol O-acyltransferase

More information

平成27年度 前期日程 化学 解答例

平成27年度 前期日程 化学 解答例 受験番号 平成 27 年度前期日程 化学 ( その 1) 解答用紙 工学部 応用化学科 志願者は第 1 問 ~ 第 4 問を解答せよ 農学部 生物資源科学科, 森林科学科 志願者は第 1 問と第 2 問を解答せよ 第 1 問 [ 二酸化炭素が発生する反応の化学反応式 ] 点 NaHCO 3 + HCl NaCl + H 2 O + CO 2 CO 2 の物質量を x mol とすると, 気体の状態方程式より,

More information

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど 1 微視的生物学 生化学 1.1 生物を構成する元素 (element) 生物を構成する主要元素の種類と, おもな微量元素とその役割の概略について説明できる 地球上には 100 種類以上の元素があり, そのうち生体を構成する元素の種類は限られていて, 約 20 種類である 主要元素としては水素 (H), 炭素 (C), 窒素 (N), 酸素 (O) の 4 元素で, これらで, 生体を構成するタンパク質や核酸,

More information

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること 生化学 責任者 コーディネーター 看護専門基礎講座塚本恭正准教授 担当講座 学科 ( 分野 ) 看護専門基礎講座 対象学年 1 期間後期 区分 時間数 講義 22.5 時間 単位数 2 単位 学習方針 ( 講義概要等 ) 生化学反応の場となる細胞と細胞小器官の構造と機能を理解する エネルギー ATP を産生し 生体成分を作り出す代謝反応が生命活動で果たす役割を理解し 代謝反応での酵素の働きを学ぶ からだを構成する蛋白質

More information

加工デンプン(栄養学的観点からの検討)

加工デンプン(栄養学的観点からの検討) 加工デンプン ( 栄養学的観点からの検討 ) 加工デンプンは 未加工デンプンが有する物理化学的性状を変化させ 利便性の拡大を図るために加工処理を施したものであり 通常 未加工デンプンに代わるものとして用いられる デンプンは三大栄養素の一つである炭水化物の摂取源であることから 炭水化物の摂取量 加工デンプンの摂取量 加工デンプンの体内動態 ( 消化酵素分解率 ) から 加工デンプンの食品への使用について栄養学的観点からの検討を行う

More information

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化 論文の内容の要旨 論文題目 着床期ヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸の発現調節機序及び機能の解析 指導教員武谷雄二教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 15 年 4 月入学 医学博士課程 生殖 発達 加齢医学専攻 清末美奈子 緒言 着床とは 受精卵が分割し形成された胚盤胞が子宮内膜上皮へ接着 貫通し 子 宮内膜間質を浸潤して絨毛構造を形成するまでの一連の現象をいう 胚盤胞から分化した トロフォブラストが浸潤していく過程で

More information

Microsoft Word - basic_15.doc

Microsoft Word - basic_15.doc 分析の原理 15 電位差測定装置の原理と応用 概要 電位差測定法は 溶液内の目的成分の濃度 ( 活量 ) を作用電極と参照電極の起電力差から測定し 溶液中のイオン濃度や酸化還元電位の測定に利用されています また 滴定と組み合わせて当量点の決定を電極電位変化より行う電位差滴定法もあり 電気化学測定法の一つとして古くから研究 応用されています 本編では 電位差測定装置の原理を解説し その応用装置である

More information

Microsoft Word - オーソ_201302_Final.docx

Microsoft Word - オーソ_201302_Final.docx 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください H24-11 平成 25 年 2 月 / ( ノルエチステロン エチニルエストラジオール錠 ) 使用上の注意改訂のご案内 製造販売元ヤンセンファーマ株式会社 / 発売元持田製薬株式会社 この度 オーソ 777-21 錠 / オーソ M-21 錠の 使用上の注意 を改訂致しましたので ご案内申し上げます 今後のご使用に際しましては 下記内容にご留意くださいますようお願い致します

More information

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 23 日 独立行政法人理化学研究所 独立行政法人科学技術振興機構 細胞内のカルシウムチャネルに情報伝達を邪魔する 偽結合体 を発見 - IP3 受容体に IP3 と競合して結合するタンパク質 アービット の機能を解明 - 細胞分裂 細胞死 受精 発生など 私たちの生の営みそのものに関わる情報伝達は 細胞内のカルシウムイオンの放出によって行われています

More information

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ 高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ溶質の20% 溶液 100gと30% 溶液 200gを混ぜると質量 % はいくらになるか ( 有効数字

More information

本書の読み方 使い方 ~ 各項目の基本構成 ~ * 本書は主に外来の日常診療で頻用される治療薬を取り上げています ❶ 特徴 01 HMG-CoA 代表的薬剤ピタバスタチン同種同効薬アトルバスタチン, ロスバスタチン HMG-CoA 還元酵素阻害薬は主に高 LDL コレステロール血症の治療目的で使 用

本書の読み方 使い方 ~ 各項目の基本構成 ~ * 本書は主に外来の日常診療で頻用される治療薬を取り上げています ❶ 特徴 01 HMG-CoA 代表的薬剤ピタバスタチン同種同効薬アトルバスタチン, ロスバスタチン HMG-CoA 還元酵素阻害薬は主に高 LDL コレステロール血症の治療目的で使 用 本書の読み方 使い方 ~ 各項目の基本構成 ~ * 本書は主に外来の日常診療で頻用される治療薬を取り上げています ❶ 特徴 01 HMG-CoA 代表的薬剤ピタバスタチン同種同効薬アトルバスタチン, ロスバスタチン HMG-CoA 還元酵素阻害薬は主に高 LDL コレステロール血症の治療目的で使 用される その強力なコレステロール低下作用と, コレステロール低下作用を 介さない作用 ( 血管内皮機能改善作用,

More information

創薬に繋がる V-ATPase の構造 機能の解明 Towards structure-based design of novel inhibitors for V-ATPase 京都大学医学研究科 / 理化学研究所 SSBC 村田武士 < 要旨 > V-ATPase は 真核生物の空胞系膜に存在す

創薬に繋がる V-ATPase の構造 機能の解明 Towards structure-based design of novel inhibitors for V-ATPase 京都大学医学研究科 / 理化学研究所 SSBC 村田武士 < 要旨 > V-ATPase は 真核生物の空胞系膜に存在す 創薬に繋がる V-ATPase の構造 機能の解明 Towards structure-based design of novel inhibitors for V-ATPase 京都大学医学研究科 / 理化学研究所 SSBC 村田武士 < 要旨 > V-ATPase は 真核生物の空胞系膜に存在するプロトンポンプである 複雑なサブユニット構造からなる超分子複合体であり 親水性の触媒頭部部分 (V1

More information

<979D89F E B E786C7378>

<979D89F E B E786C7378> 電気化学 (F2027&F2077) 第 1 回講義平成 22 年 4 月 13 日 ( 火 ) 電気化学の概説 1. カリキュラムの中での本講義の位置づけの理解 2. 電気化学の発展 3. 電気化学の学問領域, 主な分野 4. 電気化学が支える先端技術分野と持続的社会 はじめに の部分 電気化学の歴史, 体系, エネルギー変換電気化学が深く関係する学問領域と先端技術の例を挙げよ電気化学が関係する先端技術の例を挙げよ

More information

Slide 1

Slide 1 3. 溶解 沈殿反応 天然水の化学組成 大陸地殻表層 (mg kg ) 河川水 (mg kg ) Al 77.4.5 Fe 3.9.4 Ca 9.4 3.4 Na 5.7 5. 8.6.3 Mg 3.5 3.4 Andrews et al. (3) An introduction to Environmental Chemistry 天然水の特徴 天然水の金属イオンは主に岩石の風化により生じる ただし

More information

スライド 1

スライド 1 1. 胃の構造 胃の構造 胃底部 胃底部 胃体部 幽門部 胃液の成分ペプシン胃酸粘液 1. 胃の構造 胃の構造と役割 噴門胃底部胃体部幽門部 粘液を分泌胃酸 ( 塩酸 ) ペプシンを分泌胃酸 ( 塩酸 ) ペプシンを分泌ガストリンを血液中に分泌 ペプシン 胃酸 粘液 タンパク質を分解 病原菌の殺菌やペプシノーゲンの活性化 ペプシンや胃酸から胃粘膜を保護 1. 復習 胃の構造と役割 噴門 胃底部 胃体部

More information

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6 004 年度センター化学 ⅠB p 第 問問 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH である 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO, ヨウ素 I, ナフタレン c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6+ 4 = 0個 6+ 8= 4個 7+ 8= 5個 + 7= 8個 4 + 8= 0個 5 8= 6個 4 構造式からアプローチして電子式を書くと次のようになる

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 反応工学 Raction Enginring 講義時間 ( 場所 : 火曜 限 (8-A 木曜 限 (S-A 担当 : 山村 火 限 8-A 期末試験中間試験以降 /7( 木 まで持ち込みなし要電卓 /4( 木 質問受付日講義なし 授業アンケート (li campus の入力をお願いします 晶析 (crystallization ( 教科書 p. 濃度 溶解度曲線 C C s A 安定 液 ( 気

More information

2011年度 化学1(物理学科)

2011年度 化学1(物理学科) 014 年度スペシャルプログラム (1/17) 酸 塩基 : 酸 塩基の定義を確認する No.1 1 酸と塩基の定義に関する以下の文章の正を答えよ 場合は 間違いを指摘せよ 文章正指摘 1 酸と塩基の定義はアレニウスとブレンステッド ローリーの 種類である ルイスの定義もある アレニウスの定義によれば 酸とは H を含むものである 水に溶けて 電離して H+ を出すものである 3 アレニウスの定義によれば

More information

Microsoft PowerPoint - siryo7

Microsoft PowerPoint - siryo7 . 化学反応と溶液 - 遷移状態理論と溶液論 -.. 遷移状態理論 と溶液論 7 年 5 月 5 日 衝突論と遷移状態理論の比較 + 生成物 原子どうしの反応 活性錯体 ( 遷移状態 ) は 3つの並進 つの回転の自由度をもつ (1つの振動モードは分解に相当 ) 3/ [ ( m m) T] 8 IT q q π + π tansqot 3 h h との並進分配関数 [ πmt] 3/ [ ] 3/

More information

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ 1. 血漿中濃度 (1) 健康成人の血漿中濃度 ( 単回経口投与 ) 8) 健康成人男子にスイニー 100mg 又は200mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中アナグリプチン濃度は 投与後約 1~ 2 時間で C maxに達した後 二相性の消失を示し t 1/2αは約 2 時間 t 1/2βは約 6 時間であった C max 及びAUC0- は投与量の増加に伴って増加した 血漿中アナグリプチン濃度推移

More information

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H 01 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 = 18 N = 8 3 6 = 30 Ne = 0 5 = 3 6 l = 71 となり,1 が解答 (

More information

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH - < イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) + (2) Na + (3) K + (4) Mg 2+ (5) Cu 2+ (6) Zn 2+ (7) N4 + (8) Cl - (9) - (10) SO4 2- (11) NO3 - (12) CO3 2- 次の文中の ( ) に当てはまる語句を 下の選択肢から選んで書きなさい 物質の原子は (1 ) を失ったり

More information

動物の生活と生物の進化 消化と吸収 次の問いに答えなさい 液1 試験管を40 ぐらいの湯につけた理由を書きなさい (1) 図のように,~Dの₄ 本の試験管にデンプン溶液をとり,とに デンプン溶液だはだ液を,とDにはそれぞれ同量の水を入れ, 約 40 に保った 約 D 10 分後,とにはヨ

動物の生活と生物の進化 消化と吸収 次の問いに答えなさい 液1 試験管を40 ぐらいの湯につけた理由を書きなさい (1) 図のように,~Dの₄ 本の試験管にデンプン溶液をとり,とに デンプン溶液だはだ液を,とDにはそれぞれ同量の水を入れ, 約 40 に保った 約 D 10 分後,とにはヨ 動物の生活と生物の進2-2 映像との対応 / 2 年 消化と吸収 1 消化 (1)( 1 消化 ) 食物中の成分を分解し, からだの中に吸収しやすい形に変化させること 1 ( 2 2 ( 3 (2) 消化のしくみ 消化管 ) 口から, 食道, 胃, 小腸, 大腸などを経て肛門に終わる ₁ 本の長い管 消化液 ) 食物を消化するはたらきをもつ液 1 食物中の成分は, 消化管を移動して消化され, 吸収されやすい形になる

More information

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt シラノール基は塩基性化合物のテーリングの原因 いや違う! クロマニックテクノロジーズ長江徳和 日本薬学会 9 年会 緒言緒言 逆相型固定相中の残存シラノール基は, 吸着やピークテーリング等の原因であるとされている 残存シラノール基に基づく主な相互作用は, 吸着, イオン交換, 水素結合である これらの二次効果相互作用を積極的に利用することで, 極性化合物に対して特異的な保持を示す新規な逆相固定相の創出が可能であると思われる

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes New olor hemoenor for Monocchride ed on zo Dye 著者 : Nicol Diere nd Joeph R. Lkowicz 雑誌 : rg.lett. 1, 3 (4), 3891-3893 紹介者 : 堀田隼 1 年 1 月 7 日 ボロン酸の性質 1 ci-ジオールと環状エステルを形成する 環状エステルを形成すると ボロン酸の酸性度が高まる btrct

More information

2005年勉強会供覧用

2005年勉強会供覧用 肝臓 胆管系の勉強会 外科 玉木 今回の勉強会は肝臓 胆管系全般ついて勉強したいと 考えています 盛りだくさんですが消化 不良で下痢しないようにして下さい 先ずは 肝臓とはどういった臓器なのかを患者さんから聞かれたときに返答できる様になりまし ょう 肝臓の形態と働き 1 肝臓の構造 肝臓は 人体の中でもっとも重い臓器で 成人では約1400g 体重の約50分の1の重さが あります 肝臓の血管系には 主に栄養を運ぶ役割をもつ門脈と

More information

<4D F736F F F696E74202D A975E82C982E682E992E188DD8E5F94ED8CB18ED282F096CD82B582BD97D58FB08E8E8CB18FF08C8F82CC8D5C927A2E707074>

<4D F736F F F696E74202D A975E82C982E682E992E188DD8E5F94ED8CB18ED282F096CD82B582BD97D58FB08E8E8CB18FF08C8F82CC8D5C927A2E707074> PPI 投与による低胃酸被験者を模した臨床試験条件の構築 ジェネリック製薬協会製剤研究会東和薬品株式会社研究開発本部立木秀尚 医薬品品質フォーラム第 10 回シンポジウム (2013.1.15 東京都 ) 概要 背景 : 低胃酸被験者について 経緯 : 低胃酸被験者でのBE 試験 事例紹介 :PPI 投与による低胃酸モデル構築 研究概要 実施内容 試験結果 ワーキンググループでの議論 課題 1/37

More information

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt TrkA を標的とした疼痛と腫瘍増殖 に効果のあるペプチド 福井大学医学部 器官制御医学講座麻酔 蘇生学領域 准教授 廣瀬宗孝 1 研究背景 癌による痛みはWHOの指針に沿って治療すれば 8 割の患者さんで痛みが取れ 残りの内 1 割は痛みの専門医の治療を受ければ痛みが取れる しかし最後の1 割は QOLを良好に保ったまま痛み治療を行うことは困難であるのが現状である TrkAは神経成長因子 (NGF)

More information

プレス発表

プレス発表 平成 26 年 3 月 4 日 件名 : がん化学療法の障害となる多剤排出トランスポーターの結晶構造 - 体内動態や脳内移行に優れたくすりの開発にも期待 - 本研究成果のポイント P 糖タンパク質 ( ヒト ABC 多剤排出トランスポーター ) と構造および機能が相同の CmABCB1 を温泉に棲む真核生物から世界で初めて発見しました CmABCB1 の原子分解能の構造を X 線結晶解析で決定しました

More information

Microsoft Word - t30_西_修正__ doc

Microsoft Word - t30_西_修正__ doc 反応速度と化学平衡 金沢工業大学基礎教育部西誠 ねらい 化学反応とは分子を構成している原子が組み換り 新しい分子構造を持つことといえます この化学反応がどのように起こるのか どのような速さでどの程度の分子が組み換るのかは 反応の種類や 濃度 温度などの条件で決まってきます そして このような反応の進行方向や速度を正確に予測するために いろいろな数学 物理的な考え方を取り入れて化学反応の理論体系が作られています

More information

生物時計の安定性の秘密を解明

生物時計の安定性の秘密を解明 平成 25 年 12 月 13 日 生物時計の安定性の秘密を解明 概要 名古屋大学理学研究科の北山陽子助教 近藤孝男特任教授らの研究グループは 光合 成をおこなうシアノバクテリアの生物時計機構を解析し 時計タンパク質 KaiC が 安定な 24 時 間周期のリズムを形成する分子機構を明らかにしました 生物は, 生物時計 ( 概日時計 ) を利用して様々な生理現象を 時間的に コントロールし 効 率的に生活しています

More information

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版有効成分リトドリン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 後発医薬品 品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 (25 ) 1) 溶解度 (37 ) 1 ウテロン錠 5mg サンド 2

医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 初版有効成分リトドリン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 後発医薬品 品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 (25 ) 1) 溶解度 (37 ) 1 ウテロン錠 5mg サンド 2 医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 2018.7.13 初版有効成分リトドリン塩酸塩 品目名 ( 製造販売業者 ) 後発医薬品 品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 (25 ) 1) 溶解度 (37 ) 1 ウテロン錠 5mg サンド 2 塩酸リトドリン錠 5mg YD 陽進堂 3 リトドリン錠 5mg PP ポーラファルマ 4 ルテオニン錠

More information

Microsoft PowerPoint - presentation2007_03_acid-base.ppt

Microsoft PowerPoint - presentation2007_03_acid-base.ppt 酸塩基平衡と中和滴定 ー復習ー酸塩基の定義 酸 (cid, ラテン語の cetum から と塩基 (se, [likli, アラビア語 lklj ( 植物の灰 J.R. Gluer ( アルカリは酸と相反するもので 塩はこれら つから構成される R. Boyle (79 青色リトマスが酸により赤変することを発見 J.L. GyLussc (775 酸には酸素酸と水素酸の 種類があると考える J. Lieig

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2018.5.15 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

木村の有機化学小ネタ 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が

木村の有機化学小ネタ   糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 9 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が X 線回折実験により決定され, 次の約束に従い, 構造式が示された 最も酸化された基を上端にする 上下の原子または原子団は中心原子より紙面奥に位置する 左右の原子または原子団は中心原子より紙面手前に位置する

More information

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因 HbA1c 測定系について ~ 原理と特徴 ~ 一般社団法人日本臨床検査薬協会 技術運営委員会副委員長 安部正義 本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因 HPLC 法 HPLC 法原理 高速液体クロマトグラフィー 混合物の分析法の一つ 固体または液体の固定相 ( 吸着剤 ) 中で 液体または気体の移動相 ( 展開剤 ) に試料を加えて移動させ

More information

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt 有機化合物の反応 ( 第 9 回 ) 創薬分子薬学講座薬化学部門 金光卓也 ハロゲン化アルキルの反応性 l S N 1 と S N 2 の特徴の復習 l S N 1=Unimolecular Nucleophilic Substitution 単分子求核置換反応 l S N 2=Bimolecular Nucleophilic Substitution 二分子求核置換反応 1 反応速度 l S N

More information

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい 使用上の注意 改訂のお知らせ 2006 年 1 月日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 注 ) 処方せん医薬品 ( ジピリダモール製剤 ) = 登録商標注 ) 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること 謹啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます 平素は弊社製品につきましてご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます さて, この度, 自主改訂によりペルサンチン

More information

Dr, Fujita

Dr, Fujita 免疫組織化学染色における抗原賦活の原理について考える 東京医科大学病理学講座 藤田浩司 はじめにパラフィン切片により証明される抗原の種類は, この十数年のうちに飛躍的に増加した. 元来, 免疫組織化学法は凍結切片やアセトンを用いた固定により抗原温存を図っていたが, 現在ではホルマリン固定材料のパラフィン切片によっても多くの抗原の同定が可能となった. その理由には, 1) ホルマリン固定に抵抗性の抗原を認識するモノクローナル抗体の開発

More information