自然エネルギー最前線 in U.S.

Size: px
Start display at page:

Download "自然エネルギー最前線 in U.S."

Transcription

1

2 謝辞 本レポートの作成にあたり 数多くの企業 団体にご協力いただいたことを感謝いたします 著者 ロマン ジスラー : 自然エネルギー財団上級研究員 石田雅也 : 同自然エネルギービジネスグループマネージャー 英語版 Renewable Energy in the US Power Sector, the Other Revolution (Tokyo: REI, 2018) Copyright 2018 Renewable Energy Institute 免責事項 本レポートに記載した情報は執筆時点で入手可能な内容に基づいていますが その正確性に 関して自然エネルギー財団が責任を負うものではありません 自然エネルギー財団とは自然エネルギー財団は 東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故を受けて 孫正義ソフトバンクグループ代表を設立者 会長として 2011 年 8 月に設立しました 安心 安全で豊かな社会の実現には 自然エネルギーの普及が不可欠であるという信念から 自然エネルギーを基盤とした社会の構築を目的として活動しています

3 目次 エグゼクティブサマリー... 1 はじめに... 4 第 1 章 : 米国で急速に拡大する自然エネルギー シェールガスに続く革新的な変化 全米 50 州の導入状況 電力市場はパッチワーク状態 第 2 章 : 米国に見る自然エネルギーの利点と対策 コスト競争力 CO2 削減効果 送電網への影響 電力市場への影響 トラッキングシステム 第 3 章 : 自然エネルギーを推進する企業と地域 電気事業者 エネルギー利用企業 州と市 地域と家庭 おわりに... 60

4 エグゼクティブサマリー 米国では 21 世紀に入ってシェールガス革命が起こったが 早くも次のエネルギー革命が急速に進んでいる 風力発電と太陽光発電の導入量が全米で拡大して 電力市場に革新的な変化をもたらし始めた 実際に 2010 年から 2017 年のあいだに 風力と太陽光を中心とする自然エネルギーの年間発電量は 2800 億 kwh( キロワット時 ) 以上も増えている この 7 年間にシェールガスの効果でガス火力発電もほぼ同じ規模で増加した あおりを受けたのは石炭火力発電で 6400 億 kwh も減少している 米国の電力市場の規模が約 4 兆 kwh であることを考えれば 変化の大きさがわかる 米国の発電電力量の推移 ( 年 ) 出典 : US EIA Annual Electricity Report Monthly Electricity Report February 2018 米国全体で見ると自然エネルギーの伸びは著しいが 個々の州では事情が大きく違う 主要 な州のうち カリフォルニアでは太陽光が先行して 州全体の発電量の 16% を供給する規模に なっている 風力ではテキサスが先頭を走り 発電量の 15% を占めるまでに拡大した 1

5 このほかにも中西部の多くの州や カリフォルニアに隣接するネバダ あるいはハワイでも自然エネルギーの導入が活発に進んでいる 一方でフロリダをはじめとする南東部や ペンシルベニアなど北東部の州では さほど進展していない 米国の電力市場は パッチワーク のような状態になっている 自然エネルギーの資源量だけではなく 電力システム改革の実施状況や州政府の支援策 送電網の連系状態が州によって異なり 自然エネルギーの導入に影響を与えている 自然エネルギーを拡大することは 各地域に多くの便益をもたらす 経済性の点では 米国各地で風力と太陽光の発電コストが低下して 安価な電力を供給できる状況になった すでに風力発電のコストは 4 セント /kwh に 太陽光発電も 5.5 セント /kwh まで下がっている 環境面では自然エネルギーの拡大による脱炭素化の動きが加速していく 米国の電力産業は 2000 年から 2017 年のあいだに CO2 排出量を 24% も削減した 主力の火力発電を CO2 排出量の少ない天然ガスに移行したことに加えて CO2 を排出しない自然エネルギーの導入効果が大きく表れている 風力と太陽光は天候によって出力が変動するため 送電網に大量に取り込むことが課題だと言われる しかし米国では風力と太陽光の電力が増大しても 出力抑制の比率は現在のところ低く 平均して 1~2% 程度に収まっている 主な対策として 州を越えた電力取引 ガス火力と水力発電を活用した供給力の調整 送電網の拡充や蓄電池の活用など 各種の手法を組み合わせて需給バランスを巧みに調整している 追加の発電コストがほぼゼロの風力と太陽光が経済性の点で有利になり 石炭火力と原子力を市場から押し出す状況になってきた 対応に遅れた電力会社や発電事業者は破産を余儀なくされている 特に大手の Energy Future Holdings FirstEnergy GenOn の破産は衝撃的だ 米国では州によって自然エネルギーの導入状況が大きく異なる 利用者が必要とする自然エネルギーの電力を簡単に調達できない場合がある 特に電力システム改革を実施していない州では調達がむずかしい 解決策として 電力と切り離した形で取り引きする REC(Renewable Energy Certificate 自然エネルギー証書) が数多く使われている 多くの州では電力会社に対して一定量以上の自然エネルギーの電力を供給するように求める RPS(Renewable Portfolio Standards 自然エネルギー利用割合基準) を定めて導入を加速させている それに加えて 電力会社が自然エネルギーの電力を提供する選択肢を増やしており 利用者の調達手段は広がってきた 2

6 ダイナミックに動く米国の経済では 新たなチャンスをつかもうとする人々を中心に さまざまな分野で自然エネルギーの取り組みが進行中だ 将来を見据えた電力会社は自然エネルギーによる発電設備の規模を急速に拡大している 代表的な例は NextEra Energy と Berkshire Hathaway Energy の 2 社である 風力と太陽光を合わせた発電設備の規模は両社で 2200 万 kw ( キロワット ) を超えた 電力を販売する小売事業者のあいだでも 自然エネルギーを利用した新しいビジネスモデルが広がってきた 自然エネルギーを主体にした電力プランをはじめ 太陽光発電を活用した地域向けのプログラムや 利用者の電力消費量を最適化するサービスなど多彩だ その背景には 電力を利用する企業からの強い働きかけがあることも見逃せない 気候変動対策だけではなく コスト面でも自然エネルギーのメリットが明確になり 意欲的な目標を掲げる企業が相次いでいる アップル グーグル マイクロソフト スターバックス ウェルズファーゴは自然エネルギーの利用率 100% を達成した 大手の企業が 2013 年以降に契約した自然エネルギーの電力の規模は合計で 1100 万 kw を超えている 米国で自然エネルギーの導入が進む要因として 地域レベルの活動も重要な役割を果たす 州や市が意欲的な目標を設定して必要な政策を実行している ハワイは 2045 年までに州全体で自然エネルギー 100% を目標に設定した カリフォルニアとニューヨークは 2030 年までに 50% を目標に掲げている 主要な都市ではミネアポリス ピッツバーグ サンフランシスコ ソルトレイクシティ シアトルが自然エネルギー 100% を目指す 風力と太陽光による新たなエネルギー革命が 企業や自治体 家庭にも浸透してきた 住宅に設置する太陽光発電の規模が全米各地で拡大を続けている 2017 年の発電量は合計で 140 億 kwh に達した わずか 2 年前と比べて倍増の勢いだ 3

7 はじめに 米国は過去半世紀以上にわたって 世界最大の経済規模を維持している 電力の分野では現時点で世界第 2 位の発電量と消費量がある ( 第 1 位は中国 ) 米国が世界の市場をリードする過程で作り上げた経済システムと電力システムは 数多くの国のモデルになっている 特に第 2 次世界大戦後に発展した日本や欧州の先進国は 米国の経済 電力システムを参考にしてきた 日本では現在も米国の影響力が大きく 政治家や産業界のリーダーは米国の経済とエネルギー分野の動きに重大な関心を持ち続けている このレポートでは 米国で進展する自然エネルギーを中心としたパラダイムシフトに焦点を当てる 全米規模で風力 太陽光発電の大量導入が進み シェールガス革命に続く大きな変化が起きている 米国の自然エネルギーの歩みを知ることは 日本のエネルギー戦略の議論にも役立つはずである 4

8 第 1 章 : 米国で急速に拡大する自然エネルギー 1. シェールガスに続く革新的な変化 2010 年から 米国の電力市場で新たな動きが始まった それは今世紀で 2 つ目の革新的な変化である 21 世紀に入って シェール革命 が起こり 米国の電力市場を劇的に変化させた シェールガスやシェールオイルの開発が進み 米国の天然ガスの生産量が一気に増加したためだ 新しい掘削方法によって大量の天然ガスを国内で安く生産して 発電にも利用できるようになった その結果 2016 年にガス火力が石炭火力を抜き 米国で最大の電力供給源として使われている ( 図 1) 図 1: 米国の発電電力量の推移 ( 電源種別 年 ) 注 : 輸出入量は含まない 出典 : US EIA Annual Electricity Report Monthly Electricity Report February

9 シェール革命に続いて もう 1 つの大きな変化が 2010 年に始まった CO2( 二酸化炭素 ) を排出しない自然エネルギーによる電力の大量導入である 2010 年から 2017 年のあいだに ガス火力による年間の発電量は 2880 億 kwh( キロワット時 ) 増加したが 自然エネルギーによる発電量も同様に 2841 億 kwh の増加を記録している ( 図 2) 図 2: 米国の発電電力量の変化 (2010 年と 2017 年の差 ) 出典 :US EIA Annual Electricity Report 2016 Monthly Electricity Report February 2018 米国全体では発電電力量が伸び悩む中で ( 図 3) ガス火力と自然エネルギーの進展は石炭 火力に大きな打撃を与えた 同様に原子力の発電電力量も伸びていない 石炭火力も原子力も 経済的な競争力を失い始めたことが低迷する要因になっている 6

10 図 3: 米国の発電電力量の推移 ( 年 ) 出典 :US EIA Annual Electricity Report Monthly Electricity Report February 2018 こうした傾向は 2000 年以降の電源構成比を見れば明らかにわかる ( 図 4) 石炭火力の比率は 2000 年の 52% から 2017 年には 30% まで低下している 一方でガス火力は 16% から 32% へ 2 倍に拡大した 自然エネルギーも 9% から 18% へ大きく伸びたが 特に 2010 年から増えている これまで 20% の電力を供給してきた原子力を追い抜くのも時間の問題である 図 4: 米国の発電電力量の構成比 出典 :US EIA Annual Electricity Report 2016 Monthly Electricity Report February

11 自然エネルギーの中では 特に風力発電の伸びが大きい それに加えて最近では太陽光発電の増加も目ざましい 2010 年の時点では風力が 2.3% で太陽光は 0% だったが 2017 年には 6.3% と 1.9% まで拡大した ( 図 5) 図 5: 自然エネルギーによる発電電力量の構成比 ( 年 ) 出典 :US EIA Annual Electricity Report 2016 Monthly Electricity Report February 2018 風力発電の設備容量を見ると 2017 年に累計で 8900 万 kw( キロワット ) に達して 2010 年の 2 倍以上の規模になっている ( 図 6) 太陽光発電の設備容量は 2017 年に累計で 5000 万 kw を超えた ( 図 7) 2000 年の時点では ほぼゼロの状況からである 8

12 図 6: 風力発電の設備容量 ( 年 ) 出典 :GWEC Global Wind Report 2010 Global Wind Report 2017 図 7: 太陽光発電の設備容量 ( 年 ) 出典 :IEA PVPS Trends in Photovoltaic Applications 2017 Global Photovoltaic Markets

13 さらに今後 3 年以内に 風力で約 2000 万 kw 事業用の太陽光で約 1000 万 kw の発電設備が運転を開始して 送配電網に接続される見込みだ 2030 年までに 米国の自然エネルギーによる発電電力量は中間的なシナリオの場合で 25% 程度になると予測されている ( 図 8) 意欲的なシナリオでは 40% あるいは 50% になる予測もある 図 8: 米国における電源構成比の予測 (2030 年 ) Ref.=Reference NPS=New Policies Scenario SDS=Sustainable Development Scenario 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February 2018 Annual Energy Outlook 2018 IEA World Energy Outlook 2017 BNEF New Energy Outlook 2017 IRENA Roadmap for a Renewable Energy Future

14 ここで 2017 年における米国と日本の電力市場の状況を比較しておく ( 表 1) 発電電力量の規模は米国が日本の 4 倍である 石炭火力の比率はどちらも 30% 弱で 石油火力とガス火力は日本の比率のほうが高い そのぶん米国では原子力が 20% 弱ある 自然エネルギーでは水力が 7% 台で同じくらいだが 風力の比率は米国のほうが高く 太陽光は日本のほうが高い ただし太陽光の発電設備容量は米国が若干ながら上回っている 表 1: 米国と日本の電力市場の比較 (2017 年 ) 項目 米国 日本 発電電力量 4 兆 390 億 kwh 1 兆 200 億 kwh 電源構成比 (%) 石炭石油ガス原子力水力バイオ地熱風力太陽光その他輸入量風力発電設備容量 万 kw 万 kw 太陽光発電設備容量 5100 万 kw 4900 万 kw 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February 2018 GWEC Global Wind Report 2017 IEA PVPS Snapshot of Global Photovoltaic Markets 2018 自然エネルギー財団 Quarterly Trends of Total Electricity Production (2018 年 4 月 24 日時点 ) 11

15 2. 全米 50 州の導入状況 米国全体では自然エネルギーが拡大しているが 州による差が大きく 先行する州と出遅れた州で状況は明確に分かれる 2017 年に全米 50 州のうち 13 州で 自然エネルギーの発電電力量の比率が 30% を超えた その一方で 10% 未満の州が 21 州もある 国土の広い米国では自然エネルギーが同じようには普及していかない 州ごとに自然エネルギーの電力が占める比率を見ると 地域による発電方法の傾向もわかる ( 地図 1) 地図 1: 州別の自然エネルギー導入状況 (2017 年 ) 注 : 数字は各州の発電電力量に占める自然エネルギーの比率 最も比率が高い発電方法をマークで示した 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February 2018 をもとに自然エネルギー財団が作成 北西部の 4 州 ( ワシントン オレゴン アイダホ モンタナ ) とアラスカ さらに北東の 2 州 ( メイン バーモント ) では 水力発電の比率が 30~70% と高い それに加えて北東の 3 州 ( メイン ニューハンプシャー バーモント ) ではバイオエネルギーによる発電量も 10~25% を占める 地熱は南西部のネバダとカリフォルニアの 2 州で 5~10% の電力を供給している 12

16 風力は中西部のうち北側の 6 州 ( ノースダコタ サウスダコタ ネブラスカ カンザス ミネソタ アイオワ ) で 15~35% の高い比率に達している 太陽光は南西部の 4 州 ( カリフォルニア ネバダ アリゾナ ユタ ) と北東部の 2 州 ( バーモント マサチューセッツ ) さらにハワイで 5~15% まで拡大した 2017 年に発電電力量に占める自然エネルギーの比率が 70% を超えた州は 6 つある 北東部のバーモントとメイン 北西部のアイダホ ワシントン オレゴン 中西部のサウスダコタだ ( 図 9) いずれも水力発電が盛んな地域で 風力や太陽光 バイオエネルギーも加わって 自然エネルギーの比率が高くなっている 図 9: 自然エネルギーの比率が高い上位 10 州 ( 発電電力量ベース 2017 年 ) 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February 2018 特にバーモントは全米 50 州のうち発電電力量が最も少ない (22 億 kwh) こともあり ほぼ 100% の電力を自然エネルギーで作ることができる 水力のほかにバイオ 風力 太陽光で電 力を供給している 13

17 自然エネルギーの比率が高い上位 10 州の中では カリフォルニアの発電電力量が全米で 3 番目に多い (2167 億 kwh) そのうち 50% を自然エネルギーが占めていて 特に水力と太陽光の比率が高い ただしカリフォルニアでは他の州から調達している電力量も多く それを加えると自然エネルギーの比率は 30% 台に下がる 一方で風力発電に積極的に取り組んでいるのは 風況に恵まれた中西部の 5 州 ( アイオワ カンザス サウスダコタ ノースダコタ オクラホマ ) である いずれの州でも 2017 年の発電電力量のうち風力が 25% を超えている ( 図 10) このほかにも全米で最大の発電電力量 (4529 億 kwh) を誇るテキサスで風力の比率が 15% に達した 図 10: 風力発電の比率が高い上位 10 州 ( 発電電力量ベース 2017 年 ) 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February

18 急速に拡大している太陽光では カリフォルニアの比率が最も高くて 16% である ( 図 11) 同じ南西部のネバダ 北東部のバーモント ハワイが 11% で続く このように地理的な条件が違う状況でも 太陽光発電には大きなポテンシャルがある 対照的に南東部の各州 ( フロリダなど ) をはじめ 中西部の中でも東側の 5 州 ( ウィスコンシン イリノイ インディアナ オハイオ ミシガン ) さらに北東部のペンシルベニアでは 自然エネルギーの導入はさほど進んでいない 各州の発電電力量の 10% 以下にとどまっている 図 11: 太陽光発電の比率が高い上位 10 州 ( 発電電力量ベース 2017 年 ) 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February

19 3. 電力市場はパッチワーク状態 自然エネルギーの導入状況は州による資源量のポテンシャルのほかに 電力システム改革の進展度 政府の支援策 送電網の地域間連系など 複数の要因が影響する その結果 米国の電力市場はパッチワークのような状態になっている 自然エネルギーの導入に影響を与える要因のうち 最も大きいのは資源量のポテンシャルである その中でも電力市場に革新的な変化をもたらす風力と太陽光に焦点を当てて地域ごとのポテンシャルを見ていく 全米各地の年間平均風速によると 中西部の北側から南側まで風況に恵まれた地域が広がっている ( 地図 2) これらの地域では風力発電の大量導入が進んでいる ただし ほぼ中央に位置するミズーリのように風力の比率が 2% にとどまっている州もある 地図 2: 米国の年間平均風速 (80 メートル地点 ) 単位 : メートル / 秒 出典 :NREL United States Annual Average Wind Speed at 80m (2018 年 3 月 27 日時点 ) 16

20 太陽光では南西部の州が日射量に恵まれている ( 地図 3) カリフォルニアとネバダで太陽 光発電の導入が活発だが その大きな要因は豊富な日射量にある 地図 3: 米国の平均日射量 (1 日あたり ) 単位 : キロワット時 / 平方メートル / 日 出典 :NREL Photovoltaic Solar Resource of the United States (2018 年 3 月 27 日時点 ) ところが南東部のフロリダは北東部の各州に比べれば格段に条件が良いにもかかわらず 発電電力量に占める太陽光の比率は 2017 年の時点でも 1% である 北東部のマサチューセッツでは 8% ニュージャージーでも 4% まで増えているのと比べて少ない 資源量が豊富なだけでは 自然エネルギーの導入量は必ずしも伸びていかない 風力と太陽光の導入に影響を与える 2 つ目の要因は電力システム改革である 従来は垂直統合型の電力会社が規制料金で発電 送配電 小売事業を運営して 一定の利益を上げてきた 米国では歴史的に地域ごとの電力会社をユーティリティ (utility) と呼び 電力だけではなくてガスや水道まで供給するのが一般的だった 17

21 競争のない垂直統合型の事業を続けてきた電力会社は 発電や小売の分野で圧倒的な事業規模を築いてきた その力を背景に 新しい発電設備を送配電網へ公平な条件で接続しなかったり あるいは電気料金を引き下げて小売事業者に対抗したりすることができた そこで 1970 年代の後半に電力システム改革が始まった ( 年表 1) 最初の政策は PURPA (Public Utility Regulatory Policies Act 公益事業政策規制法) である 1978 年に PURPA が議会で承認されて 垂直統合型の電力会社に競争条件を導入した この法律により 電力会社は独立系の発電事業者から 回避可能原価 ( 電力の調達にかかる平均コスト ) で電力を購入することを求められた 年表 1: 米国の電力システム改革の流れ FERC:Federal Energy Regulatory Commission( 連邦エネルギー規制委員会 ) 出典 :US DOE Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability August 2017 をもとに 自然エネルギー財団が作成 続いて 1992 年の Energy Policy Act( エネルギー政策法 ) により FERC(Federal Energy Regulatory Commission 連邦エネルギー規制委員会) が新たに卸供給事業者を認定して 事業者が発電した電力を競争力のある価格で販売できるようにした さらに FERC は送電網を所有する電力会社に対して 新規参入の事業者に送電サービスを提供するように命じる権限も与えられた 18

22 1996 年になると FERC は Order No. 888 と呼ぶ指令を出して 州のあいだをつなぐ連系線を公平な条件で提供することを送電網の所有者に要求できるようになった この指令により送電網の所有者は 発電 小売事業者に同一の価格と条件で連系サービスを提供することが義務づけられた さらに 1999 年に発行した Order No により 送電事業の分野に RTO(Regional Transmission Operator 地域送電運用機関) と ISO(Independent System Operator 独立系統運用機関 ) の新規参入を促した 一連の改革と並行して 1998 年から 2006 年にかけて 全米 50 州のうち 23 州が垂直統合型の電力会社に対して発電設備の全部あるいは一部の売却を求めて競争を促した 同時に小売分野にも競争を導入した しかし電力会社の部分的な再編を含めて 自由化の波は 50 州のうち半分弱にしか広がっていないのが現状だ ( 地図 4) 地図 4: 州別の電力システム改革状況 (2017 年 5 月時点 ) 注 :Fully Restructured: 再編完了 ( 電力利用者は小売事業者を自由に選択できる ) Partially Restructured: 部分再編 ( 一部の電力利用者が小売事業者を選択できる ) None: 再編なし ( 電力利用者は特定の電力会社からしか電力を購入できない ) 出典 :US DOE Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability August

23 現時点で自由化している 23 州の電力需要を合計すると 米国全体の 53% にとどまる 年間の電力消費量で上位 10 州に入るテキサス カリフォルニア ニューヨーク オハイオは完全あるいは部分的な自由化を実施しているが 同じく上位 10 州のフロリダ ジョージア ノースカロライナは自由化を実施していない 電力システム改革に伴って 送電事業においては 7 つの RTO/ISO が広域のサービスを提供している ( 地図 5) 発電 小売事業から独立の立場で送電システムを運用することが役割である 送電にかかわる資産は所有せず 送電網のアクセスサービスを公平に提供しながら卸電力市場も運営する 電力システムに透明性と効率性をもたらすうえで重要な役割を担っている 一方で RTO/ISO が存在しない州では 従来どおり垂直統合型の電力会社が送電網を運営する体制のままだ 地図 5: 広域送電事業者と対象エリア 出典 :US DOE Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability August 2017 電力システム改革の進展によって 自然エネルギーの導入状況に差が生じる 改革を積極的 に進めたテキサスでは 風力を中心に自然エネルギーが大幅に拡大した カリフォルニアや中 西部の各州は電力システム改革の進み具合はほどほどだが 自然エネルギーの開発は活発だ 20

24 北東部のペンシルベニアやイリノイは電力システム改革に積極的に取り組んだものの 自然エネルギーの導入量は平均的なレベルだ 電力システム改革を実行しなかったコロラドとフロリダは対照的な状況になっている コロラドは風力発電の比率でトップ 10 に入るが フロリダは太陽光の資源量が豊富にもかかわらず風力 太陽光ともに導入量は少ない 主要な州を例にとって 米国における電力システム改革の典型的なパターンをまとめてみた ( 表 2) 表 2: 主要な州における電力システム改革の状況と電気事業者 改革状況発電送電配電小売州 TXU テキサス ( 以前 ) 自由化 Luminant (2007) Oncor (2007) / ISO: ERCOT (1996) TXU Energy (2002) テキサス ( 現在 ) 部分規制 (1) PG&E カリフォルニア ( 以前 ) PG&E ( 強制分割 ) PG&E / ISO: CAISO (1998) PG&E カリフォルニア ( 現在 ) 部分規制 (2) 部分規制 (3) Dominion Generation (2007) Portland General Electric Virginia Electric and Power バージニア ( 以前 ) Dominion Virginia Power Dominion Virginia (2007) / RTO: PJM (2005) Power (2007) バージニア ( 現在 ) Portland General Electric オレゴン ( 以前 ) Portland General Electric Portland General Electric オレゴン ( 現在 ) 全面規制 Florida Power & Light フロリダ 競争状態 一部競争 競争なし 注 : カッコ内は実施年 ISO:Independent System Operator( 独立系統運用機関 ) RTO:Regional Transmission Operator( 地域送電運用機関 ) 電力システム改革は自然エネルギーを導入するうえで望ましい環境を提供するものではあるが ほかの要因も考慮しなくてはならない その 1 つが政府による支援策である 米国では連邦政府と州政府の双方が自然エネルギーの開発を促進してきた 連邦政府の支援策では 風力発電の発電量に応じた税控除や 太陽光発電の投資額に対する税控除が導入量の拡大に貢献した 州政府の取り組みでは RPS(Renewable Portfolio Standard 自然エネルギー利用割合基準 ) が効果を発揮している 21

25 RPS は電力会社や小売事業者に対して あらかじめ設定した自然エネルギーの割合に応じて電力を供給することを義務づけるものだ 2017 年 7 月の時点で 29 の州と首都のコロンビア特別区 ( ワシントン D.C.) が RPS を設定している ( 地図 6) これらの州と特別区の販売電力量を合計すると 米国全体の 56% をカバーする 地図 6: 州別の RPS 設定状況 出典 :LBNL U.S. Renewables Portfolio Standards 2017 Annual Status Report RPS の目標は州によって大きな差がある 例えばハワイは 2045 年までに自然エネルギー 100% カリフォルニアとニューヨークは 2030 年までに 50% だが ペンシルベニアでは 2020 年までに 8.5% と低い RPS の対象になる自然エネルギーの種類にも違いがあり 26 州のうちカリフォルニアなど 9 つの州では 大型水力を RPS の対象から除外している ( 各州の RPS で対象になる自然エネルギーの種類は巻末の別表 C を参照 ) 中西部のノースダコタ サウスダコタ ネブラスカ カンザス オクラホマは RPS を設定していないが 自然エネルギーの導入は活発に進んでいる その地域に十分な資源量があって 適度に電力システム改革を実施していれば RPS は必要ないかもしれない ただし前述したコロラドとフロリダでは どちらも資源量が豊富で電力システム改革を実施していないが 自然エネルギーの導入量に大きな差がついた この 2 つの州では RPS のあるなしが影響を与えたものと考えられる 22

26 RPS に代わる政策としては FIT(Feed-In-Tariff 固定価格買取制度) がある ただし米国では FIT を導入している州は 10 州に満たず しかも対象になる発電設備を最大でも数メガワットの規模に限定する場合が多い 日本や欧州では自然エネルギーを拡大するうえで FIT が重要な役割を果たしているが 米国では RPS が主要な政策になっている 自然エネルギーの拡大を促進する最後の要因は 送電網の連系である 連系によって電力の需給バランスを広い地域で調整できれば 出力が変動する風力と太陽光の電力を効率的に取り込むことが可能になる 米国の電力システムはアラスカとハワイを除いて 同期をとる 3 つの送電網に大きく分かれている 東側の Eastern Interconnection 西側の Western Interconnection そして南部のテキサスを対象にした ERCOT(Electric Reliability Council Of Texas) である( 地図 7) Eastern と Western のあいだの連系量はさほど多くない さらに ERCOT と他の送電網の連系量はもっと少ない 地図 7: 送電網の連系状況 出典 :NERC NERC Interconnections (2018 年 4 月 5 日時点 ) 23

27 このほかに隣接するカナダとメキシコと米国のあいだにも 1900 年代の初めから国際連系線が設けられている 米国は長年にわたって実質的に電力の輸入国であり カナダからは 2016 年に 600 億 kwh 以上の電力を輸入した ( 輸出を差し引いた正味の電力量 ) それでも国全体の電力需要の 1.5% 程度に過ぎない 米国がカナダから輸入する電力の大半は水力発電である カナダの南東部 ( オンタリオ ケベック ) から米国の北東部 ( ニューヨークなど ) カナダ南部の中央に位置するマニトバから米国の中西部 ( ミネソタ ノースダコタ ) さらにカナダ南西部のブリティッシュコロンビアから米国の北西部 ( ワシントン オレゴン ) へ電力が送られている もう一方のメキシコとの取引量はカナダよりも少ない 2016 年の輸入量と輸出量を合計しても 100 億 kwh を少し上回る程度だ メキシコと連系線があるのは カリフォルニア ニューメキシコ テキサスの 3 州である 全米 50 州の中で地理的に離れているアラスカとハワイは 他の州の送電網と接続していない アラスカには隣接するカナダと接続する連系線もない アラスカとハワイ さらに発電量に比べて連系量が圧倒的に少ないテキサスは 米国の電力システムの中で島国の状態にある ところが注目すべきは この 3 つのうち 2 つの州では自然エネルギーの導入が活発だ ハワイは太陽光発電 テキサスは風力発電で先行している 送電網の連系は重要だが たとえ他の地域との連系が限定的であっても 自然エネルギーの拡大を妨げる要因にはならない ( 表 3) 表 3: 代表的な州の風力 太陽光発電の導入可能性 州 風力 太陽光の 資源量 電力システム 改革の進展度 導入支援政策 送電網の連系状況 風力 太陽光発電 の比率 カリフォルニア 22% コロラド 20% フロリダ 0% ハワイ 17% オクラホマ 32% ペンシルベニア 2% テキサス 15% 良い 普通 悪い 出典 : 自然エネルギー財団 24

28 第 2 章 : 米国に見る自然エネルギーの利点と対策 1. コスト競争力 風力発電と太陽光発電は劇的なコストの低下によって大量導入が可能になり 米国の消費者に安価な電力を供給している 発電コストを評価する最新の指標として 発電設備の建設から運転 保守までを含むライフサイクル全体を対象にした LCOE(Levelized Cost Of Electricity 均等化発電原価) が一般的に使われる 米国では 2018 年に入って 陸上風力と太陽光の LCOE が火力発電と比べて競争上優位な状況になった ( 図 12) 図 12: 米国における陸上風力 太陽光 火力発電のコスト比較 ( 均等化発電原価による ) 注 : 火力は石炭とガスコンバインドサイクルが対象 運転期間は太陽光発電 ( 追尾式を含まず ) が 25 年 陸上風力が 25 年 石炭火力が 30 年 ガスコンバインドサイクルが 35 年を想定 出典 :BNEF Levelized Cost of Electricity 25

29 さらに原子力と比べると 陸上風力と太陽光の LCOE は格段に低い 2018 年の上半期の時点で原子力の LCOE は 9.4~19.6 セント /kwh 中間値は 14 セント /kwh である 陸上風力と太陽光では 9 セント /kwh を超えるプロジェクトは見あたらない 世界の平均値と比べると 米国の陸上風力と太陽光の発電コスト (LCOE の中間値 ) は 2014 年まで高かった 陸上風力は 2015 年から 太陽光は 2016 年から 世界の平均値よりも低くなっている ( 図 13) 図 13: 米国と世界の陸上風力 太陽光発電のコスト比較 ( 均等化発電原価の中間値 ) 注 : 太陽光発電には追尾式を含まない 出典 :BNEF Levelized Cost of Electricity ただし米国内でも地域ごとに条件の違い ( 資源量や開発コストなど ) によって 陸上風力と太陽光のコスト競争力には差がある 陸上風力の発電コストは風況の良い中西部と南部の 4 つの州では 3 セント /kwh 以下まで低下した ( 地図 8) 対照的に北東部や南東部の州では 6 セント /kwh 以上で 2 倍を超える水準だ 太陽光の発電コストを見ると 南西部や南東部の多くの州では 6 セント /kwh 以下になっていて ハワイも同様に低い ( 地図 9) そのほかの州では 7 セント /kwh 以上のところが多く アラスカでは 9 セント /kwh を超える 26

30 地図 8: 州別の陸上風力発電コスト (2018 年上半期の均等化発電原価 補助金なし ) 出典 :BNEF Levelized Cost of Electricity March 2018 をもとに自然エネルギー財団が作成 BNEF は各地域のデータを収集 分析して州単位の LCOE を算出 地図 9: 州別の太陽光発電コスト (2018 年上半期の均等化発電原価 補助金なし ) 注 : 追尾式を含まない 出典 :BNEF Levelized Cost of Electricity March 2018 をもとに自然エネルギー財団が作成 BNEF は各地域のデータを収集 分析して州単位の LCOE を算出 27

31 陸上風力と太陽光発電が米国の多くの州でコスト競争力を発揮するようになった背景には 過去 10 年間の技術開発による劇的なコスト削減の効果がある 陸上用の風力発電機は 2008 年末の時点で 1kW あたり約 1600 ドルだった価格が 2016 年には 800~1100 ドルまで低下した およそ 30~50% のコスト削減である 風力発電機の価格低下によって プロジェクト全体の総事業費も下がった ( 図 14) 図 14: 米国の風力発電プロジェクトの総事業費 ( 年 ) 注 :2016 年のドル換算による平均値 出典 :US DOE Wind Technologies Market Report 2016 同様に太陽光でも 中核のモジュール ( 太陽光パネル ) の価格が 2010 年から 2017 年のあい だに 86% も安くなり 発電システム全体のコストが急激に低下している ( 図 15) 28

32 図 15: 米国の太陽光発電システムのコスト ( 事業用 年 ) 注 : 出力 100 メガワットのシステム ( 固定設置式 ) を想定 2017 年のドルで換算 出典 :NREL U.S. Solar Photovoltaic System Cost Benchmark: Q 研究機関の Bloomberg New Energy Finance は今後も導入量の拡大と技術的な進化が続き 陸上風力と太陽光の発電コストが 2030 年までに石炭火力とガス火力を大きく引き離すことを予測している 同じく EIA(Energy Information Administration 米国エネルギー情報局) も自然エネルギーの拡大によって 米国内の発電コストが長期的に低下していくと予測している 現時点の発電コストは火力や原子力を含めて平均で 6.3 セント /kwh だが 2030 年には 6.0 セント /kwh に 2050 年には 5.6 セント /kwh まで下がる見通しだ (2017 年のドルで試算 ) 29

33 2.CO2 削減効果 自然エネルギーの大量導入と安価な天然ガスの拡大 さらにはエネルギー効率の改善により 米国の電力消費に伴う CO2 排出量は大幅に低下した 米国が排出する温室効果ガスの大半は二酸化炭素 (CO2) である (2016 年の時点で 82%) そのうち 94% が化石燃料の燃焼によるもので 電力部門が 36.4% で最も多い ( 図 16) つまり米国の温室効果ガス排出量の 28% を電力部門が占めている 図 16: 米国の化石燃料の使用に伴う CO2 排出量の構成比 (2016 年 %) 出典 :US EPA Inventory of U.S. Greenhouse Gas Emissions and Sinks: このような状況において 自然エネルギーの大量導入 エネルギー効率の改善 そして相対的に CO2 排出量の少ないガス火力発電の増加により 米国の電力部門の CO2 排出量は 21 世紀に入って急速に低下した 発電事業に伴う CO2 排出量は 2000 年の時点で 23.0 億トンだったが 2017 年には 24% 減少して 17.5 億トンまで減っている ( 図 17) 30

34 図 17: 米国の発電事業に伴う CO2 排出量の推移 ( 化石燃料の種別 年 ) 注 :2017 年は推定値 出典 :US EPA Inventory of U.S. Greenhouse Gas Emissions and Sinks: Inventory of U.S. Greenhouse Gas Emissions and Sinks: US EIA Annual Electricity Report 2016 Monthly Electricity Report February 2018 火力発電の CO2 排出係数はガス火力が約 0.4kgCO2/kWh(CO2 換算キログラム / キロワット時 ) であるのに対して 石炭火力は 2 倍以上の約 1.0kg CO2/kWh と多い それだけ石炭火力からガス火力へ移行する効果は大きい 米国の発電事業の CO2 排出係数を見ると 2000 年の kgco2/kwh から 2017 年に kgco2/kwh に低下した ( 図 18) 他の先進国と比較すると 日本の電気事業者の CO2 排出係数は 2016 年度に kgco2/kwh 欧州連合では 2017 年に kgco2/kwh である 日本の CO2 排出係数の高さが目立つ 特に米国では 2010 年から 2017 年のあいだに CO2 排出量の削減が進んだことに注目すべきである この時期に自然エネルギーの導入量が拡大したことと一致する 2010 年までは石炭火力からガス火力への転換によって CO2 排出量が低下したが 2010 年からは風力と太陽光を中心に自然エネルギーが石炭火力に取って代わったことで大きな削減効果が表れた 31

35 図 18: 米国の発電事業における CO2 排出係数の推移 ( 年 ) 注 : 注 :2017 年は推定値 火力発電以外の CO2 排出量は極めて少ないため係数の算定に含まない 出典 :US EPA Inventory of U.S. Greenhouse Gas Emissions and Sinks: Inventory of U.S. Greenhouse Gas Emissions and Sinks: US EIA Annual Electricity Report Monthly Electricity Report February 年から 2017 年のあいだに自然エネルギーの年間発電量は 2840 億 kwh も増加した もしこの増加分がなかったら 米国の発電事業は石炭火力の依存度を下げることができずに 排出係数も大幅に上昇していた可能性がある 自然エネルギーの拡大によって年間に 2 億トン近い CO2 排出量を抑制できたが この削減効果がなければ 2017 年の CO2 排出量は現状よりも 11% 増えていたことになる 今後も自然エネルギーの導入を推進していけば CO2 排出量を着実に低減できる ただし 2015 年にオバマ政権が クリーンパワープラン (CPP) を発表した時に期待したほどには進まない懸念が生じている CPP では 2030 年までに 2005 年比で 32% の CO2 排出量を国全体で削減する目標を掲げたが トランプ政権は計画の廃止を提案中だ 32

36 3. 送電網への影響 風力と太陽光が急速に拡大している州では 出力が変動する電力を送電網に大量に取り込む技術が有効に使われている 米国の送電事業者は出力変動型の自然エネルギーの増加に対応できる能力があることを実証している 導入量の多い州では年間の発電量のうち風力の比率は 15~35% 程度 太陽光の比率は 10~15% 程度に達するが それでも出力抑制の比率は相対的に低い 中西部を中心にテキサスの一部もカバーする送電事業者 SPP(Southwest Power Pool) が好例だ 2016 年に風力の比率が 17% 近くまで上昇した状況の中で 出力抑制の比率は 2% 以下に収まっている ( 図 19) このほかに ERCOT( 主にテキサスをカバー ) でも 2016 年に風力が 14% 近い比率に達したが 出力抑制は 2% 以下である 図 19: 米国の送電事業者による風力発電の出力抑制率と導入率 ( 年 ) 注 : 導入率は他地域からの輸出入分を含む電力消費量に対する比率 出力抑制率は想定発電量に対する比率 出力抑制は強制的な場合のほかに経済的な理由によるものを含む PJM の 2012 年の数値は 6 月から 12 月までの推定値 出典 :US DOE Wind Technologies Market Report

37 太陽光においても 全米で最も多く太陽光による電力を受ける CAISO( 主にカリフォルニア をカバー ) が十分な対応能力を示している 2017 年には太陽光の比率が年間に 11% を占めた が 出力抑制の比率は 1.3% に収まった ( 図 20) 図 20: 米国の送電事業者 CAISO による太陽光発電の出力抑制率と導入率 ( 年 ) 注 : 導入率は他地域からの輸出入分を含む電力消費量に対する比率 出力抑制率は想定発電量に対する比率 出力抑制は強制的な場合のほかに経済的な理由によるものを含む 分散型の太陽光発電システムを含まない 出典 :CAISO Managing Oversupply (2018 年 3 月 26 日時点 ) とはいえ出力変動型の自然エネルギーを大量に送電網に取り込むためには 簡単な対策では済まない 以前の ERCOT における風力発電の状況を見るとわかる ERCOT では 2009 年に風力の比率が 6% 以下だったにもかかわらず 他地域との連系能力が低いために 出力抑制の比率が 17% に達してしまった ( 前ページの図 19 参照 ) その後に CREZ(Competitive Renewable Energy Zones 自然エネルギー強化ゾーン) を対象に 5800 キロメートルに及ぶ送電線の新設 増強を実施したことで 出力抑制が大幅に減少している CREZ は風力発電の集中地域から大都市の消費地までの送電能力を高めるプロジェクトで 2013 年までにほぼ完了した 34

38 太陽光発電では CAISO の対策が進んでいる 他の地域と連系する能力を十分に生かしながら ガス火力と水力発電を組み合わせて需給バランスを調整する その典型的な例を図 21 に示す 2 つのグラフのうち上は太陽光の比率が高い日の電源構成 下は皆既日食によって太陽光で発電できない時間帯が発生した日の電源構成である 太陽光で供給する電力の変動に対して 火力 水力発電の出力増減 さらに他の地域から連系線を通じた電力の輸入で対応した 図 21: 典型的な日の太陽光発電の活用パターン (CAISO) 注 : 分散型の太陽光発電システムを含まない 出典 :CAISO Renewables and Emissions Reports (2018 年 4 月 9 日時点 ) 35

39 地域間の連系は風力と太陽光の電力を送電網に取り込むうえで重要な役割を果たしている NREL(National Renewable Energy Laboratory 米国立再生可能エネルギー研究所) が数多くの研究を通じて 今後さらに地域間の連系の役割が高まることを分析した より広い範囲で電力の需給バランスを調整できれば 出力変動型の自然エネルギーの増加に柔軟かつ簡単に対応できることを明らかにしている その好例として 米国の西部で実施している EIM(Energy Imbalance Market エネルギー需給調整市場 ) は注目すべき対策である EIM は米国で初めて電力をリアルタイムに取引できる市場で CAISO が運営している 広域の電力需要に対して コストが最も低い電力をシステムが自動的に探し出す 2014 年に取引が始まり 現在も対象地域を拡大中だ ( 地図 10) 地図 10: 米国の西部で拡大中の EIM( エネルギー需給調整市場 ) 出典 :Western EIM Western Energy Imbalance Market (2018 年 4 月時点 ) EIM によって広い範囲に分散する電源を最適に組み合わせることが可能になり より多くの 風力と太陽光を活用できるようになった と同時に 送電網のどの部分がボトルネックになっ ているかがわかるため これから投資すべき場所も把握できる 36

40 こうした米国内の地域間連系に加えて 国際連系線による電力の輸出入がある 米国とカナダのあいだには 2016 年の時点で約 1800 万キロワットの容量の国際連系線が稼働中だ さらに新しい連系線のプロジェクトも進んでいて 約 200 万キロワットの増加が見込まれる 代表的なプロジェクトは 米国の北東部マサチューセッツ州とカナダの南東部ケベック州を結ぶ New England Clean Energy Connect である 最大 120 万キロワットの容量で 2 つの地域を結ぶ計画だ カナダの安価な水力発電の電力をより多く米国に供給できる一方 米国内で風力 太陽光発電の電力が増加した場合にはカナダに送って需給調整を図る もう 1 つの重要な対策は電力の貯蔵である 現在のところ米国で最も多く使われている貯蔵方法は揚水発電だ 2017 年の時点で 2280 万 kw の容量がある 大きな容量だが 日本の揚水発電 (2760 万 kw) と比べると小さい 新たな電力貯蔵の方法として 蓄電池が状況を一変させる可能性がある 蓄電池のコストが劇的に低下して これまで需給調整に使われてきた火力発電や揚水発電と比べて競争可能な状況になりつつある ( 図 22) 図 22: 米国の事業用蓄電池と従来の需給調整方法とのコスト比較 ( 均等化発電原価による ) 注 : ガスレシプロエンジンは火力発電による新しい需給調整方法で 運転開始までの時間が短くて高効率 オープンサイクルガスタービンは火力発電による需給調整方法として現在のところ全世界で最も普及 出典 :BNEF Levelized Cost of Electricity March

41 風力や太陽光と蓄電池を組み合わせて 需給調整力の点でもガス火力と比べてコスト競争力の高いプロジェクトが出てきた 電力会社の Xcel Energy が 2017 年末に実施した入札では 補助金がつく条件ながら 風力 + 蓄電池が 2.1 セント /kwh 太陽光 + 蓄電池が 3.6 セント /kwh ( いずれも入札価格の中間値 ) という記録的な低さになっている 今後さらに蓄電池のコスト低下が進み 火力発電よりも有効な需給調整手段として使われる可能性が高まってきた 電力貯蔵の分野では カリフォルニア州の取り組みが政策面で最も先行している 過去 10 年間に 2 つの法案 (Assembly Bill 2514 同 2868) と支援策の SGIP(Self-Generation Incentive Program 自家発電促進プログラム) を実施した 2013 年の AB2514 により CPUC(California Public Utilities Commission カリフォルニア州公益事業委員会 ) がカリフォルニアの大手電力会社 3 社に対して 2020 年までに合計 万 kw の電力貯蔵能力を調達するように命じた ( 設置完了は 2024 年 ) その 3 社は Pacific Gas and Electric(PG&E) San Diego Gas and Electric(SDG&E) Southern California Edison(SCE) である 各社ごとに送電網 配電網 利用者側の目標値が定められている 2017 年 2 月の時点で 3 社を合わせて 47.5 万 kw の調達が完了している さらに 2016 年に成立した AB2868 により 3 社は分散型の電力貯蔵設備を最大 50 万 kw 追加する対策を求められた 分散型の電力貯蔵設備を配電網に接続するか 利用者のメーターの内側に電力貯蔵設備を設置する必要がある 自家発電促進プログラムの SGIP においても インセンティブを得るための手段の 1 つとして電力貯蔵システムの利用が認められている 2016 年末の時点で メーターの内側に蓄電池を設置するプロジェクトが住宅用 非住宅用を合わせて 700 以上にのぼっている 合計で約 5 万 kw 分が SGIP のインセンティブを受けた 太平洋に浮かぶハワイでは 島々を結ぶ連系線もないため 電力貯蔵システムの重要性が高まっている ハワイで最大の電力会社 Hawaiian Electric Company(HECO) は 現在までに 10 以上の電力貯蔵プロジェクトを実行中あるいは計画中である その中で最も大規模なプロジェクトでは 出力 9 万 kw の蓄電池を 2018 年の第 3 四半期 (7~9 月 ) に導入する予定だ ハワイには太陽光で発電した電力の自家消費を促進する CSS(Customer Self-Supply 需要家による自家供給 ) と呼ぶプログラムもある 住宅などの屋根に設置した太陽光発電システムと蓄電池などの電力貯蔵システムを組み合わせて 送配電網に電力を供給しないようにする CSS は太陽光発電の導入が活発な地域でも 申込 認定の手続きを迅速に処理してもらえる 38

42 風力と太陽光の出力変動に対する最後の手段として デマンドレスポンス (DR) がある DR は需要抑制契約や時間帯別料金など各種の方法によって 利用者の需要を特定の時間帯に限定して削減する 米国の送電事業者 7 社による DR の規模を合計すると 2016 年に 2870 万 kw の削減をもたらした ピーク需要の 5.7% に相当する電力を抑制できている ( 表 4) ただし地域によって差がある 表 4: 送電事業者によるデマンドレスポンス実施状況 (2016 年 ) 送電事業者 規模 ( 万 kw) ピーク需要に対する比率 (%) California ISO (CAISO) Electric Reliability Council of Texas (ERCOT) ISO New England (ISO-NE) Midcontinent Independent System Operator (MISO) New York Independent System Operator (NYISO) PJM Interconnection (PJM) Southwest Power Pool (SPP) 0 0 合計 出典 :FERC Assessment of Demand Response and Advanced Metering 2017 米国全体では DR のうち 50% 強は産業分野で実施している 家庭が貢献した DR の割合は 25% を上回り 残る 25% 以下が業務分野によるものである 39

43 4. 電力市場への影響 電力需要の低下と天然ガスの価格下落に加えて 追加の発電コストがほぼゼロの風力 太陽光発電の拡大により 石炭火力と原子力は市場からはじき出される 米国の電力会社の中には 変化に対応できずに苦しんでいる例が少なくない 風力や太陽光で発電した電力は追加コストがほぼゼロで済む 需要に応じてコストの低い順に電力を供給していくメリットオーダーのルールでは最初に選ばれる 電力の消費量が伸びない状況では 風力 太陽光発電設備が新たに運転を開始すると 追加コストが高いガス火力 石炭火力 原子力の電力は減っていく と同時に電力需要の減少によって市場価格が下がり 火力と原子力は経済的に二重の影響を受ける 米国では最近 2 年間の卸電力の価格が極めて低い水準で推移した ( 図 23) 例えばテキサスを中心とする ERCOT では 2~4 セント /kwh カリフォルニアの CAISO では 2~5.5 セント /kwh 中部の MISO では 2.5~4 セント /kwh 東部の PJM では 3~4.5 セント /kwh の範囲である ( 月間平均 ) 図 23: 主要な市場における卸電力価格 ( 月間平均値 年 ) 出典 :US EIA Monthly Average Wholesale Electricity Prices at Selected Trading Hubs, さらに石炭火力発電に対する厳しい環境規制 ( 特に発電所からの排出量を制限する Mercury and Air Toxics Standards の施行) が加わり わずか 7 年間で全米の半数以上の石炭火力発電所が廃止に追い込まれた 2017 年 10 月の時点で 262 カ所の石炭火力発電所が 2010 年以降に廃止あるいは廃止決定の状態になった 残っているのは 261 カ所である しかも運転中の石炭火力発電所のうち 2017 年に収入が経費を上回って利益を稼いだのは半分だけだった 40

44 原子力発電所も同様だ 2017 年の時点で米国には 99 基の原子力発電所 ( 合計で約 1 億 kw) が稼働しているが そのうち半数以上が赤字に陥り 合計で 29 億ドルにのぼる損失を計上した 利益を出せなくなった原子力発電所の廃止が各地で始まっている 2013 年以降に 5 カ所の原子力発電所で 6 基が閉鎖された さらに 9 カ所の 12 基は計画よりも早く閉鎖が決まった 廃止あるいは廃止予定の原子力発電所の大半は ライセンスが終了する 10 年以上も前に廃止される ( 表 5) 米国でも日本と同様に運転開始から 40 年間 さらに更新すれば 20 年間の延長が可能であるにもかかわらずだ 表 5: 経済的な理由で 2013 年以降に廃止 廃止予定の原子力発電所 発電所 ( 州 ) 廃止年 ライセンス終了年 設備容量 ( 万 kw) Crystal River-3 (Florida) Kewaunee (Wisconsin) San Onofre-2&3 (California) Vermont Yankee (Vermont) Fort Calhoun-1 (Nebraska) 発電所 ( 州 ) 廃止予定 ライセンス終了年 設備容量 ( 万 kw) Oyster Creek (New Jersey) Pilgrim-1 (Massachusetts) Three Mile Island-1 (Pennsylvania) Davis-Besse-1 (Ohio) Beaver Valley-1&2 (Pennsylvania) , Perry-1 (Ohio) Indian Point-2&3 (New York) 2021 未定 206 Palisades (Michigan) Diablo Canyon-1&2 (California) , 出典 :IAEA Country Statistics: United States of America US NRC Status of Initial License Renewal Applications and Industry Initiatives 電力会社の公開情報 (2018 年 4 月 11 日時点 ) その一方で原子力発電所の新設 増設計画が南東部の 2 つの州で進んでいたが サウスキャロライナ州の VC Summer 原子力発電所 の建設はコストの増加と工期の遅延により断念した ジョージア州の Vogtle 原子力発電所 で 3 4 号機 ( 各 110 万キロワット ) を増設する計画も コストが当初の 140 億ドルから約 2 倍の 250~270 億ドル ( 約 2.75~3 兆円 ) に拡大する見込みだ 原子力発電の復活を目指す 原子力ルネッサンス の先行きは明るくない 41

45 石炭火力と原子力に依存してきた電力会社は厳しい状況に追い込まれている 象徴的な例は 破たんした大手の Energy Future Holdings と FirstEnergy の 2 社である テキサスで最大の電力会社だった Energy Future Holdings は 2014 年に破産を宣告した 所有する 1500 万 kw を超える発電設備のうち約 3 分の 2 が石炭火力と原子力だったため コストの安いガス火力や風力と競争できなくなったことが要因だ 一方の FirstEnergy は 2018 年に入って破産を宣告したが その理由は 3 カ所の原子力発電所を抱えるグループ内の発電事業会社の業績悪化にあった いまや石炭火力と原子力の発電所は補助金に頼らなければ生き残れない状態だ 例えば米国で最大の原子力事業者である Exelon は 15 カ所の原子力発電所のうち 4 カ所で補助金を受けて運転を続けている しかし老朽化した石炭火力と原子力に補助金を与えることは適切なのだろうか 米国全体の発電 燃料事業の雇用者数を見ても 石炭の 17 万人に対して 太陽光は 2 倍以上の 35 万人に拡大している ( 図 24) 原子力は 7 万人に過ぎず 風力の 11 万人よりも少ない 図 24: 米国の発電 燃料事業による雇用状況 ( 単位 : 万人 2017 年第 2 四半期 ) 出典 :EFI & NASEO U.S. Energy and Employment Report 2018 現在のところ石炭火力と原子力が影響を受けているが ガス火力も安泰ではない ガス火力に依存してきた NRG Energy の発電事業会社 GenOn が 2017 年に破産した もはや風力 太陽光発電を中心に新たな戦略を選択する電力会社が増えるのは必然だろう 42

46 5. トラッキングシステム 自然エネルギーの電力に対するニーズが増えてくると 電力に付随する環境価値を管理 追跡するトラッキングシステムが欠かせない 米国では自然エネルギーによる電力 ( 大型水力を除く ) の供給量が 2016 年に 3400 億 kwh に達した ( 図 25) このうち 2300 億 kwh は電力会社が RPS を達成するために調達したもので 950 億 kwh は企業などが自主的に調達した電力である 図 25: 米国の自然エネルギー電力の供給量 ( 年 ) 注 : 大型水力を除く その他 には電力会社が RPS を超えて調達した自然エネルギーと自家発電を含む 出典 :NREL Voluntary Green Power Procurement (2018 年 4 月 26 日時点 ) 2010 年の時点では自然エネルギーの電力供給量は 1600 億 kwh を少し上回る程度だった 2016 年までの 6 年間に 2 倍以上に増えている この供給量は REC(Renewable Energy Certificate 自然エネルギー証書) で把握できる REC は 1000kWh の電力ごとに発行する証書である 自然エネルギーの電力を発電したことに伴う環境価値 (CO2 を排出しない効果など ) を証明するもので 電力会社に課せられた RPS の達成のほか 発電事業者と電力利用者のあいだの取引にも使われる 企業が自然エネルギーの電力を調達する手段にもなる 43

47 REC にはさまざまな属性情報が含まれている ( 表 6) 証書の発行年月日や種別のほか 自然エネルギーの種類 発電設備の所在地 発電年月日などの情報である REC は電力の消費者が自然エネルギーを利用していることを証明する手段として使うことができる 米国では政府のほかに 送電事業者や NGO( 非政府組織 ) などが REC の利用を促進している 表 6: 米国の自然エネルギー証書に記載する属性情報 発行年月日 証書種別 トラッキングシステム ID 自然エネルギーの種類 自然エネルギー発電設備の所在地 設備容量 プロジェクト名 プロジェクト開始年月日 発電年月日 証書 ID 接続先の電力会社 証書あるいは RPS の適格性 自然エネルギーによる CO2 排出係数 注 : 証書を発行する市場によって属性情報の項目は異なる 出典 :US EPA Renewable Energy Certificates 米国の電力市場において REC を認証する方法は 2 種類ある 1 つは証書トラッキングシステム もう 1 つは契約トラッキング手法である 証書トラッキングシステムは自然エネルギーで発電した電力の情報を 1000kWh ごとに電子的なデータベースに登録する仕組みだ 発電事業者が自然エネルギーの電力を送配電網に供給したことを証明するために コンピュータシステムで REC を発行する 自動的に証書を発行して 電力市場の参加者がインターネットを通じて証書の情報にアクセスできる 自然エネルギーの電力を取引する望ましい手法として 米国の多くの州で普及している ( 地図 11) 44

48 地図 11: 自然エネルギー証書のトラッキングシステム (2015 年 5 月時点 ) 注 : アラスカ州とハワイ州には公式のトラッキングシステムは存在しない 出典 :ETNNA Renewable Energy Certificate Tracking Systems in North America 一方の契約トラッキング手法は以前から広く使われてきたもので 自然エネルギーの所有権を発電事業者から電力の消費者まで追跡することが可能だ 発電事業者が第三者機関の監査に基づいて 消費者に対して契約書などで自然エネルギーの所有権を移転する 通常はメーターで計測した発電データが証明に使われる 自然エネルギーの電力が持つ環境価値を第三者機関が認証する仕組みである 電力の利用者にとっては 自然エネルギーの電力を低いコストで調達することが重要になっている 利用者自身で自然エネルギーの発電プロジェクトを実施するケースも少なくない あるいは発電事業者と PPA(Power Purchase Agreement 電力購入契約) を結んで自然エネルギーの電力を購入することも有効な方法だ 45

49 米国では自然エネルギーの電力を 2 通りの方法で調達できる 1 つは州が設定した RPS によって 電力の供給者は一定以上の自然エネルギーの電力を提供する義務がある このため電力の利用者は州内の RPS の達成状況に伴って 自動的に自然エネルギーの比率を高めることができる もう1つの方法は電力の利用者が自主的に自然エネルギーの電力を調達する 自主的な方法で電力を購入すれば RPS に関係なく自然エネルギーの電力を増やすことが可能になる 電力の供給者が購入する REC の価格は RPS の目標設定や関連する罰則の影響を受けやすく 州による差が大きい 2017 年 8 月の時点で 風力発電が活発で RPS を達成しやすいテキサスの REC の価格はゼロに近い水準だ 対照的に RPS の達成に REC を必要とする北東部の 4 州 ( コネチカット ニューハンプシャー マサチューセッツ ロードアイランド ) では 2 セント /kwh 前後の価格になっている 一方で電力の利用者が自主的に購入する REC は需要と供給の関係で価格形成が進んでいく 風力発電の電力を安価に調達できるテキサスやオクラホマでは 利用者向けの REC の価格は極めて安い このほかの州を含む全米の平均でも 電力の利用者を対象にした REC の価格は 0.2 セント /kwh 以下の水準で推移している 46

50 第 3 章 : 自然エネルギーを推進する企業と地域 1. 電気事業者 発電事業者や小売事業者は風力 太陽光による新たなビジネスモデルを導入し始めた 自然エネルギーを主体にした料金プランや 地域を対象にした太陽光プログラムも増えてきた 米国の風力 太陽光発電事業者で圧倒的なナンバーワンは 大手電力会社の NextEra Energy である ( 図 26) 火力や原子力を含めて約 4500 万 kw の発電設備を所有している中で 風力は 1236 万 kw 太陽光は 216 万 kw に達して 両方を合わせると 30% を超えた 米国全体の風力 太陽光発電の設備容量の約 10% を占める規模だ 図 26: 米国の風力 太陽光発電事業者の設備容量 (2017 年 ) 注 : 発電設備の所有権比率に応じて計算 出典 : 発電事業者のアニュアルレポート (2017 年 ) それに続く 2 番手の Berkshire Hathaway Energy はグループ全体で約 3000 万 kw の発電設備 を所有するうち 風力は 652 万 kw 太陽光は 153 万 kw で 両方を合わせた比率が 30% に近 づいてきた 47

51 このほかに発電設備の規模では Southern Company と Duke Energy の 2 社が大きい それぞれ 4700 万 kw と 5200 万 kw の発電設備を所有しているが 現在のところ風力 太陽光の比率は Southern で 8% Duke で 6% にとどまっている とはいえ両社は風力 太陽光の発電設備を急速に増やしている 特に Southern は最近の 2 年間で買収によって太陽光を 3 倍に拡大して 米国でも有数の太陽光発電事業者になった 米国内では欧州の電力会社も風力 太陽光の拡大に貢献している スペインの Iberdrola は 2017 年末の時点で風力 太陽光を合わせて 600 万 kw 以上の発電設備を米国で運営している ポルトガルの EDP Renovaveis は 500 万 kw 以上 ドイツの E.ON とフランスの EDF EN が約 300 万 kw に達した イタリアの Enel も約 200 万 kw の風力 太陽光発電設備を運営する 欧州の電力会社は米国内に火力や原子力の発電設備をほとんど所有していないため コスト競争力の高い風力と太陽光に投資しやすい利点がある 同様のことは日本の電力会社にもあてはまる しかし現在のところ東京電力グループが関連会社のユーラスエナジーを通じて 50 万 kw( 出資比率で換算すると 20 万 kw) の風力 太陽光発電設備を展開している程度だ 海外の発電事業者による参入機会は今後も米国内で期待できる 一方で電力を販売する小売事業者も 自然エネルギーを活用した革新的なビジネスモデルを展開し始めた 自然エネルギー主体の電力プランを提供するほか 地域を対象にした太陽光プログラム 消費者の電力使用量を最適化するサービスなどを拡大中だ 米国では自然エネルギーの電力を販売する方法は主に 3 通りある 1 つ目は電力市場が自由化されている州で可能だ 電力の利用者は小売事業者から 自然エネルギー主体の グリーン電力プラン (Green Pricing) を購入できる この方法による電力の販売量は 2016 年に 160 億 kwh に達し 利用者数は 200 万にのぼった 特に人気が高いのは テキサスの風力発電を組み合わせたプランだ 2 つ目の方法として 電力市場が自由化されていない州でもグリーン電力プランがある 契約している電力会社に追加料金を支払って自然エネルギー主体の電力を購入できる 現在では数多くの電力会社が家庭向けと法人向けにグリーン電力プランを提供している 電力会社は自社の発電所を含めて自然エネルギーの電力を調達して 顧客には購入した電力に相当する証書 (REC) を付与するのが一般的である 48

52 電力会社によるグリーン電力プランの販売量は 2016 年で 80 億 kwh 利用者数は 80 万に拡大した このプランの追加料金は家庭向け 法人向けともに全米の平均で 2 セント /kwh 程度だ 代表的な例はカリフォルニアの大手電力会社 SCE が提供する Green Rates である サービス地域内にある家庭や企業であれば 太陽光発電の電力を 50% あるいは 100% の割合で購入できる 追加料金は約 2 セント /kwh から約 5 セント /kwh の範囲で いつでもペナルティなしで解約できる 3 つ目の方法は電力会社と結ぶ 自然エネルギー電力契約 (Renewable Contract) である 電力会社が新しい発電所から自然エネルギーの電力を調達して販売するケースが多い 利用者は電力会社と個別に相対契約を結ぶか Green Tariff( グリーン料金 ) と呼ぶ特別料金を支払うか 2 通りの契約方法がある この契約方法は最近になって始まったもので 電力の使用量が多い大手の企業が主な対象になる グリーン電力プランと比べると いくつかの点で違いがある まず契約によって どのような自然エネルギーの発電設備から電力の供給を受けるか特定できる 利用者 電力会社 発電事業者の 3 者間で長期契約を結ぶのが通常のパターンだ 契約を通じて利用可能な電力の規模 ( 容量 ) も保証される 2017 年 6 月の時点では 全米で少なくとも 12 件の発電プロジェクトに対して相対契約が結ばれた 代表的な事例には MidAmerican Energy(Berkshire Hathaway Energy の子会社 ) が Google と締結した 40 万 kw の風力発電プロジェクトや Dominion Virginia Power が Amazon Web Services と締結した 8 万 kw の太陽光発電プロジェクトがある もう 1 つの契約方法である Green Tariff は 複数の利用者が同じ条件で自然エネルギーの電力を調達できるスキームである これまでに 10 社以上の電力会社が 12 州で提供している ただし契約内容 ( 購入電力量など ) によって大口の利用者に限るものが多い 2017 年 6 月の時点では 100 万 kw 近い電力が Green Tariff で供給された その中で最大の契約量になっているのは NV Energy がネバダで提供している Green Energy Rider である 太陽光発電による 45 万 kw の電力を供給する さまざまな方法を通じて自然エネルギーの電力を購入する利用者の数は 2010 年の約 180 万から 2016 年には 280 万を超えた 利用者のニーズが高まったことで 販売量は 6 年間で 70% も伸びている ( 図 27) 49

53 図 27: タイプ別の自然エネルギー電力販売量 ( 年 ) 出典 :NREL Status and Trends in the U.S. Voluntary Green Power Market (2016 Data) 電力会社が自然エネルギーの供給に力を入れるのは販売面だけではない 地域の太陽光発電プロジェクトにも参入している コミュニティ ソーラー プログラム と呼ぶもので 電力会社あるいは第三者の開発会社が太陽光発電プロジェクトを実施して 発電した電力をプロジェクトの参加者に供給する方法だ 参加者は契約の規模に応じて電気料金を低減できる このプログラムは電力会社が RPS の条件を満たすために利用するケースが多い 2016 年にはプログラムを通じて 2 万 3000 の利用者が 2.6 億 kwh の電力を購入した ( 図 28) そのうち 1 割以上はカリフォルニアの電力会社 PG&E の Solar Choice と呼ぶプログラムで提供された 参加者は証書の REC を受け取ることができる 50

54 図 28: コミュニティ ソーラー プログラムの導入状況 出典 :NREL Status and Trends in the U.S. Voluntary Green Power Market (2016 Data) 2017 年 9 月の時点で全米各地に 223 件のコミュニティ ソーラー プログラムがあり 合計で少なくとも 28 万 kw の太陽光発電設備が稼働している 特に最近は増加するペースが加速している ミネソタでは電力会社の Xcel Energy がコミュニティ ソーラー プログラムを積極的に展開中だ Solar Garden と呼ぶプログラムを通じて 20 万 kw 以上の太陽光発電の電力を供給しているほか 2017 年 12 月には新たに 40 万 kw のプログラムに着手した 米国の電力会社が提供する新しいビジネスモデルとして 利用者の電力消費を最適化するツールやサービスも広がっている 風力 太陽光の電力が増加するのと同時にデジタル化が進んだことで 利用者にさまざまなサービスを提供する競争が激しくなってきた 電力消費の最適化によって利用者の料金を低減できるのと合わせて 電力システムを柔軟に運用することにもつながる そうしたサービスの中には 空調や給湯をオフピークの安い料金で提供するものや 給湯システムを直接コントロールするサービス 電気自動車の充電状態を管理するサービスなどがある この時に重要な役割を果たすのがデマンドレスポンスをはじめ スマートメーター スマートサーモスタット 太陽光による自家発電 蓄電池 電気自動車の充電ステーションである 51

55 デマンドレスポンスに関しては 全米の電力会社が 2015 年に 3300 万 kw にのぼるピーク需要を抑制した 特定の時間帯に電力消費を促すプランでは テキサスの小売事業者 TXU Energy の Free Nights が典型例だ このプランでは夜間の電力を無料で提供する一方 昼間の料金を高く設定している テキサスでは夜間に風力発電の電力が増加するが 需要は減少するため卸電力の価格が昼間よりも格段に安くなる 夜間の電力を有効に活用するプランである スマートメーターは利用者の電力使用データを少なくとも 1 時間おきに 通常は 15 分おきに収集して電力会社に送り 需要パターンを把握するために使われる 全米の家庭における普及率は 41% だが 州による差が大きい 例えばカリフォルニアの大手電力会社 3 社 (PG&E SDG&E SCE) のスマートメーター設置率は 97~100% だが 他の州では設置率 0% の電力会社も数多くある 先進的な電力会社はスマートサーモスタットを使ったサービスにも乗り出した テキサスの NRG Energy やカリフォルニアの SCE などがサーモスタット専門会社の Nest と共同で提供しているサービスで 利用者の好みやスケジュールの情報をもとに 室内の温度を最適な状態に調整できる スマートメーターやスマートサーモスタットが普及すれば 出力変動型の自然エネルギーをより多く送配電網に取り込むことが可能になる カリフォルニアでは大手電力会社 3 社が電気自動車を対象にした意欲的な取り組みを推進中だ 電気自動車用の充電ステーションを州内に拡大することで 電力の販売収入を増やすだけではなく 送配電網の運用にも生かす 3 社のうち SDG&E は住宅用の充電器 9 万基を設置するほか トラックなどの大型車両を対象にした充電設備の実証プロジェクトを実施中だ 各種のプロジェクトを通じて 電力の利用者が太陽光の発電量の多い昼間や需要の少ない夜間に充電するメリットを提供している 52

56 2. エネルギー利用企業 米国では大手企業を中心に 自然エネルギーの利用を拡大する取り組みが進んでいる 持続可能な社会を目指す活動を推進できることに加えて 風力 太陽光の電力がコスト競争力を持つようになったことも大きな要因だ 米国の電力会社が新しい商品やサービスを開発して自然エネルギーの電力を供給するようになった背景には 利用者からのニーズの高まりがある 特に大手の企業が意欲的な目標を掲げて取り組んでいる 象徴的なプロジェクトが RE100 だ RE100 は影響力の大きな企業が集結した国際的なプロジェクトで 2018 年 6 月 19 日の時点で 130 社以上が参加している 自然エネルギーの電力を 100% 利用することを宣言して 自然エネルギーを全世界に広めていくことが目的である 米国からは Apple や Bank of America をはじめ さまざまな業種の大手企業が RE100 のメンバーに名を連ねている ( 表 7) 表 7: 自然エネルギーの電力利用率 100% を宣言した米国企業の例 企業名 業種 目標年 Apple テクノロジー ( 情報技術 ) 2018( 達成 ) Bank of America 金融 2020 Bloomberg 金融ソフトウエア データサービス メディア 2025 ebay 小売 2025 Facebook オンラインソーシャルメディア 不明 General Motors 自動車 2050 Goldman Sachs 金融 2020 Google テクノロジー ( 情報技術 ) 2017( 達成 ) Johnson & Johnson 医療機器 医薬品 日用品 2050 JPMorgan Chase 金融 2020 Kellogg s 食品 2050 Microsoft テクノロジー ( 情報技術 ) 2014( 達成 ) Morgan Stanley 金融 2022 Nike スポーツ用品 2025 Starbucks コーヒー 2016( 達成 ) Walmart 小売 不明 Wells Fargo 金融 2017( 達成 ) 出典 :RE100 Companies (2018 年 6 月 19 日時点 ) 53

57 このほかにも 2014 年には 自然エネルギーの拡大を目指す大手企業が Buyer s Principle ( 購買者の原則 ) を提唱した この原則の中で 利用者が自然エネルギーに求めることを理解する方法や 規制当局が重視すること 電力会社が利用者の要求に効果的に対応する方法をまとめた 当初は 12 社が署名し 現在は 73 社に拡大した その中にはファストフードの McDonald s や飲料大手の PepsiCo 航空宇宙 軍事産業の Lockheed Martin が含まれている 署名した 73 社が目標とする自然エネルギーの導入量を合計すると 2020 年までに 670 億 kwh を超える こうした動きを加速させる大きな要因になっているのは 持続可能性と経済性の 2 つである 事業活動による環境への影響を抑制するためには コスト効率の良い方法で対策を実行していく必要がある 風力 太陽光がコスト競争力を持つようになったことで 持続可能性と経済性の両立が可能になった 企業は自然エネルギーの導入目標を達成するために いくつかの方法を選択できる 自然エネルギーの電力を購入する以外に 2 つの方法で自然エネルギーの電力を増やすことが可能だ 1 つは証書の REC を購入する方法 もう 1 つは発電事業者と PPA(Power Purchase Agreement 電力購入契約) を締結する方法がある REC は電力と切り離して購入することができる この形態を Unbundled REC( 電力から分離した自然エネルギー証書 ) と呼び 多くの企業が自然エネルギーの調達を始める時の選択肢として利用している コストが低くて 長期の契約を必要としない点がメリットだ PPA やグリーン電力契約よりも簡単に利用できる これに対して PPA は自然エネルギーの新規プロジェクトを長期に契約する必要がある 企業が自社の施設や土地に発電設備を導入する場合もあれば 別の場所に設置するケースもある さらに PPA の契約形態には 発電した電力の供給を受ける Physical PPA と 電力の供給を伴わずに財務的な取引を実行する Financial PPA( あるいは Virtual PPA と呼ぶ ) の 2 通りがある Physical PPA では電力を利用する企業が発電事業者と交渉して購入料金を決めることができる 購入した電力を企業が消費するか 他者に売電するかは自由である 54

58 一方の Financial PPA では電力を利用する企業が発電事業者と購入料金を決めて契約を結ぶ点は同じだが 発電した電力は地域の送配電網を通じて卸電力市場に売却する 卸電力の価格が PPA の購入料金よりも低い場合には 企業から発電事業者に差額を補てんする 逆に高い場合には発電事業者が企業に差額を支払う 企業も発電事業者も一定の価格で電力を売買できる仕組みだ ただし Financial PPA では発電した電力を企業が利用することはできない 卸電力市場から購入する必要がある その代わりに証書の REC を発電事業者から受け取ることができるため 自然エネルギーの電力を利用したのと同じ効果を得られる PPA による契約量は大手の企業を中心に急速に拡大している 2010 年には合計で 13 億 kwh の規模に過ぎなかったが 2016 年には 79 億 kwh まで増加した ( 図 29) 契約を結んだ企業の数も 200 社を超えている 図 29: 企業による自然エネルギーの電力購入契約 出典 :NREL Status and Trends in the U.S. Voluntary Green Power Market (2016 Data) NGO の Rocky Mountain Institute が企業向けに運営している自然エネルギーの調達支援サービス Business Renewables Center の集計によると 自然エネルギーの電力購入契約は 2013 年以降だけで 1100 万 kw を超えた Google Amazon Microsoft Apple Facebook といった IT( 情報技術 ) の大手企業がリードして 風力と太陽光の大型契約が相次いでいる ( 図 30) 55

59 図 30: 自然エネルギーの電力購入契約 (2013 年 年 5 月 公表分 ) GW:100 万キロワット 注 : カッコ内の数値は各企業による当該年の契約数 出典 :RMI BRC BRC Deal Tracker (2018 年 5 月 16 日時点 ) 56

60 3. 州と市 地域と家庭 全米各地に自然エネルギーが拡大する中で 州政府や地域も重要な役割を果たしている 州による連邦制をとる米国の政治システムにおいて 州の自治権は強力だ 自然エネルギーを拡大するうえで州のビジョンと支援策は極めて重要である 多くの州では 電力会社などが供給する電力に対して自然エネルギーの割合を RPS で設定している もう 1 つ州の政策で効果を発揮しているのは ネット メータリング である 電力の利用者が分散型の小規模な自然エネルギーの発電設備 ( 屋上に設置する太陽光発電など ) の電力を利用したうえで 時間帯によって余った電力と他の時間帯に送電網から供給を受けた電力を相殺できる仕組みだ 2017 年末の時点で 30 を超える州が分散型の自然エネルギー発電設備にネット メータリングの適用を義務づけるか推奨している 特にカリフォルニア州ではネット メータリングが活発だ 同州の 3 大電力会社 (PG&E SCE SDG&E) の送電網に接続している太陽光発電設備のうち 90% 以上がネット メータリングを採用している 利用者は毎月の請求書の中で 発電した電力の余剰分に対して 電力会社から購入する電力と同じ料金 ( 送配電を含む ) でクレジットを得ることができる 州だけではなく 都市が自然エネルギーを推進する力も大きい さまざまな規模の都市が自然エネルギー 100% の目標を掲げて すでに目標を達成した都市もいくつかある ( 表 8) 表 8: 自然エネルギーの電力利用率 100% を目標に掲げる都市 都市名 州 目標年 Burlington Vermont 2014( 達成 ) Greensburg Kansas 2015( 達成 ) Minneapolis Minnesota 2030 Orlando Florida 2050 Pittsburgh Pennsylvania 2035 Saint Louis Missouri 2035 Salt Lake City Utah 2032 San Diego California 2035 San Francisco California 2030 Seattle Washington 不明 出典 :REN21 Renewables Global Status Report

61 このほかに Los Angeles( カリフォルニア ) と New York( ニューヨーク ) では太陽光に限定した目標を設定している Los Angeles は 2020 年までに太陽光発電の規模を 130 万 kw へ New York も 2020 年までに 100 万 kw へ拡大する計画を推進していく 自治体に加えて一般の人々も自然エネルギーの拡大に参加している 地域で取り組むケースもあれば 個人で行動を起こすケースも少なくない 例えば地域のコミュニティ単位で自然エネルギーの電力を一括で購入する CCA (Community Choice Aggregation 地域一括購入) と呼ぶ方法がある 地域の消費者が購入する電力を集約することによって 規模の大きい購入契約を発電事業者と結んでコストを削減できる 送配電に関しては引き続き電力会社が責任を持つ 2017 年の時点でカリフォルニアやニューヨークなど 7 つの州で CCA が認められている CCA の参加者は 2016 年に合計で 300 万を超えた ( 図 31) 特にカリフォルニアでは販売量 顧客数ともに急速に拡大中だ その中でも州北部のサンフランシスコ市やマリン郡 ナパ郡を対象にした CCA が伸びている 電力会社の PG&E が販売する電力と比べて自然エネルギーの比率が高く しかも競争力のある価格で提供できることが普及を促進した 図 31:CCA( 地域一括購入 ) の実施状況 出典 :NREL Status and Trends in the U.S. Voluntary Green Power Market (2016 Data) 米国の多くの州では 住宅の屋根に設置する太陽光発電のコストが低下して 電気料金より も安くなる ソケット パリティ の状態になってきた 自家発電 自家消費によって 送配 電網の影響を受けないメリットもある 58

62 住宅に設置する太陽光発電は 1 件あたりの規模は小さいが 集約すれば大きな影響力を発揮する 2014 年から住宅用の太陽光発電が急速に拡大した結果 2017 年には全米で 139 億 kwh にのぼる電力を供給できた ( 図 32) この発電量は米国で最新の原子力発電所 Watts Bar 2 ( 出力 120 万 kw) の約 3 倍に相当する 今後さらに発電量が増え続けることは確実だ 図 32: 米国の住宅用太陽光による発電量の推移 ( 年 ) 出典 :US EIA Annual Electricity Report Monthly Electricity Report February

63 おわりに 米国では風力と太陽光の大量導入が着実に進んできた 特にカリフォルニアとテキサスが代表例だ 自然エネルギーの電力が増加したことにより さまざまなメリットがもたらされる 電気料金が安くなり 何十万もの雇用が生み出され そして大気がきれいになる その一方で課題もある 出力が変動する風力 太陽光を大量に送配電網に取り込まなくてはならない 追加の発電コストがほぼゼロの自然エネルギーを市場で適切に供給できるようにする必要がある 自然エネルギーで発電した電力を正確にトラッキングできる仕組みも不可欠になる いずれの課題も技術的に解決できるものばかりだ 米国で起こった自然エネルギーによる革新的な変化は 供給側の経済的 技術的な進化だけが要因ではない 大量のエネルギーを利用する企業に加えて 自治体や地域社会の活動が自然エネルギーの拡大に貢献している トランプ大統領が就任したことで 米国の自然エネルギーの成長が阻まれるのではないか との懸念が生じた しかし現在までのところ その影響は見られない 2017 年には自然エネルギーの導入量が過去最高を記録した すでに進行中の変革を阻止することは不可能であり 今後も自然エネルギーの拡大は続くだろう 60

64 別表 A: 州別の発電電力量 (2017 年 ) 順位州億 kwh 順位州億 kwh 1 Texas 4, Mississippi Florida 2, Minnesota California 2, Oregon Pennsylvania 2, Iowa Illinois 1, Colorado Alabama 1, Kansas North Carolina 1, Wyoming Georgia 1, North Dakota New York 1, Nevada Ohio 1, Utah Washington 1, Nebraska Michigan 1, Maryland Arizona 1, Connecticut Indiana 1, New Mexico Louisiana Massachusetts South Carolina Montana Virginia New Hampshire Missouri Idaho Tennessee Maine Oklahoma Hawaii New Jersey South Dakota West Virginia Delaware Kentucky Alaska Wisconsin Rhode Island Arkansas Vermont 22 出典 :US EIA Monthly Electricity Report February 2018

65 別表 B: 州名の略記 州名略記州名略記 Alabama AL Montana MT Alaska AK Nebraska NE Arizona AZ Nevada NV Arkansas AR New Hampshire NH California CA New Jersey NJ Colorado CO New Mexico NM Connecticut CT New York NY Delaware DE North Carolina NC Florida FL North Dakota ND Georgia GA Ohio OH Hawaii HI Oklahoma OK Idaho ID Oregon OR Illinois IL Pennsylvania PA Indiana IN Rhode Island RI Iowa IA South Carolina SC Kansas KS South Dakota SD Kentucky KY Tennessee TN Louisiana LA Texas TX Maine ME Utah UT Maryland MD Vermont VT Massachusetts MA Virginia VA Michigan MI Washington WA Minnesota MN West Virginia WV Mississippi MS Wisconsin WI Missouri MO Wyoming WY

66 別表 C:RPS で対象になる自然エネルギーの種類 ( 州別 ) 州名 Arizona California Colorado Connecticut Delaware Hawaii Illinois Iowa Maine Maryland Massachusetts Michigan Minnesota Missouri Montana Nevada New Hampshire New Jersey New Mexico New York 発電方法 hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power small hydro (up to 30MW), biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste small hydro (up to 30MW), biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, coal mine methane (if the Public Utilities Commission determines it is a greenhouse gas neutral technology) hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power small hydro (up to 30MW), biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power hydro, biomass, wind, solar photovoltaic, solar thermal, landfill gas, and anaerobic digestion small hydro (no explicit limit), biomass, wind, solar photovoltaic, solar thermal, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, tidal, fuel cells, landfill gas, municipal solid waste, combined heat & power hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells using renewable fuels, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, tidal, wave, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste small hydro (up to 100MW), biomass, wind, solar photovoltaic, solar thermal, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, hydrogen (generated by another eligible renewable energy), co-firing small hydro (up to 10MW), biomass, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, co-firing small hydro (up to 15MW), biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, energy storage technologies (based upon the portion of electricity produced that is attributable to renewable sources) hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste hydro, biomass, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power, hydrogen (from biomass fuels or landfill gas) small Hydro (up to 30MW), biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells, landfill gas, anaerobic digestion hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells (using renewable fuels zero emission technology), landfill gas, anaerobic digestion hydro, biomass, wind, solar photovoltaic, ocean, tidal, wave, fuel cells, landfill gas, anaerobic digestion, combined heat & power

67 州名 North Carolina Ohio Oregon Pennsylvania Rhode Island Texas Vermont Washington Wisconsin 発電方法 hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, landfill gas, anaerobic digestion, combined heat & power, hydrogen (derived from renewables) hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power, hydrogen hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, fuel cells, landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power small hydro (up to 30MW), biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, landfill gas hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, combined heat & power hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, ocean, tidal, wave, landfill gas, anaerobic digestion hydro, biomass, geothermal, wind, solar photovoltaic, solar thermal, tidal, wave, fuel cells (using renewable fuels), landfill gas, anaerobic digestion, municipal solid waste, combined heat & power 出典 :N.C. Clean Energy Technology Center Database of State Incentives for Renewables & Efficiency (2018 年 6 月 13 日時点 ) anaerobic digestion: 嫌気性消化ガス biomass: バイオマス coal mine methane: 炭層メタンガス ( 実質的に温室効果ガスを排出しない場合 ) co-firing: 混焼 combined heat & power: 熱電併給 energy storage technologies: 電力貯蔵技術 ( 自然エネルギー由来の電力を貯蔵する場合 ) fuel cells: 燃料電池 ( 自然エネルギー由来の燃料を使用する場合 ) hydro: 水力 hydrogen: 水素 geothermal: 地熱 landfill gas: 埋立地発生ガス municipal solid waste: 一般廃棄物 ocean: 海洋 small hydro: 小水力 ( 出力が一定以下の場合 MW=メガワット ) solar photovoltaic: 太陽光 solar thermal: 太陽熱 tidal: 潮流 wave: 波力 wind: 風力

68 別表 D: 略語一覧 AB: Assembly Bill BNEF: Bloomberg New Energy Finance CAISO: California Independent System Operator CCA: Community Choice Aggregation CPP: Clean Power Plan CPUC: California Public Utilities Commission CREZ: Competitive Renewable Energy Zones CSS: Customer Self-Supply DR: Demand Response EIM: Energy Imbalance Market ERCOT: Electric Reliability Council of Texas ETNNA: Environmental Tracking Network of North America FERC: Federal Energy Regulatory Commission FIT: Feed-In-Tariff GWEC: Global Wind Energy Council HECO: Hawaiian Electric Company IAEA: International Atomic Energy Agency IEA PVPS: International Energy Agency Photovoltaic Power Systems Program IEA: International Energy Agency ISO: Independent System Operator LBNL: Lawrence Berkeley National Laboratory LCOE: Levelized Cost Of Electricity MISO: Midcontinent Independent System Operator NASEO: National Association of State Energy Officials NERC: North American Electric Reliability Corporation NRC: Nuclear Regulatory Commission NREL: National Renewable Energy Laboratory PG&E: Pacific Gas and Electric PPA: Power Purchase Agreement PURPA: Public Utility Regulatory Policies Act REC: Renewable Energy Certificate REN21: Renewable Energy Policy Network for the 21st Century RMI: Rocky Mountain Institute RPS: Renewable Portfolio Standard RTO: Regional Transmission Operator SCE: Southern California Edison SDG&E: San Diego Gas and Electric SGIP: Self-Generation Incentive Program SPP: Southwest Power Pool US DOE: United States Department of Energy US EIA: United States Energy Information Administration US EPA: United States Environmental Protection Agency

69 図表一覧 図 1: 米国の発電電力量の推移 ( 電源種別 年 )... 5 図 2: 米国の発電電力量の変化 (2010 年と 2017 年の差 )... 6 図 3: 米国の発電電力量の推移 ( 年 )... 7 図 4: 米国の発電電力量の構成比... 7 図 5: 自然エネルギーによる発電電力量の構成比 ( 年 )... 8 図 6: 風力発電の設備容量 ( 年 )... 9 図 7: 太陽光発電の設備容量 ( 年 )... 9 図 8: 米国における電源構成比の予測 (2030 年 ) 図 9: 自然エネルギーの比率が高い上位 10 州 ( 発電電力量ベース 2017 年 ) 図 10: 風力発電の比率が高い上位 10 州 ( 発電電力量ベース 2017 年 ) 図 11: 太陽光発電の比率が高い上位 10 州 ( 発電電力量ベース 2017 年 ) 図 12: 米国における陸上風力 太陽光 火力発電のコスト比較 ( 均等化発電原価による ) 図 13: 米国と世界の陸上風力 太陽光発電のコスト比較 ( 均等化発電原価の中間値 ) 図 14: 米国の風力発電プロジェクトの総事業費 ( 年 ) 図 15: 米国の太陽光発電システムのコスト ( 事業用 年 ) 図 16: 米国の化石燃料の使用に伴う CO2 排出量の構成比 (2016 年 %) 図 17: 米国の発電事業に伴う CO2 排出量の推移 ( 化石燃料の種別 年 ) 図 18: 米国の発電事業における CO2 排出係数の推移 ( 年 ) 図 19: 米国の送電事業者による風力発電の出力抑制率と導入率 ( 年 ) 図 20: 米国の送電事業者 CAISO による太陽光発電の出力抑制率と導入率 ( 年 ) 図 21: 典型的な日の太陽光発電の活用パターン (CAISO) 図 22: 米国の事業用蓄電池と従来の需給調整方法とのコスト比較 ( 均等化発電原価による ) 図 23: 主要な市場における卸電力価格 ( 月間平均値 年 ) 図 24: 米国の発電 燃料事業による雇用状況 ( 単位 : 万人 2017 年第 2 四半期 ) 図 25: 米国の自然エネルギー電力の供給量 ( 年 ) 図 26: 米国の風力 太陽光発電事業者の設備容量 (2017 年 ) 図 27: タイプ別の自然エネルギー電力販売量 ( 年 ) 図 28: コミュニティ ソーラー プログラムの導入状況 図 29: 企業による自然エネルギーの電力購入契約 図 30: 自然エネルギーの電力購入契約 (2013 年 年 5 月 公表分 ) 図 31:CCA( 地域一括購入 ) の実施状況 図 32: 米国の住宅用太陽光による発電量の推移 ( 年 )... 59

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション アーカンソー Arkansas AR 501 アーカンソー Arkansas AR 870 アイオワ Iowa IA 515 アイオワ Iowa IA 712 アイオワ Iowa IA 319 アイダホ Idaho ID 208 アラスカ Alaska AK 907 アラバマ Alabama AL 205 アラバマ Alabama AL 334 アラバマ Alabama AL 256 アリゾナ Arizona

More information

レストラン (NAICS:7221) 年 の伸び率と比較して 年 は すべての項目で拡大がみられた 世界経済の拡大による消費者の所得向上に伴い レストランへの消費を選好する人々が増えたためとみられる 平均年間給与は フロリダ州やネバダ州など観光産業の盛んな地域ほど増加率が高い

レストラン (NAICS:7221) 年 の伸び率と比較して 年 は すべての項目で拡大がみられた 世界経済の拡大による消費者の所得向上に伴い レストランへの消費を選好する人々が増えたためとみられる 平均年間給与は フロリダ州やネバダ州など観光産業の盛んな地域ほど増加率が高い レストラン (NAICS:7221) 97 02 年 の伸び率と比較して 02 06 年 は すべての項目で拡大がみられた 世界経済の拡大による消費者の所得向上に伴い レストランへの消費を選好する人々が増えたためとみられる 平均年間給与は フロリダ州やネバダ州など観光産業の盛んな地域ほど増加率が高い傾向がみられる レストラン 拠点数 (1997) 出荷額 年俸合計 従業員数 平均年俸 拠点数 (2002)

More information

Energy Innovation Hub

Energy Innovation Hub 環境保護庁 既存火力発電所の炭素排出削減を狙った クリーン発電計画 を発表 2014 年 6 月 4 日 NEDO ワシントン事務所松山貴代子 環境保護庁 (EPA) が 6 月 2 日 既存の火力発電所から放出される炭素汚染の削減を目的とする 既存固定発生源の炭素汚染排出ガイドライン (Carbon Pollution Emission Guidelines for Existing Stationary

More information

2 PJM ( 東部 13 州及びコロンビア特別区でエネルギー 容量市場 及び 送電系統を運営 ) o 2017 年に稼働していた設備容量の 39% (278 MW) を占め 電力量の 31% にあたる 269 MWh を供給 o 出力変動を迅速に調整できる電源を確保する目的で 2012 年にアンシ

2 PJM ( 東部 13 州及びコロンビア特別区でエネルギー 容量市場 及び 送電系統を運営 ) o 2017 年に稼働していた設備容量の 39% (278 MW) を占め 電力量の 31% にあたる 269 MWh を供給 o 出力変動を迅速に調整できる電源を確保する目的で 2012 年にアンシ エネルギー情報局が発表した 米国蓄電池市場の動向 の概要 2018 年 6 月 15 日 NEDO ワシントン事務所 エネルギー省 (DOE) のエネルギー情報局 (Energy Information Administration =EIA) は 2018 年 5 月に 米国の蓄電池増設動向 及び 蓄電池市場の現状を調査した 米国蓄電池市場の動向 (U.S. Battery Storage Market

More information

NOPR 1978 IPPIndependent Power Producer NOPR IPP PUCPublic Utility Commissions FERC Federal Energy Regulatory Commiss

NOPR 1978 IPPIndependent Power Producer NOPR IPP PUCPublic Utility Commissions FERC Federal Energy Regulatory Commiss 1978 12 IPP ISO 1996 RTO 34 1978 1988 NOPR 1978 IPPIndependent Power Producer 1988 1978 1988 NOPR IPP 1990 10 PUCPublic Utility Commissions FERC Federal Energy Regulatory Commission 2001 1970 5 1 1978

More information

pwc.com Strategy& PwC LED PwC pwc.com Strategy& PwC % % * 2 PwC *2 International Energy Outlook 2016, U.S. Ener

pwc.com Strategy& PwC LED PwC pwc.com Strategy& PwC % % * 2 PwC *2 International Energy Outlook 2016, U.S. Ener ? 1 PwC * 1 97% 2020 PG&E *1 A different energy future - Where energy transformation is leading us, PwC Survey, 2015 13 brian.d.carey@ pwc.com Strategy& PwC LED PwC sean.jang@ pwc.com Strategy& PwC 2030

More information

豊田通商株式会社 CSR Report 2011

豊田通商株式会社 CSR Report 2011 CSR Report 2011 Contents 200 171 185 158 111 150 146 102 93 85 110 120 124 135 125 77 100 67 68 72.5 60 85 60.3 60.0 60 50 47.4 50.1 50 53 56 52.5 58 61 65 69 74 25 30.3 0 2006 2007 2008 2009 2010

More information

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社 日本市場における 2020/2030 年に向けた 太陽光発電導入量予測 固定価格買取制度下での住宅用 産業用 メガソーラーの導入量予測プレゼンテーション資料 2015 年 7 月株式会社資源総合システム 2015 株式会社資源総合システム無断複写 複製 無断転載を禁止します 日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測

More information

Microsoft Word - 報告書.doc

Microsoft Word - 報告書.doc 第 4 節 電力市場自由化の先進地域の現状 PPS 事業者 オンサイト事業者などの新規参入者はターゲットとなる需要家が多い地域から優先的に事業展開を図る傾向があるため 参入状況は地域によって大きく異なる 図表 23 に示すとおり PPS 事業者の販売量シェアが高い地域のうち関東 近畿及び九州地域を先進地域と位置づけ 新規参入者の参入状況 その結果としての電力価格の推移等の情報を整理する 図表 24

More information

種類以上 再生可能エネルギー 100% のメニューだけでも 5~60 種類あり 新規参入が低調になりやすい家庭部 門においても 豊富な選択肢が確保されている 表 1: 米国の全面自由化実施州における新規参入状況 自由化中断 廃止州 : 7 州 ( カリフォルニア ネバダ アリゾナ ニューメキシコ モ

種類以上 再生可能エネルギー 100% のメニューだけでも 5~60 種類あり 新規参入が低調になりやすい家庭部 門においても 豊富な選択肢が確保されている 表 1: 米国の全面自由化実施州における新規参入状況 自由化中断 廃止州 : 7 州 ( カリフォルニア ネバダ アリゾナ ニューメキシコ モ 評価が分かれるテキサス州の電力自由化 - 新規参入は活発だが 価格は上昇 最近は輪番停電も 2012/05/21 電力システム改革論を斬る! 電力改革研究会 Policy study group for electric power industry reform 米国における電力自由化の失敗例としては 電力危機を引き起こしたカリフォルニアの事例が有名である 他 方 成功例としてテキサス州があげられることがある

More information

北東アジア石油市場自由化の進展とその影響に関する調査¨

北東アジア石油市場自由化の進展とその影響に関する調査¨ 1 7 31 11 15 PPS 19 10 4 16 2 2-1 1990 1990 1991 EU EU 1996 EU 2003 900 kwh 1998 2000 EU 2003 EU 2007 EU 2001 FERC FERC FERC 1996 888889 ISO Independent System Operator 1999 2000 RTORegional Transmission

More information

NOV2016 TMG

NOV2016 TMG Text Carlos Barria/Reuters 1990 97 2011 2016 原 化 燃料 電源 然エネルギー 熱電併給 独占 市場 公正な競争市場 閉鎖的 地域独 型 ネットワーク 開放的 広域的 垂直統合 構造 平展開 受け 統 的 市 の役割 活発 多様 < 由化以前 : 発送電 貫 > < 由化以降 > < 発送電分離以降 > 発電 発電 IPP 発電事業 由競 争 法定独占

More information

スライド 1

スライド 1 系統接続制約問題の影響度を判断するための 出力制御シミュレーション について -FIT が開く太陽光発電 普及の新しい扉 - 2015 年 4 月 14 日一般社団法人太陽光発電協会 1 出力制御シミュレーション の考え方 1 本シミュレーションは 以下の三つの要素情報をもとに 試算されています 1 電力需要実績各電力会社より公表されている 2013 年の時間毎 (24 時間 365 日 =8,760

More information

UIプロジェクトX

UIプロジェクトX エネルギー分散管理と地方経済 原田達朗九州大学炭素資源国際教育研究センター http://cr.cm.kyushu-u.ac.jp/ https://www.facebook.com/carbonresources.kyushuuniv 2017.02.03 九州大学 1 1. 背景 2. 日本のエネルギー ( 電力 / ガス ) の状況 3. 地域経済 4. 地域でマネージメント 1. 背景 2

More information

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2 国内再生可能エネルギーからの水素製造の展望と課題 第 2 回 CO2フリー水素ワーキンググループ水素 燃料電池戦略協議会 216 年 6 月 22 日 日本エネルギー経済研究所 柴田善朗 Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 1 電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素

More information

& IT/ IT

& IT/ IT C O R P O R A T E O U T L I N E 2 8 &-3 25 9 1 1 IT/7 1 2 3 4 6 8 1 11 12 13 14 16 2 21 22 IT 24 25 28 32 34 36 37 38 39 4 41 42 43 44 45 46 &HLDGS. &HLDGS. &HLDGS.1 35, 13, 2,8 1,4 76 97 69-6 7 3 2 2

More information

5 0

5 0 5 0 2003 14 4 6,180 KW 5,100 ( ) utilities Utilities utilities utilities AEP 11 FERC utilities ( ) utilities utility 6 9 9 12 14 17 17 9 12 17 timeline 18 ( ) ( ) ( ) 26 26 27 ( ) ( ) 29 ( ) ( ) ( ) AEP

More information

05JPOWER_p1-40PDF.p....

05JPOWER_p1-40PDF.p.... 2005 目次 日本の電気事業の現状と J-POWER の位置付け 1 財務状況 1 日本の電気事業概要 1 1 連結財務ハイライト 15 2 当社の発電事業データ 3 2 連結財務諸表 17 3 当社と国内 海外電力会社との比較 5 3 連結収益 費用構成 21 4 単体財務ハイライト 22 7 5 単体財務諸表 23 卸電気事業 7 6 単体電気事業営業収益 費用の分析 29 (1)火力発電 8

More information

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁 資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁 1. 再生可能エネルギーの 接続可能量 の算定について 2. 出力制御の見通しについて 1. 再生可能エネルギーの 接続可能量 の算定について 系統 WG のこれまでの経緯 4 2014 年 9 月太陽光発電の大量申し込みにより接続保留問題が発生 10 月 接続可能量 (2014 年度算定値 )

More information

□120714システム選択(伴さん).ppt

□120714システム選択(伴さん).ppt 2012 年 7 月 15 日 原子力資料情報室 公開研究会 3.11 後の電力自由化 ~ 国民がエネルギーシステムを選択する~ 富士通総研経済研究所 高橋洋 我々国民は 何を選択するのか? エネルキ ー 環境会議 1 ゼロシナリオ 2 15 シナリオ 3 20~25 シナリオ http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf

More information

タイでパーム油混ぜた新燃料発売=国王の命令で開発、ディーゼル車向け

タイでパーム油混ぜた新燃料発売=国王の命令で開発、ディーゼル車向け IEEJ2004 10 DOE/EIA 2 2004 8 2 188.8 49.9 /L 2004 5 24 206.4 18 35.2 2004 7 30 210.1 8.3 5 21 203.0 2.0 RFG 24.2 5 21 24.3 7 38.2 Days of Supply 1990 32-33 22 DOE WTI 1 EDMC 2004 8 2 This Week in Petroleum

More information

資料 4 テクノロジーの進展と電力ネットワークの高度化や新ビジネスについての諸外国の動向 ( 第 1 回 次世代技術を活用した新たな電力プラットフォームの在り方研究会 第 1 回用参考資料 ) 2018 年 10 月 15 日

資料 4 テクノロジーの進展と電力ネットワークの高度化や新ビジネスについての諸外国の動向 ( 第 1 回 次世代技術を活用した新たな電力プラットフォームの在り方研究会 第 1 回用参考資料 ) 2018 年 10 月 15 日 資料 4 テクノロジーの進展と電力ネットワークの高度化や新ビジネスについての諸外国の動向 ( 第 1 回 次世代技術を活用した新たな電力プラットフォームの在り方研究会 第 1 回用参考資料 ) 2018 年 10 月 15 日 目次 導入 : 新たなテクノロジーの進展がもたらす 3E+S への貢献 参考 1: 諸外国における新たなネットワークについての議論状況 1-1. ドイツ 1-2. イギリス

More information

IT /

IT / Corporate Outline 212 1 2 3 4 6 9 1 11 12 13 15 16 18 22 23 24 IT / 26 28 32 36 38 4 41 42 43 44 45 &HLDGS. &HLDGS. 46,6 15,6 &HLDGS.1 4,8 1,7 プロフィール 185 164 196-188 1,64 8 5 2 4 2 3-14,5 173 176 26 486-469

More information

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ 清掃一組のごみ発電による電力売却の取組について説明します 施設管理部技術課発電係長の下田です よろしくお願いいたします -1- これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約

More information

アメリカのパブリック大学における コストシェアリング

アメリカのパブリック大学における コストシェアリング 2008 年 9 月 1 日柳浦猛 Research Director Tennessee Higher Education Commission アメリカ高等教育財政の現状の報告 アメリカ州政府におけるコストシェア政策に関する報告 具体例 : テネシー州での取り組みの紹介 State Appropriations = 運営交付金 Tuition Revenues = 学費収入 Capital Appropriations

More information

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev 第 4 回エネルギー輸送ルートの多様化への対応に関する検討会 日本の LNG 原油輸入と 米国シェール革命の現況 2015 年 4 月 10 日於国土交通省 ( 中央合同庁舎 3 号館 ) 伊藤庄一 戦略研究ユニット国際情勢分析第 2 グループ マネージャー 研究主幹一般財団法人日本エネルギー経済研究所 日本の LNG 原油輸入状況 (2014 年 ) 1 LNG 原油 ( 出所 ) 日本貿易月表

More information

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D> 世界の火力発電の市場動向 次世代 発電協議会 ( 第 5 回会合 ) 資料 2 1. はじめに 2. 世界の発電動向 3. 世界の国 地域別発電市場動向 4. 我が国の発電市場動向 5. 世界の火力発電の発電効率 6. 今後の世界の火力発電市場 一般財団法人エネルギー総合工学研究所小野崎正樹 1 1. はじめに 東南アジアを中心とした急激な経済成長にともない 発電設備の拡充が進んでいる 2040~2050

More information

& 11, ,

& 11, , C o r p o r a t e O u t l i n e 27 & 11,735 7 6,5 54 5 174 6 2 12 16 128 585 - - 27 226 12 & & & & HLDGS. HLDGS. HLDGS. HLDGS. 2 3 4 6 8 1 12 14 16 18 22 23 26 3 32 34 35 36 37 38 39 4 41 42 43 44 45 46

More information

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案 既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 ( バイオマス比率の変更への対応 ) 2018 12 21 日資源エネルギー庁 バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については

More information

RIETI Highlight Vol.66

RIETI Highlight Vol.66 2 0 1 7 F A L L 66 1 RIETI HIGHLIGHT 2017 FALL RIETI HIGHLIGHT 2017 FALL 3 Interviewer 4 RIETI HIGHLIGHT 2017 FALL DPNo No. 17-E-082-0 http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/17e082.pdf RIETI HIGHLIGHT

More information

電電力量をみると石炭発電は6,394 億 kwh( キロワット / 時 ) 減少したのに対して 再生可能エネルギーは 2,841 億 kwhも増加しました シェール革命により 大きく増加したガス発電量 (2,880 億 kwh 増 ) に並ぶ規模となっています ( 図表 4) このように米国で顕著に

電電力量をみると石炭発電は6,394 億 kwh( キロワット / 時 ) 減少したのに対して 再生可能エネルギーは 2,841 億 kwhも増加しました シェール革命により 大きく増加したガス発電量 (2,880 億 kwh 増 ) に並ぶ規模となっています ( 図表 4) このように米国で顕著に 初心者でもわかる 投資講座 株式投資の基本を学ぼう vol. 43 S D Gs( 持続可能な開発目標 ) が投資のヒントに 米 IT 企業のデータセンター投資増大で活気づく再生可能エネルギー ここでは銘柄を選ぶ際のポイント 経済の見方などについて具体例を挙げながらわかりやすく解説します あわせて 経済用語図鑑 などを是非 ご活用ください 大和証券花岡幸子著 (WAVE 出版 ) 人生 100 年時代に備えるならば

More information

NISSIN REPORT 2015 17 18 19 20 21 22 23 1 2 3 5 7 9 10 11 12 13 15 1,500 1,000 500 0 1,033 2012 1,099 1,071 2013 2014 150 100 50 0 71 2012 95 90 2013 2014 44.2% 18.3% 22.4% 15.1% 49.5% 1.1% 28.4% 17.5%

More information

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要) 地球温暖化対策基本法案 ( 環境大臣案の概要 ) 平成 22 年 2 月 環境省において検討途上の案の概要であり 各方面の意見を受け 今後 変更があり得る 1 目的この法律は 気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止すること及び地球温暖化に適応することが人類共通の課題であり すべての主要国が参加する公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みの下に地球温暖化の防止に取り組むことが重要であることにかんがみ

More information

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0] 次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0] 1-1. 次世代のエネルギーシステムの前提 エネルギーシステムに関する三つのリスク 1 エネルギー供給システムの技術的なリスク

More information

Microsoft PowerPoint - 22_容量市場(松久保)

Microsoft PowerPoint - 22_容量市場(松久保) 新たな電力市場と原発 石炭火力の問題点 特に容量市場について 2019 年 3 月 20 日 松久保肇 ( 原子力資料情報室 ) 1 2 制度改革前 (1995 年以前 ) 1995 年 ~ 電力システム改革後 (2016 年 ~) 新電力の販売電力量は 104.2 億 kwh 比率は 14.3%(2018 年 10 月現在 ) 自由化前は 5.2% 3 800 700 600 500 400 300

More information

2014 年 6 月 26 日 2030 年エネルギー市場の長期的見通し 信岡洋子 川原武裕

2014 年 6 月 26 日 2030 年エネルギー市場の長期的見通し 信岡洋子 川原武裕 214 年 6 月 26 日 23 年エネルギー市場の長期的見通し 信岡洋子 川原武裕 CONTENTS 世界の見通し アジア太平洋地域 日本 まとめ 2 June 214 1 世界の見通し 世界の発電設備容量見通し (GW) 212 年電源別発電容量火力 64% 水力除く再生可能エネルギー 9% 発電設備の年間増加容量の推移 23 年までに約 5,GW 増加うち太陽光が 1/3 風力 1/5 23

More information

Microsoft PowerPoint _04_槌屋.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint _04_槌屋.ppt [互換モード] 23~25 年の日本のエネルギーの検討 COP21 向け削減目標検討会東工大蔵前会館大岡山 215 年 4 月 8 日 槌屋治紀システム技術研究所 1 WWF ジャパン 1% 自然エネルギーシナリオ 省エネルギー ( 効率向上 ) エネルギー需要の削減 省エネルギー編 211 年 7 月発表 1% 自然エネルギーで供給 1% 自然エネルギー編 211 年 11 月発表 費用算定編 213 年 3 月発表

More information

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を 中学第 1 学年社会科 ( 地理的分野 ) 学習指導案単元名 : 日本の資源 エネルギー問題 授業者 : 教育学部第二類社会系コース学生番号 :B130301 氏名 : 池田葵 本時の学習 ⑴ 本時の目標 日本は資源に乏しく 国内で使用されている資源のほとんどを海外からの輸入に頼っていることを理解する 日本では現在火力発電が発電のほとんどを占めているが 火力発電には原料の確保が海外の動向に左右されることや

More information

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52% (4) 技術革新 量産効果によるコスト低減の考え方 2020 年と 2030 年モデルプラントについて 技術革新や量産効果などによる発電コストの低減が期待される電源について 以下のとおり検証した (a) 石炭火力 石炭火力については 2010 年モデルプラントにおいて超々臨界圧火力発電による約 42% の発電効率を前提としている 現在 更なる熱効率向上に向けて石炭ガス化複合発電 (IGCC) 1 や先進超々臨界圧火力発電

More information

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5 資料 10 逆潮流に関する検討状況 ~FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 ~ 平成 30 年 3 月 23 日 資源エネルギー庁新エネルギーシステム課 FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため

More information

IEEJ

IEEJ 1. 2000 3 1999 1 2000 1 2000 1 2. 2.1. DC 6 1200 1998 7 1 2001 2 11 34 13 58 9 2-1 PUC 1999 1 2000 1 1998 6.74 /kwh 7.86 /kwh 2-1 ( )EIA http://www.eia.doe.gov/ 2-2 1 Interconnection L.L.C 2 2-32-42-5

More information

<4D F736F F F696E74202D C5817A936497CD8EA BB8CE382CC89CE97CD94AD A8E912E >

<4D F736F F F696E74202D C5817A936497CD8EA BB8CE382CC89CE97CD94AD A8E912E > 1. 火力発電投資を取り巻く環境 電力自由化後の火力発電投資 ~ メリットオーダー分析にみるリスクと課題 ~ 今月のトピックス No.235-1(215 年 6 月 18 日 ) 競争の促進による効率化やコスト低減等を目的に 215 年より電力システム改革が進められており 216 年には小売全面自由化 22 年には料金規制の撤廃と送配電部門の法的分離が予定されている ( 図表 1-1) これにより

More information

Microsoft PowerPoint METI.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint METI.ppt [互換モード] 再生可能エネルギーの固定価格買取制度について 平成 22 年 12 月 14 日 1. 太陽光発電の余剰電力買取制度 ( 実施中 ) 2. 再生可能エネルギーの全量買取制度 ( 検討中 ) 1 等による財政支援電力会社購入時の補助財1-1. 太陽光発電の余剰電力買取制度 ( 実施中 ) 太陽光発電設置者国太陽光発電設置者等発電専業事業者等は対象外 余剰電力を 10 年間買取 ( 注 ) 平成 23

More information

中国国内需給動向と中露石油ガス貿易

中国国内需給動向と中露石油ガス貿易 中国の石炭ピーク需要と政策 株式会社エイジアム研究所 平成 6 年 4 月 013 年の中国の経済概況 国内総生産 (GDP) は 8.3 兆ドル 対前年比 7.7% 増 一人当たり GDP は 6,103 ドル 輸出額は. 兆ドル 輸入額は.0 兆ドル FDI 投資額は 1,176 億ドル 010 年以降の FDI の年平均伸び率は 3.6% 005~010 年の 11.9% と比べて低下 010

More information

スライド 1

スライド 1 太陽光発電の新たな買取制度について 平成 21 年 9 月 24 日 経済産業省資源エネルギー庁 省エネルギー 新エネルギー部 太陽光発電の意義 日本のエネルギー事情 化石燃料依存度が一次エネルギー供給の 8 割 その 9 割超を輸入 エネルギー源の多様化 地球温暖化問題への対応が必要 太陽光発電は ほぼ無尽蔵の純国産エネルギー 発電時に CO 2 を排出しないエネルギー 産業 経済面での重要性 日本の技術力が優位

More information

【特集・ニュース】 ◇キーワード

【特集・ニュース】 ◇キーワード KDDIR&A 20129 PG&E ARRAM2M PAGE 1 of 21 Title Author Abstract Keyword Smart Grid status in the U.S. KAIFU, Michi CEO of ENOTECH Consulting In the U.S., the power utility system is fragmented and complex,

More information

Microsoft Word 後藤佑介.doc

Microsoft Word 後藤佑介.doc 課題アプローチ技法 Ⅲ 73070310 後藤佑介テーマ 住宅用太陽光発電システムの利用効果 1. はじめに近年 地球温暖化問題に関心が集まっている その要因である二酸化炭素は私たちの生活を支える電力利用から排出される 二酸化炭素の排出を削減するためには再生可能エネルギー利用の技術が必要である その技術の一つである太陽光発電システム (PV システム ) はクリーンで無公害なエネルギーとして大きな期待が寄せられている

More information

参考 :SWITCH モデルの概要 SW ITCH モデル は既存の発電所 系統 需要データを基にして 各地域における将来の自然エネルギーの普及 ( 設備容量 ) をシミュレーションし 発電コストや CO 排出量などを計算するモデルです このモデルでは さらに需要と気象の時間変動データから 自然エネ

参考 :SWITCH モデルの概要 SW ITCH モデル は既存の発電所 系統 需要データを基にして 各地域における将来の自然エネルギーの普及 ( 設備容量 ) をシミュレーションし 発電コストや CO 排出量などを計算するモデルです このモデルでは さらに需要と気象の時間変動データから 自然エネ 第 章 日本版 SWITCH モデルによる 00 年需給構造の評価 電力需給モデルによるエネルギーシナリオの分析本章では 自然エネルギー財団が提案する 00 年度のエネルギーシナリオ (JREF シナリオ ) の実現可能性やコストを分析します このシナリオの分析には 発電所 需要地 系統等情報によって構成される電力需給モデル SWITCH-Japan モデル を用いました SWITCH-Japan

More information

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項 資料 3-5 (12 月 21 日開催エネルギー 環境会議 ( 第 5 回 ) 資料 4-1) エネルギー規制 制度改革アクションプランの進捗状況 ( 概要 ) 平成 23 年 12 月 21 日 国家戦略室 エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目

More information

untitled

untitled 平 成 21 年 (29 年 )1 月 22 日 NO.29-26 ベビーブーマーの 高 齢 化 による 米 住 宅 需 給 の 構 造 変 化 ~ 人 口 動 態 からみた 米 国 住 宅 市 場 の 中 期 展 望 ~ 長 らく 低 迷 していた 米 国 の 住 宅 市 場 は ようやく 底 入 れした 住 宅 バブルの 崩 壊 後 歴 史 的 な 低 水 準 に 落 ち 込 んだ 住 宅 販

More information

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達 第 14 回容量市場の在り方等に関する検討会資料 3 需要曲線作成の考え方について 平成 30 年 8 月 9 日 容量市場の在り方等に関する検討会事務局 本検討会は 資源エネルギー庁と電力広域的運営推進機関の共同事務局により開催している 1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は

More information

untitled

untitled NEDO 2001 17 (640 kl) 2006 49 (1,850 kl) 5 3 2012 75 (2,840 kl)eia Energy Information Administration 112 (4,240 kl) 1 1 EIA 1MTBE 2 3 Twenty in Ten 4 5EIA 2 6 1 EIA: Annual Energy Outlook 2007 16 F.O.Licht

More information

Microsoft Word - a_和文表紙~本文_Snapshot_2018_( )_和訳とりまとめ.docx

Microsoft Word - a_和文表紙~本文_Snapshot_2018_( )_和訳とりまとめ.docx 国際エネルギー機関 太陽光発電システム研究協力プログラム (IEA PVPS) 報告書 世界の太陽光発電市場の導入量速報値に関する報告書 ( 第 6 版 2018 年 4 月発行 )( 翻訳版 ) IEA PVPS IEA OECD 1974 IEA 32 EC IEA PVPS: Photovoltaic Power Systems Programme IEA 1993 IEA PVPS 1 2018

More information

富士フイルムホールディングス、電力と蒸気を自然エネルギー由来100%に

富士フイルムホールディングス、電力と蒸気を自然エネルギー由来100%に 先進企業の自然エネルギー利用計画 ( 第 11 回 ) 富士フイルムホールディングス電力と蒸気を自然エネルギー由来 100% に工場では風力 太陽光発電も拡大中 1. 自然エネルギーの利用方針と導入計画 富士フイルムグループは名称が示すように 写真用のフィルムの製造 販売から事業が始まった 創業は 85 年前の 1934 年 ( 昭和 9 年 ) である 現在はフィルムやカメラの事業 ( イメージング

More information

TCS_AI_STUDY_PART201_PRINT_170426_fhj

TCS_AI_STUDY_PART201_PRINT_170426_fhj 日々進歩する能力 AIをビジネス向上に活用し始めたグローバル企業 TCSグローバル トレンド スタディ Contents 調査結果の概要 4 5 6 AIに関するグローバルトレンドレポート 前編 タタコンサルタンシーサービシーズ TCS では今年 世界 4 地域の大企業が認識技術をどのように活用 しているかを調査したレポートを 前編 後編の 2 巻にわたって発行する 本レポートはその前編にあたり

More information

力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出

力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出 力率一定制御についての Q&A 集 2018 年 5 月 31 日 JPEA 事務局 2017 年 3 月の系統連系規程改定により 低圧配電線に逆潮流ありで連系する太陽光発電設備の標準力率値は 0.95 とすることが規定されました パワコンメーカーでは力率を 0.95 に設定することができる機能を付加した製品を順次市場に送り出しております このようなパワコンでは 力率値を 0.95 に設定する必要があります

More information

電気事業分科会資料

電気事業分科会資料 由化導入直各電力会社決算短信及び有価証券報告書自1 電気料金 - 国際比較 - 0.55 前現在0.15 0.80 1.00 0.61 0.95 0.66 0.10 0.66 0.54 0.61 0.44 0.05 国際的に見て 内外価格差は ( ドル /kwh) 0.25 1999 年国際比較 1.00 0.20 0.15 1.00 0.71 0.69 0.57 0.00 日本米国英国ドイツフランスイタリア韓国

More information

Microsoft Word - 報告書.doc

Microsoft Word - 報告書.doc 第 2 節 東北地域における電力小売市場の状況 本調査では 電力小売自由化の影響を把握するため 業務用需要に該当する施設を多く所有する自治体 大学 病院に絞った需要家の電力調達の状況及び電力自由化に関する認識についてアンケート調査を実施した また 電力自由化に関する需要家の認識を詳細に把握するために ヒアリング調査も合わせて実施した 以下には 上記のアンケート調査 ヒアリング調査の結果を示すとともに

More information

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日 参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日 約束草案の提出に関する各国の状況 (2015 年 4 月 28 日時点 ) 2015 年 4 月 28 日時点で 7 か国 1 地域 (EU28 カ国 ) が約束草案を提出

More information

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを 資料 3-1 いただいた御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方 御意見の全体像が分かるように代表的な御意見を抽出し 整理しています 基本的にいただいた御意見から抜粋したものですが 明らかな誤字や変換ミス等はこちらで修正しています 御意見の内容御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方今回の改定事項に関する御意見再生可能エネルギーを用いた商品メニューについて 意見内容今回の

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 九州における バーチャルパワープラント実証事業の展開 みゃーく合宿会議 2017 年 10 月 3 日 SB エナジー株式会社 目次 1. SB エナジーとは? 2. 何故 ソフトバンクが VPP に取り組むか? 3. ソフトバンクが VPP 実証事業で何を行うのか? 4. VPP の事業化とは? 1 目次 1. SB エナジーとは? 2. 何故 ソフトバンクが VPP に取り組むか? 3. ソフトバンクが

More information

5.政府保証民間ローン(FFEL)と政府直接ローン(FDSL)の状況(アメリカにおける奨学制度に関する調査報告書)

5.政府保証民間ローン(FFEL)と政府直接ローン(FDSL)の状況(アメリカにおける奨学制度に関する調査報告書) 5. 政府保証民間ローン (FFEL) と政府直接ローン (FDSL) の状況 1. 連邦学生支援の実施主体 実施状況連邦学生支援は, 教育省の学生支援局 (Federal Student Aid Office) が所管している 連邦教育省の組織は図 9 の通りである 図 9 連邦教育省の組織 出典連邦教育省ホームページより (2009 年 11 月現在 ) (http://www.ed.gov/about/offices/or/index.html?src=ln)

More information

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年 太陽光発電システム搭載邸のエネルギーゼロ達成度 及び蓄電池搭載邸の運転実績調査 (207) について ~ エネルギーゼロ住宅の普及強化 エネルギー自給自足型住宅を目指して ~ ZEH 相当以上のエネルギーゼロ邸が 64% 家電込みエネルギーゼロ邸も 42% に 光熱費ゼロ以下邸が 65% を占める 蓄電池容量とユーザーの運転設定の関連を確認 208 年 3 月 3 日 積水化学工業株式会社 積水化学工業株式会社住宅カンパニー

More information

IEEJ: PJM RTO Tradable Obligations System 2

IEEJ: PJM RTO Tradable Obligations System 2 27 27 IEEJ:2007 7 19 6 7 1 IEEJ:2007 7 PJM RTO Tradable Obligations System 2 IEEJ:2007 7 P ES P* P ED P* 3 IEEJ:2007 7 /1,000kWh 90 80 70 60 50 40 30 EEX Powernext Omel Pool GME APX Nord Pool Denmark West

More information

A.3 排出削減量の算定方法 A.3.1 排出削減量 ER EM BL EM PJ ( 式 1) 定義単位 数値 4 ER 排出削減量 1 kgco2/ 年 0 t<1 年 年 t<2.5 年 年 <t EM BL ベースライン排出量 2 kgco2/

A.3 排出削減量の算定方法 A.3.1 排出削減量 ER EM BL EM PJ ( 式 1) 定義単位 数値 4 ER 排出削減量 1 kgco2/ 年 0 t<1 年 年 t<2.5 年 年 <t EM BL ベースライン排出量 2 kgco2/ A.2 追加性の評価 本プロジェクトについては家庭部門を対象としており 経済的障壁を有する蓋然性が高いため 追加性の評価は不要とする 注 ) 投資回収年数の算定式などを記載すること 本プロジェクトについては家庭部門を対象としており 経済的障壁を有する蓋然性が高いため 追加性の評価は不要とする (2) 追加性評価に必要な情報の入手方法 注 )(1) の評価に必要な情報の入手方法について記載すること全削減活動について同一の想定値などを用いる場合は

More information

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017 2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 決算サマリー 2019 年 3 月期業績概要 売上高 2,743 億円 ( 前期比 12% 増 ) 営業利益 352 億円 ( 同 74% 増 ) で増収増益 コンデンサは前期比 19% 増収 すべての用途で売上が増加 特に自動車向けが牽引 売上高と当期純利益は

More information

浜松 市が目指す将 来ビジョン スマートシティ 浜松 スマートシティ 浜松 の 将来イメージ :THY[ JP[` /HTHTH[Z\ 安心 安全で安定的なエネルギーを賢く利用し 持続的に成長発展する都市 太陽光や風 力 水 力 バイオマスなど 地 域 の自然 資源を活用した再生可能エネルギーや 自家発電 設 備 ガスコージェネレーション による自立分散型電源により 自分たちで使う電 力を自分たちで創り

More information

Microsoft Word - intl_finance_09_lecturenote

Microsoft Word - intl_finance_09_lecturenote ドルの需要ドルの供給国際金融論 29 秋講義メモ 第 2 章為替レートの決定理論 : アセット アプローチ ( 教科書第 4 章 ) イントロダクション円 ドル レート 円で測ったドルの価格 他の製品と価格と同様に, ドルの需要と供給の相互作用で為替レートは決まる. ところで, ドルが需要されたり供給されたりするのはどんな時? 米国製品 サービスの輸入 ( ドルの需要 ), 自国製品 サービスの輸出

More information

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1 能代市における水素エネルギーに関する 基本方針 平成 30 年 3 月 能代市 目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1 1. 策定の趣旨水素は 利用段階ではCO2を排出しない低炭素型のエネルギーであり 無尽蔵に存在する水や多様な一次エネルギー源から様々な方法で製造することができます

More information

<4D F736F F F696E74202D F8D7793FC94CC E F181408E9197BF31312D32816A2E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D F8D7793FC94CC E F181408E9197BF31312D32816A2E B8CDD8AB B83685D> 地帯間 他社 購入 販売電力料 平成 24 年 12 月 12 日九州電力株式会社 1 購入 販売電力料の算定概要 1 当社は 需要電力量の2 割程度を他の発電会社等から調達 購入電力料は 前回原価と比べ 118 億円の増加 販売電力料は 前回原価と比べ 12 億円の増加 今回原価 ( 平成 25~27 年度平均 ) 前回原価 ( 平成 20 年度 ) ( 億 kwh 億円 円/kWh) 差引 (

More information

Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者 電力システムに関する改革方針 平成 25 年 4 月 2 日閣議決定 低廉で安定的な電力供給は 国民生活を支える基盤である 東日本大震災とこれに伴う原子力事故を契機に 電気料金の値上げや 需給ひっ迫下での需給調整 多様な電源の活用の必要性が増すとともに 従来の電力システムの抱える様々な限界が明らかになった こうした現状にかんがみ 政府として エネルギーの安定供給とエネルギーコストの低減の観点も含め

More information

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指 1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 租税特別措置等に係る政策の事前評価書 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の拡充及び延長 ( 地方税 7)( 固定資産税 : 外 ) 2 要望の内容特例措置の対象 ( 支援措置を必要とする制度の概要 ) 再生可能エネルギー発電設備 ( 電気事業者による再生可能エネルギー電 気の調達に関する特別措置法第三条第二項に規定する認定発電設備 ) につ

More information

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1 参考資料 1 最近の自動運転の実現に向けた取組概要 1. 欧州における動的情報の提供事例 2. 欧米における自動運転車両の制度上の扱い事例 3. 欧州における製造物責任における検討事例 1. 欧州における動的情報の提供事例 アムステルダムグループ ( 欧州の道路管理者 自動車メーカー 部品メーカー インフカラメーカーから構成される協調システムを共同で開発するためのグループ ) では 管理者車両等からの動的情報を収集し

More information

White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan

White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan 第2部 2013 White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan 自己変革を遂げて躍動する 中小企業 小規模事業者 46 2013 White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan 47 48 2013 White Paper on Small and Medium Enterprises

More information

スライド 1

スライド 1 内外における電力自由化 の到達点と課題 学習院大学矢島正之会津大学大藤建太電力中央研究所後藤美香 後藤久典 井上智弘 公益事業学会政策研究会 1 内容 内外における電力自由化の現状 米国 EU 日本 内外における電力自由化のパフォーマンス わが国における電力自由化の課題 公益事業学会政策研究会 2 内外における電力自由化の現状 EU 全面自由化と構造分離 米国 全面自由化と構造分離および規制と垂直統合の併存

More information

. 石垣島における電力系統の概要 Copyright The Okinawa Electric Power Company, Incorporated. All Rights Reserved.

. 石垣島における電力系統の概要 Copyright The Okinawa Electric Power Company, Incorporated. All Rights Reserved. 石垣島における再生可能エネルギー発電設備の連系に関する説明会 平成 6 年 6 月 3 日 沖縄電力株式会社 . 石垣島における電力系統の概要 Copyright The Okinawa Electric Power Company, Incorporated. All Rights Reserved. . 石垣島系統における電源設備 石垣島では主に内燃力発電機を用い電気の供給を行っております 内燃力発電設備

More information

shuron.dvi

shuron.dvi 14 2 6 ( ) :, : CO2 1 85 ExternE 2 4 3 1 1 2 3 2.1... 3 2.1.1... 3 2.1.2... 3 2.2... 5 3 6 3.1... 6 3.2... 6 3.2.1... 6 3.2.2... 7 3.2.3... 9 3.2.4... 21 3.3... 25 3.4... 25 4 27 4.1... 27 4.2... 27 4.2.1...

More information

1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安

1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安 A バーチャルパワープラント構築事業 A-1 アグリゲータ事業 於 2016 年 9 月 14 日第 4 回 ERAB 検討会 蓄熱槽を含む多彩なエネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラントの構築 ( 抜粋資料 ) 資料 2-3 代表申請者 共同申請者 アズビル株式会社東京電力エナジーパートナー株式会社株式会社三菱地所設計明治安田生命保険相互会社日本工営株式会社 1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により

More information

北海道電力 東北電力 東京電力 中部電力 北陸電力 関西電力 中国電力 四国電力 九州電力 沖縄電力 フランス カナダ イタリア 日本 イギリス ドイツ アメリカ 中国 インド 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 CO2 排出係数 (kg-co2/kwh) 原子力による発電が多い 水力による発電が多い 石炭火力による発電が多い CO2 排出量 ( ガソリン軽自動車 =100 としたとき

More information

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民 ケーブルテレビ事業の現状 (2015 年度決算版 ) 2016 年 11 月 株式会社日本政策投資銀行 企業金融第 2 部 産業調査部 目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向

More information

スライド 1

スライド 1 国内外の電力構造改革の 動向と課題 電力中央研究所 社会経済研究所 上席研究員後藤美香 2012 年 8 月 3 日 1 目次 欧米における電力構造改革の流れ 欧米における電力構造改革の評価 国内外の電気事業費用構造分析の動向 まとめ 2 目次 欧米における電力構造改革の流れ 欧米における電力構造改革の評価 国内外の電気事業費用構造分析の動向 まとめ 3 欧米における電力構造改革の流れ 規制された電気事業国営

More information

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1- 平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 2006 3. 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1- エネルギー対策特別会計 ( 経済産業省分 ), 一般会計 ( 資源エネルギー庁分 ) -2- エネルギー安全保障の強化

More information

市町村から国への要望一覧 事項名要望内容改善案 ( 省庁名を記入してください ) いつまでに実施するか 効果 ( 現状との数値比較等 ) 再生可能エネルギーの導入促進 要望事項 1 政府は将来を見据えた責任あるエネルギー政策を実行するためにも エネルギー基本計画に掲げている再生可能エネルギーの導入量

市町村から国への要望一覧 事項名要望内容改善案 ( 省庁名を記入してください ) いつまでに実施するか 効果 ( 現状との数値比較等 ) 再生可能エネルギーの導入促進 要望事項 1 政府は将来を見据えた責任あるエネルギー政策を実行するためにも エネルギー基本計画に掲げている再生可能エネルギーの導入量 再生可能エネルギーの導入促進 1 政府は将来を見据えた責任あるエネルギー政策を実行するためにも エネルギー基本計画に掲げている再生可能エネルギーの導入量が確実に達成できるよう 導入促進を強く主導することを熱望するものである そのことで過疎地の地域資源が活かされ 地域は元気になる ( 檮原町 ) 経済産業省 固定価格買取制度の適正な運用を基礎としつつ 規制緩和 系統強化 発電コストの低減に向けた研究開発等を進めていく

More information

ドイツで大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業を開始へ

ドイツで大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業を開始へ 2017.3.21 国立研究開発法人新エネルギー 産業技術総合開発機構ドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州経済 労働 交通省 EWE-Verband EEW Holding 日立化成株式会社株式会社日立パワーソリューションズ日本ガイシ株式会社 EWE AG ドイツで大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業を開始へ システムの構築と新たなビジネスモデル確立をめざす NEDO とドイツ ニーダーザクセン州経済

More information

新電力会社(登録小売電気事業者)の実態調査2018年

新電力会社(登録小売電気事業者)の実態調査2018年 東京都新宿区四谷本塩町 14-3 TEL: 03-5919-9341 URL:http://www.tdb.co.jp 第 4 回 : 新電力会社 ( ) の実態調査 電力小売り全面自由化から倍増 はじめに 東日本大震災以降 新規参入が相次いでいた新電力事業 2016 年 4 月 1 日からは 電力小売り の全面自由化が実現するとともに 小売電気事業者 の登録が義務化された 特定規模電気事業 者 (PPS)

More information

アウトライン 住宅ローンと家計行動 住宅価格変動 遡及型 非遡及型融資 米国の現状 リコース融資と家計行動 家計のデフォルト (Ghent and Kudlyak, 2011) 住宅価格の変動 Bao and Ding (forthcoming) 不動産経済分析研究会 2

アウトライン 住宅ローンと家計行動 住宅価格変動 遡及型 非遡及型融資 米国の現状 リコース融資と家計行動 家計のデフォルト (Ghent and Kudlyak, 2011) 住宅価格の変動 Bao and Ding (forthcoming) 不動産経済分析研究会 2 住宅ローン融資制度と家計行動 不動産価格 直井道生 ( 慶應義塾大学 ) 2016 年 3 月 25 日 アウトライン 住宅ローンと家計行動 住宅価格変動 遡及型 非遡及型融資 米国の現状 リコース融資と家計行動 家計のデフォルト (Ghent and Kudlyak, 2011) 住宅価格の変動 Bao and Ding (forthcoming) 不動産経済分析研究会 2 遡及型融資と非遡及型融資

More information

<4D F736F F F696E74202D203033A28AC28BAB96E291E882C6B4C8D9B7DEB05F89FC92E894C55F88F38DFC B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D203033A28AC28BAB96E291E882C6B4C8D9B7DEB05F89FC92E894C55F88F38DFC B8CDD8AB B83685D> 環境デザイン工学科 環境計画学 ( 担当 : 阿部宏史 ) 3 エネルギーと環境問題 < 参考資料 > 1 資源エネルギー庁 : 日本のエネルギー 2015 http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/#energy_in_japan 2 資源エネルギー庁 : エネルギー白書 2015 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/

More information

電通、「エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施

電通、「エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施 2016 年 1 月 22 日 電通 エネルギー自由化に関する生活者意識調査 を実施 電力自由化 認知 は進むも 理解 はこれから 今後起こってほしいこと 起こると思うことは 各家庭の電気料金が下がる こと 株式会社電通 ( 本社 : 東京都港区 社長 : 石井直 ) は 2016 年の電力 2017 年のガス小売り全面自由化などエネルギー産業構造が史上最大の転換期を迎えることから 顧客企業による新しいビジネスの創造に貢献するため

More information

Microsoft Word - 5_‚æ3ŁÒ.doc

Microsoft Word - 5_‚æ3ŁÒ.doc 第 3 編企業行動に関する意識調査 64 Ⅰ. 調査要領 特別アンケート企業行動に関する意識調査結果 2011 年 7 月 調査時期 :2011 年 7 月 1 日 ( 金 ) を期日として実施 調査対象 :2010 2011 2012 年度設備投資計画調査の対象企業 調査名 対象 回答状況 ( 回答率 ) 製造業非製造業 企業行動に関する意識調査 大企業 ( 資本金 10 億円以上 ) 3,302

More information

2007年12月10日 初稿

2007年12月10日 初稿 LNG 価格のこれまでの経緯と将来の展望 ( パート Ⅰ) 世界の3 大 LNG 市場世界の LNG 市場は アジア 太平洋 欧州 北米と大きく3つに区分することが出来る 世界の地域別 LNG 輸入割合は輸入量の多い地域を順に挙げると 1アジア 太平洋 64.0% 2 ヨーロッパ 27.2% 3 北米 8.3% 4 中南米 0.5% となる 図 1 は世界の地域別 LNG 輸入割合を示したものである

More information

(3) インドネシアインドネシアの電力供給は 石炭が 5 割 コンバインドサイクル 2 割 ディーゼル 1 割 水力 1 割 その他 1 割となっている 2015 年の総発電設備容量は PLN 3 が約 8 割 IPP が 2 割弱を 残り数 % を自家発電事業者 (PPU) が占めている 同国で

(3) インドネシアインドネシアの電力供給は 石炭が 5 割 コンバインドサイクル 2 割 ディーゼル 1 割 水力 1 割 その他 1 割となっている 2015 年の総発電設備容量は PLN 3 が約 8 割 IPP が 2 割弱を 残り数 % を自家発電事業者 (PPU) が占めている 同国で IEEJ 2016 年 6 月掲載禁無断転載 EDMC エネルギートレンドトピック 日本の電力会社の海外電力事業 計量分析ユニット需給分析 予測グループ 研究員友川昂大 2016 年 4 月に電力小売りが全面自由化され 全ての消費者が電力会社 料金メニューを自由に選択できるようになった 今まで各地方で電力供給を担ってきた旧一般電気事業者 ( 以下 電力会社 ) は 今後 国内電力需要の伸びが見込めないなかで

More information

_Yoh_Yasuda

_Yoh_Yasuda + + n n n n n n n n + 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% [% of TWh] (data source) IEA Electricity Information 2016 + IE DK Phase 4 ID BR CL IN ZA MX NZ AU CA AT NL SE BE IT UK GR DE ES PT Phase 3 Phase 2 Phase

More information

再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 1 FIT 制度の創設当初は 量 の拡大を重視し 固定価格と買取義務に依拠した売電モデルの下で 高コストで大量 多様なプレーヤーが再生可能エネルギー発電事業に参入 世界的に脱炭素化へのモメンタムが高まり 再生可能エネルギーがコスト競争力のある主力電源とな

再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 1 FIT 制度の創設当初は 量 の拡大を重視し 固定価格と買取義務に依拠した売電モデルの下で 高コストで大量 多様なプレーヤーが再生可能エネルギー発電事業に参入 世界的に脱炭素化へのモメンタムが高まり 再生可能エネルギーがコスト競争力のある主力電源とな 資料 1 再生可能エネルギーの自立に 向けた取組の加速化について 2018 年 10 月 15 日資源エネルギー庁 再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 1 FIT 制度の創設当初は 量 の拡大を重視し 固定価格と買取義務に依拠した売電モデルの下で 高コストで大量 多様なプレーヤーが再生可能エネルギー発電事業に参入 世界的に脱炭素化へのモメンタムが高まり 再生可能エネルギーがコスト競争力のある主力電源となる中

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 1 エネルギー業界 概要とトレンド Presented by インダストリー プリンシパル ( 電力 APAC) ヤオミンフェン Industry Principal, Power APAC Yau MingFeng なぜ PI インフラストラクチャー? 課題 : 多種多様なシステム DCS PLC CEMS アナライザー等 さまざまなタイムスタンプ データのアクセスしやすさと整合性 解決策 :OSIsoft

More information

Microsoft Word - rev4(修正)_ NECG-Commentary-17RR (1)

Microsoft Word - rev4(修正)_ NECG-Commentary-17RR (1) 2017 年 4 月 5 日 -Nuclear Economics Consulting Group コメンタリー第 17 回 より優れた電力市場設計 需要の経時変化 負荷持続曲線 今回は 自由化電力市場においても 原子力発電が経済的に生き残って運転を継続できるようにするために どのような市場設計が考えられるか ザビエル ロラ氏から寄稿頂いた 近年 スポット市場価格が低迷し 場合によっては価格がマイナスになることもあるため

More information

) まとめ シート 複数の電源に共通する条件等を設定します 設定する条件は 以下の 6 つです. 割引率 - 0% % % 5% から選択. 為替レート - 任意の円 / ドルの為替レートを入力. 燃料価格上昇率 ( シナリオ ) - 現行政策シナリオ 新政策シナリオを選択 4. CO 価格見通し

) まとめ シート 複数の電源に共通する条件等を設定します 設定する条件は 以下の 6 つです. 割引率 - 0% % % 5% から選択. 為替レート - 任意の円 / ドルの為替レートを入力. 燃料価格上昇率 ( シナリオ ) - 現行政策シナリオ 新政策シナリオを選択 4. CO 価格見通し ) シートの構成発電コストレビューシートは大きく 種類のシートより構成されています まとめ 電源別及び基準年度 (04 年 00 年 00 年 ) 別の発電コストの計算結果をまとめて表示します 条件を変更した時の計算は自動的になされますので 各条件の下での電源種別毎の発電コストを比較することができます ( 内容は後述 ) 電源 基準年度別レビューシート 電源別及び基準年度別に詳細を計算するシートです

More information

申込代行事業者さまへのお知らせについて

申込代行事業者さまへのお知らせについて 申込代行事業者さま ( 送付用 ) DM 表紙 新 / 指定ルール高圧 平成 29 年 3 月 31 日関西電力株式会社 申込代行事業者さまへのお知らせについて 拝啓ますますご清栄のこととおよろこび申しあげます 平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申しあげます さて 淡路島南部地域を含む四国エリアにおいては 再生可能エネルギー ( 以下 再エネ ) 発電設備の導入が急速に進んでおり 太陽光発電設備および風力発電設備の接続済み設備量の合計は

More information

調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30

調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30 電力の小売全面自由化に関する意識調査 - 結果概要報告書 - 平成 28 年 4 月 甲府商工会議所 調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 305

More information

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通 1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 租税特別措置等に係る政策の事前評価書 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置 2 対象税目 ( 地方税 8) ( 固定資産税 : 外 ) 3 租税特別措置等の内容 内容 新設 拡充 延長 再生可能エネルギー発電設備 ( 電気事業者による再生可能エネルギー電気 の調達に関する特別措置法第二条第三項に規定する発電設備 )( ) に係る 課税標準の特例について

More information