第 45 回 [ コラム ] 情報学分野参照基準その後萩谷昌己 [ 解説 ] 新しいスキル標準体系を活用した人材育成 iコンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) の公開秋元裕和基応専般情報学分野参照基準その後情報学分野の参照基準は,2014 年 7 月号の情報処理で報告したように,

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としなりつちた
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1 第 45 回 [ コラム ] 情報学分野参照基準その後萩谷昌己 [ 解説 ] 新しいスキル標準体系を活用した人材育成 iコンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) の公開秋元裕和基応専般情報学分野参照基準その後情報学分野の参照基準は,2014 年 7 月号の情報処理で報告したように, 日本学術会議情報学委員会のもとにある情報科学技術教育分科会において, 情報処理教育委員会の協力を得つつ, 策定を進めている. 本参照基準については, さまざまな反応をいただいた. 文理融合の学部の先生方や情報教育の関係者からは多くの励ましをいただく一方, 理工系の学部学科の先生方からは文理に跨る情報学について懐疑的な意見もあった. 以下では, 特に重要な指摘について, 現時点での筆者個人の考えも含めて報告しておきたい. 1 つは認知科学の扱いである. 現在策定中の原稿のエ情報を扱う人間と社会に関する理解では, 主として社会情報学の立場から, 情報学を学ぶものが獲得すべき基本的な知識と理解をまとめている. これに対して, 認知科学的な項目は, オ社会において情報を扱うシステムを構築し運用するための技術制度組織のもとの Human Computer Interaction の中に人間の認知特性として含まれている. これは学術技術コミュニティや大学教育の現状に則したものであるが, 参照記述全体として認知科学の位置付けが不明確となってしまっている. 何を情報学に含めるべきか, 再検討が必要であろう. この観点から, 日本認知科学会に検討を依頼している. データサイエンスの扱いも少し見直しが必要と考えられる. 現在策定中の原稿では, イコンピュータで処理される機械情報の原理の中の各種の計算アルゴリズムとして, 機械学習データマイニングが含まれている. たとえば, 情報の認識分析という項目のもとに明確に位置付けるのが適切ではないだろうか. デザインや芸術に関連する項目がない, という指摘もあった. この指摘は非常に重要である. これらの分野を応用情報学と位置付けることもできるが, この方向の教育の重要性を鑑みると, 固有の能力もしくはジェネリックスキルの中で具体化することも考えられるだろう. エ情報を扱う人間と社会に関する理解に関しては, 具体的なカリキュラムの例が欲しいという意見があった. 参照基準はカリキュラムを与えるものではないが, 社会情報学については Computing Curricula のようなものがないので, カリキュラムのイメージを与えることは必要だろう. このことと関連して, 社会情報学およびア情報一般の原理については, 情報学の系譜を 19 世紀終わりまで遡る必要があると思い始めている. 特に以上の点を含めて, 今後, 分科会および情報処理教育委員会にはさらなる検討をお願いしたいと考えている. 参考文献 1) 萩谷昌己 : 情報学を定義する情報学分野の参照基準, 情報処理,Vol.55, No.7, pp (July 2014). ロゴデザイン中田恵ページデザインイラスト久野未結萩谷昌己 ( 東京大学 ) ぺた語義は pedagogy( 教育学 ) を元にした造語です. 常設の教育コーナーとして教育や人材育成に関する記事を広く掲載しています. ぺた語義に掲載された記事は, 情報処理学会 Web ページの教育人材育成からどなたでもご覧いただけます. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb

2 解説新しいスキル標準体系を活用した人材育成 i コンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) の公開秋元裕和 ( 独 ) 情報処理推進機構 (IPA) 基応専般新しいスキル標準について IPA(( 独 ) 情報処理推進機構 )HRD イニシアティブセンターは近年のクラウドに代表されるサービスビジネスの台頭,Web ビジネスの進展などビジネス環境のさまざまな変化を踏まえ, これからの IT 関連ビジネスに求められる業務とそれを支える人材の能力や知識をタスクディクショナリスキルディクショナリとして体系化し, 企業戦略など目的に応じた人材育成に活用できる iコンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) を 2014 年 7 月 31 日に公開した 1). 以下に紹介する. スキル標準の経緯経済産業省は,IT 関連のスキル標準として 2002 年に IT スキル標準 (ITSS),2005 年に組込みスキル標準 ( E T S S ), 年に情報システムユーザスキル標準 (UISS) を公開した. その後 2008 年に 3 つのスキル標準 (ITSS,UISS, ETSS) と情報処理技術者試験の共通の枠組みを整理した共通キャリアスキルフレームワーク (CCSF) の第一版を公開した. その後 IPA は 2012 年に CCSF 追補版を公開し, 産業界における IT 人材共通の育成や評価等の指標として活用促進を図ることで I T 人材の育成を支援してきた. 3 つのスキル標準 CCSF への展開今後の活用ディクショナリの登場さらに IPA は, 企業等における IT 利活用やビジネス環境のさまざまな変化を踏まえ,IT 人材育成におけるスキル標準の在り方について検討した. その結果, これまでの CCSF 追補版で示してきたタスクモデルスキルモデル人材モデル等のコンテンツをタスク ( 業務 ) とスキル ( 業務遂行に求められる個人の能力や知識 ) に区分整理し, iコンピテンシディクショナリの試用版として 2014 年 7 月 31 日に公開した. 図 -1 にスキル標準体系の変遷を示す. iコンピテンシディクショナリでは, システムインテグレータなど従来からのビジネスモデルを始め, 新時代に求められる情報セキュリティやクラウド, データサイエンティストなどのタスクやスキル, 役割分担例, 職種等を新たに追加した. また, 3 つのスキル標準 ITSS UISS ETSS スキルディクショナリ人材モデル ( 類型 ) CCSF 第一版参照参照大企業中小企業組織 ( 各種スキル指標等 ) 個人 ( IT 資格試験等 ) 学校等教育機関 ( 教育プログラム ) など機能役割定義タスクの拡張スキルの新設広範囲な参照元 (SLCP,ITIL, 試験,BOK 系等 ) など拡充活用スキル基準 CCSF 追補版タスクスキル i コンピテンシディクショナリ図 -1 スキル標準体系の変遷 196 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015

3 戦略企画新ビジネス新技術の調査分析と技術支援情報セキュリティマネジメント内部統制状況のモニタリングマーケティングセールス標準の策定維持管理事業継続マネジメントコンプライアンス品質マネジメントデータサイエンス人的資源管理調達委託契約管理再利用メント新しいスキル標準体系を活用した人材育成 i コンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) の公開 1 計画実行 2 管理統制 3 推進支援 ST-010 ST-020 事業戦略把握策定支援 IT 製品サービス戦略策定 MC-010 MC-020 MC-030 MC-040 MC-050 MC-060 MC-070 CM-010 CM-020 CM-030 CM-040 CM-050 CM-060 PL-010 IT 戦略策定実行推進 PL-020 システム企画立案 DV-010 DV-020 システム要件定義方式設計運用設計 DV-140 ライフサイク DV-030 DV-040 DV-050 DV-060 DV-070 DV-080 DV-090 DV-100 DV-110 DV-120 DV-130 移行設計基盤システム構築アプリケーションシステム開発ソフトウェア製品開発組込みソフトウェア開発 Webサイト開発システムテスト移行導入ソフトウェア保守ハードウェアソフトウェア製品導入ファシリティ設計構築ル開発マ利活用 US-010 US-020 US-030 US-040 US-050 サービスデスク IT 運用コントロールシステム運用管理 Webサイト運用管理ファシリティ運用管理 US-060 プネロジジェメクントトマネジサービス評価改善 EV-010 EV-020 EV-030 EV-040 EV-050 EV-060 システム評価改善 IT 戦略評価改善 IT 製品サービス戦略評価改善事業戦略評価改善支援システム監査資産管理評価図 -2 タスクディクショナリや情報処理技術者試験に加えて, 国際規格適合の共通フレーム 2013 を始め ITIL や PMBOK など IT 関連の 15 のプロセス体系, 知識体系 (BOK) との参照性を確保しており, 内容についても大幅な拡充を図っている. これにより各企業組織は i コンピテンシディクショナリに用意された豊富なコンテンツから, 各企業組織のビジネス戦略や人材育成ニーズに合わせたタスクとスキルの選択が可能となる. これまでの C C SF 追補版に比べて索引機能も充実しており, より容易に目的に即したタスクモデルスキルモデルを作成することができる. また各企業組織が i コンピテンシディクショナリを活用しやすくするための解説書と活用ツールを同時に公開した. 解説書では iコンピテンシディクショナリの仕組みや活用方法を解説している. 活用ツールは各企業組織が目的に応じたタスクモデルを定義するためのもので, 経営目標をベースにした自社のタスクモデルスキルモデルの策定から, 自社の人材育成目標を具体化するまでの一連の作業を効率的に行うことができる. タスクディクショナリタスクディクショナリは, 共通フレーム 2013,ITIL V3,ESPR Ver2.0 等のプロセス体系を参照して整理統合し, 構築されている. タスクは大分類 ( 約 50 分類 ), 中分類 ( 約 200 分類 ), 小分類 ( 約 500 分類 ) および評価項目 ( 約 2,000 項目 ) で構成されている. 利用者はすべてを把握する必要はなく, まずは大分類で活用し, 利用者にとって必要性が高い特定のタスクのみ中分類へと深堀して活用すればよい. 以下, 小分類や評価項目の扱いも同様で, 必要に応じて活用すればよい. 図 -2 にタスクディクショナリの大分類を示す. タスクは次の 3 つのタスク群に分類される. 1 計画実行 2 管理統制 3 推進支援またタスクディクショナリには, 自タスク ( 自組織で利用するタスク ) 策定のためにタスク一覧から取捨選択する際にタスクの理解を助けるための参考情報として, ディクショナリの構成 iコンピテンシディクショナリを構成しているタスクディクショナリとスキルディクショナリについて以下に説明する. タスクプロフィールが用意されている. スキルディクショナリスキルディクショナリのコンテンツは,3 つのスキル標準や CCSF 追補版の知識体系を始め, 図 -3 のスキ情報処理 Vol.56 No.2 Feb

4 利用対象領域企業固有スキルは, 個々の企業が自社のビジネスや業務の遂行に必要なスキルを独自に定義する. 狭 5 企業固有スキル ( ビジネス関連業務 ) 3 システム ( 基礎, 構築, 利用 ) 関連 2 テクノロジソフトウェア技術 Webシステム技術データベース技術プラットフォーム技術知識ハードウェア技術ネットワーク技術ビ戦略分野ジ市場機会の評価と選定開発マーケティングネ製品サービス戦略システムアーキテクティング技術ス販売戦略システム開発管理技術イ製品サービス開発戦略ンシステム戦略立案手法ダコンサルティング手法ス業務動向把握手法トリ/企業実装分野活アーキテクチャ設計手法データマイニング手法動ソフトウェアエンジニアリング手法見積り手法/カスタマーサービス手法プロジェクトマネジメント手法業務パッケージ活用手法法規基準標準ITガバナンス事業継続計画人材育成教育研修企画分野利活用分野システム企画立案手法サービスマネジメント要求分析手法サービスマネジメントプロセスセールス事務管理手法サービスの設計移行非機能要件設計手法サービスの運用支援活動分野品質マネジメント手法資産管理手法システム監査手法リスクマネジメント手法ファシリティマネジメント手法標準化再利用手法広低図 -3 スキルディクショナリ 4IT ヒューマンスキル創造力 / 実行実践力 / コミュニケーション力 IT 固有性保守運用 IT サービスマネジメント業務管理技術 IT サービスオペレーション技術システム保守運用評価障害修理技術施工実務技術ファシリティ設計技術サポートセンター基盤技術組込み計測制御組込み技術 ( 基礎, 構築, 利用 ) ディジタル技術ヒューマンインタフェース技術マルチメディア技術グラフィック技術計測制御技術非機能要件非機能要件 ( 可用性, 性能拡張性 ) セキュリティ技術 ( 基礎, 構築, 利用 ) 共通技術 IT 基礎ナレッジマネジメント技術 1 メソドロジ高情報処理技術者試験午前の出題範囲 ( 知識体系 )(IPA) CCSF BOK (IPA) ITSS V32011 (IPA) ITS (IPA) UISS Ver.2.2 (IPA) ETSS 200 8(IPA) J07( 情報処理学会 ) SABOK ( 日本 ITストラテジスト協会 ) SWEBOK 2004 (IEEE/ACM) PMBOK 第 4 版 (PMI) ITIL V3 (itsmfjapan) SQuBOK 第 1 版 ( 日本科学技術連盟 ) CBK ((ISC)² Japan) など参照元名称 ( 発行団体 ) ルディクショナリ構成図の右欄に示すさまざまな知識体系 ( BOK) を参考に,IT 関連業務の遂行に必要なスキル知識を集約した幅広いものとなっている. スキルは, スキルカテゴリ (5 分類 ), スキル分類 ( 約 90 分類 ), スキル項目 ( 約 400 項目 ), 知識項目 ( 約 8,000 項目 ) で構成されている. タスクと同様に, 利用者はこのすべてを把握する必要はなく, まずはスキル分類で活用し, 必要性が高い特定のスキルのみスキル項目へと深堀し活用すればよい. 以下, 知識項目も同様の活用でよい. スキルカテゴリは,IT ビジネス活動のさまざまな局面で発揮される次の 5 分類よりなる. 1メソドロジ 2 テクノロジ 3 関連知識 4 IT ヒューマンスキル 5 企業固有スキルスキルディクショナリには,3 つのスキル標準等で定義されている職種専門分野, 人材像, 人材モデルをスキルディクショナリのスキルと組み合わせ, 職種として定義した職種スキル対応表が用意されている. これは, 個人組織が習得すべきスキルを特定する場合などの参考情報として活用できる. タスク評価スキル判定定義したタスクの遂行力を診断する基準として, タスク評価の診断基準 ( ランク 0 ~ 4 の 5 段階 ) が定められている. また対象となるスキルの保有状況を診断する基準として, スキル熟達度判定基準 ( レベル 1 7 の 7 段階 ) が定められている. ディクショナリの活用 iコンピテンシディクショナリの活用視点として想定している形態を以下に示す. また図 -4 にそれらの活用視点の位置付けを図示する. 組織戦略を示す指標として企業等のビジネス組織は経営戦略や事業計画をもとに, 将来を踏まえて求められる活動内容およびそれに必要な実行能力を明らかにすること, すなわち組織戦略の明示が必要である. この実現のためには, 組織戦略の要件をもとに自タスクを定義し, それらを役割として組み立てるという iコンピテンシディクショナリの基本思想が有効である. 具体的には次のプロセスで適用する. (1) 要件分析 : 自組織の経営戦略や事業計画などに基づき, ビジネス目標の達成に必要な組織や人材 198 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015

市場で共有する人材定義の視点新しいスキル標準体系を活用した人材育成 i コンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) の公開に関する要件をまとめる. (2) タスク分析 : 企業組織がビジネス目標を達成するために, どのような組織機能が必要になるのかを具体化する. (3) 自タスク役割定義 : 組織機能を自タスクとして確定し, タスクを遂行するための役割を定める.

個別戦略に基づいて設定する人材定義の視点 3 市場動向を示す指標として活 1 組織戦略を示す実市場変化に応じた実践的スキルを重視する視点 iコンピテンシ指標としてディクショナリ 2 スキル習得評価の指標として図 -4 i コンピテンシディクショナリの活用視点用充実充活用共通に求められる普遍的スキルを重視する視点充実活用スキル習得評価の指標として IT 人材個人や,

5 市場で共有する人材定義の視点新しいスキル標準体系を活用した人材育成 i コンピテンシディクショナリ ( 試用版 ) の公開に関する要件をまとめる. (2) タスク分析 : 企業組織がビジネス目標を達成するために, どのような組織機能が必要になるのかを具体化する. (3) 自タスク役割定義 : 組織機能を自タスクとして確定し, タスクを遂行するための役割を定める. (4) 評価項目判定基準策定 : 自タスクの遂行力を測るための評価項目や判定基準を設定する. (5) 試行と確定 : 設定した自タスクと, 評価項目, 役割, 診断基準等を検証する. 個別戦略に基づいて設定する人材定義の視点 3 市場動向を示す指標として活 1 組織戦略を示す実市場変化に応じた実践的スキルを重視する視点 iコンピテンシ指標としてディクショナリ 2 スキル習得評価の指標として図 -4 i コンピテンシディクショナリの活用視点用充実充活用共通に求められる普遍的スキルを重視する視点充実活用スキル習得評価の指標として IT 人材個人や, その能力向上を目指す組織では, スキルディクショナリにより対象スキルを特定し, その保有状況の把握や向上に取り組むことができる. さらには, 特定したスキルがどのような種類のタスクの遂行力を高めることにつながるのかを類推する素材として利用するなど, スキル習得評価の指標として活用することができる. また学校等の教育機関は, スキルディクショナリの各スキルと各教育機関が提供する研修カリキュラムとの連携を明らかにすることで, 企業組織および個人の双方にスキル向上の機会を提供することができる. 市場動向を示す指標として組織戦略を示す指標を企業グループや業界団体等で構築し, 将来予想を反映すれば,IT 人材市場ニーズを示す指標となり得る. またスキル習得評価の指標も教育, 学会, 研究等の関連機関などで構築し, 近年, 重要視されているスキル等の傾向を反映すれば, 技術動向を示す指標となり得る. これらの市場動向を示す指標としての活用はこれからであるが, 産学官の主要プレイヤのご協力を得て, ぜひ実現したい活用法である. 今後の課題組織戦略を示す指標としての活用はすでに幾多の実績があり,IPA の Web サイトや事例集等でも紹介されている. だがこの活用法はビジネス成果を前提としているので, 学会等でのアカデミックな活用はそぐわない. スキル習得評価の指標としての活用も, スキルディクショナリの各スキルと各教育機関が提供する研修カリキュラムとの連携を明らかにするなどで, すでに始まっている. 情報処理技術者試験とスキルディクショナリの関係や, 本会で推進されている次期カリキュラム標準 (J17) との整合性確保に向けた活動も始まろうとしている. 学会関係者には, 高度 IT スキル保有者のコミュニティ活動等を新たに運営いただき, スキルディクショナリの最新化や改訂の方向性提示を牽引していただけるとありがたい限りである. 今後に期待される市場動向を示す指標については, 組織戦略を示す指標やスキル習得評価の指標と連携しながら,IT 関連市場を牽引する位置づけとなり得る. 産官学の主要プレイヤにより, すでにそれぞれの得意分野での市場動向等を示す指標がさまざまな形式で提示されていると推測されるが, それらにi コンピテンシディクショナリを活用いただければ,IT 関連のタスクとスキルを中心に指標間のコンテンツの一貫性や整合性を保つことができる. その結果, IT 関連市場の可視化に大きく貢献できると確信している. 産官学の主要プレイヤを始め多くの皆様に iコンピテンシディクショナリを活用いただき, ともに IT 関連市場の活性化を目指して励んでいきたい. 参考文献 1)IPA の Web サイト上での紹介ページ, jinzai/hrd/i_competency_dictionary/index.html 秋元裕和 hr-akimo@ipa.go.jp (2014 年 11 月 10 日受付 ) 1978 年に富士通 ( 株 ) へ入社し, 金融機関をお客様とした SE 業務に従事.2005 年より人材開発業務に従事.2012 年に IPA へ異動し, 現職 (IT 人材育成本部 HRD イニシアティブセンター長 ). 情報処理 Vol.56 No.2 Feb

i コンピテンシディクショナリを活用した品質エンジニアの育成その 2 独立行政法人情報処理推進機構 HRD イニシアティブセンター奥村有紀子

i コンピテンシディクショナリを活用した品質エンジニアの育成その 2 独立行政法人情報処理推進機構 HRD イニシアティブセンター奥村有紀子 i コンピテンシディクショナリを活用した品質エンジニアの育成その 2 独立行政法人情報処理推進機構 HRD イニシアティブセンター奥村有紀子 i コンピテンシディクショナリにおける品質関連情報の扱い SQuBOK V1.0 をスキルディクショナリにて参照 520 の項目を知識項目として参照 ( その 1 P.20) 参照 BOK 系の中ではダントツの数 3 スキル標準や CCSF に比べ