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ゆたかうとだ
4 years ago
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1 背景目的 2013 年 6 月以降, 日本ではHPV 子宮頸がん予防 ) ワクチン ) の重篤な副反応多発から接種の是非が大きな社会問題となり, この時期から厚生労働省は接種の積極的勧奨中止措置を取り現在に至っている一方, 世界保健機関 (WHO) の諮問委員会 GACVSは2014 年 3 月に今日に至るまで本委員会は HPVワクチンの推奨に変更を来たすような安全性への懸念を確認していないとする声明を出した本研究は, このWHO 委員会の指摘の妥当性の文献的考察を目的とする第 1 報では米英加印等の実態からそうしたことが言える状態ではないと結論した ( 日本社会薬学会 2014 年 9 月 ) 本第 2 報においてこの結論を引き続き検証する 1

2 方法第 1 報と同様に HPV vaccine, Gardasil, Cervarix, adverse reaction, death, lawsuit, compensation 等を検索用語とし, 以下のサイトを中心に, 政府機関のサイトも参照し, 主に海外における HPV ワクチンの有害事象 ( 以下 AE) に関する文献調査を行った Sane Vax [1], Judicial Watch[2], HRSA[3], Natural News[4], Health Impact News Daily[5], MHRA[6], Mercola.com[7], 各国政府関係サイト [8],thelibertybeacon.com[9] 2

3 結果 1 米国接種後に起きた有害事象 (AE) として, CDC FDA 等により VEARS Report に集約公表されている 2014 年 8 月現在,AE 合計は 36,042, この中には, 死亡 171, 生命への脅威 649, 救急室入院 11,885, 入院 3,761, 重篤 5,026, 未回復 7,257 等が含まれ, また, パップスメア検査異常 578, 子宮頸部異形成 251, そして子宮頸がん 92 が含まれている [1] 2013 年 3 月現在,200 人が提訴し, うち 2 人の死亡を含む 49 人が米国ワクチン被害補償プログラム (VICP: 米国ではワクチン被害には政府が責任を負う ) により補償された [2] 2014 年 10 月 2 日までの集計では, 補償認定は 73 人で, 棄却が 85 人となっている [3] 3

4 結果 2 英国副反応情報収集のイエローカードシステムにより,2008 年 4 月 ~2012 年 7 月までにサーバリックスで14,300 件の AEの用語を含む6,213 件の報告が収集されているが第 1 報で報告したような因果関係の区分は表示されていない死亡報告は2 例だがワクチンとの関係は否定されている CRPSは6 例の疑い [6] 注目すべきは 14 年 9 月からEUで接種が3 回から2 回に変更されたことで 2 回の接種は2 年以内が推奨されているが間隔は最低 6ヶ月空けることとしている変更理由は 2 回と3 回で抗体反応が同様ということが最近の研究で判明したからという 4

5 結果 3 フランス第 1 報では 2013 年以降 10 件以上の提訴判決が続いており, 原告遺族が勝訴したとの報告もあると紹介した今回の文献検索で同国では 2013 年 11 月以降 14 年 5 月 1 日までにガーダシルの接種により健康被害を受けたとして 32 人が原告となり同剤を販売したSanofi Pasteur MSDと国家医薬品庁 (MSNA) を被告として提訴したことが判明した [1] ネットには 14 年 2 月の日本でのシンポに続き 14 年 5 月にフランスで研究者のシンポが開催されたとの情報がある [9] 5

6 結果 4 スペインスペインでは 2007 年に HPV ワクチンが承認されて以降 2012 年 1 月までに死亡も含めワクチンによる有害反応が疑われる報告が 737 例ある 2014 年 6 月 19 日メルクサノフィパスツール研究所政府自治体に対しガーダシル接種被害者による初の刑事訴訟の提訴が行われた引き続き G SK のワクチンであるサーバリックス接種者も含め 4 件の提訴が予定されている [1] 6

7 結果 5 ドイツドイツでは 2006 年からガーダシルがまた 2007 年からサーバリックスが 12~17 歳の少女に接種されてきた 2008~09 年にはワクチンの有効性に関する重要な研究結果が出される前にロベルトコッホ研究所の委員会 (STIKO) がワクチンを推奨したこと等で公的な論争が起きた 2007 年にドイツとオーストリアで各 1 人の若い女性が接種後間もなく死亡し調査の結果は共に因果関係なしとしたが一時は 40% だった接種率は約 10% まで低下した Deutsches Arzteblatt international( ) より 7

8 結果 6 デンマーク保健当局の報告では 2009~14 年 3 月までの疑いも含むワクチン副反応の報告は1,095 件でうち 257 件 (23.5%) は重篤であった 13 年の報告は511 件と最多で接種後にPOTS( 体位性頻脈症候群 ) を含む種々の診断を受けた少女たちが含まれていた [Danish Pharmacovigilance Update, May 2014] 8

9 結果 7 その他諸国カナダ豪州ニュージーランドインドについては第 1 報で報告しその後大きな変化の報告はない最近日本で関心を集めているのは南米コロンビアでの接種被害である HPV ワクチンが認可されたのは最近のことだが臨床試験で 73.3% の人が接種後異常をきたしその多くが極めて重篤で 400 人以上が入院しデモまで起きている症状は接種部位の痛み腫脹頭痛発熱失神等が多いが呼吸困難関節や足等の痛み突発的発作等の症状も報告されている [1] 以上のほかオランダブラジルアイルランドフィリッピン等の国々から被害報告が出されている ( 以下の結果 8 参照 ) 9

10 結果 8 Sane Vax 症例報告 (1) 多くの被害者調査支援情報を HP にアップしている Sane Vax[1] では, 被接種者本人または親族から投稿された個別経過を Victims 欄に詳しく紹介 2014 年 10 月 13 日現在, 世界 12 カ国 126 人 ( 多い順に, 米国 52, 英国 24, スペイン 16, 豪州 10, デンマーク 8, カナダ 5, ブラジル 4, ニュージーランド 3, オランダフィリピンインドメキシコ各 1 人 ) に及び, うち米英豪インドの計 36 人について宮城県大崎市の佐藤荘太郎医師がさとう内科循環器科医院の HP で和訳し紹介している 10

11 結果 8 Sane Vax 症例報告 (2) 前記症例報告内容は多岐に及び 1 枚のスライドにまとめるのは困難だが以下の記載が注目される 1) 製剤はガーダシルが97 人サーバリックスが29 人 2) 接種後起きた症状の診断名は多い人では8 病名だが症状は失神疼痛歩行運動障害腹痛嘔吐等の胃腸症状不眠うつ等の精神症状記憶障害等々多様多彩救急受診 50 回以上の記載も 3) 死亡との記載が5 名 ( うちガーダシルが4 名 ) 4) 接種とその後に起きた症状との関係は関係ありと断定している医師もいるが否定または否定的な回答が多い傾向がある 10 人以上の医師に否定された例もある質問すると話題をそらす医師もいる 5) 事前説明が極めて不十分な傾向が窺える ( 日本と同様?) Informed Consentが不徹底 6) 毛髪検査でアルミニウムが高濃度で食事の栄養が取り込めないことが分かったとの記載 ( 豪州 ) アルミ排出のためシリカ含有水を飲ませた親もいる ( 英国で2 人 ) 7) ナチュロパシーが回復に効いた感じ ( 米ブラジル各 1 人 ) 11

12 考察 (1) 日本の重篤症例 1 厚生労働省報告では日本でのAE 報告は,( サーバリックス発売開始の )2009 年 12 月から13 年 9 月末までに2,320 件, うち重篤は538 件で, 上位から順に, 失神意識レベル低下 85, 発熱 76, 過敏症 31, アナフラキシー 21, 四肢痛 20, 筋力低下 17, 四肢の運動低下 14, 関節痛 14,CRPS13, 痙攣 12 件死亡報告は13 年 7 月までに3 件あるが, ワクチンとの関係は否定または否定的接種案内受取りから発症受療等の経過は, 全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が2014 年 3~5 月に実施した実態調査 ( 薬害オンブズパースン会議 HPにアップ ) に記されているが,12~17 歳 ( 中学高校生 ) の接種後に受けた凄絶な被害の実態が生々しく記されている連絡会愛知県支部でも 14 年 3~10 月に実施した7 人について報告している 12

13 考察 (2) 日本の重篤症例 2 * 日本神経免疫学会 (14 年 9 月 ) 国立病院機構静岡てんかん神経医療センターの高橋幸利医師らは接種後に痛み等を訴える15~20 歳の女性患者 32 人の髄液を調べた対照群と比較し 32 人からは炎症等を起こす様々な免疫活性物質や白血球から作られる多種の抗体が高い数値で検出された ( 朝日新聞 14 年 9 月 4 日夕刊 ) * 日本線維筋痛症学会 (14 年 9 月 ) 厚生労働省は日本の重篤なワクチン副作用は運動障害等の176 人を詳しい分析が必要な重い副作用としたが難病治療研究振興財団研究チーム ( 西岡久寿樹リーダー ) は 6 倍以上の1112 人を重い副作用と判定中枢神経障害視力聴力の感覚器障害広範囲の痛み等の症状が多くこれらの症状出現の平均期間は接種後約 8.5ヶ月であった ( 毎日新聞 14 年 9 月 12 日 ) 13

14 考察 (3) 海外の重篤症例厚生労働省の 2013 年 12 月 25 日付け報告 ( 予防接種ワクチン副反応検討部会資料 11, 企業提出資料より集計 ) によれば, 海外の重篤な副反応発現状況は, 1)10 万接種当りの重篤な副反応報告は, 日本 6.1, 米国 3.3, 韓国 1.3 ( 英国は 31.8 だが軽症も含まれている ) 2) 米国 IMO 報告では, ワクチン接種との因果関係は, 失神と三角筋滑液包炎とは積極的に支持, アナフィラキシーとはあると推定,ADEM CRPS 関節炎とは不十分 3)CRPS を含む疼痛は (1) サーバリックス (GSK) では CRPS は英国のみ 5 例, その他の疼痛は英伊スペインスペインマレーシア等 16 カ国で合計 56 例 (2) ガーダシル (MSD) では CRPS は米国 7 例, 独豪州各 2 例, 仏アイルランド各 1 例で合計 13 例その他の疼痛は米国 13 例, 独豪州各 5 例, 仏 4 例, 英ポルトガルベルギー各 1 例で, 合計 30 例 14

15 考察 (4) 西岡らの診断基準案 (2014 年 6 月 ) HPVワクチン関連神経免疫異常 (HANS) 症候群 ( 難病治療研究振興財団の研究チーム : 西岡久寿樹東京医大医学研究所長らの案 ) (1) 子宮頸がんワクチンを接種 ( 接種前に異常なし ) (2) 以下の症状が複数ある全身の痛み関節痛または関節炎慢性疲労ナルコレプシー ( 突然の眠気 ) 記憶障害など (3) 以下の症状を伴う場合がある月経異常髄液異常自律神経異常 ( 毎日新聞 2014 年 6 月 21 日 ) 15

16 考察 (5) 有効性の限界厚生労働省の積極的勧奨中止文書 ( 平成 25 年 6 月版 ) には, 子宮頸がんの約半分が, ワクチン接種によって予防できることが期待されていますと記載 16

17 考察 (6) 2 回接種へ移行は安全で有効? 英国を初め EUが2014 年 9 月から原則 2 回接種に移行させたのは 2007 年 8 月から2011 年 2 月の間カナダで行われた臨床試験結果を根拠としているようであるこの試験は 6ヶ月間に4 価ワクチン ( ガーダシル ) を1 9~13 歳の女児が2 回接種した場合と 2 同じく9~13 歳の女児が3 回接種した場合さらに3 16~26 歳の女性が3 回接種した場合の3 群の HPV16 18 型の抗体価を比較したところ差が見られなかったという報告である (Dobson SR et.al:jama,2013 May1;309(17) ) この結果カナダケベック州では 9~10 歳に6ヶ月間隔で2 回の接種が推奨されるが 10 歳以上では従来通り3 回接種が推奨されるという 2 回接種で安全かつ有効であれば良いが前記日本の被害者 12 人の調査では 1ガーダシルを接種された2 人は 1 回の接種だけで痙攣や不随意運動等種々の症状が起きており 2サーバリックスでも 2 回の接種で意識消失発作歩行困難等や全身に及ぶ移動性の痛みまた記憶力等の低下を訴えた少女が少なくとも3 人いる有効性も前記の通り限界がある 17

18 考察 (7) HPV ワクチンの必要性小林忠男阪大大学院招聘教授片平らコメント :HPV ワクチンは安全性有効性に問題があり, 後述のように, 右側の検診により完全予防が出来るのではないか 18

19 考察 8 タイ王国での調査からみる検診の重要性子宮頸がんは世界では女性の性器がんのうち第 2 位を占めているタイ王国の Chinchai らはタイの女性における子宮頸がんの HP V の遺伝子型の分布と有病率を調べた 155 人の子宮頸がんの標本について調べた結果は 83.2% が単一のまた 11.6% が複数の遺伝子型を有していた多い順に HPV16(51%),HPV18(20%),HPV52(10.3%),HPV 58(5.8%),HPV33(4.5%) であったタイで使用されている 2 種の HPV ワクチンによる HPV 関連頸がんの予防効果は約 71% に過ぎないそれゆえ子宮頸がんの予防には定期的な PAP 検査細胞診そして HPV DNA 検査が不可欠であるさらに次世代の HPV ワクチンにその他の共通の遺伝子型のワクチンを含めることと現在報告されている重篤な副反応を減らすことが必要であると記している [Int J Gynecol Cancer,2012 Jul,22(6)1063 8] 19

20 考察 (9) 細胞診,HPV DNA 検査併用検診の感度特異度 * 報告者文献感度 (%) 特異度 (%) エビデンスレベル Wright TC Jr Obstet Gynecol 2004; 103: (87.0~100.0) 88.0 (69.5~95.8) ガイドライン (7 か国のレビュー ) Mayrand M H N Engl J Med 2007; 357 : Ⅰ ( 大規模比較試験 ) 今野日産婦誌 2007;59:567(s 445) Ⅱ ( 多施設共同試験 ) *HSIL(CIN2+) 以上の病変細胞診,HPV DNA 検査併用により感度が上がり, ほとんど見逃しがなくなる自治医大鈴木光明 (2012 年 ) 20

21 考察 (10) 21

22 考察 (11) 日本の検診受診率はきわめて低率イギリス *2 ニュージーランド *3 オランダ *1 *3 韓国オーストラリア *1 OECD 加盟国の子宮頸がん検診受診率アメリカ *2 *1 日本受診率 (%) 24.5% 78.4% 75.5% 67.2% 65.3% 61.1% 58.5% * 年調査データ * 年調査データ * 年調査データ自治医大鈴木光明 (2012 年 ) 22

23 考察 (12) 23

24 結論以上の結果から, 海外でも HPV ワクチンによる重篤な有害事象の報告が少なからずあり, 米国では 2014 年 10 月 2 日までに死亡 ( 少なくとも 2 人 ) を含む 73 人が接種被害者として補償対象者に認定されていることが判明したすなわち, 第 1 報と同様 WHO 委員会の云う懸念事項は示されていないと言える状態ではないことが判明した HPV ワクチンは現段階では有効性安全性共に未確立であり, 感度 100% すなわち異常見逃しゼロを達成している細胞診 +HPV DNA 検査併用の検診こそ, 緊急な拡充が求められていると言える 24

Microsoft PowerPoint 社会薬学会HPV24枚縦-完成.pptx

Microsoft PowerPoint 社会薬学会HPV24枚縦-完成.pptx 背景目的 2013 年 6 月以降, 日本ではHPV 子宮頸がん予防 ) ワクチン ) の重篤な副反応多発から接種の是非が大きな社会問題となり, この時期から厚生労働省は接種の積極的勧奨中止措置を取り現在に至っている一方, 世界保健機関 (WHO) の諮問委員会 GACVSは2013 年 6 月に HPVワクチンが承認された多くの国において現在までに懸念事項は示されていない [*1] とする声明を出した