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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 129. 外傷 炎症性疾患の解明と新規治療法の確立 森亮一 Key words:mirna, 組織修復, 炎症, 線維化 * 大阪歯科大学歯学部歯学科薬理学講座 緒言皮膚創傷治癒過程は, 炎症細胞浸潤主体の炎症期, 再上皮化, 肉芽形成, 血管新生の増殖期, 過剰に生産された細胞外基質が分解される成熟期からなる生体防御反応で, 一連の過程は細胞表面やサイトカインを介した細胞間相互作用で制御されている. 通常, 創傷治癒後に瘢痕が残るが, 胎生期の皮膚創傷修復部位では瘢痕が形成されず, 皮膚組織が完全に再生する. この場合, 創傷部位に炎症細胞の集簇が観察されないことから, 炎症細胞が瘢痕形成に深く関与していると示唆されるが, その機序は未だ明らかでない 1). これまでに,1) 炎症反応が惹起しない PU.1 遺伝子欠損マウスは, 皮膚創傷治癒が促進し, さらに瘢痕が形成されない 2),2)PU.1 KO と wild type マウスの比較検討による DNA マイクロアレイ解析を行い,186 種類の炎症反応並びに瘢痕形成に関与すると考えられる遺伝子が同定された 3),3) オステオポンチンは, 皮膚瘢痕形成に関与することが明らかにされ, さらにオステオポンチンを標的としたアンチセンスオリゴが開発された 4). 以上の研究成果により, 既存遺伝子群については, 炎症反応と組織修復の分子機構の一端を解明することができた. しかし, 他の瘢痕形成関与遺伝子の存在が示唆されるので, 詳細な解析を行う必要がある. 近年, 蛋白質に翻訳されないと考えられていた多数の DNA 配列が ncrna(non-cording RNA) として転写され, 蛋白質発現制御に関与していることが明らかになった.ncRNA の中でも mirna(microrna) は, 標的 mrna に作用して遺伝子発現制御に関与する分子として知られている. いくつかの mirna は, 炎症反応特異的に誘導されることが明らかにされており 5), さらに mirna-155 は, 免疫恒常性の破綻に起因する気管支線維化発症に関与することが明らかにされた 6). よって, 炎症反応により特異的に発現誘導される mirna は, 炎症反応だけでなく組織修復時に重要な役割を担っていると推察されるが, 未だ分子メカニズムは明らかではない. そこで本研究では, 炎症反応に依存して発現する mirna を次世代シークエンスシステムを用いて既知及び未知 mirna を網羅的に同定し, 炎症反応によって特異的に発現誘導される mirna を抽出する. そして, 先に同定された炎症反応依存遺伝子群 (186 種類 ) 及び炎症反応非依存遺伝子群 (446 種類 ) と mirna の関連性を明らかにし,miRNA の遺伝子発現制御機構を明らかにし, 治療への応用を試みる. 方法 1. マウス皮膚損傷モデル 8 週齢 ICR マウス ( 雄 ) の背部に, 直径 4 mm のバイオプシー ( カイインダストリーズ ) を用いて皮膚打ち抜き損傷を作成した. その後, 正常皮膚及び受傷後 1, 3, 7, 10, 14 日目に, 損傷部を中心として直径 8 mm のバイオプシーで損傷部を採取した. 2. フェノール クロロフォルム法による皮膚損傷サンプルからの mirna 精製採取したサンプルは,TissueLyser II(Qiagen)( 粉砕条件 :2 分,25 Hz) を用いて粉砕した. その後,miRNeasy Mini Kit(Qiagen) を用いて total RNA 及び mirna を精製した. * 現所属 : 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻生命医科学講座探索病理学 1

2 3. 免疫沈降法による皮膚損傷サンプルからの mirna 精製採取したサンプルを,Cell Lysis Buffer(Wako) に浸し, 手動により緩やかに5 分間ホモジナイズした. その後, 遠心を行い上清を回収後, 抗マウス Ago2 抗体 (Wako) を用いた免疫沈降法により Ago2-miRNA 複合体を回収した. 4.miRNA ライブラリーの作製免疫沈降法によって精製された mirna を用いて,small RNA Cloning Kit(TaKaRa) よる mirna クローニングを行い,Solexa シークエンスシステム解析用サンプルである mirna ライブラリーを作製した. なお, ライブラリー作製効率については,TA cloning を行い, 塩基配列を確認した. 5.Solexa シークエンスシステムを用いた既知及び未知 mirna 群の網羅的同定 Solexa シーケンスシステム (Genome Analyzer) (Illumina) を用いて, トランスクリプトーム解析を行った. その後,1) 配列のフィルタリング,2) ゲノムへのマッピング,3) アノテーション作業,4) 配列のグルーピング,5) 二次構造予測を行った. 6. リアルタイム PCR QIAzol で抽出した mirna を用いて, TaqMan MicroRNA Assay(Applied Biosystems) 及び microrna LNA TM PCR primer sets(exiqon) による mirna の定量を行った. 7.In situ hybridization mirna 検出プローブは,miRCURY LNA TM microrna Detection Probe(Exiqon) を用いた. なお, コントロールプローブは,miRCURY LNA TM Detection Control Probe(Exiqon) を使用した. 皮膚組織は, パラフィン切片を用いた. 結果 1.miRNA 発現動態の解析皮膚創傷治癒過程において発現誘導される既知及び未知の mirna 候補の同定を目的とし,Solexa シーケンスシステムを用いてトランスクリプトーム解析を行った. アノテーション作業を行った結果を示す ( 表 1). また, 皮膚創傷治癒過程において 335 種類の mirna が発現誘導されていることが明らかとなった. また, 二次構造予測による新規 mirna 候補は,183 種類存在すると示唆された. 表 1. 各アノテーションに割り当てられた配列数 フィルタリング, マッピングによるリード数の遷移と, アノテーション付けの結果, 各アノテーションに割り当てられた配列数を示す. 2. 炎症反応時に発現誘導される mirna の同定 本研究で確立したマウス皮膚創傷モデルでは, 受傷後 3 日目迄が炎症期に該当する 1). そこで正常皮膚と受傷後 1 日目の発 現レベルを比較し, 炎症反応によって特異的に発現誘導される mirna を上位から抽出した ( 表 2). 2

3 表 2 炎症期において有意に発現誘導されると考えられる mirna 群 同定された 335 種類の既知 mirna の中から 炎症期において有意に発現誘導されると考えられる上位9種類の mirna 群を示す 3 定量 PCR 法による発現動態の解析 抽出した mirna の発現動態を詳細に解析するため 定量 PCR を行った mirna 発現動態解析の結果 mir-129, mir-139, mir-142-3p, mir-142-5p, mir-147, mir-223, mir-340 は 炎症期 もしくは増殖期において有意に発現 していることが確認された 図1 一方, mir-486 (上位9種類中9番目) は変化が認められなかった 図 1 定量 PCR 法を用いた mirna 発現動態の解析. mir-129, mir-139, mir-142-3p, mir-142-5p, mir-147, mir-223, mir-340 は 炎症期 もしくは炎症期 から増殖期への移行期において有意に発現していることが確認された 3

4 4.miR-147 発現細胞の同定定量 PCR 解析の結果,miR-147 は, 受傷後 1 及び3 日目に有意に発現誘導されることが明らかとなった ( 図 1). そこで, 発現細胞の同定を行うため in situ hybridization を行った. その結果,miR-147 は, 受傷後 1 日目の皮膚損傷部に集簇している好中球に発現されていることが明らかとなった ( 図 2). 図 2. In stiu hybridization 法による mir-147 発現細胞の同定. 受傷後 1 日目に集積している好中球は,miR-147 を発現していた.Scale bar:50μm 考察 これまで免疫等に関与すると考えられる様々な mirna 群が同定されてきたが 7), 未だ皮膚創傷治癒過程における mirna の発現動態を解析した報告はない. 本研究において,1) 皮膚創傷治癒過程における mirna 発現動態が, ゲノムワイドに 明らかとなった.2) 炎症反応によって有意に発現誘導される mirna 群の同定に成功した. さらに, マウス皮膚組織サンプルを用いた免疫沈降法による mirna 精製,miRNA ライブラリーの作製,in situ hybridization 法による発現細胞の同定等, 皮膚創傷治癒分野における新たな実験手法の確立が行えたことも大きな研究成果と考える. 現在, 数種類のプログラム及び in vitro 実験系を用いて炎症反応関連 mirna の標的遺伝子の同定を試みている. 興味 深いことに, サイトカイン等の炎症性生理活性物質の mrna に作用するだけでなく, サイトカイン分泌 ( 小胞輸送 ) に関与す る遺伝子群の mrna にも作用することが示された. これは mirna が様々な細胞内イベントに協調的に作用し, 生命の恒 常性を維持している可能性を示唆する結果であり, とても興味深い. 今後は, 細胞及び生体レベルで詳細に機能解析を行 い, その結果を基盤として新規治療法の開発を目指したいと考える. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 東京大学大学院新領域創成科学研究科ゲノム制御医科学分野の鈴木 穣先生, 兼松宗太郎先 生, 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科法医学の池松和哉先生, そして Department of Biochemistry, School of Medical Sciences, University of Bristol(UK) の Paul Martin 先生である. 文献 1) Stramer, B. M., Mori, R. & Martin, P.:The inflammation-fibrosis link? A Jekyll and Hyde role for blood cells during wound repair. J. Invest. Dermatol., 127: , ) Martin, P., D'Souza, D., Martin, J., Grose, R., Cooper, L., Maki, R. & McKercher, S. R.:Wound healing in the PU.1 null mouse-tissue repair is not dependent on inflammatory cells. Curr. Biol., 13: , ) Cooper, L., Johnson, C., Burslem, F. & Martin, P.:Wound healing and inflammation genes revealed by array analysis of 'macrophageless' PU.1 null mice. Genome Biol., 6:R5, ) Mori, R., Shaw, T. J. & Martin, P. : Molecular mechanisms linking wound inflammation and fibrosis:knockdown of osteopontin leads to rapid repair and reduced scarring. J. Exp. Med., 205: 43-51,

5 5) O'Connell, R. M., Taganov, K. D., Boldin, M. P., Cheng, G. & Baltimore, D.:MicroRNA-155 is induced during the macrophage inflammatory response. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 104: , ) Rodriguez, A., Vigorito, E., Clare, S., Warren, M. V., Couttet, P., Soond, D. R., van Dongen, S., Grocock, R. J., Das, P. P., Miska, E. A., Vetrie, D., Okkenhaug, K., Enright, A. J., Dougan, G., Turner, M. & Bradley, A.:Requirement of bic/microrna-155 for normal immune function. Science, 316: , ) Lodish, H. F., Zhou, B., Liu, G. & Chen, C. Z.: Micromanagement of the immune system by micrornas. Nat. Rev. Immunol., 8: ,

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