循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 Ⅴ 不整脈 頻脈 徐脈 1391 Ⅵ 急性冠症候群 急性冠症候群の診療と不安定狭心症 非 ST 上昇型心筋梗塞の治療 ST 上昇型急性心筋梗塞 1400 Ⅶ その

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1 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Cardiovascular Emergency JCS 2009 合同研究班参加学会 日本循環器学会 日本小児循環器学会 日本心臓血管外科学会 日本心臓病学会 日本蘇生学会 日本脳卒中学会 日本麻酔科学会 日本臨床救急医学会 日本小児集中治療研究会 班長 笠 貫 班員 相 澤 義 房 新潟大学大学院医歯学総合研究科循 木 村 一 雄 横浜市立大学附属市民総合医療セン 源 河 朝 広 済生会川口総合病院循環器内科 住 友 直 方 日本大学 小児科学系小児科学分野 高 山 守 正 榊原記念病院循環器内科 武 田 聡 東京慈恵会医科大学救急医学講座 中 澤 誠 脳神経疾患研究所附属総合南東北病 長 宏 早稲田大学理工学術院大学院 協力員 圷 ター心臓血管センター 院小児科 尾 建 駿河台日本大学病院循環器科 蘇生 秀 宏 一 日本医科大学付属病院集中治療室 菊 地 研 獨協医科大学心臓 血管内科 小 玉 誠 新潟大学大学院医歯学総合研究科器 児 玉 安 司 東京大学医療安全管理学 清 野 精 彦 日本医科大学千葉北総病院内科 循 髙 木 田 原 良 雄 横浜市立大学附属市民総合医療セン 官制御医学講座 循環器学分野 環器センター 厚 東京女子医科大学心臓病センター循 環器内科 ター高度救命救急センター 丹 羽 明 博 宏 国立循環器病センター内科心臓血管部門 船 崎 俊 一 済生会川口総合病院循環器内科 雄 東京都済生会中央病院循環器内科 横 山 広 行 国立循環器病センター心臓血管内科 救急心血管治療 野々木 三田村 環器学分野 平塚共済病院循環器科 外部評価委員 水 野 杏 一 日本医科大学付属病院内科学第一 丸 川 征四郎 医誠会病院 岡 田 和 夫 日本蘇生協議会 宮 坂 勝 坂 本 哲 也 帝京大学救命救急センター 之 長野県立こども病院 構成員の所属は 2009 年 10 月現在 目 次 Ⅰ 緒言 成人の二次救命処置 ACLS ガイドラインの背景と考え方 循環器救急の現況と課題 院外心停止 1366 Ⅱ 成人の BLS 成人の BLS 一次救命処置 について 1368 Ⅲ 成人の ACLS 1373 Ⅳ 症候からみた心血管救急 胸背部痛 呼吸困難 意識障害 ショック 動悸

2 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 Ⅴ 不整脈 頻脈 徐脈 1391 Ⅵ 急性冠症候群 急性冠症候群の診療と不安定狭心症 非 ST 上昇型心筋梗塞の治療 ST 上昇型急性心筋梗塞 1400 Ⅶ その他の心血管救急 急性大動脈解離 急性心不全 急性肺血栓塞栓症 心タンポナーデ 急性心筋炎 電解質異常 救急心疾患治療における中毒学 偶発的低体温 成人の先天性心疾患 1432 Ⅷ 蘇生後の治療 心停止後症候群 Post cardiac arrest syndrome の治療 体外循環式心肺蘇生法 Extracorporeal cardiopulmonary resuscitation; ECPR 1437 Ⅸ 小児の BLS と ACLS 小児の一次救命処置 PBLS 小児の二次救命処置 PALS 1440 Ⅹ 循環器救急医療に関する提言 心肺蘇生 蘇生科学に対する本学会の役割 循環器救急医療に対する提言 1446 Ⅺ 本ガイドラインで使用した薬剤 略語一覧 1446 文献 1449 無断転載を禁ずる ンセントの限界 Ⅰ 緒 ⑼患者と医師のインフォメーションギ ャップ拡大と信頼関係の低下などと多様である 言 我が国の救急医療においては 産科救急と小児救急が 破綻の危機に瀕し 社会問題となっている しかし心血 管救急も表面化していないが 同じ状況下にある 例え 1 ば 日本循環器学会救急委員会の調査では 循環器医の ガイドラインの背景と考え方 週平均勤務時間は約 69 時間 80 時間以上が 18 であり 宿直 当直 自宅待機を含めると仕事のない日が月に全 1 くなしは 18.8 にのぼる 図 1 この循環器医の劣悪 本ガイドラインの背景 な労働環境を含めて施設の集約化と機能分化等々我が国 高齢社会を迎えた我が国において心疾患は死因第 2 位 を占め 脳卒中を含めた循環器疾患は癌とほぼ同率の死 いる 亡率となる 成人外来受診患者でも循環器疾患は最も多 エビデンスに基づいた診療 EBM の重要性が認識 いが 循環器疾患の特徴は突然発症し 致死的になりう される中で 救急治療においては ILCOR が専門家に ることである これまで我が国における心臓突然死の頻 よるコンセンサス CoSTR を 5 年ごとに作成し AHA は 度は年間約 3 万人と考えられていたが 昨年総務省消防 CoSTR2005 に基づく AHA ガイドラインを作り Basic 庁の報告では 2007 年度の心原性心停止は 59,000 人にの Life Support BLS お よ び Advanced Cardiovascular ぼる したがって 循環器専門医にとって心肺蘇生の実 Life Support ACLS のマニュアルを作成した 2007 年 践と心血管救急治療の知識と技能は不可欠といえる し 日本循環器病学会では専門医試験の受験資格として かし 循環器疾患の発症 急性期における迅速かつ的確 AHA 認定の ACLS 受講を義務付けした そして一般医 な救急処置 診断 治療は困難なことが多く 処置中に 療従事者による BLS/ACLS 施行後に専門医としての相 増悪し致命的になることもまれではない それには多く 談 依頼 expert consultation を受ける立場における循 の原因がある すなわち ⑵ 環器医のための心血管救急全般にわたるガイドラインを ⑶心血管疾患救急の専門 作成することとなった 2004 年には AED の一般市民の ⑴医学の限界 不確実性 救急医学のエビデンスの限界 分化と全般研修の問題 ⑷我が国の救急制度の問題 地域の格差と医療機関の格差 環境 1362 における循環器救急の現状は極めて大きな問題を抱えて ⑸ ⑹循環器医の過酷な労働 ⑺患者 家族の過大な期待 ⑻インフォームドコ 使用が認められ その後 AED は急速に普及し 一般市 民のための BLS/AED 講習会が活発に開催されている 心肺蘇生 AED の重要性が注目されるとともに 循環

3 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図1 循環器救急の現状 学会アンケート調査 夜間宿直 翌日は通常勤務 週の勤務時間 7 9 回 : 6.7% 50 時間 : 7% 0回 : 15.9% 4 6 回 : 49.2% 1 3 回 : 49.2% オンコール 自宅待機 回 : 7.3% 16 回 14.6% 回 : 11.7% 7 9 回 : 12.5% 0回 : 25% 1 3 回 : 12.5% 4 6 回 : 15.9% 81 時間 : 18% 時間 : 14% 時間 時間 : 14% : 21% 仕事のない休日 7 回 4.5% 0回 : 18.8% 4 6 回 : 31.7% 1 3 回 : 45.0% 図 2 循環器専門医に求められる心肺蘇生 心血管救急の概念図 心血管救急 大動脈解離 心不全 肺 塞栓症 ショック 電解質異常 中毒 低体温 先天性心疾患等 専門家としての ACS 対応 小児 ALS 小児 BLS 専門家としての 不整脈対応 低体温治療 ECPR ACLS 循環器専門医義務化 ICLS 研修医 内科認定医義務化 BLS 医療従事者 一般市民 医学生 CPR 心停止 AED 頻脈 徐脈 ACS 脳卒中 救急外来 AHA-ACLS の要旨に加えて ACLS による心肺蘇生 後 心停止後症候群 の専門医へのコンサルテーショ ンとして循環器医のなすべき心血管救急のガイドライ ンである 心血管救急疾患の急性期初期診療 おおよそ 24 時間 における診断 治療について取り上げた 循環器診療に当たる循環器医が実際に遭遇する種々の 器医は自ら高度な心肺蘇生 ACLS の実施のみならず 異なる臨床現場でも役立つことを念頭に置いた その 心拍再開後の救急治療の実践を求められている さらに ために疾患や項目ごとの記載だけでなく 症候からの は 心血管救急疾患の特殊性から ER における初期治療 アプローチや鑑別疾患についても記載した から救急治療を担うことが必要となる 図 2 循環器救急疾患は極めて広範にわたるが これまで 9 そうした背景において本ガイドライン作成とその意義 つの関連する各分野のガイドラインが作成されてい を確認にしておくことが重要である すなわち本ガイド る 本ガイドラインでは 既存ならびに現在改訂作業 ラインの目的は循環器医の専門的知識 技能と 我が国 中のガイドラインとの整合性に留意した 表 1 紙 の限られた人的 物的資源のもとで患者の急性病態とお 面の制限から既存ガイドラインと同じの内容はクラス かれている救急医療環境 患者の価値観や行動およびエ 分 類 等 要 約 の み と し 引 用 文 献 も 省 略 し た な お ビデンス 多くは Best Available Evidence を統合して 2005 年以前のガイドラインについては文献を追加し 患者にとって最も望ましい救急医療を提供することにあ た る 換言すれば 医師の意思決定を支援する役割を担う 循環器救急の現場で医師が心血管救急全般を迅速に理 もので 診療を制限したり拘束するものではなく まし 解し 重要ポイントを把握し 具体的個別患者に対応 て医療訴訟の判断基準になるものでもない 例えば 急 しやすくするため できるだけ要約を加え 図表を多 性冠症候群に対する緊急経皮的冠動脈形成術の施行は医 くした 療機関のみならず地域の格差が大きく さらに循環器医 循環器救急の診断 治療 管理に関して一般に容認さ の技術や労働環境の格差を考慮すれば 本ガイドライン れる方法をできるだけ根拠に基づいた内容として提供 の推奨度に限界があることは明白である するが 救急医療では 地域や時間帯ならびに人員等 2 ガイドライン作成にあたっての考え方 の異なる環境における救急診療のガイドラインとなる ために専門家のコンセンサスの部分が多く 多分野の BLS/ACLS およびその後の循環器専門医のための心 専門家の議論による合意を求めた また クラス分類 肺蘇生 心血管救急ガイドライン いわゆるエキスパー やエビデンスレベルは従来のガイドラインにならって トコース 作成にあたっての考え方を示す 記載した 日本循環器学会が専門医資格として義務づけしている 1363

4 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 表1 本ガイドラインに関連するこれまでの日本循環器学会ガイドライン 心房細動治療 薬物 ガイドライン 2008 年改訂版 急性心筋梗塞 ST 上昇型 の診療に関するガイドライン 2008 年 脳血管障害 腎機能障害 末梢血管障害を合併した疾患の管理に関するガイドライン 2008 年 急性冠症候群の診療に関するガイドライン 2007 年改訂版 大動脈瘤 大動脈解離診療ガイドライン 2006 年改訂版 急性心不全治療ガイドライン 2006 年改訂版 急性および慢性心筋炎の診断 治療に関するガイドライン 2004 年改訂版 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断 治療 予防に関するガイドライン 2004 年改訂版 不整脈薬物治療に関するガイドライン 2004 年改訂版 クラス分類 天性心疾患の救急の特徴についても取り上げた 図2 クラスⅠ 手技 治療が有効 有用であるというエ 我が国において著しく進歩をとげ ILCOR でも注目 ビデンスがあるか あるいは見解が広く一 されている蘇生後治療 心停止後症候群 についても 致している 別項をおいて記載した クラスⅡ 手技 治療の有効性 有用性に関するエ AHA-ACLS には脳卒中が含まれるが それは脳卒中 ビデンスがあるか あるいは見解が一致し 専門医の扱いとして本ガイドラインでは意識障害で触 ていない Ⅱ a エビデンス 見解から有用 有効である 可能性が高い Ⅱ b エビデンス 見解から有用性 有効性が それほど確立されていない れるにとどめた ダイジェスト版の作成においては ポケットマニュア ルとしての機能を持たせるように工夫し 薬剤一覧も 付けた 心血管救急を担う医師や病院の過重な環境等救急医療 クラスⅢ 手技 治療が有効 有用でなく 時に有害 の抱える問題点について 社会へのメッセージを発信 であるとのエビデンスがあるか あるいは するために本学会が取り組むべき課題と解決に向けて そのような否定的見解が広く一致している の提言について言及した エビデンスレベル 本ガイドラインで使用した略語を表として付けた レベル A 複数の無作為介入臨床試験または メタ 解析で実証されたもの 本ガイドラインは CoSTR2005 に基づく AHA ガイドラ レベル B 単一の無作為介入臨床試験または 大規 インによる ACLS 実施後 心停止後症候群 の循環器医 模な無作為介入でない臨床試験で実証され に求められる救急治療および心血管救急疾患全般を網羅 たもの した 循環器医のための心血管救急ガイドラインである レベル C 専門家および / または 小規模臨床試験 後 今後 ILCOR による CoSTR2010 発表後には世界各国の 向き試験および登録を含む で意見が一致 ガイドラインは改訂され BLS/ACLS のマニュアルも改 したもの レベル D 無作為介入臨床試験ではないが 専門家 の意見が一致したもの 訂される したがって 本ガイドラインも 5 年以内には 改訂版が作成されることが必要となる 心肺蘇生 循環 器救急蘇生は新しい学際的科学領域であり また救急で あるが故に高いレベルのエビデンスは極めて少ないが 我が国においては 使用できる薬剤やその用量 用法 今後よりレベルの高いエビデンスおよび専門家の見解の は欧米と異なるが 日本循環器学会専門医には AHA- 一致を得るべく努力を重ね さらに心血管救急システム ACLS の受講が義務化されており 原則としてそれに の改革を図ることを望んでやまない 準拠したが できるだけ我が国における実情や医療の 特殊性を考慮したうえで 解説を加えた 2 循環器救急の現況と課題 これまで本学会のガイドラインで取り上げられていな い電解質異常 Toxidromes 偶発性低体温について収 載した 救急診療において循環器小児科領域の知識も必要であ り 小児の BLS や PALS の解説を加え さらに成人の先 1364 ① 我が国では 複雑外傷 多臓器傷害に重点がおか れ 一次 二次 三次救急の順次搬送システムが 構築された

5 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン ⑤ 系 感 覚 器 系 精 神 器 器 吸 心 脳 死亡 重症 の割合 26% 26% 心血管救急疾患の適切な早期受診に向けて地域住 民の教育啓発が必要である 1 0 心血管救急疾患に対応するために人的物的資源の 革が必要である システムの構築が救命率の向上につながる 集約化するような心血管救急システムの抜本的改 ない 救急搬送の段階で循環器救急に対応できる ④ 250 呼 わる必要があり 順次搬送システムでは対応でき 中等症以下 死亡 重症 300 化 り 心停止や重症化する前に専門医が初期から関 救急搬送重症度 350 消 循環器疾患はいつ重症化するか予測が困難であ 搬送人数 千人 の救命率が低いことが問題となった ③ 図 年代からは内科疾患重症が増加し 心停止 臓 ② 6% 11% 1% 2% 総務省 平成18年度データ 症化するかをトリアージすることが困難な疾患群といえ る したがって 心停止前や重症化する前に全症例を循 現状のシステム 環器専門医と連携することが重要である そのためには 我が国の救急システムは 1963 年の消防隊による救 地域でセンター化した基幹病院 総合病院 二次専門病 急搬送業務の法制化 1964 年に救急病院 救急診療所 院 三次救急施設 が全例収容を目指す体制を確立する の告示制度から始まり 1977 年に救急医療対策事業要 ことが必要である 綱が発表され 一次 二次 三次救急システムの順次搬 送システムが実施された これにより重症の複雑外傷 3 循環器救急システムモデルの提言 多臓器傷害例は 人口 100 万人に 1 施設の割合で設置さ 急性心筋梗塞や脳卒中の発症数からみて 全国で約 れた三次救急医療機関である救命救急センターへの搬送 200 か 所 の 三 次 救 命 救 急 セ ン タ ー で の CCU あ る い は が勧められた また 1980 年代からは内科的疾患の重 SCU のみで全症例の収容は困難である 地域医療計画 症例が増加し 心停止の救命率が低いことが問題となっ やメディカルコントロールにおいて 地域のネットワー た そのために 1991 年に救急救命士法が制定され そ ク化を検討する必要がある 急性心筋梗塞を収容可能で の翌年に救急救命士による心停止に対する特定行為 気 あり 緊急の冠動脈カテーテル治療が可能となる基幹病 管挿管 電気ショック 静脈路確保とアドレナリン エ 院と それを支援する専門病院の連携システムをつくる ピネフリン 使用 が認められ 救命率の向上対策がと 基幹病院は 可能であれば複数のカテーテル治療室を られてきた 今後の救急救命士制度の課題は 心停止前 24 時間体制で運営が可能となるような診療態勢 交替 と心拍再開後の処置の拡大がある 制勤務が可能となるスタッフ構成 と集約化をはかる 2 循環器救急増加に対する課題 近年 疾病救急 急病 が増加し 交通事故の減少と ともにその比率は約 6 割と増加している 1 2 なかでも 人口 100 万人に 1 か所から 2 か所の基幹病院 脳卒中救 急センター 心血管救急センター等 を設置する これ らの病院は二次あるいは三次を問わず地域ごとに設定す る 広域の場合には ドクターヘリ搬送を検討する必要 循環器疾患は脳卒中と心臓病をあわせると死亡率は癌と がある 胸背部痛 呼吸困難 意識障害 麻痺を有する ほぼ同率であり かつ死亡例や重症例の比率が高い 図 症例を地域総合病院併設の二次専門病院と三次施設にお 3 しかし 疾病 特に循環器疾患の発症時に重症度 いて全例受け入れを行う体制をつくる 基幹病院に必要 の判定は困難なことが多く 搬送中に増悪し致命的にな な条件は CCU SCU 機能を有し 専門医が複数体制 ることもまれではない 心停止例やショック例等の重症 で 24 時間 365 日体制で血栓溶解療法 カテーテル血管 例のみを三次救急施設へ選別することは 重症化してか 内治療 心大血管および脳血管手術が可能であることで ら高度医療機関へ搬送することにもなりかねないため全 ある また 通常の待機的診療と急性期から回復期まで 体の救命率向上にはつながらない 特に循環器疾患は の高度医療の提供や集中治療 補助循環 低体温療法 緊 専門医が初期から関わり救急医との密接な連携のもとに 急外科チームとの連携も理想とされる そのための人的 一次から三次まで包括すべきであると考えられる すな 体制には 医師のみならず コメディカルスタッフも含 わち 循環器疾患は軽症とみえても いつ何時急変 重 めた交替制勤務が可能となるような支援が必要である 1365

6 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 4 地域市民への啓発 生命危機管理をアピール 心血管系 脳卒中 胸部症状 四肢の異常等があれば あげられるが 過去 30 年間に再灌流療法等の導入によ り院内死亡率は低率となり 5 前後となってきた しか し 地域発症状況の全国調査では致命率は約 20 と高 率で 死亡の半数は院外死であることが明らかになった センター病院へ早期受診を推奨する それ以外の不急の 現在 我が国における院外心停止は年間に約 10 万人で 症例は 安易な緊急受診を避けるため救急相談等で日中 あり そのうち 6 万人弱が心原性である これは米国で の受診を誘導する また 後期高齢者や介護施設入所症 も同様であり 急性心筋梗塞症救命対策のフォーカスは 例では 連携先病院との連携を強め 高度救急医療の適 院外にあるといえる 3 院外心停止の救命対策には 米 用となるか かかりつけ医や担当医と本人 家族とで日 国心臓協会 AHA が提唱している救命の連鎖の確立 頃から緊急時の対応を十分相談し 在宅医療の適用や機 が重要であり 非医療従事者と医療従事者が連携して救 能等 看取り機能を十分理解しておくことが重要と考え 命に努めることが重要である られる 119 番通報の有効な使用方法を啓発し 不急な 症例と緊急例の区別を啓発する等 救急相談やマスメデ ィアの役割も重要である また 国民全員が救急態勢を重要視し 重症例の不幸 ①院外心停止の現状と対策 臨床疫学の立場から院外心停止を定義し 国際的に共 通の様式で記録するためのガイドラインが作成され 4 な転帰についても寛容の精神と死生観を持ち 救急医療 その様式は最初の会議の開催地にちなんでウツタイン様 を担うシステムを地域で守り育てることも必要であると 式と呼ばれている 心停止とは 脈拍が触知できない 考えられる 反応がない 無呼吸で確認される心臓の機械的な活動の 3 院外心停止 停止 と定義され 心原性と推測できるものと非心原性 に分けられ 原因が不明な場合には除外診断に基づき心 原性と扱われている ウツタイン様式の適用のメリット ① 我が国における院外心停止は年間に約 10 万人で あり そのうち 6 万人弱が心原性である ② 我が国では世界に類を見ないウツタイン様式 心 停止の専門用語とその定義を定め 国際的に記録 様式を統一した を用いた全国の疫学調査が進行 中である ③ 我が国では市民による心肺蘇生法 CPR と AED 実施率がともに増加し 社会復帰は年々増加して いる しかし その社会復帰率は 6 にしか過ぎ ない ④ 日本循環器学会は日本蘇生協議会 JRC に参画 し 国 際 蘇生 法 連絡 委員 会 ILCOR と 連 携し は 国際比較が可能となること 経年変化がわかること があげられる 我が国においても大阪府や東京都でウツ タイン登録が開始され 大規模データベースとなり そ の報告は世界から注目されている それによると院外心 停止のうち心原性で目撃のある初期調律が心室細動であ った例の救命と脳蘇生良好 社会復帰 例は年々増加し ている 5 図 4 この要因は市民の心肺蘇生法 CPR 実施率の増加と通報から除細動実施までの時間短縮であ る 問題点は 院外心停止のうち心室細動率は約 20 と低率であることである 心停止から心電図記録までの 時間が 3 分以内の場合には と高率に心室細動 が観察されるという東京都の長尾らの報告 6 から考える 循環器救急医療における我が国のエビデンスを国 際的に発信し さらに米国心臓協会と連携して BLS および ACLS 講習を実施している ⑤ 日本循環器学会の循環救急医療委員会は 日本蘇 生協議会 JRC や国際蘇生連絡委員会 ILCOR のエビデンスを発信することが求められる ⑥ 院内心停止においては 非 ICU 病棟への AED 設 置と蘇生行為の質の評価が注目されている 1 院外心停止 循環器救急疾患の代表的なものとして急性心筋梗塞が 1366 図 4 心停止傷病者数と救命率の推移 総務省消防庁救急企画室心肺機能停止傷病者の救命率等の現況 109,461人 社会 傷病者 復帰率 102,738人 105,942人 10万人 総数 市民による 23.9% 5万人 除細動あり 心原性 56,412人 29.2% 35.5% 40% 20% 57,982人 59,001人 除細動なし 1.2% 1.5% 2.5% 年

7 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン と 心室細動率が低いことは 記録に至るまでの経過時 ILCOR と AHA から提唱されている 10 その特徴は 大 間が長いこと 市民の CPR 実施率が低いため心静止と 規模試験によるエビデンスに基づき勧告の優先度が決定 なることが大きな因子であると考えられる されたこと AED の実施をはじめとする市民の積極的 心停止後 心室細動の状態を長くするためには CPR な関与が謳われていることである さらに ILCOR が蘇 の実施が有効である 救命の効果を検証した我が国から 生に関する勧告を国際標準化として発表し それぞれの のエビデンスにより 発見者による胸骨圧迫 心臓マッ 蘇生協議会が地域の状況を加味してガイドラインを作成 5 サージ のみでも標準 CPR と同様 あるいはより効果的 7 することになった 11 AHA と欧州蘇生協議会 ERC である 市民の CPR 実施率が なお30 40 程度であり からガイドライン改訂の発表が同時になされ 12 我が国 その理由として複雑あるいは口対口呼吸に対する嫌悪感 では救急蘇生法の指針 2005 として発表された 13 が あ る 成 人 の 突 然 の 心 停 止 に 対 し て は AHA が AHA や ERC は ガイドライン策定とともに ガイド hands-only CPR として 我が国のエビデンスから勧告を ラインに基づいた蘇生教育も実施し 教育方法や教育ツ 強調した 8 しかし ILCOR でのコンセンサスはまだ得 ールを開発し その普及に努めている AHA の国際ト られていない ただ日本としては ILCOR の結論をまち レーニング組織 ITC として 標準化された質の高い ながら 自動体外式除細動器 AED の普及と市民に 一次救命処置 BLS と二次救命処置 ACLS の教育 よる CPR 当面は特に胸骨圧迫 心臓マッサージ 実 コース プロバイダーコース が行われており 我が国 施率をあげる方向でよいといえる 我が国では 総務省 では 2003 年より始まった 日本では非 AHHA コースも により全国的なウツタイン登録が実施され 今後の対策 成果を上げている に重要なデータが蓄積されている 9 ③日本循環器学会の取り組み ②院外心停止に対する国際的な取り組み 日本循環器学会では 循環器救急医療にまつわる諸問 国際蘇生法連絡委員会 ILCOR は 院外心停止に 題を検討し 循環器疾患の予後の改善を推進するための 対する国際的登録基準を作成したウツタイン会議のメ 方策を提言 実践する循環器救急医療委員会が設置され ンバーが母体となり 1992 年に設立され 米国 カナダ た 図 5 4 つの小委員会から構成される 欧州 オーストラリア ニュージーランド 南アフリカ 蘇生科学小委員会は 循環器救急医療における我が国 ラテンアメリカの各蘇生協議会が加盟していた アジ のエビデンスを国際的に発信し JRC に加盟し RCA アからは 日本蘇生協議会 JRC が中心となり 日本 を通じて 国際ガイドライン検討組織である ILCOR と シンガポール 台湾 韓国により アジア蘇生協議会 の連携を行い 国際ガイドライン策定にも協力している RCA が 2005 年に設立され ILCOR 加盟に加盟して 循環器救急医療制度小委員会は 我が国の循環器救急 医療の現状を把握し その課題を学会として広く提言す いる 図 5 CPR の 標 準 化 を 目 指 す 国 際 的 な ガ イ ド ラ イ ン は 図5 るための資料を作成する 心肺蘇生に関する世界と日本循環器学会の関係 International Liaison Committee on Resuscitation 国際蘇生連絡委員会 ILCOR 1992 設立 日本循環器学会 International Training Center American Heart Association Heart & Stroke Foundation of Canada Inter-American Heart Foundation Australian & New Zealand Committee on Resuscitation Resuscitation Council of Southern Africa European Resuscitation Council Resuscitation Council of Asia Japan Resuscitation Council 日本蘇生協会 NRC Singapore NRC Taiwan Korean ACPR Indonesian RC 日本循環器学会 循環器救急医療委員会 AED 検討委員会 蘇生科学小委員会 JCS-ITC 運営小委員会 循環器救急制度小委員会 1367

8 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 AED 検討小委員会は 普及啓発委員会から移行した ものであり さらに普及するために必要な事柄を循環器 専門医の立場から提言することを目的としている 日本循環器学会は 広く蘇生教育を普及させ 救命 率の向上に寄与することを目的に 専門医の必修条件と して AHA の ACLS プロバイダーコース履修を決定し より院内の救命率が高くなったことが報告された Ⅱ 年 3 月に AHA と ITC 契約を締結した JCS-ITC 運 成人の BLS 成人の BLS 一次救命処置 について 営 小 委 員 会 を 中 心 に 各 支 部 に お い て BLS お よ び ACLS 講習を実施している 図 5 2 ① 院内心停止への対策 器 AED の手配 迅速な心肺蘇生 CPR 迅 心停止をはじめとした院内での急変症例に対する対応 速な電気ショック 除細動 である これに二次 は施設の安全対策の確立として重要なテーマのひとつで ある 現在 公共の場だけでなく院内への AED の普及 が進みつつあるが AED を有効に機能させるためには 救命処置 ACLS とあわせて救命の連鎖となる ② る さらに 行われている蘇生処置の客観的評価 それ に基づく検証と現場へのフィードバックが不可欠であ 再開するまで絶え間なく行う ③ BLS の手順は 1 傷病者が反応のない場合 大声で人を呼び り 院内ウツタイン様式に基づき検証することが必要と 緊急通報と AED を手配する なる 14 しかしながら 我が国では標準的な指針はなお 2 頭部後屈あご先挙上法で気道を確保し 呼吸 確立されていない を 10 秒以内で確認する 米国ではウツタイン様式に準じて 全米の病院による 3 呼吸がなければ胸が上がるように人工呼吸を ウェブを活用した院内心停止登録が NRCPR NatioNal 2 回試みる Registry of CPR として推進されている 15 院内の VF 4 頚動脈の触知を 10 秒以内に確認する に対して 除細動実施までの時間が 1 分遅れるごとに救 5 脈が触知できなければ胸骨圧迫 30 回と人工呼 命率が数パーセントずつ低下することが明らかとなり 吸 2 回を繰返す 圧迫は強く 早く 約 100/ 分 除細動実施までの時間の遅れの要因が分析され 絶え間なく行い 圧迫解除は胸がしっかり戻 病院で 7,479 例の院内心停止登録例が調査され 2 分以 るように行う 内に除細動が可能だったものは生存退院率が 39 に対 6 AED のスイッチをいれ 電極パッドを右上前 し 2 分以上の場合は 22 と低率であった 個々の症例 胸部と左下側胸部に貼る の要因に加え 心停止の発生時間が週末や時間外の場合 7 AED の心電図解析を待ち ショックが不要な には救命率が低く 17 除細動の遅れの要因としてベッド 場合にはただちに CPR を再開する 数 200 未満 発生場所 ICU 以外 があげられた 8 ショックが必要であれば電気ショック 除細 訓練された病棟看護師による除細動については 蘇生チ 動 を 1 回行った後にただちに CPR を再開す ームと比べて救命率には差はなく 非 ICU 病棟では る 2 分または 5 サイクルの CPR 後に AED に AED の適用による救命率が有意に高かった また AED を用いた早期除細動とともに 注目され ているのが蘇生の質の客観的な評価とそれによる蘇生処 置の改善である 蘇生処置を客観的に評価したところ 除細動実施直前の胸骨圧迫の中断が 10 秒以上 胸骨圧 迫の速さが 80 回 / 分未満 胸骨圧迫による胸部の沈みが 4cm 以下となると除細動成功率が低くなり 除細動前の 心停止の患者に対して 胸骨圧迫と人工呼吸によ る CPR をできるだけ早期に開始し 自己心拍が 職員の認知の向上 心肺蘇生法教育の普及等が必要であ 良 好 な 質 の CPR が 必 要 で あ る こ と が 示 さ れ た 心停止の救命を円滑に行うための一次救命処置 BLS は 緊急通報と迅速な自動体外式除細動 よる心電図解析することを繰り返す なお 人工呼吸ができない したくない人は 胸骨 圧迫のみ蘇生を開始する 1 救命の連鎖 院外で突然の心停止を発症した傷病者の初回のリズム 解析で 心室細動 VF が 40 に認められる VF CPR の質を評価し リアルタイムで音声フィードバッ である間に迅速な救命処置を行えば救命可能であるが ク可能なシステム Q-CPR が開発され その利用に いったん心静止に陥るとその成功の見込みが激減す

9 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図6 としない 思春期以降の患者を成人として対応する 図 救命の連鎖 7 に日常的に蘇生を行う者および ALS を習得した者が行 う BLS のアルゴリズムを示す 心肺蘇生 3 心肺停止の患者の呼吸 循環機能を維持する目的で胸 ①緊急通報と ②迅速な ③電気ショック ④二次救命 電気的除細動 処置 ACLS AED の手配 CPR 骨圧迫および人工呼吸を行うことを心肺蘇生 CPR と Circulation 2005; suppl Ⅳ より いう 心肺蘇生は心停止発生後できるだけ早期から開始 して 絶え間なく行うことが重要であり 良質で絶え間 25 る 迅速な救命のために必要な行動を円滑に行うのが 26 救命の連鎖 である 図 6 ⑴緊急通報と自動体外 式除細動器 AED の迅速な手配 ⑵迅速な心肺蘇生 ない胸骨圧迫こそが心肺停止患者の救命を大きく左右す る因子である ①発見時の対応手順 通報と CPR 開始の優先順位 法 CPR を行うことで突然の心停止の救命率が 2 倍以 上になる ⑶迅速な電気ショック 電気的除細動 肩を叩きながら大声で呼びかけても 何らかの応答 倒れてから 3 5 分以内に電気ショックと CPR を行えば や目的のある仕草がなければ 反応なし とみなす 生存率は上昇する 28 反応がなければその場で大声で叫んで周囲の注意を喚 ⑷資器材や薬剤を使用した二次救 起する 誰かが来たら その人に緊急通報 119 番通報 命処置 ACLS さらに蘇生後ケアを行う 2 と AED の手配を依頼し 自らは CPR を開始する 院 BLS 一次救命処置 内の場合には救急カートも手配する 救助者が一人だ けのときは 自分で緊急通報を行い AED が近くに 一次救命処置 BLS とは 救命の連鎖のうちの最初 の 3 つの要素を包括する概念である 感染防御具や電気 あればそれを取りに行った後に CPR を開始する 的除細動のための AED 以外には 特別な資器材を必要 ただし 呼吸の異常による心停止が疑われる傷病者に 図7 成人の BLS のアルゴリズム 反応なし 大声で叫ぶ 緊急通報 AED 気道を確保し 呼吸を確認 呼吸がなければ 胸の上がる人工呼吸を 2 回行う 脈拍を確信できるか 10 秒以内 脈あり 5 6 秒ごとに人工呼吸を 1 回 2 分ごとに脈拍をチェック 脈がないか不確実 準備ができていれば 胸が上がる人工呼吸 2 回 胸骨圧迫 30 回 人工呼吸 2 回を繰返す AED 装着まで ALS チームに引き継ぐまで または傷病者が動き始めるまで 圧迫は強く 早く 約 100/ 分 絶え間なく 圧迫解除は胸がしっかり戻るまで 胸骨圧迫の中断を最小限にする AED 装着 心電図解析 除細動の適応は 適応あり ショック 1 回 ただちに CPR を再開 5 サイクル 2 分 適応なし ただちに CPR を再開 5 サイクル 2 分 1369

10 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 救助者が一人だけで対応した場合には, 緊急通報や AED の手配を行う前に5サイクルもしくは約 2 分間の CPR を行う. 2 呼吸の確認気道確保のための頭部後屈あご先挙上法, または下顎挙上法を行い 29), 呼吸があるかどうかを10 秒以内で確認する. 反応がなく, かつ呼吸がない場合は心肺停止である可能性が高い. 心停止直後には死戦期呼吸, いわゆる喘ぎ呼吸が認められることがあるが, 呼吸がないものとして取り扱う. 回復体位反応はないが, 呼吸および確実な脈があり, かつ外傷のない場合は, 傷病者を回復体位にして専門家の到着を待つ. 3 人工呼吸呼吸がなければ, 気道確保のための頭部後屈あご先挙上法, または下顎挙上法を続けながら人工呼吸を約 1 秒かけて2 回行う. 胸の上がりが見える程度の量を送気する. なお, 口対口人工呼吸を行う際には感染防護具を使用すべきである. 可能な場合には, できるだけ高濃度の酸素で人工呼吸を行う. 送気量の目安は, 人工呼吸の方法に関わらず, すべてで 胸が上がるのが見てわかるまで とする. この送気量は6~7mL/ kg に相当する.1 回目の人工呼吸によって胸の上がりが確認できなかった場合は, 気道確保をやり直してから2 回目の人工呼吸を試みる.2 回の試みが終わったら, うまく胸が上がらなくてもそれ以上は人工呼吸を行わず次の手順に進み, 心停止が確認されればただちに胸骨圧迫を開始すべきである. 胸骨圧迫のない人工呼吸呼吸はないが脈を確実に触知できる場合は人工呼吸のみを行う. この場合の呼吸数は10 回 / 分程度とする. 人工呼吸は1 回につき1 秒かけて行う. およそ2 分ごとに確実な脈拍が触知できることを確認する. 4 心停止の確認反応がなく, 呼吸がなく, 頸動脈が確実に触知できなければCPR が必要である. 脈の確認に10 秒以上をかけてはならない. 5CPRの開始手順心停止と判断した場合は, 胸骨圧迫 30 回と人工呼吸 2 回の組み合わせを速やかに開始する. ただし, 人工呼吸が実施困難な場合は胸骨圧迫を優先し, 人工呼吸は実施が可能になり次第始める. 心原性の突発性心停止では, まだ肺胞内および血液中に利用可能な酸素が含まれており, 人工呼吸よりも胸骨圧迫を開始する方が良いと考えられる. バッグバルブマスクや感染防護具が手元にない等, ただちに人工呼吸を行うことができない場合には, 胸骨圧迫のみを開始すべきである 30). ただし, この肺胞内, 血液内の酸素は数分で消失するために, 呼吸の補助を加える余裕ができた時点で, それを行う体制も考慮する. 6 胸骨圧迫の方法胸骨圧迫の効果を発揮するために, 傷病者をバックボードや床等の硬い平面上に仰臥位に寝かせる. 胸骨圧迫の位置は, 胸の真ん中 あるいは 乳頭と乳頭を結ぶ線の胸骨上 のいずれかを目安とする. 胸骨圧迫の速さは1 分間に約 100 回とする. 胸骨が4~5cm 沈むまでしっかり圧迫する. ただし, 圧迫の強さや深さが不十分になりやすいので注意すべきである. 圧迫を解除するときには, 掌が胸から離れないように注意し, しかも胸が元の位置に戻るように充分に圧迫を緩めることが重要である 31). 胸骨圧迫の評価胸骨圧迫の効果は圧迫の深さや速さで評価すべきであり 32), 頸動脈では評価すべきでない. 7 胸骨圧迫と人工呼吸の比胸骨圧迫と人工呼吸の回数比を30:2とする. 胸骨圧迫の連続回数 30 回はあくまで目標であり,30 回を正確に実施することに固執する必要はない. 8 胸骨圧迫の役割交代と中断時間胸骨圧迫の連続回数が増加し, 救助者が疲労したことを自覚しないまま, 胸骨圧迫の深さが不十分になる可能性があるので注意が必要である. 交代可能な場合には, たとえ救助者が疲労を感じていなくても, 胸骨圧迫の交代要員がいる場合には, 胸骨圧迫の担当を5 サイクル (2 分 ) おきに交代することが望ましい. 交代は 5 秒以内に済ませるべきである.AED を用いて除細動する場合や階段で傷病者を移動させる場合等の 1370

11 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 特殊な状況でない限り, 胸骨圧迫の中断時間は10 秒以内にとどめる. 9 非同期 CPR 気管挿管下でのCPR では, 人工呼吸の際に胸骨圧迫を中断せず, 人工呼吸と胸骨圧迫を非同期で行う. この場合の人工呼吸の回数はおよそ10 回 / 分とする. コンビチューブ, 食道閉鎖式エアウェイ,LMA, Laryngeal Tube が挿入された場合も, 適切な換気が可能なら非同期で行う. 非同期でCPR を行う場合は, 人工呼吸回数が過剰になりがちなので注意が必要である. 人工呼吸回数の増加によって換気量が増加すると平均胸腔内圧が上昇するため, 静脈還流が減少して心臓からの拍出量が減り, 冠灌流圧の低下も招き, 生存率が低下する可能性が指摘されている 33). 10 胸骨圧迫のみのCPR ただちに人工呼吸を行うことができない場合や一般市民が人工呼吸を躊躇する場合には, 胸骨圧迫のみの CPR を推奨する.CPR を行わないときよりも胸骨圧迫のみを行うほうが生存率が高い 34). さらに我が国におけるコホート研究では, 人工呼吸を加えた方法よりも胸骨圧迫のみのCPR が予後が良いと報告されている 7). 11 前胸部叩打法モニター下で発生した目撃のある心室細動 / 無脈性 VTで, ただちに除細動器が使用できない場合は, 即座に1 回だけ前胸部叩打を行ってもよい. 拳で約 20cmの高さから胸骨の下半分を鋭く叩く. ただし合併症もあるため, 訓練を受けた医療者のみが行う. 市民には指導しない. 4 AED による電気的ショック ( 除細動 ) 1 除細動とCPRの組み合わせ早期除細動は突然の心停止から蘇生するために極めて重要である. 除細動が実施されるまでの時間は様々であるが,AED の使用前にCPR が行われた場合には生存率が2 倍から3 倍になる 25),27). バイスタンダーがすぐにCPR を実施することで, 成人の心室細動の多くは神経学的機能を損なうことなく蘇生できる可能性が高くなる. 除細動が心停止後, 約 5 分以内に行われた場合は特に転帰が良い 28).CPR と除細動のいずれの実施が遅れても, 突然の心停止からの蘇生の可能性 は低くなる. 2 除細動波形とエネルギーレベル心室細動の停止において, 単相性波形に比べ安全性, 有効性ともに優れている二相性波形が推奨される 35). 種々の二相性波形を直接比較した報告はまだない. 我が国では二相性 AED が導入され始めているものの, 既存の除細動器の多くが単相性である. 出力されるエネルギー量は装置のタイプにより異なる. 単相性 AED を用いる場合のエネルギー量については, 初回のエネルギー量としては最大量 360J を推奨する. 二相性 AED を用いる場合のエネルギー量については, メーカーが既定したエネルギー量 (120~ 200J) で電気ショック ( 除細動 ) を行う. 3AEDの使用と一般市民向けAEDプログラム市民であれ医療従事者であれ, 訓練を受けた者が AED を使用することは, 心停止傷病者の生存率を向上させるために推奨される. 有効な対応計画が整備されているなら, 心肺停止を目撃する可能性のある場 ( 公共施設, 空港, 駅, 学校, スポーツ施設等 ) において, AED を迅速に使用できるよう整備することが望ましい. 上記の対応計画には, 器材のメンテナンス, 初期応答者のトレーニング, 地域の救急医療システムとの連携, プログラムのモニター等が含まれるべきである. 早期の除細動を実現するには, 業務として救急蘇生にあたる者だけでなく, 一般市民によってただちに除細動が行われるシステムを推進することが重要である. 市民による除細動 (Public access defibrillation: PAD) プログラムとして, 病院外心停止の発生状況把握,AED の配備計画, 救助者の育成, 結果の検証が重要である.PAD プログラムは医学的見地に基づいて救急医療サービスの質を管理する体制下で実施されるべきである. 我が国においても, 製品の誤動作に関する報告が散見される. 設置されたAED の情報をモニターするシステム構築が望まれる. また,AED そのものの研究が必要である.AED に関する検証体制の構築 整備も今後の課題である. 人工呼吸のタイミングや胸骨圧迫の早さを音声で案内する器具やCPR 手順の音声ガイド (AED 等 ) はBLS/CPRを円滑にするための補助として有用と思われる. 4 電極の配置 AED の電極パッドは右上前胸部 ( 鎖骨下 ) と左下側胸部 ( 左乳頭部外側下方 ) に貼付する. 貼付の代替 1371

12 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 位置として, 上胸部背面 ( 右または左 ) と心尖部とに貼付する方法 (apex-posterior) も考慮される. パッドを貼る場所に医療用の植込み器具がある場合には, 器具からパッドを2~3cm 以上離して貼る. 植込み式除細動器の電気ショックが作動している, すなわち, 体外式除細動がなされているときのように, 傷病者の筋肉が収縮している場合, その作動が完了するまで 30~60 秒待ったあとでAED を取り付ける. 時に自動 ICD とAED の解析 ショックサイクルは競合する. 電極パッドは経皮的な薬剤パッチ ( ニトログリセリン, ニコチン, 鎮痛薬, ホルモン薬, 降圧薬等 ) や湿布薬等の上に直接貼るべきではない. 貼付場所の薬剤パッチ等を取り去り, その部位を拭き取った後で電極パッドを貼り付ける. 胸毛が多い場合には, パッドが密着しないためにAED の効果が半減する. 電極パッドを強く押し付けても密着しない場合は, 予備のパッドがあれば, 最初のパッドで胸毛を剥がした後に新しいパッドを貼る. カミソリが入っている場合には胸毛を剃ってからパッドを貼ってもよい. 傷病者の体が濡れている場合には, 胸の水分を拭き取ってから電極パッドを貼り付ける.AED は, 傷病者が雪や氷の上に倒れているときも使うことができる. 5AEDの操作 ⑴ まずAED の電源を入れる. 電源スイッチを押すか, モニターのカバーを開く. 以降は音声と点滅ランプの指示に従う. ⑵ 前述のように電極を貼る. ⑶ AED が心リズムを解析する間は, 傷病者から離れる. 解析はボタンを押す場合と自動の場合がある. ⑷ 電気ショックが必要と判断すると自動的に充電を開始する. ショックボタンを押す前に, 自分, 他者に離れるように勧告し目視で確認する. ショックは不要ですという音声メッセージの場合には, ただちにCPR を再開する. ⑸ 1 回ショック後のCPR 再開対象傷病者に対し, 電気ショックを1 回行った後, 観察なしにただちに胸骨圧迫を行う.2 分 ( または 5 サイクル ) のCPR 後に除細動器で心電図を解析する. 以後, 必要に応じてショック CPR 心電図解析を繰り返す ( ただし, 院内 CPA で, 持続的にモニタリングされている症例に関しては, 医師の判断で連続的なショックを行ってもよい ). 充分な循環が戻る, または専門家チームに引き継ぐまで, CPR を継続する. 6AEDの院内使用病院内の早期除細動 ( 目標は虚脱から3 分以内 ) を実現にするために,AED の病院内設置も検討されてきた 36). スタッフの技能が不足している施設や, 除細動器がめったに使われない部署では特にAED の設置が有用である. 早期除細動を実現するためには, 現場の職員がAED 使用訓練を受け, その使用を許可されていることが望ましい. 病院は病院内心停止の発生状況を把握し,AED の配備計画を立て, 職員を訓練し, その効果を検証することが重要である. 7 除細動器データ収集除細動器の機器データ, つまりエネルギー量や波形に関する研究データを収集することは重要である. 除細動器使用中の音声 波形等の諸データを収集することは必要である. 5 気道異物 異物による気道閉塞を認識することが蘇生成功の重要な鍵となる. 気道閉塞のサインは. 音のない咳, チアノーゼ, 声が出ない, 息ができないといったサインを呈する. 傷病者自らが, 首をわしづかみすることは, 万国共通の窒息のサインである. 喉が詰まっているのですかと尋ねる. 今から窒息を解除することを伝えて安心させる. 1 気道異物除去 : 意識のある場合気道異物による窒息が疑われる場合は, ただちに緊急通報 (119 番通報 ) をするよう誰かに依頼し, 救助者はただちに以下の方法を試みる. ただし, 傷病者が激しく咳き込んでいる場合には, 本人の努力に任せる. 救助者が一人だけの場合は, 緊急通報する前に以下の方法を試みる. 背部叩打法と腹部突き上げ法を併用する 37). その回数や順序は問わない. 妊婦, 極端な肥満者の場合は ( 腹部突き上げ法は行わず ), 腹部突き上げ法に代えて胸部突き上げ法を行う. 2 気道異物除去 : 意識のない場合反応がなくなった場合は, 緊急通報 (119 番通報 ) をしていなければ通報し, その後, 通常のCPR を行う. ただし, 気道確保をするたびに, 口の中を覗き, 異物が見え, 摘出が容易なら取り除く. 盲目的指拭法は行わない. 可能なら喉頭展開下で異物を除去する. 1372

13 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 6 その他の参考事項 1 電話を通じての心停止確認通信指令は, 通報者が死戦期呼吸 ( いわゆる喘ぎ呼吸 ) を 呼吸あり と誤認する可能性があることに充分注意する必要がある. 通信指令は適切な問いかけによって, 通報者が死戦期呼吸を正常な呼吸と混同しないように導くべきである. 2 口頭指導によるCPRの方法 CPR ができるかどうかを尋ね, できないと答えた場合には胸骨圧迫のみ ( 人工呼吸を行わない CPR) を口頭で指導する. その他の状況においても, プロトコルにしたがって胸骨圧迫のみのCPR を口頭指導することを考慮してよい. 3 口頭指導の質管理通報内容から心肺停止状態が疑われる場合, 通信指令は適切な表現方法を用いて, 通報者が正確な状況を把握できるよう導くべきである. 心肺停止状態および気道異物による窒息が疑われる傷病者からの緊急通報においては, 明文化された手順にしたがった口頭指導が行われるべきであり, その手順について定期的に訓練を受けることが望ましい. 口頭指導の指導実績およびその効果は指導内容の記録に基づいて科学的に検証されることが望ましい. 4 応答時間その他心肺停止に対する応答時間をできるだけ短縮するための努力と工夫を継続すべきである. ウツタイン方式に関わる覚知時刻やバイスタンダー CPR の定義は正しく統一されるべきである. 救急活動に関わる時刻を正確に把握 記録する体制 ( 時計の同調管理を含む ) が必要である. 5 救急隊における電気ショックとCPRの優先順位救急通報から救急隊の現場到着までに4 ~5 分以上を要した症例で初期心電図が心室細動であった場合には, ただちに電気ショックを行う (Shock-first) プロトコルに代えて, 約 2 分間の有効なCPR を行った後に電気ショックを行う (CPR-first) プロトコルを採用することが望ましい.CPR-firstプロトコルの有用性およびCPR-firstプロトコルにおいて電気ショック前に行うべきCPR の時間, 対象とすべき傷病者等につい ては, 各地域の医学的見地に基づいて救急医療サービスの質を管理する体制下で今後さらなる検証を行うことが望ましい. 6 病院内 Medical Emergency Team 院内救急蘇生チームは, 病院内の心肺停止件数, 死亡数, 予期せぬICU 入室を減少させるために有効と考えられる. 7 頸損疑いの気道確保頸椎 ( 髄 ) 損傷を疑う傷病者の気道確保では, 下顎挙上法による気道確保が第一選択である. 下顎挙上法が無効なら頭部後屈 あご先挙上法による気道確保を試みる. 8 頸椎の非動化外傷のある傷病者に対して頭頸部を非働化する場合, 人手がある限り用手的方法を優先する. Ⅲ 成人の ACLS 1 成人の二次救命処置 (ACLS) 1 二次救命処置 (ACLS) では, 心停止に対してその背景疾患を鑑別診断しながら, 質の高い心肺蘇生に除細動器や薬剤等を併用する. 2 ACLS では電気ショック ( 除細動 ) が必要な心室細動 (VF), 無脈性心室頻拍 (pulseless VT) と電気ショック ( 除細動 ) が不要な無脈性電気活動 (PEA), 心静止 (Asystole) の2 つのアルゴリズムがある. 質の高いCPR は,BLSでのCPR に加えて高度な気道管理を併用する. 3 電気ショック ( 除細動 ) は, 二相性を推奨する. 単相性では360J, 二相性では120~200J で1 回行う. 4 静脈路を確保し血管収縮薬 ( アドレナリン, バソプレシン ) を使用する. 5 血管収縮薬を含むCPR でもVF が持続する場合に抗不整脈薬 ( アミオダロン, リドカイン, ニフェカラント, 硫酸マグネシシウム ) を考慮する. 1373

14 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 ⑥ 無脈性電気活動 PEA は 心臓の電気活動は認 められるが脈拍が触れない状態と定義される ⑦ PEA 心静止に対して電気ショック 除細動 は 行わず CPR を行う ⑧ PEA 心静止に対して静脈路を確保し薬剤を投与 する アドレナリン バソプレシン アトロピン ⑨ ビデンスを吟味して整理したものであり 蘇生を行うも のは個人がこれを実践できるようにするとともに蘇生に 参加する全員がこれを共有することが重要である しか しながら 現実の蘇生現場においては人的資源や機材等 での様々な制限があり アルゴリズムは状況に応じて臨 機応変に改変され得るものである 心停止の原因を検索し治療する 二次救命処置 ACLS の意義 1 ACLS における心停止の 2 つの アルゴリズム 図 8 2 脈を触れない心停止は VF 無脈性 VT PEA そし 二次救命処置 ACLS では 心停止に対して AED て心静止 Asystole の 4 つに分けられる しかし目撃 以外に高度な気道管理や薬剤等の資材を用いて処置と治 された成人 collapse 卒倒 患者では VF 無脈性 VT を 療を行う その際には心停止の原因と背景疾患を鑑別診 念頭におき対応すべきである なぜなら目撃された心停 断する こうして心停止と非心停止が連続性を持つこと 止の多くが VF あるいは無脈性 VT であり しかも電気 を認識する中で 心停止の予防と心停止からの回帰を図 ショック 除細動 により回復できる可能性が高いから る方法が学習される 心停止を来たす病態を学び心停止 である 大血管で脈が触れない無脈性 VT は 治療の適切なアルゴリズムを示す 図 8 アルゴリズ VF と同等な病態として扱われその治療方法も同様であ ムは蘇生行為を迷うことなく確実に行うための手順をエ る したがって 心停止リズムはショックが有効な VF/ 図8 心停止へのアルゴリズム 反応なし 無脈性心停止 CPR 30:2 除細動器 / 心電図装着 VT VF ショックを行う 二相性 120~200J 単相性 360J ただちに CPR を再開 ショック適応 不要 ショックの適応か CPR5 サイクル 2 分 実施 心リズムをチェック ショックの適応か CPR5 サイクル実施 CPR5 サイクル 2 分 実施 心リズムをチェック ショックの適応か いいえ 電気活動あれば脈拍チェック 脈拍触知良好なら 蘇生後ケアへ いいえ 心リズムをチェック ショックの適応か 適応 ショックを行う ただちに CPR を再開 抗不整脈薬を考慮 iv/io アミオダロン初回 150~300mg 追加 150mg リドカイン初回 1 1.5mg/kg 追加 mg/kg 最大 3mg/kg ニフェカラント mg/kg 低 Mg 血症が疑われる場合 マグネシウム 1 2g 適応 CPR5 サイクル実施 心リズムをチェック ショックの適応か 1374 ただちに CPR を再開 5 サイクル 2 分 高度な気道確保を考慮 末梢静脈路を確保し薬剤投与 アドレナリン 1mg 3 5 分おき 徐脈性 PEA 心静止に対して アトロピン 1mg 3 5 分おき 3mg まで いいえ 適応 ショックを行う ただちに CPR を再開 末梢静脈路を確保し薬剤投与 アドレナリン 1mg 3 5 分おき 心静止 PEA 適応 VT VFへ 原因を検索し治療する 6H6T 他 循環血液量減少 hypovolemia 低酸素血症 hypoxia 低 高カリウム hypo/hyperkalemia アシドーシス hydrogen ion 低体温 hypothermia 低血糖 hypoglycemia 緊張性気胸 tension pneumothorax 心タンポナーデ tamponade 毒物 toxins 血栓症 冠 肺動脈 thrombosis 外傷 trauma 心不全 大動脈解離 心筋炎等

15 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 無脈性 VTか無効あるいは不適なPEA/ 心静止の2つに大別することが臨床上有用である. またPEA や心静止は多くの場合, 発生から長く時間が経過した VF の結果であることを理解しておくことは重要である 25),40)-42). 3 VF/ 無脈性 VT への対応 VF/ 無脈性 VTによるcollapse( 卒倒 ) 患者の蘇生行為のアウトカムはCPR の質の高さと電気ショックの早さにより左右される.VF 発生 5 分以内に電気ショックが実施された場合は, 除細動効率が高く, 脳神経障害を残さず蘇生される可能性が期待される 43),44). 一次救命処置 (BLS) にて既述されているように, 目撃されたcollaps 傷病者において,AED が電気ショックの適応があると判定された場合あるいはモニター付き除細動器にてVF/ 無脈性 VTが確認された場合にはただちに電気ショックを実行し (shock first), 引き続いて速やかにCPR を再開する. しかし, 倒れていた傷病者を発見したような場合は既に数分間以上経過していることが予想されるため, まず2 分間 ( あるいは5サイクル ) のCPR を行い冠循環, 脳循環をサポートし, 除細動のチャンスを高めてからショックを行う方法が推奨される (CPR first) 44),45). 1 質の高い (high quality)cpr 質の高いCPR の基本は,⑴ 適切な速さ (push fast), 強さ (push hard) と十分な戻し (full recoil) からなる胸骨圧迫と⑵ 過換気回避を主眼とする気道呼吸管理である 44),45). 胸骨圧迫における問題は実施者の疲労である. 実施者の疲労は適正な胸骨圧迫継続を困難なものとし,CPR の質の低下をもたらす. このため複数の救護者がいる場合には CPR の質を保つため胸骨圧迫 (1 分間 100 回のペース ) と呼吸管理 (30 回の胸骨圧迫に対して1 回 1 秒,2 回の補助呼吸 ) は2 分間あるいは5 サイクルごとに交代する.Collapse 患者の救命率は秒分単位で低下するため, 気管内挿管等の高度な気道確保を実施する際にも胸骨圧迫を10 秒以上中断することがあってはならない. 気管内挿管を試みる際は胸骨圧迫が挿管手技の妨げとなりやすく, 胸骨圧迫の中断あるいは不十分な胸骨圧迫が余儀なくされるためバッグバルブマスク (BVM) 換気で胸郭挙上が十分であるなら高度な気道確保に時間を割くことはせずBVM 換気を継続すべきである.BVM での換気が不十分か安定しない場合には, 気管内挿管よりも気道補助器具 ( 口咽頭エアウェイ, 鼻咽頭エアウェイ ) の使用が簡単で推奨される. 口咽頭エアウェイは咳 咽頭反射がない意識不明患者に限って使用し, 口角から 下顎角に届く長さを選ぶ. 鼻咽頭エアウェイは気道閉塞状態あるいはその危険性が高い患者において意識があり咽頭反射が残っている患者に用い, 鼻腔から耳朶に届く長さが必要である. 2 電気ショック ( 除細動 ) VF/ 無脈性 VTに対してはVF 停止に有効性が明からなエネルギー量での電気ショックを実施する. 除細動器には一方向にしか電流が流れない単相性と当初プラス側に流れその後マイナス側に電流の方向が変化する二相性がある. 二相性除細動器 ( 単相減衰正弦性波形 ) の場合, 推奨されるエネルギー量 (120~200J) での 1 回目の電気ショックで除細動が成功する割合は 86~ 98% であり, 単相性波形の場合の成功率は200J では 77~91% と報告される 46)-49). ともに有用性が認められているが単相性の初回ショックの効果は二相性のそれに劣る. 単相性波形での成効率が低いことから, 単相性除細動器を用いるならすべての電気ショックのエネルギー量は360J で行う. 二相性除細動器の場合は 120~200J( 有効エネルギーが不明の場合は200J) で電気ショックを実施し,2 回目以降ショックが必要な場合は初回と同等かそれ以上のエネルギーで電気ショックを実施することが推奨されている 46),50),51). 電気ショック後のリズムが何であれ, それが十分に生体の循環を支えるほどのものではなく, 電気ショック後の脈 心電図の確認は胸骨圧迫の中断という不利益こそあれメリットはないことから, 電気ショック後は常にただちに2 分間 (5サイクル)CPR を再開する 48). 3 心停止時の薬剤投与経路と方法心停止では循環停止状態である. 末梢が確保された場合, 血管収縮薬や抗不整脈薬等が効果を発揮するためには薬剤は1 回急速 ( ボーラス ) 静注し, 点滴用補液 20mLでボーラス後押し注入する. また注入後は静注に使用した血管が存在する四肢を 10~20 秒間挙上する必要がある. なお, 末梢静脈が確保されない場合は骨髄路が推奨されるがこれも困難な場合, 効果は未確認だが気管内投与も考慮する. 4VF/ 無脈性 VTのアルゴリズム ⑴ 心リズムをチェックしVF/ 無脈性 VTの場合は電気ショックの適応となりショックを1 回行う. 電気ショック後はただちにCPR を再開し, 脈の確認やモニターでの心電図評価でCPR の再開を遅らせてはならない ( 胸骨圧迫の中断は10 秒未満 ). 1375

16 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) ⑵ CPR を2 分間 ( およそ5サイクル ) 行った後に, 再度, 心リズムをチェックする.VF/ 無脈性 VTが継続していた場合は,2 回目の電気ショックを行い, ショック後はただちにCPR を再開する. ヒトの心停止の蘇生行為においては血管収縮薬, 抗不整脈薬いずれの薬剤もCPR に勝るエビデンスを持たず, VF でのショック治療を除いて, 心停止リズムでは質の高いCPR に勝る治療法はないと言える. ⑶ 次のリズムチェックまでの間に, 静脈路を確保し, アドレナリン ( エピネフリン )1mgの静脈内あるいは骨髄内投与を行う. 我が国では保険適用外だが, バソプレシン40 単位でもよい. 以後, エピネフリンは3~5 分ごとに反復試行する. ⑷ 抗不整脈薬の考慮 ; 血管収縮薬投与を含む2 分間 CPR にてもVF が持続する場合, 次の電気ショックの後には抗不整脈薬 ( アミオダロン, リドカイン, ニフェカラント, 硫酸マグネシシウム ) を考慮する. アミオダロンアミオダロンは,VF/ 無脈性 VTによる心停止に対して, プラセボおよびリドカインと比較して入院生存率を改善させる. 初回 150~300mgを静脈路 / 骨髄路からボーラス投与する. その後もVF 持続する場合,2 度目は追加 150mgを1 回だけ3 ~5 分間かけて追加投与, さらにVF が持続する場合は維持療法としての使用方法にしたがって持続点滴, 極量 2.2g/ 日である ( 注記 ; 静注用アミオダロンは我が国においては心停止に対してはオフラベルである. 使用量, 投与方法については AHA のガイドラインの推奨およびVTに対する我が国の用量を勘案した. 我が国でのデータを蓄積し検証する必要がある ). リドカイン VF/ 無脈性 VTに対するリドカインの有効性もしくは有害性のエビデンスはない. 初回 1 ~1.5mg/ 体重を静脈路 / 骨髄路から投与する. その後, 必要に応じて,5~10 分間隔で初回の半分量を投与, 極量は計 3 回の投薬または総量 3mg/ 体重. 硫酸マグネシウム無脈性 VTが多形性で, 非発作時心電図にてQT 延長が確認できた場合はTorsade des pointes と考えられる. 治療の第一はショックであるが, その後の再発予防として硫酸マグネシウム1~2gを5 % グルコース10mLに希釈して5~20 分程度かけて静脈路 / 骨髄路投与する. 塩酸ニフェカラント VF/ 無脈性 VTには0.1~0.3mg/kgを5 分間かけて緩徐に静注後,VF 持続なら電気ショックを行う. 追加する場合は同量を同様に投与する. 無脈性 VTの場合は心電図波形に注意し使用. 効果が認められた場合 0.15~0.4mg/kg/hでその後持続点滴, 血中濃度の急激な上昇により過度のQT 時間の延長, 心拍数の低下又は洞停止, 心室頻拍 (Torsade des pointes を含む ), 心室細動等の催不整脈作用発現の可能性がある.QT600ms 以上の延長があれば中止する. アミオダロンあるいはリドカインの代替えとして我が国のみ使用 52),53). 今後使用経験を重ねて日本発のエビデンスとして発信する必要があろう. ⑸ 心リズムチェックで心静止 /PEAを認めた際には, 後述のアルゴリズムに移動する. 脈拍を良好に触知する場合は, 蘇生後ケアを開始する. 4 PEA 心静止 PEA は, 心臓の電気活動は認められるが脈拍が触れない状態と定義される. 心臓が, 電気的活動はしているが脈拍を生み出すほどの機械的収縮ができていない状態である. 心電図上で波形 ( 電気活動 ) は認められても脈拍が触れない状態であったり, 心エコー上左室収縮はわずかに認められるが動脈圧モニター上圧波形を生じない状態が存在することが研究によって確認されている. 心室細動や無脈性心室頻拍は除外される. この状態には, 偽性電気収縮解離や除細動後心室固有調律等が含まれる. 心静止は, 心臓が電気的にしたがって機械的にも活動を停止している状態である. PEA と心静止は, 疾患ではなく症候である. これらの心リズムを生じる様々な原因疾患が存在する. 救命できる可能性のある疾患には, 循環血液量減少 hypovolemia, 低酸素血症 hypoxia, 低 高カリウム血症 hypo/hyperkalemia, アシドーシスhydrogen ion, 低体温 hypothermia, 低血糖 hypoglycemia, 緊張性気胸 tension pneumothorax, 心タンポナーデtamponade, 毒物 toxins, 血栓症 ( 冠, 肺動脈 )thrombosis, 外傷 traumaがあり, 記憶する方法として英語表記の頭文字から6H6Tとされる. これらの心リズムは, その原因疾患が何であれ人が死に至る時の 状態 といえる. これらの心リズムによる心停止の場合, その原因疾患が治療可能である場合に蘇生が可能となる. しかし, 心静止の場合, これまでのところその生存率は極めて低い. 1376

17 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 5 PEA と心静止に対するアルゴリズム PEA と心静止に対する蘇生法はほぼ同様である ( 図 8). これらの心停止リズムに対する蘇生法は, 質の高いCPR, 高度な気道確保, 薬剤投与である. ⑴ 蘇生法の中心は, やはり胸骨圧迫の中断を最小限にした質の高いCPR である. 心停止を確認したらただちにCPR を開始する. この2つの心停止リズムに対する電気的除細動は必要ない. ⑵ トレーニングを積んだ救助者がいれば, 早期に高度な気道確保を行うべきである. 高度な気道確保 ( 気管内挿管, コンビチューブ, ラリンギアルマスク ) を施行するときも胸骨圧迫の中断は最小限にすべきであり, それ以外では静脈路確保も含めて他の手技を行うことによる胸骨圧迫の中断は避けなければならない. いったん高度な気道確保がなされれば, 二人法 CPR では人工呼吸と胸骨圧迫は非同期で行う. 胸骨圧迫は100 回 / 分のテンポで絶え間なく続け, 人工呼吸は8~10 回 / 分で換気を行う.2 分おきに心電図モニターでリズムと必要に応じて脈拍も確認し, 疲労による胸骨圧迫の質の低下を避けるため人工呼吸と胸骨圧迫の役割を交代する. ⑶ 末梢静脈路を確保し, 薬剤の投与を行う. 静脈路への輸液は全開で滴下する.PEA と心静止に対して使用される薬剤は, 基本的には以下の2 種類である. 薬剤投与のために胸骨圧迫を中止してはならない. アドレナリン ( エピネフリン ) 心リズムがPEA または心静止であることが確認できたら可能な限り早期にアドレナリン ( エピネフリン ) を投与する. 投与法は, 一回 1mgを静注ボーラス投与し, 以後心停止が持続している間は約 3~5 分間隔で投与を続ける. 欧米の研究ではバゾプレシンもアドレナリン ( エピネフリン ) の代替え薬として推奨されているが, 我が国では保険適用外である. アトロピン徐拍性 PEA や心静止であれば, アトロピンも考慮される. アトロピンは, 一回 1mgを静注ボーラス投与する. 以後,3 ~5 分おきに総投与量 3mgもしくは最高 3 回まで反復投与できる. アトロピンも心リズムをチェック後, 必要と判断すれば早期に投与する. これまでのところ血管収縮薬が, 心停止後の神経学的障害を残さない生存退院率を改善したエビデンスは存在 しない. しかし, 心停止後の早期使用が自己心拍再開率を改善するエビデンスはある.PEA に対してアドレナリン ( エピネフリン ) とバゾプレシンのどちらかが優れているというエビデンスはない. 心静止に関して, 前向き大規模試験のpost-hoc 解析でアドレナリン ( エピネフリン ) に対してバゾプレシンの方で生存率が高いことが示されたが, 神経学的障害を残さない生存に関しては両者に差はなかった 54). 徐脈性 PEA や心静止に対するアトロピンの使用を支持する前向き比較対象試験はこれまでのところ存在しない. 生存入院率の改善がみとめられた後ろ向き試験 55) や, 心静止から洞調律への復帰を認めた症例集積研究 56) は存在する. アトロピンが有害であるとする文献は少なくその質も低い. アトロピンは,3mg の投与で人の迷走神経は100% 遮断される. ⑷ CPR5 サイクルまたは2 分ごとに心リズムをチェックする. 波形が変化しないもしくは心静止であれば,CPR と薬剤投与を継続する. 心リズムが自己心拍再開を示唆する波形に変化したときは脈拍の確認を行う. 脈拍が触れなければ ( もしくは触れることに自信がなければ ), ただちにCPR を続行する. 脈拍がよく触れるようになれば, 蘇生後ケアを行う. ⑸ 上記の蘇生法を行いながら, できるだけ早期に心停止を起こした原因を突き止め, それに対する特異的な治療を開始する. 繰り返すが, これらの心停止リズムに対しては, その原因に対する治療が行われて初めて蘇生に成功する可能性があることを忘れてはならない. ⑹ 予後の改善に対してエビデンスによる支持がない治療法 1) 心静止に対するペーシングいくつかの無作為化比較対照試験において, 心静止に対するペーシングの有効性は認められなかった 57)-59). 2) 炭酸水素ナトリウム緩衝液による心停止の予後改善を支持するデータはほとんどない. 細胞外アルカローシスと細胞内アシドーシス 60) を引き起こす可能性がある. 蘇生中に投与されたカテコールアミンを不活化する可能性がある. 炭酸水素ナトリウムは, 心停止患者の第一選択薬としては推奨されない. 特殊な状況 ( 代謝性アシドーシス, 高カリウム血症, 三環系抗うつ薬過量 ) による心停止に対して有益なことがある. 投与時の初回投与量は,1mEq/kgである. 3) ノルアドレナリン心停止に関するノルアドレナリンの研究は限られ 1377

18 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 ている 人を対象にした唯一の前向き比較対象研 院する急性心血管疾患 14,474 例のうち ACS は 59.0 を 究で標準量のエピネフリンと高用量ノルアドレナ 占める なお急性大動脈解離 急性心筋梗塞 AMI リンの比較においてノルアドレナリンの有益性は 急性肺塞栓は各々 であった 一方 東京消 示されず 神経学的予後は悪化する傾向が認めら 防庁による胸痛患者の救急搬送は 8,051 例のうち重症 れた 61 心停止に対するノルアドレナリンの使用 は現時点では推奨されない アウトカムへの寄与 6 生存退院に及ぼす因子について Stiell が年齢と 4 つ の救命の輪の影響を検討した研究がある 62 この中で最 も影響を与えたのは 早期通報 オッズ 4.4 bystander CPR オッズ 3.7 早期除細動 オッズ 3.4 であり 重篤が 29.9 中等症が 46.5 であった 63 つまり胸痛 を訴える救急搬送患者の約 1/3 は緊急で入院を要し 残 る患者のさらに約 2/3 は中等症以上で循環器的専門診療 や入院観察を要する 2 胸背部痛の診療 ①治療方針の早期確立 2000 年のガイドラインによる ACLS はオッズ 1.1 に留ま ACS/AMI の疑われる患者への救急部門での診療は った 専門医による救命率向上やより良い身体状態での 早期から専門医と協力して行うことが必要である 退院というアウトカムには市民参加が必須であることを STEMI のプライマリー PCI までの door-balloon time 示すものであると同時に 今後 ACLS がどのようにア 90 分以内 線溶療法までの door-needle time 30 分 ウトカムに貢献したかのエビデンスの集積が必要であ 以内を実現することを念頭におき 救急部門での治療 る 方針決定は 10 分以内に行う 64 ②鑑別診断 Ⅳ 症候からみた心血管救急 不安定狭心症 UA の症状は短時間のことが多く 症状が消失してから来院する場合も多い 病歴のみで 入院適応を判断する場合もあり 正確な問診が重要で 1 胸背部痛 ある 表 2 ACS の特徴は 胸骨下の広い範囲に数 分の鈍痛または圧迫感を生じることであるが より強 い痛みや焼灼感を自覚することがある 逆に痛みが ① CCU に入院する急性心血管疾患のうち急性冠症 候群 ACS が約 6 割を占める 救急搬送された 胸痛患者の 1/3 は緊急入院している ② ST 上昇型急性心筋梗塞 STEMI のプライマリ ー PCI までの door-balloon time 90 分以内を念 頭におき 救急部門での治療方針決定は 10 分以 内に行う ③ 鑑別診断に正確な問診が重要である 痛みの部位 性状 時間 誘引と消失のほかに虚血性心疾患の 既往や随伴症状に留意する ④ 12 誘導心電図 心臓生化学マーカー 心エコー CT 等で診断するとともに初期治療を開始する 1 循環器救急における胸背部痛の意義 米国では毎年 30 万人が 日本では毎年 6 万人が心臓 突然死すると報告され その最大の原因が急性冠症候群 ACS であり内科的救急疾患における胸痛患者の診療 は極めて意味が大きい 東京都の 62 CCU 施設に緊急入 秒までと短時間であったり 性状が鋭い場合 触 診で再現される場合 吸気や咳で増悪する場合は そ の可能性は低い 痛みの部位は 心か部 頚部 背部 等様々で 左肩 左頚部 下顎 歯肉に放散すること や 時に放散痛のみのこともある ニトログリセリン NTG がどれだけの時間で効果を発したかも重要な ポイントである また 患者が痛みを訴える際の手の 動きにも注目する 心臓が原因の患者では前胸部正中 にこぶしを握ったり 胸の中心に平手を置いたり 両 手を胸の中心から外側に移動させることが多い 胸痛 と背部痛を生じる疾患を表 1 2 に示す 虚血性心疾 患の既往 年齢 60 歳 冠危険因子の合併 末梢動 脈硬化病変の合併では ACS を強く疑う また 息切れ 冷や汗 悪心 めまい等が 15 分以上続く場合は AMI の発症を強く疑う 意識障害 心不全や一過性の僧帽 弁閉鎖不全症等を伴う場合も同様である ③初期診断 図 9 来院後ただちに 12 誘導心電図を記録する 12 誘導心

19 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表2 胸痛持続 冠動脈疾患 労作性狭心症 冠攣縮性狭心症 急性冠症候群 心筋疾患 急性心筋炎 肥大型心筋症 急性心外膜炎 急性大動脈解離 弁膜症 大動脈弁狭窄症 僧帽弁逸脱症 肺疾患 胸膜炎 気胸 肺炎 肺塞栓症 消化器疾患 食道炎 痙攣 アニサキス症 その他 肋間神経痛 肋軟骨炎 心臓神経症 胸痛の鑑別 誘因 改善法 その他 数分 15 分 数分 15 分 数分 数時間 労作 興奮 前夜飲酒 寒冷 安静 NTG NTG 閾値が一定 夜間から早朝に多い ECG 逸脱酵素 心エコー 数時間 不定 数時間以上 数時間以上 感染先行 薬剤 労作ストレス 感染先行 高血圧合併 経時的 不定 鎮痛剤 降圧 発熱 CPK MRI で遅延染影 心音異常 心肥大 吸気増強 マサツ音 ST 上昇 心嚢液 血圧左右差 縦隔拡大 炎症反応 CT 像 数分 不定 労作 努責 不定 安静 経時的 心雑音 遅脈 心エコー 心雑音 心エコー 不定 数時間以上 数時間以上 数時間以上 呼吸 咳 呼吸 咳 呼吸 咳 不定 鎮痛剤 鎮痛剤 鎮痛剤 経時的 胸膜マサツ音 胸部 X 線 炎症反応 呼吸音や胸郭上昇の左右さ 胸部 X 線 発熱 炎症反応 胸部 X 線 頻脈 D ダイマー 酸素飽和度 心電図 心エコー 数分 数時間 数時間 前屈 ストレス 臥位 飲水 制酸剤 鮮魚摂食 ときに NTG ECG 変化なし ときに T 波変化 胃カメラ 不定 不定 不定 体動 圧迫 体動 圧迫 不定 圧痛 帯状疱疹 若年 胸肋関節圧痛 飲水や NTG 無効 鎮痛剤 鎮痛剤 経時的 電図は STEMI の診断に感度は比較的低いが特異度は 縮低下 遅延 のみならず 大動脈 右室壁の形態 高い 心電図を 3 型に分類する 65 弁膜症 心内圧等をみる 壁運動の評価の際には心 ⑴ ST 上昇 1mm が隣接 2 誘導以上 または新規左 尖部を見落とさない 急性大動脈解離や肺梗塞の疑 いがある場合は 単純ならびに造影 CT を行う 脚ブロック LBBB パターン STEMI 禁忌のな い限り緊急 PCI の適応と考える 虚血性 ST 低下 0.5mm 経時的 T 波陰転 UA/ ⑵ ④初期治療 NSTEMI 原則は CCU にて管理し ただちに抗 診断を進めながら初期治療を開始する 胸痛患者には 血小板 抗凝固療法を開始し早期の冠動脈造影へと 心電図モニター 酸素吸入 静脈ライン確保 経皮酸 進む 素飽和度測定を行う ACS と診断された場合は ア ⑶ 正常または非診断的 ST-T 変化 低 中リスクと スピリン噛み砕き投与 クロピドグレルのローディン 考えられ 24 時間の観察を行い 心臓生化学マー グ ニトログリセリン舌下 ヘパリン静注等を行う カー等で診断を進める Ⅵ 急性冠症候群へ ⑷ 救急診療担当医は ACS の疑われる患者のすべて に心臓生化学マーカー CK CK-MB ミオグロビ 2 呼吸困難 ン トロポニン I トロポニン T 等 を測定すべき である 同時に D ダイマーや炎症反応ただし治療方 針決定と再灌流治療への進展は生化学マーカーの結 果を待ってはならない 経時的な測定や多種マーカ ー測定が診断の感度を高めるが 初期 4 時間を過ぎ て陽性化するため 4 6 時間の評価は心筋壊死を否 定する感度をもたず 陰性の場合は時間をおき再測 定を行う さらに心エコー検査を行い壁運動異常 収 ① 呼吸に際し努力と困難を自覚する不快感を表す症 状の総称が 呼吸困難 であり 動脈血酸素濃度 低下 動脈血 ph の低下 肺うっ血 交感神経系 亢 進 気 道 閉 塞 換 気 調 節 に よ っ て VE/VCO2 slope が急峻化 呼吸中枢化学受容体の PCO2 に対 する感受性の亢進 した状態である 1379

20 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図9 胸背部痛診断のアルゴリズム 胸部圧迫感 絞扼感 不快感 虚血を示唆する症状 病院救急部門での一般的治療を開始 O2 投与開始 酸素飽和度 90 以上維持 硝酸薬舌下 スプレーまたは静注 硝酸薬が無効ならモルヒネを使用 持続的背部痛 背へ抜ける胸痛 判定困難な 胸背部痛痛 病院救急部門での評価 10 分以内 バイタルサイン 酸素飽和度の評価 心筋障害マーカー 電解質 血算 生化学の測定 末梢静脈路を確保 院内プロトコールに基づき循環器医に連絡 12 誘導心電図を記録し評価 ポータブル胸部 X 線写真 30 分以内 ポイントを絞った病歴聴取と診察 12 誘導心電図 ST 上昇または新規脚ブロック 心筋障害を強く示唆 ST 低下または T 波の陰転 心筋虚血を示唆 正常または判定困難な ST-T 変化 STEMI UA/NSTEMI 中 低リスクの UA 他疾患 血液ガス D-dimer 等付加検査 造影 CT 救急部門にての緊急心エコー評価 循環器医による緊急 PCI PCI 遅れは線溶療法考慮 循環器医による CCU 準じる モニタ可能病室管理 適応に従い付加治療 ヘパリン NTG β遮断薬 適応に従い付加治療 ヘパリン NTG β遮断薬 循環器医連携し胸痛 観察プロトコール 6 24 時間経過観察 大動脈解離 急性肺塞栓 気胸 その他 心電図モニター 心筋障害マーカー 線溶療法チェックリストにて 適応と禁忌の判断 ② 1 その発症様式 症状 検査から原因を鑑別する 定義 呼吸に際し努力と困難を自覚する不快感を表す症状の ある 突発性に起こる呼吸困難では 発語障害があれば 気道内異物を考える 完全な気道閉塞の場合 話すこと も咳き込むこともできなくなり 胸部 上腹部に動きが なく 患者の口と鼻で気流が感じられない 発語障害を 総称が 呼吸困難 である 息切れ 息苦しさ 十 伴わず肺呼吸音で左右差を認めた場合には気胸を疑う 分呼吸できない苦しさ 等と表現されることが多い 呼 緊張性気胸の場合には 血圧低下 チアノーゼ 患側の 吸困難は 動脈血酸素濃度低下 動脈血 ph の低下 肺 頚静脈怒張等を認める うっ血 交感神経系亢進 気道閉塞 換気調節によって 肺血栓塞栓症では 呼吸困難の発症と低酸素血症 頻 VE/VCO2 slope が急峻化 呼吸中枢化学受容体の PCO2 脈 第Ⅱ音肺動脈成分亢進 肺高血圧が特徴的であるが に対する感受性の亢進 して発症し 換気亢進 すなわ 重篤な例ではショックや突然死に至る場合もあり 早期 ち息切れに関連する 呼吸困難を生じる代表的な原因疾 診断と初期治療が急務とされる 患の鑑別をあげる 2 呼吸困難の鑑別のフローチャート 図 10 急性の場合は 今まで正常であったものが急激に呼吸 困難に陥るもので 発作性に発症し 喘鳴や連続性ラ音 1380 を聴取するものでは 気管支喘息 慢性閉塞性肺疾患が 急性心不全では 起座呼吸 喘鳴 泡沫痰を生じるこ とがある 湿性ラ音を聴取し 胸部 X 線で肺うっ血を認 める 典型的な急性心不全は 急性心筋梗塞 急性心筋 炎 急性弁機能不全 急性僧帽弁逆流 急性大動脈弁逆流 等によるものであり 肺うっ血 心拍出量低下を来たし 重篤な場合には急性肺水腫 心原性ショックに陥る

21 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 10 発作性 急性呼吸不全 呼吸困難の鑑別 乾性ラ音 気管支喘息 慢性閉塞性肺疾患 発語障害 気道内異物 発症は はい 突発性 呼吸困難は 急性か 胸痛 いいえ 呼吸音左右差 胸部X線 気胸 血液ガス 胸部X線 心電図 心エコー 肺血栓塞栓 手足のしびれ 呼吸性アルカローシス 過換気症候群 意識障害 神経所見 脳血管障害 呼吸音左右差 胸部X線 気胸 起座呼吸 肺うっ血 胸部X線 心電図 急性左心不全 心筋梗塞 起座呼吸 湿性ラ音 心拡大 静脈圧 うっ血性心不全 意識障害 高血糖 アシドーシス 糖尿病性昏睡 咳 痰 肺機能検査 胸部X線 慢性気管支炎 肺気腫 肺線維症 チアノーゼ 心雑音 心エコー 左右短絡 先天性心疾患 めまい 血液検査 貧血 慢性呼吸不全 糖尿病性昏睡では 高血糖とアシドーシスを生じ 呼 に BLS を開始する 発症状況等の問診 理学所 吸が促迫する 見と各種検査により診断する 慢性の呼吸不全の原因として 慢性心不全 慢性閉塞 性肺疾患 肺線維症 貧血 胸郭変形等がある チアノ 定義 ーゼを認めるときには 右左シャントを疑い心臓エコー 1 検査を行う 脳 上行性網様体賦活系と視床下部調節系 の機能が 3 意識障害 障害されると 意識のレベルは消失または低下する 循 環器救急における意識障害は 脳への血流量の低下ない し 消 失 に よ り 生 じ 重 症 不 整 脈 に よ る 場 合 Adams- ① 脳 上行性網様体賦活系と視床下部調節系 の機 能が障害されると 意識のレベルは消失または低 下する ② 循環器救急の立場からは 意識障害の機序を循環 障害 脳障害性 それ以外に大別することが有用 である 意識消失が一過性の場合はめまいや失神 となる ③ 意識障害の定量的診断は Japan Coma Scale や Glasgow Coma Scale が用いられる 意識障害に 加え 呼吸や心停止の有無を伴っていればただち Stokes 発作として知られている 2 鑑別 循環器救急の立場からは 意識障害の機序を表 3 に示 すように 循環障害 心臓性 脳障害性 それ以外に 大別することが有用である 循環器疾患による意識障害 は ショック等循環虚脱または重症不整脈の発症に伴い 急激に発症する場合が多く 胸痛や呼吸困難等の症状を 伴うことが多い 心室細動や心室頻拍 レートの早い上室性頻拍 10 数秒を超える心静止では Adams-StoKes 発作を生じる 1381

22 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 表 3 意識障害の鑑別 A 循環障害 ( 心臓 / 大血管由来 ) 不整脈 : 心室細動, 心室頻拍, 房室ブロック, 洞不全症候群急性冠症候群大血管疾患 : 急性大動脈解離, 動脈瘤破裂心タンポナーデ急性肺塞栓高血圧性脳症神経血管反射性 B 脳障害 脳血管障害脳出血, 脳梗塞, クモ膜下出血, 硬膜下血腫, 硬膜外血腫 てんかん, 炎症性脳炎, 髄膜炎, 脳腫瘍 C 肺換気障害 急性左心不全, 気胸, 重症喘息, 肺気腫, 肺線維症等, 気道閉塞溺水 D その他 重症貧血, 内分泌代謝障害血糖異常 : 低血糖 / 糖尿病性昏睡アルコール, 薬剤中毒 頻脈では動悸が先行する場合もあるが, しばしば突然意識消失する. 意識消失が一過性で, 失神やめまいとして認められることもある. 意識障害としては比較的軽度とみなされるが, 予後の点から重要である ( 表 4). 脳障害では, 意識が高度に低下しても血行動態は保たれていることが多い. 麻痺等の神経症状がみられれば診断は容易となる. 脳梗塞が疑われる場合, 一刻も早い専門施設での処置が望まれる. 気道閉塞や重症の換気障害でも意識は低下し消失する. 重症の肺線維症等ではCO 2 の蓄積のためナルコーシスに陥る. その他に重症貧血, 低血糖あるいは糖尿病性ケトアシドーシス, その他の代謝異常, 薬剤やアルコールによる中毒でも意識障害を来たす. これらによる意識障害の発症時には血行動態は保たれていることが多い. 3 診断 意識障害の定量的診断には,Glasgow Coma Scale (GCS) と日本の3-3-9 度方式によるJapan Coma Scale (JCS) がある ( 表 5,6). 発見者, 救急隊員あるいは家族等の同行者から, 発症状況, 病歴, 飲酒, 服薬状況等を確認し, 胸痛や呼吸困難の有無も確認する. 意識障害に加え, 呼吸や心停止の有無を確認し, これらを伴っていればただちに BLSを開始する. その他バイタルサイン, 心臓および肺の聴診所見, 浮腫やチアノーゼ, 末梢血管の状態等すばやく全身を評価する. 次に心電図, 胸部 X 線, 血糖, 電解質, 血液ガスを含む血液検査, 心エコー,CT 等を行う. 表 4 心肺由来の失神の原因 A 解剖学的心臓弁狭窄症, 大動脈解離, 粘液腫, 心タンポナーデ閉塞型肥大型心筋症, 心筋梗塞, 冠攣縮肺疾患肺梗塞, 肺高血圧 B 不整脈徐脈洞不全症候群, 房室ブロック頻脈上室性頻拍, 心室頻拍,QT 延長症候群,Brugada 症候群, カテコラミン誘発性多形性心室頻拍 表 5 意識障害の分類 JCS (Japan coma scale) Ⅰ. 刺激しないでも覚醒している状態 (1 桁で表現 ) (delirium, confusion, senselessness) 1. だいたい意識清明だが, 今ひとつはっきりしない 2. 見当識障害がある 3. 自分の名前, 生年月日が言えない Ⅱ. 刺激すると覚醒する状態ー刺激をやめると眠り込む (2 桁で表現 ) (stupor, lethargy, hypersomnia, somnolence, drowsiness) 10. 普通の呼びかけで容易に開眼する合目的な運動 ( 例えば右手を握れ, 離せ ) をするし, 言葉も出るが, 間違いが多い 20. 大きな声または体をゆさぶることにより開眼する簡単な命令に応ずる ( 例えば握手 ) 30. 痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する Ⅲ. 刺激をしても覚醒しない状態 (3 桁で表現 ) (deep coma, coma, semicoma) 100. 痛み刺激に対し, 払いのけるような動作をする 200. 痛み刺激で少し手足を動かしたり, 顔をしかめる 300. 痛み刺激に反応しない 上記に加えてあばれているとき (restlessness)r 尿, 便失禁しているとき (incontinence)i 自発性がないとき (akinetic mutisum, apallic state)a などをそれぞれつける. 1382

23 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表6 反応 開眼 言語反応 運動反応 痛み刺激に対して 意識障害の分類 成人 自発的 呼びかけで 痛み刺激で 無反応 見当識良好 会話混乱 言語混乱 意味不明の発音 無反応 命令に従う 疼痛部認識が可能 屈曲逃避 異常な四肢屈曲反応 四肢伸展反応 無反応 Glasgow Coma Scale (GCS) 小児 自発的 呼びかけで 痛み刺激で 無反応 見当識良好 会話混乱 言語混乱 意味不明の発語 無反応 命令に従う 疼痛部認識が可能 屈曲逃避 四肢屈曲反応あり 四肢伸展反応 無反応 乳児 自発的 呼びかけで 痛み刺激で 無反応 適切喃語 易刺激性 啼泣 痛み刺激で啼泣 痛み刺激でうなるもしくは発音 無反応 自発的運動 触ると手足を引く 屈曲逃避 徐脳肢位 屈曲 徐脳肢位 伸展肢位 無反応 点数 軽度の意識障害 GCS 中等度の意識障害 GCS 9 12 高度の意識障害 GCS ショック 1 定義 生体の循環調節系が最大限に反応するにもかかわら ① ショックとは 生体の循環調節系が最大限に反応 するにもかかわらず 臓器 組織の機能や構造を 維持するために必要な酸素とエネルギー基質の供 給が急激に破綻した急性循環不全の病態であり 放置すると死に至る臨床症候群である ② ショックは ⑴血管抵抗低下性 ⑵不整脈性 心 拍数の異常 ⑶左心不全性 左室ポンプ不全 ⑷循環血液量減少性および⑸右室過負荷性 右室 ポンプ不全 の 5 型に分類される 図 11 ③ ショックのプライマリ ケアは ⑴まず声かけを しながら外見を観察しショックの有無を評価する 所要時間 来院から 1 分以内 ⑵ショックまた はショック前状態と推定したならば 患者に最も 楽な姿勢を保持しながら高濃度酸素の投与を指示 する 所要時間 来院から 2 分以内 ⑶バイタ ルサインのチェックと爪床圧迫テストを実施 所 要時間 来院から 5 分以内 ショック 5 型と循環 虚脱の 3 病態 容量 ポンプ 心拍数 を判断の ため ベッド サイドでの検査を進める 所要時 間 来院から 10 分以内 ⑷体位を管理しながら 血圧の安定化をはかる 所要時間 来院から 15 分以内 引き続きショックの原因疾患に対する 緊急治療専門治療を開始する ず 臓器 組織の機能や構造を維持するために必要な酸 素とエネルギー基質の供給が急激に破綻した急性循環不 全の病態であり 放置すると死に至る臨床症候群である 2 分類 66 ショックは 5 型に分類される 図 11 血圧はシ ョックに陥っているかの判断に必須である この血圧は 全末梢血管抵抗 SVR と心拍出量 CO の積で構成 されている したがって血圧の低下 ショック は ⑴ 血管抵抗が低下した血管原性ショックと心拍出量の減少 に大別される 心拍出量は 左室一回拍出量 LVSV と心拍数 HR の積で構成されている したがって 心拍出量の減少は ⑵心拍数の異常 重症不整脈 と LVSV の減少に 2 分される 左室一回拍出量の主要規定 因子は 左室心筋収縮能と左室拡張末期容量 LVEDV である つまり 左室一回拍出量の減少は ⑶左室心筋 収縮能が低下し左室拡張末期容量が増大した左心不全性 と右室拍出量が低下し左室拡張末期容量が減少したショ ックに 2 分される さらに左室拡張末期容量の減少は ⑷体循環系の有効循環血液量が減少した循環血液量減少 性と⑸肺循環系または右心機能の破綻により惹起された 右室過負荷性に 2 分される 前者の循環血液量減少性で は中心静脈圧 CVP が低下し 後者の右室過負荷性で は CVP は増加する 1383

24 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 11 ショックのプライマリケア Step 1 ショックの推定 声かけと外観観察 5P と爪床圧迫テスト Step 2 体位と酸素投与 患者の最も楽な姿勢を保持 高濃度 O2 の投与 Step 3 診断と緊急処置 バイタルサインと意識状態 静脈路の確保 パルスオキシメーター 身体所見 問診 ベッドサイド検査 5P Pulmonary deficiency 努力様呼吸 Pallor 顔面蒼白 Prostration 虚脱 Perspiration 冷汗 Pulselessness 脈拍触知不良 爪床圧迫テスト 爪床の圧迫後解除 白色から赤みが戻るまで 2 秒 陽性 心拍出量低下性 陰性 血管抵抗低下性 ショックの 5 型 血管抵抗低下性 循環血液量減少性 右心負荷性 Step 4 主要問題点 Step 5 循環管理 左心不全性 容量の問題 volume ポンプの問題 pump 急速輸液 1~2L 輸血 原因に応じた救急処置 <70mmHg ノルアドレナリン 0.5~30μg/ 分 収縮期 血圧は 徐脈性 アトロピン ペーシング 頻拍製 電気ショック 除細動 mmHg 低心拍出の症状 所見あり ドブタミン 2 20μg/ 分 急性冠症候群では再灌流療法 ショックのプライマリ ケア 図 Step1 ベット サイドでの検査を進める 所要時間 来院か ら 10 分以内 Step4 5 主要な循環虚脱の病態が 容量 Volume が問題な まず声かけをしながら外見 努力様呼吸 顔面蒼白 のか ポンプ Pump が問題なのか 心拍数 Rate 虚脱 冷汗 を観察し ショックの有無を評価する 所 が問題なのかのを決定し 体位を管理しながら血圧の 要時間 来院から 1 分以内 安定化をはかる 所要時間 来院から 15 分以内 容 Step2 量の低下が問題の場合は 下肢を挙上し急速輸液や輸 ショックまたはショック前状態と推測したならば 患 血を行い 原因に応じた救急処置を行う 徐脈性の不 者に最も楽な姿勢を保持してもらい 高濃度酸素の投 整脈ではアトロピンやペーシングを 頻拍性の不整脈 与を指示する 所要時間 来院から 2 分以内 では電気ショック QRS 波同期型除細動 を行う Step 心拍数の問題 rate mmHg 低心拍出の症状 所見あり ドパミン 2 20μg/ 分 IABP PCPS 3 重症不整脈性 ポンプが問題の場合は 収縮期血圧が 70mmHg 未満 バイタル サインと意識状態をチェック 同時に 爪 で は ノ ル ア ド レ ナ リ ン を 収 縮 期 血 圧 が 70 床圧迫テスト 爪床が白色になる程度に圧迫し その 100mmHg かつ低心拍出の症状や所見があればドパミ 解除後爪床に赤みが戻るまで 2 秒以上かかる場合は末 ンを 収縮期血圧が mmHg で低心拍出の症状 梢循環不全を意味し 心拍出量減少によるショックの や所見がなければ ドブタミンを第一選択とする 輸 診断に有用 を行う 所要時間 来院から 5 分以内 液や輸血および薬剤により十分な血圧が得られないと そして ショック 5 型と循環虚脱の 3 病態 容量 ポ きには大動脈内バルンポンプ IABP や経皮的人工 ンプ 心拍数 を判断し 循環管理を開始するため 心肺補助装置 PCPS を使用する 引き続き ショ

25 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン ックの原因疾患に対する緊急治療 急性冠症候群が原 因の場合には早期に冠再灌流療法 を行う 図 11 5 かし既に停止している場合には 病歴が参考となる 心拍数が正常 あるいは軽度増加し 不整がなければ ⑵ ⑷を疑うが 不整があったり 規則正しくても突発 動悸 性の頻脈や徐脈の場合には⑴と推定される 図 12 こ れらが混合している場合もあり 注意が必要である 不整脈による動悸 心血管系に不整脈以外の異変が 生じたための動悸 全身の生体に異変が生じたことに よる反応性の動悸 不安神経症やパニック発作による 心因性の動悸を鑑別する 1 不整脈以外で心血管系の異変による動悸で 特に救急 外来を訪れるような急性発症の病態としては 僧帽弁の 腱索断裂による急性僧帽弁逆流 バルサルバ動脈瘤破裂 による左右シャント あるいはⅠ型急性大動脈解離に伴 う大動脈弁逆流等がある また心臓に直接起因するもの ではないが 急性肺性心として発症する肺塞栓も 動悸 動悸の鑑別 の原因として忘れてならない いずれも身体所見から診 動悸の訴えは極めて多彩であるが 動悸を訴えて救急 断を進め 酸素飽和度 心電図波形 BNP D ダイマー 外来に来院する患者を目の前にして最初に鑑別すべき 等に加え 心エコー検査によって確定できることが多い は 以下のようなものである 図 12 また生体の異変の中には発熱 貧血 低血糖 甲状腺機 ⑴ 不整脈による動悸 能亢進症 褐色細胞腫等のほか アルコール 覚醒剤 ⑵ 心血管系に不整脈以外の異変が生じたための動悸 β刺激薬 あるいはβ遮断薬の中止 キサンチン製剤 ⑶ 全身の生体に異変が生じたことによる反応性の動悸 抗コリン薬等外因性の原因もある これらの可能性の確 ⑷ 不安神経症やパニック発作による心因性の動悸 認には詳細な病歴の聴取が欠かせない 不整脈による動悸の場合には 特に瞬時に心停止を来 動悸の鑑別において重要な検査は 心電図であり 動 たす可能性に留意しなければならない 特にめまいや失 悸を訴えて救急外来を受診した患者には その動悸が続 神を伴う場合には 生命の危機が切迫しているとの認識 いているときはもちろん 消失した後でも 全例 心電 が必要である 来院時に動悸が持続していれば それが 図をとる必要がある 血液では貧血の有無 低血糖の有 どのような不整脈によるものかの鑑別は容易である し 無 甲状腺機能の評価 カテコラミン分画 薬剤濃度等 図 12 脈の結滞 規則正しい突発性頻脈 規則正しい突発性徐脈 絶対性不整脈 動悸の診断プロセス 不整脈 心電図 心血管系 心電図 心エコー BNP D ダイマー 酸素飽和度 動悸の 自他覚所見 全身性 強い鼓動 整脈でやや速い 心因性 胸部 X 線 酸素飽和度 CRP ヘモグロビン 血糖 甲状腺機能 カテコラミン 薬剤濃度 期外収縮 発作性頻拍 心房細動 粗動 急性弁閉鎖不全 僧帽弁腱索断裂や感染性心内膜炎等 急性大動脈解離 バルサルバ動脈瘤破裂 急性肺塞栓等 発熱 感染 低酸素血症 貧血 低血糖 甲状腺機能亢進症 褐色細胞種 アルコール 薬剤 β刺激薬 キサンチン製剤 抗コリン薬 覚醒剤等 不安 緊張 驚愕 疼痛等 1385

26 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 の分析が有用である また心エコーにより 器質的心疾 患の有無 特に急性の弁逆流や 右心負荷所見等を評価 ⑪ WPW 症候群の心房細動では Ca チャネル遮断薬 やジゴキシンは禁忌であり 電気ショック ある することも重要である いは上述した薬剤かプロカインアミドの静注を試 みる Ⅴ 不整脈 ⑫ 血行動態の不安定な心房粗動では電気ショックを 行う 血行動態が安定していれば 心房細動に準 じた抗不整脈薬による心室レートのコントロール または粗動の停止を試みる 1 頻 脈 ① 頻脈の定義は心拍数 100/ 分である ② 発作性頻脈で 症状と徴候が不安定であれば同期 下電気ショックを行う ③ 血圧低下や狭心症等を伴わない安定した頻拍で は QRS 幅とリズムから鑑別を行う ④ 単形性心室頻拍で心機能低下例では電気ショッ ク アミオダロン ニフェカラント リドカイン を使用する 心機能正常では上記に加えてプロカ インアミドを使用する またベラパミルや ATP が有効な場合もある ⑤ 多形性心室頻拍が持続する場合は心室細動に準じ る ⑥ 反復する多形性心室頻拍で QT 延長があれば 硫 酸マグネシウム QT 延長の誘因の除去 徐脈を 伴っていれば心室ペーシングを行う QT 延長の ない場合はアミオダロン ニフェカラントを使用 する ⑦ 発作性上室性頻拍には迷走神経緊張を試み 無効 では AT P急速静注を行う なお 持続する例で はカルシウム拮抗薬を使用する ⑧ 基礎疾患のある心房細動は 薬剤による洞調律へ の復帰よりも同期下電気ショックや心拍数の調整 を優先する ⑨ 心機能良好 LVEF 40 な心房細動の徐拍化 にはβ遮断薬や Ca チャネル遮断薬を優先し 不 十分な際にジギタリスを併用する 心不全を合併 している例や心機能の低下した例にはジゴキシン の静注が推奨される ⑩ 持続が 48 時間以上の心房細動には 3 週間以上の 抗凝血薬療法を行うか 経食道エコーで左房内血 栓が否定されてから除細動を行う 器質的心疾患 がなく 心機能にも問題がない場合には解離速度 の遅い Na チャネル遮断薬が勧められる 頻脈の救急 脈拍を触れない頻脈は ACLS の項で扱う 頻脈の定義 は 心拍数 100/ 分である 心拍数が早いほど血行動 態は不安定になり 動悸 めまい 失神 呼吸困難 胸 痛を報じる 血圧が低下すると四肢冷感および冷汗 意 識低下を来たし 進行性の呼吸困難あるは急性左心不全 症状が出現することもある このような症候が不整脈に よる場合は 時に心停止に至ることもあり 不安定な頻 脈とみなして迅速な同期下電気ショックを考慮する 図 安定した頻脈の場合 静脈路を確保し心電図をとる QRS 幅が 0.12 秒以上の幅が広い場合は心室頻拍 VT がほとんどである リズムが不整の場合には 変行伝導 やデルタ波を伴う心房細動や多形性 VT を疑う リズム が整ではほとんどが VT だが 変行伝導を伴う上室性頻 拍の可能性もある QRS 幅が 0.12 秒未満を狭い場合 脈拍が整では心房粗動 AF や発作性上室性頻拍を 絶対不整の場合は心房細動を疑う 心筋梗塞や心筋炎等 他の心疾患が原因と考えられる 場合は それぞれの疾患に対応した処置に移行する 電 解質異常の有無や 薬剤の催不整脈作用の可能性も常に 念頭において 食事や服薬状況 下痢等の有無等も問診 で確認する 2 心室性頻脈 VT や多形性 VT は心室細動 VF に移行する可能性 があり またレートの速い VT 多形性 VT および VF は無脈性頻脈を呈する ①安定持続性 VT 図 14 VT はヒス束分岐部以下を起源とする レート 100/ 分以上で 30 秒以上持続するかそれ以内でも血行動 態が破綻するものを持続性 VT と呼ぶ 頻拍の QRS 波 形は単形性で 機序はリエントリーが多い 76 基礎疾 患は陳旧性心筋梗塞 心筋症 催不整脈右室心筋症

27 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 13 頻脈の診断と処置 頻脈 心拍数 100 分 症候は不安定か 症状 徴候 症状や徴候が不整脈によるか 意識状態の悪化 失神 呼吸困難 持続する胸痛等 血圧低下やショックの所見 冷や汗 四肢冷感 尿量減少 意識低下等 心拍数 150 分 いいえ はい 迅速な同期下電気ショック 心房細動 : 100,200,300,360J 心房粗動 上室性頻拍 : 50,100,200,300,360J 単形性 VT: 100,200,300,360J 多形性 VT: VF に準じた最大用量 安定頻拍として治療 静脈路確保 心電図 QRS 幅 0.12 秒 広い QRS 0.12 秒 QRS 幅の広い頻拍 心リズムは規則的か 狭い 規則的 不規則的 リズムは 規則的 心房細動へ 規則的 不規則的 変行伝導を伴う 心房細動へ 持続性心室頻拍へ 変行伝導を伴う 上室性頻拍 迷走神経刺激を試みる ATP10mg 急速静注 無効なら 20mg デルタ波のある心房細動へ 多形性心室頻拍および Torsade des pointes へ 発作性上室性頻拍へ 図 14 持続性単形性心室頻拍の停止法 症状と徴候 不安定な心室頻拍 DC ショック 安定な心室頻拍 心機能低下 LVEF 40 心機能正常 再発 静注 アミオダロン ニフェカラント リドカイン 電気ショック 静注 アミオダロン ニフェカラント リドカイン DC ショック 心室ペーシング 停止 静注 プロカインアミド 20 mg/ 分で静注 総量は 17mg/kg QRS 幅の延長は 50 以内 アミオダロン 125 mg を 10 分かけて静注 ニフェカラント 0.15mg/kg を 5 分かけて単回静注 リドカイン mh/kg 最大 mg/kg まで 2.5 5mg/2 3 分で静注 a ベラパミル 総量は 20mg まで 10mg ボーラス 無効なら 20mg b ATP 保険適用外 a RBBB LAD 型の特発性心室頻拍 b LBBB RAD 型の特発性心室頻拍 1387

28 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 心臓手術後 ( ファロー四徴症, 大血管転移 ), 原因不明のもの等多彩である 76). 抗不整脈薬の催不整脈作用による例もある. 基礎疾患を認めないベラパミル感受性の特発性 VTも時に遭遇する.QRS 波形は右脚ブロック+ 左軸偏位型を示す 77),78). 右室流出路起源の特発性 VTは左脚ブロック+ 下方軸型を示し, 運動, 不安, カテコラミンで誘発され, 多くは非持続性である. アデノシンに感受性である例が多く, 機序は異常自動能と考えられている 79). 左室起源のアデノシンに感受性心室頻拍も知られている 80),81). ⑴ 診断 : 心電図で幅広いQRS(>120ms) 頻拍を示す.P とQRS の解離, 心房からの興奮伝導時に QRS に融合波が確認できれば診断は確かになる. ⑵ 処置 : 血行動態が安定しているかが治療のポイントとなる. 安定心室頻拍では脈が触れることができ, 意識が保たれていれば停止には抗不整脈薬を用いる. プロカインアミド, アミオダロンを静注する 70),82)-85). アミオダロンが使えない場合や心筋梗塞急性期の心室頻拍では, リドカインも選択される. 我が国では, 難治例にニフェカラントも適応となる 86). 左室起源の発性心室頻拍と判明すればベラパミルが奏功する 70),77). 特発性と診断できない場合はベラパミルは禁忌である. 右室流出路起源の心室頻拍では ATP,β 遮断薬, Ca 拮抗薬,Naチャネル遮断薬の順に試みる 79),80). リエントリー機序の頻拍で繰り返す例では心室ペーシングによる停止も有効である. 時に, 緊急カテーテルアブレーションの適応となる例がある. 抗不整脈薬による停止を試みる時に不安定化することがあり, その場合は不安定 VTとして電気ショックを用いる ( 図 14). 2 不安定 VT 単形性 VTでもレートが速いと脈が触れにくくなり, 不安定となるため速やかに電気ショックを要する 67)-69). 抗不整脈薬投与により不安定になることがある. 通電後も頻拍が繰り返す場合は, 抗不整脈薬を併用する 82)-84). 緊急カテーテルアブレーションの適応となる例がある. ⑴ 診断 : 安定持続性 VTと同様, 心電図で幅広い QRS 頻拍を認める. 頻拍レートは早く, 血圧は低下する. ⑵ 処置 : 血圧や意識の低下例では, 速やかに電気ショックを与える. 2 相性除細動器では100~120J, 単相性では200J で 静注麻酔下にQRS に同期して通電する. 無効な場合は360J まで出力を漸増して繰り返す. 電気的ショック後も繰り返す場合は,VF に準じてアミオダロンやニフェカラントの静注後に再度の電気的ショックを繰り返す. 3 多形性 VT( 図 15) 心電図の基線を中心にQRS が捻転するように変化する特徴的なVTをTorsade des pointes(tdp) と呼び, QT 延長に伴うことが多い 87). 頻拍中は無脈性となるが, しばしば自然停止と発症を繰り返す. 停止しなければVF に移行する.QT 延長を伴わない多形性 VTは VF に先行してみられるものが多く, 処置はVF に準じる. ⑴ 診断 : 心電図で頻拍のQRS 波形は1 拍ごとに変化する特徴的な波形を示す. 洞調律に戻った時には QT 延長がしばしば認められる. ⑵ 処置 :TdPの停止と出現を繰り返す場合は, 硫酸マグネシウム静注やイソプロテレノール持続静注または経皮ペーシング (TCP) や経静脈ペーシングで抑制する. また, 薬剤, 徐脈, 電解質異常等の原因があればそれを除去する. 持続が長いかVF に移行すれば電気ショックを用いる. 4Electrical Storm( 頻拍の頻発化 ) 単形性 VTやVF を停止させても繰り返す例がある. 一日に3 回以上頻発するものをElectrical Stormと呼ぶ. ICD 植込み例の10~20% にみられる. 虚血, 心不全の悪化, 薬剤の催不整脈作用, 電解質異常等要因があれば除去に努める. 電気ショックを繰り返し要する場合, 全身麻酔管理や 52),β 遮断薬, アミオダロン, ニフェカラント等の持続静注が有効である. 単形性 VTでは, 緊急のカテーテルアブレーションが成功する例がある 88). 3 発作性上室頻拍 突然発症し機序はエントリーである. 房室結節性リエントリー頻拍, ケント束を介する房室回帰頻拍, 洞結節内リエントリーおよび心房内リエントリーからなるが, 前 2 者が90% 以上を占める 89),90). ⑴ 診断 : 心電図で頻拍は, 正常 QRS からなる規則正しい150~250/ 分の範囲のレートを示す. 変行伝導や脚ブロックがあるとQRS は幅広くなる ( 図 13).P とQRS の関係から上室頻拍間の鑑別が可能なことがある 90). レートが速いほど血圧は低下し, 持続すれば心不全を来たす. 1388

29 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 15 多形性心室頻拍 多形性心室頻拍 持続している場合 反復する場合 DC ショック QT 延長 DC ショック 1 回施行し停止しない場合は ACLS 開始 エピネフリン バゾプレシン静注 DC ショック 停止不能の場合 ニフェカラント静注 アミオダロン静注 リドカイン静注 あり なし 保険適応外 QT 延長の原因 後天性 QT 延長群 あり なし 虚血の治療 なし あり 先天性 QT 延長群 DC ショック アミオダロン 125mg を 10 分で静注 ニフェカラント 0.15mg/kg を 5 分で静注 β遮断薬静注 例 プロプラノロール 0.1mg/kg を 3 等分して 2 3 分間隔で 原因治療 心室ペーシング 処置 停止には 迷走神経刺激 91 薬剤 電気シ ⑵ 虚血の関与 硫酸 Mg 静注 1 2g を 10mL の 5 ブドウ糖 液で希釈 ゆっくり 5 20 分 静注 表7 迷走神経刺激による上室性頻拍の停止 試みる場合もある 停止時に徐脈 洞停止 洞静止 いずれの手技においても ①静脈ラインを確保 ②救急カートの準備 経皮ペーシングがあれば確保 ③心電図モニターを装着 ④徐脈の発生時は咳をすることを指示 ⑤ 1 分後に血圧と脈拍をチェックする 房室ブロック の合併があるので 心電図は常にモ 1 Valsalva 手技 ①患者は立位または半座位 ②深く息を吸って止め 声門を閉じ 力むように指示 ③気道内圧を高めたまま 秒持続させる 2 頚動脈洞マッサージ ①高齢者には行わない 血管雑音のないことを確認 ②患者は座位 頭部を左にむかせる ③右下顎骨角の下で乳頭筋の前の頚動脈を確認 ④ 2 本の指を押し付けながらゆっくり 5 10 秒間上下させる ⑤マッサージは頚椎に向けて後方中央方向に加圧する ⑥ 5 10 秒休んで 2 3 回試みる ⑦ 1 回毎に心電図と血圧を確認する ⑧無効の場合には 左側で試みる ョックがある 図 16 まず Valsalva 手技を試み 表 回試みても上室頻拍が続く場合 頚動脈 マッサージを試みる 表 7 両者を組み合わせて ニターする 頚動脈マッサージは 頚動脈に雑音の ある例や頸部手術後は試みない 迷走神経刺激が無 効例では ATP 剤を静注する 92 迷走神経刺激や ATP 剤が無効例では ベラパミ ルまたはジルチアゼムを静注する 70 心室レートは 速く血圧の低下やショックを来たし意識レベルも低 下した例では 電気ショックを要するがこのような 例は少ない 心房からの頻回電気刺激やプログラム 刺激でも停止可能である また アデノシン感受性 の心房頻拍がある 機序は不明であるが房室結節周 囲のマイクロリエントリーが想定されている 処置 は少量の ATP 3.9 ± 1.2Mg で停止する 心房細動 図 17 ①症候の不安定性と基礎疾患の有無 症候が不安定な心房細動では同期下電気ショックを 行う 95 肥大心 不全心 虚血心といった背景が存在 する場合には 心房細動により病態が悪化するため 緊急に停止を試みるには電気ショックが用いられる 図17 また その再発防止は困難であるのみならず これら基礎疾患の存在下には抗不整脈薬による危険な 心室性催不整脈作用や 陰性変力作用を示しやすい点 も問題となるために 心拍数の調整を優先する ②心拍数の調整 急性期には心拍数を / 分以下にすることを 目標とする 急速に徐拍化を図る際には静注薬が使用 1389

30 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 16 発作性上室頻拍の停止 症状と徴候の不安定 なし あり DC ショック J から漸増 高頻度ペーシング 持続 a 迷走神経刺激 ー急速静注ー ATP10mg 無効の場合には 20mg を 2 回まで 停止後は 慢性期治療 持続 ー静注ー mg を 2 分かけて静注 無効例では 5mg を 分ごとに総量 20mg ジルチアゼム 15 20mg を 2 3 分かけて静注 無効例では 20 25mg を 3 分かけて追加 ベラパミル 持続 Na チャネル遮断薬 を考慮 持続 DC ショック 高頻度ペーシング a Valsalva 手技 頚動脈洞マッサージ 保険適用外 図 17 心房細動治療の進め方 心房細動 同期下電気ショック J 不安定 症候は安定しているか 肥大心 心不全 虚血あり 安定 洞調律への復帰 持続時間 48 時間以下 ピルジカイニド シベンゾリン ジソピラミド フレカイニド 電気ショック 1mg/kg まで 10 分かけて 1.4mg/kg 2 5 分かけて mg を 5 分以上で 1 2mg/kg を 10 分かけて 心拍数の調整 心電図 デルタ波 なし あり 48 時間以下 48 時間以上 経食道エコー 左房血栓は ヘパリン静注 準緊急電気ショック 抗凝固療法継続 4 週間 なし あり 抗凝固療法 3 週間 待機的電気ショック さらに抗凝固療法 4 週間継続 ピルジカイニド シベンゾリン ジソピラミド フレカイニド プロカインアミド 低心機能 ジゴキシン 0.25mg 静注 2 時間毎総量 1mg まで 少量β遮断薬 1390 心機能は EF 40% 正常 Ca 拮抗薬 ベラパミル 5 10mg/2 分又はジルチアゼム 0.25mg/kg/2 分 Β遮断薬 プロプラノロール 総量 0.15mg/kg を 2mg ずつ ジゴキシン

31 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン されるが β遮断薬や Ca 拮抗薬には弱心作用がある に右房を回転するリエントリーである 三尖弁輪 ため 血行動態が悪化した状況では注意が必要である を時計方向に回転することもあり 下壁誘導の F 波は陽 またベラパミルの静注は血圧低下に伴う反射性に交感 性となる 心房自由壁 右房の一部 心臓手術後で心房 神経賦活のために 一時的に奇異性頻脈を招くことも 切開部位を旋回する頻拍もある ある 心房レートがおよそ / 分の規則正しい頻拍で 心機能良好 LVEF 40 な例の徐拍化には ジ ある 房室伝導が良いと心室レートは早くなり血圧は低 ギタリスよりもβ遮断薬や Ca チャネル遮断薬の投与 下し 持続例すると心不全を来たす 通常型心房粗動は を優先し それだけでは不十分な際にジギタリスを併 Ⅱ Ⅲ avf で特徴的な陰性の鋸歯状のフレ F 波 を 用する 図 17 β遮断薬は日本ではプロプラノロー 認める それ以外の波形を認める場合非通常型心房粗動 ルの使用が多い Ca チャネル遮断薬では ベラパミ として扱う 心房頻拍との鑑別はしばしば困難である ルやジルチアゼムを使用するが いずれも 2 分以上か 血行動態の不安定例では電気ショックにより 洞調律化 けて使用する 心不全を合併している例や心機能の低 を図る 血行動態が安定していれば 抗不整脈薬による 下した例にはジゴキシンの静注が推奨される 心室レートのコントロールまたは粗動の停止を試み ③心房細動の停止 心房細動の停止を試みる際にまず考慮しなければい けないことは その心房細動の持続時間である 持続 る 100 これらは心房細動に準じる 心房ペーシングも 停止に試みられる 2 徐脈 が 48 時間以内の心房細動が停止しても 血栓塞栓症 の危険は 0.8 に過ぎないが それを超えた心房細動 の場合には 5 7 と はるかに高い危険を伴うこと になる 特に虚血性脳血管障害の既往 糖尿病 高血 圧 高齢 心不全を伴う例ではそのリスクがさらに高 まる 48 時間以上持続している場合には原則として 3 週間以上の抗凝血薬療法が必須であり さもなければ 経食道心エコーによって左房内血栓が否定されてから 除細動を行うことが推奨される 器質的心疾患がなく 心機能にも問題がないと判断 されたら Na チャネル遮断薬 なかでもチャネルから ① 徐脈の定義は心拍数 60/ 分未満 ② 徐脈によってめまいや失神 呼吸困難等の症状血 行動態の悪化を伴う場合は不安定と判断する ③ 進行性徐脈性不整脈や 徐脈が心室頻拍 心室細 動の誘因となる場合も治療が必要 ④ 不可逆性の原因 誘因があればそれを除去する ⑤ 不安定な徐脈や高度房室ブロックではペーシング を準備する ⑥ ペーシングの準備中に アトロピン アドレナリ ン ドパミン イソプロテレノールを使用する の解離速度の遅い強力なピルジカイニド シベンゾリ ン ジソピラミド フレカイニド等が勧められる ④ WPW 症候群に伴う心房細動 定義と治療の適応 1 心拍数 60/ 分未満を一般に徐脈と称する 徐脈は洞結 WPW 症候群では 房室結節の不応期よりも短いケ 節の自動能の低下 洞房ブロック 房室ブロック等によ ント束の不応期が心拍数を規定する Ca チャネル遮 って生じるが 徐脈そのものが病的とは限らない 健常 断薬やジゴキシンはかえって頻脈化を促進することが 者でも睡眠中等には 50/ 分以下 ときには 40/ 分近い洞 あり 禁忌である β遮断薬は禁忌とは言えないが 性徐脈を示したり Wenckebach 型Ⅱ度房室ブロックを 同様のリスクがあるため注意が必要とされる まれに 来たすことは珍しくない 治療が必要となるのは 以下 R on T から心室細動を誘発する危険が知られている の場合である したがってこのような病態においてはレートコントロ ⑴ 徐脈によってめまいや失神 呼吸困難等の症状が 出現する場合 図 18 ールよりも心房細動の停止を目指して電気ショック あるいは上述した薬剤 あるいはプロカインアミドの 静注を試みる 5 心房粗動 通常型心房粗動は三尖弁輪を下方からみて反時計方向 ⑵ 徐脈によって血行動態の顕著な悪化を伴う場合 このような自覚症状 他覚所見があれば 不整脈の 種類を問わず 不安定な徐脈と判断され 速やかな 治療が求められる 一方 安定しているようにみえても 急変に備え 1391

32 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 18 徐脈のアルゴリズム 可逆性の原因 誘因 副交感神経緊張 高カリウム血症 低酸素血症 甲状腺機能低下症 脳圧亢進 低体温 薬剤性 心拍数 60/ 分 症状 めまい / 失神 所見 心不全 / ショック 可逆性の原因 誘因 薬剤等 があれば除去 なし 高度房室ブロック あり あり なし 観察 モニター 1 経皮ペーシングの準備 2 アトロピン 0.5mg 静注 総投与量は 3mg 無効の場合ペーシング 3 アドレナリン 2 10μ/ 分またはドパミン 2 10μ/kg/ 分 4 イソプロテレノール 1A 0.2mg μg/kg/ 分 2A 100mL を 6 ml hr から開始し 最高 30mL hr 5 経静脈ペーシングを準備 て薬剤や一時式ペースメーカ等の準備や予防的治療 が必要となることがある ⑶ 心電図に重篤な進行性徐脈性不整脈の兆候が認め られる場合 無症状でも QRS の脱落が連続して 2 拍以上起き る場合や 急性前壁心筋梗塞に Mobitz 2 型Ⅱ度房 室ブロックを認めたとき等である 後者では通常右 脚ブロックに加えて軸偏位 2 枝ブロック が先行 したり 交代性脚ブロックあるいは束枝ブロックが 出現することがあり その時点から注意が必要であ る このほかサルコイドーシス活動期や大動脈弁無 冠尖に感染性心内膜炎が進行してⅠ度からⅡ度の房 ①経皮ペーシング クラスⅠ アトロピンに反応しない不安定な徐脈 クラスⅡ a 1 薬物治療に反応しない補充収縮を伴った徐脈 2 薬物過量投与 アシドーシス 電解質異常が 原因で起こった重症徐脈や PEA を示してい る心肺停止患者 3 心筋梗塞によって生じる以下の不整脈に対す るスタンバイペーシング 症状のある洞機能不全 室ブロックを合併する場合も要注意である ⑷ Mobitz Ⅱ型 2 度房室ブロック 徐脈が致死的心室性頻脈性不整脈の誘因となって Ⅲ度房室ブロック いる場合 新しい左脚ブロック 右脚ブロック 典型的には先天性あるいは薬剤性 QT 延長症候群 で徐脈が torsade des pointes の誘因となっている状 況であり 徐脈の改善がその防止に有効なことが多 い 不安定な徐脈への緊急対応 交代性ブロック 2 枝ブロック クラスⅡ b 1 薬剤治療や電気ショックに難治性頻脈性不整 脈に対するオーバードライブペーシング 2 徐脈性心静止 症状や血行動態が不安定な場合には 不整脈の種類 機器がそばにあれば この非観血的体表ペーシングが を問わず緊急対応が必要となる アプローチとして薬剤 最も早く実行可能である しかし常に有効であるとは を静注する方法と経胸壁ペーシングとがあるが より速 限らず さらに②以下の手段についても即座に準備す やかに準備ができる方法を優先する これらはいずれも べきである アトロピンを先に用意できるときにはそ 緊急避難的治療であるため 安定した治療を継続するた れを優先し アトロピンに反応しないとき あるいは めには経静脈ペーシングが行うが その準備に時間を要 ほかの薬剤にも反応しないときに考慮される 一般手 するため 下記の方法による初期治療下に試みる 術時等で 徐脈の進行に備えてスタンバイとして準備

33 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表8 経皮ペーシングの手技 ① 2 枚のパッチ電極を心臓を挟むように左前胸部と背部に 装着する ②ペーシングモードを ON にする ③心拍数 80/ 分に設定する ④心静止の場合には最大出力から漸減させ 徐脈の場合に は 10mA より出力を漸増して QRS が捕捉される閾値を測 定する ⑤ペーシング出力を捕捉閾値より 10% 高いレベルに設定す る ⑥ペーシング捕捉中の脈拍 血圧をチェックする ⑦意識があれば鎮痛のためにモルヒネ ペンタゾシン等を 投与する ⑧心拍数を調整し 自己心拍があればスタンバイモードに する その他の一般的注意 3 徐脈性不整脈がある特定の原因によって起こっている ことが疑われる場合には その原病の治療も忘れてなら ない 高 K 血症 低酸素血症等があれば補整する ジギ タリス β遮断薬 カルシウム拮抗薬 特にジルチアゼ ム あるいはモルヒネ等の投与中では薬剤の影響で徐 脈が増強されることがある 右冠状動脈の攣縮の場合に は冠状動脈の攣縮をとることが不整脈の治療となる 急 性前壁梗塞に Mobitz2 型Ⅱ度房室ブロックが生じたとき には緊急ペーシングを行うと同時に虚血の改善に努め る その他 洞性徐脈では甲状線機能低下症 脳圧亢進 しておくこともある 具体的な手技は表 8 に示す な 低体温等の影響も考慮する ペースメーカの植込まれた お 経胸壁ペーシング中のモニター心電図波形ではペ 患者にめまいや失神が出現したときにはペーシング不全 ーシングアーチファクトの波形が大きいため 自己心 をまず疑う 拍の波形を見失うことがあり 注意が必要である ②アトロピン 薬剤の第一選択として用いられるが 特に迷走神経の Ⅵ 急性冠症候群 過緊張による徐脈の治療に有効である 下壁梗塞に伴 う房室ブロックにも有効である 図 18 1A=0.5mg の静注を改善するまで繰り返す 半減期はおよそ 4 時 1 間とされる 狭隅角緑内障や尿閉に注意する 房室ブ ロックの責任病変がヒス束以下にある場合にはアトロ ピンの使用によって房室伝導比率がさらに悪化するこ とがあり Mobitz 2 型Ⅱ度房室ブロックの存在が明ら かな場合には本剤を使わずに以下の薬剤を選択すべき ① あらゆるタイプの徐脈性不整脈に有効である 例外と して 1 型 QT 延長症候群では torsade des pointes を誘発 する危険性があり また A 型急性大動脈解離が下壁梗 塞を合併して房室ブロックを起こしている状況では 一括して UA/NSTEMI に括られる ② ③ UA/NSTEMI において臨床背景や心電図変化 生 化学マーカー等からリスクの層別化を行う ④ 禁忌がなければ 代わりに本剤を使用することができ る 心拍数が 50 以上になるように量を増減する ⑤経静脈ペーシング 原則としてほかの方法による治療に併行して より確 実な方法として あるいは治療の長期化に備えて行う 胸痛患者において様々な非侵襲的検査を行う 心 エコーの役割は大きい また 冠動脈CTのエビ デンスの蓄積が必要である ⑤ ④イソプロテレノール 明らかな虚血や 上述したアドレナリンやドパミンの 胸痛患者は 12 誘導心電図による ST 偏位と T 波の 変化により診療指針が区別される 大動脈破裂を来たす危険があるため使用すべきでな い 不安定狭心症 UA と非 ST 上昇型心筋梗塞 非 ST 上昇 MI; NSTEMI 診療方針が同様のために である ③アドレナリンあるいはドパミン 急性冠症候群の診療と不安定 狭心症 非 ST 上昇型心筋梗 塞の治療 リスクの層別化とともに入院 転院の適応を判断 する ⑥ 薬物治療抵抗性 症状再燃例 短期リスクの高い 不安定狭心症患者では冠動脈造影を行う ⑦ 安静と心電図モニター 酸素吸入 胸痛への塩酸 モルヒネの使用 抗血小板薬の投与法 抗凝固薬 の使用 硝酸薬 β遮断薬 カルシウム拮抗薬 スタチンの投与等を行う 必要な場合は大動脈内 バルーンポンプも選択する 1393

34 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 8 1 患者背景, 薬剤抵抗性, 生化学検査所見, 冠動脈 造影所見, 血行動態等から,PCI や CABG を選択 する. 急性冠症候群における不安定狭心 64) 症 非 ST 上昇心筋梗塞 ACS は冠動脈粥腫破綻と局所的血栓形成による急速な冠動脈閉塞が本態であり, 完全閉塞によるAMI, 亜閉塞に伴うUA, 急激な心筋虚血による不整脈等による突然死が一連のスペクトラムである.AMI UA は, 診療方針の差違からSTEMIとNSTEMI に分類され, 高リスクのUA は診療方針がNSTEMI と同一であるためUA/ NSTEMIと一括される. このガイドラインは緊急時の初期治療での領域にとどめ, 詳細はUA/NSTEMI のガイドラインに讓る. 2 胸痛患者への初期診療の基本アルゴリズム STEMIは緊急冠動脈造影と経皮的冠インターベンション (PCI) の適応であるが,ST 上昇を示さない場合も虚血性胸痛を否定できない時は, 緊急 PCI 可能な専門施設への搬送を推奨される. 図 19は虚血性胸痛と考えられる患者に対する診療指針であり,12 誘導心電図によるST 偏位とT 波の変化により,UA/NSTEMI は診療指針が区別される.12 誘導心電図にて, 虚血性 ST 低下 (> 0.5mm) 経時的 T 波陰転 (UA/NSTEMI) を示す場合と定義され,UA/NSTEMI と診断すれば原則はCCU にて管理し, ただちに抗血小板 抗凝固療法を開始し早期の冠動脈造影へと進む. なお, 心電図が正常ないし非診断的 ST 変化の場合は低 中リスクと考えられ,24 時間の観察を行う. 3 UA/NSTEMI の分類と重症度評価 UA について 1989 年に Braunwald は重症度, 臨床像, 治療の状況を加味した分類 ( 表 9) を提唱し, この分類 は予後の予測に優れ, 治療戦略の決定に有用である. UA/NSTEMI 患者の短期リスクの把握については, 我が国の急性冠症候群の診療ガイドライン ( 表 10) 等いくつかの報告がある.TIMIリスクスコア( 表 11) は, 7 つの要素によって算出される. スコアが増加するごとに短期リスクは相乗的に高くなる. 4 非侵襲的検査 ACS 患者に対して様々な非侵襲的検査が行われる ( 表 表 9 Braunwald による不安定狭心症の分類 (1989) 重症度 クラスⅠ: 新規発症の重症または増悪型狭心症 最近 2か月以内に発症した狭心症 1 日に 3 回以上発作が頻発するか, 軽労作にても発作が起きる増悪型労作狭心症. 安静狭心症は認めないクラスⅡ: 亜急性安静狭心症 最近 1か月以内に 1 回以上の安静狭心症があるが, 48 時間以内に発作を認めないクラスⅢ: 急性安静狭心症 48 時間以内に1 回以上の安静時発作を認める 臨床状況 クラスA: 二次性不安定狭心症 ( 貧血, 発熱, 低血圧, 頻脈等の心外因子により出現 ) クラスB: 一次性不安定狭心症 ( クラス A に示すような心外因子のないもの ) クラスC: 梗塞後不安定狭心症 ( 心筋梗塞発症後 2 週間以内の不安定狭心症 ) 治療状況 1) 未治療もしくは最小限の狭心症治療中 2) 一般的な安定狭心症の治療中 ( 通常量のβ 遮断薬, 長時間持続硝酸薬,Ca 拮抗薬 ) 3) ニトログリセリン静注を含む最大限の抗狭心症薬による治療中 12).12 誘導心電図は症状のある患者には全例に記録さ れるべきである. 救急診療担当医は ACS の疑われる患 者のすべてに心臓生化学マーカー (CK,CK-MB, ミオ グロビン, トロポニン I, トロポニン T 等 ) を測定すべ きである. ただし治療方針決定と再灌流治療の実施は生化学マーカーの結果を待ってはならない. 経時的な測定や多種マーカー測定が診断の感度を高めるが, 初期 4 時間を過ぎて陽性化するため4~6 時間の評価は心筋壊死を否定する感度をもたず, 陰性の場合は時間をおき再測定を行う. 病院前の条件では心臓生化学マーカー必ずしも有用でない. 救急診療に担当する医師は心エコー図を駆使すべきである. これを用いると左室局所収縮障害部位と心電図部位診断の一致性より, 診断はより正確になり, かつ切迫心破裂, 右室梗塞, 僧帽弁逆流等の重大な合併症の診断が可能である. さらに急性大動脈解離, 急性肺血栓塞栓症等の初期診断に極めて有用である.UA/ NSTEMIでは冠動脈 CTも有用であり, その陰性的中率が高いが, クラスは未確定である. 5 緊急入院 転院を決定 救急部門での短期リスク評価は時間を争い, リスク層別化により効率的にCCU 収容, 緊急冠動脈造影等の方針を迅速に決定する ( 図 20).CCU での確実なモニタリングはSTEMIの発症や心室細動への迅速対応と救命の鍵を握る. 1394

35 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 19 非 ST 上昇 ACS への初期診療アルゴリズム 虚血を示唆する胸部不快感 救急隊員による対応と病院選定 モニター装着 気道 呼吸 循環のサポート 必要に応じ酸素を投与 傷病者が求めれば本人の持つ硝酸薬舌下を補助 緊急 PCI を施行できる施設を選定 初期救急医療機関の対応と救急車の要請 バイタルサインと身体所見を評価 12 誘導心電図を記録し評価 末梢静脈路を確保し MONA モルヒネ 酸素 硝酸薬 アスピリン を考慮 緊急 PCI を施行できる病院を選定し搬送を救急隊に指示 病院救急部門での評価 10 分以内 バイタルサイン 酸素飽和度の評価 末梢静脈路を確保 12 誘導心電図を記録し評価 ポイントを絞った病歴聴取と診察 心筋障害マーカー 電解質 血算 生化学の測定 院内プロトコールに基づき循環器医に連絡 線溶療法チェックリスト 表14 により適応と禁忌の判断 ポータブル胸部 X 線写真 30 分以内 ただちに病院救急部門での一般的治療を開始 酸素投与を開始し 酸素飽和度 90 以上に維持 アスピリン mg を噛み砕く 硝酸薬舌下 スプレーまたは静注 硝酸薬が無効ならばモルヒネを使用 12 誘導心電図 ST 上昇または 新規の脚ブロック 心筋障害を強く示唆 STEMI 循環器医と連携し 再灌流療法を優先 ST 低下または T 波の陰転 心筋虚血を示唆 正常または 判定困難な ST-T 変化 UA/NSTEMI 中 低リスクの UA 循環器医と連携し CCU またはモニタ可能な 病室へ入室 適応あれば付加治療 未分画ヘパリン ニトログリセリン β遮断薬 適応に従い付加治療 未分画ヘパリン ニトログリセリン β遮断薬 PCI 可能か否かによる STEMI アルゴリズムへ 施設の胸痛経過観察 プロトコールに従い 6 24 時間経過観察 下記を経時的に監視 心筋障害マーカー トロポニン等 心電図モニタ 陽性 リスクの再評価 Braunwald 層別化 表 9 TIMI リスクスコア 表 11 高リスク患者 中リスク患者 低リスク患者 早期侵襲的治療戦略 心原性ショックの治療 適応あれば付加治療 循環器医が担当し入院継続 心筋虚血評価 適応あれば付加治療 虚血や梗塞の疑いが ない場合は 外来で フォローアップ 高リスク患者 治療に反応しない虚血性胸痛 再発性 持続性 ST 変化 心室頻拍 不安定な血行動態 ポンプ不全徴候 付加治療 ACE 阻害薬 /ARB 経口β遮断薬 スタチン 1395

36 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 表 10 UA/NSTEMI の短期リスクの分類 高リスク 病歴 胸痛 持続時間 亜硝酸薬の有効性 随伴症状 理学的所見 心電図変化 生化学的所見 安静時 48 時間以内に増悪 20 分以上の胸痛 現在も持続 無効 冷汗 吐き気 呼吸困難感 新たなⅢ音 肺野ラ音 汎収縮期雑音 僧帽弁逆流 血圧低下 除脈 頻脈 ST 低下 0.5mm 持続性心室頻拍 左脚ブロックの新規出現 トロポニン T 上昇 定性陽性 0.1ng/mL 中等度リスク 安静時 夜間の胸痛 2 週間以内の CCS Ⅲ ないしⅣ 20 分以上 以内の胸痛の 既往があるが現在は消失 有効 低リスク 労作性 2 週間以上前から始まり 徐々に閾値が低下する 20 分以内 有効 正常 T 波の陰転 3mm Q 波出現 正常 トロポニン T 上昇 定性陽性 0.1ng/mL トロポニン T 上昇なし 定性陰性 次の既往や条件を 1 つでも有する患者は ランクを 1 段階上げるように考慮すべきである 1 陳旧性心筋梗塞 2 脳血管 末梢血管障害 3 冠動脈バイパス術および経皮的冠動脈形成術 4 アスピリンの服用 5 糖尿病 6 75 歳以上 入院 転院の決定 表 11 クラスⅠ TIMI リスクスコア 1 患者の短期リスクの評価に基づいて入院の適 ①年齢 65 歳以上 ②三つ以上の冠危険因子 家族歴 高血圧 高脂血症 糖尿病 喫煙 ③既知の有意な >50 冠動脈狭窄 ④心電図における 0.5mm 以上の ST 偏位の存在 ⑤ 24 時間以内に 2 回以上の狭心症状の存在 ⑥ 7 日間以内のアスピリンの服用 ⑦心筋障害マーカーの上昇 応を決定する レベル B 2 高リスク患者は心電図監視が可能な CCU あ るいはこれに準ずる病室に収容する レベル B 3 中等度以上のリスクを有する患者は CCU およびそれに準ずる病室がない施設や循環器 該当するリスクの数を加算する 専門医のいない施設から CCU があり緊急 図 20 非 ST 上昇 ACS の短期リスク評価に基づいた治療戦略 中等度リスク 高リスク アスピリン ヘパリン 抗狭心症薬 モニタリング 早期保存的治療 症状再燃 心不全 虚血の出現等 安定化 負荷試験 低リスク 1396 低リスク以外 早期侵襲的治療 即時冠動脈 造影 時間 以内

37 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表 12 UA/NSTEMI 患者への非侵襲的検査 検査クラス Ⅰ クラス Ⅱa クラス Ⅱb クラス Ⅲ 12 誘導心電図 生化学マーカー 胸部不快感のある患者, 症状消失したが ACS の既往ある患者 ( レベル C) 胸痛患者の早期リスク層別化 ( レベル B) ACS 患者への CK, MB, トロポニンの測定 ( レベル C) 発症 6 時間以内 ACS で陰性例への 6 ~ 12 時間での再検 ( レベル C) 全ての胸痛患者 ( レベル C) 病院収容前の救急車内の心電図 ( レベル B) 発症 6 時間以内の患者でにトロポニンに加えてミオグロビン測定 ( レベル C) なし CRO および他の炎症マーカーでの診断補助 ( レベル B) 心エコー ACS 全例に行う ( レベルC) なし 症状が持続し心電図異常が不確か な ACS 疑患者 ( レベルB) 胸部 XP 心臓疾患, 心膜疾患, 大動脈疾患の症候のある患者 ( レベル B) 肺, 胸膜, 縦隔疾患の症候がある患者 ( レベル B) すべての胸痛患者に行う ( レベル C) 胸部 CT クラス未確定 : 冠動脈 CT の有用性を示す報告もあるが, 今後のさらなるエビデンスの集積を要する なし なし なし なし クラス Ⅱa で冠動脈血行再建のできる循環器専門施設, またはそれに準ずる施設へ可及的速やかに転 送する ( レベル C). 1. 中等度リスク患者の入院は高リスク患者に準 じる ( レベル C). 2. ACS と診断できるがリスクの判断ができな い患者は入院させて経過観察する ( レベル C). 3. 低リスク患者と判断されても, 入院が可能で あれば入院させ経過を観察する ( レベル C). 4.ACS が疑わしい患者を入院させる ( レベル C). クラス Ⅲ 5. 鑑別すべき他の重症疾患を否定でき, かつ ACS が疑わしくない患者を緊急入院させる ( レベル C). UA/NSTEMI 患者への緊急入院と転院に関する指針は 極めで重要である. 緊急受診時に一見軽症に見える患者が急に重篤となる可能性があり, 確実なリスク評価と急変への対応が迅速でなければ死亡に至ることがある. CCU を持ち緊急の冠血行再建が常時できる循環器専門施設での急性期治療, ならびにこれを判断できる循環器専門医が在勤していることが必要であり, 該当しない医療機関での診療であれば適切な施設への転院をただちに行う必要がある. 6 緊急または準緊急に実施する冠動脈造影の適応 緊急 準緊急冠動脈造影の適応 クラス Ⅰ 1. 薬物治療に抵抗し心筋虚血発作を繰り返す患 者, あるいは初期治療により一旦安定が得られた後に症状が再燃した患者 ( レベルB). 2. 短期リスクの高いUA 患者に対する準緊急な冠動脈造影 ( レベルB). 3. 初期治療により安定が得られた短期リスクが高度 ~ 中等度のUA 患者 ( レベルA). 4. 各種非侵襲的検査により高度な虚血所見や左室機能低下が認められるUA 患者 ( レベルB) か月以内にPCI を施行しているUA 患者 ( レベルB). 6. 冠動脈バイパス術の既往があるUA 患者 ( レベルB). 7. 冠攣縮性狭心症が疑われる患者 ( レベルC). クラスⅡb 1. 短期リスクの低いUA で, 各種非侵襲的検査でも高度な心筋虚血所見や左室機能低下が認められない患者 ( レベルC). クラスⅢ 1. 反復する胸部不快感があるが心筋虚血の客観的所見に乏しく, 過去 5 年以内の冠動脈造影所見が正常である患者 ( レベルC). 2. 冠血行再建の適応がない不安定狭心症患者, あるいは冠血行再建によりQOL, 生存期間の向上が見込めない患者 ( レベルC). 3. 合併疾患のため冠動脈造影の危険性がその利点を上回る患者 ( レベルC). 心電図診断によりUA/NSTEMI と判別された胸痛患者は,CCU にて酸素ならびに薬物治療により安定化が図られ, 冠動脈造影の実施が推奨される. 薬物治療に抵抗性の再発性心筋虚血発作患者, あるいは症状が再燃した患者は緊急冠動脈造影の適応である. また, 表 10 に示した短期リスクの高いUA 患者では準緊急に冠動脈造影 1397

38 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 を行う 7 6 安 静 時 の 心 拍 数 70/ 分 未 満 収 縮 期 血 圧 UA/NSTEMI への初期治療と 薬物治療 図 21 UA/NSTEMI への初期治療と薬物治療 140mmHg 未満を目標として管理する レベ ル C 7 心筋虚血の増悪因子を検出し これに対する 加療を行う レベル C 8 禁忌がなければスタチンの内服を開始する クラスⅠ 1 ベッド上安静とし 心電図にて不整脈を監視 し 動脈血酸素飽和度が 90 未満になった レベル B クラスⅡ a 1 充分な薬物療法下でも心筋虚血を繰り返す ら酸素供給を行う レベル C 2 胸痛が寛解しないか不安が強い場合は塩酸モ か 循環動態が不安定な患者に 大動脈内バ ルーンパンピングを使用する レベル B ルヒネを静注する レベル C 3 アスピリン mg を速やかに咀嚼服用 させる アスピリン禁忌患者ではチクロピジ クラスⅢ 1 心電図上明らかな ST 上昇を認めない 急性 後壁心筋梗塞でもない また新たに生じた左 ンを投与する レベル B 4 アスピリン投与下でヘパリンの静脈内投与を 脚ブロックもない UA 患者に経静脈的に血栓 溶解薬を投与する レベル B 行う レベル C 5 硝酸薬 β遮断薬を投与する β遮断薬が投 与できない場合はカルシウム拮抗薬 ベラパ ミルまたはジルチアゼム を投与する レベ ル B 図 21 初期治療の目標は病態の安定化である 安静と心電図 モニター 酸素吸入 胸痛への塩酸モルヒネの使用 抗 血小板薬の投与法 抗凝固薬の使用 硝酸薬 β遮断薬 非 ST 上昇型 ACS への薬物治療から続く治療フローチャート 以下の薬物を投与し症状の安定化を計る 1 アスピリン 迅速なアスピリン mg の初回咀嚼服用後の一日 mg の長期投与 アスピリンに過敏性があったり アスピリンが投与できない時のチクロピジンの投与 2 ヘパリン アスピリン投与下でのヘパリン静脈内投与 3 硝酸薬 硝酸薬の舌下または噴霧でも症状の改善が見られない患者に対する硝酸薬の 24 時間以内の静脈内投与 4 β遮断薬 胸痛が持続していれば静脈内投与し そうでなければ経口投与を行う 5 カルシウム拮抗薬 硝酸薬とβ遮断薬が禁忌 または硝酸薬とβ遮断薬を十分量投与しているにもかかわらず虚血が持続した り 頻回に発作を繰り返す患者における非ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬の投与 6 ニコランジル 胸痛が持続していれば静脈内投与 そうでなければ経口投与を行う 7 モルヒネ 肺うっ血合併例や精神的動揺が強い状態にある時や硝酸薬でただちに回復しない胸痛発作時の静脈内投与 8 ACE 阻害薬 うっ血性心不全や左室収縮障害を有した患者への投与 アスピリン経口投与 ヘパリン静脈内投与 経口抗狭心症薬のβ遮断薬 硝酸薬 カルシウム拮抗薬 ニコランジルを限界用量まで投与している にもかかわらず狭心症発作がコントロールできない患者 薬物治療抵抗性狭心症 大動脈内バルーンパンピング施行 大動脈内バルーンパンピング クラスⅠ なし クラスⅡa 1 β遮断薬 カルシウム拮抗薬 硝酸薬なら びに抗血小板薬 抗凝固薬による徹底した 薬物療法にもかかわらず重症な心筋虚血が 持続または再発する場合に IABP を用いる 2 重症な心筋虚血の診断のために冠動脈造影 を施行する前後での不安定な血行動態に対 し IABP を用いる クラスⅡb なし クラスⅢ なし 1398 ただちに冠動脈造影検査 責任冠動脈に PCI または 冠動脈バイパス術 血栓溶解療法 急性冠症候群に対する血行再建治療として 血栓溶解療法を単独で施行することは推奨 されない

39 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン カルシウム拮抗薬, スタチンの投与等を行う. 日本人では冠攣縮性狭心症の患者も含まれ,β 遮断薬の投与には注意を要する. また, シルデナフィル ( バイアグラ ) 内服者への併用は著明な血管拡張から低血圧を生じ禁忌であり, 病歴聴取に留意する. 血圧, 脈拍が十分にコントロールされても胸痛を生じる患者, 血行動態が不安定な患者, 心筋生化学マーカーの上昇例は血行再建を考慮する. 特に虚血のコントロールが困難, 血行再建が困難な場合には大動脈内バルーンパンピングを使用する ( 図 21). 8 UA/NSTEMI への冠血行再建治療 UA/NSTEMIへの緊急 PCIの適応クラスⅠ 1. 十分な薬物治療にもかかわらず, 心筋虚血が原因と考えられる胸痛発作が持続あるいは頻発し, かつ心筋虚血の存在が非侵襲的検査によって証明されている患者 ( レベル A). 2. 十分な薬物治療にもかかわらず, 心筋虚血が原因と考えられる不安定な血行動態または心不全が持続し, かつ心筋虚血の存在が非侵襲的検査によって証明されている患者 ( レベル A). 3. 心筋虚血が原因と考えられる胸痛発作があり, 心電図にて新たにST 降下が出現した患者, あるいはトロポニンが上昇している患者 ( レベルA). クラスⅡa 1. 十分な薬物治療にもかかわらず, 心筋虚血が原因と考えられる胸痛発作が持続あるいは頻発するが, 心筋虚血の存在が非侵襲的検査によって証明されていない患者 ( レベル C). 2. 十分な薬物治療にもかかわらず, 心筋虚血が原因と考えられる不安定な血行動態または心不全が持続しているが, 心筋虚血の存在が非侵襲的検査によって証明されていない患者 ( レベルC). 3. 薬物治療により安定化が可能と考えられる胸痛発作あるいは不安定な血行動態を認める患者 ( レベルA). クラスⅡb 1. 出血性素因や出血性合併症のため, ステント留置後の抗血小板薬使用に制限のある患者に PCI を行う ( レベルC). 2. 左主幹部狭窄や左室機能低下を伴う3 枝病変で冠動脈バイパス術の適応例であるが, 胸痛や血行動態が薬物治療によって安定化が困難と考えられる患者 ( レベルC). クラスⅢ 1. 左主幹部狭窄や左室機能低下を伴う3 枝病変の冠動脈バイパス術の適応例で, かつ胸痛や血行動態が薬物治療によって安定化が可能と思われる患者 ( レベルC). 狭心症発作がコントロールできない場合は, 薬物抵抗性不安定狭心症と定義する. 心筋虚血の改善にはPCI や冠動脈バイパス術等の血行再建治療が早急に必要である. UA/NSTEMIへの緊急 CABGの適応クラスⅠ 1. 左主幹部に高度狭窄を有する患者 ( レベルC). 2. 左主幹部相当の病変 ( 左前下行枝と左回旋枝入口部の高度狭窄 ) を有する患者 ( レベル C). 3. 非手術治療が無効で, 持続する胸痛あるいは心筋虚血を有する患者 ( レベル B). 4. PCI 不成功例で心筋虚血が持続し, 広範囲の心筋梗塞の危険がある患者, あるいは血行動態が不安定な患者に冠動脈バイパス術を行う ( レベルB). クラスⅡa 1. 左前下行枝入口部に高度狭窄を有する患者 ( レベルC). 2. AMIの血栓溶解療法後に心筋虚血が持続する PCI の不可能な患者 ( レベルB). 3. 重篤な心不全を有するが冠動脈バイパス術が可能な患者 ( レベルB). クラスⅡb 1. 左前下行枝入口部に高度狭窄を有しない1 枝または2 枝病変の患者に冠動脈バイパス術を行う ( レベルC). 2. PCI 不成功例で心筋虚血範囲が小さい患者 ( レベルC). クラスⅢ 1. 薬物治療の危険性の方が少ないと考えられる患者 ( レベルC). 緊急冠手術は, 待機的手術と比較して手術死亡率が高いとされ, 初期治療としてPCI や薬物治療が選択される 1399

40 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 ことが多いが 緊急 / 準緊急手術治療によって得られる を有意に低下させることができるエビデンス クラスⅠ 利益 不利益を十分に検討し治療方針を決定する 手術 レベル A が報告されている リスクを高くする要因としては 広範な心筋虚血や左室 等多岐の要因が挙げられる 2 初期診断 治療 管理 機能低下による心不全 腎機能障害 高齢者 脳合併症 初期診断と治療は UA/NSTEMI に準じるが STEMI の場合には次の点が異なる ST 上昇型急性心筋梗塞 ⑴ 右室梗塞の診断のために心電図で右側胸部誘導を記 録する また 右室梗塞ではニトログリセリンは使 1 用しない 急性冠症候群の概念 ⑵ 酸素投与は低酸素血症がなくても全例に行ってよ い 急性冠症候群 ACS は冠動脈粥腫破綻 血栓形成を 共通基盤として急性心筋虚血を呈する臨床症候群であ ⑶ 再灌流療法前後にヘパリンを積極的に使用する り AMI UA 心臓性突然死までを包括する疾患概念 ⑷ 再灌流療法を早期に行う 場合によって他の施設に 転送する である ⑸ ACS が発症すると 冠動脈内血栓や側副血行の有無 断薬 ACE 阻害薬を使用する 等によって様々な程度の心筋虚血が生じる 冠動脈の完 全閉塞により貫壁性心筋虚血を生じれば ST 上昇型急性 ①トリアージ 冠症候群 そうでない場合は非 ST 上昇型急性冠症候群 と二分され 治療指針が異なる 図 STEMI の診断 図 23 クラスⅠ 発症から病院まで 患者到着後 10 分以内に病態評価を行い 短時間 ST 上昇型心筋梗塞 STEMI の院内死亡率は CCU で再灌流療法の適応を判断し治療を行うために の管理と冠再灌流療法の普及により 7 前後となった 個々の施設の救急部で独自のプロトコルを作成し しかし この中には 病院到着前 すなわち STEMI 発 活用する レベル B 症早期に心停止に陥る患者は含まれていない この病院 前心停止に陥る STEMI 患者は総 STEMI 患者の 14 以上 ②患者の初期評価 表 13 にも達する その大多数が VF を併発し死亡している 1 病歴 身体所見 臨床検査 したがって STEMI の発症超早期の患者教育と病院前 救護対策が重要な課題である STEMI では 正しい治 クラスⅠ 療を受けるまでの時間を短縮すれば 死亡率や合併症率 図 22 心筋保護のために 禁忌がなければできるだけβ遮 急性冠症候群の初期診断と最終診断 治療 自然経過で心筋梗塞に至らない場合 急性冠症候群 ACS 胸痛 心電図 ST 低下 冠性T等 初期診断 非 ST 上昇型 ACS 持続性 ST 上昇 CLBBB ST 上昇型 ACS 治療方針決定 リスク層別 抗血栓 虚血治療 可及的早期再灌流療法 12 時間以内 冠インターベンション 冠動脈バイパス術 各種薬物治療 心筋マーカー CPK トロポニン等 最終診断 24 時間 不安定 狭心症 非 ST 上昇型 急性心筋梗塞 非Q波梗塞 1400 ST 上昇型 急性心筋梗塞 Q波梗塞

41 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 23 STEMI の診断アルゴリズム Door to needle time 病院到着から血栓溶解療法開始までの時間 Door to balloon time 病院到着から初回バルーン拡張までの時間 第 1 段階 問診 身体所見 第 2 段階 12 誘導心電図 心電図モニタリング 10 分以内 酸素投与 静脈ライン確保 採血 第 3 段階 心エコー 胸部X線写真 再灌流療法の適応の決定 実行 Door to needle time : 30 分以内 Door to balloon time : 90 分以内 アスピリンの咀嚼服用 塩酸モルヒネ投与 硝酸薬 ニトログリセリン 投与 急性下壁梗塞の場合 右側胸部誘導 V4R 等 も同時に記録する 診断確定のために採血結果を待つことで再灌流 療法が遅れてはならない 重症度評価や他の疾患との鑑別に有用であるが 必須ではなく再灌流療法が遅れることのないよ う短時間で行う 患者到着後 10 分以内 の簡潔かつ的確な病歴 には到着後 10 分以内 の 12 誘導心電図の 聴取 身体所見および簡潔な神経学的所見の診察 記録 レベル C 血液生化学検査 レベル C 2 初回心電図で診断できない場合でも症状が持 続し AMI が強く疑われる患者には 5 10 分 2 心電図の適応 ごとの 12 誘導心電図の記録 レベル C クラスⅠ 1 胸部症状や他の症状でも急性心筋梗塞 acute myocardial infarction AMI が疑われる患者 表 13 問診 身体所見 心電図 採血 心エコー 胸部 X 線写真 3 急 性 下 壁 梗 塞 例 で 12 誘 導 と 右 側 胸 部 誘 導 V4R 誘導 の心電図記録 レベル B 初期評価項目のチェックリスト 簡潔かつ的確な病歴聴取 胸部症状 関連する徴候と症状 冠危険因子 急性大動脈解離 急性肺塞栓の可能性 出血性リスク 脳血管障 害 狭心症 心筋梗塞 冠血行再建の既往 バイタルサイン 大動脈解離を疑う場合は四肢の血圧測定も 聴診 心音 心雑音 呼吸音 湿性ラ音の有無とその聴取範囲 心膜摩擦音 血管雑音 頸動脈 腹部大動脈 大腿動脈 眼瞼所見 貧血 頸部所見 頸静脈怒張 腹部所見 圧痛 腹部大動脈瘤 肝腫大 下腿所見 浮腫 神経学的所見 12 誘導心電図 T 波の先鋭 増高 Hyper acute T T 波の陰転化 R 波の減高 ST 上昇 低下 異常 Q 波 右側胸部誘導 V4R 誘導 右室梗塞の合併 血液生化学検査 心筋傷害マーカー 心筋トロポニン CK CK-MB ミオグロビン 心臓型脂肪酸結合蛋白 H-FABP 血算 生化学 電解質 凝固 局所壁運動異常 左室壁運動 下壁梗塞の場合は右室壁運動も 左室機能 機械的合併症 左室自由壁破裂 心嚢液貯留 右室拡張期の虚脱 心室中隔穿孔 シャント血流 乳頭筋断裂 僧帽弁逆流 左室壁在血栓 他の疾患との鑑別 急性大動脈解離 上行大動脈や腹部大動脈の intimal flap 大動脈弁逆流 心嚢液貯留 急 性肺血栓塞栓症 右房および右室の拡大 左室の圧排像 急性心膜炎 局所壁運動異常のない心嚢液貯留 等 心陰影 拡大 肺野 肺うっ血 肺水腫 胸水 肋骨 胸膜 縦隔陰影 注 下線をひいた項目は特に優先度の高いもの 1401

42 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 3. 画像診断胸部 X 線写真の適応クラスⅠ 1. 重症度の評価 ( レベルC). 2. 急性大動脈解離や他の肺 胸膜疾患, 縦隔疾患との鑑別診断 ( レベルC). 心エコー法の適応クラスⅠ 1. 標準的診断法で確定できないがAMI が疑われる患者の診断 ( レベルC). 2. 心筋虚血領域の評価 ( レベルC). 3. 急性期における左心機能の評価 ( レベルC). 4. 右室梗塞の合併の可能性がある患者 ( レベル C). 5. 機械的合併症の診断 ( レベルC). 6. 左室壁在血栓の診断 ( レベルC). 3 標準的初期治療 1. 酸素クラスⅠ 肺うっ血や動脈血酸素飽和度低下 (90% 未満 ) を認める患者に対する酸素投与 ( レベルB). クラスⅡa すべての患者に対する来院後 6 時間の酸素投与 ( レベルC). 経鼻カニュレまたはフェイスマスクにより酸素を 2 ~5L/ 分から開始する. 2. 硝酸薬クラスⅠ 1. 虚血による胸部症状のある場合に, 舌下またはスプレーの口腔内噴霧で, 痛みが消失するか血圧低下のため使用できなくなるまで3~ 5 分ごとの計 3 回までの投与 ( レベルC). 2. 虚血による胸部症状の緩解, 血圧のコントロール, 肺うっ血の治療目的としての静脈内投与 ( レベル C). クラスⅢ 1. 収縮期血圧 90mmHg 未満あるいは通常の血圧に比べ30mmHg 以上の血圧低下, 高度徐脈 (<50bpm), 頻脈 (>100bpm) を認める場合, 下壁梗塞で右室梗塞合併が疑われる場 合の投与 ( レベルC). 2. 勃起不全治療薬 ( 例えばバイアグラ 等 ) 服用後 24 時間以内の投与 ( レベルB). 3. アスピリンクラスⅠ アスピリン 160( レベル A)~ 325mg( レベル C) ( バファリン 81mg 2 ~4 錠またはバイアスピリン 100mg 2~3 錠 ) の咀嚼服用. 明らかに禁忌すなわちアスピリンアレルギーの既往がある患者を除き, 急性心筋梗塞が疑われる患者全例に, できるだけ早くアスピリンを投与する ( レベルA). アスピリン坐薬の投与は安全であり, 嘔気, 嘔吐症状が強い患者や, 上部消化管疾患のある患者に対しては適応である. 4. 鎮痛薬クラスⅠ 硝酸薬投与後にも胸部症状が持続する場合の塩酸モルヒネ投与 ( レベルC). 塩酸モルヒネは2~4mgを静脈内投与し, 効果不十分であれば5~15 分ごとに2~8mgずつ追加投与していく. 投与後しばらくは呼吸状態や血圧変動や嘔吐等の副作用に注意する必要がある. 5. ヘパリンクラスⅠ PCI 施行時のACTモニタリング下での使用 ( レベルC) クラスⅡa tpa,pro-uk,mutant tpa 等血栓親和性のある血栓溶解薬を使用した場合のaPTTモニタリング下での静脈内投与 ( レベルC). PCI が施行される場合にはヘパリンのボーラス投与が推奨されている. 一般的には ACTが300 秒を超えるようモニタリングしながら使用する. tpa による再灌流治療を受ける患者でのヘパリン投与法は, まず60 単位 /kg( 最大 4000 単位 ) をボーラス静注し, その後, 活性化部分トロンボプラスチン時間 (activated partial thromboplastin time: aptt) をコントロール値の1.5~2.0 倍 ( 約 50~70 秒 ) に維持するように48 時間持続投与 (12 単位 /kg/hr, 最大 1000 単位 /hr). 1402

43 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 6.β 遮断薬クラスⅠ 発症後早期の投与可能で経口 β 遮断薬に対する禁忌のない場合の使用 ( レベルB). クラスⅢ 以下の場合の投与 1. 中等度 ~ 高度の左室機能不全患者, 心原性ショック ( レベル C). 2. 収縮期血圧 100mmHg 未満の低血圧 ( レベル C). 3. 心拍数 60/ 分未満の徐脈 ( レベルC). 4. 房室ブロック (Ⅱ,Ⅲ 度 )( レベルC). 5. 重症閉塞性動脈硬化症 ( レベルC). 6. 重症慢性閉塞性肺疾患または気管支喘息等 ( レベルC). 4 再灌流療法 STEMIでは, 線溶療法,PCI を問わず, いかに早期に TIMI-3の再灌流を得るかが, 短期および長期の予後を改善する. 重要なことは, 線溶療法においてはdoor to needle timeを30 分以内に,PCI ではdoor to balloon time を90 分以内を目標とすることである 101)-104). 1 血栓溶解療法 ( 表 14) 1) 血栓溶解療法の適応クラスⅠ 1. 線溶療法の禁忌がなく,75 歳未満でかつ発症より12 時間以内 ( レベルA). 2. ST 上昇または新規左脚ブロック ( レベルA). クラスⅡa 1. 発症 12 時間以内の純後壁梗塞 ( レベルC). 2. 発症 12 時間から24 時間以内で虚血症状が持続 ( レベルB). クラスⅢ 1. 症状が消失し, 治療までに24 時間以上経過した患者 ( レベルC). 2. 後壁梗塞が除外された非 ST 上昇型 AMI 患者 ( レベルA). 2) 血栓溶解療法の禁忌 1 絶対的禁忌 1. 頭蓋内出血の既往 ( 時期を問わず ) 2. 既知の頭蓋内悪性腫瘍 ( 原発または転移 ), 構造的脳血管病変 ( 脳動静脈奇形等 ) 3. 活動性出血 4. 大動脈解離およびその疑い 5. 過去 3か月以内の脳虚血発作, 非開放性頭部外 表 14 経静脈的血栓溶解療法のチェックリスト Step 1. 虚血性胸痛 ( 不快感 ) の持続時間は,15 分以上かつ12 時間以内? はい いいえ 適応なし 標準 12 誘導心電図所見の隣接する2 誘導以上で ST 上昇, または新規に出現した脚ブロック? はい いいえ 適応なし Step 2. 以下の10 項目すべて はい であれば血栓溶解療法を実施 1 収縮期血圧 180mmHg 以下 はい いいえ 2 収縮期血圧の左右差 15mmHg 以内 はい いいえ 3 拡張期血圧 110mmHg 以下 はい いいえ 4 頭蓋内疾患の既往症 なし はい いいえ 53 か月以内の明らかな非開放性頭部または顔面外傷なし はい いいえ 66 週間以内の明らかな外傷, 手術, 消化管出血なし はい いいえ 7 出血 凝固系異常 なし はい いいえ 8 心停止時のCPR は 10 分以内 はい いいえ 9 妊娠していない はい いいえ 10 進行性または末期の悪性腫瘍, 重篤な肝または腎疾患なし はい いいえ Step 3. 以下の1 項目以上を満たす高リスク例は緊急 PCIが直ちに開始できる施設へ救急車で搬送 1 心拍数 100 回 / 分 かつ 収縮期血圧 <100mmHg はい いいえ 2 湿性ラ音を聴取 (Killip 分類 Ⅱ 以上 ) はい いいえ 3ショック徴候 症状あり はい いいえ 4 血栓溶解療法が禁忌 (Step.2の1~10の1 項目以上 ) はい いいえ 1403

44 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 24 いいえ 緊急 PCI が施行可能な施設における STEMI への対応アルゴリズム STEMI 患者 12 時間以上 虚血性胸痛と ST 上昇 1mm 持続 3 時間以内 発症からの時間は 3 12 時間 はい いいえ 到着 バルーン時間を 90 分以内にできるか はい 原則として緊急 PCI を選択 長い待機時間 広い梗塞範囲等では 血栓溶解療法 facilitated PCI を考慮 早期冠動脈造影を考慮 時間 さらに残存虚血 心筋生存性を評価し 治療方針を決定 いいえ 到着 バルーン時間を 90 分以内にできるか はい 血栓溶解療法と facilitated PCI を考慮 緊急冠動脈造影 適応があれば PCI 到着 バルーン時間 90 分以内を目標 あるいは CABG 心原性ショック または進行した左心不全 の場合 発症 36 時間以内かつショック発現 18 時間以内は PCI 外科手術を検討する 経皮的冠インターベンション PCI percutaneous coronary intervention 血栓溶解療法 表 14 参照 facilitated PCI 薬物治療 血栓溶解療法 に続いて行われる PCI 図 25 いいえ 緊急 PCI が施行できない施設における STEMI への対応アルゴリズム STEMI 患者 12 時間以上 虚血性胸痛と ST 上昇 1mm 持続 発症からの時間は 3 時間以内 3 12 時間 はい いいえ はい 搬送時間を考慮し 90 分以内かつ発症 12 時間以内に バルーン拡張可能か 原則は緊急 PCI 施設へ搬送 長時間要するなら搬送先と 相談し血栓溶解療法実施を考慮 いいえ はい 搬送時間を考慮し 90 分以内にバルーン拡張 可能か 搬送先と相談し 血栓溶解療法を考慮 あり 再灌流徴候 なし 24 時間以内に PCI が 可能な施設へ搬送 ただちに PCI が可能な施設へ搬送 心原性ショック または進行した左心不全 の場合 発症 36 時間以内かつショック発現 18 時間以内は PCI 外科手術施行可能施設 へ搬送する 再灌流徴候 胸痛の消失 ST 上昇の軽減 T 波の陰転化等 1404

45 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 傷または顔面外傷 2 相対的禁忌 1. 診察時, コントロール不良の重症高血圧 (180/110mmHg 以上 ) 2. 禁忌に属さない脳血管障害の既往 3. 出血性素因, 抗凝固療法中 4. 頭部外傷, 長時間 (10 分間 ) の心肺蘇生法, または大手術 (3 週間未満 ) 等の最近の外傷既往 (2~4 週間 ) 5. 圧迫困難な血管穿刺 6. 最近 (2~4 週以内 ) の内出血 7. 線溶薬に対する過敏反応 8. 妊娠 9. 活動性消化管出血 10. 慢性重症高血圧の既往 2 経皮的冠動脈インターベンション (PCI) 1)Primary PCIの適応 ( 図 24,25) クラスⅠ 1. 発症 12 時間以内で, 線溶療法が禁忌の有無にかかわらず, 来院後 90 分以内に病変をバルーン拡張できる場合 ( ステント留置を含む ) ( レベルA). 2. Primary PCI は病院に到着してから責任病変をバルーン拡張するまでの時間が90 分以内 ( レベルB). a. 症状の持続時間が3 時間以内であり, カテーテル検査の穿刺からPCI までを ⅰ)1 時間以内に行うことができる場合のPCI( レベルB). ⅱ)1 時間以上要する場合には線溶療法を考慮 ( レベルB). b. 症状が3 時間以上持続する場合のPCI. 病院到着からバルーン拡張は90 分以内 ( レベルB). 3. 発症後 36 時間以内の患者で, 心原性ショックを呈し, ショック発症後 18 時間以内にPCI が実施可能な75 歳未満の患者に対するPCI. ただし侵襲的治療を患者が望まない, または適さない場合を除く ( レベルA). 4. 重症うっ血性心不全, またはKillipⅢ 度以上の肺水腫を伴う発症 12 時間以内のST 上昇型 ACS に対する早急のPCI( レベルB). クラスⅡa 1. 発症 36 時間以内にショックとなり, ショック発症後 18 時間以内に血行再建可能な75 歳以上の患者 ( レベルB) から24 時間前に発症し, 次の項目のどれか1つ以上を満たす場合 a. 重症うっ血性心不全 ( レベルC). b. 不安定な血行動態または心電図所見 ( レベル C). c. 持続する虚血徴候 ( レベルC). クラスⅢ 1. 血行動態が不安定な患者で虚血がないと判断される非梗塞領域を灌流する冠動脈へのPCI ( レベルC). 2. 発症後 12 時間以上経過しており, 血行動態や心電図所見が安定していて症状が消失している患者 ( レベルC). 3. 厚生労働省の定める施設基準を満たさない施設やPCI に熟練していない術者が行う場合. 3Facilitated PCI( 血栓溶解療法後のPCI) クラスⅡa * 症状持続時間が3 時間以内で, 来院 90 分以内に PCI によるバルーン拡張術が困難と予測される症例における Facilitated PCI( レベルC). *STEMIに関するガイドラインでは, エビデンスは不十分であるが, 手技治療が有効 有用であることに我が国の専門家の意見が一致している としてのクラスⅡa の記載である. 4 Rescue PCI( 線溶療法後も, 心筋虚血が持続または繰り返す患者に対するPCI) クラスⅠ 線溶療法を施行した75 歳未満の患者に対して以下の場合にPCI による血行再建を行う. 1. 心原性ショック ( レベルB). 2. 重症うっ血性心不全または肺水腫 (Killip Ⅲ) ( レベルB). 3. 血行動態が不安定な心室性不整脈 ( レベルC). クラスⅡa 1. 線溶療法を施行した75 歳以上の心原性ショック患者. ただし, 血行再建に適している場合に限る ( レベル B). 2. 下記の項目のうちいずれか1つ以上に該当す 1405

46 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) る患者. a. 不安定な血行動態または心電図所見 ( レベルC). b. 持続する虚血徴候 ( レベルC). 3. 線溶療法開始 90 分後にST resolusionが50% 未満の不成功例で中等度以上の心筋障害が予想される場合 ( 前壁梗塞, 右室梗塞を伴う下壁梗塞, 前胸部誘導のST 低下例 )( レベルB). 5 緊急手術による再灌流ならびに合併症修復術クラスⅠ STEMIにおける緊急 CABG は以下の場合に施行される. 1. PCI が不成功に終わり, 持続する胸痛または不安定な血行動態を伴い, 冠動脈が解剖学的に手術に適している場合 ( レベル B). 2. 薬物治療に抵抗性の持続的あるいは繰り返す虚血所見を認め, 責任病変により広範な心筋虚血を来たすと予測され,PCI や線溶療法の適応がない場合 ( レベルB). 3. 梗塞後の心室中隔破裂または自由壁破裂, 急性重症僧帽弁閉鎖不全を伴う乳頭筋断裂に対して修復手術を要する場合 ( レベルB). 4. 発症後 36 時間以内にショック状態が進行しており,ST 上昇, 左脚ブロック, 後壁梗塞のいずれかを認め, 重症多枝病変 左主幹部病変のいずれかを伴う 75 歳未満の患者. ショック状態となってから18 時間以内に手術可能な場合に限る ( レベルA). 5. 左主幹部に狭窄度 50% 以上の病変を有するか,3 枝病変を有し, 致死的不整脈を伴っている患者 ( レベルB). クラスⅡa 1. 緊急 CABG が初期灌流治療法として有用となりうるのは,STEMI 発症後 6 時間から12 時間以内の患者で, 線溶療法やPCI の適応がなく, 特に多枝病変または左主幹部病変を有する場合のCABG( レベルB) 歳以上の発症後 36 時間以内にショックが進行しており, 重症 3 枝病変または左主幹部病変を有する場合. ただしショック状態となってから18 時間以内に血行再建できる場合の緊急 CABG( レベルB). クラスⅢ 1. 持続する胸痛を伴うも, 血行動態が安定して いる場合の緊急 CABG( レベル C). 2. 主要な冠動脈の血行再建が成功した患者にお 6 再灌流の評価 クラス Ⅱa ける小血管に対する緊急 CABG( レベル C). 1. 再灌流療法開始後 1~3 時間にわたって ST 上 昇のパターン, 心調律, および臨床症状のモ ニター ( レベル B). 2. TIMI グレード,Blush グレードによる評価 ( レ ベル B). 7 再灌流補助薬 クラス Ⅱa クラス Ⅱb クラス Ⅱb 再灌流治療を受ける患者でそれに先だつカル ペリチドの静脈内投与 ( レベル B). 再灌流治療を受ける患者でそれに先だつニコ ランジルの静脈内投与 ( レベル B). ヘパリン誘発性血小板減少症を有することを 分かっている患者では, ヘパリンの代わりに アルガトロバンを使用 ( レベル B). 5 入院後の治療 101)-103) STEMIに対する補完療法 1 抗血小板薬 1. アスピリン クラス Ⅰ STEMI 患者には禁忌がない限り, 無期限にアス ピリンを経口投与する ( レベル A). 2.Thienopyridine 系薬剤 クラス Ⅰ( レベル B) BMS 挿入後は少なくとも 1 か月間の投与.DES 挿入後は少なくとも 12 か月間投与. 出血のリス クのない患者, ステント血栓症のハイリスク群で は無期限の投与. クラス Ⅱ a( レベル C) 血栓溶解療法を受けている患者でアスピリンが内 服できない患者におけるクロピドグレル, チクロ 1406

47 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン ピジンの使用. 2β 遮断薬 STEMI 発症直後にβ 遮断薬の投与を開始することが梗塞サイズを縮小させ, 慢性期の合併症発生率と再梗塞発生率を減少させることから,β 遮断薬は急性期死亡の減少と慢性期の合併症抑制のいずれにも有効である. クラスⅠ 1. 禁忌のない, 低リスク * 以外のSTEMI 患者には経口 β 遮断薬を投与する. 少なくとも2~ 3 日以内に開始し可能な限り継続する ( レベルA). 2. 中等度, あるいは重篤な左室機能不全を有する患者には, 徐々に増量しながらβ 遮断薬を投与する ( レベル B). クラスⅡa 禁忌のない, 低リスク * の患者にβ 遮断薬を投与する ( レベルA). クラスⅢ 冠攣縮の関与が明らかなSTEMI 患者に対するβ 遮断薬の投与 ( レベルC). * 低リスク : 左室機能が正常 ~ほぼ正常, 再灌流治療の成功, 重篤な心室性不整脈がない. 3カルシウム拮抗薬クラスⅡa 1. β 遮断薬が禁忌または認容性が不良で, 左室機能不全やうっ血性心不全, 房室ブロックのない STEMI 患者に対する, 心筋虚血の軽減, または頻脈性心房細動の頻拍コントロールを目的としたベラパミルまたはジルチアゼムの投与 ( レベルB). 2. 他の薬物でコントロールができない狭心症または高血圧症に対して, 長時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬を使用する ( レベルB). クラスⅢ STEMI 発症後早期の短時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬投与 ( レベル A). 4 レニン アンジオテンシン アルドステロン系拮抗薬 ACE( アンジオテンシン変換酵素 :angiotensin converting enzyme) 阻害薬 /ARB( アンジオテンシン受容体拮抗薬 :angiotensin receptor blocker) ACE 阻害薬は, 特に早期に投与を開始した場合にSTEMI 患者の生存率を改善させている. ACE 阻害薬 /ARBの適応クラスⅠ 1. 禁忌がなければ, 経口 ACE 阻害薬を, 早期に開始し可能な限り継続する ( レベルA). 2. 既にACE 阻害薬が投与されており, 左室駆出率が40% 以下で症候性心不全または糖尿病を合併する患者には, 禁忌がない限り, アルドステロン拮抗薬を使用する ( レベル A). 3. 左室駆出率が40% 以下で, 臨床的あるいは胸部 X 線上で心不全の兆候があるか,ACE 阻害薬に認容性がない患者には,ARB を使用する ( レベルB). クラスⅡa 左室駆出率が40% 以下で, 臨床的あるいは胸部 X 線上で心不全の兆候がある患者に対し,ACE 阻害薬の代用としてARB を使用する ( レベルB). クラスⅡb 左室駆出率が40% 以下で, 症候性の慢性心不全を有する患者の長期管理には,ACE 阻害薬とARB の併用を考慮する ( レベルB). 5HMG-CoA 還元酵素阻害薬 ( スタチン ) ACS 発症数日以内にスタチンを投与すると, 炎症指標が低下して, 再梗塞, 再発性狭心症, 不整脈等の合併症が減少することが様々な試験により一貫して示されている. クラスⅠ STEMI 患者に対するスタチン投与の早期開始 ( 受診後 24 時間以内 ) は安全で, 実施可能である ( レベルC). クラスⅡb 既にスタチンを投与している患者には, 引き続き投与する ( レベルC). 1407

48 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 方 分枝血流の低下により臓器虚血が生じと 心筋虚血 Ⅶ 脳虚血 上肢虚血 対麻痺 腸管虚血 腎不全 下肢虚 その他の心血管救急 血等を生じる 特に腸管虚血は手術症例における急性期 死亡の重要な関与因子である 解離の型によって重症度 および治療の方針が大幅に異なる 表 15 のような分類 1 ① がある 急性大動脈解離 急性大動脈解離では破裂と臓器虚血が問題であ り 血栓性閉塞の有無と上行大動脈に解離が存在 するかで分類する ② 診断は病歴 身体所見 心電図 胸部 X 線 エコ ー検査 炎症反応 D ダイマー CT 検査等で行う ③ 収縮期血圧 mmHg を目標に静注薬で降 圧し 鎮痛 酸素投与 腎不全予防 不穏予防等 に努める ④ 発症から 48 時間の安静度を下げ 絶食とする ⑤ 偽腔開存 Stanford 分類 切迫破裂や臓器虚血の 有無 さらに血栓閉塞型では上行大動脈径や偽腔 径で手術適応を判断する 1 病態と分類 105 急性大動脈解離 Acute Aortic Dissection AAD とは 血液が大動脈内膜の破綻部分から外膜方向に向かって 入り込み 中膜のおよそ外 1/3 のレベルで大動脈を長軸 方向に引き裂きながら進行した結果 大動脈が 2 腔にな った状態 であり 破裂と分枝血流障害が予後を左右す る 心タンポナーデは急性期の死因の第一位である 一 表 16 解離を強く 疑う所見 心エコー 血液検査 CT 検査 1408 診断 表 ①病歴 典型症例は 激しい胸背部痛が突発し移動し 高血 表 15 1 解離範囲による分類 Stanford 分類 A 型 上行大動脈に解離があるもの B 型 上行大動脈に解離がないもの DeBakey 分類 Ⅰ型 上行大動脈に内膜亀裂があり弓部大動脈より末 梢に解離が及ぶ Ⅱ型 上行大動脈に解離が限局する Ⅲ型 下行大動脈に内膜亀裂があるもの Ⅲ a 型 腹部大動脈に解離が及ばない Ⅲ b 型 腹部大動脈に解離が及ぶ 2 偽腔の血流状態による分類 偽腔開存型 偽腔に血流があるもの 部分的な血栓の 存在はこの中に CT 所見で 一部でも偽腔に造影剤の染まりがある 偽腔血栓閉塞型 偽腔が血栓で閉塞している CT 所見で 偽腔に造影剤の染まりが全くない 3 病期による分類 急性期 発症 2 週間以内 48 時間以内を超急性期とする 亜急性期 発症 3 週目 15 日目 から 2 か月まで 慢性期 発症後 2 か月を経過したもの 大動脈解離に関係する検査とその所見 高血圧の既往 来院時高血圧 突然の発症 引き裂かれ 移動する痛み 血圧左右差 30mHg 偽腔が確認できることがある 心のう液の貯留 大動脈基部の拡張 大動脈弁閉鎖不全 胸水の有無を見る D-dimer で正常範囲なら解離である可能性は 5 10% 以下 最大 CRP 値 15mg/dL は独立した呼吸不全の関連因子で ある 1 観察のポイント 上行大動脈の解離の有無 偽腔が開存しているか 心嚢液の貯留 偽腔の真腔への圧排の程度 分枝への解離の波及 分枝は真腔からでているか 最大短径および偽腔径 解離の範囲 ulcer-like projection 等 2 偽腔内血栓 石灰化部分の外側の辺縁のスムーズな low density 壁在血栓 石灰化部分の内腔側の low density まれに例外あり 3 CT は単純 造影ともに必要 単純 CT は解離腔内血栓と真性瘤 壁在血栓の鑑別に有用 high density 発症数時間から亜急性期まで 解離腔内血栓 high density でない 新しいものではない 壁在血栓や古い解離の可能性 4 撮像範囲は大動脈弓部より少し上から骨盤部まで 大動脈解離の分類 血栓化偽腔 2 石灰化 3 壁在血栓

49 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 圧を伴い心電図で有意なST 変化がない等の所見がそろっている場合である. 一方, 主訴がはっきりとした痛みではない頻度は10% あり, その際の主訴は失神, 心不全, 脳血管障害等である. 無痛性のAAD は5.9 ~6.4% 程度存在する. 特に意識障害が主訴である場合, 経過中に胸背部痛があれば, 本疾患による可能性を考える. 2 身体 血液所見四肢の血圧差, 大動脈弁閉鎖不全の雑音, 奇脈, 心不全徴候等がないかに留意する. 炎症反応や貧血の有無もチェックする.D ダイマー測定が高感度 (88~ 100%) であり, 本疾患の除外には有用であるが, その感度は必ずしも 100% ではなく, また特異度は低いのでその利用には注意が必要である. 3 心電図, 胸部 X 線, 心エコー検査急性冠症候群の有無, 心嚢液, 大動脈弁逆流, 剥離内膜の有無をチェックする. 4CT 検査確定診断は造影 CT 検査によってなされる. 発症直後を除いて亜急性期まで, 血栓化偽腔は単純 CTで high densityを示し壁在血栓との鑑別に極めて有用である. 症状が多彩であり特異度の高い生化学マーカーがないことが診断を難しくしており, 誤診率は38~57% と極めて高い.2005 年度の東京都 CCU ネットワークの報告ではその死亡率 (8.5%) は急性心筋梗塞の死亡率 (6.5%) より高い. 3 初期治療 ( 表 17) 105) 1 降圧一般的に来院時の血圧が高く, 特にB 型のほうがA 型に比べて血圧の高い. 診断が確定しなくても疑われれば, その時点で降圧治療を開始する. 降圧目標は, 収縮期血圧 100~120mmHg. 超急性期は動脈圧ラインを確保して, 厳密な血圧管理を行う. 速やかな降圧のために静注薬を開始する. ニカルジピン, ニトログリセリン, ジルチアゼム,β 遮断薬等を用いる. ニカルジピン原液 (1mg/mL) は3mL/hrから開始して, 痛みが消失し降圧目標に達するまで上限なく増量する. その際に静脈炎の予防に留意する. 痛みの持続は解離が進行している兆候と考え, さらなる降圧をはかる. ニカルジピン単独で管理が不良で脈拍数が速い場合は, 禁忌がなければプロプラノロール2mgをゆっくり静注してもよい. 臓器血流障害が認められる場合は収縮期血圧で130mmHg 前後を目標とせざるを得ない. 手術直前の開存 A 型解離の血圧は, 心タンポナーデの発症を回避すべく80~100mmHgまで下げる. 合併症のないB 型解離では, 過度の降圧により急性腎不全となることがあるので血圧の管理は110~ 130mmHg 程度でもよい. 入院翌日に急性腎不全がなければ, その時点から, 経口降圧剤を開始する. 短時間作用型のβ 遮断薬を第一選択とする. 静注薬の減量も開始し, 第 3 病日にはカルシウム拮抗薬を加え, さらに静注薬を減量する. 降圧が不十分で腎機能に問題がなければ同日中に ACE 阻害薬, アンジオテンシン受容体拮抗薬等を加えて, 静注薬を減量し,3~4 病日には中止することを目指す. 静注薬の中止で動脈圧モニターを中止する. 2 鎮痛 強い痛みは内因性のカテコラミンを誘発して降圧を妨げる. 降圧と同様に診断確定前であっても鎮痛薬を使用する. ある程度血圧が下がっても痛みが持続する場合は, 塩酸モルヒネまたはブプレノルフィンをゆっくり静注する. 不足なら同量を追加する. 麻薬性鎮痛薬では呼吸抑制および嘔吐による血圧上昇を来たすことがあり, 注意が必要である. 3 酸素投与 表 17 大動脈解離への初期対応 降圧ニカルジピン 3mL/hrで持続静注開始. 1mLずつ bolus しつつ持続量を増量ブロプラノロール2mgゆっくり静注動脈圧ライン留置. 降圧目標は 100 ~ 120mmHgと痛みの消失鎮痛塩酸モルヒネ 1mgまたはブプレノルフィン 5mg 必要なら同量を追加酸素投与マスク 4L/ 分血圧低下への対応心タンポナーデ, 破裂の確認輸液, 必要なら穿刺やカテコラミン投与腎機能保持補液, 尿量モニターのためのバルン挿入は十分に降圧後に経口降圧剤は代病日で急性腎不全のない場合に不穏の予防家族の協力, 睡眠薬や鎮静薬の投与安静と食事 48 時間は強い安静で絶食. 飲水は可入院翌日のCT 検査すべての血栓閉塞 A 型, 偽腔による真腔が著しく圧排, 分枝血流の低下による臓器虚血, 痛みの持続するとき 低酸素血症を来たしている可能性があるので酸素投 1409

50 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 与を行う. 安静臥床による無気肺, 麻薬性鎮痛剤や鎮静剤による呼吸抑制, 広範な炎症によるSIRS( 全身性炎症反応症候群 ) と思われる病態による胸水貯留が原因となるCRP が高いほど胸水が多い傾向にある. 胸水は発症およそ3~7 日をピークとして減少していく. 他には急性大動脈弁閉鎖不全や合併する睡眠時無呼吸が関与していることもある. 胸部レントゲン写真を連日撮影して胸水を評価する. 最大 CRP 値 >15mg/ dlは独立した呼吸不全の関連因子であり,crp 値により呼吸不全を予測する. 4 突然の血圧低下への対応診断が確定している患者の突然のバイタルサインの悪化, 特に血圧の低下は, 心タンポナーデか, 胸腔内への破裂の可能性を考える. 原因は前者が多い ( Ⅶ. -4 心タンポナーデ参照 ). 心嚢穿刺に関しては, 穿刺により血圧を急激に上昇することがあり, 穿刺直後の血液の吸引はしない. すぐに静注降圧薬を bolus 投与できるように準備をしておく. その後, 血圧が下がれば血圧をモニターしながら極めて少量ずつ心嚢液の吸引をする. 穿刺後の目標血圧は80mmHg 程度とする. 心嚢液にすでにフィブリン塊が出現している場合は穿刺時に血液の吸引が確認できないことがある. 心タンポナーデ確認できなければ, 胸腔内への破裂の可能性が高く, 補液をしつつ手術の準備をする. その間はカテコラミンの使用もやむを得ない. 5 急性腎不全超急性期の降圧による腎血流の減少, 造影 CT 検査による腎への負担, 経口摂取の低下が引き起こす脱水, 解離による腎動脈へ影響等により急性腎不全が発症する. 尿道バルーンを留置して厳密に管理すべきであるが, 留置時の疼痛により血圧の上昇を来たすことがあるため, 血圧が十分落ち着いてから病棟で留置する. また, 心機能に注意しながら, 造影剤のwash-outも行う. 長時間型の降圧剤は腎不全により排泄遅延から低血圧の遷延やさらなる腎不全の悪化を生じる可能性があるために, 内服薬は短時間型を入院翌日以降に開始する. 6 不穏への対応厳しい安静や低酸素血症を背景に高率に不穏を生じる. 不穏の予防が重要である. 家族に対して不穏の可能性が高いことをよく説明し, 付き添いを依頼し精神的不安を減らすとともに日中の患者さんへの話しかけ により昼夜逆転を予防する. 安定薬, 睡眠薬を予防的に投与するが, 投薬により逆に不穏が悪化することもあるため注意する. 重度の場合は静注薬による鎮静が必要だが, 呼吸抑制が出現するので, 厳重な管理下で行う. ある程度の夜間睡眠, 安静度があがること, 食事の開始が不穏解消されるための要件である. 7 胸痛, 背部痛の再出現 経過中の痛みの出現は, 再解離を疑う. 鑑別すべきは, 長時間の臥床による腰背部痛, 便秘による腹部違和感, 胸膜炎等の合併による胸痛等であるが鑑別は難しい. 痛みの性状で判断することも多いが,CT 検査が必要となることも多い. 8 フォロー CT の撮像のタイミング すべての血栓閉塞 A 型, 偽腔による真腔への圧排所見のあるもの, 痛みがコントロールされないもの, 臓器虚血が疑われるものは不安定であり, 入院翌日にも CTを施行し手術適応を再検討する. 9 安静度 発症から48 時間以内の予後が不良であることより, ここまでの安静度を低く保ち, その後ゆっくりと安静を緩めてゆく. 10 食事 発症 48 時間以内の絶食を原則とする. 解離の型, 患者の不穏の程度, 腸管虚血の有無等考慮に入れ食事を開始する. 飲水は可とする. 105) 4 治療方針 表 18 に手術適応を示した. 一般に, 偽腔開存型の A 型解離は手術の適応であり,B 型解離は臓器虚血や破裂 の所見がなければ保存的に治療する. ただし, 腸管虚血 は予後不良であり,CPK の上昇やアシドーシスが進行 する以前に, 腹痛の持続と造影 CT または腹部エコーに おける上腸間膜動脈の狭窄等の所見で手術を検討すべ きである. 血栓閉塞 A 型の治療方針は施設によって異な るが, 上行大動脈径や偽腔径の大きなもの, 心タンポナ ーデ症例等を手術適応とする. 一方, 上行大動脈径や偽 腔径が小さければ保存的に経過観察可能だが, 必要時に 緊急で手術ができる体制が整っており, 極めて厳重な管 理ができることである. 血栓閉塞 A 型で上行大動脈の最 大短径が 45~50mm の場合の手術適応は, 偽腔径, 年齢, 痛みのコントロール, 基礎疾患等を考慮に入れて総合的 1410

51 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表 18 急性大動脈解離の治療方針 Stanford 分類 A 型 手術 クラスⅠ / レベル C 下記ならば手術 クラスⅡ a/ レベル C 下記ならば保存的 クラスⅡ b/ レベル C 開存型 血栓閉塞型 Stanford 分類 B 型 臓器虚血 破裂なければ保存的 クラスⅠ / レベル C 臓器虚血 破裂なければ保存的 クラスⅠ / レベル C 血栓閉塞 A 型の手術適応 入院時上行大動脈の最大短径 50mm または偽腔径 12mm または心タンポナーデ症例 血栓閉塞 A 型を保存的治療の適応 上行大動脈の最大短径 45mm かつ偽腔の径が小さく三日月型であること かつ緊急手 術ができること 血圧を主とした厳密な患者管理ができること ⑥ に判断すべきである 2 ① PaO2 80mmHg を 維 持 す る PaO2 が 80mmHg 未満 PaCO2 が 50mmHg 以上 頻 急性心不全 呼吸 努力性呼吸等では NIPPV を開始する そ 転が破綻し 心室充満圧の上昇や主要臓器への灌 流不全を来たし それに基づく症状や徴候が急性 に出現した状態 をいい 6 病態に分けられる 蘇生の必要性 不穏の有無 酸素飽和度 心リズ ム 収縮期血圧 前負荷の状態を見ながら治療を 開始すると同時に診断を進める ③ Warm/Cold Dry/Wet クリニカルプロフィール分 類を活用する ④ 入院で患者をモニターする 初期治療にあたって は 心不全の病態と重症度を分析し まず特異的 な治療を施行すべき疾患を判別していく ⑤ れでも呼吸不全が改善しない場合 人工呼吸管理 急性心不全とは 心臓に器質的および / あるいは 機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機 ② 急性心原性肺水腫では酸素投与を開始し SaO2 利尿薬 各種血管拡張薬 カテコラミン系強心薬 PDE 阻害薬 アデニル酸シクラーゼ賦活薬等を 使用する とする ⑦ 血行動態に対しては ⑤の薬剤を使用する 重症 ⑧ 急性心不全の初期診療の要点をに表記する 例 治療抵抗例では IABP 等の適応を判断する 1 定義 106 急性心不全とは 心臓に器質的および / あるいは機能 的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破綻 し 心室充満圧の上昇や主要臓器への灌流不全を来たし それに基づく症状や徴候が急性に出現した状態 をいう 急性心不全の 6 病態の血行動態的特徴を表 19 に示す 2 診断と重症度評価 106 急性心不全の診断手順とそれらに応じた初期治療を示 す 図 26 心不全の程度や重症度を示す分類には 自覚 表 19 急性心不全の各病態の血行動態的特徴 収縮期 平均肺動 心拍数 / 分 心係数 血圧 mmhg 脈楔入圧 低下 低下 上昇 / 低下 軽度上昇 正常 / 上昇 正常 / 上昇 Killip Forrester 分類 分類 通常は上昇 上昇 上昇 / 低下 上昇 Ⅱ - Ⅳ Ⅱ - Ⅲ あり / 低下 あり / なし ③急性肺水腫 上昇 低下 正常 / 上昇 低下 上昇 ④心原性ショック ④ 1 低心拍出量症候群 ④ 2 重症心原性ショック 上昇 >90 低下 / 正常 <90 低下 低下 ⑤高拍出性心不全 上昇 上昇 / 低下 上昇 低下が多い 低下 低下 ①急性非代償性心不全 ②高血圧性急性心不全 ⑥急性右心不全 Ⅱ Ⅲ Ⅱ Ⅱ/Ⅳ 利尿 末梢循環 不全 あり / 低下 あり / なし あり あり / なし 上昇 Ⅲ-Ⅳ Ⅲ-Ⅳ 低下 あり 上昇 Ⅳ Ⅳ 乏尿 著明 上昇 Ⅱ Ⅰ-Ⅱ あり なし あり / なし 低下 Ⅰ Ⅲ あり / 低下 あり / なし 重要臓器 血流低下 なし あり 中枢神経症状 なし / あり あり あり なし あり / なし 1411

52 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 26 急性心不全への対応 急性心不全 診断へのアプローチ 診断確定 診断に基づく治療 急性蘇生の必要性 あり なし BLS 不穏状態 疼痛 あり なし 沈静 鎮痛緩和 動脈酸素飽和度 >95% 低下あり なし FiO2 必要により酸素投与 NIPPV IPPV 肺うっ血あれば血管拡張薬 利尿薬 正常心拍数および調律 異常あり なし ペーシング 不整脈対策他 収縮期血圧 <90mmHg 低下なし あり 血管拡張薬および利尿薬 適切な前負荷条件 問題あり なし 不十分 補液 過剰 利尿薬および血管拡張薬 問題あり なし 強心薬 さらなる後負荷の調整 経過観察 血行動態の評価を繰り返す 観血的血行動態モニター 心拍出量保持 臓器灌流維持を示す臨床状況 代謝性アシドーシスのあるなし 症状から判断する NYHA New York Heart Association 図 27 心機能分類 急性心筋梗塞 acute myocardial infarction; により判断する Forrester 血行動態サブセットがある さ 上昇 浮腫 肝腫大 腹水 肺ラ音 第Ⅲ音聴取等の臨 床所見によりうっ血の有無を判断 Dry/Wet 脈圧狭 小化 四肢冷感 意識障害 血圧低下 低 Na 血症 腎 低灌流所見の有無 らに 身体所見から血行動態臨床像を分類する Nohria 機能障害合併から末梢低灌流 Warm/Cold を判断して 4 つの臨床プロフィールに分類し 治療指針を決定する Nohria の臨床プロフィール分類は Forrester の血行動 態サブセットを Dry/Wet Warm/Cold により再構築 3 脈圧減少 四肢冷感 傾眠傾向 血清 Na 低下 腎機能低下 態指標 特に心係数 CI および肺毛細管圧 PCWP 分類が活用されている すなわち 起坐呼吸 頚静脈圧 急性心不全の臨床病型 うっ血の有無 起座呼吸 頸静脈圧上昇 浮腫 腹水 肝頸静脈逆流 AMI では他覚所見に基づく Killip 分類 そして血行動 らの Warm/Cold Dry/Wet クリニカルプロフィール ACLS なし あり Dry-warm: A Wet-warm: B なし あり 利尿薬 血管拡張薬 Dry-cold: L Wet-cold: C 輸液 強心 昇圧薬 血圧正常 血管拡張薬 血圧低下 強心 昇圧薬 機械的補助 急性心不全患者のモニタリング したものであり うっ血が主徴である Wet プロフィール の群に対してはニトログリセリン 硝酸イソソルビド カルペリチド等の血管拡張薬や利尿薬を選択し 末梢低 灌流が主徴である Cold プロフィールの群に対してはド ブタミン ドパミン ミルリノン等の強心薬の選択を Cold Wet プロフィールの群に対しては両者の併用を 適宜検討する 図 27 急性心不全患者のモニタリング クラスⅠ 心電図モニター 血圧 パルスオキシメータ ー SaO2 レベル C クラスⅡ a Swan-Ganz カテーテルによる血行動態の測 定 急性心筋梗塞による心不全 レベル B Swan-Ganz カテーテルによる血行動態の測 定 血行動態が不安定な場合 レベル B 1412

53 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン クラス Ⅱb 動脈圧ライン : 血行動態が不安定な場合 ( レ ベル C). 心エコー ドプラ法による血行動態の推定 ( レ ベル C). 中心静脈ライン ( レベル C). 病態が明らかではない症例や重症例の場合には Swan- Ganz カテーテルを用いた血行動態の管理が勧められる. 106) 4 治療方針 1 新規発症心不全 急性心不全では入院治療が原則であり, 自覚症状の軽減, 低酸素血症の改善, 血行動態 循環不全の改善と安定化が急務とされる. 初期治療にあたっては, 心不全の病態と重症度を分析し, まず特異的な治療を施行すべき疾患 (AMI に対する責任冠動脈再開通療法, 高度房室ブロックに対する心臓ペーシング, 重症心室性不整脈に対する薬物および非薬物療法, 心タンポナーデ, 肺血栓塞栓症等 ) を判別していく. 急性心不全の治療では, 利尿薬 ( フロセミド等 ) は浮腫, 肺うっ血の軽減と前負荷軽減に, 各種血管拡張薬はそれぞれ, 前負荷軽減 ( 硝酸薬 ), 後負荷軽減 ( ニトロプルシド, ヒドララジン,Ca 拮抗薬 ), 前 後両負荷軽減 ( カルペリチド ) に有効である. 心拍出量低下状態に対しては, カテコラミン系静注用強心薬 ( ドパミン, ドブタミン ) や, 強心作用と血管拡張作用を併せ持つPDE 阻害薬 ( ミルリノン, オルプリノン ), アデニル酸シクラーゼ賦活薬 ( コルホルシンダロパート ) は卓越した血行動態改善効果を示す. しかし, 最近の報告では, 従来想定されていた治療目標としての速やかな血行動態の改善 ( 肺毛細管圧低下と心拍出量増大 ) が, 必ずしも中 長期的予後の改善をもたらすわけではないことが報告されている. 2 急性心原性肺水腫の治療 クラス Ⅰ 酸素投与 (SaO 2 >95%,PaO 2 >80mmHg を 維持 )( レベル C). 硝酸薬 ( 舌下, スプレー, 静注 ) 投与 ( レベ ル B). フロセミド静注 ( レベル B). 血圧低下例に対するカテコラミン静脈内投与 ( レベル C). 高血圧緊急症, 大動脈閉鎖不全, 僧帽弁逆流による急性心不全に対するニトロプルシド静脈内投与 ( レベルC). 著明な高血圧を伴う急性肺水腫に対するCa 拮抗薬 ( レベルC). 著明な高血圧を伴う急性肺水腫に対するループ利尿薬 ( レベルC). 著明な高血圧を伴う急性肺水腫に対するカルペリチド ( レベル C). NIPPV 抵抗性, 意識障害, 喀痰排出困難な場合の気管内挿管による人工呼吸管理 ( レベルC). クラスⅡa NIPPV( レベル A). カルペリチド静脈内投与 ( レベルB). PDE 阻害薬静脈内投与 ( 非虚血性の場合 )( レベルA). 慢性期移行におけるトラセミド投与 ( レベル C). アデニル酸シクラーゼ賦活薬 ( 非虚血性の場合 )( レベルC). クラスⅡb PDE 阻害薬静脈内投与 ( 虚血性の場合 )( レベル A). 腎機能障害合併例に対するカルペリチド静脈内投与 ( レベルB). モルヒネ静注 ( レベルB). アデニル酸シクラーゼ賦活薬 ( 虚血性の場合 ) ( レベルC). クラスⅢ 腎機能障害, 高 K 血症合併例に対する抗アルドステロン薬投与. 高血圧緊急症に対するニフェジピン舌下 ( レベルC). 病歴の聴取と左室容量負荷サイン ( 心室性ギャロップ, 肺野 : 湿性ラ音, 胸部 X 線 : 肺うっ血所見 ) により治療の開始を判断すべきであり, 収容とともに鼻カニューレやフェースマスクによる酸素投与を開始し, SaO 2 >95~98%(PaO 2 >80mmHg) を維持するように管理する. それでもPaO 2 が80mmHg 未満, あるいはPaCO 2 が50mmHg 以上に上昇している場合や, 頻呼吸, 努力性呼吸等臨床症状の改善が認められない場合には, 速やかにマスクによるCPAP や, 鼻, 顔マスクを用いたBiPAP 等のNIPPV を開始する. このよう 1413

54 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 な場合 従来は 気管内挿管による人工呼吸管理が行 われてきたが NIPPV の導入は自覚症状の軽減と動 脈血酸素化 血行動態の改善に効果的である それで も呼吸不全が改善しない場合 人工呼吸管理とする さらに肺うっ血を伴う血行動態に対しては 硝酸薬 ニトログリセリン 硝酸イソソルビド 舌下 スプ 急性心不全の初期診療 急性心不全の初期診療の要点をまとめて表 20 に列記 する 3 急性肺血栓塞栓症 レー 静注 やフロセミド静注が第一選択とされる 血管拡張作用と利尿作用の両者を併せ持つカルペリチ ドも有効である 肺うっ血のみならず心拍出量低下を ① 状 検査による D ダイマーが正常範囲であれば 伴う場合には ミルリノン オルプリノン等の PDE PTE は否定的である 心エコーでの右心室の拡大 阻害薬やアデニル酸シクラーゼ賦活薬 コルホルシン ダロパート が血行動態改善に奏効する しかし 前 述のごとく 血行動態改善効果に優れるミルリノンは と心室中隔の扁平化は右室圧上昇を示唆する ② なることが報告された 基礎疾患や病態に応じた強心 他にカテーテル治療や手術治療も考慮する ③ 然心肺停止になった場合には PTE の可能性を念 られるものの 血圧低下症例や心拍出量低下症例等に さ ら に 重 症 例 治 療 抵 抗 例 で は 人 工 呼 吸 管 理 頭におく ④ 制 アシドーシスの進行等に注意する 著明な高血圧 やすい ⑤ 早めに PCPS を作動する ⑥ 確定診断は MDCT や肺動脈造影による 診断確 定後の治療方法は薬物治療 カテーテル治療 緊 ③心原性ショックの診断 急肺血栓摘除術となる 治療はⅣ -4 を参照 表 20 呼吸管理 ヘパリン bolus 投与後に tpa モンテプラーゼ を静脈内投与する 血行動態が安定しない場合は を認める場合は Ca 拮抗薬 ニトロプルシド 硝酸薬 等の点滴投与により降圧を図る 心肺蘇生例では PTE の身体所見や検査所見が心 収縮能低下 心室内伝導障害等で大きく修飾され IABP 等の適応を判断する モルヒネは肺うっ血の軽 減 鎮静に有効であるが 急激な血圧の低下 呼吸抑 日常生活動作が低下している人 検査や術後に安 静解除となった人 心疾患や肺疾患のない人が突 薬の適応と至適投与量 投与期間の設定が重要と考え はカテコラミン製剤の併用が必要である PTE が強く疑われたら ヘパリン 5,000 単位を静 注する 抗凝固薬や血栓溶解薬による薬物療法の 必ずしも入院期間の短縮や予後の改善をもたらすわけ ではなく むしろ基礎疾患が虚血性の場合には不利に 急性肺血栓塞栓症 PTE の診断は 発症状況 症 救急処置室での初期治療 気道確保 クラスⅠ レベル C 酸素投与 クラスⅠ レベル C 酸素投与のみで酸素か不十分な場合の NIPPV CPAP BiPAP クラスⅡ a レベル A 酸素投与のみで酸素か不十分な場合の気管内挿管 クラスⅠ レベル C 基礎疾患の治療 急性心筋梗塞に対する再灌流療法 クラスⅠ レベル A 可能な場合 急性大動脈解離に対する外科治療 クラスⅠ レベル C 徐脈性不整脈に対する一時的ペーシング クラスⅠ レベル C 心タンポナーデに対する心膜穿刺ドレナージ クラスⅠ レベル C 急性心不全の各 硝酸薬舌下 スプレーまたは静脈内投与 クラスⅠ レベル B 病態に応じた薬 心停止時のアドレナリン エピネフリン 静注 クラスⅠ レベル B 物治療 急性肺水腫に対する利尿薬静注 クラスⅠ レベル C 著明な高血圧を伴う肺水腫におけるニトログリセリン Ca 拮抗薬 ニトロプルシド静注による降圧 クラスⅠ レベル C 心原性ショックに対するカテコラミン クラスⅠ レベル C 薬物治療で循環動態が改善しない場合の補助循環 クラスⅠ レベル C 救急処置室での初期治療後 急性冠症候群の治療のために速やかに CCU へ搬送 クラスⅠ レベル C モルヒネ静注 クラスⅡ b レベル B 高血圧緊急症のニフェジピン舌下 クラスⅢ レベル C 心停止時の心腔内注射 クラスⅢ レベル C 1414

55 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 28 肺血栓塞栓症 PTE 診療アルゴリズム 心肺蘇生後で自己心拍出現 日常診療 発症状況 身体所見 ECG CXP ABG から PTE を疑う 発症状況 身体所見 検査所見 ECG CXP ABG UCG 静脈 エコー から PTE を疑う ヘパリン 5,000U クラスⅠ ヘパリン 5,000U クラスⅠ UCG で右室負荷 あり なし ヘパリン APTT 倍 tpa 13,750~27,500U/kg D ダイマー 高値 PTE 以外の 原因検索 あり MDCT や肺動脈造影その他 の確定診断を行う 血行動態 安定 不安定 可能であれば 確定診断 を行う なし PTE 以外の 原因検索 深部静脈血栓があれば PCPS 非永久留置型 IVC フィルタークラスⅡa 可能であれば ⑦ 薬物療法 クラスⅠ カテーテル治療 クラスⅡb 肺血栓摘除術 クラスⅡb 肺血栓摘除術 or カテーテル治療 or 薬物療法 非永久留置型 IVC フィルター 発症直後の二次予防は 抗凝固療法と下大静脈フ ィルターを考慮する 弾性ストッキングや間歇的 空気圧迫法は 血栓を血管壁から剥離する危険性 がある よる人口動態調査 109 や剖検例からみた年齢調整死亡数 でも増加 110 している 全国アンケート調査では PTE の院内死亡率は 14 であるが 心肺停止例の死亡率は と心肺停止での死亡率は極めて高率とな る また 周術期 PTE 発症頻度は医療側の予防意識の 循 環 器 救 急 で 急 性 肺 血 栓 塞 栓 症 pulmonary thromboembolism PTE に対応する場面には 通常の 診療と心肺停止後の自己心拍再開時がある 1 通常診療時における PTE の診断 治療の流れ 図 28 右 PTE の症状は 無症状から呼吸困難 ショック 失神 向上により低下したが その死亡率には未だ低下がみら れていない 突然死の病態 PTE による死亡例の時間経過を見ると PTE の死亡例 は発症早期 特に 1 2 時間以内で死亡することが特徴 といえる 突然死例における肺動脈内新鮮血栓は 心肺停止に至るまで多彩であり 急性心不全 急性呼吸 肺動脈主幹部ないし左右肺動脈の本幹に存在し ほとん 不全 不整脈 大動脈解離 虚血性心疾患等との鑑別が どの例で右心室の拡大と心室中隔の扁平化が認められ 必要である 107 発症状況や身体所見から PTE が鑑別対 る これは PTE の死因は 新鮮血栓が突然肺動脈近位 象となり 胸部 X 線 心電図 血液ガス 心エコー 静 部を閉塞して急性右心不全を来たし 左室を圧排すると 脈エコー等の検査により本症が強く疑われたら ヘパリ 同時に前負荷が減少し 心拍出量が著しく低下すること ン 5,000 単位の静注が勧められる クラスⅠ D ダイマ が直接死因であることを示している また 院外突然死 ーが正常範囲であれば PTE は否定的であり 高値であ 例では 肺動脈内に器質化血栓を合併しており 繰り返 れば積極的に MDCT や肺動脈造影等に進む 治療法は し肺塞栓が生じている 119 ことが報告されている 抗凝固薬や血栓溶解薬が一般的であるが カテーテル治 療や手術治療に関する成績も近年向上している 2 PTE の発症頻度と死亡率 我が国の統計によると 2000 年の一般人口 1 万人当た りの PTE の発症頻度は 0.32 例 108 であり 死亡診断書に 4 救命処置と併行した診断 表 21 図 28 左 救急現場では蘇生と併行して原因検索が行われる 発 症状況としては 日常生活動作が低下している人 また 心疾患や肺疾患のない人が突然心肺停止になった場合に は PTE の可能性をまず念頭におく 特に検査や手術後 1415

56 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 表 21 急性肺血栓塞栓症の身体所見および緊急検査所見 身体所見 胸部 X 線 頸静脈怒張,Ⅱ 音亢進, 肺ラ音なし, 頻脈 肺うっ血なし, 炎症像なし 心電図 S ⅠQⅢTⅢ, 右脚ブロック,V 1 3 の陰性 T 波, avr の r 波,V 6 の S 波 血液ガス 心エコ D ダイマー 低酸素血症, 低炭酸ガス血症 右心拡大, 左室狭小化, 右心内血栓, 右室圧上昇 高値 の安静解除後の院内急変は,PTE によることが多い. 身体所見としては頸静脈怒張, 肺ラ音がない頻脈およびⅡ 音の亢進に留意する. 心電図ではS Ⅰ Q Ⅲ T Ⅲ, 完全ないし不完全右脚ブロック,V 1~3 の陰性 T 波,aVRのr' 波,SV 6,V 1~2 のST 上昇等が急性右心負荷の際に認められやすい. 急性冠症候群との鑑別にⅢとV 1 の陰性 T 波が有用との報告 120) もある. 胸部 X 線では肺うっ血がないこと, 血液ガス所見では低酸素低炭酸ガス血症等で, 本症を疑う. しかしながら, 心肺蘇生例では, 心音は聴取し難く, 蘇生直後の心電図では急性右心負荷所見は認め難くなる. また, 血液ガスも判定困難となり, 最も有用なベッド サイドの検査は心エコー図である. 経食道心エコーが緊急施行可能であれば, 肺動脈内に血栓を検出することで診断確定となる. 急激に右室圧が上昇による右心拡大が認められれば,PTE 疑いとして心肺蘇生中であっても, ただちに治療を開始することが望まれる. 5 薬物治療 ( 図 28 左 ) PTE が疑われた段階でのヘパリン 5,000 単位を bolus 投与 ( クラスⅠ) する. これに加えて心肺停止例にも線溶療法の追加 115) が考慮される. 心肺蘇生術施行例に対する血栓溶解薬の使用は, 出血性合併症が多く禁忌と考えられていたが,Boettigerらは14 文献から34 症例の調査を行い, 心肺蘇生中にウロキナーセ 200~300 万単位のbolus 投与ないし組織プラスミンアクチベーター (tpa) を使用することによる初期救命率が55~100% と報告 121) した. さらに,15 分以内に蘇生できなかった心原性院外心停止 90 例を対象した前向き試験では, ヘパリン5,000 単位投与後にtPA50mgを2 時間かけて静注を行い68% に自己心拍が回復し, 対照群の44% と比して有意に高率であったと報告 122) されている.tPA100mgによる線溶療法は有用性でないとの報告もあるが 123),tPA 使用例により自己心拍回復率が上昇するとの報告も多い 124),125). 我が国ではPTEに対して保険収載されている tpa はモンテプラーゼのみであり, 線溶療法としては 13,750~27,500 単位 /kgを約 2 分間かけて静脈内投与することとなる.( 器質的心疾患や肺疾患がなく, 状況か らPTEが強く疑われる場合, 蘇生中や直後の線溶療法はクラスⅡ a). 血栓溶解薬は心肺蘇生中に使用されなくても, 心肺停止例では自己心拍再開後早期に使用することが勧められる.1995 年のショック例に対する無作為試験において, ヘパリンのみでは全例死亡, 線溶療法を加えた群では全例生存との結果が得られ,8 例施行した時点で倫理的見地から中止された報告 126) があり, その後ショック例 (massive PTE) に対する線溶療法は欧州のガイドラインでも推奨 127) されている. 穿刺部や手術創部からの出血は当然起こりうる現象であるが,PTEによる心肺停止例の救命率向上の手段として, 線溶療法は選択肢として評価 115) されている. ただし, その効果や合併症について, 十分に家族に説明しておくことが大切である. 6 PCPS 使用の場合 薬物投与後もショックが遷延して血行動態が安定しない場合は, 時機を失せずPCPS を作動する ( 図 28 左 ). PCPS は循環虚脱 ショック例に対して効果が大きい補助循環である.PCPS 使用下では肺血流量が低下するため肺動脈造影が不良となりやすく, 効果的な造影剤注入方法や撮像方法が模索されている. 診断確定後の治療方法は緊急肺血栓摘除術, カテーテル治療, 薬物治療となるが, この3 方法の優劣を比較した報告はなく, 各施設において実績のある方法ないし短時間で実施しうる方法が選択されている. PTEの手術治療が施行可能な施設は我が国では比較的限られている. その成績は,1999 年から2003 年にかけては9.3%~31.3%( 平均 20.4%) の死亡率 128) である. 世界的に見てもPTEに対する手術成績 129) は1985 年以前の死亡率は32%, それ以降は20% であり,2000 年以降のみでみると12% と確実に向上している. カテーテル治療 107) には肺動脈血栓内にカテーテルを直接入れて行う血栓溶解,PCI 用のガイドカテーテルや専用カテーテルを用いた血栓吸引 130), ピッグテイルカテーテルやガイドワイヤーを用いた血栓破砕等が行われる. また, これらを組み合わせた方法 131) も試みられている. カテーテル治療施設は増加しつつあり, 今後の評価が期待される. これらの方法に比してショック遷延例であっても薬物療法を第一選択とする施設は多い.FDA はtPA100mg を2 時間かけて静脈内投与する方法 107) を承認している. 蘇生中ないし直後にtPA が使用されていたら,1,400 単位 / 時のヘパリン持続静注を開始し, その後はAPTTが 1.5~2.5 倍になるように調節 107) する方法が一般的である. これらの治療により血行動態が安定したら, 二次予 1416

57 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 防を考慮した急性期管理へと移行する 7 PCPS 非使用の場合 ① PCPS を常備していない施設の場合 急性期管理中に再発を思わせる症状の発現頻度は 非 永久留置型下大静脈フィルターを使用することにより減 少するとの報告 133 がみられる また 下大静脈フィル ターの使用は予後改善に効果があるとの本邦報告 112 も ある 下大静脈フィルターの永久留置は静脈血栓を生じ 救急現場では物的 人的理由で PCPS を使用できな やすくすることが知られており 134 かつ PTE では長 い場合がある その場合 心肺蘇生後速やかにヘパリ 期留置の必要性がないことが多い したがって 急性期 ンと tpa を投与し 少しでも血行動態が改善すること に下大静脈フィルターを使用する際には 回収可能型な を期待する ショック例では二次予防のため できる いし一時留置型フィルターを使用することが望ましい だけ早期に非永久留置型下大静脈フィルターを挿入す る施設が増えている クラスⅡ a その後自施設で 心肺蘇生後超急性期における PTE における我が国の 管理するか しかるべき専門施設に搬送するかを決定 エビデンスは極めて少ない 心肺停止例においては症例 する 安定しない場合では 設備があり経験を有する ごとの病態は大きく異なり 対応する病院の状況も様々 術者がいれば早期のカテーテル治療も選択肢となる であるため 実際の診断や治療は必ずしもガイドライン ② 血 行動態が比較的安定し PCPS を作動しなくて もよい場合 確定診断を進めるとともに 二次予防を考慮する 通りとはならず 専門施設への転送含めて現場に即した 柔軟な対応が求められる 4 心タンポナーデ 心エコー図にて右心内ないし肺動脈内に血栓を認めた 場合 または MDCT や肺動脈造影で肺動脈内に血 栓を確認した場合には診断は確定する 心肺蘇生後血 ① 行動態が比較的安定した場合の治療は tpa とヘパリ し 無脈性電気的活動の原因となる 心嚢液貯留 ンを使用する薬物療法が基本となる 全身状態や肺動 の速さと心外膜のコンプライアンスにより少量の 脈圧の改善の状態 また肺動脈内血栓量を鑑みて 各 施設の方針によりカテーテル治療や肺血栓摘除術を選 択する場合もある 診断確定されたら速やかに二次予 防法を検討する 8 貯留でもタンポナーデを生じる場合がある ② ③ 補液やエコーガイドの心嚢穿刺を行う 急性大動 脈解離 心筋梗塞後心破裂や外傷等による出血性 のタンポナーデでは 基本的に外科的な修復が必 PTE の発症直後の二次予防に関するエビデンスはな 要である い 一次予防法である弾性ストッキングや間歇的空気圧 迫法は 急性期には残存する深部静脈血栓が血管壁から 予防法としては 抗凝固療法は 禁忌がなければ全例に 静脈圧の上昇 頻脈 奇脈等の所見のほかに心エ コーが診断に有用である 二次予防について 剥離する危険性があるため使用しない施設が多い 二次 心タンポナーデでは 心外膜に血液や滲出物等 心室拡張不全により静脈圧の上昇と心拍出が低下 1 心タンポナーデの血行動態と 病態生理 行われるが 下大静脈フィルターについては特にショッ 心タンポナーデは 心外膜に血液や膿性滲出物等の貯 ク例では原則全例に使用すべきとの見解と MDCT や 留や凝血塊等により 心室拡張不全により静脈圧の上昇 静脈エコーで深部静脈血栓がなければ下大静脈フィルタ と心拍出が低下し 無脈性電気的活動 PEA の原因と ーは不要との見解がある 前者の考えは発症早期には なる致死的な状態である その原因として 急性大動脈 82 と高率に残存深部静脈血栓を認める 132 ため 確実 解離 心筋梗塞後心破裂 外傷 開心術後 カテーテル 性の高いフィルターを留置し 全身状態が許す限りでき 治療や人工ペースメーカ植込み等の医原性 悪性腫瘍 るだけ早期に 日常生活動作 ADL を上げて静脈う 感染性 自己免疫性 アミロイドーシス 甲状腺機能低 っ滞を回避して 深部静脈血栓の形成を予防すべきとい 下 腎不全等がある 図 29 大量の心嚢液によること うものである 後者の考えは 十分な抗凝固療法下では が多いが 心嚢液貯留の速さと心外膜のコンプライアン 深部静脈血栓がなければ肺塞栓の再発は少ないので フ スにより少量の貯留でもタンポナーデを生じる場合があ ィルターは不要というものである る 正常の右房内圧の測定では x y 下行谷を示すが 1417

58 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 29 M モードもしく断層心エコーによる評価として⑴心 心タンポナーデの診療 図B 図A 外膜のエコーフリースペース 時に血腫の存在 ⑵拡張 早期の右室の虚脱 ⑶下大静脈 IVC 拡張と呼吸性変 動の消失 ⑷右心房の収縮期の虚脱 ⑸吸気時左室容量 減少 右室容量増加 ⑹心臓の振り子様運動 swinging heart があるが 最も重要な所見は⑵と⑶である 137 ドプラ法による評価としては 心室への流入波形の呼吸 性変動を見る すなわち 僧帽弁流入波形は吸気で減少 し呼気で増加するが その変動率が 25 以上 もしく 原因 急性大動脈解離 心筋梗塞後心破裂 外傷 開心術後 カテーテル治療や人工ペースメーカ植込等の医原性 悪性腫瘍 原発 転移性 リンパ腫 感染性 自己免疫性 Dresslers 症候群 薬剤性 放射線性 甲状腺機能低下 腎不全 アミロイドーシス 身体所見 Beck3 徴 動脈圧の低下 静脈圧の上昇 頻脈 奇脈 吸気時の血圧低下 10mmHg 心エコー図診断 心音減弱 は三尖弁流入波形が吸気で増大し呼気で減少するが そ の変動率が 40 以上であれば心タンポナーデとする 154 ただし これらの心エコー所見は脱水の状態では欠如す ることがある また 開心術や外傷後には心膜の癒着や 特に右心系に限局性した凝血塊がタンポナーデを来た す このような場合には心嚢穿刺による解除は困難であ り 緊急の開心術が必要となる 138 心電図所見では低電位と交代性に QRS 電位が変動す 1 エコーフリースペース 図 A 時に血腫 2 拡張早期の右室の虚脱 図 B 矢印 3 下大静脈 IVC 拡張と呼吸性変動の消失 4 右心房虚脱 吸気時左室容量減少 右室容量増加 5 心臓の振り子様運動 swinging heart 6 ドプラ法 僧帽弁流入波形 吸気 呼気 変動率 25% 三尖弁流入波形 吸気 呼気 変動率 40% 心タンポナーデでは 平均右房圧の上昇と y 下行谷の消 失示す 右室圧と体血圧の呼吸性変動は正反対となり ることがある 3 心タンポナーデの治療 心タンポナーデの治療 クラスⅠ 補液 レベル C エコーガイド心嚢穿刺 レベル C 外科的手術 レベル C クラスⅡ a 血圧維持のための昇圧剤投与 レベル 吸気で血圧は低下し右室圧は上昇し 呼気ではその逆と なる クラスⅡ b 心タンポナーデの診断 非エコーガイド心嚢穿刺 レベル C クラスⅢ 心タンポナーデの診断 クラスⅠ 利尿薬投与 レベル C 身体所見による診断静脈圧の上昇 頻 脈 奇脈 レベル C 心エコーによる診断 レベル C クラスⅡ a スワン ガンツカテーテルによる心内 圧測定 レベル C クラスⅡ b 1418 C 脱水は 心タンポナーデの状態を悪化させる また 十分な輸液をしたうえでカテコラミンの使用も考慮する が そのために心嚢穿刺を遅らせてはならない 非エコーガイドの心嚢穿刺では 剣状突起 肋骨角の 左側から穿刺することが勧められていたが 154 その場 心電図診断 レベル C 合には致死的合併症が 20 前後生じるのに比して エ 古典的な Beck 三徴は 血圧低下 静脈圧の上昇 心 コーガイドとすることで主要合併症は 1.4 まで低下す 音減弱であるが 実際に重要な所見は 静脈圧の上昇 頻 る 139 エコーガイドでは穿刺部位として 傍胸骨や心 度 100 頻脈 100 bpm; 奇脈 吸気 尖部を選択することが多い 穿刺針の位置が明らかでな 時 の 血 圧 低 下 10mmHg; 98 で あ る い場合には 用手撹拌した生理食塩水等を注入してエコ 136 な お Kussumal sign 吸気時の静脈圧上昇 は 収縮性心外 ーで確認する 心嚢穿刺用キットも存在するが 中心静 膜炎の所見である 脈カテーテルキットやピッグテイルカテーテルを用いて

59 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン もよい. 穿刺液は, 血球数, ヘマトクリット, 細菌染色, 細菌培養, 細胞診断等を解析する. 急性大動脈解離, 心筋梗塞後心破裂や外傷等による出血性のタンポナーデでは, 基本的に外科的な修復が必要であり, 心嚢穿刺は血行動態の一時的な改善により手術までの時間を稼ぐだけである 140). 心タンポナーデの状態で心不全と誤診されて利尿薬を投与されると急激に血行動態が悪化することがあり注意を要する. 5 急性心筋炎 1 心筋内の炎症によって心筋細胞壊死と心臓ポンプ機能障害が引き起こされる病態を急性心筋炎と呼ぶ. 2 感染症あるいは全身性炎症性疾患を反映する病歴と検査所見を認め, 心筋壊死を反映して血中の心筋逸脱物質が上昇する. 心電図所見が短期間に変化することが特徴である. 心不全あるいは不整脈が現れ, 重症例はショックあるいは突然死に至る. 3 心筋炎の診断には, 虚血性心疾患等他疾患の鑑別と, 心筋炎を確認するための心内膜心筋生検が重要である. 4 循環を維持する初期治療を行いながら集中治療が可能な施設への搬送を検討する. 特に, ショック, 房室ブロック, 致死性不整脈, 低血圧遷延,CPK 上昇の持続,R 波減高の持続, 心室内伝道障害, 左室壁運動異常の進行を認める場合は集中治療が必要である. 5 好酸球性心筋炎と巨細胞性心筋炎はステロイド治療の適応. リンパ球性心筋炎の場合はステロイド治療の適応はなく, 血行動態を管理する. 肉芽腫性心筋炎ではサルコイドーシスを疑い全身検索を進め, 診断が確定すればステロイド治療を行う. 6 劇症型心筋炎によるショックでは大動脈内バルーンパンピングに加えて積極的に経皮的心肺補助装置を装着する. 1 急性心筋炎とは 心筋内の炎症によって心筋細胞壊死と心臓ポンプ機能障害が引き起こされる病態を急性心筋炎と呼ぶ. 原因はウイルス感染が多いが, ウイルス以外の病原体による感染症やアレルギー反応, 自己免疫反応, 薬物や化学物質による中毒, 放射線障害等でも発症することがある. 性 差なくあらゆる年代に発症するが, 若年者と小児に多い傾向がある. 感染症あるいは全身性炎症性疾患所見とともに心筋逸脱物質が上昇する. 心筋傷害を反映した心電図異常が短期間に変化することが心筋炎の特徴である. 心不全あるいは不整脈を伴い, 重症例はショックあるいは突然死に至る. 心筋炎の重症度は様々であり, 軽い動悸を訴えるだけの軽症例から致死的な劇症型心筋炎まで幅広く, また軽症例が短期間に重症化することもまれでない. 2 症状と経過 心筋炎では, 発熱とともに全身倦怠感, 悪心, 嘔吐, 腹痛, 下痢等全身症状が先行し, その後に咳嗽, 全身衰弱, フラツキ等が現れ, 続いて胸痛, 低血圧, 失神, ショック等の心症状が出現してくる 141). 劇症型心筋炎では発熱からショックまでの期間が2~4 日間と短いことが多く, 全身症状期と心症状期の間に小康期間を認めないことが多い. 急性期にはショックや心静止等の心臓ポンプ機能障害が数日間 (4~7 日間 ) 続くが, やがて自然治癒に向かう. 炎症の消退とともに不整脈は減少し, 左室壁運動は改善する. 心筋傷害の程度によって, 後遺症として不整脈や心機能障害を残すこともある. 循環補助装置を用いて管理された劇症型心筋炎の急性期死亡率は40.4% と報告されている 141). 逆に, 心筋炎は突然死の原因疾患として重要である. 特に若年者や小児の突然死では5~20% が心筋炎を基礎疾患としていると報告されている 142),143). 院外心肺停止から蘇生された症例を診療するときは, 原因疾患の1つに急性心筋炎を考えておかなければならない. 3 診断 診断法の有用性クラスⅠ ( レベル C) 心筋生検. クラスⅡ a( レベル C) 67 Ga シンチグラフィー. 造影 MRI. 総合判断 ( 心筋傷害所見と, 心電図および心エコー図の経時変化 ). 虚血性心疾患, 感染症を契機に代償不全に陥った心筋症, タコツボ型心筋障害等を鑑別する. 患者あるいは家族から病歴を聴取し, 全身症状期の有無を探る. 心筋炎にみられる心電図所見はST-T 異常, 房室ブロック, 心室内伝導障害,R 波減高, 異状 Q 波, 低電位差, 等であ 1419

60 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 る 141 急性心筋梗塞と同様に ST 上昇を呈するが 心筋 断して再灌流療法の機会を逸さないことが重要である 炎では広範な誘導に変化を認め 鏡像変化を認めない 冠動脈造影で虚血性心疾患が否定できたら心内膜心筋生 また 短期間で刻々と心電図所見が変化する 血液検査 検で積極的に組織診断を確定することが望ましい 劇症 では血中トロポニン T と CK-MB 等の心筋逸脱物質が上 型心筋炎では 2 3 個の生検標本でも陽性的中率が高い 昇する また 心不全による BNP 上昇や炎症所見によ また リンパ球性心筋炎 好酸球性心筋炎 巨細胞性心 る CRP や白血球数上昇を認める 重症例で多臓器不全 筋炎 肉芽腫性心筋炎の各組織型によって治療法と予後 を呈すると腎障害 肝障害 播腫性血管内凝固症候群等 が異なる 図 31 を呈してくる 心エコー図では 141 間質の炎症性浮腫 により左室壁厚が部分的に増加する このとき心電図学 的左室肥大は伴わない また 左室壁運動はびまん性に 低下し 特に壁厚が増加している領域の壁運動低下が強 い 壁厚と壁運動異常は短期間で刻々と変化する また 4 初期診療 劇症型心筋炎の治療法 クラスⅠ レベル C 循環補助療法 PCPS IABP 人工心肺 心嚢液の貯留をしばしば伴う 心臓 MRI 検査では炎症 性浮腫を含む病変が T2 強調画像で濃染されることから 心筋炎の存在診断に利用されている また 心筋炎では ガリウムシンチグラムで集積像を認めることがあり 陽 性所見が得られたときは特異度が高いが 感度はあまり 装置 一時ペーシング クラスⅡ a レベル C カテコラミン薬 PDE 阻害薬 ヘパリン クラスⅡ b レベル C 免疫グロブリン療法 カルペリチド 高くない 急性期に心室頻拍 高度房室ブロック 心室 細動等の多彩な重症不整脈が繰り返し出現することがあ る 心疾患の既往がない症例に 多彩な重症不整脈が繰 ①救急外来での治療 り返し出現するときは 心筋炎を鑑別する必要がある 図 心筋炎に特異的な薬物療法はなく 血行動態の管理と 30 不整脈の監視が中心となる 安定した静脈補液路を確 急性心筋梗塞と急性心筋炎は鑑別が困難なことがある 保する 意識と呼吸が安定していれば酸素吸入を開始 ので冠動脈造影で鑑別する 急性心筋梗塞を心筋炎と判 し ドパミン ドブタミン PDE Ⅲ阻害薬等で血圧 図 30 心筋炎の診断 発熱 全身症状に続いて心症状が出現 1 新たな心病態 心電図異常 不整脈 心機能障害 の出現 2 心筋壊死を示す所見 CK トロポニン いずれかあり いずれもなし 虚血性心疾患や心筋炎を疑って入院 他の疾患を鑑別 1 心肺停止からの蘇生 2 ショック状態 いずれもなし 観察と治療を継続 3 房室ブロック 心室頻拍 心室細動 いずれかあり 地理要因 受け入れ態勢 搬送困難 患者状態により可能であれば 専門病院へ搬送 冠動脈疾患の鑑別 除外できる 1 心臓 MRI で心筋炎を示唆する所見 2 心筋生検で陽性所見 3 ガリウムシンチグラムで集積 いずれかあり 心筋炎の臨床診断 治療後も血行動態が悪化 2 CK-MB が上昇傾向 3 R 波減高 心室内伝導障害が進行 いずれかあり 4 壁運動異状が悪化 いずれもなし 観察と治療を継続 冠動脈疾患確定 冠動脈疾患の治療 いずれもなし 原因検索と治療を継続

61 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 31 心筋炎の治療 心不全の管理 不整脈の監視 全身管理 1 致死的不整脈 心室頻拍 心室細動 心静止 が繰り返 し出現する 2 ショック状態から離脱できない 3 低拍出状態が遷延あるいは悪化し臓器障害が進行する ①意識障害 ②尿量減少 ③混合静脈血酸素飽和度低下 ④一回拍出量係数低下 ⑤ 代謝性アシドーシスの進行 いずれかあり いずれもなく安定 循環補助療法 ③集中治療可能な施設での治療 集中治療室に収容したら 血行動態と不整脈の監視を 行う 心筋炎では CK の上昇が数日間続き 最高値を 経た後の下降も緩徐である この CK の変動は心筋炎 による心筋傷害の程度を反映していると考えられる CK が最高値を経て下降に転じてから 1 3 日後に左 室壁運動が改善し始める 壁運動の改善が確認できる と心筋炎の極期が過ぎたと判断できる ⑴ 観察と治療を継続 心電図モニターで不整脈を監視する 除細動器を すぐに使えるように準備しておく 心室内伝導障害 年齢 小児 免疫グロブリン療法 が進行する場合や Ⅰ Ⅱ度の房室ブロックが新た 成人 に出現した場合 早めに一時ペーシングカテーテル 観察と治療を継続 を挿入しておいた方が良い 心室頻拍や心室細動が 間断なく現れて血行動態が維持できないときは経皮 心内膜心筋生検による組織診断 好酸球性心筋炎 巨細胞性心筋炎 肉芽腫性心筋炎 ステロイド 免疫抑制薬 監視 的心肺補助装置を装着する 血行動態の監視には血 リンパ球性心筋炎 圧 尿量 混合静脈血酸素飽和度 心拍出量を用い る カテコラミン等の薬物療法を行っても収縮期血 観察と治療を継続 圧を 90mmHg 以上に維持できないとき 末梢循環 不全により尿量が維持できないとき 混合静脈血酸 と心拍出量を維持する 意識が低下している場合と血 素飽和度が 60 以上を維持できないとき 一回心 行動態が不安定な場合は気管内挿菅のうえ人工呼吸を 拍出量係数 20mL/m2 以上を維持できないときは経 開始する 循環補助装置の装着には両側大腿動静脈が 144 皮的心肺補助装置の装着を考える 表 22 必要になるので初期治療手技で同部を損傷しないよう ⑵ に注意する 心筋炎の診断確定 心臓カテーテル検査 冠動脈造影 心内膜心筋生 検を行って診断を確定する 図 32 組織所見によ ②集中治療可能な施設への搬送 り好酸球性心筋炎と巨細胞性心筋炎の診断が確定す 初期診療時点で心筋炎の重症度を予測することは難し れば ステロイド治療の適応がある リンパ球性心 い 初診時の CK 値の上昇が軽度であっても 持続的 筋炎の場合はステロイド治療の適応はなく 血行動 に上昇し続け劇症型心筋炎に進展する場合がある ま 態を管理しながら自然治癒を待つことになる 肉芽 た 心エコー図で心機能が保たれていても 心室頻拍 腫性心筋炎ではサルコイドーシスを疑い全身検索を や心室細動が間断なく現れて血行動態が維持できなく 進め 診断が確定すればステロイド治療を行う カ なることがある したがって急性心筋炎が強く疑われ テーテル検査を行う際は 穿刺した血管をその後の る症例は入院が必要であり 可能であれば循環補助療 法が実施可能な施設に搬送することが望ましい 特に カテコラミンの持続静注が必要な場合 人工呼吸管理 を要する場合 房室ブロックや心室頻拍が出現する場 合や血液検査での CPK の上昇の持続や経時的に心電 図で R 波減高や心室内伝道障害を認める場合 左室壁 運動異常が進行するときには搬送を急ぐ 房室ブロッ クがみられたら 可能ならば速やかに一時ペーシング を開始してから搬送する 表 22 経皮的心肺補助装置の開始指標 致死的不整脈が繰り返し出現するとき 心室細動 心室頻拍 心静止 ショック状態から離脱できないとき 低血圧 臓器灌流低下を伴う低拍出状態が遷延するとき 意識障害 尿量減少 混合静脈血酸素飽和度低下 60 未満 一回心拍出量係数低下 20mL/ 分 /m2 未満 代謝性アシドーシスの進行 和泉 より引用 徹他 Circ J 2004; 68 Suppl Ⅳ 1421

62 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 治療に用いるように配慮する すなわち 大動脈内 ある 大規模臨床試験はなく 成人では有効性は証明さ バルーンパンピング 大腿動脈 経皮的心肺補助 れていないが 小児では有効とする報告が多い 装置脱血カテーテル 大腿静脈 送血カテーテル 大 腿動脈 の挿入に合わせた血管を穿刺する また ④小児の急性心筋炎 検査に引き続いて循環補助装置を用いない場合であ 小児の急性心筋炎も劇症型となることがある 診断と っても 数時間後に緊急で装着が必要となることを 治療は成人と同じであるが 心筋生検 循環補助療法に 想定して 穿刺した血管路を確保しておく ついては体格の差に由来する制約がある 経皮的心肺補 ⑶ 助装置は様々な体格に合わせた装置が開発されているわ 循環補助療法 劇症型心筋炎によるショックではポンプ機能障害 けではなく またカテーテル挿入の血管も細いため使用 が著しく大動脈内バルーンパンピングだけでは血行 できないことがある その場合は開胸下に人工心肺装置 動態を維持できないことが多い また 大動脈内バ を装着して血行動態を管理する 小児では心筋炎に対す ルーンパンピングは心室頻拍や心室細動による血行 る免疫グロブリン大量療法が有効とする報告が多いが 動態の破綻に対しては効果がない 循環補助療法が 大規模臨床試験で証明されているわけではない 必要と判断したら躊躇なく経皮的心肺補助装置を装 着すべきである 図 32 一方 経皮的心肺補助装 6 電解質異常 1 正常値と計算式 置で管理する際は 後負荷の減弱 組織血流の拍動 流化 補助循環からの段階的離脱を目的に大動脈内 バルーンパンピングも併用する 一時的であっても 血行動態が破綻すると多臓器不全に至り腎不全を合 血清 K Na Mg Ca の異常は 致死的な状況となり 併しやすい 腎不全に対しては持続血液浄化装置を うる 電解質異常の診断と治療に必要な計算式 表 23 用いて管理する 循環補助療法が長期化すると様々 を理解することは重要である な合併症が出現してくる 特にカテーテル挿入によ る下肢虚血 出血 感染症 血栓症はコントロール 困難となることがあるため 循環補助療法開始時か ら常に注意しておく必要がある 血清カリウム値の異常 ①高 K 血症の定義と症状 追加治療 血清 K 値が 5mEq/L を超える場合である 脱力 上行 追加治療の有用性 性麻痺 呼吸不全を生じる 心電図変化が血清 K 濃度を ⑷ 反映する 表 24 クラスⅠ なし クラスⅡ a レベル C 好酸球性心筋炎に対するステロイド治療 プレドニゾロン 30mg/day クラスⅡ b レベル C 小児の急性心筋炎に対する免疫グロブリン 大量療法 完全型免疫グロブリン製剤 2.0g/kg 巨細胞性心筋炎に対する免疫抑制療法 145 心筋炎は血行動態の破綻を一定期間乗り切れば自然治 ②高 K 血症の治療 表 25 ⑴ 軽度 5 6mEq/L 上昇では 体内からの K 除去を目的とする ⅰ 利尿薬 フロセミド 静脈投与 ⅱ 陽イオン交換樹脂をソルビトールに溶解し 経口投与または保留浣腸する ⅲ 血液透析の可能性を考慮する ⑵ 中等度 6 7mEq/L 上昇では 一時的に 血管内から細胞内へ K を移動させる ⅰ グルコース / インスリン療法 癒が期待できる疾患であり 効果が確実な循環補助療法 ⅱ 重炭酸ナトリウム静脈投与 単独投与は 効果 を機会を逸することなく導入することが重要である と が低く グルコース / インスリン療法やサル ころが 循環補助療法を続けても心筋傷害が高度な場合 ブタモールの噴霧との併用が推奨される 146 と自然治癒が遅延する場合は 様々な合併症により多臓 ⅲ サルブタモール 147 噴霧吸入 器不全に陥ってしまう 急性期の心筋内の炎症を鎮静さ ⑶ 重度 7mEq/L を超える 中毒性の心電図変 せる目的で免疫グロブリン大量療法が選択されることが 化を伴う 上昇では K を細胞内に移動させる

63 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表 23 診断と治療のための計算式 計算式コメント アニオンギャップ (meq/l) [Na + ] ([Cl ]+[HCO 3 ]) 正常範囲 :10~15mEq/L 15: 代謝性アシドーシスが示唆される 血清浸透圧較差 測定浸透圧 計算浸透圧 正常値 10 > 10では不明な浸透活性物質を疑う 計算浸透圧 (mosm/l) 総自由水欠乏量 ( 単位 :L) ナトリウム欠乏量 ( 単位 :meq) (2 [Na + ])+([ 血糖値 ] 18)+([BUN] 2.8) 有効浸透圧を求める簡略式正常値 =272~300mOsm/L ([Na + ] 測定値 140) 高ナトリウム血症の水欠乏補正に必要な水分量の算出に TBW 140 用いる TBW( 体内総水分量 )(L)=( 男 0.6/ 女 0.5) 体重 (kg) ([Na + ] 目標値 [Na + ] 測定値 ) TBW(L) TBW(L)=( 男 0.6/ 女 0.5) 体重 (kg) 重症低ナトリウム血症に対し,3% 生理食塩水による補正量算出に用いる (3% 生理食塩水 1L にナトリウム 513mEq 含有 ) 予測 ph の測定 (40 Pco 2 ) =± (ph 7.4からのpH 差 ) Pco 2 が 40から 1mmHg 変化するとpH は 変化する測定 ph が計算 ph より低い場合 : 代謝性アシドーシスの存在が示唆される測定 ph が予測 ph より高い場合 : 代謝性アルカローシスの存在が示唆される 表 24 血清カリウム濃度上昇と心電図所見 血清カリウム値範囲 (meq/l) よく認められる心電図所見 5.5 ~<6 尖鋭性 T 波 ( テント状 T 波 ), 初期心電図変化 6 ~< 6.5 PR 間隔延長および QT 間隔延長 6.5 ~< 7 P 波消失および ST 低下 7 ~< 7.5 QRS 幅拡大 7.5 ~< 8 S 波下降,S 波と T 波の融合 8 ~< サイン波出現, 心室固有波形と調律.VT 様波形 PEA( サイン波の外観を伴うことが多い ), VF/VT, 心停止 3 低 K 血症の定義と症状血清 K 値 3.5mEq/L 未満である. 症状は, 中等度 (2.5 ~3.0mEq/L) では全身倦怠感, 脱力感, 易疲労, 便秘, 脚の痙攣, 高度 (2.0~2.5mEq/L) では筋崩壊 ( 横紋筋融解 ), 麻痺性イレウス, 腸閉塞, 重度 (2.0mEq/L 未満 ) では上行性麻痺, 呼吸障害, 不安定な不整脈を生じえる. 特にジゴキシン服用時には症状が発現しやすいため注意が必要である. 4 低 K 血症の治療 ⑷ とともに, 体外へ排出を促進する. 血清 K 値のリバウンドを生じることがあり⑴⑵の治療を繰返す. さらに心筋細胞膜レベルのK 中毒作用を抑制し, 心室細動のリスクを軽減させる治療. 塩化カルシウム静脈投与. 治療は,K 喪失の抑制と不足分を補充投与である.K 補充は一般的には経口投与であるが, 高度 (2.5mEq/L 未満 ) な低 K 血症の場合に, 不安定な不整脈やジゴキシン中毒を伴う場合は, 静脈内投与の適応となる. 通常の補充は10~20mEq/ 時間, 最大投与濃度は40mEq/L (20mEq/L 以上で投与する場合は中心静脈から ) であり, 補充時には心電図モニタリングが必要である. 生命を脅 表 25 高カリウム血症の緊急治療および治療手順 治療法用量効果機序効果発現効果持続期間 塩化カルシウム 10% 溶液 5 ~ 10mL (500~1000mg) 静注 細胞膜におけ る毒性に拮抗 重炭酸ナトリウム グルコース / インスリン療法 ( グルコース 5g あたりインスリン 2U 使用 ) 50mEq 投与. 最大投与量 1mEq/kg.15 分後に再投与 必要に応じ 100mEq を 5% ブドウ糖 1L に溶解し 1~2 時間で静注 50% ブドウ糖 50mL + レギュラーインスリン 10U 静注 必要に応じ 10% ブドウ糖 500mL+ レギュラーインスリン 10 ~ 20U を 1 時間かけて静注 細胞内移動による再分布 細胞内移動による再分布 1~3 分 5~10 分 30~60 分間 1~2 時間 30 分 4~6 時間 フロセミド ( 利尿薬 ) 40 ~ 80mg 静脈投与体内から除去利尿開始時利尿終了時 陽イオン交換樹脂 ( ケーキサレート ) 15 ~ 50g 経口投与またはソルビトールに溶解し併用投与体内から除去 1~2 時間 4~6 時間 腹膜透析または血液透析 治療実施計画に従う体内から除去透析開始時透析終了時 1423

64 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) かす低カリウム血症の場合はK の急速静脈投与を行う. 10mEqを5 分間で投与し, 必要な場合さらに追加再投与する. カルテには 生命を脅かす低 K 血症のため, 意図的に急速静脈投与を行った 旨を記載する. 3 血清ナトリウム値の異常 血清 Na が急激に低下した場合, 脳浮腫を生じる 148),149). 一方, 血清 Na が急激に上昇すると血清浸透圧は上昇し, 自由水は間質腔から血管内へ移動し, 橋中心髄鞘崩壊症 150), 脳出血, 横紋筋融解を生じる. このため血清 Na 値の補正に際しては, 神経学的機能を慎重にモニタリングし, できる限り血清 Na はゆっくりと48 時間かけて補正する. 1 高 Na 血症の定義と症状血清 Na 値が145~150mEq/Lを超えている場合. 症状は, 細胞内脱水に伴う意識障害, 脱力, 易刺激性, 局所神経脱落症状, さらに昏睡, 痙攣等神経症状である. 2 高 Na 血症の治療高 Na 血症の治療は, 過剰な血清 Naの排泄ではなく, 不足している自由水を補正し ( 表 26),1 時間あたり 0.5~10mEq/Lの速度で血清 Na 値を補正する. はじめの24 時間に12mEq/L 以上の急激な低下を生じないよう, ゆっくり補正し, 残りはその後 48~72 時間かけて補正する. 通常は1/2 生理食塩水を投与し, 血清 Na 濃度を緩徐に補正する.5% ブドウ糖による水分補充は血清 Na 濃度の急激な低下を生じるため危険であ る. 高度な循環血液量減少と著明な脱水によるショック状態で, 生命を脅かす状況では生理食塩水 500mL を急速投与し反応性を評価し, その後 20~30 分ごとに状態が安定するまで繰り返し投与する. 3 低 Na 血症の定義と症状定義は血清 Na 値が130~135mEq/L 未満である. 血清 Na 値 120mEq/L 未満までは自覚症状のないことが多い. 血清 Na 低下が急激な場合は, 自由水が血管内から間質腔に移動するため, 悪心, 嘔吐, 頭痛, 易刺激性, 嗜眠, 痙攣, 昏睡が起こり, 脳浮腫を生じ, 死に至ることがある. 4 低 Na 血症の治療低 Na 血症の治療はまず, 循環血液量を評価し, 次に循環血液量を補正する ( 表 26). 循環血液量の減少している場合は, 生理食塩水で補充し循環血液量が増加している場合は, 利尿を確保する. 次に欠乏 Na 量を算出し,3% 食塩水 (513mEq/L) で補正する. その際に, 通常 Na を毎時 0.5mEq/L 補正し, 最初の24 時間では最大補正量を12mEqとする. 痙攣や昏睡等頭蓋内圧上昇に伴う神経症状が出現した場合は,3% 食塩水を点滴投与して, 神経所見がコントロールされるまで血清 Naを時間あたり1mEqの速度で補正する. 神経所見がコントロールされてからは血清 Naを時間 0.5mEq/Lの速度で補正する. 痙攣を生じている場合には, さらに速い速度 (2~4mEq/L/ 時 ) での是正を推奨する専門家もいる. 表 26 血清 Na 異常の緊急治療 1. 高 Na 血症の治療 過剰な血清 Na の排泄ではなく, 不足している自由水の補正を行う補正に必要な循環血液量 = 不足水分量 (L)=(( 血漿 Na + 濃度 140)/140) 全身水分量 ( 全身水分量は, 男性では除脂肪体重の約 50%, 女性では 40%) 血清 Na 値補正 :1 時間あたり 0.5 ~1.0mEq/L の速度でする初めの 24 時間に 12mEq/L 以上の急激な低下を生じない残りはその後 48 時間 ~72 時間かけて補正する 安定した無症候性患者 : 経口または経鼻胃管から補給 循環血液量が減少している場合 :1/2 生理食塩水を投与する (5% ブドウ糖は危険 ) 2. 低 Na 血症の治療 第 1 段階 : 循環血液量の評価循環血液量が増加している所見 : 肺うっ血, 下腿浮腫, 頚静脈怒張, 湿性ラ音, 体重増加,Ⅲ 音循環血液量が減少している所見 : 頻脈, 起立性低血圧, 皮膚の張り低下, 口腔内乾燥 第 2 段階 : 症状の重症度を評価と, 循環血液量の補正する循環血液量の減少している場合 : 生理食塩水で補充する循環血液量が増加している場合 : 水分摂取量を制限し, 利尿薬 ( フロセミド ) により利尿を確保する欠乏 Na 量を算出欠乏 Na + 量 =[ 目標 Na+ 値 現在の Na + 値 ] 0.6( 女性では0.5) 体重補正に必要な3% 食塩水 (513mEq/L) の投与量を決める通常 Na を毎時 0.5mEq/L 補正し, 最初の24 時間では最大補正量を12mEqとする痙攣や昏睡などの神経症状が出現した場合は, 時間あたり 1mEq の速度で補正し, 神経所見がコントロールされてからは血清 Na を時間 0.5mEq/L の速度で補正する 1424

65 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 4 血清マグネシウム値の異常 1 高 Mg 血症の定義と症状血中 Mg 濃度が2.2mEq/Lを超える場合 ( 正常値 1.3~ 2.2mEq/L). 症状は神経学的症状, 消化器症状である. 中等度の高 Mg 血症 (4~5mEq/L) では筋力低下, 筋脱力, 重篤な高 Mg 血症 (5~8mEq/L) では血管拡張と低血圧を来たすことがある. 血清 Mg 濃度が極めて高くなる (8mEq/L 以上 ) と意識レベルの低下, 徐脈, 不整脈, 低換気, そして心肺停止に至る場合がある. 2 高 Mg 血症の治療表 27に示す. 3 低 Mg 血症の定義と症状血清 Mg 濃度が1.3mEq/L 未満. 副甲状腺ホルモンの機能を阻害し, 低カルシウムCa 血症, 低 K 血症を引き起こす.Mg 摂取量の減少, 腎臓や消化管からの喪失増加. 甲状腺機能の異常や, 特定の薬剤 ( ペンタミジン, 利尿薬 ) やアルコール摂取が原因で, 頻度が高く, 全入院患者の11% に生じることが報告されている 151). 振戦, 線維束性攣縮, 眼振, テタニー, 神経症状の変化,Torsade des pointes( 多原性心室頻拍 ) 等の不整脈を生じる. 失調, 回転性めまい, 痙攣, 嚥下障害等も生じる. 4 低 Mg 血症の治療低 Mg 血症の治療はMg の補充であるが, 重症度に応じてその量と速度を調整する ( 表 27). また, ほとんどの低 Mg 血症患者は低 Ca 血症を合併しているので, 通常はCaを静脈内投与する. 5 血清カルシウム値の異常 細胞外液中のCaの半分は血清アルブミンと結合しており, 残り半分が生物学的活性を持つイオン化 Caとして存在する. 総血清 Ca 値は血清アルブミン値と正比例し, 血清アルブミン値が1g/dL 上昇すると血清 Ca 値は 0.8mg/dL 上昇する. 不安定な低 Ca 血症ではイオン化カルシウムを測定する必要がある. 1 高 Ca 血症の定義と症状総血清 Ca 値が10.5mEq/Lを超えた場合 ( イオン化 Ca 濃度 >4.8mg/dL). 原因の90% 以上は原発性副甲状腺機能亢進症と悪性腫瘍である. 症状は総血清 Ca 値が 12~15mg/dL 以上で出現する. 抑うつ, 脱力, 疲労感, 神経錯乱がみられる.Ca 値がさらに上昇すると, 幻覚や見当識障害, 筋緊張低下, 痙攣や昏睡を来たすことがある 152). 高 Ca 血症の胃腸症状は, 嚥下障害, 便秘, 消化性潰瘍や膵炎である. 腎臓に対する影響により, 尿濃縮能の低下, 多尿によるNa,K,Mg, リン酸の喪失, 脱水症を来たすことがある 153). 血清 Ca 値が 15mg/dLを超えると心筋自動能が抑制され, 不応期が短縮することにより不整脈が出現する. 高 Ca 血症はジギタリス中毒を悪化させ, 高血圧を起こすことがある. 多くの高 Ca 血症の患者では低 K 血症を合併し, どちらの病態も不整脈に関与する. 血清 Ca 値が 13mg/dLを超えると, 通常はQT 時間が短縮し,PR 間隔とQRS 幅が拡大する. 総血清 Ca 値が15~20mg/dL を超えると房室ブロックが生じ, 心停止へ進展することがある 154). 2 高 Ca 血症の治療治療の対象は, 血清 Ca 値 12mg/dLを超え症候を有する場合と, 無症状でも血清 Ca 値が15mg/dLを超える場合である. 大量静脈投与用のラインを確保し, 循環 表 27 血清 Mg 異常の緊急治療 1. 高 Mg 血症の治療 Mg 摂取の原因除去 血清 Mg 値が低下するまで心肺蘇生の継続 補液による血清 Mg 濃度希釈, 10% 塩化カルシウム液 5 ~ 10mL 静脈内投与 Mg の排泄の促進腎機能が正常で心血管機能が正常であれば, 透析までの間に生理食塩水利尿 ( 生理食塩水とフロセミド [1mg/kg]) の投与により Mg の排泄を促進させてもよい 2. 低 Mg 血症の治療 重症, 症状を伴う低 Mg 血症患者 :1~2g の硫酸マグネシウムを 5~60 分かけて静脈投与する Torsade des Pointes による心停止患者 :1~2g の硫酸マグネシウムを 5~20 分かけて静脈投与する Torsade des Pointes が間歇性で心停止に至っていない場合 : 硫酸マグネシウムを 5~60 分かけて静脈投与する 痙攣がある場合 :2g の硫酸マグネシウムを 10 分間かけて静脈投与する ほとんどの低 Mg 血症患者は低 Ca 血症を合併しているので, 通常は Ca を静脈内投与する 1425

66 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 血液量の回復と 尿からの Ca 排泄を促進する 表 要な場合がある 155 近年 Toxidromes156 という用語が 28 心血管機能と腎機能が良好な場合 体液欠乏が 用いられ 薬物中毒により重篤な症状や徴候を呈し 心 補正され利尿がつくまでは 0.9 生理食塩水を投与す 停止や生命の危険に陥った場合 Toxidromes と判断し る 利尿により K 値と Mg 値が低下することがあるた て原因薬物が同定される前に ただちに気道 呼吸 循 め 点滴投与中は K 値と Mg 値をモニターし 正常範 環を補助する治療を開始する 中毒学専門家や公認の地 囲内に維持する 血液透析は心不全または腎機能障害 域中毒センターへただちに相談することも推奨される 患者の血清 Ca 値を急激に低下させるのに良い治療法 日 本 で は 日 本 中 毒 情 報 セ ン タ ー が つ く ば 中 毒 110 番 である 極端な高 Ca 血症に対しては キレート剤が 大阪中毒 110 番 を開設し 情報提供している 用いられる 表 に薬剤による心血管系緊急の徴候とバイ ③低カルシウム血症の定義と症状 タルサインの変化 考慮すべき治療法と禁忌 慎重に行 血清 Ca 値が 8.5mEq/L 未満 イオン化カルシウム 4.2mg/dL 症状は 通常イオン化 Ca 値が 2.5mg/dL 未満で生じる 四肢や顔面の麻痺 続いて筋痙攣 指 趾 痙 縮 喘 鳴 テ タ ニ ー 等 で あ る 反 射 亢 進 うべき治療について示す 2 心停止前の気道と呼吸の管理 中毒患者の病状は急速に悪化する可能性があり頻回に Chvostek 徴候および Trousseau 徴候がみられる 心臓 気道 呼吸 循環の評価を行う 呼吸障害は死因として では心筋収縮力の低下と心不全がある またジギタリ 最も多い 意識障害のある患者には 誤嚥の危険性を減 ス中毒を増強することがある らすために 胃洗浄の適応がある場合でも その前に気 管内挿管を実施する 胃洗浄は 致死量の薬物 毒物を ④低 Ca 血症の治療 摂取後 1 時間以内の場合には推奨される オピ 10 グルコン酸カルシウムあるいは 10 塩化カルシ エートによる呼吸障害が出現した場合 はじめに高流量 ウムを 10 分間かけて静脈投与し その後に緩徐に追 酸素を接続したバッグ アンド マスクで換気し 拮抗 加する 表 時間おきに血清 Ca 値を測定し 薬であるナロキソンを投与 必要に応じて人工呼 総血清 Ca 値を 7 9mg/dL に維持し 同時に Mg Na 吸管理を実施する ph の異常を補正する 低 Mg 血症が存在すると 低 Ca 血症が治療抵抗性になることが多いため 治療初 期の Ca 投与が奏功しなかった場合は 血清 Mg 濃度 を測定する 心血管系傷害 ①血行動態の悪化を伴う薬剤起因性徐脈 薬物過量中毒による血行動態悪化を伴う徐脈を生じた 救急心疾患治療における 中毒学 場合 標準的 ACLS プロトコルに反応しないことがあ る このような場合には特異的解毒治療が必要となる コリンエステラーゼ阻害薬 有機リン カルバメート 1 神経ガス中毒 による徐脈に対しては アトロピンを Toxidromes 大量投与する アトロピンを初回 2 4mg 投与するが 中毒患者の治療は緊急性を要し 迅速な加療開始が必 表 28 総量として 20 40mg またはそれ以上となる場合があ 血清 Ca 異常の緊急治療 1 高 Ca 血症の治療 大量静脈投与用のラインを確保し 0.9% 生理食塩水を mL/ 時の速度で投与する 補正後は注入速度を mL/ 時に下げる 点滴投与中は K 値と Mg 値をモニターする 血液透析 特に心不全または腎機能障害患者に 極端な高 Ca 血症ではキレート剤 50mmol PO4 を 8 12 時間かけて EDTA10 50mg/kg を 4 時間かけて投与 2 低 Ca 血症の治療 10 グルコン酸カルシウムを Ca として mg 10 分かけて静脈投与した後にその後 mg の Ca を 1 時間当た り 0.5 2mg/kg の割合で持続投与する 10 塩化カルシウムを 10 分間かけて Ca として 136.5mg 静脈投与し その後 6 12 時間かけて 1g を持続静脈投与する 4 6 時間おきに血清 Ca 値を測定し 総血清 Ca 値を 7 9mg/dL に維持する 同時に Mg Na ph の異常を補正する 1426

67 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 表 29 薬剤性心血管系緊急の徴候 : 考慮すべき治療法および禁忌 ( 慎重に行うべき ) 療法 心血管系の徴候 考慮すべき治療法 禁忌 ( 慎重に行うべき治療 ) 徐脈 経皮 経静脈的ペースメーカ カルシウム拮抗薬中毒: 生理食塩水, エピネフリン, 塩化カルシウム, グルコース / インスリン療法, グルカゴン アトロピン( コリンエステラーゼ阻害剤中毒以外では有効なことはまれ ) 低血圧時のイソプロテレノール β 遮断薬中毒 : 生理食塩水, エピネフリン, 塩化カルシウム, 予防的経静脈ペーシング グルコース / インスリン療法, グルカゴン 頻脈 交感神経作動薬中毒: ベンゾジアゼピン系薬剤, リドカイン, β 遮断薬 ( 薬剤誘発性頻脈に有用でない ) 重炭酸ナトリウム, ニトログリセリン, ニトロプルシド 電気ショック( 適応となることはまれ ) 三環系抗うつ薬中毒: 重炭酸ナトリウム, 過換気, 生理食塩 アデノシン( 適応となることはまれ ) 水, 硫酸マグネシウム, リドカイン 抗コリン薬中毒: フィゾスチグミン カルシウムチャネル拮抗薬( 適応となることはまれ ) フィゾスチグミン( 三環系抗うつ薬を過剰投 与した場合 ) 伝導障害または心室性不整脈 重炭酸ナトリウム リドカイン 高血圧緊急症 交感神経作動薬中毒: ベンゾジアゼピン系薬剤, リドカイン, 重炭酸ナトリウム, ニトログリセリン, ニトロプルシド, フェントラミン ショック 急性コリン作動徴候 三環系抗うつ薬を過剰投与した場合: クラス Ⅰ A の抗不整脈薬 β 遮断薬 カルシウムチャネル拮抗薬中毒: 生理的食塩水, エピネフリ イソプロテレノールン, ノルエピネフリン, ドパミン, 塩化カルシウム, グルコ ジゴキシン毒性が疑われる場合, 塩化カルシース / インスリン, グルカゴンウムは避ける. β 遮断薬中毒 : 生理的食塩水, エピネフリン, ノルエピネフリン, ドパミン, 塩化カルシウム, グルコース / インスリン, グルカゴン 最大限の薬物療法が奏効しない時: 循環補助装置使用を検討 アトロピン プラリドキシム / オビドキシム 急性抗コリン作 フィゾスチグミン動徴候オピオイド中毒 ナロキソン 補助換気 気管内挿管 サクシニルコリン 抗精神病薬 他の抗コリン作動性薬 る. イソプロテレノールの高用量投与は,β 遮断薬過量中毒に伴う治療抵抗性徐脈に対して有用であるが, コリンエステラーゼ阻害薬その他の薬物中毒による徐脈に対しては, 血圧低下, 心室性不整脈を誘発するため禁忌である. 薬剤起因性の軽度 ~ 中等度徐脈には経皮的ペーシング (TCP) が有効であるが,TCPが無効な場合に経静脈的ペーシングを選択する. 2 血行動態の悪化を伴う薬剤起因性頻拍血行動態の悪化を伴う薬剤起因性頻拍は, 心筋虚血, 心室性不整脈, 高心拍出量性心不全やショックを起こすことがある. 毒物が体内に残存している状況ではアデノシンや同期下カルディオバージョンの有効性は低い. 境界域低血圧を呈した患者では, ジルチアゼムやベラパミルは, さらに血圧が下がる恐れがある. ベンゾジアゼピン系薬剤 ( ジアゼパムやロラゼパム ) は, 交感神経作動薬による血行動態悪化を伴う頻脈に対して, 安全で効果的である 161). 3 薬剤による高血圧性緊急症薬剤による高血圧に対する第一選択薬はベンゾジアゼピン系薬剤である. 薬剤起因性高血圧は, 経過とともに低血圧を生じることがあるため, 積極的な血圧コントロールが推奨されない場合がある. ベンゾジアゼピン系薬剤に抵抗性の患者には, ニトロプルシドのような短時間作用型降圧薬が推奨される 162). プロプラノロールのような非選択的 β 遮断薬では,α 受容体刺激が抑制されずにβ 受容体のみが遮断され高血圧が悪化することがあるため, 交感神経作動薬による中毒には禁忌である 163). 4 薬剤起因性の急性冠症候群コカインの過量投与では, 交感神経系の過剰刺激による頻脈と高血圧, 冠攣縮による心筋虚血を生じ, 急性冠症候群が生じる. 血栓溶解薬は重症高血圧を伴う場合は効果より危険性が高いため, 慎重にすべきである. コカインによる急性冠症候群に対しては, ニトログリセリンとベンゾジアゼピン系薬剤が第一選択薬, フェ 1427

68 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 交感神経作動薬 アンフェタミン系薬剤 メタンフェタミン系薬剤 コカイン フェンシクリジン エフェドリン 表 30 心血管傷害を有する薬物 物質 : 心肺への影響と考慮すべき治療法 可能性のある薬物心肺への影響考慮すべき治療法 カルシウムチャネル拮抗薬 ベラパミル ニフェジピン ( 他のジヒドロピリジン系薬剤 ) ジルチアゼウム β 受容体遮断薬 プロプラノロール アテノロール ソタロール 三環系抗うつ薬 アミトリプチリン デシプラミン ノルトリプチリン 頻脈 上室性不整脈 心室性不整脈 伝導障害 高血圧緊急症 急性冠症候群 ショック 心停止 徐脈 伝導障害 ショック 心停止 徐脈 伝導障害 ショック 心停止 頻脈 徐脈 心室性不整脈 伝導障害 ショック 心停止 ベンゾジアゼピン系薬剤 リドカイン 重炭酸ナトリウム ニトログリセリン ニトロプルシド 再灌流療法 フェントラミン(αアドレナリン遮断薬) β 遮断薬は使用しない 生理食塩水投与(0.5~1 L) エピネフリン静注, 他のα/β 作動薬 ペースメーカ 補助循環装置を考慮 カルシウム点滴を考慮 グルコース/ インスリン点滴を考慮 グルカゴンを考慮 生理食塩水投与(0.5~1 L) エピネフリン静注,α/β 作動薬 ペースメーカ 補助循環装置を考慮 カルシウム点滴を考慮 グルコース/ インスリン点滴を考慮 グルカゴンを考慮 重炭酸ナトリウム 過換気 生理食塩水投与(0.5~1L) 硫酸マグネシウム リドカイン エピネフリン静注,α/β 作動薬 ントラミンが第二選択薬, プロプラノロールは禁忌である 163). 5 薬剤による心室頻拍と心室細動血圧低下を伴うQRS 幅の広いリズムが突然出現した場合, 薬剤因性心室頻拍の可能性が高く, カルディオバージョンの適応となる. 状態が不安定で多形性心室頻拍の場合は, 高エネルギーの非同期下ショックを行う. 血行動態の安定している薬剤性心室頻拍は, 抗不整脈薬が適応となる. 多くの単形性心室頻拍にはリドカインが第一の抗不整脈薬として選択される. 三環系抗うつ薬やナトリウムチャネル遮断薬による中毒では, ナトリウムチャネルを遮断するⅠ A 群,Ⅰ C 群, その他の抗不整脈薬は禁忌である. 6 薬剤起因性伝導障害ナトリウムチャネル遮断薬 ( フレカイニドやプロカインアミド ) と三環系抗鬱薬の中毒により生じる,QRS 幅延長, 心室頻拍に対して, 高張食塩水と重炭酸ナトリウムの静脈内投与は薬剤性伝導障害の予防, 停止効果がある 164),165). 不整脈と低血圧に対して重炭酸ナトリウムを使う場合,1 ~2mEq/kgを繰り返しボーラス 投与し, 動脈血 ph を7.45~7.55に維持するようにするが, 至適 ph に関する十分な研究はない. 血清 K 値の低下を予防するため,150mEq/Lの重炭酸ナトリウムと30mEq/Lの塩化カリウムを加えた5% ブドウ糖液の維持投与が推奨される.QRS 幅が100msecを超える場合や, 低血圧が発現した場合は, 急性代償不全として血清 ph を測定することなく重炭酸ナトリウムを静脈内投与する. 4 薬剤によるショック 標準的治療に抵抗性を示す薬剤起因性ショックが起こる原因は, 薬剤により血管内容量が減少し, 体血管抵抗と心筋収縮力が低下する場合, またはこれらの要因が重複し, 正常な代償機序が機能しない場合である. 肺動脈カテーテルによる血行動態モニタリングでの輸液負荷, ドパミン, 体血管抵抗が低下している場合はノルアドレナリン等のαアドレナリン作動薬, アムリノン, カルシウム, グルカゴン, インスリン等, 陽性変力作用を有する薬を使用する. ドブタミンとイソプロテレノールは体血管抵抗をさらに下げる可能性がある. 1428

69 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 強心配糖体 ジゴキシン ジギトキシン ジギタリス オレアンダー 抗コリン薬 ジフェンヒドラミン ドキシラミン コリン作動薬 カルバメート系薬剤 神経作用薬剤 有機リン系薬剤 オピオイド系薬剤 ヘロイン フェンタニル メサドンイソニアジド ナトリウムチャネル遮断薬 プロカインアミド ジソピラミド リドカイン プロパフェノン フレカイニド 表 31 心血管傷害を有する薬物 物質 : 心肺への影響と考慮すべき治療法 ( 継続 ) 徐脈 上室性不整脈 心室性不整脈 伝導障害 ショック 心停止 頻脈 上室性不整脈 心室性不整脈 伝導障害 ショック, 心停止 徐脈 心室性不整脈 伝導障害, ショック 肺水腫 気管支痙攣 心停止 低換気( 無呼吸 ) 徐脈 低血圧 縮瞳( 瞳孔収縮 ) 乳酸アシドーシス 頻脈または徐脈 ショック, 心停止 徐脈 心室性不整脈 伝導障害 発作 ショック 心停止 K +,Mg 2+ の体内総量の補正 血管内容量の補正 ジゴキシン特異的抗体 アトロピン ペースメーカー リドカイン フェニトインを考慮 フィゾスチグミン( 要注意 ) アトロピン 汚染除去 プラリドキシム オビドキシム ナロキソン 補助換気 気管内挿管 ナルメフェン ビタミンB 6 重炭酸ナトリウム ペースメーカ α 作動薬,β 作動薬 リドカイン 高張食塩水 5 薬剤による心停止 薬剤起因性心停止には通常の ACLS を行うが, 交感神 経作動薬による中毒では, アドレナリン ( エピネフリン ) の投与間隔を広げる. 重篤な中毒患者特にカルシウムチャネル拮抗薬の中毒患者では長時間 (3~5 時間 ) の心肺蘇生を受けた後に回復した症例が報告されている. 体外循環 ( 膜型人工肺 ) は重篤な中毒患者の蘇生に対する効果が報告されている 166),167). 6 特殊な薬剤中毒 1Ca 拮抗薬と β 遮断薬の過量中毒 Ca 拮抗薬と β 遮断薬の過量中毒に共通した症候は, 低血圧, 心収縮力低下, 徐脈, 意識障害, 昏睡, 痙攣, 中枢神経障害である.β 遮断薬では低血糖, 高 K 血症, 種々の不整脈を生じ,Ca 拮抗薬では高血糖, 突然の 168) 代償不全, 急激に生じる重篤なショック, 心停止 を生じることがある. 共通した標準的治療法は, 酸素投与, 気道換気管理, 心電図モニター, 血圧と血行動 態の評価, 血糖測定である. 大量点滴用の静脈路を確保し, 低血圧に対して生理食塩水 500~1,000mLを静脈内投与する. 肺うっ血の出現をモニターしながら, 心機能抑制と低血圧に対処する. 徐脈, 血圧低下に対しては一時的ペーシングを考慮することもある. 活性炭による胃洗浄は意識が清明で, 血行動態への影響が軽度で服薬 1 時間以内の場合に考慮する 169). 徐放性薬剤を服用し,X 線で錠剤が確認され, 腸管蠕動が保持されている場合には腸管洗浄を考量する. Ca 拮抗薬過量中毒により著明な血行動態の障害を認める場合には, アドレナリン ( エピネフリン ), 血管収縮薬ノルアドレナリンを投与する. 容量負荷, アドレナリン ( エピネフリン ), ノルアドレナリンに反応しないショックに対する塩化カルシウム (8~ 16mg/kg) の投与はクラスⅡbである. カルシウムの静脈内投与総量は初期量に反応する場合で1~3gである. アドレナリン ( エピネフリン ) やその他のα1 刺激薬はカルシウムへの感受性を増加する. 追加療法としてグルコース インシュリン静脈投与 170),171), グルカゴン静脈投与 172), 大動脈バルーンポンプ, 対外 1429

70 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 循環を用いる. β 遮断薬過量により低血圧と著明な血行動態の障害を認める場合に, アドレナリン ( エピネフリン ), ノルアドレナリン, ドブタミン, プロプラノロール, ドパミンを投与する. グルカゴンは心筋組織のcyclic- AMP を刺激する強心薬でβ 遮断薬中毒への有効性が報告されている 173),174). グルカゴンやアドレナリン ( エピネフリン ) に反応しない場合にカルシウム静脈投与を考慮する. 追加療法としてアトロピンはまれに有効であり, グルコース インスリン療法, 大動脈バルーンポンプ, 対外循環はクラス未定である. 2 三環系抗うつ薬中毒三環系抗うつ薬中毒は最も頻度が高い. 中毒作用の原因は, カテコラミン分泌刺激作用, カリウムチャンネル抑制作用,α 受容体の刺激作用により, 低血圧, 痙攣発作および不整脈を引き起こし, 抗コリン作用により瞳孔散大, 発熱, 乾燥皮膚, 精神錯乱, 腸閉塞, 尿閉を生じる. 幅の広いQRS 波は不整脈の危険性が高いことを示唆する. 治療として, 不整脈と低血圧に対する重炭酸ナトリウムや高張食塩水の治療効果が報告されているが, QRS 幅の程度と治療開始時期は不明である. 重炭酸ナトリウムによる治療において7.45~7.55の動脈血 ph が一般的である. 高張食塩水も三環系抗うつ薬による心毒性に対する治療として有効かもしれない. 3ジギタリス過量中毒ジギタリス過量中毒の初期症状は中枢神経症状や消化器症状であることが多い. 心室性期外収縮と徐脈を多くの症例で認める. 高度房室ブロックを伴う心房頻拍, 非発作性房室結節性頻拍, 多源性心室頻拍, 規則的なリズムの心房細動はジギタリス中毒を疑う不整脈である. 肺うっ血を伴う徐脈, 重症心室性不整脈, Na-KATPへの作用による高カリウム血症を生じることがある. 長期服用者の場合は, 体内の不足したカリウム, マグネシウムを補正し, 生理食塩水で体内水分量を調整する. 服薬 1 時間以内の急性症状の場合は, 活性炭による中和を考慮する. 致死量のジギタリスを服薬し1~2 時間以内の場合, 意識消失例では迅速気管内挿管と活性炭による胃洗浄を実施する. この際, 嘔吐により迷走神経反射を介した徐脈の増悪を生じることがあるので, アトロピンを準備する. 徐脈に対しては, アトロピンを初回 0.5mg 静脈中投与する. 心室性不整脈に対してはリドカイン, マグネシウムの有効 性が報告され, リドカインは1~1.5mg/kg 静脈内投与, 硫酸マグネシウムは1~2gを10mLの5% ブドウ糖液に溶解し静脈内投与する. 4オピエート中毒オピエート中毒 ( 麻薬 ; ヘロイン, フェンタニル, モルヒネ等 ) では, 呼吸不全, 呼吸停止が起こる. 標準的治療として, 換気補助を試みる. オピエートの作用は, 拮抗薬であるナロキソンにより急速に消失する 175). ナロキソンの作用時間はおよそ45~70 分間であるが, オピエートによる呼吸抑制は4~5 時間持続することがあり, ナロキソンの反復投与が必要となる場合がある. 緊急時の成人投与量は0.4~2mgの静脈内投与, もしくは0.4~0.8mgの筋肉内または皮下投与が推奨され, 必要に応じて反復投与する. 5コカイン中毒コカインの最も頻度が高い症状は胸痛であり, 血圧上昇, 頻脈, 高揚感を生じる. 痙攣, 心筋梗塞, 死亡は初回使用でも生じ, 重篤な心毒性を呈する.β 作用による心拍数上昇, 心収縮力増加,α 作用による冠血流低下, 冠攣縮, 血小板凝集亢進, 冠血栓のリスク上昇, 心筋酸素需要増大時の冠灌流低下を生じる. 低酸素血症は心毒性を増強し, 発熱作用は頻脈と神経症状を悪化する. 標準的治療は酸素投与, 体温調節, 心電図と神経所見モニタリングである. 上室性不整脈には Benzodiazepineを投与する. 血行動態の安定した心室頻拍にはBenzodiazepine, リドカイン, 重炭酸ナトリウムを投与し, 除細動パッドを装着しモニタリングする. 心室細動を生じることがある. 胸痛を合併した場合, 急性心筋虚血の所見を認めないことが多いが, 亜硝酸薬と塩酸モルヒネを投与する. まれではあるが心筋梗塞を生じる場合はアスピリンを投与する.β 遮断薬 ( 特にプロプラノロール, アスモロール ) はα 作用が顕在化するため禁忌である. 8 偶発的低体温 1 深部体温が偶発的に35 ~36 以下になった状態を偶発的低体温と定義する. 深部体温により軽度 >34, 中等度 30~34, 重度 <30 に分類する. 2 まず濡れた衣類等を剥がすが, 身体操作は慎重に行いVF を避ける. 1430

71 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン ③ 深部体温によって受動的復温と体外式復温を選択 する ④ 低体温の BLS では 秒かけて脈拍を確認す る 電気ショックが無効なときには 2 回目を行わ ず復温を優先する ⑤ ACLS では 気管内挿管を行い 加温加湿酸素を 投与し積極的復温を行う 初回電気ショックや初 回投薬が無効であった場合 深部体温が 30 を 超えるまでは追加の電気ショックや薬剤投与は控 える 1 もしくは J wave は有名であるが その幅と深さは体 温の低下に伴い増強することが報告されている 循環を生み出すリズムが残存している場合は 体温の さらなる喪失を防止するため 濡れた衣服は脱がし 外 環境から絶縁して 蒸発による体温喪失を予防する 気 管内挿管 血管カテーテル挿入等必要な緊急処置を遅ら せてはいけないが 丁寧に手技を実施しないと心室細動 を生じることがある 病態 偶発的低体温とは 深部体温が偶発的に 標準的対処法 循環リズムの有無による処置の違い ①循環が保持されている場合 以下になる場合と定義される 図 32 偶発的低体温に 循環を生み出すリズムが保持されている低体温の場 よる心停止を生じた場合には 通常の心肺蘇生法に変更 合 34 以上の軽度低体温では暖かい毛布等による を加えることが推奨されている 6 低体温の分類は深部 受動的復温と能動的体外復温を行う の中 体温により 軽度 34 中等度 重度 30 等度では強制温風式加熱 178 や加温した静脈内輸液等 に分類する 低体温の心電図所見として Osborn wave 能動的な体外復温を行い 179 afterdrop 現象を生じる 図 32 偶発性低体温における BLS ACLS アルゴリズム 身体操作は慎重に行い VF を避ける 濡れた衣服をはがす 毛布や被覆で寒冷から守る 深部体温モニター 心リズムのモニター Osborn J 波 呼吸脈拍の確認 秒かける 脈拍 呼吸あり 脈拍または呼吸なし 深部体温は 軽度 受動的復温 毛布等 能動的体外復温 加温装置 湯たんぽ 温風等 中等度 受動的復温 毛布等 能動的体外復温 対幹部のみ 30 未満 高度 能動的体外復温 加温した生理食塩水 43 加温 加湿酸素 腹膜洗浄 胸腔灌流 食道復温チューブ 体外循環 いずれかが見られるまで体内復温の継続 深部体温 35 循環の回復 蘇生中止の判断 ただちに CPR を行う 電気ショック 除細動 を 1 回行う 二相性 J 単相性 360J 高度な気道の確保 加温 加湿酸素 加温した生理食塩水 43 深部体温は 30 未満 CPR を継続 投薬は控える 電気ショック 除細動 は 1 度に限定 30 以上 CPR を継続 必要があれば薬剤を考慮 復温中の VT/VF に電気ショック 除細動 を繰り返す 1431

72 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 ことがあるので能動的体外復温は四肢を避け体幹部の 生理的食塩水を用いた胸腔ドレナージチューブを介した みを温める 30 以下の重度では能動的体内復温 膜 胸腔内灌流 部分バイパスを用いた体外血液加温 心肺 型人工肺の使用を考慮する バイパス等を用いる 低体温では薬物代謝が遅延するた め 30 以下では静脈内薬物の反複投与は控える 初 ②心停止状態 回電気ショックや初回投薬が無効であった場合 深部体 低体温により心停止を生じ循環リズムのない場合 は 能動的な体内復温に加え 180 従来の標準的救命 温が 30 を超えるまでは追加の電気ショックや薬物静 脈投与は延期すべきである 重度低体温では洞性徐脈で 処置に変更を加えた心肺蘇生を行う の中 ある場合 通常はペースメーカの適応とならない 45 等度の低体温で心停止となった場合には 心肺蘇生法 60 分以上低体温であった場合 加温中に血管拡張に を開始し 電気ショックを施行 静脈路を確保する より循環血液量が低下するため 容量負荷が必要となる 薬物投与は比較的長い間隔に変更する 能動的な体内 ことが多い 復温には 強制温風式加熱 181 等の非侵襲的な加温装 低体温による心停止では 低体温が先か心停止が先か 置や加温処置を用いる 30 以下の重度低体温によ の判断はできないことがある 臨床的に判断ができない る心停止では 心肺蘇生法を開始し 電気ショックは 場合 CPR を施行し復温を開始する 明らかな致死的 1 回のみ施行し 復温するまで胸骨圧迫を継続する 傷害を受けている場合 胸骨圧迫 心臓マッサージ が 投薬は 30 に復温するまで待つことが推奨される できないほど凍り 鼻や口が塞がれている場合は 現場 30 以下では正常洞調律への回復は見込めないため での蘇生を差し控えてもよい 図 32 能動的侵襲的な体内復温法として 腹膜灌流 食道復 温チューブ 心肺バイパス 182 体外循環の有効性が 報告されている 9 成人の先天性心疾患 1 成人先天性心疾患の現況と 緊急対応を要する病態 183 重度の低体温では 薬物過量投与 飲酒 外傷等の原因が先行する場合が多いため 同時 に 基礎にある異常を探索し治療する ③偶発的低体温症例に対する BLS 含めると 万人と言われ 今後増えていく 186 我 行い 身体の操作による心室細動誘発を予防する 低 が国の先天性心疾患による死亡を人口比でみると 1968 体温による心停止では脈拍数と呼吸数が少なく 医療 年には 10 万人当たり 3.6 であり 1996 年には 1.4 と低下 従事者は呼吸の確認後 秒かけて脈拍を評価す したが 一方で 成人 20 歳以上 期死亡患者の割合 る 呼吸がなければすぐに人工呼吸を実施し 可能で は増加している 187 すなわち 今後 成人期の死亡罹 あれば の加湿酸素を用いてバックマスク換 病が増え続けることが確実である 気を行う 184 脈拍がなく循環のサインがない場合は 救命救急の視点から 成人先天性心疾患の死因は 突 ただちに胸骨圧迫 CPR を開始する 低体温症例に対 然死 心不全死 再手術 その他の心臓死が 85 を占め する適切な電気ショックの方法は確定していないが 突然死では不整脈が重要な要因とされている 188 また 30 以下であれば心室細動が確認されたら 1 回のみ電 緊急入院となった理由は 不整脈 急性心不全 その他 気ショックを施行し その後はただちに CPR を再開 の突然死に結びつくような病態が並ぶ 189 する 1 回の電気ショックで復調しない場合にはそれ 以上電気ショックを施行せず 深部体温が に戻るまで CPR を継続する 偶発的低体温症例に対する ACLS 反応がない患者や心停止患者は気管内挿管の適応とな る 気管内挿管には加温加湿した酸素を用いた換気と 誤嚥予防効果がある 積極的で急速な能動的復温のため 1432 我が国には先天性心疾患を持った成人は 治療後 も 利用可能な方法で復温する すべての手技は丁寧に 救急病態とその初期対応 2 救急に至る病態 そして その初期対応は 基本的に は成人の一般的なものと同様で 先天性心疾患特有のも のではない ①頻拍性不整脈 ⑴ 頻拍への対応 に の加温加湿酸素投与 43 の加温した生理 心房頻拍 心房粗細動 心房頻拍 および心室頻拍 的食塩水の輸液 加温洗浄液による腹膜洗浄 加温した がある 基礎疾患によって既にうっ血性心不全 低心

73 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 拍出量, 拡張障害がある場合には, 症状が激しい割に頻拍中の心拍数が, 少ないことがある. 発作 前の症状を聞き, 病態を推測するとともに, 胸部レントゲン等を行う. 心拡大が著明な場合には, 頻拍の停止が急がれる. 停止は通常の手順でよい ( Ⅴ. 頻脈 ). 既に抗不整脈薬を服用しているか, を確認する. 心拍数に拘らず循環不全症状が強く, 緊急を要する場合には電気ショックを選択する. 治療によって洞調律ないし ( 心房 ~ 接合部 ) 整調律に復し, 一定時間安定が確認されれば応急治療は終了である. ただ, 発作停止後の観察時間に関しては定まった見解がない. 発作時の循環動態が重症だった例, 治療後の調律が不安定な例では, 入院観察が好ましい. ⑵ 原因疾患先天性心疾患のうち, 心房性頻拍性不整脈を起こしやすい疾患は,Ebstien 奇形, 修正大血管転換 ( 転位 ), 内臓心房錯位症候群 ( 無脾症, 多脾症 ), ファロー四徴症術後,Fontan 型手術後等で 190),191), 特に,Ebstein 奇形,Fontan 型手術後では循環不全が強い. ただ, 救急の現場では基礎疾患診断は必須ではない. 2 徐脈性不整脈房室ブロックおよび洞機能不全症候群による心拍停止があり, 救急対応としては一般的な治療法で対処する ( Ⅴ. 徐脈 ). 房室ブロックは, 修正大血管転換 ( 転位 ), 心内膜床欠損 ( 房室中隔欠損 ), 多脾症, 心室中隔欠損孔閉鎖術後等に見られる. 洞機能不全症候群は, 多脾症, 心房内手術後 ( 心房中隔欠損症術後, 総肺静脈還流異常術後, 完全大血管転換に対するセニングないしマスタード手術後 ) 等に見られる. 特発性 洞機能不全症候群のなかに心内合併奇形のない多脾症がある. 3 急性心不全バルサルバ洞の破裂, 大動脈弁に関連した細菌性心内膜炎による急速な大動脈弁閉鎖不全進行, 大動脈狭窄, 冠動脈奇形, 中等度の三心房心等による急性左心不全がある. その他には既診断の先天性心疾患の病態と関連して左心不全が単独ないし主病態になることは少ない. もしあれば, 後天性疾患の合併発症を考え, 左心系の疾患を検索してそれに相応の治療を行う. バルサルバ洞の破裂では, 脈圧が広く, 心聴診で大きな連続性雑音ないしto and fro 雑音とギャロップがあれば診断できる. 重症な場合には, 呼吸管理, 利尿薬静注そして手術となる. 中等症以下の場合, 一般的な抗心不全療法で安定後, 手術とする. 大動脈弁感染性心内膜炎で大動脈弁が破壊され, 急速に進行する弁閉鎖不全によって急性 (~ 亜急性 ) 左心不全となる例がある. 発熱の既往, 少し時間経過のある左心不全進行, 聴診上の拡張期雑音とギャロップが診断に手がかりとなる. 胸部レントゲンのうっ血像, 心エコー図で疣腫と大動脈弁閉鎖不全を見る. 疣腫が 10mm 以上であれば, 塞栓のリスクが高くなるので手術を考慮するが, そのリスクも高い 192). 基礎疾患として大動脈二尖弁症, 軽症大動脈弁狭窄症, 心室中隔欠損等がある. 4 失神既知の先天性心疾患による失神とその機序に関して,DanielsとChanの総説から表を改変して示した( 表 32) 193). 基礎疾患に関わらず, 初期対応での診断と治療は, 通常の場合と全く同様で, 失神の当面の原因の治療, 回復を図る. このうち, 運動と関連して見られるものとして, 大動脈狭窄では運動時ないし運動直後に, 洞機能不全で 心房中隔欠損症 心室中隔欠損症 大動脈狭窄症 診断 表 32 成人先天性心疾患術後と失神 可能性の高い病態 心房性不整脈 ( 頻拍性 洞機能不全 ), 肺高血圧 心房性 心室性不整脈, 肺高血圧 左室流出路の固定性狭窄, 心室性頻拍 Ebstein 奇形心房細動, 上室性頻拍 (WPW 症候群合併 ) ファロー四徴症 完全大血管転位症 心房性 心室性頻拍, 洞機能不全 ( セニング ~ マスタード手術後 ) 心房性頻拍, 洞機能不全 * 修正大血管転位症房室ブロック * 心内奇形のない型では手術なしで成人に達するが, 房室ブロックが初発のこともある文献 193より改変 1433

74 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 は運動直後に急速な心拍数の低下から失神となる例も 見られる その他 冠状動脈起始異常があるが 事前 には未知なことが多い 大動脈狭窄では通常は狭窄部での圧較差が 50mmHg 以上の例でリスクがある これらでは手術適応で 術 前は運動制限が課せられるので 所謂 運動 では起 きないが 電車に駆け込んだような時にリスクがある 急 性 左 心 不 全 か ら 心 室 細 動 へ と 進 む こ と が 多 い AED ないし DC を適用する 表 33 先天性心疾患と胸痛 狭心症 冠状動脈奇形 大動脈狭窄 胸痛 背部痛 解離性大動脈瘤 Marfan 症候群 大動脈縮窄 大動脈二尖弁 ファロー四徴等チアノーゼ性心疾患 特に肺 動脈閉鎖例 術後 肺梗塞 肺高血圧 チアノーゼ性心疾患 非 根治 手術例 Fontan 術後 自然気胸 チアノーゼ性心疾患 左右冠動脈が対側の冠動脈洞から急角度で起始し 大動脈肺動脈の間を走行する冠動脈奇形がある 運動 中 心仕事量が増えると同時に 両大血管が拡張して 異常走行の冠状動脈を圧迫して心筋虚血 心室頻拍が あり これも AED ないし DC を適用する 突然死が Ⅷ 蘇生後の治療 初発症状のことが多く まれながら家族性に見られ る 194 ⑤胸痛 1 先天性心疾患そのものによる胸痛は少ない 器質的 疾患としていくつかの病態が挙げられるが 表 33 診断および初期対応は 別項に述べられる成人と共通 である ⑥頭痛 チアノーゼ性心疾患 感染性心内膜炎の合併症とし ての脳血管障害 一過性脳虚血 脳膿瘍 脳血栓塞栓 ① ② と同様である ③ 脳の酸素消費量を抑制するために高体温 痙攣を 避ける ④ 軽度低体温療法は神経学的予後を改善させる ⑤ 低体温療法の戦略は より早く冷却を開始し 目 標深部体温 34 以下 1 3 日間 を正確に維 持し ゆっくり復温する ⑥ くない 初期対応は まずは安静 出血が続く場合は止血剤 投与 喀血吐血が強く呼吸困難がある例では人工換気 を要する場合もある ⑧呼吸困難 胸痛の病態 表 33 のうち 気胸 肺梗塞では呼 吸苦ないし呼吸困難を訴えることがある 1434 低体温療法の手法は 冷たい細胞外液製剤 4 を急速静脈投与 1 2L し 引き続き血液を直 む チ ア ノ ー ゼ 性 心 疾 患 非 根 治 手 術 例 Fontan 手術後に見られる 後 2 者では吐血下血も少な 心停止後症候群に対して 循環の安定化とその維 持を図る 脳血流量の保持のために過換気を避け ⑦喀血 吐下血 喀血は肺高血圧 アイゼンメンジャー症候群を含 自己心拍再開後には心筋機能不全 脳機能不全 多臓器不全 敗血症等を高率に併発する 合併することが知られている 強い片頭痛を訴える例 初期対応は それぞれの病態に沿った一般的なもの 自己心拍再開後に生じる種々の臓器機能不全を心 停止後症候群と言う がある また 脳動脈瘤破裂に出血は 大動脈縮窄に もあるが 基礎心疾患との因果関係は否定的である 心停止後症候群 Post cardiac arrest syndrome の治療 接冷却する手法が優れている ⑦ 蘇生後は 血糖を 150mg/dL に管理する 心停止後心拍再開患者に対する軽度低体温療法の適応 クラスⅡ a 院外初回心電図が VF/VT 心停止で心拍 再開後も昏睡状態にある成人は 時間の低体温療法を施行 すべきである クラスⅡ b かかる低体温療法は 院外非 VT/VF 心停止または院内心停止成人で 心拍

75 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 再開後も昏睡状態にある場合も有益 有用 有効であろう. 3 心停止後症候群 (Post cardiac arrest syndrome) の予後 1 心停止後症候群 (Post cardiac arrest 3),31),65),67),195) syndrome) の定義 自己心拍が再開した後に生じる種々な臓器機能不全を心停止後症候群と言う. 心停止後症候群により心停止後自己心拍が再開しても, その大多数の患者は死亡, 植物状態, 重度障害といった不幸な転帰をとる.SOS-KANTO 研究では, これら不幸な転帰は93% であった 7). 2 心停止後症候群 (Post cardiac arrest syndrome) の病態 4 自己心拍再開後の主要初期 3),31),65),67),195) 目標 自己心拍再開後の時相により3 段階に分類される 3),31),67),195). 第 1 段階 : 心筋機能不全自己心拍再開後 24 時間以内は様々な心筋機能不全が出現し, 再度心停止に陥ることが多い 3),31),65),67),195). SOS-KANTO 研究 7) では, 自己心拍再開例の64% が心筋機能不全で死亡した. 第 2 段階 : 脳機能不全自己心拍再開後も, 脳機能不全は遷延する. この脳機能不全には, 一次性障害 ( 心停止により惹起される神経細胞死 ; ネクローシス ) と二次性障害 ( 虚血と再灌流により惹起された遅発性神経細胞死 ; アポトーシス ) に大別される 196)-198). したがって, 自己心拍再開直後に, 神経学的予後を予測することは困難である. 神経学的転帰が不良となる規定因子として, 常温下では自己心拍再開 24 時間後の⑴ 角膜反射消失,⑵ 瞳孔反応消失,⑶ 疼痛刺激に対する逃避反射消失,⑷24 時間後または72 時間後の運動反応消失,⑸72 時間後の正中神経体性感覚誘発電位の反応が両側とも消失等が報告されている 3),31),65),67),195). 第 3a 段階 : 多臓器機能不全次に, 多臓器機能不全や血液凝固障害が顕著化する. その程度は心停止中の虚血時間, 心拍再開後の臓器血流, 再灌流障害 ( 微小循環不全を含む ), および心停止前の各々の臓器の状態等により規定される. 特に, 消化管の血流不全は, 循環動態が安定しても遷延する 3),31),65),67),195). 第 3b 段階 : 敗血症心停止により免疫制御系も障害と消化管の血流不全の遷延化等により, 消化管では粘膜の透過性が亢進し, 腸内細菌が血中に侵入しやすくなる. 人工呼吸管理では肺炎等も併発しやすい 3),31),65),67),195). 1 循環 : 心 肺 脳への灌流の最適化. ⑴ 輸液と血管作動薬等で循環動態を安定化させる. ⑵ 脳血流量を低下させないために過換気を避け, 動脈血二酸化炭酸濃度を正常範囲に保つ. ⑶ 脳の酸素需要を考慮し, 高体温を避け低体温療法を開始する. 痙攣発作には抗痙攣薬を投与する. 2 心停止の原因検索とその救急治療心停止の主要原因は,40% が急性冠症候群,20% がその他の心臓性疾患,10% が外傷, 残り30% が脳血管疾患, 窒息, 呼吸器疾患等である 7). したがって急性冠症候群に対する冠再灌流療法を視野に入れた救急対応が必要である. この心拍再開早期の常温下の冠再灌流療法の有用 有効 有益性は, 既に証明されている 3),31),65),67),195). 3 転帰 ( 良好な神経学的転帰 ) の改善 1. 低体温療法の作用機序低体温は脳代謝を抑制, エネルギー生成機構を保護し, 細胞内 Ca 2+ 蓄積を防止, 脳温上昇を防止, 脳血液関門を保護, 神経伝達物質の放出を抑制, アポトーシスの防止, サイトカイン ラジカル産生の抑制, 脳浮腫の抑制等の作用により脳を保護する 199)-203). 一方, 有害な作用として,30 未満または1 日以上の冷却で, 感染症, 血液凝固異常, 不整脈等の増加がある 31),67),195),203). 2. 心停止後心拍再開患者に対する軽度低体温療法の適応クラスⅡa : 院外初回心電図がVF/VT 心停止で心拍再開後も昏睡状態にある成人は,32~34, 12~24 時間の低体温療法を施行すべきである. クラスⅡb: かかる低体温療法は, 院外非 VT/VF 心停止または院内心停止成人で, 心拍再開後も 1435

76 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 昏睡状態にある場合も有益 有用 有効で 脈投与する手法が報告された この方法は簡便で あろう かつより早く冷却が開始できる利点を有する しか 2003 年 ILCOR の Therapeutic hypothermia after cardiac し この方法のみでは 目標深部体温 34 以下 arrest の勧告 203 ILCOR AHA ガイドライン 2005 に到達させることや目標深部体温の正確な維持が困 および 2008 年 ILCOR の Post cardiac arret syndrome の勧 告 195 では 軽度低体温療法は心停止後症候群に対して 難である 5 3 血液直接冷却法 初回心電図リズ 血 液を 体外 循環の 回路を 用い て冷却 する 手法 ムが心室細動または無脈性心室頻拍の院外心停止で心拍 KTEK-3 や血管内に冷却カテーテル挿入して冷 再開後も昏睡状態にある成人患者は 却する手法等が報告されている これらの 時間の冷却をすべきであるとした ヨーロッパ研究で 手法は 目標深部体温到達までの時間の短縮と正確 有用 有効性があるとした は 24 時間 に冷却した低体温療法施行群 204 が正常体温管理群より 6 か月後の良好な神経学的転帰が な深部体温の管理 維持に優れている 5 低体温療法の戦略 有意に高値 55 vs. 39 であった オーストラリア 図 33 に長尾らの低体温療法の戦略を示す 収容直後 研究 205 でも 12 時間 33 に冷却した低体温療法群が に 4 冷却細胞外液製剤を 2L 急速に静脈内投与し 冠 正常体温管理群より退院時の良好な神経学的転帰が有意 再灌流療法を実施 その後 KTEK-3 を用いて目標深部 に高値 49 vs. 26 であった 体温 肺動脈血液温を 34 を正確に管理 維持する 3 低体温療法の患者選択規準 方法戦略を実施している この戦略の効果では神経学的 一般に 成人の心原性 VF で心拍再開後も昏睡状態に ある患者は 低体温療法の適応がある 低体温療法の冷却手法 転帰が 80 と良好である 低体温療法の有害事象 低体温治療期間中は重症感染症 出血傾向 重症不整 1 体表面冷却法 脈等に留意する必要があるが 正常体温管理群と比較す クーリング ブランケットやアイスパックを用い ると有害事象に有意な差はない しかしなが て体表面を冷却する手法を用いられてい ら 冷却期間中は心係数が低下し 体血管抵抗と血糖値 る この方法は簡便であるが 目標深部 体 温 到 達 ま で に 長 時 間 を 要 す る ヨ ー ロ ッ パ 研 究 では 目標深部体温到達までに平均 8 時間を 204 は有意に上昇する 低体温療法の今後の課題 今後の課題として 低体温療法の開始時期 目標深部 要していた また 正確な目標深部体温を維持 体 温 持 続 時 間 復 温 手 法 等 が 挙 げ ら れ て い 管理するには熟練を要し 多くの人手が必要であ る 冷却開始は早期であるほど その効果 る 最近 新たな体表面冷却手法 ベ は高い しかし その冷却開始時期や目標深部 スト型 鼻腔型等 が登場した 体温到達までの時間の限界点についての検証は十分でな い 目標深部体温も までと施設で異なる 2 冷たい細胞外液製剤の急速静脈投与冷却法 4 に冷却した細胞外液製剤を 1 2L 急速に静 図 33 C 36 動物実験では より低い深部体温がより高い効果を有し 心拍再開に成功した昏睡状態にある患者に対する軽度低体温 のプロトコール 冷却細胞外液 を急速輸液 4 2L 15 分間以内に静注 引き続き 血液を体外循環で冷却 深部体温 冠再灌流治療 35 自己脈再開まで <20min 20 30min 30min 冷却期間 24hrs 48hrs 72hrs 34 0分 時間 目標温度での冷却期間 複温期間 1 3 日間 2 日以上

77 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン たと報告されているが 至適な目標深部体温の 検証も十分でない また 心停止から心拍再開までの時 科学的検証 2 冷 2005 年に改変された CPR と救急心血管治療のガイド 却持続期間の検証も十分でない 通常は 1 3 日の冷却 ラインでは ECPR は 血流停止時間の短い心停止患者 後に 2 日以上かけて複温するが 至適な復温の手法につ で その原因が治癒可能な場合 もしくは心臓移植や冠 いても これからの検討課題である 213 血行再建術により修復可能な場合に考慮すべきである 間で冷却持続時間は異なると考えられているが 自己心拍再開後の血糖管理の必要性 蘇生後の高血糖は神経学的転帰に関連 ショック患者 の 血 糖 管 理 は そ の 死 亡 率 を 減 少 さ せ る クラスⅡ b と報告された 標準的心肺蘇生法との比較 3 この ECPR の臨床研究は 我が国 韓国 台湾が先行 ILCOR/AHA は蘇生後 低体温療法施行を含む の血糖 している 我が国では 院外心停止患者に対して救急隊 管理の必要性を勧告した が CPR を施行しても 病院到着時に自己心拍が再開し 蘇 生 患 者 で は 通 常 血 糖 の 管 理 目 標 を 150mg/dL 144mg/dL 8mmol/L 以下にする ① 体外循環式心肺蘇生法 Extracorporeal cardiopulmonary resuscitation; ECPR 標準的な ACLS に反応しない心停止で血流停止時 間が短い場合には 人工心肺装置 PCPS を用 いる体外循環式心肺蘇生法 ECPR を考慮する クラスⅡ b ② ECPR は標準的な CPR よりも神経学的な予後を改 善する ③ PCPS に低体温療法と冠再灌流療法を駆使した ECPR は 先進的な蘇生法である 1 定義 手法 ている割合は 5 に過ぎない 残り 95 の病院到着時も心拍再開が得られてない例 に対し医師が標準的 CPR を行っても 30 日後の良好な神 経学的転帰は 0.4 と極めて不良である 7 一方 ECPR を行った場合の予後 良好な神経学的転帰 は と良好である 図 34 特に PCPS 装着までの 時間が心停止後 1 時間以内では 良好な神経学的転帰で あった 適応規準 4 ECPR の導入規準は国際的に標準化されていない 2008 年現在 我が国の多施設共同研究として開始され た SAVE-J 厚労科研 坂本班 の ECPR の導入規準を 表 34 に示す 226 低体温療法 冠再灌流療法の 併用療法 5 ECPR は国際的に注目させている新しい CPR である しかし 侵襲的蘇生法であり その適応 効果の検証は 体 外 循 環 式 心 肺 蘇 生 法 Extracorporeal cardio- 今後の課題である しかし 常温下の ECPR には 限界 pulmonary resuscitation; ECPR とは 一般的に遠心ポ がある そこで ECPR に低体温療法と冠再灌流療法を ンプと膜型人工肺を用いた閉鎖回路による人工心肺装置 図 34 心停止に対する ECPR の効果 Chen Y-S, et al. JACC 2003 ; より改変 percutaneous cardiopulmonary support; PCPS も し く は cardiopulmonary bypass; CPB を用いた侵襲的蘇生法で ある 経皮的に脱血用カテーテルを大腿静脈 適応患者 年齢 75 歳 心原性 標準的 CPR 10 分 総腸骨動脈まで挿入する 遠心ポンプにより静脈血を脱 血 2 6L/min し膜型人工肺で酸素化 動脈血化 し 総腸骨動脈から逆行性に大動脈血管内に送血する これ より脳 心臓等の主要臓器に酸素化血液が人工的に供給 される その供給量は標準的 CPR の約 1L/min より遥か に優れている 219 生存退院率 % から右心房まで挿入 送血用カテーテルを大腿動脈から 100% % 31.6% 48.4% 11.5% 全体 n=57 30 分 45 分 60 分 60 分 1437

78 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 表 34 ECPR の適応 SAVE-J 研究 坂本班 開始規準 1 年齢 20 歳 75 歳 2 初回心電図が VF/ 無脈性 VT 3 標準的 ACLS に反応しない 除外規準 1 ER 到着までの時間が 45 分以上 2 ER 到着後も 15 分間の標準的 ACLS に反応した 3 収容時深部体温 30 4 心停止前の ADL が不良 5 家族の同意が得られない 2 小児 BLS のアルゴリズム 図 35 ①発見時の対応 肩を 軽く 叩きながら大声で呼びかけても 何らか の応答や目的のある仕草がなければ 反応なし とみ なし 大声で叫んで周囲の注意を喚起し CPR を開 始する 誰かが来たら その人に緊急通報 119 番通報 と 組 み 込 ん だ よ り 積 極 的 な ECPR が 注 目 さ れ て い る AED の手配を依頼し 自らは CPR を継続する 救助 者が 1 人の場合は 5 サイクル または 2 分間 の CPR を行ってから 119 番通報を行い 近くに AED があれ Ⅸ 小児の BLS と ACLS ば確保する ただし 突然の卒倒が目撃された場合で 救助者が 1 人だけの場合は 反応がないことを確認し たら まず 119 番通報や AED の手配を行い その後 に CPR を開始する 1 小児の一次救命処置 PBLS ②呼吸の確認と人工呼吸 死戦期呼吸 いわゆる喘ぎ呼吸 または無呼吸の場 ① 小児とは 1 歳から思春期以前である ② 小児では呼吸停止が多く 原発性心停止は少ない ③ 呼吸の補助は 3 5 秒に人工呼吸を 1 回行う 成 人は 5 6 秒ごと ④ 胸骨圧迫の深さは胸の厚みの 1/3 1/2 成人は 4 5cm ⑤ 胸骨圧迫と呼吸の比は救助者が 1 人では 人では 15 2 で行う ⑥ AED を使用する際の手順は 成人の場合と同様 だが 1 歳以上 8 歳未満の小児に対しては 小児 用パッドを用いる 小児用パッドがない場合は成 人用を代用する 小児 BLS の概念 1 小児とは 1 歳から思春期以前 15 歳までが目安 を 合は 気道を確保して 有効な 人工呼吸を 2 回行う 人工呼吸が有効でない場合は 頭の位置を変えて気道 の確保をやり直して再施行するが このために胸骨圧 迫の開始が遅れてはならない 口対口人工呼吸を行う 場合 乳児では口対口鼻法が 小児では口対口法が適 している 呼吸数 10 回 / 分以下の徐呼吸も 呼吸停止 無呼吸 と同様に対応する ③心停止の確認 反応と呼吸がなければ心停止の可能性が高い 充分な 速さの脈が確実に触知できる場合を除いては CPR が 必要である 呼吸の観察と脈拍の触知を同時に行うが 10 秒以上をかけない 10 秒以内に脈の触知を確信で きない場合は心停止と判断して胸骨圧迫を開始する 充分な速さの脈が確実に触知できれば人工呼吸のみを 開始する 指し 乳児は 1 歳未満とする この年齢の BLS を必要と 脈拍の確認は 乳児では上腕動脈で 小児では頸動脈 する病態は 呼吸原性のものが多いのが特徴で BLS の か大腿動脈で行う 充分な酸素投与と人工呼吸にもか 手順も成人のものと異なる 子どもが一旦心停止に至っ かわらず 心拍数が 60/min 以下で かつ循環が悪い 皮 た場合の救命率は低いため 予防 CPR 地域救急シス 膚蒼白 チアノーゼ等 場合も胸骨圧迫を開始する テムへの搬送等 救命の連鎖を迅速に行うことが求めら 反応はないが 呼吸および確実な脈のある場合は 傷 れる 227 病者を回復体位にして専門家の到着を待つ ④心肺蘇生法 CPR 心停止と判断した場合は 人工呼吸を 2 回試みた後に 胸骨圧迫 30 回 二人法では 15 回 と人工呼吸 2 回の 1438

79 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 35 PBLS のアルゴリズム 体動なし 反応なし 119 番通報 AED を確保に行かせる 気道を確保 呼吸確認 救助者が一人の場合 目の前で突然倒れた場合は まず 119 番通報 AED を 確保する 呼吸停止なら 2 回人工呼吸 胸郭の拡張を確認 脈あり 3 秒ごとに 1 回人工呼吸 2 分ごとに脈をチェック 反応がなければ 脈をチェックする 10 秒以内 脈がない or 不確実 1 人 胸骨圧迫 30 回 人工呼吸 2 回を繰り返す 2 人 胸骨圧迫 15 回 人工呼吸 2 回を繰り返す 心マッサージの中断は最小限に 圧迫は強く 速く 100/ 分 圧迫解除後に胸郭が完全に戻るように 未だ済ませていなければ 119 番通報 AED を確保 1 歳未満 ALS チームに引き継ぐか 傷病者が動き始めるまで CPR を続ける 1 歳以上 CPR を続ける 5 サイクルの CPR 後 AED/ 除細動器を使用する 倒れたのが目撃された場合には できるだけ早期に AED を使用する ショック 1 回 ただちに CPR を再開 5 サイクル 2 分間 適応 心電図解析 除細動の適応は ただちに CPR を再開 5 サイクル 2 分間 毎に 心電図解析 ALS チームに 適応なし 引き継ぐか 傷病者が動き 始めるまで CPR を続ける を非同期で行い 呼吸回数は約 10 回 / 分とする 組み合わせを速やかに開始する ただし 人工呼吸の 準備が整っていない場合には胸骨圧迫の開始を優先 ⑷ ⑴ 乳児の胸骨圧迫 20/ 回の人工呼吸のみを行う およそ 2 分ごと 両乳頭を結ぶ 想像上の 線より少し足側 尾側 に確実な脈拍が触知できることを 10 秒以内で の胸骨を指 2 本で 一人法 または胸郭包み込 確認する み両母指圧迫法で 二人法 で圧迫する 胸の厚 胸骨圧迫の役割交代 胸骨圧迫の交代要員がいる場合には 10 サイク で圧迫する 救助者が 2 人の場合は 4 本の指で ル 2 分 おきに交代することが望ましい 圧迫法を行う ⑶ ⑸ みの 1/3 までしっかり約 100 回 / 分の速さ テンポ 胸郭を絞り込むような動作で胸郭包み込み両母指 ⑵ 胸骨圧迫なしの人工呼吸 呼吸はないが脈を確実に触知できる場合は 12 し 人工呼吸は可能になり次第始める 小児の胸骨圧迫 ⑤自動体外電気除細動器 AED AED を使用する際の手順は 成人の場合と同様だが 胸の真ん中 または両乳頭を結ぶ線の胸骨を片 1 歳以上 8 歳未満の小児に対しては 小児用パッドを 腕または両腕で圧迫する 胸の厚みの 1/3 までし 用いる 小児用パッドがない場合 成人用パッドを代 っかり約 100 回 / 分の速さ テンポ で圧迫する 用する 非同期 CPR 気管挿管がなされた場合は 人工呼吸と胸骨圧迫 1439

80 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 2 小児の二次救命処置 PALS ① general assessment 初期評価 A Appearance 外見 ① 小児の二次救命処置 PALS は 評価 呼吸障害 ショック 徐脈 頻脈 心停止の評価と治療から 成り立つ ② general assessment 初期評価 primary assessment 一次評価 secondary assessment 二次評価 tertiary assessment 三次評価 を行う その際に 小児の正常値を理解する ③ 小 児 の 神 経 状 態 は Alert-Voice-Painful-Unres- ponsive AVPU 小児反応スケールと瞳孔反応で 判断する ④ 小児の徐脈の原因としては低酸素が最も考えられ る 循環不全を合併する場合には 気道 呼吸 静脈路を確保し 酸素を投与する 酸素投与と換 気を行っても 循環不全で心拍数 60/ 分の場合 は CPR を実施する ⑤ 小児の VF/ 無脈性 VT は成人に準じるが 1 回目 の電気ショック 除細動 は 2J/kg で行い 2 回 目以降は 4J/kg で行う また 小児の心静止 /PEA 無脈性電気活動 では アドレナリン エピネ フリン は体重換算で用い 硫酸アトロピンは使 用しない ⑥ 循環の良好な頻脈において 小児では QRS 幅 0.08sec を正常と判断する 洞性頻脈では起こ りうる原因を治療する 上室頻拍と考えられる場 合 は 迷 走 神 経 緊 張 ATP 静 注 を 行 う 広 い QRS の頻拍は 心室頻拍の可能性が高くアミオ 筋緊張低下 意思疎通性低下 精神的不安定 表情に 乏しい 言葉 泣き方が弱い等は重篤な病態や重体の 徴候である B Work of Breathing 呼吸仕事量 努力呼吸 鼻翼呼吸 陥没呼吸 徐呼吸 無呼吸 呼吸音の異常 wheezing grunting stridor は呼吸 障害を意味する C Circulation 循環皮膚色 皮膚色の異常 蒼白 斑状 は末梢循環不全もしくは 酸素化不良を意味する 出血の有無もチェックする ② primary assessment 一次評価 A Airway 気道 胸郭と腹部の動きを見る 呼吸音を聴取する 鼻腔と 口腔の空気の動きを感じる 陥没呼吸を伴う努力性呼吸で 吸気音の異常 snoring 高調な stridor 努力呼吸にも関わらず呼吸音が聴取 できない場合に上気道閉塞を考える この場合 頭部 後屈 下顎挙上 鼻腔咽頭吸引 異物除去手技 経鼻 もしくは経口エアウェイ等を行い 改善しない場合に は 挿管 喉頭鏡による異物除去 持続陽圧呼吸 気 管切開等を行う B Breathing 呼吸 呼吸数 呼吸努力 一回換気量 呼吸音の異常 経皮 的酸素分圧等で評価する 表 35 ⑴ あり かなり重篤な状態を意味する 呼吸数が ダロンまたはプロカインアミドもしくは同期下カ 正常上限を超えている場合に頻呼吸と言うが ルディオバージョンを行う ⑦ 発熱 疼痛 代謝性アシドーシス 敗血症等を 循環不良な頻脈では 洞性でなければ同期下カル 除外することが必要である 正常下限を下回る ディオバージョンを遅滞なく行う PALS は BLS では回復不能な小児の高度心肺蘇生法で 感染 低体温 薬剤等が原因となる また 20 秒を超える呼吸停止を無呼吸という ⑵ 呼吸努力 鼻翼呼吸 陥没呼吸 頭部の上下運 あり 評価 初期 一次 二次 三次評価 呼吸障害 動 シーソー様呼吸は低酸素 低換気を改善す ショック 徐脈 頻脈 心停止の評価と治療から成り立 るための徴候である つ 228 ⑶ 2 評 価 は general assessment 初 期 評 価 primary tertiary assessment 三次評価 の 4 つから構成される 換気量 小児の一回換気量はおよそ 5 7mL/ kg であり 分時換気量 呼吸数 一回換気量 評価 assessment 一次評価 secondary assessment 二次評価 1440 時に徐呼吸と定義する 疲労 中枢神経障害や PALS の概念 1 呼吸数 60/ 分以上の頻呼吸は小児では異常で となる ⑷ 呼吸音の異常 stridor 吸気性喘鳴 grunting 伸吟 gurgling ゴロゴロ音 wheezing 笛 音 呼気性喘鳴 crackles 捻髪音 水泡音

81 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 等がある 経皮的酸素分圧 室内で94% を上回る時には換気が十分であることを 表す. これ以下の場合には酸素投与を考える.90% 以下では100% 酸素投与を行う. C;Circulation( 循環, 皮膚色 ) 循環では心血管系と末梢臓器機能の両者を評価する. 心血管系としては皮膚色, 皮膚温, 心拍数, リズム, 血圧, 脈 ( 末梢, 中心 ), 毛細血管充満時間を, 末梢 臓器機能としては脳循環 ( 精神状態 ), 皮膚循環, 腎 循環 ( 尿量 ) 等を評価する. 小児の正常値を表 35 に 示す. 毛細血管充満時間 capillary refill timeは正常では2 秒 以下であり, 延長する時には脱水, ショック, 低体温 等を示唆する. 敗血症ショックでは正常である. D;Disability( 神経学的評価 ) 小児の神経状態はAlert-Voice-Painful-Unresponsive (AVPU) 小児反応スケールと瞳孔反応で判断する ( 表 36). 小児で意識レベルの低下するのは, 脳血流障害 ( 頭蓋内圧亢進等 ), 頭部外傷, 脳炎, 髄膜炎, 低血糖, 薬物中毒, 低酸素血症, 高二酸化炭素血症である. 正常例では瞳孔はPERRL(Pupils Equal Round Reactive to Light; 瞳孔は左右差なく, 円形で光に反 応する ) である. E;Exposure( 全身観察 ) 小児の観察を行うため, 衣服を脱がせ観察する. 重篤 な低体温, 出血, 点状出血 / 紫斑は敗血症性ショック 表 35 小児のバイタルサインなどの正常値 1 呼吸数 年齢 呼吸数 (/ 分 ) <1 歳 30 ~ 60 1 ~3 歳 24 ~ 40 4 ~5 歳 22 ~ 34 6 ~12 歳 18 ~30 13 ~18 歳 12 ~ 16 2 心拍数 年齢 覚醒時心拍数 平均睡眠時心拍数 <3 か月 85 ~ ~160 3 か月 ~2 歳 100 ~ ~ 歳 ~10 歳 60 ~ ~90 >10 歳 60 ~ ~90 3 血圧 年齢 収縮期血圧 (mmhg) 日齢 0 ~28 < 60 1 ~ 12 か月 <70 1 ~ 10 歳 <70 +( 年齢 2) > 10 歳 < 90 4 腎機能 年齢 尿量 乳幼児 1.5 ~2mL/kg/h それより大きな小児 1mL/kg/h A V P U 表 36 Alert-Voice-Painful-Unresponsive(AVPU) 小児反応スケール Alert( 意識清明 ): 覚醒しており, 活動的で, 両親や外部刺激に対する反応が正常である Voice( 声に反応 ): 呼びかけると反応する Painful( 痛み刺激に反応 ): 痛み刺激で反応する Unresponsive( 無反応 ): 刺激しても反応しない を, 腹部膨満は急性腹症を示す. 3secondary assessment( 二次評価 ) 一次評価が終了したら, 病歴と身体所見をとる (SAMPLE). Signs and Symptoms( 自他覚症状 ) 呼吸困難 ( 咳嗽, 頻呼吸, 努力呼吸, 息切れ, 異常な呼吸パターン, 胸痛, 深吸気 ), 意識状態の変化, 興奮, 不安, 発熱, 経口摂取不良, 下痢, 嘔吐, 出血, 疲労, 症状出現の時間経過. Allergies( アレルギー ) 薬物, 食物, ラテックス ( ゴム ). Medications( 薬剤 ) 服薬状況, 最後の服薬の時間と量. Past medical history( 既往歴 ) 既往歴, 過去の手術歴, 予防接種. Last meal( 最後の食事 ) 最後の食事, ミルクの時間と種類. Events( イベント ) 病状に関係する行事, 危険な状況の有無, これまで行った治療, 到着までの時間 4tertiary assessment( 三次評価 ) 二次評価が終わったら検査を行う. 呼吸機能動脈血ガス, 静脈血ガス, ヘモグロビン, パルスオキシメーター, 呼気 CO 2 モニター, 呼気二酸化炭素検知 ( カプノメータまたは比色法 ), 胸部 X 線検査, 最大呼気流量 (peak expiratory flow rate:pefr). 循環機能動脈血ガス, 静脈血ガス, 中心静脈血酸素飽和度 (SvO 2 ), 総血清 CO 2 (HCO 3-,H 2 CO 3, 溶解 CO 2 ), 動脈血乳酸値, ヘモグロビン, 観血的動脈圧, 中心静脈圧, 胸部 X 線写真, 心エコー ( 心内腔の大きさ, 心室壁の厚さ, 収縮能, 弁の逆流, 動き, 心囊液, 心室圧の推定, 心室中隔の位置, 先天性心疾患の有無 ) 1441

82 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 36 脈拍を触知する小児徐脈アルゴリズム 脈拍を触知する徐脈 呼吸循環不全を認める 症候性徐脈とは 心拍数 が年齢の正常以下で シ ョック 末 梢 循 環 不 全 低 血 圧 意 識 低 下 等 かつ / または呼吸窮迫 呼吸不全を認めるもの はい ABC を確保 酸素投与 モニター 除細動器を装着 いいえ 徐脈により依然 呼吸循環不全を 認めるか はい 酸素投与と換気を行っても 循環不全で心拍数 60/ 分の 場合は CPR を実施 ABC を確保 必要なら酸素投与 観察 専門医への相談を考慮 いいえ 症候性徐脈が持続するか はい 注意を喚起すべきこと CPR は 強く 速く 100/ 分 行う 胸郭が完全に戻ることを確認 心マッサージの中断を最小限にする ABC を補助 必要ならエアウェイを挿入 位置を確認 可能性のある原因を考え 治療する Hypovolemia 循環血液量減少 Hypoxia or ventilarion problem 低酸素 換気不良 Hydoregen ion アシドーシス Hypo-/hyperkalemia 高 / 低 K 血症 Hypoglycemia 低血糖 Hypo thermia 低体温 Toxins 毒物 Tamponade, cardiac 心タンポナーデ Tension pneumothorax 緊張性気胸 Thrombosis 心筋梗塞 肺塞栓 Trauma 外傷循環血液量減少 頭蓋内圧亢進 3 エピネフリン アドレナリン 投与 静注 骨髄内 0.01mg/kg 10,000 倍希釈 0.1mL/kg 気管内 0.1mg/kg 1,000 倍希釈 0.1mL/kg 3 5 分ごとに繰り返す 迷走神経緊張 原因不明の房室ブロック アトロピン 初回 0.02mg/kg 再投与可 最少投与量 0.1mg 最大投与量 1mg 経皮的体外ペーシングを考慮 脈拍を触知する小児徐脈 アルゴリズム 図 36 無脈性心停止が生じた場合には 無脈性心停止アルゴリズムへ ショック 除細動 は 4J/kg で行う 小児の心静止 /PEA 無脈性電気活動 では アドレナリン エピネフリン は体重換算で用い 硫酸アトロピンは使用しない 徐脈の原因としては低酸素が最も考えられる もし反 応が鈍い等他の循環不全を合併する場合には 気道 呼 吸 静脈路を確保し 酸素を投与する 酸素投与と換気 を行っても 循環不全で心拍数 60/ 分の場合は CPR を実施する 4 小児無脈性心停止アルゴリズム 図 37 小児の VF/ 無脈性 VT は成人に準じるが 1 回目の電 気ショック 除細動 は 2J/kg で行う 自動体外式除細 動器 AED は 1 歳以上で使用する 2 回目以降の電気 循環の良好な小児頻脈 アルゴリズム 図 38 ① QRS 幅が狭い 0.08sec 場合 頻脈で脈拍を触知し 末梢循環も良好なものには ABC を評価し 必要なら確保する 酸素投与 モニタ ー / 除細動器の装着 可能なら 12 誘導心電図の記録を行 う 小児では QRS 幅 0.08sec を正常と判断する ⑴ 洞性頻脈を疑う既往歴 明瞭もしくは正常 P 波

83 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 37 小児無脈性心停止アルゴリズム 無脈性心停止 BLS アルゴリズム CPR を継続 可能なら酸素投与 可能ならモニター / 除細動器を装着 リズムチェック 除細動の適応か はい いいえ VT/VF 心静止 /PEA 無脈性電気活動 1 回除細動 除細動器 2J/kg AED 1 歳以上 8 歳以下では可能なら 小児用パッドを用いる ただちに CPR を再開 ただちに CPR を再開 エピネフリン投与 IV/IO 0.01mg/kg 10,000 倍希釈 :0.1mL/kg 気管内 0.1mg/kg 1,000 倍希釈 :0.1mL/kg 3 5 分ごとに繰り返す 5 サイクルの CPR リズムチェック 除細動の適応か いいえ はい 5 サイクルの CPR はい 除細動器の充電中は CPR を継続 1 回除細動 除細動器 4J/kg AED 1 歳以上 ただちに CPR を再開 エピネフリン投与 IV/IO 0.01mg/kg 倍希釈 0.1mL/kg 気管内 0.1mg/kg 1000 倍希釈 0.1mL/kg 3 5 分ごとに繰り返す いいえ はい 脈拍触知 蘇生後ケアを開始 除細動器の充電中は CPR を継続 1 回除細動 除細動器 4J/kg AED 1 歳以上 ただちに CPR を再開 抗不整脈薬投与を考慮 アミオダロン 5mg/kg IV/IO リドカイン 1mg/kg IV/IO Torsade des pointes には硫酸マグネシウム 25 50mg/kg 最大 2g IV/IO 5 サイクルの CPR ⑵ リズムチェック 除細動の適応か はい いいえ 5 サイクルの CPR リズムチェック 除細動の適応か いいえ 心静止 PEA VT 心室頻拍 VF 心室細動 IV 静注 IO 骨髄内 PR は 一 定 で RR 時 間 が 変 動 す る 場 合 乳 児 バルサルバ法と顔面氷冷法等迷走神経刺激を考慮 HR 220/min 小児 HR 180/min では洞性頻 する 次に血管を確保し ATP 0.1mg/kg IV 最 脈と考え 起こりうる原因を調べ治療する 大 10mg 無 効 な ら 2 回 目 0.2mg/kg IV 最 大 上室頻拍を疑う既往歴 不明瞭もしくは異常 P 波 20mg を急速静注し生食でフラッシュする HR が体動で変動しない場合 乳児 HR 220/ min 小児 HR 180/min では上室頻拍を考え 1443

84 循環器病の診断と治療に関するガイドライン 年度合同研究班報告 図 38 循環の良好な小児頻脈アルゴリズム 頻脈で脈拍を触知し 末梢循環も良好なもの ABC を評価し 必要なら確保する 酸素投与 モニター / 除細動器を装着 可能なら 12 誘導心電図を記録 正常 0.08 sec QRS 幅は リズムを評価 洞性頻脈と考えられる場合 洞性頻脈を疑う既往歴 P 波が明瞭 / 正常 PR は一定で RR 時間が変動 乳児 HR 220/min 小児 HR 180/min 広い 0.08 sec 心室頻拍の可能性が高い 上室頻拍と考えられる場合 上室頻拍を疑う既往歴 非特異的 突然の心拍数 の変化 P 波が不明瞭 / 異常 HR が体動で変動しない 乳児 HR 220/min 小児 HR 180/min 起こりうる原因を調べ治療する 迷走神経刺激を考慮 血管確保 ATP 0.1mg/kg IV 最大 10mg 2 回目 0.2mg/kg IV 最大 20mg 急速静注 生食でフラッシュ ② QRS 幅が広い 0.08sec 場合 心室頻拍の可能性が高く 専門家への相談を考慮 起こりうる原因を調べ治療する 薬剤による停止を行う場合は アミオダロン 5mg/ 専門家への相談を考慮 起こりうる原因 を調べ治療する 薬剤による停止を考慮 ア ミ オ ダ ロ ン 5mg/kg IV 分 かけて プロカインアミド 15mg/kg IV 分かけて アミオダロンとプロカインアミドはな るべく同時には使用しない 使用していなければ ATP 使用を考慮 カルディオバージョン 小児循環器医に相談 0.5 1J/kg で QRS 同期下にカルディ オバージョン 初回が効果ない場合 には 2J/kg まで増加 鎮静薬投与 カルディオバージョンの 前に 12 誘導心電図を記録 ることなく行う Ⅹ 循環器救急医療に関する提言 kg IV 分もしくはプロカインアミド 15mg/kg 6 IV 分を使用し なるべくアミオダロンとプ 心肺蘇生 蘇生科学はこの 10 年間で急速な進歩を遂 ロカインアミドは同時には使用しない 使用してい げている学際的領域である また循環器医の過剰労働や なければ ATP も考慮する 救急施設の集約化と機能分化等循環器救急の抱える問題 カルディオバージョンは 0.5 1J/kg で QRS 同期下 は大きい 本ガイドラインの主旨から詳細については言 にカルディオバージョン 初回が効果ない場合には 及しないが 心肺蘇生を含め心血管救急ガイドライン作 2J/kg まで増加 を行う 成にあたって本学会が取り組むべき課題の解決に向けて 脈拍はあるが循環の不良な 小児頻脈アルゴリズム 図 39 頻脈で脈拍は触知するが 末梢循環の不良なものでは の提言を述べる 1 心肺蘇生 蘇生科学に対する 本学会の役割 循環が良好な場合に準じるが 上室性頻拍でも同期下カ ルディオバージョンを遅延することなく行う QRS 幅 1444 我が国における心肺蘇生の教育 研修システムに関わ が広い 0.08sec 場合も 薬剤による停止ではなく る仕組みはいまだ確立されておらず 普及も不十分であ 心室頻拍の可能性が高いので 同期下カルディオバージ る 一 般 市 民 に 対 し て BLS ABC AED 医 学 生 ョン 0.5 1J/kg 効果ない場合には 2J/kg を遅延す 医療従事者に対して BLS ABC AED BVM 研修

85 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 図 39 脈拍はあるが循環の不良な小児頻脈アルゴリズム 頻脈で脈拍は触知するが 末梢循環の不良なもの ABC を評価し 必要なら確保する 酸素投与 モニター / 除細動器を装着 症状持続 正常 0.08 sec 広い 0.08 sec QRS 幅は リズムを評価 12 誘導心電図もしくはモニター 洞性頻脈と考えられる場合 洞性頻脈を疑う既往歴 P 波が明瞭 / 正常 PR は一定で RR 時間が変動 乳児 HR 220/min 小児 HR 180/min 心室頻拍の可能性が高い 上室頻拍と考えられる場合 上室頻拍を疑う既往歴 非特異的 突然の心拍数 の変化 P 波が不明瞭 / 異常 HR が体動で変動しない 乳児 HR 220/min 小児 HR 180/min 同期下カルディオバージョン 0.5 1J/kg 効果ない場合には 2J/kg で カルディオバージョンの施行を遅延する ことなく可能なら鎮静薬投与 使用していなければ ATP 使用を考慮 カルディオバージョンの施行を遅延して はならない 起こりうる原因を調べ治療する 迷走神経刺激を考慮 遅滞なく施行 血管確保がされている場合 ATP 0.1mg/kg IV 最大 10mg 2 回目 0.2mg/kg IV 最大 20mg 急速静注 生食でフラッシュ または 同期下カルディオバージョン 0.5 1J/kg 効 果 な い 場 合 に は 2J/kg でカルディオバージョンの 施行を遅延することなく可能な ら鎮静薬投与 医 内科認定医に対して ICLS BLS 薬剤 特殊機器 ⑶ を用いた心停止への高度な治療 循環器専門医に対し 専門家への相談を考慮 起こりうる原因を調 べ治療する 薬剤による停止を考慮 アミオダロン 5mg/kg IV 分かけて または プロカインアミド 15mg/kg IV 分 かけて アミオダロンとプロカインアミドはなるべ く同時には使用しない 患者 家族教育 啓発を診療の一貫として捉え BLS 講習を実施する て AHA ガイドラインに基づく ACLS 薬剤 特殊機器 急性心筋梗塞の病院内死亡率は現在 7 以下へと改善 を用いた心停止 不整脈や ACS への高度な治療となっ したが 心筋梗塞による死亡例の半数は病院前であり ている 今後対象者によってはより高度の心肺蘇生法の 大半が心室細動であったと報告される そして病院外心 内容が求められ 医療従事者に ICLS 初期臨床研修医 肺停止の約 70 は家庭で起こり 約 20 は誰かが居る に ACLS の修得が義務付けられていくと考えれる いず 前で起こったとされ 患者家族への家庭での胸痛発症時 れにしろ 本学会は心肺蘇生 AED に直接かかわる学 の対策と一次心肺蘇生法の教育が極めて重要である 一 術専門団体として国民各層に対する講習を積極的に行 般市民に対して心臓突然死 急性心筋梗塞等に関する教 い その普及において指導的な役割を果たすべきである 育 啓発を行い 緊急の救急システム始動を教育し 地 すなわち 域社会における院外心停止への心肺蘇生と AED 使用の ⑴ BLS/ACLS の指導者 インストラクター等 の育成 プログラムを拡げるべきである 研修システム AHA-ITC を充実する ⑷ ⑵ 院内心停止への対策として職員の BLS/ACLS 講習 医学生 初期臨床研修医に対する BLS/ACLS の講 を実施し 病院内 Medical Emergency Team を立ち 習を行う 上げる 1445

86 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) ⑸ CoSTR2005に基づくAHA-ACLS に代わる CosTR2010に基づく日本版ガイドラインを作成する. さらにそれに基づくBLS,ALS マニュアルと, その教育法を開発をめざす. ⑹ JRC のメンバーとして日本の蘇生科学の進歩を推進し, さらにRCA およびILCORにおいて世界の蘇生科学の発展に積極的に貢献する. 2 循環器救急医療に対する提言 我が国の救急制度は従来, 一次, 二次, 三次救急の順次搬送システムが構築されている. しかし産科救急, 小児救急にみられるように現在の救急制度そのものの限界と考えられる. 今後救急制度全体として評価を行い,21 世紀における心血管救急を包含する救急制度のグランドデザインを作成することが必要である. 本学会としては心血管疾患の特殊性をふまえて心血管救急にかかわる改善案を作成し, その実現のための方策を考えるべきである. ⑴ 循環器医の労働環境の緊急改善を図る. 例えば, 最低目標を週平均労働時間 60 時間, 月平均完全休日 4 日等の目標宣言を検討する. ⑵ 循環器救急医療システムの再構築 ( 集約化と役割分担 ネットワーク ) の検討する (Ⅰ-2 参照 ). ⑶ 救急救命士制度の充実を図る (Ⅰ-2 参照 ). ⑷ 地域市民への教育 啓発を行い, ネットワークを構築する (Ⅰ-2 参照 ). ⑸ 循環器救急医療における医療経済の評価を行う. ⑹ 循環器救急医療における安全対策を検討する. ⑺ 循環器救急医療における医療事故対策を検討する. 心肺蘇生 循環器救急医療にかかわる問題は医学的にとどまらず, 経済, 法律, 行政, 倫理等社会科学的および人文科学的問題を包含する. 多くの困難な問題解決に向けて, 本学会が積極的な活動を展開することを願うものである. Ⅺ 本ガイドラインで使用した薬剤 略語一覧 一般名商品名組成 剤形用法 アスピリン バファリン 81 バイアスピリン等 1T:81mg, 100mg,325mg ACS:160m~325mg 経口咀嚼投与 心停止 :1mgを 3~5 分ごとにボーラス投与し 20mL 生食で後押ししアドレナリン ( エピネフリン ) ボスミン 1A 1mg 上肢挙上 高用量 :β 遮断薬や Ca 拮抗薬の中毒では 0.2mg/kgの高い用量も可能 徐脈には2~10μg/ 分で静注する アトロピンアトロピン 1A 0.5mg アミオダロンアンカロン 1A 150mg アルガトロバン ノバスタン, スロンノン アルテプラーゼアクチバシン, グルドパイソプロテレノールニトロール, サー硝酸イソソルビドクレス ATP 心静止 /PEA:1mg を 3~5 分ごとにボーラス投与, 最大 3mg まで 徐脈 :0.5mg を 3~5 分ごとに, 総投与量 0.04mg/kg もしくは合計 3mg まで 有機リン中毒では大量 (2~4mg, 総量 20~40mg) VF/ 脈なし VT: 初回 150~300mg,3~5 分後に追加 150mg VT:125mgを 10 分かけて静注 ヘパリン惹起性血小板減少症患者の PCI:0.1mg/kgボーラス後 6μ 1A 10mg 2mL g/kg/ 分で aptt を 2~3 倍に保つ.PCI 終了後は0.7μg/kg/ 分で 600 万,1,200 万, AMI:29 万 ~ 43.5 万 IU/kg 静注 2,400 万 IU プロタノール 1A 0.2mg 徐脈 : 0.01 ~ 0.03μg/kg/ 分 アデホス 多種あり 1A 10mg, 20mg,40mg ACS 心不全 :0.2~2.0μg/kg/ 分 PSVT:10mg ボーラス無効なら 20mg 特発性 VT(LBBB,RAD) 10mg ボーラス, 無効なら 20mg オルブリノン コアテック 1A 5mg/5mL 他 心不全 :10μg/kg 初期投与後に0.1~0.3μg/kg/ 分 カルペリチド ハンプ 1A 1,000μg STEMI:0.025μg/kg/ 分をできれば再灌流前から4 日間 心不全 : ~0.2μg/kg/ 分 塩化カルシウム 塩化カルシウム 1A 400mg 20mL 高 K 血症 高 Mg 血症 :500~1,000mg 静注 低 Ca 血症 :120mg 6mLを 10 分かけて グルコン酸カルシウム カルチコール 8.5% 1A 5mL 10mL 低 Ca 血症 2mL を 10 分かけて 1446

87 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 一般名商品名組成 剤形用法 グルカゴン 複数あり 複数あり Ca 拮抗薬やβ 遮断薬の中毒 : 高 K 血症 :50% ブドウ糖 50mL+ レギュラーインスリン 10U 静注もグルコース イングルコース5g にしくは 10% ブドウ糖 500mL+レギュラーインスリン 10U~20Uを1 時スリン療法インスリン 2U 間かけて静注 クロピドグレル プラビックス 1T25mg,75mg ACS: ステント治療の可能性あれば,300mg 負荷後 75mg/ 日 ポリスチレンスルホルン酸カルシウム ( 陽イオン交換樹脂 ) ケーキサレート 高 K 血症 :15~50g 経口投与もしくはソルビトールに溶解 コルホルシンダロパート アデール 1A 5mg,10mg 心不全 :0.5~0.75μg/kg/ 分急性期を脱したら他の治療に変更する ジゴキシン ジゴシン 1A 0.25mg 1mL 心不全 :0.125~0.25mg 静注 Af:0.125~0.25mg 静注 ジソピラミド リスモダンP 1A 50mg 5mL Af:50~100mgを 5 分以上かけてゆっくり ジルチアゼム ヘルベッサー 1A 10mg, Af:0.25mg/kgを 2 分以上かけて PSVT:15~20mgを 2 分かけ 50mg,250mg. て シベンゾリン シベノール 1A 70mg 5mL 頻脈 :0.1 ml/kg(1.4mg/kg) を生食またはブドウ糖液で希釈, 血圧 心電図監視下で2~5 分かけて 重炭酸ナトリウムメイロン 7% 1A 20mL, 92mEq 高 K 血症 :50mEq 投与, 最大投与量 1mEq/kg.15 分後に再投与 チクロピジン パナルジン 1T 100mg ACS: ステント治療の可能性あれば,200mg 分 2で ドパミン イノバン等 多種あり ショック :2~20μg/kg 分 ドブタミン ドブトレックス等 1A 100mg 5mL ショック :2~20μg/kg 分 トラセミド ルプラック 1T 4mg,8mg 急性肺水腫慢性期移行期 塩酸ナロキソン 塩酸ナロキソン 1A 0.2mg 1mL オピエート中毒 :0.4~2mg 投与前にマスク換気を十分に行う. ニカルジピン ニコランジル ニトログリセリン ニトロプルシド ペルジピン シグマート ニトロペン, ミオコール, ミリスロール他 ニトプロ 1A 2mg 2mL, 10mg 10mL, 25mg 25mL 1A 2mg,12mg, 48mg 多種あり 6mg 2mL,30mg 10mL ニフェカラントシンビット 1V 50mg AAD の降圧 :3mL/ 時で開始し 1mg ずつボーラスを加えながら BP 100~120mmHg まで増量 AMI:0.2mg/kg を 5 分かけて静注後,0.05~0.2mg/kg/ 時で調整 ACS, 心不全 : 舌下, 噴霧 0.3~0.4mg, 静注 0.2~2.0μg/kg/ 分 心不全の後負荷軽減 :0.1μg/kg/ 分から開始し 3~5 分で漸増し5μ g/kg/ 分まで 頻脈 : 生食またはブドウ糖液で溶解し心電図監視下で単回静注 1 回 0.15 mg/kg(0.1~0.3mg) を5 分間, 維持点滴 0.4 mg/kg/ 時を等速度で. ノルアドレナリンノルアドレナリン 1A 1mg1mL ショック :0.5~30μg/ 分 心不全 :0.03~0.3μg/kg/ 分 バソプレシン バソプレシン 1A 20U 1mL VF/ 脈なし VT/ 心静止 PEA: 初回もしくは 2 回目のアドレナリンの代わりに40Uを 1 回のみ急速静注 / 骨髄内投与 パミテプラーゼ ソリナーゼ 260 万,520 万 U AMI:6.5 万 U/kg を単回静注 ピルジカイニド サンリズム 1A 50mg 5mL Af 1 回 1mL/kg(1mg/kg ) まで, いずれも血圧 心電図監視下で10 分かけて ブプレノルフィンレペタン 1A 0.2mg 1mL, 0.3mg 1.5mL AAD の鎮痛 :5mg 必要なら同量の追加 フレカイニド タンボコール 1A 50mg 5mL 頻脈 :0.1~0.2mL/kg(1~2mg/kg), 血圧 心電図監視下で 10 分かけて, 総投与量は1 回 150mg まで 10%,1 ml,2ml プロカインアミドアミサリン (1A 100mg 総量は 17mg/kgを 20mg/ 分で. または 200mg) フロセミド ラシックス 1A 20mg 2mL 心不全 :1 回 20~120mg, 持続静注は 2.5mg/ 時 高 K 血症 :40 ~ 80mg 静注 プロプラノロールインデラル 1A 2mg 2mL 多形性 VT:0.1mg/kgを 3 等分して 2~3 分間隔で Af:2mgずつ総量 0.15mg/kgまで AAD: 2mgずつ STEMI:60U/kg 最大 4,000Uボーラス後 aptt を 1.5~2.0に保つ ヘパリン 多種あり 多種あり UA/NSTEMI: 60~70U/kg 最大 5,000Uボーラス, 以降は STEMI に準じる 肺塞栓症 :5,000Uボーラス後 14,000U/ 日持続静注 1447

88 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 一般名商品名組成 剤形用法 ベラパミルワソラン 1A 5mg 2mL マグネシウムマグネゾール 1A 2g 20mL ミルリノン ミルリーラ 10mg/10mL, 22.5mg/150mL 免疫グロブリン多種あり 小児急性心筋炎 :2g/kg 塩酸モルヒネ モンテプラーゼ リドカイン 塩酸モルヒネ クリアクター リドカイン, オリベス PSVT: 2.5~5mg を 2 分かけて静注, 無効例では 5mg を 15~30 分毎に総量 20mg Af:5~10mg を 2 分かけて 特発性 VT(RBBB+LAD 型 )2.5~5mg を 2~3 分かけて総量は 20mg まで TdP による心停止 :1~2g を 10mL の 5%1 ブドウ糖液で希釈し 5 ~ 20 分かけて 脈のある TdP: 1~2g を 50~100mL に希釈して 5~60 分で静注し,0.5~1g/ 時で維持する. 心不全 :50μg/kg を負荷後に 0.25~0.75μg/kg/ 分を持続静注 10mg1mL,50mg 5mL,200mg 5mL AMI や AAD 鎮痛 :1mg ~ 4mg 40 万,80 万, 160 万 U 1A 100mg 5mL 急性肺塞栓症 :13,750~27,500U/kgを 2 分で AMI:27,500 U/kg 静注 VF/ 脈なし VT: 初回 1~1.5mg/kg, 追加 0.5~0.75mg/kg, 最大 3mg/kg VT50~100mg(1~2 mg/kg) を1~2 分間で緩徐に静注 本ガイドラインで使用した略語 AAD Acute aortic dissection ACLS Advanced cardiovascular life support ACS Acute coronary syndrome AED Automated external defibrillator AHA American Heart Association ALS Advanced life support aptt activated partial thromboplastin time ATP Adenosine triphosphate AVPU Alert-voice-painful-unresponsive BLS Basic life support BVM Bag valve mask CABG Coronary artery bypass surgery CCU Coronary care unit CPB Cardiopulmonary bypass CPR Cardiopulmonary resuscitation ECPR Extracorporeal cardiopulmonary resuscitation IABP Intraaortic balloon pump ICLS Immediate cardiac life support ITC International Training Center JRC Japan Resuscitation Council LBBB MET NIPPV NSTEMI PAD PALS PCI PCPS PEA PSVT PTE RAD RCA SCA STEMI TCP TdP UA VF VT Left Bundle Branch Block Medical Emergency Team Noninvasive positive pressure ventilation Non-ST elevation myocardial infarction Public access defibrillation Pediatric advanced life support Percutaneous coronary intervention Percutaneous cardiopulmonary support Pulseless electrical activity Paroxysmal supraventricular tachycardia Pulmonary thromboembolism Right Axis Deviation Resuscitation Council of Asia Sudden Cardiac Arrest ST elevation myocardial infarction Transcutaneous pacing Torsade des pointes Unstable angina Ventricular Fibrillation Ventricular Tachycardia 1448

89 循環器医のための心肺蘇生 心血管救急に関するガイドライン 文 献 1. 総務省報道資料 : 平成 19 年版救急救助の現況. 2. 総務省消防白書平成 20 年版 : 救急業務の現状. 3. Guidelines 2000 for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care. The American Heart Association in collaboration with the International Liaison Committee on Resuscitation. Circulation 2000; 102(8 Suppl): II Cummins RO, et al. Recommended guidelines for uniform reporting of data from out-of-hospital cardiac arrest: the Utstein Style. A statement for health professionals from a task force of the American Heart Association, the European Resuscitation Council, the Heart and Stroke Foundation of Canada, and the Australian Resuscitation Council. Circulation 1991; 84: Iwami T, et al. Effectiveness of bystander-initiated cardiaconly resuscitation for patients with out-of-hospital cardiac arrest. Circulation 2007; 116: Incidence of ventricular fibrillation in patients with out-ofhospital cardiac arrest in Japan: survey of survivors after outof-hospital cardiac arrest in Kanto area (SOS-KANTO). Circ J 2005; 69: Cardiopulmonary resuscitation by bystanders with chest compression only (SOS-KANTO): an observational study. Lancet 2007; 369: Sayre MR, et al. Hands-only (compression-only) cardiopulmonary resuscitation: a call to action for bystander response to adults who experience out-of-hospital sudden cardiac arrest: a science advisory for the public from the American Heart Association Emergency Cardiovascular Care Committee. Circulation 2008; 117: 消防庁. 様々な条件下での救急救命処置の生存率への効 果に関する結果報告 : ウツタイン様式調査オンライン処理システム : 総務省 Guidelines 2000 for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care. Part 12: from science to survival: strengthening the chain of survival in every community. The American Heart Association in collaboration with the International Liaison Committee on Resuscitation. Circulation 2000; 102(8 Suppl): I Chamberlain D. The International Liaison Committee on Resuscitation (ILCOR)-past and present: compiled by the Founding Members of the International Liaison Committee on Resuscitation. Resuscitation 2005; 67: Nolan J. European Resuscitation Council guidelines for resuscitation Section 1. Introduction. Resuscitation 2005; 67, Suppl 1: S 救急蘇生法の指針 ( 医療従事者用 ). へるす出版, 東京 Cummins RO, et al. Recommended guidelines for reviewing, reporting, and conducting research on in-hospital resuscitation: the in-hospital 'Utstein style'. American Heart Association. Circulation, 1997; 95(8): p Nadkarni VM, et al. First documented rhythm and clinical outcome from in-hospital cardiac arrest among children and adults. JAMA 2006; 295: Chan PS, et al. Delayed time to defibrillation after inhospital cardiac arrest. N Engl J Med 2008; 358: Peberdy MA, et al. Survival from in-hospital cardiac arrest during nights and weekends.jama 2008; 299: Edelson DP, et al. Effects of compression depth and preshock pauses predict defibrillation failure during cardiac arrest. Resuscitation 2006; 71: Abella BS, et al. Quality of cardiopulmonary resuscitation during in-hospital cardiac arrest.jama 2005; 293: Abella BS. et al. Chest compression rates during cardiopulmonary resuscitation are suboptimal: a prospective study during in-hospital cardiac arrest. Circulation 2005; 111: Abella BS, et al. CPR quality improvement during inhospital cardiac arrest using a real-time audiovisual feedback system. Resuscitation 2007; 73: Edelson DP, et al. Improving in-hospital cardiac arrest process and outcomes with performance debriefing. Arch Intern Med 2008; 168: Cobb LA, et al. Changing incidence of out-of-hospital ventricular fibrillation, JAMA 2002; 288: Rea TD, et al. Incidence of EMS-treated out-of-hospital cardiac arrest in the United States. Resuscitation 2004; 63: Larsen MP, et al. Predicting survival from out-of-hospital cardiac arrest: a graphic model. Ann Emerg Med 1993; 22: American Heart Association Guidelines for C a r d i o p u l m o n a r y R e s u s c i t a t i o n a n d E m e rg e n c y Cardiovascular Care. Circulation 2005; 112(24 Suppl): Ⅳ Holmberg M, Holmberg S, Herlitz J. Factors modifying the effect of bystander cardiopulmonary resuscitation on survival in out-of-hospital cardiac arrest patients in Sweden. Eur Heart J 2001; 22: Stiell IG, et al. Modifiable factors associated with improved cardiac arrest survival in a multicenter basic life support/ defibrillation system: OPALS Study Phase I results. Ontario Prehospital Advanced Life Support. Ann Emerg Med 1999; 33: Elam JO, et al. Head-tilt method of oral resuscitation. J Am Med Assoc 1960; 172: Kern KB, et al. Importance of continuous chest compressions during cardiopulmonary resuscitation: improved outcome during a simulated single lay-rescuer scenario. Circulation 2002; 105:

90 循環器病の診断と治療に関するガイドライン ( 年度合同研究班報告 ) 31. International Liaison Commottee on Resuscitation International Consensus on Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care Science With Treatment Recommendations. Resuscitation 2005; 67: Halperin HR, et al. Determinants of blood flow to vital organs during cardiopulmonary resuscitation in dogs. Circulation 1986; 73: Berg RA, et al. Adverse hemodynamic effects of interrupting chest compressions for rescue breathing during cardiopulmonary resuscitation for ventricular fibrillation cardiac arrest. Circulation 2001; 104: Waalewijn RA, Tijssen JG, Koster RW. Bystander initiated actions in out-of-hospital cardiopulmonary resuscitation: results from the Amsterdam Resuscitation Study (ARRESUST). Resuscitation 2001; 50: Higgins SL., et al. A comparison of biphasic and monophasic shocks for external defibrillation. Physio-Control Biphasic Investigators. Prehosp Emerg Care 2000; 4: Zafari AM, et al. 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CCU で扱っている疾患としては 心筋梗塞を含む冠動脈疾患 重症心不全 致死性不整脈 大動脈疾患 肺血栓塞栓症 劇症型心筋炎など あらゆる循環器救急疾患に 24 時間対応できる体制を整えており 内訳としては ( 図 2) に示すように心筋梗塞を含む冠動脈疾患 急性大動脈解離を含む血管疾患 心不全など

CCU で扱っている疾患としては 心筋梗塞を含む冠動脈疾患 重症心不全 致死性不整脈 大動脈疾患 肺血栓塞栓症 劇症型心筋炎など あらゆる循環器救急疾患に 24 時間対応できる体制を整えており 内訳としては ( 図 2) に示すように心筋梗塞を含む冠動脈疾患 急性大動脈解離を含む血管疾患 心不全など CCU 部門の紹介 1. CCU の概要久留米大学心臓 血管内科 CCU( 心血管集中治療室 cardiovascular care unit) は久留米大学病院高度救命救急センター内において循環器救急疾患の初療と入院後集中治療を担当している部署として活動しています 久留米大学病院高度救命救急センターは 1981 年 6 月に開設され 1994 年には九州ではじめて高度救命救急センターの認可を受け

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