販売名 ベージニオ 錠に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ベージニオ錠 50mg ベージニオ錠 100mg ベージニオ錠 150mg 有効成分 アベマシクリブ 製造販売業者 日本イーライリリー株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 9 月 ( 別紙様式 ) 1.1

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ケブザラ皮下注 150mg/200mg シリンジ ケブザラ皮下注 150mg/200mg オートインジェクターに係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 製造販売業者 1 ケブザラ皮下注 150mg シリンジ 2 ケブザラ皮下注 200mg シリンジ 3 ケブザラ皮下注 150mg オ

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販売名 製造販売業者 レフィキシア静注用 500/1000/2000 に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 レフィキシア静注用 500/1000/2000 ノボノルディスクファーマ株式会社提出年月 ( 別紙様式 ) 有効成分ノナコグベータペゴル ( 遺伝子組換え ) 薬効分類 6343

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医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

医薬品リスク管理計画書(本文)

ベージニオ(アベマシクリブ)患者向医薬品ガイド

薬生安発 0302 第 1 号 平成 30 年 3 月 2 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) 医薬品リスク管理計画の実施に基づく再審査期間終了後の評価報告について の一部改正について 再審査期間中の新医薬品以外の医薬品の医薬品リ

エビリファイに係る ( 別紙様式 ) 販売名 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 1 エビリファイ錠 1 mg /3 mg /6 mg /12 mg 2 エビリファイ散 1% 3 エビリファイ内用液 0.1% 4 エビリファイ OD 錠 3 mg /6 mg /12 mg /24 mg 5

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

販売名 テクフィデラカプセル 120mg/240mg に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 テクフィデラカプセル 120mg/240mg 有効成分 ( 別紙様式 ) フマル酸ジメチル 製造販売業者 バイオジェン ジャパン株式会社 薬効分類 119 提出年月 平成 30 年 2 月 1.1

スライド 1

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

( 別紙様式 ) タシグナカプセル 200mg, 150mg, 50mg に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 1 タシグナカプセル 200 mg 2 タシグナカプセル 150 mg 有効成分 ニロチニブ塩酸塩水和物 3 タシグナカプセル 50 mg 製造販売業者 ノバルティスフ

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

Microsoft PowerPoint - ⑨140925,30日薬連講習会(後発RMP)930.ppt [互換モード]

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

減量・コース投与期間短縮の基準

(別添様式)

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

ブイフェンド 200mg 静注用ブイフェンド錠 50mg ブイフェンド錠 200mg ブイフェンドドライシロップ 2800mg に係る医薬品リスク管理計画書 本資料に記載された情報に係る権利及び内容についての責任はファイザー株式会社にあります 当該情報を適正使用以外の営利目的に利用することはできませ

スライド 1

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

ベスポンサ点滴静注用 1 mg に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名ベスポンサ点滴静注用 1 mg 有効成分 イノツズマブオゾガマイシン ( 遺伝子組換え ) 製造販売業者 ファイザー株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 3 月 1.1. 安全性検討事項 重要

本日の内容 添付文書の改訂医薬品の添付文書がどのように作成され 改訂されるかを知る リスクコミュニケーション医療現場 行政 企業とのリスクコミュニケーションツールとその活用方法を知る 2

記 第 1 再審査資料の構成及び作成上の注意事項再審査資料の構成及び作成上の注意事項は次のとおりとすること また 再審査申請書の写し及び平成 10 年 12 月 1 日付け医薬審第 1058 号厚生省医薬安全局審査管理課長通知 新医薬品等の申請資料の信頼性の基準の遵守について により添付することとし

バベンチオ点滴静注 200mg に係る 医薬品リスク管理計画書 本資料に記載された情報に係る権利及び内容の責任はメルクバイオファーマ株式会社にあります 当該情報を適正使用以外の営利目的に利用することはできません メルクバイオファーマ株式会社

目次 2 調査の概要 3 回答薬局の概要 4 1. 安全性情報の入手 伝達 5 2. リスクコミュニケーションツールの活用 薬局内でのインターネット活用等 27 望まれる方向 34 参考 1 PMDA 医療安全情報について 37 参考 2 医薬品リスク管理計画について 38 参考 3 リ

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

別添 治験副作用等症例の定期報告に関する質疑応答集 (Q&A) について < 半年ごとの定期報告の受け付け> Q1 平成 26 年 6 月 30 日までの間は 治験依頼者 ( 自ら治験を実施する者を除く ) が提出する副作用等症例の定期報告は なお従前の例によることができる とあるが 平成 26 年

米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん

クラリチンドライシロップ 1% クラリチン錠 10mg クラリチンレディタブ錠 10mg 第 1 部申請書等行政情報及び添付文書に関する情報 (7) 同種同効品一覧 シェリング プラウ株式会社

2.0 概要 治験情報 : 治験依頼者名 : 武田薬品工業株式会社 (TPC) 大阪市中央区道修町四丁目 1 番 1 号 治験課題名 : びらん性食道炎の患者を対象にした TAK-438 の 20 mg を 1 日 1 回経口投与したときの有効性及び安全性を 1 日 1 回経口投与

(別添様式1)

販売名 製造販売業者 インフリキシマブ BS 点滴静注用 100mg CTH に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 インフリキシマブ BS 点滴静注用 100mg CTH セルトリオン ヘルスケア ジャパン株式会社 ( 選任製造販売業者 ) 提出年月 有効成分 インフリキシマブ ( 遺伝

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

この試験情報は一般公開のみを目的に作成されたものです この試験情報はあくまで単一の試験から得られた結果であり この試験の医薬品から得られるすべての情報を基にした全体的なベネフィットとリスクを反映したものではない可能性があります 医療関係者の皆様は 武田薬品の医薬品のご使用にあたり 必ずそれぞれの国ま

「             」  説明および同意書

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

相互作用DB

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

DRAFT#9 2011


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(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

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要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

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451) 議題 3. ファイザー の依頼による白血病患者を対象とした SKI-606 の第 Ⅲ 相試験 ( 整理番号 :476) 議題 4. 武田バイオ開発センター の依頼による第 Ⅰ 相試験 ( 整理番号 : 487) 議題 5. ノバルティスファーマ の依頼による肺動脈性肺高血圧症患者を対象とし

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議題 3. ファイザー の依頼による白血病患者を対象とした SKI-606 の第 Ⅲ 相試験 ( 整理番号 :476) 議題 4. 武田バイオ開発センター の依頼による第 Ⅰ 相試験 ( 整理番号 : 487) 議題 5. ノバルティスファーマ の依頼による肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした QTI

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2018/9/29 ICPM 2018 セッション3 医薬品安全性 国内と海外のデータベースの特徴と医薬品安全性モニタリングへの応用 - 異なる視点からのデータベースの理解 - 医療情報データベースを活用した 医薬品の製造販売後調査について 独立行政法人医薬品医療機器総合機構医療情報活用部疫学課梶山

【押印あり】日本医学会宛

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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ベージニオ錠 50mg ベージニオ錠 100mg ベージニオ錠 150mg に係る医薬品リスク管理計画書 本資料に記載された情報に係る権利及び内容についての責任は日本イーライリリー株式会社にあります 当該情報を適正使用以外の営利目的に利用することはできません 日本イーライリリー株式会社

販売名 ベージニオ 錠に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ベージニオ錠 50mg ベージニオ錠 100mg ベージニオ錠 150mg 有効成分 アベマシクリブ 製造販売業者 日本イーライリリー株式会社 薬効分類 87 4291 提出年月 平成 30 年 9 月 ( 別紙様式 ) 1.1. 安全性検討事項 重要な特定されたリスク 頁 重要な潜在的リスク 頁 重要な不足情報 頁 重度の下痢 3 間質性肺疾患 6 7 骨髄抑制 3 胚 胎児毒性 6 肝機能障害 4 肝機能障害患者での使用 7 1.2. 有効性に関する検討事項 上記に基づく安全性監視のための活動 8 頁 2. 医薬品安全性監視計画の概要頁 通常の医薬品安全性監視活動 自発報告 文献 学会情報及び外国措置報告等 の収集 評価に基づく安全確保措置の検討及び 実施追加の医薬品安全性監視活動 市販直後調査 9 製造販売後データベース調査 間質性肺疾患 9 ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内 分泌療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者 を対象とした製造販売後臨床試験 (1 ) (MONARCH 2 試験 ) ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内 分泌療法歴のない手術不能又は再発閉経後乳 癌患者を対象とした製造販売後臨床試験 (2) (MONARCH 3 試験 ) 3. 有効性に関する調査 試験の計画の概要 12 各項目の内容は RMP の本文でご確認下さい 頁 9 10 10 上記に基づくリスク最小化のための活動 4. リスク最小化計画の概要頁 通常のリスク最小化活動 添付文書及び患者向医薬品ガイドによる情 報提供追加のリスク最小化活動 市販直後調査による情報提供 12 12

医薬品リスク管理計画書 ( 別紙様式 ) 平成 30 年 9 月 11 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長殿 標記について次のとおり提出します 住 所 : 兵庫県神戸市中央区磯上通 5 丁目 1 番 28 号 氏 名 : 日本イーライリリー株式会社代表取締役社長 パトリック ジョンソン 印 品目の概要 承認年月日 2018 年 9 月 21 日薬効分類 87 4291 再審査期間 8 年承認番号 1 23000AMX00808000 2 23000AMX00809000 3 23000AMX00810000 国際誕生日 販売名 2017 年 9 月 28 日 1 ベージニオ錠 50mg 2 ベージニオ錠 100mg 3 ベージニオ錠 150mg 有効成分アベマシクリブ 含量及び剤型 用法及び用量 効能又は効果 1 1 錠中アベマシクリブとして 50mg を含有するフィルムコーティング錠 2 1 錠中アベマシクリブとして 100mg を含有するフィルムコーティング錠 3 1 錠中アベマシクリブとして 150mg を含有するフィルムコーティング錠内分泌療法剤との併用において 通常 成人にはアベマシクリブとして 1 回 150mg を 1 日 2 回経口投与する なお 患者の状態により適宜減量する ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性の手術不能又は再発乳癌 承認条件医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 備 考 1

変更の履歴 前回提出日 : 変更内容の概要 : 変更理由 : 2

1. 医薬品リスク管理計画の概要 1.1 安全性検討事項重要な特定されたリスク 重度の下痢 骨髄抑制 重要な特定されたリスクとした理由 : 1. アベマシクリブ及びフルベストラント併用におけるホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者を対象とした国際共同第 III 相試験 ( 以下 MONARCH 2 試験 ) において 下痢はアベマシクリブ群で 86.4%(381/441 例 ) グレード 3 の下痢を発現した症例は 13.4%(59/441 例 ) であり グレード 4 又は 5 の症例はなかった プラセボ群では 24.7%(55/223 例 ) グレード 3 は 0.4%(1/223 例 ) であった アベマシクリブ群における重篤例は 1.6%(7/441 例 ) であった 2. アベマシクリブ及び非ステロイド性アロマターゼ阻害剤併用におけるホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のない手術不能又は再発閉経後乳癌患者を対象とした国際共同第 III 相試験 ( 以下 MONARCH 3 試験 ) において 下痢はアベマシクリブ群で 81.3%(266/327 例 ) グレード 3 の下痢を発現した症例は 9.5%(31/327 例 ) であり グレード 4 又は 5 の症例はなかった プラセボ群では 29.8%(48/161 例 ) グレード 3 は 1.2%(2/161 例 ) であった アベマシクリブ群における重篤例は 1.5%(5/327 例 ) であった アベマシクリブの臨床試験において プラセボ群と比較してアベマシクリブ群で下痢の発現頻度が高く グレード 3 の症例や重篤例も認められたことから 特に重度の下痢がアベマシクリブのベネフィット リスクバランスに影響を及ぼしうると考え 重要な特定されたリスクに設定した 医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由 : 通常の医薬品安全性監視活動 選択理由 アベマシクリブによる下痢の発現状況は臨床試験において一定の情報が得られており 通常の医薬品安全性監視活動で情報収集を行う リスク最小化活動の内容及びその選択理由 : 通常のリスク最小化活動として 添付文書の用法 用量に関連する使用上の注意に下痢発現時における処置について記載し 重大な副作用及びその他の副作用 並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する 選択理由 下痢のリスク及び対処法を医療従事者及び患者に対し情報提供することで 早期に適切な処置の実施を促す 重要な特定されたリスクとした理由 : 1. MONARCH 2 試験において 骨髄抑制はアベマシクリブ群で 58.3%(257/441 例 ) プラセボ群で 8.1%(18/223 例 ) であり グレード 3 以上はアベマシクリブ群で 33.6%(148/441 例 ) プラセボ群で 2.7%(6/223 例 ) であった アベマシクリブ群において発現した骨髄抑制に含まれる主な事象は 好中球減少 46.0%(203/441 例 グレード 3 以上は 26.5%) 貧血 29.0%(128/441 3

肝機能障害 例 グレード 3 以上は 7.3%) 白血球減少 28.3%(125/441 例 グレード 3 以上は 8.8%) 血小板減少 15.6%(69/441 例 グレード 3 以上は 3.4%) であった アベマシクリブ群において重篤な骨髄抑制を発現した症例は 1.6% (7/441 例 ) であった 2. MONARCH 3 試験において 骨髄抑制はアベマシクリブ群で 55.0%(180/327 例 ) プラセボ群で 11.8%(19/161 例 ) であり グレード 3 以上はアベマシクリブ群で 28.1%(92/327 例 ) プラセボ群で 2.5%(4/161 例 ) であった アベマシクリブ群において発現した骨髄抑制に含まれる主な事象は 好中球減少 41.3%(135/327 例 グレード 3 以上は 21.1%) 貧血 28.4%(93/327 例 グレード 3 以上は 5.8%) 白血球減少 20.8%(68/327 例 グレード 3 以上は 7.6%) 血小板減少 10.4%(34/327 例 グレード 3 以上は 2.8%) であった アベマシクリブ群において重篤な骨髄抑制を発現した症例は 1.8% (6/327 例 ) であった 3. サイクリン依存性キナーゼ (Cyclin-Dependent Kinase:CDK)4 及び 6 の阻害により細胞周期の進行が阻害され骨髄抑制を引き起こすことが知られている (Sherr 1996; Ortega et al. 2002) アベマシクリブの臨床試験において プラセボ群と比較してアベマシクリブ群で骨髄抑制の発現頻度が高く 重篤例も認められたことから 重要な特定されたリスクに設定した 医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由 : 通常の医薬品安全性監視活動 選択理由 アベマシクリブによる骨髄抑制の発現状況は臨床試験において一定の情報が得られており 通常の医薬品安全性監視活動で情報収集を行う リスク最小化活動の内容及びその選択理由 : 通常のリスク最小化活動として 添付文書の用法 用量に関連する使用上の注意に血液毒性発現時における処置について記載し 重要な基本的注意及び重大な副作用 並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する 選択理由 骨髄抑制のリスク及び対処法を医療従事者及び患者に対し情報提供することで 早期に適切な処置の実施を促す 重要な特定されたリスクとした理由 : 1. MONARCH 2 試験において 肝機能障害はアベマシクリブ群で 19.5% (86/441 例 ) プラセボ群で 9.9%(22/223 例 ) であり グレード 3 以上はアベマシクリブ群で 7.7%(34/441 例 ) プラセボ群で 3.6%(8/223 例 ) であった アベマシクリブ群において発現した肝機能障害に含まれる主な事象は ALT 増加 13.4%(59/441 例 グレード 3 以上は 4.1%) AST 増加 12.2% (54/441 例 グレード 3 以上は 2.3%) 血中アルカリホスファターゼ増加 4.5%(20/441 例 グレード 3 以上は 1.1%) -GTP 増加 3.2%(14/441 例 グレード 3 以上は 1.8%) 血中ビリルビン増加 1.6%(7/441 例 グレード 3 以上は 0.9%) であった アベマシクリブ群において重篤な肝機能障害を発現した症例は 1.8%(8/441 例 ) であった 4

2. MONARCH 3 試験において 肝機能障害はアベマシクリブ群で 23.2% (76/327 例 ) プラセボ群で 12.4%(20/161 例 ) であり グレード 3 以上はアベマシクリブ群で 8.6%(28/327 例 ) プラセボ群で 2.5%(4/161 例 ) であった アベマシクリブ群において発現した肝機能障害に含まれる主な事象は ALT 増加 15.6%(51/327 例 グレード 3 以上は 6.1%) AST 増加 14.7% (48/327 例 グレード 3 以上は 3.4%) 血中アルカリホスファターゼ増加 4.6%(15/327 例 グレード 3 以上は 0.6%) -GTP 増加 4.0%(13/327 例 グレード 3 以上は 2.8%) 血中ビリルビン増加 1.5%(5/327 例 グレード 3 以上は 0.3%) であった アベマシクリブ群において重篤な肝機能障害を発現した症例は 0.6%(2/327 例 ) であった アベマシクリブの臨床試験において プラセボ群と比較してアベマシクリブ群で肝機能障害の発現頻度が高く 重篤例も認められたことから 重要な特定されたリスクに設定した 医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由 : 通常の医薬品安全性監視活動 選択理由 アベマシクリブによる肝機能障害の発現状況は臨床試験において一定の情報が得られており 通常の医薬品安全性監視活動で情報収集を行う リスク最小化活動の内容及びその選択理由 : 通常のリスク最小化活動として 添付文書の重要な基本的注意 重大な副作用及びその他の副作用 並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する 選択理由 肝機能障害のリスクを医療従事者及び患者に対し情報提供することで 早期に適切な処置の実施を促す 5

間質性肺疾患 胚 胎児毒性 重要な潜在的リスクとした理由 : 重要な潜在的リスク 1. MONARCH 2 試験において 間質性肺疾患 (MedDRA 標準検索式を用いて集計 ) はアベマシクリブ群で 2.3%(10/441 例 ) プラセボ群で 0.4%(1/223 例 ) であり グレード 3 以上はアベマシクリブ群で 0.7%(3/441 例 ) プラセボ群で 0% であった アベマシクリブ群において重篤な間質性肺疾患を発現した症例は 1.1%(5/441 例 ) であった 2. MONARCH 3 試験において 間質性肺疾患はアベマシクリブ群で 3.4% (11/327 例 ) プラセボ群で 0.6%(1/161 例 ) であり グレード 3 以上はアベマシクリブ群で 0.6%(2/327 例 ) プラセボ群で 0% であった アベマシクリブ群において重篤な間質性肺疾患を発現した症例は 1.2%(4/327 例 ) であった アベマシクリブの臨床試験において 間質性肺疾患の発現例数は限られているものの 重篤例が認められたことから 重要な潜在的リスクに設定した 医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由 : 通常の医薬品安全性監視活動 追加の医薬品安全性監視活動として 製造販売後データベース調査を実施する 製造販売後データベース調査 間質性肺疾患 選択理由 アベマシクリブ投与と間質性肺疾患の関連を評価するため アベマシクリブの投与及び当該事象の発生を特定するための情報が取得可能と想定されるデータベースを用いて 比較対照を設定した製造販売後データベース調査 間質性肺疾患 を実施する リスク最小化活動の内容及びその選択理由 : 通常のリスク最小化活動として 添付文書の重要な基本的注意及び重大な副作用 並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する 選択理由 間質性肺疾患のリスクを医療従事者及び患者に対し情報提供することで 早期に適切な処置の実施を促す 重要な潜在的リスクとした理由 : CDK4 及び 6 の阻害により細胞周期の進行が阻害されることから アベマシクリブが胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性がある ヒトにおけるエビデンスは無いが ラットにおいて催奇形性及び胎児体重の減少が認められていることから 重要な潜在的リスクに設定した 医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由 : 通常の医薬品安全性監視活動 選択理由 実臨床下での妊婦又は妊娠している可能性のある女性への使用頻度は高くない 6

と考えられることから 通常の医薬品安全性監視活動により国内外での知見の収集に努め 妊娠症例が報告された場合は 母体だけでなく出生児の状態についても可能な限り追跡し 定期的な評価を行う リスク最小化活動の内容及びその選択理由 : 通常のリスク最小化活動として 添付文書の妊婦 産婦 授乳婦等への投与及び患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する 選択理由 胚 胎児毒性のリスクを医療従事者及び患者に対し情報提供することで 安全性の確保を図る 肝機能障害患者での使用 重要な潜在的リスクとした理由 : 肝機能障害がアベマシクリブの薬物動態に及ぼす影響について検討した海外第 I 相試験 (I3Y-MC-JPBV 試験 ) において 重度の肝機能障害を有する被験者 6 例にアベマシクリブ 200 mg を単回経口投与したとき 正常な肝機能を有する被験者 10 例と比較して 総活性物質 ( アベマシクリブ M2 M18 及び M20 の合算 ) の非結合型の曝露量 (AUC) が 2.69 倍増加し アベマシクリブの消失半減期は 24 時間から 55 時間へ延長した 一方 軽度又は中等度の肝機能障害を有する被験者 9 例及び 10 例での曝露量は正常な肝機能を有する被験者と同程度であった この結果を考慮し 重要な潜在的リスクに設定した 医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由 : 通常の医薬品安全性監視活動 選択理由 実臨床下での肝機能障害患者への使用頻度は高くないと考えられることから 通常の医薬品安全性監視活動により国内外での知見の収集に努め 定期的な評価を行う また これらの情報を基に 必要に応じて新たな医薬品安全性監視活動の実施を検討する リスク最小化活動の内容及びその選択理由 : 通常のリスク最小化活動として 添付文書の用法 用量に関する使用上の注意及び慎重投与 並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する 選択理由 肝機能障害患者での使用のリスクを医療従事者及び患者に対し情報提供することで 安全性の確保を図る 重要な不足情報 参考文献 : Sherr CJ. Cancer Cell Cycles. Science. 1996;274(5293):1672-1677. Available at: http://science.sciencemag.org/content/274/5293/1672 Ortega S et al. Cyclin D-dependent kinases, INK4 inhibitors and cancer. Biochim Biophys Acta. 2002;1602(1):73-87. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11960696 7

1.2 有効性に関する検討事項 8

2. 医薬品安全性監視計画の概要 通常の医薬品安全性監視活動の概要 : 通常の医薬品安全性監視活動 自発報告 文献 学会情報及び外国措置報告等の収集 評価に基づく安全確保措置の検討及び実施 市販直後調査 追加の医薬品安全性監視活動 実施期間 : 販売開始から 6 ヵ月間評価 報告の予定時期 : 調査終了から 2 ヵ月以内 製造販売後データベース調査 間質性肺疾患 安全性検討事項 間質性肺疾患 目的 本調査は 乳癌患者におけるアベマシクリブ処方後の間質性肺疾患の発現を対照群と比較し アベマシクリブと間質性肺疾患との関連を評価する 実施計画 調査対象期間 : アベマシクリブ販売開始後より 2 年間と設定し データの集積状況により最大 5 年間の延長を検討する データソース :MDV( メディカル データ ビジョン ) データベース調査デザイン : コホートデザイン対象コホート : 手術不能又は再発乳癌患者曝露群 : アベマシクリブ処方患者対照群 : 適切な比較対照を検討の上 設置するアウトカム定義 : 間質性肺疾患に該当する ICD-10 コード (J84.x, J70.2x, J70.4x, J70.3x) 薬剤処方コード ( 胸部 X 線検査の ) 処置コード等を複数組み合わせたイベント定義を検討し用いる 実施計画の根拠 アベマシクリブ投与と間質性肺疾患の関連を評価するため アベマシクリブの投与及び当該事象の発生を特定するための情報が取得可能と想定されるデータベースを用いて 製造販売後データベース調査 間質性肺疾患 を実施する 節目となる予定の時期及びその根拠 最終報告書作成時 : 安全性情報について最終的な検討を行うため 当該医薬品安全性監視活動の結果に基づいて実施される可能性のある追加の措置及びその開始の決定基準 節目となる時期に以下の内容を含めた医薬品リスク管理計画書の見直しを行う 間質性肺疾患についてアベマシクリブ投与との関連が明らかとなったと判断された場合には リスク最小化活動の策定要否について検討を行う 得られた結果を踏まえ さらなる検討が必要と判断する場合には 新たな医薬品安全性監視活動の実施要否について検討を行う 9

ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者を対象とした製造販売後臨床試験 (1)(MONARCH 2 試験 ) MONARCH 2 試験を製造販売承認時より製造販売後臨床試験に切り替えて試験を継続する 目的 アベマシクリブ及びフルベストラント併用におけるホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者を対象として アベマシクリブ + フルベストラント併用投与とプラセボ + フルベストラントの併用投与を無増悪生存期間 (progression-free survival:pfs) に関して比較する また 副次目的として アベマシクリブ及びフルベストラントの併用投与とプラセボ及びフルベストラントの併用投与を安全性及び全生存期間 (overall survival:os) などに関して比較する 実施計画 本試験の実施期間 :2014 年 8 月 ~ 少なくとも最終 OS 解析に必要な OS イベントが内分泌療法歴のある患者に約 441 件認められるまでの期間本試験に組み入れられた症例数 :669 例 ( うち日本人 95 例 )* * 内分泌療法歴のある症例数 MONARCH 2 試験では 医学的見地及び医学的ニーズから 内分泌療法治療歴のない患者の組み入れを可とし 内分泌療法治療歴のない患者及び内分泌療法治療歴のある患者の両者からなる集団を主要解析対象集団としていたが 治験実施計画書を変更し 内分泌療法治療歴のある患者のみを組み入れ 主要解析に含めることとしている 試験デザイン : 本試験は内分泌療法歴を有するホルモン受容体陽性 /HER2 陰性の局所進行又は転移性乳癌患者を対象とした 多施設共同 無作為化 二重盲検 プラセボ対照 国際共同第 III 相試験で アベマシクリブ + フルベストラント併用投与とプラセボ + フルベストラント併用投与の有効性及び安全性を比較する 内分泌療法既治療のホルモン受容体陽性 /HER2 陰性の局所進行又は転移性乳癌患者約 630 例を 2:1 の割合でアベマシクリブ + フルベストラント群又はプラセボ + フルベストラント群に無作為に割り付ける 卵巣機能抑制による閉経後状態の患者は 治験薬投与期間中は卵巣機能抑制剤の投与を継続する 節目となる予定の時期及びその根拠 安全性定期報告時 : 安全性情報について包括的な検討を行うため OS の最終解析時 : 治験総括報告書の補遺 (CSR addendum) を作成するため 当該医薬品安全性監視活動の結果に基づいて実施される可能性のある追加の措置及びその開始の決定基準 節目となる時期に 以下の内容を含めた医薬品リスク管理計画書の見直しを行う 新たな安全性検討事項に対する医薬品安全性監視活動又はリスク最小化活動の策定要否について検討を行う 現状の安全性検討事項に対するリスク最小化活動の内容変更要否について検討を行う ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のない手術不能又は再発閉経後乳癌患者を対象とした製造販売後臨床試験 (2)(MONARCH 3 試験 ) MONARCH 3 試験を製造販売承認時より製造販売後臨床試験に切り替えて試験を継続する 10

目的 ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のない手術不能又は再発閉経後乳癌患者において アベマシクリブと非ステロイド性アロマターゼ阻害剤 (NSAI) の併用投与とプラセボと NSAI の併用投与を PFS に関して比較する また 副次目的として アベマシクリブ及び NSAI の併用投与とプラセボ及び NSAI の併用投与を安全性及び OS などに関して比較する 実施計画 本試験の実施期間 :2014 年 11 月 ~ 少なくとも最終 OS 解析に必要な OS イベントが約 315 件認められるまでの期間本試験に組み入れられた症例数 :493 例 ( うち日本人 53 例 ) 試験デザイン : 本試験は全身治療歴のない閉経後のホルモン受容体陽性 /HER2 陰性の局所再発又は転移性乳癌患者を対象とした 多施設共同 無作為化 二重盲検 プラセボ対照 国際共同第 III 相試験で アベマシクリブ +NSAI 併用投与とプラセボ +NSAI 併用投与の有効性及び安全性を比較する 内分泌療法未治療のホルモン受容体陽性 /HER2 陰性の局所再発又は転移性乳癌患者約 450 例を 2:1 の割合でアベマシクリブ +NSAI 群又はプラセボ +NSAI 群に無作為に割り付ける 節目となる予定の時期及びその根拠 安全性定期報告時 : 安全性情報について包括的な検討を行うため OS の最終解析時 : 治験総括報告書の補遺 (CSR addendum) を作成するため 当該医薬品安全性監視活動の結果に基づいて実施される可能性のある追加の措置及びその開始の決定基準 節目となる時期に 以下の内容を含めた医薬品リスク管理計画書の見直しを行う 新たな安全性検討事項に対する医薬品安全性監視活動又はリスク最小化活動の策定要否について検討を行う 現状の安全性検討事項に対するリスク最小化活動の内容変更要否について検討を行う 11

3. 有効性に関する調査 試験の計画の概要 4. リスク最小化計画の概要 通常のリスク最小化活動の概要 : 通常のリスク最小化活動 添付文書及び患者向医薬品ガイドによる情報提供 市販直後調査による情報提供 追加のリスク最小化活動 実施期間 : 販売開始から 6 ヵ月間評価 報告の予定時期 : 調査終了から 2 ヵ月以内 5. 医薬品安全性監視計画 有効性に関する調査 試験の計画及びリスク最小化計画の一覧 5.1 医薬品安全性監視計画の一覧通常の医薬品安全性監視活動 自発報告 文献 学会情報及び外国措置報告等の収集 評価に基づく安全確保措置の検討及び実施 追加の医薬品安全性監視活動の名称 追加の医薬品安全性監視活動 節目となる症例数 / 目標症例数 節目となる予定の時期 市販直後調査 販売開始から 6 ヵ月後 製造販売後データベース調査 間質性肺疾患 ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者を対象とした製造販売後臨床試験 (1)(MONARCH 2 試験 ) 669 例 ( うち日本人 95 例 ) 登録完了 最終報告書作成時 安全性定期報告時 OS の最終解析時 実施状況 販売開始時より実施 検討中 製造販売承認時より継続 報告書の作成予定日 販売開始から 8 ヵ月以内最終報告書作成時 治験総括報告書の補遺作成時 (2022 年 ) 12

ホルモン受容体陽性かつ HER2 陰性であり内分泌療法歴のない手術不能又は再発閉経後乳癌患者を対象とした製造販売後臨床試験 (2) (MONARCH 3 試験 ) 493 例 ( うち日本人 53 例 ) 登録完了 安全性定期報告時 OS の最終解析時 製造販売承認時より継続 治験総括報告書の補遺作成時 (2022 年 ) 5.2 有効性に関する調査 試験の計画の一覧 5.3 リスク最小化計画の一覧通常のリスク最小化活動添付文書及び患者向医薬品ガイドによる情報提供追加のリスク最小化活動 追加のリスク最小化活動の名称 市販直後調査による情報提供 節目となる予定の時期 販売開始から 6 ヵ月後 実施状況 販売開始時より実施 13