Beyond Angiography Japan X IX PCI optimization by physiology and coronary imaging http://www.visitech.co.jp/baj/19/index.html 1
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PCI optimization by physiology and coronary imaging Beyond Angiography Cleveland Clinic Nissen Stanford University Yock 1996 Beyond Angiography Japan 19 OCT OFDIVirtual Histology IB-IVUS imap MSCT MRI 19PCI optimization by physiology and imaging FAME FAME PCI PCI SYNTAX PCI FFR ifr P C I o p t i m i z a t i o n n e w technology CT perfusion SPECT OFDI OCT NIRS-IVUS PCI 25 13:00-13:05 Opening Remark PCI optimizationnew technology 13:05-13:30 CT perfusion 13:30-13:55 New technology for next step 13:55-14:20 OFDI 14:20-14:45 OCT 14:45-15:10 NIRS-IVUS TVC Imaging System 15:10-15:15 5 Coffee Break Session 15:15-15:35 PCI 4
FFR ) 15:35-15:50 FFRangio IVUS OCT 15:50-16:05 FFR based coronary intervention evidence LMTD,multi-vessel) 16:05-16:20 FFR based coronary intervention (Diffuse lesion, tandem lesion) 16:20-16:35 non-flow limitting vulnerable plaque FFR Defer 16:35-16:50 Future perspective of physiology based coronary intervention 16:50-17:20 30 Coffee Break Session 17:20-17:40 17:40-18:00 20 Case Competition 1010 18:00-19:00 M01 Angina pectoris without significant coronary stenosis - functional evaluation beyond (CT) angiography; an approach from MSCT - M02 CT MRI OCTMRI M03 3D OCT 19:00-20:00 M04 Fractional Flow Reserve M05 FFR Guided Percutaneous Coronary Intervention to Coronary Stenosis with Coronary Artery-Pulmonary Trunk Fistula M06 OCT 20:00 Case Competition Case Competition 20:10 Closing Remark Case Copmetiton 5
P001 PCI POBA 1 P002 SPECT ATPCT perfusion PCI P003 predicted FFR 3 P004 2 P005 calcified in-stent restenosis P006 stent fracture CABG FFR1 P007 FFR OCT IVUS P008 FFRTorsades de Pointes P009 stent P010 Myocardial bridging - P011 IABP P012 LAD 12:50 18:00 6
PCI optimizationnew technology CT perfusion の最新テクノロジー 三重大学医学部北川覚也 近年の CT の目覚ましい発達により 非侵襲的な冠動脈形態診断が多くの施設でルーチンに行われるようになった しかし 冠動脈疾患の治療方針決定には 冠動脈の形態だけでなく機能的狭窄度を評価する必要があり 負荷心筋血流評価を含めた心臓 CT 検査に大きな期待が寄せられている CT による心筋血流評価法には 造影剤ファーストパスの全体像をとらえる dynamic perfusion と ある時相のみを撮影する static perfusion がある dynamic perfusion は心筋血流量 (ml/min/g) を評価できることが最大の特長であるが 我々の施設で使用している 2 管球 CT は専用の撮影モード 画像再構成法 血流解析ソフトウェアを搭載しており これらの密接な連携により心筋血流マップをルーチンに作成することを可能としている 我々の検討では 元画像を視覚的に評価するよりも血流マップを視覚的あるいは定量的に評価する方が 有意冠動脈狭窄の診断能や読影者間再現性は高い また このような血流マップは冠動脈 CTA との融合画像の作成にも容易に利用できる dynamic perfusion は static perfusion と比べて被曝が増える問題があるが 我々は 80kVp による定電圧撮影プロトコールを用いることで BMI 25 以下の患者では画質や定量性を損なうことなく 40% の被曝低減が可能であることを報告した さらに昨年の新型 X 線検出器の導入からは すべての患者に対して低電圧プロトコールを用い 平均 5mSv で負荷 dynamic CT perfusion 検査を行っている 本講演では低被曝かつ高画質の CT perfusion を可能にする技術を紹介するとともに 負荷 CT perfusion の経験をシェアしたい New technology for next step 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会付属榊原記念病院循環器内科井口信雄 核医学検査は負荷心筋 SPECT による虚血評価 心筋梗塞領域の同定およびバイアビリティ 評価 さらには心筋代謝障害や交感神経機能障害の評価を含めた機能評価が可能であり とくに冠動脈形成術の適応根拠としての虚血評価においては非侵襲的手段として広く利用されている 当院ではこれまでも 心筋虚血の証明として心臓核医学検査を用いてきたが 2012 年 3 月に新しい半導体検出器 D-SPECT が日本で初めて当院に導入されてから 検査件数は増加傾向にある 現在広く SPECT 装置として用いられている検出器は アンガ 博士が 1950 年代に開発されたもので 画像変換のしくみは ガンマ線をシンチレーターによりシンチレーション光に変換し さらに光電子増倍管によりデジタル変換するというものであった しかし D-SPECT は 検出器に使用されている半導体素子によりガンマ線を直接デジタル変換してしまうことが可能であり これによって 5-10 倍の驚異的な感度 ( 核種によって異なる ) 空間分解能の改善が得られた 従来型よりも短時間の撮像で よりシャープな画像を描出できており 中高年の男性にしばしば見られる横隔膜による下壁の減弱アーチファクトも起こりにくいなどイメージの画質は良好であり 精度の高い確立した検査法に近づきつつあると言える さらに期待されるものとして Dynamic perfusion SPECT による心筋血流予備量の計測が挙げられる 感度が高いため短時間でのデータ収集が可能となり 血流トレーサーを静注して連続的に撮像することにより局所の time-intensity curve を描出することができる これにより安静時と血管拡張後の変化の比から心筋血流予備能の計測が可能であることが報告されたが SPECT による臨床応用は初めてであり 今後の可能性が大いに期待されるところである 今回はこれらについて画像を中心にご紹介させていただきたいと考えている 7
PCI optimizationnew technology OFDI の最新の知見 横浜市立大学市民総合医療センター日比潔 これまでカテーテルインターベンション (PCI) のガイドとして用いられてきた IVUS にと同様の機能をもつイメージングモダリティとして 2011 年よりそれまでの occlusion 法の OCT と比較して遥かに簡便な手技を可能とした FD-OCT(Frequency Domain OCT) が実際の臨床の場で使用できるようになり 広く普及するきっかけとなった テルモ社から 2013 年に発売された OFDI は第 2 世代の FD-OCT であり近赤外線を用いた血管内画像診断装置である OFDI はセントジュードメディカル社の FD OCT(C8) にない特質をいくつか有する OFDI は C8 と同様の高解像度画像を保ちつつ 深到達度は C8(SJM 社 ) よりも深い OFDI はプルバックスピードが 0-40 mm /s と可変であり 最大 40 mm /s の速度で引くことにより造影剤量を抑え かつプルバック長は 150mm であるため冠動脈全体を 1 度のプルバックで撮影することが可能である カテーテルはプライミング不要であるため IVUS より準備に時間がかからず かつプルバックが早いため全体の手技時間が短い 本プログラムでは PCI を論理的 安全かつ正確に行うためにどのように OFDI を用いるかを解説する OCT-guided PCI(rev). 大阪府済生会中津病院循環器内科志手淳也 近年 OCT は Frequency Domain type(ilumien OPTISTM セント ジュード メディカル社製 ) の導入により PCI ガイドとしての役割が増してきた Long Pull Back Survey Mode により より早くかつ長く撮像することが可能となり また High Density Mode により 3 次元画像構築もより精細となりつつある また Lumen Profile 機能では 各 Flame の 2D 画像の自動計測機能 ( 内腔径 面積測定 ) が標準搭載され より円滑な手技応用が可能となった 我々は通常のステント留置ガイド 石灰化病変 分岐部病変 小血管 び漫性病変等に対する PCI 等に OCT を汎用している また 急性冠症候群の病態把握にも OCT は有用である 本レクチャーでは 日常 PCI での OCT の有用性について 具体的な症例提示を中心に紹介させていただく NIRS-IVUS (TVC Imaging System) 日本医科大学加藤浩司 急性心筋梗塞は冠動脈形成術の適応となる高度狭窄病変ではなく中等度狭窄病変から発症することが多く 冠動脈造影ではその発症を予知することは難しい 病理学的には脂質コアプラーク (LCP) 薄い被膜 微小石灰化 新生血管などが急性心筋梗塞の責任病変の特徴とされている この脂質プラークを検出 可視化する血管内画像診断として TVC Imaging System ( 米 :Infraredx 社製 ) が新たに開発された TVC Imaging System による LCP の検知には 近赤外分光法 (NIRS:Near Infra-red Spectroscopy) が用いられている NIRS とは近赤外線の吸光度変化によって組織組成 ( 成分 ) を算出する間接的な計測法で 本体装置内部の光源から放出された近赤外線をカテーテルに搭載された光ファイバーを通じて血管内の測定対象部位に照射し 吸光度変化によって得られた計測情報をもとに ケモグラムと呼ばれるカラーマップを作成 表示する ケモグラムでは LCP である可能性が高い部位を黄色 低い部位を赤色のカラーマップで表示するとともに血管内腔表面積に対する黄色の部位の割合を LCBI(Lipid Core Burden Index) として表示する また本システムでは この NIRS が従来の血管内超音波 (IVUS) カテーテルと一体化されている そのため 1 回の観察で従来の IVUS による情報と NIRS による情報を同時に得ることが出来き IVUS による血管の形態 性状の画像診断を行うだけでなく NIRS による組織組成の検出も可能となる また PCI 施行時に本システムを用いて狭窄部位以外の観察を行うことにより 将来のイベント発生の因子となりうる LCP の検知が可能となり PCI 時の重要な情報として 活用されることが期待される 本システムは 2010 年に米国 FDA の承認を取得ており 本邦に於いても薬事承認申請中で 近い将来臨床現場での活用が期待される 今回はこの TVC Imaging System を自験例を含めて概説する 8
FFR FFR の概念と angio IVUS OCT 小倉記念病院循環器内科蔵満昭一 近年 血管造影所見だけではなく 心筋虚血の有無に基づいた冠動脈疾患治療 (Physiological PCI or CABG) の重要性が再認識されている FFR は造影検査による解剖学的評価と同時に施行できる生理学的評価法であり その有用性は FAME FAME II などの大規模臨床試験ですでに証明されている 本セッションでは FFR の概念を再確認し FFR と血管造影所見 IVUS 所見 OCT 所見との関連性について最新の知見を基に概説したい FFR based coronary intervention の evidence (LMTD,multi-vessel) 社会医療法人カレスサッポロ北光記念病院循環器内科野崎洋一 多枝病変に対する PCI において FAME 試験で 血管造影上の有意狭窄に PCI 行う (angio guide 群 ) よりも FFR 陽性の病変のみ PCI を行う (FFR guide 群 ) 方が 術後 2 年までの MACE( 重大心血管合併症 ) 死亡 心筋梗塞を有意に減少させた さらに defer した病変の 2 年までのイベントは PCI 群に比し心筋梗塞や再血行再建が少なく FFR ガイド PCI の有用性が報告されている 左主幹部病変においては 一般に造影上の狭窄判定が検者間で一致しにくい病変であり 有意狭窄と判定することが難しい さらに 逆に 一見有意狭窄でないと判断しても FFR を行うと 機能的に有意狭窄と判定される場合がある よって 左主幹部病変は 不必要な血行再建がされたり 逆に必要な血行再建がなされない可能性があり 判断がむずかしい病変である Hamilos らの検討では FFR>0.8 にて薬物治療を行った症例の 5 年結果は療法であることが報告されている 血管内超音波 (IVUS) でも一応の基準はあるが 血行再建すべきか 薬物治療でよいか その判定に FFR がより鋭敏で重要な役割を果たせる可能性がある 9
FFR FFR based coronary intervention の実際 (Diffuse lesion, tandem lesion) 京都第二日赤病院循環器内科藤田博 同一冠動脈内に存在する複数の狭窄病変の機能的重症度を FFR で評価する場合 狭窄が相互に血行動態に影響を及ぼすため 見かけの FFR 値では正確な評価は行えない 一般的には FFR の差が大きい狭窄から治療することとなる (the theory of big delta) 一方 近位部狭窄 A と遠位部狭窄 B のそれぞれの FFR を閉塞冠動脈末梢圧 (Pw) 大動脈圧 (Pa) 狭窄病変間圧 (Pm) を用いて FFR(A)pred={Pd-(Pm/Pa)Pw}/ (Pa-Pm+Pd-Pw) FFR(B)pred=1-{(Pa-Pw)(Pm-Pd)}/Pa(Pm-Pw) と算出する報告がある 今回重複病変の評価に際してこれらの推定式が有用であった症例を報告する 次に有意な病変を治療後に gradual な圧較差が出現してきた症例を報告する 症例は 81 歳男性 診断は陳旧性心筋梗塞 ( 下後壁 ) 冠危険因子として高血圧症がある 過去に左前下行枝 #6-#8 に Promus 3.0/23mm 2.5/28mm 2.5/23mm が 回旋枝 #11 に Nobori 3.0/18mm が 右冠動脈 #1-#2 に Taxus 3.5/16mm 3.0/12mm Endeavor3.5/18mm 3.0/18mm が留置されている 今回の造影では左主幹部 #5 25-50% 狭窄を認めた 冠内圧引き抜き曲線では LAD からの引き抜きで FFR は 0.70 で虚血は陽性 圧較差は LMT のみであった LCX からの引き抜きでも FFR は 0.69 で圧較差は LMT のみであった LMT にまたぎステントで Promus 3.5/16mm を留置し 3.0&2.5mm のバルーンで KBT 施行して終了した 再度 FFR 測定したところ LAD 方向で FFR 0.80 LCX 方向で 0.95 と値に解離が生じ LAD からの引き抜きでは手技前にはなかった LAD ステント内での gradual な圧較差が生じていた 狭窄 A と狭窄 B といった明らかな Tandem 病変でなくとも 狭窄 B が長いステント内 ( 狭窄なし ) という状況で diffuse な圧較差が生じてきた興味深い一例である この現象は LAD に対する PCI のエンドポイントで なかなか FFR が上らないことを説明できる一要因であると思われる Non-flow limiting vulnerable plaque:ffr での Defer は妥当か? 和歌山県立医科大学循環器内科久保隆史 塩野泰紹 赤阪隆史 心筋血流予備量比 (fractional flow reserve: FFR) は 冠動脈狭窄の重症度を表す生理学的指標であり 極めて精度の高い心筋虚血評価法である 近年の大規模臨床研究によって FFR に基づく経皮的冠動脈インターベンション (Percutaneous coronary intervention: PCI) が血管造影に基づく PCI 治療に勝ることが証明され さらに FFR によって心筋虚血が同定された病変に対する PCI 治療は薬物療法に比較して予後改善効果で上回ることが示された これらの結果をうけて FFR は心筋虚血評価のゴールドスタンダードに位置づけられるようになり 冠動脈疾患の治療戦略の決定における有用な診断技術として急速に普及してきている しかし 急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群は 狭窄度の軽微な病変からも発症するため FFR は不安定プラークの検出や急性冠動脈イベントの発症予測には限界があると考えられる 一方 近年の画像診断技術の進歩は目覚ましく 将来に急性冠症候群を起こす危険性の高い脆弱性プラーク (Vulnerable plaque) を検出できる可能性が高まってきた 特に 光干渉断層法 (Optical coherence tomography:oct) は 10-20 μ m という高い画像分解能を有し 急性冠症候群の原因となるプラーク破裂やびらん Calcified nodule を観察でき プラーク破裂の前駆病変とされる Thin-cap fibroatheroma(tcfa) やマクロファージ 血管栄養血管 (Vasa vasorum) も検出できるようになってきた OCT で検出された Vulnerable plaque への対応は未だ探索的で挑戦的な課題であるが 実際の症例を通して non-flow limiting vulnerable plaque を FFR で Defer することが妥当か否かについて検討したい 10
Future perspective of physiology based coronary intervention 東京医科大学循環器内科田中信大 Physiology based PCI は決して最近始まったものではない 負荷検査の虚血所見や 時に労作時の胸部症状の詳細な問診を基に冠血行再建の適応を考慮する strategy が基本であることは POBA の時代から変わりない 現在使用される FFR/CFR/iFR の優れているのは 機能的な重症度を定量的に表現することができる点である これらの指標を通して明らかにされてきたことは 虚血には閾値が存在し ある閾値よりも良好な病変に対しては 現在のステント治療では得られるメリットが無いという点 現在の解剖学的な指標ではその閾値を知ることは難しいという点である これらの点を解決していくことが まさに今後の (Physiology based)pci の進むべき道と考えられる すなわち ステント概念に革新が起こり ステント留置の目的が単に狭窄を拡張するだけでなく 不安定な病変の安定化 さらに留置部以外の血管全体への治療的効果が得られるようになれば 当然それらの臨床的効果と治療後に出現しうる副次イベントとの兼ね合いで治療閾値が新たに設定されることになる また Computational Fluid Dynamics(CFD) の応用により CT 画像からでも機能的重症度が推測できるのであれば さらに高性能の CT の出現により より精度高く機能的重症度を知ることができるようになる可能性もある 侵襲的ではあるが IVUS や OCT/OFDI からの詳細な情報も 機能的な定量指標の算出に使用できる可能性が高い FFR はその計測した時点での狭窄重症度指標であり 将来的なイベント発生は予測し得ないと言われている しかし FFR が 計測血管全体に広がる動脈硬化性病変による冠血流に対する抵抗の総和を反映していることを鑑みると FFR 低値は 全体に潜んでいるプラーク総量が多く その中に将来的なイベント発生を生じうるプラークが含まれている可能性も上がる すなわち FFR は予後を予測する指標となりえるとも考えられる 予後の改善を見据えた治療を考えるのであれば Physiology based PCI が多くの情報を与えてくれる 11
Coffee Break Session PCI 患者における抗血小板療法の再考 帝京大学医学部内科 循環器内科上妻謙 冠動脈インターベンション (PCI) において劇的な再狭窄減少をもたらした薬剤溶出性ステント (DES) は ベアメタルステントではほとんどなかった 1 年以降の超遅発性ステント血栓症 (VLST) が問題となり 長期抗血小板療法の重要性が強調されるようになった 同時に急性冠症候群の不安定プラークを有する患者や Polyvascular disease と呼ばれる複数の臓器にアテローム血栓症リスクを要する 2 次予防患者において 抗血小板療法の重要性が示されるようになり 虚血性心疾患の患者の抗血栓療法は強化される一方であった しかしステント血栓症が問題であったのは DES の初期のものが中心で 第 2 世代以降の DES は大幅に VLST の発症が減少してきて 以前のベアメタルステントと比較して長期の安全性は大部分が解決した 出血合併症が心血管イベントの原因となることも示され 現在 VLST に対する恐怖から無期限に延長する傾向にあった 2 剤併用抗血小板療法 (DAPT) をむしろガイドラインにある 12 ヶ月よりも短縮するための試みが盛んになっている またハイリスク患者に DAPT 終了後 1 剤残す抗血小板剤としてアスピリンでなく P2Y12 受容体拮抗薬にするための検討がされており 出血合併症予防と有効性の観点から期待されている 特に心房細動など抗凝固薬と併用しなければならない場面ではアスピリンを投与せず P2Y12 受容体拮抗薬のみの投与とする方向性も模索されており 虚血性心疾患 2 時予防におけるアスピリン神話が崩れつつある 抗血小板療法と消化管出血 北里大学医学部循環器内科学阿古潤哉 抗血小板療法や抗凝固療法は 塞栓症と出血とのバランスの上に成り立っている 塞栓症予防に対して十分な治療を行おうとすると 出血性合併症のリスクが増える可能性がある 現在 ほとんどの経皮的冠動脈インターベンション (PCI) にはステントが選択されるようになってきている ステントを植え込む すなわち体内に異物を挿入するという行為において 抗血小板療法を行うことは必須の行為となっている ステント植え込みにおいては アスピリンのみの抗血小板療法では不十分で アスピリンに加えてチエノピリジン系抗血小板剤を加える抗血小板剤 2 剤併用療法 (dual antiplatelet therapy: DAPT) を一定期間行うことが PCI 施行時の標準療法となっている 現在我が国ではアスピリンに加えてクロピドグレルを追加するレジメンがほとんどの場合で選択されている しかし DAPT は 抗血小板剤単剤使用時に比べても大幅に出血性合併症のリスクを増加させることが報告されている 特にアスピリンを投与している際の消化管出血は 症状も非典型的で 多発性の潰瘍も多くみられ出血コントロールに難渋することが多い しかも消化管出血は出血自体が問題となるだけでなく その後の心血管イベントや死亡のリスク因子になっていることが報告されている 消化性潰瘍のコントロールにはプロトンポンプインヒビター (PPI) を投与することが必須である しかし ある種の PPI は CYP2C19 の働きを阻害し クロピドグレルなどの薬剤の働きを減弱させる可能性があることが懸念されているため PPI の薬剤選択にも注意を払う必要がある 本セッションでは PCI に関連した出血性事象の臨床的意義から 出血の予防 特に消化管出血の予防について考察してみることにしたい 12
Case Competition 発表番号 M01 Angina pectoris without significant coronary stenosis - functional evaluation beyond (CT) angiography; an approach from MSCT - 名古屋市立大学循環器内科 * 1 豊橋ハートセンター * 2 伊藤剛 * 1 寺島充康 * 2 鈴木孝彦 * 2 大手信行 * 2 MSCT は冠動脈疾患の陰性的中率が高く狭窄の除外診断に有用であるが 冠攣縮の診断は困難であり有意狭窄が除外されてもカテーテルによる冠攣縮誘発試験が必要となる症例がある MSCT 撮影後に確定診断のために冠攣縮誘発試験を施行した症例を通じて MSCT の冠攣縮診断の可能性について考察する 症例 1:56 歳男性 脂質異常症 喫煙歴あり 胸痛を主訴に受診 MSCT では RCA に非石灰化プラーク LAD に石灰化プラークを認めたが有意狭窄はなかった 誘発試験を行ったところ RCA の非石灰化プラーク部に一致して冠攣縮が誘発された 症例 2:59 歳男性 高血圧あり 胸痛を主訴に受診 MSCT では LAD に石灰化プラークを認めたが有意狭窄はなかった 誘発試験を行ったが冠攣縮は誘発されなかった 症例 3:56 歳男性 高血圧 脂質異常症あり 胸痛を主訴に受診 MSCT では明らかな動脈硬化 狭窄を認めなかった 誘発試験を行ったが冠攣縮は誘発されなかった 上記の症例を通じて冠攣縮と MSCT 上の冠動脈の形態変化に関連があると考え レトロスペクティブに MSCT 後に冠攣縮誘発試験を行った 199 人のデータを分析した 攣縮が見られる部位に一致して冠動脈にプラークの存在を認めた ( 冠動脈にプラークのない患者においては冠攣縮の誘発が見られなかった ) 冠動脈プラークについて石灰化 リモデリング CT 値を分析したところ 攣縮部位には非石灰化 negative リモデリング intermediate な平均 CT 値 (50-130HU) を持つプラークが有意に多くみられ これらの特徴を持ったプラークが冠攣縮に関連していることが示唆された 症例 4:67 歳男性 胸痛を主訴に受診 MSCT では右冠動脈にプラークを認めるが有意狭窄は見られなかった プラークは非石灰化で negative remodeling しており 平均 CT 値は 89.7HU と intermediate であった 誘発試験を行うと プラークの部位に一致して有意な冠攣縮が見られた 狭窄の有無だけでなく プラーク存在 性状を詳細に評価することで MSCT が冠攣縮の診断に役立つ可能性がある 発表番号 M02 進行の程度の異なる非責任病変を 非侵襲的イメージング (CT MRI) と血管内イメージング (OCT 血管内視鏡 ) にて観察した一例 MRI 上 顕著な信号上昇を伴った非責任病変の意義 医療法人滴水会吉野病院内科 * 1 愛媛県立今治病院循環器科 * 2 松本有司 * 1 川上秀生 * 2 清家史靖 * 2 大下晃 * 2 松岡宏 * 2 PROSPECT 試験から 責任病変と非責任病変によるイベント発症率は同等であることが示され 非責任病変の追跡の重要性が認識された 非責任病変には 急速に進行する病変と緩徐に進行する病変があり 特に急速に進行する病変は早期からの侵襲的治療が必要となることが多く 安全で有用な非責任病変の追跡方法が望まれる MRI T1 強調像によるプラークの描出は極めて低侵襲である T1 強調像で高信号を呈する病変のイ後 進行の程度の異なる非責任病変を 非侵襲的イメージング (CT MRI) と血管内イメージング (OCT 血管内視鏡 ) にて観察した一例を報告する 症例は 62 歳男性 平成 23 年 4 月急性冠症候群にて右冠動脈に対し PCI を施行 PCI 直後の非責任病変は 左冠動脈 # 6 50% 狭窄 ( 病変 A) および回旋枝 # 13 50% 狭窄 ( 病変 B) であった PCI 施行 9 ヵ月後に施行した MRI では 病変 A 病変 B ともに信号輝度の上昇が認められたが 病変 A は病変 B と比較し信号上昇の程度が顕著であった 同時期に施行した 冠動脈 CT では 病変 A 内腔の低輝度領域の増加 血管内腔の狭小化が認められた その後 冠動脈造影を施行し 病変 A は造影遅延を伴う 99% 狭窄に進行していたため 同病変に対し PCI を施行した 病変 B の進行は認められなかった PCI 時に施行した OCT では 病変 A には白色血栓像を示唆する所見を認め 血管内視鏡では一部赤色を伴う黄色プラークが観察された 一方病変 B においては 黄色プラークを認めたものの OCT および血管内規鏡いずれにおいても血栓像は認められなかった 短期間で急速に進行しイベント発症した非責任病変は 未発症の非責任病変に比べ MRI での信号上昇が顕著であった その機序として 内腔の血栓の関与が疑われた 13
Case Competition 発表番号 M03 分岐部病変でのステントストラット拡張後のステント変形 ~ 3D 構築 OCT からの検討 ~ 宮崎市郡医師会病院循環器内科栗山根廣 小岩屋宏 福島裕介 仲間達也 相良秀一郎 古堅真 井上洋平 木村俊之 緒方健二 西野峻 松山明彦 足利敬一 柴田剛徳 背景 分岐部病変に対する PCI においては, 現在のところ Single Stent KBT (Kissing balloon technique) が標準的治療法として行われているが, 同時拡張を行わずに終了としているケースもある 今回われわれは,3mm 径の PtCr-EES を分岐部本管に留置し Single Stent KBT を行った症例において, ステント留置後, ステントストラット拡張直後, ファイナル KBT 後の 3 回 OCT で観察し得た 4 症例について 3D 構築 OCT 画像を用いてステント変形について検討した 方法 いずれの症例も本管に 3mm 径の PtCr-EES を留置した後に,OCT で分岐部においてステントの良好な圧着を確認した 4 症例は Operator decision により側枝にそれぞれ 2mm,2.25mm,2.5mm,2.75mm のバルーンを用いて KBT を行っているが, その途中, 側枝へのステントストラットを拡張した直後 (KBT を行う前 ) に本管を OCT で観察しステント変形について検討した いずれの症例も最終的には KBT を行い良好な血流と拡張が得られている 結果 2.75mm 症例においては, 血管の変形に加え分岐部においては側枝と対側に 270 μ m の ISA(Incomplete stent apposition) を認めた ISA は,2.5mm,2.25mm,2.0mm 症例においてはそれぞれ 170 μ m,120 μ m, 70 μ m と小さいバルーンほどステント変形は小さかった in vitro において血管モデルを用い 2.75mm および 2.25mm バルーンでストラットを拡張した後のステント変形でも同様の結果が得られた 考察 ステントストラットを拡張する必要のある分岐部病変において, ステントストラット拡張に使用するバルーンが 2.5mm 以上の場合は, ステント変形を修復する目的においても final KBT を行うことは重要である 発表番号 M04 Fractional Flow Reserve が過小評価した左冠動脈主幹部病変の一例 新行橋病院循環器科杉原英和 井手元良彰 大塚綾乃 矢野雅也 矢野雅也 村里嘉信 症例は 74 歳女性 不安定狭心症に対し 左前下行枝 回旋枝 右冠動脈に薬剤溶出性ステントを留置され その後は症状なく経過していたが 17 か月後に新規の労作時胸痛を生じ 当院受診し不安定狭心症の診断で入院の上 冠動脈造影検査を施行した その結果 前回治療部にはステント内再狭窄を認めなかったものの 左冠動脈主幹部に 50% 狭窄病変を認めた Fractional Flow Reserve (FFR) を測定し 左前下行枝末梢では 0.72 左回旋枝末梢では 0.75 と低下を認めたものの 明らかなステップアップ所見を呈する部位はなく また末梢血管に造影上の有意狭窄も認めなていなかった しかし FFR 施行時の ATP 負荷にて 胸痛を伴う広範な胸部誘導の ST 低下を生じ 明らかな虚血の存在が疑われたため 血管内超音波検査 (IVUS) を施行した IVUS 上では造影所見と同様に末梢血管には有意な狭小化は認めないものの 左冠動脈主幹部に fibro-fatty plaque を伴った最小血管腔面積 4.1mm2 の高度狭窄病変を確認し 同部位が責任病変と判断し Nobori 3.5/14 を留置した 左前下行枝 左回旋枝間で kissing balloon technique を行い 良好な開存を得た 留置後には左前下行枝 左回旋枝とも末梢での FFR 低下は消失し また ATP 負荷による胸部症状 心電図変化の出現も認めず手技を終了した 術後に労作負荷を行うも自覚症状の出現も認めず 当科を退院となった 半年後のフォローアップの造影検査においても 自覚症状なく また良好な開存を得ており FFR の低下も認めなかった FFR は 左冠動脈主幹部においても 生理学的有意狭窄を評価しうると考えられているが 過小評価する可能性もあり イメージング評価の併用が必要な症例が存在することを経験したため文献的考察を加え報告する 14
発表番号 M05 FFR Guided Percutaneous Coronary Intervention to Coronary Stenosis with Coronary Artery-Pulmonary Trunk Fistula 聖隷三方原病院循環器科大谷速人 黒田健輔 生駒剛典 榊原智晶 高木友誠 谷信彦 山田文乃 若林康 72 才の男性 糖尿病 高血圧 脂質異常症で内分泌科に通院中であった 一ヶ月前から呼吸困難があり 循環器科に紹介となった 負荷心筋 Thallium SPECT では LAD 領域で心筋虚血が誘発され カテーテル検査を行った CAG では LAD に高度狭窄があり その近位部の中隔枝から肺動脈への fistula が見られた スワンガンツカテーテルでは 軽い肺高血圧があったが 肺体血流比は 1.11 とわずかな上昇であった 以上から 症状の原因は coronary-pa fistula よりも冠動脈狭窄による心筋虚血がメインであると考えられた 治療方針としては LAD への PCI 以外に fistula へのコイル塞栓も考えられたが FFR ガイド PCI を施行することに決めた 最初 pressure wire を LAD 末梢に挿し FFR を計測 0.36 であった 次に BMW UNIVERSAL を fistula に挿入 PCI 用のバルーンで fistula を閉じると FFR は 0.58 に増加した LAD 領域の虚血を解除するには LAD の PCI が必須であると判断 taxus ステントを LAD に留置して拡張した PCI の後 Fistula を残した状態で再度 FFR を計測した FFR は 0.87 であった BMW UNIVERSAL を fistula に挿入 PCI 用のバルーンで fistula を閉じると FFR は 0.94 に増加した coronary-pa fistula をコイル塞栓しても FFR の増加はわずかであると判断し コイル塞栓は施行しない事にした PCI 後 負荷心筋 Thallium SPECT でも LAD 領域の心筋虚血は誘発されなくなった coronary-pa fistula に冠動脈狭窄を伴った場合 狭窄が steal の増加に起因する場合があり pressure wire を用いて評価する事は重要であると思われた 発表番号 M06 急性心筋梗塞を発症した若年女性の川崎病によると思われる冠動脈瘤を OCT と血管内視鏡で観察した一例 愛媛県立今治病院循環器内科清家史靖 川上秀生 大下晃 松岡宏 症例は 25 歳 女性 平成 25 年 12 月 24 日 昼頃より左胸から左腕の痛みを自覚していた 翌 25 日午前 1 時頃胸痛が再燃し 顔面蒼白となり意識を消失したため 家人により救急要請され 当院に搬送された 救急隊現着時には心拍 呼吸は再開していたものの 救急隊到着時まで心肺蘇生は行われていなかった 来院時 血行動態は保たれていたものの JCS 20 であった 心電図検査及び心エコー図検査より 下壁急性心筋梗塞とそれに伴う心肺停止による低酸素脳症と診断した すぐに脳低体温療法を開始後 緊急冠動脈造影検査を施行した 冠動脈造影では右冠動脈 #1 に巨大冠動脈瘤を認め そのすぐ末梢で完全閉塞を認めた 引き続いて冠動脈形成術を施行した 血栓吸引術で多量の血栓が吸引され その後の造影で #1 末梢に 90% 狭窄 # 2 にも中等度の冠動脈瘤を認めた 光干渉断層法 (OCT) で狭窄部の評価を行い 非薬物溶出性ステントを留置した その後 OCT と血管内視鏡 (CAS) で #1 と #2 の冠動脈瘤を詳細に観察した 川崎病 不明熱の既往は認めなかったが 冠動脈形態より川崎病による冠動脈瘤と判断した OCT による評価では 冠動脈造影上は正常と思われる部分でも内膜肥厚を認めていた #2 の冠動脈瘤部では内腔の拡大 ( 最大 6.5x5.5mm) と内膜肥厚と共に白色血栓を認め #1 の冠動脈瘤では内膜肥厚及び石灰化の形成を認めた CAS による評価では冠動脈瘤内は黄色化 (Yellow grade 2) と壁在の赤色血栓 fragile な白色血栓を多量に認めた 現在 川崎病の発症率は 1/100 人程度と報告されており 川崎病既往のある成人例も増加している 冠動脈瘤部は黄色化しており 非責任病変部の冠動脈瘤部においても多量の赤色血栓 白色血栓が確認された 冠動脈瘤内部を血管内視鏡により観察した報告は現在までなく 興味深い一例であったため報告する 15
演題番号 P001 急性期 PCI は冠動脈解離を残し POBA のみで終了し 慢性期に内腔に突出するフラップ様の特徴的な像を呈した急性前壁中隔心筋梗塞の 1 例 福井県立病院循環器内科野路善博 丹羽智 藤岡研佐 馬渕智仁 山口正人 藤野晋 青山隆彦 症例 72 歳男性 主訴 胸痛 冠危険因子 高血圧症 喫煙 現病歴 高血圧症に対して近医で内服加療中であった.2012 年 12 月より間欠的な前胸部の違和感の自覚を認めていた 2013 年 1 月 12 日朝から前胸部の違和感 嘔気が続くため前医受診. 心電図の V1-V5 の ST 上昇と II, III, avf の ST 低下を認め 急性心筋梗塞の疑いにて当院に緊急搬送された 入院時現症 身長 170cm 体重 86kg BMI 29.8 血圧 133/102mmHg 脈拍 85/ 分 SpO2 100% (O2 2L/ 分 ) 体温 36.8 度 胸部 : ラ音なし 喘鳴なし 心音異常なし. 浮腫なし 経過 緊急冠動脈造影にて左前下行枝 (LAD) 近位部 (#6) 閉塞あり 病変血管径は 6mm 程度であった 血栓吸引の後に Scoreflex4.0/15mm 拡張ののちに末梢塞栓による血流障害あり吸引 ニトロール ニトロプルシドの冠注行い軽快 Hiryu4.5/10mm にて後拡張行い PCI 終了 IVUS(Volcano) OCT 画像にて冠動脈解離を認めたが血管径が大きいのでバルーン拡張のみ Peak CPK-MB は 522 ng/ml であった 12 日後に冠動脈 CT( 東芝 Aquilion One320 列 ADCT) 行い 一部解離様の所見認めるが血流良好であった 退院外来加療 テクネシウム MIBI 負荷心筋シンチでは固定性欠損像 心不全増悪あり再入院加療した 3 か月後に再度冠動脈 CT 検査行ったところ 以前と違う大きなフラップ様の突出を伴う再狭窄疑い像を認めた 冠動脈造影にて再狭窄像 IVUS OCT にては断面像にて一部二腔構造を伴う狭窄像を認めた OCT の 3D 再構築画像にては血管内腔一部が剥がれているような像を呈した 検討の結果 PCI を行った NSE Alpha 4.0/13mm 拡張後に Nobori ステントを遠位から 3.5/24mm 3.5/18mm の 2 本使用し MaverickXL 5.0/15mm(14 気圧 ) 後拡張にて留置した 留置後 IVUS OCT にて確認し Nobori ステントは良好に拡張 ( 圧着 ) されていた まとめ LAD) 近位部閉塞の急性心筋梗塞症例 LAD 血管径が大きいため急性期 PCI はバルーン拡張のみとなった フォローアップ CT にてフラップ様の ( 断面で一部二腔構造に見える ) 再狭窄所見を認め 再度 PCI( ステント留置 ) 行った Nobori ステントは 5mm を超える拡張にても十分圧着していると考えられた 演題番号 P002 SPECT では心筋虚血陰性であったが ATP 負荷心筋 CT perfusion にて心筋虚血陽性と評価され PCI を施行した一例 社会医療法人財団慈泉会相澤病院心臓大動脈センター循環器内科植木康志 櫻井俊平 症例は 72 歳男性 既往歴に陳旧性心筋梗塞 LCX RCA に PCI 施行歴あり 労作時の胸痛を自覚し 冠動脈 CT(CTA) を施行 多枝疾患が疑われ近日中に循環器内科受診予定となっていた 数日後から胸痛が持続するようになったため当院救急外来を受診した 不安定狭心症が疑われ緊急冠動脈造影 (CAG) を施行し #2 99% #7 75% #11 99% であったため右冠動脈に対して PCI を施行した 入院中に LCX に対しても PCI を施行した LAD への治療適応を判断するため外来にて運動負荷 Tc 心筋シンチ (SPECT) を施行し LAD 領域には虚血を疑う所見は認めなかった ATP 負荷心筋 CT perfusion(ctp) では前壁から側壁の内膜側の造影不良を認め 同部位に心筋虚血陽性の所見を認めた LAD への FFR は 0.72 であり 心筋虚血陽性と考え LAD に対して PCI を施行した CTP は心筋虚血を検出する非侵襲的方法として近年注目されており CTA と同時に行うことにより解剖学的情報と機能的情報を非侵襲的に一度の検査で得ることが可能である 2012 年の ESC で報告された CORE320 では CAG + SPECT と CTA + CTP の診断能が比較され 両者に有意差は認められなかった SPECT では心筋虚血陰性であったが CTP 及び FFR にて心筋虚血陽性と評価された症例について若干の文献的考察を交え報告する 16
演題番号 P003 重複病変の機能的重症度評価において predicted FFR の測定が有用であった 3 症例 京都第二赤十字病院循環器内科谷垣徹 藤田博 河村浩平 五十殿弘二 椿本恵則 坂谷知彦 木村晋三 井上啓司 松尾あきこ 同一冠動脈内に存在する複数の狭窄病変の機能的重症度を FFR で評価する場合 狭窄が相互に血行動態に影響を及ぼすため 見かけの FFR 値では正確な評価は行えない そのため近位部狭窄 A と遠位部狭窄 B のそれぞれの FFR を閉塞冠動脈末梢圧 (Pw) 大動脈圧 (Pa) 狭窄病変間圧 (Pm) を用いて FFR(A) pred={pd-(pm/pa)pw}/(pa-pm+pd-pw) FFR(B)pred=1-{(Pa-Pw)(Pm-Pd)}/Pa(Pm-Pw) と算出する報告がある 今回重複病変の評価に際してこれらの推定式が有用であった 3 症例を 文献的考察を加えて報告する 症例 1 69 歳男性 2013 年 1 月に労作性狭心症で CAG を実施した際に LMT LCx#13 に中等度狭窄を認め FFR(LCx)=0.70 であった FFR(LMT)pred=0.71, FFR(#13)pred=0.87 と算出し 責任病変は LMT と考えられたため 同部位にステントを留置した 治療後の FFR(LCx) は 0.80 であったため LCx#13 の病変は保存的加療の方針とした 症例 2 72 歳男性 2013 年 8 月に労作性狭心症で CAG を実施した際に冠内圧を測定したところ LMT 入口部と LAD#7 で圧損失を認め FFR(LAD)=0.63 であった FFR(LMTos) pred=0.82, FFR(#7)pred=0.70 と算出し まず LAD#7 にステントを留置した 治療後の FFR(LAD)=0.75 であり LMT 入口部病変は保存的加療の方針となった 症例 3 75 歳男性 2013 年 2 月に労作性狭心症で RCA#1, #2 を治療した際に LMT 遠位部から #6 にかけて重複病変を認め FFR(LAD)=0.61 であった LMT に対する治療必要性を判断するために推定式による評価を行ったところ FFR(LMTdist)pred=0.74, FFR(#6)pred=0.97 であった LMT 遠位部病変に対する治療が必要であると考えられたため 同部位から #6 の病変も含めてステントを留置した 演題番号 P004 二核種時間差投与負荷試験により虚血病態を評価し得た傘寿を超えて不安定化した微小血管狭心症の 2 例 江戸川病院 循環器科田中健 大平洋司 加藤隆弘 本症虚血評価に際して負荷 3 分目と 6 分目の虚血の程度と範囲を比較するために二核種時投与負荷試験を導入し 6 分目の虚血域の改善を認めた 症例 1 83 歳女性 63 歳時労作性狭心症精査 狭窄 (-) Ach(-) RI(-) 冠攣縮性狭心症疑い診断 この後も狭心症状 (+) 82 歳になり悪化 労作 ATP 負荷いずれにおいても 3 分目に認めた虚血の 6 分目での改善を認め 治療を強化 この後発作が増悪 安静像でも虚血 (+) ACS として CAG 施行 狭窄 (-),Ach(-).50m 歩行で認めた虚血が 100m では改善 微小血管狭心症と診断 経過中 RI は 6 回施行症例 2 93 歳女性 60 歳時 ACS として CAG 施行 狭窄 (-)Ach(-), 冠攣縮性狭心症疑い診断 その後も時々安静および労作時に胸痛 (+) 二核種負荷検査で虚血を認めた 92 歳になり 心電図変化を伴う ACS となる CAG 施行 狭窄 (-) 30m 歩行で狭心症状と中隔の虚血を認めた 微小血管狭心症と診断 経過中に RI は 12 回施行された 考案高齢者 ACS において冠動脈病変を認めないこともある なお ACS において虚血責任冠動脈の同定は治療方針決定に必須である しかし狭窄病変が軽度な場合は決定が困難である 本例では冠動脈に病変を認めず RI は 18 回施行された 虚血の程度と部位が変化するので冠動脈機能異常の部位と程度は変動していると考えられた ATP 負荷で虚血域が 6 分目に改善したので冠動脈に拡張障害が存在すると診断された 労作負荷で虚血域が 6 分目に改善したので負荷と共に冠動脈が拡張したと考えられる 本症では負荷早期に虚血が生じ 負荷と共に虚血が改善すると考えられた このため従来の診断方法では虚血検出が難しかったと考えられる 従来の様々な虚血評価方法では虚血の有無の評価が主で虚血域の変化を捉えることが難しかった 非観血的な本法は虚血病態評価に有用と考えらる 17
演題番号 P005 拡張に難渋した calcified in-stent restenosis の一例 仙台厚生病院心臓血管センター堀江和紀 滝澤要 石井和典 伊藤真輝 土岐祐介 南條光晴 水谷有克子 加畑充 田中綾紀子 宮坂政紀 筬井宣任 伊澤毅 上村直 櫻井美恵 多田憲生 清水岳久 鈴木健之 本多卓 大友潔 大友達志 井上直人 目黒泰一郎 背景 冠動脈ステントを留置後 慢性期に neoatherosclerosis が新たに進展する可能性が報告されている Bare metal stent 留置後 12 年経って発生した高度の石灰化層を伴った超遅発性ステント内再狭窄症例に対しての治療経験を報告する 症例提示 症例は 75 歳 男性 主訴は労作時の胸痛 動脈硬化性疾患の危険因子は高血圧症 過去の喫煙 2001 年 11 月に急性下壁心筋梗塞の診断で右冠動脈中間部に Bx VelocityTM 3.0 18 mm を留置された 2013 年 10 月に労作時の胸痛を主訴に当院外来を受診した 冠動脈造影の結果 右冠動脈の上述のステント内に再狭窄を認めたため 冠動脈インターベンションを施行した 拡張前に血管内光断層撮影 (OCT) で観察したところ ステントの拡張不全は認められず ステント内の全域にわたって homogeneous な新生内膜の増生を認め MLA は 0.83 mm2 であった ステント遠位部の新生内膜の一部に長軸 5.0 mm におよぶ最大厚 0.4 mm の全周性の石灰化層を認めた 血管内超音波検査 (IVUS) で 同部位に napkin-ring image を認めたものの 石灰化によるエコーの減衰のためステントストラットの評価は困難であった NSE ALPHATM 2.5 13 mm 2.5 8 mm の semi-compliant balloon を高圧で拡張したが 同部位の拡張は不十分であった Excimer laser 1.4 mm および 1.7 mm で ablation した後に 2.5 8 mm の semi-compliant balloon を高圧で拡張したところ 血管内腔の確保に成功した 手技に伴い広範な血管解離を生じたため 2 本のエベロライマス溶出性ステントを全長 66 mm にわたって留置し 手技上の成功を達成した 考察 遅発性ステント内再狭窄は石灰化層を伴う頻度が高いことが報告されているが 拡張に難渋するほどの calcified in-stent restenosis は稀である 同病変の OCT IVUS 所見を検討し 報告する 演題番号 P006 繰り返す右冠動脈 stent fracture による狭窄に対して CABG を検討する際左前下行枝に対してもバイパスグラフトが必要か FFR により判断しえた 1 症例 士別市立病院 ; 内科 ( 循環器 ) 沼崎太 長島仁 症例は 81 歳女性 間質性肺炎 慢性関節リウマチ 糖尿病等で近医通院中 労作時の胸部不快が出現したため当院紹介 労作性狭心症の診断で #2:90%(#2-#3 以降部の屈曲部 ) に対して PCI を施行した (Xience3.0/18mm を留置 ) その 2 か月後に再度狭心症状が出現し CAG 施行したところ再狭窄あり IVUS では stent がひしゃげる形で fracture していた POBA 行い PCI 施行した (NOBORI3.0/14 mmを留置 ) ところがその 1 か月後に再度狭心症状が出現し CAG 施行したところ同部位が stent fracture していた 同部位での繰り返すステントフラクチャーであり CABG を検討することにした LAD は最初の CAG の時から 50-75% であったが FFR を施行すると 0.74 であった このため 2 枝バイパスをお願いした アンギオ画像だけでは有意狭窄との判断が難しいが FFR にて LAD に有意狭窄があることがわかり CABG 施行判断の助けとなった症例を経験したため報告する 18
演題番号 P007 左前下行枝 右冠動脈の狭窄病変を FFR OCT IVUS を用いて評価した狭心症の一例 東京医科大学病院循環器内科外間洋平 田中信大 星野虎生 迫田邦裕 山下淳 症例は 高血圧症 糖尿病 脂質異常症 喫煙歴の冠危険因子を持つ 75 歳男性 2 か月前より仕事中に胸部圧迫感を自覚するようになり他院で心臓 MRI 検査を施行 LAD と RCA に狭窄病変を指摘され当院へ紹介となった 労作性狭心症の診断で CAG を行い LAD 近位部と RCA 中間部に中等度狭窄を認めたため各種モダリティ (FFR/IVUS/OCT) で評価を行った LAD に関しては FFR-LAD:0.79 と intermediate value IVUS 上線維性プラーク主体で一部 Lipid pool を認めた OCT では 比較的 Cap の厚みの保たれた Fibroatheroma であり 同部位にステント留置する方針とした 一方 RCA に関しては FFR-RCA: 0.80 と intermediate value であり当初は defer する予定であったが IVUS 上血栓性病変であり一部にエコー減衰 (attenuation) を認めた OCT では明瞭な赤色血栓を認めた Unstable plaque または plaque rupture で 増悪する狭心症の責任病変である可能性を考慮し RCA に対しても治療を行うこととした 病変長は短いため distal protection をせずステント留置したところ ST 上昇を伴う Slow flow を認めた ニコランジルの冠注で改善し手技を終了した 機能的評価で中等度狭窄を認めた病変に対し IVUS OCT で治療方針を決定した一例を提示した 不安定プラークの評価や血栓を伴うプラークの性状評価には特に注意が必要である 演題番号 P008 塩酸パパベリン冠注による FFR 計測時 Torsades de Pointes 型心室頻拍を来たし ニコランジル追加冠注が有効であった一例 産業医科大学第 2 内科樫山国宣 園田信成 高見浩仁 村岡秀崇 鈴木義之 津田有輝 荒木優 岡崎昌博 尾辻豊 はじめに FFR は冠動脈疾患の治療戦略決定のツールとして有用であるが 薬剤により冠動脈の最大充血を得ることが非常に重要となる ATP 静注が推奨されているが 投与時間や副作用の問題から最近では塩酸パパベリンやニコランジルが使用されている 今回 塩酸パパベリン冠注後の QT 延長から Torsades de Pointes 型心室頻拍に移行し その後のニコランジル追加冠注によって 速やかに心室頻拍の停止と QT 時間の回復を認めた症例を経験したため報告する 症例 症例は 73 歳男性 経胸壁心エコーおよび冠動脈 CT から左前下行枝と右冠動脈の 2 枝病変が疑われ 冠動脈造影検査が施行された 造影上 左前下行枝中部と右冠動脈近位部にそれぞれ中等度狭窄を認めたため 心筋虚血の評価のため FFR が施行された まず ATP 静注にて最大充血を図り FFR を計測したところ 0.80 以上であったため ATP では最大充血に達していない可能性も考え 塩酸パパベリン ニコランジルによる最大充血を併せて行った 右冠動脈に対し塩酸パパベリン 8mg 冠注したところ 著明な QT 延長 (QTc 060 秒 ) を認め 直後より Torsades de Pointes 型心室頻拍へと移行した 直ちに電気的除細動の準備を行ったが 次に用意しておいたニコランジル 2mg を冠注したたところ VT は速やかに停止し 延長していた QTc も 0.58 秒から 0.48 秒へと回復したため 電気的除細動を回避することができた 考察 塩酸パパベリンを含む QT 延長を誘発する薬物の多くは心筋細胞の K チャネルをブロックし, 心筋細胞の活動電位延長を起こす ニコランジルは ATP 依存性 K チャネル開口作用をもち 塩酸パパベリンで抑制された外向きカリウム電流を別の経路から補充している可能性が考えられる 塩酸パパベリンによる QT 延長および心室性不整脈に対しニコランジルが有効であることが示唆される 19
演題番号 P009 腎灌流低下を伴う移植腎動脈狭窄に腎動脈 stent 留置術が有効であったと考えられた一例 日高病院循環器内科古賀敬史 久保隆史 今井雅浩 村場祐司 症例 :58 歳男主訴 : 両下肢のむくみ現病歴 : 平成 8 年に高血圧を指摘 平成 10 年に透析導入となった 平成 13 年 1 月 19 日に中国で死体腎移植を施行 この後 Cr 値は 1.3mg/dl 程度を推移していたが 平成 25 年 4 月頃から両下肢のむくみが出現 また血圧が 130mmHg から 150-170mmHg に上昇し Cr 値も 1.9/mg/dl に上昇した エコーで移植腎の血流低下を認めたこと 単純 MRI 検査で腎動脈の狭窄を疑われたため治療検討目的で 11 月 5 日に当院に紹介入院 入院時の Cr 値は 2.6 まで上昇し 血圧は 170/180/90-100mmHg であった 11 月 6 日に移植腎動脈造影を施行 この結果 腎動脈中間部に 90% 狭窄を認めた プレッシャーワイヤー検査で FFR 0.80 ATP 負荷で 0.72 まで低下を確認 末梢をパラシュートでプロテクトを行い IVUS 下に 4mm のバルーンで拡張後に 5/19mm の expresssd を留置 5/12mm のバルーンで後拡張した結果 残存狭窄 0-25% FFR 0.98 で手技を終了 病棟帰室時には血圧が 110-120mmHg まで低下し エコーでも腎血流の改善を確認できた 11 月 9 日には血圧が 90mmHg まで低下し 降圧剤 2 剤と利尿剤が減量となり 11 月 13 日の Cr 値は 1.3 まで改善して退院となった 考察 : 腎動脈 stent 治療のここ数年発表されたランダム化比較試験結果は治療有効性を否定する結果であり その治療は conttoversial であるが 慎重な症例の選択と適切な治療を行えば腎動脈 stent 治療の真のエビデンスが確立できる可能性があると考えさせる症例であった 演題番号 P010 Myocardial bridging により心筋虚血を発生した症例 - 冠内圧測定からその発生機序を考察する - 和歌山県立医科大学循環器内科塩野泰紹 久保隆史 折居誠 嶋村邦宏 山野貴司 谷本貴志 松尾好記 猪野靖 山口智由 平田久美子 田中篤 今西敏雄 赤阪隆史 症例は 81 歳男性 主訴は無症状だがステント留置後の遠隔期確認造影目的で入院 既往歴に腹部大動脈瘤に対してステントグラフト 完全房室ブロックに対して永久ペースメーカ植え込み術がある 現病歴は 2013 年 3 月に下壁心筋梗塞を発症し 経皮的カテーテルインターベンションを実施 右冠動脈 (Seg.2) に 4.0 30mm Integrity を留置している 以後症状無く経過しているが 薬物負荷心筋シンチグラフィで負荷時に心尖部で取り込み低下 安静後期像で同部位の再分布を認め虚血陽性と判断したため今回心臓カテーテルを実施することとなった 冠動脈造影では 右冠動脈に留置したステントの再狭窄は認めなかったが 前下行枝の中間部 (Seg.7) に myocardial bridging による squeezing を認めた 心尖部の虚血に対する myocardial bridging の影響を評価する目的で心筋血流予備量比 (FFR) を計測した 結果 FFR は 0.74 で虚血陽性 引き抜き圧曲線では圧損失の多くが squeezing 部分で生じていることから myocardial bridging により心筋虚血が誘発されていると判定した この時プレッシャーワイヤーで記録した myocardial bridging 遠位部の冠内圧波形は 収縮期圧の低下と 拡張早期の dip が認められ これら 2 つにより有意な圧格差が生じていた 通常の冠動脈病変で有意狭窄の場合に認められる拡張期有意に冠内圧が低下するパターンと異なる圧波形を呈しており myocardial bridging による心筋虚血の発生機序を考察する上で示唆に富む症例を経験したため報告する 20
演題番号 P011 遅発性ステント血栓症後に IABP 依存的な状態となり治療に苦慮した一例 独立行政法人国立病院機構岩国医療センター循環器内科藤原敬士 片山祐介 山田桂嗣 谷本匡史 三木崇史 大塚寛昭 山本和彦 川本健治 田中屋真智子 櫻木悟 症例は 77 歳 男性 平成 25 年 1 月某日に亜急性心筋梗塞のため入院 保存的加療後に CAG を行い LMT + 3 枝病変 (LMT25% #6-7 90% #11-12 90% #13 CTO #3-4PD 90% ) を認めた 同時に右内頚動脈狭窄 右大脳梗塞を合併していたため待機的に #3-4 に対して PCI を施行 後日右内頚動脈に対して CAS を行い その後 LAD に対して PCI を行い #5distal-#7 に DES3 本留置した その後外来加療を行っていたが 9 月某日に安静時に突発する胸痛を自覚し救急搬送 来院時心電図において avr V1-4 誘導 ST 上昇を認め緊急 CAG を施行 LMT50% #6 100% #11 CTO #2 75% を認め 前回 #7 に留置した DES 拡張不良部位での rate thrombosis と判断し同部位に対し血栓吸引 POBA を行い TIMI3 となるもその後 VF 発症し血行動態不安定であったため PCPS 留置とした 第 6 病日に PCPS 抜去 その後カテコラミン併用下に 13 病日 IABP を抜去した 抜去間もなく呼吸状態悪化 著しい心拍出量低下を認め 14 病日に IABP 再留置とした その後 2 度 IABP 抜去を試みるもいずれも同様に循環動態の悪化を反復し再留置を要した IABP 抜去は困難と判断し #2 中等度狭窄に対して FFR 施行 Pd/Pa0.69 と虚血陽性であり #2 に対して PCI 施行 その後 IABP 抜去に成功し一時的に血行動態の安定を得ることが可能となった 今回我々は遅発性ステント血栓症後に IABP 依存的な状態となり治療に苦慮した一例を経験したので報告する 演題番号 P012 LAD 入口部病変の治療において苦慮した一例 * 1 : 一宮西病院循環器内科 * 2 : 一宮西病院心臓血管外科石原弘貴 * 1 大野泰良 * 1 川上徹 * 1 田中伸享 * 1 小柳俊哉 * 2 星野竜 * 2 金子完 * 2 平本明徳 * 2 70 歳女性 糖尿病にてインスリン注射および薬物治療中 不安定狭心症疑いにて CAG 施行 右冠動脈 # 2 および左冠動脈前下行枝 # 6 入口部に 75% 狭窄あり 右冠動脈 #2 に対して PCI 施行し Endeavor 3.0 24 mm 留置 左冠動脈前下行枝 # 6 に対して cutting balloon 3.0 10 mm にて PCI 施行 6 か月後 CAG 検査施行 # 2 は再狭窄なし # 6 入口部は moderate lesion であり FFR にて 0.77 まで低下 膝関節症にて運動負荷困難であり 薬剤負荷心筋シンチ施行したところ虚血が疑われ off pump CABG(LTA-LAD) 施行 術後 CAG にてバイパス吻合部狭窄疑われ FFR 施行したところ 0.85 まで低下 閉塞の心配ありバイパス吻合部に対して 1.5 10 mm にて PTCA 施行 6 か月後の再検査では #6regression および LITA-LAD の縮小を認めた 21
Case Competition 演題番号 M014 FFR により defer されたが至適薬物治療下にも狭心症が進行し PCI が施行された一例 済生会宇都宮病院茂木聡 柳澤亮 重田洋平 森健支 下地顕一郎 八木崇 寺本洋之 野間重孝 症例は 69 歳女性 冠危険因子は高血圧 脂質異常症 2012 年 2 月に CCS3 の労作性狭心症で CAG が施行されている 左冠動脈有意で LCX mid に diffuse 90%, LAD mid 75% distal 75% を認めていた 潅流域と狭窄の程度から LCX に対して PCI が施行された PCI 施行時に stent distal に冠動脈解離が形成されたが NHLBI 分類の grade B IVUS でも内腔の圧排は認めず経過観察とされた 症状は改善していたが解離の修復と LAD の評価目的に半年後に確認造影を施行した CAG 上 LCX の stent distal は完全閉塞していた LAD は病変の進行は無かったが FFR を施行した LAD の FFR は 0.79 のために PCI は defer 症状もなかったことより LCX へも PCI は行わず 至適薬物治療 (OMT) とした しかし 2013 年夏ごろより狭心症の再発を認めた 運動負荷心筋シンチを施行したが 再分布像は認めなかった しかし運動負荷施行時の心電図では global ischemia を示唆する心電図変化を認め 負荷時に胸痛もあったことより CAG を施行した LCX は stent distal が CTO LAD は病変の進行は明らかでなかったが虚血評価を行い FFR で 0.72 ifr で 0.85 と有意であり PCI を施行した ステント留置後は ifr 0.98 となり虚血は解除されたと考えた SPECT にて再分布が認めなかった原因として左冠動脈有意の解剖で LAD LCX 双方に虚血があったためと判断し 引き続き LCX CTO に対しても PCI を施行 TIMI3 の血流を得ることに成功した 術後に症状の消失を確認した 一般に FFR が有意でない場合は PCI を施行せず OMT を継続することになるが それが将来に渡り PCI の可能性が無いことにはならない OMT 継続下にも本症例の様に進行し PCI が必要になることもあるため注意深いフォローが必要である また PCI に伴う冠動脈解離は小さなものであれば修復されることが多いが本症例の様に遠隔期に閉塞する可能性もあり angio のみの評価だけでなく IVUS 等で詳細な観察が必要と思われた 22
Beyond Angiography Japan X IX 23
MEMO