拉致被害者等への今後の支援のあり方

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平成19年度分から

Microsoft PowerPoint - (参考資料1)介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について

[ 特別控除の一覧 ] 控除の内容 特定扶養親族控除 ( 税法上の扶養親族で満 16 才以上 23 才未満の扶養親族 ) 老人扶養親族 配偶者控除 ( 税法上の扶養親族で満 70 才以上の扶養親族 ) 控除額 1 人につき 250,000 1 人につき 100,000 障がい者控除寡婦 ( 夫 )

年金・社会保険セミナー

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部局名 : 大臣官房拉致被害者等支援担当室 EBPM 対象事業名 : 拉致被害者等の支援に必要な経費 1 課題把握 目標設定 北朝鮮当局による未曽有の国家的犯罪行為によって拉致された被害者が 本邦 に帰国することができずに北朝鮮に居住することを余儀なくされるとともに 本邦における生活基盤を失ったこと

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(組合)事務連絡案(国内在住者扶養認定QA)

第2回税制調査会 総2-2

(協会)300829事務連絡(国内在住者扶養認定QA)

市県民税所得課税証明書から年間所得金額を見る場合 平成 年度 ( 平成 年分 ) 市県民税所得課税証明書 住所 羽生市 134 番地 1 氏名 羽生田羽生子 所得の区分 所得金額 所得の区分 所得金額 総所得金額 330,000 所得控除金額 1,500,000 合計所得金額 330,000 課税標

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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あっせん文(国民健康保険における限度額適用・標準負担額減額認定証 の申請に係る被保険者の負担軽減)

国民健康保険料の減額・減免等

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

Microsoft PowerPoint - 7.【資料3】国民健康保険料(税)の賦課(課税)限度額について

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

報酬改定(処遇改善加算・処遇改善特別加算)

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

( 例 2) 特定被災区域にある住家と区域外にある住家を行き来して生活しており 特定被災区域の家が被災したが 住民票は区域外にある場合 公共料金の支払等により生活実態が確認されれば対象として差し支えない ( 例 3) 学生で特定被災区域外に居住している ( 区域外に住民票 ) が 特例により 特定被

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はじめに 所得税 個人住民税の扶養控除については 平成 22 年度税制改正において 年少扶養控除及び 16~18 歳までの特定扶養控除の上乗せ部分の廃止が行われたところであるが この見直しを行う場合 現行制度においては 所得税 個人住民税の税額等と連動している国民健康保険料 保育料等の医療 福祉制度

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被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を 配偶者 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を 婚姻 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含むものとする 5 この条例において 医療保険各法 とは 国民健康保険法 ( 昭和 33 年法律第 192

平成19年度市民税のしおり

別紙2

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

先方へ最終稿提出0428.indd

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の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

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< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

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自分にあった健康保険を見つけよう! それぞれの健康保険の特徴を踏まえ 自分にあった健康保険を選ぶようにしましょう! 今までの収入 扶養家族の有無によって どの健康保険に加入するとメリットがあるか 参考にしてください 健康保険の被保険者資格を喪失 再就職しない 再就職する 就職先の健康保険に加入できな

平成 27 年 1 月から難病医療費助成制度が変わりました! (H26 年 12 月末までに旧制度の医療費助成を受けている人は 3 年間の経過措置 を受けられます ) 分かり難い場合は協会又は自治体の窓口へお問い合わせください H27 年 1 月からの新制度 1. 難病医療費助成の対象は ALS 重

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社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

番号制度の実施に伴う社会保障関係システムの改修について 国 都道府県 市町村 市町村 医療保険者等 システム名 社会保険オンラインシステム 労災行政情報管理システム ハローワークシステム 障害者福祉システム 児童福祉システム 生活保護システム 国民年金システム 国民健康保険システム 後期高齢者医療シ

Taro 社福軽減(新旧)

参考資料

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

平成 31 年度社会保障関係予算のポイント 頁 新 ( 平成 31 年 1 月 18 日閣議決定 ) 旧 ( 平成 年 12 月 21 日閣議決定 ) 1 平成 31 年度社会保障関係費の姿 平成 31 年度社会保障関係費の姿 ( 注 ) 年度 31 年度増 減 329, ,914 +1

表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

件数表(神奈川)

社会福祉協議会 公営住宅法第二条第十六号に規定する事業主体である又は 番号法別表第二の 27 の項 番号法別表第二の 30 の項 番号法別表第二の 31 の項 地方税法その他の地方税に関する法律及びこれらの法律に基づく条例による地方税の賦課徴収に関する事務であって主務省令で定めるもの 社会福祉法によ

厚生年金基金に関する要望.PDF

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Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

中小企業の退職金制度への ご提案について

(3) 父又は母が規則で定める程度の障害の状態にある児童 (4) 父又は母の生死が明らかでない児童 (5) その他前各号に準ずる状態にある児童で規則で定めるもの 3 この条例において 養育者 とは 次に掲げる児童と同居して これを監護し かつ その生計を維持する者であって その児童の父母及び児童福祉

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

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入院時生活療養費の見直し内容について(厚生労働省保険局保険課:H29.4.7)

(問)被用者保険の被扶養者に対する2年間の経過措置になる軽減額は、他の被保険者の保険料で補填すると考えてよいのか

( その 1) 月収額の計算のしかた 給与所得者の場合 1. 年間総収入の計算あなたが仕事を始めた時期 対 象 の 収 入 金 額 1 現在の勤務先に前年 1 月 1 日以前から引 前年中の年間総収入金額 き続き勤務している方 ( 源泉徴収票の支払金額の欄 ) 2 現在の勤務先に前年 1 月 2 日

(4) 今月下旬に所得税法施行令を改正するとともに 法令解釈通達を発遣し 上記のとおり 保険年金 に係る所得税の取扱いを変更いたします 取扱い変更後 所得税の還付の手続きが可能となります なお 納税者の方々には 次の点にご注意いただく必要があります 所得税が納めすぎとなっていた場合の還付手続きには

緊急に措置すべき事項

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上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

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資料9

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長期失業者の求職活動と就業意識

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 介護保険は社会保険を構成する 1 つです 介護保険制度の仕組みや給付について説明していきます 介護保険制度 介護保険制度は 高齢者の介護を社会全体で支えるための制度

1. 給与所得による年間所得金額 (1) 下表により 就職時期などに応じ を計算 就職時期など 1 現在の勤務先に前年 1 月 前年分の 3,800,00 1 日以前から引き続き勤務している場合 ( 源泉徴収票の支払金額の欄に記載されている額 ) 2 現在の勤務先に前年 1 月 勤務した翌月から12

この予算現額に対し支出済歳出額は 9,333,751 千円不用額は 304,279 千円であって 不用額は 総務省所管の恩給費において 普通扶助料の受給者が予定を下回ったこと等により 文官等恩給費を要することが少なかったこと等のため生じたものである 本年度における支出済歳出額等を事項別に示せば 次の

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

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図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

Transcription:

資料 2 拉致被害者等への今後の支援策の在り方 ( 論点整理 ) 関係省庁拉致問題連絡会 WG 2014 年 4 月

支援策の在り方についての検討項目 1. 現行受給者について 平成 27 年 3 月に給付期限が到来する拉致被害者等給付金の取扱いをどうすべきか 2. 上記以外で平成 27 年 3 月に期限が到来するものについて その取扱いをどうすべきか ( 例 : 職業転換給付金 特定求職者雇用開発助成金 ) 3. 今後 帰国拉致被害者等が退職年齢に達することを踏まえ 老後の支援策として 老後の所得を補完する新たな給付金制度を創設する必要があるのではないか 4. 居住の安定に関して 現行の支援策 ( 公営住宅の優先入居 ) 以外に支援策を考える必要はないか また 拉致被害者等の高齢化を踏まえ 医療費 介護費等についての支援策を考える必要はないか 5. 未帰国の拉致被害者及びその御家族が帰国された時に 治療 療養が必要な場合 現行の支援策の枠組みで十分か 6. その他

支援策の在り方についての検討項目.1 1. 現行受給者について 平成 27 年 3 月に給付期限が到来する拉致被害者等給付金の取扱いをどうすべきか 現行の給付金は 拉致被害者等の自立支援 生活基盤再建 構築支援を目的とするもの この目的が達成されたと認められる場合には打ち切ることを想定 帰国拉致被害者家族の現状は 子供は全員就職しており 夫妻の所得の合計は日本の勤労世帯の平均所得水準を上回っている 今後 新たな拉致被害者が戻ってきた場合に 東京 大阪等の大都市に居住する場合が想定され 現在の給付金の水準では不足する可能性がある 現行の拉致被害者等給付金については 十分な老後の支援策が措置されるのであれば 打ち切っても差し支えないのではないか 新たな拉致被害者が戻ってきて 大都市で生活するような場合を想定して 地域手当制度のような調整措置を設ける必要があるのではないか また 子供も世帯を構成している場合 現在 永住意思表明後 5 年間のみが本人世帯とは別世帯扱いとなっていることを見直してはどうか 老後の支援策として老後の所得を補完する新たな給付金制度を設ける場合 現在の給付金との関係について整理する必要がある ( 新たに帰国する拉致被害者について新たな給付金と現在の給付金との併給を行うか等 ) 1

2 支援策の在り方についての検討項目.2 2.1 以外で平成 27 年 3 月に期限が到来するものについて その取扱いをどうすべきか ( 例 : 職業転換給付金 特定求職者雇用開発助成金 ) 拉致被害者 家族の中には 非正規職員 社員もおり 今後転職が必要となる場合が生じないとは限らない 今後 拉致被害者本人が定年年齢に達し 現在の勤務先で再雇用されない場合は 他の勤務先への再就職が必要となる場合も考えられる これらの場合における就職支援策を準備しておく必要がある 就職をご希望される拉致被害者 家族については その時々のご本人の状況に応じて 様々な就職支援策の中から最適な就職支援策が講じられ 希望に応じた就職が実現できるようにすることが重要である このため ご本人の状況を把握した上で 最適な支援策 ( ) の活用を助言したり カウンセリング等の就職活動上の各種相談支援を行うことなど マンツーマンによるきめ細かな就職支援を行う 帰国被害者等就職支援プログラム を 恒久措置として実施していくことが考えられる ( ) 職業転換給付金 特定求職者雇用開発助成金のほか 雇用保険の各種給付や職業訓練受講給付金等の各種助成金 給付金

老後の生活支援としての趣旨から 北朝鮮に拉致されていた期間中 労苦を共にした外国人配偶者についても 本人と同様の支援措置を設けることが適当ではないか 3 支援策の在り方についての検討項目.3 3. 今後 帰国拉致被害者等が退職年齢に達することを踏まえ 老後の支援策として 老後の所得を補完する新たな給付金制度を創設する必要があるのではないか 帰国拉致被害者が 来年以降順次退職年齢に達するほか 一部配偶者が介護を必要とする可能性のある後期高齢者となる また親の介護が必要となっている拉致被害者も出ている 拉致被害者は長期間の拉致により貯蓄が十分でなく また厚生年金等の加入期間が短期間で報酬比例部分の年金額が十分ではない 北朝鮮に対する損害賠償請求が事実上困難である中で 北朝鮮に拉致されていた期間の得べかりし利益の補償を求める声がある 老後の所得を補完する新たな給付金制度として 定額給付型 ( ハンセン病療養所退所者に対する支援を参考 ) か 生活保護準拠型 ( 中国残留邦人等に対する支援を参考 ) が考えられる 前者の参考制度は 退所者が平穏で安定した平均的水準の社会生活を営むことができるようにするため支給するものであり この考え方は 拉致被害者等に対する支援についても適するのではないか 老後の生活費として 高齢者世帯の平均所得金額に 貯蓄からの取崩し分を加えた程度の金額は必要ではないか また 帰国拉致被害者のニーズ等を踏まえると 60 歳支給開始とすることが適当ではないか

支援策の在り方についての検討項目.4 4. 居住の安定に関して 現行の支援策 ( 公営住宅の優先入居 ) 以外に支援策を考える必要はないか 現在 公営住宅優先入居制度の利用はなくなっているが 退職後の住宅の目途がついていない帰国拉致被害者が存在 公営住宅の入居収入基準においては 世帯収入の上限が月収 25.9 万円として法令で設定されており 同居の子供を含めた世帯収入がその上限額を上回る場合には 公営住宅に入居できない また 現在 居住している住宅が相当に老朽化が進み 修繕が必要となっている帰国拉致被害者が存在 公営住宅の入居収入基準については 同居する子供の所得を除外して入居収入基準を判断するとの弾力的運用を行うことはできない 拉致被害者は 帰国後地域住民との関係を構築しており 退職後もできる限り現在と同一の住宅に住み続けたいとの希望がある中で 当該拉致被害者については所有者と直接借家契約を結ぶこととするほかなく 家賃補助がなくなる分だけ家賃が高くなるが 十分な水準の老後の支援策が組まれることとなれば 対応できるのではないか 現在居住の住宅の老朽化は著しく 修繕は待てない事情にあることから 職員住宅を管理する自治体による修繕の可否 拉致被害者が修繕費の一部を負担する方式の可否等について検討する必要がある 4

5 支援策の在り方についての検討項目.4 4. 拉致被害者等の高齢化を踏まえ 医療費 介護費等についての支援策を考える必要はないか 今後 帰国拉致被害者が退職年齢 年金受給年齢に達する中で 医療費や介護費用が増加していくことが見込まれる 中国残留邦人等に対しては 生活保護を参考にした支援給付により個々の世帯の実情に応じたきめ細かな医療 介護が行われる ハンセン病療養所退所者については 特例措置がなく本則によっているが 退所者給与金は非課税となっているため 退所者給与金受給者は 市町村民税非課税の対象となっており 医療費や介護費は大幅に軽減される 医療費 介護費等については 所得や利用の状況に応じて 一般的に利用者負担等を軽減 拉致被害者等に対して特例措置を設けることは 被保険者の保険料等でまかなうこととなり 公平な負担という観点から 慎重な議論が必要 仮に 新たな老後の支援策を講じるのであれば 医療費 介護費の特例が実質的に強化されることとなり 他の類似制度の並びからみても 別途の特例措置を設けることは不要ではないか

6 支援策の在り方についての検討項目.5 5 未帰国の拉致被害者等が帰国された時に 治療 療養が必要な場合 現行の支援策の枠組みで十分か 新たな拉致被害者については 滞在開始直後から治療を要する場合や 保険加入後に高額な医療や介護を要する場合があることも想定される また 北朝鮮での生活が非常に長期間に及び 本人と配偶者のみ あるいは本人と一部の子供のみが永住帰国するケースなども想定されるが 北朝鮮にとどまった拉致被害者の親族が治療のために日本を訪問するような場合について 何らかの支援制度を設ける必要はないか 滞在開始前後の医療費 介護費等については 滞在予定地で滞在を開始するまでは帰国等に伴う費用として国が負担する 滞在開始後は住民登録が行われ医療保険等に加入することから本人負担分 ( 一般的には前年所得がなく大幅減額か ) について滞在援助金から支払う 永住意思表明後は本人負担分について拉致被害者等給付金から支払うこととなり 特別の措置を設けることは不要ではないか 北朝鮮にとどまった拉致被害者の親族が治療のために日本訪問を希望する場合については 一時帰国等に伴う費用として国が全額費用を負担するのか 医療保険制度に加入した上で滞在援助金により本人負担分の費用を支払うのかなどを ケースバイケースで判断する必要がある また このような場合に 国がどこまで関与すべきかについて引き続き検討を要する

7 支援策の在り方についての検討項目.6 (1) 北朝鮮に対する賠償請求の取扱い これまでの方針は 最優先課題である安否不明拉致被害者の帰国に与える影響等を考慮しつつ 今後のプロセスの中で検討 直ちに拉致問題が全面解決することは難しい状況の下 今後 帰国拉致被害者等が退職年齢に達する他 一部家族は後期高齢者に至ることになる 北朝鮮への損害賠償請求を直ちに行うことは困難であるとしても 将来の北朝鮮に対する経済協力から相殺すべき あるいは現時点において日本政府が立て替えるよう求める声がある 1 我が国裁判所への訴訟提起 2 北朝鮮の裁判所への訴訟提起 3 外交ルートを通じての請求の 3 つのケースが考えられるが いずれも法律上 現実的な観点から問題がある 北朝鮮による拉致の全容が明らかでない中で 拉致の精神的 肉体的苦痛に対する補償の金額の算定は 極めて困難 拉致問題の最終決着時に 日本の北朝鮮への経済協力と北朝鮮に対する損害賠償請求権を実質的に相殺すべきとの意見等について 北朝鮮情勢 日朝関係等の全体の流れの中で検討していくこととせざるを得ない なお 帰国拉致被害者については 今後検討する新たな老後の支援策により 北朝鮮に拉致されていた期間の得べかりし利益を事実上補填することができるのではないか

8 支援策の在り方についての検討項目.6 (2) 新たな拉致被害者の方が帰国される場合の別途の支援策の検討 1 拉致被害者の子供についての国民年金の保険料納付の支援 国民年金については 現状 拉致被害者本人は拉致された期間中の保険料を全額国が負担しているのに対して その子供については保険料免除の特例のみが設けられている こうした中で 今後 20 歳を大きく超える年齢の子供が帰国した場合 保険料を追納する余力があるとは想定しにくい 成人に達した後かなりの期間が経過した子供が帰国した場合の経済的支援 生活支援の創設を求める声がある 成人に達した後かなりの期間が経過した子供が 日本社会に溶け込んでいくには かなりのハードルがあり 孫の養育費などもかかることを踏まえると 保険料を追納する余裕はないのではないか 現行支援法上 拉致被害者の子供については 保険料追納の枠組み ( 帰国後 6 年間追納可能 ) が設けられており この間に必要な金額を納付できるよう子供本人を介して北朝鮮に在住していた期間に係る保険料の追納を支援する方策が考えられるのではないか 拉致被害者等については 平時において国家的犯罪行為により拉致されたという意味で戦時補償の問題とは全く異なるとの整理が行われてきているが 子供は自ら親や出生地を選べないという意味では誰もが平等という側面を持つため 支援の方策や適用範囲の検討に当たっては 戦時補償の問題等との関係について十分に考慮する必要がある

9 支援策の在り方についての検討項目.6 (2) 新たな拉致被害者の方が帰国される場合の別途の支援策の検討 2 拉致被害者が 65 歳以上で帰国された場合の帰国前に係る国民年金相当額の取扱い 現行支援法上 拉致被害者本人については 拉致されていた期間の国民年金保険料相当額の全額国庫負担が行われ その効果は将来に向かっての年金の給付に反映されるが 既に経過した期間における年金相当額の給付は発生しない 死刑再審無罪者については 死刑判決の確定という国家作用による保険料納付インセンティブの欠如などの特殊な事情に鑑み 65 歳から無罪判決確定日までの国民年金相当額を一括して支給する特別給付金制度が設けられており 今後 拉致被害者の方が 65 歳を超えて帰国される場合 平時において国家的犯罪により拉致されたという特殊な事情をどのように考慮するか検討を要する 年金制度そのものとして 保険料納付時点以降にのみ年金給付を行うという原則を崩すことはできない 一方で 平時において国家的犯罪により拉致されたという特殊な事情を考慮すると 死刑再審無罪者に対する特例を参考に 年金制度における根幹的な問題の発生を避けつつ 拉致被害がなかりせば 受けられたであろう年金給付に相当する額を 年金制度とは別の形で手当てすることは考えられるのではないか 拉致されていた期間に係る国民年金保険料相当額の全額国庫負担措置が講じられた支援法立法当時の帰国拉致被害者には 65 歳以上の者はおらず 帰国前に係る国民年金相当額の給付が問題となる状況にはなかった

10 支援策の在り方についての検討項目.6 (2) 新たな拉致被害者の方が帰国される場合の別途の支援策の検討 3 親族往来への支援は 現在の一時帰国の枠組みで十分か 今後 帰国する拉致被害者等は 北朝鮮での生活が非常に長期間に及び 配偶者が北朝鮮人で子供も北朝鮮の学校を卒業して就職 結婚しているケースが想定 このような場合には 本人と配偶者のみ あるいは本人と一部の子供のみが永住帰国するケースなども想定される 現行支援法では 永住意思を表明していない拉致被害者 家族については 1 年に 1 回に限り一時帰国の費用を国が負担している 永住帰国した本人等が北朝鮮を訪問する費用の負担など 親族の自由往来を支援する制度は設けられていない 拉致被害者等について中国残留邦人等と同様の訪問制度 ( 注 ) を国が設けることについては 日中間とは異なり日朝間では親族の自由往来が認められていないこと 北朝鮮への旅費や滞在費は相当高額になると見込まれること等も踏まえ このような制度に国がどこまで関与すべきか検討する必要がある ( 注 ) 永住帰国した子供が 養父母の見舞いや葬儀参列のために中国を訪問する場合の支援措置が 寄附金により運営される公益財団法人の事業として設けられている 所要費用の一部に 拉致被害者 家族義援金を活用することも考えられるか

11 支援策の在り方についての検討項目.6 (2) 新たな拉致被害者の方が帰国される場合の別途の支援策の検討 4 高齢の日本語が不自由な拉致被害者等について 現行の生活相談の枠組みは十分か 未帰国者 既帰国者ともに 拉致被害者等の高齢化が進んだ場合 医療や健康相談を受ける際 公的機関から援助を受ける時の同行通訳や巡回健康相談の実施等が必要となる 拉致被害者の外国人配偶者について 介護が必要な状態になった場合に 語学のできる介護福祉士等の配置が必要となる 現行の生活相談事業においては 帰国拉致被害者等が日本社会に円滑に適応するための基本的な生活習慣や日本語の学習などの自立促進のための研修等を地方自治体に委託して実施している 日本語が不自由な高齢者等を念頭に置いた 外国語のできる介護福祉士等の配置 医療 福祉施設への通訳同行 巡回健康相談への通訳同行 通訳の医療関連研修への参加支援等は行っていない 朝鮮語や英語を話すことができる介護福祉士等を帰国拉致被害者等が居住する地域に配置することについては 外国人の居住者等が非常に少ない地域であること等から困難 中国残留邦人等については 医療や健康相談を受ける際 公的機関から援助を受ける際の同行通訳 通訳等の医療関連研修への参加支援等が行われており 外国人の居住者等が非常に少ない地域に居住している帰国拉致被害者等について どのような形でこれらを行うことが可能か検討を要する