日本政策金融公庫平成 28 年 12 月 14 日総合研究所 中小企業における外国人労働者の役割 ~ 外国人材の活用に関するアンケート から ~ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 調査目的アンケートの実施要領調査結果 1 外国人を雇用している企業の割合 2 外国人従業員数 3 外国人従業員の属性 4 外国人従業員の労働条件 5 外国人を雇用する理由 6 ととの比較 7 外国人雇用に関する今後の方針 8 まとめ < 問い合わせ先 > 日本政策金融公庫総合研究所小企業研究第一グループ 03-3270-1687 担当竹内 平井
Ⅰ 調査目的 中小企業で外国人労働者を雇用する例が広くみられるようになっている 背景には生産年齢人口の減少だけではなく 海外展開や訪日観光客の受け入れといった中小企業経営の国際化もある 人手不足への対応として導入が進んだ外国人労働者であるが しだいに企業の成長や事業展開に欠かせなくなってきていると考えられる そこで 外国人労働者が多い業種や地域の企業を対象に外国人労働者 ( 特別永住者は除く ) が中小企業経営に果たしている役割を明らかにするために 外国人材の活用に関するアンケート を実施した Ⅱ アンケートの実施要領 1 調査時点 2016 年 8~9 月 2 調査対象日本政策金融公庫国民生活事業および中小事業の融資先のうち 以下に該当する法人 1 万 5,970 社 (1) 業種 : 製造業 卸売業 小売業 飲食店 宿泊業 情報通信業 サービス業 (2) 地域 : 北海道 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 静岡県 愛知県 岐阜県 京都府 大阪府 兵庫県 広島県 福岡県 3 調査方法調査票の発送 回収ともに郵送による 調査票は無記名 4 回答企業数 3,924 社 ( 回収率 24.6%) ( 参考 ) 登録外国人 在留外国人 ( 特別永住者を除く ) 数の推移 200 ( 万人 ) 180 165 196 150 100 98 50 0 1998 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 ( 年 ) 資料 : 法務省 外国人登録統計 (2011 年まで ) 在留外国人統計 ( 注 ) 各年とも年末の数値 ただし 2016 年は 6 月末 1
Ⅲ 調査結果 1 外国人を雇用している企業の割合 ~ 製造業 飲食店 宿泊業 従業者規模の大きな企業で多い ~ 〇アンケート回答企業全体では 派遣社員を含めた外国人 ( 特別永住者を除く ) を雇用している企業の割合は 13.3% である ( 図 -1) 業種別にみると 飲食店 宿泊業 が 25.5% 製造業 が 24.3% と全体の 2 倍近くになっている 〇外国人を雇用している企業の割合は 従業者規模が大きいほど多くなっており 4 人以下 の企業では 2.1% であるのに対し 100 人以上 の企業では 51.1% となっている 図 -1 外国人を雇用している企業の割合 ( 業種別 ) 図 -2 図 -2 外国人を雇用している企業の割合 ( 従業者規模別 ) 全体 (n=3,924) 製造業 (n=951) 卸売業 (n=729) 小売業 (n=665) 飲食店 宿泊業 (n=184) 情報通信業 (n=210) サービス業 (n=999) 6.6 7.1 11.0 13.3 13.8 24.3 25.5 全体 (n=3,924) 4 人以下 (n=1,071) 5~9 人 (n=1,006) 10~19 人 (n=803) 20~49 人 (n=622) 50~99 人 (n=237) 2.1 5.8 13.3 12.6 26.0 36.7 その他 (n=81) 12.3 0 10 20 30 40 50 60 100 人以上 (n=176) 51.1 0 10 20 30 40 50 60 ( 注 ) 従業者規模を区分する際の従業者数に派遣社員は含まない 2
2 外国人従業員数 ~4 分の 3 の企業で 4 人以下 ~ 〇外国人従業員がいる企業について外国人従業員数の分布をみると 4 人以下 が 73.6% を占めている ( 図 -3) ただし 20 人以上 も 6.6% を占めており 100 人を超える企業も 4 社あった 〇外国人従業員がいる企業について雇用形態をみると 外国人を 正社員 として雇用している企業が 58.7% で最も多いが その平均は 2.8 人となっている ( 図 -4) 一方 外国人をパート アルバイトなど 非正社員 として雇用している企業の割合は 39.0% 技能実習生 を雇用している企業の割合は 21.0% となっており 平均の人数はそれぞれ 5.0 人 5.8 人となっている 図 -3 外国人従業員数の分布 図 -4 外国人従業員の雇用形態 10~19 人 6.9 20 人以上 6.6 正社員 非正社員 39.0 58.7 (5.0 人 ) (2.8 人 ) 5~9 人 12.9 技能実習生 21.0 (5.8 人 ) 4 人以下 73.6 海外拠点の社員 4.2 (4.6 人 ) (n=518) 派遣社員 6.2 (14.2 人 ) (n=518) 0 20 40 60 80 ( 注 ) 1 外国人を雇用している企業のうち 各雇用形態の外国人がいる企業の割合 2 雇用形態が異なる外国人がいる場合は それぞれ 1 社として数えた 3 ( ) 内は該当する外国人従業員がいる企業についての平均人数 3
3 外国人従業員の属性 外国人従業員の属性および労働条件は 雇用を開始した年が早い順に最大 5 人までを回答してもらったものである また 属性および労働条件に関する図の集計対象数 (n 値 ) は企業数ではなく 回答があった外国人従業員数の合計である 1 国籍 在留資格 ~ 中国が 4 割 身分に基づく在留資格と技能実習が各 3 割 ~ 〇外国人従業員の国籍は 中国 が 38.0% で最も多く 以下 ベトナム の 18.0% フィリピン の 7.7% が続く ( 図 -5) 〇外国人従業員の在留資格は 永住者 や 定住者 など就労に制限がない 身分に基づく在留資格 が 32.8% を占める ( 図 -6) 単独では 技能実習 が 31.1% で最も多いが 専門的な業務に就く 技術 人文知識 国際業務 も 15.5% と 2 番目に多い 40 38.0 図 -5 外国人従業員の国籍 ( 構成比 ) 図 -6 外国人従業員の在留資格 30 20 10 0 中国 18.0 ベトナム 7.7 フィリピン 5.6 5.4 韓 国 インドネシア 4.2 3.4 3.2 3.0 2.1 ブラジル タ イ 台 湾 ネパール ペルー 0.7 0.3 米 国 (n=1,249) 英 国 8.4 その他 技能 3.1 留学 10.7 技術 人文知識 国際業務 15.5 その他 6.8 技能実習 31.1 永住者 13.5 永住者の配偶者等 4.9 定住者 5.0 日本人の配偶者等 9.4 (n=1,135) 身分に基づく在留資格 32.8 4
2 性 年齢 ~ 男女比は日本人とほぼ同じだが 若年層が多い ~ 〇外国人従業員の性別をみると全体では 男性 が 56.4% と 女性 より多い ( 図 -7) 雇用形態別にみると 正社員 と 技能実習生 は男性の方が多いが 非正社員 では女性が 61.3% を占めている 〇外国人従業員の年齢をみると 全体では 24 歳以下 が 19.7% 25~34 歳 が 41.5% を占めており 若年層が多い ( 図 -8) 雇用形態別にみると 技能実習生 でとりわけ若年層が多く 24 歳以下 だけで 39.9% を占めている 全体 (n=1,220) 図 -7 外国人従業員の性別 56.4 男性 女性 43.6 全体 (n=1,169) 24 歳以下 19.7 図 -8 外国人従業員の年齢 25~34 歳 35~44 歳 45 歳以上 41.5 20.4 18.4 正社員 (n=478) 61.1 38.9 正社員 (n=459) 4.4 42.9 28.3 24.4 非正社員 (n=375) 38.7 61.3 非正社員 (n=363) 24.2 31.4 20.9 23.4 技能実習生 (n=309) 69.6 30.4 技能実習生 (n=291) 39.9 50.2 8.6 1.4 ( 注 ) 海外拠点の社員 と 派遣社員 は回答数が少ないので記載を省略した 以下同じ 役員を除く雇用者 参考図 -1 日本の雇用者全体の性別 男性 女性 54.3 45.7 役員を除く雇用者 参考図 -2 日本の雇用者全体の年齢構成 24 歳以下 25~34 歳 35~44 歳 45 歳以上 9.5 19.5 24.2 46.8 ( 資料 ) 総務省 労働力調査 (2016 年 9 月 ) ( 資料 ) 参考図 -1 に同じ 5
3 最終学歴 在学先 ~ 大学院 大学が 4 割強 ~ 〇外国人従業員の最終学歴または現在の在学先をみると その他の海外の学校 が 39.4% で最も多いが 海外の大学 が 24.0% 日本の大学 が 13.8% あるなど 学歴の高い者が 4 割強を占めている ( 図 -9) 〇外国人従業員の最終学歴 在学先を雇用形態別にみると 正社員 は 日本の大学院 大学 が 32.1% 海外の大学院 大学 が 36.5% と 大学院と大学で 68.6% を占めている 一方 技能実習生 は その他の海外の学校 が 80.9% を占める 図 -9 外国人従業員の最終学歴 在学先 ( 構成比 ) 図 -10 雇用形態別外国人従業員の最終学歴 在学先 40.0 30.0 (n=994) 24.0 39.4 全体 (n=994) 日本の大学院 大学 18.9 日本のその他の学校 16.1 海外の大学院 大学 25.5 その他の海外の学校 39.4 20.0 13.8 10.0 0.0 5.1 日本の大学院 日本の大学 1.1 日本の短大 4.4 3.2 日本の高等専門学校 日本の専修学校 5.4 日本にある日本語学校 1.9 1.5 その他の日本の学校 海外の大学院 海外の大学 その他の海外の学校 正社員 (n=408) 非正社員 (n=269) 技能実習生 (n=272) 2.2 18.2 8.1 32.1 8.8 29.0 12.5 21.9 80.9 36.5 30.9 18.9 6
4 外国人従業員の労働条件 1 仕事の難易度 ~ 正社員は熟練や専門能力が必要な仕事を担当 ~ 〇外国人従業員に担当させている仕事の難易度をみると 難しくはないが 多少の訓練やなれが必要な仕事 が 44.8% で最も多い ( 図 -11) 〇雇用形態別に仕事の難易度をみると 正社員 は ある程度の熟練が必要な仕事 が 34.2% で最も多いが 高度な熟練や専門的な知識 技術が必要な仕事 も 28.1% を占めている ( 図 -12) 一方 非正社員 と 技能実習生 は どちらも 難しくはないが 多少の訓練やなれが必要な仕事 が最も多くなっている また 非正社員 は 入社してすぐにできる簡単な仕事 が 36.7% を占めている 図 -11 外国人従業員の仕事の難易度 図 -12 雇用形態別仕事の難易度 入社してすぐにできる簡単な仕事 難しくはないが 多少の訓練やなれが必要な仕事 高度な熟練や専門的な知識 技術が必要な仕事 13.8 入社してすぐにできる簡単な仕事 16.1 正社員 (n=477) 5.2 32.5 ある程度の熟練が必要な仕事高度な熟練や専門的な知識 技術が必要な仕事 34.2 28.1 ある程度の熟練が必要な仕事 25.2 難しくはないが 多少の訓練やなれが必要な仕事 44.8 非正社員 (n=371) 36.7 46.1 13.5 3.8 (n=1,224) 技能実習生 (n=324) 10.5 62.0 24.7 2.8 7
2 外国人従業員の賃金 ~ 正社員 非正社員は日本人と同等の賃金 ~ 〇外国人従業員の月給は 正社員 では 22 万円超 が 61.1% を占めているが 技能実習生 では 18 万円以下 が 95.1% を占めている ( 図 -13) 〇外国人従業員の時給をみると 非正社員 では 901~1,000 円 が 40.9% で最も多くなっているが 技能実習生 は 850 円以下 が 48.9% を占めている ( 図 -14) 〇正社員 非正社員ともに 外国人に限らず 一般に新規募集する際の賃金に比べて遜色はなく 外国人労働者が低賃金労働者ということはない ただし 技能実習生の賃金は低いものが多く また高い賃金を提示できない企業が雇用している傾向がみられる 図 -13 雇用形態別外国人従業員の月給 18 万円以下 18~20 万円 20~22 万円 22 万円超 図 -14 雇用形態別外国人従業員の時給 850 円以下 851~900 円 901~1,000 円 1,001 円以上 正社員 (n=409) 10.8 19.3 8.8 61.1 非正社員 (n=291) 28.5 15.8 40.9 14.8 0.7 技能実習生 (n=142) 95.1 3.5 技能実習生 (n=139) 48.9 31.7 15.8 3.6 正社員募集時に提示する月給 ( 技能実習生がいない ) (n=361) 24.4 34.1 8.3 33.2 0.7 非正社員募集時に提示する時給 ( 技能実習生がいない ) (n=368) 22.6 17.1 42.7 17.7 正社員募集時に提示する月給 ( 技能実習生がいる ) (n=104) 34.6 38.5 14.4 12.5 非正社員募集時に提示する時給 ( 技能実習生がいる ) (n=106) 39.6 24.5 31.1 4.7 ( 注 )1 月給で支払っている外国人従業員について集計した n 値は従業者数である ( 注 )1 時給で支払っている外国人従業員について集計した n 値は従業者数である 2 正社員募集時に提示する月給 は 正社員を募集するとしたら求人広告に月給は 2 非正社員募集時に提示する月給 は パート アルバイトを募集するとしたら求人 いくらからと書くか という質問に対する回答を集計したもの n 値は企業数である 広告に時給はいくらからと書くか という質問に対する回答を集計したもの n 値は企業数である 8
5 外国人を雇用する理由 1 外国人を雇用する理由 ~ 人手不足と外国人ならではの能力 ~ 〇外国人を雇用する理由をみると 全体では 日本人だけでは人手が足りないから が 28.0% 日本人が採用できないから が 10.4% と 人手不足によるものが多い ( 図 -15) ただし 外国人ならではの能力が必要だから が 23.3% あるなど 必ずしも人手不足だけが外国人を雇用する理由ではない 〇外国人従業員の雇用形態別にみると 非正社員 と 技能実習生 はどちらも 日本人だけでは人手が足りないから が 4 割を超えているが 正社員 は 外国人ならではの能力が必要だから が 35.9% 能力 人物本位で採用したら外国人だっただけ が 31.8% と たんなる人手不足とは異なる理由が多くなっている ( 図 -16) 図 -15 外国人を雇用する理由 ( 上位 5 項目 ) 図 -16 外国人を雇用する理由 ( 雇用形態別 ) 日本人だけでは人手が足りないから 外国人ならではの能力が必要だから 能力 人物本位で採用したら外国人だっただけ 18.2 23.3 28.0 正社員 (n=198) 非正社員 (n=113) 4.5 4.5 2.7 12.1 13.3 15.0 15.0 35.9 31.8 44.2 日本人だけでは人手が足りないから外国人ならではの能力が必要だから能力 人物本位で採用したら外国人だっただけ日本人が採用できないから 日本人が採用できないから 外国人の方が利点が多いから 8.0 10.4 (n=510) 技能実習生 (n=69) 0 2.9 18.8 18.8 42.0 外国人の方が利点が多いから 0 10 20 30 40 50 0 10 20 30 40 50 ( 注 ) それぞれ該当する雇用形態の外国人従業員だけがいる企業について集計した 9
2 必要とする外国人ならではの能力 ~ 語学力に期待 ~ 〇外国人を雇用する理由として 外国人ならではの能力が必要だから と回答した企業について それはどのような能力であるのかをみると 仕事で必要な外国語を使える が 91.2% で最も多く 以下 外国に人脈 ネットワークがある の 28.3% 外国の商習慣や取引慣行に詳しい の 23.9% が続いている ( 図 -17) 〇外国人の雇用理由として 外国人ならではの能力が必要だから と回答した企業について 外国人に担当させている仕事の内容をみると 輸出入や外国企業への業務委託に関する仕事 が 56.3% 通訳や翻訳 ( 他の企業 団体から受注するもの ) が 42.9% あるなど 外国語や外国の事情に詳しい方が好ましい仕事が多くなっている ( 図 -18) ( 注 ) 複数回答である ( 注 ) 複数回答である 91.2 28.3 23.9 17.7 8.8 2.7 3.5 0 20 40 60 80 100 仕事で必要な外国語を使える外国に人脈 ネットワークがある外国の商習慣や取引慣行に詳しい外国の文化や宗教に詳しい外国の勤労観や雇用慣行に詳しい外国の法律や会計制度に詳しいその他図 -17 必要とする外国人ならではの能力 (n=113) 56.3 42.9 12.5 10.7 8.9 4.5 3.6 3.6 11.6 0 20 40 60 80 100 輸出入や外国企業への業務委託に関する仕事通訳や翻訳 ( 他の企業 団体から受注するもの ) 海外現地法人の設立 運営に関する仕事インバウンド事業に関する仕事インターネットを使った海外向け通信販売に関する仕事他企業の海外展開支援日本で暮らす外国人へのサービスに関する仕事海外発祥の製品やサービスの製造や販売に関する仕事その他図 -18 外国人に担当させている仕事 (n=112) 10
6 ととの比較 1 業種と従業者規模 ~ には製造業 規模の大きな企業が多い ~ 〇 の業種をみると 製造業 が 45.1% を占めている ( 図 -19) また 9.2% と多くはないが 飲食店 宿泊業 が占める割合も の 2 倍強となっている 〇 には 100 人以上 が 17.3% を占めるなど に比べて従業者規模の大きなものが多い ( 図 -20) 図 -19 業種構成 小売業 飲食店 宿泊業 製造業 卸売業 サービス業 図 -20 従業者規模の構成 5~9 人 4 人以下 10~19 人 20~49 人 50~99 人 100 人以上 (n=512) 45.1 15.6 8.6 9.2 5.7 13.9 2.0 (n=521) 4.4 11.1 19.4 31.1 16.7 17.3 情報通信業 その他 2.5 (n=3,307) 21.8 19.6 18.8 4.1 5.5 28.1 2.1 (n=3,394) 30.9 27.9 20.7 13.6 4.4 11
2 従業員の過不足 ~ は とくに若者や専門的な能力をもった人材の不足感が強い ~ 〇 正社員 非正社員 ともに は に比べて 足りていない とする企業の割合が多い ( 図 -21 22) 〇 30 歳未満の従業員 や 専門的な知識や技術をもった人材 が 足りていない とする企業の割合も ではそれぞれ 65.1% 68.0% と を上回っている ( 図 -23 24) 図 -21 正社員の充足状況 足りている 足りていない 必要ない 図 -23 30 歳未満の従業員の充足状況 足りている 足りていない 必要ない (n=503) 48.3 48.9 2.8 (n=510) 27.5 65.1 7.5 (n=3,122) 53.4 31.7 14.9 (n=3,212) 26.6 46.5 26.9 図 -22 非正社員の充足状況 足りている足りていない必要ない 図 -24 専門的な知識や技術をもった人材の充足状況 足りている足りていない必要ない (n=487) 38.4 45.6 16.0 (n=513) 22.0 68.0 9.9 (n=3,014) 39.4 26.4 34.2 (n=3,229) 29.5 46.8 23.7 12
3 正社員の賃金と労働時間 ~ 労働条件はの方がよいものが多い ~ 〇正社員を募集する際に提示する月給をみると の方がに比べて高いものが多い ( 図 -25) 〇正社員の週当たり所定労働時間をみると 週 40 時間を超える企業の割合はの方が多い ( 図 -26) 〇賃金と労働時間でみる限り 外国人を雇用している企業に人手不足の企業が多いのは 労働条件が悪いからではない 図 -25 正社員募集時に提示する月給 18 万円以下 18~20 万円 20~22 万円 22 万円超 図 -26 正社員の所定労働時間 週 40 時間未満週 40 時間週 40 時間超 (n=469) 26.7 35.0 9.8 28.6 (n=456) 14.9 70.8 14.3 (n=3,279) 36.6 33.4 7.3 22.8 (n=2,789) 13.7 62.0 24.4 13
4 最近 5 年間の売上高と採算 ~ の方が業績が拡大している企業が多い ~ 〇最近 5 年間の売上高をみると では 増加傾向 とする企業が最も多く 49.1% を占めているのに対し では 減少傾向 が 39.1% で最も多くなっている ( 図 -27) 〇最近 5 年間の採算の傾向をみると では 改善傾向 とする企業が 43.2% で最も多いのに対し では どちらともいえない が 38.2% で最も多くなっている ( 図 -28) 〇に人手不足とする企業が多いのは 業績が伸びていることが主な理由であると考えられる 図 -27 最近 5 年間の売上高 増加傾向 減少傾向 どちらともいえない 図 -28 最近 5 年間の採算 改善傾向 悪化傾向 どちらともいえない (n=509) 49.1 26.7 24.2 (n=509) 43.2 25.0 31.8 (n=3,325) 27.1 39.1 33.8 (n=3,313) 29.2 32.7 38.2 ( 注 ) 創業から 5 年未満の企業は創業以来の傾向を回答してもらった ( 注 ) 図 -25 に同じ 14
5 海外の企業 消費者との取引 ~ の 55.3% は海外の企業 消費者と直接取引がある ~ 〇海外の企業や消費者 ( 訪日旅行客は含まない ) との取引の有無をみると では 55.3% の企業が あり と回答しているのに対し では 24.1% にとどまっている ( 図 -29) 〇海外の企業や消費者との取引内容をみると 海外の事業者から直接輸入している が を を上回っているだけで 海外の事業者に直接輸出している や 海外に生産や消費を行うための法人がある など ヒトやモノが海外に出て行く取引は 外国人雇用 企業が を上回っている ( 図 -30) 図 -29 海外の企業 消費者との取引の有無 図 -30 海外の企業 消費者との取引内容 ( 上位 5 項目 ) あり なし 海外の事業者から直接輸入している 53.7 59.2 (n=468) 55.3 44.7 海外の事業者に直接輸出している 28.3 39.0 海外に生産や販売を行うための法人がある 12.0 28.6 (n=259) (n=657) (n=2,731) 24.1 75.9 海外に支店や駐在事務所がある 海外の企業に生産 開発など業務を委託している 3.5 16.6 16.6 13.1 0 20 40 60 80 ( 注 ) 複数回答である 15
7 外国人雇用に関する今後の方針 ~ の半数は 維持 増加の意向 ~ 〇について 今後の外国人雇用の方針をみると いまよりも増やしたい が 19.7% 現状程度は雇用したい が 36.4% となっている ( 図 -31) また 最も多いのは 外国人かどうかは考慮しない であり 良い人材であれば国籍は関係ないとする経営者も少なくない 〇について 将来の外国人雇用についての考えをみると 雇用するつもりはない が 47.3% で最も多いが ぜひ雇用してみたい が 17.1% よい人に出会えれば雇用してもよい が 31.1% あり 外国人雇用に肯定的な企業も同じくらいある ( 図 -32) 図 -31 今後の外国人雇用 ( ) 図 -32 将来の外国人雇用 ( ) 外国人かどうかは考慮しない 39.0 いまよりも減らしたい 5.0 いまよりも増やしたい 19.7 現状程度は雇用したい 36.4 (n=503) 雇用するつもりはない 47.3 ほかにどうしようもなければ雇用する 4.6 ぜひ雇用してみたい 17.1 よい人に出会えれば雇用してもよい 31.1 (n=3,329) 16
8 まとめ〇外国人を雇用する企業の割合は アンケート回答企業全体では13.3% を占める 外国人従業員の国籍は中国の38.0% など アジア諸国が大半を占める 外国人を雇用する企業の割合はとくに製造業や飲食店 宿泊業で多く また従業者規模が大きな企業ほど多くなっている 外国人の雇用形態をみると 正社員として雇用する企業の割合が58.7% で最も多い 〇外国人の非正社員や技能実習生には容易に習得できる仕事を担当させる企業が多いが 外国人の正社員には専門的な知識や能力が必要な仕事を 担当させる企業が多い 最終学歴 在学先をみても 外国人正社員は大学や大学院が多くなっている 〇正社員 非正社員の賃金は いずれも新規に募集する場合の賃金と遜色はなく 外国人が日本人に比べて安価な労働力だというわけではない 外国 人労働者には 永住者 や 留学 など自由に転職できる在留資格をもつ者も多く 低い賃金で雇用することは困難である場合が多い 〇外国人従業員を雇用するのは 人手不足が主な要因であるが 業績が拡大しているために人手が足りない企業が多く 低賃金 長時間労働など労働 条件が悪いためではない 海外展開に取り組むなど外国人ならではの能力を必要とする企業もあり 外国人従業員は中小企業の成長や国際化を支 える存在になってきている 17