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食品廃棄をめぐる現状

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資料 2 食品ロスの現状 平成 24 年 10 月 農林水産省 食品産業環境対策室 1

研究の中間報告

ふくしまからはじめよう 農業技術情報 ( 第 39 号 ) 平成 25 年 4 月 22 日 カリウム濃度の高い牧草の利用技術 1 牧草のカリウム含量の変化について 2 乳用牛の飼養管理について 3 肉用牛の飼養管理について 福島県農林水産部 牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として 早春および刈取

農研機構畜産草地研究所シンポジウム|世界的なルーメンバイパスアミノ酸の利用

報告書

報告書

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報告書

2015 1,200 A B J 一般社団法人 J ミルク牛乳乳製品の知識改訂版 001

平成 30 年度アグリ技術シーズセミナー in 沖縄 沖縄産資源を活用したヤギ用飼料の開発と 沖縄肉用ヤギのブランド化へ向けた研究 取組 琉球大学農学部長嶺樹

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コントラクター及びTMRセンターの現状

(1) 乳脂肪と乳糖の生成反芻動物である乳牛にとって最も重要なのはしっかりしたルーメンマットを形成することです そのためには 粗飼料 ( 繊維 ) を充分に与えることが重要です また 充分なルーメンマットが形成され微生物が活発に活躍するには 充分な濃厚飼料 ( でんぷん 糖 ) によりエネルギーを微

注 ) 材料の種類 名称及び使用量 については 硝酸化成抑制材 効果発現促進材 摂取防止材 組成均一化促進材又は着色材を使用した場合のみ記載が必要になり 他の材料については記載する必要はありません また 配合に当たって原料として使用した肥料に使用された組成均一化促進材又は着色材についても記載を省略す

参考1中酪(H23.11)

あなたの農場に、妊娠牛は何頭いますか?

25 岡山農総セ畜研報 4: 25 ~ 29 (2014) イネ WCS を主体とした乾乳期飼料の給与が分娩前後の乳牛に与える影響 水上智秋 長尾伸一郎 Effects of feeding rice whole crop silage during the dry period which exp

徳島県畜試研報 No.14(2015) 乾乳後期における硫酸マグネシウム添加による飼料 DCAD 調整が血液性状と乳生産に及ぼす影響 田渕雅彦 竹縄徹也 西村公寿 北田寛治 森川繁樹 笠井裕明 要 約 乳牛の分娩前後の管理は産後の生産性に影響を及ぼすとされるが, 疾病が多発しやすい時期である この時

日本の食品ロス ( 年間約 500~800 万トン ) は 世界全体の食料援助量の約 2 倍 日本のコメ生産量に匹敵し 日本がODA 援助しているナミビア リベリア コンゴ民主共和国 3カ国分の食料の国内仕向量に相当 規格外品 期限切れ等により手つかずのまま廃棄される食品 日本の 食品ロス (500

( 権限の委任等 ) 第十五条内閣総理大臣は, この法律の規定による権限 ( 政令で定めるものを除く ) を消費者庁長官に委任する 2 及び3 略 4 この法律に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は, 政令で定めるところにより, 都道府県知事又は地方自治法 ( 昭和二十二年法律第六十七号

Microsoft PowerPoint - 補足資料(セット版-2).ppt

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参考資料2 生ごみ等の飼料化、たい肥化に関するヒアリング結果

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

2. 食料自給率の推移 食料自給率の推移 我が国の食料自給率 ( 総合食料自給率 ) は 長期的に低下傾向で推移してきましたが 近年は横ばい傾向で推移しています (%) (H5 ) 43 7

平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性

毎回紙と電卓で計算するより パソコンの表計算ソフトを利用して計算されることをすすめます パソコンは計算と記録が同時にできますから 経営だけでなく飼養管理や繁殖の記録にも利用できます 2) 飼料設計項目ア.DMI TDN CP NFC a.dmi( 乾物摂取量 ) 水分を除いた飼料摂取量のことです 飼

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目次 1. はじめに 1 2. 食品廃棄物等の発生抑制 再生利用等を取り巻く状況 3 (1) 発生抑制 再生利用等の必要性 3 (2) 現状 4 3. 食品廃棄物等の発生抑制 再生利用等を推進するための課題と具体的施策 6 (1) 再生利用等実施率等のあり方 6 1 再生利用等実施率について 6 2

平成 23 年度食の安全 消費者の信頼確保対策事業 ( 食品安全確保調査 試験事業 ) 報告書 社団法人日本科学飼料協会 1 事業の目的家畜 家禽用及び養魚用配合飼料等における放射性物質濃度の実態を調査し 飼料中の放射性セシウム (Cs) の暫定許容値の妥当性の検証を行うための資料とする 2. 事業

Microsoft Word - H26技術資料・輸入乾草の品質・全編原稿


野菜産地と量販店の皆様へ 国民の健康志向の高まりとともに 野菜の栄養 機能性成分について情報提供を求める声が消費者や量販店から多く寄せられています 生鮮食品の栄養成分表示については 栄養表示基準 ( 健康増進法 ) の対象外 であるため 表示規制はないものの 栄養成分等の表示に関する基準や定めがない

(2) 牛群として利活用 MUNを利用することで 牛群全体の飼料設計を検討することができます ( 図 2) 上述したようにMUN は 乳蛋白質率と大きな関係があるため 一般に乳蛋白質率とあわせて利用します ただし MUNは地域の粗飼料基盤によって大きく変化します 例えば グラスサイレージとトウモコシ

資料

焼酎粕飼料を製造できることを過去の研究で明らかにしている ( 日本醸造協会誌 106 巻 (2011)11 号 p785 ~ 790) 一方 近年の研究で 食品開発センターが県内焼酎もろみから分離した乳酸菌は 肝機能改善効果があるとされる機能性成分オルニチンを生成することが分かった 本研究では 従来

検討の背景 現在 輸入乾牧草と競争力のある粗飼料の増産を中心として飼料自給率の向上を目標に施策を展開 一方 稲わら等を給与された家畜に由来する畜産物の安全を確保することが喫緊の課題 19 年度 ( 概算 ) 551 万 TDN トン 輸入 22% 国産 78% 27 年度 ( 目標 ) 590 万

国産粗飼料増産対策事業実施要綱 16 生畜第 4388 号平成 17 年 4 月 1 日農林水産事務次官依命通知 改正 平成 18 年 4 月 5 日 17 生畜第 3156 号 改正 平成 20 年 4 月 1 日 19 生畜第 2447 号 改正 平成 21 年 4 月 1 日 20 生畜第 1

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

いる その要因は 機械化が取り入れられたこと スーパー等大型店を通す販売が進み ある程度の事業規模が必要となったことなどがあげられる その生産量や消費量は 先の 大豆の使用量から見ても大きな変化はみられていない 事業者の規模豆腐製造業者は 機械化が取り入れられたといっても 家族従事者を主体とする小規

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分析にあたり 血統情報については 導入市場が 北海道 東北および九州と離れ 繁殖牛の母集団の血統情報に大きな差異が予測されるため 種雄牛のみを取り入れることとした ただし 遺伝的要因として取り上げた種雄牛に関して 後代産子牛が 2 頭以下の種雄牛については 本分析からは除外した すなわち 血液成分お

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エコフィード全国シンポジウム エコフィードの安全性について ~ 豚コレラ対策も含めて ~ 宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 防疫戦略部門末吉益雄 1 食品残さ等利用飼料における安全確保のためのガイドライン 18 消安第 60

1 牛肉の仕入実態 (1) 牛肉の仕入先やの国産牛肉 輸入牛肉の仕入先は 大手食肉卸 中小食肉卸 が多くなっている 和牛和牛の仕入先は 中小食肉卸 (41.8%) 大手食肉卸(37.0%) 卸売市場(13.6%) の順となっている は 大手食肉卸 (45.6%) が多く は 中小食肉卸 (48.8%

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研究の中間報告

部屋に収容した (40 羽 /3.3 平方メートル ) 表 1 試験区分 区 ( 性別 ) 羽数 飼 料 対照区 ( ) 52 通常 ( 市販飼料 ) 対照区 ( ) 52 通常 ( 市販飼料 ) 試験区 ( ) 52 高 CP(4~6w 魚粉 4% 添加 ) 試験区 ( ) 52 高 CP(4~6

1. 飼料安全をめぐる最近の情勢 (1) 安全確保の枠組みの変化 食の安全確保に関する国際的な考え方 フードチェーンアプローチ生産から消費までの全段階において 安全管理を徹底 リスク分析リスク評価 リスク管理 リスクコミュニケーションの3つのプロセスにより 事故を未然に防ぎ リスクを最小にする 上記

平成15年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、

畜産環境情報 < 第 63 号 > 1. 畜産の汚水から窒素を除去するということはどういうことか 2. 家畜排せつ物のエネルギー高度利用 南国興産を例に 3. 岡山県の畜産と畜産環境対策 4. 兵庫県の畜産と畜産環境対策について

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鶏卵流通統計調査 ( 平成 30 年 ) - 鶏卵生産量は 前年に比べ 1.0% 増加 - 調査結果 1 鶏卵の生産量平成 30 年の鶏卵生産量は262 万 7,764tで 前年に比べ1.0% 増加した 平成 31 年 3 月 5 日公表 図 1 鶏卵生産量の推移 ( 全国 ) ( 万 t) 270

平成24年度自給飼料利用研究会資料|酪農生産における暑熱の影響とその対応

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農山性化1 農山漁村の 6 次産業化の考え方 雇用と所得を確保し 若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため 農林漁業生産と加工 販売の一体化や 地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するなど 農山漁村の 6 次産業化を推進 現 状 農山漁村に由来する様々な地域資源 マーケットの拡大を図りつつ

参考資料2 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 2016年

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

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第 3 条第 2 項 農薬の登録を保留することができる場合に該当するかどうかの基準 ( 水産動植物被害に係る基準及び水質汚濁に係る基準を除く ) を設定 変更しようとするとき ( 外国製造農薬に係る登録について準用 ) 肥料取締法 ( 食品安全基本法第 24 条第 1 項第 3 号 ) 条 項 食品

乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア「DAIRY ver4.1」は乳牛の飼料給与診断・設計に

農林水産省補助事業 韓国遺伝子組換え食品等の表示基準 Q&A( 仮訳 ) 2017 年 3 月 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 農林水産 食品部農林水産 食品課

目 次 Ⅰ 今回の一部改正の背景と改正前の原料原産地表示制度 1 1 改正の背景 1 2 改正前の原料原産地表示制度 1 Ⅱ 新たな原料原産地表示制度 1 1 食品表示基準別表第 15 追加品目と変更点 1 2 表示の対象と表示方法 2 3 新たな表示方法 3 (1) 又は表示 (2) 大括り表示

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

HACCP 導入率 ( 参考 ) 平成 27 年度 29% ( コーデックス原則のみ ) 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 30% 40% 50% 60% 80% 推進に当たっては 以下を 中間アウトカム目標 として取り組んでいく 1 平成 31 年度までに業界団体による手

6-1 指定食肉 ( 豚肉及び牛肉 ) の安定価格肉用子牛の保証基準価格等算定概要 生産局 平成 27 年 1 月

食品群別栄養素等摂取量 - 食品群 栄養素別 摂取量 - 総数 歳 E B 1 B 2 C 飽和一価不飽和 n-6 系 n-3 系脂肪酸脂肪酸脂肪酸脂肪酸 mg g 総量 水溶性 不溶性 μgre 1 μg mg 2 μg mg mg mgne 3 mg μg μg mg mg mg g

インド 12 3 エビ イカ オーストラリア 13 3 マグロ エビ フィリピン 14 1 マグロ カツオ エビ アイスランド 15 1 その他の魚 ハリバット 魚卵 スペイン 16 1 マグロ タコ マルタ 17 1 モロッコ 18 1 タコ イカ モーリタニア 19 1 タコ ニュージーランド

資料 6-1 指定食肉 ( 豚肉及び牛肉 ) の安定価格肉用子牛の保証基準価格等算定概要 生産局 平成 27 年 12 月

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

資料1 生ごみ等の飼料化・たい肥化の現状及び課題等について

Microsoft PowerPoint - エコフィード利用畜産物の販売 

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

Microsoft Word - P  第1部(第1表~第6表)

目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

資料 1-4 食料 農業 農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会 今後の食品リサイクル制度のあり方について ( 案 ) に関する意見募集の実施結果について 1. 意見募集の概要 (1) 意見募集の周知方法農林水産省及び環境省ホームページに掲載 (2) 意見提出期間平成 26 年 7 月 2


今後の食品リサイクル制度のあり方について ( 案 )

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< 目次 > 概要 1 1. 香港 2. 台湾 3. 韓国 4. 中国 5. シンガポール 6. マレーシア 7. ブルネイ 8. インドネシア 9. タイ 10. ベトナム ミャンマー 12. フィリピン 13. インド 14. 中

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

維持期におけるイヌ用手作り食の 栄養学的な問題とその解消 清水いと世 第 1 章緒論総合栄養食は 毎日の主要な食事として給与することを目的とし 当該ペットフード及び水のみで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養的にバランスのとれたもの とされており 国内のイヌ用の総合栄養食の品質規格と

条例施行規則様式第 26 号 ( 第 46 条関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 平成 30 年 6 月日 長野県知事 様 提出者 住 所 東御市下之城畔 ( 法人にあっては 主たる事業所の所在地 ) 氏 名 川西保健衛生施設組合長花岡利夫 ( 法人にあっては 名称及び代

設備立体図 リデュース 発生 排出抑制 リユース 再利用 1次熟成槽 リサイクル 予備混合機 再生利用 再資源化 発酵槽 生ごみ混合機 事務所 生ごみ混合機 機械設備 最大処理能力 設備概要 生ごみ 1 000kg 日 剪定枝 1 250kg 日 生ごみ混合機 1 軸混合型 2 670kg 日 発

H24/08/00

島根畜技セ研報 44:1~5(2016) 乳牛の低カルシウム血症予防のためのイネ発酵粗飼料における DCAD 調整手法の検討 1) 安田康明松浦真紀岩成文子 布野秀忠 要約飼料用イネのイオンバランスに着目し 無機成分および DCAD から陰イオン性について分析評価した 結果は 品種として リーフスタ

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資源循環型畜産 (Ⅱ) 久米新一 京都大学大学院農学研究科

資源循環型畜産 1. 人と競合しない草 副産物等の利用 2. 糞尿の利用と環境保全 3. 牛の健康な飼養法と安全な畜産物 土ー草ー牛ー糞尿の資源循環系環境にやさしい家畜管理

未利用資源の有効利用 1. 農産 水産未利用資源 ( 廃棄物 ) 2. 安全性を考慮した利用 耕畜連携による資源循環型畜産

畜産をとりまく情勢とエコフィード 輸入飼料の価格高騰 ( トウモロコシ 大豆など ) と安全 安心な畜産物生産 配合飼料価格 :43.3 円 /kg( 平 18) 54.0 円 /kg( 平 19.10-12 月 ) 自給粗飼料と国産飼料としての食品残さ ( エコフィード ) の有効活用 ( エコフィードは配合飼料供給安定機構が特許庁に商標登録を出願 )

飼料化資源 食品製造段階 : 米ぬか フスマ ビール粕 焼酎粕 豆腐粕 デンプン粕 ホエイなど 食品加工調理段階 : レストランや給食センターの調理屑など 食品流通段階 : 食用に供しなかった食品 ( 余剰食品 賞味期限切れ食品 返品 ) 売れ残り食品 ( 弁当 パン おにぎり ) 食品消費段階 : ホテル レストラン 給食センター 食堂などの調理済み食品で食用にならなかった食品 加工処理 : 乳酸発酵 ( サイレージ調製 ) 乾燥 ( 加熱乾燥 発酵乾燥 ) 液状化 ( リキットフィーディング )

食品リサイクル法 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 ( 農水省 平成 12 年 以後改正 ) 食品循環資源の再生利用と廃棄物の発生抑制と減量 食品由来資源の有効利用と廃棄物排出抑制 飼料化資源の安全性や栄養特性に基づき 肥料化より価値の高い飼料化を推進する

食品廃棄物の発生とリサイクル 食品廃棄物等の年間発生量 ( 平成 16 年 ): 1135.8 万 t 食品循環資源の再利用率 : 食品産業で 51% ( 肥料化 :20% 飼料化 :17%) 食品残さ飼料 ( エコフィード ) 利用促進 食品リサイクル法の改正による利用 ( 飼料化 ) の促進 ( 飼料自給率の向上 )

食品循環資源の再生利用の現状 食品循環資源の飼料化状況 (H17 年度 ) 業種 食品循環資源の発生量 ( 千トン ) 飼料化の割合 (%) 肥料化の割合 (%) その他 (%) 食品製造業 4,946 37% 37% 27% 食品卸売 744 28% 26% 46% 食品小売業 2,629 9% 13% 78% 外食産業 3,043 3% 7% 90% 計 11,362 21% 23% 57% ( 農林水産省統計部 : 平成 17 年食品循環資源の再生利用等実態調査結果 )

3. 課題と対応 業種別の飼料化推進方向について 業種 発生する資源の種類 飼料化の考え方 食品製造業 食品卸売 食品小売業 一般家庭 米ぬか 米麺かす ハ ン屑 豆腐粕 菓子屑 醤油粕 焼酎粕 ビール粕等 調理屑 食べ残し 廃食用油 回収弁当等 調理屑 果物の皮 茶粕 食べ残し 腐敗した食品等 品質 内容が明らかで 大量に安定供給されることから飼料への再生利用を促進 異物混入 品質劣化 栄養成分のバラツキ等があり 分別と衛生的管理が必要 品質 供給面での安定性を確保し 飼料利用を促進 家庭ごとに品質 内容等が不明 発生が少ない 腐敗物や異物の混入の可能性が高い等 飼料としての利用は制約が大

飼料安全法 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律 ( 農水省 昭和 28 年 以後改正 ) 飼料及び飼料添加物の製造等に関する規制 飼料の公定規格及び表示の基準 飼料の安全性の確保及び品質の改善をはかり 畜産物等の生産の安定に寄与する

食品安全基本法 ( 平成 15 年 ) 食品健康影響評価の実施 ( リスク評価 ) 食品健康影響評価の結果に基づいた施策策定 ( リスク管理 ) 情報及び意見交換の促進 ( リスクコミュニケーション ) 食品の安全性の確保に関する基本理念 関係者の責務 役割の明確化 基本方針の策定により 施策を総合的に推進する

食品産業と畜産農家等のマッチング 畜産部の情報 エコフィード事業所及び製造量 農家のエコフィード利用についての意向 総合食料局の情報 再生利用登録者 年間 100t 以上の排出事業者の把握 情報の統合による利用の促進 リサイクル ループ形成の概要 畜産物 消費者に販売 排出 食品循環資源 スーパー 百貨店等 エコフィード 畜産農家 飼料給与 飼料化施設 飼料化

エコの森京都 ( 長岡京市 )

スーパーからの食品残さの搬送

エコフィードの製造と袋詰め 天ぷら方式

エコフィード ( 兵庫県 )

エコフィードの材料

エコフィード

リキッド飼料の調整 ( 畜草研 三津本氏 )

14 (mg MDA/kg 肉 ) 2.5 彩度 12 10 8 6 4 脂質酸化 2.0 1.5 1.0 2 0.5 0 0.0 対照ビタミン E 給与対照ビタミン E 給与 図 2. 豚生肉の彩度と加熱肉の脂質酸化に及ぼすビタミン E 給与の影響 ( 対照区とビタミン E 給与区の間に 0.1% 水準で有意差有り )

茶殻サイレージ給与 ( 畜草研 三津本氏 )

ニンジンサイレージの利用 ニンジンは畑で出来たもののおよそ半分が規格外として捨てられる ニンジンサイレージは品質がよく 給与すると血液と牛乳中のベータカロテンが増えた

初乳中濃度 (μ g/dl) 血漿中濃度 (μ g/dl) 図 ク ラス及びコーンサイレーシ 主体給与牛の 分娩時の初乳 血漿中ヒ タミン濃度 300 ク ラスコーン 300 ク ラスコーン 250 250 200 200 150 150 100 100 50 50 0 ビタミン A β ーカロテン 0 ビタミン A β ーカロテン 血漿中の脂溶性ヒ タミン濃度は飼料によって変動しやすい

北海道の漁業廃棄物発生量 -- ホタテガイ貝殻の有効利用 北海道の漁業生産量 その他 23% イカ 6% コンフ 7% サケ 9% 生産量 166 万 t ホッケ 10% ホタテカ イ 24% スケトウタ ラ 21% 漁業廃棄物発生量 イカ内臓 3% 魚類残渣 36% その他 11% 発生量 40 万 t ホタテ内臓 10% ホタテ貝殻 40% ( 北海道水産林務部資料 平成 11 年 )

ホタテガイ廃棄物とその利用 鰓 外套膜 生殖腺卵巣 ( 雌 ) 精巣 ( 雄 ) 貝柱 中腸腺 ホタテガイ各部位の重量比貝柱 : 可食部分 (13%) 貝殻 : 廃棄部分 (52%) 内臓 : 廃棄部分 (24%) 加工残渣 ( 内臓 ) 高 Cd 含有の中腸腺 外套膜 生殖腺などをまとめて廃棄 中腸線の分離 内臓からの Cd 低減 (2.5ppm 以下 ) が必要

漁業廃棄物の飼料化 ホタテガイ 魚類内蔵の利用と安全性評価ホタテガイ内蔵 ( 中腸腺以外 ) の粗蛋白質含量 (80-88%) ホタテガイ 魚類内臓の機能性成分ペプチド エイコサペンタエン酸などの脂肪酸 ペクテノロンなどの色素 ミネラル ビタミン

鶏卵の色 飼料による黄身の色 飼料で色が変わる米 ---- 薄黄色トウモロコシ--- 黄色パプリカ---オレンジ色 品種による殻の色 飼料で変わらない白色レグホン--- 白色ロードアイランドレッド--- 赤色 ( 褐色 )

魚粉の反芻動物に対する利用禁止 1.BSE 発生による飼料安全法 ( 農水省 ) の改正 2. 反芻動物由来タンパク質とともに魚介類由来タンパク質が反芻動物には利用禁止となった ( 罰則規定 ) 法律による規制

動物由来タンパク質等の混入防止 A 飼料 : 飼料等及びその原料のうち 農家において反芻動物 ( 牛 めん羊 山羊及び鹿 ) に給与される又はその可能性のあるものとして 動物由来タンパク質等が混入しないように取り扱われるもの B 飼料 : 飼料等その原料のうち A 飼料以外のもの 飼料等の製造 輸入 流通 保管 給与において A 飼料と B 飼料を適切な方法により確実に分離する

農家における自給飼料利用 1. 低コスト飼料の利用 2. 自給粗飼料 未利用資源の栄養価の正確な把握 自給粗飼料で乳量はどの程度か 飼料中の水分変動 群飼養による摂取量の相違などにより 給与量が設定値より異なる場合がある

飼料給与と乳成分の改善 1. 乳脂率の改善繊維の適切な給与 脂肪酸カルシウムの給与 給与回数の増加 夏季の夜間給与 2. 乳蛋白質率の改善非分解性蛋白質の給与 バイパスアミノ酸の給与 デンプンと蛋白質の適正な比率 TMR による給与とコンピュータによる飼料設計

粗飼料で可能な乳生産量 -- アルファルファ 給与試験 (Tessmann ら 1991) 泌乳期 アルファルファ給与比率 1 2 3 4 5 初期 ( 1-12 週 ) 38.2 48.2 58.2 68.2 98.2 中期 (13-26 週 ) 48.2 58.2 68.2 88.2 98.2 後期 (27-44 週 ) 68.2 78.2 88.2 98.2 98.2 乾物摂取量 kg/ 日 21.6ab 22.5a 21.1ab 20.6b 19.0c 305 日乳量 kg 8641a 8315ab 7453bc 6666cd 5768d 脂肪率 % 3.37b 3.76a 3.63ab 3.69a 3.77a タンパク質率 % 3.20ab 3.24a 3.17ab 3.11ab 3.06b

アルファルファサイレーシ (AS) とコーンサイレーシ (CS) の給与比率 ( 粗濃比 1:1) による乳量 乳成分 (Dhiman ら 1997) AS AS(2/3)+CS AS(1/3)+CS 頭数 25 25 25 乾物摂取量 kg/ 日 20.9 21.4 21.1 305 日乳量 ( 経産牛 ) kg 9593 10170 10024 305 日乳量 ( 初産牛 ) kg 8124 8412 8168 脂肪率 % 3.53 3.67 3.65 タンパク質率 % 3.08 3.15 3.19

混播サイレーシ とコーンサイレーシ 給与牛 の乳生産 ( 大下ら, 北農,1999) A ー 1 A-2 B ー 1 B-2 乾物摂取量 kg/ 日 22.8 23.1 26.3 25.5 配合飼料 13.8 11.6 11.9 11.6 チモシーサイレーシ 9.0 -- -- -- 混播サイレーシ -- 11.6 9.4 -- チモシー乾草 -- -- -- 0.8 コーンサイレーシ -- -- 4.9 13.1 乳生産 乳量 kg/ 日 35.0b36.4a 40.3 38.9 乳脂肪率 % 3.69 3.91 3.91 4.03 タンパク質率 % 3.07 3.17 3.01 3.00

bm3 型トウモロコシ リグニン合成抑制遺伝子をもち 消化性の高い繊維が豊富に含まれている トウモロコシサイレージの多給はルーメンアシドーシスになるため 粗飼料中の 3 割以下 ( 乾物で 5kg/ 日 ) と少ない

トウモロコシサイレージ