平成24年度自給飼料利用研究会資料|酪農生産における暑熱の影響とその対応

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1 酪農生産における暑熱の影響とその対応 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター畜産草地研究領域上席研究員田中正仁 国内の乳用種は そのほとんどが北部ヨーロッパ原産のホルスタイン種であり 東南アジアの高湿高温の環境下においては 生産性低下を招くほどの大きな暑熱ストレスを受けている 暑熱ストレス対策に関する研究は 過去にも盛んに行われており 牛体や畜舎への散水 送風 屋根材の改良 飼料エネルギー濃度の増加 気温が比較的低くなる夜間の飼料給与など様々な対策が研究 実証され 提唱 普及してきた しかし 暑熱による生産性の低下を克服するには至っていない 逆に 乳牛の遺伝的改良による泌乳能力の向上や近年の地球温暖化傾向の影響を受けて これまで暑熱被害が顕著であった西南暖地以外でも 最近では北海道においてまで夏季の暑熱被害が認められており ますます暑熱対策の技術開発に対する要求が高まっている このような状況は 乳牛に限ったことではなく養鶏や養豚 肉牛生産の現場においても程度の差こそあれ共通の問題であるが ここでは酪農生産における暑熱被害の影響と取り得る対策について これまでの研究成果とあわせて最近の研究の一部を紹介する 繁殖能力と暑熱乳牛では 夏季の受胎率の低下が大きな問題になっていることは周知の事実である 暑熱による繁殖性への影響には様々な要因が関与すると考えられる 暑熱ストレスは 発情 1) 2) 持続時間の減少 発情間隔の増加を伴う人工授精適期の見過ごし 人工授精後の着床率の低下等が複合して繁殖成績低下の一因となっている 乳牛においては 乳量増加を目指した育種改良が進むにつれて夏季の初回種付け後の受胎率が10 年間で約 10% 程度も低下していることが報告されている 3) 一般的に乳牛の平均直腸温は 38 前後であるが 気温上昇に伴い環境温度が約 25 を超えると直腸温度も上昇し始め 気温 32 で 39~39.5 にまで上昇する 暑熱対策を行わない飼育環境によっては 外気温が上昇することで直腸温度は 41 近くに達することもまれではない さらに湿度の上昇も体熱放散の妨げになり体内熱蓄積に深く関わっている このように暑熱ストレスを受けた際の深部体温の上昇により 卵巣 子宮といった生殖組織の高温曝露は その組織 細胞に対して一部は酸化ストレスとして作用することが知られている 実際に 暑熱感作が胚内部の細胞内活性酸素濃度を増加させることが報告されている 4) 暑熱により増加した活性酸素種の蓄積により引き起こされるであろう酸化ストレスに対する感受性は 発生が進むにつれて減少し 子宮に到達する時期にある胚盤胞形成期前後では暑熱ストレスによる発生への影響は減少

2 する 人工授精後の母体が暑熱を受けることによって 卵管内で発生を継続している初期胚も暑熱の影響を受け その影響は受精後の早期に顕著であり 受精後の胚発生日数が進んだ時点での母体の高温の影響は 初期よりも少ないことが示唆されている 牛の卵管内における酸化還元環境では 卵管液に含まれる還元性成分であるGSH 濃度および抗酸化酵素であるスーパーオキサイドディスムターゼ活性は夏季に低下するようである 生体が受けた暑熱ストレスは 胚自身のみではなく 母体側の卵管内酸化還元環境悪化にも影響し その結果 暑熱感受性の高い発生初期胚の発育低下にも深く関わっていると考えられる 育成牛と暑熱育成牛の成長と暑熱の関係については 研究は少なくない 体感温度と乾物摂取量には負の相関があり 体感温度が 1 上昇することで 1 日の乾物摂取量が約 0.5kg 低下し 結果として日増体量が約 0.12kg 低下するとされている 5) 近年 気候変化メッシュデータの将来予想値と環境温湿度 体感温度と乾物摂取量と増体量との関係から 温暖化に伴う育成牛の増体低下についての報告がある 熊本県においては RH が現在と同じ場合でも 2060 年代には乾物摂取量で9% 低下 増体量で 20 % 低下し RH が 10 ポイント上昇した場合の影響はさらに大きく 2060 年代には乾物摂取量で 12 % 低下 増体量で 27 % 低下するとされている 5) しかし 北海道においては RH が 10 ポイント上昇する 2060 年代においても乾物摂取量および増体量は低下しないことが示されている 5) また 過去 10 年間の育成牛の増体成績と環境温度との関係を解析することにより 月齢別では 5-6 ヶ月齢時および 9-10 ヶ月齢時おいて 暑熱による増体低下は顕著になることが報告されている 増体曲線から見ると 5-6 ヶ月齢時は 増体の加速度が変化する変曲点に当たり 体内で大きく代謝が変化する時期とみらる また 9-10 ヶ月齢時は 性成熟に向けたホルモンバランスの変動による代謝変動の時期に当たり ともにその代謝変動に対して暑熱が影響していると考えられる この時期に暑熱の影響を受けて増体が低下した育成牛は その後の成長にも影響を及ぼして 10 ヶ月齢時以降においても暑熱暴露を受けていない個体との間に有意な体重の低下 増体の遅延がみられ暑熱の影響は残存することが示されている このことは その後の人工授精開始時期にも影響を及ぼしかねず 生涯生産性に直接影響することになる 泌乳と暑熱泌乳成績と高温環境 暑熱との関係に関する研究は多い 生産量が多く代謝活性が高い経産牛では日平均気温が 21 度超えると乾物摂取量が低下し始める 6) 生産量の低い初産牛では乾物摂取量の低下が 23 度を超えると始まる 6) この飼料摂取量の低下を補うために飼料のエネルギー濃度を高めることが推奨されているが エネルギー摂取量を補完できるのはせいぜい日平均気温が までである 日平均気温が 28 を超えるような暑

3 熱下においては 送風 散水 夜間給与などの他の暑熱対策との併用によっても 飼料摂取量の低下 泌乳生産量の低下は免れない 一乳期 約 10 ヶ月間を一定の温度で飼育することは 自然環境下ではあり得ないので泌乳成績と環境温度との関係を正確に解析することは難しい そこで 一つの試みとして 当センター (6-9 月の日中は牛舎内で細霧送風 夜間は放飼 ) で過去 10 年間に分娩した泌乳牛について 分娩後の乳期 10 ヶ月間を一月ごとに分割し その月の泌乳量と一月平均の気温と湿度を一組のデータとして並び替え 仮想的に一乳期期間の温湿度指数を一定とした泌乳成績を構築して それぞれの温湿度指数に対する泌乳成績の比較を試みた この考え方は 当月の泌乳成績が前月の温湿度指数の影響を受けないことが条件である しかし 実際にはそのようなことはなく 泌乳成績は前月の気象条件の影響を強く受けると考えられるので 結果の評価には留意が必要であると思われることを付け加えておく 温湿度指数が 40 から 80 までを 10 ごとに分割しておのおのの泌乳曲線を作成したところ 初産牛 経産牛ともに 平均値に対する偏差が大きいため期間の温湿度指数による顕著な統計的有意差は見られなかった 一乳期の平均泌乳量では 初産牛が温湿度指数 で最も高く 次いで そして で最も低く の時の約 96% であった 経産牛では 温湿度指数が で泌乳量がもっとも高く 次いで そして で低下して の時の約 93% に低下した 分娩後の月数別で見ると もっとも温湿度指数が低い と最も高い の時の比率で見た場合 初産牛では 分娩後 7 ヶ月以降に暑熱の影響が大きくなり 約 10% 程度の乳量低下となった また 経産牛では 泌乳初期では約 5% の低下となり 5 ヶ月以降には 8-13% 程度の低下が認められた 初産牛 経産牛ともに泌乳後期に暑熱による乳量低下が大きいことが示唆された 酸化ストレスと暑熱直腸温度が上昇するような暑熱環境下では 体内の酸化ストレスは亢進していることが知られている 酸化ストレスの亢進は 代謝を支えている種々の反応をかく乱するとともに タンパク質や脂肪 核酸などの生体にとって重要な分子種を酸化修飾し 正常な機能を阻害してやがて細胞死 器官死 生体死につながる 7) 暑熱環境下の乳牛では生殖細胞および生殖器官において酸化ストレスが亢進していることは前述の通りである さらに泌乳牛個体レベルにおいては 血液中の還元性成分や酸化物の濃度から酸化ストレスの程度を推定できると考えられる 還元性成分の一つであるスルフヒドリル基は自身が酸化されることで相手物質を還元する能力が高いことが知られている 泌乳牛の血中スルフヒドリル基濃度は そのほとんどが血清アルブミンに由来すると考えられている そのスルフヒドリル基の濃度は 夏季に低値を示し 冬季に高値を示すことが報告されている 8) また 血中において水溶性還元性のビタミンであるアスコルビン酸の濃度についても 夏季に低下し 冬季に上昇することが知られている 8) そして 血中のスルフヒドリル基およびアスコルビン酸濃度と日乳量との間には正の相関関係が認められており さらに 乳房炎発

4 症牛ではスルフヒドリル基濃度の低下が認められている ( 図 1) これらのことは 個体レベルの酸化ストレスが泌乳生産性と密接な関係にあることを示唆している それでは この酸化ストレスをコントロールすることは可能であろうか 比較的ルーメンバイパス性が高いとされる脂溶性成分で還元能力の高いビタミンEを泌乳牛に対して経口投与するとその血中濃度は約 4 倍に増加したことが報告されている また ルーメンバイパス性が低い水溶性ビタミンのアスコルビン酸を投与した場合でも血中のアスコルビン酸濃度は上昇する傾向が認められている しかし 還元性物質の給与とその血中濃度の上昇が酸化ストレス全体をどのように低減しているかについては 不明な部分が多く残っている 対策技術酪農現場における暑熱対策技術はこれまでも数多く提唱されてきた 散水 日陰利用 送風 屋根の白化など周辺環境の整備に関するもの 細霧 送風 牛床 高エネルギー飼料 ビタミン ミネラルの補給 剃毛 削蹄 飲水の確保など直接牛に関するものなどいろいろあるが どれも決定的な効果を示すことはなく 複数の対策を上手に組み合わせて対策としているものが多い 繁殖に関しては 受胎率の低下に歯止めをかけることが急務である 確かな発情の発見と授精適期の判定 そして 授精直後の暑熱感受性が高い時期のケアー さらに 生殖器官 生殖細胞の酸化ストレス低減が重要となってくるであろう 育成については 特に暑熱感受性が高いと考えられる 5-6 ヶ月齢 9-10 ヶ月齢時における暑熱対策の強化やこの時期を高温期間からずらすような繁殖管理も有効かもしれない 泌乳牛については 泌乳後期が高温期間に当たらないような繁殖管理や高温期間の酸化ストレス対策が有効であろう 全体に共通する酸化ストレス対策として 還元性成分を多く含む飼料の給与が必要である これらの中には 補助飼料として市販されているもの以外にも ミカン粕やニンジン粕 茶殻などの還元性成分に富んだ食品加工残渣の利用も低コストで効果が期待できると思われる また 髙アントシアニントウモロコシのような抗酸化成分を多く含んだ粗飼料品種の利用も将来的には考えられる 酪農現場では 時代の変遷とともに強くコストパフォーマンスが求められる それぞれの経営状況 経営方針にあわせて 複数の暑熱対策を取り込んでいくことになるであろう おわりに 暑熱環境下の酪農現場では 暑熱対策が重要なウェイトを占めることになる しかし

5 暑熱対策は日常の飼養管理と別個のものではなく 完成度の高い日常管理の上に積み上げてこそ充分な効果を発揮するものである 決して日常管理をおろそかにしてはいけないことをあらためて肝に銘ずるべきである その根幹をなすものは 草食反芻家畜にとって必須である粗飼料である 高品質な粗飼料を充分量給与することができていれば牛群の暑熱感受性も低下し 暑熱対策にかけるコストも少なくてすもと思われる 暑熱対策について考えることを期に 今一度 飼養管理全体の精査をしてみてはどうだろうか 1) Monty DE Jr, Wolff LK., Am J Vet Res., 35, (1974) 2) White FJ et al., J Anim Sci., 80, (2002) 3) Lopez-Gatius F., Theriogenology, 60, (2003) 4) Sakatani M et al., Mol Reprod Dev, 67, (2004) 5) 野中ら 研究成果情報 畜産草地 (2006) 6) 農林水産省農林水産技術会議事務局編, 日本飼養標準 乳牛, 中央畜産会,63-65 (2006) 7)Poulsen HE, Experimental and Toxicologic Pathology 57, (2005) 8)Tanaka et al, Animal Science Journal, 78, (2007)

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