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間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

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ン ノートとしてまとめる予定に くりのスケジュールに合意するこ させ パリ協定が発効するという なっています 今回のAPAセッ とでした 流れが想定されていました とこ ションで決定文書案としてCOPに もともとパリ協定は2020年か ろがパリ協定が記録的短期間で発 送られたのは 議題番号8 b で

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はじめに 地球温暖化は私たちの未来を左右する重大な問題です その対策は急務であり 消費者も対策に参画していくことが不可欠です 国は昨年 12 月に開かれたCOP15 などの国際交渉に取り組み 日本全体の温室効果ガス削減目標やその対策の策定が行われていることは知られています しかし 私たちが日々生活し

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Transcription:

COP15 日本政府の交渉とこれからの課題 2010 1 21 浅岡美恵気候ネットワーク代表 弁護士 気候ネットワーク http://www.kikonet.org/ 1

COP15 2 目標を共有し 低炭素経済への移行その途上 第 1 歩を踏み出した京都議定書 (COP3 1997 年 ) 先進国全体で 5.2% 削減 法的拘束力ある国別数値目標 京都メカニズム 報告 遵守制度など京都議定書の基本骨格は今後も必要な柱 京都議定書発効 (2005 年 ) を受け 2013 年以降の枠組合意プロセスへ AWGKP,G8 などで積み上げ究極目標 ピークアウト時 中長期目標 07 12 インドネシア バリ COP13 アウトライン確認 09 7 9 ラクイラサミット 2 +2050 年 80% 確認 09 11 19 鳩山首相 オバマ大統領とともに 各 2050 年 80% 目標を目指す 中国 インド ブラジルなど中期目標を表明 しかし G20 MEF の合意とならず 地球規模での低炭素経済社会への分岐点 COP15 はその途上 世界は削減に向かう そのなかで 先進国と途上国の削減分担 支援にギャップ 途上国は排出増での成長戦略 日本は出遅れたが 世界は削減に 国際合意の COP16 までの延長を機に 確固とした国内制度を構築 国際競争力 外交力 低炭素経済化のチャンス 2

COP15 対立点と日本 2 目標 現状から 又は産業革命前から'0.74 ( ' 日本?( 2 ではなく 1.5 に ' ツバルなどAOSIS) 先進国削減目標 ( アメリカを含む ( と途上国の公平性 ' 削減量と経路 ( 'G77*CHINA( 先進国の2050 年 80% は不十分 先進各国の2020 年の申し出目標は不足 一人当たり排出量を基準に' 一人当たり歴史的排出量 ( ' 日本 : 地球規模での限界削減費用均等?( 途上国の参加の義務付け MRV 途上国は自主的設定 BAU からの原単位目標 将来の増加を見越し 目標を引き上げ 法的拘束力のある文書による約束へと どう導くか ' 先進国 ( 法的形式 京都議定書と LCA の二つのトラックで ' 途上国 ( 京都議定書第 2 期延長そのもの あるいはそれだけでは受け入れられないとの趣旨 ' 日本? EU? アメリカ?( 遵守制度 先進国の削減目標に法的拘束力なし ' アメリカ 日本も?( 資金 規模と資金源 ' 数倍の差 ( 25% 削減目標 日本の 条件 ' 京都議定書のみ 合意なしの場合?( 3

科学の要請 バリ合意 etc と日本の 25% 削減目標 (IPCC の 2020 年 2050 年目標に幅 吸収源の扱い ) 麻生政権 鳩山政権 4

COP15 に向けた日本政府の方針と対応 (1) 2 目標 長期目標法的拘束力のないビジョンに止める CHA では 2 目標の認識のみ 産業革命前からこれまでの 0.74 は? 世界で半減目標は途上国が 先進国の 2050 年 80% 削減目標は先進国が ともに入れなかった 世界で半減 先進国 80% 削減 途上国の主張との乖離は大 途上国は 2050 年に現状から 20% 減となり 一人当たり排出量で先進国の半分 一人当たり累積排出量では先進国の 4 分の 1 先進国平均途上国平均 ' 一人当たり ( 1850~2050 1206t 330t 先進国は 2050 年 95% 削減 2020 年には 40% 以上の削減を求める 5

COP15 に向けた日本政府の方針と対応 (2) アメリカの削減 主要途上国の削減を 日本と共通の法的文書で次期枠組みは 単一の法的拘束力のある枠組み そのために 新たな交渉プロセスの立ち上げ ' 産業界の要請を受けて ( 11 日 AWGLCA AWGKP 議長の決定案の提示は 京都議定書第二約束期間を前提とし 途上国の削減行動 MRV が不十分等として AWGLCA の審議を止めようとした '12 日化石賞 ( AWGKP の議長案 COP agreed that for those Annex I Parties that are Parties to the Kyoto Protocol, the quantified economywide emission reduction objectives shall be those adopted for the second commitment period under the Kyoto Protocol inscribed in Annex B of the Kyoto Protocol as amended and also listed in appendix I to this decision; 6

コペンハーゲンアコード 先進国目標と京都議定書 Annex I Parties that are Party to the Kyoto Protocol will thereby further strengthen the emissions reductions initiated by the Kyoto Protocol.' アコード第 4 項 ( 第 2 約束期間の京都議定書の目標とはされなかった 'AWGL CA の決定議長案からの変化 ( が コペンハーゲン アコードは京都議定書の第 2 約束期間について何も述べていない 京都議定書の第 2 約束期間日本は 京都議定書の次期枠組み ' 目標の法的拘束力 不利益措置を伴う遵守制度など ( を次期枠組みからはずしたいのが本心なのではないか? 7

COP15 に向けた日本政府の方針と対応 (3) 法的拘束力のある文書 とは legally binding treaty (instrument) legally binding commitment? 不利益措置を伴う強制的 遵守制度 ではなく 履行促進型 MRV コペンハーゲン アコード先進国も自主設定目標 拘束力なし 既存の MRV コペンハーゲン アコードは COP に take note これを支持する国にとっての約束 1 月 31 日の提出期限への各国の対応? 中国 インド ブラジル 南アなどを引き寄せるための役割? 8

COP15 に向けた日本政府の方針と対応 (4) 適応と排出削減の資金 ) 短期資金クールアース パートナーシップを基本 )2013~2020 具体案を持って COP に臨まなかった 2012 年までの資金対応 16 日に追加支援案を発表 中長期資金は削減に対するものを含み 途上国の削減行動とセットとなるもので 先進国全体で年 1000 億ドルの提案 コペンハーゲン グリーン 気候変動基金? 資金問題は不可避 国内世論の理解と安定的資金供与と先進国の削減義務との関係への提案が必要 9

COP15 に向けた日本政府の方針と対応 (5) 法的合意形成の場 AWGLCAとAWGKPを統合して新たに一つのプロセスを としてきたが COP15の結果は 次期枠組み交渉で主要途上国の削減義務化は拒否し 先進国の削減目標を定めた京都議定書の継続は強く求める姿勢 一人当たり排出量 ' 歴史的累積排出量 ( をもって公平性の論拠とする姿勢も強固 公平性の唯一の指標ではないが 無視しえない重要な指標の一つ 舞台は コンセンサスを要する国連の場 or 有志諸国の場? 193ヶ国の参加 110ヶ国以上の首脳参加の会議でのコンセンサスは今後も困難が伴うが G8 G20 アコード賛同国会議などは拘束力のない場 参加の確保 議論の進展が約束されず 主催も困難 これらは補助的場にとどまるのではないか COPでAWGLCA,AWGKPの継続を確認 COP16への報告なし時間の限られるなかで 透明性と議論の効率的集約を図る工夫 ' 代表性の担保手続き ( をして 国連交渉会議の場を最終合意 の場とせざるを得ないのではないか 次期目標期間との間の空白期間の回避 連続性が 2 にも重要 途上国のボトムラインは固く 次期枠組みは 二つのトラックを活用しての最大限の拘束力ある合意を目指すことが不可避なのではないか 10

変化する排出割合がもたらす変化 CO2 排出量 [ 億 t-co2] 0 100 200 300 400 産油国, 6.0% ア ブラジ インドネシア, 4.0% インド, 5.8% その他途上国, 8.8% 中国, 23.4% 世界のCO2 排出量 2008 年 アメリカ, 18.7% EU15, 10.6% 日本, 4.3% その他 OECD, 7.6% 旧ソ連東欧, 10.9% 2006 2007 2008 アメリカ EU15 日本 その他 OECD 旧ソ連東欧 中国 インド 南ア ブラジル インドネシア産油国 米国国立オークリッジ研究所 ( 速報 ) その他途上国 11

空白期間を設けず 主要途上国を含む枠組み合意形成へ日本の貢献に不可欠のもの ビジネスマインドとして 中国 US の低炭素経済への動きの一歩先をいっているか 国内成果実績を基礎に アジアでの既存技術による省エネ成果を示す必要 コペンハーゲン アコードの実施 25% 削減表明を 目標引き上げに再度活用できる機会 1 月 31 日中期目標の提出での対応? すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意 を前提とする 25% 削減提案の趣旨 国内排出削減目標を明示する時期 25% 削減目標達成を担保する政策 制度を構築し 国際社会に提示 中国 : 日本に実現性に欠けると指摘 今通常国会で基本法の制定 C&T, 炭素税 再生可能エネルギー買取制度など 主要政策の骨格を盛り込むこと ) 欧米諸国の立法レベルは具体的執行法レベルでの法制化を了 12

IPCC 科学国際社会ドイツ '30(40)%( イギリス '34%( アメリカ日本 '8%( 1990 第 1 次報告電力引取法天然ガス転換地球温暖化防止行動計画 1992 気候変動枠組条約条約事務局誘致 1995 第 2 次報告 COP1 COP1 1997 COP3 京都議定書経団連自主行動計画 1999 炭素税導入 ( 推進法 ( 2000 再生可能 E 法ブッシュ政権 2001 第 3 次報告 COP6 ボン合意 CCL 協定 ETS 2004 EEG 強化 2005 京都議定書発効 EU ー ETS RPS' 目達 ( 2006 科学から政治へ 主要国は国内制度を整備し国際合意を主導 世界の低炭素経済への移行への挑戦と日本の失われた 20 年 2007 第 4 次評価報告 COP13 バリ合意 統合的エネ 気候プログラム EU 政策パッケージ 上院での ETS 法案提出 RPS 気候変動法案 RPS EU 政策パッケージ 2008 オバマ政権へ RPS 英国気候変動法英国気候変動法 2009 COP15 W-M 法案 RPS*FIT K,B 法案 13 学芸出版社 世界の地球温暖化対策 '2009 年 8 月 ( 参照

25% 削減目標達成のための提案続々 気候ネットワーク地球温暖化対策税と国内排出量取引制度の提案 (9 30( 'http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2009-09-30a.html( 気候ネットワーク国内 25% 削減を 余裕をもって実現する道筋と可能性 '11 10( 'http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2009-11-10.html( 日本弁護士連合会排出量取引制度の具体的制度設計に関する意見書 (10 20( 'http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/090508.html( 東京都キャップ & トレードの全国導入についての提案 '11 27( ' http://www.metro.tokyo.jp/inet/oshirase/2009/11/20jbr400.h tml( WWF ジャパン脱炭素社会へ向けたポリシーミックス提案 (11 27( 'http://www.wwf.or.jp/activities/2009/11/775527.html( 14

まとめ 主要国首脳は COP の結果にかかわらず中長期的大幅排出削減の実施を COP15 で表明 政権交代と 25% 削減目標の堅持は日本の温暖化対策の根本的転換と世界の合意形成に貢献するチャンス 25% 目標を国内削減で達成することは 日本の将来の国際競争力を高め 国内経済再生のチャンス そのために 国内制度の整備が急務 途上国の削減 適応への支援は不可欠 国民の理解を深め 日本とアジアの関係を再構築するチャンス 2013 年以降の脱温暖化への枠組みづくりは 国際政治のトップレベルの課題であり続ける 当面の交渉にかかわらず 国内政策制度化と実施! 15