スライド 1

Similar documents
Taro-文書1

スライド 1

大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保


目次 1 防衛装備品調達の概要 2 防衛省の品質管理体制 3 今後の取組 2

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

新 日米防衛協力のための指針 ( ガイドライン )

防衛装備庁 ( 地方調達 ) 本庁が行う随意契約への新規参入の申し込みについて 一部改正 公示第 号 公示第 7 4 号令和元年 8 月 1 日 支出負担行為担当官防衛装備庁長官官房会計官付経理室長竹田義博 別添の対象契約一覧表に掲げる契約は 次のアからキのい

自衛隊の補給支援活動に関する特別世論調査 の要旨 平成 21 年 3 月内閣府政府広報室 調査時期 : 平成 21 年 1 月 22 日 ~2 月 1 日調査対象 : 全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 ( 率 ):1,684 人 (56.1%) 1 補給支援活動の認知度 平成 21

PowerPoint プレゼンテーション

研究開発評価会議資料

2 新中期防の意義 防衛力整備は 最終的には各年度の予算に従い行われるが 国の防衛が国家存立の基盤であるとともに 装備品の研究開発や導入 施設整備 隊員の教育 部隊の練成などは短期になし得ないことなどを考えれば 防衛力整備は 具体的な中期的見通しに立って 継続的かつ計画的に行うことが必要である この

( 別紙 ) 中期防衛力整備計画 ( 平成 23 年度 ~ 平成 27 年度 ) Ⅰ 計画の方針平成 23 年度から平成 27 年度までの防衛力整備に当たっては 平成 23 年度以降に係る防衛計画の大綱 ( 平成 22 年 12 月 17 日安全保障会議及び閣議決定 ) に従い 即応性 機動性 柔軟

自衛艦の艦内の編制等に関する訓令

~ 海上自衛隊の任務 ~ 海上自衛隊は 海上からの侵略に対し国土を防衛するとともに 我が国周辺の海域における海上交通の安全を確保することを主な任務としています また 大規模災害への対応や ソマリア沖アデン湾における海賊対処活動 国際平和協力業務 国際緊急援助活動など 国際社会におけるより安定した安全

ている これに加えて 中国は 軍の艦艇や航空機による太平洋への進出を常 態化させ 我が国の北方を含む形で活動領域を一層拡大するなど より 前方の海空域における活動を拡大 活発化させている こうした中国の軍事動向等については 我が国として強く懸念してお り 今後も強い関心を持って注視していく必要がある


スライド 1

平成 31 年度以降に係る防衛計画の大綱について 位置付け 意義 防衛計画の大綱 ( 大綱 ) は 各種防衛装備品の取得や自衛隊の運用体制の確立等は一朝一夕にはできず 長い年月を要するため 中長期的見通しに立って行うことが必要との観点から 今後の我が国の防衛の基本方針 防衛力の役割 自衛隊の具体的な

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

127 通信維持費(統幕)

インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

また 前提となる衝突や紛争といった脅威が不明確であり 在日米軍 海兵隊の出動が見込まれる事例をはじめ 具体的な説明がなく 抽象的である このような内容では 県外移設 ができない理由が説明されているとは言えず 県民の納得のいくものではない 鳩山前総理は 昨年 5 月の記者会見において 何とか県外に見つ

新たな防衛計画の大綱 中期防衛力整備計画 ~ 統合機動防衛力 の構築に向けて ~ - 目次 - Ⅰ 戦略 大綱 中期防の位置付け等 2 Ⅱ 我が国を取り巻く安全保障環境 10 Ⅲ 我が国の防衛の基本方針 16 Ⅳ 防衛力の在り方 26 Ⅴ 防衛力の能力発揮のための基盤 43 Ⅵ 中期防衛力整備計画

国内生産技術基盤喪失による運用支援への影響

戦闘行動半径内の周りの軍区からも応援が来たとしても全体の 2 分の 1 程度になるため 東シナ海で戦える機体は約半分の 70 機程度が上限と考えられます 整備能力も空自よりかなり低く 一度戦って帰還した機体を整備して再度戦闘させる能力はないといわれる さらにパイロットの技術や作戦能力も 米軍と頻繁に

防衛省提出資料

「複雑さに備える」

Microsoft PowerPoint - 資料2 防衛省資料(セット).pptx

スライド 1

この審査において点検を行っているのは 次の項目である 政策の実施により得ようとする効果はどの程度のものかなど 具体的に特定され ているか ( 事前評価の結果の妥当性の検証について ) 事前評価については 政策効果が発現した段階においてその結果の妥当性を検証すること等により得られた知見を以後の事前評価

382 機動戦闘車

2/5 1. 標準機体に加え 特別装備品に係る改修等に要する経費について 合理性 妥当性が確認され 十分に説明責任が果たされているか 1. 標準機体 特別装備品の調達価格の合理性 妥当性 (1) 航空機の機種選定にあたっては 公表データ及び独自調査に基づき比較検討が行われ 海上保安庁の装備 技術開発

1/5 総括調査票 事案名 (36) 予備自衛官制度の運用 調査対象予算額 平成 24 年度 :8,049 百万円平成 23 年度 :8,081 百万円 所管防衛省組織防衛本省会計一般会計 調査区分 取りまとめ財務局 本省調査 - 1 調査事案の概要 事案の概要 予備自衛官制度は いざという時に必要

2 各国の動向 米国 : 世界最大の総合的な国力 中露等との 戦略的競争 同盟国等に対し 防衛のコミットメントを維持するとともに 責任分担の増加を要求 NATO: ハイブリッド戦 への対応 国防費を増加 中国 : 透明性を欠いた軍事力の強化 新領域の優勢確保を重視 一方的な現状変更の試み 東シナ海で

4章防衛装備 技術に関する諸施策413 平成 30 年版防衛白書第第 Ⅲ 部 国民の生命 財産と領土 領海 領空を守り抜くための取組 第 2 節 防衛生産 技術基盤の現状と防衛生産 技術基盤戦略 技術的優越を確保し 優れた装備品を効果的 効率的に創製するに当たっては それを具現化するための優れた防衛

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word 特報・インドの海洋進出

平成 28 年度革新的造船技術研究開発補助金の採択結果概要 補助対象 :IoT AI 等の革新的な技術を用いた 生産性向上に資する造船技術の研究開発 ( 補助率 :1/2 以下 ) 事業予算 :0.9 億円 ( 平成 28 年度 2 次補正 ) 7 億円 ( 平成 29 年度要求中 ) 採択案件 :

護衛艦におけるCOGLAG推進プラントの搭載技術の確立_1105.docx

スライド 1

自衛隊の新たな統合運用体制への移行計画 米軍の変革と世界的な態勢の見直しといった 日米の 役割 任務 能力に関連する安全保障及び防衛政策における最近の成果と発展を 双方は認識した 1. 重点分野 この文脈で 日本及び米国は 以下の二つの分野に重点を置いて 今日の安全保障環境における 多様な課題に対応

Microsoft PowerPoint - 【参考配布】広域.pptx

日米同盟:

<92508F838F578C76955C81408EE88E9D82BF8E9197BF2E786C7378>

再就職審査室長 : ( 渡部悦和陸将の株式会社富士通システム統合研究所への再就職について 資料に基づき説明 ) 委員 : この安全保障研究所については 何名位の研究員がいて どういう前歴の方が勤務されているのでしょうか また 富士通という民間企業の中の研究所ということですが 行っている研究は 国ない

資料3 船舶ワーキンググループにおける検討方針等について

制海権を握る 常続監視.11 式短距離地対空誘導弾.P3C 改 SH-60K SH-60J 改新哨戒ヘリの開発. イージス システム搭載護衛艦 ( DDG ) の建造. 護衛艦の延伸. 潜水艦の建造 艦齢延伸.12 式地対艦誘導弾. 海上作戦センター横須賀新庁舎. 可変深度ソーナーシステムの開発.

124 1

1 自衛隊に対する関心 問 1 あなたは自衛隊について関心がありますか この中から 1 つだけお答えください 平成 30 年 1 月 関心がある ( 小計 ) 67.8% 非常に関心がある 14.9% ある程度関心がある 52.9% 関心がない ( 小計 ) 31.4% あまり関心がない 25.9%

1 監督 検査の意義監督 検査は 会計法 に基づき 契約の適正な履行を確保するための手段です 監督は 通常 製造又は役務の請負契約の履行過程において 必要な立会 工程管理 材料 部品等の審査又は試験 細部設計書の審査 承認等の方法により 検査では確認できない部分について 契約物品に対する要求事項が確

わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言 2009 年 7 月 14 日 ( 社 ) 日本経済団体連合会 本年 4 月 北朝鮮が国連安全保障理事会の決議に違反して長距離弾道ミサイルを発射し 5 月には地下核実験を行うなど 北東アジアの安全保障環境は緊迫化している こうした安全保障環境のもとにおいて 防

PowerPoint プレゼンテーション

新たな防衛計画の大綱に向けた提言

防衛関係予算のポイント 30 年度予算編成の基本的な考え方 1. 中期防対象経費については 中期防衛力整備計画 に沿って 周辺海空域における安全確保 島嶼部に対する攻撃への対応 弾道ミサイル攻撃等への対応等に重点化を図るとともに 装備品の調達の効率化等を通じてメリハリある予算とする 2. 防衛関係費

<836F F312E706466>

Microsoft Word - ピンナップ資料_1-4P_.doc

平成 31 年度防衛関係費 ( 概算要求 ) 等について 平成 3 0 年 9 月 防衛省

テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

~ 海上自衛隊の任務 ~ 海上自衛隊は 海上からの侵略に対し国土を防衛するとともに 我が国周辺の海域における海上交通の安全を確保することを主な任務としています また 大規模災害への対応や ソマリア沖アデン湾における海賊対処活動 国際平和協力業務 国際緊急援助活動など 国際社会におけるより安定した安全

防第 Ⅲ 部 国民の生命 財産と領土 領海 領空を守り抜くための取組 図表 Ⅲ-3-4- 装備品の調達単価及び取得数量の状況 調達単価の状況 74 式戦車 : 約 3.9 億円 ( 平成 年度契約 ) (. 倍 ) 式戦車 : 約 億円 ( 平成 年度契約 ) おやしお型 : 約 億円 ( 平成 年

他国との共同訓練 演習強化の例 他国との新しい訓練 演習への参加 P-3C 哨戒機の米国 ( グアム ) 派遣 P-3C をグアム等に派遣し 各種戦術技量の向上を図るとともに 米海軍との信頼関係を強化 日印捜索 救難訓練 ( 調整中 ) US-2 を印へ派遣し 捜索 救難に関する技量の向上を図るとと

特集平成 30 年度予算特集 2 図表 1 防衛関係予算の推移 ( 億円 ) 54,000 52,000 50,000 48,000 中期防対象経費 (SACO 米軍再編経費等を除く防衛関係費) SACO 米軍再編経費 政府専用機関連経費 50,541 49,801 (+1.5%) ,8

<4D F736F F D20328D5A5F926E88E68CA48B8689EF5F31328FCD5F8FAC924A90E690B62E646F6378>

( 別紙 ) 中期防衛力整備計画 ( 平成 26 年度 ~ 平成 30 年度 ) Ⅰ 計画の方針平成 26 年度から平成 30 年度までの防衛力整備に当たっては 平成 26 年度以降に係る防衛計画の大綱について ( 平成 25 年 12 月 17 日国家安全保障会議及び閣議決定 以下 25 大綱 と


< FC C8EAE A FA8DB791D682A694C5816A2E786C73>

Security declaration

奮戦

< F2D819A EA944E898492B7816A >

謝辞

防衛交流の基本方針について(通達)

目 次 1. 改訂の趣旨 1 2. 宇宙開発利用の特性 意義及び課題 1 3. 昨今の防衛省の取組 2 4. 防衛省の宇宙開発利用に関する基本方針 3 ⑴ 宇宙空間に対する考え方 3 ⑵ 統合機動防衛力 の構築に資する宇宙開発利用のあり方 3 ⑶ 今後の重点的な取組 4 ア.3 つの視点に係る取組

( 別紙 ) 平成 26 年度以降に係る防衛計画の大綱 Ⅰ 策定の趣旨我が国を取り巻く新たな安全保障環境の下 今後の我が国の防衛の在り方について 平成 25 年度の防衛力整備等について ( 平成 25 年 1 月 2 5 日安全保障会議及び閣議決定 ) に基づき 国家安全保障戦略について ( 平成

航空隊及び教育航空隊の編制に関する訓令

( 別紙 ) 平成 31 年度以降に係る防衛計画の大綱 Ⅰ 策定の趣旨我が国は 戦後一貫して 平和国家としての道を歩んできた これは 平和主義の理念の下 先人達の不断の努力によって成し遂げられてきたものである 我が国政府の最も重大な責務は 我が国の平和と安全を維持し その存立を全うするとともに 国民

平成 28 年 12 月 第 756 号 けている ひとつの場所を1 回掃海すれば済むわけではなく 海底の土に埋もれていた沈底機雷が後に現れることなどもあり 終わりのない任務とのことである また国際要請による他国海域の掃海も行っており 朝鮮戦争における特別掃海隊派遣 湾岸戦争後 1991 年のペルシ

  策定された危険な新防衛大綱

防衛装備移転三原則の運用指針 ( 平成 26 年 4 月 1 日国家安全保障会議決定 以下 運用指針 という )5.(1) により 経済産業省は 防衛装備の海外移転の許可の状況につき 年次報告書を作成することとされている 本報告は 平成 28 年度 ( 平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 29

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

潜水艦とは

防衛計画の大綱に向けた提言

I. 集団的自衛権 A. 集団的自衛権とは集団的自衛権は 国際連合の成立の際に 初めて国際法上で創設され 国連憲章第 51 条に明文化された権利である 具体的には 自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を 自国が直接攻撃されていないにもかかわらず 実力をもって阻止する権利 であり 日本政府もこの

Microsoft PowerPoint 追加配備住民説明用資料(セット版)

海上自衛官の海技従事者国家試験の受験資格について(通知)

前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

折木良一.indd

はじめに 2013( 平成 25) 年 12 月 17 日 政府は 我が国として初めて 国家安全保障戦略 ( 戦略 ) を決定しました また この 戦略 を踏まえ 新たな 防衛計画の大綱 ( 防衛大綱 ) と 中 期防衛力整備計画 ( 中期防 ) も決定しました 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳

< F2D8D908EA B8C816992CA8FED95BA8AED82A882BB82EA8D908EA681458DC58F49835A C5816A2E6A7464>

趣旨 趣旨と説明者紹介 - 一般社団法人国際平和戦略研究所殿が実施される講演会におけるシリーズとして行われる標題の2 回目として説明するものです - 本講演会を通じて 我が国のミサイル防衛が適正に整備 運用できる事を目的とします 説明者紹介 - 氏名 : 坂上芳洋防大電気工学科卒第 11 期生 -

防衛装備の海外移転の許可の状況 に関する年次報告書 平成 31 年 2 月 経済産業省

全保障協力の積極的な推進296 平成 26 年版防衛白書安第 Ⅲ 部 わが国の防衛のための取組 1 海賊対処行動のための法整備 09( 平成 21) 年 3 月 ソマリア沖 アデン湾において わが国関係船舶を海賊行為から防護するため 自衛隊法第 82 条の規定により 閣議決定に基づく内閣総理大臣の承

PowerPoint Presentation

防防衛生産 技術基盤の現状と防衛生産 技術基盤戦略 図表 Ⅲ 装備品などの維持 整備経費の推移 ( 億円 ) 10,000 装備品などの維持 整備経費 ( 億円 ) 8,750 8,000 6,000 4,000 5,730 5,333 4,763 4,902 4,393 8,141 7

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev

東アジア戦略概観2012_和文_7章.indd

Transcription:

海上自衛隊の艦艇における防衛生産 技術基盤に必要な要件 資料 2 平成 23 年 3 月 29 日防衛省海上幕僚監部 1

目 次 1 我が国周辺の海洋に関する情勢 2 海上自衛隊における部隊運用 3 艦船の開発と維持整備等の現状 4 防衛生産 技術基盤に必要な要件 2

我が国の海上交通路我が国の海上貿易量 ( 輸出入合計 ) は99.7% 1 我が国周辺の海洋に関する情勢我が国周辺の海洋 に関する情勢 (1/2) 凡例 80% 65% 対外依存度 原油 :99.6% 大豆 :95.0% 小麦 :86.0% 鉄鉱石 :100% LNG:96.4% ( 日本海運の現状 : 日本船主協会 (2010 年 )) 3

東シナ海の安全保障環境 中国海軍の近代化 世界の軍事技術発展の趨勢に対応し 軍事力のハイテク化 情報化を推進 我が国周辺の海洋に関する情勢 (2/2) 水上艦艇の近代化 潜水艦の近代化 空母保有の動向 中国海軍の活動活発化 潜水艦 ミサイル駆逐艦 補給艦等 合計 10 隻 平成 22 年 4 月中国海軍 HS 近接飛行 ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦 中国海軍艦載ヘリ 沖縄 ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦 フーチン級補給艦 平成 23 年 3 月にも中国 HS 近接飛行 4

新たな防衛力の考え方 基盤的防衛力構想 : 防衛力の存在自体による抑止効果を重視 2 海上自衛隊における部隊運用海上自衛隊における 部隊運用 (1/4) 事態発生の時間短縮 即応性等の部隊運用能力の重要性増大 平素から情報収集 警戒監視等を適時適切に行い 我が国の意思と高い防衛能力を明示 抑止力の信頼性向上 防衛力を国際的な協力において発揮 二国間 多国間の協力関係強化 国際平和協力活動の積極的実施 動的な抑止力 安全保障環境改善のための活動 防衛力の役割 1 実効的な抑止及び対処 2 アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化 3 グローバルな安全保障環境の改善 動的防衛力 即応性 機動性 柔軟性 持続性 多目的性 高度な技術力と情報能力 補給艦から給油を受ける護衛艦と輸送艦 5

防衛力の役割 ( 部隊運用面 ) 実効的な抑止及び対処 周辺海空域の安全確保 島嶼部に対する攻撃への対応 弾道ミサイル攻撃への対応 複合事態への対応 グローバルな安全保障環境の改善 国際テロ対策 海上交通の安全確保や海洋秩序の維持のための取組等を推進 等 海上自衛隊における部隊運用 (2/4) 対潜戦 対空戦等各種戦への対応能力 アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化 日米同盟関係の深化 防衛協力 交流 共同訓練 演習 RIMPAC 等の 2 国間 多国間共同訓練 海賊対処活動 PSI 等 周辺海空域の安全確保 ( イメーシ ) RIMPAC( 環太平洋合同演習 ) ソマリア アデン湾における海賊対処活動 護衛艦による護衛 6

存在から運用の時代へ 海上自衛隊における 部隊運用 (3/4) 基盤的防衛力 転換 動的防衛力 より一層の 多種多様な艦艇の総合運用力が重要 国際緊急援助活動に従事するおおすみ型輸送艦 各艦種の役割増大多種多様な開発 生産態勢の確保 装備品等の高可動率がクローズアップ イージス艦の整備 即応修理態勢の確保 7

各艦種の特徴海上自衛隊における部隊運用 (4/4) 活動内容艦種特徴 対潜戦 対空戦 対水上戦 警戒監視海賊対処 テロ対策災害派遣等対潜戦 対空戦 BMD 対応 対水上戦 警戒監視 テロ対策 災害派遣等 対潜戦 対水上戦警戒監視等 汎用護衛艦 イージス艦 潜水艦 国産船体と複数の武器システムの有機的統合 運用海域の特性を考慮した対潜システム 諸海軍とのインターオペラビリティ 我が国独自運用の双方を考慮したC4Iシステム 国産船体と複数の武器システムの有機的統合 複雑かつ大規模な米国製武器システムと国産武器システムのインテグレーション BMD 任務等 高可動率の要求 国内技術による高い静粛性 水中持続力 運用及び装備に関する秘匿性 高張力鋼の溶接技術 機雷戦 警戒監視 災害派遣 海中爆発性危険物処分等 艦隊支援 海洋観測テロ対策 災害派遣国際緊急援助活動等 掃海艦艇 補助艦艇 極めて厳しい磁気 消磁対策 運用海域に適応した掃海システム 水圧環境下の海水中に長期間敷設するための成形 接合技術 戦闘部隊に随伴し支援できる能力 国内外の災害援助等への対応を考慮 多様な任務に対応できる艦内配置 ぎ装 8

3 艦船の開発と維持整備等の現状艦船の開発と 艦艇のライフサイクル 研究開発建造 維持整備等の現状 (1/6) DD:18kt GPS 層深 M30S BB SD M30S SS:8kt 除籍 就役 装備品取得 維持整備 9

運用要求に基づく研究開発 ( 例 : 水上艦用ソーナー OQQ-21) 艦船の開発と維持整備等の現状 (2/6) ( 官側 ) 運用要求 海幕 ( 要求性能 ) 技本 ( 開発仕様 ) ( 民側 ) ( 民側 ) 研究試作 送波器 基本 詳細設計 整相面 < 補正周期と補正単位 > ビーム種別動揺修正補正周期補正単位 ODT - 本来の素子座標送 RDT 実施送信パルスの 度単位 艦首信先頭で計算 SDT 実施 動揺による - 素子傾斜 アクティフ 実施 毎 度単位傾斜した受 ヒ ーム整相の ハ ッシフ 実施素子座標信溜込み処理 サ SOA 実施イクル分 傾斜した素子の座標を計算した後 整相面までの距離 ビーム傾きによる減衰を 以内とした 従来は固定値 を算出して ヒ ーム整相に使用する <ODT 補正無しの影響 > 傾斜角 : 度では約 減衰 傾斜角 : 度では約 減衰 最大傾斜角周期動揺減衰装置 使用時ロール 秒 度 度 度ピッチ 秒 度 度 度 殿の動揺計算による ; 記載値 送受波器構造設計 契約 関連試験 試作技術 / 実用試験支援 ( 一部 ) 納入 GPS DD:18kt M30S 層深 M30S SD SS:8kt BB 研究開発の多くの部分を民間企業に依存 国内の技術基盤が中心であるため 運用要求の細部について反映可能 運用要求を的確に反映した装備品 ( 細部仕様を含む ) の取得が可能 10

装備品取得の現状 艦船の開発と維持整備等の現状 (3/6) 特徴装備品の代表例 国 産 直接調達 研究開発 国内技術基盤の発展 維持整備等について十分なサポート 装備品の短期間取得が可能 運用所要を満たす装備品の取得が可能 装備品取得まで長期間を要し 運用開始時に陳腐化の恐れ 高コストとなる恐れ OPS シリーズ FCS-3 ライセンス国産 一般輸入 FMS 政治的関係が大きく影響 国内に維持整備基盤は確保できるが 技術基盤の喪失の恐れ 装備品の比較的短期間取得が可能 故障 維持整備のサポート態勢が不十分な恐れ ( 継続的な情報収集が重要 ) 装備品の短期間取得が可能 米国の所要が優先( 部品等を入手できないケースもある ) 米国装備品を 技術支援 維持整備支援を含め導入可能 日米間のインターオペラビリティ確保に寄与 性能 コスト 運用要求等 様々な観点から総合的に勘案し 取得方法を決定 ( 維持整備の観点では 運用要求を満たす国産による供給が理想 ) 11 VLS SAM ( 遠隔操縦式掃海具 ) イージスシステム

維持整備の観点による艦船建造 艦船の開発と維持整備等の現状 (4/6) 建造の流れ 海幕 ( 要求性能 ) 予算成立 武器ぎ装 試験船体建造 進水詳細設計契約技本 ( 基本設計 ) ( 官側 ) ( 民側 ) 海上試験 就役 3000 2000 1000 0 : 契約会社 : 第一次下請企業 : 第二次下請企業 護衛艦 (2,523 社 ) 72 社 1378 1073 568 関連企業数 潜水艦 (1,462 社 ) 掃海艇 (1,084 社 ) 52 社 54 社 842 596 434 企業数には 外国企業及び素材メーカーは含まない 基 盤 関連企業区分 : 大企業 : 中小企業 護衛艦 20% 潜水艦 19% 掃海艇 16% 80% 81% 艦船建造建造の多くの部分を民間企業に依存 これらの企業のほとんどは維持整備基盤でもある 84% 艦船の建造基盤と維持整備基盤は極めて密接な関係にある ( 艦船建造の縮小等は 維持整備にも大きく影響 ) 12

艦船維持整備の工事状況 艦船の開発と維持整備等の現状 (5/6) 受注 造船所 小部品の作製 艦船維持整備における全所要工事 外注修理工事 整備部隊 乗員整備 専門メーカー 中小下請企業 部品 メーカー 造補所等 ほとんどの入渠工事 一部の機器計測 作動点検 定常的な修理工事 臨時修理 事故復旧工事等 軽微な点検整備 保存整備作業 主要武器陸揚工事 一部の入渠工事 写真はイメージ 整備部隊は定員削減の傾向 全所要工事量及び民間への依存量は 艦船の大型化 高性能化により増加傾向 整備実動部隊を保有しないこと 乗員整備 整備部隊工事は 施設 能力面で制約が多いことから 修理に係るほとんどの部分を民間へ依存 13

艦船維持整備の国内基盤の現状 艦船の開発と維持整備等の現状 (6/6) な復旧 : 地方総監部 三菱重工業 ( 株 ) 下関造船所 佐世保重工 ( 株 ) ユニバーサル造船 ( 株 ) 舞鶴事業所 ユニバーサル造船 ( 株 ) 京浜事業所 函館どつく ( 株 ) ( 株 ) アイ エイチ アイマリンユナイテッド 三菱重工 ( 株 ) 横浜製作所 ( 株 ) 川崎重工神戸工場 三菱重工業 ( 株 ) 神戸造船所 国内修理基盤 ( 造船所 ) 三菱重工業 ( 株 ) 長崎造船所 三井造船 ( 株 ) 玉野事業所 水上艦艇建造 修理造船所 アイ エイチ アイマリンユナイテッド ( 株 ) 呉工場 ユニバーサル造船 ( 株 ) 因島事業所 水上艦艇修理造船所 潜水艦建造 修理造船所 掃海艇建造造船所 故障等緊急事態発生時の迅速な復旧 練度維持所要 乗組員の戦力回復 定係港近傍における修理基盤の維持 14

海上自衛隊における防衛生産 技術基盤 4 防衛生産 技術基盤に必要な要件防衛生産 技術基盤 ( 天井 ) 部隊運用 ( 動的防衛力 ) ( 柱 ) 研究開発 新装備品取得 に必要な要件 (1/4) DD:18kt 層深 M30S BB SD GPS M30S SS:8kt 写真 : 海上自衛隊第 1 術科学校教育参考館 ( 基礎 ) 防衛生産 技術基盤 = 動的防衛力の根幹 建 造 維持整備 情報力 技術力 即応力 持続力 15

情報力 防衛生産 技術基盤に必要な要件 防衛生産 技術基盤に必要な要件 (2/4) 最新装備品に関する情報収集 諸外国の最新装備品情報の収集 国内外民生品動向に関する情報収集 技術力 外国最新武器情報 外国最新武器情報 民生品情報 高度な装備品のシステム統合能力 外国製武器システムと国産武器システムのインテグレーション ( 例 : イージスシステムと国産武器システム ) 国産船体と武器システムの有機的統合能力 先進装備品に対する適応力 外国製装備品のライセンス製造能力 先進装備品の開発 維持 我が国独自の技術力 自国建造能力 ( 高度な設計能力 特殊鋼の加工技術 高度な溶接技術等 ) 各種装備品 ( 射撃指揮装置 ソーナー等 ) の自国開発能力 イージス監こんごう BMD 開発潜水艦の完全自国開発 19 16

即応力 防衛生産 技術基盤に必要な要件 防衛生産 技術基盤に必要な要件 (3/4) 国内外で発生する故障 修理 各種事案に迅速に対応できる技術的 人的対応能力 故障発生時の迅速な復旧 ( 災害派遣先における迅速な故障対応 ) ( 海賊対処活動派遣中の事故への再発防止対策対応等 ) 災害派遣 国際緊急援助活動への派遣準備等に向けた迅速な対応 ( 大規模地震災害対応のための定期修理の早期終了 ) ( 海賊対処活動派遣等に向けた装備対策 ) 東チモール派遣時の LCAC エンシ ン故障対応 海賊対処部隊艦橋の防弾設備 事故に際しての迅速な復旧 ( 衝突事故等の早期復旧 ) 大規模災害派遣 ( 訓練 ) くらま 衝突事故修理 17

持続力 防衛生産 技術基盤に必要な要件 防衛生産 技術基盤に必要な要件 (4/4) 継続した技術支援能力 外国製装備品の定期整備 (O/H 含む ) 能力 長期間 同一形態の装備品を製造可能 高性能な艦船 武器システム等を搭載した艦船を継続的に設計 建造 ( 製造 ) する能力 ( 例 :5インチ砲 CIWS VLS 等 ) 就役期間を通じた修理対応能力 装備品の継続的不具合改善 就役期間を通じ安定した部品供給能力 安定かつ速やかな交換部品の供給 製造中止部品対応 外国製装備品の整備能力 建造技術の維持能力 交換部品等 製造中止のモジュール 18