1. 改正法の内容 改正法の概要 厚生年金基金制度見直し法により 基金存続が困難に 1 平成 26 年 4 月 1 日 ( 施行日 ) 以降は厚生年金基金の新設は認められません 2 代行割れ ( 注 1) している基金は 施行日から 5 年以内に解散することになっています 3 施行日から 5 年時点

Similar documents
当基金の今後の方向性について 当基金では 昨年 6 月に厚生年金基金制度の見直し法が成立したことから 今後の当厚生年金基金のあり方について検討を重ねてまいりました 改正法は 厚生年金基金に対しこれまでより高い積立水準を課し 達成できなければ短期間での不足の解消または解散を促すという大変に厳しいもので

日本ばね工業パンフ.indd

制度変更の背景 厚生年金保険法の改正法は 国の厚生年金保険の一部を代行している部分について 厚生年金基金の資産が代行部分に不足することがないような仕組みづくりを趣旨としています 国の代行資産に企業年金の上乗せ部分の資産を加えた厚生年金基金は 大きな資産を保有し 運用環境の悪化時には一時的に大きな積立

1 特例解散を申請することになりました 当基金は 解散時に事業主の皆様の追加負担を極力軽減する ( 避ける ) ために 特例解散 を目指すことといたしました 既にお知らせしておりますが 昨年 6 月に成立 公布された厚生年金基金制度の見直しに関する法律 ( 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のため

上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

さくらグループ厚生年金基金制度の今後について 安定した年金給付を継続していくため 厚生年金基金制度の見直しを進めています はじめに はじめに さくらグループ厚生年金基金は 平成 9 年 4 月に設立され これまで退職された多くの加入員の皆様に一時金給付や年金給付を行ってきました また 基金制度は当社

* * * 事業主 加入員のみなさまへ * * * 理事長有光幸紀 日本産業機械工業厚生年金基金は 昭和 46 年 10 月に産業機械工業界全体での優秀な人材確保と働くみなさまの老後の生活保障を目的として設立されました 本年 10 月には 設立して 43 年を迎えることとなり 皆様のご理解とご支援の

Microsoft PowerPoint - 加入員向けDVD0124+(経緯追加).pptx

厚生年金基金制度のしくみ 厚生年金基金は 国の厚生年金の一部 ( 老齢厚生年金の報酬比例部分 ) を代行して基金独自の給付 ( 上乗せ部分 ) を行う企業 年金制度です プラスアルファ ( 上乗せ ) 部分の掛金は全額事業主様負担であるため 従業員にとっては手厚い年金を受取ることが出来ます 基金へ掛

Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年

柔軟で弾力的な給付設計について

<89F08E5590E096BE89EF DB589E396EC816A2E786C7378>

1 2

厚生年金基金に関する要望.PDF

将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

厚生年金基金から残余財産の交付を受けた DB の加入員期間の期間算入 解散した厚生年金基金の残余財産の交付を受けて DB を新設する際に 以下のように 解散日から DB の設立までの期間が数日空くケースが考えられる 法令上 このような取扱いはできない < 例 > 平成 27 年 9 月 28 日厚生

これまでの経緯について すでにご案内のとおり 当基金では 平成 26 年 4 月に施行された厚生年金保険法等の一部を改正する法律に対応するため 検討委員会を立ち上げ検討を重ねてまいりました 検討委員会での議論をもとに 平成 27 年 2 月の第 98 回代議員会において平成 30 年 3 月末を目途

特例法による年金記録修正における想定問

図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

Slide 1

スライド 1

厚生年金基金の解散に向けて

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

PowerPoint プレゼンテーション

年金制度のしくみ 3 階私的年金みらい企業年金基金 2 階 1 階 公的年金 厚生年金 国民年金 共済年金 自営業者など会社員の配偶者会社員公務員など 国民年金の加入者区分 第 1 号被保険者 第 33 号被保険者 第 2 号被保険者 3 階建ての年金制度 日本の公的年金制度は 国民年金 から全ての

1. 指定運用方法の規定整備 今般の改正により 商品選択の失念等により運用商品を選択しない者への対応として あらかじめ定められた指定運用方法 に係る規定が整備されます 指定運用方法とは 施行日(2018 年 5 月 1 日 ) 以降 新たに確定拠出年金制度に加入された方が 最初の掛金納付日から確定拠

年 発 第     号

厚生年金基金 解散 ご案内0922.indd

西日本電気工事企業年金基金_No3_2017_9_FIX.indd

厚生年金基金解散のお知らせ 当基金の解散が厚生労働大臣より 平成 29 年 3 月 29 日付で認可されました 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます また 皆様には 当基金業務運営につきまして格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます さて 当基金は 本年 1 月 25 日に厚生労働大

<31335F89F08E5593C197E F CC8C8F82B182EA82C582B781408C4B8CB4816A2E786C73>

基金解散後の給付 1 代行部分の金は国 日本金機構 へ引継がれます 基金から受ける給付は 基本部分の基本金 代行部分 基本プラスアルファ部分 と加算部分 加算金 一時金 がありますが 基金解散により 基本金のうち代行部分の金は国 日本金機構 へ引継がれ 国 の老齢厚生金の支給ルールに基づき給付されま

<4D F736F F D AD97DF88C DC58F4994C52E646F63>

年金・社会保険セミナー

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

<4D F736F F D2093AF88D382CC82A88AE882A DF8B8E95AA816A205F335F2E646F63>

年 12 月 厚生年金基金制度を解散して後継制度に資産を持込む場合の手続き 本資料は 平成 26 年 12 月 11 日に発出された事務連絡 解散存続厚生年金基金の残余財産を他の制度へ交付又は移換する際の取扱いについて 及び関連する法令等に基づきその要点を纏めたものです 作成時点にお


スライド 0

PowerPoint プレゼンテーション

解散 と 清算 までの主なスケジュール 平成 29 年 5 月平成 29 年 6 月平成 29 年 7 月平成 29 年 8 月平成 29 年 9 月平成 29 年 10 月平成 29 年 11 月平成 29 年 12 月平成 30 年 6 月平成 30 年 7 月平成 30 年 8 月平成 30

<89C193FC82CC82A882B782B782DF816992E88C FAB978895D48FE3816A2E786477>

Microsoft Word - "ç´ıå¿œçfl¨ docx

年金・社会保険セミナー

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

ごあいさつ 理事長 中川 勝之 全国地質調査業厚生年金基金は 地質調査業等で働く皆様の老後生活の安定と福祉 の向上を図ることを目的として昭和46年8月1日に設立され 今年で42年目を迎えます 紆余 曲折を経ながらも 加入事業所数410社 加入員数11,000人 年金資産680億円程を有する 基金とな

2 厚年基金付加支給利率を定める告示 解散する厚生年金基金から中退共へ資産を移換した場合 掛金納付月数へ通算するとともに 掛金納付月数へ通算されなかった残余の額については 予定運用利回り ( 年 1%) に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率を乗じて得た額をとして支給することとしており 本告示で当該

スライド 1

年金・社会保険セミナー

Microsoft PowerPoint - 03:分配概要(解散)+.pptx

2/5 ヘ ーシ Q1. 年金通算とは何ですか? A. これまで各企業や基金では 加入者の老後の安定の一助となるよう さまざまな年金制度をつくり運営してきました しかし 従来の終身雇用を前提とした制度では 現代のライフスタイルに対応することが難しくなってきています 転職など雇用の流動化に対応し これ

日本再興戦略 改訂 2015 平成 27 年 6 月 30 日に閣議決定された 日本再興戦略 改訂 2015 においては 企業が確定給付企業年金を実施しやすい環境を整備するため 確定給付企業年金の制度改善について検討することとされている - 日本再興戦略 改訂 2015( 平成 27 年 6 月 3

第14章 国民年金 

Microsoft Word - 6 八十歳までの保証がついた終身年金

<4D F736F F D208E968BC68EE590E096BE89EF DC58F4994C5816A2B2E646F6378>

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

年金・社会保険セミナー

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

年金通信No.25-51_1 表紙

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

年金制度のポイント

付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

<4D F736F F D208DA1944E348C8E95AA82A982E782CC944E8BE08A7A82C982C282A282C FA967B944E8BE08B408D5C816A2E646F6378>

給付の支給時期 脱退一時金 加入者資格を喪失したとき ( 退職 65 歳到達等 ) 65 歳未満の年齢到達で資格喪失させることも可能 遺族一時金 1 加入中に死亡したとき 2 給付の繰下期間中に死亡したとき 3 年金受給中に死亡したとき 年金 < 退職による資格喪失の場合 > 1 50 歳未満で資格

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

確定拠出年金制度に関する改善要望について

Microsoft PowerPoint  DBの事務(給付)配布用印刷.pptx

監 事 監 査 規 程

Microsoft Word - 雇用保険等の追加給付に関するQ&A (2).docx

(3) 権利か 時効により消滅していることはありますか (4) 今回の追加給付はいつまて に手続を行えは 良いて しょうか Q11 なせ 支払いまて にそれほと の時間を要するのて しょうか 2 < 個人向け Q&A> 毎月勤労統計において全数調査をするとしていたところを一部抽出調査て 行って Q1

II. テーマアップの要件への該当 1. テーマアップの要件を基にした テーマアップの要否に関する分析は次のとおりである (1) 広範な影響があるか 本件は企業が複数事業主の厚生年金基金制度に加入し 例外処理を採用していた場合に当該基金が解散するとき論点となる会計処理である 第 11 項に記載のとお

基金解散時の最低積立基準額の算定 最低保全給付 ( 控除前 ) 規約に定める最低保全給付の区分ごとに基準日における加入員 受給者等の区分に応じ計算する 各給付区分において 受給者又は受給待期脱退者でかつ加入員である者については 規約に定める残余財産の分配方法に準じて最低保全給付を計上する 将来期間に

強制加入被保険者(法7) ケース1

もくじ ご挨拶全国電子情報技術産業厚生年金基金理事長鈴木芳久 2 代行返上方針の決定について 3 代行返上のしくみ 4 代行返上後の新しい確定給付企業年金 5 移転承継方式による新制度への移行 6 今後のスケジュール 9 代行返上への同意のお願い 10 新しい年金制度 代行返上についてのQ&A 13

<303682BB82CC91BC964089FC90B EA94CA8BA492CA E786C73>

( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

2 社会保障協定のねらい 社会保障協定とは 国際間の人的移動の活発化に伴う年金等における課題の解決 協定発効前 二重負担の課題 在ルクセンブルク日本企業勤務の日本人 厚生年金保険料の徴収 ルクセンブルク年金保険料の徴収 年金受給資格の確保の課題 ルクセンブルク年金の最低加入期間である10 年を満たさ

被用者年金一元化法

2909_0 概要

平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

確定給付企業年金制度のご案内 ━ 大阪府電設工業企業年金基金のご案内 ━

生保信託協会QA

< F31322D335F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

Microsoft Word ①概要(整備令)

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (

年金通信25-03(厚生年金基金制度見直し)

年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

日チェコ改正議定書説明会資料

被用者年金一元化パンフ.indd

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

確定拠出年金制度に関する改善要望について

( 別紙 ) 本日の委員会の概要内容は必要と思われる箇所を抜粋し 弊社として解釈のうえ記載したものであることを予めご理解願います (1) 企国課長からの説明 ( 配布資料 1~3) ( 説明の概要 ) 1 これまでの主な意見の整理 ( 資料 1) 厚生年金本体の将来の財政への影響は可能な限り回避すべ

Transcription:

石川県病院厚生年金基金の 年金受給者 受給待期者のみなさまへ ~ 基金解散方針決議 のお知らせ ~ 拝啓時下 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます 年金受給者並びに受給待期者の皆様には 日頃より基金の事業運営にご理解をいただき厚くお礼申し上げます さて 当基金は 昭和 63 年に加入事業所に働く方々の老後の安定と福祉の向上を図ることを目的として設立され 事業主の皆様の御支援とご協力により 約 27 年間その役割を果たしてきました しかしながら 平成 25 年 6 月の通常国会で 基金制度の廃止を内容とする法律が成立し 昨年 4 月に施行されました 厚生年金基金の一部には国から預かっている 代行部分 の資産を満たしていない基金もあり このことが厚生年金本体の財政に影響を与えかねないとして 厳しい存続要件を満たす基金以外は 施行日から 5 年以内に解散させる法律となっています 当基金におきましても 法改正の内容と基金の財政状況等を踏まえ今後の運営について この 2 年間あらゆる方策を検討してまいりましたが 6 月 29 日に開催いたしました第 61 回代議員会でやむなく 基金解散の方針 を議決し 解散認可に向けた手続きを進めていくことになりました 基金解散後の年金給付につきましては 代行部分については国に返還され 国 ( 年金事務所 ) から年金が支払われることになります また 代行部分以外の事業主負担による基金独自の上乗せ部分につきましては 年金としての給付はなくなりますが 代行部分の資産を国に返還し なお残余財産があった場合には 受給者 受給待期者及び加入者の皆様に分配する予定です 基金の解散には 国の認可が必要となりますが 解散認可取得には約 2 年 ( 解散予定日 : 平成 29 年 5 月 ) を要します 今後 正式に解散認可となりましたら改めてお知らせいたします 皆様には 大変なご心配とご迷惑をおかけいたしますが 何卒事情ご賢察のうえ ご理解賜りますようお願い申し上げます 敬具 1 平成 27 年 8 月石川県病院厚生年金基金理事長菊地誠

1. 改正法の内容 改正法の概要 厚生年金基金制度見直し法により 基金存続が困難に 1 平成 26 年 4 月 1 日 ( 施行日 ) 以降は厚生年金基金の新設は認められません 2 代行割れ ( 注 1) している基金は 施行日から 5 年以内に解散することになっています 3 施行日から 5 年時点で 存続要件 ( 注 2) を満たす健全基金は 厚生年金基金として存続するか 代行返上または解散を選択することになります 4 当基金のように 代行部分の債務は確保していても存続要件を満たさない 代行割れ予備軍 の基金は 法施行後 5 年以降に存続要件を満たさなくなると 厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて解散命令を発動することになっています ( 注 1) 代行割れ 代行部分の債務となる最低責任準備金を確保できていないこと ( 注 2) 存続要件 最低責任準備金の 1.5 倍または最低積立基準額の資産を確保していること 当基金の場合 平成 26 年度決算 ( 見込み ) では 年金資産は最低責任準備金を超え 代行部分は確保してい ますが 最低責任準備金比は 1.16 倍 最低積立基準額比は 0.94 倍と存続基準を下回っています 現在の資産状況と新基準 代行割れしているかどうかの基準である最低責任準備金比は 1.16 倍の積立水準を確保しているものの 今後 新基準である 1.50 倍 ( 旧基準 1.05 倍 ) を満たすためには 更に 70 億 7 千万円以上の積立金の積み増しが必要となり そのためには以下の対応が必要となります 1 掛金で対応 今後 1.4%( 一人当たり月 3,640 円 ) の掛金率の上積みが必要 2 資産運用で対応 毎年 収益率が国より 1.3% 上回ることが必要 医業経営の現況から 掛金率引き上げは事業主負担が一層増加し また 資産運用で対応の場合ハイリスク ハイリターンの運用の必要性が生じ 経営や雇用に多大なる影響が出る恐れがあります 2. 解散方針決議について 制度見直しにかかるこれまでの検討概要 当基金の運営方針は 平成 20 年に 当基金の在り方 ( 存続 解散 代行返上 ) についての検討会 が設置され 検討結果として 現在の経済情勢から現状は維持するが 代行返上の時期は今後検討する ことが同年 9 月開催の代議員会で承認されました このことにより 基金運営方針は 代行返上 ( 代行部分を国に返上し 上乗せ部分で新たに創設する DB 制度に権利義務を移転 ) を基本に 代行返上のタイミングを計っていたところです しかしながら 基金制度見直し法 が平成 26 年 4 月に施行されたことに伴い 当基金では 平成 24 年 8 月から 27 年 6 月まで計 8 回の代議員会や説明会 勉強会の開催 また 事業主への 基金制度見直しに関する意向調査 を実施し 検討を重ねてまいりました その結果 基金存続 のために改正法による積立水準を永続的に達成することは 掛金負担や運用リスクの面から難しいこと 代行返上 の場合は 新制度 に現行の積立不足も承継され掛金負担が増大することから 全ての事業所の同意取得が実務面で難しい状況と判断され 最終的にやむなく 解散 の方針となりました 2

基金解散の概要 当基金は平成 27 年 6 月 29 日の代議員会において解散方針を議決しました 基金解散後 代行部分の年金給付は国の厚生年金の一部として支給されます 基本プラスアルファ部分 加算部分の給付は基金解散により終了します 国への代行部分の資産返還後 残余財産があった場合は分配金をお支払いします 3. 基金解散による影響 解散前後の年金給付の変更 現在の年金給付 解散後の年金給付 厚生年金のみの加入期間 厚生年金基金の加入期間 すべての厚生年金の加入期間 国から支給 1( 厚生年金 ) 報酬比例部分 加算年金 基本プラス α 定額部分 ( 老齢基礎年金 ) 2 厚生年金基金基本年金 ( 代行部分 ) 基金から支給 国から支給 残余財産があれば 分配して清算 1( 厚生年金 ) 報酬比例部分 (2 代行部分を含む ) 定額部分 ( 老齢基礎年金 ) 厚生年金基金が支払っていた 代行部分 の年金は 国から支払われます 代行部分について 代行部分 の年金資産と基金加入記録は国へ返還され 解散後は国から支払われることになります 加入員の皆様が負担されていた基金の掛金は 厚生年金本体 ( 国 ) の保険料の一部でしたので 最低責任準備金 ( 代行部分の債務 ) を国に返すことにより 代行部分に係る年金資産は保全されます したがって 皆様が負担された基金の代行部分の掛金が解散によって消滅することはありません 受給待期者の皆様へ解散認可後は 当基金でお支払いする予定であった基金加入期間 ( 代行部分 ) の年金につきましては 国 に引き継がれ 将来 国 から老齢厚生年金として支給されます このため 解散認可後に受給待期者の皆様が老齢厚生年金を受けられる際には 基金ではなく 国 ( 年金事務所 ) に年金の裁定請求手続きを行っていただきますようお願いいたします 国へ返還後の給付制限 ( 代行部分の基金独自給付部分 ) について 基金解散後 代行部分の年金支給義務が基金から国へ返還されることにより 返還後の年金給付が制限される場合があります 国が定める併給調整 支給調整に該当すると 基金が独自に支払ってきた年金額の全部または一部の支給が停止されます 3

1 支給要件 2 在職老齢年金の支給調整 確認事項当基金国 加入期間 1 ケ月以上 在職中は支給額の調整あり ( ただし 当基金に加入していない事業所に在職の場合は調整なし ) 25 年以上 ( 消費税引き上げに合わせて 10 年以上となる予定 ) 在職中は支給額の調整あり 370 歳以上被用者の支給調整 ( 平成 12 年 4 月 2 日生以降の者 ) 支給額の調整なし 支給額の調整あり 4 雇用保険と 失業給付 併給調整あり 併給調整あり との併給調整 高年齢雇用継続給付 併給調整あり 併給調整あり 5 障害年金 遺族年金との併給調整 併給調整なし 併給調整あり 1 支給要件基金では 加入期間が 1 ケ月以上から年金を支給しますが 国へ返還後は国の支給要件を満たしていない場合 年金が受けられません 2 在職老齢年金の支給調整基金では 基金に加入している事業所に在職中の受給者の年金について 国と同様の支給停止の調整を行っていますが 当基金に加入していない事業所に在職中の人には支給停止の調整を行っていません 国へ返還後は調整の対象になります 370 歳以上被用者の支給調整 70 歳以上で事業所に使用されている基金の年金受給者 ( 昭和 12 年 4 月 2 日生以降の方 ) は 支給額の調整は行っていませんが 国へ返還後は報酬と年金との調整の対象となります 4 雇用保険との併給調整基金では 失業給付 高年齢雇用継続給付を受給中の人の年金には 併給調整を行っていますが 国へ返還後も従来どおり調整の対象になります 5 障害年金 遺族年金との併給調整基金では 本人の年金と障害または遺族年金との併給調整は行っていませんが 国へ返還後は調整の対象になります 基金の 加算年金 基本プラスアルファ の給付はなくなります 国に代行部分の資産返還後に受給者 受給待期者 加入員に残余財産の分配で清算します 上乗せ部分について 解散後は上乗せ部分 ( 加算年金及び基本プラスアルファ ) の給付はなくなります ( この 上乗せ部分 に係る掛金は 全額事業主負担によるものです ) 解散後 残余財産の範囲内で基金規約に基づき受給者 受給待期者及び加入員に分配されます 分配金は 一時金で受取るか 企業年金連合会にこれを移して 通算企業年金 として受取るかを選択できます 残余財産の分配について解散認可後に清算業務を行い 国へ返還する 最低責任準備金 確定後に残余財産があれば 基金規約に基づき 受給者 受給待期者 加入員の皆様へ分配されることとなりますが 解散後およそ 1 年半の期間を要すると考えられます 決定次第ご連絡いたしますので ご理解の程よろしくお願い申し上げます 4

4. 今後のスケジュール ( 予定 ) 日程 概要 解散の方針を決議 ( 平成 27 年 6 月 ) してから解平成 27 年 6 月 : 解散方針決議散認可までには 記録整備など諸手続きに時間がかかり 通常 2 年程度かかります 認可を受けてから分配金の支払いまで 国に返平成 29 年 5 月 : 基金解散の認可す資金の正確な計算を行うため 1 年半程度かかります 平成 30 年 11 月頃には 代行部分の必要原資 ( 最低責任準備金 ) を国に納付した後 残余財産の平成 30 年 11 月 : 分配金の支払い分配を予定しています この残余財産が確定するまでは 分配金の計算はできませんので ご了承願います スケジュールは 記録整備の進ちょく状況で解散 分配の時期は変動します 5. 基金解散についての Q&A Q1 なぜ基金を解散しなければいけないのですか? A1 基金を存続していくためには 国の厚生年金の運用利回りを常に上回らなければならないという運用リスクが付きまといます さらに 今般の法改正により 基金が財政基準をクリアできなかった場合 短期に資産が回復するよう 大幅な掛金引き上げ が求められています 本来 基金制度は長期の視点で運営するものですが 短期での不足に対しても早急な対応が必要となるのです 大幅な掛金引き上げは加入事業所の存続や雇用にも関わる厳しい対応であり また 不足が生じてからの基金解散は 財政状況が悪い状態での解散となるため 国に返還する資産を保有しているうちに基金を早期に解散する判断により 解散方針が決議されました Q2 基金解散はもう確定したのですか? A2 現状では 代議員会において基金解散方針が議決された段階です 今後 事業主ならびに加入員の皆様の 3 分の 2 以上の同意を得たうえで解散の議決を行い 国へ申請し 認可を得て基金解散が確定することとなります Q3 基金が解散すると 現在受給中の年金はどうなりますか? A3 厚生年金基金の給付は 代行部分 ( 掛金は 事業主と加入員の折半負担 ) 代行部分に付加した基本プラスアルファ部分 ( 掛金は 事業主負担 ) 及び加算部分 ( 掛金は 事業主負担 ) で構成されています 給付の多くを占める代行部分に関しては 解散後は国に支給義務が移転され 国の厚生年金から支給されることになります ( このための手続きは不要です ) 基本プラアルファ部分や加算部分は 基金解散に伴い終了となります 5

Q4 基金が解散した場合 年金が無くなってしまうケースもあるのですか? A4 基金の年金は基金規約に基づいて給付していますので 仮に 1 ケ月の基金加入期間があれば年金給付の対象となります 代行部分を国に返しますと厚生年金保険法に基づく給付となりますので 国の受給資格が無い方は 年金の給付がなくなる可能性があります 受給資格等につきましては お近くの年金事務所にご相談してください Q5 現在 加算年金を受給していますが 一時金で受け取ることができますか? A5 加算部分の年金は 20 年保証の終身年金です 年金給付を開始して保証期間 20 年を経過していない場合は 残りの期間を一時金で受け取ることができます 基金が解散すると 国に資産を返還した後の残余財産は 受給者 受給待期者 加入員に分配されます 解散時の残余財産によっては 一時金を下回る可能性がある旨 ご承知おきください ( 注 ) 加算年金の保証期間は 平成 17 年 4 月 1 日以前に受給権を取得している方は 15 年となっています Q6 いつから基金の給付はなくなるのですか? A6 基金からの給付がなくなるのは 国から解散認可を受けた後 ( 予定 : 平成 29 年 5 月 ) です 解散認可を受けるまでは基金から従来どおり年金が支給されます それ以降は 代行部分の年金は国の厚生年金から支給されます Q7 これから年金を請求するのですが 解散したらどうなりますか? A7 解散までは 基金加入期間分の請求は基金にしていただくことになります 解散後は 基金の加入期間も含めて国に請求していただくことになります Q8 これまで納めた掛金は 掛け捨てになってしまうのですか? A8 過去に加入員として負担した基本標準掛金 ( 代行部分の基本部分 ) は 解散しても厚生年金保険として国に引き継がれることになりますので これは掛け捨てとはなりません 一方 解散しますと現役の加入員 受給者 受給待期者を問わず上乗せ給付はなくなりますが 上乗せ給付に備えた掛金 ( 加算標準掛金等 ) は事業主がすべて負担したものです なお 解散後に残余財産がある場合には 皆様に分配金が支払われます 以上 6