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資本分配率と労働分配率は, 生産物についての資本 ( 企業 ) と労働 ( 家計 ) の分け前の 割合を表しています. 資本分配率は資本 K の右肩の数字 ( 指数 ) です.α がいつでも資本 分配率というわけではありません. 生産関数が L 率になります. K という形であれば,β が資本分配

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(c) 規模に関して収穫一定の生産技術をもっているから, 総費用は直線で表され, また平均費用も限界費用も同様に直線で表されかつフラットな形状になる. 問 (b) の解答より, 1 脚当たりの総費用は $65( $390 / 6 ) であるから, 各費用関数は図 9.12 のように描くことができる.

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lt = 若年期の労働供給量, t c + = 老年期の消費量, w t = 賃金率, s t = 貯蓄量, r t+ = 資本の レンタル料 ( 貯蓄からの純収益率,δ = 資産の減耗率である. 上記の最適化問題を解くと以下の式が得られる. lt =Ψ ( c t +, c Ψ t+ φ ただし

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3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考

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上記の最適化問題を解くと以下の式が得られる. l =Ψ ( c +, c Ψ + φ ただし Ψ である. (4 + ξ (2, (3 と (4 式から賃金に対する労働供給の弾力性 (Lbo supply elscy は Ψ/( Ψ となる. よってその値が正となるように以下のことを仮定する. 仮定

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Transcription:

基礎マクロ経済学 (05 年前期 ) 3. 国民所得 担当 : 小塚匡文

3. 国民所得 3. 決定要因 <フロー循環 > 教科書 66 頁の図 3-より 貨幣の流れを見てみよう これを踏まえ 基本的な古典派モデルで考察 < 生産要素 > 生産に必要なもの ( 原材料以外で ) 資本 ( 設備 ) と労働者 これらの生産性は分配にも影響する

< 生産関数 > 生産要素の数量と産出量 ( 財 サービスの供給量 ) の関係を表したもの 産出量を生産要素 ( 労働投入量と資本ストック ) の関数で表したもの y=f(k,l) where y: 産出量 K: 資本ストック L: 労働投入 多くのケースで 規模に関して収獲一定 (CRS) の仮定を置く 各要素量を n 倍にすれば産出量も n 倍になる

3. 国民所得と生産要素生産要素の分配 新古典派所得分配論 価格の調整によって需要と供給が一致する ( 古典派 ) という考え方をもとに 各生産要素の限界生産力 ( 要素価格 ) によって要素需要が決まる という考え方 < 要素価格 > 資本と労働の各要素に払う額 = 要素価格 資本の要素価格 = 資本の所有者が入手 労働の要素価格 = 労働者の稼ぐ賃金

要素価格は 要素の需給で決まる < 競争的企業の意思決定 > 競争的企業 = 価格は所与として行動する企業 生産要素や投入物の価格を所与とする 技術を一定として 設備や労働者の数を調整 利潤を最大化するように調整する < 要素量の調整は?> 生産要素の生産に対する効果は 逓減する どういうこと?

Y=F(X,X) とする (Y: 産出 X,X: 生産要素 技術は一定 ) X を一定 ( ) として X を調整する 3 F X ( X+, X ) F( X, X ) = 要素 の限界生産力 4 生産関数の形状を次スライドの図のように仮定すると 要素 の限界生産力は徐々に小さくなることがわかる

Y( 産出 ) 生産関数 X( 生産要素 )

5(ⅰ) 要素 を 単位増やして得られる追加収入が要素 追加分への支払いより多い もっと要素 を増やす = 生産を増やす (ⅱ) 要素 を 単位増やして得られる追加収入が要素 追加分への支払いより少ない 要素 を減らす = 生産を減らす

(ⅰ)(ⅱ) より 要素 を 単位増やして得られる追加収入 ( 要素 の限界生産力 ) が 単位の要素 への支払いと等しくなるところで 生産要素の数が決まる! 利潤 = 収入 - 費用 = 価格 生産量 - 要素への支払いが成立ここで変化分 (Δ) を考えると Δ 利潤 =Δ 収入 -Δ 費用 = 価格 限界生産物 - 要素 単位への支払 =0 限界生産物 =( 要素 単位への支払 ) 価格

ここで 要素への支払いについて 労働への支払い = 賃金 資本への支払い = 資本のレンタル費用 であることから 労働の限界生産力と賃金 資本の限界生産力から資本のレンタル費用との関係がわかる < 経済学上の利潤 > 経済学上の利潤 = 産出量 -(MPK K)-(MPL L) MPK: 資本の限界生産力限界生産力 MPL: 労働の限界生産力

これより 産出量 = 経済学上の利潤 +(MPK K)+(MPL L) が成立 では経済学上の利潤は? 規模に関して収穫一定の生産関数であれば 0 になる すなわち F(K,L)=(MPK K)+(MPL L) が成立する ( オイラーの定理より )

< オイラーの定理について > 関数 F( ) は k 次同次関数であり 次の恒等式が成立する F ( ) k tx, tx = t F( x x ), ここで両辺を t で微分すると ( tx, tx ) F t F = tx = F ( tx, tx ) ( tx ) F( tx, tx ) ( tx ) ( tx, tx ) F( tx, tx ) tx x t + + tx k ( x, x ) ここで t= k=( 次同次 ) とすると 次の式が成り立つ ( x, x ) F( x, x ) F tx tx x = t kt F ( x x ) x+ x = F, tx

現実で考えられる利潤は会計上の利潤 経済学上の利潤 +(MPK K) 資本に支払う分は資本の所有者に払われる 資本の所有者は企業であることがほとんどであるから 経済学上 と 会計上 の利潤概念の違いに 注意!

3. 国民所得と生産要素生産要素の分配 新古典派所得分配論 価格の調整によって需要と供給が一致する ( 古典派 ) という考え方をもとに 各生産要素の限界生産力 ( 要素価格 ) によって要素需要が決まる という考え方 < 要素価格 > 資本と労働の各要素に払う額 = 要素価格 資本の要素価格 = 資本の所有者が入手 労働の要素価格 = 労働者の稼ぐ賃金

要素価格は 要素の需給で決まる < 競争的企業の意思決定 > 競争的企業 = 価格は所与として行動する企業 生産要素や投入物の価格を所与とする 技術を一定として 設備や労働者の数を調整 利潤を最大化するように調整する < 要素量の調整は?> 生産要素の生産に対する効果は 逓減する どういうこと?

Y=F(X,X) とする (Y: 産出 X,X: 生産要素 技術は一定 ) X を一定 ( ) として X を調整する X 3 F ( X+, X ) F( X, X ) = 要素 の限界生産力 4 生産関数の形状から 要素 の限界生産力は徐々に小さくなる ( 逓減 ) ここで 次の 通りのパターンを考える

5-(ⅰ) 要素 を 単位増やして得られる追加収入が要素 追加分への支払いより多い もっと要素 を増やす = 生産を増やす 5-(ⅱ) 要素 を 単位増やして得られる追加収入が要素 追加分への支払いより少ない 要素 を減らす = 生産を減らす

(ⅰ)(ⅱ) より 要素 を 単位増やして得られる追加収入 ( 要素 の限界生産力 ) が 単位の要素 への支払いと等しくなるところで 生産要素の数が決まる! 利潤 = 収入 - 費用 = 価格 生産量 - 要素への支払いが成立ここで変化分 (Δ) を考えると Δ 利潤 =Δ 収入 -Δ 費用 = 価格 限界生産物 - 要素 単位への支払 =0 限界生産物 =( 要素 単位への支払 ) 価格

ここで 要素への支払いについて 労働への支払い = 賃金 資本への支払い = 資本のレンタル費用 であることから 労働の限界生産力と賃金 資本の限界生産力から資本のレンタル費用との関係がわかる < 経済学上の利潤 > 経済学上の利潤 = 産出量 -(MPK K)-(MPL L) それぞれの要素価格 MPK: 資本の限界生産力限界生産力 MPL: 労働の限界生産力

これより 産出量 = 経済学上の利潤 +(MPK K)+(MPL L) が成立 では経済学上の利潤は? 規模に関して収穫一定の生産関数であれば 0 になる すなわち F(K,L)=(MPK K)+(MPL L) が成立するから ( オイラーの定理より )

< オイラーの定理について > 関数 F( ) は k 次同次関数であり 次の恒等式が成立する F ( ) k tx, tx = t F( x x ), ここで両辺を t で微分すると ( tx, tx ) F t F = tx = F ( tx, tx ) ( tx ) F( tx, tx ) ( tx ) ( tx, tx ) F( tx, tx ) tx x t + + tx k ( x, x ) ここで t= k=( 次同次 ) とすると 次の式が成り立つ ( x, x ) F( x, x ) F tx tx x = t kt F ( x x ) x+ x = F, tx

現実で考えられる利潤は会計上の利潤 経済学上の利潤 +(MPK K) 資本に支払う分は資本の所有者に払われる 資本の所有者は企業であることがほとんどであるから 経済学上 と 会計上 の利潤概念の違いに 注意!

3.3 コブ ダグラス生産関数 国民所得 資本所得 労働所得が長期的にはほぼ同率で成長していることを発見 数学的にこれを満たす条件として 資本所得 =MPK K=αY 労働所得 =MPL L=(-α)Y ただし 0 α このような性質を満たす生産関数は Y = 発見者の名からコブ = ダグラス型生産関数 とよぶ α α F( K, L) = AK L

A は技術進歩をあらわす ( 一定とする ) Y = F α α ( K, L) = AK L の各限界生産力を計算すると MPK MPL = = α AK α α L = α Y K ( ) ( ) Y α AK α L α = α L 労働 資本の各平均生産力から 各要素所の満たすべき条件は満たされているか確認すること

3.4 財 サービス サービス需要需要の決定要因 < 消費 > 消費 (C) は 可処分所得 ( 所得 Y か租税 T を引いたもの ) の関数である C=C(Y-T) =MPC (Y-T) これを消費関数とよぶ 可処分所得にかかる係数 (MPC) を限界消費性向とよぶ もしこれが 0.3 ならば 可処分所得が 単位増えたとき 消費が 0.3 単位増える

< 投資 > 投資 (I) は 企業の消費とみなすことができる 投資財の需要量は 利子率に依存する ある投資計画から利潤を得るためには 投資収益が投資費用 ( 借入資金の支払い ) を上回る必要がある 利子率が上昇すると投資費用が増え 投資需要が減少 住宅投資でも同じ また 自己資金で投資をする場合も 利子率が高ければ 預金等で増やすほうがより多く稼げるため 投資を控える傾向にある

< 政府購入 > 政府の財 サービスの購入を行う= 政府購入 他には 社会保障支出など家計への移転も 家計への移転 = 負の租税 可処分所得を増やす 租税 - 移転支払 =T= 政府購入 (G) 均衡予算 実際にはGとTは一致しない G>T: 財政赤字 G<T: 財政黒字 しばらく政府購入と租税を外生とする 両者とも一定とする

3.5 財 サービス サービス需給需給を均衡均衡させるもの 3.4 節の内容をまとめると Y = C+ I+ G, C= C(Y - T), I= I(r) ここで Y = F(K,L) G = G,T= T ( ともに一定 ) および = Y ( 生産要素の量 産出量は一定 ) これらの式より Y = C(Y - T) + I(r) + G この中でr( 利子率 ) のみが未決定 利子率はどのようにして決まるのか?

< 金融市場の均衡 > Y - C - G= I の左辺は ( 国民 ) 貯蓄 右辺は投資 左辺の貯蓄 (S) はさらに次のように書きなおせる S = ( Y - T - C) + ( T G) 右辺第 項は民間貯蓄 第 項は公的貯蓄 図 3- より貯蓄は投資と一致しなくてはならない よって Y - C(Y - T) - G=S=I ( r)

貯蓄 投資と利子率の関係 実質利子率 貯蓄 S 均衡利子率 望ましい投資 I(r) S 投資 貯蓄 この場合 財は貸付資金 価格は利子率 貯蓄は投資家に貸すか 預金を経て貸出に使われる 貯蓄と投資の交点で利子率は決まる 30

< 財政政策の影響 > 実質利子率 新たな均衡利子率 S S 望ましい投資 I(r) 投資 貯蓄 政府購入が増えると 財 サービス需要が増加 生産要素 総生産量 可処分所得 消費は変わらない 投資が減少しないと帳尻が合わない その結果 均衡利子率は上昇する 3

< 投資需要の変化 > 実質利子率 S 新たな均衡利子率 I I 望ましい投資が I から I にシフトすると 貯蓄水準は固定されているので 投資量は変わらない その代わり均衡利子率は上昇する 投資 貯蓄 3

練習問題 消費および貯蓄も利子率に依存する場合はどうなるか? なお貯蓄関数は S=S( r) とする ただし 利子率が上昇すると貯蓄への報酬と借入のコストが増えるので 消費は減少し 貯蓄は増えるものとする

< 財政政策の変化 ( 政府購入の増加 )> 実質利子率 新たな均衡利子率 S S I 投資 貯蓄 政府支出が増えると国民貯蓄が減るので S から S にシフトする ( 同じ利子率でも貯蓄が減るから ) 投資関数は変化しないので 貯蓄が不足する 均衡利子率が上昇し それによって不足した貯蓄に見合った投資量が実現 投資量は減少 34

< 投資需要の変化 > 新たな均衡利子率 実質利子率 S I I 投資 貯蓄 投資需要が増えると 同じ利子率でもより多くの投資をするので 望ましい投資がIからIにシフト 貯蓄関数は変わらないので 同じ利子率では増えた投資需要に対応できない 均衡利子率が上昇し 貯蓄は増加し 投資量はそれに見合う量に調整される 結果として投資量は増える 35