医療機器の安全性評価 機器本体にかかわる安全性 機器の使い方 / 使われ方による安全性 - 医療安全 / 患者安全 (Patient Safety) - 実際例からの検討が必要

Similar documents
出力用(最後に捨てる).indd

< F2D8EA98EE5935F8C9F92CA926D94AD8F6F97702E6A7464>

(個別のテーマ)医療機関と薬局の連携に関連した医療事故

平成○○年度(第○次補正予算)地域新生コンソーシアム研究開発事業


医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

JSEPTIC CE教材シリーズ 対象:レベル1 ICUで働く新人CE(1~3年目程度)

種の評価基準により分類示の包括侵襲性指行為の看護師が行う医行為の範囲に関する基本的な考え方 ( たたき台 ) 指示のレベル : 指示の包括性 (1) 実施する医行為の内容 実施時期について多少の判断は伴うが 指示内容と医行為が1 対 1で対応するもの 指示内容 実施時期ともに個別具体的であるもの 例

人工呼吸器ガイドブック 発行 障害者自立生活センター IL-ism

III 医療事故情報等分析作業の現況 (2) ガベキサートメシル酸塩の製品平成 21 年 12 月現在薬価収載品目は以下の通りである アガリット静注用 100mg アロデート注射用 100mg アロデート注射用 500mg 注射用エフオーワイ100 注射用エフオーワイ500 ソクシドン注 注射用パナ

(個別のテーマ)血液浄化療法(血液透析、血液透析濾過、血漿交換等)の医療機器に関連した医療事故

*V60-easymanual-1

医療事故情報収集等事業 第 50 回報告書別冊 50 医療安全情報の再発 類似事例 th 公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部

自動透析装置(透析補助機能)を利用した操作手順書

呼吸ケア 人工呼吸器の基礎 4: アラームと対応 アラーム 人工呼吸器のみならず医療機器を使用する場合 患者の状態や医療機器自体の異常を発見するために必要なのがアラームです したがって アラームが適切に設定され さらに医療従事者の耳に届く適切な音量に設定されていないと 異常の早期発見や対応の遅れにつ

行動目標 5. 医療機器の安全な操作と管理  人工呼吸器の安全管理

特別支援学校における介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

Microsoft Word シリンジポンプTE-331S1N10.doc


KangoGakkai.indb

厚生労働省医薬 生活衛生局 情報の概要 340 No. 医薬品等対策情報の概要頁 1 医療事故の再発 類似事例に係る注意喚起について 平成 27 年 7 月 1 日 平成 27 年 12 月 31 日の期間に公益財団法人日本医療機能評価機構が収集した医療事故等の情報を分析した結果, 再発が確認された

蘇生をしない指示(DNR)に関する指針

サークル名

人工呼吸器講習会

<955C8E862E657073>

医療機器添付文書の手引書第 5 版 第 3 章第 3 節 < テンプレート > についての補足解説 1. パルスオキシメータ (WG2 6.1から6.4) テンプレートを利用する場合 以下 5 点の解説を参照すること パルスオキシメータ ( 本体 ) 6.2 パルスオキシメータ ( 一体

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

Microsoft Word (発出版)適正使用通知案(冷凍アブレーション)


私のリビングウィル 自分らしい最期を迎えるために あなたが病気や事故で意思表示できなくなっても最期まであなたの意思を尊重した治療を行います リビングウィル とは? リビングウィルとは 生前に発効される遺書 のことです 通常の遺書は 亡くなった後に発効されますが リビングウィルは 生きていても意思表示

酸素療法(酸素器具を学ぶ)

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

医療安全対策 医療安全のため 高血圧と歯科診療上の注意 必要な問診事項について確認を行った 下記についてすぐ対応できるか確認した 1 血圧測定など 2 緊急時の対処 3 必要な薬剤の準備 4 その他 患者さんへの歯科診療上の注意事項 特に外科処置時

【資料1-2-1】①持続的気道陽圧ユニット等基準案

いつも、大変お世話になっております

<4D F736F F D20315F906C8D488CC48B7A8AED88C091538E CC82BD82DF82CC8E77906A FC5F2E646F63>

平成19年度 病院立入検査結果について

複数名訪問看護加算 (1 人以上の看護職員等と同 2 人以上による訪問看護を行う場合 行 ) 看護師等と訪問 看護師等と訪問 4,500 円 30 分未満 254 単位 准看護師と訪問 3,800 円 30 分以上 402 単位 看護補助者と訪問 ( 別に厚生労働省が定める場合 看護補助者と訪問 を

「WHO手術安全チェックリスト」実施にあたって

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

< F2D817994AD8F6F94C5817A8E9696B D BB>

Chapter 02 CRRT 回路 血液系圧アラームを理解しよう 圧評価もできるようになろう CRRT 回路理解のためには 血液系と液系をわける必要性を説明しました ア ラーム理解も同様です 血液系 の圧評価を理解しよう 血液系の圧の評価において血液ポンプの前後で分けて考えます 図12 血液ポンプ

Microsoft PowerPoint - matayosi.pptx

医療に対するわたしの希望 思いが自分でうまく伝えられなくなった時に医療が必要になった場合 以下のことを希望 します お名前日付年月日 変更 更新日 1. わたしの医療について 以下の情報を参照してください かかりつけ医療機関 1 名称 : 担当医 : 電話番号 : かかりつけ医療機関 2 名称 :

持続吸引システム導入の成果

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

1 はじめに 平成 20 年 10 月 15 日 山梨県立中央病院 ( 以下 当院 という ) において 入院患者様の疼痛緩和のための鎮痛剤を追加投与する際に 鎮痛剤を誤って投与するという重大な医療事故が発生しました 患者様の容態の回復に向け最善を尽くしたところでありますが 患者様は意識が回復しない

2017年度患者さん満足度調査結果(入院)

PowerPoint プレゼンテーション

( 別添様式 2) 喀痰吸引等業務 ( 特定行為業務 ) の提供に係る同意書 下記の内容について十分な説明を受け内容を理解したので 喀痰吸引等業務 ( 特定行為業務 ) の実施に同意いたします 喀痰吸引等 ( 特定行為 ) の種別 口腔内の喀痰吸引該当する ( 実地研修を実施する行為 ) にチェック

鼻腔内 ( 人工呼吸器装着者 ) 安全に吸引が実施できる者を選定すること及び緊急時に備える STEP1 安全管理体制確保 評価項目内容実施者 留意事項 考えられるえられる主なリスク 必要な知識知識 技術 利用者の状態に関する情報を共有し 報告 連絡 相談等の連携体制を確保する ( 急変 事故発生時の

Infinia操作マニュアル

( 利用の申請 ) 第 6 条事業を利用しようとする者は 板橋区重症心身障がい児 ( 者 ) 等在宅レスパイト事業利用申請書 ( 別記第 2 号様式 以下 申請書 という ) を区長に提出しなければならない 2 区長は 被介護者の身体状況及び必要となる医療的なケアを確認するため 必要に応じて第 2

Microsoft Word _発刊にあたって.doc

P-2 3 自分で降りられないように ベットを柵 ( サイドレール ) で囲む 実施の有無 1 他に介護の方法がないため 2 同室者 他の利用者からの依頼 4 不穏や不安など本人の混乱を防止 5 暴力行為など他人への迷惑行為を防止の為 6 夜間以外の徘徊を防止 7 夜間の徘徊を防止 8 不随運動があ

第1回 障害者グループホームと医療との連携体制構築のための検討会

000-はじめに.indd

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

<4D F736F F F696E74202D208B678FCB8E9B D C982A882AF82E98AB490F5975C966891CE8DF482CC8A B8CDD8AB B83685D>

H1.eps

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

Microsoft PowerPoint - H27.5実技研修(呼吸器)配布資料 (2) [互換モード]

それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

臨床試験の実施計画書作成の手引き

CoughAssist-E70

中心静脈カテーテル (CVC:Central venous Catheter) とは・・・

P001~017 1-1.indd

<4D F736F F F696E74202D E81798E9197BF33817A8FAC8E998B7E8B7D88E397C391CC90A782CC8CBB8FF32E >

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

運転しない

特定集中治療室用の重症度 医療 看護必要度に係る評価票評価の手引き アセスメント共通事項 1. 評価の対象評価の対象は 特定集中治療室管理を行う治療室に入院し 特定集中治療室管理料を算定している患者とし 患者に行われたモニタリング及び処置並びに患者の状況等の日常生活動作の自立度について 毎日評価を行

<4D F736F F D CA926D817A8EA98CC8928D8ECB82AA89C2945

資料2 災害拠点病院の震災対策の現状と課題(5/7)

用語の定義 非侵襲的陽圧換気 noninvasive positive pressure ventilation, NPPV 気管挿管や気管切開を行わず マスクなどを介して陽圧換気を行う換気補助様式 NPPV と胸郭外陰圧換気を合わせたものは非侵襲的換気 (noninvasive ventilati

人工呼吸第 28 巻第 2 号 3. 教育システムの整備人工呼吸器に直接関わる医師 看護師 臨床工学技士に対する取り扱い教育 安全管理教育を系統的かつ定期的に実施すること 特に医師 看護師は 患者の呼吸のアセスメント能力の向上に努めること Ⅱ 人工呼吸療法を施行する部署 人工呼吸器を安全に使用するに

医療事故調査・支援センター~センターの役割と手引~

(Microsoft PowerPoint \224\255\225\\\216\221\227\277\201i\223\210\220X\201j.PPT [\214\335\212\267\203\202\201[\203h])

院内肺炎予防策

第2回 安全な医療の提供

3. 提出データ形式 平成 28 年度 H ファイル 大項目 必須条件等有 小項目内容 ( 入力様式等 ) (1) 施設コード都道府県番号 + 医療機関コード間 には区切りを入れない (2) 病棟コード病院独自コード 但し 一般 一般以 外の区が可能なこと 左詰め (3) データ識番号複数回入退院し

6 か月未満の乳児 意識障害 けいれんがあるとき 重症の心臓病 不整脈があるとき 吐かせる 吐かせない至急病院へ吐かせない病院へ病院へ何ものませない何ものませない何ものませない水や牛乳を飲ませる牛乳 卵白を飲ませる水を飲ませる

<4D F736F F F696E74202D20315F8F FE18A518E ED CC926E88E690B68A >

問題です 訪問看護って? 指示があるまで開けないでね!

Microsoft PowerPoint - ä»−æŁ¯ç§‚ã†§ã†ªã†«ã†„ã†−ã†fiㆣㆦ㆗㇉ㆉè³⁄挎.pptx

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

PowerPoint プレゼンテーション

KangoGakkai.indb

基本料金明細 金額 基本利用料 ( 利用者負担金 ) 訪問看護基本療養費 (Ⅰ) 週 3 日まで (1 日 1 回につき ) 週 4 日目以降緩和 褥瘡ケアの専門看護師 ( 同一日に共同の訪問看護 ) 1 割負担 2 割負担 3 割負担 5, ,110 1,665 6,

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

Microsoft PowerPoint - 医療的ケア児災害サポートハンドブック

中小医療機関における輸血 療法委員会の設置に向けて 長崎県合同輸血療法委員会平成 31 年 1 月 16 日

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

針刺し切創発生時の対応

,

ファームウェア書き換え説明書 目次 はじめに... 2 書き換え前に... 2 接続図... 2 書き換え手順... 3 (1) ファームウェアファイルの準備... 3 (2) 接続準備... 3 (3) ファームウェア書き換え準備 (4) ファームウェア書き換え準備 (

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

6.Simple HEMS について 6-1 ホーム画面について 6-2 時刻設定を確認する 6-3 家電を接続する 6-4 エアコン 照明操作画面について 6-5 給湯 蓄電池操作画面について 2

☆3(提出用)最終案ハンドブック改訂 .pptx

Transcription:

PMDA 科学委員会医療機器専門部会 資料 2 2013/10/18 医療機器にまつわる インシデント事例から 国立病院機構大阪医療センター 楠岡英雄

医療機器の安全性評価 機器本体にかかわる安全性 機器の使い方 / 使われ方による安全性 - 医療安全 / 患者安全 (Patient Safety) - 実際例からの検討が必要

厚生労働省医薬品 医療機器等対策部会平成 24 年度第 3 回医薬品 医療機器安全使用対策検討会結果報告 医療事故情報収集等事業第 33 回報告書 ( 医政総発 0627 第 1 号 薬食安発 0627 第 1 号 平成 25 年 6 月 27 日 ) 医療機能評価機構医療事故情報収集等事業 医療事故 / ヒヤリ ハット報告事例検索 平成 24 年年報

1. 調査対象の範囲 平成 24 年度第 3 回医薬品 医療機器安全使用対策検討会結果報告 公財 ) 日本医療機能評価機構 ( 以下 評価機構 という ) による医療事故情報収集等事業報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データ中の医療機器に関連する医療事故及びヒヤリ ハット事例評価機構による医療事故情報収集等事業第 29 回及び第 30 回報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成 24 年 1 月 1 日 ~6 月 30 日の間に報告された事例 2. 検討方法医療機器に起因するヒヤリ ハット等の事例について 医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うため 各医療関係職能団体代表 学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し 医療機器の物的要因に対する安全管理対策について検討

3. 調査結果 平成 24 年度第 3 回医薬品 医療機器安全使用対策検討会結果報告 医療機器の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について 調査対象の全 138 事例を調査したところ 以下の結果となった 調査結果事例数割合 医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 製造販売業者等により既に対策がとられているもの もしくは対策を既に検討中の事例 ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例 情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例 0 0.0% 17 12.3% 78 56.5% 43 31.2% 計 138 100%

販売名 ライトガイドケーブル 人工心肺装置 製造販売業者等により既に対策がとられているもの もしくは対策を既に検討中の事例 事故の内容事故の背景要因の概要改善策調査結果 日帰り手術で コードの熱くなる部分は 術者尿道的内視鏡が手で持って操作するため患児下ヒアルロンには当たっていないはず しか酸注入し 所見からは熱傷の可能性が 手術終了後ド高い 手術操作中は 医師等も レープをはがしたところ 左大腿部外側に皮膚の熱傷あり 注意していたが 終了後 光源からライトガイドケーブルをはずし器械類を片付ける際に 患児の皮膚に 熱くなった口金部が接触したと考えられた ICUでベッドサ心停止下の心内修復術を行っ人工心肺装置のローイドで連続でた為に心臓の機能が悪化 手ラーポンプ急停止 ア心肺装置を回術中から継続していた人工心肺ラームが鳴らなかった して循環維持 装置を継続する事になった 1. 手術中は メーヨ台や 当該ケーブル及び光源装置の手枕などで工夫して患者添付文書には 使用直後のケーに直接 コード類がかかブル先端が熱くなるため やけらないようにする ど等の可能性があることが記載 2. 光源からライトガイドされている ケーブルをはずすときになお これまで同様の事例が集は 口金が熱くなってい積されており PMDA 医療安全ることを再認識して器械情報 No.33 手術時の熱傷事故を片付ける際には 患者について を作成 配信し 注意から離れたところで行な喚起も実施しているところ う 当該事例については企業から薬事法に基づく不具合報告が行われており 当該製品の解析の結果 停止した原因は特定できなかったが 基板の一時的な電気的接触不良の可能性が考えられるとのことであり 当該基板を交換 修理したとのこと

医療事故情報収集等事業第 33 回報告 (1) 医療事故情報収集 分析 提供事業 ( 平成 25 年 1 月 ~3 月に報告された事例 )

医療事故情報収集等事業第 33 回報告 (2) ヒヤリ ハット事例収集 分析 提供事業 ( 平成 25 年 1 月 ~3 月に発生した事例 ) 1) 参加医療機関数 1,107 ( 事例情報報告医療機関数 607 施設を含む ) 2) 報告件数 ( 第 33 回報告書 64~70 頁参照 ) 1 発生件数情報報告件数 :157,646 件 ( 報告医療機関数 474 施設 ) 2 事例情報報告件数 :8,007 件 ( 報告医療機関数 84 施設 )

平成 25 年 1 月から 3 月に報告された再発 類似 MRI 検査室への磁性体 ( 金属製品など ) の持ち込み医療安全情報 No.10(H19/9) 湯たんぽ使用時の熱傷 皮下用ポート及びカテーテルの断裂 No.17(H20/4) No.58(H23/9) 電気メスペンシルの誤った取り扱いによる熱傷 No.59(H23/10 ) ベッドのサイドレールや手すりに関連した事例共有すべき医療事故情報 ( 第 13 回報告書 ) 膀胱留置カテーテル挿入の際 尿流出を確認せずにバルーンを膨らませ尿道損傷を起こした事例 院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故

医療機能評価機構医療事故情報収集等事業医療事故 / ヒヤリ ハット報告事例検索 対象 :2012 年 4 月 ~2013 年 3 月に発生した事例 事例概要 : 医療機器等 医療事故 0 件 ヒヤリ ハット事例報告 729 件 多くの事例が ヒューマンエラー / ヒューマンファクターに起因する と考えられている

医療機能評価機構医療事故情報収集等事業医療事故 / ヒヤリ ハット報告事例検索 種類 輸液 輸注ポンプ 血液浄化用機器 血液浄化用機器 事故の内容輸液を輸液ポンプにセット その後開始ボタンを押してベッドサイドを離れる 開始直後の確認はせず 1 時間後訪室時に積算がゼロのままになっており ポンプの開始ボタンを確認すると 開始ボタンは点滅しておらず 停止ボタンのほうが点滅していた ポンプのアラームは鳴っておらず ポンプ上の赤色ランプも点滅していなかった すぐに確認し直して開始する 12 時 CHDF 観察時 ろ過圧 0 13 時観察時ろ過圧 0 疑問に思い相談し 回路つまりかけだろうと考えていた 16 時 50 分 他看護師と F 確認時 ろ過圧モニターが外れていることを指摘される すぐに接続した 回路を組み プライミングも通常通り行なわれ プライミング時の生理食塩水の逆流は見られなかった ダブルチェックでの回路の確認時もしっかりはまっているものと確認されていた 患者への穿刺後 血液が回路内に流れ始めても静脈圧の変化はなかったが透析の運転に入った後に圧が急激に下がり血液が回路内へ逆流した 血液浄化機器の組み立ての誤り

医療機能評価機構医療事故情報収集等事業 種類 人工呼吸器 人工呼吸器 酸素療法機器 酸素療法機器 医療事故 / ヒヤリ ハット報告事例検索 事故の内容 気管内挿管管理中の児 4 時に左側臥位に体位を整えると モニター上 SpO2=75~79% と低めで推移する 気管内吸引を実施したり 体位を再度整えるが状態に著変みられず 当直医に報告 当直医による診察後 さらに SpO2 値のベースが下がり 他看護師が呼吸器周辺の確認を行った際 呼吸器回路のウォータートラップ内に多量に水がたまっているのを発見する 呼吸器回路の水滴 ウォータートラップの水を除去すると SpO2 値回復する 人工呼吸器を準備し ディスポ熱線入り回路を使用するため 加温加湿器に回路を組んだ 担当医により使用前の回路リークテストが行われ その後患者を人工呼吸器につないだ時 加温加湿器のアラームが鳴った アラームの原因を調べると 加湿器側への呼気と吸気の回路が反対につながれていることがわかり すぐに回路をつなぎかえた 入院した準夜帯より経鼻カテーテルで酸素投与を 1L より開始した SpO2 を観察しながら 酸素投与を 1L ずつ上げ 深夜帯で 6L まで増量したためマスクへ変更 その際 微量酸素流量計が使用されていることを発見し 0.1L ずつでの調節になっていたことに気づいた 通常の酸素流量計に変更し 0.6L から 1L へ増量 人工呼吸器装着中の患者 CT 出棟の際に 主治医が携帯用呼吸器に載せ替えるため 酸素ボンベを接続し テストラングで点検を行った その際 アラームが鳴り酸素が出ていないことが判明 酸素ボンベを確認すると 酸素の元栓のネジが しまる になっていた

医療機能評価機構医療事故情報収集等事業平成 24 年年報 2 個別のテーマの検討状況 1 MRI 検査に関連した医療事故 5 臨床化学検査機器の設定間違いに関連した事例 7 組み立て方を誤った手動式肺人工蘇生器を使用した事例 9 膀胱留置カテーテル挿入の際 尿流出を確認せずにバルーンを膨らませ尿道損傷を起こした事例 12 院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故

MRI 装置にボンベが吸着した事例 MRI 装置に清掃器材が吸着した事例

医療安全情報 No.56 2011 年 7 月 MRI 検査時の MRI 検査時の高周波電流のループによる熱傷

臨床化学検査機器の設定間違いに関連した事例 内容 診療科医師より 検査部へ乳酸およびピルビン酸の測定について報告値が高めではないかと指摘があった 日常精度管理試料の測定値から遡って調査した結果 約 1 年前に行った臨床化学検査システムの大幅な更新の際に 測定機器に誤った計算式が登録されていることが明らかとなった 約 1 年間の間 乳酸は 本来の測定値の 2 倍 ピルビン酸は 2.8 倍に測定されていた 背景 要因 臨床化学検査システムの大幅な更新の際に 試薬メーカーは 装置定数機能 ( 補正機能 ) を用いて結果値が 2 倍になるよう設定した そのことについて検査技師へある程度の説明はあったが 内容が充分でなかった その結果 装置定数機能によりすでに測定結果が 2 倍にされていることに気づかず 従来どおり 計算機能において 2 倍になるよう設定したため 測定値が本来の結果の 2 倍となってしまった

組み立て方を誤った手動式肺人工蘇生器を 使用した事例

組み立て方を誤った手動式肺人工蘇生器を 使用した事例

膀胱留置カテーテル挿入の際 尿流出を確認せずにバルーンを膨らませ尿道損傷を起こした事例 尿の流出を確認せずに バルーン内に蒸留水を注入した主な理由

院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故

院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故 事例 1:0 歳低出生体重児 断続的啼泣があり 看護師が抱き上げながらあやしていたが 吸啜反応が見られたため プラスティック手袋の指部分にガーゼを詰めた手製のおしゃぶりをくわえさせ ベビーバンパー ( 子どもの体幹を固定し体位を整える器具 ) を口元近くに設置し 外れないようにして その場を離れた おしゃぶりは口元に固定しなかった 患児が手製のおしゃぶりを誤飲 気管内挿管 透視下にて 食道入口部にあったおしゃぶりを除去した 背景 要因 手作りのおしゃぶりは 誤飲するリスクがあるとの指摘があったことから 市販されているおしゃぶりへの切り替えも検討したが 消毒がしにくいといった問題から採用は見送られていた

院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故 事例 2: 内視鏡による鼻中隔矯正術 両側上顎洞篩骨洞根本術を実施 帰室時より覚醒状態悪く 徐々に呼吸反応が低下 気管挿管し アンビュー加圧するが気道抵抗が著明 気管支鏡にて 右主気管支にゴムタンポン ( ゴム内にはガーゼと凝血あり ) が確認され 鉗子にて除去 背景 要因 今回鼻内より気管へ脱落したタンポンは 手術用の滅菌ゴム手袋の指部分を切り 中にガーゼなどを詰めて作成したタンポン 脱落の可能性を予見しておらず 脱落防止の対策はとっていなかった 上記のゴムタンポンは他の施設でも使用しており当院独自ではない 今まで脱落し 呼吸状態が悪化した患者はいなかった

院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故 事例 3: 開頭血腫除去術後保存的加療 気管切開し 日中は人工鼻を使用 看護師は喀痰量多いため夜間のみハルンコップの底をくり抜いてガーゼで被い 輪ゴムでガーゼを固定した物を作成し 気管カニューレ入り口部分を囲むように設置 プラスチックテープでコップと患者の頸部に貼り付けて使用 看護師が訪室した際 患者の異常を発見 紙コップに貼ってあった側のプラスチックテープが 気管カニューレの入り口部に被さった状態を発見した 紙コップ本体は患者の腹部のあたりにあった 背景 要因 肺を湿潤に保つための薄いガーゼと紙コップのフィルターを固定していたプラスチックテープの一部が 気管カニューレの空気の通り道に被さっていたことで 呼吸状態の悪化に影響した可能性

院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故 事例 4: 喉頭分離術を行い 気切外口が開いている患者 入浴中の水の垂れ込みを防止するための人工鼻が古くなっていたため 看護師が使用中のものを見ながら作成 市販の人工鼻の 気管カニューレ接続部に垂直に7cm 四方のビニールを縫いつけ 中央は空気が出入りするように穴を開けるところ 水が入らないよう縫うことに気を取られ 真ん中に穴を開けるのを忘れていた 後日 人工鼻の加工品を患者に装着 患者にチアノーゼが出現 人工鼻を外し酸素吸入を行った 背景 要因 医療消耗品に適切なものがなかった 今まで問題なく使用されていたので 安全確認をする意識が低かった

レギュラトリーサイエンス 新技術や新物質を大いに活用すると同時にその安全性を確保するという 一見すると二律背反に近い困難な問題を 科学的根拠と社会的見地に基づいて解決するための新しい科学分野である 医療機器の評価の視点 機能 有効性 利便性 安全性- 操作性デザイン ( 視認性 組み立て 他 ) Auto-check 機能