Microsoft PowerPoint - 03_保健医療関係者との連携・協力について(﨑村様)

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国民健康保険制度改革の施行に向けて

問 3 問 2 で と回答した方は 上記対策で何を見て知ったか ( 複数回答可 ) % 問 4 問 2で と回答した方は 下記対策で利用したいまたは既に利用しているものは 問 4 何か ( 複数回答可 ) 特定健診 特定保健指導対策 10 (41.9%) がん ( 婦人

■● 糖尿病

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

資料 6 広島市健康福祉局保健部保健医療課 元気じゃ健診 ( 特定健診 ) の受診に関する地域包括支援センターから地域住民への呼びかけについて 1. 趣旨 広島市は 全国平均に比べて 平均寿命は長いが 健康寿命は短くなっている また 広島市国民健康保険の 1 人当たり医療費は 政令市の中で最も高くな

市原市国民健康保険 データヘルス計画書

第2期データヘルス計画について

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第三期特定健康診査等実施計画 ニチアス健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 02 月 20 日

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

スライド 1

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

1. 趣旨 目的 香川県糖尿病性腎症等重症化予防プログラム 香川県医師会香川県糖尿病対策推進会議香川県国民健康保険団体連合会香川県 本県では 糖尿病患者の人口割合が全国上位にあり 糖尿病対策が喫緊 の課題となっている 糖尿病は放置すると網膜症や腎症 歯周病などの合 併症を引き起こし 患者の QOL

3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

(7)健診データの受領方法

特定健康診査等実施計画

小松市医師会糖尿病連携推進協議会の取り組み 受診につなげる取り組み 1) 特定健診後 小松市からの受診勧奨 2) 地区別健康懇談会 等 3) 一般社団法人小松能美薬剤師会が主導した 薬局での血糖測定のモデル事業 合併症発症予防の取り組み 4) 診療所における栄養指導 運動指導の強化ー小松市の試みー

日本赤十字社健康保険組合特定健康診査等実施計画 Ⅰ 計画策定にあたって 1 背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務

福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

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第三期特定健康診査等実施計画 横浜ゴム健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 10 月 16 日


特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 日

2 第 1 期データヘルス計画 ( 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 ) の要点 ⑴ 加入者の状況被保険者は 男性が約 85% と多く 年齢構成は 40 歳代 50 歳代が多い 被扶養者は 子供を除くと女性が多い ⑵ データに基づく健康課題 1 生活習慣病及び生活習慣病関連疾患が医療費に占める

Ⅰ 目標達成

特定健康診査等実施計画

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

保健事業実施計画書

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特定健康診査等実施計画

評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

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第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

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在宅要介護高齢者口腔ケア推進事業

はじめに

中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について)

特定健康診査等 ( 平成 30 年度 平成 35 年度 ) 背景 現状 基本的な考え方 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 事業所数が多く その健康課題も多岐にわたるため対策実施に当たっては事業所の協力が欠かせない 被保険者の特定健診受診率は 95% 前後であり 事業主健診は

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

宗像市国保医療課 御中

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 30 年 3 月 1 日 ( 最終更新日 : 平成 30 年 7 月 27 日 )

2 月 22 日市町村自治会館 平成 28 年熊本県保険者協議会第 4 回保健事業部会 KUMAKOKU REPORT(2 月 ) 各医療保険者から 13 人の出席のもと開催した はじめに 向山照美部会長 ( 美里町 ) が平成 28 年度の取り組みを振り返って実施状況を一つずつ確認した

(この実施計画は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条の規定に基づき作成し、

保健事業実施計画書

大阪府医師国民健康保険組合 特定健康診査等実施第 2 期計画 ( 平成 25 年 7 月 1 日 ) 1. 計画策定の背景昭和 36 年の国民皆保険の成立により わが国の平均寿命は飛躍的に伸び 今や世界一の長寿国となった しかし 世界に冠たるこの国民皆保険制度は 平均寿命の伸びによる高齢化の急激な進

データヘルス計画 ~健康増進に向けた医療保険者の機能強化~

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

C 効果検証 先行実施分 6,7 月実施分の指導実績に基づく アウトプット ( 事業実施量 ) 本事業 特定保健指導 Web 面談対象者として積極的 37 名 動機付け 23 名を抽出 地域内訳 :3 社 12 拠点 ( 札幌, 旭川, 青森, 新潟, 大宮, 水戸, 大阪, 福岡 ) 各社共通の拠

1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

03-2_(0206修正済)第3編第2章

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平成 27 年 10 月 6 日第 2 回健康増進 予防サービス プラットフォーム資料 協会けんぽ広島支部の取り組み ~ ヘルスケア通信簿について ~ 平成 27 年 10 月全国健康保険協会広島支部 協会けんぽ 支部長向井一誠

特定健診・特定保健指導

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた し かし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医 療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する

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全ての国民が自ら生活習慣病を中心とした疾病の予防 重症化予防 介護予防 後発医薬品の使用や適切な受療行動をとること等を目指し 特定健診等の受診率向上に取り組みつつ 個人や保険者の取組を促すインセンティブのある仕組みを構築 提出府省庁厚生労働省部局名保険局関係府省庁 厚 - 質問 : 骨太方針 07

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

特定健康診査等実施計画 第二期 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 第一版 三菱鉛筆健康保険組合 平成 25 年 5 月

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

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死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

特定健康診査等実施計画 豊田合成健康保険組合 平成 30 年 3 月

特定健康診査等実施計画書 ( 第 3 期 ) JXTG グループ健康保険組合 平成 20 年 4 月 1 日制定平成 22 年 4 月 1 日改訂平成 25 年 4 月 1 日改正平成 30 年 4 月 1 日改正 - 1 -

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

Uモニ  アンケート集計結果

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) 三菱製紙健康保険組合 平成 30 年 4 月

目次 1. 趣旨 2. 計画の期間 3. 兵庫県の特徴 (1) 人口 後期高齢者数について (2) 平均寿命について (3) 医療 健診 介護 ( 有病状況 ) について 4. 目標 5. 実施事業 < 参考 > 別添資料 KDB の分析帳票等について

健康企業宣言実施結果レポート Step1(Q&A) 質問 実施方法 添付資料 日頃の食生活に乱れがないか声掛けをしていますか? 始業前などに体操やストレッチを取り入れていますか? 朝礼等での声掛けの他 TJK ホームページに掲載されている 野菜は 1 日 350g 食べましょう のパンフ

第2次「健康くるめ21」計画

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平成 29 年 3 月改定 特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) 協和発酵キリン健康保険組合 平成 29 年 3 月

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振り返り評価シート

求する診療報酬明細書の件数 ( 入院以外 ) は 糖尿病や高血圧 心疾患などの生活習 慣病が約 4 割を占めている 生活習慣病患者が増加することにより 医療費は年々増 大していくことが考えられる 図 2 戸田市の医療費の推移 ( ウ ) 健康寿命の延伸県は健康寿命を 65 歳に達した県民が自立した生


特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

要因 2 全国的に 死亡原因の 6 割が生活習慣病であり 大阪市においては 特に死亡者数の最 も多い悪性新生物 ( がん ) の死亡率が高くなっている なお 心疾患および脳血管疾患 については 全国との差が年々縮まり 現在はほぼ同じ水準となっている 国 大阪府 大阪市の死亡率 H22 年 人口 10

医療法人積善会 蒲郡東部病院 特定健康診査 及び 特定保健指導 運営規定 2019 年 4 月 1 日

特定健康診査等実施計画

特定健康診査等実施計画

,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

厚生労働省における医療 ICT 化の取り組み 日本の医療が抱える課題 医療需要 財政負担の増加高齢化の進行 疾病構造の変化医療改革の方向性 健康の維持増進 疾病の予防及び早期発見の促進 医療機能の分化 連携の推進 地域包括ケアシステムの構築 解決ツールとしての医療 ICT 化 健康づくり ビッグデー

時間 1 平成 28 年 9 月 7 日 ( 水 ) 時間 2 平成 28 年 9 月 8 日 ( 木 ) 9:00 受付 9:20 オリエンテーション 9:20 受付 9:30 特定健診 保健指導の基本的な考え方 ( 概論 ) 9:30 効果的な継続支援の進め方 グループワーク (60 分 ) 行

医療費適正化計画の概要について 国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から 医療費適正化を総合的かつ計画的に推進するため 国 都道府県は 医療費適正化計画を定めている 根拠法 : 高齢者の医療の確保に関する法律作成主体 : 国 都道府県計画期間 :5 年 ( 第 1 期 : 平成 20~24

1. まとめ 1 糖尿病の現状と課題 予備群を含め 2000 万人を超える生活習慣病 糖尿病 医療体制の整備に匹敵する治療の鍵は 患者の行動変容 である そのために必要なのが (1) 予防から合併症予防まで切れ目のない対策 (2) エビデンスに基づくチーム医療 ( 3) データを活用して様々なステー

歯科中間報告(案)概要

寄居町

がん検診の

禁煙対策の取組主体はどのようになっているのか 県も出前講座等の取組を行っているが, 現在, たばこ対策は, 受動喫煙対策が取組の中心とな っている 喫煙者が減れば健康へのリスクも減るため, 保険者として協力できることがあれば, 情報等を共有し協力していきたい 後期高齢者医療広域連合の取組は, これま

所掌業務①:研究関係

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

図表 糖尿病の患者の状況等 宮城県全国出典 メタボリックシンドローム該当者 予備群割合糖尿病の総患者数 ( 人口比 ) 29.3% 26.2% 62,000 人 3,166,000 人 (2.7%) (2.5%) 特定健康診査 特定保健指導の実施状況に関するデータ ( 平成 27(2

目次 1. 基本事項... 1 (1) 計画策定の背景... 1 (2) データヘルス計画の位置づけ... 1 (3) 計画期間 北海道建設国民健康保険組合の特性把握... 2 (1) 被保険者の構成... 2 (2) 医療費の状況 これまでの取り組み... 6 (1

Transcription:

国保 後期高齢者医療におけるデータヘルス計画及び糖尿病性腎症重症化予防に関する説明会 第一部 データヘルス計画について 平成 29 年 10 月 6 日 ( 金 ) 資料 3 ~ しながわデータヘルス計画の推進 ~ 保健医療関係者との連携 協力について 品川区健康推進部国保医療年金課保健指導係保健師﨑村詩織 品川区の概要 22.84 km 2 1

品川区の国保の現状 人口 国保加入者 特定健診対象者 約 38 万人 約 8 万 5 千人 約 6 万人 実施体制 ( 国保医療年金課保健指導係 ) 事務係長 1 名 事務 ( 再任用 )1 名 保健師 1 名 非常勤事務 ( 週 3)1 名 2 H27 協働でデータヘルス計画策定 保健医療機関とデータヘルス策定委員会を組織し計画策定 データヘルス策定委員会 ( 有識者委員会 ) の運営年 4 回の策定委員会にてデータヘルス計画を策定 事務局品川区国保データヘルス計画策定委員会 本取り組みが業界誌に掲載されました 国保 ( 株 ) ミナケア医療年金課保健指導係 実施支援 健康推進部長 ( 兼保健所長 ) 医師会栄養士会コラボ 国保医療年金課長 健康課長 国立保健指導研究機関会社 写真 : 品川区データヘルス計画策定委員会の様子 ( 平成 27 年 10 月 26 日 ) 出典 : 法研 へるすあっぷ 21 (2016 年 2 月号 )

品川区国保における協働のスタート 最初は 医師会や健診担当理事 医療機関とのトラブルは多々あった 事業が増えるほどトラブルも UP トラブルの解決を迅速に 誠意を見せることトラブルをきっかけに先生方の意見を真剣に聞きより良い方法を一緒に模索してもらうことトラブルをきっかけとしたコミュニケーションの積み重ねがお互いの信頼関係を築くきっかけに ここに辿り着くには受診啓発プロジェクトが契機に H24~ 受診啓発プロジェクト 民間事業者の提案で 健診受診率の向上を目指す 行政 民間 地域協働によるプロジェクトを開始 国保医療年金課地域活動課保健センター 受診啓発プロジェクト実施体制 行政民間企業地域 協働事業者 JTB コミュニケーションズルネサンス クレメンティア 協力企業 電通 CSS, 法研 大塚製薬オムロンヘルスケアよしもとクリエイティブエージェンシー 医師会 歯科医師会 薬剤師会 栄養士会健康づくり推進委員会スポーツ推進委員会トリム体操連盟ラジオ体操連盟商店街連合会 協力団体を推進メンバーに認定 関係機関との協働のきっかけ 5

プロジェクトによる波及効果 医師会との関係が大幅に改善 打ち合わせや委員会等の会議が 和やかな雰囲気で前向きな発言が多い場に 医師会から健診受診率向上に向けた様々な提案が上がる トラブルの火消しに理事が協力してくださる 主要な医療機関が健診をやる気に! 協働で事業を評価 実施する体制へ 受診啓発プロジェクト 協力機関の施設内にポスター掲示 リーフレット配布ニュースレターを定期発行し 健診の進捗状況を協力機関に報告医療従事者向け勉強会を協力機関と共催で開催 保健指導実施率 UP プロジェクト 医療機関より保健指導を直接申し込める体制の構築区職員による保健指導効果実証実験を実施し 広く周知 実施計画評価委員会 年 1~2 回 保健事業の評価を関係機関 ( 医師会 栄養士会 委託事業者等 ) と有識者と協働で実施 協働によるデータヘルス計画の策定へ

協働によるデータヘルス計画策定 策定委員会 (4 回 ) の議論の流れ 1 回目 2 回目 3 回目 4 回目 現状の保健事業の業務棚卸 健康課題の抽出 保健事業の優先順位決定 保健事業の具体的方向性の議論 具体的保健事業戦略の議論 保健事業の実施計画 評価指標の検討 素案にてデータヘルス計画のストーリーを確認 評価指標の妥当性を再確認 8 策定委員会運営のポイント 会議の成功は下準備が 8 割 討議しやすい資料の準備 参加者が興味を持つような内容を準備し 事前に送付 事前に委員へ意見を頂きたいポイントを伝えておく 事前資料のどこを中心に議論するか説明 この点について意見を聞きたいとメールしておく 会議体が多すぎてもまとまらない 意思決定できる会議であることが重要

議論経過 ( 例 )- 健康課題の抽出 - 性 年齢別に見た医療費の状況 議論経過 ( 例 )- 健康課題の抽出 - 3 年連続未受診者の状況 11

議論経過 ( 例 )- 健康課題の抽出 - 肥満者とリスクの状況 12 議論経過 ( 例 )- 健康課題の抽出ー 重症化リスクの状況 13

議論経過 ( 例 )- 健康課題の抽出ー 歯科重症化リスクの状況 14 議論経過 - 健康課題の明確化 - 品川区国保の三大課題 健診受診率の低迷リスク保持者の増加重症患者の増加 品川区国保の三大対策 受診率向上対策軽度リスク者対策重症化対策 15

議論経過 ( 例 )- 優先順位と戦略化 - 軽度リスク者対策 事業名優先度事業の概要 肥満対策 国保保健指導案内の工夫 改善 ( 利用者の声 健診結果の経年変化の記載等 ) 利用勧奨に力を入れる層を明確化し PR の強化をする 新規対象者 / 経年対象者等 BMI25 以上の方に効果的な情報提供を実施 BMI25 以上の方にダイエットプログラムの構築 非肥満ハイリスク者対策 品川健康センターと連携した非肥満対策等の実施 喫煙対策 喫煙者に禁煙外来一覧や禁煙リーフレット等の送付を実施 16 議論経過 ( 例 ) - 事業計画 - 17

評価指標 ( 例 ) - 受診率向上対策 - 健診受診勧奨 ( ダイレクトアプローチ ) 未受診者理由の調査 健診結果説明会 健診受診啓発プロジェクト アウトプット 受診勧奨実施件数 アウトカム 健診受診率の向上平成 26 年度 :39.8% 平成 29 年度 :45.0% アウトプット アンケート送付数 回収数 アウトプット 説明会実施回数 参加者数 アウトカム 講演内容の理解度 アウトプット 協力機関数 ポスター掲示数 イベント実施数 参加者数 キャンペーン件数 18 評価指標 ( 例 ) - 軽度リスク者対策 - 肥満対策 アウトプット 国保保健指導実施率の向上平成 26 年度 :17.4% 平成 29 年度 :25.0% アウトカム 保健指導の改善率 5% 体重減少者平成 25 年度 :18.5% 平成 29 年度 :30.0% メタボの改善率翌年健診受診者のメタボ改善率平成 26 年度 :12.5%(23 区平均 12.8%) 平成 29 年度 :14% 健診受診者全体のメタボ該当率平成 26 年度 :16.7%(23 区平均 16.4%) 平成 29 年度 :14% 肥満者の減少体重 5% 減少者 :20.0% 19

評価指標 ( 例 )- 重症化対策 - 生活習慣病患者歯科受診勧奨 生活習慣病重症化予防対策 アウトプット 実施件数 実施率 アウトカム 糖尿病 心疾患患者の歯科未受診者の減少平成 26 年度 :2,986 名 平成 29 年度 :20% 減 事業実施者の歯科受診率平成 29 年度 :30% アウトプット 実施件数 実施率 アウトカム 基準該当コントロール不良者の減少平成 26 年度 :446 名 平成 29 年度 :20% 減 事業実施者の改善率 ( 高緊急度からの改善 ) 平成 29 年度 :60% 20 策定委員会の意義 関係機関内で課題やアウトカムが明確化 共有化でき 実態に即した事業計画の策定ができる 関係機関および有識者と事業評価をすることで 客観的評価が可能となり事業改善が進みやすい 関係機関の意見をもとに保健事業を組み立てることで 当事者意識が育ち 関係機関のモチベーションも UP する 区 事業者だけでなく 関係機関全体のスムーズな連携につながる 21

策定委員会の成功要因 関係者間でアウトカムが共有化できていた アウトカムが共有できなければ協働は進まない 事業計画の根拠となるデータや資料を準備した 良い資料があると議論が弾む 関係機関の事業への興味が UP 受診啓発プロジェクトで連携基盤ができていたこと 一緒にやった経験が一度できるとそれ以降はスムーズになる 計画そのものより計画策定のプロセスが大切 22 保健事業の実施状況健診受診率向上対策 新規対象者受診者勧奨 (1 回 ) 5,507 件 40 歳 前年度途中加入者に受診勧奨ハガキを送付 未受診者勧奨 (2 回 ) 計 91,890 件 9 月 11 月に毎年受診者 不定期受診者 3 年連続未受診者別に内容を変えた受診勧奨ハガキを送付 [ アウトカム ] 受診率 H26 年 39.8% H28 年 40.1% 新規受診者 H26 年 5901 名 H28 年 6480 名 40 代 50 代の受診率 2%UP 未受診者理由調査 1996 件 (7.5%) 回収受診勧奨とあわせて往復はがきで 2 万 6 千件送付 1 位病気で通院中 :39% 2 位具合が悪くない :20% 3 位忙しい :10% 1 毎年受診者 2 隔年受診者 3 過去 3 年間未受診者 往復はがきで 未受診理由調査を実施 23

保健事業の実施状況健診受診率向上対策 健診結果説明会計 126 名参加 ( 健診前 2 回 健診後 2 回 ) 健診を不定期に受診していて 健診結果が少し悪かった方に対し 毎年受診することの重要さと 生活習慣改善のポイントを伝えるセミナーの実施 受診啓発プロジェクト 関係機関の区内施設にポスター掲示 (924 か所 ) とリーフレット配布 (21,470 枚 ) ニュースレターを関係機関に定期的に発行 キャラバン隊課の若手職員でキャラバン隊を組織 区内イベントに 6 回出陣し 3,392 人に啓発物品を配布 早得キャンペーン 5 月 ~8 月に受診した方対し 商店街の割引クーポン券を配布 24 保健事業の実施状況軽度リスク者対策 国保保健指導利用勧奨の工夫各自の健診結果を明記し 対象に合わせたメッセージを組み込む内容に工夫し 加えて電話で利用勧奨をする 6 月 ~3 月 (10 回 ) 1721 件 [ アウトカム ] 保健指導申込率 H27 年 17.1% H28 年 18.8% 保健指導の脱落率 H26 年 3%(11 名 ) H27 年度 3%(8 名 ) 減量支援国保保健指導対象者以外の肥満の方 (BMI25 以上 ) に対して check&action シートとパンフレットを個別送付 6 月 ~3 月 (10 回 ) 2661 件 25

保健事業の実施状況軽度リスク者対策 喫煙対策 H28~ 禁煙セミナーモデル実施 (80 名応募 /2 回 ) H29~ 禁煙支援パンフ & 禁煙外来マップを個別送付 ( 約 3 千件予定 ) 若年層向け対策 20 歳からの健康診査を実施 ( 健康課 ) 受診者 2257 人 26 保健事業の実施状況重症化対策 歯科受診勧奨糖尿病や心疾患で受診履歴があるが 歯科医院未受診者に対し歯科受診を勧めるパンフレットを送付 2 回実施 (8 月 2 月 ) 計 2,800 件送付 生活習慣病未受診者受診勧奨健診結果から生活習慣病が疑われるが未治療の方へ 各自のリスクを明確化した通知を送付 特に高緊急の方には保健師より電話による受診勧奨を実施 6 月 ~3 月 (10 回 ) 280 件送付 6 月 ~3 月 104 件に架電 (82% 受診 14 件未受診 ) 27

保健事業の実施状況重症化対策 生活習慣病重症化予防事業 生活習慣病で治療中であるにも関わらず 血圧や血中脂質 血糖の健診結果値が重症で 治療以外の保健指導が早急に必要な方に対し 約 6 ヵ月間の生活改善指導を行う H25 年度より糖尿病対象で実施 H28 年度より対象拡大 紹介方法 健診結果から受診医療機関ごとに対象者リストを作成対象者リストを医師会経由で医療機関に配布対象者リストから医師に紹介をしてもらう 利用者数 H25 年度 10 名 H26 年度 22 名 H27 年度 19 名 H28 年度 2 名 28 保健事業の評価について 保健事業支援システムを導入 毎月 レセプト 健診結果をアップロードし突合できるシステム 保健事業の対象者の抽出 登録 実施状況の登録等が可能 保健事業の進捗管理や評価が担当者レベルで可能に 計画策定と評価の 2 年間 (H27 28) の委託契約 計画から評価まで一貫して支援が受けられる体制へ データヘルス計画評価委員会の立ち上げ 協働で継続して 評価の共有と実施事業の改善を図る体制へ 29

連携の仕組みづくりのポイント 関係機関に健診を自分ゴト化してもらう仕掛けが必要! 計画策定委員会 評価委員会を開催 医師会内説明会等で 事業や評価を報告 ニュースレターの定期発行 協働でセミナー等イベント実施 医師 医療従事者向け勉強会を開催 実際に会って話す機会をとにかく持ち続ける 今後の展望と課題 保健事業の成果を出すこと事業の実施が目的ではなく アウトカムの達成が重要行政だけで成果を出すには限界があり 関係機関との連携が重要そのためには 事業評価を行い改善につなげていく仕組みが必要 多機関との連携 保険者協議会 国保連合会 協会けんぽ等と上手く連携ができるか 受診啓発のコンタクトポイントがマンネリ化 コンビニ等今までの行政ルートにない所と連携ができるか 庁舎内での連携 : 衛生部門 地域包括ケアとの連携を進められるか 31

改訂に向けて策定委員会を開催中 医師会 歯科医師会 薬剤師会 栄養士会 委託事業者 協会けんぽ東京支部のメンバーを委員に任命 計画はできても 効果を出すには時間がかかる データの読み取り方も難しい 保健指導の運用の変更 重症化予防の効果的展開等課題は山積み 品川区にはどんな事業展開が有効か 議論盛り上がる 32 健康への投資! を合言葉に 品川区ではデータヘルスを推進して参ります Think globally act locally!