H23 農作物技術情報 第5号 果樹(H )

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H25 農作物技術情報第5号 果樹(H )

リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である

Ⅱ りんご生産情報 1 果実肥大 作業の進み 病害虫の動き (1) 果実肥大 8 月 1 日現在での果実肥大は 7 月下旬の高温の影響で肥大の伸びが鈍ったものの 概ね平年並みから平年を上回っている 果実肥大 (8 月 1 日現在 横径 :cm 平年比:%) 地 域 年 つがる ジョナゴールド ふ じ

PowerPoint プレゼンテーション

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平成19年度事業計画書

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圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

隔年結果

果樹の生育概況

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)

Ⅱ りんご生産情報 1 果実肥大 作業の進み (1) 果実肥大 9 月 11 日現在の果実肥大は 概ね平年並みから平年を上回っている 果実肥大 (9 月 11 日現在 横径 :cm 平年比:%) 地 域 年 つがる ジョナゴールド ふ じ 本 年 黒 石 平 年 (

今後の管理のポイント [懸案事項] ①早期作型における2番花 房の花芽分化遅延 ②炭そ病とハダニ類の発生 拡大 [対策] ①寒冷紗を被覆して 花芽分化を誘導する 2番花房 の花芽分化を確認して被覆を除去する 被覆期間の目安 9月25 10月20日 ②定期的に薬剤による防除を行う 特に葉かぎ後の 葉か

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本剤の使用に当たっては 使用量 使用時期 使用方法を誤らないように注意し 特に初めて使用する場合には病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをおすすめします 安全使用上の注意事項 本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意してください 眼に入った場合には直ちに水洗し 眼科医の手当を受けてく

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スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

梢の発生が期待できるよう9月には必ず仕上げ摘果を徹底し 適正葉果比に仕上げましょう 着果量が中庸以上の樹では早生温州では9月中 普通温州では10 月上旬までに行いましょう(表2) ⑴着果過多樹着果量が多く肥大が悪い樹は 商品性の低い小玉果や傷果 病害虫被害果を中心に早急に

1 著者が長い間研究してきた核果類(モモ スモモ オウトウ)のうち スモモとオウトウは結実が不安定で いかに安定して結実させるかが大きな課題になっている これに対し モモの結実確保は比較的容易だが 食味のばらつき を指摘されることが多い 品質の揃った果実を安定してとる モモではこれが課題であり 実現

作業別の留意事項 ここに紹介します留意事項は りんごを栽培する際に特に留意すべき内容を列記したものです また 栽培方法によっては該当しない内容も含まれます 実際の栽培にあたっては 地域の普及指導センターや JA 等に問い合わせいただき 園地条件や品種に適した施肥設計 栽培方法等に基づき栽培してくださ

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

Ⅱ りんご生産情報 1 生育 作業の進み 病害虫の動き (1) 生育ステージふじの満開日は黒石 ( りんご研究所 ) では 平年より2 日早い5 月 11 日 五戸 ( りんご研究所県南果樹部 ) では 平年より6 日早い5 月 9 日であった 開花日 ( 月. 日 ) 地域年つがるジョナゴールド王

果樹の生育概況

本文、発送文

元高虫防第 139 号令和元年 7 月 4 日 各関係機関長様 高知県病害虫防除所長 病害虫発生予察情報について 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報及び令和元年度予報 4 号 (7 月 ) を送付します 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報 Ⅰ. 気象概況半旬 (6 月 ) 平均気温最高気温最低気

Ⅱ りんご生産情報 1 生育 作業の進み 病害虫の動き (1) 生育ステージふじの落花日は 黒石 ( りんご研究所 ) で平年より2 日早い5 月 15 日 五戸 ( 県南果樹部 ) で平年より2 日早い5 月 18 日であった 満開日 ( 月. 日 ) 地域年つがるジョナゴールド王林ふじ 黒 石

1 章夏季のイベントにおける暑熱環境 (3) 夏季のイベントにおける暑熱環境 (3) 夏季のイベントにおける暑熱環境 イベント会場の中や周辺では 熱中症が発生するリスクが高い状況が存在します 本項目では どのような状況 で熱中症が発生しやすくなるか 実際に屋内外の複数施設で測定したデータに基づいて考

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別紙 8. 2 使用上の注意 (1) ぶどう 1 ぶどうに関する作物名中の品種による区分は ジベレリンに対するぶどうの反応性の違い を考慮した区分なので ぶどうの品種がどの区分 ( 品種群 ) に該当するか 病害虫防除所等関係機関に確認してから使用すること 2 下記 3の ぶどうの品種による区分 に

本年 10 月 11 日 ~11 月 10 日の間に登録登録されたされた新農薬 ( 適用拡大を含む は 次の通りですりです 下線部が適用拡大適用拡大になりましたになりました 登録日 薬剤名 10/24 テルスタ - フロアブル 登録内容 ( 適用拡大を含む のあらまし 対象作物内容 もも 対象害虫の

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仙台稲作情報令和元年 7 月 22 日 管内でいもち病の発生が確認されています低温 日照不足によりいもち病の発生が懸念されます 水面施用剤による予防と病斑発見時の茎葉散布による防除を行いましょう 1. 気象概況 仙台稲作情報 2019( 第 5 号 ) 宮城県仙台農業改良普及センター TEL:022

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復興庁 農林水産省食料生産地域再生のための先端技術展開事業 被災地の早期復興に資する果樹生産 利用技術の実証研究 クリ ぽろたん のジョイント栽培マニュアル早期成園化 低コストの樹形管理と防除技術 宮城県農業 園芸総合研究所神奈川県農業技術センター国立研究開発法人農研機構果樹茶業研究部門

資料6 (気象庁提出資料)

コシヒカリの上手な施肥

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果樹の生育概況

140221_ミツバマニュアル案.pptx

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

小学校

予報 岡病防第16号

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2 カンキツの摘果 夏秋梢伸長抑制剤 1. 使用薬剤 ターム水溶剤 ( 1-ナフタレン酢酸ナトリウム 22%) 2. 対象品種 カンキツ 3. 対象樹 樹勢の安定した樹 ( 健全樹 ) 対象品種 使用時期 使用目的 使用方法 一次生理落果発生期 立木全面散布 摘果 温州ミカン ( 満開 10~ 20

2 作物名 温州みかん ( 苗木 ) 及び 温州みかん の使用目的 花芽抑制による樹勢の維持 使用濃度 シ ヘ レリン 2.5ppm の使用方法 立木全面散布又は枝別散布( マシン油乳剤 60~80 倍液に加用 ) を以下のとおり 立木全面散布又は枝別散布 ( マシン油乳剤 60~80 倍液又は展着

また 被害拡大の速度も速く 防除を怠ると くり園周辺の広葉樹林にも容易に被害が広がる (2) 発生消長平成 24 年 岩手県一関市で行った粘着板による調査では 1 齢幼虫の発生は 7 月 10 月の年 2 化であった (3) 防除試験マシン油乳剤やDMTP 乳剤による防除が知られているが 平成 24

Microsoft Word - ⑦内容C【完成版】生物育成に関する技術.doc

表 30m の長さの簡易ハウス ( 約 1a) の設置に要する経費 資材名 規格 単価 数量 金額 キュウリ用支柱 アーチパイプ ,690 直管 5.5m 19mm ,700 クロスワン 19mm 19mm ,525 天ビニル 農 PO 0.1mm

新梢では窒素や燐酸より吸収割合が約 2 分の1にまで低下している カルシウム : 窒素, 燐酸, カリとは異なり葉が52% で最も多く, ついで果実の22% で, 他の部位は著しく少ない マグネシウム : カルシウムと同様に葉が最も多く, ついで果実, 根の順で, 他の成分に比べて根の吸収割合が高い

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ジベレリン協和液剤 ( 第 6006 号 ) 2/ 年 6 月 13 日付け 25 不知火 はるみ 3 回以内 水腐れ軽減 0.5 ~1ppm 500L/10a 着色終期但し 収穫 7 日前まで 果実 ぽんかん 水腐れ軽減 0.5ppm 500L/10a 着色始期 ~4 分

Microsoft Word 予報第9号


平成の主な気象災害

スライド 1

5月の病害虫発生予想と防除のポイント

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2. 摘花の実施早期の摘花 摘果は 良好な果実肥大や翌年の花芽確保のために また 適正樹勢の維持のために重要な作業となる 仕上げ摘果を満開 30 日後までに終了することを目標に作業計画を立てる そのために摘花を積極的に行い 落花後の摘果作業の時間短縮を図る 腋芽花の他 生育不良の花そう 枝の直上直下

付図・表

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キノンドー顆粒水和剤 2 年目 継続 1. 目的製剤変更による効果確認 樹齢 20 年生栽植密度 m 20 本 /10a (6) 試験内容試験面積 40 a 試験区 20 a 対照区 20 a 7/2 キノンドー顆粒水和剤 1,000 倍 500 リットル 7/2 キノンドーフロアブ

平成 30 年 7 月 27 日 ( 表題 ) 台風第 12 号の接近に伴う農作物被害技術対策情報について ( 担当 ) 佐賀北部農業技術者連絡協議会事務局 気象庁によると台風第 12 号は 現在 ( 平成 30 年 7 月 27 日 6 時 45 分 ) 硫黄島の南 東約 80km を北東に向かっ

Microsoft Word - ビワ、~1

農業気象技術対策資料

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各都道府県知事 宛 25 消安第 175 号環水大土発第 号平成 25 年 4 月 26 日 農林水産省消費 安全局長 環境省水 大気環境局長 住宅地等における農薬使用について 農薬は 適正に使用されない場合 人畜及び周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある 特に 学校 保育所 病

冷蔵貯蔵中のぶどう「シャインマスカット」に発生する灰色かび病防除に、オンリーワンフロアブルの7月中~下旬散布が有効である

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に

本日のお話 つなぐことの意味 技術の効果 ( 第一期実用技術開発事業 ) 現地実証と産地への実用化 適用樹種拡大研究への発展 更なる共同研究 実用化に向けて

1 作物名     2 作付圃場 3 実施年度   4 担当

140221_葉ネギマニュアル案.pptx

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Ⅱ 今後の管理について 1 水管理について (1) 気象変動に対応した水管理 幼穂形成期に入ったら間断かん水 出穂期から開花期にかけては湛水管理 その後は間断 かん水が水管理の基本になりますが 気象変動に対応した水管理を心がけましょう 1 減数分裂期の低温 減数分裂期 ( 葉耳間長 ±0cm 出穂期

表紙

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**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1)

H26 中予地方局産業振興課普及だより 新技術情報 -1 いちご新品種 紅い雫 ( あかいしずく ) 1. 紅い雫 の来歴県農林水産研究所が育成したいちご新品種 紅い雫 は あまおとめ ( 母親 ) 紅ほっぺ ( 父親 ) の交配により誕生し 平成 26 年 6 月 25 日に品種登録出願されました

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トンネル博多ベリー防除暦

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作物名

281003(最終)台風18号対策.doc

白紋羽病の病徴 果樹の地上部にこんな症状が出ていたら要注意 春先の発芽が遅れ 花芽分化が多く 開花時期が早まる 徒長枝の本数が少ない または伸長が悪い 梅雨明け後期に 葉が萎れたようになる 秋期に葉の黄化や 落葉が早くなる 果実の肥大が悪く 熟期が早まる 徒長枝の伸長が悪い 菌 糸 束 秋期の葉の早

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Ⅲ-2-(1)施設野菜

ネギ 防除法

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園芸殺菌剤 Z ボルドー [ 銅 和剤 ] 農林 産省登録有効成分 性状 第 号塩基性硫酸銅 58.0%( 銅として 32.0%) 淡 緑 和性粉末 45μm 以下 毒性 : 普通物 ( 毒劇物に該当しないものを指していう通称 ) 危険物 :- 有効年限 :5 年 包装 :500g 20

スライド 1

(2) 新系統の発生状況平成 28 年 4~10 月にかけて府内 19 地点のネギ キャベツ及びタマネギほ場から採集したネギアザミウマの次世代を一頭飼育法 ( 十川ら, 2013) により調べた結果 南丹市以南の16 地点で新系統 ( 産雄性生殖系統 ) を確認した 山城地域では 産雄性生殖系統が優

平成 30 年 6 月 5 日奈良県消防救急課消防救急係担当 : 倉田 中村直通 : 内線 : 熱中症による救急搬送状況について 直近一週間の熱中症による救急搬送は 7 人でした 熱中症は適切な予防をすれば防ぐこともできます 一人ひとりが 熱中症予防の正しい

展示圃要領1

軽症 : 入院を要しないもの中等症 : 生命の危険はないが 入院を要するもの重症 : 生命の危険が強いと認められたもの重篤 : 生命の危険が切迫しているもの 図 2 初診時程度別の救急搬送人員 ( 平成 29 年 6 月 ~9 月 ) (3) 年齢区分別の救急搬送状況年齢区分別の救急搬送状況を見ると

機械化作業に適したカキ軽労化栽培技術 機械化作業に適したカキ軽労化栽培技術 三輪直邦 * **, 坂川和也 The Improvement of the Mechanized Cultivation Technology for Labor-Saving on Japanese Persimmon

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30年防除基準.indb

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農作物技術情報第 5 号果樹 発行日 平成 23 年 7 月 27 日 発行 岩手県 岩手県農作物気象災害防止対策本部 編集 中央農業改良普及センター県域普及グループ ( 電話 0197-68-4436) いわてアグリベンチャーネット からご覧になれますパソコンからは http://i-agri.net 携帯電話からは http://i-agri.net/agri/i/ 携帯電話用 QR コード 7 月は高温で推移しました りんごは見直し摘果を実施し 花芽の充実を図りましょう! ぶどうは品質向上のため 適切な着果管理を! りんご 1 生育状況 定点観測結果 ( 表 1) による果実肥大 ( 横径 ) 状況を県平均でみると 春先の低温で開花が遅れた ことによりをやや下回りますが 昨年よりは進んでいます しかしながら 7 月中旬まで高温で 推移したため 7 月後半になり果実生育はやや停滞傾向にあります 表 1 県内の定点観測ほ場における果実肥大 ( 横径 ) 状況 (7 月 11 日現在 ) 市町村地区 農業研究センター 岩手町一方井 盛岡市三ツ割 紫波町長岡 花巻市中根子 北上市立花 奥州市前沢区稲置 奥州市江刺区伊手 一関市花泉町金沢 一関市大東町大原 陸前高田市米崎 宮古市崎山 岩泉町乙茂 洋野町大野下長根 軽米町高家 二戸市金田一 県平均値 ( 参考 ) つがる 比 比 50.6 54.2 56.1 93 90 48.2 53.6 56.1 90 86 45.5 46.9 49.6 97 92 47.2 44.1 51.2 107 92 51.7 44.9 52.1 115 99 45.1 44.6 46.1 101 98 51.7 54.3 54.8 95 94 52.8 50.4 55.0 105 96 45.2 45.5 49.0 99 92 50.6 49.3 57.6 103 88 49.9 54.8 57.2 91 87 49.9 48.1 50.4 104 99 55.8 57.3 55.8 97 100 54.1 57.0 58.0 95 93 49.9 47.9 49.2 104 101 56.2 56.3 60.1 100 94 56.7 53.1 60.2 107 94 49.1 46.3 53.4 106 92 52.0 57.3 59.1 91 88 50.0 55.1 57.9 91 86 51.3 52.3 51.8 98 99 51.8 49.2 52.6 105 98 49.1 49.2 54.4 100 90 41.6 42.1 47.0 99 89 56.3 48.9 56.7 115 99 52.6 53.6 56.6 98 93 47.3 44.5 48.4 106 98 52.8 51.6 54.9 102 96 53.1 49.4 54.0 107 98 48.2 46.4 48.6 104 99 56.5 48.9 56.2 116 101 52.4 48.9 54.3 107 97 47.2 40.3 48.9 117 97 52.7 47.6 52.3 111 101 50.5 47.5 54.1 106 93 48.0 44.0 48.6 109 99 47.5 44.8 53.1 106 89 54.3 50.9 50.9 107 107 43.0 43.4 47.9 99 90 52.0 46.4 47.0 112 111 53.8 45.9 48.4 117 111 48.0 45.1 43.2 106 111 48.3 47.8 50.7 101 95 48.5 48.8 51.4 99 94 42.8 42.0 44.3 102 97 50.3 46.2 53.0 109 95 47.9 47.1 54.0 102 89 45.2 43.9 47.1 103 96 52.1 50.0 54.3 104 96 51.8 50.4 54.6 103 95 46.8 45.1 48.3 104 97 県平均値に農研センターのデータは含まれていない ジョナゴールド ふじ ( 単位 :mm) 比 2 管理作業 (1) 摘果の見直し 誘引 徒長枝の整理仕上げ摘果がほぼ終了し これから見直し摘果になります 着果の多い部分や病虫害果 傷果などを摘果して行きます ふじ では 生育不良果が見えてきますので 随時摘果します 樹体管理では 枝の誘引 徒長枝の間引きなどを行い 樹冠内部の日光や薬剤のとおりを良くします また 台風などに備えて 支柱との結束の確認 園地の排水対策を行いましょう

(2) 早生種の着色管理ア早生種の葉摘み開始時期は 収穫予定の 10~20 日前です イ果そう葉を中心に 最初は軽く2~3 枚程度摘みます ウ陽光面の着色が進んだら 葉や枝カゲをつくらないように玉回しを行うとともに 適当な強さに葉を摘みます 必要以上の葉摘みは 逆に着色が進まないので避けます エ着色適温は 15~20 です 残暑で最低気温が 20 を越える日が続く場合は いくら葉を摘んでも着色が進み難くなりますので注意してください デンプン光合成 デンプン< 着色の条件 > 1 果実に糖があること! 2 果実に紫外線が当たること 3 果実が 10~20 の温度に遭うこと 紫外線 摘葉 糖 早生種の過度 な葉摘みは控 えましょう アントシアニン ( 赤い色 ) 図 1 りんごの着色の模式図 (3) 落果防止剤の散布収穫前落果しやすい つがる や きおう には 落果防止剤を上手に使用して落果を抑えましょう 使用法は表 2のとおりですが 登録内容を確認のうえ使用してください 特に きおう の内部裂果で早めに熟す果実の取り扱いは 農薬安全使用基準に違反しないよう厳重に注意してください 表 2 落果防止剤の登録内容 ( 一部抜粋 ) 使用基準使用方法対象作物商品名使用時期本剤の使用回数散布量 濃度等 りんご ストッポール液剤 マデック ヒオモン水溶剤 収穫予定日の 25 日前 ~7 日前 収穫開始予定日の 25 日前及び 15 日前 収穫開始予定日の 21 ~4 日前 1 回 2 回 2 回以内 1,000~1,500 倍 6,000 倍 1,000~2,000 倍 使用上の留意事項 (1) 落下防止効果は散布後 5~7 日目から始まり 3~4 週目まで持続する (2) 展着剤は不要 (3) 登録上の使用回数は2 回以内である (1) 持続性が弱く 落果が始まると止める力はない (2) 展着剤を加用する 2 回使用する場合は 収穫開始予定日の 21~14 日前に1 回目の散布を行い 薬効を確認してから必要に応じて1 回目の散布 7~10 日後に2 回目の散布を行う (4) 新規落果防止剤 ( 商品名 : ヒオモン水溶剤 ) についてヒオモン水溶剤の落果防止効果の発現は比較的早く その効果は散布後 2~3 週間程度は持続すると考えられており ストッポール液剤と同等の効果は期待できると思われます ( 表 3 4) 登録内容は表 2のとおりですが 希釈倍数によって効果に差が出ると考えられますので 効果を確認しながら使用回数を検討する必要があると思われます

なお 本剤の特性は未確認の点も多いため 本県における効果的な使用法については 現在岩手県 農業研究センターにて検討中です 表 3 きおう におけるヒオモン水溶剤の落果防止効果 2006( 岩手農研 ) 供試薬剤 処理日累積落果率 全着果数 ( 収穫予定日前日希釈倍率処理回数 ( 果 ) 処理日 ~ 収 ~ 収穫 ~ 収穫予数 ) 穫予定 3 日予定日定 2 日後 7 日前 1,000 倍 1 回 328 1.2 3.7 4.3 ヒオモン水溶剤 21 日前 1,000 倍 1 回 353 0.3 6.5 7.9 21 日前さらに10 日後 2,000 倍 2 回 238 2.1 2.5 2.5 ストッポール液剤 7 日前 1,000 倍 1 回 233 3.0 4.3 4.3 21 日前 1,000 倍 1 回 254 0.0 0.4 1.6 無処理 - - - 216 3.2 31.9 50.5 表 4 つがる におけるヒオモン水溶剤の落果防止効果 2005( 岩手農研 ) 供試薬剤 処理日累積落果率 全着果数 ( 収穫予定日前日希釈倍率処理回数 ( 果 ) 処理日 ~ 収 ~ 収穫 ~ 収穫予数 ) 穫予定 3 日予定日定 4 日後 7 日前 1,000 倍 1 回 380 0.3 1.3 2.1 ヒオモン水溶剤 21 日前 1,000 倍 1 回 497 0.0 3.2 8.1 21 日前さらに10 日後 2,000 倍 2 回 375 0.3 1.6 2.1 ストッポール液剤 7 日前 1,000 倍 1 回 383 0.5 2.4 3.1 無処理 - - - 433 0.9 3.5 14.8 (5) 夏期せん定 ( わい性樹 ) ア樹勢の強い樹を対象に 8 月下旬 ~9 月上旬にかけて行います イ側枝の上面から発生している 30cm 以上の直上枝を間引くほか 30cm 以下の新梢でも枝量と混み具合をみて日光 薬剤が通る程度に適宜間引きます ウなお 過大な夏期せん定は樹勢を弱めるため 紋羽病の発病誘因となることがありますので 発病の恐れのあるところでの夏期せん定は最小限にとどめてください (6) 日焼け果 : 昨年は猛暑により日焼け果が多発しました 根本的な対策はありませんが 農業温暖化ネットの内容を一部抜粋しましたので 参照ください ア一般的に日焼け果の原因は 1 日の極端な高温により発生するとされ 気温が高いときに 直射日光が当たると発生します 果実温度が 40~45 を超えると危険とされますが 気温が 30 以上になった場合に直射日光があたると 果実温度が 40 を超える可能性があります 午前より午後の方が気温や樹体温度が高くなるため 西日が当たる部分に発生しやすくなります 葉や果実からの蒸散による気化熱で樹体温度は下がりますが 樹が水ストレス ( 水分不足 ) を受けると気孔が閉鎖し 蒸散しにくくなりことから 樹体温度や果実温度が高くなります そのため 日焼け果発生の間接的な原因となります イ対策 : 寒冷紗被覆 灌水 散水などがあります ( ア ) 寒冷紗の被覆樹冠に寒冷紗を被覆して 果実への直射日光低減し 果実温度を低下させることにより 日焼け果発生を低減できます 寒冷紗の遮光率が高いほど温度抑制効果も高く 日焼け軽減効果も高くなります 一方 寒冷紗被覆した果実の方が 収穫が遅れ傾向があります ( イ ) 灌水灌水により 樹体内の樹液流動が促され 蒸散により樹体温度が低下します しかし 灌水施設が必要となります

3 病害虫防除夏期は 斑点落葉病 褐斑病 果実腐敗性の病害 ( 輪紋病 炭そ病等 ) ハダニ等の発生に要注意です よく観察して適期防除を行いましょう 早生品種の収穫が近づいていますので 8 月の薬剤散布は 安全使用基準の収穫前日数をよく確認して 間違いの無いよう注意しましょう 除草剤についても同様です ぶどう 1 生育状況 紫波町赤沢の定点調査結果 ( 表 5) における キャンベルアーリー の生育では 結実率は開花期は天候に恵まれたものの乾燥状態であったため をやや下回りました なお 7 月 15 日時点の新梢長 節数は 概ね並 房長 果径はよりやや小さい状況です 表 5 ぶどう ( キャンベルアーリー ) の生育状況 ( 紫波町赤沢 ) 調査年次 結実率 新梢長 (cm) 7 月 15 日調査時点 節数 ( 葉数 ) 房長 (cm) 果径 (mm) 2 管理の要点 (1) 摘粒 果房の形を整え 品質を向上するため 着粒の多い密着房 裂果粒 病虫害果粒を中心に摘粒を実 施します 40.8 130.9 17.0 11.8 15.1 差 比 -5.5 104% 105% 80% 96% 差 比 0.7 100% 102% 81% 90% 40.1 131.2 16.7 14.6 16.8 ( 平均 ) 値 46.3 126.0 16.2 14.7 15.7 1 房当たり粒数の目安 キャンベル ナイアガラ 70 粒サニールージュ ノースレッド 60 粒程度紅伊豆 ハニーブラック 30~40 粒安芸クイーン 25~30 粒 (2) 摘房果実の糖度や着色など品質を向上し 樹体の養分の消耗を防ぎ 翌年の花芽の充実を良くするため 適正着房数を目標に摘房を実施します ( 表 6 参照 ) キャンベル では 最終的には一坪(3.3m 2 ) 当たり 新梢数 20 本 着房数 27~30 房が基準となります 樹勢が弱い場合は 1 房当たりに必要な葉数を参考に 葉数に応じて着房数を制限して下さい 紅伊豆 ハニーブラック 安芸クイーン などの大粒種では 樹勢をコントロールする目的で1 新梢 2 房としている場合がありますが そのまま着色期以降までおくと 着色や糖度の上昇が遅れ品質を損なうばかりではなく 樹体が凍寒害の被害を受けやすくなりますので 着色開始を目途に最終房数としていきます サニールージュ は大粒種に分類されますが 粒径は中粒種に近いため着房数 目標収量とも 紅伊豆などの 大粒種と キャンベルアーリー などの中粒種の中間程度が適当と考えられます

表 6 ぶどうの収量構成要素 品種 新梢数着房数目標収量 ( 本 / 坪 ) ( 房 / 坪 ) ( 房 / 新梢 ) (kg/10a) キャンベルアーリー 20 27~30 1.35~1.5 2,200 紅伊豆等 15 10~12 0.67~0.8 1,200 サニールージュ 19 16.2 0.85 1,700 (3) 新梢管理 棚面を明るくして果房の着色を向上し 樹勢をコントロールして養分の浪費を防ぐため 勢力の強 い新梢を中心に間引きや摘心を行います 硬核期以降 (7 月下旬以降 ) に実施しますが (1) 赤色系品種 (2) 紫色系品種 (3) 白色系品種の順 に棚面を明るくするようにします ( 図 2 参照 ) 短梢栽培では 葉数確保のため副梢についても基部から2~3 枚の葉を残して摘心していきます しかし 混み合っている場合は適宜間引いてください 3 病害虫防除 病害虫の発生状況に応じて防除を実施しますが 収穫が間近になってきております 農薬の使用基 準 ( 収穫前日数 散布濃度 使用回数 ) に十分留意してください 薬剤によっては 果粉の溶脱 果面の汚れなど品質を損ねることがありますので 薬剤を選択する 際は注意してください A. 赤色直光着色品種 ( 紅伊豆等 ) B. 黒色及び散光品種 ( キャンベル デラウエアなど ) C. 白色品種 ( ナイアガラなど ) D. 副梢葉 ( 房の付近 1~3 枚 ) 図 2 適度な棚の明るさを示す葉の配列模式図 ( 土屋 1956) 熱中症防止次号は 8 月 25 日 ( 木 ) 発行の予定です 気象や作物の生育状況により号外を発行することがあります 日中の気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに 休憩をこまめにとり 作業時間を短くする等作業時間の工夫を行うこと 水分をこまめに摂取し 汗で失われた水分を十分に補給すること 気温が著しく高くなりやすいハウス等の施設内での作業中については 特に注意 帽子の着用や 汗を発散しやすい服装をすること 作業場所には日よけを設ける等できるだけ日陰で作業するように努めること 屋内では遮光や断熱材の施工等により 作業施設内の温度が著しく上がらないようにするとともに 風通しをよくし 室内の換気に努めること 作業施設内に熱源がある場合には 熱源と作業者との間隔を空けるか断熱材で隔離し 加熱された空気は屋外に排気すること 6 月 1 日 ~8 月 31 日は農薬危害防止運動期間です 近隣住民 周辺環境に配慮しましょう 農薬散布準備 作業中 後の事故に注意しましょう 農薬の保管 管理は適切にしましょう