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函館市の障がい者虐待の現状について 1 養護者による障がい者虐待についての対応状況 (1) 相談 通報対応件数および相談 通報者 函館市要援護高齢者 障がい者対策協議会 平成 30 年 2 月 7 日 1 件の事例に対し複数のものから相談 通報があった場合, それぞれの該当項目に重複して計上されるた

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居宅介護支援事業者向け説明会

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

介護保険事業状況報告 ( 全国計 ) 第 1 表第 1 号被保険者のいる世帯数 ( 単位 : 世帯 ) 前年度末現在当年度中増当年度中減当年度末現在 23,856,459 1,319, ,241 24,261,177 第 2 表第 1 号被保険者数 ( 単位 : 人 ) 年齢区分 前年度

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第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 日常生活に関する事項

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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

4 介護支援専門員証の有効期間を更新するためには 所定の研修の受講が必要です 更新のために必要な研修を受講された人は研修を受講後 有効期間満了の 1 か月前までに様式第 4 号 介護支援専門員証有効期間更新交付申請書 を提出手数料として 香川県証紙 4,200 円分が必要 有効期間満了日までの 5

平成30年版高齢社会白書(全体版)

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01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

平成 28 年度介護保険事業状況報告 ( 年報 ) のポイント 1 第 1 号被保険者数 (28 年 3 月末現在 ) (29 年 3 月末現在 ) 3,382 万人 3,440 万人 ( 対前年度 +59 万人 +1.7% 増 ) ( 単位 : 万人 ) 3,500 3,000 2,500 2,0

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総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当

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高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

2 居宅サービス事業所の状況

北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

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栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

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通常の届出に係る加算等のサービス種類算定の開始時期 定期巡回 随時対応型訪問介護 届出が毎月 15 日以前になされた場合には看護翌月から 複合型サービス( 看護小規模多 16 日以降になされた場合には翌々月から機能型居宅介護 ) 夜間対応型訪問介護 ( 介護予防 ) 認知症対応型通所介護 ( 介護予

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都市部の高齢化対策に関する検討会資料

1102 請求誤りによる実績取り下げ 1109 時効による保険者申立ての取り下げ 1112 請求誤りによる実績取り下げ ( 同月 ) 1129 時効による公費負担者申立ての取り下げ 1142 適正化 ( その他 ) による保険者申立の取り下げ 1143 適正化 ( ケアプラン点検 ) による保険者申

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地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

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特別養護老人ホーム 優雅 社会福祉法人 桜寿会 ( 特別養護老人ホーム優雅 ) 福島県南会津郡南会津町田島字北下原 111 番 TEL: FAX: ( 郡山オフィス ) 福島県郡山市菜根一丁目 22 番 10 号 T

施設長 副施設長 事務長 施設課長 相談員 入所区分 一般 特例 入所申込日 平成 年 月 日 入所申請受付日 平成 年 月 日 特別養護老人ホームさくら苑入所申請書 特別養護老人ホームさくら苑 施設長 坂本正司 様 入所申込者 - 住所 : 氏名 : 電話番号 : -( )- 入所希望者との続柄

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

平成21年度 介護サービス事業者における事故発生状況

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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17★ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成十二年三月三十日 老企 厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知)

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2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

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注意 本様式は参考としてお示しするものです 引用する場合は各法人 事業所にて十分精査した上でご利用ください 介護予防 日常生活支援総合事業第一号事業契約書 様 ( 以下 利用者 という ) と ( 例 : 株式会社 社会福祉法人 会等 )( 以下 事業者 という ) は 事業者が提供するサービスの利

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4 小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能型居宅介護 通い を中心として 利用者の様態や希望などに応じ 随時 訪問 や 泊まり を組み合わせてサービスを提供することにより 在宅生活の継続を支援するサービスです 介護予防小規模対機能型居宅介護は 介護予防を目的とした小規模多機能型居宅介護で 要支

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01 公的年金の受給状況

総企第237号

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特別養護老人ホーム瑞光の里金表 ( 従来型個室 ) ( 平成 30 年 4 月 1 日現在 ) + 口腔衛生管理加算 介護職員処遇改善加算 + 所定単位数 介護度 ,867 21,516 介護度 ,975 23, 介護度

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 介護保険は社会保険を構成する 1 つです 介護保険制度の仕組みや給付について説明していきます 介護保険制度 介護保険制度は 高齢者の介護を社会全体で支えるための制度

6 女性への暴力やセクシュアル・ハラスメントの防止

Transcription:

調査目的 高齢者虐待の防止 高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 ( 以下 高齢者虐待防止法 という ) に基づき 平成 25 年度の高齢者虐待の対応状況等を把握するため 調査を実施した 調査対象 全国 1,741 市町村 ( 特別区を含む ) 及び 47 都道府県 平成 25 年度調査方法 1. 平成 25 年度中に新たに相談 通報があった事例や平成 24 年度中に相談 通報があったもののうち 平成 25 年度中に事実確認や対応を行った事例についてExcelファイルの調査票に回答 2. 虐待の要因等の実態をより明確にするため 今年度から以下の調査項目を追加し 調査項目間の関連を分析した ( 今年度新しく調査した項目 ) (1) 養介護施設従事者等による高齢者虐待要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度 ( 寝たきり度 ) (2) 養護者による高齢者虐待要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度 ( 寝たきり度 ) 介護保険サービスの利用の有無とその内容 養護者の年齢 60 歳以上を10 歳刻みから5 歳刻みへ変更 調査結果概要 1. 高齢者虐待判断件数等 ( 内は添付資料 : 調査結果のページ番号 ) 高齢者虐待防止法施行 8 年目に入り 高齢者虐待と認められた件数は 養介護施設従事者等 ( 1) によるものが平成 25 年度で221 件であり 前年度より66 件 (42.6%) 増加したのに対し 養護者 ( 2) によるものは 15,731 件であり 前年度より 529 件 (3.5%) 増加した また 市町村への相談 通報件数は 養介護施設従事者等によるものが962 件であり 前年度より226 件 (30.7%) 増加したのに対し 養護者によるものは25,310 件であり 前年度より 1,467 件 (6.2%) 増加した 表 1 2~6P 12 ~13P 1

表 1 高齢者虐待の判断件数 相談通報件数 ( 平成 24 年度対比 ) 養介護施設従事者等 ( 1) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 養護者 ( 2) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 25 年度 221 件 962 件 15,731 件 25,310 件 24 年度 155 件 736 件 15,202 件 23,843 件 増減 ( 増減率 ) 66 件 (42.6%) 226 件 (30.7%) 529 件 (3.5%) 1,467 件 (6.2%) 1 介護老人福祉施設など養介護施設又は居宅サービス事業など養介護事業の業務に従事する者 2 高齢者の世話をしている家族 親族 同居人等 3 調査対象年度 ( 平成 25 年 4 月 1 日から 26 年 3 月 31 日 ) に市町村等が虐待と判断した件数 ( 施設従事者等による虐待においては 都道府県と市町村が共同で調査 判断した事例及び都道府県が直接受理し判断した事例を含む ) 4 調査対象年度 ( 同上 ) に市町村が相談 通報を受理した件数 ( 件 ) 2,000 図 1 養介護施設従事者等による高齢者虐待の相談 通報件数と虐待判断件数の推移 1,500 1,000 500 0 962 687 736 379 451 506 408 273 62 70 76 96 54 151 155 221 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 相談 通報件数 虐待判断件数 ( 件 ) 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 図 2 養護者による高齢者虐待の相談 通報件数と虐待判断件数の推移 25,315 25,636 25,310 23,404 23,843 21,692 19,971 18,390 14,889 15,615 16,668 16,599 15,202 15,731 12,569 13,273 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 相談 通報件数 虐待判断件数 2

2. 養介護施設従事者等による高齢者虐待 (1) 相談 通報者相談 通報者 1,154 人 (1 件の事例に対し複数の相談 通報があった場合は 重複して計上 ) のうち 当該施設職員 が 403 人 (34.9%) で最も多く 次いで 家族 親族 が221 人 (19.2%) であった ( 複数回答 ) 2P (2) 事実確認の状況相談 通報の受理から事実確認開始までの期間の中央値は4 日であり 相談 通報の受理から虐待確認までの期間の中央値は 13 日であった 3P (3) 虐待の発生要因 ( 市町村の任意 自由記載を集計 ) 教育 知識 介護技術等に関する問題 が 128 件 (66.3%) で最も多く 次いで 職員のストレスや感情コントロールの問題 51 件 (26.4%) 虐待を助長する組織風土や職員間の関係性の悪さ 25 件 (13.) であった ( 複数回答 ) 3~4P (4) 過去の指導等 ( 市町村の任意 自由記載を集計 ) 虐待の事実が認められた221 件の施設 事業所のうち 54 件 (24.4%) が過去何らかの指導等を受けていた 指導の多くはサービス提供に係る指導であったが 過去にも虐待事例が発生していたケースが 3 件あった 4P (5) 虐待の事実が認められた施設 事業所の種別 特別養護老人ホーム( 介護老人福祉施設 ) が 69 件 (31.2%) で最も多く 次いで 認知症対応型共同生活介護 ( グループホーム ) 34 件 (15.4%) 介護老人保健施設 26 件 (11.8%) 有料老人ホーム 26 件 (11.8%) であった 6P (6) 虐待の内容 要介護施設従事者等による被虐待高齢者の総数 402 人のうち 虐待の種別では 身体的虐待 が 258 人 (64.2%) で最も多く 次いで 心理的虐待 132 人 (32.8%) 介護等放棄 67 人 (16.7%) であった ( 複数回答 ) 図 3 7~8P 8 64.2 図 3 高齢者虐待の種別の割合 32.8 16.7 身体的虐待介護等放棄心理的虐待性的虐待経済的虐待 被虐待高齢者が特定できなかった 9 件を除く 212 件における被虐待高齢者の総数 402 人において 被虐待者ごとの虐待種別を複数回答形式で集計 3.5 7.7 3

虐待を受けた高齢者のうち 身体拘束あり は 92 人 (22.9%) であった 7P 虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合では 5 段階評価で最も軽い 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 が 213 人 (53.) である一方 最も重い 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 は 22 人 (5.5%) であった 図 4 8P 虐待による被虐待高齢者の死亡事例はなかった 8P 図 4 高齢者虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合 ( 単位 :%) 53.0 18.2 20.1 3.2 5.5 8 10 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 2 3- 生命 身体 生活に著しい影響 4 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 被虐待高齢者が特定できなかった 9 件を除く 212 件における被虐待高齢者の総数 402 人に対する割合 (7) 被虐待高齢者の状況 被虐待高齢者は 総数 402 人のうち 女性が290 人 (72.1%) を占め 年齢は80 ~84 歳が104 人 (26.7%) 90 歳以上が 94 人 (24.2%) 85~89 歳が93 人 (23.9%) であった 要介護度は3 以上が 314 人 (78.1%) を占めた また 認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 以上 は 341 人 (84.8%) 要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度 ( 寝たきり度 )A 以上 は 264 人 (95.) であった 8~9P ( 認知症との関係 ) 入所系施設における被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の種別の関係をみると 被虐待者に認知症がある場合で 自立度 Ⅳ/M の場合 身体的虐待を受ける割合が特に高い 統計的有意差あり 図 5 24P なお 居宅系事業所 ( 訪問介護 通所介護 居宅介護支援等 ) については 事例数が少なく 同様の関係を見るための詳細な分析を行うに至らなかった 4

8 26.7 65.5 46.8 76.7 13.3 12.8 被虐待高齢者の 認知症の程度 と 虐待の程度 ( 深刻度 ) との関係では統計 的有意差はなかった 図 5 入所系施設における被虐待高齢者の認知症の程度と虐待種別の関係 24.4 60.0 61.7 37.8 21.9 20.5 6.4 6.4 0.0 2.5 3.4 1.4 0.0 0.0 身体的虐待介護等放棄心理的虐待性的虐待経済的虐待 なし / 自立 / Ⅰ(n=15) Ⅱ(n=47) Ⅲ(n=119) Ⅳ/M(n=73) 入所系施設 介護保険 3 施設 グループホーム 有料老人ホーム 小規模多機能 短期入所施設 特定施設入居者生活介護をさす 虐待種別は複数回答形式で集計 認知症の有無 程度が不明のケースを除く ( 要介護度との関係 ) 被虐待高齢者の 要介護度 と 虐待の種別 との関係及び 要介護度 と 虐 待の程度 ( 深刻度 ) との関係では統計的有意差はなかった ( 寝たきり度との関係 ) 被虐待高齢者の 寝たきり度 と 虐待の種別 との関係及び 寝たきり度 と 虐待の程度 ( 深刻度 ) との関係では統計的有意差はなかった ( 施設種別との関係 ) 施設種別ごとの虐待種別は 認知症対応型共同生活介護 ( グループホーム ) 小規模多機能型居宅介護等 では 身体的虐待 が含まれるケースが他の施設種別よりも低い その他入所系 では 介護等放棄 が含まれるケースの割合が他の施設種別よりも高い 居宅系の事業所では 経済的虐待 が含まれるケースが他の施設種別よりも高い 統計的有意差あり 図 6 24P 5

8 図 6 施設種別ごとの虐待種別の関係 68.0 71.3 66.0 46.7 40.0 38.5 37.3 32.5 21.3 24.5 7.7 13.2 5.0 7.5 3.6 6.7 1.9 2.7 3.8 4.1 身体的虐待介護等放棄心理的虐待 性的虐待 経済的虐待 介護保険 3 施設 (n=169) GH 小規模多機能 (n=75) その他入所系 (n=80) 居宅系 (n=53) 被虐待者ごとに集計 その他入所系 は有料老人ホーム 短期入所施設 特定施設入居者生活介護をさす 虐待種別は複数回答形式で集計 (8) 虐待を行った養介護施設従事者等 ( 虐待者 ) の状況 虐待者の総数 282 人のうち 不明を除くと 30 歳未満が62 人 (26.5%) 40~49 歳が50 人 (21.4%) 50~59 歳が49 人 (20.9%) 30~39 歳が47 人 (20.1%) 職種は 介護職 が213 人 (78.3%) であった 9~10P 虐待者の性別は 不明を除くと 男性 141 人 (51.8%) 女性 131 人 (48.2%) であった 虐待者の男女比については 介護従事者全体 ( 介護労働実態調査 ) に占める男性の割合が21.4% であるのに比して 虐待者に占める男性の割合が51.8% であることを踏まえると 本調査での虐待者 の方が男性の割合が高い 統計的有意差あり 図 7 10P 24P 図 7 虐待者の性別と介護従事者の性別の比較 本調査での虐待者 (n=272) 51.8% 48.2% 男 女 介護従事者 (n=18,450) 21.4% 78.6% 8 10 性別が 不明 を除く 介護従事者 は介護労働安定センター 平成 25 年度介護労働実態調査 による 虐待者の男女別年齢について 介護従事者全体 ( 介護労働実態調査 ) に占める 30 歳未満 の男性の割合が 22.3% 女性の割合が 9.5% であるのに比して 虐待者に 占める 30 歳未満 の男性の割合が 36.1% 女性の割合が 16.2% であることを踏 6

まえると 本調査での虐待者 の方が男性 女性とも 30 歳未満 の割合が高い 統計的有意差あり 図 8 25P 女男 男 女 本調査での虐待者 (N=122) 介護従事者 本調査での虐待者 (N=111) 介護従事者 図 8 虐待者と介護従事者の性別と年齢の比較 36.1% 27.9% 18. 22.3% 41.5% 20.5% 16.2% 11.7% 25.2% 29.7% 9.5% 21. 29.4% 28.6% 12.3 5.7% 10.9 4.8% 17.1% 11.6% ~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60 歳以上 8 10 性別が 不明 を除く 介護従事者 は介護労働安定センター 平成 25 年度介護労働実態調査 による (9) 虐待の事実が認められた事例への対応状況市町村等において 施設等への指導 改善計画の提出のほか 法の規定に基づく改善勧告 改善命令 指定の効力停止及び指定の取消等の対応が取られていた 10~ 11P 3. 養護者による高齢者虐待 (1) 相談 通報者相談 通報者 28,144 人のうち 介護支援専門員 が 8,795 人 (31.3%) で最も多く 次いで 警察 3,488 人 (12.4%) 家族 親族 3,245 人 (11.5%) であった (1 件の事例に対し 相談 通報者が複数のケースあり ) 12P (2) 事実確認の状況 相談 通報の受理から事実確認開始までの期間の中央値は0 日 ( 即日 ) であり 相談 通報の受理から虐待確認までの期間の中央値は1 日 ( 翌日 ) であった 13P 相談 通報 26,082 件 ( 平成 24 年度中に相談 通報があったもののうち 平成 25 年度中に事実確認を行ったものを含む ) のうち 市町村の事実確認 25,291 件 (97.) は 訪問調査 17,456 件 (66.9%) 関係者からの情報収集 7,680 件 (29.4%) 立入調査 155 件 (0.6%) により実施された 13P (3) 虐待の発生要因 ( 市町村の任意 自由記載を集計 ) 虐待者の介護疲れ 介護ストレス が 1,398 件 (25.5%) で最も多く 虐待者の障害 疾病 1,221 件 (22.2%) 家庭における経済的困窮( 経済的問題 ) 925 件 (16.8%) であった ( 複数回答 ) 14~15P (4) 虐待の内容 養護者による被虐待高齢者の総数 16,140 人のうち 虐待の種別では 身体的虐 7

待 が 10,533 人 (65.3%) で最も多く 次いで 心理的虐待 6,759 人 (41.9%) 介護等放棄 3,602 人 (22.3%) 経済的虐待 3,486 人 (21.6%) であった 図 9( 複数回答 ) 15~16P 8 図 9 高齢者虐待の種別の割合 65.3 41.9 22.3 21.6 0.5 身体的虐待 介護等放棄 心理的虐待 性的虐待 経済的虐待 被虐待高齢者の総数 16,140 人において 被虐待者ごとの虐待種別を複数回答形式で集計 虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合は 5 段階評価で 3- 生命 身体 生活に著しい影響 が 5,522 人 (34.2%) と最も多く 次いで 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 が 4,983 人 (30.9%) であった 一方 最も重い 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 は1,444 人 (8.9%) を占めた 図 10 16P 図 10 高齢者虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合 ( 単位 :%) 30.9 19.2 34.2 6.8 8.9 8 10 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 2 3- 生命 身体 生活に著しい影響 4 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 被虐待高齢者の総数 16,140 人における割合 (5) 被虐待高齢者の状況 被虐待高齢者は 総数 16,140 人のうち 女性が 12,537 人 (77.7%) 年齢は 80 ~84 歳が 3,902 人 (24.2%) 75~79 歳が 3,525 人 (21.9%) であった 要介護認定の状況は認定済みが 10,980 人 (68.) であり 要介護認定を受けた者を要介護度別に見ると 要介護 1 が 2,443 人 (22.2%) 要介護 2 が 2,352 人 (21.4%) 要介護 3 以上が 4,435 人 (40.4%) であった また 要介護認定者における認知症日常生活自立度 Ⅱ 以上は 7,730 人 (70.4%) 要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度 ( 寝たきり度 )A 以上は 7,694 人 (74.1%) であった 16~19P 8

被虐待高齢者の要介護度と虐待種別との関係では 身体的虐待 と 心理的虐待 では 要介護度が重い方の割合が低く 介護等放棄 ではその逆になる傾向がみられた 統計的有意差あり 図 11 25P 8 図 11 被虐待高齢者の要介護度と虐待の種別の関係 要支援 1 (n=733) 64.5 57.7 55.1 要支援 2 (n=980) 要介護 1 (n=2,443) 35.7 25.1 24.1 24.7 11.7 0.8 1.1 身体的虐待介護等放棄心理的虐待性的虐待経済的虐待 要介護 2 (n=2,352) 要介護 3 (n=1,973) 要介護 4 (n=1,530) 要介護 5 (n=932) 要介護度不明の 37 人を除く 被虐待高齢者の要介護度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係では 要介護度が重い場 合に深刻度が高い 統計的有意差あり 図 12 26P 図 12 被虐待高齢者の要介護度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係 要介護 5 (n=932) 24.1 17.2 36.1 10.7 11.9 深刻度 1 要介護 4 (n=1,530) 24.5 19.8 38.0 7.6 10.1 深刻度 2 要介護 3 (n=1,973) 29.6 19.1 35.2 7.2 8.8 深刻度 3 要介護 2 (n=2,352) 32.6 19.3 33.6 6.4 8.1 深刻度 4 要介護 1 (n=2,443) 33.0 19.7 34.2 6.5 6.7 深刻度 5 要支援 2 (n=980) 34.0 20.9 32.7 4.1 8.4 要支援 1 (n=733) 36.7 21.4 27.6 6.1 8.2 要介護度不明の 37 人を除く 8 10 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待種別の関係をみると 被虐待高齢者に認知症 がある場合 介護等放棄 を受ける割合が高くなる一方で 心理的虐待 は低くな り 自立度 Ⅲ 以上でこの傾向は強い 統計的有意差あり 図 13 27P 9

8 図 13 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待種別の関係 69.8 63.7 62.4 63.3 51.1 47.9 39.7 32.6 29.2 25.7 22.3 23.5 17.7 20.5 20.6 14.7 0.7 0.5 0.4 0.6 身体的虐待介護等放棄心理的虐待性的虐待経済的虐待 介護保険申請状況 認知症の有無 程度が不明のケースを除く 介護保険未申請 申請中 自立 (n=5,141) 要介護認定済み / 認知症なし 自立度 Ⅰ (n=3,113) 認知症自立度 Ⅱ (n=3,653) 認知症自立度 Ⅲ 以上 (n=3,806) 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係をみると 被虐待高 齢者に認知症がある場合 虐待の程度 ( 深刻度 ) が重くなりやすく 自立度 Ⅲ 以上 でこの傾向は強い 統計的有意差あり 図 14 27P 図 14 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係 認知症自立度 Ⅲ 以上 (n=3,806) 26.2 18.9 36.8 8.010.1 深刻度 1 深刻度 2 認知症自立度 Ⅱ (n=3,653) 31.8 19.8 34.2 7.07.2 深刻度 3 要介護認定済み / 認知症なし 自立度 Ⅰ (n=3,113) 34.4 20.7 31.3 5.48.2 深刻度 4 深刻度 5 介護保険未申請 申請中 自立 (n=5,141) 31.4 18.3 33.8 6.7 9.8 介護保険申請状況 認知症の有無 程度が不明のケースを除く 8 10 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待種別の関係をみると 被虐待高齢者の寝たきり 度が高い場合 介護等放棄 を受ける割合が高くなる一方で 心理的虐待 は低く なる傾向がみられた 統計的有意差あり 図 15 27P 10

10 8 図 15 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待種別の関係 66.3 64.7 65.4 60.5 52.6 51.3 48.6 40.6 40.4 34.3 33.0 23.9 24.2 23.2 25.5 21.1 16.6 0.8 1.0 身体的虐待介護等放棄心理的虐待性的虐待経済的虐待 自立 (n=392) J (n=2,302) A (n=4,230) B (n=2,477) C (n=987) 介護保険申請状況 寝たきり度が不明のケースを除く 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待の深刻度の関係をみると 被虐待高齢者の寝た きり度が高い場合 虐待の深刻度が重くなりやすく 寝たきり度 A 以上でこの傾向 は強い 統計的有意差あり 図 16 28P C (n=987) B (n=2,477) 図 16 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係 22.6 27.7 17.8 18.9 35.8 36.0 10.1 7.7 13.7 9.7 深刻度 1 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 深刻度 5 A (n=4,230) J (n=2,302) 自立 (n=392) 31.5 33.6 33.9 20.1 20.9 17.6 33.6 33.8 34.2 6.9 7.8 5.0 6.6 5.6 8.7 介護保険申請状況 寝たきり度が不明のケースを除く 8 10 介護保険サービスを受けているケースでは 虐待の程度 ( 深刻度 ) が低い 深刻度 1 深刻度 2 の割合が他に比べて高かった 一方 過去受けていたが判断時点では受けていないケースでは 深刻度 5 の割合が全体に比して高い 統計的有意差あり 図 17 19P 11

図 17 被虐待高齢者の介護保険サービスの利用状況と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係 介護サービスを受けている (n=8,696) 30.8 20.0 34.8 6.67.8 深刻度 1 過去受けていたが判断時点では受けていない (n=415) 26.7 14.2 36.1 7.7 15.2 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 過去も含め受けていない (n=1,687) 29.1 18.2 33.4 8.1 11.2 深刻度 5 8 10 要支援 要介護認定済者のうち 介護保険サービスの利用状況が不明なケースを除く 介護保険サービスを受けているケースでは 相談 通報者に 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 介護保険事業所職員 が含まれている割合が他のケースに比べて高かった 過去受けていたが判断時点では受けていないケースでは 相談 通報者に 医療機関従事者 が含まれている割合が他のケースに比べて高かった 過去も含めて受けていないケースでは 相談 通報者に 家族 親族 当該市町村職員 警察 が含まれている割合が他のケースに比べて高かった 統計的有意差あり 図 18 19P 8 62.5 (介ケアマネジャー)護支援専門員35.4 16.8 11.6 5.53.9 介護保険事業所職員16.1 11.6 6.3 7 3.2 3 3.9 5.8 2.8 医療機関従事者近隣住民 知人民生委員18 被虐待高齢者の介護保険サービスの利用状況と相談 通報者の関係 20.2 10.4 11.6 9.8 7.6 5 8.2 6.3 3.9 警察図 家族 親族当該市町村行政職員介護サービスを受けている (n=8,696) 過去受けていたが判断時点では受けていない (n=415) 過去も含め受けていない (n=1,687) 虐待を行った養護者 ( 虐待者 ) との同居の有無では 虐待者とのみ同居 が 7,893 人 (49.) で最も多く 虐待者及び他家族と同居 の 6,084 人 (37.7%) を含め ると 13,977 人 (86.7%) が同居している事例であった 20P 12

家族形態は 未婚の子と同居 が 5,276 人 (32.8%) で最も多く 次いで 夫婦のみ世帯 3,133 人 (19.5%) 子夫婦と同居 2,675 人 (16.6%) の順であった 20P 被虐待高齢者からみた虐待者の続柄は 息子 が 7,143 人 (41.) で最も多く 次いで 夫 3,349 人 (19.2%) 娘 2,865 人 (16.4%) であった 図 19 20P 図 19 被虐待高齢者からみた虐待者の続柄娘の配偶者 ( 婿 ), 1.7% その他, 4.7% 兄弟姉妹, 1.9% 孫, 4.2% 息子, 41. 妻, 5.1% 息子の配偶者 ( 嫁 ), 5.7% 娘, 16.4% 夫, 19.2% 虐待者の続柄が 不明 のケースを除く < 参考 > 図 20 虐待者の続柄と同居 別居の割合 28P 図 21 虐待者の続柄と年齢の関係 29P 図 20 虐待者の続柄と同居 別居の割合 夫 (n=3,265) 妻 (n=779) 息子 (n=6,307) 娘 (n=2,435) 息子の配偶者 ( 嫁 )(n=576) 娘の配偶者 ( 婿 )(n=176) 兄弟姉妹 (n=269) 孫 (n=497) 複数虐待者 (n=1,201) 70.9 65.7 51.0 41.4 8.2 8.5 43.1 21.9 30.7 34.4 41.0 84.9 81.3 27.9 62.8 52.2 27.4 30.6 13.5 16.6 6.8 10.2 26.8 14.1 14.3 8 10 虐待者とのみ同居 虐待者及び他家族と同居 虐待者と別居 その他 不明 続柄が その他 不明 のケースを除く 13

10 8 3.6 3.6 6.8 10.4 14.5 11.8 6.5 16.3 12.7 24.0 22.2 26.9 25.8 19.1 14.0 8.9 7.9 図 21 虐待者の続柄と年齢の関係 6.3 4.1 10.9 5.7 8.8 34.6 32.2 9.8 16.2 13.8 29.5 31.2 23.5 8.2 6.9 夫 (n=3,349) 妻 (n=891) 息子 (n=7,143) 娘 (n=2,865) その他 (n=3,184) 不明 90 歳以上 85-89 歳 80-84 歳 75-79 歳 70-74 歳 65-69 歳 60-64 歳 50-59 歳 40-49 歳 40 歳未満 その他 は 息子の配偶者 ( 嫁 ) 娘の配偶者 ( 婿 ) 兄弟姉妹 孫 その他 不明の合計 (5) 虐待への対応策 虐待事例への市町村の対応は 被虐待高齢者の保護として虐待者からの分離 が 7,058 人 (34.3%) の事例で行われた そのうち 分離を行った事例では 介護保険サービスの利用 が 2,654 人 (37.6%) で最も多く 次いで 医療機関への一時入院 が 1,203 人 (17.) であった 分離していない事例では 養護者に対する助言指導 が 5,712 件 (51.5%) で最も多く 次いで ケアプランの見直し 3,264 件 (29.4%) であった 21P 権利擁護に関しては 成年後見制度の 利用開始済み が 713 人 利用手続き中 が 421 人であり これらを合わせた 1,134 人のうち市町村長申立は 666 人 (58.7%) であった 22P (6) 虐待等による死亡事例介護をしている親族による 介護をめぐって発生した事件で 被介護者が 65 歳以上 かつ虐待等により死亡に至った事例 ( 平成 25 年度中に発生 市町村把握 ) は 養護者による殺人 12 件 12 人 介護等放棄 ( ネグレクト ) による致死 6 件 6 人 虐待 ( ネグレクトを除く ) による致死 2 件 2 人 心中 1 件 1 人で 合わせて21 件 21 人であった 表 2 22P 14

表 2 高齢者虐待の年度別虐待による死亡例の推移 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度虐待等によ件数 31 27 24 31 21 21 26 21 る死亡例人数 32 27 24 32 21 21 27 21 4. 市町村における高齢者虐待防止対応のための体制整備等について (1) 市町村における高齢者虐待防止対応ごとの実施率平成 25 年度で 高齢者虐待の対応の窓口となる部局の住民への周知 が 1,451 市町村 (83.3%) で実施となっている 一方 高齢者虐待防止ネットワークの構築のうち 行政機関 法律関係者 医療機関等からなる 関係専門機関介入支援ネットワーク の構築への取組が878 市町村 (50.4%) 介護保険サービス事業者等からなる 保健医療福祉サービス介入支援ネットワーク の構築への取組が 871 市町村 (50.) と半数程度に止まっている 23P (2) 取組状況と虐待判断件数の関連市町村における 14 項目の取組状況と養護者虐待に関する相談 通報件数及び虐待確認件数の各々との関連をみると 取組の項目が多く行われている市町村では高齢者人口比当たりの件数がいずれも多く 取組の項目が少ない市町村ではいずれも少ない傾向であった 統計的有意差あり 29~33P 添付資料 調査結果全文 15