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09資料4-3<統合版> (300216差し替え)雇用型テレワークガイドライン(案)

テレワーク制度等 とは〇 度テレワーク人口実態調査 において 勤務先にテレワーク制度等があると雇用者が回答した選択枝 1 社員全員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 2 一部の社員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 3 制度はないが会社や上司などがテレワーク等をす

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

7 8 O KAYAKU spirit I O K T C % E C O M T O K T T M T I O O T C C C O I T O O M O O

企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

2 職務専念義務 秘密保持義務 競業避止義務を意識することが必要である 3 1 週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には 雇用保険等の適用がな い場合があることに留意が必要である 企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 労働者の自律性 自主性を

Microsoft Word - H29 結果概要

テレワークの普及が進む背景 1 このガイドブックができた背景と使い方 ICT の進展と企業 従業員ニーズからテレワークが普及 ICT(Information and Communication Technology) < 情報機器 > ダウンサイジングと高性能化 < 通信 > ブロードバンド環境の一

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Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

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(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

第22回規制改革会議 資料3

副業は日本社会に定着するだろうか - 副業の現状や今後の課題 -

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資料9

あおもり働き方改革推進企業認証制度 Q&A 平成 29 年 12 月 14 日 Vol.1 目次 1 あおもり働き方改革推進企業認証制度全般関係 Q1 県外に本社がある場合はどのように申請できるのか P1 2 あおもり働き方改革宣言企業関係 Q2 次世代法に基づく一般事業主行動計画とはどういうものか

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

改正労働基準法

CONTENTS 1. テレワーク導入における課題 2. 総務省テレワークセキュリティガイドラインについて 3. 技術 制度 人に関する情報セキュリティ対策例 4. 情報へのアクセス方法とその特徴 5. マネジメント ( 労務管理等 ) の対策 2

図 1-a 貴社は 働き方改革に向けた取り組みを なっていますか? ( 企業規模別 ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 1 50 名 4 46% 6% 名 55% 36% 9% 名 63% 301 名以上 82% 9% 図 2 働き方改革に取り組んでいな

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テレワーク とは 離れた 働く IT を活用した 場所や時間にとらわれない柔軟な働き方 週 8 時間以上 週 8 時間以上 出張先 自宅 テレワーカー OPEN テレワーカー 2

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Microsoft Word 年度評価シート.docx

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また 四半期毎に部門長を対象とした勤務実績報告会で テレワークを含めたワークスタイル改革を推進させるための施策について議論を実施している 周知 啓発方法 2015 年から約 2,000 名の間接部門社員を対象にしたスキルアップワークショップを実施している ワークショップでは テレワークのススメ とい

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい


ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

短時間 有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針 について ( 同一労働同一賃金ガイドライン ) 厚生労働省雇用環境 均等局有期 短時間労働課職業安定局需給調整事業課

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

調査結果 1. 働き方改革 と聞いてイメージすること 男女とも 有休取得 残業減 が 2 トップに 次いで 育児と仕事の両立 女性活躍 生産性向上 が上位に 働き方改革 と聞いてイメージすることを聞いたところ 全体では 有給休暇が取りやすくなる (37.6%) が最も多く 次いで 残業が減る (36

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滋賀県内企業動向調査 2018 年 月期特別項目結果 2019 年 1 月 滋賀銀行のシンクタンクである しがぎん経済文化センター ( 大津市 取締役社長中川浩 ) は 滋賀県内企業動向調査 (2018 年 月期 ) のなかで 特別項目 : 働き方改革 ~ 年次有給休暇の取得

1 柔軟な働き方の推進 (1) 在宅勤務職員が 自宅において貸出用モバイルパソコンを活用し インターネット回線経由で庁内 LAN( ファイルサーバー等 ) に接続して通常の業務を遂行できる制度を構築する なお 業務を行う際には 山形県情報セキュリティポリシーを遵守するものとする ( 以下 (2) (

基本認識

PowerPoint プレゼンテーション

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

Ⅱ.1 ワーク ライフ バランス施策の定義と類型 (1) ワーク ライフ バランス施策とは work-life balance 1 (2) ワーク ライフ バランス施策の類型

資料9

制度名 No. 1 ( 働 1) フレックスタイム制度 対象者: 営業職の正社員 労働時間の清算期間: 毎月 1 日から末日までの1か月 1 日の所定労働時間は 8 時間 清算期間内の総労働時間: 1 日あたり8 時間として 清算期間中の労働日数を乗じて得られた時間数 ただし 清算期間内を平均し1

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

2. 女性の労働力率の上昇要因 М 字カーブがほぼ解消しつつあるものの 3 歳代の女性の労働力率が上昇した主な要因は非正規雇用の増加である 217 年の女性の年齢階級別の労働力率の内訳をみると の労働力率 ( 年齢階級別の人口に占めるの割合 ) は25~29 歳をピークに低下しており 4 歳代以降は

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厚生労働省告示第六十四号中小企業等経営強化法平成十一年法律第十八号第十二条第一項の規定に基づき職業紹介事業 ( ) 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指針を次のように定めたので同条第五項の規定に基づき公 表する平成三十一年三月十四日厚生労働大臣根本匠職業紹介事業 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指

第16回税制調査会 別添資料1(税務手続の電子化に向けた具体的取組(国税))

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025 of 訪問介護員のための魅力ある就労環境づくり

育児短時間勤務

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

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平成 30 年 5 月 25 日公表平成 30 年 6 月 22 日訂正 別添 1 平成 29 年通信利用動向調査 ポイント タイトルに ( 世帯 ) と付した項目は世帯調査 ( 企業 ) と付した項目は企業調査 ( 個人 ) と付した項目は世帯構成員調査結果に基づく P.3 情報通信機器の保有状況

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育児 介護休業法の 改正について 平成 28 年 10 月 12 日 厚生労働省雇用均等 児童家庭局 職業家庭両立課

無期契約職員就業規則

Microsoft Word - ①(様式第1号)キャリアアップ計画書

CONTENTS 1. テレワークをするために必要な ICT 環境とは 2. 情報セキュリティの 課題解決策 3. コミュニケーションの 課題解決策 4. マネジメント ( 労務管理 ) の課題解決策 2

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

働き方改革推進の基本方針 平成 29 年 9 月 22 日 一般社団法人日本建設業連合会 政府は 平成 29 年 3 月 28 日に 働き方改革実行計画 を策定した 本計画では 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善 賃金引上げと労働生産性向上 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是

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第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

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1 取組の目的一人ひとりが心身ともに健康で いきいきと働くことで生産性を高め 価値を創造し利益を生むことと それにより 働きやすい会社 やりがいのある会社 成長し続ける会社 を実現することを目的として 働き方改革の取組を進めている 2 現在の取組 働き方改革推進室 を中心とした取組の推進同社では約

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

Microsoft PowerPoint - いしかわの「働き方改革」H30.4

ダイバーシティ 年に向けた政策展開のポイント テレワークが当たり前になる社会 の実現に向け 多様な主体と連携した普及啓発や導入支援への取組を強化 地域での就労支援やマッチング強化により 女性や高齢者の就業を推進 働き方改革と併せて時差 Biz の定着に向けた取組を推進 強化した政策

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

第3回 情報化社会と経済学 その3

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 4AFBAE70.doc

Microsoft Word - 改訂 H28 H27施行状況記者発表(リード文)

SC. あなたの営業活動の方法としてあてはまるものをお答えください 単数回答 (n=1754) 営業活動の方法をお聞きしたところ 訪問 + オンライン MTG ツールを併用 と オンライン MTG ツールのみ を合計して 2 割以上が営業活動でオンライン MTG ツールを利用していることがわかりまし

特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

補助事業等の実施に要する人件費の算定等の適正化について 平成 22 年 9 月 27 日 22 経第 960 号大臣官房経理課長から大臣官房総務課長 大臣官房政策課長 大臣官房厚生課長 大臣官房地方課長 大臣官房環境バイオ マス政策課長 大臣官房国際部長 大臣官房統計部長 各局 ( 庁 ) 長 沖縄

プレゼンテーションタイトル

中央労働災害防止協会発表

2018 年度日本テレワーク協会重点方針 2017 年度 日本テレワーク協会は テレワークを推進する政府 ( 関連府省 ) をはじめ東京都や地方自治体との連携により テレワーク普及に資する様々な事業の実施とともに 働き方改革実行計画におけるテレワークガイドライン見直しや テレワーク デイの実施を強力

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

留意事項 ( 1) 賃金アップの方法 欄には 賃金の算定方法を下記から選択し記載してください 賃金アップが 毎月決まって支払われる賃金 の場合は 1 賃金アップが 毎月決まって支払われる賃金 + 臨時に支払われる賃金 の場合は 2 賃金アップの方法 欄において 1の 毎月決まって支払われる賃金 を選

等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

Transcription:

資料 4 雇用型テレワークの現状と課題 厚生労働省雇用環境 均等局提出資料

働き方改革実行計画 ( 抄 ) 1 5. 柔軟な働き方がしやすい環境整備 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) テレワークは 時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため 子育て 介護と仕事の両立の手段となり 多様な人材の能力発揮が可能となる 副業や兼業は 新たな技術の開発 オープンイノベーションや起業の手段 そして第 2 の人生の準備として有効である 我が国の場合 テレワークの利用者 副業 兼業を認めている企業は いまだ極めて少なく その普及を図っていくことは重要である 他方 これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒である 労働時間管理をどうしていくかも整理する必要がある ガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて 普及を加速させていく (1) 雇用型テレワークのガイドライン刷新と導入支援 事業者と雇用契約を結んだ労働者が自宅等で働くテレワークを 雇用型テレワーク という 近年 モバイル機器が普及し 自宅で働く形態だけでなく サテライトオフィス勤務やモバイル勤務といった新たな形態のテレワークが増加している このような実態に合わせ これまでは自宅での勤務に限定されていた雇用型テレワークのガイドラインを改定し 併せて 長時間労働を招かないよう 労働時間管理の仕方も整理する 具体的には 在宅勤務形態だけでなく サテライトオフィス勤務やモバイル勤務を 雇用型テレワーク普及に向けた活用方法として追加する テレワークの導入に当たっては 労働時間の管理を適切に行うことが必要であるが 育児や介護などで仕事を中抜けする場合の労働時間の取扱や 半日だけテレワークする際の移動時間の取扱方法が明らかにされていない このため 企業がテレワークの導入に躊躇することがないよう フレックスタイム制や通常の労働時間制度における中抜け時間や移動時間の取扱や 事業場外みなし労働時間制度を活用できる条件などを具体的に整理するなど その活用方法について 働く実態に合わせて明確化する また 長時間労働を防止するため 深夜労働の制限や深夜 休日のメール送付の抑制等の対策例を推奨する

2 項目 4. 柔軟な働き方がしやすい環境整備 7 雇用型テレワークのガイドライン刷新と導入支援 ( その 1) 働く人の視点に立った課題 多くの人がテレワークを実施したいと考えているが テレワークを導入している企業は少なく 実際にテレワークを実施している労働者は少ない テレワークを実施したい :30.1%(2016 年 ) テレワークを導入していない企業 :83.8%(2015 年末 ) 全労働者に占めるテレワーカー ( 週 1 日以上終日在宅で就業 ):2.7%(2015 年 ) 政府が提供するガイドライン等のテレワーク推進ツールが モバイル機器など最近の仕事環境の変化に対応していない テレワークに関する現行の労務管理やセキュリティに関するガイドラインは スマートフォンやサテライトオフィスの普及を想定しておらず テレワークを導入しようとする企業が参考にしずらい 労務管理の困難さから長時間労働を招きやすい < テレワーク実施の問題 課題 ( 企業調査 ) ( 終日在宅の場合 )>(2014 年 ) 進捗管理が難しい :36.4% 労働時間管理が難しい :30.9% コミュニケーションに問題あり :27.3% 情報セキュリティ確保 :27.3% 今後の対応の方向性 テレワークには 事業者と雇用契約を結んだ労働者が自宅等で働くもの ( 雇用型テレワーク ) と 事業者と雇用契約を結ばずに仕事を請け負い 自宅等で働くもの ( 非雇用型テレワーク ) がある 雇用型テレワークについては 近年のスマートフォンやサテライトオフィスの普及といった仕事環境の変化に対応し 長時間労働を招くことがないように留意しつつ その普及を図るため 労務管理などに関するガイドラインを刷新する また 企業等に対する導入支援や政府による呼びかけ 率先垂範などによる周知啓発を推進する 具体的な施策 ( 労務管理に関するガイドラインの刷新 ) 近年の ICT 利用環境の進展に対応し 在宅勤務に加えて幅広い形態も含め テレワークの普及を加速させるとともに長時間労働を防止するため 在宅勤務ガイドラインについて 2017 中に以下の観点から刷新し テレワークガイドラインとする 1 テレワークの普及加速に向けて 在宅勤務以外の形態 ( サテライトオフィス勤務 モバイル勤務 ) の活用方法を追加 2 企業がテレワークの導入に躊躇することがないよう 以下の事項を明確化し 活用しやすくする テレワーク導入に当たって 携帯電話を持っていても事業場外みなし労働時間制を活用できる条件や フレックスタイム制 裁量労働制 事業場外みなし制の利用方法の明確化 中抜け時間や部分在宅等の場合における移動時間の扱い等の整理 3 長時間労働対策の追加 ( 深夜労働の制限や深夜 休日のメール送付の抑制等の長時間労働対策例を推奨 ) ( セキュリティに関するガイドラインの刷新 ) テレワーク導入時に必要なセキュリティ面の対応を明確化するテレワークセキュリティガイドラインについて 近年の ICT 利用環境の進展を踏まえ 2017 中に以下の観点から刷新する 1 最新の ICT 利用環境 (Wi-Fi クラウド環境 スマートフォン タブレットの普及等 ) を踏まえた機器利用ルール 利用者への教育 システムの性能のバランスがとれたセキュリティ対策の充実 2 在宅勤務以外のサテライトオフィス勤務 モバイルワークの実態を踏まえた経営者 システム管理者 テレワーク勤務者の実施すべきセキュリティ対策の充実 施策 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 以降 指標 労務管理に関するガイドラインの刷新 セキュリティに関するガイドラインの刷新 有識者検討会設置 ガイドライン改定 有識者検討会設置 ガイドライン改定 テレワークガイドラインの発出 施行 / 周知 普及 改定ガイドラインの発出 施行 必要に応じて見直し 必要に応じて見直し 2020 年までに テレワーク導入企業を 2012 比 3 倍 週 1 日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカーを全労働者数の 10% 時間単位での取得や自宅外 モバイルワーク等の柔軟な働き方の進行を勘案し 新しい KPI を検討

雇用型テレワークの普及状況 20% 15% 10% 5% 0% テレワーカー人口 政府目標 (KPI): 平成 32 年までに 制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を平成 28 比で倍増 ( 平成 28 年時点は 7.7%)) 政府目標 : 平成 28 比の 2 倍 7.7% 平成 28 年 導入企業の割合 平成 29 に新設した政府目標 15.4% 平成 32 年 国土交通省 : 平成 28 テレワーク人口実態調査をもとに厚生労働省で作成 政府目標 (KPI): 平成 32 年までに テレワーク導入企業を平成 24 比で 3 倍 ( 平成 24 年時点の割合は 11.5%)) テレワークを利用していない労働者のテレワーク実施意向 59.5% 40.5% 実施してみたいと思う (n=12,536) 実施してみたいと思わない (n=18,447) 企業の資本金規模別導入状況 < 実施してみたいと思う理由 > 主たるものを抜粋 通勤時間 移動時間が削減できそうだから 69.3% 自由に使える時間が増えそうだから 67.4% 自宅で仕事が可能だから 44.1% 家族との時間が増えそうだから 26.8% 国土交通省 : 平成 28 テレワーク人口実態調査をもとに厚生労働省で作成 企業規模が大きくなるほど テレワークの導入率が高くなる傾向 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平成 24 年末 (n=2,074) 平成 25 年末 (n=2,179) 平成 26 年末 (n=2,106) 平成 27 年末 (n=1,829) 平成 28 年末 (n=2,018) 平成 32 年 導入している 0% 20% 40% 60% 80% 100% 11.5% 2.9% 9.3% 3.3% 11.5% 3.5% 16.2% 13.3% 3.4% 3.3% 導入していないし 具体的な導入予定もない 85.6% 87.4% 85.0% 80.4% 83.4% 政府目標 : 平成 24 比の 3 倍 導入していないが 具体的に導入予定がある 総務省平成 28 年通信利用動向調査をもとに厚生労働省で作成 1,000 万円未満 (n=70) 1,000 万円 ~3,000 万円未満 (n=404) 3,000 万円 ~5,000 万円未満 (n=219) 5,000 万円 ~1 億円未満 (n=421) 1 億円 ~5 億円未満 (n=397) 5 億円 ~10 億円未満 (n=51) 10 億円 ~50 億円未満 (n=122) 50 億円以上 (n=145) 導入している 11.1% 2.3% 86.6% 6.2% 2.9% 90.9% 12.4% 11.1% 3.2% 4.2% 84.4% 84.7% 25.2% 25.7% 3.2% 1.9% 71.6% 72.4% 38.6% 44.9% 1.2% 8.4% 60.2% 46.6% 導入していないが 具体的に導入予定がある 総務省: 平成 27 年通信利用動向調査をもとに厚生労働省で作成 3

雇用型テレワークのメリット 定型的業務の効率 生産性向上 創造的業務の効率 生産性向上 従業員の自己管理能力向上 従業員の健康的生活確保 アンケート調査 実施のメリット ( 従業員調査 ) 通勤による負担が少ない仕事の生産性 効率性が向上するストレスが減り心のゆとりが持てる家族とコミュニケーションがとれる趣味や自己啓発などの時間が持てる時間管理に対する意識が高まる個性が活かされ個人の自律性が高まる居住場所の選択肢が広がる育児 介護の時間が増える家事の時間が増える顧客サービスが向上する地域社会活動等の時間が持てる給与が上がるその他メリットは特にない 実施の効果 ( 企業調査 ) 20.1% 12.5% 11.0% 14.3% 7.1% 移動時間の短縮 効率化 1.8% 人件費削減 5.2% オフィスコスト削減 3.2% 17.9% 優秀な人材確保 3.2% 14.3% 遠隔地雇用 4.1% 3.6% 3.2% 従業員の家庭生活を両立 5.2% 高齢の従業員対応 7.1% 4.1% 1.3% 障害のある従業員対応 2.0% 10.7% 5.4% 地震など災害対応 8.2% 6.5% その他 6.1% 7.1% 11.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 17.4% 15.2% 1 4.4% 9.3% 3.6% 5.4% 5.5% 7.9% 16.5% 0.8% 0.6% 10.6% 18.1% 23.2% 30.6% 35.7% 33.9% 32.7% (N=949) 35.7% 44.9% 44.9% 54.5% 54.5% 51.8% 54.4% 58.4% 終日在宅 (N=56) 部分在宅 (N=49) モバイル (N=154) 1 2 3 4 5 6 7 平成 27 年 JILPT 情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査より ネスレ日本株式会社 2016 年 1 月より 原則全社員が利用事由や利用頻度の制限なく自宅等社外での勤務を可能とする新制度を導入し生産性向上を実現 2013 年を 100 とした時の社員 1 人当たりの売上高は 15% 増 / 時間外労働は 40% 減 日本マイクロソフト株式会社 全社員を対象にテレワークを実施し 2010 からの 5 年間で 社全体で 1 事業生産性の向上 (+26%) 2 残業時間の削減 (-5%) 3 旅費 / 交通費の削減 (-20%) 4 ペーパーレスによるコストカット (-49%) 5 女性離職率の減少 (-40%) など 定量的な効果を得ている シスコシステムズ合同会社 2001 年よりテレワークを実施 2014 年に実施した社内調査の結果 テレワークの導入による生産性向上効果約 10 億円を得たとしている また 社員一人当たりの所定外労働時間が半減 ( 年間 518 時間から 266 時間 ) した 本社をアメリカに置く外資系企業ということもあり テレビ会議だけで出張費の削減等も得たとしている サイボウズ株式会社 企業ヒアリング 働く人がそれぞれライフスタイルに合わせて働き方を選択できるよう ワークスタイル変革を実施 その一環としてテレワークを導入 その結果平成 17 年時点で 28% あった離職率が 平成 27 年には 4% まで下がった 4

雇用型テレワークの課題 労務管理等から導入が難しい テレワークのデメリット ( 労働者調査 ) テレワーク実施の問題 課題 ( 企業調査 ) 0% 10% 20% 30% 40% 50% メリットが不明確 1.8% 8.0% 4.0% 仕事と仕事以外の切り分けが難しい 38.3% 労働時間管理が難しい 30.9% 40.3% 42.0% 長時間労働になりやすい仕事の評価が難しい書類や資料が分散する周囲の雑音が仕事の邪魔になる上司等とコミュニケーションが難しい 21.1% 16.9% 9.4% 5.6% 11.4% 進捗管理が難しい賃金額の決定が難しい評価が難しいコミュニケーションに問題あり 26.0% 18.8% 7.3% 8.0% 3.4% 18.2% 14.0% 12.8% 27.3% 28.0% 12.1% 36.4% 健康管理が難しい 6.0% 機器のコスト 14.5% 1 25.5% 孤独感や疎外感を感じる 5.7% 情報セキュリティ確保 27.3% 28.0% 42.3% 成果を出すプレッシャーを感じるスキルアップや能力開発が難しい 1.9% 7.2% 安全衛生管理が難しい労災認定があいまい 7.3% 6.0% 9.4% 7.3% 1 共有情報等へのアクセスが難しい給与が下がるその他 1.4% 9.5% 11.1% 深夜割増賃金が必要勤務地域の最低賃金を適用できない 8.7% 4.7% デメリットは特にない (N=935) 28.1% 1 2 3 4 5 終日在宅 (N=55) 部分在宅 (N=50) モバイル (N=149) 平成 27 年 JILPT 情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査より 5

在宅勤務についての考え方 在宅勤務ガイドラインの概要 H16.3.5 策定 H20.7.28 改正 在宅勤務とは 労働者が 労働時間の全部又は一部について 自宅で情報通信機器を用いて行う勤務形態 をいう 導入に当たって求められること 在宅勤務は労働者の勤務時間帯と日常生活が混在せざるを得ない働き方であることから これに伴う在宅勤務の課題の解決について 労働者の合意を得ることが求められる 1. 労働基準関係法令の適用及びその注意点 1 労働基準関係法令の適用在宅勤務には 労基法 最賃法 安衛法 労災保険法等が適用 2 労基法上の注意点ア労働条件の明示在宅勤務を行わせる場合には 労働契約の締結に際し 就業の場所として 労働者の自宅を明示する必要がある イ労働時間 原則 通常の労働時間制 (1 日 8 時間 週 40 時間 ) 変形労働制 フレックスタイム制可 条件を満たす場合 裁量労働制適用可 労働時間の把握ができない場合 事業場外みなし労働時間制可 以下の 3 点を満たす場合 事業場外みなし労働時間制が適用可能 1 業務が自宅で行われること 2 使用者の指示で PC 等により常時通信可能な状態となっていないこと 単に回線が接続されているだけで PC 等から離れることが自由である場合は 常時通信可能な状態 に該当しない 3 作業が随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと 業務目的 目標 期限などの基本事項の指示は 具体的な指示 に該当しない 3 安衛法上の注意点健康診断 雇入れ時の安全衛生教育等が必要 VDT 作業における労働衛生管理のためのガイドライン 等に留意する 4 労災保険法上の注意点 在宅勤務中に業務が原因で生じた災害は 労災保険の保険給付の対象 ( 私的行為が原因のものは 業務上の災害とはならない ) 2. その他在宅勤務を適切に導入及び実施するに当たっての注意点 1 労使双方の共通の認識 2 業務の円滑な遂行 3 業務評価等の取り扱い 4 通信費及び情報通信機器等の費用負担の取り扱い 5 社内教育等の取り扱い 6 労働者の自律 3~5 については 就業規則の作成が必要 6

検討会における雇用型テレワークの論点 在宅勤務ガイドラインの刷新在宅勤務ガイドラインの刷新に当たっては 下記の事項を検討予定だが その他改正事項や留意点はあるか 在宅勤務に加えて 在宅勤務以外の形態のテレワーク ( サテライトオフィス勤務 モバイル勤務 ) の活用方法を追加 テレワークにおける労働時間の管理について 通常の労働時間制度で 労働時間を適正に把握できる場合を明確化 通常の労働時間制度やフレックスタイム制における中抜け時間の扱いを整理 通常の労働時間制度やフレックスタイム制における 半日など部分的にテレワークする際の移動時間の扱いを整理 フレックスタイム制や裁量労働制について 現状のガイドラインでは何ら言及がないため テレワークでも活用できることを明示 事業場外みなし制度について IT 機器 ( スマートフォンなど ) の普及により その活用が困難と考えられている可能性があるため 活用できる条件を明確化 テレワークによる長時間労働を防ぐため 深夜労働の制限や深夜 休日のメール送付の抑制等の手法を推奨 テレワークにおける事業者による安全衛生管理について整理 ( 印は 働き方改革実行計画 で対応するとされた事項 ) その他その他 ヒアリング ニーズ調査等を踏まえ 制度的課題の抽出 整理を行う 7

参考 : 在宅勤務ガイドライン 1 8

参考 : 在宅勤務ガイドライン 2 9

参考 : 在宅勤務ガイドライン 3 10

参考 : 在宅勤務ガイドライン 4 11

参考 : 在宅勤務ガイドライン 5 在宅勤務における事業場外みなし労働時間制度の適用基準 12