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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

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Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 平成 28 年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から 発射された弾道ミサイルは 約 10

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ドクターヘリ運用マニュアル 群馬県ドクターヘリ運航調整委員会

目 次 Ⅰ ドクターヘリについて 2 1 ドクターヘリに使用されるヘリコプター 2 ドクターヘリの装備 3 安全上の注意 ( 着陸時及びドクターヘリの接近時 ) 4 ドクターヘリの待機時間等 Ⅱ 出動の流れ 3 1 救急現場からの要請 2 転院搬送について 3 出動のキャンセルとオーバートリアージ Ⅲ ドクターヘリ配置要員 5 Ⅳ 運航手順 ( 職種別 ) 6 1 医師 2 看護師等 3 運航管理担当者 (CS) 4 機長 ( 操縦士 ) 5 整備士 6 消防機関 Ⅴ 安全対策について 15 1 ドクターヘリ離着陸場所での安全確保 2 ドクターヘリ搭乗クルーの安全確保 Ⅵ 災害時の運用について 16 1 出動要請 2 災害時の業務 3 離着陸場 4 航空管制 5 大規模災害時 Ⅶ その他 17 1 ドクターヘリ運航に係る保険について 2 ドクターヘリ離着陸時の飛散物等の対応について 3 ドクターヘリ搬送に係る費用について 資料 1 ドクターヘリ基地病院からの飛行所要時間資料 2 ドクターヘリの運航気象条件について資料 3 ドクターヘリの臨時離着陸場 ( 離着陸する場所 ) について資料 4 機内からの無線交信実施要領資料 5 群馬県ドクターヘリへの救急救命士の同乗に係る取扱いについて資料 6 救命活動支援ヘリポートの運用手順資料 7 群馬県ドクターヘリ運航時に生じた損害等への対応手順資料 8 ドクターヘリ着陸後のスタッフの行動指針資料 9 大規模災害時におけるドクターヘリの運用体制構築に係る指針 - 1 -

Ⅰ ドクターヘリについて 1 ドクターヘリに使用されるヘリコプター医師が救急現場で必要とされる 初期医療を行いながら 迅速に患者の搬送を可能とするための 専用の医療機器 医療資器材が搭載されているヘリコプターである 搭乗人数は患者 1 又は (2) 名 医師及び看護師等 4 又は (3) 名である 2 ドクターヘリの装備 ストレッチャー 心電図モニター 除細動器 吸引器 人工呼吸器 酸素ボンベ バックボード 各種医薬品 ドクターズ バッグ その他の医療消耗品 3 安全上の注意 ( 着陸時及びドクターヘリへの接近時 ) (1) 着陸地点の人を避難させる (2) 救急車等車両のドアは閉じ 救急車の赤色灯は点けたまま待機する (3) 離着陸場所に飛散物 ( ビニールシート等の飛び易いもの ) があれば撤去する (4) 砂埃が予想される場所では 建物の窓を閉めてもらい 洗濯物等は一時撤去してもらうなどの配慮をする (5) ヘリコプターへの接近は 運航クルーが合図したらヘリコプターの真横から接近する その時 少し身体をかがめて接近する (6) 長いもの ( 点滴支柱 無線機アンテナ等 ) を持って機体に近づかない (7) 強い風が吹いている時には ヘリコプターはエンジンを止めずに患者を収容することもあるため 機体に接近する場合は風で飛ばされるようなものは持たないで機体に接近する 4 ドクターヘリの待機時間等飛行可能時間帯は 日の出から日没迄の間であるが 待機時間は 原則として下表の通りとする なお 日没に係る出動可能時間や天候等による出動の可否条件については 出動要請機関はその都度ドクターヘリ要請専用ホットライン 02 7- - ( 前橋赤十字病院内ドクターヘリ通信センター ( 以下 通信センター という )) に問い合わせを行うことができる その他 ランデブーポントの申請等の事務処理に係る問い合わせについては 問い合わせ専用電話 0 27- - ( 通信センター ) に行う 8 時 45 分 ~17 時 45 分 ( 又は日没の 30 分前のいずれか早い方 ) - 2 -

Ⅱ 出動の流れ 1 救急現場からの要請 (1) 要請方法 119 番通報を受けた管轄消防指令室はその内容から また救急現場に出動した救急隊はその状況から判断して 前橋赤十字病院高度救命救急センター ( 以下 救命センター という ) 内ドクターヘリ要請専用ホットラインの出動要請を行う ドクターヘリ要請専用ホットライン電話番号 :027- - (2) 出動要請の基準運航範囲は原則として群馬県全域とし 救急現場において 以下の条項のいずれかが認められるとき出動を要請できるものとする 出動を要請できる機関は 原則として消防機関及び離着陸場を確保できる医療機関とする a. 生命の危険が切迫しているか その可能性が疑われるとき b. 重傷患者であって搬送に長時間を要することが予想されるとき c. 特殊救急疾患の患者 ( 重傷熱傷 多発外傷 指肢切断等 ) で搬送時間の短縮を特に図る必要があるとき d. 救急現場で緊急診断処置に医師を必要とする可能性があるとき e. 多数傷病者が発生したとき (3) 患者情報 離着陸場所等の連絡 a. 管轄消防指令室又は救急隊は ドクターヘリの出動要請時 患者情報 離着陸場所等を連絡する b. ドクターヘリに搭乗の医師は 離陸後医事無線を通じて基地病院の医師から患者情報を入手すると共に 状況により消防無線を併用して直接現場の救急隊 ( 救急救命士等 ) に救命処置に関する適切な指示を出す (4) 救急現場への着陸と治療の開始救急隊とドクターヘリ搭乗の運航要員 ( 以下 運航クルー という ) 医療要員 ( 以下 医療クルー という ) は 消防無線やスピーカーの使用 又は合図等により 相互に地上の安全を確認し 着陸を行う 着陸後 直ちにドクターヘリ搭乗医師は救急車内で患者の治療を開始する (5) 搬送先医療機関の決定ドクターヘリ搭乗医師は 搬送対象となる医療機関等の中から搬送先医療機関を患者の緊急度 重症度 患者又は家族の希望を考慮の上 消防機関及び患者等と協議して決定する (6) 搬送先医療機関への連絡搬送先が決定次第 ドクターヘリ搭乗医師あるいはドクターヘリ基地病院の医師は 患者の受入について搬送先医療機関に連絡要請を行う - 3 -

(7) 患者の搬送搬送先の医療機関に受入の確認がすみ次第 ドクターヘリ又は救急車による患者の搬送を開始する なお 患者の状態に応じてドクターヘリ搭乗医師が救急隊のみによる搬送あるいは帰宅が可能と判断した場合 ドクターヘリ搭乗医師は 現場で治療を終了することができる (8) 救急救命士の同乗患者の救命治療のため ドクターヘリ搭乗医師が救急救命士にドクターヘリへの同乗を依頼する場合の取扱いは 資料 5 のとおりとする 2 転院搬送について (1) 搬送元医療機関の医師が ドクターヘリによる搬送を必要と判断した場合にドクターヘリの要請ができるものとする (2) ドクターヘリ基地病院の医師は 搬送元医療機関の医師からの情報により, ドクターヘリによる転院搬送が適切であると判断した場合に出動するものとする (3) 搬送元医療機関は 要請内容について管轄消防指令室に連絡し 管轄消防指令室から改めてドクターヘリ基地病院にドクターヘリ出動要請を依頼する (4) 原則として 搬送元医療機関が離着陸場所まで患者を搬送するが 患者の状態等により搬送が困難な場合 搬送元医療機関は院内へのドクターヘリ搭乗医師の派遣を要請することができる 3 出動のキャンセルとオーバートリアージ消防機関等は出動要請後に 救急患者が比較的軽症であることが判明した場合 ( オーバートリアージ ) には ドクターヘリの出動をキャンセルできるものとする ( 参考 ) オーバートリアージは世界的にもドクターヘリ出動の 20~30% あり 病状の再確認等により出動したドクターヘリが引き返すことは何ら問題ない - 4 -

Ⅲ ドクターヘリ配置要員 職種 人員 配置場所 医師 1 名 ( 状況により 2 名 ) 医療側要員 運航側要員 看護師又は救急救命士 ( 以下 看護師等 という ) 機長 ( 操縦士 ) 整備士 1 名 ( 状況により 2 名 ) 1 名 1 名 運航管理担当者 (CS) 1 名 救命センター内 運航クルー待機室 通信センター - 5 -

Ⅳ 運航手順 ( 職種別 ) 1. 医師 (1) 役割ア救急現場 患者搬送時の医療行為イ救急隊への救命処置等の指示ウ必要に応じてホットラインによる出動要請の対応 (2) 出動要請から離陸までアドクターヘリに搭乗したら ヘルメット及びシートベルトを着用し キャビン両側のドアロックを確認して 機長に 離陸準備完了 を伝える イ酸素の供給及び医療機器への電源供給を再確認する (3) 離陸 ( 出動 ) から救急現場への着陸まで ア無線の使用可否を機長に確認する イ判明した情報から救急隊に必要な救命処置を伝える ウ感染予防対策が必要と判断されれば 搭乗者に対して予防上必要な対策について指示する エ救急現場上空へ到達したら 周囲の状況や救急車の場所など見える範囲で確認し 機長と連携して周囲の安全確認に協力する (4) 救急現場にてアドクターズ バッグを持参し 降機する イ救急現場及び救急車内で患者状態の初期評価を行い 治療を開始する ウ救急隊のストレッチャーからドクターヘリのストレッチャーへの患者を移し替えと機内に収容する際は 看護師 救急隊員 整備士等に指示をして 監督するとともに 必要に応じて直接支援する (5) 搬送先医療機関の確保ア患者又は家族及び救急隊長と協議し 搬送先医療機関並びに搬送手段の決定を行う イ搬送先医療機関に必要事項を連絡し受入を要請する (6) 救急現場離陸から搬送先医療機関への着陸まで (7) 搬送先医療機関離着陸場から救急外来まで (8) 出動終了後 ( 基地病院にて ) ア治療を継続するイ基地病院を搬送先にする場合には 患者情報について連絡する アドクターヘリのストレッチャーを機外に搬出する際は 看護師 整備士等に指示をして 監督するとともに 必要に応じて直接支援する イ搬送先医療機関の医師に引継ぎを行う 患者の状態に応じて救急隊のみによる搬送が可能と判断した場合 離着陸場から搬送先医療機関まで救急車に同乗しないことがある アドクターヘリ診療録の入力を行う - 6 -

2. 看護師等 (1) 役割ア救急現場 患者搬送時の看護イドクターヘリ搭載医療資器材の点検 ( 動作確認 ) (2) 出動要請から離陸まで (3) 離陸 ( 出動 ) から救急現場への着陸まで ア ドクターヘリ出動 の連絡を受け 直ちに救急外来のスタッフに出動の旨を伝達する イ搭乗後 ヘルメット及びシートベルトを着用し 自席側のドアロックを確認して医師に 離陸準備完了 を伝える ウ酸素の供給及び医療機器への電源供給を再確認する ア無線の使用可否を機長に確認する イ無線を使用して 救命救急センターに患者情報を確認する 感染予防対策が必要と判断されれば 搭乗者に対して予防上必要な対策について指示する ウ判明した情報から救急現場の状況に適した医療資器材を準備する エ機内医療機器の作動を確認する オ救急隊及び救命救急センターから患者情報を得てドクターヘリ診療記録に記載する カ救急現場上空へ到達したら 周囲の状況や救急車の場所など見える範囲で確認し 機長と連携して周囲の安全確認に協力する (4) 救急現場にてアドクターヘリ診療記録 輸液ラインを持参する イ救急隊長より 患者の状況 経過 氏名 家族の有無等の確認を行い 搬送確認書を受け取る ( 救急隊ドッキングした時間についても記録する ) ウ患者状態を観察する エ担当医師の治療を介助する オ医療資器材を必要とした場合には救急隊員等に依頼する カ救急車に救急救命士が同乗している場合 介助の協力を依頼する キ患者関係者から情報を収集する ク患者又は家族に搬送先医療機関について確認し 搬送手段を伝える ケ搬送準備の開始 1 救急車のストレッチャーより 患者をヘリのストレッチャーへ移動する 2 担当医師より先にヘリに搭乗し 患者収容の準備をする - 7 -

(4) 救急現場にて ( 続き ) (5) 搬送先医療機関の確保 (6) 救急現場離陸から搬送先医療機関への着陸まで (7) 搬送先医療機関離着陸場から救急外来まで (8) 出動終了後 ( 基地病院にて ) 3 患者へ適宜 医療用機器 ( 心電図モニター 血圧計 パルスオキシメータ等 ) ヘッドセット等を装着する 4 救急隊の物品の有無を確認 ( できる限り当院の物品と交換する ) ア担当医師に搬送方法 ( ヘリ搬送か救急車搬送か ) の確認を行う イ搬送先医療機関並びに搬送手段を操縦士等に伝えて 救命救急センターに搬送先医療機関への連絡を依頼するウ基地病院以外の医療機関に搬送する場合は 家族の連絡先を確認し 搬送先医療機関の住所等を伝え 地図を渡す ア看護を継続する ア救急車又はドクターカーに乗せ替える時 ヘリの中から輸液ライン モニター 携帯用酸素ボンベ等を手渡す イ患者がヘリから降りたことを確認し 関係者の安全を確認しながら降機する ウ救急車内では 患者状態の観察等を行う エ搬送先医療機関の担当看護職員に必要事項を申し送る オ搬送先医療機関が基地病院の場合 1 担当看護職員へ申し送りを行う 2 患者の看護を継続する 3 ドクターヘリ診療録 ( 記録用紙 ) を記入する 4 記録用紙は 1 枚目 診療録 2 枚目 - 医事控 3 枚目 - 申し送り用カ搬送先医療機関が基地病院以外の場合 1 担当看護職員に申し送りを行う 2 記録用紙に必要事項を記入し 申し送り用紙を渡す 記録が間に合わないときは 帰着後に記録し ファックスで送付する 3 ドクターヘリ物品を回収する 回収できない場合は 着払で送ってもらうよう伝える 患者の状態に応じてドクターヘリ搭乗医師が救急隊のみによる搬送が可能と判断した場合 離着陸場から搬送先医療機関まで救急車に同乗しないことがある アドクターヘリから持ち出した資器材 医療消耗品 医薬品 ( ドクターズバック ) 等の点検補充を行う イ救急外来事務に外来カルテ作成を依頼する ウ医師のカルテ入力を確認し 看護師記録の医事課控え 運航表をまとめ事務処理を依頼するエ必要時ドクターヘリ内の清掃 消毒及びリネン交換を行う - 8 -

3. 運航管理担当者 (CS) (1) 役割ア運航管理業務 ( ドクターヘリランデブーポイント一覧表の管理を含む ) イ気象情報等の収集と運航可否地域の把握 (2) 出動要請から離陸まで (3) 離陸 ( 出動 ) から救急現場への着陸まで (4) 救急現場にて (5) 搬送先医療機関の確保 (6) 救急現場離陸から搬送先医療機関 基地病院救急外来までへの着陸まで ア消防機関より出動要請を受け 出動指示を行う 必要により担当医師と機長と ドクターヘリ 出動 決定を確認する イ救急現場管轄消防本部指令室から 離着陸場所 救急隊の到着予定時刻 離着陸場所の安全確保その他必要な事項を確認する ウ航空局にフライトプランを通報する ア運航クルーと無線交信を行い 飛行目標地点その他必要な事項を連絡する イ医療クルーと無線交信を行い 要請内容等を連絡する ウ機長からの到着時間の連絡を受け 航空局にフライトプランのクローズを通報する ア搬送先医療機関について運航クルーより連絡を受ける イ搬送先医療機関への到着時間を把握し 航空局にフライトプランを通報する ア搬送先医療機関へ到着予定時刻の連絡をする イ搬送先医療機関がドクターヘリ基地病院の場合には 救命センターに到着予定時刻を連絡する ウ航空局にフライトプランのクローズを通報する - 9 -

4. 機長 ( 操縦士 ) (1) 役割ア出動可否の判断イ気象情報等の収集と運航可否地域の確認ウドクターヘリの運航 ( 操縦等 ) (2) 出動要請から離陸まで (3) 離陸 ( 出動 ) から救急現場への着陸まで ア ドクターヘリ出動 を受け 飛行可の判断をした時は エンジン始動手順 を開始する イエンジンの始動完了後 運航管理担当者 (CS) と無線交信し 飛行目標地点を確認する ウ医療クルーの搭乗を確認して 機体の全ドアロックを確認する エ医療クルーからの 離陸準備完了 のコールで離陸する ア離陸後 運航管理担当者 (CS) に離陸を通報し救急現場管轄消防本部指令室と無線交信し 飛行目標地と無線呼び出し名称を確認する イ離陸後 管制機関より他機の情報を把握し 状況により飛行目標地点を通報する ウ目視及び管制機関のアドバイスにより 空域における飛行安全を確保する エ離着陸場所の安全を確認し 機内の医療クルー等搭乗者に着陸する旨を連絡し着陸する (4) 救急現場にてア接地面の安全確認後 医療クルー等に 機体からの降機可 を伝える イ救急現場の地上においての安全を確認する ウ運航管理担当者 (CS) に着陸 現場状況を連絡する (5) 搬送先医療機関の確保 (6) 救急現場離陸から搬送先医療機関への着陸まで ア運航管理担当者 (CS) に搬送先医療機関 搭乗者数 その他必要事項を連絡する イ搬送先医療機関の使用する離着陸場の場所等の確認を行ない 離陸を準備する ア離陸後 運航管理担当者 (CS) に離陸を通報し管制機関と交信し 飛行目的地 ( 搬送先医療機関専用離着陸場等 ) を通報する イ目視及び管制機関のアドバイスにより 空域における飛行安全を確保する ウ患者の状態により 適切な飛行経路を選択する ( 高度含む ) エ搬送先離着陸場に着陸後 運航管理担当者 (CS) に連絡し必要事項を連絡する - 10 -

(7) 搬送先医療機関離着陸場から救急外来まで (8) 出動終了後 ( 基地病院にて ) ア離着陸場所の安全を確認し 機内の医療クルー等に着陸する旨を連絡し着陸する イ運航管理担当者 (CS) に着陸を連絡する ウ接地面の安全確認後 医療クルー等に 機体から降機可 を伝える ア次の出動に備える ( 燃料補給 ヘリコプター機材点検 その他の次回出動のための準備 ) イ飛行準備完了した事を運航管理担当者 (CS) に連絡する - 11 -

5. 整備士 (1) 役割ア機体と装備品の維持 整備 イ機体と装備品の正常作動の監視を行う (2) 出動要請から離陸まで (3) 離陸 ( 出動 ) から救急現場への着陸まで ア ドクターヘリ 出動 の連絡を受け ヘリコプターの電源を入れ エンジン スタートが可能な状態にする イ周囲の安全確認及び正常なエンジン スタートを監視する ウエンジン スタート後 エンジン始動用地上電源 (APU) を取り外す エ全てのドアロックを確認する ア運航管理担当者 (CS) と連携して出動状況下での機体等の状況把握に努める イ目的地を GPS 入力する ウ消防機関との無線交信を行う (4) 救急現場にてア救急車をドクターヘリ近くまで誘導する イ医療クルーを機外へ誘導する ウ機体のストレッチャーを機外へ出す エ患者が乗ったストレッチャーを支援者とともに機内に搬入する (5) 救急現場離陸から搬送先医療機関への着陸まで (6) 搬送先医療機関離着陸場から救急外来まで (7) 出動終了後 ( 基地病院にて ) ア医療クルー等の搭乗を確認して全ドアのロックを確認する イ周囲の安全確認及びエンジンスタートを確認する ア地上の安全を確認後 医療クルー等を機外へ誘導する イ患者が乗ったストレッチャーを支援者とともに機外に搬出する ア着陸後 機体 機内の機材点検及び燃料補給を行う イ機体へ外部電源を接続し 次の出動に備える - 12 -

6. 消防機関 (1) 役割ア出動要請の判断及び出動要請イ離着陸場の確保及び安全確保ウ患者のドクターヘリへの引継ぎ (2) 出動要請から臨時離着陸場まで (3) 臨時離着陸場到着からドクターヘリ着陸まで アドクターヘリの出動が必要と思われる場合には 消防指令又は救急隊から通信センターのドクターヘリ要請専用ホットラインにドクターヘリの出動を要請する この際 消防本部です XX( 市町村名 ) 方面へドクターヘリの出動を要請します と最初に伝える イ傷病者の情報 ( 外傷か疾病か患者の状態及び発生場所等 ) を連絡する ( 傷病者及び家族には陸路搬送よりも早く医師の診察が開始される旨説明を行うとよい ) ウ臨時離着陸場の使用許可を管理者から得る ( 予定していた離着陸場が使用できない場合には 次の候補を選択の上 速やかにドクターヘリに無線 又は通信センターのヘリ要請専用ホットラインに連絡する ) エ臨時離着陸場 到着予定時間 傷病者の詳細な情報をドクターヘリに無線又は通信センターのドクターヘリ要請専用ホットラインに連絡する ( 事前の臨時離着陸場リストに従い 共通呼称と名称をセットで連絡する ) オ臨時離着陸場まで傷病者を搬送する ( 臨時離着陸場への到着予定が大きく遅れる場合には 到着予定時刻をドクターヘリに無線又は通信センターのドクターヘリ要請専用ホットラインに連絡する ) カ状況を聴取し 搬送確認書 ( 救急車と同様 ) を記載する キ必要に応じて 応急処置の指示を受ける ア着陸場所の安全を確保する 1 着陸場所の人に説明し 退避を依頼する 2 飛散物 ごみ等を拾う 3 着陸場所の車を移動してもらう イ周辺住民への砂埃に対する影響が考えられる場合には 可能ならば散水をし 付近の建物の窓を閉めるよう注意を住民に促す ウ消防車又は救急車の赤色灯を点灯させ 救急車のドアは閉めたままにしておく 傷病者を救急車外に出して待機しない エローターが回転している間は ドクターヘリに近づかない オ医療クルーが救急車等に移動してから患者の状況等を引き継ぐ カ医師及び患者 家族と搬送先医療機関および搬送手段について協議する - 13 -

(3) 臨時離着陸場到着からドクターヘリ着陸まで ( 続き ) キ搬送先医療機関内に専用離着陸場がない場合には 隣接する場外離着陸場所等からの救急車等での搬送方法について消防指令室に連絡する ク患者をドクターヘリのストレッチャーに移し替える際に 救急車をドクターヘリに近づける必要がある場合は 運航クルーの誘導の下に行う ケ担当医師の指示のもとに 救急隊のストレッチャーからドクターヘリのストレッチャーへ患者を移し替え 機内への患者の収容を手伝う コ離陸までに搬送確認書 ( 救急車と同様 ) を医療クルーに渡す サ離陸前に 救急車の移動を要する場合は 運航クルーの誘導の下に速やかに行う (4) 離陸後アドクターヘリ離陸後 救急車等治療現場周辺の状況を確認する イ運航管理担当者 (CS) から病着時刻の連絡が入った場合には 発生場所 救急隊の行動時刻 (119 番覚知 出動 現着 現発 臨時離着陸場着 ) を伝える (5) その他ア搬送先医療機関内に専用離着陸場がない場合には 隣接する場外離着陸場所等の安全確保及び患者搬送等を行う - 14 -

Ⅴ 安全対策について 1. ドクターヘリ離着陸場所での安全確保 (1) 救急現場 1 ドクターヘリ離着陸場所の安全確保は 要請した消防機関又は消防機関から依頼を受け 所定の講習を受講した者 ( 以下 消防職員以外の者 という ) が当該離着陸場の所有者又は管理者等の協力を得て行う なお 消防職員以外の者がドクターヘリ離着陸場所の安全確保し ドクターヘリが着陸した後のスタッフの行動については 別に定める ( 資料 8) 2 搬送先医療機関内に離着陸場がある場合には 原則として 安全確保は搬送先医療機関が行う 3 搬送先医療機関内に離着陸場がない場合には 原則として 安全確保は消防機関が行う (2) 転院搬送 要請した医療機関及び搬送先医療機関が 必要に応じて管轄消防機関と協力して行う (3) 救急現場 ( 高速道路への離着陸を必要とする場合 ) 高速道路におけるドクターヘリの運用については 作業部会を設置し検討を行う なお 横川 SA 及び赤城高原 SA の救命活動支援ヘリポートの使用については 別に定める ( 資料 6) - 15 -

2. ドクターヘリ搭乗クルーの安全確保 (1) ドクターヘリに搭乗する要員 ( クルー ) は 飛行中は原則としてヘルメット及びシートベルトは常時着用するものとする (2) ドクターヘリに緊急事態が発生した場合には 機長の指示に従うものとし 合わせて機内搭載品の飛散防止の固定及び酸素ボンベのバルブ閉鎖を実施すると共に 消火器 非常脱出口の位置や操作法を確認する (3) 緊急着陸 ( 水 ) に際しては 機長の指示に従い 事前に衝撃緩衝姿勢を取ること 着陸 ( 水 ) 後は 直ちに機体から退避するものとする Ⅵ 災害時の運用について 1. 出動要請 (1) 原則として 群馬県災害対策本部 からの指示に基づき出動する 但し 災害発生後に災害対策本部が設置されるまでの間については 群馬 DMAT 出動計画に準ずる 2. 災害時の業務 (1) 医師及び看護師等医療従事者の派遣 (2) 重症患者の治療及び後方病院への搬送 (3) 医薬品等医療資器材の災害現場への搬送 3. 離着陸場 (1) 地域防災計画のヘリコプター臨時離発着場を用いる (2) 関係消防機関等による安全確認のもと離発着を行う なお 被災地直近に着陸する場合には 関係機関と連携のもと 一層の安全確保に努める 4. 航空管制 被災現場付近に複数の航空機が飛来し 当該地域において航空管制が行われている場合にあっては その管制下に入るものとする 5. 大規模災害時 全国規模でドクターヘリの運用が必要となる 南海トラフ地震 首都直下地震又はこれらと同程度の大規模災害が発生した際は 資料 9 に沿って活動するものとする - 16 -

Ⅶ その他 1. ドクターヘリ運航に係る保険について 前橋赤十字病院及び運航会社は 以下の関連する保険に自身の責任と負担において加入している (1) 機体保険 (2) 第三者 乗客包括賠償責任保険 (3) 搭乗者傷害保険 (4)EMS 総合賠償責任保険 2. ドクタ - ヘリ離着陸時の飛散物等の対応について ドクターヘリ離着陸時の飛散物による損害等があった場合は 前橋赤十字病院が担当窓口となり群馬県及び運航会社が協力して対応するものとする なお その対応手順については 資料 7 のとおりとする 広域連携時の飛散物による損害等の対応については 別途規定する ドクターヘリ広域連携による被害者対応マニュアル によるものとする 3. ドクターヘリ搬送に係る費用について ドクターヘリによる患者搬送に係る費用については 現在のところ市町村並びに患者本人の負担はない ただし 救急現場への出動及び転院搬送時に行った診療行為については 診療報酬の定めるところにより患者負担が生ずる 以上初版 :2009 年 2 月 3 日一部改正 :2009 年 12 月 22 日一部改正 :2011 年 3 月 4 日一部改正 :2012 年 4 月 1 日一部改正 :2013 年 3 月 13 日一部改正 :2014 年 3 月 12 日一部改正 :2015 年 3 月 6 日一部改正 :2017 年 3 月 14 日 - 17 -