News Release

Similar documents
設計プロセスの考え方

man2

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

 第1節 国における子育て環境の現状と今後の課題         

スライド 1

調査概要 調査対象 : 東京都 愛知県 大阪府 福岡県の GF シニアデータベース 有効回答件数 :992 件 標本抽出法 :GF RTD( ランダム テレフォンナンバー ダイアリング ) 方式 調査方法 : アウトバウンド IVR による電話調査 調査時期 : 平成 23 年 8 月 4 日 (

25~44歳の子育てと仕事の両立

事例検証 事例 1 37 歳の会社員の夫が死亡し 専業主婦の妻と子ども (2 歳 ) が遺される場合ガイドブック P10 計算例 1 P3 事例 2 42 歳の会社員の夫が死亡し 専業主婦の妻と子ども (7 歳 4 歳 ) が遺される場合 P4 事例 3 事例 3A 事例 3B 53 歳の会社員の夫

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

夫婦間でスケジューラーを利用した男性は 家事 育児に取り組む意識 家事 育児を分担する意識 などに対し 利用前から変化が起こることがわかりました 夫婦間でスケジューラーを利用すると 夫婦間のコミュニケーション が改善され 幸福度も向上する 夫婦間でスケジューラーを利用している男女は 非利用と比較して

結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

2017 年 2 月 27 日株式会社カカクコム 価格.com 生命保険 に関する調査結果を発表加入率は約 8 割 若年層ほど低い傾向 加入中の生命保険は終身タイプがトップ将来への不安?20 代の加入目的 老後保障 貯蓄 が他世代よりも高い結果に補償内容への理解度 十分理解できていない加入者が 53

妊娠 出産 不妊に関する知識の普及啓発について 埼玉県参考資料 現状と課題 初婚の年齢は男女とも年々上昇している 第一子の出生時年齢も同時に上昇している 理想の子ども数を持たない理由として 欲しいけれどもできないから と回答する夫婦は年々上昇している 不妊を心配している夫婦の半数は病院へ行っていない

出産・育児調査2018~妊娠・出産・育児の各期において、女性の満足度に影響する意識や行動は異なる。多くは子どもの人数によっても違い、各期で周囲がとるべき行動は変わっていく~

報道関係者各位 2019 年 2 月 1 日野村不動産アーバンネット株式会社 リリースカテゴリー 都市型コンパクトタウン 都市再生 地方創生グローバルへの取組み不動産テック 働き方改革健康 介護ニーズ社会課題定期報告 レポート 不動産情報サイト ノムコム 住宅購入に関する意識調査 ( 第 16 回

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D D8297EE90A291D182CC8F5A88D38EAF92B28DB8838A838A815B83588DC58F4994C5>

各位

<4D F736F F D F838B837E E A838A815B83588DC58F4994C52E646F6378>

質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業

25~34歳の結婚についての意識と実態

Powered by TCPDF (

人生100年時代の結婚に関する意識と実態

PowerPoint プレゼンテーション

税・社会保障等を通じた受益と負担について

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

<調査Ⅱ>住宅所有者への老後生活に関する調査

1 住みかえ派の 90.3% リフォーム派の 86.9% が シニアライフを送る住まいに 満足! シニアライフを送る 現在の住まいに対して 住みかえを行った人の 90.3% リフォームを行った人の 86.9% が 非常に満足 (100 点 ) または まあまあ満足(75 点 ) と回答し いずれも満

質問 1 敬老の日 のプレゼントについて (1) 贈る側への質問 敬老の日 にプレゼントを贈りますか? ( 回答数 :11,202 名 ) 敬老の日にプレゼント贈る予定の方は 83.7% となり 今年度実施した父の日に関するアンケート結果を約 25% 上回る結果となった 敬老の日 父の日 贈らない

調査概要 ゆとり世代 と 親世代 の住まいと距離に関する意識調査 調査結果詳細 調査方法 : インターネットリサーチ調査地域 : 1 都 3 県 ( 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 ) (1) 1987 年度以降生まれの 22~25 歳の社会人の男女 1 都 3 県に実家があり かつ現在も圏内に在

2014人口学会発表資料2

15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因

1. 交際や結婚について 4 人に3 人は 恋人がいる または 恋人はいないが 欲しいと思っている と回答している 図表 1 恋人が欲しいと思わない理由は 自分の趣味に力を入れたい 恋愛が面倒 勉強や就職活動に力を入れたい の順に多い 図表 2 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚

三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

次に 母親の年齢別 出生順位別の出生数をみていきましょう 図 2-1は母親の年齢別に第 1 子出生数をみるグラフです 第 1 子の出生数は20 年間で1,951 人 (34.6%) 減少しています 特に平成 18 年から平成 28 年にかけて減少率が大きく 年齢別に見ると 20~24 歳で44.8%

<342D318A B A2E786C73>

2. 調査結果 1. 回答者属性について ( 全体 )(n=690) (1) 回答者の性別 (n=690) 回答数 713 のうち 調査に協力すると回答した回答者数は 690 名 これを性別にみると となった 回答者の性別比率 (2) 回答者の年齢層 (n=6

結婚白書 目次

ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

Microsoft Word 「100年人生を考えようLAB」アンケート調査 ニュースレター.docx

<4D F736F F D F838B837E E A838A815B83588DC58F4994C52E646F6378>

第 1 章調査の概要 1 調査の目的 県民の結婚や子どもを持つこと 子育てに関する意識や現状を把握し 奈良県において子どもを 生み育てやすい環境づくりを進める取組を検討するための基礎資料を得ることを目的に実施した 2 調査の実施概要 (1) 調査対象 夫婦調査 : 平成 30 年 9 月 1 日現在

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

Microsoft Word - 02_2‘Í_‹É’¨„´†j.doc

相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

平成30年版高齢社会白書(全体版)

第 1 子出産前後の女性の継続就業率 及び出産 育児と女性の就業状況について 平成 30 年 11 月 内閣府男女共同参画局

質問 1 何歳から 長生き だと思いますか? 男性 女性ともに 80 歳 がトップ ( 合計 :42.3% 男性 :43.2% 女性 41.3%) 平均すると 男性が 81.7 歳 女性が 83.0 歳 と女性の方がより高年齢を 長生き と思うという 傾向があり 女性の 5 人に 1 人 (20.8

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

長野県の少子化の現状と課題

Microsoft Word - .\...doc

係を決めよう (1) 班の意見をまとめて発表する班長 (2) 金額を計算し マネープランシートに記入する記録 計算係 (3) 思い出ポイントを管理する思い出係 (4) カードをひくカード係 5 人の班はカード係を 2 人にしましょう 1

v

<4D F736F F D20819D819D F F9193C18F FEA816A8DC58F4994C52E646F6378>


住宅建築・購入者アンケート実施報告

スライド 1

結婚総合意識調査2018

1 少子化に対する県民の問題意識 少子化に対する問題意識 約 9 割の人が少子化を問題であると回答しています 出生率低下に関する認識 原因 出生率低下の原因は 子育て費用の負担が大きい 安心して子育てできる社会制度が十分でない などと捉えられています 図表 1 少子化に対する問題意識 2.2% 2.

Microsoft Word - 平屋調査リリース4_所長コメント付)

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

表紙

出産・育児に関する実態調査(2014)

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

1. 結婚についての意識 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚はしたほうがよい ) の割合は男性の方が高い一方 自身の結婚に対する考えについて いずれ結婚するつもり と回答した割合は女性の方が高い 図表 1 図表 2 未婚の方の理想の結婚年齢は平均で男性が 29.3 歳 女性は 2

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

(2) 月額の手取り収入と扶養控除について 図 2: 月額の手取り収入について ( 既婚女性 n=968 未婚女性 n=156) 図 3:( 上 ) 扶養控除や健康保険免除について ( 月収 10 万円未満 n=802 月収 10 万円以上 n=166) ( 下 ) 働く際に扶養控除などを気にしてい

<4D F736F F D DE97C78CA78F418BC B28DB895F18D908F DC58F49817A2E646F63>

調査概要 調査方法 調査目的 贈与者調査 ( 親や祖父母 ) 資金贈与者の立場から 結婚を契機とした既婚の子供への資金援助の実態や未婚の子供や孫に対する資金援助の意向 商品の受容性を把握し 贈与税制見直しなどの提言の一助とする 受益者調査 ( 子供や孫 ) 資金受益者の立場から 結婚の障壁や不安点

25~44歳の出産・子育ての意識と実態


Microsoft PowerPoint - ★グラフで見るH30年度版(完成版).

1 見直したい費目のトップは 光熱費 で 82.9% 電力自由化の認知率も 97.1% を超える 各世帯の支出が発生している中で 見直したい費目の 1 位は 光熱費 で 82.9% 携帯電話料金 が 76.3% 食費 が 76.2% と続きました なお 光熱費を見直したい という意識は ライフステー

<4D F736F F D2095BD89AE92B28DB8838A838A815B E646F63>

Microsoft Word - Notes1104(的場).doc

男女共同参画に関する意識調査

人生100年時代の生活に関する意識と実態

< F2D906C8CFB93AE91D48A77322E6A7464>

A History of Nursery Center Policy in Post-War Japan: Why the Child Welfare Law Was Revised in 1997

「Brilliant60s=輝ける60代」 2,000人に聞いた「シニアのリアル調査2017」結果より 第二弾

シニア世代の住まいに関する意識調査 調査結果詳細 調査概要 調査方法 : インターネットリサーチ首都圏 ( 東京 神奈川 千葉 埼玉の 1 都 3 県 ) 調査地域 : 関西圏 ( 大阪 京都 兵庫 奈良の 2 府 2 県 ) および中部圏 ( 愛知県 ) の計 3エリア定年 ( 老 ) 後のシニア

< 調査結果 > 自宅の購入価格平均 4,179 万円 Q. 自宅の購入価格くらですか?( 対象 :548 名 有効回答 :548 名 ) % 3 購入価格 18.4% 2 平均 4,179 万円 6.6% 1 1.3% 21.7% 13.7% 自宅の購入価格の平均は 4,1

質問 1 11 月 30 日は厚生労働省が制定した 年金の日 だとご存じですか? あなたは 毎年届く ねんきん定期便 を確認していますか? ( 回答者数 :10,442 名 ) 知っている と回答した方は 8.3% 約 9 割は 知らない と回答 毎年の ねんきん定期便 を確認している方は約 7 割

【ピンクリボン月間】「乳がんに関するアンケート結果」-女性の6割が乳がん罹患後も仕事を続けたいと希望-

<4D F736F F F696E74202D E9D82BF89C688EA8CCB8C9A82C48D7793FC8ED282CC8EC091D492B28DB82E B93C782DD8EE682E890EA97705D205B8CDD8AB B83685D>

PowerPoint プレゼンテーション

(3) 可処分所得の計算 可処分所得とは 家計で自由に使える手取収入のことである 給与所得者 の可処分所得は 次の計算式から求められる 給与所得者の可処分所得は 年収 ( 勤務先の給料 賞与 ) から 社会保険料と所得税 住民税を差し引いた額である なお 生命保険や火災保険などの民間保険の保険料およ

表紙

Ⅲ 調査研究報告 / 若者の結婚観 子育て観等に関する調査 77 交際中 (n=671) 交際経験あり (n=956) 交際経験なし (n=767) 早く結婚したいいい

平成23年度 旭区区民意識調査

本資料は 様々な世帯類型ごとに公的サービスによる受益と一定の負担の関係について その傾向を概括的に見るために 試行的に簡易に計算した結果である 例えば 下記の通り 負担 に含まれていない税等もある こうしたことから ここでの計算結果から得られる ネット受益 ( 受益 - 負担 ) の数値については

3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

調査の背景 埼玉県では平成 29 年度から不妊に関する総合的な支援施策として ウェルカムベイビープロジェクト を開始しました 当プロジェクトの一環として 若い世代からの妊娠 出産 不妊に関する正しい知識の普及啓発のため 願うときに こうのとり は来ますか? を作成し 県内高校 2 年生 3 年生全員

Microsoft PowerPoint - ライフプランニング HP公表用.ppt

<4D F736F F D208EE18ED28F5A91D682A68A C55F8DC58F4982E682E BA907D8DB782B591D682A65F2E646F6378>

<4D F736F F D F B8CE390A291E38F5A8D7393AE838A838A815B DC58F49816A2E646F63>

Microsoft Word - notes①1210(的場).docx

Transcription:

News Letter 2018 年 12 月 5 日旭化成ホームズ株式会社 ~ 共働き家族研究所 調査報告 ~ 共働き 30 歳の家づくりの意識とは? 育児が始まるタイミングで家を持つ夫婦 30-0 DEWKS 像に見る将来を見こした早期建築 長期居住の意識 旭化成ホームズ株式会社の 共働き家族研究所 ( 所長 : 木戸將人 ) は 持家率が増加傾向にある 20 代後半から 30 代前半の共働き夫婦に着目し 家づくりに対する意識調査を実施し必要な設計提案を考察した報告書 共働き 30 歳の家づくりの意識 を発刊しましたのでお知らせします 今回の調査の背景は 近年の共働き家族像が変化してきたことです 育児休業制度の拡充もあり 女性の第一子出産後の就業継続が 5 割を超え 出産後も働き続けることが急速に浸透しています また 結婚と共に退職する女性も多かった 1990 年時点の平均初婚年齢は 25.9 歳 第一子出産年齢の平均は 27.0 歳でしたが 2017 年では平均 29.4 歳で結婚し 30.7 歳で出産と この 27 年で 3.7 歳晩産化が進みました ( 厚生労働省人口動態調査より ) 一方で 持家を取得する年齢は早まる傾向が見られます 夫婦と子から成る世帯 では 30 代で持家率が上昇していますが これは 30 歳前後の若い層の持家取得が活発になっていることが要因であると推測されます ( 住宅 土地統計調査より ) これらの変化から 現在の共働き夫婦には 30 歳前後の第一子出産のタイミングで持家を取得する という層が一定数いると想定されます かつて多かった 子ども部屋が必要となるタイミングで家づくりをする家族像とは異なることから 当研究所ではこのような方々を 30-0 DEWKS 1 と名付け 家づくりに関する意識の調査 求められる住まいの設計を検討しました 調査から 30-0 DEWKS は 定年までにローンが終わるメリットを強く感じて早期に建築することや 長く住み続けたいという意識が強いことがわかりました 一方で ライフスタイルが定まらず間取りが確定しづらいといった早期建築のデメリットも感じています これらの背景から 例えば親の目が届くキッチン脇に様々な用途で使える 3 帖程度の BLANK( 余白 ) 空間を確保し 柔軟に活用することも 1 つの手段ではないか など新たな設計提案を考察しています 当研究所では これらの調査や設計提案をもとに営業 設計担当の教育にさらに尽力し 引き続き共働き家族へ向けた住まいの提案が より豊かで満足のいくものになることを目指しています 1 DEWKS=Double Employed With Kids( 共働きで子どもがいる夫婦 ) の略 ~ 調査報告書のダウンロードはこちら ~ https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/report/k053.pdf 1. 調査背景 1 ) 出産しても働き続けることが定着 共働き家族は 1980 年代から一貫して増え続け 近年は更に第二の急増期を迎えています ( 図 1) しかし 女性が第一子を出産したのちも就業を継続した割合は 育児休業制度の充実にもかかわらず 2009 年までは約 4 割と横ばいでしたが 2010 年以降に初めて 5 割を超えました ( 図 2) 出産後働き続けることに今でも多くの課題があるものの 妊娠 出産を経ても復職して働き続けることがようやく定着してきています

図 1 共働き世帯数の推移 図 2 第一子出生年別にみた第一子出産前後の妻の就業変化 2 ) 持家取得に若年化の傾向 住宅 土地統計調査から 夫婦と子の世帯を取り出して持家率をグラフにすると ( 図 3) 1998 年から 2013 年の 15 年で 30 代の持家率が上昇しています この背景には 25 歳から 34 歳の 30 歳前後での持家取得率が増加したことがあります また住宅生産団体連合会による戸建て注文住宅の世帯主年齢の構成比を見ると 2010 年以降 35~44 歳は減少に転じたのに対し 25~34 歳は増加しています 2017 年度には 25~34 歳の構成比が 35~44 歳を超えました ( 図 4) 少子化の影響で世帯数そのものは減少するなか 若い世帯の持家取得は活発化している傾向が認められます 図 3 持家率 ( 夫婦と子の世帯 ) 図 4 世帯主年齢の構成比 3 ) 家づくりのタイミングが 出産前後期 に 女性が出産しても働き続けることが定着しつつあること 持家取得の年齢に若年化の傾向がみられることから ライフステージの中で持家移行のタイミングが変化していることが想像されます 従来認識してきたのは 子供が小さなときは賃貸に住み 子ども部屋が必要となった時に家を建てるというモデルです しかし現在は 第一子出産年齢が 30.7 歳 そして 30 歳前後の持家率が上昇していることから 30 歳前後の第一子出産のタイミングで持家を取得する という層が一定数いると想定されます 30-0 DEWKS と名付けて注目し その家族に求められる住まいの設計検討をスタートしました ( 図 5)

図 5 持家移行のタイミング 2. 調査概要 調査目的 : 30-0 DEWKS(25~34 歳の第一子出産前後に持ち家を取得した共働き世帯 ) の持家取得の意識調査と設計検討 調査時期 :2018 年 6 月 調査方法 :WEB アンケート調査の実施と当社共働き家族研究所の過去の調査内容より考察 回収数 : へーベルハウス居住者 327 件 一般モニター 105 件 分析対象 :12013~2017 年に建築請負契約をした 25~34 歳の共働き夫婦 22012~2017 年に建築請負契約をした 35~44 歳の共働き夫婦 ( 世代の違いを比較 ) 32002~2007 年に建築請負契約をした 25~34 歳の共働き夫婦 ( 時代の違いを比較 ) 1 30-0 DEWKS n=184 ( 建築請負契約時に 25~34 歳の共働き ) 子どもがいない n=83 妊娠中 n=37 子どもの年齢 0~2 歳 n=64 3. 主な調査結果 1 ) 30-0 DEWKS は共働きで支えあう生活設計 2 40-6 DEWKS n=64 ( 建築請負契約時に 35~44 歳の共働き ) 子どもの年齢 5~8 歳 n=64 30-0 DEWKS が共働きを続けるにあたりハードルだと感じている項目としては 子どもの急病時の対応 や 育児のために時短勤務をすることが昇進のハンデになること などがあげられました ( 図 6) 一方 配偶者の家事育児への参加があまりないこと はかなり少ない比率になっています 夫婦で子育て 家事を支えあっていくことが前提であり 夫婦の年収差に関わらず 妻の就業継続が共通認識である割合が高くなっています ( 図 7) Q. 共働きを続けてきた中で大変だったこと これから続けるにあたり障害になりそうなことは何ですか 図 6 30-0 DEWKS が感じる共働きのハードル

Q. 家を建てる際 夫婦で働き続ける意識は夫婦間で共通認識がありましたか 図 7 夫婦間での共通意識 夫婦で働き続ける意識 2 ) 30-0 DEWKS は家族が増えたことが家づくりのきっかけ 30-0 DEWKS の家づくりを後押ししたきっかけは 結婚 妊娠 出産で将来のことを考え始めたこと がもっとも多く 家族が増えたことがきっかけの家づくりといえ 子どもの入学など将来の見通しがたったことが家づくりの起点となる 40-6 DEWKS と異なります ( 図 8) Q. 家を建てることのきっかけとなったり 後押ししたのはどのようなことですか 図 8 家づくりのきっかけ 3 ) 早期建築のメリットを感じ長く住む意向 30-0 DEWKS が早いタイミングで住宅を建築することに感じているメリットには 定年前にローンが終わる が最多回答でした ( 図 9) 一方 定年後働かなくなってからの年金生活で家計が成立するか など将来の漠然とした不安項目は どれも 40-6 DEWKS より高くなります ( 図 10) また 老後まで長く住めることが長持ちする住宅の価値であると感じるなど 将来を見据えて家を建てる意識も見受けられました 一方 早期建築のデメリットとしては ライフステージが定まっておらず どんな間取りがいいかわからない などくらしに未確定な点が多い中で建てることに不安があることなどもわかりました ( 図 11) Q. 家を人生の早い時期に建てるメリットは? 図 9 30-0 DEWKS の早期建築のメリット

Q. 将来の不安は? 図 10 30-0 DEWKS の早期建築のメリット Q. 家を人生の早い時期に建てるデメリットは何だと思われますか 図 11 30-0 DEWKS の早期建築のデメリット 4 ) 30-0 DEWKS に向けたキッチン脇の BLANK( 余白 ) 空間 当研究所ではこれまでも 小学生の子どもがいる家族をターゲットに リビング学習で家族のコミュニケーションを促す設計 +NEST( プラスネスト )(2009 年発売 ) などを開発し 現在では子育て世代家族の約半数に採用されています また 子育て世代はリビングに隣接された畳部屋の採用も依然高く その理由は授乳期 幼児期の寝かしつけや遊びの利用など柔軟性の高さであることを把握しています しかし LDK のほかにもう 1 部屋確保することは計画上困難なケースもあります また 30-0 DEWKS が感じる ライフスタタイルが定まらない中での家づくり への不安を設計で解消することも大切です そのような場合 生活と収納の場をコンパクトに 1 つにまとめた 3~4 畳程度の省空間 =BLANK ( 余白 ) 空間をキッチンに隣接して設計する提案が考えられます 幼児期におもちゃがリビングに散乱せず すっきりした空間をキープしたり 子どもの年齢の変化に応じ 住まい手が長く工夫して使うことができます ( 図 12) キッチンの脇に 3~4 帖程度の BLANK( 余白空間 ) を提案 子ども 0 歳おむつ替え 子ども 3 歳プレイルーム 子ども 13 歳妻の趣味空間 図 12 BLANK( 余白 ) 空間の利用イメージ 詳しくは調査報告書をご覧ください :https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/report/k053.pdf 160-8345 東京都新宿区西新宿 1-24-1 エステック情報ビル旭化成ホームズ株式会社広報室 ( 電話 )03-3344-7115 (FAX)03-3344-7050 ( メール )j-koho@om.asahi-kasei.co.jp