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青年期を対象とした携帯食事手帳システムの提供 目 次 1. 目的 1 2. 携帯食事手帳システムの概要 1 (1) システムの基礎データ 1 (2) 利用方法 1 (3) 確認できる情報 1 3. 携帯食事手帳利用の手引き 2 (1) 携帯食事手帳 (QRコード) 3 (2) 料理選択の仕方 4 (

1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

指導内容のマニュアル化 1) は保健指導の普及のために 有効である一方, その内容を超えた指導はされにくい 減量成功者の取り組みを知ることは今後の保健指導に資すると考える そこで, 本研究は, 具体的な事例から原理や法則を見出す帰納的アプローチである質的研究を用いて, 減量に成功した男性勤労者を対象

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

2214kcal 410g 9.7g 1 Point Advice

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平成20年度厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)


日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取


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私の場合 上記表より男性 年齢 51 歳の所を確認しました 活動量低い 普通以上を選択します 活動量は低いにあてはまります ( 座り仕事が中心 歩行 軽いスポーツ等は 5 時間未満 ) 表よりエネルギーは 2200±200 キロカロリーになり 1 日にとる 5 種類の分類のうち摂取量 ( つ (SV

宗像市国保医療課 御中

小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小川瑞己 1 佐藤文佳 1 村山伸子 1 * 目的 小学生のカルシウム摂取の実態を把握し 平日と休日のカルシウム摂取量に寄与する食品を検討する 方法 2013 年に新潟県内 3 小学校の小学 5 年生全数 3

日常的な食事に関する調査アンケート回答集計結果 ( 学生 ) 回収率 平成 30 年 12 月 1 日現在 134 人 問 1 性別 1 2 男性女性合計 % 97.0% 100.0% 3.0% 男性 女性 97.0% 問 4 居住状況 家族と同居一人暮らし

2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

【0513】12第3章第3節

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

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[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

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平成 27 年 10 月 6 日第 2 回健康増進 予防サービス プラットフォーム資料 協会けんぽ広島支部の取り組み ~ ヘルスケア通信簿について ~ 平成 27 年 10 月全国健康保険協会広島支部 協会けんぽ 支部長向井一誠

Shokei College Investigation into the Physical Condition, Lifestyle and Dietary Habits of the Members of a Boy s Soccer Team and their Families (1) Ph

(5) 食事指導食事指導は 高血圧の改善 耐糖能障害の改善 代謝異常の改善について 各自の栄養状況 意欲などに応じて目標をたて これを達成できるよう支援する形で行った 開始時点で 食事分析を行い 3ヶ月ごとに 2 回進捗状況を確認する面接を行った 1 年後に終了時点の食事分析を行った 各項目の値の増

アンケート調査 報道関係者各位 平成 23 年 11 日 16 日 住信 SBI ネット銀行株式会社 ~ ダイエットに関するする意識調査 ~ ダイエットをしている人 % 体重体重が気になりだしたになりだした年齢年齢 男女平均 38 歳 住信 SBI ネット銀行株式会社 (URL:http

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(6/5 19:00修正)資料3 標準的な健診・保健指導プログラム改定のポイント (2) (2)

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

結果の概要

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%


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肥満と栄養cs2-修正戻#20748.indd

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

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2 11. 脂肪 蓄 必 12. 競技 引退 食事 気 使 13. 日 練習内容 食事内容 量 気 使 14. 競技 目標 達成 多少身体 無理 食事 仕方 15. 摂取 16. 以外 摂取 17. 自身 一日 摂取 量 把握 18. 一般男性 ( 性. 一日 必要 摂取 把握 19. 既往歴 図

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第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

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平成 29 年度食育活動の全国展開委託事業報告書 ( 食生活と農林漁業体験に関する調査 ) 平成 30 年 2 月

ウ食事で摂る食材の種類別頻度野菜 きのこ 海藻 牛乳 乳製品 果物を摂る回数が大きく異なる 例えば 野菜を一週間に 14 回以上 (1 日に2 回以上 ) 摂る人の割合が 20 代で 32% 30 代で 31% 40 代で 38% であるのに対して 65 歳以上 75 歳未満では 60% 75 歳以

奈良ウォーキングベスト1

結果の概要 1 栄養 食生活に関する状況 (1) 野菜の摂取状況 20 歳以上における 1 日の野菜摂取量の平均値は 288.1g 性別にみると男性 297.1g 女性 281.1g 年齢階級別にみると 男女ともに 40 歳代で最も少ない 図 1 野菜摂取量の平均値 (20 歳以上 性 年齢階級別

わりについての教育, 例えば,1 食料の生産 加工 流通, 安全な食品の選択と選択能力の獲得,2 生活環境や生活行動, 個人の健康意識, 心理的状態と食の状況などを考慮した上での個人や集団に合った食生活管理, などについて教育する 2 食育国民一人一人が, 生涯を通じた健全な食生活の実現, 食文化の

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クラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」のラインアップに企業の健康保険組合などが行う特定保健指導を日立が代行する「はらすまダイエット/遠隔保健指導」を追加

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gh 第 6 学年 3 組家庭科学習指導案 単元名 : わたしは料理家 ~ おすすめ給食献立を考えよう ~ 朝食から健康な 1 日の生活を 男子 15 名 女子 14 名計 29 名 指導者 T1 宮地仁美 ( 学級担任 ) T2 須山明香 ( 栄養教諭 ) 題材について 小学校学習指導要領家庭科第

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食育って, ご存知ですか? 食育とは 生きる上での基本であって, 知育, 徳育及び体育の基礎となるべきもの 様々な経験を通じて 食 に関する知識と 食 を選択する力を習得し, 食育の推進に取り組んでいます! 28 年 ( 平成 2 年 )3 月に 福山市食育推進計画,213 年 ( 平成 25 年

特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会 報告書46~63ページ

健康くるめ21概要

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目次 < 栄養表示の特徴 > 栄養表示の特徴 1 < 健康 栄養政策と栄養表示の関係 > 健康 栄養政策と栄養表示基準 2 健康 栄養政策と栄養表示 3 健康 栄養政策と栄養表示の関係 4 21 世紀における国民健康づくり運動 ( 健康日本 21) の具体的な推進について 5 < 栄養表示の重要性の

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

第 3 部食生活の状況 1 食塩食塩摂取量については 成人男性では平均 11.6g 成人女性では平均 10.1gとなっており 全国と比較すると大きな差は見られない状況にあります 図 15 食塩摂取量 ( 成人 1 日当たり ) g 男性

学校給食摂取基準の活用 学校給食摂取基準は全国平均を示したものであるから その考え方を踏まえた上で 各学校の実態に応じた摂取基準 ( 給与栄養目標量 ) 作成する必要がある EER 算出シートに数字を打ち込めば EER( 推定エネルギー必要量 ) は算出できるが 専門職 ( 管理栄養士 栄養士 )

PowerPoint プレゼンテーション

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学校給食摂取基準の策定について(報告)

ちゃんと (450~650kcal 未満 ) 栄養バランスを考えて ちゃんと 食べたい女性や中高年男性の方向けしっかり (650~850kcal) 栄養バランスを考えて しっかり 食べたい男性や身体活動量の高い女性の方向け スマートミールの基準 1 エネルギー量 ( カロリー ) は 1 食あたり

,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

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講演

栄養表示に関する調査会参考資料①

30 代 ~50 代の女性の 99 がダイエット経験あり! 内 ダイエット成功者は 60 そのうち 90 がリバウンドを経験している 30 代 ~50 代の女性のダイエットの実態を調査したところ ほぼ全員の 98.6 の女性がダイエットの経験があると回答しました また ダイエットが成功したかどうかに

小学校 第○学年 学級活動(給食)指導案

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

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健康寿命の指標

実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また

9 月 支援計画書の中間まとめ ( 栄養計画書中間まとめ ) 特に大きな問題の起きた利用者に関してのみ 再度計画書を作成 提示する 経過観察表 資料 2 を記入 ( 全員 ) 引き続き 1か月毎の体重変化 喫食状況 体調の確認と考察記入を行う 3 月 支援計画書( 栄養計画書 ) のまとめ 資料 3

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厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

Q1. あなたが 普段健康のために積極的に摂取している栄養成分 控えている栄養成分をお答えください ( 単数回答 ) n=1000 積極的に摂っている栄養成分 TOP5 積極的に摂っているどちらとも言えない摂取を控えている 水分 61.7% 34.1% 4.2% たんぱく質 44.7% 48.4%

支援者システム 1. ログイン ログイン画面より支援者の ID とパスワードを入力して ログイン ボタンをクリックします ログイン 2. 支援者 TOP 支援者システムにログインすると支援者 [TOP] 画面が 4. 利用者一覧 表示されます 5. 支援者連絡 3. 問診 支援者 TOP 3. 問診

お子さんの成長にあわせ お母さんの食生活を見直してみませんか? お子さんの成長にあわせて あなたの食生活をかえるチャンスがあります 3 か月 か月 か月

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Transcription:

平成 23 年度 短期研修 生活習慣病対策健診 保健指導に関する企画 運営 技術研修 Ⅳ. 特定保健指導の実際 : 効果的な保健指導のポイント 食生活指導のポイント 2011.9.26 武見ゆかり ( 女子栄養大学 大学院 )

食生活支援の基本的な流れ 1 食行動アセスメント 2 行動変容の準備状態 ( ステージ ) と 食への関わり に応じた目標設定と実践の支援 動機づけ支援 3 セルフモニタリングの支援 積極的支援 4 継続 ステップアップへの支援 5 食行動変容の把握 客観評価次の目標設定への支援 6 ヵ月後評価 国立保健医療科学院平成 20 年度 特定研修 生活習慣病対策健診 保健指導に関する企画 運営 技術研修 特定保健指導の実際 :2 効果的な保健指導のポイント 資料より

1 食行動 ( 食生活 ) アセスメント健診結果 問診結果との関連で 食生活を聞き出す 健診結果をどうとらえているか 食生活の問題点の認識があるか ( 気づき ) 行動変容する気があるか 何か取り組んでいるか ( 準備状態 : ステージの確認 ) 現在の身体状況を引き起こす要因となっている食行動は何か ( 問題行動の特定 ) ( 食事のリズム 食物選択 食嗜好 食事づくりへの関わり 家庭や職場の要因 ) その中で 本人が変えられそうな食行動は何か ( 行動目標の設定へ ) それを変えることで どのくらい身体状況の改善が見込めるか ( 改善の予測 )

~ 運動と食事でバランスよく ~ 次の 1~5 の順番に計算して 自分にあった減量方法を考えてみましょう ( 体重 1kg 減らす = 腹囲 1cm 減らすとしての計算 ) 061115 1 あなたの体重は? 1 84 kg ( 腹囲は 100.5cm) 2 当面目標とする体重は? 2 78 kg まずは 1 ヶ月に 1kg 減量で 半年 3 目標達成までの期間は? 確実にじっくりコース : 1-2 6 kg 1kg/ 月 = 3 6 か月 4 目標達成まで減らさなければならないエネルギー量は? 1-2 6 kg 7,000kcal = 4 42,000 kcal 5 そのエネルギー量はどのように減らしますか? 運動で 食事で 1 日あたりに減らすエネルギー 4 42,000 kcal 3 6 か月 約 30 日 = 240 kcal ポイント1. エネルギーコントロールの鍵とな る食行動を共に考える 1 日あたりに減らすエネルギー 240 kcal 体重 1kg を減らす ) のに 7,000kcal が必要 60 kcal 180 kcal 普通歩行 10 分 甘いコーヒー 1 日 1 回揚げ物 1 日 1 料理 階段昇降 5 分 菓子は週 2 日 1 個まで

2 行動変容の準備状態と 食への関わり に応じた目標設定 実践の支援 ポイント 2. 対象者の日常の食行動で使いやすい ( わかる ) レベルの行動目標にする ( 栄養素? 食品? 料理?) 食卓で食べる時の状態 料理 で考えるツール セルフモニタリングのためにも重要! 対象者自身が, 容易に, 正しく, できた できないをチェックできるように

レベル 何を どれくらい 食べたらよいかの基準 栄養素 食品 食材料 調理 料理 食事 食べる 内容 エネルギー 炭水化物 たんぱく質 脂質 ビタミン ミネラル 食品成分表 (18 分類 ) 6つの基礎食品 3 色分類 四群点数法糖尿病交換表など 主食 主菜 副菜 牛乳 乳製品 果物 基準 食事摂取基準 食品構成 食事バランスガイド 食べる側 目に見えない 重量の把握が難しい 食べるときに見ている状態 つくる側 食品成分表や分析結果 食材料の量を計量する 提供量と目安の量を比較 枠組み栄養素選択型食材料選択型料理選択型

ポイント 3. 健診データとの対応で, エネルギーコントロール以外の要素を わかりやすく目標化する 関連学会の診療ガイドラインなどをふまえた目標設定 血圧が高い場合は? LDL コレステロールが高い人は? 血糖値のコントロールを考えると?

日本人はどの食品から 脂質をとっているか 主菜の主材料で 24.8g(45.8%) 油脂 調味料で 14.8g(27.4%) 脂質総量 54.1g 魚肉乳卵 飽和脂肪酸 0% 20% 40% 60% 80% 100% 穀物豆類魚介類肉類卵乳類油脂類調味料その他 平成 16 年国民健康 栄養調査結果より

脂肪の量と質を料理グループで考えると PFC 比 15:24:61 脂質 56.1g 主食から 9.0% 副菜から 15.5% 主菜から 61.9% 牛乳 乳製品から 13.5% 果物から 0.1% 飽和脂肪酸が多いのはどの料理グループ?

主菜は 1 日 5 SV( つ ) まで ( 脂肪の量のコントロール ) 1 日 1 品は魚料理にしましょう ( 質のコントロール ) 平成 19 年度厚生労働科学研究費補助金循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業 食事バランスガイドを活用した栄養教育 食環境づくりの手法に関する研究 班 ( 主任研究者 : 武見ゆかり )

特定保健指導において 減量成功に導く支援のポイント 1 最初の1カ月が勝負! 2 したがって, 初回面接が重要! 3 食生活では自分なりの工夫と対処! 4 無理がない目標 取組みは重要だが, レベルが低すぎてもダメ! 5 食生活支援ではなく, 食 生活支援! 平成 21 23 年度厚生労働科学研究費補助金循環器疾患 糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 生活習慣病対策における行動変容を効果的に促す食生活支援の手法に関する研究 班( 主任研究者武見ゆかり ) 作成 脱メタボリックシンドローム用食 生活支援ガイド より 11

平成 21 23 年度厚生労働科学研究費補助金循環器疾患 糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 生活習慣病対策における行動変容を効果的に促す食生活支援の手法に関する研究 班 ( 主任研究者武見ゆかり ) 特定保健指導等 減量を主目的とした介入における成功要因を 量的 質的に検討 量的検討として 既存データを用いて身体指標 ( 主に肥満 ) の改善に関連する要因を検討 質的検討として 減量の成功事例と非成功事例を対象に 個別インタビュー (in depth interview) を実施 成功要因とプロセスを整理 質的検討結果をふまえ 初回面接直後及び6か月後評価時の調査票を作成し 量的検討も実施 12

3 食生活では自分なりの工夫 対処! 3) 食生活においては 支援者と共に行動目標として設定したこと以外の 自分なりの工夫による食生活改善や認知的対処を出来ることが 全ステージを通じて重要 減量成功者の取組み事項などをふまえ 誘惑場面の予測とその際の対処方法も含め 多様な具体策を提示できることが必要 13

量的検討 :1 年後の減量成功に影響する要因 1 年後の体重 4% 以上の減量成功に影響する保健指導前の要因について 該当者割合 (%) オッズ比 p 値 集団寄与危険度割合 (%) 初回 麺類の汁を飲む (vs. 飲まない ) 39.1 1.57 1.01-2.42 0.045 9.5 初回 過去喫煙者 (vs. 現在喫煙者 ) 35.2 0.74 0.44-1.26 0.269 初回 非喫煙者 (vs. 現在喫煙者 ) 24.5 1.77 1.06-2.95 0.030 15.9 調整因子 : 初回年齢 初回 BMI 95% 信頼区間 該当者割合 (%) オッズ比 95% 信頼区間 西村節子 (22 年度報告書 ) 大阪府立健康科学センターにて 平成 20 年度に特定保健指導を受け 1 年後の健診を受けた職域男性 511 名を対象に 1 年後の体重 4% 以上減量の有無を目的変数として多重ロジスティック回帰分析を実施 1 年後の体重 4% 以上の減量成功に影響する保健指導後の要因 p 値 集団寄与危険度割合 (%) 初回 ~1 年後 満腹するまで食べることの改善者 (vs. 非改善者 ) 11.4 6.62 3.60-12.19 <0.001 39.0 初回 ~1 年後 間食夜食を毎日とることの改善者 (vs. 非改善者 ) 7.6 4.14 2.01-8.55 <0.001 19.3 初回 ~1 年後 砂糖入り飲料を飲むことの改善者 (vs. 非改善者 ) 13.9 1.96 1.01-3.44 0.029 11.8 初回 ~1 年後 味つけ濃いことの改善者 (vs. 非改善者 ) 10.4 2.47 1.28-4.75 0.007 13.3 初回 ~1 年後 麺類の汁を飲むことの改善者 (vs. 非改善者 ) 9.2 2.24 1.11-4.53 0.024 10.2 初回 ~1 年後 飲酒量を減らすことの改善者 (vs. 非改善者 ) 34.6 1.72 1.06-2.79 0.027 19.9 調整因子 : 初回年齢 初回 BMI 14

質的検討 : 減量成功 26 例から抽出された共通要因 支援前 開始時 林芙美 武見ゆかり (21 年度報告書より作成 ) 取 組 中 半数以上が該当したプロセスのみ時系列に多い方から順に並べた 15

減量成功者が実施した 食生活の取組み 工夫 食事の内容を変える 食事の量を調整する 食事 ( 内容と量 ) を変えるための工夫 食事の時間を変える 空腹時の対策 お酒を減らす 勝手な思い込み 脂質を控える 量を控える 野菜を多く食べる 栄養バランスを整えて食べる 間食 甘い飲料を控える 夜遅い時間の食事を控える 朝食を食べる 食べ過ぎてしまった時に対策をとる お酒を控える 16

成功者が実行した具体的な食行動は? 脂質を控える 具体的な行動 揚げ物以外の料理を選ぶ 揚げ物の衣をはずす 回数を決める 自分では揚げ物を選ばない 野菜を食べる 本人が自分の生活の中で, 工夫して, 実施 ステージが低い段階でも始められる! 量を控える 具体的な行動 大盛りをやめる 腹八分にする ゆっくり食べる よく噛む 主食 ( ご飯 ) を減らす 野菜を食べ満腹感を出す 弁当を持参する ( 小さい弁当箱にする ) 外食する店を変える食べない 水を飲んで我慢 17

変容プロセス 変容ステージと変容プロセス 変容ステージ 前熟考期熟考期準備期実行期維持期 1 意識の高揚 2 感情体験 3 環境の再評価 4 自己の再評価 6 自己解放 ( コミットメント ) 7 拮抗条件づけ 出典 ) 赤松利恵 武見ゆかり : トランスセオレティカルモデルの栄養教育への適用に関する研究の動向 日本健康教育学会誌 15(1) 2007 8 援助関係の利用 9 強化マネシ メント 10 刺激統制

量的検討 : 体重管理における誘惑場面とその対策 誘惑場面 対策赤松利恵 (21 年度報告書 ) IT 企業の健保組合員 994 名を対象に 体重管理の誘惑場面における対策に関する質問紙調査を実施 752 名の回答分析 玉浦有紀他. 栄養学雑誌 2010; 68:87 94 本研究結果をふまえ カードゲーム教材 ベストアドバイザー FOR ダイエット を開発 19

4 無理がないことは重要だが, レベルが低すぎてもダメ! 4) 無理のない行動目標は重要だが 効果が期待できる程度のものか確認が必要 その食事内容の変更で, どれくらいのエネルギー減少が見込めるだろうか 20

1 食行動 ( 食生活 ) アセスメント健診結果 問診結果との関連で 食生活の問題点の認識があるか ( 気づき ) 行動変容する気があるか 何か取り組んでいるか ( 準備状態 : ステージの確認 ) 現在の身体状況を引き起こす要因となっている食行動は何か ( 問題行動の特定 ) 思い違いを正す ( 食事のリズム 食物選択 食嗜好 食事づくりへの関わり 家庭や職場の要因 ) その中で 本人が変えられそうな食行動は何か ( 行 動目標の設定へ ) 本人にしかわからない! それを変えることで どのくらい身体状況の改善が見食べることは込めるか ( 改善の予測, 保健行動ではなく ), 日常の生活行動 それだけに, 対象者中心 (client-centered) の生活習慣支援手法が重要!

地域社会の食環境 健康情報へのアクセ食べる食スマスメディアインターネット 医療機関保健所 保健センター大学 研究機関児童館 公民館塾 スポーツクラブ 学校 職場友人 近隣 家族 家庭 人間 食生活を営む力を形成し伝承する 外国からの食情報と食物 給食 つくる 食品企業 農 水 畜産場 食料品店 スーパーコンビニ 自動販売機 飲食店ファーストフード 食物 ードシステム地域社会 対象者の食環境, とくに食物へのアクセス面を視野に入れた支援が必要 のアクセス食物へ(フ自然文化社会の条件 )( 足立己幸, 食生活論 1987 の 地域の食活動 環境とのかかわりの図 を基に一部改変 ) 歴史

ヘルスプロモーションにおける 食生活改善の基本的考え方 個人や集団の 主体的取り組み + 環境づくり 保健指導行動目標の支援 どこでもその食事が実現できる食環境整備 Thank you for your attention!