総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 背景 人口減少と超高齢化が同時に進行する中 自動車を使えない県民の移動手段を確保しなければ 経済活動の低迷 人口の流出 財政支出の増加などの問題が深刻化し 持続可能なまちづくりが困難になる恐れがある 平成 年度に実施したパーソントリップ調査の結

Similar documents
1 はじめに

<4D F736F F F696E74202D208F E7382C982A882AF82E98CF68BA48CF092CA90AD8DF482CC8EE C982C282A282C42E B8CDD8AB7838

4. 基本的な方針太田市が目指す将来像や公共交通が果たすべき役割を踏まえて 以下の4つを計画の基本的な方針とし 太田市にふさわしい公共交通ネットワークの形成を図ります 公共交通の役割取組みの方向性市民の移動手段の確保 おうかがい市バスによる高齢者 障がい者等の通院 買物等の移動手段の確保 学生 生徒

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

8略都市スライド東北(郡山市)全部 [互換モード]

施設までの距離は 地区中心付近からのおおよその距離 大原台 回答者の年齢構成 3 5 主な (2 箇所の行き先 ) 10% 1 70% 主な行き先 フレスタ沼田店 ( 約 0.7km) ビッグハウス沼田店 ( 約 1km) 買物目的 :7 :1 : 最寄り駅 大原 ( 約 0.7km) 駅 :88

3. 計画の位置付け (1) 国の施策との関係 ① 交通政策基本法の制定 平成 25 年 12 月4日に公布 施行された 交通政策基本法 では 国民等の交通に対する基 本的なニーズの充足 交通の機能の確保及び向上 交通による環境への負荷の低減 交通の 適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携 連携等

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

<第1回> 帯広市都市計画審議会 第二次 都市計画マスタープラン検討                   専門部会

スライド 1

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

目次(案)

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

<4D F736F F D B836792B28DB8955B817A8DC58F498C8892E8>

の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

目次

Microsoft Word - 概要版.doc

Microsoft PowerPoint - 【資料3】運転免許証の自主返納に関するアンケート調査結果

地域公共交通確保維持改善事業 事業評価 ( 生活交通ネットワーク計画に基づく事業 ) ( 別紙 1) 資料 3 平成 23 年度 平成 24 年 4 月 23 日 協議会 構成員 上田市公共交通活性化協議会 上田市 上田バス 千曲バス 事業名 補助対象事業者等 事業概要 1 事業実施の適切性 2 目

01_表紙

Microsoft Word - 20_討議資料_v603.doc

Newsletter01

目 次 1 目指すべき方向の策定に当たって 背景 目的 2 山梨県内の公共交通の現状と課題 本県を取り巻く環境 本県のバス交通の現状等 観光客と利用する交通手段等 3 山梨県のバス交通の目指すべき方向 背景と課題 基本的な考え方 基本理念 実現する将来像 基本目標 4 広域的な路線 5 地域内路線


<4D F736F F F696E74202D D8D878E968BC A C52E816A>

総合交通メールマガジンとは 総合交通メールマガジンは 交通基盤整備や地域交通に関する最新の取り組みを幅広く紹介することを目的として 月一回を目処に発行しているメールマガジンであり 主な購読者は都道府県 市町村等の交通施策担当者となっております 当メールマガジンで紹介させていただく記事は 執筆者が任意

<4D F736F F D208A9D96EC8E CB491BA926E88E68CF68BA48CF092CA918D8D C678C7689E62E646F63>

< F2D81798E518D6C8E9197BF817A E A F>

(4) 本市の観光スポットは 市内に点在しており 鉄道駅から歩いて行くには遠い距離にあるが 駅前にレンタカー店もなく 観光スポットへ向かう二次交通が不便なため 特に車を持たない観光客を取りこぼしている状況である このことは 加速化交付金事業で観光の拠点として整備した花木センターへの誘導を検討する際に

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

評価や 人口減少 超高齢化社会の到来 さらには地球規模の環境問題への対応などを踏まえ 参画と協働で築く公共交通を基軸とした多核連携のまちづくり をテーマに掲げたところである 本市が2008 年に実施した将来人口推計では2010 年ごろをピークと予想していたが 年の九州新幹線鹿児島ルートの

<4D F736F F F696E74202D20362E8E9197BF E738DC490B693C1915B964089FC90B38E9197BF>

Microsoft PowerPoint - 潟上市地域公共交通網形成計画(最終)

<4D F736F F F696E74202D F926E88E68CF68BA48CF092CA82CC82A082E895FB C E4F8FF08E7394AD955C8E9197BF816A>


スライド 1

和水町地域公共交通会議 設立趣旨説明

スライド 1

スライド 1

スライド 1

スライド 1

Microsoft Word - H180119コンパクトシティ説明用_仙台市_.doc


221yusou

都市再生整備計画の目標及び計画期間 都道府県名 茨城県 市町村名 坂東市 ( 旧猿島町 ) 地区名 猿島地区 面積 800 ha 計画期間 平成 16 年度 ~ 平成 20 年度 交付期間 平成 16 年度 ~ 平成 20 年度 目標 地域資源を活用した交流人口の拡大と良好な居住環境を形成するまちづ

Microsoft PowerPoint - 03 道路運送法の基礎知識

<4D F736F F D DC58F49817A B836782DC82C682DF5F CF68BA48CF092CA89EF8B A2E646F6378>

TRY TRY TRY TRY TRY 5

九州新幹線 久留米駅についてのアンケート の主な結果概要 福岡県立大学人間社会学部公共社会学科 2017 年度社会調査実習 九州新幹線調査 グループ担当教員田代英美学生調査グループ一同 回答者のプロフィール 久留米市の旧久留米市域にお住いの 18 歳 ~79 歳の方から無作為で ( くじ引きのような

計画の目的 多様化する生活交通ニーズへの対応 効率的 効果的な生活交通サービスの構築 山陽小野田市では 生活交通バス路線維持 通学児童定期補助 福祉タクシー券の発行等 上記の施策が行われており 生活交通の確保を図っている 行政負担 サービスの地域間格差 交通活性化計画 生活交通の現状と問題点の把握

社会資本総合整備計画 ( 地域住宅支援 ) 計画の名称 計画の期間 計画の目標 2 群馬県地域住宅等整備計画 ( 地域住宅計画群馬地域 (3 期 ))( 防災 安全 ) 平成 27 年度 ~ 平成 31 年度 (5 年間 ) 地震発生時の被害の軽減を図るため住宅 建築物及び宅地の耐震化等を推進し 安

調査対象とする小さな拠点の具体イメージ 本調査の対象とする 小さな拠点 については 例えば 以下のような地区や施設です あくまで例示ですので これ以外の場合も前ページの概念に該当すれば 本調査の対象として下さい 旧町役場周辺に 旧役場庁舎を活用した支所や地域交流センター 小学校 郵便局 商店 バス停

資料 1 第 1 号議事 六会地区における予約型乗合タクシーの導入について 1. 実証運行までの経緯と結果 1-1. これまでの経緯六会地区の公共交通利用不便地区の解消に向けた取組については 平成 21 年度に交通不便地区解消検討事業が地域まちづくり事業として決定し 地域が主体となり 市と新たな交通

3 検討プロセス 3-1 県計画案を策定するねらい 沖縄 21 世紀ビジョン基本計画を着実に実施していくための総合的な交通体系のビジョンを示した 沖縄県総合交通体系基本計画 において 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築が位置づけられている 同計画を踏まえ 県では 南北骨

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

目次 Ⅰ. 調査概要 調査の目的 調査方法 回収状況 調査項目... Ⅱ. 調査結果の概要 回答者自身のことについて 回答者の日常生活について 居住地域について 居住歴について.

<836F F815B2E786264>

コンパクトシティ構想 2つの柱 ( 郊外の開発抑制 + 中心市街地の活性化 ) まちなか住み替え事業 や 家賃補助制度 を行っているが 借りたい人はいるが 貸したい人がいない という状況 コンパクトシティという構想だけでは 民間資本は動かない (= 補助金などのインセンティブが必要 ) 中心市街地活

Microsoft Word - さいたま市都市計画道路見直し指針1/3.doc

郊外への市街地の拡大により, 鉄道やバス等公共交通のサービスが十分受けられない地域が拡大し, その結果, 車に依存せざるを得ないまちになってきています このため, これからの人口減少時代の到来や急速な少子高齢化の進展などを踏まえ, 新たな郊外開発を抑制し, 公共交通が利用しやすい, まとまりのある市

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

長岡市立地適正化計画概要版目次 1. 立地適正化計画制度の概要... 1 (1) 立地適正化計画策定の背景と目的... 1 (2) 立地適正化計画制度... 1 (3) 立地適正化計画の位置付け... 2 (4) 計画の対象区域... 2 (5) 計画期間 長岡市の現状と将来見通し.

PowerPoint プレゼンテーション

高齢者の移動手段確保のための 互助 による輸送 ~ 道路運送法上の許可 登録を要しない輸送の制度とモデルについて ~ 平成 30 年 3 月 国土交通省 総合政策局公共交通政策部交通計画課 自動車局旅客課 地域における移動手段の確保にあたっては まずは公共交通機関の確保 充実を基本とし 今後も 高齢

< 青森市 > 2 バスロケーションシステムの導入 ( 国土交通省総合政策局補助事業 ) 積雪寒冷地特有のバス遅れ情報の提供によりバス待ち環境の改善のため運用 乗車バス停 降車バス停をクリック 検索 をクリック 現在の運行情報と 選択バス停での発車 到着予想時刻を表示 バスの現在地を表示 予定時刻検

Microsoft PowerPoint - æ´»å‰Łå€±å‚−4_暾島_ pptx

4-2

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

全体の話として 過去の計画策定時からの経緯 位置づけ 狙いを実現するための事業の流れについて今後整理していく必要がある メッツァに向けた事業が素案にあるが 100 万人の来場者がある 福島県では ハワイアンズの規模になるが グランドオープンが再来年度の予定 誰かアクセス交通を考えるのか 足利フラワー

1-2 立地適正化計画の役割 立地適正化計画は 都市全体の観点における居住機能や都市機能の立地 公共交通の充実に関する包括的なマスタープランであり 以下のような役割があるとされています 1 都市全体を見渡したマスタープラン 立地適正化計画は, 居住機能や医療 福祉 商業, 公共交通等のさまざまな都市

目次 1. 会社紹介 2. Smart Access Vehicle () 3. 背景 研究実績 4. 未来シェアの取り組み 5. 提供サービス 6. 今後の計画 2

かごしまコンパクトなまちづくりプラン ( 立地適正化計画 ) 素案概要版 - 目次 - 1. 立地適正化計画の概要 2 2. 計画策定に係る基本的な考え方 4 3. 居住誘導区域 6 4. 都市機能誘導区域 8 5. 誘導施設 届出制度 目標値の設定 都市機能及び

千葉中央バス株式会社 消費税率引上げに伴う運賃改定の認可についてのお問い合わせ (FAQ) Q 年 10 月 1 日の消費税率引き上げによって バス運賃の値上げを行いますか? A 年 10 月 1 日より 消費税率引き上げ分についてのみ転嫁致します 一般路線バスにつ いて

<4D F736F F D BD82C892E CF092CA93B193FC8BF38AD492B28DB895F18D908F B95D2816A5F >

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

公有地利活用の推進関連計画 : 川越市公有地利活用計画 公有地の効率的な利活用 公有地を経営資源として捉え 全ての公有地について実態把握 管理体制状況の見直しを行い 効率的な利活用に努めます 公有地に関する全庁的な情報共有化を図り 未利用地の発生及び新たな用地取得費の抑制に努めます 社会資本マネジメ

Microsoft Word - (新)滝川都市計画用途地域指定基準121019

<4D F736F F D20345F8E9197BF345F A835E838A F92B28DB88C8B89CA E646F63>

<4D F736F F D2088EA8B7B8E738F5A91EE837D E815B B95D2817A>

スマートICの事業費の基準について

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

ポスト市町村合併の新たな活動


4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

2 N バスで要件②を満たす系統 1 補助対象地域間幹線バス系統のフィーダー系統 N バスが接続する他市の路線の中において 補助対象地域間幹線系統の指定を受けた 路線は 下記の日進市の路線である 日進市くるりんばす 五色園線 N バスと長久手古戦場駅で接続 上記の路線に接続するN バスの中央循環線

プレスリリースひな形

品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

スライド 1

長野県上田市の取組み -ヒアリング調査結果-

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

コンパクト プラス ネットワークの形成 1

はじめに 日本全体の人口は 今後 30 年間で約 2 割の厳しい人口減少が見込まれています また 高齢者人口 (65 歳以上 ) は約 3 割増加し 生産年齢人口 (15~64 歳 ) は約 3 割減少すると見込まれています 高齢者や子育て世帯にとって安心できる健康で快適な生活環境を実現することや

分権説明資料_運営協議会用

第 2 章立地適正化計画の基本方針 第 2 章立地適正化計画の基本方針 1. 沼津市における立地適正化計画の導入について (1) 沼津市における立地適正化計画の活用方針 立地適正化計画は 本市を持続的に発展させるため 居住 と 交流 に一体的に取り組み 将来の目指すべき都市像 * を実現する計画とし


(2) 小学校区別人口特性 2010 年の校区別総人口は 学校区の順に多い 2010 年の校区別人口密度は の順に高くなっており 学校区の殆どの区域と 学校区の一部区域は DID 地区となっている 2040 年の推計人口は 学校区で 2010 年人口を上回る若しくは横ばいの見込みであるが その他の殆

Transcription:

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 平成 29 年 11 月 16 日 県土整備部交通政策課 のマスコット ぐんまちゃん

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 背景 人口減少と超高齢化が同時に進行する中 自動車を使えない県民の移動手段を確保しなければ 経済活動の低迷 人口の流出 財政支出の増加などの問題が深刻化し 持続可能なまちづくりが困難になる恐れがある 平成 27 28 年度に実施したパーソントリップ調査の結果を踏まえ 多様な移動手段を確保するための取組を明確にした実行計画を平成 29 年度に策定 計画のイメージ < まとまりを維持し 公共交通でつなぐイメージ > の交通網と人口集中地区 (H27) 尾瀬 草津温泉 前橋市 桐生市 高崎市 全域を対象として 都市 郊外 中山間などの地域特性に応じた施策を検討する 富岡製糸場 伊勢崎市 太田市 1

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について パーソントリップ調査結果を踏まえた全体的な課題 1. 過度な自動車依存 県民の約 8 割が移動に自動車を利用 100m 未満でも 4 人に 1 人が自動車を使う過度な自動車依存社会 2

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について パーソントリップ調査結果を踏まえた全体的な課題 2. 低い公共交通の利便性 1600 平均 1 時間に 4 本 バス路線 区間延長 カバー人口 カバー率 平均運行本数 1 時間に4 本以上 8,189m 26,795 人 1.36% 1400 1200 高崎駅西口 県庁前 利便性の高いバスサービスの人口カバー率は約 1% 発生中中量 ( トリップエンド ) 1000 800 600 群大付属小前 前橋駅 本町 ( 前橋市 ) 400 箕郷営業所 市役所 合庁前 ( 前橋市 ) 200 0 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 バス運行本数 ( 往復 ) 3

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について パーソントリップ調査結果を踏まえた全体的な課題 3. 鉄道利用者数の減少 鉄道利用者は今後 20 年で約 18% 減少 今後 20 年で通学利用が約 4 割減少 人口減少率約 13% よりも大幅な減少 鉄道断面トリップ数減少率 ~-10% -10%~-30% -30%~-60% -60%~ 上越線 吾妻線 鉄道沿線地域の方が人口が大きく減少 わたらせ渓谷鐵道 上毛電気鉄道 両毛線 信越本線 上信電鉄 東武線 4

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 公共交通を必要としている世代別の課題 1. 高齢者 自動車が使えない高齢者の約半数が自動車送迎に依存 公共交通が日常生活に使えないことで生じる課題 1 買い物や通院が困難になる高齢者が増加 2 人口の約 3 割を占める高齢者の消費活動が低迷 3 外出率の低下により 福祉医療費が増加 北部地域の高齢者は近隣にお店がないために移動販売を利用する割合が高い 自動車が使えない高齢者は外出率が 30 ポイント程度低い 5

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 公共交通を必要としている世代別の課題 2. 高校生 北部地域の高校生の約半数が鉄道通学 うち 約 7 割は駅まで家族送迎 北部地域の高校生が県外に住みたい主な理由として 鉄道やバスの利用しやすさを重視する傾向鉄道路線が廃線になった場合に生じる課題 1 高校生の通学手段がなくなる 2 送迎による子育て負担が増加 3 県外への人口流出が増加 6

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 公共交通を必要としている世代別の課題 3. 若い世代 商店街へ行きやすい地域 自然災害や火災 などの危険性が少 ない地域 4.58 3.98 3.99 4.47 3.77 3.75 自動車で移動し やすい地域 4.04 3.72 4.09 3.29 4.11 3.89 3.40 徒歩 自転車で 3.75 3.74 日常生活が済む 3.87 地域 4.33 郊外ショッピングセンターへ行きやすい地域医療 福祉施設 4.28 へ行きやすい地域子育て支援施設へ行きやすい地域 県外在住若年女性がに戻りたくない理由の一番は 公共交通が不便 15~24 歳の女性が公共交通を利用する傾向 鉄道 バスが利用 しやすい地域 みどりや自然が豊 かな地域 公共交通を利用している人 公共交通を利用していない人 公共交通を利用する習慣のある人は転居先として 公共交通の利便性 を重視 公共交通の利便性が低いことによる課題 1 若い世代の定住促進施策の妨げとなる 7

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 計画の課題 自動車を使えない県民 の移動手段がなくなっ ていく 移動手段が自動車しか選択できない現状 人口減少に加えて高齢者の外出機会の減少により 群馬の経済が低迷していく恐れ 学生の減少に伴う鉄道サービス水準の低下が避けられず 通勤通学の機会が限られたり自動車送迎の負担が大きくなる地域が増える懸念 公共交通が使いにくいことで 若者を呼び戻す機会さえも逃しかねない 歩く機会が減少するため 医療費も増加 8

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 計画の役割 ぐんま まちづくり ビジョン : まちのまとまりを維持し 公共交通でつなぐ 都市計画区域マスタープラン ( 法定計画 ) 法定計画への位置づけによる実効性の担保 ( 土地利用 ) < 実行計画 > 総合交通計画 ( 仮称 ) 20 年後を展望した施策の推進 地域公共交通網形成計画 ( 法定計画 ) 法定計画への位置づけによる実効性の担保 ( 公共交通 ) 9

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 基本目標 公共交通 ( 鉄道 乗合バス ) の利用者数 約 6 千万人 約 6 千万人の維持 (H49 目標値 ) < 移動手段に占める鉄道 乗合バスの利用割合約 3% に相当 > 施策展開の方向性 自動車以外の移動手段 も選択できる社会へ 1 鉄道 バスが運行されていない ( サービスレベルの低い ) 地域既存の公共交通の概念にとらわれない 新たな概念の公共交通 2 鉄道 バスが運行されている地域鉄道 バスをより利用しやすい環境の整備 10

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 施策展開 1 鉄道 バスが運行されていない地域 地域的な暮らしの足を確保する 新たな移動手段のシステム構築や 社会実験を通じて 県が導入支援を行う 運営は 市町村 交通事業者 短期 1. 多様な移動手段の確保 (1) 地域に適した移動手段の導入支援 多様な移動手段の例 デマンドバス タクシー スクールバスへの混乗など デマンドバス タクシーの導入課題 中長期 (2) 新たな移動手段の導入検討 タクシーが運行する地域 タクシーが運行しない地域 (3) 自動運転技術の検討 新たな移動手段の検討例 タクシーの相乗り促進など 自家用有償旅客運送を活用した相乗りサービスなど デマンド交通はコミュニティバスよりも市町村負担額が少ない反面 輸送人員 1 人当たりの負担額が大きく 運行効率性は低い デマンドバスの平均収支率 24.4% 1 人 300 円の運賃に対して 900 円を補助 11

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 施策展開 2 鉄道 バスが運行されている地域 基幹公共交通軸を維持する 1. バス (1)ICT を活用したバスの利便性向上 1 バス情報のオープンデータ化 2 バスロケシステムの導入支援 3 交通系 IC カードの導入検討 (2) バスの定時性の確保 基幹となるバス路線の定時性を確保 交差点の右折レーン設置などの交通円滑化対策を実施 (3) パーソントリップ調査結果を活用したバス路線網等の見直し バス停名が分からなくても 目的地からバス路線が検索可能 12

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 施策展開 2 鉄道 バスが運行されている地域 基幹公共交通軸を維持する 2. 鉄道 (1) 駅の利便性向上 1パークアンドライド推進 2 駅アクセス向上 駅前広場整備 3 駅バリアフリー化 駅設備の改善 (2) 乗換抵抗の改善検討 (3) 県民の交通行動を変えていく取組 ( モビリティ マネジメント ) 3. 公共交通を軸としたまちづくり 公共施設建て替え時に公共交通沿線に統廃合を進め 公共交通中心のまとまりを形成 4. 観光地間を結ぶ公共交通ネットワーク 乗換なしが全体の約 8 割 乗換あり 複数の観光地を結ぶバス路線の実証実験などの取組を国 交通事業者とともに実施 13

おわりに 今後の施策推進にあたり 関係機関の皆様からのご助言 ご指導 また 情報交換をさせていただけると幸いです ご清聴ありがとうございました 交通政策課松田隆行 matsuda-taka@pref.gunma.lg.jp のマスコット ぐんまちゃん 14