はじめに 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 ( 平成 24 年法律第 63 号 以下 一元化法 という ) による厚生年金保険法 ( 昭和 29 年法律第 115 号 以下 厚年法 という ) 及び地方公務員等共済組合法 ( 昭和 37 年法律第 152 号

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(2) 報酬日額の算出方法休業給付の給付日額を算出する際の 標準報酬日額 の算定は 標準報酬月額の1/22 支給割合 となりますが 比較の対象となる 報酬日額 については 次表の区分に応じて算出します 報酬日額の算出方法 ( 手当等の金額に乗じる率 ) 区分手当等の種類算出に用いる率 日々の勤務に対

公共鹿第1029号

公共鹿第1029号

四日市市消防関係手数料条例の一部を改正する条例

調布市要綱第  号

財財第  号

(3) 障害共済年金 退職老齢年金給付 給料との調整ア障害共済年金との支給の調整傷病手当金は 同一の傷病について障害共済年金の支給を受けることができるときは 支給されません ただし その支給を受けることができる障害共済年金の額 ( 当該障害共済年金と同一の給付事由に基づき国民年金法による障害基礎年金

2 返還額の算定方法 (1) 前記 1の (1) (2) (5) 及び (6) の退職一時金に係る返還額 退職一時金の額に利子に相当する額を加えた額とされており この利子に相当する 額は当該一時金の支給を受けた日の属する月の翌月から退職共済年金等を受ける権利 を有することとなった日の属する月までの期

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短期給付の掛金率の改定について

①共済組合の事業運営と掛金

被用者年金一元化法

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

スライド 1

標準報酬制のしくみ.indd

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

第 4 条育児短時間勤務をしている職員の産業医手当の額は 給与規程第 12 条に定める手当の月額に育児短時間換算率を乗じて得た額 (50 円未満の端数がある場合はこれを切り捨て 50 円以上 100 円未満の端数がある場合はこれを 100 円に切り上げる ) とする ( 扶養手当 ) 第 5 条育児

Taro-役員報酬規程( 改正)【機1完2可2】機構内限り

組合員・会員資格の得喪等について

める手当の月額に育児短時間換算率を乗じて得た額 (50 円未満の端数がある場合はこれを切り捨て 50 円以上 100 円未満の端数がある場合はこれを 100 円に切り上げる ) とする ( 初任給調整手当 ) 第 5 条育児短時間勤務をしている教職員の初任給調整手当の額は 給与規程第 13 条第 3

役員報酬規程

Microsoft Word - 概要

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筑紫野市学童保育連絡協議会学童クラブ指導員就業規則

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休暇

病気休暇及び病気休職と傷病手当金支給関連表 病気休暇 (90 日間 ) 病気休職 (1 年間 ) 病気休職 (2 年目以降 ) 給与 10 割支給 給与 8 割支給 1 無給 傷病手当金の支給開始 傷病手当金支給無し 傷病手当金支給無し 法定給付 1 年 6 か月支給の場合もあり 2 附加給付 (

受けているときは これらの年金総額が 230 万円となるように計算されます 計算例 1. 単一の共済年金が支給されている場合 事例 1 退職共済年金 + 老齢基礎年金を受給している方の場合 現在の年金額退職共済年金 210 万円老齢基礎年金 60 万円 (= 組合員期間に係る基礎年金相当額 ) 退職

議案第 20 号小松島市消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 改正の趣旨 非常勤消防団員等の損害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令が平成 28 年 4 月 1 日から施行されることに伴い 非常勤消防団員等の公務上の災害に対する損害補償に関し 同一の事由により他の法律による

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4 共済組合 共済組合は 組合員及びその家族の相互救済を目的とした社会保障制度です 病気 負傷 出産などに対する 短期給付事業 退職 障害または死亡に対する 長期給付事業 及び組合員の健康管理 福利厚生 診療所の運営 または貯金 貸付等を行う 福祉事業 の三つの主な事業を行っています 特許庁の職員と

Microsoft Word ①概要(整備令)

第 8 条年俸制適用職員の特殊勤務手当は, 給与規程第 18 条の規定に準じて支給する ( 超過勤務手当 ) 第 9 条年俸制適用職員の超過勤務手当は, 給与規程第 21 条の規定に準じて支給する ( 休日給 ) 第 10 条年俸制適用職員の休日給は, 給与規程第 22 条の規定に準じて支給する (

Microsoft Word - 例規集(A4判).docx

病気休暇及び病気休職と傷病手当金支給関連表 病気休暇 (90 日間 ) 病気休職 1(1 年間 ) 病気休職 (2 年目以降 ) 給料 10 割支給 給料 8 割支給 1 無給休職 傷病手当金の支給開始 傷病手当金支給無し 傷病手当金支給無し 法定給付 1 年 6 か月支給の場合も有り 2 附加給付

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

保育所に入所できないことを事由とする育児休業手当金の延長要件の見直し(地方公務員の「パパ・ママ育休プラス」の場合)(あっせん)

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

11欠勤、休業等で給料が減額又は無給になったとき

( ロ ) 業務職 技労職 a 支給月額業務職技労職 180,000 円 396,300 円 214,600 円 368,500 円 b 昇給の方法昇降給は 原則として毎年 7 月 1 日に 各人の勤務成績等に応じて行う ロ 等級手当 等級手当は 職系及び各職系における役割バンドの区分毎に 職務遂行

Microsoft Word - P26_3003_出産費

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退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

Microsoft Word -

迎える場合に, 教育 研究 診療等の業績, 専門的な知識 経験等を勘案して新たに算定し, 改定するものとする 3 前 2 項の規定により決定した業績基本給については, 学長が特に必要と認めた場合に, 役員会の議を経て, 学長が変更することができる ( 業績評価給 ) 第 8 条業績評価給は, 当該年

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

社員給与規程

PowerPoint プレゼンテーション

参考資料

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

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§8 欠勤・休業等で給料が減額又は無給になったとき

定める額を職務加算として支給することができる ( 給与の支給日等 ) 第 4 条給与 ( 賞与を除く ) は 毎月 20 日 その月額を支給する ただし 支給日が一般任期付職員就業規則 ( 平成 18 年規程第 17 号 以下 一般任期付職員就業規則 という ) 第 7 条で準用する就業規則 ( 平

別表 ( 第 3 条関係 ) 給料表 職員の区分 職務の級 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 号給給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額 再任用職 1 144, , , , , ,60

○福島県後期高齢者医療広域連合職員の給与の支給に関する規則

災害補償事務請求書等様式集

( 日本郵政共済組合給付担当 ) 傷病手当金ご請求の手引き 目次 1 傷病手当金ご請求の流れ STEP1 注意事項 2 STEP2 全体の流れ 2 STEP3 送付する書類 3 支給期間について 4 退職後の期間に係る請求について 5 2 所属局所の方へ ~ ご作成いただく書類について ~ STEP

扶養手当 (1) 支給要件について (2) 扶養親族の範囲について の親族に該当し, かつ, 年額 130 万円以上の恒常的な所得が見込まれない者 ( 本学又は本学以外の事業所において扶養手当等の支給対象となっている場合を除く ) を, 主として扶養している場合 共済組合の被扶養者とは要件等について

労災年金のスライド

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

Microsoft Word - 202給付2-2.doc

2 常勤役員に対する通勤手当の月額は 給与規程第 35 条第 2 項に規定する額とする 3 非常勤役員に対する通勤手当の月額は 給与規程第 35 条第 2 項の規定を準用し その者の当該月における通勤実績に応じた額を翌月の支給定日に支給する 4 前 3 項に規定するもののほか 通勤の実情の変更に伴う

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

単身赴任手当 (1) 支給要件について 次の ( ア ) から ( ウ ) までのいずれかを満たすとき ( ア ) 採用 出向, 学内異動又は勤務地の移転に伴い, 転居し, やむを得ない事情により配偶者と別居し, 単身で生活し, 配偶者の住居から勤務地まで通勤困難な場合 補足説明 1 転居 採用,

(2) 掛金の算定ア組合員が負担すべき掛金は 支給された基本給及び諸手当などを合算した額から決定される標準報酬月額を標準として算定されます 標準報酬月額は以下の5つのタイミングにより決定 改定されます 種類対象者対象となる報酬決定 改定の時期申出法令 資格取得時決定 新たに組合員の資格を取得した者

Taro-4 育児休業・介護休業・傷病

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに

一般財団法人岩手県市町村職員健康福利機構の会員に関する規程


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香川県後期高齢者医療広域連合職員の勤務時間、休暇等に関する

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

調査等 何らかの形でその者が雇用期間の更新を希望する旨を確認することに代えることができる ( 雇用期間の末日 ) 第 6 条第 4 条及び第 5 条の雇用期間の末日は 再雇用された者が満 65 歳に達する日以後における最初の3 月 31 日以前でなければならない 2 削除 3 削除 ( 人事異動通知

別紙 1 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料 子ども 子育て拠出金 1. 複数資金間での負担配分について (1) 複数の外部資金間での負担配分当該外部資金管理者間の調整により任意に負担割合等を決定する (2) 外部資金と経常費間での負担配分 A. 外部資金による常勤の雇用者に経常費による手当支給

平成16年規程第02号_役員給与規程

( 休憩時間 ) 第 3 条 任命権者は 1 日の勤務時間が 6 時間を超える場合においては 少な くとも45 分 8 時間を超える場合においては 少なくとも1 時間の休憩時間を それぞれ所定の勤務時間の途中に置かなければならない 2 前項の休憩時間は 職務の特殊性又は当該公署の特殊の必要がある場合

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

[ 組合員期間等の特例 ] 組合員期間等については 年齢 職種などにより 過去の制度からの経過措置が設けられており 被用者年金制度の加入期間 ( 各共済組合の組合員期間など ) については 生年月日に応じて次表の年数以上であれば 組合員期間等が 25 年以上とみなされます 生 年 月 日 組合員期間

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( 注 1) 被保険者の標準報酬月額は 健康保険では第 1 級 58,000 円から第 50 級 1,39 0,000 円までの等級に区分され 実際に支給される報酬月額をこの等級のいずれかに当てはめて決定される そして 傷病手当金の支給額は 平成 27 年度以前は 休業した日における標準報酬月額の

例 3 男性医師 1 歳 配偶者産前休暇産後休暇復帰 復帰 今までは 配偶者がを取得している場合 を取得できませんでしたが 取得できるようになりました 職員は 当該子が 3 歳に達する日まで 病院助手等は 当該子が 1 歳 6か月に達する日までを取得することができます 職場復帰後の特に大変な時期に協

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平成21年12月に支給する期末手当に関する特例措置に関する規則

Q&A Q 育児休業から復帰した場合 いつの時点の標準報酬月額が適用されますか? また 育児休業等終了時改定との関係を教えてください A 子の出生日が属する月の前月が基準月となり その時点の標準報酬月額が適用されます 育児休業終了後 4 か月目に育児休業等終了時改定 ( 2) によって標準報酬月額が

公益社団法人松戸市シルバー人材センター臨時職員就業規程 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 公益社団法人松戸市シルバー人材センター ( 以下 センター という ) の臨時に雇用する者 ( 以下 臨時職員 という ) の就業に関して必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条この規程において

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地方公務員共済組合における育児休業手当金の支給期間の延長用件の運用の見直し

他の公務員共済年金の期間がある方へ 過去に国家公務員共済組合等に加入されていた期間がある方で その期間の年金加入記録の移管が当共済組合にまだ行われていない方は その加入記録が表示されていないことがあります この場合 国家公務員共済組合等から年金加入記録が移管され次第 加入記録の整備を行いますので 詳

附則第 2 項 第 3 項及び第 5 項 第 6 項又は第 14 条の規定による退職手当を受けたときは 当該職員の退職手当の基本額から 退職手当支給条例第 3 条第 1 項の規定によりその者の退職手当額を計算して得た額を差引いた残りの金額に相当する額を 退職の日におけるその者の給料月額により算定した

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Web 版 Vol.59( 通巻 704 号 ) 中高齢寡婦加算 ( 遺族基礎年金の4 分の3) 779,300 円 3/4=584,475 円 584,500 円 (100 円単位 ) (2) 老齢厚生年金の年金額の算定式 平成 30 年度の本来水準と従前額保障 図表

( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

足利市妊産婦医療費助成条例 昭和 48 年 3 月 23 日条例第 2 号改正昭和 49 年 6 月 11 日条例第 38 号昭和 59 年 12 月 20 日条例第 32 号昭和 62 年 3 月 23 日条例第 7 号平成 6 年 12 月 21 日条例第 35 号平成 10 年 3 月 24

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

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任意継続組合員制度 この制度は 退職の日の前日まで引き続き 1 年以上組合員であった方が退職したときに 掛金 ( 所属所の負担金分も含めた額 ) を負担することによって 2 年間在職中と同様の短期給付 ( 任意継続組合員の期間内に発生した傷病手当金 出産手当金 休業手当金 育児休業手当金 介護休業手

所を異にして異動した場合においては 別に定めるところにより特別都市手当を支給することができる ( 報酬の支給日 ) 第 4 条報酬 ( 賞与及び業績給を除く 以下同じ ) は 毎月 20 日 その月額を支給する ただし その日が休日に当たるときは その直前の休日でない日に繰り上げて支給する ( 新た

Transcription:

標準報酬制度導入に伴う短期給付の改正について ( 休業給付等の算出方法の変更 ) 今回の改正において 特に影響が大きいと考えられるのが 傷病手当金と報酬との調整に係る部分となります これまで病気休職 (8 割 ) 中の組合員については 傷病手当金の日額 が 給料日額 を上回ることがなかったため傷病手当金の給付が発生しませんでしたが 標準報酬制への移行により 傷病手当金の日額 が 報酬日額 を上回るケースが発生します このことにより 傷病手当金の支給期間がスタートすることから 無給休職期間の途中で支給期間が終了することとなります 一度支給が始まると 以後の期間については報酬日額が給付日額を上回ったとしても支給期間 (1 年 6 か月 ) を 食い潰す こととなります 目次 はじめに... 1 1 休業給付 災害給付の額の算出方法の変更... 2 短期給付の改正点... 3 標準報酬制移行による給付額への影響... 4 2 傷病手当金と障害事由の年金等との調整... 5 (1) 障害事由の年金との調整について... 5 (2) 障害一時金との調整について... 7 (3) 施行日以後の傷病手当金の請求手続きについて... 8 3 資格喪失後の傷病手当金と退職老齢年金給付との調整... 9 4 傷病手当金等と報酬との調整... 10 (1) 調整方法の変更点... 10 (2) 報酬日額の算出方法... 11 (3) 支払われた報酬額の確認方法... 12 (4) 今後の傷病手当金支給事務について... 13 (5) 報酬と障害事由の年金と傷病手当金との調整について... 14 (6) その他... 14 Ⅰ 病気休職 (8 割 ) 期間中の傷病手当金計算例 - 傷病手当金支給額 0 円のケースー... 15 Ⅱ 病気休職 (8 割 ) 期間中の傷病手当金計算例 - 傷病手当金が一部支給となるケースー... 17 Ⅲ 病気休暇による給料半減の際の傷病手当金計算例... 19 5 介護休業手当金と報酬との調整... 21

はじめに 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 ( 平成 24 年法律第 63 号 以下 一元化法 という ) による厚生年金保険法 ( 昭和 29 年法律第 115 号 以下 厚年法 という ) 及び地方公務員等共済組合法 ( 昭和 37 年法律第 152 号 以下 地共法 という ) の改正により 平成 27 年 10 月 1 日 ( 以下 施行日 という ) 以後の地方公務員の年金のうち 2 階部分については原則として厚年法が適用されることとなり 平成 27 年 10 月時点で既に裁定された一元化法による改正前の地共法に基づく年金等については 一元化法附則の規定により なおその効力を有することとされました また 地方公務員等共済組合法及び被用者年金制度の一元化を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律 ( 平成 24 年法律第 97 号 以下 新 3 階法 という ) により 施行日以後は 新たな公務員制度としての年金給付として年金払い退職給付 ( 法律の規定上は 退職等年金給付 という ) が創設されました 以上の経緯により施行日以後の地共法は 短期給付及び年金払い退職給付に特化した法律となります このことから 地方公務員等共済組合法施行令 ( 昭和 37 年政令第 352 号 以下 施行令 という ) 地方公務員等共済組合法施行規則( 昭和 37 年自治省令第 20 号 以下 施行規則 という ) 地方公務員等共済組合法施行規程( 昭和 37 年総理府 文部省 自治省令第 1 号 以下 施行規程 という ) についても法律と同様 短期給付及び年金払い退職給付に特化した内容となるよう改正が行われました なお 一元化法附則の規定によりなお効力を有すること等とされた 一元化法による改正前の地共法の年金等の取扱いについては 別途 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律および地方公務員等共済組合法及び被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律の施行に伴う地方公務員等共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令 ( 以下 経過政令 という ) により 経過措置が設けられました 1

1 休業給付 災害給付の額の算出方法の変更 短期給付における休業給付 ( 傷病手当金 出産手当金 休業手当金 育児休業手当金 介護休業手当金 ) 及び災害給付 ( 弔慰金 家族弔慰金 災害見舞金 ) については これまで給料日額又は給料月額を用いて給付額を算出していましたが 施行日以後 手当率制から標準報酬制へ移行することに伴い 標準報酬日額又は標準報酬月額を用いて給付額を算出するように変更されます 施行日をまたいで休業給付が継続する場合 施行日前後における給付日額が異なることとなりますが 加えて給付日額が下がることが想定されます これは 手当率制 ( 手当を一律給料の 25% として給付計算を行う ) から標準報酬制 ( 実際に支給された手当で給付計算を行うと 公立学校共済組合の平均手当は給料の 15% となる ) へ取扱いが変更されることによるものです 施行日以後 休業給付の金額が下がる可能性があることについては 共済フォーラム9 月号 においても触れています 施行日以後 基本給 ( 給料の調整額及び教職調整額が含まれます ) が同じ場合でも 実際に受ける諸手当 ( 地域手当 扶養手当 通勤手当 住居手当 超過勤務手当など ) の額によって個人ごとの給付額に増減が生じます 諸手当の割合が基本給に対して 25% より低い方は 現行よりも給付額が下がることになります 教育職の諸手当の割合の全国平均は約 15% ですので 多くの人が現行よりも給付額が下がることが見込まれます 2

< 短期給付の改正点 > 休業給付 給付名現行 ( 平成 27 年 9 月まで ) 移行後 ( 平成 27 年 10 月から ) 傷病手当金 ( 法第 68 条 ) 出産手当金 ( 法第 69 条 ) 休業手当金 ( 法第 70 条 ) 育児休業手当金 ( 法第 70 条の2 附第 17 条の2) 介護休業手当金 ( 法第 70 条の3) 1 日につき給料日額 2/3 1.25 1 日につき給料日額 2/3 1.25 1 日につき給料日額 60/100 1 日につき給料日額 50/100 1.25 1 日につき給料日額 40/100 1.25 給料日額 = 給料の1/22の額 育児休業手当金は 育児休業開始から 180 日までの給付率は 67% となります 1 日につき標準報酬日額 2/3 1 日につき標準報酬日額 2/3 1 日につき標準報酬日額 50/100 1 日につき標準報酬日額 50/100 1 日につき標準報酬日額 40/100 標準報酬日額 = 標準報酬月額の1/22の額 災害給付 給付名現行 ( 平成 27 年 9 月まで ) 移行後 ( 平成 27 年 10 月から ) 弔慰金及び家族弔慰金 ( 法第 72 条 ) 災害見舞金 ( 法第 73 条 ) 弔慰金 : 給料の1 月分 1.25 家族弔慰金 : 給料の1 月分 1.25 70/100 給料 損害の程度に応じ定められた月数 1.25 弔慰金 : 標準報酬月額家族弔慰金 : 標準報酬月額 70/100 標準報酬月額 損害の程度に応じ定められた月数 附加給付 一部負担金払戻金家族療養費附加金 給付名現行 ( 平成 27 年 9 月まで ) 上位所得者に該当する者 : 給料月額が 424,000 円以上 移行後 ( 平成 27 年 10 月から ) 上位所得者に該当する者 : 標準報酬月額が530,000 円以上 育児休業手当金及び介護休業手当金の給付上限相当額について 施行日前後におけ る金額の変更はありません 3

< 標準報酬制移行による給付額への影響 > 例 : 基本給 30 万円に対する諸手当の割合の違い (Aさん15% Bさん25% Cさん35%) による給付増減額現行 A B C 共通 休業給付 災害給付 基本給 給料日額 ( 基本給 1/22) (10 円未満四捨五入 ) 傷病手当金 (1 日につき ) 出産手当金 (1 日につき ) 休業手当金 (1 日につき ) 育児休業手当金 (1 日につき ) 介護休業手当金 (1 日につき ) 弔慰金 家族弔慰金 300,000 円 13,640 円 11,367 円 11,367 円 8,184 円 8,525 円 6,820 円 375,000 円 262,500 円 基本給が同じでも 実際に受ける諸手当 ( 地域手当 扶養手当 通勤手当 住居手当 超過勤務手当など ) の額によって 個人ごとの給付額に増減が生じます 基本給 諸手当 掛金の標準となる給料 ( 基本給 + 諸手当 ) 移行後 ( 平成 27 年 10 月から ) A ( 諸手当 = 基本給 0.15) 給付増減額 B ( 諸手当 = 基本給 0.25) 給付増減額 C ( 諸手当 = 基本給 0.35) 300,000 円 300,000 円 300,000 円 45,000 円 75,000 円 105,000 円 345,000 円 375,000 円 405,000 円 給付増減額 標準報酬月額 340,000 円 380,000 円 410,000 円 標準報酬日額 ( 標準報酬月額 1/22) 15,450 円 17,270 円 18,640 円 (10 円未満四捨五入 ) 傷病手当金 10,300 円 -1,067 円 11,513 円 146 円 12,427 円 1,060 円 (1 日につき ) 出産手当金 10,300 円 -1,067 円 11,513 円 146 円 12,427 円 1,060 円休 (1 日につき ) 業休業手当金 7,725 円 -459 円 8,635 円 451 円 9,320 円 1,136 円給 (1 日につき ) 付育児休業手当金 7,725 円 -800 円 8,635 円 110 円 9,320 円 795 円 (1 日につき ) 介護休業手当金 6,180 円 -640 円 6,908 円 88 円 7,456 円 636 円 (1 日につき ) 災弔慰金 340,000 円 -35,000 円 380,000 円 5,000 円 410,000 円 35,000 円害給家族弔慰金 238,000 円 -24,500 円 266,000 円 3,500 円 287,000 円 24,500 円付 給付額減少ほぼ同等 増加 4

2 傷病手当金と障害事由の年金等との調整 (1) 障害事由の年金との調整について 1 施行日前傷病手当金については 同一の傷病について障害共済年金や障害基礎年金 ( 以下 障害共済年金等 という ) の支給を受けることができる場合 支給額が調整されています 現行制度では 傷病手当金の受給者が組合員として在職中の場合 障害共済年金は原則 支給停止 ( 年金の月額と給料等の月額の合計額に応じて一部支給される場合もあります ) となるため 障害共済年金等との調整を行うケースはほとんどありませんでした 傷病手当金 日額 ( 給料日額 2/3 1.25( 特別職は 1) 障害共済年金が支給停止となる場合 傷病手当金が全額支給される 障害共済年金 ( 障害基礎年金 ) 日額 ( 年金額 1/264) 障害共済年金については 在職中は原則 支給停止となる 2 施行日以後厚年法による障害厚生年金には 在職中の支給停止制度がないことから 組合員として在職中の場合についても支給を受けることができます 障害共済年金も障害厚生年金と同様の取扱いへ変更され 組合員として在職中の場合についても支給を受けることができることとなります したがって同一の傷病について障害事由の年金等の支給を受けることができる場合 傷病手当金との調整を行う必要があります 傷病手当金 日額 ( 標準報酬の日額 2/3) 障害厚生年金 ( 障害基礎年金 ) 日額 ( 年金額 1/264) 傷病手当金と障害厚生年金等を日額で比較し 差額を傷病手当金として支給する 5

施行日以後に傷病手当金と調整を行う障害事由の年金イメージ 平成 27 年 9 月までに受給権が発生 平成 27 年 10 月以降に受給権が発生 H27.9 までの組合員期間 H27.10 以降の組合員期間 3 階 職域部分 ( 旧職域加算額 ) 経過的職域加算額 年金払い退職給付 2 階 障害共済年金 障害厚生年金 1 階 障害基礎年金 障害基礎年金 太枠囲み部分 傷病手当金との調整が必要な部分となります 網掛け部分 在職中は停止となります 年金払い退職給付 ( 退職等年金給付 ) 傷病手当金との調整の対象になりません 6

(2) 障害一時金との調整について 1 施行日前障害一時金の支給を受けることができる場合 傷病手当金の累計額が障害一時金の額に達するまでの間は 傷病手当金を支給しないこととされていますが 退職 が障害一時金の支給要件となっていたことから 調整を行うケースはほとんどありませんでした 一元化に伴い 施行日の前日において地方公務員共済組合の組合員であった者 ( 同日に退職又は死亡した人を除く ) で 同日において退職するとしたならば 障害一時金の受給権を有することとなる者については 同日に退職したものとみなして障害一時金が支給されることとなりますので 傷病手当金との調整を行う必要があります 障害一時金は退職日が支給事由発生日となり 退職日の翌日以後 傷病手当金と調整を行うことから 平成 27 年 9 月 30 日を退職日とみなし 10 月 1 日以後の傷病手当金と調整を行うこととなります 平成 27 年 9 月 30 日に退職したものとみなし 10 月 1 日以後の傷病手当金と 調整を行う障害事由の年金イメージ 平成 27 年 10 月 1 日 障害一時金 傷病手当金 10 月分 11 月分 12 月分 ( 中略 ) 5 月分 6 月分 傷病手当金の支給が停止される部分 5 月分から一部支給可 傷病手当金が支給可能な部分 2 施行日以後 厚年法による障害手当金についても障害一時金と同様の調整を行うこととなります ( 注 ) 障害手当金は 支給要件に 退職 がないことから 組合員として在職中の場合におい ても調整を行う必要があります 7

(3) 施行日以後の傷病手当金の請求手続きについて 平成 27 年 10 月分の傷病手当金から 障害事由の年金等との支給の調整を行うに当 たり 次にご留意ください 傷病手当金と障害共済 ( 厚生 ) 年金を両方満額受けることはできません 傷病手当金と障害共済 ( 厚生 ) 年金との調整については 障害共済 ( 厚生 ) 年金が優 先して支給され 傷病手当金が調整されます 障害共済 ( 厚生 ) 年金よりも傷病手当金が先行して支給されることが多く 障害共済 ( 厚生 ) 年金は 請求してから決定までに一定の時間を要することから 遡って決定されることが多くあります その場合 傷病手当金の過払い分をお返しいただく必要があります 平成 27 年 10 月分以後 同一の事由により障害共済 ( 厚生 ) 年金を受けている方や 請求中の方は 傷病手当金の請求時にお申し出ください 8

3 資格喪失後の傷病手当金と退職老齢年金給付 との調整 施行日以後も従来と同様の調整が発生します 算定方法については 6 ページに記載したとおり 資格喪失後の傷病手当金日額と年金日額 ( 年金額 1/264) を比較します また 障害事由の年金と異なり 資格喪失後の給付に限定されることから 職域部分についても調整対象となります 施行日以後に傷病手当金と調整を行う退職老齢年金給付のイメージ 平成 27 年 9 月までに受給権が発生 平成 27 年 10 月以降に受給権が発生 3 階職域部分 ( 旧職域加算額 ) H27.9 までの組合員期間 経過的職域加算額 H27.10 以降の組合員期間 年金払い退職給付 2 階退職共済年金老齢厚生年金 1 階老齢基礎年金老齢基礎年金 太枠囲み部分 傷病手当金との調整が必要な部分となります 年金払い退職給付 ( 退職等年金給付 ) 傷病手当金との調整の対象になりません 9

4 傷病手当金等と報酬との調整 (1) 調整方法の変更点 改正前地共法において 傷病手当金 出産手当金 休業手当金 育児休業手当金又は介護休業手当金 ( 以下 傷病手当金等 という ) の支給期間に係る 給料 の全部又は一部を受ける場合には その受ける金額の限度で調整を行う旨規定されています. 施行日以後 この調整を 給料 ではなく 報酬 と行い 調整の際に 給料 に乗じていた手当率 (1.25( 特別職は1)) は乗じないこととなります 調整は 報酬を日額になおし 当該報酬の日額 ( 以下 報酬日額 という ) と 標準報酬日額 ( 標準報酬月額の 22 分の1) に支給割合(2/3) を乗じて得た日額 ( 以下 給付日額 という ) を比較することにより調整します 施行日前 給料日額 給付日額 傷病手当金を支給しない給料日額 < 給付日額 給付日額から給料日額を控除した額を傷病手当金として支給する 給料日額を計算する際に給料 手当率 (1.25( 特別職は1)) を行い 日額を求めていた 施行日後 報酬日額 給付日額 傷病手当金を支給しない 報酬日額 < 給付日額 給付日額から報酬日額を控除した額を傷病手当金として支 給する 10

(2) 報酬日額の算出方法 傷病手当金 ( 給付日額 ) を算定する際の 標準報酬日額 の算定は 標準報酬月 額の 1/22 となりますが 比較の対象となる 報酬日額 については 給料等を 次表 ( 例 ) の区分に応じて算出します 国家公務員の給与等を参考にしています 手当等の種類の区分については 都道府県及び市町村の休職時の給与に関する法令等の規定により異なります なお 道費負担職員の方の手当等の算出に用いる率については 全て 勤務を要する日数分の 1 となります 報酬日額の算出方法 ( 国家公務員の給与の例 ) ( 手当等の金額に乗じる率 ) 区分手当等の種類算出に用いる率 日々の勤務に対して支給されると考えられるもの ( 日額で支給されるもので 勤務しない日について減額して支給されるもの ) 給料月額 給料の調整額 地域手当 勤務を要する 日数分の 1 日々とは関係なく支給されるもの ( 月額で支給されるもの ) ( 一定の期間を対象として支払われるもの ) 教職調整額給料の特別調整額初任給調整手当扶養手当住居手当通勤手当単身赴任手当等 22 分の 1 11

調整対象となる報酬の考え方 一定の期間を対象として支給される報酬で 傷病手当金等の算定の基礎とする日以外 の日も含めて報酬の対象としているもの 通勤手当等 一定の期間を対象として支給される報酬のうち調整対象とする報酬は 当該 報酬が月額で支給される場合 当該報酬の月額に 22 分の 1 に相当する金額を 日額として算出するものとする 一定の期間を対象として支給される報酬であっても 実際に支給を受ける報酬の額が 日割り計算で算出されており 傷病手当金等の算定の基礎とする日以外の日を対象とし て算出されている場合は 傷病手当金等との調整は行わない 調整対象とならない報酬の例 傷病手当金等の算定の基礎とする日以外の日の勤務実績に基づいて翌月以後に支払 われるもの 超過勤務手当 休日給 宿日直手当 特殊勤務手当等 ( 注 ) これまで国家公務員共済組合においては 超過勤務手当等を調整の対象としていたところですが 平成 27 年 4 月 1 日以後の期間を算定の基礎とする傷病手当金等から 勤務実績に基づいて翌月以後に支払われる手当を調整の対象としない旨 運用方針を改正しています これは 健康保険法又は雇用保険法の取扱いに合わせたことによるものです (3) 支払われた報酬額の確認方法 施行日以後の傷病手当金の支給については 療養のため勤務できない期間に対して報酬が支払われている場合 報酬日額と給付日額を比較する必要があることから 組合員から報酬に関する書類を徴することとなります 今後は 新たに 報酬支給額証明書 ( 別添ファイル ) を提出していただくこととなります 12

(4) 今後の傷病手当金支給事務について 施行日以後は 休職 (8 割 ) 期間中においても傷病手当金の一部支給が発生する 可能性があることから 毎月 確認事務を行うこととなります 休職 (8 割 ) 期間中に傷病手当金が発生する場合の説明 1 休職 (8 割 ) 期間に入った時点 ( 施行日前から8 割休職の場合には 施行日以後 初回支給となる 10 月分の傷病手当金請求時点 ) において 勤務を要する日が 20 日 ~23 日の場合の試算を 試算シート ( 別添ファイル ) を活用して行い その結果を所属所及び当支部において管理し 一部支給が発生する組合員を把握することとなります 2 月によって勤務を要する日が異なる (20~23 日 ) ことから 給付が発生する月と給付が発生しない月があります 給付が発生しない月の傷病手当金請求書については 提出する必要はありません しかし 一度支給が発生した月 ( 起算日 ) から支給期間 (1 年 6 か月 ) がはじまり 給付が発生しない月 ( 傷病手当金請求書の提出が不要 ) も支給期間としてカウントされ 支給期間を食い潰すこととなりますのでご注意ください 移行前 標準報酬制移行前は 例えば病気休職 (8 割支給 ) 期間中の場合 傷病手当金が発生しなかった 8 割休職 1 年 無給休職 2 年 給付日額 給料日額 傷病手当金 1 年 6 月 附加金 6 月 支給開始日 無給休職に入り給付日額 > 給料日額となり支給が始まる 移行後 標準報酬制移行後は 例えば病気休職 (8 割支給 ) 期間中であっても 傷病手当金の一部支給が発生する場合がある 8 割休職 1 年 無給休職 2 年 給付日額 給料日額 傷病手当金 1 年 6 月 附加金 6 月 支給開始日 8 割休職中ではあるが 給付日額 > 給料日額となり差額分の支給が始まる 無給休職期間中の給付期間が短くなる 13

(5) 報酬と障害事由の年金と傷病手当金との調整について前述のとおり 障害共済年金に係る在職中の支給停止制度がなくなることから 障害厚生年金 ( 障害共済年金 ) と報酬の併給が可能となります 傷病手当金については 障害厚生年金 ( 障害共済年金 ) 障害基礎年金と報酬のいずれか高い額と調整することとなります 調整方法については 次のとおりとなります 傷病手当金の支給に係る調整フロー 障害事由の年金あり 障害事由の年金なし 報酬あり報酬なし報酬あり報酬なし 年金報酬年金報酬 < 日額日額日額日額 傷手日額 - 年金日額 差額を支給 傷手日額 - 報酬日額 差額を支給 調整なし 傷手日額 - 報酬日額 差額を支給 傷手日額 - 年金日額 差額を支給 年金日額 障害共済年金 ( 障害厚生年金 ) 障害基礎年金 /264 報酬日額 (2) 報酬日額の算出方法参照 (6) その他傷病手当金と報酬との調整を行っている場合 給与改定や手当額の修正等により報酬額に遡及訂正が発生すると 傷病手当金の給付額を調整する必要があります 傷病手当金の給付額を調整するためには 組合員から報酬額の修正に係る報告が必要となります 14

Ⅰ 病気休職 (8 割 ) 期間中の傷病手当金計算例 - 傷病手当金支給額 0 円のケース - 休職時の給与の支給については 条例等により定められていますので 各給与支給 機関においてご確認ください ( 以下の例と異なる場合もあります ) 前提 土日が週休日の組合員が病気休職 (8 割 ) を取得した場合 平成 28 年 3 月 1 日 ~3 月 31 日勤務を要する日 23 日 ( 祝日 1 日含む ) 標準報酬月額 給料月額扶養手当地域手当住居手当通勤手当超過勤務手当合計 313,700 円 16,000 円 39,564 円 1,000 円 4,320 円 20,000 円 394,584 円 標準報酬月額第 22 級 380,000 円 休職中(8 割 ) も支給される給与 給与種目 休職前の金額 休職中の金額 備考 給料月額 313,700 円 250,960 円 扶養手当 16,000 円 12,800 円 地域手当 39,544 円 31,651 円 12% 地区 住居手当 1,000 円 800 円 通勤手当 4,320 円 - 支給なし 超過勤務手当 20,000 円 - 支給なし 合計 394,584 円 296,211 円 休職中に給与額が減少しても 標準報酬月額は改定されません 15

ア 3 月における報酬の額 ( ア ) 給料月額 313,700 円 80/100=250,960 円 ア ( イ ) 扶養手当 16,000 円 80/100=12,800 円 イ ( ウ ) 地域手当 39,564 円 80/100=31,651 円 ( 円未満切捨て ) ウ ( エ ) 住居手当 1,000 円 80/100=800 円 エ ( オ ) 総支給額ア+イ+ウ+エ 296,211 円 イ支給日の決定 ( ア ) 休職 (8 割 ) 期間 (23 日 ) の報酬日額 ( 給料 ) ( 地域手当 ) (250,960 円 +31,651 円 ) 1 日 /23 日 + ( 扶養手当 )( 住居手当 ) (12,800 円 +800 円 ) 1 日 /22 日 ( 注 ) =12,287.43 円 +618.18 円 =12,905 円 ( 円未満切捨て ) A ( 注 ) 標準報酬日額の算定については 標準報酬月額の 22 分の 1 となりますが 休業給付と調整する報酬日額の手当等の種類の区分の考え方については 都道府県及び市町村の休職時の給与に関する法令等の規定により異なります (11 ページ ) ( イ ) 給付日額 ( 標準報酬月額 ) 380,000 円 22 日 =17,270 円 (5 円未満の端数は切捨て 5 円以上 10 円未満の端数は 10 円に切り上げる ) 17,270 円 2/3=11,513 円 ( 円未満四捨五入 ) B ( ウ )A と B を比較して傷病手当金の支給対象日を決定 A>B であるので 支給対象日は 0 日 ウ休業給付支給決定額 11,513 円 0 日 =0 円 16

Ⅱ 病気休職 (8 割 ) 期間中の傷病手当金計算例 - 傷病手当金が一部支給となるケース - 休職時の給与の支給については 条例等により定められていますので 各給与支給 機関においてご確認ください ( 以下の例と異なる場合もあります ) 前提 土日が週休日の組合員が病気休職 (8 割 ) を取得した場合 平成 28 年 3 月 1 日 ~3 月 31 日勤務を要する日 23 日 ( 祝日 1 日含む ) 標準報酬月額 給料月額扶養手当地域手当住居手当通勤手当超過勤務手当合計 319,900 円 21,800 円 10,251 円 6,000 円 9,545 円 80,000 円 447,496 円 標準報酬月額第 24 級 440,000 円 休職中(8 割 ) も支給される給与 給与種目 休職前の金額 休職中の金額 備考 給料月額 319,900 円 255,920 円 扶養手当 21,800 円 17,440 円 地域手当 10,251 円 8,200 円 3% 地区 住居手当 6,000 円 4,800 円 通勤手当 9,545 円 - 支給なし 超過勤務手当 80,000 円 - 支給なし 合計 447,496 円 286,360 円 17

ア 3 月における報酬の額 ( ア ) 給料月額 319,900 円 80/100=255,920 円 ア ( イ ) 扶養手当 21,800 円 80/100=17,440 円 イ ( ウ ) 地域手当 10,251 円 80/100=8,200 円 ( 円未満切捨て ) ウ ( エ ) 住居手当 6,000 円 80/100=4,800 円 エ ( オ ) 総支給額ア+イ+ウ+エ 286,360 円 イ支給日の決定 ( ア )8 割休職期間 (23 日 ) の報酬日額 ( 給料 ) ( 地域手当 ) (255,920 円 +8,200 円 ) 1 日 /23 日 + ( 扶養手当 ) ( 住居手当 ) (17,440 円 +4,800 円 ) 1 日 /22 日 ( 注 ) =11,483.47 円 +1,010.90 円 =12,494 円 ( 円未満切捨て ) A ( 注 ) 標準報酬日額の算定については 標準報酬月額の 22 分の 1 となりますが 休業給付と調整する報酬日額の手当等の種類の区分の考え方については 都道府県及び市町村の休職時の給与に関する法令等の規定により異なります (11 ページ ) ( イ ) 給付日額 ( 標準報酬月額 ) 440,000 円 22 日 =20,000 円 (5 円未満の端数は切捨て 5 円以上 10 円未満の端数は 10 円に切り上げる ) 20,000 円 2/3=13,333 円 ( 円未満四捨五入 ) B ( ウ )A と B を比較して傷病手当金の支給対象日を決定 A<B であるので 支給対象日は 23 日 ウ休業給付支給決定額 B-A=13,333 円 -12,494 円 =839 円 839 円 23 日 =19,297 円 18

Ⅲ 病気休暇による給料半減の際の傷病手当金計算例 休職時の給与の半減については 条例等により定められていますので 各給与支給機関にご確認ください ( 以下の例と異なる場合もあります ) 俸給の半減と 5 割休職では 報酬の額の計算方法が異なりますので 5 割休職の場合には 8 割休職の計算例を参考にしてください 前提 土日が週休日の組合員が病気休暇により給料半減となった場合 平成 28 年 3 月 1 日 ~3 月 31 日勤務を要する日 23 日 ( 祝日 1 日含む ) 標準報酬月額 給料月額扶養手当地域手当住居手当通勤手当超過勤務手当合計 313,700 円 16,000 円 39,564 円 1,000 円 4,320 円 20,000 円 394,584 円 標準報酬月額第 22 級 380,000 円 半減期間中も支給される給与 給与種目 半減前の金額 半減後の金額 備考 給料月額 313,700 円 163,669 円 扶養手当 16,000 円 16,000 円 減額なし 地域手当 39,564 円 21,560 円 12% 地区 住居手当 1,000 円 1,000 円 減額なし 通勤手当 4,320 円 - 支給なし 超過勤務手当 20,000 円 - 支給なし 合計 394,584 円 202,229 円 19

ア 3 月における報酬の額 ( ア ) 給料月額 313,700 円 1 日 /23 日 +313,700 円 1/2 22 日 /23 日 =163,669 円 ア ( イ ) 扶養手当 16,000 円 イ ( ウ ) 地域手当 39,564 円 1 日 /23 日 +(313,700 円 1/2 12% +16,000 円 12%) 22 日 /23 日 =21,560 円 ウ ( エ ) 住居手当 1,000 円 エ ( オ ) 総支給額ア + イ + ウ + エ = 202,229 円 ( 注 ) 上記の例は勤務を要する日数 23 日のうち国民の祝日に関する法律に規定される日が 3 月は 1 日あるので半減期間 22 日 全額支給日 1 日となる イ支給日数の決定 ( ア ) 給料半減期間 (22 日 ) の報酬日額 ( 給料月額 ) ( 地域手当 ) ( 半減 ) ( 地域手当 ) {(313,700 円 +37,644 円 ) 1/2+1,920 円 } 1 日 /23 日 + ( 扶養手当 ) ( 住居手当 ) (16,000 円 +1,000 円 ) 1 日 /22 日 = 7,721.39+772.72=8,494 円 ( 円未満切捨て ) A ( ア ) 給料全額支給期間 (1 日 ( 注 )) の報酬日額 ( 給料 ) ( 地域手当 ) ( 地域手当 ) (313,700 円 +37,644 円 +1,920 円 ) 1 日 /23 日 ( 扶養手当 ) ( 住居手当 ) +(16,000 円 +1,000 円 ) 1 日 /22 日 =15,359.30+772.72=16,132 円 ( 円未満切捨て ) B ( 注 ) 標準報酬日額の算定については 標準報酬月額の 22 分の 1 となるが 休業給付と調整する報酬日額については 前述の Ⅰ Ⅱ と同様となります 道費負担職員の方は国民の祝日に関する法律に規定される日は給料が半減されません ( イ ) 給付日額 ( 標準報酬月額 ) 380,000 円 22 日 =17,270 円 (5 円未満の端数は切捨て 5 円以上 10 円未満の端数は 10 円に切り上げる ) 17,270 円 2/3=11,513 円 ( 円未満四捨五入 ) C ( ウ )A と C B と C を比較して休業給付の支給対象日を決定 A<C B>C であるので 休業給付の支給対象日は 22 日 ウ休業給付支給決定額 ( 標準報酬日額 ) ( 控除額 ) 11,513 円 22 日 -8,494 円 22 日 =66,418 20

5 介護休業手当金と報酬との調整 介護休暇により出勤しなかった期間の給与額等については 勤務時間一時間あたりの給与額から当該勤務しなかった期間の時間数を乗じて得た額を減額することとなっています 時間単位による介護休暇取得者については 介護休業手当金は支給されません 具体的には 次の数式によって勤務しなかった期間に支払われた報酬の額を計算します 国家公務員の給与等を参考にしています 休暇時の給与の支給については 北海道及び市町村において条例等により定められていま すので ご確認ください ( 以下の例と異なる場合もあります ) 参考 勤務しなかった期間に支払われた報酬の額 ( 国家公務員の給与減額方法の場合 ) ( 給料月額 + 減額の対象となる手当 ) 1 日 介護休暇を取得した月の要勤務日数 - ( 勤務時間 1 時間当たりの給与額円未満四捨五入 ) (1 日当たりの勤務時間 ) ( 給料月額 + 減額の対象となる手当 ) 12 月 (7 時間 45 分 5 日 ) 52 週 7 時間 45 分 介護休暇取得日数 網掛け部分がマイナスとなった場合は 0 円とする + 減額対象外の手当 1/22 ( 円未満切り捨て ) 介護休業手当金計算例 平成 27 年 11 月 1 日 ~11 月 30 日勤務を要する日 21 日 ( 土日が週休日の場合 ) 給料 地域手当 住居手当 通勤手当 合計 334,000 円 40,080 円 10,000 円 5,000 円 389,080 円 標準報酬月額第 22 級 380,000 円 ( 事例 介護休暇取得日数 10 日の場合 ) 給料額 ( 給料 334,000 円 ) 地域手当 12% 地区 (40,080 円 ) 住居手当 (10,000 円 ) 通勤手当 (5,000 円 ) 21

ア出勤しなかった期間に支払われた報酬の額 E A( 給料額 334,000 円 + 地域手当 40,080 円 ) 1 日 / 要勤務日数 21 日 C B ( 給料額 334,000 円 + 地域手当 40,080 円 ) 12 月 - 7 時間 45 分 5 日 52 週 ( 円未満四捨五入 ) 7 時間 45 分 (1 日当たりの勤務時間 ) + D( 住居手当 10,000 円 + 通勤手当 5,000 円 ) 1/22 ( 円未満切捨て ) 介護休暇取得日数 10 日 = 12,280 円 A (334,000+40,080) 1/21=17,813.33 B (( 334,000+40,080) 12) (7.75 5 52) =4,488,960 2015=2227.77( 円未満四捨五入 ) 2,228 C B 7 時間 45 分 =2,228 7.75=17,267 D (10,000+5,000) 1/22=681.81 E A-C+D=17,813.33-17,267+681.81=1228.14 円未満切捨て ) 1,228 出勤しなかった期間に支払われた報酬の額 1,228 10 日 =12,280 イ介護休業手当金支給決定額給付日額 ( 標準報酬月額 ) 380,000 円 22 日 =17,270 円 (5 円未満の端数は切捨て 5 円以上 10 円未満の端数は 10 円に切り上げる ) 17,270 円 40/100=6,908 円 ( 円未満四捨五入 ) 6,908 円 10 日 -12,280 円 =56,800 22