資料 3 短距離旅客船の電気推進化 に関する調査 平成 25 年 10 月 独立行政法人鉄道建設 運輸施設整備支援機構 1
調査の目的 電気推進化に適していると考えらえれる短距離旅客船 ( 両頭船 ) について 事業者のニーズ等を把握するとともに 基本計画等詳細を検討し 経済性および船舶性能について既存の旅客船との対比として整理を行い 今後の旅客船建造に当たっての指針とする 2
調査内容 1. 短距離旅客船の調査 分類 2. 事業者に対するヒアリング調査 ( ニーズの把握 ) 3. 2 次電池利用可能性の調査 4. モデル船の電気推進化の検討 1 電気推進システムの検討 2CFD 解析等 3
1. 短距離旅客船の調査 分類 短距離旅客船 ( 運航時間 30 分以内 総トン数 500 トン未満 ) ( 隻数 ) 総トン数 0~ 20~ 50~ 100~ 200~ 300~ 400~ 航行海域 20GT 50GT 100GT 200GT 300GT 400GT 500GT 計 北海道離島 1 1 2 気仙沼湾 1 2 1 4 石巻湾 1 1 1 3 伊豆諸島 1 1 1 3 駿河湾 4 1 5 富山湾 2 2 伊勢 三河湾 8 4 1 1 1 15 大阪湾 16 2 18 明石海峡 2 1 3 紀伊水道 3 2 2 7 土佐湾 1 1 瀬戸内海 58 13 18 22 9 12 3 135 豊後水道 1 1 1 3 関門海峡 10 10 九州離島 24 6 8 18 4 1 61 南西諸島 20 2 6 4 1 33 計 148 30 40 52 13 17 5 305 資料 : フェリー旅客船ガイド2012 春季号を基に作成 4
1. 短距離旅客船の調査 分類 両頭船のリスト 船籍港 総トン 全長 垂線間長 型幅 型深 満載喫水 尾道 120 23.0 19.5 8.0 2.5 1.9 尾道 126 24.0 20.0 9.5 2.5 1.9 佐伯 134 34.7 29.0 10.0 3.0 2.0 三原 135 32.8 29.0 10.0 3.0 2.0 愛媛上島 144 32.8 23.9 9.6 3.0 2.1 愛媛上島 146 32.8 24.5 9.6 3.1 2.3 福岡 177 31.0 25.3 8.0 3.1 2.3 因島 196 47.8 29.9 12.0 3.0 1.9 廿日市 197 37.0 29.0 8.5 2.9 2.0 福岡 199 31.2 24.7 10.0 3.1 2.1 竹原 291 38.5( 登録長 ) 37.3 10.4 3.6 2.7 気仙沼 306 49.8 32.0 10.5 3.3 2.3 竹原 318 49.9 38.9 11.0 3.6 2.6 東広島 336 49.9 38.9 11.0 3.6 2.6 広島 347 45.0 35.1 10.0 3.7 2.8 広島 353 49.9 38.6 11.2 3.8 2.8 広島 354 49.9 38.6 11.2 3.8 2.8 東広島 372 49.0 37.7 9.5 3.6 2.7 江田島 375 48.9 43.2 10.5 3.85 2.7 資料 : 日本船舶 内航船舶明細書 2012を基に作成 5
2. 事業者に対するヒアリング調査 ヒアリング対象事業者 両頭 11 社 単頭 2 社 SES 1 社 ヒアリング項目 船舶に求める性能等 経済性 搭載能力 ( 人員 車輌 ) 耐航性 静粛性 / 居住性 操船性 扱い易さ ( 保守整備の容易さ等 ) 6
2. 事業者に対するヒアリング調査 350 総トン級 199 総トン級 19 総トン級 経済性 搭載能力 3 耐航性 1 * 1 * 静粛性居住性 4 1 2 1 操船性 1 3 1 1 1 扱いやすさ 1 2 1 必須項目 : (* は特殊海域であるため ) 希望項目とその優先順位 :1>2>3>4> 特段希望無し : 7
2. 事業者に対するヒアリング調査 1. 燃料費 整備費ランニングコストに対する意識は全般的に非常に高く ほぼすべての事業者が必須項目としている 2. 搭載能力現状維持もしくは小型化を望む意見が多い一方 離島航路のため ある程度の搭載能力の確保が必要 3. 耐航性比較的静穏な海域での運航が多いためにあまり重視されない傾向にあるが 潮の流れが強いといった海域の特性上重要視している事業者もある 4. 静粛性 居住性静粛性は可能であれば向上するのが望ましい 居住性の改善は重量等の制限もありスペースの確保が難しい 5. 操船性海域や港湾の特性上 操船性を最優先事項とする事業者も多く 両頭船は従来船よりも操船が容易との意見が多い 6. その他短航路のため便数 着離岸回数が多く 電気系統のトラブルは極力避けたい ( 故障時の対応を懸念 ) また 電気推進船は従来船より船価が高くなることが危惧されている 8
3. 2 次電池利用可能性の調査 電池推進船 3.5GT 型交通船タイプ ( 実験船 ) 1.3GT 型漁船タイプ ( 実験船 ) 9
3. 2 次電池利用可能性の調査 電池推進船の現状や問題点 今後の課題等 リチウムイオン電池を動力源とする船舶の管理においては 大容量 高電圧リチウムイオン電池システムになるのでバッテリーマネージメントシステム (BMS) を持たなければならない また BMS のみでなく上位コントローラとの組合せで制御システムとし 安全を確保する必要がある 海水は不純物が多く導電性が良いので浸水感知のための漏液センサーや電池への衝撃度を知るための衝撃センサー設置など安全のための対策を考慮すべきである 海上での空気が入らない電池の冷却など塩害の対策も必要であるが 電池推進船は内燃機関船と異なり完全密閉することが可能であり メンテナンスフリーを実現しやすい構成が取れる 船舶における電池の安全規則の整備 10
4. モデル船の電気推進化の検討 検討の留意事項 1. 従来要求されている能力 ( 速力 旅客収容数 車輌積載量等 ) を維持する 2. 既存の港湾施設を利用することを想定して 船の諸元は大幅に変更しない 3. スペ - スの問題 換気冷却 冗長性等の必要性から 機器設備を選定 11
4. モデル船の電気推進化の検討 検討対象としたモデル船 モデル船 19GT 型両頭単胴船 199GT 型両頭単胴船 350GT 型両頭単胴船 航行区域 平水区域 平水区域 平水区域 総トン数 19 GT 199 GT 392 GT 全長 27.30 m 45.36 m 47.30 m 垂線間長 16.95 m 27.00 m 43.15 m 型幅 5.40 m 10.00 m 10.50 m 型深 1.60 m 3.30 m 3.85 m 満載喫水 0.90 m 2.30 m 2.70 m 造船所 石田造船株式会社 本瓦造船株式会社 株式会社松浦造船所 主機関製造者 ヤンマー株式会社 新潟原動機株式会社 ヤンマー株式会社 主機関型式 基数 6HAK 1 6MG19HX 1 T260-SN 1 主機関出力 147kW(200PS) 735kW(1,000PS) 1,323kW(1,800PS) 補機関製造者 ヤンマー株式会社 ヤンマー株式会社 ヤンマー株式会社 補機関型式 基数 4JHL-N 1 4HAL2-WT 2 6HAL2-TN 2 補機関出力 14.7kW(20PS) 135kW(184PS) 120kW(163PS) 推進器 3 翼 FPP 2 Dp=0.85m P=0.62m 5 翼 FPP 2 Dp=1.6m P=1.0864m 4 翼 FPP 2 Dp=2.2m P=1.65m 航海速力 7.5kts(85% 出力 10%SM) 10.0kts(85% 出力 10%SM) 11.8kts(85% 出力 10%SM) 旅客定員 35 名 194 名 250 名 乗組員数 2 名 4 名 4 名 12
4. モデル船の電気推進化の検討 19GT 型両頭単胴船の電気推進システムの検討 航行距離が短く 頻繁に入出港を繰り返す為 急速充電を想定する必要あり (1)2 次電池の適用 高性能な急速充電システムの必要性 電池容量及び 2 次電池設置スペース等の増大が懸念 (2) ハイブリッド型 (2 次電池及び船内発電機併用型 ) の適用 船舶が不稼働の時間帯に陸上電源より給電を受け充電するもの 船内に設置した発電機からの充電も可能 いずれも場合も急速充電ではないため 充電に時間を要することが懸念 2 次電池を利用した場合の電気推進システムを含め種々検討したが スペースの制約及び実際の機器の配置が困難であることから 電気推進化は難しいと判断 13
4. モデル船の電気推進化の検討 電気推進システムの概略検討 (199GT 型両頭単胴船 ) 電気推進システム 電気推進装置計画 配置例 協力 : ヤンマー株式会社 14
4. モデル船の電気推進化の検討 電気推進システムの概略検討 (350GT 型両頭単胴船 ) 電気推進システム 電気推進装置計画 配置例 協力 : ヤンマー株式会社 15
4. モデル船の電気推進化の検討 船型改良方針 抵抗を低減させるために 船底から船首尾端へのバトックラインの曲率半径を大きくした できるだけ大口径プロペラが採用できるよう タンネル形状を採用した 排水量を維持するため プロペラ前方以外でのバトック高さを下げた 16
4. モデル船の電気推進化の検討 199GT 型両頭単胴船の船型改良 現行 改良後 17
4. モデル船の電気推進化の検討 350GT 型両頭単胴船の船型改良 現行 改良後 18
4. モデル船の電気推進化の検討 199GT 型両頭単胴船の船型改良 (CFD 解析結果 ) 現行 進行方向 進行方向 改良後 ( 船首 ) ( 船首 ) ( 船尾 ) ( 船尾 ) 19
4. モデル船の電気推進化の検討 350GT 型両頭単胴船の船型改良 (CFD 解析結果 ) 現行 進行方向 進行方向 改良後 ( 船首 ) ( 船首 ) ( 船尾 ) ( 船尾 ) 20
BHP(kW) BHP(kW) 4. モデル船の電気推進化の検討 船型改良効果 199GT 級性能比較 350GT 級性能推定 1200 1,800 1100 現船型 新船型 1,700 1,600 新船型 現船型 1000 1,500 900 1,400 800 1,300 1,200 700 1,100 600 1,000 500 900 800 400 700 300 600 200 500 400 100 7 8 9 10 11 12 300 9 10 11 12 13 14 SPEED(knots) SPEED(knots) 航海速力 (10kts) における BHP 船型改良により 12.2% 改善 航海速力 (11.8kts) における BHP 船型改良により 19.0% 改善 21
電気推進化の効果 (1) 船型改良効果 CFD 解析結果より 船型改良効果によって 既存船と比べ以下のような効率改善が見込めるものと想定 199GT 型 : 約 12.2% の改善 350GT 型 : 約 19.0% の改善 (2) 伝達効率 発電機効率 0.94 推進電動機始動機盤 ( 周波数効率 ) 0.98 推進電動機効率 0.94 上記を鑑み 電気推進船とした場合は 13.4% の効率低下があるものとして想定 (3) 小型発電機設置に伴う燃費率 電気推進船の主発電機は航行中 主推進電動機への給電及び船内電源への給電を行い 燃費の最も良い負荷を保つことが可能 一方で 機関直結である既存船の場合 船内電源へ給電するために主機関以外にも別途小型発電機を持つ必要あり上記を鑑み 10% 程度の発電機の燃費率が生じるものとして想定 (4) 船首部における FPP と CPP の効率差両頭船である場合 船首部で停止しているプロペラは抵抗となる 機関直結 FPP の場合 10% 電気推進 CPP の場合 5% 電気推進船とした場合は 5% 程度の効率差があるものと想定 199GT 型 350GT 型 (1) 航海速力における船型改良効果 12.2% の改善 19.0% の改善 (2) 伝達効率 13.4% の低下 13.4% の低下 (3) 小型発電機設置に伴う燃費率 1.6% の改善 0.8% の改善 (4)FPPとCPPの効率差 5.0% の改善 5.0% の改善 計 5.3% の改善 11.4% の改善 22