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次の目的で処方されます ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法 この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? この薬を使用する前に ダニ抗原によるアレル

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審議結果報告書 平成 29 年 9 月 12 日医薬 生活衛生局医薬品審査管理課 [ 販 売 名 ] シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000JAU [ 一 般 名 ] なし [ 申請者名 ] 鳥居薬品株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 27 年 12 月 25 日 [ 審議結果 ] 平成 29 年 9 月 8 日に開催された医薬品第二部会において 本品目を承認して差し支えないとされ 薬事 食品衛生審議会薬事分科会に報告することとされた 本品目は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず 再審査期間は 8 年 原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないとされた [ 承認条件 ] 1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識 経験をもつ医師によってのみ処方 使用されるとともに 本剤のリスク等について十分に管理 説明できる医師 医療機関のもとでのみ用いられ 薬局においては調剤前に当該医師 医療機関を確認した上で調剤がなされるよう 製造販売にあたって必要な措置を講じること

審査報告書 平成 29 年 8 月 23 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりである 記 [ 販売名 ] シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU [ 一般名 ] なし [ 申請者 ] 鳥居薬品株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 27 年 12 月 25 日 [ 剤形 含量 ] 1 錠中にスギ花粉エキス原末 2,000 JAU 及び 5,000 JAU を含有する舌下錠 [ 申請区分 ] 医療用医薬品 (1) 新有効成分含有医薬品 [ 特記事項 ] なし [ 審査担当部 ] 新薬審査第四部 [ 審査結果 ] 別紙のとおり 提出された資料から 本品目のスギ花粉症 ( 減感作療法 ) に対する有効性は示され 認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と判断する なお 減感作療法は感作されている患者に対してアレルゲンを投与する治療法であり アナフィラキシーが発現する可能性があることから 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識 経験を有する医師のみによって本剤が使用されるよう体制を整備する必要があり アナフィラキシーに対する安全対策が徹底されるよう 医療従事者及び患者等に対する啓発 指導を行う必要があると考える また 製造販売後調査等を実施し 臨床試験での検討例数が限られる高齢者及び小児患者における安全性等について さらに検討が必要と考える 以上 医薬品医療機器総合機構における審査の結果 本品目については 下記の承認条件を付した上で 以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認して差し支えないと判断した [ 効能又は効果 ] スギ花粉症 ( 減感作療法 ) [ 用法及び用量 ] 通常 投与開始後 1 週間は シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 投与 2 週目以降は シダキュアスギ花粉舌下錠 5,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下にて 1 分間保持した後 飲み込む その後 5 分間は うがいや飲食を控える

[ 承認条件 ] 1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識 経験をもつ医師によってのみ処方 使用されるとともに 本剤のリスク等について十分に管理 説明できる医師 医療機関のもとでのみ用いられ 薬局においては調剤前に当該医師 医療機関を確認した上で調剤がなされるよう 製造販売にあたって必要な措置を講じること 2

審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 7 月 5 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU [ 一般名 ] なし [ 申請者 ] 鳥居薬品株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 27 年 12 月 25 日 [ 剤形 含量 ] 1 錠中にスギ花粉エキス原末 2,000 JAU 及び 5,000 JAU を含有する舌下錠 [ 申請時の効能又は効果 ] スギ花粉症 ( 減感作療法 ) [ 申請時の用法及び用量 ] 通常 成人及び 5 歳以上の小児には 投与開始後 1 週間は シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 投与 2 週目以降は シダキュアスギ花粉舌下錠 5,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下にて 1 分間保持した後 飲み込む その後 5 分間は うがいや飲食を控える [ 目次 ] 1. 起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等... 3 2. 品質に関する資料及び機構における審査の概略... 3 3. 非臨床薬理試験に関する資料及び機構における審査の概略... 5 4. 非臨床薬物動態試験に関する資料及び機構における審査の概略... 5 5. 毒性試験に関する資料及び機構における審査の概略... 5 6. 生物薬剤学試験及び関連する分析法 臨床薬理試験に関する資料並びに機構における審査の概略... 7 7. 臨床的有効性及び臨床的安全性に関する資料並びに機構における審査の概略... 7 8. 機構による承認申請書に添付すべき資料に係る適合性調査結果及び機構の判断... 19 9. 審査報告 (1) 作成時における総合評価... 19 10. その他... 19

[ 略語等一覧 ] 略語英語日本語 CI Confidence interva 信頼区間 RH Relative humidity 相対湿度 SCIT Subcutaneous immunotherapy 皮下投与による減感作療法 SLIT Sublingual immunotherapy 舌下投与による減感作療法 シダトレン - シダトレンスギ花粉舌下液 200 JAU/mL ボトル 同スギ花粉舌下液 2,000 JAU/mL ボトル 同スギ花粉舌下液 2,000 JAU/mL パック 本剤 - シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU 本薬 - シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU の原薬 2

1. 起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 1) 及び同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU は スギ花粉から抽出 調製されたスギ花粉エキス原末を含有する舌下錠である スギ花粉症は スギ花粉をアレルゲンとして発症するアレルギー疾患の総称であり スギ花粉の曝露により くしゃみ 鼻汁 鼻閉等の鼻症状 目のかゆみ 涙目等の眼症状 喉のかゆみ等の咽頭症状 全身のかゆみ 乾燥等の皮膚症状といったⅠ 型アレルギー症状が発現する 減感作療法は 適量の原因アレルゲンを継続して投与することにより 原因アレルゲンに対する感受性を低下させる治療法であり 国内の診療ガイドラインにおいて 花粉症をはじめとするアレルギー性疾患を治癒又は長期に寛解維持させることも可能な治療法とされている ( 鼻アレルギー診療ガイドライン 2016 年版ライフ サイエンス, 2015) 本邦では スギ花粉症の減感作療法に用いる製剤として スギ花粉エキスを含有する皮下注用製剤及び舌下液剤が既に承認されている 申請者が承認取得している シダトレンスギ花粉舌下液 200 JAU/mL ボトル 同スギ花粉舌下液 2,000 JAU/mL ボトル 同スギ花粉舌下液 2,000 JAU/mL パック は 製剤上の理由から 2,000 JAU/mL を超える高濃度製剤を製造することが困難であった 高力価での減感作療法を可能とすること及び利便性の向上等を目的として 速溶性の舌下錠である本剤の開発が行われた スギ花粉症に対する本剤の臨床開発は 20 年月に開始され 今般 国内臨床試験の成績に基づき製造販売承認申請が行われた なお 20 年月時点までに 海外において本剤の開発は行われていない 2. 品質に関する資料及び機構における審査の概略 2.1 原薬 原薬は 既承認のシダトレンと のスギ花粉から抽出された であるが シダトレンと で製造されている 2.1.1 特性原薬であるスギ花粉エキス原末は スギ (Cryptomeria japonica D.Don) の花粉をを含むで抽出した Cry j 1 2) 及び Cry j 2 3) 等のアレルゲンを含有する白色 ~ 褐色の粉末又は塊である 原薬は 性状 ( ) Cry j 1 及び Cry j 2( ) タンパク質含量 水分 微生物限度 抽出物プロファイル ( ) 総アレルゲン活性 並びに無機不純物について検討されている 2.1.2 製造方法原薬は 国内のスギ (Cryptomeria japonica D.Don) の を に採取し これを させた後 から採取し を出発物質とし 抽出 ろ過及び からなる工程により製造される 重要工程として 工程が設定されている 1) 一般社団法人日本アレルギー学会アレルゲン検討委員会において 1 ml 中に主要アレルゲンである Cry j 1 を 7.3~21 μg 含むエキスを 10,000 JAU/mL と表示することが定義されている ( アレルギー 1996; 45: 416-21) 2) スギ花粉中に存在する主要アレルゲンの一つである糖タンパク質 3) スギ花粉中に存在する主要アレルゲンの一つであるタンパク質 3

2.1.3 原薬の管理原薬の規格及び試験方法として 含量 性状 確認試験 ( ) 水分 Cry j 2 含量 ( ) タンパク質含量 ( ) 微生物限度 定量法(Cry j 1 ) が設定されている なお 審査の過程において 確認試験は から へ変更された 2.1.4 原薬の安定性 原薬で実施された主な安定性試験は表 1 のとおりである また 光安定性試験の結果 原薬は光に安定 であった 表 1 原薬の安定性試験 試験名 基準ロット 温度 湿度 保存形態 保存期間 長期保存試験 パイロット 5 ± 3-3 ロットポリプロピレン製容器 + 18 カ月 加速試験 パイロットアルミラミネート袋 25 ± 2 60% RH ± 5% RH 3 ロット 6 カ月 以上より 原薬の有効期間は ポリプロピレン製容器に入れ これをアルミラミネート袋に入れて 2~ 8 で保存するとき 18 カ月と設定された なお 長期保存試験は 36 カ月まで継続予定である 2.2 製剤 2.2.1 製剤及び処方並びに製剤設計製剤は 1 錠中に活性単位として 2,000 JAU 又は 5,000 JAU を含有する舌下錠である 製剤にはゼラチン D-マンニトール及び水酸化ナトリウムが添加剤として含まれる 2.2.2 製造方法製剤は 薬液調製 充てん 凍結 凍結乾燥 包装工程に より製造される 重要工程として 工程が設定されている 2.2.3 製剤の管理製剤の規格及び試験方法として 含量 性状 確認試験 ( ) 水分 Cry j 2 含量 ( ) 製剤均一性 ( ) 微生物限度 崩壊性 定量法(Cry j 1 ) が設定されている 2.2.4 製剤の安定性製剤で実施された主な安定性試験は表 2 のとおりである 光安定性試験の結果 製剤は光に安定であった 4

表 2 製剤の安定性試験 試験名製剤基準ロット温度湿度保存形態保存期間パイロット長期保存試験 25 60% RH 18 カ月 3 ロットアルミニウム製 2,000 JAU 製剤パイロットブリスターパック加速試験 40 75% RH 6 カ月 3 ロットパイロット長期保存試験 25 60% RH 18 カ月 3 ロットアルミニウム製 5,000 JAU 製剤パイロットブリスターパック加速試験 40 75% RH 6 カ月 3 ロット 以上より 製剤の有効期間は アルミニウム製ブリスターパックに包装し 室温保存するとき 18 カ月と設定された なお 長期保存試験は 36 カ月まで継続予定である 2.R 審査の概略機構は 製剤の品質を恒常的に担保するため 製剤の製造工程中の工程において に加えて の規定も必要と判断し 申請者はこれに対応した 機構は 提出された資料及び以上の検討等から 原薬及び製剤の品質は適切に管理されているものと判断した 3. 非臨床薬理試験に関する資料及び機構における審査の概略本申請は新有効成分に係るものであるが 減感作療法における詳細な作用機序は明確になっておらず 有効性を適切に評価できる動物モデルの作製が現時点で困難である また ラット 26 週間反復経口投与毒性試験を含む本薬を用いた毒性試験において 中枢神経系 心血管系 呼吸系に対する安全性上の懸念は示されていないことも踏まえ 非臨床薬理試験に関する資料 に関する試験成績は提出されていない 機構は 以上の申請者の説明は受入れ可能と判断した 4. 非臨床薬物動態試験に関する資料及び機構における審査の概略本申請は新有効成分に係るものであるが 本薬の有効成分の主要アレルゲンである Cry j 1 の放射性同位元素標識体をラットに舌下投与したとき 血中に放射能は検出されなかった また 主要アレルゲンである Cry j 2 のアミノ酸数 分子量 等電点は Cry j 1 と大きく異ならず Cry j 2 も Cry j 1 と同様の生体内挙動を示すと考えられた ( 平成 25 年 9 月 24 日付けシダトレン花粉舌下液 200 JAU/mL ボトル 他 2 品目審査報告書 ) 以上より 本薬の舌下投与によりアレルゲンタンパク質の循環血中への移行性はないと判断され 非臨床薬物動態試験に関する資料 に関する試験成績は提出されていない 機構は 既承認のシダトレンに係る評価も踏まえ 以上の申請者の説明は受入れ可能と判断した 5. 毒性試験に関する資料及び機構における審査の概略本薬を用いた毒性試験として 反復投与毒性試験 遺伝毒性試験 生殖発生毒性試験及び局所刺激性試験が実施された なお 特に記載のない限り 溶媒としてゼラチン D-マンニトール溶液が用いられた 5

5.1 単回投与毒性試験単回投与毒性試験は実施されていないが 本薬 2,320,000 JAU/kg/ 日までを 2 日間経口投与したラット小核試験 (CTD 4.2.3.3.2-1) において 投与初日に死亡及び一般状態への影響は認められなかったことから 概略の致死量は 2,320,000 JAU/kg 超と判断された 5.2 反復投与毒性試験反復経口投与毒性試験として ラットを用いた 4 及び 26 週間反復経口投与試験並びにサルを用いた 2 週間反復経口投与試験が実施され いずれの試験においても特段の毒性所見は認められなかったことから サルを用いた長期毒性試験は省略された ラット 26 週間反復経口投与試験における無毒性量は 147,000 JAU/kg/ 日であり 臨床用量である 5,000 JAU/ 日と比較したときの投与量比は 50 kg の成人で 1,470 倍 15 kg の小児で 440 倍と推定された 5.2.1 ラット 4 週間反復経口投与毒性試験 (CTD 4.2.3.2-1) 雌雄 SD ラットに本薬 0( 溶媒 ) 14,000 46,000 又は 139,000 JAU/kg/ 日が 4 週間反復経口投与された 死亡例は認められず 一般状態 体重 摂餌量 臨床検査値 病理組織学的検査等において 本薬投与による影響は認められなかった 以上より 無毒性量は 139,000 JAU/kg/ 日と判断された 5.2.2 ラット 26 週間反復経口投与毒性試験 (CTD 4.2.3.2-3) 雌雄 SD ラットに本薬 0( 溶媒 ) 15,000 49,000 又は 147,000 JAU/kg/ 日が 26 週間反復経口投与された 147,000 JAU/kg/ 日の雄 14 例中 1 例が投与 7 週時に死亡したが 当該個体においては 生存期間中 一般状態 体重及び摂餌量に異常は認められず 病理組織学的検査においても特段の病変は認められなかったことから 死因は不明とされた 生存動物では 一般状態 体重 摂餌量 臨床検査値 生殖器を含む病理組織学的検査等において 本薬投与による影響は認められなかった 以上より 無毒性量は 147,000 JAU/kg/ 日と判断された 5.2.3 サル 2 週間反復経口投与毒性試験 (CTD 4.2.3.2-5) 雌雄カニクイザルに本薬 0( 溶媒 ) 14,000 46,000 又は 139,000 JAU/kg/ 日が 2 週間反復経口投与された 死亡例は認められず 一般状態 体重 摂餌量 臨床検査値 生殖器を含む病理組織学的検査等において 本薬投与による影響は認められなかった 以上より 無毒性量は 139,000 JAU/kg/ 日と判断された 5.3 遺伝毒性試験 (CTD 4.2.3.3.1-1~2 及び CTD 4.2.3.3.2-1) 遺伝毒性試験として 細菌を用いた復帰突然変異試験 ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びラット小核試験が実施され 本薬による遺伝毒性は認められなかった 5.4 がん原性試験遺伝毒性試験の結果より 臨床使用時に本薬が遺伝毒性を示す可能性は低いと考えられること 及び反復毒性試験において前癌病変は認められていないことから がん原性試験は実施されていない 6

5.5 生殖発生毒性試験生殖発生毒性試験として ラットを用いた胚 胎児発生に関する試験が実施された 受胎能及び着床までの初期胚発生については ラット 26 週間及びサル 2 週間反復経口投与毒性試験において生殖器及び副生殖器の病理組織学的変化に異常は認められなかったとの理由から 試験は実施されていない 出生前及び出生後の発生並びに母体機能については スギ花粉は天然に存在し 花粉飛散期にはヒトに大量に曝露されていることに加え ラットにおける胚 胎児発生に関する試験で妊娠ラット及び胚 胎児に影響が認められなかったことから 試験は実施されていない 5.5.1 ラットを用いた胚 胎児発生に関する試験 (CTD 4.2.3.5.2-1) 妊娠 SD ラットに 本薬 0( 溶媒 ) 15,000 49,000 又は 147,000 JAU/kg/ 日が 妊娠 7 日から 17 日まで経口投与された 母動物に死亡例は認められず 一般状態 体重 摂餌量 剖検所見 妊娠黄体数 着床数 着床率 胚 胎児死亡率 生存胎児数 性比 胎児体重 胎盤重量及び胎盤所見に関して本薬投与による影響は認められなかった また 生存胎児の外表 内臓及び骨格観察においても本薬投与の影響は認められなかった 以上より 母動物及び胚 胎児に対する無毒性量はいずれも 147,000 JAU/kg/ 日と判断された 5.6 局所刺激性試験 5.6.1 ウサギを用いた舌下投与刺激性試験 (CTD 4.2.3.6-1) 雄性 NZW ウサギに本薬 0( 生理食塩液又は溶媒 ) 116,000 又は 232,000 JAU/site/ 日が 7 日間反復舌下投与 4) された いずれの投与群においても 肉眼的観察及び病理組織学的検査における異常は認められず 本薬は口腔内局所に対して刺激性を示さないと判断された 5.R 機構における審査の概略機構は 提出された資料より 本剤の臨床使用に当たり 毒性学的観点から特段の問題は認められていないと考える 6. 生物薬剤学試験及び関連する分析法 臨床薬理試験に関する資料並びに機構における審査の概略本剤の有効成分の主要アレルゲンである Cry j 1 及び Cry j 2 は舌下投与により循環血中へ移行しないと考えられることから 生物薬剤学に関連する試験及び臨床薬理試験は実施されていない 7. 臨床的有効性及び臨床的安全性に関する資料並びに機構における審査の概略評価資料として 日本人スギ花粉症患者を対象とした国内試験 (CTD 5.3.5.1-1) の成績が提出された 7.1 国内第 Ⅱ/Ⅲ 相試験 (CTD 5.3.5.1-1:206-2-1 試験 20 年月 ~20 年月データカット ) 5 歳以上のスギ花粉症患者 5) ( 目標例数 920 例 各群 230 例 ) を対象に 本剤の有効性及び安全性を検 4) 麻酔下で 舌下面に 20 分間保持させた 5) 主な選択基準 :1 スギ花粉に対する特異的 IgE 抗体検査で Class 3 以上 22013 年及び 2014 年のスギ花粉飛散期間に くしゃみ 鼻汁又は鼻閉のいずれかの鼻症状スコアが 2 以上あり 1 週間以上持続したスギ花粉症患者 7

討するため プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施された 本試験の投与期は 3 期 ( 用量検討期 :20 年月まで 長期投与期 :20 年月まで 6) 投与終了後観察期 :20 年月まで 7) ) から構成される 用量検討期における用法 用量は 表 3 に従い 本剤又はプラセボを 1 日 1 回舌下投与し 投与後 1 分間舌下に保持した後に飲み込み その後 5 分間はうがいや飲食を控えることと設定された 事前に規定した鼻症状又は眼症状の定義 8) を満たした場合 レスキュー薬が使用可能とされた 鼻閉にはトラマゾリン塩酸塩点鼻液が 眼症状にはケトチフェンフマル酸塩点眼液が使用可能とされ これらの薬剤で改善が認められない場合には フェキソフェナジン塩酸塩又はロラタジンが使用可能とされた くしゃみ及び鼻汁に対してはフェキソフェナジン塩酸塩又はロラタジンが使用可能とされた なお 用量検討期を完了したプラセボ群及び本剤 5,000 JAU 群の患者は 長期投与期及び投与終了後観察期へ移行することとされた 本申請においては 用量検討期の成績が提出され 長期投与期と投与終了後観察期は盲検下にて継続実施中である 表 3 206-2-1 試験の用量 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群 10,000 JAU 群 プラセボ群 投与 1 週目 2,000 JAU 2,000 JAU 2,000 JAU プラセボ 投与 2 週目 2,000 JAU 5,000 JAU 5,000 JAU プラセボ 投与 3 週目以降 2,000 JAU 5,000 JAU 10,000 JAU プラセボ 無作為化された 1,042 例 (2,000 JAU 群 260 例 5,000 JAU 群 264 例 10,000 JAU 群 259 例 プラセボ群 259 例 ) 全例が安全性解析対象集団とされた 用量検討期における有効性の評価期間は表 4 のとおり定義され 期間 A 到達前に中止した 37 例を除外した 1,005 例 (2,000 JAU 群 248 例 5,000 JAU 群 255 例 10,000 JAU 群 245 例 プラセボ群 257 例 ) が FAS 9) とされ FAS が有効性解析対象集団とされた 中止例は 2,000 JAU 群 6.5%(17/260 例 ) 5,000 JAU 群 6.4%(17/264 例 ) 10,000 JAU 群 7.7%(20/259 例 ) プラセボ群 4.2%(11/259 例 ) に認められ 主な中止理由は有害事象 (2,000 JAU 群 8 例 5,000 JAU 群 2 例 10,000 JAU 群 9 例 プラセボ群 3 例 ) 等であった 表 4 206-2-1 試験の用量検討期における有効性評価期間 評価期間 定義 該当期間 期間 A 総合鼻症状薬物スコアの積算値が最大となる 1 週間 + 前後 1 週間 a) 2015 年 3 月 15 日 ~3 月 31 日 期間 B スギ花粉が 30 個 /cm 2 以上観測された初日から最終日までの期間 2015 年 2 月 23 日 ~3 月 25 日 期間 C スギ花粉が 2 日間連続で 1 個 /cm 2 以上観測された初日から 3 日連続で 0 個 /cm 2 となった初日の前日までの期間 2015 年 2 月 11 日 ~4 月 25 日 a) ヒノキ花粉の影響を避けるため 期間 A の終了日は 3 月 31 日以前に設定することが事前に規定された 主要評価項目は 期間 A のアレルギー性鼻炎の鼻症状に関する 1 日症状スコアと 1 日薬物スコアの合計である総合鼻症状薬物スコアと設定された ( 表 5 及び 6 参照 ) 6) 用量検討期に本剤 5,000 JAU 群とプラセボ群に割り付けられた患者をプラセボ又は本剤 5,000 JAU 群に再無作為化し 花粉飛散時期 2 シーズンに亘り有効性及び安全性を検討するパート 7) 長期投与期を終了した患者を 花粉飛散時期 2 シーズンに亘り 本剤又はプラセボのいずれも投与せず有効性及び安全性を検討するパート 8) くしゃみ 鼻汁 鼻閉のいずれかの鼻症状スコアが 4 又は眼の痒み 涙目のいずれかの眼症状スコアが 3 を満たす場合 9) 期間 A において 1 日以上の総合鼻症状薬物スコアが得られた患者 8

表 5 鼻症状スコア及び鼻症状に対する薬物スコアの算出基準 鼻症状スコアの算出基準 0 1 2 3 4 くしゃみ なし 1 日 1~5 回 1 日 6~10 回 1 日 11~20 回 1 日 21 回以上 鼻汁 ( 擤鼻回数 ) なし 1 日 1~5 回 1 日 6~10 回 1 日 11~20 回 1 日 21 回以上 鼻閉 なし 口呼吸はない ときどき口呼吸あり かなりの時間で口呼吸 1 日中完全な鼻閉 鼻症状に対する薬物スコアの算出基準 鼻症状に対するレスキュー薬を 1 剤使用につき 3( 最大 6) 表 6 主要評価項目に関する各スコアの計算方法及びスコア範囲 スコア名 スコア範囲 総合鼻症状薬物スコア=1 日鼻症状スコア+1 日薬物スコア 0~18 1 日鼻症状スコア= 評価日における各症状 ( くしゃみ 鼻汁 鼻閉 ) スコアの合計 0~12 1 日薬物スコア= 評価日における薬物スコア ( 鼻症状 ) の合計 0~6 有効性について 主要評価項目である期間 A の総合鼻症状薬物スコアは 表 7 のとおりであり 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群又は 10,000 JAU 群とプラセボ群との各対比較において統計学的に有意な差が 認められ プラセボに対する本剤の優越性が検証された 表 7 期間 A の総合鼻症状薬物スコア (FAS) 2,000 JAU 群 (248 例 ) 5,000 JAU 群 (255 例 ) 10,000 JAU 群 (245 例 ) プラセボ群 (257 例 ) 平均値 ± 標準偏差最小二乗平均値 a) [95% CI] 5.49 ± 3.42 5.49 [5.06, 5.91] 4.74 ± 2.60 4.74 [4.32, 5.16] 4.80 ± 3.28 4.80 [4.38, 5.23] 6.98 ± 4.10 6.98 [6.57, 7.40] プラセボ群との差 [95% CI] p 値 a), b) -1.50 [-2.09, -0.90] p<0.0001-2.24 [-2.83, -1.65] p<0.0001-2.18 [-2.77, -1.58] p<0.0001 a) 投与群を説明変数とした線形モデル b) 有意水準両側 5% 高用量から順次検定を実施する閉手順により 検定の多重性が調整された また 期間 A における有効性の副次評価項目の結果は 表 8 のとおりであった ( 各評価項目の定義 は 10. その他 の項参照 ) 9

表 8 期間 A における副次評価項目 (FAS) 評価項目 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群 10,000 JAU 群プラセボ群 (248 例 ) (255 例 ) (245 例 ) (257 例 ) 総合鼻眼症状薬物スコア (TNOSMS) a) 7.26 ± 4.70-2.40 [-3.23, -1.58] 6.31 ± 3.57-3.35 [-4.17, -2.53] 6.32 ± 4.55-3.34 [-4.17, -2.51] 9.66 ± 5.78 - 総合眼症状薬物スコア (TOSMS) a) 1.77 ± 1.75-0.91 [-1.21, -0.61] 1.57 ± 1.40-1.11 [-1.41, -0.81] 1.52 ± 1.60-1.16 [-1.46, -0.86] 2.68 ± 2.08 - 総合鼻症状スコア (TNSS) a) 4.95 ± 2.58-1.06 [-1.50, -0.62] 4.51 ± 2.17-1.50 [-1.94, -1.06] 4.43 ± 2.47-1.58 [-2.02, -1.13] 6.01 ± 2.84 - 総合眼症状スコア (TOSS) a) 1.53 ± 1.28-0.65 [-0.87, -0.43] 1.41 ± 1.10-0.77 [-0.99, -0.55] 1.38 ± 1.24-0.81 [-1.03, -0.58] 2.18 ± 1.42 - 総合鼻眼症状スコア (TNOSS) a) 6.48 ± 3.52-1.71 [-2.32, -1.10] 5.92 ± 2.95-2.27 [-2.88, -1.66] 5.81 ± 3.47-2.38 [-3.00, -1.77] 8.19 ± 4.00 - 総合鼻眼薬物スコア (TNOMS) a) 0.78 ± 1.61-0.69 [-0.98, -0.41] 0.39 ± 0.97-1.08 [-1.36, -0.79] 0.51 ± 1.46-0.96 [-1.24, -0.67] 1.47 ± 2.24 - b) レスキュー薬無使用患者の割合 61.7 (153/248) 69.8 (178/255) 73.5 (180/245) 47.9 (123/257) 各症状スコアが 0 又は 1 かつレス c) キュー薬の使用なしの日数 5.17 ± 5.91 5.59 ± 5.73 6.68 ± 6.33 3.56 ± 5.44 いずれかの症状スコアが最高 ( 鼻 c) 症状 4 眼症状 3) の日数 3.68 ± 5.44 2.21 ± 4.00 2.49 ± 4.67 5.64 ± 6.30 総合鼻症状薬物スコア平均値が b) 3 未満の患者割合 21.4 (53/248) 26.7 (68/255) 31.4 (77/245) 16.3 (42/257) a) 上段 : 平均値 ± 標準偏差 下段 : 投与群を説明変数とした線形モデルを用いた最小二乗平均値によるプラセボとの群間差 [95% CI] b) %( 例数 ) c) 平均値 ± 標準偏差 総合鼻症状薬物スコアの推移は 図 1 のとおりであり 2,000 JAU 5,000 JAU 及び 10,000 JAU 群とプ ラセボ群との群間差 ( 最小二乗平均値 ) は 期間 B においてそれぞれ -1.07-1.65 及び -1.61 期 間 C においてそれぞれ -0.73-1.21 及び -1.16 であった 図 1 評価期間を通じての総合鼻症状薬物スコア平均値の推移 ( 用量検討期 FAS) データカットオフまでに有害事象は 2,000 JAU 群 83.8%(218/260 例 ) 5,000 JAU 群 82.2%(217/264 10

例 ) 10,000 JAU 群 81.1%(210/259 例 ) プラセボ群 72.2%(187/259 例 ) に認められ 主な事象は表 9 のとおりであった 死亡は認められなかった 重篤な有害事象は 2,000 JAU 群 1.9%(5/260 例 胃腸炎 浸潤性乳管癌 脊椎圧迫骨折 鎖骨骨折 黄斑線維症各 1 例 ) 5,000 JAU 群 1.9%(5/264 例 結腸癌 意識消失 浸潤性乳管癌 挫傷 椎間板突出各 1 例 ) 10,000 JAU 群 0.8%(2/259 例 子宮頸部上皮異形成 クローン病各 1 例 ) プラセボ群 1.2% (3/259 例 腱断裂 憩室炎 レンサ球菌感染各 1 例 ) に認められ いずれも治験薬との因果関係は否定され 転帰は 5,000 JAU 群の 2 例 ( 結腸癌及び浸潤性乳管癌 ) を除き 回復又は軽快であった 中止に至った有害事象は 2,000 JAU 群 3.1%(8/260 例 浸潤性乳管癌 喘息 発疹 鼻閉 頭痛 / そう痒症 / 鼻咽頭炎 類乾癬 咳嗽 好酸球性食道炎各 1 例 ) 5,000 JAU 群 0.8%(2/264 例 浸潤性乳管癌 咽喉刺激感 ) 10,000 JAU 群 3.5%(9/259 例 クローン病 悪心 眼そう痒症 / 眼瞼浮腫 感覚鈍麻 腹部不快感 / 異物感 咳嗽 咽喉刺激感 丘疹 口腔そう痒症各 1 例 ) プラセボ群 1.2%(3/259 例 咽頭炎 / 上気道の炎症 / 緊張性膀胱 / 口内炎 / 胃炎 / 咽頭炎 バセドウ病 発疹各 1 例 ) に認められた このうち 2,000 JAU 群の 2 例 ( 浸潤性乳管癌 頭痛 / 鼻咽頭炎 ) 5,000 JAU 群の 1 例 ( 浸潤性乳管癌 ) 10,000 JAU 群の 2 例 ( クローン病 感覚鈍麻 ) 及びプラセボ群の 2 例 ( 咽頭炎 / 上気道の炎症 / 緊張性膀胱 / 胃炎 / 咽頭炎 バセドウ病 ) を除き 治験薬との因果関係は否定されなかった 副作用は 2,000 JAU 群 49.6%(129/260 例 ) 5,000 JAU 群 46.6%(123/264 例 ) 10,000 JAU 群 54.8% (142/259 例 ) プラセボ群 20.1%(52/259 例 ) に認められた 11

表 9 いずれかの本剤群で 2% 以上認められた有害事象 ( 安全性解析対象集団 ) 事象名 2,000 JAU 群 (260 例 ) 5,000 JAU 群 (264 例 ) 10,000 JAU 群 (259 例 ) プラセボ群 (259 例 ) 鼻咽頭炎 91 (35.0) 87 (33.0) 99 (38.2) 95 (36.7) 口腔浮腫 27 (10.4) 39 (14.8) 47 (18.1) 0 咽喉刺激感 41 (15.8) 32 (12.1) 41 (15.8) 6 (2.3) 耳そう痒症 30 (11.5) 32 (12.1) 36 (13.9) 7 (2.7) 咽頭炎 25 (9.6) 29 (11.0) 31 (12.0) 34 (13.1) 鼻漏 14 (5.4) 12 (4.5) 27 (10.4) 23 (8.9) 口腔そう痒症 16 (6.2) 28 (10.6) 23 (8.9) 0 インフルエンザ 15 (5.8) 27 (10.2) 18 (6.9) 14 (5.4) 口腔内不快感 12 (4.6) 18 (6.8) 18 (6.9) 1 (0.4) 口内炎 19 (7.3) 19 (7.2) 17 (6.6) 12 (4.6) 口腔咽頭不快感 13 (5.0) 16 (6.1) 16 (6.2) 3 (1.2) 鼻閉 7 (2.7) 8 (3.0) 15 (5.8) 18 (6.9) 急性副鼻腔炎 12 (4.6) 14 (5.3) 13 (5.0) 14 (5.4) 齲歯 10 (3.8) 13 (4.9) 13 (5.0) 11 (4.2) 口腔咽頭痛 9 (3.5) 6 (2.3) 13 (5.0) 6 (2.3) くしゃみ 6 (2.3) 8 (3.0) 13 (5.0) 9 (3.5) 胃腸炎 10 (3.8) 18 (6.8) 12 (4.6) 13 (5.0) 頭痛 17 (6.5) 11 (4.2) 12 (4.6) 15 (5.8) 上気道の炎症 16 (6.2) 16 (6.1) 12 (4.6) 21 (8.1) 眼そう痒症 15 (5.8) 10 (3.8) 10 (3.9) 9 (3.5) 咳嗽 7 (2.7) 7 (2.7) 10 (3.9) 12 (4.6) 蕁麻疹 6 (2.3) 8 (3.0) 8 (3.1) 6 (2.3) 口腔粘膜紅斑 4 (1.5) 6 (2.3) 8 (3.1) 0 レンサ球菌感染 2 (0.8) 3 (1.1) 8 (3.1) 5 (1.9) 湿疹 11 (4.2) 12 (4.5) 7 (2.7) 8 (3.1) 喉頭不快感 6 (2.3) 8 (3.0) 6 (2.3) 3 (1.2) 気管支炎 6 (2.3) 6 (2.3) 6 (2.3) 10 (3.9) 鼻炎 7 (2.7) 5 (1.9) 6 (2.3) 9 (3.5) 結膜炎 5 (1.9) 5 (1.9) 6 (2.3) 2 (0.8) 口腔ヘルペス 4 (1.5) 6 (2.3) 6 (2.3) 2 (0.8) そう痒症 10 (3.8) 6 (2.3) 4 (1.5) 2 (0.8) 靱帯捻挫 6 (2.3) 5 (1.9) 4 (1.5) 3 (1.2) 背部痛 5 (1.9) 7 (2.7) 3 (1.2) 4 (1.5) 腹部不快感 0 7 (2.7) 3 (1.2) 2 (0.8) 発熱 4 (1.5) 6 (2.3) 3 (1.2) 4 (1.5) 嘔吐 4 (1.5) 6 (2.3) 3 (1.2) 1 (0.4) 挫傷 7 (2.7) 8 (3.0) 2 (0.8) 6 (2.3) 麦粒腫 2 (0.8) 8 (3.0) 2 (0.8) 7 (2.7) 発疹 7 (2.7) 7 (2.7) 1 (0.4) 6 (2.3) 例数 (%) 7.R 機構における審査の概略 7.R.1 有効性について機構は 症状の程度とレスキュー薬使用の双方を反映した有効性評価方法として レスキュー薬を使用した日及びその翌日の症状スコアをレスキュー薬使用前日のスコアで代替して症状スコアを算出する方法 (Clin Exp Allergy 2011; 41: 1282-8) も報告されていることから 総合鼻症状薬物スコアによる結果との比較検討を求めた 申請者は 当該方法を用いて計算した鼻症状スコアは表 10 のとおりであり 総合鼻症状薬物スコアによる結果と同様であったと説明した 12

表 10 期間 A におけるレスキュー薬使用の影響を考慮した鼻症状スコア及び総合鼻症状薬物スコア (206-2-1 試験 FAS) 評価項目 レスキュー薬使用の影響を考慮した鼻症状スコア総合鼻症状薬物スコア ( 表 7 の再掲 ) 2,000 JAU 群 (248 例 ) 5.07 ± 2.68-1.10 [-1.56, -0.65] 5.49 ± 3.42-1.50 [-2.09, -0.90] 5,000 JAU 群 (255 例 ) 4.59 ± 2.25-1.58 [-2.04, -1.13] 4.74 ± 2.60-2.24 [-2.83, -1.65] 10,000 JAU 群 (245 例 ) 4.51 ± 2.52-1.66 [-2.11, -1.20] 4.80 ± 3.28-2.18 [-2.77, -1.58] 上段 : 平均値 ± 標準偏差下段 : 投与群を説明変数とした線形モデルを用いた最小二乗平均値によるプラセボ群との群間差 [95% CI] プラセボ群 (257 例 ) 6.17 ± 2.95-6.98 ± 4.10 - 機構は 製造方法の異なるスギ花粉エキス製剤である既承認のシダトレンと本剤との有効性の差異の説明を求めた 申請者は 以下のように説明した スギ花粉症患者を対象に本剤とシダトレンを比較した臨床試験は実施していないが 本剤の 206-2-1 試験と同時期に シダトレンの製造販売後臨床試験 ( 以下 194-4-1 試験 ) を実施していたことから 両試験の成績から考察することとした その結果 206-2-1 試験及び 194-4-1 試験における総合鼻症状薬物スコアの推移は図 2 のとおりであり 同一力価である本剤 2,000 JAU とシダトレン 2,000 JAU は同程度の有効性を示すと考えられた 図 2 206-2-1 試験及び 194-4-1 試験における TNSMS の推移 (FAS) プラセボ群 (206-2-1 試験 ) 本剤 2,000 JAU 群 (206-2-1 試験 ) シダトレン2,000 JAU 群 (194-4-1 試験 ) 機構は 以下のように考える 206-2-1 試験の総合鼻症状薬物スコア及びレスキュー薬使用の影響を考慮した解析結果から スギ花粉によるアレルギー症状の軽減に関する本剤の有効性は示されている また 外部対照との比較であるため結果解釈に注意を要するものの 本剤 2,000 JAU は スギ花粉症 ( 減感作療法 ) を効能 効果として承認されているシダトレン 2,000 JAU と同程度のアレルギー症状の軽減効果が期待できる なお 本剤の 13

長期投与時の有効性 本剤治療終了後の寛解の維持等については 製造販売後も継続して情報収集し 臨床現場へ適切に情報提供していく必要がある 以上の機構の判断については 専門協議において議論することとしたい 7.R.2 安全性について申請者は 本剤の臨床試験における有害事象の発現状況について 以下のように説明している 206-2-1 試験において 本剤群では死亡例並びにアナフィラキシー及びアナフィラキシーショックを発現した症例は認められなかった 10) アナフィラキシー関連症状及びスギ花粉アレルゲンによるアレルギー関連反応 11) と考えられる有害事象の投与時期別の発現状況は 表 11 のとおりであり 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群及び 10,000 JAU 群で概ね同様であった 認められた主な事象は 咽喉刺激感 口腔浮腫 耳そう痒症 口腔そう痒症等の局所症状であり 口腔浮腫は 投与 2 週目以降に多く認められ 咽喉刺激感 耳そう痒症及び口腔そう痒症は 投与開始 2 週目以内に多く発現しているが いずれの事象も非重篤であった シダトレンの開発時に実施した第 Ⅲ 相試験 ( 以下 194-3-1 試験 ) 及び 194-4-1 試験と本剤の臨床試験を比較した結果は 表 12 のとおりであり シダトレン 2,000 JAU の有害事象の発現率 (194-3-1 試験 : 79.7% 212/266 例 194-4-1 試験 :72.5% 169/233 例 ) と比較して 206-2-1 試験の本剤 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群及び 10,000 JAU 群における有害事象の発現率 ( それぞれ 83.8% 218/260 例 82.2% 217/264 例 及び 81.1% 210/259 例 ) は高い傾向が認められた しかし 206-2-1 試験で認められた事象は非重篤であり 発現後早期に回復していることを考慮すると 2,000 JAU 5,000 JAU 及び 10,000 JAU の安全性に特段の懸念はないと考える 以上より 本剤の投与に際しては 投与開始後早期に投与部位局所で発現するアレルギー関連反応等に留意する必要があるものの 既承認のシダトレンと比較して 本剤の安全性に特段の問題は認められていないと考える しかしながら アレルゲンを投与する治療法であることを考慮すると アナフィラキシー等の重篤な全身性の副作用が発現する可能性は否定できないと考えることから 添付文書等におけるアナフィラキシーに関する注意喚起や 製造販売後の安全管理体制の構築については 既承認のシダトレンと同様に実施する予定である なお 206-2-1 試験において 20 年月までにアナフィラキシー及びアナフィラキシーショックの発現は報告されておらず 12) 有害事象の発現状況についても承認申請時のデータから特段の変化がないことを確認した 10) アナフィラキシー関連症状とした事象 : 腹痛 上腹部痛 悪心 嘔吐 息詰まり感 発声障害 呼吸困難 くしゃみ 咽喉刺激感 喉頭刺激感 紅斑 多形紅斑 そう痒症 蕁麻疹 全身性そう痒症 11) スギ花粉アレルゲンによるアレルギー関連反応と考えられる事象 : 胃腸炎 歯肉炎 喉頭炎 歯周炎 鼻炎 リンパ節炎 リンパ節症 季節性アレルギー 口腔アレルギー症候群 舌の麻痺 アレルギー性結膜炎 眼痛 眼瞼浮腫 流涙増加 眼瞼そう痒症 眼そう痒症 耳痛 耳不快感 耳そう痒症 動悸 血管拡張 ほてり 喘息 咳嗽 咽喉乾燥 喉頭浮腫 喉頭痛 鼻閉 咽頭浮腫 鼻漏 鼻部不快感 アレルギー性咳嗽 喉頭不快感 咽頭紅斑 口腔咽頭不快感 口腔咽頭痛 上気道咳症候群 腹部不快感 アフタ性口内炎 口唇炎 下痢 口内乾燥 消化不良 胃炎 歯肉痛 歯肉腫脹 舌炎 舌痛 口唇浮腫 口唇腫脹 口腔嚢胞 口腔内出血 口腔浮腫 口腔内不快感 口腔粘膜水疱形成 口腔内痛 口内炎 顎下腺腫大 舌変色 歯肉そう痒症 口腔そう痒症 唾液腺腫瘤 口の感覚鈍麻 口の錯感覚 口腔粘膜びらん 口腔粘膜紅斑 口腔障害 舌そう痒症 口唇そう痒症 歯肉の炎症 アレルギー性皮膚炎 湿疹 痒疹 発疹 全身性皮疹 胸部不快感 胸痛 熱感 発熱 口渇 適用部位蒼白 異物感 舌損傷 12) 20 年月の用量検討期のカットオフ以降は盲検下レビューによる安全性情報 14

表 11 発現時期別のアナフィラキシー関連症状及びアレルギー関連反応の発現状況 (206-2-1 試験 安全性解析対象集団 ) 投与群 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群 10,000 JAU 群 プラセボ群 投与開始からの時期 1 週目 2 週目 3 週目 3 週目 3 週目 3 週目 1 週目 2 週目 1 週目 2 週目 1 週目 2 週目以降以降以降以降 例数 260 259 257 264 264 264 259 258 257 259 259 259 全有害事象 84 (32.3) 61 (23.6) 200 60 207 196 183 67 (25.4) 69 (26.6) 74 (28.7) 32 (12.4) 23 (8.9) (77.8) (22.7) (78.4) (76.3) (70.7) 重篤な有害事象 0 0 5 (1.9) 0 0 5 (1.9) 1 (0.4) 0 1 (0.4) 0 0 3 (1.2) 中止に至った有害事象 2 (0.8) 2 (0.8) 5 (1.9) 1 (0.4) 0 1 (0.4) 3 (1.2) 2 (0.8) 5 (1.9) 0 0 3 (1.2) 副作用 78 (30.0) 46 (17.8) 61 (23.7) 59 (22.3) 46 (17.4) 73 (27.7) 61 (23.6) 56 (21.7) 89 (34.6) 24 (9.3) 13 (5.0) 30 (11.6) アナフィラキシー関連症状 全有害事象 44 (16.9) 6 (2.3) 31 (12.1) 26 (9.8) 14 (5.3) 30 (11.4) 31 (12.0) 14 (5.4) 34 (13.2) 10 (3.9) 4 (1.5) 27 (10.4) 咽喉刺激感 30 (11.5) 3 (1.2) 10 (3.9) 15 (5.7) 11 (4.2) 11 (4.2) 21 (8.1) 11 (4.3) 13 (5.1) 4 (1.5) 2 (0.8) 1 (0.4) 呼吸困難 1 (0.4) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 発声障害 1 (0.4) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 (0.4) 喉頭刺激感 0 0 0 1 (0.4) 0 0 0 0 0 0 0 0 重篤な有害事象 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中止に至った有害事象 1 (0.4) 0 0 1 (0.4) 0 0 0 0 2 (0.8) 0 0 0 副作用 44 (16.9) 5 (1.9) 14 (5.4) 25 (9.5) 12 (4.5) 17 (6.4) 31 (12.0) 13 (5.0) 20 (7.8) 8 (3.1) 4 (1.5) 8 (3.1) アレルギー関連反応 全有害事象 51 (19.6) 46 (17.8) 113 44 123 123 57 (21.6) 50 (19.3) 56 (21.7) (44.0) (16.7) (46.6) (47.9) 21 (8.1) 12 (4.6) 86 (33.2) 口腔浮腫 1 (0.4) 15 (5.8) 13 (5.1) 0 14 (5.3) 26 (9.8) 2 (0.8) 15 (5.8) 32 (12.5) 0 0 0 口腔そう痒症 5 (1.9) 7 (2.7) 5 (1.9) 13 (4.9) 6 (2.3) 10 (3.8) 8 (3.1) 10 (3.9) 5 (1.9) 0 0 0 耳そう痒症 21 (8.1) 4 (1.5) 5 (1.9) 18 (6.8) 7 (2.7) 9 (3.4) 22 (8.5) 9 (3.5) 8 (3.1) 3 (1.2) 0 4 (1.5) 重篤な有害事象 0 0 1 (0.4) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中止に至った有害事象 1 (0.4) 1 (0.4) 2 (0.8) 0 0 0 2 (0.8) 1 (0.4) 2 (0.8) 0 0 2 (0.8) 副作用 51 (19.6) 43 (16.6) 54 (21.0) 52 (19.7) 41 (15.5) 67 (25.4) 49 (18.9) 49 (19.0) 78 (30.4) 20 (7.7) 10 (3.9) 27 (10.4) 例数 (%) 表 12 本剤とシダトレンの安全性の比較 (194-3-1 194-4-1 及び 206-2-1 試験 安全性解析対象集団 ) 試験名 194-3-1 試験 194-4-1 試験 206-2-1 試験シダトレンプラセボシダトレン 2,000 JAU 5,000 JAU 10,000 JAU 投与群 (266 例 ) (265 例 ) (233 例 ) (260 例 ) (264 例 ) (259 例 ) プラセボ (259 例 ) 全体全有害事象 212 (79.7) 189 (71.3) 169 (72.5) 218 (83.8) 217 (82.2) 210 (81.1) 187 (72.2) 重篤な有害事象 7 (2.6) 6 (2.3) 0 5 (1.9) 5 (1.9) 2 (0.8) 3 (1.2) 中止に至った有害事象 5 (1.9) 3 (1.1) 4 (1.7) 8 (3.1) 2 (0.8) 9 (3.5) 3 (1.2) 副作用 36 (13.5) 14 (5.3) 74 (31.8) 129 (49.6) 123 (46.6) 142 (54.8) 52 (20.1) アナフィラキシー関連症状全有害事象 18 (6.8) 13 (4.9) 33 (14.2) 72 (27.7) 61 (23.1) 68 (26.3) 35 (13.5) 呼吸困難 0 0 1 (0.4) 1 (0.4) 0 0 0 発声障害 1 (0.4) 0 0 1 (0.4) 0 0 1 (0.4) 喉頭刺激感 0 0 0 0 1 (0.4) 0 0 重篤な有害事象 0 0 0 0 0 0 0 中止に至った有害事象 0 0 3 (1.3) 1 (0.4) 1 (0.4) 2 (0.8) 0 副作用 9 (3.4) 4 (1.5) 26 (11.2) 58 (22.3) 48 (18.2) 58 (22.4) 16 (6.2) アレルギー関連反応全有害事象 72 (27.1) 51 (19.2) 92 (39.5) 145 (55.8) 156 (59.1) 159 (61.4) 101 (39.0) 口腔浮腫 10 (3.8) 0 10 (4.3) 27 (10.4) 39 (14.8) 47 (18.1) 0 口腔そう痒症 3 (1.1) 2 (0.8) 5 (2.1) 16 (6.2) 28 (10.6) 23 (8.9) 0 耳そう痒症 3 (1.1) 1 (0.4) 11 (4.7) 30 (11.5) 32 (12.1) 36 (13.9) 7 (2.7) 重篤な有害事象 0 0 0 1 (0.4) 0 0 0 中止に至った有害事象 0 0 3 (1.3) 4 (1.5) 0 4 (1.5) 2 (0.8) 副作用 30 (11.3) 10 (3.8) 60 (25.8) 106 (40.8) 114 (43.2) 127 (49.0) 46 (17.8) 例数 (%) 15

機構は 以下のように考える 194-3-1 試験及び 194-4-1 試験のシダトレン群と比較して 206-2-1 試験の本剤群でアレルギー関連反応の有害事象の発現率が高いものの 重篤な有害事象や中止に至った有害事象の発現率はプラセボ群と比較して明らかな差は認められておらず 提出されたデータからは 本剤の安全性に特段の懸念は認められていない また 申請者の説明に加え アナフィラキシーに関連する事象として 206-2-1 試験で認められた呼吸困難 発声障害 喉頭刺激感の発現状況を検討した結果 本剤群とプラセボ群との間に明らかな差は認められず ( 表 11 参照 ) 現時点で 臨床使用で問題となるようなアナフィラキシーの発現リスクは示唆されていない しかしながら 本剤はスギ花粉アレルゲンを投与する治療法であること及び臨床試験で評価された症例数は限られていることから 臨床使用においてアナフィラキシーが発現する可能性は否定できない そのため シダトレンと同様 医療関係者及び患者に対して 本剤投与に伴う局所性及び全身性のアレルギー症状の発現について十分に注意喚起する必要がある また 本剤の投与開始初期に口腔浮腫 咽喉刺激感等の有害事象の発現が多く認められることから 本剤の投与開始初期には特に有害事象の発現に注意するよう 注意喚起する必要がある 以上の機構の判断については 専門協議において議論することとしたい 7.R.3 臨床的位置付けについて機構は 以下のように考える 国内の診療ガイドライン ( 鼻アレルギー診療ガイドライン 2016 年版ライフ サイエンス, 2015) において 減感作療法は 対症療法とは異なり 原因となるアレルゲンを繰り返し投与することにより 原因アレルゲンに対する感受性を低下させる治療法とされる また 長期の寛解維持や 他のアレルゲンへの重複感作を抑制することが可能との報告もある (N Engl J Med 1999; 341: 468-75 Curr Opin Allergy Clin Immunol 2003; 3: 139-45 J Allergy Clin Immunol 1997; 99: 450-3 等 ) 当該ガイドラインでは 舌下免疫療法 ( 減感作療法 ) は患者の重症度にかかわらず 基礎治療として適用可能とされていることを踏まえると 本剤の適用対象は 既に承認されているシダトレンと同様 スギ花粉症患者全般と想定され 抗ヒスタミン薬等の一般的な薬物治療の施行の有無にかかわらず使用されると想定される しかしながら 舌下免疫療法 ( 減感作療法 ) はアナフィラキシーの発現リスクを伴う治療法であることから 患者の症状 治療歴等を踏まえ 他の治療法も勘案した上で 本剤の適用の可否を判断する旨を添付文書等において注意喚起することが適切である なお 7.R.1 及び 7.R.2 の検討を踏まえると 既に承認されているシダトレンと比較し 有効性については本剤 2,000 JAU で同程度 本剤 5,000 JAU ではより高い傾向が示唆され 安全性については大きく異なる点は示唆されていない 7.R.4 効能又は効果について機構は 提出された資料 7.R.1 及び 7.R.2 の項における検討を踏まえ 承認申請どおり 本剤の効能 効果を スギ花粉症 ( 減感作療法 ) と設定することは可能と考える 16

7.R.5 用法及び用量について申請者は 小児患者も含め 本剤の維持用法として 5,000 JAU の 1 日 1 回投与と設定した根拠について 以下の点に基づき説明している 206-2-1 試験の期間 A における総合鼻症状薬物スコアから 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群及び 10,000 JAU 群の有効性が確認され 5,000 JAU 群は 2,000 JAU 群よりも高い有効性が示唆された一方 5,000 JAU 群と 10,000 JAU 群の有効性は同程度であった (7.1 参照 ) 206-2-1 試験において 投与開始後早期に口腔咽頭症状等の有害事象が認められたものの 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群及び 10,000 JAU 群で特段の問題となる安全性上の懸念は示されていない (7.R.2 参照 ) 206-2-1 試験の期間 A における総合鼻症状薬物スコアは 5 歳以上 18 歳未満の部分集団と全体集団で同様の傾向が認められた ( 表 13 参照 ) また 5 歳以上 12 歳未満の部分集団に咽喉刺激感等の有害事象の発現率が高い傾向が認められたが 重篤な有害事象や中止に至った有害事象について全体集団と比較して高い傾向は認められなかったことから ( 表 14 参照 ) 小児患者において特段の安全性上の懸念は示されておらず 小児患者も含めて同一の用法 用量を設定可能と考える 表 13 年齢区分別の期間 A における総合鼻症状薬物スコア (206-2-1 試験 FAS) 年齢区分 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群 10,000 JAU 群 プラセボ群 全体 ( 表 7 の再掲 ) 5.49 ± 3.42 (248) 4.74 ± 2.60 (255) 4.80 ± 3.28 (245) 6.98 ± 4.10 (257) -1.50 [-2.09, -0.90] -2.24 [-2.83, -1.65] -2.18 [-2.77, -1.58] - 5 歳以上 12 歳未満 6.32 ± 4.00 (34) 4.84 ± 3.01 (38) 4.67 ± 3.52 (33) 6.27 ± 4.35 (36) 0.05 [-1.72, 1.82] -1.42 [-3.15, 0.30] -1.60 [-3.38, 0.19] - 5 歳以上 18 歳未満 5.67 ± 3.47 (54) 4.87 ± 2.93 (49) 5.08 ± 4.01 (45) 6.30 ± 4.12 (49) -0.62 [-2.04, 0.80] -1.42 [-2.88, 0.03] -1.22 [-2.71, 0.27] - 上段 : 平均値 ± 標準偏差 ( 例数 ) 下段 : 投与群を説明変数とした線形モデルを用いた最小二乗平均値によるプラセボ群との群間差 [95% CI] 17

表 14 年齢区分別の安全性の概要 (206-2-1 試験 安全性解析対象集団 ) 2,000 JAU 群 5,000 JAU 群 10,000 JAU 群 プラセボ群 全体 260 例 264 例 259 例 259 例 有害事象 218 (83.8) 217 (82.2) 210 (81.1) 187 (72.2) 口腔浮腫 27 (10.4) 39 (14.8) 47 (18.1) 0 咽喉刺激感 41 (15.8) 32 (12.1) 41 (15.8) 6 (2.3) 口腔そう痒症 16 (6.2) 28 (10.6) 23 (8.9) 0 口腔粘膜紅斑 4 (1.5) 6 (2.3) 8 (3.1) 0 重篤な有害事象 5 (1.9) 5 (1.9) 2 (0.8) 3 (1.2) 中止に至った有害事象 8 (3.1) 2 (0.8) 9 (3.5) 3 (1.2) 副作用 129 (49.6) 123 (46.6) 142 (54.8) 52 (20.1) 5 歳以上 12 歳未満 35 例 38 例 34 例 36 例 有害事象 34 (97.1) 37 (97.4) 31 (91.2) 35 (97.2) 口腔浮腫 2 (5.7) 4 (10.5) 2 (5.9) 0 咽喉刺激感 4 (11.4) 5 (13.2) 9 (26.5) 1 (2.8) 口腔そう痒症 5 (14.3) 8 (21.1) 6 (17.6) 0 口腔粘膜紅斑 0 2 (5.3) 4 (11.8) 0 重篤な有害事象 1 (2.9) 0 0 1 (2.8) 中止に至った有害事象 1 (2.9) 0 1 (2.9) 0 副作用 18 (51.4) 24 (63.2) 22 (64.7) 13 (36.1) 5 歳以上 18 歳未満 56 例 49 例 46 例 49 例 有害事象 51 (91.1) 48 (98.0) 42 (91.3) 45 (91.8) 口腔浮腫 3 (5.4) 9 (18.4) 4 (8.7) 0 咽喉刺激感 6 (10.7) 9 (18.4) 11 (23.9) 1 (2.0) 口腔そう痒症 10 (17.9) 14 (28.6) 9 (19.6) 0 口腔粘膜紅斑 2 (3.6) 3 (6.1) 4 (8.7) 0 重篤な有害事象 2 (3.6) 0 0 1 (2.0) 中止に至った有害事象 2 (3.6) 0 2 (4.3) 0 副作用 31 (55.4) 33 (67.3) 29 (63.0) 15 (30.6) 例数 (%) 機構は 以下のように考える 206-2-1 試験成績から 投与開始 2 週目以降の用法 用量として 5,000 JAU の 1 日 1 回投与と設定することは可能であり 小児についても成人と同様の設定とすることに特段の問題はない また 206-2-1 試験と同様に 投与開始 1 週間は 2,000 JAU を 1 日 1 回投与と設定することに特段の問題はない なお 本剤の投与対象は年齢により区分されるものではなく 規定された用法にしたがって舌下に投与することが可能であるか等を事前に確認した上で 医師が患者ごとに本剤適用の可否を判断するものと考えることから 用法 用量には年齢下限を一律に規定せず 下記のとおり整備することが適当と判断する < 用法 用量 > 通常 成人及び 5 歳以上の小児には 投与開始後 1 週間は シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 投与 2 週目以降は シダキュアスギ花粉舌下錠 5,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下にて 1 分間保持した後 飲み込む その後 5 分間は うがいや飲食を控える ( 取消線部削除 ) 以上の機構の判断については 専門協議での議論を踏まえて最終的に判断したい 18

7.R.6 製造販売後の検討事項について機構は 7.R.2 安全性について の項における検討を踏まえ 本剤投与開始時の重篤なアナフィラキシーの発現を含め 使用実態下の本剤の安全性及び有効性について 製造販売後調査等において更に情報を収集する必要があると考える 8. 機構による承認申請書に添付すべき資料に係る適合性調査結果及び機構の判断 8.1 適合性書面調査結果に対する機構の判断医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律の規定に基づき承認申請書に添付すべき資料に対して書面による調査を実施した その結果 提出された承認申請資料に基づいて審査を行うことについて支障はないものと機構は判断した 8.2 GCP 実地調査結果に対する機構の判断医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律の規定に基づき承認申請書に添付すべき資料 (CTD 5.3.5.1-1) に対して GCP 実地調査を実施した その結果 提出された承認申請資料に基づいて審査を行うことについて支障はないものと機構は判断した 9. 審査報告 (1) 作成時における総合評価提出された資料から スギ花粉症に対する減感作療法における本剤の有効性は示されているものと判断する 本剤の安全性については アナフィラキシー等の重篤な全身性反応が発現する可能性があることから 他の減感作療法用製剤と同様に 安全対策を徹底する必要があり そのための医療関係者 患者等に対する教育及び指導が必須と考える また 製造販売後には 使用実態下における本剤投与時の安全性及び有効性について情報収集し 得られた情報は速やかに医療関係者 患者等に対して適切に提供していく必要があると考える 上記の安全対策が遵守されることを前提として 専門協議での検討を踏まえて特に問題がないと判断できる場合には 本剤を承認して差し支えないと考える 10. その他国内第 Ⅱ/Ⅲ 相試験で用いられた主な有効性評価項目の定義等は 表 15 及び 16 のとおりである 表 15 有効性評価項目の定義 評価項目総合鼻症状スコア (TNSS) 総合眼症状スコア (TOSS) 総合鼻症状薬物スコア (TNSMS) 総合鼻眼症状薬物スコア (TNOSMS) 総合眼症状薬物スコア (TOSMS) 総合鼻眼症状スコア (TNOSS) 総合鼻眼薬物スコア (TNOMS) レスキュー薬無使用患者 定義くしゃみスコア 鼻汁スコア 鼻閉スコアの合計眼のかゆみスコア 涙目スコアの合計 TNSS 薬物スコア( 鼻 ) の合計 TNSS TOSS 薬物スコア( 鼻 ) 薬物スコア( 眼 ) の合計 TOSS 薬物スコア( 眼 ) の合計 TNSS TOSS の合計薬物スコア ( 鼻 ) 薬物スコア( 眼 ) の合計レスキュー薬を一度も使用していない患者 19

表 16 各症状スコア及び薬物スコアの算出基準 症状スコアの算出基準 0 1 2 3 4 くしゃみ なし 1 日 1~5 回 1 日 6~10 回 1 日 11~20 回 1 日 21 回以上 鼻汁 ( 擤鼻回数 ) なし 1 日 1~5 回 1 日 6~10 回 1 日 11~20 回 1 日 21 回以上 鼻閉 なし 口呼吸はない ときどき口呼吸あり かなりの時間で口呼吸 1 日中完全な鼻閉 眼のかゆみ なし 少し痒い かなり痒い 痒くてたまらない 涙目 なし 涙が出るが支障ない 涙がかなり出る 涙で物事が手につかない 薬物スコアの算出基準 鼻症状に対するレスキュー薬を 1 剤使用につき 3( 最大 6) 眼症状に対するレスキュー薬を 1 剤使用につき 3( 最大 3) 以上 20

審査報告 (2) 平成 29 年 8 月 21 日 申請品目 [ 販売名 ] シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU [ 一般名 ] なし [ 申請者 ] 鳥居薬品株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 27 年 12 月 25 日 1. 審査内容専門協議及びその後の医薬品医療機器総合機構 ( 以下 機構 ) における審査の概略は 以下のとおりである なお 本専門協議の専門委員は 本品目についての専門委員からの申し出等に基づき 医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達 ( 平成 20 年 12 月 25 日付け 20 達第 8 号 ) の規定により 指名した 1.1 有効性 安全性 効能 効果について シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU 同スギ花粉舌下錠 5,000 JAU ( 以下 本剤 ) の有効性 安全性及び効能 効果について 審査報告 (1) に記載した機構の判断は 専門委員により支持された 1.2 用法 用量について本剤の用法 用量について 専門委員より以下の意見が出され 審査報告 (1) に記載した機構の判断は支持された 特に低年齢の小児患者に対して本剤を使用する場合 減感作療法に関する知識や経験を有する医師による管理のもとで 適切な患者選択がなされるとともに 患者及び保護者等に対して本剤投与時のリスクに関する注意喚起が行われることが重要であり 具体的かつ適切な情報が提供されることが望まれる 機構は 上記の内容について製造販売後の資材において対応するよう申請者に指示し 申請者は適切に対応した 1.3 医薬品リスク管理計画 ( 案 ) について本剤の製造販売後の安全対策について 審査報告 (1) に示した機構の判断は 専門委員により支持された 機構は 現時点における本剤の医薬品リスク管理計画 ( 案 ) に 表 17 に示す安全性検討事項及び有効性に関する検討事項を設定すること 表 18 に示す追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動を実施することが適切と判断し これらの事項を検討可能な製造販売後の調査の実施を申請者に指示した 21

表 17 医薬品リスク管理計画 ( 案 ) における安全性検討事項及び有効性に関する検討事項 安全性検討事項重要な特定されたリスク 重要な潜在的リスク 重要な不足情報 ショック アナフィラキシー なし なし 有効性に関する検討事項 使用実態下における有効性 長期使用における有効性 表 18 医薬品リスク管理計画 ( 案 ) における追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動の概要 追加の医薬品安全性監視活動追加のリスク最小化活動 市販直後調査 市販直後調査による情報提供 a) スギ花粉症患者における製造販売後臨床試験 医療関係者向け資材の作成 配布 特定使用成績調査( 長期投与 ) 患者向け資材の作成 配布 適正使用管理体制の構築 a) 本剤の承認取得後に 206-2-1 試験を製造販売後臨床試験に切り替えて継続する 申請者は 以下のとおり説明した 表 19 のとおり スギ花粉症患者を対象に 観察期間を 2 年間 目標例数を 500 例とする特定使用成績調査を実施し 使用実態下での長期投与における本剤の安全性及び有効性について検討する また 本調査においては 臨床試験での検討例数が限られる高齢者 小児患者の安全性等についても検討する さらに 実施中の 206-2-1 試験は製造販売後臨床試験として継続し 本剤投与終了後の有効性の持続期間 寛解を達成するために必要な投与期間等について検討する 表 19 特定使用成績調査計画の骨子 ( 案 ) 目 的 医薬品製造販売後の使用実態下での長期投与における安全性及び有効性を把握し 検討する 調査方法 中央登録方式 対象患者 スギ花粉症患者 観察期間 2 年間 予定症例数 500 例 重点調査項目: ショック アナフィラキシー 患者背景( 年齢 重症度 罹病期間 合併症 前治療等 ) 本剤の投与状況 主な調査項目 併用薬剤/ 併用療法 スギ花粉症に対する免疫学的検査値 有害事象 有効性評価 2. 総合評価以上の審査を踏まえ 機構は 下記の承認条件を付した上で 承認申請された効能又は効果並びに用法及び用量を以下のように整備し 承認して差し支えないと判断する 本品目は新有効成分含有医薬品であることから再審査期間は 8 年 生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず 原体及び製剤はいずれも毒薬又は劇薬のいずれにも該当しないと判断する [ 効能又は効果 ] スギ花粉症 ( 減感作療法 ) [ 用法及び用量 ] 通常 成人及び 5 歳以上の小児には 投与開始後 1 週間は シダキュアスギ花粉舌下錠 2,000 JAU を 1 22

日 1 回 1 錠 投与 2 週目以降は シダキュアスギ花粉舌下錠 5,000 JAU を 1 日 1 回 1 錠 舌下にて 1 分間保持した後 飲み込む その後 5 分間は うがいや飲食を控える ( 申請時より取消線部削除 ) [ 承認条件 ] 1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識 経験をもつ医師によってのみ処方 使用されるとともに 本剤のリスク等について十分に管理 説明できる医師 医療機関のもとでのみ用いられ 薬局においては調剤前に当該医師 医療機関を確認した上で調剤がなされるよう 製造販売にあたって必要な措置を講じること 以上 23