目次 市販直後調査結果の概要 3 1. 調査対象 3 2. 副作用の収集状況 3 医薬品リスク管理計画書 (RMP) におけるリスクについて 6 その他の副作用について 7 まとめ 8 2

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Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

レキサルティに係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ( 別紙様式 ) レキサルティ錠 1mg 販売名有効成分ブレクスピプラゾールレキサルティ錠 2mg 製造販売業者大塚製薬株式会社薬効分類 安全性検討事項 提出年月 重要な特定されたリスク 平成 30 年 5 月 錐

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p 13

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エビリファイに係る ( 別紙様式 ) 販売名 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 1 エビリファイ錠 1 mg /3 mg /6 mg /12 mg 2 エビリファイ散 1% 3 エビリファイ内用液 0.1% 4 エビリファイ OD 錠 3 mg /6 mg /12 mg /24 mg 5

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

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改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

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症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

レクタブル 2 mg 注腸フォーム 14 回に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 レクタブル 2 mg 注腸フ 有効成分 ブデソニド ォーム14 回 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 29 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特

改訂内容 ( 部追加 改訂 部削除 ) ビ シフロール 錠, ミラペックス LA 錠 共通 改 訂 後 改 訂 前 2. 重要な基本的注意 2. 重要な基本的注意 (5) レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により 病的賭博 ( 個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず 持続的に

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

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日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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タルグレチンカプセル75mg‗副作用報告状況

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

保険薬局の登録 ~ クロザリルは CPMS に登録された保険薬局で調剤され 通院患者に渡されることにな っています CPMS 登録にあたり薬局には下記要件が求められます < 要件 1> 1) インターネットが使えること (ecpms(web site) にアクセス可能であること ) 2) 処方元の医

市販直後調査の実施状況 デベルザ 錠 アプルウェイ 錠 一般的名称 イプラグリフロジン L- プロリン ダパグリフロジンプロピレン グリコール水和物 ルセオグリフロジン水和物 トホグリフロジン水和物 調査実施期間 製造承認 2014/04/30 製造承認 2014/08/22 製造承認 2014/0

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重篤な副作用は 自然流産の 1 例 1 件であった 本症例は 本剤服用後も性交があり どの時点での妊娠か判断できず 本剤と自然流産との関連は評価できないと考えた 非重篤な副作用のうち 使用上の注意から予測できない副作用は 腹部膨満及び月経困難症各 2 件 腹部不快感 口内炎 ざ瘡 尿臭異常 月経障害

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

減量・コース投与期間短縮の基準

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添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

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目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

はじめにContents調査概要注意を要する副作用の発現状況2 1. はじめに 謹啓 先生方におかれましては ますますご清祥のこととお慶び申し上げます 平素は 格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます PDE4 阻害剤 オテズラ錠 10mg 20mg 30mg ( 以下 オテズラ ) は2016 年

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平 成 17 年 3 月

⑵ 原則として抗悪性腫瘍剤の投与前に本剤を投与し がん化学療法の各サイクルにおける本剤の投与期間は 6 日間までを目安とすること 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) ⑴ 糖尿病の家族歴 高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者 [ 重要な基本的注意 の項参

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*2019 年 3 月改訂 ( 第 2 版 使用上の注意の項の改訂 ) 2019 年 2 月作成 抗精神病剤 日本標準商品分類番号 DK2-1 劇薬処方箋医薬品 ( 注意 - 医師等の処方箋により使用すること ) Quetiapine Fumarate Tablets FFP 貯法 :

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糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

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医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

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2. 改訂内容と改訂理由 (1) 効能 効果 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 効能 効果 気管支喘息 ( 既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る ) 既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉 改訂前 効能 効果 気管支喘息 ( 既存治療によっても喘息症状をコントロ

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この薬は? 販売名 一般名 シクレスト舌下錠 5mg シクレスト舌下錠 10mg シクレスト舌下錠 5mg SYCREST SUBLINGUAL TABLETS 5mg アセナピンマレイン酸塩 Asenapine Maleate 患者向医薬品ガイド 2016 年 5 月作成 シクレスト舌下錠 10m

など ) があらわれることがあるため 血糖値を測定される場合があります 患者や家族の方は 高血糖 ( 激しいのどの渇き 水やジュースをたくさん飲む 尿の量が多い 尿の回数が多い ) や低血糖があらわれることがあることを十分に理解できるまで説明を受けてください これらの症状があらわれたらただちに受診し

形状淡黄色の素錠 ( 口腔内崩壊錠 ) 大き外 形 OD 錠 5mg ニプロ OD 錠 さ厚さ (mm) 直径 (mm) 重量 (mg) 本体表示 OD 5 ニプロ OD 10 ニプロ 販売名細粒 1% ニプロ 性状微黄色の細粒 効能 効果 統合失調

菌種 報告年 株数 MIC(μg/mL) Range MIC50 MIC > ( 幾何平均 ) C.tropicalis >

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この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇意識がもうろうとしたり 睡眠中の異常行動 ( たとえば夢遊症状 : 眠っているときに突然起き上がり 目が覚めているかのように歩き回ったりするなど ) があらわれることがあります また 眠りに入るまでの あるいは途中で目が覚めた時の出来事を記憶していないことがあ

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1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

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この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 錠中 ) オランザピン錠 2.5mg トーワ オランザピン錠 5mg トーワ オランザピン錠 10mg トーワ オランザピン錠 2.5mg トーワ OLANZAPINE TABLETS 2.5mg TOWA オランザピン錠 5mg トーワ OLANZAPIN

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

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患者向医薬品ガイド フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg Fycompa Tablets 2mg Fycompa Tablets 4mg 一般名 ペランパネル水和物 Perampanel Hydrate

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シダキュアスギ舌下錠 2,000JAU 5,000JAU に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 シダキュアスギ舌下錠 2,000JAU,5,000JAU 有効成分 スギ花粉エキス原末 承認取得者名 鳥居薬品株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 8 月 1.1.

改訂を反映2018年5月作成_オランザピンOD錠_ガイド

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受容体拮抗薬 NK1 受容体拮抗薬等と併用して使用する なお 併用するコルチコステロイド 5-HT3 受容体拮抗薬 NK1 受容体拮抗薬等の用法 用量については 各々の薬剤の添付文書等 最新の情報を参考にすること 2 原則として抗悪性腫瘍剤の投与前に本剤を投与し がん化学療法の各サイクルにおける本剤

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用法 用量 通常 成人にはクエチアピンとして 1 回 25mg 1 日 2 又は 3 回より投与を開始し 患者の状態に応じて徐々に増量する 通常 1 日投与量は 150~600mg とし 2 又は 3 回に分けて経口投与する なお 投与量は年齢 症状により適宜増減する ただし 1 日量として 750

販売名 有効成分名 再審査報告書 1 レキップ CR 錠 2 mg 2 レキップ CR 錠 8 mg ロピニロール塩酸塩 平成 29 年 9 月 26 日医薬品医療機器総合機構 申請者名グラクソ スミスクライン株式会社 承認の効能 効果承認の用法 用量承認年月日再審査期間 パーキンソン病 通常 成人

DRAFT#9 2011

クロザリルの説明文書

改訂前 用法 用量 多発性骨髄腫デキサメタゾンとの併用において 通常 成人にはレナリドミドとして 1 日 1 回 25 mg を 21 日間連日経口投与した後 7 日間休薬する これを 1 サイクルとして投与を繰り返す なお 患者の状態により適宜減量する 5 番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群

Transcription:

ビプレッソ 徐放錠 50 mg 150 mg 一般名 : クエチアピンフマル酸塩 市販直後調査結果のご報告 ( 集計期間 : 製造販売承認取得 ~2018 年 4 月 26 日 ) 謹啓時下 益々ご清祥のこととお慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます さて 2017 年 10 月 27 日に販売開始いたしましたビプレッソ 徐放錠 50 mg および 150 mg は 市販 直後調査を実施してまいりましたが 2018 年 4 月 26 日をもちまして終了いたしました 本調査期間中に収集されました副作用の集計結果がまとまりましたので ご報告申し上げます 本調査の実施にあたり 多くの先生方および病医院関係者の皆様にご協力を賜りましたことを ここに厚く御礼申し上げます 今後も本剤の適正使用のため 安全管理情報の収集に努めてま いりますので 引き続きご指導 ご鞭撻の程 よろしくお願い申し上げます 謹白 2018 年 8 月 共和薬品工業株式会社

目次 市販直後調査結果の概要 3 1. 調査対象 3 2. 副作用の収集状況 3 医薬品リスク管理計画書 (RMP) におけるリスクについて 6 その他の副作用について 7 まとめ 8 2

市販直後調査結果の概要 1. 調査対象販売名 : ビプレッソ 徐放錠 50 mg 150 mg 調査実施期間 : 2017 年 10 月 27 日 ~ 2018 年 4 月 26 日調査対象医療機関数 : 病院 352 施設 診療所 1,051 施設 2. 副作用の収集状況市販直後調査実施期間中に収集された副作用は 88 例 (118 件 ) でした 副作用の器官別大分類別収集状況は 神経系障害が 58 例 (63 件 ) と最も多く 次いで一般 全身障害および投与部位の状態 11 例 (12 件 ) 精神障害 7 例 (11 件 ) でした 主な副作用は 傾眠 43 件 浮動性めまい 7 件 倦怠感 口渇各 4 件でした 重篤な副作用は 錐体外路障害 横紋筋融解症 各 1 件の2 例 2 件でした ( 図 1 表 1) 図 1 副作用の器官別大分類別収集状況 ( 件数 ) 3

表 1. 副作用収集状況一覧 器官別大分類基本語総計うち重篤 内分泌障害 高プロラクチン血症 1 謝および栄養障害 過食 2 食欲亢進 1 高脂血症 1 精神障害 攻撃性 1 軽躁 1 衝動行為 1 不眠症 2 易刺激性 3 落ち着きのなさ 2 自殺念慮 1 神経系障害 アカシジア 2 健忘 1 前向性健忘 2 意識レベルの低下 1 浮動性めまい 7 錐体外路障害 2 1 頭痛 2 感覚鈍麻 1 鎮静 1 傾眠 43 失神 1 眼障害 * 霧視 1 心臓障害 動悸 2 血管障害 起立性低血圧 2 呼吸器 胸郭および縦隔障害 * 喘息 1 * しゃっくり 1 胃腸障害 腹部膨満 1 上腹部痛 2 便秘 2 嚥下障害 1 悪心 1 嘔吐 1 皮膚および皮下組織障害 アレルギー性皮膚炎 1 発疹 2 筋骨格系および結合組織障害 関節痛 1 横紋筋融解症 1 1 筋骨格硬直 1 腎および尿路障害 尿閉 1 生殖系および乳房障害 月経遅延 1 一般 全身障害および投与部位の状態 薬物相互作用 1 * 異常感 1 倦怠感 4 浮腫 1 末梢性浮腫 1 口渇 4 臨床検査 体重増加 3 傷害 中毒および処置合併症 鎮静合併症 1 *: 未知事象 ( 添付文書の 使用上の注意 から予測でき副作用 ) 118 2 4

集計表をご参照いただくときの注意事項 集計表の副作用名は 報告いただいた副作用名を ICH 国際医薬用語集日本語版 (MedDRA/J21.0) の基本語 (PT: Preferred Term) に読み替えて集計しております 調査中の症例も含めて集計しておりますので 副作用名 新規性 重篤性及び本剤との因果関係等が確定してい症例も含まれています また 調査によって得られた追加情報によりこれらが変更 修正されることがございます 重篤の件数は 先生方及び医療関係者の方々から重篤とご報告いただきました件数と 重篤とはご報告いただいておりませんが社内検討により重篤と判断した件数の合計です 自発報告からの集計のため 総使用症例数が明らかではありません したがって 発現頻度は不明です 5

医薬品リスク管理計画書 (RMP) におけるリスクについて 1. 重要な特定されたリスク 当該調査単位期間中に 重要な特定されたリスクに該当する副作用として 横紋筋融解症 1 件 ( 重篤 ) および 高脂血症 1 件 ( 重篤で ) の 2 例 2 件が報告されました ( 表 2) No. 表 2. 重要な特定されたリスクに該当する副作用の症例一覧 性別 1 男性 年 50 副作用名 ( 基本語 ) 原疾患合併症 使用薬剤 横紋筋融解症 双極 1 型障害 炭酸リチウム, ブロマゼパム, フルニトラゼパム, クロルプロマジン塩酸塩, プロメタジン塩酸塩 報告者による重篤性 転帰 投与開始から発現までの日数 発現から回復までの日数 非重篤 回復 約 40 日 不明 ( 約 1 か 月後 ) 報告者による因果関係 否定でき 2 女性 40 高脂血症 双極性障害 エスゾピクロン, ペモリ ン, ジクロフェナクナト リウムゲル 非重篤 不明 71 日 不明 否定でき 2. 重要な潜在的リスク 当該調査単位期間中に 重要な潜在的リスクに該当する副作用として 自殺念慮 1 件 易刺激性 3 件 攻撃性 1 件 軽躁 1 件 尿閉 1 件 ( いずれも重篤で ) の 5 例 7 件が報告されました ( 表 3) No 表 3. 重要な潜在的リスクに該当する副作用の症例一覧 性別 1 女性 年 20 副作用名 ( 基本語 ) 自殺念慮易刺激性攻撃性 原疾患合併症 双極性障害摂食障害社交不安障害 使用薬剤 ロラゼパム, デュロキセチン塩酸塩, ビフィズス菌製剤 報告者による重篤性 転帰 投与開始から発現までの日数 発現から回復までの日数 報告者による因果関係 非重篤 回復 10 日 29 日 否定でき 2 女性 30 易刺激性 双極性障害 ゾピクロン, ゾルピデム酒石酸塩, トラゾドン塩酸塩, ロフラゼプ酸エチル 非重篤 回復 3 日 6 日 否定でき 3 女性 20 易刺激性 双極性障害 トリアゾラム, トラゾドン塩酸塩, ロフラゼプ酸エチル, 炭酸リチウム, ロラゼパム, レボメプロマジンマレイン酸塩 非重篤 回復 2 日 1 日 否定でき 4 男性 60 軽躁 双極性障害前立腺肥大症頻尿 イミダフェナシン, シロドシン, 炭酸リチウムフルニトラゼパム 非重篤 軽快 8 日 25 日 否定でき 5 女性 40 尿閉 双極性障害 非重篤 回復 不明 不明 否定でき 6

その他の副作用について 1. 重篤症例当該調査単位期間中に 重篤症例として 横紋筋融解症 および 錐体外路障害 各 1 件の 2 例 2 件が報告されました ( 表 4) 横紋筋融解症 の1 例は P.6 重要な特定されたリスク ( 表 2. No.1) をご参照下さい No. 表 4. 重篤症例 : 錐体外路障害 性別 1 男性 年 20 副作用名 ( 基本語 ) 錐体外路障害 原疾患合併症 統合失調症双極 1 型障害 使用薬剤 アセナピンマレイン酸塩, ゾピクロン, トリヘキシフェニジル塩酸塩 報告者による重篤性 転帰 投与開始から発現までの日数 発現から回復までの日数 報告者による因果関係 重篤 軽快 26 日 46 日 否定でき 2. 傾眠 当該調査単位期間中に 最も報告件数の多い副作用として 傾眠 43 例 43 件が報告されました 43 件の報告状況は以下の通りでした ( 表 5) 表 5. 傾眠の報告状況 性別 年別 投与開始から発現までの期間 発現時の 1 日投与量 転帰 男性 :11 件 女性 :26 件 不明 :6 件 10 :2 件 20 :7 件 30 :3 件 40 :12 件 50 :5 件 60 :4 件 70 :2 件 成人 :1 件 高齢者 :3 件 不明 :4 件 2 日以内 :14 件 3~7 日 :8 件 8~14 日 :4 件 1 か月以内 :1 件 2~3 か月 :1 件 不明 :15 件 50 mg/ 日 :25 件 150 mg/ 日 :10 件 300 mg/ 日 :3 件 不明 5 件 回復 :31 件 軽快 :4 件 未回復 :1 件 不明 :7 件 7

まとめ 本調査の結果から 使用上の注意の改訂等の新たな安全確保措置を必要とするものはありませんでした しかしながら RMPに設定した重要な特定されたリスクや重要な潜在的リスクに関連した副作用が報告され 本剤の投与開始後に 自殺念慮 軽躁 易刺激性 などの自殺につながるおそれのある副作用が発現したとの報告も入手しております つきましては 本剤投与にあたっては 引き続き 添付文書 使用上の注意 の重要な基本的注意や重大な副作用に記載している副作用の発現にご留意いただき 患者さまの状態や病態の変化を注意深く観察し 異常が認められた場合には本剤を中止するなどの適切な処置をお願い致します また 本調査期間中に報告はありませんでしたが 本剤投与中に高血糖 糖尿病 低血糖などの血糖関連の副作用が発現することが知られております そのため 添付文書において 糖尿病を有する患者さまや糖尿病の既往歴を有する患者さまへの投与は禁忌とし 本剤投与中には血糖値の測定等の観察を十分に行っていただくようお願いをしております 引き続き 新規の患者さまに本剤を投与開始する際には 糖尿病及び既往の有無をご確認いただき 投与中には血糖値の推移や高血糖 低血糖の症状の発現に注視し 異常が認められた際には本剤の投与を中止いただきますよう 重ねてお願い致します 市販直後調査は 2018 年 4 月 26 日で終了致しましたが 今後も ビプレッソ徐放錠 50 mg 150 mg の情 報収集に努め 適正使用につながる情報提供を必要に応じて行う所存です 先生方におかれまして も 引き続きご協力を賜りますよう 宜しくお願い申し上げます ビプレッソ 徐放錠 50 mg 150 mg 添付文書 警告 1. 著しい血糖値の上昇から 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し 死亡に至る場合があるので 本剤投与中は 血糖値の測定等の観察を十分に行うこと 2. 投与にあたっては あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを 患者及びその家族に十分に説明し 口渇 多飲 多尿 頻尿等の異常に注意し このような症状があらわれた場合には 直ちに投与を中断し 医師の診察を受けるよう 指導すること ( 重要な基本的注意 の項参照) 禁忌 ( 次の患者には投与しこと ) 1. 昏睡状態の患者 [ 昏睡状態を悪化させるおそれがある ] 2. バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者 [ 中枢神経抑制作用が増強される ] 3. アドレナリンを投与中の患者 ( アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く )( 相互作用 の項参照 ) 4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 5. 糖尿病の患者 糖尿病の既往歴のある患者 効能 効果 双極性障害におけるうつ症状の改善 用法 用量 通常 成人にはクエチアピンとして 1 回 50mg より投与を開始し 2 日以上の間隔をあけて 1 回 150mg へ増量する その後 さらに 2 日以上の間隔をあけて 推奨用量である 1 回 300mg に増量する なお いずれも 1 日 1 回就寝前とし 食後 2 時間以上あけて経口投与すること 8

ビプレッソ 徐放錠 50 mg 150 mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) 重要な特定されたリスク 1. 高血糖 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡 2. 低血糖 3. 悪性症候群 4. 横紋筋融解症 5. 痙攣 6. 無顆粒球症 白血球減少 7. 肝機能障害 黄疸 8. 麻痺性イレウス 9. 遅発性ジスキネジア 10. 肺塞栓症 深部静脈血栓症 11. 離脱症候 12. 脂質謝異常 重要な潜在的リスク 1. 自殺念慮 自殺行動 2. 敵意 攻撃性 3. 尿閉 4. QT 延長 5. 膵炎 9