Intelligence Holdings, Ltd. 労働市場の未来推計 2025 年 このままいくと何万人足りなくなるのか? June 17, 2016 0
推計結果 - 1 -
このままいくと 2025 年に 経済成長率 0.8% 生産性伸び率 0.9% 女性 ( 年齢問わず ) の労働力率 49.2% 65 歳以上男性の労働力率 30.2% 65 歳以上女性の労働力率 15.5% 万人 の労働力が不足する 2016 年現在は 248 万人 - 2 -
583 万人の不足を埋める現実的な解は 1. 生産性向上 ( 生産性伸び率 0.9% 1.2%) 114 2. 女性 (30~64 歳 ) の労働参加促進 ( 例 :35~39 歳女性の労働参加率 75.5% 89.3%) 313 3. 男女シニア (65~69 歳 ) の労働参加促進 ( 例 :65~69 歳男性の労働参加率 67.6% 81.1%) 121 4. 外国人の労働参加促進 ( 例 : 労働人口に占める外国人の割合 1.4% 2.8%) 34 万人の需要減万人の供給増万人の供給増万人の供給増 合計 582 万人 - 3 -
今回の推計方法 需要 2025 年の目標実質 GDP を実現するために必要な就業者数を推計 供給 将来推計人口から 人口減少に伴い就業者数がどう変化するかを推計 国民経済計算 ( 実質国内総生産 ) 産業別国内総生産 2 ケースを設定 1 高成長 2 低成長 2% 0.8% 国内総生産 労働生産性 労働時間 産業別雇用者数 就業者数 国民経済計算 ( 雇用者数 労働時間 ) トレンド推計 産業別労働生産性 2014 年の 就業者数に占める雇用者の割合 を使用 副業分の調整実施 4% 産業別就業者数 ( 国民経済計算の産業分類 ) 労働生産性 = 実質 GDP ( 雇用者数 労働時間 ) 需給ギャップ 産業別需給ギャップ 国立社会保障 人口問題研究所 ( 総人口推計 ) 6,484 万人 5,901 万人 583 万人不足 上記推計と同じ枠組みで 県民経済計算等を用いて計算 推計就業者数 産業別就業者割合推計 ( 国勢調査分類 ) 労働力調査 ( 労働力率 ) 産業別就業者数 ( 国民経済計算の産業分類 ) 労働力調査 ( 完全失業率 ) 2パターンを設定 2015 年失業率で 1トレンド固定 3.4% 2 労働参加率向上 国勢調査 ( 産業別就業者割合 ) トレンド推計 地域別推計 - 4 -
今後の経済成長の見込み 内閣府の試算を用い 今後の経済成長を高成長 (2.0% 成長 : 名目 GDPが2020 年度頃に600 兆円達成 ) ケースと 低成長 (0.8% 成長 ) ケースの2パターンで予測した 日本の実質 GDP 推移 (10 億円 ) 実績 予測 635,523 2.0% 成長 575,843 527,579 0.8% 成長 503,921 455,458 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 出所 : 内閣府 中長期の経済財政に関する試算 - 5 -
日本の人口推移 生産年齢人口は 1997 年以降減少中 2025 年は 2015 年と比較して人口全体で約 600 万人 生産年齢人口だけを見てもほぼ同数が減少する見込み 日本の将来推計人口 実績 予測 老年人口 (65 歳 ~) 26.7 % 3,392 万人 1 億 2,711 万人 1 億 2,066 万人 30.3 % 3,657 万人 8,674 万人 生産年齢人口 (15~64 歳 ) 60.6 % 7,708 万人 58.7 % 7,085 万人 39.9 % 3,464 万人 50.9 % 4,418 万人 年少人口 (0~14 歳 ) 12.7 % 11.0 % 1,611 万人 1,324 万人 9.1 % 791 万人 1955 1965 1975 1985 1995 2005 2015 2025 2035 2045 2055 出所 : 国立社会保障 人口問題研究所日本の将来推計人口 (2012) - 6 -
労働市場の現況 1 就業者数は 6,376 万人で 就業率 (15 歳以上のうち就業者の割合 ) は 57.6% 15 歳未満 : 1,611 万人 日本の就業状態 総人口 :1 億 2,711 万人 非労働力 :4,473 万人 ( 通学 家事 その他 ( 高齢等 )) うち 男性 1,585 万人 女性 2,888 万人 15 歳以上 : 1 億 1,077 万人 失業者 : 222 万人 就業者 :6,376 万人 ( 休業者を含む ) 労働力 : 6,598 万人 うち 男性 3,756 万人 女性 2,842 万人 統計上の差異 23 万人 出所 : 総務省統計局労働力調査平成 27 年 (2015 年 ) 平均 - 7 -
労働市場の現況 2 2016 年 2 月時点の有効求人倍率は 1.28 倍 有効求人数は 248 万人 日本の就業状態 ( 万人 ) 350 有効求人数有効求職者数有効求人倍率 1.28 倍 1.40 ( 倍 ) 300 1.20 250 1.00 200 0.80 150 0.60 100 248 万人 0.40 50 0.20 0 0.00 出所 : 厚生労働省一般職業紹介状況 ( 職業安定業務統計 )2016 年 2 月 - 8 -
推計結果 ( 全体 ) 2025 年において 経済が低成長の場合で 583 万人 高成長の場合で 1,255 万人不足する見込み 2025 年時点の需給ギャップ ( 全体 ) ゼロ成長ケース (2015 年を維持 ) 低成長ケース (0.8% 成長 ) 高成長ケース (2.0% 成長 ) 需要 5,956 万人 55 万人 6,484 万人 583 万人 7,156 万人 1,255 万人 供給 5,901 万人 5,901 万人 5,901 万人 - 9 -
推計結果 ( 産業別 ) 産業別に見ると 情報通信 サービス業と卸売 小売業の不足が目立つ一方で 製造業や政府サービス等は余剰がある状態 2025 年時点の需給ギャップ ( 産業別 ) 2,610 万人 482 万人 低成長ケース 1,164 万人 188 万人 827 万人 余 19 万人 542 万人 需要 441 万人 余 245 万人 248 万人 39 万人 246 万人 352 万人 供給 57 万人 189 万人 847 万人 402 万人 53 万人 2 万人 51 万人 976 万人 31 万人 215 万人 49 万人 303 万人 2,129 万人 787 万人 農林水産業鉱業 製造業 建設業 電気 ガ ス 水道業 卸売 小売業 金融 保険 不動産業 運輸業 情報通信 サービス業 政府サービス等 *1 *1: 公務 教育 公共サービス等 - 10 -
推計結果 ( 産業別 ) 情報 サービス業は 2025 年時点で 1985 年の 7 割強の 1,414 万人が増加し 製造業 建設業は 1985 年から 4 割近い 715 万人が減少する見込み 産業別就業者数の推移 低成長ケース ( 万人 ) 3,500 実績 予測 3,279 3,000 2,500 2,352 2,522 2,678 2,819 2,923 3,095 情報 サービス業 2,000 1,500 1,983 1,865 2,144 2,093 2,119 1,974 1,710 1,564 1,535 製造業 建設業 1,368 1,268 1,000 969 1,040 1,065 1,084 1,084 1,062 1,054 卸売業 小売業 1,156 1,164 500 0 509 451 農林水産業 367 326 282 255 228 246 金融 保険業 不動産業 217 259 262 248 258 273 273 255 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 ( 年 ) 出所 :1985~2015 年は 総務省統計局 労働力調査 2020 年 2025 年は弊社推計を元に作成 1985~2002 年の飲食業は情報 サービス業に含める 246-11 -
推計結果 ( 地域別 ) 低成長ケース 東京は供給が不足するが隣接県から調達で充足可能 関西は人が若干余り 中京は人が足りなくなる 2025 年時点の需給ギャップ ( 地域別 ) 首都圏 ( 東京 神奈川 埼玉 千葉 ) 中部 ( 岐阜 静岡 愛知 三重 ) 需要 1,804 万人余剰 25 万人供給 1,828 万人 955 万人不足 231 万人 725 万人 : 余剰 関西 ( 京都 大阪 兵庫 奈良 滋賀 和歌山 ) 932 万人 余剰 1 万人 933 万人 :0 人超 10 万人以下不足 :10 万人超不足 その他の地域 需要 2,791 万人 供給 2,413 万人 不足 378 万人 - 12 -
どうすれば人手不足が解消できるか? - 13 -
どうすれば人手不足が解消できるか? 人手不足解消の主な手段は 生産性向上と女性 シニア 外国人の労働参加促進 これらをどのように組み合わせると人手不足が解消できるかをシミュレーションする 人手不足 ( 需要と供給のギャップ ) 解消の手段 生産性向上 万人 女性の労働参加促進 万人 シニアの 労万働人参加促進 外国人 の万労人働参加 - 14 -
生産性 過去の労働時間 1 時間当たりの実質 GDP の伸び率を見ると 全産業平均で 0.9% となる この伸び率が今後も続くとした場合 2025 年時点の需要 ( 就業者数 ) は 6,484 万人 生産性の伸びが 1.2% まで高まると 需要は 6,370 万人まで減少する 労働生産性伸び率の推移 産業 生産性の伸び 95 年 -14 年平均 パターン1 パターン2 パターン3 1. 産業 0.8% 1.1% 1.8% 2.5% (1) 農林水産業 -0.6% -0.6% -0.6% -0.6% (2) 鉱業 1.9% 2.4% 3.9% 5.6% (3) 製造業 3.4% 4.4% 7.1% 10.1% (4) 建設業 -0.5% -0.5% -0.5% -0.5% (5) 電気 ガス 水道業 0.7% -1.2% -1.2% -1.2% (6) 卸売 小売業 0.0% 0.0% 0.0% -0.1% (7) 金融 保険業 0.0% 0.1% 0.1% 0.1% (8) 不動産業 0.5% 0.7% 1.1% 1.6% (9) 運輸業 -0.2% -0.2% -0.2% -0.2% (10) 情報通信業 3.0% 3.9% 6.3% 8.9% (11) サービス業 0.0% 0.0% 0.0% -0.1% 2. 政府サービス生産者 1.5% 1.9% 3.1% 4.4% (1) 電気 ガス 水道業 2.8% 3.6% 5.8% 8.3% (2) サービス業 1.1% 1.4% 2.2% 3.2% (3) 公務 1.6% 2.0% 3.3% 4.7% 3. 対家計民間非営利サービス生産者 1.3% 1.6% 2.6% 3.8% 相加平均 0.9% 1.2% 2.0% 3.0% 需要 ( 万人 ) 6,484 6,370 6,088 5,849 出所 : 国民経済計算 - 15 -
モンゴル中国ガーナパナマジンバブエエチオピアラオスキルギスインドインドネシアボツワナパレスチナカザフスタンバングラデシュペルーフィリピンモルディブベトナムブータンエクアドルタイクロアチアアフガニスタンカタールポーランドキューバコスタリカカンボジアカメルーンチリロシアルーマニアリトアニアパキスタンケニアモロッコスリランカナイジェリアスペインマレーシアオーストラリアネパールシンガポールアラブ首長国連邦韓国エジプトメキシコニュージーランドジャマイカ米国日本 日本 カナダトルコ 香港オーストリアポルトガルギリシャフランスブラジル英国ベルギーオランダスイスノルウェー南アフリカドイツスウェーデンフィンランドイタリアルクセンブルクマリイランオマーン中央アフリカ 生産性 ( 参考 ) 実質労働生産性上昇率 / 年率平均 (2010-2013 年 ) 抜粋 15.0% 11.3% 10.0% 5.0% 0.0% 5.0% 3.0% 2.0% 0.9% 0.2% -5.0% -10.0% -15.0% 出所 : 世界銀行 - 16 -
女性の労働参加促進 日本の女性労働力人口比率 ( 年齢別 ) は現在でも 30 歳台で凹みを描いているが 30~64 歳の女性の労働力率をスウェーデンレベルまで高めると 313 万人の供給増加が見込める 日本の女性労働力人口比率 (%) 100 90 80 70 70.2 81.9 2014 年日本 87.8 89.3 91.4 90.6 2014 年スウェーデン 86.6 83.6 313 万人 79 76.4 2025 年日本 ( なりゆき ) 73 75.5 75.2 78.3 66.6 60 54.8 50 40 30 20 10 37.6 1975 年日本 0 15~19 歳 20~24 歳 25~29 歳 30~34 歳 35~39 歳 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 65~69 歳 出所 : 内閣府男女共同参画局男女共同参画白書平成 25 年度版 OECD Stat, Labour Force Statistics, LFS by sex and age - indicators - 17 -
シニアの労働参加促進 年齢階層別に見ると 2025 年なりゆきの65~69 歳の労働力率は男性 67.6% 女性 46.1% 65~69 歳の労働力率を60~64 歳のレベル (2025 年時点で男性 81.1% 女性 66.6% の見込み ) まで引き上げると 121 万人の供給増加が見込める 120% 年齢階層別労働力率の推移 いつまではたらきたいか? 全国 60 歳以上の男女に対する調査 100% 93.2% 96.2% 95.3% 2025 年男性 ( なりゆき ) 92.7% 80% 60% 82.0% 75.5% 78.3% 2025 年女性 ( なりゆき ) 73.0% 81.1% 54.8% 46 万人 75 万人 67.6% いつまでも 37% 60 歳まで 10% 65 歳まで 19% 40% 20% 女性はさらに 60-64 歳の労働力率が促進施策により 66.6% になる見込み 46.1% 76 歳以上 2% 75 歳まで 9% 70 歳まで 23% 0% 70% 以上の人が 70 歳になってもはたらきたいという意向を持っている 出所 : 総務省 労働力調査 (2015 年 ) 内閣府 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査 ( 平成 20 年 ) - 18 -
外国人の労働参加促進 外国人労働者数は 留学生の受入れが進んでいることに伴う留学生の 資格外活動 の増加や 専門的 技術的分野 の在留資格の外国人労働者の増加により逓増しており 2025 年に 144 万人となる見込み 労働人口に占める外国人の割合を現在の 2 倍まで伸ばすと さらに 34 万人程度の労働力増加が期待できる 外国人労働者数の推移 労働力人口に占める外国人の割合の国際比較 ( 万人 ) 200 実績 予測 外国人就業者数 ( 万人 ) 労働人口に占める外国人の割合 180 ドイツ (2009 年 ) 329 9.4% 160 140 120 100 80 60 40 20 0 14.0 20.7 34.3 65.0 90.8 114.4 143.5 フランス (2009 年 ) イギリス (2013 年 ) アメリカ (2009 年 ) 韓国 (2013 年 ) 154 5.8% 265 8.2% 2,482 16.2% 48 1.8% シンガポール (2013 年 ) 131 37.9% 日本 (2015 年 ) 91 1.4% 日本 (2025 年 : トレンド予測 ) 144 2.3% 日本 (2025 年 :2015 年の 2 倍予測 ) 177 2.8% 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025( 年 ) 出所 : 厚生労働省 外国人雇用状況報告 外国人の雇用状況の届出状況について 国立社会保障 人口問題研究所日本の将来推計人口 (2012) 33.9-19 -
どうすれば人手不足が解消できるか? 人手不足解消の主な手段は 生産性向上と女性 シニア 外国人の労働参加促進 これらをどのように組み合わせると人手不足が解消できるかをシミュレーションした 人手不足 ( 需要と供給のギャップ ) 解消の手段 ベースケースこのままいくと ケース 1 生産性大幅 UP ケース ケース 2 一億総活躍ケース 生産性向上 - 伸び率 0.9% 3.0% 伸び率 0.9% 1.2% 女性 シニアの労働参加 外国人の労働参加 - - - - 女性の労働参加をスウェーデン並みに ( 全年齢平均で 49.2% 52.9%) 65-69 歳の労働参加を 60-64 歳並みに 労働人口に占める外国人の割合を 2015 年の 2 倍に (1.4% 2.8%) 生産性向上 114 万人 不足 583 万 生産性向上 635 万人 女性の労働参加促進 313 万人 シニア 121 外国人 34 583 万人分の労働力が不足するので 外国人の労働参加等で補う必要がある 生産性伸び率を 3.0%( 全産業平均 ) まで高めれば 635 万人分の労働需要削減となり 人手不足は解消する 女性とシニアの労働参加を最大限に高め 生産性の伸び率を 1.2% まで高めれば 凡そ人手不足が解消する (1 万人の不足 ) - 20 -
一億総活躍を実現するために必要な打ち手は? 1. より多くの人がはたらきやすい社会に 女性やシニアの労働参加を促す環境づくりを進める例 : 就業場所 勤務時間 業務内容の工夫柔軟な休職や再雇用の制度整備 外国人労働者の受け入れ拡大 人材の最適配置を実現する例 : 成熟産業から成長産業への移動促進人材と仕事のマッチングの仕組みの高度化 2. はたらく人の成長を後押しする社会に 例 : 人材育成 配置など人材マネジメントの高度化個人の成長を促進する価値観の醸成 - 21 -
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