第 3 学年 保健体育科学習指導案 細 平成 18 年 6 月 14 日 ( 水曜日 ) 第 6 時限 ( 運動場 ) 指導者高須孝司 1 単元バレーボール 2 単元について (1) 単元の意義バレーボールは, 自チームと相手チームがネットをはさみ, 互いに自分たちのプレーを直接妨害されることなく, 攻めたり守ったりして勝敗を競い合うところに楽しさがある ゲームの中でこのような楽しさを十分に味わうことができるようにするには, 一人一人がパスやサーブなどの個人的技能を習得し, ゲームの中で発揮することが重要である そして, 自分やチームの技能実態に応じた課題をもち, 仲間とともに解決の方法を工夫して学習を進めていくことが大切である このような学習を積み重ねることで, 技能面の向上はもちろんのこと, 課題解決に向けて計画的に学習したり, 互いに教え合い, 励まし合いながら学習したりするところに本単元の意義がある (2) 系統的に見た位置第 1 学年では, パスやサービスなどの個人的技能の習得を課題として, 自分の技能実態に応じた練習方法を選択することで, 課題を解決する学習に取り組んだ 第 2 学年では, ラリーが続くゲームを目指して, チームごとに仲間との連係プレーを工夫する学習に取り組んだ 第 3 学年では, チームとしての課題や自己の能力に適した課題を設定し, 解決方法を自ら工夫することで, 技能を高める学習へと発展していく (3) 単元と生徒の関係本学級の生徒は, 球技に対して強い関心を示している そこで, 球技の授業, 特にゲームの中で, 自分たちの作戦を生かした攻防ができるように, 個や集団の課題を設定し, その解決を目指して学習に取り組ませる そして, チームの一員として, 自分の技能を生かして活躍できるように練習方法を工夫しながら, 互いの技能や進んで学習を進めていく態度を身に付けさせたいと考えている - 1 -
3 目標チームの目標や自己の能力に適した練習を見付けて取り組み, 個人的技能や集団的技能を生かしながら, 相手チームに応じた作戦を立てて, 練習やゲームに取り組むことができるようにする 個人的技能や集団的技能の向上を目指して, 仲間と協力して学習することができる また勝敗に対して公正な態度をとることができる 技能実態に応じて個やチームの課題をもち, その解決を目指して練習方法を考えた り, 作戦やルールを工夫したりできる スパイクやブロックなどの攻防に必要な技能を習得し, チームの特長を生かした作 戦を工夫して, ゲームに取り組むことができる 4 指導計画と評価計画 (14 時間完了 本時 13/14) 指導計画 評価計画 学習内容時数学習活動における評価規準評価方法 1 ボールを使った 1 ボールを使ったゲームを, 仲間活動の様子ゲームに親しむ と協力して楽しもうとする 学習カードの記述 関 2 個の目標をも 2 チーム内で協力して練習に取り活動の様子ち, 練習やゲー組もうとする 関発言内容ムを通して, 解 3 仲間と話し合って, 個の目標を学習カードの記述決する 確かめ, 練習方法を決めて学習を活動の様子進めることができる 思発言内容 4 スパイクやブロックの技能を身活動の様子 5 に付けることができる 技学習カードの記述 3 チームや個に 6 チーム内で協力し, 具体的な助 活動の様子 応じた目標をも 言をし合って, 励まし合いながら 学習カードの記述 ち, 練習やゲー 練習に取り組もうとする 関 ムを通して, 解 7 仲間と話し合ってチームや個の 活動の様子 決する 8 目標を確かめ, 練習方法を決めて学習を進めることができる 思 9 ゲームの中で, スパイクを打っ 活動の様子 10 て攻撃しようとしたり, ブロック 学習カードの記述 を用いて防御しようとしたりする ことができる 技 - 2 -
4 作戦やルール 11 チームの特長を生かした作戦を活動の様子を工夫して, 対 12 立てることができる発言内容 13 抗戦を行う スパイクやブロックなどの攻防学習カードの記述 ( 本時 ) を生かしたゲームができる 技 14 思 5 本時の指導 (1) 目標 チームの特長を生かした作戦を立てることができる 活動の様子と学習カードの記述 ( 思考 判断 ) スパイクやブロックなどの攻防を生かしたゲームができる 活動の様子 ( 技能 ) (2) 準 備 バレーボール39 得点板 3 防球ネット9 作戦ボード6 学習カード6 (3) 学習過程 時間 配分 学習活動指導上の留意点評価の観点と方法 3 分 1 チームごとに 質問や観察により, 生徒の体調を 集合 整列し, 把握する 本時の学習内容 体調のよくない生徒や見学する生 とねらいを知 徒がいる場合は, 取り組むことを具 る 体的に指示し, 可能な範囲で授業に 参加できるように指示する チームの特長を生かした作戦を立 学習内容を把 て, スパイクやブロックなどの攻防 を生かしたゲームをすることが本時 のねらいであることを知らせる 握しているか を, 挙手により つかむ 7 分 2 準備運動を行 肩, ひじ, アキレス腱, 股関節を う 十分に伸ばすよう指示する - 3 -
(1) ストレッチ 一人一つずつボールを使い, 安全 安全に留意し をする に留意しながら, 大きな動作で行わながら, 運動し せる ているかを, 活 (2) ボールを使 2 グループが向かい合って並び, 動の様子からつ った準備運動列の先頭が相手にパスをしたら, 反かむ を行う 対側の列の最後尾に並んでパスを続 ける その際, 相手やボールの動きに注意しながらパスをするように意識させる ボールを使った準備運動 パス 移動 初めはゆっくり動き, 慣れてきた ら徐々に移動のスピードを速くする よう指示する パスがうまくつながらないチーム には, できるだけオーバーハンドパスを用いてボールを高く上げ, パスした後は, 素早く移動するように助言する 15 分 3 自チームの特 前時の練習やゲームを振り返り, チームの特長 長を生かした作 戦を立て, 練習 に取り組む 自分たちのチームの特長やそれを生 かすことができる作戦について, 話 し合わせる を生かした作戦 について話し合 いができている (1) チームの特 話し合いが進まない場合は, 前時 かを, 発言内容 長を生かした 作戦を話し合 までにうまくできたことと, できな かったことを振り返らせ, 話し合い や作戦ボードの 操作からつか う を進めさせる む - 4 -
(2) 練習方法を 前時の練習やゲームを振り返り, 話し合いによ り決定する 次の中から選択させる 1 基本練習アパス チャンスボール練習イサービスレシーブ トス練習ウスパイク ブロック練習 2 総合練習 ( チーム練習 ) エサービスレシーブからの攻撃オチャンスボールからの攻撃カスパイクレシーブからの攻撃 練習方法を決定させる時には, 話 し合った内容に直結するものを選択 するように指示する (3) チーム練習 声を掛け合い, 励まし合って練習 に取り組む に取り組ませる 話し合った作戦が, 実現可能かど うかを, 作戦ボードを使ったり, 実 際に動いたりして話し合い, 確かめ ながら練習させる 作戦の内容や練習方法が適切でな いチームには, 見直しをさせる 15 分 4 練習の成果を ゲームのルールは, 以下のように 生かして, ゲー 設定する ムを行う 1 2 3 ゲームの時間は 5 分間とする サービスは 1 本ずつ交代する ダブルコンタクト, フォアヒッ トの反則は緩和する - 5 -
チームで, 話し合った作戦を意識 スパイクやブ しながら, スパイクやブロックを生 ロックなどの攻 かしたゲームができるように心掛け 防を生かしたゲ させる ームができてい チームの特長を生かした攻防がで るかを, ゲーム きないチームには, パスやトス, ス 様子からつかむ パイクする場所を具体的に指示した り, 攻撃や防御について仲間と確認 したりするように助言する チームの特長を生かした攻防がで きたチームには, 相手チームに応じ た攻防ができるように指示する 5 分 5 チームごとに 練習とゲームを振り返り,1チー チームの特長 ゲームを振り返 ムの特長をつかむことができたか, を生かした作戦 る 2 特長を生かした作戦を立てること を立てることが ができたか,3スパイクやブロック できたかを, 学 を生かしたゲームができたか, とい 習カードの記述 う観点で話し合わせる 内容からつか 振り返り活動では, 結果や勝敗だ む けでなく, チームの特長を生かした 作戦を立て, 練習したりゲームに取 り組んだりすることができたかどう かで判断するように助言する 3 分 6 本時のまとめ 各自のできばえやチームの取り組 をする みについて振り返った内容を, 学習 カードに記述させる 話し合いや練習の様子, ゲームの 取り組みが適切であったチームを紹 介し, 賞賛する 2 分 7 整理運動をす 筋肉の緊張を解きほぐすよう, リ る ラックスして整理運動を行わせる - 6 -
考察 単元の最初から, 仲間との連係を意識した練習やゲームに取り組ませた結果, 自分 たちで工夫したボールのつなぎ方を考えることができるようになった そして, 自 分たちの特長を生かした作戦 を考える学習では, 自分たちの実態にあった練習方法 や作戦 ( 攻撃や防御において ) を考えたり, 選択したりすることができた その結果, まとめのゲームの中では, 自分たちが考えたり工夫したりした攻撃や防御の方法に, 取り組む姿がたくさん見られるようになった 攻撃の面では, スパイクへつなぐ方法やそのためのポジションやフォーメーション を, また, 防御の面ではブロックを用いたフォーメーションを考えることはできたが, スパイクやブロックの技能そのものを, 時間の中で十分に高めることができなかった その結果, 自分たちの特長を生かした攻防 はなかなかゲームの中で見ることがで きなかった ボール運動の学習では, 子どもたちが仲間と協力して学習に取り組むことができた その経験を, 今後, 個人種目の単元や保健学習の中でも生かすことができるように, 工夫した授業を展開していきたい - 7 -