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4) 横桁の照査位置 P.27 修正事項 横桁 No07~No18 ( 少主桁のNo01からNo06は格子計算による 断面力が発生しないので省略 ) 照査点 No 溶接部名称 継手名称 等級 1 横桁腹板上 主桁腹板 すみ肉 F H 2 横桁腹板下 主桁腹板 すみ肉 F H ただし 上記の 2 つ照

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Ⅱ 工区の鋼床版箱桁における鋼床版デッキプレートの縦シームの現場突合せは 支点ブロックの地組立を除き 片面サブマージアークによる施工を計画している 本橋の縦断とは大きく 過去の実績で例が少ない条件のため 本橋のでの片面サブマージアークの条件を確認するために施工試験を行った 本工事範囲のうち 特に縦断

Transcription:

2 建築構造学 :S 造 溶接接合の設計 建築構造学 鉄骨造 ( 鋼構造 ) 参考書 チョウケイヨウ 張景耀 Email: zhang@sda.nagoya-cu.ac.jp URL: zhang.aistructure.net わかりやすい鉄骨の構造設計著者 : 日本鋼構造協会 建築鋼構造 その理論と設計著者 : 井上一朗, 吹田啓一郎出版社 : 鹿島出版会 鋼構造の性能と設計著者 : 桑村仁出版社 : 共立出版 名古屋市立大学 芸術工学部 出版社 : 技報堂出版 2 スケジュール 3 鉄骨造の接合部 : ボルト接合 1 回目 鋼材の基本 ( 歴史 分類 機械的性質 ひずみ 応力関係 ) 引張を受ける部材 2 回目 圧縮を受ける部材 ( 偏心圧縮 オイラー座屈 細長比 有効座屈長さ 板の座屈 ) 曲げを受ける部材 (M-N 相関図 全塑性モーメント 塑性崩 3 回目壊 ) 鋼構造 4 回目部材設計 8 回目 ボルト 高力ボルト接合の耐力 ( 引張接合 支圧接合 摩擦接合 ) 9 回目 溶接の耐力 ( 完全溶込み溶接, 隅肉溶接 ) 10 回目 接合部設計 柱と梁 3 柱脚 4 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 1

鉄骨造の接合部 : 溶接 溶接の方法 溶接 (welding): 接合する部分を加熱し 材料を一体化させる シンプルな継手形状が可能 断面欠損なし 施工時の騒音が小 残留ひずみ 応力 疲労破壊 脆性破壊 Video: 東京スカイツリーの鉄骨製造 5 6 溶接の強度設計 溶接継手の形状 溶接継ぎ目 開先溶接 完全溶け込み溶接, 部分溶け込み溶接, フレア 隅肉溶接 前面 側面 斜方隅肉溶接など 栓溶接 プラグ溶接, スロット溶接 肉盛溶接 7 8 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 2

溶接記号 溶接記号 設計図や施工図における溶接継目の形状や寸法の表現 9 10 溶接の強度設計 : 溶接継目 完全溶込み溶接 完全溶込み溶接 全強接合 接合部の耐力が母材の耐力を下回らない オーバーマッチングが条件 ( 建築鉄骨には基本的である ) 耐力の検定を必要としない 有効長さは 母材の幅と同じにする 11 12 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 3

部分溶込み溶接 部分溶込み溶接 のど厚 < 母材の厚さ 軸力 : せん断力 :, P F a l P F a l y e u u e F F Q a l Q a l 3 3 u, y e u e F: 母材の降伏強さ Fu: 母材の引張強さ 13 部分溶込み溶接 部分溶込み溶接 軸力とせん断力の組み合わせで作用する場合 P al e, Q al 2 2 降伏 : 3 破断 : e F 2 2 3 Fu 部分熔込み溶接は ルート面が熔け込んでいないので切欠きが内在する 構造耐力上重要な接合部で引張が作用する部分には 完全溶込み溶接を採用すべき 14 隅肉溶接 隅肉溶接 s 脚長 サイズ のど厚 a 0.7s 2 有効長さ 両端部に所要サイズが確保しにくい le L 2s のど断面積 :a l e 断面内最大の直角二等辺三角形 隅肉溶接の有効長さ 隅肉溶接 有効長さ l L 2s e 15 16 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 4

隅肉溶接の耐力 隅肉溶接の耐力 側面隅肉の場合 F 降伏耐力 : Py a l 3 i Fu 最大耐力 : P a l 3 i u e i 前方隅肉 斜方隅肉の場合 F 降伏耐力 : P a l 3 i Fu 最大耐力 : P a l 3 i e i 1 0.4cos y i e i 1 0.4cos u i e i F: 母材の降伏強さ Fu: 母材の引張強さ 17 アーク溶接 アーク溶接 電極間におけるガスや電極物質の放電で 温度を5000C 以上に加熱させる 被覆アーク溶接 (manual l metal arc welding) 旧日本相互銀行 1952 年竣工 2007 年解体日本で最初の全溶接ビル戦後最初期のモダニズム建築日本建築学会作品賞の受賞作で戦後日本建築界のスタートの1ページを切った作品として確実に列せられる名作 18 http://blogs.yahoo.co.jp/t_marufuzy/41539774.html 被覆アーク溶接 ガスシールドアーク溶接 被覆アーク溶接 母材と被覆アーク溶接棒に電圧を与えアークを発生 母材と溶融棒を溶融させる大がかりな装置が不要で機動性がある 厚い板を溶接するとき何回も繰り返す必要がある ( 溶着量が少ない ) 溶接棒は乾燥させる必要がある 溶接欠陥の原因となる 手溶接 ガスシールドアーク溶接 (gas shielded arc welding) 二酸化炭素やアルゴンなどのシールドガスを用いてアークを大気から遮断 19 20 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 5

ガスシールドアーク溶接 ガスシールドアーク溶接 混合ガスや酸化性ガスを用いる アクティブガスアーク溶接 マグ (MAG) 溶接 (metal active gas welding) 不活性ガスを用いる イナートガスアーク溶接 靱性が高い継ぎ手 ミグ (MIG) 溶接 (metal inert gas welding) ティグ (TIG) 溶接 (tungsten inert gas welding) サブマージアーク溶接 アーク溶接 サブマージアーク溶接 ( submerged arc welding) H 形梁の隅肉溶接に多く応用 21 22 サブマージアーク溶接 サブマージアーク溶接 (submerged arc welding) 溶接ワイヤの先端をフラックスの中に入れて大気から遮断する方法 自動溶接 溶着速度が大きく能率的, 溶け込みが深くなる 下向きしか溶接できない, 溶接線が短い, 直線でない場合には非能率的, 高い開先精度が必要 エレクトロスラブ溶接 エレクトロスラグ溶接 溶融スラグの電気抵抗によって溶接ワイヤと母材を溶融 上向きにしか進まない 23 24 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 6

溶接の熱影響 溶接熱影響 溶接時, 溶接金属に近接した母材は熱的変化を受ける 変質した母材の部分を熱影響部と呼ぶ HAZ:heat affected zone 溶接の熱影響 溶接熱影響 溶接金属と熱影響部の境目 ボンド合金成分が多いほど 熱影響部は母材よりも硬くなる 硬化 ( 強さ, 延性 ) 脆性破壊しやすい 冷却速度が速いほど 溶接継手 溶接金属 熱影響部母材原質部 25 26 溶接の熱影響 炭素の影響 鋼材の溶接性 (weldability) 無理のない適切な溶接作業によって良好な溶接品質が得られる母材の性質 指標として 低いほうが 溶接性が良い 炭素当量 C eq 合金成分の硬さへの寄与を炭素に換算 溶接割れ感受性組成 P cm 溶接割れ感受性指数 P c などがある 熱影響部の最高硬さ 鋼材の炭素当量 冷却速度 27 炭素当量が大きくなると溶接割れの発生率が高くなる 28 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 7

冷却速度による硬化曲線 硬化曲線 冷却速度は速いほど HAZは硬くなる 溶接入熱が小さく 母材の温度が低く 母材の板厚が大きく 冷却速度は速く 脆化曲線 ボンド脆化 : 溶接入熱が大きくなると冷却速度が遅くなって ボンドに近接した熱影響部の結晶粒が粗大化し 切欠き靭性が低下 29 30 シャルピー衝撃特性 切り欠きを設けた試験片に衝撃力を与えて破壊させる ハンマーが試験前後で有する力学的エネルギーの差をシャルピー吸収エネルギーという 靭性 脆性破面率: 脆性破面の面積 / 全断面積 破壊靱性, 切欠き靭性, 靭性 靭性は温度の影響を受ける http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 8

溶接接合の設計 溶接変形 溶接変形 溶接ひずみ 溶接継手は冷却過程で収縮し 変形する 溶接変形に伴う残留応力 溶接部付近 変形する 周辺の母材 変形を拘束する 残留応力が発生する 横収縮 縦収縮 角変形 縦曲がり変形 横収縮 縦収縮 角変形 縦曲がり変形 あらかじめ縮み代を与えたり 変形を拘束する冶具を設けたり 溶接欠陥 非破壊試験 製品を傷つけずに欠陥の状態を調べる - 目視試験 - 超音波探傷試験 - 放射線透過試験 - 浸透探傷試験 - 磁粉探傷試験 ダウンロード http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 表面欠陥の探査 9

溶接欠陥の補修 欠陥部分をはつって, 補修溶接する 延性破壊 脆性破壊 延性破壊 ductile fracture 塑性ひずみが進行しくびれが生じたのち荷重が低下する途中で破壊が起こる脆性破壊 brittle fracture くびれが生じることなく, 荷重の低下を見ないで破壊が起こる 1 き裂の存在脆性破壊の 2 引張応力の存在発生条件 3 破壊靱性の不足 脆性破面 疲労破壊 単調な静的載荷による破壊応力よりも小さな応力が繰返し作用することによって, 材料に亀裂が生じる現象, あるいは破断まで至る現象 建築物では少ない - 交通車両による活荷重をうける橋梁など 疲労寿命: 部材が破断するまでの繰返し回数 高サイクル疲労 10 5 =10 万回以上, 低サイクル疲労 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 10

疲労破面 ビーチマーク 平行な筋が並んだしま模様 亀裂の進展はしま模様に直交 亀裂の進展が一様でない ( 応力振幅が一定でない ) ときに生じる ストライエーション ストライエーション 顕微鏡で確認できる 1 サイクルの応力変動で一つのストライエーションの 繰り返し応力 S N 曲線 応力振幅と破壊までの繰返し回数の関係をプロットしたもの ディティールによって異なる S N 曲線が提案されている http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 11

疲労限 疲労限 それ以下の応力振幅では無限回に近い疲労寿命をもつ応力振幅 道路橋では200 万回の疲労強度を基本としている 応力集中 突起や切欠きなど応力が急変する部分 応力が局部的に上昇 応力集中と呼ぶ 応力集中部 = ホットスポット 応力振幅が大きくなる 接合ディティールによって応力集中の度合いが異なる 応力集中による疲労寿命 マイナー則 実際の構造物は応力振幅が一定でない変動振幅応力を受ける マイナー則 ( 線形累積損傷則 ) D = 1 に達すると疲 D 1 に達すると疲労破壊すると考える http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 12

演習問題 下記の条件で 図のような隅肉溶接に対して その降伏耐力および最大耐力を求めてください F: 235N/mm2 Fu: 400N/mm2 l1: 30cm l2: 8cm l3: 25cm l4: 10cm s: 10mm P 49 http://zhang.aistructure.net/lectures/steelstructure/ 13