表 1 高齢者虐待の判断件数 相談通報件数 ( 平成 26 年度対比 ) 養介護施設従事者等 ( 1) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 養護者 ( 2) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 27 年度 408 件 1,640 件 15,976 件 26

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函館市の障がい者虐待の現状について 1 養護者による障がい者虐待についての対応状況 (1) 相談 通報対応件数および相談 通報者 函館市要援護高齢者 障がい者対策協議会 平成 30 年 2 月 7 日 1 件の事例に対し複数のものから相談 通報があった場合, それぞれの該当項目に重複して計上されるた

Microsoft Word - 平成28年度高齢者虐待の報告 (確定)

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都岐沙羅(つきさら)パートナーズセンター

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

居宅介護支援事業者向け説明会

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Microsoft Word - 調査結果

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

介護保険事業状況報告 ( 全国計 ) 第 1 表第 1 号被保険者のいる世帯数 ( 単位 : 世帯 ) 前年度末現在当年度中増当年度中減当年度末現在 23,856,459 1,319, ,241 24,261,177 第 2 表第 1 号被保険者数 ( 単位 : 人 ) 年齢区分 前年度

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平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 日常生活に関する事項

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01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

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平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 経済状況に関する事項

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

Microsoft PowerPoint - 資料1

北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当

平成30年版高齢社会白書(全体版)

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要 バリアフリー化や居住者への生活支援の実施等の基準を満たす住宅について都道府県等が登録を実施 サービス付き高齢者向け住宅の登録制度は 高齢者の居住の安定確保に関する法律 ( 高齢者住まい法 ) の改正により 平成 23 年 10 月に創設 料金やサービス内容

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(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

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小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能 区分変更 ( 要介護 1~ 要介護 5 の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 型居宅介護く ) 区分変更 ( 要介護 要支援 ) サービス提供日 サービス事業所の変更 ( 同一サービス種類のみ ) ( 通い 訪問又は宿泊 ) 事業 ( 指定有効期間 ) 受給資

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

01 表紙 老人保健課 - コピー

8_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用について

< 集計分析結果 > ( 単純集計版 ) 在宅介護実態調査の集計結果 ~ 第 7 期介護保険事業計画の策定に向けて ~ 平成 29 年 9 月 <5 万人以上 10 万人未満 >

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

平成 28 年度介護保険事業状況報告 ( 年報 ) のポイント 1 第 1 号被保険者数 (28 年 3 月末現在 ) (29 年 3 月末現在 ) 3,382 万人 3,440 万人 ( 対前年度 +59 万人 +1.7% 増 ) ( 単位 : 万人 ) 3,500 3,000 2,500 2,0

4 介護支援専門員証の有効期間を更新するためには 所定の研修の受講が必要です 更新のために必要な研修を受講された人は研修を受講後 有効期間満了の 1 か月前までに様式第 4 号 介護支援専門員証有効期間更新交付申請書 を提出手数料として 香川県証紙 4,200 円分が必要 有効期間満了日までの 5

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

通常の届出に係る加算等のサービス種類算定の開始時期 定期巡回 随時対応型訪問介護 届出が毎月 15 日以前になされた場合には看護翌月から 複合型サービス( 看護小規模多 16 日以降になされた場合には翌々月から機能型居宅介護 ) 夜間対応型訪問介護 ( 介護予防 ) 認知症対応型通所介護 ( 介護予

Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

事務連絡

都市部の高齢化対策に関する検討会資料

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小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援変更日 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定有効期間 ) 事業所指定効力停止の

2 居宅サービス事業所の状況

高齢者虐待防止法の基礎知識

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

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施設長 副施設長 事務長 施設課長 相談員 入所区分 一般 特例 入所申込日 平成 年 月 日 入所申請受付日 平成 年 月 日 特別養護老人ホームさくら苑入所申請書 特別養護老人ホームさくら苑 施設長 坂本正司 様 入所申込者 - 住所 : 氏名 : 電話番号 : -( )- 入所希望者との続柄

<4D F736F F D C605F937393B9957B8CA781418E7392AC91BA81418AD68C CC816A C95DB8C9289DB2E646F63>

Microsoft Word 結果の概要(1世帯)

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

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Microsoft Word - ニュースレター186②.doc

Microsoft Word 厚生労働省事務連絡(システム変更に係る参考資料その9)送付版

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

Microsoft Word - Ⅰ-7_(資料7)_留意事項_

障害者虐待の防止と対応

01 公的年金の受給状況

2016 年顧客満足度調査集計結果 全体 全体の集計 目次 年顧客満足度調査集計結果 全体 1 ページ 株式会社ニチイ学館 年顧客満足度評価集計表 全体 2ページ 年利用者回答結果一覧 全体 3ページ サービス名 年利用者回答詳細結果 全体 4

1102 請求誤りによる実績取り下げ 1109 時効による保険者申立ての取り下げ 1112 請求誤りによる実績取り下げ ( 同月 ) 1129 時効による公費負担者申立ての取り下げ 1142 適正化 ( その他 ) による保険者申立の取り下げ 1143 適正化 ( ケアプラン点検 ) による保険者申

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

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⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

平成29年版高齢社会白書(全体版)

サービス提供体制強化加算に関する届出書 [ 定期巡回 随時対応型訪問介護看護事業所 ] 1 事業所名 平成年月日 2 異動区分 1 新規 2 変更 3 終了 3 届出項目 1 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ イ ) 2 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ ロ ) 4 研修等に関 1 する状況 3 サービ

大阪府特別養護老人ホーム入所指針

特別養護老人ホーム 優雅 社会福祉法人 桜寿会 ( 特別養護老人ホーム優雅 ) 福島県南会津郡南会津町田島字北下原 111 番 TEL: FAX: ( 郡山オフィス ) 福島県郡山市菜根一丁目 22 番 10 号 T

満足度調査 単純集計結果

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第 2 章高齢者を取り巻く状況 1. 人口構成と高齢化の状況 本市の総人口をみると 平成 24 年は 53,334 人 平成 29 年は 53,952 人と年々増加しています また 年齢 3 区分別にみると 0~14 歳の年少人口及び 15~64 歳の生産年齢人口は減少傾向にあるのに対し 65 歳以

平成21年度 介護サービス事業者における事故発生状況

第1章 計画の基本的考え方 態を改善して地域社会への参加等を通じ 生きがいや役割を持てるようにすることが 重要です 4 住まい 持ち家や賃貸住宅だけでなく 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など 多様な形態の住まいを含みます 生活の基盤である住まいは 高齢者のプライバシー と尊厳が十分に守ら

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小規模多機能型居宅介護・介護予防小規模多機能型居宅介護サービス

平成20年度春の家居宅介護支援事業所事業計画

認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 以上の高齢者及び 認知症 施策推進 5 か年計画 ( オレンジプラン ) の公表について 認知症施策検討プロジェクトチームが 平成 24 年 6 月 18 日にとりまとめた 今後の認知症施策の方向性について ( 介護保険最新情報 Vol.291 参照 ) や 同年

資 _ 図表 37-1 人口動態 二次医療圏市区町村人口 人口密度 2025 年総人口 2040 年総人口 年総人口増減率 年総人口増減率 2015 年 人口 2025 年 人口 2040 年 人口 年 人口増減率 年 人口増減率 全国

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

平成 29 年度 特別養護老人ホームの入所状況に関する調査 平成 30 年 3 月独立行政法人福祉医療機構経営サポートセンターリサーチグループ

17★ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成十二年三月三十日 老企 厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知)

成年後見関係事件の概況 - 平成 28 年 1 月 ~12 月 - 最高裁判所事務総局家庭局

住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ


(Microsoft Word - \216\226\227\341\217W\214\264\215e_H22.8\212m\222\350\224\305_.doc)

Transcription:

調査目的 高齢者虐待の防止 高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 ( 以下 高齢者虐待防止法 という ) に基づき 平成 27 年度の高齢者虐待の対応状況等を把握するため 調査を実施した 調査対象 全国 1,741 市町村 ( 特別区を含む ) 及び 47 都道府県 平成 27 年度調査方法 1. 平成 27 年度中に新たに相談 通報があった事例や平成 26 年度中に相談 通報があったもののうち 平成 27 年度中に事実確認や対応を行った事例について Excel ファイルの調査票に回答 2. 今回調査から 市町村における高齢者虐待対応に関する体制整備の実施内容を新たに把握 ( 任意回答 ) 留意事項 割合 (%) は四捨五入しているので 内訳の合計が 10 に合わない場合がある 調査結果概要 1. 高齢者虐待判断件数等 ( 内は添付資料 : 調査結果のページ番号 ) 高齢者虐待と認められた件数は 養介護施設従事者等 ( 1) によるものが平成 27 年度で 408 件であり 前年度より 108 件 (36.) 増加したのに対し 養護者 ( 2) によるものは 15,976 件であり 前年度より 237 件 (1.5%) 増加した また 市町村への相談 通報件数は 養介護施設従事者等によるものが 1,640 件であり 前年度より 520 件 (46.4%) 増加したのに対し 養護者によるものは 26,688 件であり 前年度より 897 件 (3.5%) 増加した 表 1 2~6P 13~15P 1

表 1 高齢者虐待の判断件数 相談通報件数 ( 平成 26 年度対比 ) 養介護施設従事者等 ( 1) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 養護者 ( 2) によるもの虐待判断件数相談 通報件数 ( 3) ( 4) 27 年度 408 件 1,640 件 15,976 件 26,688 件 26 年度 300 件 1,120 件 15,739 件 25,791 件 増減 ( 増減率 ) 108 件 (36.) 520 件 (46.4%) 237 件 (1.5%) 897 件 (3.5%) 1 介護老人福祉施設など養介護施設又は居宅サービス事業など養介護事業の業務に従事する者 2 高齢者の世話をしている家族 親族 同居人等 3 調査対象年度 ( 平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日 ) に市町村等が虐待と判断した件数 ( 施設従事者等による虐待においては 都道府県と市町村が共同で調査 判断した事例及び都道府県が直接受理し判断した事例を含む ) 4 調査対象年度 ( 同上 ) に市町村が相談 通報を受理した件数 ( 件 ) 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 273 54 379 図 1 養介護施設従事者等による高齢者虐待の相談 通報件数と虐待判断件数の推移 相談 通報件数 虐待判断件数 451 408 506 62 70 76 96 687 736 151 155 962 221 1,120 300 1,640 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 408 ( 件 ) 30,000 25,000 20,000 15,000 18,390 19,971 12,569 13,273 図 2 養護者による高齢者虐待の相談 通報件数と虐待判断件数の推移 25,315 25,636 25,310 25,791 26,688 23,404 23,843 21,692 14,889 15,615 16,668 16,599 15,202 15,731 15,739 15,976 10,000 5,000 0 相談 通報件数 虐待判断件数 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 2

2. 養介護施設従事者等による高齢者虐待 (1) 相談 通報者相談 通報者 1,922 人 (1 件の事例に対し複数の相談 通報があった場合は 重複して計上 ) のうち 当該施設職員 が 420 人 (21.9%) で最も多く 次いで 家族 親族 が 385 人 (20.) であった ( 複数回答 ) 2~3P (2) 事実確認の状況相談 通報の受理から事実確認開始までの期間の中央値は 6 日であり 相談 通報の受理から虐待確認までの期間の中央値は 14 日であった 3P (3) 虐待の発生要因 ( 市町村の任意 自由記載を集計 ) 教育 知識 介護技術等に関する問題 が 246 件 (65.6%) で最も多く 次いで 職員のストレスや感情コントロールの問題 101 件 (26.9%) 虐待を行った職員の性格や資質の問題 38 件 (10.1%) であった ( 複数回答 ) 4P (4) 過去の指導等 ( 市町村の任意 自由記載を集計 ) 虐待の事実が認められた 408 件の施設 事業所のうち 47 件 (11.5%) が過去何らかの指導等を受けていた 指導の多くはサービス提供に係る指導であったが 過去にも虐待事例が発生していたケースが 28 件あった 4P (5) 虐待の事実が認められた施設 事業所の種別 特別養護老人ホーム( 介護老人福祉施設 ) が 125 件 (30.6%) で最も多く 次いで 有料老人ホーム 85 件 (20.9%) 認知症対応型共同生活介護( グループホーム ) 65 件 (15.9%) 介護老人保健施設 37 件 (9.1%) であった 6~7P (6) 虐待の内容 養介護施設従事者等による被虐待高齢者の総数 778 人のうち 虐待の種別では 身体的虐待 が 478 人 ( 61.4%) で最も多く 次いで 心理的虐待 215 人 ( 27.6%) 介護等放棄 100 人 (12.9%) であった ( 複数回答 ) 図 3 7P 8 6 61.4 図 3 高齢者虐待の種別の割合 4 2 12.9 27.6 被虐待者が特定できなかった 22 件を除く 386 件における被虐待者の総数 778 人において 被虐待者ごとの虐待種別を複数回答形式で集計 2.4 12.0 3

虐待を受けた高齢者のうち 身体拘束あり は 248 人 (31.9%) であった 8P 虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合では 5 段階評価で最も軽い 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 が 370 人 (47.6%) である一方 最も重い 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 は 25 人 (3.2%) であった 図 4 8P 虐待による被虐待高齢者の死亡事例は1 件であった 8P 図 4 高齢者虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合 ( 単位 :%) 47.6 26.0 20.3 3.0 3.2 2 4 6 8 10 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 2 3- 生命 身体 生活に著しい影響 4 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 被虐待者が特定できなかった 22 件を除く 386 件における被虐待者の総数 778 人に対する割合 (7) 被虐待高齢者の状況 被虐待高齢者は 総数 778 人のうち 女性が 571 人 (73.4%) を占め 年齢は 85 ~89 歳が 176 人 (22.6%) 90~94 歳が 172 人 (22.1%) であった 要介護度は3 以上が 622 人 (79.9%) を占めた また 認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 以上 は 587 人 (75.4%) 要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度 ( 寝たきり度 )A 以上 は 487 人 (95.9%) であった 9~10P ( 認知症との関係 ) 入所系施設における被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の種別の関係をみると 被虐待高齢者に認知症があり 自立度 Ⅳ/M の場合 身体的虐待を受ける割合が特に高い 統計的有意差あり 図 5 25P なお 居宅系事業所 ( 訪問介護 通所介護 居宅介護支援等 ) の利用者 ( 被虐待者 ) については 入所系施設の利用者 ( 被虐待者 ) に比べて 状態が軽い者が多いため 入所系施設と同様の関係を見るための詳細な分析を行うに至らなかった ( 要介護度との関係 及び 寝たきり度との関係 においても同様 ) 4

10 図 5 入所系施設における被虐待高齢者の認知症の程度と虐待種別の関係 8 73.5 82.6 なし / 自立 / Ⅰ(n=34) 6 54.1 55.9 Ⅱ(n=98) 4 2 35.3 34.7 27.7 20.6 22.4 23.9 10.0 11.9 8.8 4.1 4.1 0.0 2.4 1.8 1.6 0.9 Ⅲ(n=249) Ⅳ/ M(n=109) 入所系施設 は介護保険 3 施設 グループホーム 小規模多機能 有料老人ホーム 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 短期入所施設をさす 虐待種別は複数回答形式で集計 認知症の有無 程度が不明のケースを除く 被虐待高齢者の 認知症の程度 と 虐待の程度 ( 深刻度 ) との関係をみると 自立度 Ⅳ/M の方が なし / 自立 /Ⅰ より深刻度が高い傾向があった 統計 的有意差あり 図 6 Ⅳ/M(n=109) Ⅲ(n=249) Ⅱ(n=98) なし / 自立 / Ⅰ(n=34) 図 6 入所系施設における被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の深刻度の関係 47.7 48.6 60.2 70.6 19.3 24.1 20.4 21.1 14.7 22.1 14.3 5.5 2.42.8 14.7 6.4 4.1 1 深刻度 1 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 深刻度 5 2 4 6 8 10 入所系施設 は介護保険 3 施設 グループホーム 小規模多機能 有料老人ホーム 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 短期入所施設をさす 認知症の有無 程度が不明のケースを除く ( 要介護度との関係 ) 入所系施設における被虐待高齢者の 要介護度 と 虐待の種別 との関係をみると 要介護 2 以下において 身体的虐待を受ける割合が低かった 統計的有意差あり 図 7 25P 5

10 8 6 4 2 図 7 入所系施設における被虐待高齢者の要介護度と虐待種別の関係 73.5 66.7 57.1 42.0 30.0 23.3 16.5 8.7 9.8 50.0 8.3 36.2 33.5 21.8 20.2 20.0 2.92.4 0.0 1.3 3.0 20.3 11.8 14.3 7.7 要介護 1 以下 (n=30) 要介護 2 (n=69) 要介護 3 (n=170) 要介護 4 (n=234) 要介護 5 (n=168) 入所系施設 は介護保険 3 施設 グループホーム 小規模多機能 有料老人ホーム 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 短期入所施設をさす 虐待種別は複数回答形式で集計 要介護度が不明のケースを除く ( 寝たきり度との関係 ) 入所系施設における被虐待高齢者の 寝たきり度 と 虐待の種別 との関係をみると 寝たきり度 C において 身体的虐待を受ける割合が高く 心理的虐待を受ける割合が低かった 統計的有意差あり 図 8 26P 10 図 8 入所系施設における被虐待高齢者の寝たきり度と虐待種別の関係 8 6 4 2 77.3 70.2 57.5 53.8 39.2 30.8 15.4 14.9 14.2 11.8 30.2 15.1 15.4 6.7 0.02.53.30.8 3.31.9 J 以下 (n=13) A (n=120) B (n=215 C (n=119) 入所系施設 は介護保険 3 施設 グループホーム 小規模多機能 有料老人ホーム 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 短期入所施設をさす 虐待種別は複数回答形式で集計 寝たきり度が不明のケースを除く ( 施設種別との関係 ) 介護保険 3 施設 では 心理的虐待 が含まれるケースが他の施設種別よりも 低い 6

認知症対応型共同生活介護( グループホーム ) 小規模多機能型居宅介護等 では 経済的虐待 が含まれるケースが他の施設種別よりも低く 心理的虐待 が含まれるケースが高い その他入所系 では 経済的虐待 が含まれるケースが他の施設種別よりも低い 統計的有意差あり 図 9 26P 10 8 6 4 2 62.4 65.6 60.6 50.0 14.6 14.7 10.9 7.9 図 9 施設等種別ごとの虐待種別の関係 22.0 46.5 33.8 29.0 5.0 1.4 2.24.4 16.5 16.2 6.6 1.0 被虐待者ごとに集計 その他入所系 は有料老人ホーム 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 短期入所施設をさす 虐待種別は複数回答形式で集計 介護保険 3 施設 (n=419) GH 小規模多機能 (n=101) その他入所系 (n=183) 居宅系 (n=68) 施設等種別と虐待の深刻度の関係を見ると 居宅系 が他の施設種別より深刻度が高い 傾向があった 統計的有意差あり 図 10 図 10 施設等種別と虐待の深刻度の関係 居宅系 (n=68) その他入所系 (n=183) GH 小規模多機能 (n=101) 介護保険 3 施設 (n=419) 35.3 50.8 45.3 57.4 17.6 16.4 33.9 17.8 33.8 27.3 18.8 15.3 8.8 4.4 2.7 2.7 1.0 5.0 2.62.9 2 4 6 8 10 深刻度 1 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 深刻度 5 被虐待者ごとに集計 入所系施設 は 介護保険 3 施設 グループホーム 小規模多機能 有料老人ホーム 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 短期入所施設をさす 施設等種別が その他 のケースを除く (8) 虐待を行った養介護施設従事者等 ( 虐待者 ) の状況 虐待者の総数 444 人のうち 30~39 歳が 94 人 (21.2%) 30 歳未満が 86 人 7

女男 (19.4%) 40~49 歳が 71 人 (16.) 50~59 歳が 65 人 (14.6%) 職種は 介護職 が 358 人 (80.6%) であった 10~11P 虐待者の性別は 男性 233 人 (52.5%) 女性 208 人 (46.8%) であった 虐待者の男女比については 介護従事者全体 ( 介護労働実態調査 ) に占める男性の割合が 20.4% であるのに比して 虐待者に占める男性の割合が 52.5% であることを踏まえると 本調査での虐待者 の方が男性の割合が高い 統計的有意差あり 図 11 11P 26P 図 11 虐待者の性別と介護従事者の性別の比較 本調査での虐待者 (N=444) 52.5 46.8 0.7 男 女 介護従事者 (N=21,848) 20.4 77.8 1.8 不明 / 無回答 2 4 6 8 10 介護従事者 は介護労働安定センター 平成 27 年度介護労働実態調査 による 虐待者の男女別年齢について 介護従事者全体 ( 介護労働実態調査 ) に占める 30 歳未満 の男性の割合が 18.8% 女性の割合が 8.3% であるのに比して 虐待者に占める 30 歳未満 の男性の割合が 30. 女性の割合が 13.9% であることを踏まえると 本調査での虐待者 の方が男性は 30 歳未満 の割合が高く 女性は 30 歳未満 及び 50 歳以上 の割合が高い 統計的有意差あり 図 12 27P 図 12 虐待者と介護従事者の性別と年齢の比較 本調査での虐待者 (n=203) 30. 36.9% 17.2% 15.8% 介護従事者 本調査での虐待者 (n=173) 18.8% 13.9% 11. 39.4% 20.8% 23.7% 54.3% 18. 30 歳未満 30~39 歳 40~49 歳 介護従事者 8.3% 19.5% 30.5% 41.7% 50 歳以上 2 4 6 8 10 性別 年齢は 不明 を除く 介護従事者 は介護労働安定センター 平成 27 年度介護労働実態調査 による (9) 虐待の事実が認められた事例への対応状況 市町村等において 施設等への指導 改善計画の提出のほか 法の規定に基づく改 8

善勧告 指定効力の停止等の対応が取られていた 11~12P 3. 養護者による高齢者虐待 (1) 相談 通報者相談 通報者 29,396 人のうち 介護支援専門員 が 8,700 人 (29.6%) で最も多く 次いで 警察 5,174 人 (17.6%) 家族 親族 3,025 人 (10.3%) であった (1 件の事例に対し 相談 通報者が複数のケースあり ) 13P (2) 事実確認の状況 相談 通報の受理から事実確認開始までの期間の中央値は 0 日 ( 即日 ) であり 相談 通報の受理から虐待確認までの期間の中央値は 1 日 ( 翌日 ) であった 14P 相談 通報 27,799 件 ( 平成 26 年度中に相談 通報があったもののうち 平成 27 年度中に事実確認を行ったものを含む ) のうち 市町村の事実確認 26,929 件 (96.9%) は 訪問調査 18,298 件 (65.8%) 関係者からの情報収集 8,469 件 (30.5%) 立入調査 162 件 (0.6%) により実施された 14P (3) 虐待の発生要因 ( 市町村の任意 自由記載を集計 ) 虐待者の介護疲れ 介護ストレス が 1,320 件 (25.) で最も多く 虐待者の障害 疾病 1,217 件 (23.1%) 被虐待者の認知症の症状 852 件 (16.1%) であった ( 複数回答 ) 15~16P (4) 虐待の内容 養護者による被虐待高齢者の総数 16,423 人のうち 虐待の種別では 身体的虐待 が 10,939 人 (66.6%) で最も多く 次いで 心理的虐待 6,746 人 (41.1%) 介護等放棄 3,420 人 (20.8%) 経済的虐待 3,285 人 (20.) であった 図 13( 複数回答 ) 16~17P 8 6 4 2 図 13 高齢者虐待の種別の割合 66.6 41.1 20.8 20.0 0.4 身体的虐待 介護等放棄 心理的虐待 性的虐待 経済的虐待 被虐待高齢者の総数 16,423 人において 被虐待者ごとの虐待種別を複数回答形式で集計 虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合は 5 段階評価で 3- 生命 身体 生活に著しい影響 が 5,394 人 (32.8%) と最も多く 次いで 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 が 5,287 人 (32.2%) であった 一方 最も重い 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 は 1,338 人 (8.1%) を占めた 図 14 17P 9

図 14 高齢者虐待の程度 ( 深刻度 ) の割合 32.2 19.7 32.8 7.1 8.1 2 4 6 8 10 1- 生命 身体 生活への影響や本人意思の無視等 2 3- 生命 身体 生活に著しい影響 4 5- 生命 身体 生活に関する重大な危険 被虐待高齢者の総数 16,423 人における割合 (5) 被虐待高齢者の状況 被虐待高齢者は 総数 16,423 人のうち 女性が 12,615 人 (76.8%) 年齢は 80 ~84 歳が 3,955 人 (24.1%) 75~79 歳が 3,510 人 (21.4%) であった 要介護認定の状況は認定済みが 10,947 人 (66.7%) であり 要介護認定を受けた者を要介護度別に見ると 要介護 1 が 2,607 人 (23.8%) 要介護 2 が 2,405 人 (22.) 要介護 3 以上が 4,081 人 (37.2%) であった また 要介護認定者における認知症日常生活自立度 Ⅱ 以上は 7,549 人 (69.) 要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度 ( 寝たきり度 )A 以上は 7,434 人 (71.6%) であった 17~19P 被虐待高齢者の要介護度と虐待種別との関係では 身体的虐待 と 心理的虐待 では 要介護度が重い方の割合が低く 介護等放棄 ではその逆になる傾向がみられた 統計的有意差あり 図 15 27P 10 8 6 4 2 図 15 被虐待高齢者の要介護度と虐待の種別の関係 69.2 58.0 53.3 35.2 18.6 23.4 22.8 9.9 1.1 0.2 要支援 要介護認定済者から要介護度不明の21 人を除く 虐待種別は複数回答形式で集計 要支援 1 (n=878) 要支援 2 (n=955) 要介護 1 (n=2,607) 要介護 2 (n=2,405) 要介護 3 (n=1,917) 要介護 4 (n=1,340) 要介護 5 (n=824) 10

被虐待高齢者の要介護度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係では 要介護度が重い場合に深刻度が高い 統計的有意差あり 図 16 28P 図 16 被虐待高齢者の要介護度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係 要介護 5 (n=824) 29.0 18.7 34.7 7.3 10.3 深刻度 1 要介護 4 (n=1,340) 27.1 18.3 36.3 9.3 9.0 深刻度 2 要介護 3 (n=1,917) 28.4 19.1 36.9 7.4 8.1 深刻度 3 要介護 2 (n=2,405) 31.6 21.2 34.0 6.2 6.9 深刻度 4 要介護 1 (n=2,607) 35.1 19.8 32.0 6.9 6.3 深刻度 5 要支援 2 (n=955) 35.8 21.3 31.5 4.0 7.4 要支援 要介 護認定済者か 要支援 1 (n=878) 35.3 20.4 31.9 6.0 6.4 ら要介護度不 明の21 人を除 2 4 6 8 10 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待種別の関係をみると 被虐待高齢者に認知症 がある場合 介護等放棄 を受ける割合が高い 一方 心理的虐待 を受ける割 合は低い 統計的有意差あり 図 17 28P 10 8 6 71.3 63.7 図 17 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待種別の関係 49.4 介護保険未申請 申請中 自立 (n=5,454) 要介護認定済み / 認知症なし 自立度 Ⅰ (n=3,175) 認知症自立度 Ⅱ (n=3,670) 4 2 31.1 28.1 20.9 20.9 18.1 13.5 0.6 0.3 0.3 認知症自立度 Ⅲ 以上 (n=3,533) 介護保険申請状況 認知症の有無 程度が不明のケースを除く 虐待種別は複数回答形式で集計 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の程度 ( 深刻度 ) の関係をみると 介護保 険未申請 申請中 自立 において 深刻度 5 の割合が全体に比べて高い 統 計的有意差あり 図 18 28~29P 11

図 18 被虐待高齢者の認知症の程度と虐待の深刻度の関係 認知症自立度 Ⅲ 以上 (n=3,533) 27.5 19.3 37.1 7.7 8.3 深刻度 1 認知症自立度 Ⅱ (n=3,670) 要介護認定済み / 認知症なし 自立度 Ⅰ (n=3,175) 31.9 35.1 21.1 20.3 33.8 31.3 7.0 6.2 5.8 7.5 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 介護保険未申請 申請中 自立 (n=5,454) 32.8 19.4 30.7 7.6 9.4 深刻度 5 介護保険申請状況 認知症の有無 程度が不明のケースを除く 2 4 6 8 10 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待種別の関係をみると 被虐待高齢者の寝たきり 度が高い場合 介護等放棄 及び 経済的虐待 を受ける割合が高い 一方で 身 体的虐待 及び 心理的虐待 は低い 統計的有意差あり 図 19 29P 10 8 6 4 2 図 19 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待種別の関係 69.5 53.5 46.8 41.9 26.5 22.2 19.1 15.7 0.2 0.7 0.2 自立 (n=440) J (n=2,502) A (n=4,246) B (n=2,363) C (n=825) 介護保険申請状況 寝たきり度が不明のケースを除く 虐待種別は複数回答形式で集計 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待の深刻度の関係をみると 被虐待高齢者の寝た きり度が高い場合 虐待の深刻度が重い 統計的有意差あり 図 20 29P C (n=825) B (n=2,363) A (n=4,246) J (n=2,502) 自立 (n=440) 図 20 被虐待高齢者の寝たきり度と虐待の程度 ( 深刻度の ) 関係 25.2 16.1 37.7 8.2 12.7 27.6 19.9 36.0 8.5 8.0 31.8 21.3 34.2 6.6 6.1 35.5 20.3 31.7 5.4 7.1 39.1 19.5 28.9 5.9 6.6 2 4 6 8 10 深刻度 1 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 深刻度 5 介護保険申請状況 寝たきり度が不明のケースを除く 12

介護保険サービスを受けているケースでは 虐待の程度 ( 深刻度 ) が低い 深刻度 1 及び 深刻度 2 の割合が全体に比べて高く 深刻度 5 の割合が低かった 判断時点では受けていないケースでは 深刻度 1 及び 深刻度 2 の割合が全体に比べて低く 深刻度 5 の割合が高い 過去も含めて受けていないケースでは 深刻度 5 の割合が全体に比べて高い 統計的有意差あり 図 21 30P 図 21 被虐待高齢者の介護保険サービスの利用状況と虐待の深刻度の関係 介護サービスを受けている (n=8,773) 過去受けていたが判断時点では受けていない (n=409) 過去も含め受けていない (n=1,711) 32.3 26.2 30.7 15.2 20.6 17.2 38.1 34.9 33.6 6.7 6.9 9.0 11.5 7.2 9.9 深刻度 1 深刻度 2 深刻度 3 深刻度 4 深刻度 5 2 4 6 8 10 要支援 要介護認定済者のうち 介護保険サービスの利用状況が不明なケースを除く 10 8 6 4 2 介護保険サービスを受けているケースでは 相談 通報者に 介護支援専門員 ( ケ アマネジャー ) 介護保険事業所職員 が含まれている割合が他のケースに比べて 高かった 過去受けていたが判断時点では受けていないケースでは 相談 通報者 に 医療機関従事者 家族 親族 が含まれている割合が他のケースに比べて高か った 過去も含めて受けていないケースでは 相談 通報者に 医療機関従事者 近隣住民 知人 民生委員 被虐待者本人 家族 親族 虐待者自身 当該 市町村職員 警察 が含まれている割合が他のケースに比べて高かった 統計的 有意差あり 図 22 29~30P 図 22 被虐待高齢者の介護保険サービスの利用状況と相談 通報者の関係 介護サービスを受けている (n=8,773) 過去受けていたが判断時点では受けていない (n=409) ( ケ介 介護 医療 近隣 民生 被虐 家族 虐待 当該 警察 その 過去も含め受けて ア護マ支保険機関住民委員待者 親者自市町 他 いない (n=1,711) ャ門ー員 ) ネ援ジ専 所職員事業 者従事 人 知 本人 族 身 政職員村行 要支援 要介護認定済者のうち 介護保険サービスの利用状況が不明なケースを除く また相談 通報者の区分中 不明 を除く 13

虐待を行った養護者 ( 虐待者 ) との同居の有無では 虐待者とのみ同居 が 8,086 人 (49.2%) で最も多く 虐待者及び他家族と同居 の 6,142 人 (37.4%) を含めると 14,228 人 (86.6%) が同居している事例であった 20P 家族形態は 未婚の子と同居 が 5,421 人 (33.) で最も多く 次いで 夫婦のみ世帯 3,525 人 (21.5%) 子夫婦と同居 2,491 人 (15.2%) の順であった 20P 被虐待高齢者からみた虐待者の続柄は 息子 が 7,099 人 (40.3%) で最も多く 次いで 夫 3,703 人 (21.) 娘 2,906 人 (16.5%) であった 図 23 20P 図 23 被虐待者からみた虐待者の続柄娘の配偶者 ( 婿 ), 1.6% その他, 4.4% 不明, 0.1% 兄弟姉妹, 2.2% 息子の配偶者 ( 嫁 ), 4.3% 孫, 4. 妻, 5.6% 息子, 40.3% 娘, 16.5% 夫, 21. 虐待者の総数 17,614 人における割合 (6) 虐待への対応策 虐待事例への市町村の対応は 被虐待高齢者の保護として虐待者からの分離 が 6,381 人 (29.2%) の事例で行われた そのうち 介護保険サービスの利用 が 2,153 人 (33.7%) で最も多く 次いで すまい 施設等の利用 ( 入院 一時保護等を除く ) が 1,138 人 (17.8%) 医療機関への一時入院 が 997 人 (15.6%) であった 一方 分離していない事例では 養護者に対する助言 指導 が 5,795 件 (52.4%) で最も多く 次いで ケアプランの見直し 2,871 件 (26.) であった 21~22P 権利擁護に関しては 成年後見制度の 利用開始済み が 845 人 利用手続き中 が 456 人であり これらを合わせた 1,301 人のうち市町村長申立は 749 人 (57.6%) であった 22P (7) 虐待等による死亡事例介護をしている親族による 介護をめぐって発生した事件で 被介護者が 65 歳以 14

上 かつ虐待等により死亡に至った事例 ( 平成 27 年度中に発生 市町村把握 ) は 養護者による殺人 7 件 7 人 介護等放棄 ( ネグレクト ) による致死 6 件 6 人 虐待( ネグレクトを除く ) による致死 5 件 5 人 心中 1 件 1 人 その他 1 件 1 人で 合わせて 20 件 20 人であった 表 2 22P 表 2 高齢者虐待の年度別虐待による死亡例の推移 年度 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 虐待等によ 件数 31 27 24 31 21 21 26 21 25 20 る死亡例 人数 32 27 24 32 21 21 27 21 25 20 4. 市町村における高齢者虐待防止対応のための体制整備等について (1) 市町村における体制整備等の実施率及び取組状況平成 27 年度で 高齢者虐待の対応の窓口となる部局の住民への周知 が 1,403 市町村 (80.6%) で実施となっている 一方 高齢者虐待防止ネットワークの構築のうち 行政機関 法律関係者 医療機関等からなる 関係専門機関介入支援ネットワーク の構築への取組が 855 市町村 (49.1%) 介護保険サービス事業者等からなる 保健医療福祉サービス介入支援ネットワーク の構築への取組が 865 市町村 (49.7%) と半数程度に止まっている 23P 実施済みの取組内容を把握したところ 各市町村の実情に応じて 各地域に存在する社会資源を効果的に活用しながら取り組んでいる 24P (2) 取組状況と相談 通報件数及び虐待判断件数の関連市町村における 14 項目の取組状況と養護者虐待に関する相談 通報件数及び虐待確認件数の各々との関連をみると 取組の項目が多く行われている市町村では高齢者人口比当たりの件数がいずれも多く 取組の項目が少ない市町村ではいずれも少ない傾向であった 統計的有意差あり 32~34P 添付資料 調査結果全文 15