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所得税確定申告セミナー

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定にかかわらず 当該都市計画税額とする 5 住宅用地のうち当該住宅用地の当該年度の負担水準が 0.8 以上のものに係る平成 21 年度から平成 23 年度までの各年度分の都市計画税の額は 第 2 項の規定にかかわらず 当該住宅用地に係る当該年度分の都市計画税額が 当該住宅用地の当該年度分の都市計画税

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○H30条例19-1

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することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

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平成16年版 真島のわかる社労士

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固定資産税等の概要及び税収動向等 3-1

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04-1 固定資産税

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目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

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第 5 章 N

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スライド 1

(3) 評価替え土地と家屋については, 原則として, 基準年度 (3 年ごと ) に評価替えを行い, 賦課期日 (1 月 1 日 ) 現在の価格を固定資産課税台帳に登録します 第 2 年度と第 3 年度は, 新たな評価を行わないで, 基準年度の価格をそのまま据え置きます ( 平成 30 年度が基準年

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固定資産評価審査申出とは

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

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生産緑地制度の概要 市街化区域内の農地で 良好な生活環境の確保に相当の効用があり 公共施設等の敷地に供する用地として適している 500 m2以上 *1 の農地を都市計画に定め 建築行為や宅地の造成を許可制により規制し 都市農地の計画的な保全を図る 市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し 生産緑

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11総法不審第120号

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湯河原町訓令第  号

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エ. 納税義務者数の推移 単位 : 人平成 納税義務者数土地 63,685 納 税 義 務 者 数 の 推 移 単位 : 人 土地 償却資産 6,582 61,53 61,587 62,552 63,69 63,685 償却資産 2,2 1,77 1,786 1,798 1,827 1,894 2,

Microsoft Word - 第58号 二世帯住宅の敷地にかかる小規模宅地等の特例

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p43-48 (不動産取得税)

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平成 29 年度税制改正解説資産課税 納税義務の見直し 1 国外財産に関する相続税 贈与税の納税義務の範囲が見直されます 被相続人が日本国籍を有しない者であって 一時的滞在 ( 2) をしていたものを除く 2

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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販売用不動産の時価評価の基準(案)と論点

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

価格 ( 評価額 ) 固定資産の価格は, 総務大臣が定めた固定資産評価基に基づき評価し, 価格を決定します 価格は 3 年ごとに評価替え ( 価格の見直し ) を行っており, この評価替え年度を基年度といいます 平成 30 年度がこの基年度に当たり, 全ての土地 家屋について新しい価格が決定しました

Q&A 〇税制度 Q1 生産緑地地区の指定を受けると 固定資産税は農地評価と聞いていますが 都市計画税はどうでしょうか A1 固定資産税 都市計画税が農地評価 農地課税となります Q2 主たる従事者の死亡や故障等により 生産緑地地区の指定から 30 年経過せずに指定が解除された場合 固定資産税を遡っ

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

住宅借入金等特別控除の入力編

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2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

Transcription:

第 68 回税理士試験 解答速報 固定資産税 本解答は平成 30 年 8 月 10 日 16 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので 予告なしに内容を変更する場合があります また 本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成 / 提供しており 試験機関による本試験の結果等について保証するものではありません 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します 無断転用 転載を禁じます

本試験模範解答 固定資産税 第一問 問 1 1 区分所有家屋に対して課する固定資産税 (1) 内容 1 区分所有家屋に対して課する固定資産税については 区分所有法に規定する専有部分に係る区分所有者は 共有物等に係る連帯納税義務の規定にかかわらず 当該区分所有家屋の固定資産税額を 専有部分の床面積 ( 一部共用部分については 当該一部共用部分算入後の床面積 ) の割合 ( 専有部分の天井の高さ 附帯設備の程度又は仕上部分の程度に著しい差違がある場合には その差違に応じて当該割合を補正した割合 ) により按分した額を 納付する義務を負う (6 点 ) 2 区分所有家屋のうち 居住用超高層建築物に対して課する固定資産税については 当該居住用超高層建築物の専有部分に係る区分所有者は 共有物等に係る連帯納税義務の規定にかかわらず 当該居住用超高層建築物の固定資産税額を 次に掲げる専有部分の区分に応じ 当該区分に係る専有部分の床面積の当該居住用超高層建築物のすべての専有部分の床面積の合計に対する割合 ( 専有部分の天井の高さ 附帯設備の程度又は仕上部分の程度に著しい差違がある場合には その差違に応じて当該割合を補正した割合 ) により按分した額を 納付する義務を負う ( イ ) 人の居住の用に供する専有部分当該専有部分の床面積 ( 一部共用部分については 当該一部共用部分算入後の床面積 ( ロ ) において同じ ) を階層別専有床面積補正率 ( 全国における居住用超高層建築物の各階ごとの取引価格の動向を勘案して総務省令で定めるものをいう ) により補正した床面積 ( ロ )( イ ) 以外の専有部分当該専有部分の床面積 (6 点 ) (2) みなす規定区分所有法の規定による規約により区分所有者又は管理者が所有する共用部分については 当該共用部分を当該区分所有者全員 ( 一部共用部分については それらの区分所有者全員 ) で共有するものとみなして (1) の規定を適用する (1 点 ) 2 共用土地に対して課する固定資産税 (1) 共用土地の意義共用土地とは 区分所有家屋の敷地の用に供されている土地をいう (1 点 ) (2) 特定共用土地 1 内容特定共用土地 ( 共用土地のうち ( イ ) 及び ( ロ ) の要件を満たすものをいう ) に対して課する固定資産税については 共用土地納税義務者 ( 共用土地の納税義務者で当該家屋の各区分所有者であるものをいう ) は 共有物等に係る連帯納税義務の規定にかかわらず 当該特定共用土地の固定資産税額を各共用土地納税義務者の当該特定共用土地の持分割合 ( 当該特定共用土地が住宅用地である部分及び住宅用地以外である部分を併せ有する土地である場合その他一定の場合には 当該割合を補正した割合 ) により按分した額を 納付する義務を負う ( イ ) 区分所有家屋の区分所有者全員により共有されていること ( ロ ) 各共用土地納税義務者の当該共用土地の持分割合が 区分所有者全員で共有する共用部分に係る持分割合と一致していること (6 点 ) 2 みなす規定 1

区分所有者全員で共有する共用部分がない場合には 1 (2) の規定を準用する (1 点 ) (3) 準ずる割合による按分 (2)1( イ ) の要件を満たす共用土地で (2)1( ロ ) の要件を満たさないものに対して課する固定資産税については 各共用土地納税義務者は 共有物等に係る連帯納税義務の規定にかかわらず 当該共用土地の固定資産税額を市町村長が認めた (2)1 に準ずる割合により按分した額を 納付する義務を負う (4 点 ) 問 2 1 概要以下の場合 平成 30 年度の固定資産税額が平成 31 年度において変動する (1) 税率が変更される場合 (2) 法附則 17 の2 の修正基準により価格が修正される場合 (3) 負担調整措置による場合 (4) 減免措置の適用を受けなくなる場合 又は新たに適用を受ける場合 (5) 減額措置の適用を受けなくなる場合 又は新たに適用を受ける場合 (6) 地目の変換がある場合 2 内容 (1) について固定資産税の標準税率は 100 分の1.4 と定められているが 市町村は 財政上その他の必要がある場合には これと異なる税率を定めることができる したがって 市町村が税率を引き上げる場合には税額は増加し 引き下げる場合には減少する (3 点 ) (2) について当該市町村の区域内の自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において地価が下落し かつ 市町村長が当該土地の修正前の価格を固定資産税の課税標準とすることが固定資産税の課税上著しく均衡を失すると認める場合には 平成 31 年度分又は平成 32 年度分の固定資産税に限り 修正価格で土地課税台帳等に登録されたものを 当該年度分の課税標準とする したがって 修正基準により価格が修正される場合には税額は減少する (4 点 ) (3) について 1 宅地等調整固定資産税額平成 31 年度分の固定資産税額が 下記の算式により算定した宅地等調整固定資産税額を超える場合には 当該宅地等調整固定資産税額とする 前年度課税標準額 + 平成 31 年度分の価格 5 100 税率したがって 宅地等調整固定資産税額の適用を受ける場合には税額は増加する (4 点 ) 2 商業地等調整固定資産税額商業地等のうち その負担水準が 0.7 を超えるものについては 1の規定にかかわらず 平成 31 年度分の価格に 10 分の 7を乗じた額を課税標準となるべき額として固定資産税を課する したがって 商業地等調整固定資産税額の適用を受ける場合には税額は減少する (4 点 ) (4) について市町村長は 天災その他特別の事情がある場合に固定資産税の減免を必要とする者 貧困により生活のため公私の扶助を受ける者 その他特別の事情がある者に限り 当該市町村の条例の定めるところにより 固定資産税を減免することができる 2

したがって 減免措置の適用を受けなくなる場合には税額は増加し 新たに適用を受ける場合には税額は減少する (3 点 ) (5) について法附則 21 法附則 21 の2その他一定の減額措置の適用を受けなくなる場合には税額は増加し 新たに適用を受ける場合には税額は減少する (4 点 ) (6) について商業地等間における地目の変換があった場合には 評価替えが行われることにより 価格が上がる場合には税額は増加し 価格が下がる場合には税額は減少する (3 点 ) 3

第二問 採点箇所 4 点 3 点 2 点 問 1 A 市 計算過程 B 市 84,900 円 120,546 円 - 平成 30 年度分 A 市所在分 - ( 単位 : 円 ) < 田 土地 X> (1) 農地の判定 特定市街化区域農地 (2) 平成 29 年度分 1 みなし前年度課税標準額 15,000,000 2 本来の税額 ( イ )48,000,000 1 3 =16,000,000 ( ロ )( イ ) 0.2=3,200,000 ( ハ )( ロ ) 1.4 100 =44,800 3 調整税額 ( イ )1+2( イ ) 5 100 = 15,800,000 100 =221,200 4 判定 2 3 (3) 平成 29 年度分の仮定計算 1 みなし前年度課税標準額 15,000,000 2 本来の税額 ( イ )16,000,000 100 =224,000 3 調整税額 221,200 4 判定 2>3 5 下限 2( イ ) 0.2 1.4 100 =44,800 本則課税 221,200 44,800 15,800,000 (4) 平成 30 年度分 下限の判定を行う 4

1 前年度課税標準額 15,800,000 2 本来の税額 ( イ )45,500,000 1 3 =15,166,666 ( ロ )( イ ) 0.4=6,066,666 ( ハ )( ロ ) 1.4 100 =84,933 3 調整税額 ( イ )1+2( イ ) 5 100 = 16,558,333 100 =231,816 4 判定 2 3 < 固定資産税額 > (1) 課税標準額 (2) 税額 6,066,666 300,000 6,066,666 6,066,000 円 ( 千円未満切捨 ) (1) 1.4 100 =84,924 84,900 円 ( 百円未満切捨 ) - 平成 30 年度分 B 市所在分 - < 畑 土地 Y> (1) 農地の判定 一般農地 (2) 平成 29 年度分 1 前年度課税標準額 55,000 2 負担水準 ( イ ) 1 67,000 =0.82 ( ロ )0.8 ( イ )<0.9 負担調整率 1.05 3 本来の税額 ( イ )67,000 100 =938 4 調整税額 ( イ )1 1.05=57,750 5

100 =808 5 判定 3>4 57,750 (3) 平成 30 年度分 1 前年度課税標準額 57,750 2 負担水準 ( イ ) 1 69,000 =0.83 ( ロ )0.8 ( イ )<0.9 負担調整率 1.05 3 本来の税額 ( イ )69,000 100 =966 4 調整税額 ( イ )1 1.05= 60,637 100 =848 5 判定 < 宅地 土地 Z> (1) 宅地の区分 3>4 60,637 1 住宅用地の判定 180 m2 2+400 m2 3=1,560 m2 1,560 m2+440 m2 1,560 m2 =200 156 B 100 m2 200 156 =128.20 m2 F 400 m2 200 156 =512.82 m2 H 80 m2 200 156 =102.56 m2 128.20 m2+512.82 m2+102.56 m2 = 743.58 m2 2,000 m2 2,000 m2 1 4 2 住宅用地の面積 ( イ )2,000 m2 10=20,000 m2 2,500 m2 2,500 m2 ( ロ ) 1 4 743.58 m2 2,000 m2 <1 2 0.5 ( ハ )( イ ) ( ロ )=1,250 m2 1,250 m2 3 宅地の区分 適用あり 6

小規模住宅用地 1,250 m2 >200 m2住居の数 3 1,250 m2 >200 m2 200 m2 3=600 m2 3 一般住宅用地 1,250 m2-600 m2 =650 m2 650 m2 非住宅用地 2,500 m2-1,250 m2 =1,250 m2 1,250 m2 (2) 小規模住宅用地 1 前年度課税標準額 ( 法附則 18 の 3) 19,000,000 600 m2 2,500 m2 970 億 = 737,200 6,000 億 2 本来の税額 ( イ )23,600,000 600 m2 2,500 m2 1 6 =944,000 100 =13,216 3 調整税額 ( イ )1+2( イ ) 5 100 =784,400 100 =10,981 4 判定 2>3 5 下限 2( イ ) 0.2 1.4 100 =2,643 10,981 2,643 784,400 (3) 一般住宅用地 下限の判定を行う 1 前年度課税標準額 ( 法附則 18 の 3) 19,000,000 650 m2 2,500 m2 164 億 =1,373,152 590 億 2 本来の税額 ( イ )23,600,000 650 m2 2,500 m2 1 3 =2,045,333 100 =28,634 3 調整税額 ( イ )1+2( イ ) 5 100 = 1,475,418 100 =20,655 7

4 判定 2>3 5 下限 2( イ ) 0.2 1.4 100 =5,726 下限の判定を行う 20,655 5,726 1,475,418 (4) 非住宅用地 1 平成 29 年度分 ( イ ) 前年度課税標準額 11,000,000 ( ロ ) 負担水準 イ ( イ ) 19,000,000 =0.57 ロ イ <0.6 引き上げ措置 ( ハ ) 本来の税額 イ 19,000,000 ロ イ 1.4 100 =266,000 ( ニ ) 調整税額 イ ( イ )+( ハ ) イ 5 100 =11,950,000 ロ イ 1.4 100 =167,300 ( ホ ) 判定 ( ハ )>( ニ ) 上限 下限の判定を行う ( ヘ ) 上限 下限 イ ( ハ ) イ 0.2 1.4 100 =53,200 ロ ( ハ ) イ 0.6 1.4 100 =159,600 167,300> ロ ( ハ ) イ 0.6=11,400,000 2 平成 30 年度分 ( イ ) 前年度課税標準額 11,400,000 1,250 m2 2,500 m2 =5,700,000 ( ロ ) 負担水準 イ ( イ ) 23,600,000 1,250 m2 =0.48 2,500 m2 ロ イ <0.6 引き上げ措置 8

( ハ ) 本来の税額 イ 23,600,000 1,250 m2 2,500 m2 =11,800,000 ロ イ 1.4 100 =165,200 ( ニ ) 調整税額 イ ( イ )+( ハ ) イ 5 100 =6,290,000 ロ イ 1.4 100 =88,060 ( ホ ) 判定 ( ハ )>( ニ ) 上限 下限の判定を行う ( ヘ ) 上限 下限 イ ( ハ ) イ 0.2 1.4 100 =33,040 ロ ( ハ ) イ 0.6 1.4 100 =99,120 イ 88,060 ロ 6,290,000 < 固定資産税額 > (1) 課税標準額 (2) 税額 60,637+784,400+1,475,418+6,290,000=8,610,455 300,000 (1) 1.4 100 =120,546 問 2 A 市 B 市 C 市 D 市 18,214,600 円 7,969,100 円 24,162,700 円 5,140,800 円 計算過程 - 平成 30 年度分 - < 価格等 > 船舶甲 (1) 価格 ( 平成 30 年度 ) (2) 特例 572,000,000-572,000,000 0.142 2 =531,388,000 ( 単位 : 円 ) (1) 1 2 =265,694,000 9

船舶乙 (1) 価格 1 平成 27 年度 200,000,000-200,000,000 0.162 2 =183,800,000 2 平成 28 年度 1-1 0.162=154,024,400 3 平成 29 年度 2-2 0.162=129,072,447 4 平成 30 年度 (2) 特例 船舶丙 (1) 価格 3-3 0.162=108,162,710 (1) 1 2 1 3 =18,027,118 1 平成 29 年度 888,000,000-888,000,000 0.162 2 =816,072,000 2 平成 30 年度 (2) 特例 車両戊 1-1 0.162=683,868,336 (1) 1 6 1 3 =37,992,685 (1) 価格 ( 平成 30 年度 ) (2) 特例 < 配分 > 船舶甲 425,000,000 (1) 1 3 =141,666,666 総トン数が 3,000 トン未満 かつ 入港回数がすべて 5 回未満 入港回数が最も多い C 港所在の C 市に全額配分 船舶乙 10 回 +5 回 =15 回 A B 18,027,118 10 回 =12,018,078 15 回 5 回 = 6,009,039 15 回 10

船舶丙 5 回 2+6 回 +4 回 =20 回 A B C 37,992,685 10 回 =18,996,342 20 回 6 回 =11,397,805 20 回 4 回 =7,598,537 20 回 鉄道丁 70 km +30 km +80 km +20 km =200 km A B C D 3,500,000,000 70 km 200 km =1,225,000,000 30 km 200 km =525,000,000 80 km 200 km =1,400,000,000 20 km 200 km = 350,000,000 車両戊 (1) 単線換算キロ数による按分 70 km +30 km +80 km +20 km =200 km A B C D 141,666,666 1 2 (2) 走行キロ数による按分 70 km 200 km =24,791,666 30 km 200 km =10,624,999 80 km 200 km =28,333,333 20 km 200 km =7,083,333 1,000 km +800 km +1,200 km +500 km =3,500 km A B 141,666,666 1 2 C D (3)(1)+(2) A 45,029,761 1,000 km 3,500 km = 20,238,095 800 km 3,500 km =16,190,476 1,200 km 3,500 km =24,285,714 500 km 3,500 km =10,119,047 11

B 26,815,475 C 52,619,047 D 17,202,380 < 固定資産税額 > (1) 課税標準額 (2) 税額 A 12,018,078+18,996,342+1,225,000,000+45,029,761=1,301,044,181 1,500,000 B 6,009,039+11,397,805+525,000,000+26,815,475=569,222,319 1,500,000 C 265,694,000+7,598,537+1,400,000,000+52,619,047=1,725,911,584 1,500,000 D 350,000,000+17,202,380=367,202,380 1,500,000 A B C D (1) 1.4 100 =18,214,616 =7,969,108 =24,162,754 =5,140,828 A 1,301,044,000 円 ( 千円未満切捨 ) B 569,222,000 円 ( ) C 1,725,911,000 円 ( ) D 367,202,000 円 ( ) A 18,214,600 円 ( 百円未満切捨 ) B 7,969,100 円 ( ) C 24,162,700 円 ( ) D 5,140,800 円 ( ) 12

合格ラインの読み 第二問 については 問 2について多少戸惑うところもあったと思いますが 与えられた資料の確認により最終値を合わせることができれば大きなアドバンテージになるでしょう 第一問 については 個別理論からの出題である問 1は大きく差が付かない可能性が高いと思われます また 問 2については 如何に題意に当てはまる事例を 1つでも多く掲げることが出来たかが重要と思われます 以下に合格のための要素 判断基準を設問ごとにまとめておきましたので 参考にしてください 第一問 問 1は 区分所有家屋 ( 居住用超高層建築物を含む ) 及びその敷地の用に供されている土地に対する課税方法 について出題されましたが 個別形式のため精度の高い解答が必要となるでしょう 問 2は 商業地等に係る固定資産税額の変動 に関する知識を問う問題でした いわゆる税負担の変動を問う形式の出題は過去にも数回ありますが 高い理解度が求められるため もれなく解答を掲げることは困難でしょう 問いに当てはまる事例を検討させる形式は 単に規定を列挙すれば良いとは限らず 1つでも多くの事例を題意に沿った形で掲げることができればアドバンテージになると思われます なお 模範解答において 税額の増加又は減少の双方が考えられるケースについては いずれかの取扱いが言及できていれば問題ないと思われます 第二問 問 1は 農地の税額計算 及び 宅地の税額計算 からの出題であり いずれも基本論点からの出題でしたので 最終値を合わせたいところです なお 解答要求事項が 土地に係る税額計算であったため 最終値について 土地のみ所在する A 市分は千円未満切捨 百円未満切捨を行いますが 家屋も所在する B 市分はこれらの端数処理を行わないことが正確な解答となります しかし 過去の実績から B 市分について端数処理を行ったとしても大勢に影響はないと思われます 問 2は 償却資産の評価 課税標準の特例 価格等の配分 をテーマとする問題でした 問 1 同様 基本論点からの出題でしたが 近年続いている参考資料が与えられ これに基づく解答を行う形式でした 特に課税標準の特例は 資産の判定が絡むため慎重な読み取りが必要であり ここを突破し最終値を合わせた方は大きなアドバンテージとなるでしょう なお 船舶甲の C 市のみの配分 の論点は初出題でしたが しっかり対策を立てていたテーマであり ここでのミスも許されないものと思われます 以上のことから 受験生全体の出来にもよりますが ボーダーラインは 第一問 では 32 点 第二問 では 43 点 合計で 75 点になると予想されます また 合格確実ラインは 85 点となります 13

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